JP2009193136A - 電子機器冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】水を使用することなく、キャビネット内に熱負荷の異なる電子機器が混在して収納された場合でも電子機器を効果的に冷却する。
【解決手段】電子機器冷却システム1は、ファン4付きの複数の電子機器3を上下に配列して収納するための前面及び後面が開口したキャビネット11を備え、キャビネット11の後面開口65には通気可能なリアドア12を備え、リアドア12と電子機器3との間には冷凍サイクルを構成する蒸発器21を配置し、この蒸発器21はフィンアンドチューブ型の蒸発器であり、上下に配列した全ての電子機器3に対応するように冷媒配管27A〜27Cが縦に延在する構成とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、キャビネットに収容された電子機器に付設したファンで送風される空気を冷却する電子機器冷却システムに関する。
一般に、複数の電子機器が上下に配列して収容されるためのキャビネットの空気出口側に空気−水熱交換器を配置し、キャビネットに収容された電子機器に付設したファンで送風される空気を上記空気−水熱交換器で冷却して室内に戻す電子機器冷却システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の電子機器冷却システムはコンピュータルームに設置され、コンピュータルームに設置されるサーバコンピュータ(以下、単に「サーバ」と言う)やネットワーク機器を冷却する。
米国特許出願公開第2006/0232945号明細書
ところで、電子機器は水に弱いため、コンピュータルームには水を持ち込まないことが望ましい。このため、チラー水が循環する空気−水熱交換器の代わりに、冷凍サイクルを構成して冷媒が循環するいわゆるフィンアンドチューブ型の蒸発器を設けるものが案出されている。
また、複数の電子機器から上記ファンで蒸発器に送風される空気の温度(熱負荷)は、電子機器の種類や稼動状態によってそれぞれ異なる場合がある。さらに、キャビネットに収容可能な電子機器の台数の全てが設置されるとは限らない。
蒸発器を備える電子機器冷却システムでは、蒸発器の冷媒流路は一の冷媒配管から複数の冷媒配管に分岐する冷媒回路に形成され、複数の電子機器が蒸発器の冷媒配管にそれぞれ並列に設置される。これら複数の冷媒配管を流れる冷媒の量は一つの膨張弁で調節されるため、並列の冷媒回路に熱負荷が大きい電子機器と熱負荷の小さい電子機器とが混在して並設されると、熱負荷の小さい電子機器に合わせてその冷媒回路全体の冷媒の量が調節されてしまい、熱負荷の高い電子機器が充分に冷却されないという問題があった。
また、並列の冷媒回路内に電子機器が並設されない冷媒配管があると、その冷媒配管に合わせてその冷媒回路に供給される冷媒の量が極端に減少し、その冷媒回路に並設する他の電子機器がほとんど冷却されない。
そこで、本発明の目的は、水を使用することなく、キャビネット内に熱負荷の異なる電子機器が混在して収納された場合でも、電子機器を効果的に冷却することができる電子機器冷却システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の電子機器冷却システムは、ファン付きの複数の電子機器を上下に配列して収納するための前面及び後面が開口したキャビネットを備え、該キャビネットの後面開口には通気可能なリアドアを備え、該リアドアと前記電子機器との間には冷凍サイクルを構成する蒸発器を配置し、この蒸発器はフィンアンドチューブ型の蒸発器であり、上下に配列した全ての電子機器に対応するように冷媒配管が縦に延在することを特徴とする。
上記構成によれば、本発明の電子機器冷却システムは、リアドアと電子機器との間にフィンアンドチューブ型の蒸発器を備え、この冷凍サイクルを構成する蒸発器には、冷凍サイクルを循環する冷媒が供給されるため、万一冷媒が循環する経路から漏れが生じたとしても、電子機器等を保護できる。また、リアドアと電子機器との間に設けられた蒸発器には、上下に配列した全ての電子機器に対応するように冷媒配管が縦に延在するため、本発明の電子機器冷却システムは、キャビネット内に熱負荷の異なる電子機器が混在して収納された場合でも、ファンで送風される電子機器の排熱を含む空気を効果的に冷却することができるとともに、一つの膨張弁で冷媒の量を調節できるのでコストを削減することができる。さらに、電子機器の排熱を含む空気が蒸発器で冷却されて室内に戻るため、電子機器が発する熱によって室温が過剰に上昇することや、室内に温度分布が発生することが防止される。
上記構成において、前記複数の電子機器における前記ファンにより送風される空気の吹出口が縦一列に配列され、前記冷媒配管は該一列に対応する幅で縦に延在することが好ましい。
上記構成によれば、複数の電子機器におけるファンにより送風される空気の吹出口が縦一列に配列され、冷媒配管は吹出口の列に対応する幅で縦に延在するので、電子機器の吹出口から吹き出される電子機器の排熱を含む空気が効果的に冷却される。
上記構成において、本発明の電子機器冷却システムは、前記蒸発器の冷媒流路を多パスとし、前記吹出口の略中央を通る冷媒配管の直径が他の冷媒配管の直径よりも太く形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、蒸発器の冷媒流路が多パスに形成され、電子機器の吹出口の略中央を通る冷媒配管の直径が他の冷媒配管の直径よりも太く形成されているので、吹出口の略中央を通る冷媒配管に冷媒がより多く流れ、吹出口から吹き出される電子機器の排熱を含む空気が効果的に冷却される。
本発明によれば、フィンアンドチューブ型の蒸発器がキャビネットのリアドアと電子機器との間に配置され、キャビネット内に上下に配列した全ての電子機器に対応するように冷媒配管が縦に延在するので、本発明の電子機器冷却システムは、水を使用することなくキャビネット内に熱負荷の異なる電子機器が混在して収納された場合でも電子機器を効果的に冷却することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器冷却システムを示す図である。
電子機器冷却システム1は、コンピュータルーム2の室内に配置されるサーバラック10と、コンピュータルーム2の室外に配置される熱源機30とを備えている。なお、図1に示す例では、コンピュータルーム2の室内に12台のサーバラック10が配置され、コンピュータルーム2の室外に4台の熱源機30が配置され、1台の熱源機30に3台のサーバラック10が各々接続された場合を示している。
図2はサーバラック10を示す概要構成図である。なお、図2において、左側が前側、右側が後側である。
サーバラック10は、前面及び後面が開口したキャビネット11を備え、このキャビネット11内に複数(本実施の形態では、6つ)の電子機器3がその背面をキャビネット11後面に向けて上下に配列して配置される。また、このキャビネット11後面には、後面開口65を閉塞自在に片開きの開閉するリアドア12、及び、前面開口64を閉塞自在に片開きの開閉するフロントドア14が設けられる。これらリアドア12及びフロントドア14は、パンチングメタル加工等により通気自在に構成されるとともに、リアドア12と一体に電子機器冷却ユニット20が構成される。また、キャビネット11の底にはキャスタ13が設けられ、サーバラック10を容易に移動可能にしている。
電子機器3は、サーバやネットワーク機器であり、一般に、この種の電子機器3は冷却用のファン4をその背面中央に付設したファン付き電子機器であり、電子機器3内の温度が所定温度を超えるとファン4を駆動し、電子機器3内に室内の空気を導入して機器背面から排出する強制空冷機能を備えている。このため、電子機器3をその背面をキャビネット11背面に向けて配置することで、図2に冷却風の流れを破線矢印で示すように、電子機器3のファン4によりキャビネット11のフロントドア14から吸い込まれた室内の空気は、電子機器3を冷却してリアドア12を通過して室内に戻る。また、リアドア12及びフロントドア14を開けることによって、キャビネット11内の電子機器3へのアクセスが容易になる。
電子機器冷却ユニット20は、熱源機30(図1参照)と配管接続されることによって冷凍サイクルを行う冷凍回路を構成するユニットであり、複数(本実施の形態では、3台)のサーバラック10に設けられた電子機器冷却ユニット20のそれぞれが、一台の熱源機30から延びるメイン冷媒配管31(図1参照)に並列に接続されている。電子機器冷却ユニット20は、蒸発器21を備えるので、電子機器3から排出された空気は、蒸発器21を流通した際にこの蒸発器21によって冷却されて室内に戻る。
次に、サーバラック10について詳細に説明する。
図3はサーバラック10の外観図であり、図4はリアドア12を開いた状態を示すサーバラック10の斜視図である。
キャビネット11は、収納される電子機器3の規格に合致した大きさを有し、板金性の天板11A、底板11B及び側板11C、11Dを備えて矩形状に形成されている。また、キャビネット11は、天板11Aと底板11Bとの間に、これら天板11A及び底板11Bと略平行に配置された仕切り板11Eを備え、仕切り板11E上に電子機器3が配置される。この仕切り板11Eは、側板11C、11Dに形成された支持部(不図示)によって支持されており、この支持部は上下方向に所定間隔ごとに複数設けられている。これによって、仕切り板11Eを所望の位置の支持部に配置したり、複数の仕切り板11Eをキャビネット11内に配置したりできる。
リアドア12は、金属(例えば、アルミニウム)板を折り曲げて形成されており、このリアドア12の一端側はヒンジ66を介してキャビネット11に連結され、他端側にリアドア12を開閉する際に操作されるハンドル67が形成されている。このハンドル67を操作してハンドル67を手前側に引くと、リアドア12は、図4に示すように、ヒンジ66を中心に回動してキャビネット11の後面開口65が開放される。
また、リアドア12の外面の略中央には、図3に示すように、開口部12Aが形成されており、この開口部12Aには、所定径の孔68が略一面に形成された表面材69が配置されている。この表面材69は、各孔68を通じてリアドア12を通風可能とするとともに、このリアドア12の内部に配置される蒸発器21を外部に露出させないように機能し、サーバラック10の美観の向上を図っている。
さらに、フロントドア14にもリアドア12が備える表面材69が配置され、フロントドア14を通風可能にしている。
ここで、表面材69の各孔68は、通風を阻害しないように開口率が例えば60パーセント以上となるように形成されている。さらに、この孔68の孔径は、人の手指よりも小さな径に設定されている。これによれば、例えば、サーバラック10に配置される電子機器3のオペレータがこの孔68を通じて蒸発器21に触れることが防止され、この蒸発器21で手指をけがするといった事故を未然に防ぐことができる。
リアドア12内面には、図5に示すように、蒸発器21と、この蒸発器21につながる冷媒配管(液管)27に設けられる膨張弁28と、この膨張弁28の開度を制御するための電装ユニット51とが一体的に備えられている。このように、蒸発器21、膨張弁28及び電装ユニット51をリアドア12の内面に一体的に配置することにより、これらを一体の電子機器冷却ユニット20として取り扱うことができる。
蒸発器21は、複数の放熱用のフィン71を備えるフィンアンドチューブ型の熱交換器である。キャビネット11内に同一の電子機器3が収納された場合、電子機器3の吹出口4Aが縦一列に並ぶこととなるため、蒸発器21はリアドア12の内面に平板形状に形成され、電子機器3の背面中央に設けられた吹出口4Aを覆うのに十分な幅で縦に延在する。また、この蒸発器21は、液管27と合流冷媒配管(ガス管)29とを備えている。
本構成では、蒸発器21には、冷凍サイクルを循環する冷媒が供給されるため、万一冷媒が循環する経路から冷媒の漏れが生じたとしても、この冷媒は即座に蒸発し、電子機器3等が保護される。
電装ユニット51は、蒸発器21の下方領域に配置されているので、蒸発器21で冷却された空気の一部が下降することにより、電装ユニット51を冷却するため、この電装ユニット51自体に冷却機器を設ける必要がない。
リアドア12の内面には、図4及び図5に示すように、蒸発器21を覆うように所定径の孔73が略一面に形成されたカバー材74が配置されている。このカバー材74は、上記表面材69と同様にパンチング板で形成されており、各孔73を通じてリアドア12を通風可能にしている。
カバー材74は、リアドア12を開放した場合であっても、電子機器冷却ユニット20のサービスマン以外が誤って蒸発器21のフィン71に触れることを防止するものである。このカバー材74は、周囲に形成されたねじ孔(不図示)を通じてリアドア12にねじ止めで固定されている。ここで、ねじ孔の一部をダルマ孔として、カバー材74をリアドア12に仮止めしたねじに引掛けられるようにすることが望ましい。これによれば、メンテナンス時にカバー材74をリアドア12に仮固定することができるため、このカバー材74をリアドア12に容易に着脱することができる。
また、カバー材74は、このカバー材74を取り扱うための一対のハンドル75を備える。このハンドル75は、カバー材74における高さ方向の略中央の縁部にそれぞれ取り付けられており、通風を阻害するものではない。
さらに、カバー材74には、このカバー材74をリアドア12に取り付けた際に、膨張弁28に相当する位置に開口76が形成されている。この開口76は、カバー材74を取り外すことなく、膨張弁28をメンテナンスするためのものであり、例えば、膨張弁28の動作を確認したり、膨張弁28のコイル部が不良の場合には、この開口76を通じてコイル部の交換したりできる。
蒸発器21の下部には、蒸発器21から流下したドレン水を受けるドレンパン77が設けられている。このドレンパン77は、電装ユニット51の上方に位置しており、上記ドレン水が電装ユニット51及びコンピュータルーム2に落ちることを防止している。
本構成では、コンピュータルーム2は別個の空気調和装置(不図示)により所定の温度及び湿度(例えば、25℃50%)を維持するようになっており、この温度及び湿度の条件下では、極力結露しないように電子機器冷却システム1の運転が制御されている。従って、通常の運転状態では、ドレンパン77にドレン水が溜まることは想定されていないが、何らかの原因によって蒸発器21に結露が生じたとしても、この結露した水(ドレン水)が電装ユニット51に落ちないようになっている。
図6は、電子機器冷却装置の回路構成を示す図である。
電子機器冷却装置40は、3台の電子機器冷却ユニット20と、これら電子機器冷却ユニット20が配管接続される熱源機30とによって構成されている。
電子機器冷却ユニット20は、熱源機30から延びるメイン冷媒配管31を構成するメイン液管31A及びメインガス管31Bに対し、フレキシブル液管25及びフレキシブルガス管26を介して並列に接続される。フレキシブル液管25及びフレキシブルガス管26は、柔軟性及び冷媒不透過性を有するフレキシブルチューブが適用され、フレキシブル液管25は比較的小径のチューブが適用され、フレキシブルガス管26は比較的大径のチューブが適用される。
熱源機30から延びるメイン液管31A及びメインガス管31Bにフレキシブル液管25及びフレキシブルガス管26の一端がそれぞれ接続される。フレキシブル液管25の他端は、電子機器冷却ユニット20の液管接続部PINに接続される。この液管接続部PINから延びる液管27は、膨張弁28を通り、分流器22を介して複数(本実施の形態では、3つ)の冷媒配管27A〜27Cに分岐し、冷媒配管27A〜27Cは蒸発器21の下側の入口に接続される。
蒸発器21の上側の出口は、1本のガス管29に配管接続され、このガス管29の端部に設けたガス管接続部POUTにフレキシブルガス管26が接続される。
このように、フレキシブル液管25及びフレキシブルガス管26を介して電子機器冷却ユニット20の蒸発器21を接続したため、この蒸発器21が内蔵されるリアドア12(図5参照)を開閉した際に上記フレキシブル液管25及びフレキシブルガス管26が撓んでリアドア12の開閉を妨げない。また、これら配管を接続したままでもサーバラック10の位置の微調整が可能である。
ここで、メイン冷媒配管31は、図1に示すように、コンピュータルーム2の上床2Aと下床2Bとの間の床下空間内を引き回され、メイン液管31A及びメインガス管31Bにつながるフレキシブル液管25及びフレキシブルガス管26は、図2に示すように、上床2Aの開口穴2Cを通ってリアドア12内の蒸発器21につながる。このため、フレキシブル液管25及びフレキシブルガス管26が蒸発器21から下方に延びた後に床下空間内で緩やかに曲がるように引き回され、これらフレキシブル液管25及びフレキシブルガス管26の長さに余裕を持たせておくことによってリアドア12の開閉時にフレキシブル液管25及びフレキシブルガス管26だけがリアドア12の動きに合わせて移動する。従って、リアドア12開閉時に他の配管に力が作用することがなく、他の配管、例えば、メイン液管31A及びメインガス管31Bに鋼管を適用することが可能である。
また、図6に示すように、電子機器冷却ユニット20には、蒸発器21の下方に電装ユニット51と、この電装ユニット51につながるリモートコントローラ52が設けられている。この電装ユニット51は、蒸発器21の入口冷媒温度L及び出口冷媒温度Gを2つの温度センサ29A、29Bを介して各々検出し、蒸発器21の出入り口温度差(L−G)に基づいて適正な過熱度になるように膨張弁28の制御を行うとともに、熱源機30と通信する機能を備えている。
リモートコントローラ52は、サーバラック10(図4参照)の側面あるいは背面等に配置され、電装ユニット51に有線あるいは無線で接続される。このリモートコントローラ52には、図示は省略するが、室内温度センサ、操作ボタン、表示部、ブザー(報音部)等が設けられ、このリモートコントローラ52の操作に従って、電子機器冷却装置40の運転開始/停止、設定温度T0の変更、各種エラーメッセージの報知(表示及びブザー音出力)等が行われる。ここで、設定温度T0は、電子機器冷却ユニット20の目標温度であり、通常、コンピュータルーム2の室内目標温度が設定される。そして、この電子機器冷却装置40においては、フロントドア14(図4参照)から入る空気、あるいは、蒸発器21を通過した空気の温度が、設定温度T0になるように各部の制御が実行される。
熱源機30は、冷媒を圧縮する圧縮機32、オイルセパレータ33、四方弁34、熱源側熱交換器(凝縮器)35、膨張弁36及びレシーバタンク37の順に配管接続される。このレシーバタンク37にメイン液管31Aが接続されるとともに、圧縮機32入口につながる低圧側配管41にアキュムレータ38を介してメインガス管31Bが接続される。
圧縮機32は、定速運転用のAC圧縮機(能力一定型の圧縮機)32Aと、周波数可変運転用のインバータ圧縮機(能力可変型の圧縮機)32Bとを有し、これらは並列に接続される。冷却の負荷に応じてこれら圧縮機32A、32Bの運転のオンオフ制御及び圧縮機32Bの運転周波数を可変制御することによって熱源機30全体の冷却が可能に構成される。
より具体的に説明すると、各圧縮機32A、32Bの吐出側には、逆止弁42A、42Bが各々設けられ、各逆止弁42A、42Bの下流で合流する高圧側配管42にオイルセパレータ33、逆止弁43、四方弁34、熱源側熱交換器35、膨張弁36及びレシーバタンク37が順に接続される。また、各圧縮機32A、32Bの吸込側につながる低圧側配管41は、アキュムレータ38の下流でつながり、このアキュムレータ38の上流で四方弁34につながり、この四方弁34を介してメインガス管31Bにつながる。なお、この四方弁34の切換は行われず、図6の状態に固定される。
また、高圧側配管42には、膨張弁36と並列に逆止弁44が接続され、この逆止弁44により熱源側熱交換器35からレシーバタンク37への流れを許容するとともに逆方向の流れを禁止する。また、上記逆止弁42A、42Bとオイルセパレータ33との間には、冷媒戻し管45が接続され、この冷媒戻し管45の先端は圧縮機32A、32Bの吸込側に接続される。この冷媒戻し管45には開閉弁46が設けられ、この開閉弁46を開けることによって圧縮機32A、32Bから吐出された冷媒の一部を圧縮機32A、32Bの吸込側に戻すことができ、圧縮機32A、32Bの吐出能力を低減することができる。
なお、高圧側配管42は、液側サービスバルブ47を介してメイン液管31Aに接続され、低圧側配管41は、ガス側サービスバルブ48を介してメインガス管31Bに接続される。また、オイルセパレータ33によって分離されたオイルは、オイル戻し管49を通って圧縮機32A、32Bの吸込側に戻される。また、一方の圧縮機32A、32Bの高圧側と他方の圧縮機32B、32Aの低圧側とはオイル戻し管32C、32Dで互いに接続され、各圧縮機32A、32B内のオイル量が適正に調整される。また、各圧縮機32A、32Bの吐出側には高圧スイッチ5A、5Bが各々設けられ、高圧スイッチ5A、5Bにより圧縮機32A、32Bの吐出圧が許容範囲の上限を超えた場合に各圧縮機32A、32Bの運転が停止される。
また、熱源機30は、電装ユニット61を有し、この電装ユニット61は、内外通信線62を介して熱源機30に接続される電子機器冷却ユニット20の電装ユニット51と通信可能に接続される。この電装ユニット61は、各電子機器冷却ユニット20の電装ユニット51との間で制御信号や運転信号を送受信するとともに、電子機器冷却ユニット20側に設けられたリモートコントローラ52の操作に従って、電子機器冷却装置40の各部の制御を行う。
次に、電子機器冷却装置40が電子機器3を冷却する動作について説明する。
電子機器冷却装置40は、電装ユニット51の制御の下、圧縮機32A、32Bを運転する。この場合、電装ユニット51は、図示せぬ温度センサで検出した室外温度T2とリモートコントローラ52で検出した室内温度T1との差の温度(差温)等に基づき、各圧縮機32A、32Bの運転のオン/オフ及び運転周波数を制御するとともに、熱源側熱交換器35の出入り口温度を図示せぬ温度センサにより検出し、この出入り口温度差が適正範囲になるように膨張弁36の弁開度を制御する。
この場合、圧縮機32A、32Bから吐出された高温高圧冷媒は、熱源側熱交換器35で凝縮されて液化された後、熱源機30から延びるメイン液管31Aを通ってコンピュータルーム2内の電子機器冷却ユニット20に供給される。
各電子機器冷却ユニット20では、メイン液管31Aを流れる液冷媒がフレキシブル液管25を通って液管27を流れ、膨張弁28を通って、ここで3つの冷媒配管27A〜27Cに分流されて、蒸発器21で蒸発してガス化し、冷媒蒸発熱により蒸発器21を通過する電子機器3の排熱を含む空気が冷却される。
そして、蒸発器21でガス化した冷媒は、ガス管29で合流した後にフレキシブルガス管26を通ってメインガス管31Bに流れ、熱源機30に戻る。以上のようにして冷凍サイクルが行われる。
図7は、電子機器3と蒸発器21との関係を示す模式図である。
蒸発器21の冷媒流路は多パスに形成され、蒸発器21における冷媒配管27A〜27Cは、上下に配列した全て(6つ)の電子機器3に対応するよう冷媒配管27Aを中心に縦に延在する。
上述したように、蒸発器21は、電子機器3の背面中央に設けられた吹出口4Aを覆うのに十分な幅で縦に延在するので、電子機器3の排熱を含む空気が蒸発器21の略中央に当たりやすくなっている。
このような蒸発器21の冷媒配管27A〜27Cに同じ量の冷媒を流すと、電子機器3の排熱を含む空気が当たりやすい蒸発器21の略中央、すなわち吹出口4Aの略中央を通る冷媒配管27Aでは冷媒が早く蒸発し、電子機器3の排熱を含む空気が当たりにくい吹出口4Aの端を通る冷媒配管27B、27Cでは、冷媒が蒸発しきれずに液体のまま液戻りする、いわゆる液バック現象が生じる。通常は、液バック現象が起きないよう冷媒配管27A〜27C全体の冷媒の量が調整されるので、結果的に電子機器3が充分に冷却されない可能性がある。
本発明の蒸発器21は、電子機器3から蒸発器21に送風される空気の量に合わせて、吹出口4Aを通る冷媒配管27Aの直径が他の冷媒配管27B、27Cの直径よりも大径に形成され、冷媒配管27Aに冷媒がより多く流れるよう構成されるので、電子機器3を効果的に冷却することができる。
また、蒸発器21の冷媒配管27A〜27Cは、キャビネット11に収容された全ての電子機器3を直列に通るよう配設され、2つの温度センサ(冷媒温度検出手段)29A、29Bを介して各々検出された蒸発器21の入口冷媒温度L及び出口冷媒温度Gの差(L−G)に基づいて、全ての電子機器3において適正な過熱度になるよう一つの膨張弁28が全ての冷媒配管27A〜27Cを通る冷媒の量を調節している。これにより、キャビネット11に熱負荷の異なる電子機器3が収容されたとしても、全ての電子機器3が効果的に冷却される。
さらに、複数の電子機器3を冷媒配管が並列に通る従来の構成では、キャビネット11に熱負荷の異なる電子機器3が収容される場合には、電子機器3を通る冷媒配管毎に膨張弁を設ける必要があったが、本発明によれば、一つの膨張弁28によって必要な冷媒の量が調節されるので、コストを削減することが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、本発明の電子機器冷却システム1は、ファン4付きの複数の電子機器3を上下に配列して収納するための前面及び後面が開口したキャビネット11を備え、キャビネット11の後面開口65には通気可能なリアドア12を備え、リアドア12と電子機器3との間にはフィンアンドチューブ型の蒸発器21を配置したので、この冷凍サイクルを構成する蒸発器21には、冷凍サイクルを循環する冷媒が供給されるため、万一冷媒が循環する経路から漏れが生じたとしても、電子機器3等を保護できる。また、上下に配列した全ての電子機器3に対応するように冷媒配管27A〜27Cが縦に延在するため、本発明の電子機器冷却システム1は、キャビネット11内に熱負荷の異なる電子機器3が混在して収納された場合でも、ファン4で送風される電子機器3の排熱を含む空気を効果的に冷却することができるとともに、一つの膨張弁28で冷媒の量を調節できるのでコストを削減することができる。さらに、電子機器3の排熱を含む空気が蒸発器21で冷却されて室内に戻るため、電子機器3が発する熱によって室温が過剰に上昇することや、室内に温度分布が発生することが防止される。
また、本実施の形態によれば、複数の電子機器3におけるファン4により送風される空気の吹出口4Aが縦一列に配列され、冷媒配管27A〜27Cが該一列に対応する幅で縦に延在するので、電子機器3の吹出口4Aから吹き出される電子機器3の排熱を含む空気が効果的に冷却される。
また、本実施の形態によれば、多パス構造の蒸発器21における複数の冷媒配管27A〜27Cのうち、吹出口4Aの略中央を通る冷媒配管27Aの直径が他の冷媒配管27B、27Cの直径よりも太く形成されているので、吹出口4Aの略中央を通る冷媒配管27Aに冷媒がより多く流れ、吹出口4Aから吹き出される電子機器3の排熱を含む空気が効果的に冷却される。
但し、上記実施の形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、電子機器3のファン4が電子機器3の背面中央に設けられていたため、蒸発器21をキャビネット11の電子機器3の幅方向、略中央に配置した場合について説明したが、電子機器3のファン4が一列に並んだ位置に応じて蒸発器21を配置するように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、蒸発器21における冷媒配管27A〜27Cは、吹出口4Aの略中央を通る冷媒配管27Aを大径とし、他の冷媒配管27B、27Cを小径とし、一つの膨張弁28で全ての冷媒配管27A〜27Cを通る冷媒の量を調節する構成としたが、各冷媒配管27A〜27Cに冷媒の量を調整する制御弁を設ける構成として、吹出口4Aの略中央を通る冷媒配管27Aに、より多くの冷媒が流れるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、キャビネット11内に二つの仕切り板11Eを設ける構成としたが、一つの仕切り板11Eを設ける構成としてもよく、また、電子機器3毎に仕切り板11Eを設ける構成としてもよい。さらに、例えば同一のキャビネット11に複数のユーザが管理する複数の電子機器3が混在して収容される場合には、ユーザ毎に仕切り11Eを設ける構成としてもよい。
また、上記実施の形態では、空冷式の熱源機30を使用する場合について説明したが、これに限らず、水冷式の熱源機を使用してもよい。水冷式の熱源機を使用する場合は、図示しないクーリングタワーから延びる水配管に熱源機を配管接続する構成を採るため、複数の熱源機を重ねて配置でき、熱源機の配置スペースを比較的小さくすることができる。
また、以上の説明では、コンピュータルーム2内の空調については述べなかったが、空冷式あるいは水冷式の熱源機から延びるメイン冷媒配管に空気調和装置を接続し、この空気調和装置によりコンピュータルーム2内の空調を行う構成としてもよい。
また、上記した熱源機30としては、四方弁34を有しない冷房(冷却)サイクル専用機の構成としても良い。
また、上記熱源機30が備える圧縮機32は、電動機で駆動される形式、いわゆるEHP(電気式ヒートポンプ)形式のものであったが、これに限るものではなく、ガスエンジンの駆動によって圧縮機を駆動させるGHP(ガスヒートポンプ)形式の熱源機としても良い。
また、本実施の形態では、リアドア12は片開きのドアであったが、これに限るものではなく、両開きのドアを用いる構成としても良い。この構成によれば、例えば、電子機器3の横幅が大きくなることに伴い、キャビネット11の幅が広くなったとしても、片開きに比べてドアの可動範囲を小さくすることができるため、メンテナンス時の作業を容易に行うことができる。
本発明の実施の形態に係る電子機器冷却システムを示す図である。 サーバラックを示す概要構成図である。 サーバラックの外観図である。 リアドアを開いた状態のサーバラックの斜視図である。 図4においてカバー材を外した状態を示す斜視図である。 電子機器冷却装置の回路構成を示す図である。 電子機器と蒸発器との関係を示す模式図である。
符号の説明
1 電子機器冷却システム
3 電子機器
4 ファン
4A 吹出口
10 サーバラック
11 キャビネット
12 リアドア
20 電子機器冷却ユニット
21 蒸発器
27A〜27C 冷媒配管

Claims (3)

  1. ファン付きの複数の電子機器を上下に配列して収納するための前面及び後面が開口したキャビネットを備え、該キャビネットの後面開口には通気可能なリアドアを備え、該リアドアと前記電子機器との間には冷凍サイクルを構成する蒸発器を配置し、この蒸発器はフィンアンドチューブ型の蒸発器であり、上下に配列した全ての電子機器に対応するように冷媒配管が縦に延在することを特徴とする電子機器冷却システム。
  2. 前記複数の電子機器における前記ファンにより送風される空気の吹出口が縦一列に配列され、前記冷媒配管が該一列に対応する幅で縦に延在することを特徴とする請求項1に記載の電子機器冷却システム。
  3. 前記蒸発器の冷媒流路を多パスとし、前記吹出口の略中央を通る冷媒配管の直径が他の冷媒配管の直径よりも太く形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電子機器冷却システム。
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JP2012064685A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Toshiba Corp 電子機器用筐体装置

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