JP2009135280A - 電子機器冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メンテナンススペースを十分に確保しつつ、水を使用することなく電子機器を効果的に冷却することができる電子機器冷却装置を提供する。
【解決手段】ファン4付きの複数の電子機器3を収納するための前面及び後面が開口したキャビネット11を備え、キャビネット11の後面開口65には通気可能なリアドア12を備え、蒸発器21は、キャビネット11の後面に固定されるとともに、複数の電子機器3おけるファン4送風される空気の吹出口4Aを縦一列に整列させて、該一列に対応する幅で縦に延在し、キャビネット11後面には、蒸発器21の側面にメンテナンススペースを備えたことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、キャビネットに収容された電子機器に付設したファンで送風される空気を冷却する電子機器冷却装置に関する。
一般に、電子機器が収容されるためのキャビネットの空気出口側に空気−水熱交換器を配置し、キャビネットに収容された電子機器に付設したファンで送風される空気を上記空気−水熱交換器で冷却して室内に戻す電子機器冷却システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の電子機器冷却システムはコンピュータルームに設置され、コンピュータルームに設置されるサーバやネットワーク機器を冷却する。
米国特許出願公開第2006/0232945号明細書
ところで、電子機器は水に弱いため、コンピュータルームには水を持ち込まないことが望ましい。しかし、従来のものでは、空気−水熱交換器は、電子機器の近傍に配置してあるため、この空気−水熱交換器にチラー水を循環する経路の一部からでも水漏れが生じると、この水によって電子機器が損傷するといったおそれがあった。
さらに電子機器は、定期的あるいは不定期的にメンテナンスを行う必要があるため、キャビネットにおいても、十分なメンテナンススペースを確保する必要がある。
そこで、本発明の目的は、メンテナンススペースを十分に確保しつつ、水を使用することなく電子機器を効果的に冷却することができる電子機器冷却装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、ファン付きの複数の電子機器を収納するための前面及び後面が開口したキャビネットを備え、該キャビネットの後面開口には通気可能なリアドアを備え、該リアドアの内側には冷凍サイクルを構成する蒸発器を備え、前記ファンで送風される空気を前記蒸発器で冷却して室内に戻す構成とし、前記蒸発器は、前記キャビネットの後面に固定されるとともに、前記複数の電子機器における前記ファンで送風される空気の吹出口を縦一列に整列させて、該一列に対応する幅で縦に延在し、前記キャビネット後面には、前記蒸発器の側面にメンテナンススペースを備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、キャビネット内に設置された電子機器のメンテナンススペースを十分に確保できるとともに、電子機器を効果的に冷却することができる。
この構成において、前記蒸発器が上面視で略U字状に形成され、前記ファンで送風される空気を正面及び両側面の熱交換部で熱交換するように構成しても良い。
また、前記蒸発器が前記リアドアと前記電子機器との間の空間に配置されているようにしてもよい。
さらに、前記蒸発器に蒸発器用ファンを付設してもよい。
本発明によれば、メンテナンススペースを十分に確保しつつ、水を使用することなく電子機器を効果的に冷却することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳述する。
図1は本発明の一実施形態に係る電子機器冷却システムを示す図である。
この電子機器冷却システム1は、コンピュータルーム2に配設される複数の電子機器3(図2参照)を冷却するシステムである。このコンピュータルーム2は、二重床に構成され、この二重床の上にサーバラック10が床置きされる。
図2は、サーバラックの説明図である。
図3は、サーバラックを後面側から見た場合の外観斜視図である。
図4は、サーバラックのリアドアを開いた状態を示す斜視図である。
サーバラック10は、前面及び後面が開口したキャビネット11を備え、このキャビネット11内に複数の電子機器3がその背面をキャビネット11後面に向けて上下に段積み配置される。また、このキャビネット11後面には、後面開口65を閉塞自在に片開きの開閉するリアドア12が設けられ、このリアドア12は、通気自在に構成されている。さらに、キャビネット11の内部のリアドア12に対向する位置には、電子機器冷却ユニット20が構成される。さらにまた、サーバラック10の底にはキャスタ13が設けられ、サーバラック10を容易に移動可能にしている。
電子機器3は、サーバやネットワーク機器である。一般に、この種の電子機器は冷却用のファン4を付設したファン付き電子機器であり、常時、あるいは、機器内の温度が所定温度を超えるとファン4を駆動し、機器内に外気を導入して機器背面から排出する強制空冷機能を備えている。
ここで、本実施形態においては、ファン4は、電子機器3の背面中央部に設けられ、電子機器冷却ユニット20を構成する蒸発器21が電子機器3とリアドア12との間のファン4に対向する位置に配置されている。
このため、電子機器3をその背面をキャビネット11背面に向けて配置することで、図2に冷却風の流れを破線矢印で示すように、電子機器3に付設したファン4によりキャビネット11の前面開口から吸い込まれた室内の空気は、電子機器3を冷却し、電子機器3背面の吹出口4Aから放出される。そして電子機器3を冷却することにより温度が上昇し、電子機器3背面の吹出口4Aから放出された空気は、蒸発器21、複数の背面排気ファン15A(蒸発器用ファン)を有する背面排気ユニット15およびリアドア12を通過して室内に戻る。この場合において、背面排気ユニット15の蒸発器21に対向する面には、通風を阻害しないように、所定の開口率(例えば、60%以上)を有する図示しないファンガード(多数の孔が設けられた板あるいはメッシュなど)が配置されている。このファンガードは、背面排気ファン15Aを外部に露出させないように機能するとともに、サーバラック10内部の美観の向上を図っている。
キャビネット11は、収納される電子機器の規格に合致した大きさを有し、板金性の天板11A、底板11B及び側板11C、11Dを備えて矩形状に形成されている。このキャビネット11の前面及び後面にはそれぞれ前面開口64(図1参照)及び後面開口65が形成され、この開口64、65を通じてキャビネット11内にコンピュータルーム2の室内空気が流通する。また、キャビネット11は、天板11Aと底板11Bとの間に、これら天板11A及び底板11Bと略平行に配置された仕切り板(棚部)11Eを備える。この仕切り板11Eは、キャビネット11内を区分けするものであり、仕切り板11E上に電子機器3が配置される。この仕切り板11Eは、両側板11C、11Dに形成された支持部(不図示)によって支持されており、この支持部は上下方向に所定間隔ごとに複数設けられている。これによって、仕切り板11Eを所望の位置の支持部に配置したり、複数の当該仕切り板11Eをキャビネット11内に配置したりすることができる。
リアドア12は、金属(例えば、アルミニウム)板を折り曲げて形成されており、このリアドア12の一端側はヒンジ66を介してキャビネット11に連結され、他端側に当該リアドア12を開閉する際に操作されるハンドル67が形成されている。このハンドル67を操作して当該ハンドル67を手前側に引くと、リアドア12は、図4に示すように、ヒンジ66を中心に回動してキャビネット11の後面開口65が開放される。
また、リアドア12の外面の略中央部には、図3に示すように、開口部12Aが形成されており、この開口部12Aには、所定径の孔68が略一面に形成された表面材69が配置されている。この表面材69は、各孔68を通じてリアドア12を通風可能とするとともに、このリアドア12に対向する位置に配置される蒸発器21を外部に露出させないように機能し、サーバラック10の美観の向上を図っている。
ここで、表面材69の各孔68は、通風を阻害しないように開口率が例えば60パーセント以上となるように形成されている。さらに、この孔68孔の径は、人の手指よりも小さな径に設定されている。これによれば、例えば、サーバラック10に配置される電子機器3のオペレータ)がこの孔68を通じて蒸発器21に触れることが防止され、この蒸発器21のフィンで手指をけがするといった事故を未然に防ぐことができる。
また、このリアドア12を開けた際に、蒸発器21の側面には、メンテナンススペースが確保されており、キャビネット11内の電子機器3へのアクセスが容易となっている。
電子機器冷却ユニット20は、サーバラック10のキャビネット11と一体に構成され、複数(本例では3台)のサーバラック10に設けられた電子機器冷却ユニット20が、一台の熱源機30(図1参照)から延びるメイン冷媒配管31(図1参照)に並列に接続される。すなわち、この複数(3台)の電子機器冷却ユニット20と、これら電子機器冷却ユニット20が配管接続される熱源機30とによって電子機器冷却装置40が構成される。なお、図1に示す例では、コンピュータルーム2に12台のサーバラック10を配置し、3台のサーバラック10内の電子機器冷却ユニット20を一台の熱源機30に各々接続した一系統の電子機器冷却装置40を4系統配設した場合を示している。
電子機器冷却ユニット20は、熱源機30と配管接続されることによって冷凍サイクルを行う冷凍回路を構成するユニットであり、図2に示すように、蒸発器21を備え、ファン4により電子機器3から排出された空気が電子機器3とリアドア12との間に設けられた蒸発器21を流通した際に、蒸発器21によってこの空気を冷却して室内に戻す。
ここで、蒸発器21について図4を参照して詳細に説明する。
蒸発器21は、上面視略U字状に形成されており、U字の開放側がキャビネット11内に配置され、湾曲側がキャビネット11の後面開口65からリアドア12側に突設されている。これは、以下のような理由による。
単純に蒸発器21の有効面積の増大を図るためであれば、キャビネット11の後面開口65を覆って塞ぐように構成すれば良いが、後面開口65を塞いでしまえば、メンテナンススペースを確保することが出来ず、メンテナンスを容易に行うことはできない。
一方、メンテナンススペースを最大限確保するためには、キャビネット11内に同一の電子機器3を収納した場合、電子機器3のファン4が後面開口65側から見れば、一列に並ぶこととなるため、蒸発器21を平板形状とし、電子機器3のファン4を覆うのに十分な幅とすればよい。しかしながら、この場合には、蒸発器の有効面積が少なく熱交換が十分に行えない可能性がある。
そこで、本実施形態においては、蒸発器21の有効面積の増大を図りつつ、メンテナンススペースを確保するために、蒸発器21の形状を上面視略U字状とし、U字の開放側を電子機器3のファン4に対向させ、U字の湾曲側をキャビネット11の後面開口からリアドア12内のスペースに突設させている。
これにより、電子機器3のファン4で送風される空気を、蒸発器21の正面及び両側面で熱交換することができ、蒸発器21の実効的な有効面積の増加が図れ、キャビネット11内を通り抜ける室内の空気を有効に冷却することができる。
さらに、キャビネット11の後面側開口における蒸発器21の側面側を大きく開けることができるので、蒸発器21の側面(両側面)に十分なメンテナンススペースを確保できる。
さらに、蒸発器21は、キャビネット11の略上下に渡って延在し、上下略中間部を境に上側蒸発部22と下側蒸発部23とに分割され、キャビネット11上半分に配置された電子機器3の冷却を上側蒸発部22が受け持ち、下半分に配置された電子機器3の冷却を下側蒸発部23が受け持つように構成される。さらに、蒸発器21は、図2に示すように、上側蒸発部22及び下側蒸発部23は、それぞれ各蒸発部22、23につながる細径の液分岐管27A、27Bと、太径の合流冷媒配管29とを備えている。
本構成では、電子機器冷却ユニット20の蒸発器21には、冷凍サイクルを循環する冷媒が供給されるため、万一冷媒が循環する経路から冷媒の漏れが生じたとしても、この冷媒は即座に蒸発し、電子機器3のショートもしくは漏電といった損傷を防止することができる。
これに加えて、蒸発器21の下部には、図2及び図4に示すように、蒸発器21から流下したドレン水を受けるドレンパン77が設けられている。このドレンパン77は、ドレン水がコンピュータルーム2の室内に落ちることを防止している。
本構成では、コンピュータルーム2は別個の空気調和装置(不図示)により所定の温度及び湿度(例えば、25℃50%)を維持するようになっており、この温度及び湿度の条件下では、極力結露しないように電装ユニット61が圧縮機32の運転を制御している。
したがって、通常の運転状態では、ドレンパン77にドレン水が溜まることは想定されていないが、何らかの原因によって蒸発器21に結露が生じたとしても、この結露した水(ドレン水)がコンピュータルーム2の室内に落ちないようになっている。
図5は、電子機器冷却装置の回路構成の説明図である。
図5に示すように、電子機器冷却ユニット20は、熱源機30から延びるメイン冷媒配管31を構成するメイン液管31A及びメインガス管31Bに対し、フレキシブル液管25及びフレキシブルガス管26を介して並列に接続される。フレキシブル液管25及びフレキシブルガス管26は、柔軟性及び冷媒不透過性を有するフレキシブルチューブが適用され、フレキシブル液管25は比較的小径のチューブが適用され、フレキシブルガス管26は比較的大径のチューブが適用される。
熱源機30から延びるメイン液管31A及びメインガス管31Bにフレキシブル液管25及びフレキシブルガス管26の一端がそれぞれ接続される。フレキシブル液管25の他端は、電子機器冷却ユニット20の液管接続部PIN(図2参照)に接続される。この液管接続部PINから延びる冷媒配管(液管)27は2つに分岐し、一方の液分岐管27Aは膨張弁28Aを介して上側蒸発部22の入口に接続され、他方の液分岐管27Bは膨張弁28Bを介して下側蒸発部23の入口に接続される。
各蒸発部22、23の出口は1本の合流冷媒配管(ガス管)29に配管接続され、この合流冷媒配管29の端部に設けたガス管接続部POUT(図2参照)にフレキシブルガス管26が接続される。これによって、電子機器冷却ユニット20内の各蒸発部22、23に冷媒を選択的に流通可能に冷媒配管が接続される。
このように、フレキシブル液管25及びフレキシブルガス管26を介して電子機器冷却ユニット20の蒸発器21を接続したため、この蒸発器21を保持しているキャビネット11を移動させた場合でも、フレキシブル液管25、26が撓んでその移動を妨げない。したがって、これら配管を接続したままでもサーバラック10の位置の微調整が可能となっている。
ここで、メイン液管31A及びメインガス管31Bは、図1に示すように、コンピュータルーム2の上床2Aと下床2Bとの間の床下空間内を引き回され、このメイン液管31A及びメインガス管31Bにつながるフレキシブル液管25及びフレキシブルガス管26は、上床2Aの開口穴2C(図2参照)を通ってキャビネット11に保持された蒸発器21につながる。このため、図2に示すように、フレキシブル液管25及びフレキシブルガス管26が蒸発器21から下方に延びた後に床下空間内で緩やかに曲がるように引き回され、これらフレキシブル液管25、26の長さに余裕を持たせておくことによってキャビネット11、ひいては、サーバラック10の移動時にフレキシブル液管25、26だけがキャビネット11の動きに合わせて移動する。したがって、サーバラック10の移動時にメイン液管31A及びメインガス管31B等の他の配管に力が作用することがなく、例えば、他の配管であるメイン液管31A及びメインガス管31Bに鋼管を適用することが可能である。
この電子機器冷却ユニット20には、蒸発器21の下方に電装ユニット(電装箱)51と、この電装ユニット51につながるリモートコントローラ52が設けられている。この電装ユニット51は、上側蒸発部22の入口冷媒温度L1及び出口冷媒温度G1と、下側蒸発部23の入口冷媒温度L2及び出口冷媒温度G2とを、4つの温度センサ(冷媒温度検出手段)29A〜29Dを介して各々検出し、各蒸発部22、23の出入り口温度差(L1−G1、L2−G2)に基づいて適正な過熱度になるように各々の膨張弁28A、28Bの制御を行うとともに、熱源機30と通信する機能を備えている。
リモートコントローラ52は、コンピュータルーム2のサーバラック10の側面或いは背面などに配置され、リアドア12内の電装ユニット51に有線或いは無線で接続される。このリモートコントローラ52には、図示は省略するが、室内温度センサ、操作ボタン、表示部、ブザー(報音部)などが設けられ、このリモートコントローラの操作に従って、電子機器冷却装置40の運転開始/停止、設定温度T0の変更、各種エラーメッセージの報知(表示及びブザー音出力)などが行われる。ここで、設定温度T0は、電子機器冷却ユニット20の目標温度であり、通常、コンピュータルーム2の室内目標温度が設定される。そして、この電子機器冷却装置40においては、キャビネット11の前面側開口から入る空気、或いは、蒸発器21を通過した空気の温度が、該設定温度T0になるように各部の制御が実行される。
熱源機30は、室外に設置され、概略的には、冷媒を圧縮する圧縮機32、オイルセパレータ33、四方弁34、熱源側熱交換器(凝縮器)35、膨張弁36及びレシーバタンク37の順に配管接続され、このレシーバタンク37にメイン液管31Aが接続されるとともに、圧縮機32入口につながる低圧側配管41にアキュムレータ38を介してメインガス管31Bが接続される。
圧縮機32は、定速運転用のAC圧縮機(能力一定型の圧縮機)32Aと、周波数可変運転用のインバータ圧縮機(能力可変型の圧縮機)32Bとを有し、これらは並列に接続され、冷却の負荷に応じてこれら圧縮機32A、32Bの運転のオンオフ制御及び圧縮機32Bの運転周波数を可変制御することによって熱源機30全体の冷却能力が可能に構成される。
より具体的に説明すると、各圧縮機32A、32Bの吐出側には、逆止弁42A、42Bが各々設けられ、各逆止弁42A、42Bの下流で合流する高圧側配管42にオイルセパレータ33、逆止弁43、四方弁34、熱源側熱交換器35、膨張弁36及びレシーバタンク37が順に接続される。また、各圧縮機32A、32Bの吸込側につながる低圧側配管41は、アキュムレータ38の下流でつながり、このアキュムレータ38の上流で四方弁34につながり、この四方弁34を介してメインガス管31Bにつながる。なお、この四方弁34の切換は行われず、図3の状態に固定される。
また、高圧側配管42には、膨張弁36と並列に逆止弁44が接続され、この逆止弁44により熱源側熱交換器35からレシーバタンク37への流れを許容するとともに逆方向の流れを禁止する。また、上記逆止弁42A、42Bとオイルセパレータ33の間には、冷媒戻し管45が接続され、この冷媒戻し管45の先端は圧縮機32A、32Bの吸込側に接続される。この冷媒戻し管45には開閉弁46が設けられ、この開閉弁46を開けることによって圧縮機32A、32Bから吐出された冷媒の一部を圧縮機32A、32Bの吸込側に戻すことができ、圧縮機32A、32Bの吐出能力を低減することができる。
なお、高圧側配管42は、液側サービスバルブ47を介してメイン液管31Aに接続され、低圧側配管41は、ガス側サービスバルブ48を介してメインガス管31Bに接続される。また、オイルセパレータ33によって分離されたオイルは、オイル戻し管49を通って圧縮機32A、32Bの吸込側に戻される。また、一方の圧縮機32A、32Bの高圧側と他方の圧縮機32B、32Aの低圧側とはオイル戻し管32C、32Dで互いに接続され、各圧縮機32A、32B内のオイル量が適正に調整される。また、各圧縮機32A、32Bの吐出側には高圧スイッチ5A、5Bが各々設けられ、高圧スイッチ5、6により圧縮機32A、32Bの吐出圧が許容範囲の上限を超えた場合に各圧縮機32A、32Bの運転が停止される。
また、熱源機30は、電装ユニット61を有し、この電装ユニット61は、内外通信線62を介して当該熱源機30に接続される電子機器冷却ユニット20の電装ユニット51と通信可能に接続される。この電装ユニット61は、各電子機器冷却ユニット20の電装ユニット51との間で制御信号や運転信号を送受信するとともに、電子機器冷却ユニット20側に設けられたリモートコントローラ52の操作を入力し、これらによって電子機器冷却装置40の各部の制御を行う。
この電子機器冷却装置40にあっては、熱源機30の電装ユニット51の制御下で、圧縮機32A、32Bが運転される。この場合、電装ユニット51は、図示しない温度センサで検出した室外温度T2とリモートコントローラ52で検出した室内温度T1との差の温度(差温)などに基づき、各圧縮機32A、32Bの運転のオン/オフ及び圧縮機32Bの運転周波数を制御するとともに、熱源側熱交換器35の出入り口温度を図示しない温度センサにより検出し、この出入り口温度差が適正範囲になるように膨張弁36の弁開度を制御する。
この場合、圧縮機32A、32Bから吐出された高温高圧冷媒は、熱源側熱交換器35で凝縮されて液化された後、熱源機30から延びるメイン液管31Aを通ってコンピュータルーム2内の電子機器冷却ユニット20に供給される。
各電子機器冷却ユニット20では、メイン液管31Aを流れる液冷媒がフレキシブル液管25を通って液管27を流れ、ここで二系統に分流されて、一方が膨張弁28Aを通って上側蒸発部22を流れるとともに、他方が膨張弁28Bを通って下側蒸発部23を流れ、各蒸発部22、23で蒸発してガス化し、各蒸発部22、23での冷媒蒸発熱により各蒸発部22、23を通過する空気が冷却される。
そして、各蒸発部22、23でガス化した冷媒は、合流冷媒配管29で合流した後にフレキシブルガス管26を通ってメインガス管31Bに流れ、熱源機30に戻る。以上のようにして冷凍サイクルが行われる。
電装ユニット51は、図4に示すように、蒸発器21の下方領域に配置されている。これによれば、蒸発器21で冷却された空気の一部が下降することにより、電装ユニット51を冷却するため、この電装ユニット51自体に冷却機器を設ける必要がない。さらに、電装ユニット51を蒸発器21の下方に配置したため、この電装ユニット51と熱源機30の電装ユニット61(図5参照)とを接続する内外通信線62(図5参照)は、フレキシブル液管25、26とともに、開口穴2Cを通って上床2Aと下床2Bとの間の床下空間内を引き回されるため、当該内外通信線62の長さを短縮することができる。このため、この内外通信線62がノイズを拾うことが防止され、電子機器冷却ユニット20、すなわち蒸発器21につながる各膨張弁28A、28Bを安定して動作させることができる。
本実施形態によれば、ファン4付きの複数の電子機器3を収納するための前面及び後面が開口したキャビネット11を備え、キャビネット11の後面開口65には通気可能なリアドア12を備え、リアドア12の内側には冷凍サイクルを構成する蒸発器21を備え、ファン4で送風される空気を蒸発器21で冷却して室内に戻す構成とし、蒸発器21は、キャビネット11の後面に固定されるとともに、複数の電子機器3おけるファン4で送風される空気の吹出口4Aを縦一列に整列させて、該一列に対応する幅で縦に延在し、キャビネット11の後面には、蒸発器21の側面にメンテナンススペースを備えたため、メンテナンススペースを確保しつつ、簡単に電子機器3の発する熱を冷却することができる。
また、電子機器3とリアドア12との間に配置される蒸発器21には、冷凍サイクルを循環する冷媒が供給されるため、万一冷媒が循環する経路から漏れが生じたとしても、この冷媒によって電子機器3のショートもしくは漏電といった損傷を防止することができる。さらに、ファン4で送風される空気をリアドア12の蒸発器21で冷却して室内に戻すため、電子機器3が発する熱によって室温が過剰に上昇することや、室内に温度分布が発生することが防止される。したがって、本実施形態によれば、水を使用することなく電子機器3を効果的に冷却することができる。
以上、一実施形態に基づいて、本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、以上の説明においては、蒸発器21を上面視略U字形状としたが、メンテナンススペースを確保しつつ、熱交換効率が十分な形状であれば、その形状については問わない。
また、以上の説明においては、電子機器3のファン4が電子機器3の背面中央部に設けられていたため、蒸発器21をキャビネット11の電子機器の幅方向、中央部分に配置した場合について説明したが、電子機器3のファン4が一列に並んだ位置に応じて蒸発器21を配置するように構成してもよい。この場合においても、蒸発器21の少なくともいずれか一方の側面にはメンテナンススペースが設けられることとなる。
以上の説明においては、蒸発器21の背面側に背面排気ユニット15を設ける構成としていたが、蒸発器21の表面側(U字の開放側)に排気ユニットを設ける構成としても良い。また、電子機器3のファン4の排気能力が十分に高い場合には、背面排気ユニット15を設けないようにすることも可能である。
以上の説明においては、蒸発器21を上側蒸発部22及び下側蒸発部23とに分割する場合について説明したが、これに限らず、分割しなくてもよく、また、3つ以上に分割する構成としても良い。具体的には、キャビネット11内の仕切り板11Eが3段の構成であれば、これら仕切り板11Eを境に蒸発器を上下方向に3分割し、また、キャビネット11内の仕切り板11Eが6段の構成であれば、これら仕切り板11Eを境に蒸発器21を上下方向に6分割し、これら複数に分割された各蒸発部にそれぞれ膨張弁をつないで仕切り板11Eの段数に対応した冷媒を流れ制御を行う構成としても良い。
また、上記した実施形態では、キャビネット11内を上下に2分割する仕切り板11Eを境に蒸発器21を上側蒸発部22と下側蒸発部23との2つに分割する構成について記載したが、これら上側蒸発部22及び下側蒸発部23をさらにそれぞれ複数の蒸発部に分割し、これら各蒸発部にそれぞれ膨張弁をつなぐ構成としても良い。この構成によれば、キャビネット11内に収納された電子機器3の稼動状態に合わせて、より細かな冷媒の流れ制御を実施することができ、熱源機30での消費エネルギの低減化を図ることができる。
また、上記実施形態では、空冷式の熱源機30を使用する場合について説明したが、これに限らず、水冷式の熱源機を使用してもよい。水冷式の熱源機を使用する場合は、図示しないクーリングタワーから延びる水配管に熱源機を配管接続する構成を採るため、複数の熱源機を重ねて配置でき、熱源機の配置スペースを比較的小さくすることができる。
以上の説明では、コンピュータルーム2内の空調については述べなかったが、空冷式あるいは水冷式の熱源機から延びるメイン冷媒配管に空気調和装置を接続し、この空気調和装置によりコンピュータルーム2内の空調を行う構成としてもよい。
また、上記した熱源機としては、四方弁を有しない冷房(冷却)サイクル専用機の構成としても良い。
また、上記熱源機が備える圧縮機は、電動機で駆動される形式、いわゆるEHP(電気式ヒートポンプ)形式のものであったが、これに限るものではなく、ガスエンジンの駆動によって圧縮機を駆動させるGHP(ガスヒートポンプ)形式の熱源機としても良い。
また、本実施形態では、サーバラック10が備えるリアドア12は片開きのドアであったが、これに限るものではなく、両開きのドアを用いる構成としても良い。この構成によれば、例えば、電子機器の横幅が大きくなることに伴い、キャビネットの幅が広くなったとしても、片開きに比べてドアの可動範囲を小さくすることができるため、メンテナンス時の作業を容易に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る電子機器冷却システムを示す図である。 サーバラックの説明図である。 サーバラックを後面側から見た場合の外観斜視図である。 サーバラックのリアドアを開いた状態を示す斜視図である。 電子機器冷却装置の回路構成を示す図である。
符号の説明
1 電子機器冷却システム
2 コンピュータルーム
2A 上床
2B 下床
2C 開口穴
3 電子機器
4 ファン
4A 吹出口
5 高圧スイッチ
5A 高圧スイッチ
10 サーバラック
11 キャビネット
11A 天板
11B 底板
11C 側板
11E 板
12 リアドア
12A 開口部
13 キャスタ
15 背面排気ユニット
15A 背面排気ファン
20 電子機器冷却ユニット
21 蒸発器
22 上側蒸発部
23 下側蒸発部
25 フレキシブル液管
26 フレキシブルガス管
27 液管
27A 液分岐管
27B 液分岐管
28A 膨張弁
28B 膨張弁
29 合流冷媒配管
30 熱源機
31 メイン冷媒配管
31A メイン液管
31B メインガス管
32 圧縮機
32A 圧縮機
32B 圧縮機
32C 管
33 オイルセパレータ
34 四方弁
35 熱源側熱交換器
36 膨張弁
37 レシーバタンク
38 アキュムレータ
40 電子機器冷却装置
41 低圧側配管
42 高圧側配管
42A 逆止弁
43 逆止弁
44 逆止弁
45 管
46 開閉弁
47 液側サービスバルブ
48 ガス側サービスバルブ
49 管
51 電装ユニット
52 リモートコントローラ
61 電装ユニット
62 内外通信線
64 前面開口
64 開口
65 後面開口
66 ヒンジ
67 ハンドル
68 孔
69 表面材
77 ドレンパン
PIN 液管接続部
POUT ガス管接続部

Claims (4)

  1. ファン付きの複数の電子機器を収納するための前面及び後面が開口したキャビネットを備え、該キャビネットの後面開口には通気可能なリアドアを備え、該リアドアの内側には冷凍サイクルを構成する蒸発器を備え、前記ファンで送風される空気を前記蒸発器で冷却して室内に戻す構成とし、
    前記蒸発器は、前記キャビネットの後面に固定されるとともに、前記複数の電子機器における前記ファンで送風される空気の吹出口を縦一列に整列させて、該一列に対応する幅で縦に延在し、
    前記キャビネット後面には、前記蒸発器の側面にメンテナンススペースを備えたことを特徴とする電子機器冷却装置。
  2. 前記蒸発器が上面視で略U字状に形成され、
    前記ファンで送風される空気を正面及び両側面の熱交換部で熱交換することを特徴とする請求項1に記載の電子機器冷却装置。
  3. 前記蒸発器が前記リアドアと前記電子機器との間の空間に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器冷却装置。
  4. 前記蒸発器に蒸発器用ファンを付設したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電子機器冷却装置。
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