JP2009192809A - 光処理装置および光処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光スイッチングにおけるスイッチ効率を高める。
【解決手段】第1光のパルスのパルスタイミングに応じて第1の偏光状態か又は第1の偏光状態と異なる第2の偏光状態を有する第2光を出力する第2光光源3と、前記第1光パルスとともに第2光光源3からの第2光パルスを入力されて、前記第1光パルスの偏光状態を、前記第2光パルスの偏光状態に対応して非線形効果により制御する第1非線形媒質4と、第1非線形媒質4から出力された前記第1光パルスについて、第1非線形媒質4で制御された前記偏光状態に応じて第1出力方路又は第2出力方路に分離出力する分離部6と、をそなえ、かつ、第1非線形媒質4は、前記非線形効果により、分離部6で前記第1出力方路および第2出力方路のそれぞれに分離出力された各第1光パルスのレベルが前記第2光パルスのエネルギーを受けて補償されるように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光通信等に用いられる信号光を時間領域で振り分ける光分岐挿入器において、光のまま信号処理を行なう装置および方法に関する。
光ファイバ通信はその特長を活用した波長分割多重(WDM)技術により、その構成は二点間を大容量で結ぶシステムを皮切りに、リング状に進化し、更にメッシュ状に発展しつつある。メッシュ状に光ファイバが接続されたフォトニックネットワークでは、複数の光ファイバが結ばれるノードにおいて、信号の行き先を振り分ける機能が求められる。
このとき、光信号を一旦電気信号に変換した後、行き先別に振り分けた電気信号をもとに、再び光信号に変換し、次のノードに送り出される手法は、安定であるが装置サイズの大型化や消費電力量などが課題と考えられている。これに対し、電気信号に変換しない手法として、ある波長の信号光を分岐又は挿入して、波長パスを切り替えることができる光ADM(Add/Drop Multiplexer)がある(非特許文献1参照)。
また、任意波長の信号光を分岐/挿入できるROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)は、遠隔制御により光パスを自在に設定でき、ビットレートに依存しないフォトニックネットワークを構成できる等の利点によりネットワーク運用が容易になり、より柔軟なフォトニックネットワークの構築に繋がる。
しかしながら、いわゆるROADMは、自由に信号光の波長を出し入れする点では柔軟であるが、同じ波長の信号光を時間領域において高速に出し入れする機能はない。今後、より粒度の高いフォトニックネットワークの実現には、時間領域でも任意に信号光を高速に出し入れできる光スイッチ技術が重要になる。そのために、時間領域での信号光を高速に出し入れするスイッチの研究が盛んに行なわれている。
非特許文献2には、時間領域での信号光の方路切り替えを行なう技術が開示されている。これは、光ファイバで構成されるNOLM(Nonlinear loop mirror)と呼ばれる干渉計を利用した光スイッチで、制御光を用いた干渉作用により信号光方路を時間軸上で切り替えるようになっている。NOLMは、光ファイバの非線形効果を利用しているために、高速・広帯域である。また、信号光を伝送する通常の光ファイバと異なり、特別に非線形効果を高めた非線形ファイバを利用するとコンパクトな構成で実現できる。また、NOLM内では全く電力を必要としない。
香川 昌義、他2名、"Optical Add/Drop Multiplexer in Metro/Access Network System"、平成15年1月、古河電工時報 Ju Han Lee, et al., "All-Optical 80-Gb/s Add-Drop Multiplexer Using Fiber-Based Nonlinear Optical loop Mirror", IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS, VOL.17, NO.4, April 2005
非特許文献2に記載された技術においては、電子回路を用いる技術と明確に区別できるが、NOLMでは光の干渉を利用した干渉計スイッチであり、安定動作を保つことが難しく、光学部品の挿入損失により本質的にスイッチ効率を上げることが困難で信号光品質の劣化に繋がるなどの課題があった。スイッチ効率が低いという課題は、信号光がいくつものノードを通過することが予想される将来のフォトニックネットワークでは致命的な問題になり得る。
そこで、時間領域で信号光の出力方路を切り替える光スイッチングにおけるスイッチ効率を高め、スイッチ損失などに起因する信号光品質劣化を避けることを目的の一つとすることができる。
また、時間領域で信号光を分岐挿入する光スイッチの動作の安定化を図ることも他の目的ととらえることもできる。
なお、上記目的に限らず、後述する発明を実施するための最良の形態に示す各構成により導かれる効果であって、従来の技術によっては得られない効果を奏することも本発明の他の目的として位置づけることができる。
(1)このため、この光処理装置は、第1光のパルスのパルスタイミングに応じて第1の偏光状態か又は第1の偏光状態と異なる第2の偏光状態を有する第2光を出力する第2光光源と、前記第1光パルスとともに該第2光光源からの第2光パルスを入力されて、前記第1光パルスの偏光状態を、前記第2光パルスの偏光状態に対応して非線形効果により制御する第1非線形媒質と、該第1非線形媒質から出力された前記第1光パルスについて、該第1非線形媒質で制御された前記偏光状態に応じて第1出力方路又は第2出力方路に分離出力する分離部と、をそなえ、かつ、該第1非線形媒質は、前記非線形効果により、該分離部で前記第1出力方路および第2出力方路のそれぞれに分離出力された各第1光パルスのレベルが該第2光パルスのエネルギーを受けて補償されるように構成されたことを要件としている。
(2)また、上記(1)において、該第1および第2偏光状態は、ほぼ直交する2つの直線偏光状態であることすることができる。
(3)さらに、上記(2)において、該分離部は偏光子により構成されて、該第1非線形媒質で前記第1の偏光状態とされた第1光パルス成分については第1出力方路に分離出力する一方、前記第1の偏光状態とされた第1光パルス成分については第2出力方路に分離出力することとしてもよい。
(4)さらに、上記(1)において、該第1および第2偏光状態は、ほぼ45度程度の角度をなす2つのおよそ直線偏光状態であることとすることができる。
(5)また、上記(4)において、該分離部は、該第1非線形媒質から出力された前記第1光パルスを2分岐する分岐部と、該分岐部で2分岐した一方の前記第1光パルスについて、前記第1の偏光状態の第1光パルス成分を通過する一方前記第2の偏光状態の第1光パルス成分については遮断する第1偏光子と、該分岐部で2分岐した他方の前記第1光パルスについて、前記第2の偏光状態の第1光パルス成分を通過する一方前記第1の偏光状態の第1光パルス成分については遮断する第2偏光子と、をそなえたこととすることができる。
(6)さらに、上記(1)〜(5)において、該第2光光源は、前記第2光として、前記第1光のパルスに実質的に同期する第2光パルスであって、前記第1光パルスのパルスタイミングに応じて第1の偏光状態か又は第1の偏光状態と異なる第2の偏光状態の光パルスを有してなる第2光パルスを出力するように構成されたこととしてもよい。
(7)また、上記(6)において、該第2光光源は、該第1光パルスに実質的に同期するクロック光を出力するクロック光源と、該クロック光をなすクロックパルスのうちで、前記第2光パルスとして第1および第2の偏光状態のうちの一方とすべきパルスタイミングに対応してパルス立ち上がりを有する偏光状態選択光を出力する偏光状態選択光源と、該クロック光源からの前記クロック光と該偏光状態選択用光源からの前記偏光状態選択光とを入力されて、非線形効果により、前記第1又は第2の偏光状態のクロックパルスからなるクロック光を前記第2光パルスとして出力する第2非線形媒質と、をそなえたこととすることができる。
(8)さらに、上記(1)〜(6)において、該第2光光源は、光源と、該光源からの前記光についての偏光状態を、前記第1又は第2の偏光状態となるように変調する偏波変調器と、をそなえたこととすることができる。
(9)また、上記(1)〜(7)において、該第2光光源は、該第1非線形媒質に入力される前記第1光パルスの偏光状態を調整制御する第1偏波制御器と、該第1非線形媒質に入力される前記第2光パルスの偏光状態を調整制御する第2偏波制御器と、をそなえたこととすることができる。
(10)また、この光処理方法は、第1光のパルスのパルスタイミングに応じて第1の偏光状態か又は第1の偏光状態と異なる第2の偏光状態を有する第2光を出力し、前記第1光パルスとともに前記第2光を第1非線形媒質に入力して、前記第1非線形媒質での非線形効果により、前記第1光パルスの偏光状態を、前記第2光の偏光状態に対応して制御し、該第1非線形媒質から出力された前記第1光パルスについて、該第1非線形媒質で制御された前記偏光状態に応じて第1出力方路又は第2出力方路に分離出力し、かつ、該第1非線形媒質での前記非線形効果により、前記分離出力された前記第1光パルスのレベルが前記第2光のエネルギーを受けて補償されることを要件としている。
このように、非線形媒質により、制御光のエネルギーを信号光に移すことができるので、スイッチ効率を改善することにより信号光品質を高く保持することができる利点がある。また、光領域での非線形効果を適用しているので、光の干渉条件等によってスイッチング特性が左右される従来技術に比して、光スイッチング(出力方路の切り替え)の安定性を向上させるとともに、切り替え時間を大幅に短縮した高速スイッチ動作を実現することができる。
以下、図面を参照することにより、実施の形態について説明する。
〔A〕第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態にかかる光処理装置を示す図である。この図1に示す光処理装置1は、光カプラ2a〜2c,制御光源部(第2光光源)3,非線形媒質(第1非線形媒質)4,波長フィルタ5,偏光子6および光移相器7をそなえ、入力される波長λSIGの信号光について、ビット時間単位に出力方路を切り替えることができるものである。尚、入力される信号光については、ここではRZ強度変調パルスを例示しているが、これ以外の変調方式で変調された信号光についても同様に適用することが可能である。
ここで、光カプラ2aは、入力される信号光(第1光)の一部について制御光源部3に出力する一方、残りは非線形媒質4に通じる光カプラ2bに出力される。尚、光カプラ2bへの信号光については、その偏光状態を、制御光源部3からの制御光の偏光状態との関係で調整するために偏波制御器(第1偏波制御器)8aをそなえることとしてもよい。
制御光源部3は、信号光パルスに実質的に同期する制御光(第2光)のパルスであって、信号光パルスのパルスタイミングに応じて第1の偏光状態か又は第1の偏光状態と異なる第2の偏光状態の光パルスを有してなる制御光パルスを出力する制御光源として機能するものである。ここでは、後段の非線形媒質4で三次非線形光学効果である光パラメトリック効果に基づく入力信号光の偏光状態の制御を行なうための制御光パルスとして、互いにおよそ直交する第1および第2の偏光状態の光パルスが時間軸上に配列したクロックパルス(光波長はλCON)を出力するようになっている。
ここで、制御光源部3は、光パルス発生器3a,光カプラ3b,非線形媒質(第2非線形媒質)3c,波長フィルタ3dをそなえている。光パルス発生器3aは、光カプラ2aからの信号光から抽出したクロック成分に実質的に同期したクロック光を波長λCONで出力するとともに、波長λCONとは異なる波長λSELの光パルスを出力する。この光パルスλSELは偏光状態選択光であり、当該制御光源部3から出力する制御光パルスの偏光状態を一の偏光状態とすべき時間領域に対応して消光状態を形成する一方、制御光パルスの偏光状態を他の偏光状態とすべき時間領域に対応して立ち上がり状態を形成する。
換言すれば、光パルス発生器3aは、信号光パルスに実質的に同期するクロック光を出力するクロック光源としての機能とともに、このクロック光をなすクロックパルスのうちで、制御光パルスとして第1および第2の偏光状態のうちの一方とすべきパルスタイミングに対応してパルス立ち上がりを有する偏光状態選択光を出力する偏光状態選択光源としての機能を有している。
たとえば、この図1に例示する偏光状態選択光λSELにおいては、クロック光をなすクロックパルスのうちで、右から2番目および5番目に相当するクロックパルスのパルスタイミングに対応して立ち上がりを有する一方、他のクロックパルスのパルスタイミングにおいては消光状態となっている。
光カプラ3bにおいては、光パルス発生器3aからのクロック光および偏光状態選択光λSELについて、相対的に偏光角度がほぼ45度程度ずれた偏光状態の光として合波する。図1に例示するものにおいては、非線形媒質3cに入力されるクロック光については−45度程度の偏光角度を有する一方、偏光状態選択光λSELについては、ほぼ垂直の偏光角度を有している。この場合においては、光パルス発生器3aでは、このような偏光方向の関係を有するクロック光および偏光状態選択光λSELをなす制御光パルスを出力することができる。
光パルス発生器3aから出力されるクロック光および偏光状態選択光λSELが上述のごとき偏光方向の関係にない場合、又は偏光角度の調整が必要とされる場合には、適宜、光パルス発生器3aおよび光カプラ3bの間の光経路上に、クロック光および偏光状態選択光λSELについての偏光状態を調整する偏波制御器8b,8cをそれぞれそなえることとしてもよい。
また、非線形媒質(第2非線形媒質)3cは、光パルス発生器3aからのクロック光と偏光状態選択光λSELとを光カプラ3bを通じて入力されて、例えば光カー効果による偏光回転作用によって、互いに直交する第1および第2の偏光状態を有する光パルスが時間軸上に配列されたクロックパルス列(光波長はλCON)を生成する。
文献「Nonlinear fiber optics, 4th edition, Academic press, 2007」に偏光回転の詳細原理が開示されているが、直線偏光の第1の光(クロック光に相当)と第1の光に対し偏光方向のなす角が45度程度の第2の光(偏光状態選択光λSELに相当)とが非線形媒質3cに入射すると、第1の光と時間的に重なっている第2の光は、第1の光により発生する相互位相変調(XPM:Cross Phase Modulation)により、偏光状態が変化する。
図1に示すものにおいては、非線形媒質3cに入力される偏光状態選択光λSELが消光状態の時間領域(クロック光の右から1,3,4および6番目のクロックパルスの立ち上がり時間の領域)においては、クロック光と時間的に重なっていないのでクロック光についての偏光状態の回転は生ぜず、当該時間領域でのクロック光は入力時の偏光状態(−45度の偏光角度を有する状態)のままで出力される。一方で、偏光状態選択光λSELが立ち上がり状態の時間領域(クロック光の右から2番目および5番目のクロックパルスの立ち上がり時間の領域)においては、クロック光と時間的に重なっているので、当該時間領域でのクロック光の偏光状態が回転し、クロック光は結果として45度程度の偏光角度を有する偏光状態で出力される。
このとき、非線形媒質3cの非線形係数と相互作用長、第1の光のパワーの三つの値の積の二倍で与えられる非線形位相シフトがπ程度の時、その偏光状態は変化前に比べておよそ直交するようになる。即ち、非線形媒質3cの非線形係数と相互作用長、非線形媒質3cに入力されるクロック光のパワーを適宜設定することにより、偏光回転が生じた時間領域における非線形媒質3cからのクロック光出力(ほぼ45度の偏光状態)と偏光回転が生じていない時間領域におけるクロック光出力(ほぼ−45度の偏光状態)とで偏光角度がほぼ直交するようにしている。
光フィルタ3dは、非線形媒質3cから出力された光のうちで、偏光状態選択光の波長成分(λSEL)を除去し、クロック光波長(λCON)の成分を通過させて、前述の制御光パルスとして光カプラ2bを通じて非線形媒質4に出力する。尚、入力信号光についての偏光状態を調整するためにそなえる偏波制御器8aに対応して、制御光パルスの偏光状態を所期の偏光状態となるように制御する偏波制御器(第2偏波制御器)8dを更にそなえることとしてもよい。
なお、非線形媒質3cとしては、例えば、ステップインデックス型光ファイバや断面に空洞がある構造のホーリーファイバであってコア断面積の狭窄化やゲルマニウムなどの添加による非線形屈折率増大により非線形係数を高めた非線形光ファイバ、カルコゲナイドのように非線形屈折率が著しく大きな材料を主成分とした非線形光ファイバ、バンドギャップ効果により光閉じ込め係数を高めたフォトニック結晶ファイバなどを用いて実現することができる。
これにより、光カプラ2bで合波され非線形媒質4に入力される信号光は、例えば図1に示すようにほぼ水平方向の直線偏光状態にある一方、制御光パルスは、水平方向に対してそれぞれ−45度、45度の偏光角度差を有するとともに互いにほぼ直交する偏光状態(第1および第2の偏光状態)を有する光パルスが時間軸上に配列されたパルス列を形成する。
非線形媒質(第1非線形媒質)4は、上述のごとき信号光パルスとともに制御光パルスを入力されて、三次非線形光学効果である光パラメトリック効果により、制御光パルスの偏光状態に対応して信号光の偏光状態を制御するとともに、信号光パルスが制御光パルスのエネルギーを受け取ることにより、信号光を増幅する作用を生じさせる。
すなわち、非線形媒質4での非線形光学効果により信号光の偏光状態を制御することにより、後段の偏光子6においては、入力される信号光パルスについて出力方路を分離させることができるようになっている。換言すれば、制御光源部3からの制御光パルスは、後段の偏光子6で出力方路を分離させたい信号光に呼応して偏光状態がおよそ直交しているということができる。
非線形光媒質4内において、偏光状態を制御しつつ振幅を増幅させる動作は、光パラメトリック効果等の三次非線形光学効果に基づく。直線に偏光している信号光パルス(図1中のλSIGにおいてはほぼ水平方向)の偏光方向に対して、およそ45度方向に直線偏光している高いパワーの制御光λCONが入力されると、信号光の偏光方向がおよそ45度回転し、同時に振幅が増幅される。又、−45度の方向に直線偏光している高いパワーの制御光λCONが入力されると、信号光の偏光方向についても対応して−45度回転し、同時に振幅が増幅される。
すなわち、制御光源部3においては、入力される信号光パルスに同期した制御光パルスであって、信号光パルス列をなす各光パルスに設定すべき出力方路に応じて、第1又は第2の偏光状態を有する制御光パルスを生成しているので、非線形媒質4に入力される信号光パルスは、制御光パルスの時間領域ごとの偏光状態に対応するように偏光状態が制御される。従って、第1の偏光状態(ほぼ−45度の偏光方向)にある制御光パルスが入力される時間領域においては、非線形媒質4から出力される信号光パルスは−45度の直線偏光状態に制御され、第2の偏光状態(ほぼ45度の偏光方向)にある制御光パルスが入力される時間領域においては、信号光パルスは45度の直線偏光状態に制御されるのである。
なお、上述の光パラメトリック効果による偏光状態の制御と光増幅作用については、詳細には例えば特許第3920297号で開示されている。非線形媒質4としては、零分散波長λ0はλCONであり、ステップインデックス型光ファイバや断面に空洞がある構造のホーリーファイバであってコア断面積の狭窄化やゲルマニウムなどの添加による非線形屈折率増大により非線形係数を高めた非線形光ファイバ、カルコゲナイドのように非線形屈折率が著しく大きな材料を主成分とした非線形光ファイバ、バンドギャップ効果により光閉じ込め係数を高めたフォトニック結晶ファイバ、シリコンフォトニクス技術を用いた非線形導波路などがあるが、これらに限定するものではない。
光フィルタ5は、非線形媒質4から出力される光のうちで、信号光パルスの波長成分(λSIG)を透過する一方制御光パルスの波長成分(λCON)等の信号光パルスの波長成分以外については除去して、偏光子6に出力するものであり、例えば、誘電体多層膜を蒸着させたもの、光ファイバのコアに周期的構造を作製した光ファイバブラッググレーティングなどがあるが、これに限定するものではない。
偏光子6は、非線形媒質4から出力された信号光パルスについて、非線形媒質4で制御された偏光状態に応じて第1出力方路又は第2出力方路に分離出力する分離部である。具体的には、非線形媒質4において−45度の直線偏光状態に制御されている信号光パルスについては、第1出力方路P1に出力する一方、非線形媒質4において45度の直線偏光状態に制御されている信号光パルスについては、第2出力方路P2に出力する。
なお、偏光子6としては、直交する偏光成分を同時に異なる出力方路に出力することができるようにするため、例えばプリズムペアを接着した偏光プリズムで構成することができる。
このように、非線形媒質4では、入力される信号光の偏光状態(水平方向の直線偏光)を制御することにより、図1に例示するように、光フィルタ5から出力される段の信号光パルス列SIGのうち、第1出力方路P1を通じて出力すべき光パルス(図中右から1,3,4,6番目の光パルス)については、−45度の偏光角度を有するように制御される一方、第2出力方路P2を通じて出力すべき光パルス(図中右から2,5番目の光パルス)については、45度の光パルスを有するように制御される。
このとき、制御光源部3から出力する制御光パルスによって、信号光パルスの偏光状態をパルス単位に制御することができるので、1つの入力ポートを通じて入力される信号光パルス列のパルス単位の出力方路として、第1出力方路P1又は第2出力方路P2のいずれか一方とする光スイッチとして構成することができる。又は、偏光子6における第1出力方路をスルーポートとし、第2出力方路をドロップポートとすると、制御光パルスにより、信号光パルスのうちでドロップポートである第2出力方路P2から分岐出力する光パルスを設定、選択することができるようになる。
そして、非線形媒質4においては、出力方路の切り替え制御のための偏光状態制御にあわせて、信号光の増幅作用を与えることができるので、入力される信号光に対する出力方路切り替え後の信号光の強度の比であるスイッチ効率を、(例えば1以上の値に)改善することができるので、光スイッチへの入力信号パワーに対する出力信号パワーの比率として与えられるスイッチ効率を従来技術よりも大幅に向上させることができる。
なお、上述の非線形媒質4における信号光の増幅作用のためには、制御光に比較的高いパワーが求められる。このため、例えばこの図1に示すように、非線形媒質3cから出力された制御光パルスの振幅を大きくする光増幅器9を制御光源部3にそなえることとしてもよい。図1に示すものにおいては、光フィルタ3dおよび偏波制御器8dの間に介装されている。
また、上述の非線形媒質4においては、信号光を増幅する作用によってスイッチ効率を1以上の値としているが、少なくとも、非線形効果により、偏光子6で第1出力方路P1および第2出力方路P2のそれぞれに分離出力された各第1光パルスのレベルが、第2光のエネルギーを受けて補償されるのであれば、第1光パルスに対してスイッチ効率1より小さい値とすることもできる。
さらに、光移相器7は、偏光子6を通じて第1出力方路P1から光パルスが出力されなかったタイミングであって、時間軸上での歯抜け状態となったパルス位置に、下流側光伝送路を通じて挿入すべき光パルスの挿入タイミングを遅延により調整する。そして、光移相器7において挿入タイミングが調整された光パルスについては、光カプラ2cにおいて偏光子6の第1出力方路P1から出力された信号光と合流する。これにより、光パルス列の歯抜けタイミングに光移相器7からの光パルスが挿入され、下流側光伝送路に出力される。
したがって、上述の光移相器7および光カプラ2cにより、第1出力方路P1から出力された信号光パルスに、偏光子6で分離され第2出力方路P2から出力された信号光パルスのタイミングで光パルスを挿入するパルス挿入部を構成する。
上述の構成により、第1実施形態の光処理装置1では、制御光源部3で、入力される信号光パルスに実質的に同期する制御光パルスであって、信号光パルスのパルスタイミングに応じて第1の偏光状態か又は第1の偏光状態と異なる第2の偏光状態の光パルスを有してなる制御光パルスを出力する。ここでの制御光パルスは、後段の偏光子6において通過させたい信号又は分岐させたい信号(信号光パルス)に対応して偏光状態が互いにおよそ直交する直線偏光の光クロックである。
そして、非線形媒質4に、信号光パルスとともに上述の制御光パルスを同期して入力させる。この時、直線偏光している信号光と制御光の偏光状態が互いに45度程度(又は−45度程度)をなすように設定する。これにより、非線形媒質4での非線形効果により、信号光パルスの偏光状態を、制御光パルスの偏光状態に対応して制御することができる。このとき、高パワーの制御光パルスにより、第2出力方路P2に宛てた分岐信号と第1出力方路P1に宛てた非分岐信号との偏光方向が、互いにほぼ直交する偏光状態に変化する。即ち、水平方向の直線偏光である信号光について、それぞれ偏光方向をほぼ+45度、−45度程度回転させることになる。同時に、制御光からエネルギーを信号光に移し、信号光の振幅を増大させることができる。
これにより、非線形媒質4の出力端の光フィルタ5で制御光を取り除いた後、互いにおよそ直交する分岐信号光、非分岐信号光を偏光子6で分離する。必要に応じて、光移相器7および光カプラ2cを通じて、非分岐信号光における空いた時間領域に挿入信号光を入力することが出来る。
このように、第1実施形態によれば、非線形媒質4により、制御光のエネルギーを信号光に移すことができるので、通常の光スイッチにおいては光学部品等の挿入損失により信号光パワーが減少するところ、出力方路が切り替えられた後の信号光のパワーを、入力時の信号光パワーよりも増大させることができるので、スイッチ効率を1以上にすることにより信号光品質を高く保持することができる利点があり、更には、信号光の光分岐挿入ノードを通過する段数に制限されることのない、また電子回路動作速度制約を超える高速なスイッチを実現でき、より柔軟で運用性の高いフォトニックネットワーク構築を加速できる。
また、光領域での非線形効果を適用しているので、光の干渉条件等によってスイッチング特性が左右される従来技術に比して、光スイッチング(出力方路の切り替え)の安定性を向上させることもできる。
さらに、偏光子6での切り替え先の出力方路に対応付けた偏光状態をパルスごとに有する制御光を生成して、当該制御光のパルス幅を基準に出力方路を切り替えることができるので、切り替え周期を大幅に狭めた高速スイッチ動作を実現することができる。
〔b〕第2実施形態の説明
図2は本発明の第2実施形態にかかる光処理装置1Aを示す図である。この図2に示す光処理装置1Aは、前述の第1実施形態の場合に比して、制御光源部3Aで出力する制御光パルスの態様とともに、非線形媒質4から出力された信号光について第1又は第2出力方路に分離する分離部としての構成が異なっているが、これら以外の構成については第1実施形態におけるものと基本的に同様である。尚、図2中、図1と同一の符号はほぼ同様の部分を示している。
ここで、前述の図1に示す制御光源部3においては、ほぼ水平方向の直線偏光として入力される信号光のうちで、第1,第2出力方路P1,P2へ出力される光パルスはともに非線形媒質4において偏光状態が回転されるようになっているが、図2に示す制御光源部3Aにおいては、第2出力方路P2へ出力される光パルスについては非線形媒質4で偏光状態が回転するが、第1出力方路P1へ出力される光パルスについては偏光状態が回転しないような偏光状態の制御光パルスを出力するようになっている。
すなわち、制御光源部3Aで出力する制御光において、第1出力方路P1へ出力される信号光パルスに対応する制御光パルスについては、信号光パルスと同様のほぼ水平方向の直線偏光となっているが、第2出力方路P2へ出力される信号光パルスに対応する制御光パルスについては、ほぼ45度程度傾斜した直線偏光となっている。換言すれば、第2出力方路P2から分岐する信号光に対応した制御光の偏光状態は直線偏光で、非分岐信号光に対応する制御光の直線偏光の偏光方向と45度程度をなす。
このため、制御光源部3Aの光パルス発生器3a′は、前述の図1に示す光パルス発生器3aと同様にクロック光源としての機能とともに偏光状態選択光源としての機能を有しているが、光カプラ3bに入力される段におけるクロック光λCONおよび偏光状態選択光λSELの偏光状態が異なっている。即ち、この図2に示す光カプラ3bに入力されるクロック光については前述の信号光と同様のほぼ水平方向の直線偏光であり、偏光状態選択光λSELをなす制御光パルスについてはクロック光に対して相対的に偏光角度がほぼ45度程度ずれた直線偏光である。この場合においては、光パルス発生器3a′では、このような偏光方向の関係を有するクロック光および偏光状態選択光λSELをなす制御光パルスを出力することができる。
光パルス発生器3a′から出力されるクロック光および偏光状態選択光λSELの偏光状態が上述のごとき関係にない場合、又は各光の偏光角度の調整が必要とされる場合には、適宜、光パルス発生器3a′および光カプラ3bの間の光経路上に、クロック光および偏光状態選択光λSELについての偏光状態を調整する偏波制御器8b′,8c′をそれぞれそなえることとしてもよい。
これにより、非線形媒質(第2非線形媒質)3cにおいては、光パルス発生器3a′からのクロック光と偏光状態選択光λSELとを光カプラ3bを通じて入力されて、例えば光カー効果による偏光回転作用によって、偏光状態選択光λSELとして立ち上がっているタイミングにおいては、クロック光λCONをなす光パルスの偏光状態が回転して45度の傾斜角度を有する直線偏光(第2の偏光状態)となる一方、偏光状態選択光λSELが消光状態となっているタイミングにおいては、クロック光λCONをなす光パルスの偏光状態はそのままに(第1の偏光状態)出力される。
制御光源部3a′においては、上述したように、信号光に同期するとともに、第1の偏光状態であるほぼ水平方向の直線偏光状態の光パルスと、第2の偏光状態であるほぼ45度偏光状態が回転された直線偏光の光パルスと、が時間軸上において配列された制御光パルスを出力することができる。
そして、非線形媒質4に入力される信号光のうちで、上述の第1の偏光状態にある制御光パルスに同期したタイミングで入力される信号光パルスについては、光パラメトリック効果等による偏光回転作用は受けないが、このときの制御光パルスのエネルギーを同様に受け取っているので、出力される信号光パルスを増幅させる(即ち信号光パルスのレベル補償を行なう)ことができるようになっている。又、第2の偏光状態にある制御光パルスに同期したタイミングで入力される信号光パルスについては、第1実施形態の場合と同様に光パラメトリック効果等による偏光回転作用を受けるとともに、出力される信号光パルスを増幅させることができるようになっている。
また、非線形媒質4から光フィルタ5を介して出力された信号光パルスについて、非線形媒質4で制御された偏光状態に応じて第1出力方路P1又は第2出力方路P2に分離出力する分離部を実現する構成として、分岐器6aおよび第1,第2偏光子6b,6cをそなえている。
分岐器(分岐部)6aは、非線形媒質4から出力された信号光パルスを2分岐するものであり、第1偏光子6bは、分岐器6aで2分岐した一方の信号光パルスについて、第1の偏光状態の信号光パルス成分を通過する一方第2の偏光状態の信号光パルス成分については遮断するものである。又、第2偏光子6cは、分岐器6aで2分岐した他方の信号光パルスについて、第2の偏光状態の信号光パルス成分を通過する一方第1の偏光状態の信号光パルス成分については遮断するものである。
この場合においては、光フィルタ5から出力されて第2出力方路P2へ導かれるべき信号光パルスの偏光方向は45度の偏光方向であるので、第1偏光子6bとしては、当該45度の偏光方向の光と透過方向を直交させ、ほぼ−45度の偏光方向の光を通過するように透過面が調整される。尚、光フィルタ5から出力されて第1出力方路P1へ導かれるべき信号光パルスの偏光方向は水平方向であり、上述のごとく透過面が調整された第1偏光子6bからは信号光パルスの該当偏光方向成分を透過させることができる。
また、光フィルタ5から出力されて第1出力方路P1へ導かれるべき信号光パルスの偏光方向は水平方向であるので、第2偏光子6cとしては、当該水平方向と透過方向を直交させ、ほぼ垂直方向の偏光を通過するように透過面が調整される。尚、上述したように、光フィルタ5から出力されて第2出力方路P2へ導かれるべき信号光パルスの偏光方向は45度方向であり、上述のごとく透過面が調整された第2偏光子6cからは信号光パルスの該当偏光方向成分を透過させることができる。
これにより、第1偏光子6bを通過した信号光パルスについては第1出力方路P1を通じて出力される光パルスとすることができ、第2偏光子6cを通過した信号光パルスについては第2出力方路P2を通じて出力される光パルスとすることができる。この場合において、それぞれの偏光子6b,6cの前段において偏波制御器8f,8gを介装することにより、分岐信号光および非分岐信号光の消光比を同時に高い値に設定することが可能になる。
上述の構成により、第2実施形態の光処理装置1Aにおいては、信号光である第1の光と制御光である第2の光を非線形媒質4内に入射する。この時、第1の光と第2の光の偏光状態の関係は、非分岐に相当する(第1出力方路P1へ導かれる)ものはおよそ同じ直線偏光で、分岐に相当する(第2出力方路P2へ導かれる)ものは45度程度をなす直線偏光になっている。
信号光は、非線形媒質4内で第2の偏光状態に偏光回転されるとともに振幅が増幅される。図2に示すものにおいては、信号光のうちで、非分岐信号光は制御光と同じ偏光状態なので、分岐信号光よりも3倍程度大きく増幅されるようになっている。
光フィルタ5を通じて制御光波長が除去された信号光は、分岐器6aで2分岐されて、第1偏光子6bと第2偏光子6bにおいてそれぞれ分岐信号光、非分岐信号光が透過しないように偏光子の透過面を調整すると、信号光を分岐できる。
このように、第2実施形態においても、前述の第1実施形態の場合と同様の利点を得ることができる。
〔c〕その他
上述した実施形態にかかわらず、種々変形して実施することが可能である。
たとえば、図3に示す制御光源部3Bのように、連続光を出力するCW(Continuous Wave)光源3eと、CW光源3eからの連続光について、第1の偏光状態か又は第1の偏光状態と異なる(例えば90度の偏光角度差を有する)第2の偏光状態を有するように偏波制御する偏波制御器3fをそなえて構成することとしてもよい。即ち、偏波制御器3fにおいて、入力される連続光について、第1出力方路に導かれるべき信号光パルスに同期して第1の偏光状態とするとともに、第2出力方路に導かれるべき信号光パルスに同期して第2の偏光状態とすべく制御することにより、前述の図1,図2に示す制御光源部3,3Aに置き換えることができる。このように構成すれば、電子回路動作速度にスイッチ応答速度が制限されるが、安定に制御光を供給することができる。
〔d〕付記
(付記1)
第1光のパルスのパルスタイミングに応じて第1の偏光状態か又は第1の偏光状態と異なる第2の偏光状態を有する第2光を出力する第2光光源と、
前記第1光パルスとともに該第2光光源からの第2光パルスを入力されて、前記第1光パルスの偏光状態を、前記第2光の偏光状態に対応して非線形効果により制御する第1非線形媒質と、
該第1非線形媒質から出力された前記第1光パルスについて、該第1非線形媒質で制御された前記偏光状態に応じて第1出力方路又は第2出力方路に分離出力する分離部と、をそなえ、
かつ、該第1非線形媒質は、前記非線形効果により、該分離部で前記第1出力方路および第2出力方路のそれぞれに分離出力された各第1光パルスのレベルは、前記第2光のエネルギーを受けて補償されるように構成されたことを特徴とする、光処理装置。
(付記2)
該第1および第2偏光状態は、ほぼ直交する2つの直線偏光状態であることを特徴とする、付記1記載の光処理装置。
(付記3)
該分離部は偏光子により構成されて、該第1非線形媒質で前記第1の偏光状態とされた第1光パルス成分については第1出力方路に分離出力する一方、前記第1の偏光状態とされた第1光パルス成分については第2出力方路に分離出力することを特徴とする、付記2記載の光処理装置。
(付記4)
該第1および第2偏光状態は、ほぼ45度程度の角度をなす2つのおよそ直線偏光状態であることを特徴とする、付記1記載の光処理装置。
(付記5)
該分離部は、
該第1非線形媒質から出力された前記第1光パルスを2分岐する分岐部と、
該分岐部で2分岐した一方の前記第1光パルスについて、前記第1の偏光状態の第1光パルス成分を通過する一方前記第2の偏光状態の第1光パルス成分については遮断する第1偏光子と、
該分岐部で2分岐した他方の前記第1光パルスについて、前記第2の偏光状態の第1光パルス成分を通過する一方前記第1の偏光状態の第1光パルス成分については遮断する第2偏光子と、をそなえたことを特徴とする、付記4記載の光処理装置。
(付記6)
該第2光光源は、
前記第2光として、前記第1光のパルスに実質的に同期する第2光パルスであって、前記第1光パルスのパルスタイミングに応じて第1の偏光状態か又は第1の偏光状態と異なる第2の偏光状態の光パルスを有してなる第2光パルスを出力するように構成されたことを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項記載の光処理装置。
(付記7)
該第2光光源は、
該第1光パルスに実質的に同期するクロック光を出力するクロック光源と、
該クロック光をなすクロックパルスのうちで、前記第2光パルスとして第1および第2の偏光状態のうちの一方とすべきパルスタイミングに対応してパルス立ち上がりを有する偏光状態選択光を出力する偏光状態選択光源と、
該クロック光源からの前記クロック光と該偏光状態選択用光源からの前記偏光状態選択光とを入力されて、非線形効果により、前記第1又は第2の偏光状態のクロックパルスからなるクロック光を前記第2光パルスとして出力する第2非線形媒質と、をそなえたことを特徴とする、付記6記載の光処理装置。
(付記8)
該第2光光源は、光源と、該光源からの前記光についての偏光状態を、前記第1又は第2の偏光状態となるように変調する偏波変調器と、をそなえたことを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項記載の光処理装置。
(付記9)
該第2光光源は、
該第1非線形媒質に入力される前記第1光パルスの偏光状態を調整制御する第1偏波制御器と、該第1非線形媒質に入力される前記第2光パルスの偏光状態を調整制御する第2偏波制御器と、をそなえたことを特徴とする、付記1〜7のいずれか1項記載の光処理装置。
(付記10)
該第1非線形媒質に入力する前記第2光の振幅を大きくする光増幅器が、該第2光光源と該第1非線形媒質との間に介装されたことを特徴とする、付記1〜9のいずれか1項記載の光処理装置。
(付記11)
該第1非線形媒質に入力する前記第2光パルスのパルスタイミングを調整する光移相器をそなえたことを特徴とする、付記1〜10のいずれか1項記載の光処理装置。
(付記12)
該第1出力方路から出力された第1光パルスに、該分離部で分離され該第2出力方路から出力された第1光パルスのタイミングで光パルスを挿入するパルス挿入部をそなえたことを特徴とする、付記1〜11のいずれか1項記載の光処理装置。
(付記13)
該第1非線形媒質は、ステップインデックス型光ファイバや断面に空洞がある構造のホーリーファイバであってコア断面積の狭窄化やゲルマニウムなどの不純物添加による非線形屈折率増大により非線形係数を高めた非線形光ファイバ、カルコゲナイドのように非線形屈折率が著しく大きな材料を主成分とし非線形係数を高めた非線形光ファイバ、バンドギャップ効果により光閉じ込め係数を高めたることにより非線形係数を高めたフォトニック結晶ファイバ、又はシリコンフォトニクス技術を用いた非線形導波路を用いて構成されたことを特徴とする、付記1〜12のいずれか1項記載の光処理装置。
(付記14)
該第1光は信号光であり、該第2光は制御光であることを特徴とする、付記1〜13のいずれか1項記載の信号光処理装置。
(付記15)
第1光のパルスのパルスタイミングに応じて第1の偏光状態か又は第1の偏光状態と異なる第2の偏光状態を有する第2光を出力し、
前記第1光パルスとともに前記第2光を第1非線形媒質に入力して、前記第1非線形媒質での非線形効果により、前記第1光パルスの偏光状態を、前記第2光の偏光状態に対応して制御し、
該第1非線形媒質から出力された前記第1光パルスについて、該第1非線形媒質で制御された前記偏光状態に応じて第1出力方路又は第2出力方路に分離出力し、
かつ、該第1非線形媒質での前記非線形効果により、前記分離出力された前記第1光パルスのレベルは、前記第2光のエネルギーを受けて補償されることを特徴とする、光処理方法。
第1実施形態にかかる光処理装置を示す図である。 第2実施形態にかかる光処理装置を示す図である。 変形例にかかる制御光源部を示す図である。
符号の説明
1,1A 光処理装置
2a〜2c,3b 光カプラ
3 制御光源部(第2光光源)
3a,3a′ 光パルス発生器(クロック光源
3c,4 非線形媒質
3d,5 光フィルタ
3e 光源
3f,8a〜8g 偏波制御器
4 非線形媒質(第1非線形媒質)
5 波長フィルタ
6,6a,6b 偏光子
6a 分岐器
7 光移相器
9 光増幅器

Claims (10)

  1. 第1光のパルスのパルスタイミングに応じて第1の偏光状態か又は第1の偏光状態と異なる第2の偏光状態を有する第2光を出力する第2光光源と、
    前記第1光パルスとともに該第2光光源からの前記第2光を入力されて、前記第1光パルスの偏光状態を、前記第2光の偏光状態に対応して非線形効果により制御する第1非線形媒質と、
    該第1非線形媒質から出力された前記第1光パルスについて、該第1非線形媒質で制御された前記偏光状態に応じて第1出力方路又は第2出力方路に分離出力する分離部と、をそなえ、
    かつ、該第1非線形媒質は、前記非線形効果により、該分離部で前記第1出力方路および第2出力方路のそれぞれに分離出力された各第1光パルスのレベルは、該第2光のエネルギーを受けて補償されるように構成されたことを特徴とする、光処理装置。
  2. 該第1および第2偏光状態は、ほぼ直交する2つの直線偏光状態であることを特徴とする、請求項1記載の光処理装置。
  3. 該分離部は偏光子により構成されて、該第1非線形媒質で前記第1の偏光状態とされた第1光パルス成分については第1出力方路に分離出力する一方、前記第1の偏光状態とされた第1光パルス成分については第2出力方路に分離出力することを特徴とする、請求項2記載の光処理装置。
  4. 該第1および第2偏光状態は、ほぼ45度程度の角度をなす2つのおよそ直線偏光状態であることを特徴とする、請求項1記載の光処理装置。
  5. 該分離部は、
    該第1非線形媒質から出力された前記第1光パルスを2分岐する分岐部と、
    該分岐部で2分岐した一方の前記第1光パルスについて、前記第1の偏光状態の第1光パルス成分を通過する一方前記第2の偏光状態の第1光パルス成分については遮断する第1偏光子と、
    該分岐部で2分岐した他方の前記第1光パルスについて、前記第2の偏光状態の第1光パルス成分を通過する一方前記第1の偏光状態の第1光パルス成分については遮断する第2偏光子と、をそなえたことを特徴とする、請求項4記載の光処理装置。
  6. 該第2光光源は、
    前記第2光として、前記第1光のパルスに実質的に同期する第2光パルスであって、前記第1光パルスのパルスタイミングに応じて第1の偏光状態か又は第1の偏光状態と異なる第2の偏光状態の光パルスを有してなる第2光パルスを出力するように構成されたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の光処理装置。
  7. 該第2光光源は、
    該第1光パルスに実質的に同期するクロック光を出力するクロック光源と、
    該クロック光をなすクロックパルスのうちで、前記第2光パルスとして第1および第2の偏光状態のうちの一方とすべきパルスタイミングに対応してパルス立ち上がりを有する偏光状態選択光を出力する偏光状態選択光源と、
    該クロック光源からの前記クロック光と該偏光状態選択用光源からの前記偏光状態選択光とを入力されて、非線形効果により、前記第1又は第2の偏光状態のクロックパルスからなるクロック光を前記第2光パルスとして出力する第2非線形媒質と、をそなえたことを特徴とする、請求項6記載の光処理装置。
  8. 該第2光光源は、光源と、該光源からの前記光についての偏光状態を、前記第1又は第2の偏光状態となるように制御する偏波制御器と、をそなえたことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の光処理装置。
  9. 該第2光光源は、
    該第1非線形媒質に入力される前記第1光パルスの偏光状態を調整制御する第1偏波制御器と、該第1非線形媒質に入力される前記第2光パルスの偏光状態を調整制御する第2偏波制御器と、をそなえたことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載の光処理装置。
  10. 第1光のパルスのパルスタイミングに応じて第1の偏光状態か又は第1の偏光状態と異なる第2の偏光状態を有する第2光を出力し、
    前記第1光パルスとともに前記第2光を第1非線形媒質に入力して、前記第1非線形媒質での非線形効果により、前記第1光パルスの偏光状態を、前記第2光の偏光状態に対応して制御し、
    該第1非線形媒質から出力された前記第1光パルスについて、該第1非線形媒質で制御された前記偏光状態に応じて第1出力方路又は第2出力方路に分離出力し、
    かつ、該第1非線形媒質での前記非線形効果により、前記分離出力された前記第1光パルスのレベルは、前記第2光のエネルギーを受けて補償されることを特徴とする、光処理方法。
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