JP4779177B2 - 非線形光デバイスとそれを用いた応用機器 - Google Patents

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Description

本発明は、可飽和吸収体を応用した、雑音フィルタ、超高速光スイッチ、光位相比較器などの、光モジュール/光サブシステム/光装置となる非線形光デバイスに関する。
インターネットの普及と通信技術の進展により、伝送されるデータのビットレートは年々高まっている。しかし、一方で、電子デバイスの動作速度も、いよいよその限界に達するものと予想されている。そのために、電子デバイスより高速で動作可能な、非線形光デバイスの開発が進められてきた。非線形光デバイスの一種として、可飽和吸収体を応用したデバイスの開発が進められている。可飽和吸収体とは、光の吸収係数が光強度に依存する物質であり、入射光強度が大きいほど吸収係数が低下する。すなわち、光強度を変化させることで、光による光の開閉(シャッター)制御を実現することができる。なかでも、半導体量子井戸のサブバンド間遷移(ISBT)を応用した可飽和吸収体デバイスが注目されている。ISBTは、通常の半導体バンドギャップ間の緩和時間より3桁以上高速であり、テラビット毎秒の高速動作が可能である。
(ISBTは、いろいろな半導体材料をベースに研究されている。例えば、非特許文献1、2および3参照。)
ところが、ISBTは、光の偏光が量子井戸の平面に対して垂直な直線偏光(TMモード)に対して生じるが、TMモードに垂直な直線偏光(TEモード)に対しては、ほとんど遷移が起こらない。このことは、原理的に、この光デバイスは、入射光がTMモードのみの単一偏光に対してしか動作しないことを意味する。光通信などで用いられている光信号は光ファイバ中を伝搬する過程でランダムな偏光状態になる上、経時変化を伴うため、光デバイスへの入射偏光状態も不確定となる。したがって、光デバイスが偏光依存性を有すると安定した動作が得られず問題である。
特開平11−264958号公報 特開平8−76157号公報 S.Sekiguchi,T.Simoyama,H.Yoshida,J.Kasai,T.Mozume,and H.Ishikawa,"Waveguide design of InGaAs/AlAs/AlAsSb inter−subband transition optical switch,"Optical Fiber Communications Conf.(OFC)2005,Anaheim,paper OFE4. 鈴木信夫、飯塚紀夫、金子桂、「GaN系量子井戸中のサブバンド間遷移を利用した超高速光スイッチ」、オプトロニクス、No. 282、pp.151−1153, 2005、 R.Akimoto,B.Li,K.Akita,T.Hazama,"Ultrafast switching of intersubband saturable absorber II−VI−based quantum well waveguides,"European Conference on Optical Communications(ECOC)2005,Glasgow.
従来、偏光依存性を有する光デバイスには、偏波ダイバーシティを利用するという方策が採られてきた。一般に偏波ダイバーシティは、入力光信号を直行する2つの偏光成分に分離し、それぞれが単一偏光状態で2つの同一な特性を有する光デバイスに入射し、出力を再び偏光合波する。したがって、構成が複雑となるだけでなく、2つのデバイスの特性を正確に合わせるという製造上の難しさなどが伴うため、問題も多い。さらに、偏波ダイバーシティは、2つの偏光成分がそれぞれ線形動作をすることを前提としているため、非線形動作を前提とする可飽和吸収体には、一般に適用できない。
ISBTの偏光依存性を解消するために、ISBT導波路を2つ縦列に接続し間に2分の1波長板を挿入する方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法は、ISBTを光スイッチに応用する限られた使い方においてのみ可能である。すなわち、光スイッチ動作における制御光の偏光状態は光デバイスに対してきちんと制御・管理されることと、制御光の入力パワーが一定で信号光に対しては近似的に線形動作することを前提としている。さらに、直列な2つのISBT導波路の特性は、所望の動作を得るために正確に設計・実現されなければならないため、製造歩留まりの観点から問題がある。
一方、ISBTとは全く異なるが、SESAMと呼ばれる半導体量子井戸可飽和吸収ミラーの偏光依存性を解消するために、偏波ダイバーシティに類似した方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法は、しかしながら、偏波分離した2つの信号間の干渉効果を考慮しておらず、動作が安定しない懸念がある。また、この方式は、ミラー構造を想定しており、ISBTのような導波路構造を有するデバイスに単純に応用することはできない。
一般に、多くの可飽和吸収体は偏光依存性が見られており、本発明は、ISBTを用いたデバイスに限らず、可飽和吸収体を用いた非線形光導波路デバイス全般に関する発明でもある。
本発明は、上記問題点に鑑み、簡単な構成により、入射する光の偏光状態に依存せず安定に動作することを、簡素な構成で実現するISBTを用いた非線形光デバイスとそれを用いた応用機器を提供することを目的とする。
また、従来の偏波ダイバーシティは、入射光に対して線形動作するデバイスのみに適用していたのだが、本発明では、入射光の非線形動作にも偏光無依存化が実現できる構成を有するISBTを用いた非線形光デバイスとそれを用いた応用機器を提供することを目的とする。
本発明の課題解決手段の基本となる概念を図1に示す。本発明では、入射光を偏光ビームスプリッタ(PBS)で分離し、そこで分離された2つの直線偏光を偏波保持ファイバと結合光学系を介して偏光依存性を有する可飽和吸収体(例:ISBT導波路)の両端にそれぞれ結合する。このとき、それぞれの直線偏光が、ISBT導波路に対して両方ともTMモード又はTEモード、すなわち、同一の直線偏波モードに揃うように調整されているものとする。また、入射光がPBSで分離してからISBTに結合するまでの損失は、2つの経路どうしで等しくなるように、ファイバとISBT導波路の結合を意図的にずらすなどして調整する。(損失が等しければ、図1の右回りの光と左回りの光が、同一の可飽和吸収特性を示すことになるので、逆にそうなるように、それぞれの結合効率を意図的に調整すればよい。)さらに、PBSからISBT導波路までの光路長を分離した2つの経路において互いに等しくなるように合わせる(図中 L1=L2)。すなわち、本発明では、光パルスが入射すると、PBSで2つに分かれ、互いに逆方向から同時にISBT導波路へ到達するように構成される。PBSで分離した2つの光パルスがISBT内ですれ違い、互いに反対側から出射する。そして、ISBT導波路から出射した2つの光パルスは再びPBSにて合波され、光サーキュレータを経て出力ポートから出射される。(光サーキュレータの変わりにカプラーを用いても良い。)このとき、ISBT導波路の特性は、光パルスの時間幅と、光パルスがISBT導波路の通過時間とが同じかそれ以上であることを満たすように設計する。こうすることで、ISBT導波路中の光強度の長手分布が一定と見なせるので、可飽和吸収を決める光強度は、光の進行方向に関係なく、すれ違う2つのパルスの光強度の和で表されることになる。逆に、光パルス長がISBT導波路長より短いと、すれ違う2つの光パルスの重なりがIBST導波路の一部分に限定されてしまうため、2つのパルスが重ならない部分での可飽和吸収効果の影響が無視できなくなる。さらに、ISBTの緩和時間が光パルスのISBT導波路通過時間に比べて同じかそれ以上であると、上記影響が緩和されるので望ましい。もちろん、光パルスの時間幅に比べて、緩和時間が著しく長いと、非線形光デバイスとして所望の特性が得られなくなるために、注意が必要である。ビームスプリッタ等の分岐機能を有するものを分岐体と表す。
具体的な解決手段は以下のようになる。
(1)非線形光デバイスは、偏光ビームスプリッタと可飽和吸収体とを有し、入射光を分離する偏光ビームスプリッタの両端と偏光依存性を有する可飽和吸収体の両端を偏波保持ファイバと結合光学系でそれぞれ光路として結合し、前記偏光ビームスプリッタの両端から出力されるそれぞれの直線偏光が前記可飽和吸収体に対して両方ともTMモード又はTEモード、すなわち、同一の直線偏波モードに揃うように調整され、入射光が前記偏光ビームスプリッタで分離されてから前記可飽和吸収体に結合するまでの損失は、2つの経路同士で等しくなるように、前記偏波保持ファイバと前記可飽和吸収体の結合を調整し、前記偏光ビームスプリッタから前記可飽和吸収体導波路までの前記それぞれの光路の光路長を等しくなるように構成し、
光パルスが入射すると、前記偏光ビームスプリッタで2つに分かれ、互いに逆方向から同時に前記可飽和吸収体へ到達するように構成され、前記可飽和吸収体の応答時間又は光パルスの時間幅のいずれか一方が、光パルスの前記可飽和吸収体の通過時間と同じかそれ以上であることを満たすように構成したことを特徴とする。
(2)上記(1)記載の非線形光デバイスは、前記偏光ビームスプリッタに光サーキュレータ又はカプラーを設け、該光サーキュレータ又はカプラーを介して光を入射および出射するようにしたことを特徴とする。
(3)非線形光デバイスは、上記(1)又は(2)記載の非線形光デバイス2つを前記可飽和吸収体を共通にしてカプラー又はWDMカプラーを介して連結し、一方の前記偏光ビームスプリッタの入力端子を制御光用とし、他方の前記偏光ビームスプリッタの入力端子を信号光用とすると供に、前記制御光と前記信号光が両方とも前記可飽和吸収体に入射するようにしたことを特徴とする。
(4)上記(3)記載の制御信号供給型非線形光デバイスは、一方の前記偏光ビームスプリッタを偏波保持スプリッタとし、該偏波保持スプリッタの入力端子を制御光用としたことを特徴とする。
(5)上記(4)記載の非線形光デバイスは、前記可飽和吸収体を偏波依存性を有する可飽和吸収体としたことを特徴とする。
(6)上記(1)乃至(5)のいずれか1項記載の非線形光デバイスは、
前記可飽和吸収体を可飽和吸収体導波路としたことを特徴とする。
(7)上記(1)乃至(6)のいずれか1項記載の非線形光デバイスは、光パルスが上記可飽和吸収体を通過する時間をTとし、光パルスの時間幅をΔtとするとき、T≦Δtとなるように構成したことを特徴とする。
(8)上記(1)乃至(7)のいずれか1項記載の非線形光デバイスは、光パルスが上記可飽和吸収体を通過する時間をTとし、可飽和吸収体の応答時間をΔTとするとき、T≦ΔTとなるように構成したことを特徴とする。
(9)雑音フィルタは、上記(1)乃至(8)のいずれか1項記載の非線形光デバイスを用い、前記可飽和吸収体の光強度の大きい光信号に比べて小さい光信号を透過しにくい性質を利用したことを特徴とする。
(10)光スイッチは、上記(1)乃至(8)のいずれか1項記載の制御信号供給型非線形光デバイスを用い、制御光パルスと信号光パルスとを所定のタイミングで同期して入射し、前記可飽和吸収体の動作により、制御光パルスと信号光パルスが時間的に重なるときにはトータルで大きな光強度となるので吸収係数が十分に小さくなり、信号光パルスが出力され、制御光が不在の時は、可飽和吸収体を通過する信号光だけでは吸収係数が小さくならないため大きな損失を受け、ほとんど出射されない性質を利用したことを特徴とする。
(11)光位相比較器は、上記(1)乃至(8)のいずれか1項記載の制御信号供給型非線形光デバイスを用い、前記可飽和吸収体の動作によって、2つの光パルス列が同じ繰り返し周波数で、同じタイミングで入射した際に、出力の平均光パワーが最大になり、周波数やタイミングがずれると平均パワーが低下する性質を利用したことを特徴とする。
(12)光時分割多重分離器は、上記(1)乃至(8)のいずれか1項記載の制御信号供給型非線形光デバイスを用い、光信号を2つに分岐する第1分岐器と、光クロック発生器と、該光クロック発生器の出力を2つに分岐する第2分岐器と、上記(11)記載の光位相比較器と、上記(10)記載の光スイッチを備え、
前記光クロック発生器と前記光位相比較器と前記第2分岐器によりフェーズロックトループを構成し、前記光スイッチで前記両分岐器の出力を入力し、入射時に分岐したもう一方の光信号を制御光として、同期した光クロックを被制御光として、両者が時間的に重なるように入射し、任意数のチャンネルの時分割多重光信号の1つのチャンネルのみを選択的に切り出すことを特徴とする。
(13)上記(12)記載の光時分割多重分離機は、前記第1分岐器と前記光スイッチとの間に遅延時間を可変できる遅延回路を介在し、該遅延時間を変化させて信号光と光クロックパルスのタイミングをずらして任意のチャンネルを選択することを特徴とする。
(14)上記(13)記載の光3R再生中継器は、前記光クロックの繰り返し周波数を、前記光信号のビットレートと等しくしたことを特徴とする。
このような構成により、いかなる偏光状態でも入射光パルスは、かならずTMモード又はTEモード、すなわち、同一の直線偏波モードでISBT導波路に互いに入射することが保証される。ただし、直交偏光成分は、2つの経路を経由し互いに反対向きに、且つ、同時に入射する。注意しなければならないのは、入射光パルスの偏光状態の変化は、双方向からISBT導波路へ入射する光のパワーバランスが変動することに対応するが、偏光無依存な安定動作を得るためには、このパワーバランスの変動に関わらず、ISBT導波路が同じ可飽和吸収動作をすることが必要である。このことは、可飽和吸収特性が光の伝搬方向によらず光強度の総和ないし基底準位のキャリア数に依存するので、ISBT導波路内の瞬時光強度の和がパワーバランスに関わらず一定となれば、可能である。そのためには、光パルスの時間幅と、光パルスがISBT導波路の通過時間とが同じかそれ以上であると、両方向から入射した光パルスがISBT導波路全体にわたるため、光強度が大きい光パルスの中央では必ず両方向の光パルスが重なることになり、パワーバランスに関わらずISBT導波路内での瞬時光強度は一定とみなせる。このとき、ISBT導波路の応答時間又は光パルスの時間幅のいずれか一方が光パルスのISBT導波路通過時間と同じかそれ以上に長いと、光パルスが通り過ぎた後も吸収飽和が持続するため実効的に光パルスの時間幅が長くなったような効果が得られ、パワーバランス変動に対する動作の安定性が増す。すなわち、光パルスがISBT導波路を通過する時間をTとし、光パルスの時間幅をΔtとするときT≦Δtとなるように、または、可飽和吸収体の応答時間をΔTとするときT≦ΔTとなるように構成すれば、偏光依存性を小さく抑えられ偏光無依存動作が得られる。
図1の基本概念に加え、図7、図8に示すような構成も可能である。図7、図8の構成は、信号光と制御光がWDMカプラーを介して、両方とも共通の可飽和吸収体にそれぞれ同一直線偏光状態で入射する。(WDMカプラーとは、異なる波長の光を効率よく同一ファイバに結合する光部品である。)この構成では、ISBT導波路に信号光と制御光が入射するまでに異なるファイバを伝搬しているので、両者のファイバ中での非線形相互作用を受けにくいというメリットがある。ただし、制御光と信号光が所望のタイミングでISBT導波路に入射するように設計される必要がある。図8は、制御光が単一偏光である特別な場合で、制御光の入射側にPBSを設置する必要が無く、代わりに偏波保持スプリッタを用いている。
これらの発明では、可飽和吸収体材料としてISBT導波路を中心として説明してきたが、ISBT導波路に限らず偏波依存性を有する可飽和吸収体であればすべてに適用できる。
本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
第一の実施例は、図1に示した偏光無依存非線形光デバイス(以下、本デバイスという)を利用した雑音フィルタである(図2)。任意の偏光状態にある光信号は、本実施例によって、偏光状態によらず安定した可飽和吸収特性を得て出力され、偏波無依存な雑音フィルタが実現される。可飽和吸収体は、光強度の大きい光信号に比べて小さい光信号を透過しにくい性質を有するので、光信号のゼロレベルでの雑音を1レベルに比べて抑制することができる。その結果として、光信号の消光比が改善されるため、いわゆる雑音フィルタとして動作することが可能である。なお、入出力側に、適切な光バンドパスフィルタを配置し、雑音フィルタの動作を最適化することもできる。
第二の実施例は、光スイッチである(図3)。制御光パルスと信号光パルスとを所定のタイミングで同期し本デバイスに入射する。可飽和吸収動作により、制御光パルスと信号光パルスが時間的に重なるときにはトータルで大きな光強度となるので吸収係数が十分に小さくなり、信号光パルスが出力される。一方、制御光が不在の時は、可飽和吸収体を通過する信号光だけでは吸収係数が小さくならないため大きな損失を受けるため、ほとんど出射されないようにすることができる。このとき、制御光と信号光は、光バンドパスフィルタや波長分割多重(WDM)カプラーなどで効率よく分離可能となるように、異なる中心波長を持つように設計する。図7・図8に示された構成には、制御光と信号光の2つの入力ポートがあるので、この実施例と同じことが実現できる。
第三の実施例は、光位相比較器である(図4)。2つの光パルス列(例えば、光信号と光クロック)が本デバイスに入射しその出力光の平均パワーが、低速な受光素子などによって計測される。本デバイスの可飽和吸収動作によって、2つの光パルス列が同じ繰り返し周波数で、同じタイミングで入射した際に、出力の平均光パワーが最大になり、周波数やタイミングがずれると平均パワーは低下する。そのため、この平均パワーの読み値が、2つの光パルス列の位相のエラー信号となる。図中受光素子の手前に、エラー信号のSNRを高めるために光バンドパスフィルタが配置されている。これは、条件によっては無くても良い。図7・図8に示された構成には、制御光と信号光の2つの入力ポートがあるので、この実施例と同じことが実現できる。
第四の実施例は、図5に示すように、光位相比較器と光スイッチを用いた光時分割多重(OTDM)分離器である。
図5の光時分割多重(OTDM)分離器は、制御信号供給型非線形光デバイスを用い、光信号を2つに分岐する第1分岐器と、光クロック発生器と、該光クロック発生器の出力を2つに分岐する第2分岐器と、上記実施例3記載の光位相比較器と、上記実施例2記載の光スイッチを備え、
前記光クロック発生器と前記光位相比較器と前記第2分岐器によりフェーズロックトループを構成し、前記光スイッチで前記両分岐器の出力を入力し、入射時に分岐したもう一方の光信号を制御光として、同期した光クロックを被制御光として、両者が時間的に重なるように入射し、任意数のチャンネルの時分割多重光信号の1つのチャンネルのみを選択的に切り出すように構成する。前記第1分岐器と前記光スイッチとの間に遅延時間を可変できる遅延回路(「Δτ」と表示した)を介在する。光スイッチの出力側に必要に応じてBPF(帯域通過フィルタ)を設ける。
この実施例では、光スプリッタなどの光を分岐する部品を介して、光信号を2つに分岐し、その一方を、光信号と光信号のビットレートのN分の1の繰り返し周波数を有する光クロックとともに、第三の実施例に挙げた光位相比較器へ入射する。ここで得られた位相エラー信号を光クロックの周波数にフィードバックをかけることで、光信号と光クロックの同期(フェーズ・ロックト・ループ:PLL)が得られる。入射時に分岐したもう一方の光信号を制御光として、同期した光クロックを被制御光として、両者が時間的に重なるように、第二の実施例に挙げた光スイッチに入射する。これにより、NチャンネルOTDMされた光信号の一つのチャンネルのみを選択的に切り出すことができる(OTDM分離器)。なお、図中遅延回路の遅延量Δτを変化させて信号光と光クロックパルスのタイミングをずらすことによって、任意のチャンネルを選択することができる。
第五の実施例は、光位相比較器と光スイッチを用いた光3R再生中継器である(図6)。図6の光3R再生中継器は、図5の光時分割多重(OTDM)分離器と同じに、制御信号供給型非線形光デバイスを用い、光信号を2つに分岐する第1分岐器と、光クロック発生器と、該光クロック発生器の出力を2つに分岐する第2分岐器と、上記実施例3記載の光位相比較器と、上記実施例2記載の光スイッチを備え、
前記光クロック発生器と前記光位相比較器と前記第2分岐器によりフェーズロックトループを構成し、前記光スイッチで前記両分岐器の出力を入力し、入射時に分岐したもう一方の光信号を制御光として、同期した光クロックを被制御光として、両者が時間的に重なるように入射し、波形やタイミングが乱れた入射光信号が、整形されタイミング補正を受けるように構成する。前記第1分岐器と前記光スイッチとの間に遅延時間を可変できる遅延回路(「Δτ」と表示した)を介在する。光スイッチの出力側に必要に応じてBPF(帯域通過フィルタ)を設ける。
この実施例では、第四の実施例において、光クロックの繰り返し周波数を、光信号のビットレートと等しくしたものに相当する。すなわち、光スプリッタなどの光を分岐する部品を介して、光信号を2つに分岐し、その一方を、光信号のビットレートと同じ繰り返し周波数を有する光クロックとともに、第三の実施例に挙げた光位相比較器へ入射する。ここで得られた位相エラー信号を光クロックの周波数にフィードバックをかけることで、光信号と光クロックの同期(PLL)が得られる。入射時に分岐したもう一方の光信号を制御光として、同期した光クロックを被制御光として、両者が時間的に重なるように遅延Δτ(図中)を調整し、第二の実施例に挙げた光スイッチに入射する。これにより、純度の高い光クロックに光信号のデータがコピーされ、光信号は波形とタイミングを整えられて再生する(光3R再生:3Rとは、Re−amplify、re−shape、re−timeの頭文字をとったもの)。
産業上の利用の可能性
本発明は、主に、光通信や関連した光計測機器などに用いられる。特に、伝送レートが向上し、電子デバイスへの負担が大きくなってくると、光の状態のまま、雑音を減らしたり外部信号との同期を取ったりする必要性が増す。本発明は、そこで重要な高速可飽和吸収デバイスの偏波無依存化を提供する。
本発明の基本となる概念図。L1とL2は、それぞれPBSからISBTまでの光路長を示し、本発明では、L1=L2となるように構成する。図中の直線矢印は、光の偏光方向を示す。ISBTには、必ずTMモード又はTEモード、すなわち、同一の直線偏波モードで入射する構成が実現されている。η1とη2は、PBSからISBTまでの2つの経路における過剰損失を表している。本発明では、η1=η2となるように構成される。 第1の実施例に関わる光雑音フィルタの構成を模式的に示す図。 第2の実施例に関わる光スイッチの構成を模式的に示す図。 第3の実施例に関わる光位相比較器の構成を模式的に示す図。 第4の実施例に関わるOTDM分離器の構成を模式的に示す図。 第5の実施例に関わる光3R再生器の構成を模式的に示す図。 本発明の基本概念図。図1の本発明の基本概念において、制御光と信号光の光ファイバ中での非線形性を抑制するために、ISBT導波路直前で合波する構成となっている。 本発明の基本概念図。図7において、制御光が単一偏光の場合、制御光に対してはPBSを用いずに偏波保持スプリッタを用いている。
符号の説明
1 非線形光デバイスとそれを用いた応用機器
2 可飽和吸収体
3 偏光ビームスプリッタ
4 光サーキュレータ
5 WDMカプラー
6 偏波無依存可飽和吸収デバイス
7 偏波保持WDMカプラー
8 偏波保持スプリッタ
9、14 スプリッタ
10 遅延回路
11 光位相比較器
12 光スイッチ
13 光クロック発生器
WDM 波長部分割多重
BPF 帯域通過フィルタ
PD 受光素子

Claims (14)

  1. 偏光ビームスプリッタと半導体量子井戸のサブバンド間遷移ISBTを応用した可飽和吸収体とを有し、入射光を分離する偏光ビームスプリッタの両端と偏光依存性を有する前記可飽和吸収体の両端を偏波保持ファイバと結合光学系でそれぞれ光路として結合し、前記偏光ビームスプリッタの両端から出力されるそれぞれの直線偏光が前記可飽和吸収体に対して両直線偏光とも同一の直線偏波モードに揃うように調整され、入射光が前記偏光ビームスプリッタで分離されてから前記可飽和吸収体に結合するまでの損失が、2つの経路同士で等しくなるように、前記偏波保持ファイバと前記可飽和吸収体の結合を調整し、前記偏光ビームスプリッタから前記可飽和吸収体導波路までの前記それぞれの光路の光路長を等しくなるように構成し、光パルスが入射すると、前記偏光ビームスプリッタで2つに分かれ、互いに逆方向から同時に前記可飽和吸収体へ到達するうに構成され、前記可飽和吸収体の応答時間又は光パルスの時間幅のいずれか一方が、光パルスの前記可飽和吸収体の通過時間と同じかそれ以上であることを満たすように構成したことを特徴とする非線形光デバイス。
  2. 前記偏光ビームスプリッタに光サーキュレータ又はカプラーを設け、該光サーキュレータ又はカプラーを介して光を入射および出射するようにしたことを特徴とする請求項1記載の非線形光デバイス。
  3. 請求項1又は2記載の非線形光デバイス2つを前記可飽和吸収体を共通にしてカプラー又はWDMカプラーを介して連結し、一方の前記偏光ビームスプリッタの入力端子を制御光用とし、他方の前記偏光ビームスプリッタの入力端子を信号光用とすると供に、前記制御光と前記信号光が両方とも前記可飽和吸収体に入射するようにしたことを特徴とする制御信号供給型非線形光デバイス。
  4. 一方の前記偏光ビームスプリッタを偏波保持スプリッタとし、該偏波保持スプリッタの入力端子を制御光用としたことを特徴とする請求項3記載の制御信号供給型非線形光デバイス。
  5. 前記可飽和吸収体を偏波依存性を有する可飽和吸収体としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の非線形光デバイス。
  6. 前記可飽和吸収体を可飽和吸収体導波路としたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    か1項記載の非線形光デバイス。
  7. 光パルスが上記可飽和吸収体を通過する時間をTとし、光パルスの時間幅をΔtとするとき、T≦Δtとなるように構成したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の非線形光デバイス。
  8. 光パルスが上記可飽和吸収体を通過する時間をTとし、可飽和吸収体の応答時間をΔTとするとき、T≦ΔTとなるように構成したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の非線形光デバイス。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項記載の非線形光デバイスを用い、前記可飽和吸収体の光強度の大きい光信号に比べて小さい光信号を透過しにくい性質を利用したことを特徴とする雑音フィルタ。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1項記載の制御信号供給型非線形光デバイスを用い、制御光パルスと信号光パルスとを所定のタイミングで同期して入射し、前記可飽和吸収体の動作により、制御光パルスと信号光パルスが時間的に重なるときにはトータルで大きな光強度となるので吸収係数が十分に小さくなり、信号光パルスが出力され、制御光が不在の時は、可飽和吸収体を通過する信号光だけでは吸収係数が小さくならないため大きな損失を受け、ほとんど出射されない性質を利用したことを特徴とする光スイッチ。
  11. 請求項1乃至8のいずれか1項記載の制御信号供給型非線形光デバイスを用い、前記可飽和吸収体の動作によって、2つの光パルス列が同じ繰り返し周波数で、同じタイミングで入射した際に、出力の平均光パワーが最大になり、周波数やタイミングがずれると平均パワーが低下する性質を利用したことを特徴とする光位相比較器。
  12. 請求項1乃至8のいずれか1項記載の制御信号供給型非線形光デバイスを用い、光信号を2つに分岐する第1分岐器と、光クロック発生器と、該光クロック発生器の出力を2つに分岐する第2分岐器と、請求項11記載の光位相比較器と、請求項10記載の光スイッチを備え、
    前記光クロック発生器と前記光位相比較器と前記第2分岐器によりフェーズロックトループを構成し、前記光スイッチで前記両分岐器の出力を入力し、入射時に分岐したもう一方の光信号を制御光とし、同期した光クロックを被制御光として、両者が時間的に重なるように入射し、任意数のチャンネルの時分割多重光信号の1つのチャンネルのみを選択的に切り出すことを特徴とする光時分割多重分離器。
  13. 前記第1分岐器と前記光スイッチとの間に遅延時間を可変できる遅延回路を介在し、該遅延時間を変化させて信号光と光クロックパルスのタイミングをずらして任意のチャンネルを選択することを特徴とする請求項12記載の光時分割多重分離機。
  14. 前記光クロックの繰り返し周波数を、前記光信号のビットレートと等しくしたことを特徴とする請求項13記載の光3R再生中継器。
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