JP2009192052A - 動力伝達装置 - Google Patents

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JP2009192052A JP2008036103A JP2008036103A JP2009192052A JP 2009192052 A JP2009192052 A JP 2009192052A JP 2008036103 A JP2008036103 A JP 2008036103A JP 2008036103 A JP2008036103 A JP 2008036103A JP 2009192052 A JP2009192052 A JP 2009192052A
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Tetsushi Takeda
哲史 武田
Kazuyoshi Tsuboi
一義 坪井
Hisafumi Yoshida
尚史 吉田
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Abstract

【課題】部品点数の増加を抑制してアーマチャの操作性を向上することができる動力伝達装置を提供する。
【解決手段】外側回転部材3と、外側回転部材3と相対回転可能に配置された内側回転部材5と、外側回転部材3と内側回転部材5との間に配置され外側回転部材3と内側回転部材5を断続する第1の断続部7と、第1の断続部7を押圧する環状の押圧部材9を有する断続操作部11と、外側回転部材3と断続操作部11との間に配置され押圧部材9を作動させる第2の断続部13と、押圧部材9と第2の断続部13との間に配置され第2の断続部13を断続操作する環状のアーマチャ15と、アーマチャ15を作動させる電磁石17とを備えた動力伝達装置1において、押圧部材9のアーマチャ15の磁束透過部の中間部より内径側と対向する部分に押圧部材9とアーマチャ15との間に所定隙間を形成させる隙間形成部19を一体に設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に適用される動力伝達装置に関する。
従来、電磁石によってアーマチャを作動させて第2の断続部を断続操作し、断続操作部を介して第1の断続部を断続操作する動力伝達装置としては、電磁石とアーマチャと摩擦クラッチとを有したパイロットクラッチ機構と、第1カム部材と第2カム部材とカムフォロアとを有したカム機構と、多板のクラッチプレートからなる摩擦クラッチを有したメインクラッチ機構とを備えた駆動力伝達装置が記載されている(特許文献1参照)。
この駆動力伝達装置では、アーマチャと第2カム部材との間の隙間を維持するためにアーマチャと第2カム部材との間に隙間規制部材を配置している。このようにアーマチャと第2カム部材との間の隙間を維持することによって、アーマチャから第2カム部材側への磁束の漏洩を阻止してアーマチャの吸引不良を防止し、パイロットクラッチ機構の作動を良好に維持している。
特開2002−48157号公報
しかしながら、上記の駆動力伝達装置では、アーマチャと第2カム部材との間に配置された隙間規制部材が第2カム部材やアーマチャの周辺部材に固定されるなどして第2カム部材又はアーマチャとは別部材となっており、部品点数が増加していた。
また、隙間規制部材を第2カム部材やアーマチャと一体に設けたとしても、隙間規制部材が第2カム部材やアーマチャと当接する部分によっては、磁束の漏洩以外に第2カム部材とアーマチャとが潤滑油の影響によって貼り付き、アーマチャの操作性を低下させる可能性があった。
そこで、この発明は、部品点数の増加を抑制してアーマチャの操作性を向上することができる動力伝達装置の提供を目的としている。
請求項1記載の発明は、外側回転部材と、該外側回転部材と相対回転可能に配置された内側回転部材と、前記外側回転部材と前記内側回転部材との間に配置され前記外側回転部材と前記内側回転部材を断続する第1の断続部と、該第1の断続部を押圧する環状の押圧部材を有する断続操作部と、前記外側回転部材と前記断続操作部との間に配置され前記押圧部材を作動させる第2の断続部と、前記押圧部材と前記第2の断続部との間に配置され前記第2の断続部を断続操作する環状のアーマチャと、該アーマチャを作動させる電磁石とを備えた動力伝達装置であって、前記押圧部材には、前記アーマチャの磁束透過部の中間部より内径側と対向する部分に前記押圧部材と前記アーマチャとの間に所定隙間を形成させる隙間形成部が一体に設けられていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の動力伝達装置であって、前記隙間形成部は、前記押圧部材の周方向に沿って連続して設けられていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、外側回転部材と、該外側回転部材と相対回転可能に配置された内側回転部材と、前記外側回転部材と前記内側回転部材との間に配置され前記外側回転部材と前記内側回転部材を断続する第1の断続部と、該第1の断続部を押圧する環状の押圧部材を有する断続操作部と、前記外側回転部材と前記断続操作部との間に配置され前記押圧部材を作動させる第2の断続部と、前記押圧部材と前記第2の断続部との間に配置され前記第2の断続部を断続操作する環状のアーマチャと、該アーマチャを作動させる電磁石とを備えた動力伝達装置であって、前記押圧部材には、前記アーマチャの磁束透過部と対向する部分に前記押圧部材と前記アーマチャとの間に所定隙間を形成させる隙間形成部が一体に設けられ、前記隙間形成部は、前記押圧部材の周方向に複数設けられた突起であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、前記押圧部材の前記隙間形成部よりも外径側は、前記第1の断続部に対する軸方向に向けて除肉されていることを特徴とする。
請求項1の動力伝達装置は、押圧部材にはアーマチャの磁束透過部の中間部より内径側と対向する部分に押圧部材とアーマチャとの間に所定隙間を形成させる隙間形成部が一体に設けられているので、押圧部材と隙間形成部とを別部材として扱うことがなく、部品点数の増加を抑制することができる。
また、押圧部材において隙間形成部がアーマチャの磁束透過部の中間部より内径側と対向する部分に設けられているので、隙間形成部とアーマチャとの接触面積を低減させ、磁束の漏洩を抑制できると共に、押圧部材とアーマチャとの潤滑油の影響による貼り付きを抑制することができる。さらには、隙間形成部を内径側に形成することによって押圧部材の外径側の加工を施し易く、重量を低減させることができる。
従って、重量を低減させることができ、かつ部品点数の増加を抑制してアーマチャの操作性を向上することができる。
請求項2の動力伝達装置は、隙間形成部が押圧部材の周方向に沿って連続して設けられているので、押圧部材の外径側の肉厚を減少させるなどして容易に隙間形成部を押圧部材に形成させることができる。
請求項3の動力伝達装置は、押圧部材にはアーマチャの磁束透過部と対向する部分に押圧部材とアーマチャとの間に所定隙間を形成させる隙間形成部が一体に設けられているので、押圧部材と隙間形成部とを別部材として扱うことがなく、部品点数の増加を抑制することができる。
また、隙間形成部が押圧部材の周方向に複数設けられた突起であるので、押圧部材とアーマチャとの接触面積を最小限に低減させることができ、磁束の漏洩を抑制できると共に、押圧部材とアーマチャとの潤滑油の影響による貼り付きを抑制することができる。さらには、隙間形成部を周方向に複数設けることにより、アーマチャ及び押圧部材の倒れを防止することができる。
従って、部品点数の増加を抑制してアーマチャの操作性を向上することができる。
請求項4の動力伝達装置は、押圧部材の隙間形成部よりも外径側は第1の断続部に対する軸方向に向けて除肉されているので、押圧部材の重量をより低減させることができる。
(第1実施形態)
図1,図2を用いて第1実施形態について説明する。
本実施形態の動力伝達装置1は、外側回転部材3と、外側回転部材3と相対回転可能に配置された内側回転部材5と、外側回転部材3と内側回転部材5との間に配置され外側回転部材3と内側回転部材5を断続する第1の断続部としてのメインクラッチ7と、メインクラッチ7を押圧する環状の押圧部材としてのプレッシャリング9を有する断続操作部としてのカム機構11と、外側回転部材3とカム機構11との間に配置されプレッシャリング9を作動させる第2の断続部としてのパイロットクラッチ13と、プレッシャリング9とパイロットクラッチ13との間に配置されパイロットクラッチ13を断続操作する環状のアーマチャ15と、アーマチャ15を作動させる電磁石17とを備えている。そして、プレッシャリング9には、アーマチャ15の磁束透過部の中間部より内径側と対向する部分にプレッシャリング9とアーマチャ15との間に所定隙間を形成させる隙間形成部19が一体に設けられている。
また、隙間形成部19は、突起21であり、アーマチャ15の磁束透過部の背面に対して突起21の曲面頂部は見かけ上、点接触している。そして、突起21はプレッシャリング9の周方向等間隔に複数設けられており、アーマチャ15の背面を周方向にバランス良く接触可能に配置されている。
さらに、プレッシャリング9の隙間形成部19よりも外径側は、メインクラッチ7に対する軸方向に向けて除肉されており、カム機構11により発生するスラスト力をメインクラッチ7に伝達可能な強度を有して外径側が徐々に薄肉になるように傾斜形成されており、プレッシャリング9の内径側よりも薄肉に形成されている。
図1,図2に示すように、外側回転部材3は、フロントハウジング23とクラッチハウジング25とロータハウジング27とから構成されている。フロントハウジング23は、内径側にスプライン形状の連結部29が形成され、入出力部材の一方(不図示)に連結される。また、フロントハウジング23は、外径側がクラッチハウジング25の内周にスプライン連結されて端部をワッシャ31によって抜け止めされ、クラッチハウジング25と一体回転可能に連結されている。クラッチハウジング25は、筒状に形成され、端部を溶接などによってロータハウジング27と一体的に固定されている。ロータハウジング27は、磁性材料で形成され、クラッチハウジング25と一体回転される。この外側回転部材3の内周側には、内側回転部材5が配置されている。
内側回転部材5は、内周側にスプライン形状の連結部33が形成され、入出力部材の他方(不図示)に連結されて摺動ブッシュ35を介して先端側が外側回転部材3と相対回転可能に支持されている。また、内側回転部材5の連結部33には、内側回転部材5が入出力部材の他方に軸方向位置を決められるようにCクリップ37が配置されている。この内側回転部材5は、メインクラッチ7によって外側回転部材3と断続される。
メインクラッチ7は、クラッチハウジング25の内周に軸方向移動可能でクラッチハウジング25と一体回転可能に連結する複数のアウタクラッチ板と、内側回転部材5の外周に軸方向移動可能で内側回転部材5と一体回転可能に連結する複数のインナクラッチ板とで構成されている。このメインクラッチ7は、カム機構11で生じたカムスラスト力によって移動されたプレッシャリング9に押圧されて接続され、外側回転部材3と内側回転部材5とを接続する。
カム機構11は、プレッシャリング9とカムリング39とカムボール41とから構成されている。プレッシャリング9は、内側回転部材5の外周に軸方向移動可能に連結され、メインクラッチ7を押圧する。このプレッシャリング9と内側回転部材5との間には、プレッシャリング9をメインクラッチ7の接続解除方向に付勢するリターンスプリング43が配置されている。カムリング39は、内側回転部材5に連結される入出力部材の他方の外周に軸方向移動可能に配置されている。このカムリング39とロータハウジング27との間には、カム機構11で生じるスラスト反力を受けるスラストベアリング45が配置されている。カムボール41は、プレッシャリング9とカムリング39との間に配置されている。このカムボール41は、パイロットクラッチ13の接続によってプレッシャリング9とカムリング39との間に差回転が生じることにより、パイロットクラッチ13に生じる摩擦トルクに応じた強さでプレッシャリング9をメインクラッチ7側へ軸方向押圧移動させるカムスラスト力を発生させる。
パイロットクラッチ13は、クラッチハウジング25の内周に軸方向移動可能でクラッチハウジング25と一体回転可能に連結する複数のアウタクラッチ板と、カムリング39の外周に軸方向移動可能でカムリング39と一体回転可能に連結する複数のインナクラッチ板とで構成されている。このパイロットクラッチ13は、パイロットクラッチ13を挟んでロータハウジング27と対向配置されたアーマチャ15によって断続される。
アーマチャ15は、磁性材料で形成され、クラッチハウジング25の内周側に軸方向移動可能に配置されている。なお、アーマチャ15をクラッチハウジング25の内周に軸方向移動可能に連結させてもよい。このアーマチャ15は、電磁石17への通電により電磁石17側に吸引されてパイロットクラッチ13を接続させる。
電磁石17は、電磁コイル47とコア49とで構成され、ベアリング51を介してロータハウジング27に支持されている。コア49には、通電を制御するコントローラ(不図示)側に接続されるコネクタ53に接続されたリード線55が設けられており、コントローラの制御によって電磁コイル47に通電される。この電磁石17への通電により、コア49、ロータハウジング27、パイロットクラッチ13、アーマチャ15を介した磁力線が循環されて磁束ループが形成され、アーマチャ15が電磁石17側に吸引移動される。
このように構成された動力伝達装置1は、電磁石17への通電によってアーマチャ15が電磁石17側に吸引移動され、パイロットクラッチ13が接続される。このパイロットクラッチ13の接続によってカム機構11でカムスラスト力が発生してプレッシャリング9が移動されてメインクラッチ7を押圧する。このプレッシャリング9の移動によってメインクラッチ7が接続され、外側回転部材3と内側回転部材5とが接続される。また、電磁石17への通電を停止することにより、リターンスプリング43によってプレッシャリング9がメインクラッチ7の接続解除方向に移動され、メインクラッチ7の接続が解除されて外側回転部材3と内側回転部材5との接続が解除される。
このようにアクチュエータとして電磁石17を用いる構造では、アーマチャ15からプレッシャリング9側への磁束の漏洩を防止するためにアーマチャ15とプレッシャリング9との間に所定の隙間を形成させる必要がある。そこで、プレッシャリング9には、プレッシャリング9とアーマチャ15との間に所定隙間を形成させる隙間形成部19が一体に設けられている。
隙間形成部19は、プレッシャリング9のアーマチャ15の磁束透過部の中間部より内径側と対向する部分に周方向等間隔に3つ(複数)設けられた突起21となっている。この突起21は、プレッシャリング9の焼結によって形成される。また、焼結によって突起21をプレッシャリング9の外径側に形成させる場合、プレッシャリング9の焼結に用いられる型の構造上、プレッシャリング9の外径側を薄肉とすることや除肉することが困難であるが、突起21をプレッシャリング9の内径側に形成させることにより、プレッシャリング9の焼結に用いられる型の外径側を容易に薄肉にすることができる。このため、プレッシャリング9の隙間形成部19よりも外径側は、メインクラッチ7に対する軸方向に向けて除肉されており、プレッシャリング9の内径側よりも薄肉に形成されている。なお、突起21を溶接などによってプレッシャリング9の表面に形成させてもよい。また、突起21は、3つに限らず、3つ以上複数設けてもよく、或いは周方向に等間隔でなくともよく、或いは複数の位置が同一径上でなくてもよく、さらにはプレッシャリング9の外径側でアーマチャ15の背面と対向するように形成されてもよい。つまり、環状のアーマチャ15の背面に対してアーマチャ15が軸方向に移動したときに倒れを生じないように機能させるよう当接する形状である必要がある。
このような動力伝達装置1では、プレッシャリング9にはアーマチャ15の磁束透過部の中間部より内径側と対向する部分にプレッシャリング9とアーマチャ15との間に所定隙間を形成させる隙間形成部19が一体に設けられているので、プレッシャリング9と隙間形成部19とを別部材として扱うことがなく、部品点数の増加を抑制することができる。
また、プレッシャリング9において隙間形成部19がアーマチャ15の磁束透過部の中間部より内径側と対向する部分に設けられているので、プレッシャリング9の外径側をメインクラッチ7に対する軸方向に向けて除肉することができると共に、プレッシャリング9とアーマチャ15との潤滑油の影響による貼り付きを抑制することができる。さらには、隙間形成部19を内径側に形成することによってプレッシャリング9の外径側除肉により、重量を低減させ作動レスポンスを向上させることができる。
従って、重量を低減させることができ、かつ部品点数の増加を抑制してアーマチャ15の操作性を向上することができる。
また、隙間形成部19がプレッシャリング9の周方向等間隔に複数設けられた突起21であるので、プレッシャリング9とアーマチャ15との接触面積を最小限に低減させることができる。さらには、隙間形成部19を周方向等間隔に複数設けることにより、アーマチャ15及びプレッシャリング9の倒れを効果的に防止することができる。
さらに、プレッシャリング9の隙間形成部19よりも外径側はプレッシャリング9の内径側よりも薄肉に形成されているので、プレッシャリング9の重量をより低減させることができる。
なお、ここで、参照すべき特許文献1と本実施例との構造および機構を比較し、本実施例の優位性を詳述しておく。
特許文献1に開示される図1の構造においては、第2のカム部材36(本実施例のプレッシャリング9に相当)に形成された嵌合孔36aに非磁性体の隙間規制部材としてのボール38aがアーマチャ33(本実施例のアーマチャ15に相当)に臨んで配置されている。
特許文献1の構造では、構造上の課題として、カム部材のカムスラスト力を伝達する必要がある第2のカム部材36の押圧部に孔を形成させる必要があり、変形を抑制し、強度不足を補うために押圧部の肉厚を増す必要があるか、或いは高強度の材料を選定する必要があった。つまり、肉厚を増した場合には軸方向サイズが大型化し、高強度材料を選定した場合にはコストアップすることになる。
また、ボール38aをアーマチャの軸方向対向位置に臨ませるためには、嵌合孔36aをメインクラッチ機構20cの押圧面に対応して形成する必要があり、第2のカム部材の押圧移動においては、メインクラッチ機構20c側から潤滑オイルの油圧力を受けることが懸念され、こうした場合には隙間規制部としてのボール38aの位置が軸方向に可動であるためにアーマチャ背面をノッキングすることになり、パイロットクラッチ機構30aの制御特性に悪影響を与えることになった。加えると、上述したとおり、部品点数の増加、各部材の形成工数の増加などの課題を伴っていた。
さらに、特許文献1に開示される図3においては、アーマチャ33と第2のカム部材36の隙間を規定しているが、最小間隔はおよそ1.2mm程度が必要とされているが、この隙間を規定すれば隙間規制部材は非磁性体である必要がない。その理由は、磁束漏洩防止には、部材間のエアギャップの間隔(すなわち、空隙)が有効に機能することが一般的に知られているからである。
こうした特許文献の課題を鑑みて、本実施例1においては、プレッシャリング9におけるメインクラッチの押圧面と裏面で、アーマチャ15の背面と対向する位置に、隙間形成部としての複数の突起21を周方向に設けたものである。
本構造は特許文献1と一見類似するように思われるが、突起21は押圧強度を必要とするプレッシャリング9の環状部分に影響を与えることなく、環状部分は押圧強度に応じた肉厚と形状の設定が可能である。また、嵌合孔を設けていないので、プレッシャリング9の押圧移動においてメインクラッチ7側から潤滑オイルの油圧力を受けることがない。その上、突起21の高さの設定によって、プレッシャリング9の裏面とアーマチャ15の背面との間の空隙を容易に設定可能であり、突起21の頂部はアーマチャ15の背面に対して点接触させることができ、磁束の漏洩を著しく抑制することができる。当然のことながら、部品点数の削減、形成工数の削減、コスト低減、軸方向スペース増大の抑制ができるものである。
なお、プレッシャリング9の外径側をメインクラッチ7の軸方向に向けて除肉することは、プレッシャリング9の押圧強度を確保した上で、不要部分の肉厚を低減させるためであり、プレッシャリング9の重量を低減させ慣性モーメントを極力減らすことにより、内側回転部材5とプレッシャリング9との連結部34の回転方向の係合を長期的に維持することにあると共に、プレッシャリング9の外径側とクラッチハウジング25との間の空間容積を拡大し、オイルの流通を促進することに有効に機能する。
(第2実施形態)
図3を用いて第2実施形態について説明する。
本実施形態の動力伝達装置101は、隙間形成部103は、プレッシャリング105の周方向に沿って連続して設けられている。なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の記号を記して説明を省略するが、第1実施形態と同一の構成であるので、得られる効果は同一である。
図3に示すように、外側回転部材107は、フロントハウジング109とクラッチハウジング111とロータハウジング113とから構成されている。フロントハウジング109の軸状に形成された部分の外周には、スプライン形状の連結部が形成され、入出力部材の一方(不図示)に連結される。フロントハウジング109の軸状部分と一体形成された壁部には、外側回転部材107内部に潤滑オイルを供給する孔部117が形成され、蓋部材119によって閉塞されている。このフロントハウジング109は、壁部の外径側を溶接などによってクラッチハウジング111と一体的に固定されている。クラッチハウジング111は、筒状に形成され、端部の内周に形成されたネジ部121でロータハウジング113にネジ止めされると共に、ナット123で固定されるロックナット機能によってロータハウジング113に固定されている。ロータハウジング113は、磁性材料で形成され、フロントハウジング109及びクラッチハウジング111と一体回転される。また、ロータハウジング113とクラッチハウジング111との間には、外側回転部材107内部と外部とを区画するシール部材としてのOリング125が配置されている。この外側回転部材107の内周側には、内側回転部材127が配置されている。
内側回転部材127は、フロントハウジング109とロータハウジング113に対して軸方向両端側をベアリング129と銅やアルミニウムなどの非磁性材の摺動ブッシュ131を介して外側回転部材107と相対回転可能に半径方向に支持されている。また、内側回転部材127の内周側にはスプライン形状の連結部133が形成され、入出力部材の他方(不図示)に連結される。また、内側回転部材127とロータハウジング113との間にはシール部材としてのXリング135が配置されると共に、内側回転部材127の内部には隔壁137が設けられ、外側回転部材107内部と外部とを区画している。なお、カム機構11のプレッシャリング105とカムリング39は、内側回転部材127の外周に軸方向移動可能に配置されている。
このような外側回転部材107と内側回転部材127とは、電磁石17への通電によってアーマチャ15が電磁石17側に移動されてパイロットクラッチ13が接続され、カム機構11でカムスラスト力が発生してプレッシャリング105が移動されてメインクラッチ7を押圧し、メインクラッチ7が接続されることによって接続される。また、プレッシャリング105と内側回転部材127との間には、リターンスプリング139が配置されており、電磁石17への通電を停止することにより、リターンスプリング139によってプレッシャリング105がメインクラッチ7の接続解除方向に移動され、メインクラッチ7の接続が解除されて外側回転部材107と内側回転部材127との接続が解除される。
このように構成された動力伝達装置101においても、アーマチャ15からプレッシャリング105側への磁束の漏洩を防止するためにアーマチャ15とプレッシャリング105との間に所定の隙間を形成させる隙間形成部103がプレッシャリング105と一体に設けられている。
隙間形成部103は、プレッシャリング105のアーマチャ15の磁束透過部の中間部より内径側と対向する部分に周方向に沿って連続して設けられている。また、隙間形成部103は、プレッシャリング105の焼結によって形成される。この隙間形成部103は、プレッシャリング105の内径側に周方向に沿って連続して設けられているので、プレッシャリング105の焼結に用いられる型の構造を簡易化することができると共に、外径側を容易に薄肉にすることができる。このため、プレッシャリング105の隙間形成部103よりも外径側は、プレッシャリング105の内径側よりもより薄肉に形成されている。なお、プレッシャリング105の外径側を切削加工などによって薄肉にさせ、プレッシャリング105の内径側に隙間形成部103を形成させてもよい。
このような動力伝達装置101では、隙間形成部103がプレッシャリング105の周方向に沿って連続して設けられているので、プレッシャリング105の外径側の肉厚を減少させるなどして容易に隙間形成部を押圧部材に形成させることができる。
なお、第1の断続部としてのメインクラッチを摩擦クラッチとしているが、これに限らず、噛み合いクラッチなど外側回転部材と内側回転部材とを断続させる構造であればどのような形態の断続部でも適用することができる。
また、隙間形成部として押圧部材の周方向等間隔に突起を複数設ける場合には、押圧部材のアーマチャの磁束透過部の中間部より内径側と対向する部分に限らず、押圧部材のアーマチャの磁束透過部と対向する部分であればどのような箇所に突起を設けてもよい。
第1実施形態の動力伝達装置の断面図である。 第1実施形態のプレッシャリングの正面図である。 第2実施形態の動力伝達装置の断面図である。
符号の説明
1,101…動力伝達装置
3,107…外側回転部材
5,127…内側回転部材
7…メインクラッチ(第1の断続部)
9,105…プレッシャリング(押圧部材)
11…カム機構(断続操作部)
13…パイロットクラッチ(第2の断続部)
15…アーマチャ
17…電磁石
19,103…隙間形成部
21…突起

Claims (4)

  1. 外側回転部材と、該外側回転部材と相対回転可能に配置された内側回転部材と、前記外側回転部材と前記内側回転部材との間に配置され前記外側回転部材と前記内側回転部材を断続する第1の断続部と、該第1の断続部を押圧する環状の押圧部材を有する断続操作部と、前記外側回転部材と前記断続操作部との間に配置され前記押圧部材を作動させる第2の断続部と、前記押圧部材と前記第2の断続部との間に配置され前記第2の断続部を断続操作する環状のアーマチャと、該アーマチャを作動させる電磁石とを備えた動力伝達装置であって、
    前記押圧部材には、前記アーマチャの磁束透過部の中間部より内径側と対向する部分に前記押圧部材と前記アーマチャとの間に所定隙間を形成させる隙間形成部が一体に設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1記載の動力伝達装置であって、
    前記隙間形成部は、前記押圧部材の周方向に沿って連続して設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 外側回転部材と、該外側回転部材と相対回転可能に配置された内側回転部材と、前記外側回転部材と前記内側回転部材との間に配置され前記外側回転部材と前記内側回転部材を断続する第1の断続部と、該第1の断続部を押圧する環状の押圧部材を有する断続操作部と、前記外側回転部材と前記断続操作部との間に配置され前記押圧部材を作動させる第2の断続部と、前記押圧部材と前記第2の断続部との間に配置され前記第2の断続部を断続操作する環状のアーマチャと、該アーマチャを作動させる電磁石とを備えた動力伝達装置であって、
    前記押圧部材には、前記アーマチャの磁束透過部と対向する部分に前記押圧部材と前記アーマチャとの間に所定隙間を形成させる隙間形成部が一体に設けられ、前記隙間形成部は、前記押圧部材の周方向に複数設けられた突起であることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
    前記押圧部材の前記隙間形成部よりも外径側は、前記第1の断続部に対する軸方向に向けて除肉されていることを特徴とする動力伝達装置。
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