JP2009191814A - 空燃比制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 失火の発生による機関空燃比制御の乱れが可及的に抑制され得る、空燃比制御装置を提供すること。
【解決手段】 空燃比制御装置(6)は、メインフィードバック部(612)と、サブフィードバック部(608)と、失火検知部(603)と、目標空燃比シフト部(604)と、を備えている。失火検知部(603)は、失火発生状態を検知する。目標空燃比シフト部(604)は、失火検知部(603)により検知された失火発生状態に基づいて、目標空燃比を、理論空燃比から一時的にシフトさせる。本発明においては、目標空燃比シフト部(604)は、失火が発生した場合に上流側空燃比センサ(67)に生じる応答と同じ方向に、目標空燃比をシフトさせる
【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関の空燃比を制御する、空燃比制御装置に関する。なお、本明細書における以下の記述において、「内燃機関」は、単に「機関」と略称されることもある(例えば「機関空燃比」等)。
この種の装置として、例えば、特開平6−129287号公報、特開平8−14092号公報、特開平8−68352号公報、特開平10−103139号公報、等に開示されたものが知られている。これらの装置における排気通路には、空燃比センサが配設されている。この空燃比センサは、酸素濃度センサであって、排気ガス中の酸素濃度に応じた出力を生じるようになっている。そして、この種の装置は、前記空燃比センサの出力に基づいて、機関空燃比を制御するようになっている。
特開平6−129287号公報 特開平8−14092号公報 特開平8−68352号公報 特開平10−103139号公報
失火[misfire]が発生すると、燃焼室に供給された燃料混合気における未燃燃料及び酸素は、燃焼に供されることなく、前記排気通路に放出される。このため、失火発生時(特に点火系の異常による失火時)には、前記空燃比センサにて、真の機関空燃比(前記燃焼室に実際に供給された燃料混合気の空燃比)に対応するものとは明らかに異なる出力(応答)が生じ得る。このため、この種の装置においては、失火の発生により、機関空燃比の制御に乱れが生じることがあり得る。
具体的には、例えば、点火系の異常による失火時において、前記空燃比センサにて酸素濃度の増大が検知される。すると、真の機関空燃比がたとえ理論空燃比(場合によっては弱リッチ)であったとしても、機関空燃比が理論空燃比よりも大幅にリーンであると誤って判断される。そして、このような判断に基づいて、機関空燃比が誤ってリッチ方向に制御される(特開平8−68352号公報における「従来の技術」欄を参照)。
本発明は、このような課題に対処するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、失火の発生による機関空燃比制御の乱れが可及的に抑制され得る、空燃比制御装置を提供することにある。
本発明の適用対象となる内燃機関(特にいわゆる4サイクル内燃機関)には、上流側空燃比センサと、下流側空燃比センサと、排気ガス浄化用の触媒と、が設けられている。前記上流側空燃比センサは、前記触媒よりも上流側の排気通路に配設されている。前記下流側空燃比センサは、前記触媒よりも下流側の前記排気通路に配設されている。これらの空燃比センサは、排気ガスの空燃比(排気ガス中の特定成分の濃度:例えば酸素濃度)に対応する出力を生じるように構成されている。
例えば、複数の前記触媒が設けられている場合には、それらのうちの最上流側のもの(以下、「上流側触媒」と称する。)の両側に、前記上流側空燃比センサ及び前記下流側空燃比センサが設けられている。具体的には、前記上流側触媒の直前に前記上流側空燃比センサが設けられているとともに、前記上流側触媒の直後に前記下流側空燃比センサが設けられている。
本発明の空燃比制御装置は、メインフィードバック部と、サブフィードバック部と、失火検知部と、目標空燃比シフト部と、を備えている(なお、「部」は「手段」とも言い換えられ得る(例えば「メインフィードバック手段」等:以下同様。)。
前記メインフィードバック部は、前記上流側空燃比センサの出力に基づいて、前記触媒に流入する排気ガスの空燃比を目標空燃比に近づけるためのメインフィードバック補正値を取得するようになっている。前記サブフィードバック部は、前記下流側空燃比センサの出力に基づいて、前記メインフィードバック補正値による空燃比制御に対する補正(前記上流側空燃比センサの前記出力の目標値に対する補正、前記上流側空燃比センサの前記出力に対する補正、あるいは前記メインフィードバック補正値に対する補正)を行うためのサブフィードバック補正値を取得するようになっている。具体的には、例えば、前記サブフィードバック部は、前記触媒から流出する排気ガスの空燃比を理論空燃比に近づける(ひいては前記触媒に流入する排気ガスの平均空燃比を理論空燃比に近づける)方向で前記サブフィードバック補正値を取得するようになっている。
なお、前記空燃比制御装置は、さらにサブフィードバック学習部を備え得る。このサブフィードバック学習部は、前記サブフィードバック補正値に基づいて、定常的誤差を補正する(定常偏差分を学習する)ためのサブフィードバック学習値を取得するようになっている。具体的には、例えば、前記サブフィードバック学習部は、PI(あるいはPID)制御による前記サブフィードバック補正値のうちの、積分項に基づいて、前記サブフィードバック学習値を取得するようになっている。
前記失火検知部は、失火発生状態(具体的には、失火の発生、失火率、失火発生タイミング、失火発生気筒、等のうちの少なくとも1つ)を検知するようになっている。前記目標空燃比シフト部は、前記失火検知部により検知された前記失火発生状態に基づいて、目標空燃比を、理論空燃比から一時的にシフトさせるようになっている。
※本発明の特徴は、前記目標空燃比シフト部が、失火が発生した場合に前記上流側空燃比センサに生じる応答と同じ方向に、前記目標空燃比をシフトさせるようになっていることにある。
かかる構成を備えた本発明の空燃比制御装置においては、燃焼室を経た排気ガスの空燃比に対応する出力が、前記上流側空燃比センサにて生じる。この出力に基づいて、前記メインフィードバック補正値が取得される。また、前記触媒から流出した排気ガスの空燃比に対応する出力が、前記下流側空燃比センサにて生じる。この出力に基づいて、前記サブフィードバック補正値が取得される。これらのメインフィードバック補正値及びサブフィードバック補正値に基づいて、機関空燃比制御が行われる。
ここで、失火が発生すると、前記上流側空燃比センサの前記出力は、真の機関空燃比に対応するものとは明らかに異なるものとなり得る(なお、失火時の未燃の燃料混合気は、通常、前記触媒にて反応したり浄化されたりするので、失火による前記下流側空燃比センサの出力への影響は小さい。)。
例えば、前記上流側空燃比センサとして限界電流式の酸素濃度センサが用いられている場合、その検知部との反応速度は、Oガスの方がHCガスよりも大きい。よって、この場合、真の機関空燃比が理論空燃比及びその近傍であっても、失火発生時には、前記上流側空燃比センサにより、Oガス濃度の大幅な上昇が検知される。すなわち、失火発生時には、前記上流側空燃比センサの前記出力は、理論空燃比よりも大幅にリーンな空燃比に対応するものとなり得る(このような、失火発生時に前記上流側空燃比センサにリーン側出力が生じることを、以下、「リーン応答」と称する。)。
このような失火発生時のリーン応答に応じて機関空燃比がリッチ方向に誤って制御されてしまうと、真の機関空燃比の平均値がリッチ側にずれる。これにより、前記サブフィードバック部によって機関空燃比をリーン側に補正する傾向が増大する。すると、前記サブフィードバック補正値における積分項が、本来収束すべき値よりもリーン側にシフトする。あるいは、前記サブフィードバック学習値がリーン側にシフトする。これらのリーンシフトが一旦発生すると、上述の積分項や学習値が本来収束すべき値にまで回復するためには、かなりの運転時間が必要となってしまう。さらに、失火の頻発(失火率の増大)によって大幅なリーンシフトが生じると、早期回復が著しく困難となる。
そこで、本発明の空燃比制御装置においては、前記目標空燃比シフト部は、失火が発生した場合に前記上流側空燃比センサに生じる応答と同じ方向に、前記目標空燃比を一時的にシフトさせる。具体的には、失火発生時に前記上流側空燃比センサに上述のリーン応答が生じる場合、前記目標空燃比シフト部は、前記目標空燃比を一時的にリーン側にシフトさせる。
このとき、例えば、前記目標空燃比シフト部は、前記失火率に応じて、前記目標空燃比を前記理論空燃比から一時的にシフトさせる度合いを決定する。この度合いは、失火発生時に前記上流側空燃比センサに生じる応答が前記内燃機関の運転状態に応じて変化し得ることから、当該運転状態に応じても決定され得る。あるいは、前記目標空燃比シフト部は、失火が発生した場合に前記上流側空燃比センサに生じる応答の推定結果に応じて、前記目標空燃比を前記理論空燃比から一時的にシフトさせる度合いを決定する。
前記目標空燃比シフト部は、前記失火発生タイミングに応じて、前記目標空燃比を前記理論空燃比から一時的にシフトさせる時点を決定し得る。具体的には、例えば、失火による前記上流側空燃比センサのリーン応答に基づく誤った燃料噴射量増量補正(これは前記メインフィードバック補正値によって行われる)を抑制するために、当該リーン応答の発生時期に合わせて、前記目標空燃比のリーン側への一時的なシフト時期が設定され得る。
また、前記目標空燃比シフト部は、前記失火発生気筒に対して、前記目標空燃比のシフトを実施し得る。具体的には、例えば、上述のリーン応答に基づく燃料噴射量増量補正による、真の機関空燃比の平均値のリッチシフトを、より適切に相殺するために、当該失火発生気筒に対して前記目標空燃比のリーン側への一時的なシフトが実施され得る。
本発明によれば、失火発生時の前記上流側空燃比センサの応答に基づく機関空燃比の誤った方向への制御が、上述のような目標空燃比のシフトによって、可及的に補償され得る。したがって、本発明によれば、失火の発生による機関空燃比制御の乱れが、可及的に抑制され得る。
また、本発明によれば、失火が発生しやすい運転領域(これには実際の失火発生時も含まれ得る)にて空燃比フィードバック制御を停止する技術(特開平8−68352号公報参照)とは異なり、失火発生時も可及的に適切な範囲で空燃比フィードバック制御が実施される。したがって、より適切な空燃比制御が実施され得る。
以下、本発明の実施形態(本願の出願時点において出願人が最良と考えている実施形態)について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態に関する記載は、法令で要求されている明細書の記載要件(記述要件・実施可能要件)を満たすために、本発明の具体化の単なる一例を、可能な範囲で具体的に記述しているものにすぎない。よって、後述するように、本発明が、以下に説明する実施形態の具体的構成に何ら限定されるものではないことは、全く当然である。実施形態に対する変形例(modification)の例示は、当該実施形態の説明中に挿入されると、首尾一貫した実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
<内燃機関の装置構成>
図1は、本発明の一実施形態が適用された4サイクル内燃機関1(以下、単に「内燃機関1」と称する。)の概略構成図である。この内燃機関1は、シリンダブロック部2と、シリンダヘッド部3と、吸気系統4と、排気系統5と、本発明の空燃比制御装置の一実施形態である制御装置6と、を備えている。
<<エンジンブロック>>
ロワーケース及びオイルパン等を含むシリンダブロック部2は、シリンダヘッド部3とともに、内燃機関1の本体部分(エンジンブロック)を構成するものであって、シリンダブロック部2の上端部にはシリンダヘッド部3が固定されている。
シリンダブロック部2には、複数のシリンダ21が形成されている。各シリンダ21内には、ピストン22が、往復移動可能に収容されている。シリンダ21及びピストン22の下方には、クランクシャフト23が回転可能に支持されつつ収容されている。クランクシャフト23は、ピストン22の往復移動に基づいて回転駆動されるように、コンロッド24を介して、クランクシャフト23と連結されている。
シリンダヘッド部3の下端面(シリンダブロック部2と対向する面)には、凹部が形成されている。この凹部は、シリンダ21の上端部に対応する位置に設けられている。この凹部の内側の空間と、ピストン22の頂面よりも上側のシリンダ21の内側の空間と、によって、燃焼室25が形成されている。
シリンダヘッド部3は、吸気ポート31と、吸気弁32と、可変吸気タイミング装置33と、排気ポート34と、排気弁35と、エキゾーストカムシャフト36と、点火プラグ37と、イグナイタ38と、インジェクタ39と、を備えている。
吸気ポート31は、燃焼室25に連通するように設けられている。吸気弁32は、吸気ポート31を開閉するように設けられている。可変吸気タイミング装置33は、吸気弁32を駆動する図示しないインテークカムシャフトを備えるとともに、このインテークカムシャフトの位相角を連続的に変更するためのアクチュエータ33aを備えている。
排気ポート34は、燃焼室25に連通するように設けられている。排気弁35は、排気ポート34を開閉するように設けられている。エキゾーストカムシャフト36は、排気弁35を駆動するように設けられている。
点火プラグ37は、その端部(下端部)に設けられた火花発生電極が燃焼室25の上端部に露出するように配置されている。イグナイタ38は、点火プラグ37における上述の火花発生電極に印加するための高電圧を発生するイグニッションコイルを備えている。インジェクタ39は、燃料を吸気ポート31内に噴射するように設けられている。
<<吸排気系統>>
吸気系統4は、吸気管41と、エアフィルタ42と、スロットル弁43と、を備えている。インテークマニホールドを含む吸気管41は、吸気ポート31とともに吸気通路を形成するものであって、吸気ポート31に連通するように設けられている。この吸気管41には、エアフィルタ42が介装されている。吸気管41における、エアフィルタ42と吸気ポート31との間の位置には、スロットル弁43が介装されている。スロットル弁43は、吸気通路の開口断面積を可変とするように設けられていて、スロットル弁アクチュエータ43aによって駆動されるようになっている。
排気系統5は、エキゾーストマニホールド51と、排気管52と、複数の触媒(上流側触媒53及び下流側触媒54)と、を備えている。エキゾーストマニホールド51は、排気ポート34に連通するように設けられている。排気管52は、排気ポート34及びエキゾーストマニホールド51とともに排気通路を構成するものであって、エキゾーストマニホールド51に接続されている。この排気管52には、上流側触媒53及び下流側触媒54が介装されている。
上流側触媒53及び下流側触媒54は、いわゆる三元触媒であって、排気ガス中のHC、CO、及びNOxを浄化し得るように構成されている。上流側触媒53は、複数の触媒のうちの最上流側に配置されている。下流側触媒54は、上流側触媒53の直後、すなわち、上流側触媒53から排出された排気ガスが他の触媒を介さずにそのまま流入し得るような位置に、配置されている。
<制御装置の構成>
本実施形態に係る制御装置6は、インジェクタ39からの燃料噴射(量及びタイミング)や、点火プラグ37による火花発生を含む、内燃機関1の運転動作を制御するように、以下の通りに構成されている。
制御装置6は、エンジン電子コントロールユニット(ECU)60を備えている。本発明のメインフィードバック部、サブフィードバック部、サブフィードバック学習部、失火影響抑制部(帯域抑制部、帯域変更部、マスク処理部)、及び失火検知部を構成するECU60は、CPU60aと、ROM60bと、RAM60cと、バックアップRAM60dと、インターフェース60eと、双方向バス60fと、を備えている。CPU60a、ROM60b、RAM60c、バックアップRAM60d、及びインターフェース60eは、双方向バス60fによって互いに接続されている。
ROM60bには、CPU60aにより実行されるルーチン(プログラム)、及びその実行の際に用いられるテーブル、マップ、パラメータ、等が、予め格納されている。RAM60cは、CPU60aによりルーチンが実行される際に、必要に応じてデータを一時的に格納し得るように構成されている。バックアップRAM60dは、電源が投入された状態でCPU60aによりルーチンが実行される際にデータを格納するとともに、この格納されたデータを電源遮断後も保持し得るように構成されている。
インターフェース60eは、後述する各種センサと電気的に接続されていて、これらからの信号をCPU60aに伝達し得るように構成されている。また、インターフェース60eは、可変吸気タイミング装置33(アクチュエータ33a)、イグナイタ38、インジェクタ39、スロットル弁アクチュエータ43a、等の動作部と電気的に接続されていて、これらの動作部を動作させるための動作信号をCPU60aからこれらの動作部に伝達し得るように構成されている。すなわち、ECU60は、後述する各種センサからの信号を受け取るとともに、当該信号に応じたCPU60aの演算結果に基づいて、上述の動作信号を各動作部に送出するようになっている。
<<各種センサ>>
本実施形態においては、エアフローメータ62と、スロットルポジションセンサ63と、カムポジションセンサ64と、クランクポジションセンサ65と、冷却水温センサ66と、上流側空燃比センサ67(以下「A/Fセンサ67」と称する)と、下流側空燃比センサ68(以下「O2センサ68」と称する)と、アクセル開度センサ69と、が設けられている。
エアフローメータ62は、吸気管41に介装されている。このエアフローメータ62は、吸気管41内を流れる吸入空気の単位時間あたりの質量流量である吸入空気流量Gaに対応する信号を出力するように構成されている。
スロットルポジションセンサ63は、吸気管41における、スロットル弁43に対応する位置に装着されている。スロットルポジションセンサ63は、スロットル弁43の回転位相(スロットル弁開度TA)に対応する信号を出力するように構成されている。
カムポジションセンサ64は、シリンダヘッド部3に装着されている。このカムポジションセンサ64は、可変吸気タイミング装置33に備えられている上述の図示しないインテークカムシャフトが90°回転する毎に(即ち、クランクシャフト23が180°回転する毎に)、一つのパルスを有する信号(カム位置信号G2:気筒判別に用いられる)を発生するように構成されている。
クランクポジションセンサ65は、クランクシャフト23と対向するように配置されている。このクランクポジションセンサ65は、クランクシャフト23の回転角度に応じたパルスを有する波形の信号を出力するように構成されている。具体的には、クランクポジションセンサ65は、クランクシャフト23が10°回転する毎に幅狭のパルスを有するとともに、クランクシャフト23が360°回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するように構成されている。すなわち、クランクポジションセンサ65の出力信号に基づいて、エンジン回転数Neが取得されるようになっている。
冷却水温センサ66は、シリンダブロック部2に装着されている。この冷却水温センサ66は、シリンダブロック部2の内部に設けられたウォータージャケット内の冷却水の温度(冷却水温THW)に対応する信号を出力するように構成されている。
A/Fセンサ67は、上流側触媒53の直前の排気通路(より詳細にはエキゾーストマニホールド51における末端部であって排気管52との接続部)に配設されている。このA/Fセンサ67は、排気ポート34を介して燃焼室25から排出された排気ガスの酸素濃度に対応する電圧を出力するように構成されている。具体的には、このA/Fセンサ67は、限界電流式の酸素濃度センサであって、図2Aに示されているように、理論空燃比(略14.6)にて理論空燃比対応値Vstoichとなるとともに、理論空燃比の前後の広範囲にわたって空燃比を検出し得るような、ほぼリニアな特性の出力電圧Vafsを生じるように構成されている。
2センサ68は、上流側触媒53の直後、すなわち、上流側触媒53よりも下流側且つ下流側触媒54よりも上流側の排気通路(排気管52)に配設されている。このO2センサ68は、上流側触媒53を経た排気ガスの酸素濃度に対応する電圧を出力するように構成されている。具体的には、このO2センサ68は、起電力式(濃淡電池式)の酸素濃度センサであって、図2Bに示されているように、空燃比が理論空燃比にて理論空燃比対応値Voxs_ref=0.5[V]、理論空燃比よりもリッチのときはリッチ対応値(略0.9[V])、及び理論空燃比よりもリーンのときはリーン対応値(略0.1[V])となるとともに、理論空燃比近傍において急変する電圧Voxsを出力するように構成されている。
アクセル開度センサ69は、運転者によって操作されるアクセルペダル81の操作量を表す信号(アクセルペダル操作量Accp)を出力するようになっている。
<実施形態における機能ブロック構成>
図3は、図1に示されている本実施形態の制御装置6の機能ブロック図である。以下、図3を参照しつつ、この制御装置6の機能ブロック構成について説明する。この制御装置6は、601〜613の各機能ブロックを備えている。なお、以下の説明において、図1に示されている各要素について言及する場合は、図1の符号が適宜参照されるものとする。また、「フィードバック」は単に「F/B」と略称されることもある。
<<基本燃料噴射量算出部>>
空気量算出部(air quantity calculator)601は、エアフローメータ62の出力に基づいて得られる吸入空気流量Gaと、クランクポジションセンサ65の出力に基づいて得られるエンジン回転数Neと、ROM60bに記憶されているマップであるMapMcと、に基づき、筒内吸入空気量Mcを算出するようになっている。
AFR設定部(AFR setter)602は、機関空燃比の制御目標値(上流側触媒53よりも上流側の排気ガスの空燃比の目標値:原則的には理論空燃比stoich)である目標空燃比AFRを設定するようになっている。
失火検知部(Misfire detector)603は、回転数変動(エンジン回転数Neの変動ΔNe)等に基づいて、失火発生状態(失火の発生、失火の発生タイミング、失火発生気筒、及び失火率)を検知し得るようになっている。このような失火検知部603は周知であるので(例えば、特開平6−307284号公報、特開平5−71409号公報、等参照。)、その構成についての詳細な説明は、本明細書では省略されている。
本発明の目標空燃比シフト部に対応するAFRシフト部(AFR shifter)604は、失火検知部603により検知された失火発生状態に基づいて、目標空燃比AFRを、理論空燃比から一時的にシフトさせるようになっている。すなわち、このAFRシフト部604は、失火発生状態に基づいて目標空燃比AFRを一時的にリーン側(失火が発生した場合に生じるA/Fセンサ67のリーン応答と同じ方向)にシフトさせるようになっている。
本実施形態においては、AFRシフト部604は、失火検知部603によって検知された失火率(所定期間内における失火発生回数の燃料噴射回数に対する割合)に応じて、目標空燃比AFRのリーンスパイクを実行するようになっている(詳細は後述する)。さらに、AFRシフト部604は、このリーンスパイクの度合い(シフト量)であるリーンスパイク量ΔAFRを、運転状態(エンジン回転数Ne)及び図4に示されているマップ(これは実験やコンピュータシミュレーション等によりあらかじめ求められたものである)に基づいて決定する(リーンスパイクが行われない場合はΔAFR=0とする)ようになっている。
Fib算出部(Fib calculator)605は、空気量算出部601によって算出された筒内吸入空気量Mcを、AFR設定部602によって設定された目標空燃比AFR(上述のリーンスパイクが実行された場合はリーンスパイク量ΔAFRが加算された値)で除することにより、基本燃料噴射量Fibを算出するようになっている。
<<サブF/B・サブF/B学習部>>
下流側目標値設定部(Downstream-side target value setter)606は、上流側触媒53から流出する排気ガスの空燃比の目標値である下流側目標値Vox_refを設定するようになっている。本実施形態においては、具体的には、下流側目標値設定部606は、下流側目標値Vox_refを、理論空燃比に対応する値である0.5[V]に設定するようになっている。
出力偏差量算出部(Output deviation calculator)607は、下流側目標値Vox_refからO2センサ68の出力値Voxsを減じることにより、出力偏差量DVoxsを求めるようになっている。
本発明のサブフィードバック部及びサブフィードバック学習部を構成するPIDコントローラ608は、出力偏差量DVoxsを比例・積分・微分処理(PID処理)することで、下記(1)式に基づいてサブF/B補正量Vsfb(サブフィードバック補正値)を求めるようになっている。ここで、下記(1)式において、Kpは予め設定された比例ゲイン(一定値)、Kiは予め設定された積分ゲイン(一定値)、Kdは予め設定された微分ゲイン(一定値)、SDVoxsは出力偏差量DVoxsの時間積分値(積算値)であり、DDVoxsは出力偏差量DVoxsの時間微分値である。
Vsfb=Kp・DVoxs+Ki・SDVoxs+Kd・DDVoxs ・・・(1)
すなわち、PIDコントローラ608は、O2センサ68の出力に基づいて、後述するメインF/Bによる空燃比制御に対する補正(A/Fセンサ67の出力に対する補正)を行うためのであるサブF/B補正量Vsfbを取得するようになっている。
また、PIDコントローラ608は、所定タイミングが到来する毎に、積分項Ki・SDVoxsにおける定常的な成分をサブF/B学習値Learnとして取得するとともに、これをバックアップRAM60dに格納するようになっている。すなわち、PIDコントローラ608は、サブF/B補正量Vsfbに基づいて、定常的誤差を補正する(定常偏差分を学習する)ためのサブF/B学習値Learnを取得するようになっている。
なお、サブF/B及びサブF/B学習の詳細については周知なので、本明細書においては、これらについての詳細な説明は省略されている(後述するメインF/Bについても同様である)。
<<メインF/B部>>
A/F出力算出部(A/F output calculator)609は、A/Fセンサ67の出力値VafsとサブF/B補正量Vsfbとを加えた値(制御用空燃比相当出力値)を、テーブル変換部610に出力するようになっている。
テーブル変換部(Table conversion device)610は、A/Fセンサ67の出力値Vafsと空燃比A/Fとの関係を規定したテーブルMapafsと、A/F出力算出部609の出力(制御用空燃比相当出力値=Vafs+Vsfb)と、に基づいて、制御用空燃比AFSを求めるようになっている。
空燃比偏差算出部(Air-fuel ratio deviation calculator)611は、制御用空燃比AFSから目標空燃比AFRを減じることにより、空燃比偏差DAFを求めるようになっている。
本発明のメインフィードバック部を構成するPIコントローラ612は、この空燃比偏差DAFを比例・積分処理(PI処理)することで、下記(2)式に基づいて、メインF/B補正量DFB(メインフィードバック補正値)を取得するようになっている。ここで、下記(2)式において、Gpは比例ゲイン(一定値)、Giは積分ゲイン(一定値)、SDAFは空燃比偏差DAFの時間積分値(積算値)である。
DFB=Gp・DAF+Gi・SDAF ・・・(2)
すなわち、PIコントローラ612は、A/Fセンサ67の出力値VafsにサブF/B補正量Vsfbを加えた値(制御用空燃比相当出力値)に基づいて、上流側触媒53に流入する排気ガスの空燃比を目標空燃比に近づけるためのメインF/B補正量DFBを取得するようになっている。
指令燃料噴射量算出部(Command fuel injection quantity calculator)613は、Fib算出部605にて算出された基本燃料噴射量Fibに、上述のメインF/B補正量DFBを加えることで、指令燃料噴射量Ficを算出するようになっている。
<実施形態の構成による動作の説明>
以下、本実施形態の制御装置6の動作について説明する。
<<空燃比制御の概要>>
上述のように、この制御装置6は、O2センサ68の出力値Voxsが理論空燃比に対応する下流側目標値Voxs_refとなるように、A/Fセンサ67の出力値Vafs(すなわち上流側触媒53の上流の排気ガスの空燃比)及びO2センサ68の出力値Voxs(すなわち上流側触媒53の直後の排気ガスの空燃比)に応じて、機関空燃比を制御する。
具体的には、O2センサ68の出力値Voxsに基づいてPIDコントローラ608により比例・積分・微分処理(PID処理)及び学習処理を行うことで、下流側目標値Voxs_refとO2センサ68の出力値Voxsとの定常偏差がゼロになるように、サブFB補正量Vsfbを算出する。また、この制御装置6は、A/Fセンサ67の出力値Vafsを、サブFB補正量Vsfbで補正することで、制御用空燃比AFSを求める。そして、この制御装置6は、燃焼室25内に供給された燃料の過不足分を補償すべく、制御用空燃比AFSが目標空燃比AFRと一致するように空燃比をフィードバック制御する。すなわち、この制御装置6は、制御用空燃比AFSと目標空燃比AFRとの偏差である空燃比偏差DAFを比例・積分処理(PI処理)することで、メインF/B補正量DFBを算出し、このメインF/B補正量DFBで基本燃料噴射量Fibを補正することで指令燃料噴射量Ficを算出し、この指令燃料噴射量Ficに対応する燃料噴射指示をインジェクタ39に対して行う。
このようにして、本実施形態においては、定常状態において、制御用空燃比AFSが目標空燃比AFRに一致するように、ひいては、上流側触媒53の上下流の空燃比が目標空燃比AFRに一致するように、機関空燃比が制御される。また、本実施形態においては、上流側触媒53から流出する排気ガスの平均空燃比が理論空燃比となるように、ひいては、上流側触媒53に流入する排気ガスの平均空燃比が理論空燃比となるように、機関空燃比が制御される。
<<実施形態の構成による作用・効果>>
図5は、図3に示されている本実施形態の制御装置6の動作説明のためのタイムチャートである。図5においては、図1に示されている内燃機関1にて、目標空燃比AFRが理論空燃比stoichであり、点火異常に起因する失火が繰り返し発生している場合における、検出空燃比、目標空燃比シフト(リーンスパイク)、触媒上流の実排気空燃比、及びメインF/B補正量の変化の様子の一例が示されている。なお、この図5の例においては、エアフローメータ62、A/Fセンサ67、O2センサ68、及びインジェクタ39は正常(定格通りの性能を発揮する状態)であるものとする。(図5に関する以上の条件は、後述する図6等においても同様である。)
以下、図5を参照すると、(i)に示されているように失火が断続的に発生すると、(ii)に示されているように、A/Fセンサ67の出力値Vafsにて、リーン方向の大きなピーク(失火時のリーン応答)が断続的に発生する(なお、このリーン応答のタイミングが失火発生のタイミングよりも遅れているのは、排気ガスの輸送遅れや、A/Fセンサ67の応答遅れによるものである。)。このようなリーン応答は、以下の理由に基づく。
点火異常により失火が発生すると、未燃の排気ガス中には、多量のHC、及び多量のO(酸素)ガスが含まれている。もっとも、エアフローメータ62及びインジェクタ39は正常であるから、未燃の排気ガスの空燃比は、理論空燃比stoichあるいはその近傍に維持されている。
ここで、A/Fセンサ67は、限界電流式の酸素濃度センサであって、その検知部との反応速度は、Oガスの方がHCガスよりも大きい。したがって、失火が発生すると、OガスがA/Fセンサ67と反応することで、A/Fセンサ67の出力値Vafs(すなわち検出空燃比)は、実排気空燃比よりもリーン方向にずれる。(なお、HCガス及びOガスを多量に含む失火時の排気ガスのほとんどは、上流側触媒53内で処理されたり互いに反応したりするため、O2センサ68においては、A/Fセンサ67とは異なり、失火時に多量のOガスが到達するという事態は生じ難い。したがって、O2センサ68の出力値Voxsが失火によりリーン方向にずれる傾向は非常に小さい。)
そこで、本実施形態においては、(iii)に示されているように、失火率に応じて(失火の発生頻度に対応して)、目標空燃比AFRのリーンスパイクが実行される。なお、本例においては、矩形波状のリーンスパイクが行われる。すると、失火時のリーン応答に伴う燃料噴射量増量補正とともに、リーンスパイクに伴う燃料噴射量減量補正が行われる(図中(iv)参照)。これにより、(v)に示されているように、上流側触媒53に流入する排気ガスにおける実際の空燃比(真の機関空燃比)の平均値の、リッチ側へのシフトが、効果的に抑制される。
また、A/Fセンサ67の酸素濃度に対する応答特性は、当該A/Fセンサ67を通過する排気ガスの状態(量や速度等)による影響を受ける。このため、(ii)に示されているようなリーン応答、及びこれに基づく増量補正の度合いは、運転状態によって異なる。そこで、本実施形態においては、リーンスパイク量ΔAFRが、運転状態(エンジン回転数Ne)と図4のマップとに基づいて決定される。すなわち、運転条件毎に適切なリーンスパイク量ΔAFRが設定される。
このように、本実施形態によれば、失火発生時のリーン応答に対応して行われる本来不要な燃料噴射量増量補正に基づく、サブF/B補正量Vsfbにおける積分項Ki・SDVoxsあるいはサブF/B学習値Learnのリーン側へのズレが、効果的に補償され得る。
また、本実施形態においては、失火率に応じて目標空燃比AFRのリーンスパイクが実行される。したがって、本実施形態によれば、失火タイミングが正確に判明していない場合であっても、すなわち、失火率しか検知できないような失火検知部603を用いた場合であっても、上述のような学習値ズレ等の抑制が、良好に行われる。
一方、上述のようなリーンスパイクがない場合、(vi)に示されているように、リーン応答に対応した増量補正により、メインF/B補正量DFBの平均値が、中心値「0」に対して増量方向にシフトする(図中ΔDFBav参照)。この結果、(vii)に示されているように、真の機関空燃比の平均値がリッチ側へシフトする(図中Δ[A/F]av参照)。このことは、サブF/B補正量Vsfbにおける積分項Ki・SDVoxs(あるいはサブF/B学習値Learn)が、本来収束すべき値に対して減量方向(リーン方向)へずれることにもつながる。
このような積分項Ki・SDVoxsやサブF/B学習値Learnのズレが発生すると、これらが本来収束すべき値にまで回復するためには、かなりの運転時間が必要となってしまう。さらに、失火の頻発(失火率の増大)によって大幅なズレが生じると、積分項Ki・SDVoxsやサブF/B学習値Learnの、本来収束すべき値への早期回復が、著しく困難となる。
<第2の実施形態>
以下、上述の実施形態(第1の実施形態)の一部を変更(modify)した、他の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、上述の第1の実施形態における各構成要素と同様の構成・機能を有する構成要素については、本実施形態においても同一の名称及び同一の符号が付されているものとし、当該構成要素の説明については、上述の第1の実施形態における説明が、矛盾しない範囲で適宜援用され得るものとする(第3以降の実施形態についても同様である)。
本実施形態においては、AFRシフト部604は、失火検知部603によって検知された失火発生タイミングに応じて、目標空燃比AFRのリーンシフト(リーンスパイク)の実施時期を設定するようになっている。具体的には、本実施形態においては、AFRシフト部604は、エンジン回転数Neや吸入空気流量Ga等の運転状態と、マップ(このマップは各運転状態及び各失火発生気筒におけるリーン応答を実験により求めることで得られる)と、に基づいて、リーン応答の発生時期に合わせて、リーンスパイクの実施時期を設定するようになっている。なお、本例においても、上述の第1の実施形態と同様に、矩形波状のリーンスパイクが、運転状態に応じたリーンスパイク量ΔAFRで行われる。
図6は、図1に示されている制御装置6の、第2の実施形態の動作説明のためのタイムチャートである。図6に示されているように、本実施形態においては、失火発生によるA/Fセンサ67の出力値Vafsのリーン応答に合わせて、目標空燃比AFRが設定される。すると、当該リーン応答に伴う、メインF/B補正量DFBの変動量が効果的に抑制される。これにより、真の機関空燃比やその平均値の変動が、効果的に抑制される。
したがって、本実施形態によれば、失火発生時のリーン応答に伴うサブF/B補正量Vsfbにおける積分項Ki・SDVoxsあるいはサブF/B学習値Learnのリーン側へのズレが、効果的に補償され得る。また、失火発生に伴う空燃比変動が可及的に抑制されることで、ドライバビリティが向上する。
<第3の実施形態>
第3の実施形態においては、AFRシフト部604は、上述の第2の実施形態と同様に、リーン応答の発生時期に合わせて、リーンスパイクの実施時期を設定するようになっている。さらに、本実施形態においては、AFRシフト部604は、失火が発生した場合にA/Fセンサ67に生じるリーン応答の推定結果に応じて、目標空燃比AFRのリーンスパイクの実施状況を決定するようになっている。すなわち、本実施形態におけるAFRシフト部604は、図6の(iii)に示されているような矩形波状の入力を1次遅れ処理することで得られる出力に対応する態様で、リーンスパイク量ΔAFRを設定するようになっている。
図7は、図1に示されている制御装置6の、第3の実施形態の動作説明のためのタイムチャートである。図7に示されているように、本実施形態においては、リーンスパイクが、A/Fセンサ67のリーン応答を模擬した態様で実施される。すなわち、目標空燃比AFRの設定が、よりA/Fセンサ67のリーン応答に合わせた形で行われる。したがって、A/Fセンサ67のリーン応答に伴う、メインF/B補正量DFBによる本来不要な増量補正が、よりいっそう効果的に抑制される。
<第4の実施形態>
第4の実施形態においては、AFRシフト部604は、失火検知部603によって特定された失火発生タイミング及び失火発生気筒に基づいて、当該特定された気筒に対してリーンスパイクを行うようになっている。具体的には、AFRシフト部604は、特定気筒にて連続的な失火が生じるような運転状態において、当該気筒での最初の失火発生の検知に対応して、失火発生継続中は、当該気筒の燃料噴射量を、A/Fセンサ67のリーン応答(かかるリーン応答も、上述のように、各運転状態に対応して予め求められている。)相当に減量するようになっている。
本実施形態においては、失火が発生した気筒に対して、A/Fセンサ67のリーン応答相当に実際にリーンな燃料混合気が供給される。これにより、当該リーン応答に基づく燃料噴射量増量補正による、真の機関空燃比の平均値のリッチシフトが、より適切に相殺され得る。
<変形例の例示列挙>
なお、上述の各実施形態は、上述した通り、出願人が本願の出願時点において最良であると考えた本発明の具体化の例を単に示したものにすぎないのであって、本発明はもとより上述の実施形態によって何ら限定されるべきものではない。よって、上述の実施形態に対して、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、種々の変形が施され得ることは、当然である。
以下、変形例について幾つか例示する。もっとも、変形例とて、下記のものに限定されるものではないことは、いうまでもない。本発明を、上述の実施形態や下記変形例の記載に基づいて限定解釈することは、(特に先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、許されない。
また、上述の実施形態や、下記の各変形例に記載された事項は、技術的に矛盾しない範囲において、適宜組み合わせて適用され得ることも、いうまでもない。
(1)本発明は、上述した実施形態にて開示された具体的構成に限定されない。例えば、気筒数、気筒配列方式(直列、V型、水平対向)、燃料噴射方式(ポート噴射、筒内直接噴射)、触媒個数、空燃比センサ個数、サブF/Bやその学習の有無、等については、特に限定はない。
失火検知部603は、シリンダブロック部2に装着された筒内圧センサや振動センサの出力に基づいて、失火の発生等を検知するように構成され得る。あるいは、失火検知部603は、正常に着火したときと失火が生じたときとで、点火プラグ37の火花発生電極間のイオン電流値あるいは電気抵抗値が相違することを利用した構成であってもよい。
リーンスパイク量ΔAFRの設定にかかる図4のマップにおいて、エンジン回転数Neに代えて吸入空気流量Gaが用いられてもよい。あるいは、図4のマップは、吸入空気流量Gaとエンジン回転数Neとをパラメータとした3次元マップであってもよい。さらには、吸入空気流量Gaやエンジン回転数Neに代えて、もしくはこれらとともに、他のパラメータ(冷却水温THW等)が用いられてもよい。あるいは、リーンスパイク量ΔAFRは、運転状態にかかわらず一定値であってもよい。
(2)その他、特段に言及されていない変形例についても、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、本発明の技術的範囲に含まれることは当然である。
さらに、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されているものは、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構造をも含む。
本発明の空燃比制御装置の一実施形態が適用された4サイクル内燃機関の概略構成図である。 図1に示されている上流側空燃比センサ(A/Fセンサ)の出力電圧と排気ガスの空燃比(酸素濃度)との関係を示すグラフである。 図1に示されている下流側空燃比センサ(O2センサ)の出力電圧と排気ガスの空燃比(酸素濃度)との関係を示すグラフである。 図1に示されている制御装置の第一の実施形態の機能ブロック図である。 図3に示されている制御装置におけるリーンスパイク量の決定に用いられるマップを示した図である。 図3に示されている制御装置の動作説明のためのタイムチャートである。 図3に示されている制御装置の、他の実施形態の動作説明のためのタイムチャートである。 図3に示されている制御装置の、他の実施形態の動作説明のためのタイムチャートである。
符号の説明
1…内燃機関 2…シリンダブロック部 3…シリンダヘッド部
4…吸気系統 5…排気系統 53…上流側触媒
6…制御装置 60…ECU 60a…CPU
62…エアフローメータ 65…クランクポジションセンサ
67…上流側空燃比センサ 68…下流側空燃比センサ
602…AFR(目標空燃比)設定部 603…失火検知部
604…AFR(目標空燃比)シフト部 605…Fib(基本燃料噴射量)算出部
606…Vox_ref(下流側目標値)設定部 607…出力偏差量算出部
608…PIDコントローラ 612…PIコントローラ

Claims (6)

  1. 内燃機関の空燃比を制御する、空燃比制御装置であって、
    排気ガス浄化用の触媒よりも上流側の排気通路に配設された上流側空燃比センサの出力に基づいて、前記触媒に流入する排気ガスの空燃比を目標空燃比に近づけるためのメインフィードバック補正値を取得する、メインフィードバック部と、
    前記触媒よりも下流側の前記排気通路に配設された下流側空燃比センサの出力に基づいて、前記メインフィードバック補正値による空燃比制御に対する補正を行うためのサブフィードバック補正値を取得する、サブフィードバック部と、
    失火発生状態を検知する、失火検知部と、
    前記失火検知部により検知された前記失火発生状態に基づいて、目標空燃比を、理論空燃比から一時的にシフトさせる、目標空燃比シフト部と、
    を備え、
    前記目標空燃比シフト部は、失火が発生した場合に前記上流側空燃比センサに生じる応答と同じ方向に、前記目標空燃比をシフトさせることを特徴とする、空燃比制御装置。
  2. 請求項1に記載の、空燃比制御装置であって、
    前記失火検知部は、失火率を検知し、
    前記目標空燃比シフト部は、前記失火率に応じて、前記目標空燃比を前記理論空燃比から一時的にシフトさせる度合いを決定することを特徴とする、空燃比制御装置。
  3. 請求項2に記載の、空燃比制御装置であって、
    前記目標空燃比シフト部は、前記内燃機関の運転状態に応じて、前記目標空燃比を前記理論空燃比から一時的にシフトさせる度合いを決定することを特徴とする、空燃比制御装置。
  4. 請求項1に記載の、空燃比制御装置であって、
    前記目標空燃比シフト部は、失火が発生した場合に前記上流側空燃比センサに生じる応答の推定結果に応じて、前記目標空燃比を前記理論空燃比から一時的にシフトさせる度合いを決定することを特徴とする、空燃比制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1項に記載の、空燃比制御装置であって、
    前記失火検知部は、失火の発生タイミングを検知し、
    前記目標空燃比シフト部は、前記発生タイミングに応じて、前記目標空燃比を前記理論空燃比から一時的にシフトさせる時点を決定することを特徴とする、空燃比制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載の、空燃比制御装置であって、
    前記失火検知部は、失火発生気筒を検知し、
    前記目標空燃比シフト部は、前記失火発生気筒に対して、前記目標空燃比のシフトを実施することを特徴とする、空燃比制御装置。
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