JP2009191456A - コンクリート壁体表面用穴埋め部材およびその使用方法 - Google Patents

コンクリート壁体表面用穴埋め部材およびその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート壁体表面のコーン穴埋め部材の止水性を向上させる。
【解決手段】コーン穴をふさぐ樹脂製のコンクリート表面用穴埋部材であって、前記コーン穴の開口部に嵌合する栓体の内筒に、円筒部22およびこの円筒部22の一端から外側に広がり前記コーン穴のコーン状の開口部に接するコーン体21よりなるキャップ2をかぶせる。その後栓体の内筒内にシーリング材を充填してからコーン穴に押し込むことにより、穴埋め部材の止水性能は万全となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート壁体を構築する際に表面に発生する穴(以下「コーン穴」という)を埋めて壁面の美観を向上させるコンクリート壁体表面用穴埋め部材およびその使用方法に関する。
コンクリートで壁体を構築する際に、型枠を壁厚に保持するために使用するセパレータが型枠撤去後も壁体の中に残り、その先端に取り付けられていたコーンのくぼみが穴となって残る。これがコーン穴であり、穴埋め部材はこの穴を埋める部材である。
図7はコンクリート壁体の一例を示す正面図で、1はコンクリート壁体表面用穴埋め部材の本体、Wはコンクリートの壁体である。
図8は構築中のコンクリート壁体を示す断面図で、3はセパレータ、4はセパレータ両端の連結金具、5はクリップ、6は型枠である。連結金具4は、図9、10に示すように「小判」と呼ばれる板状部41をコーン42に固定したもので、板状部41の端部にある筒状の部分には内外面にねじが切られており、外側のねじはコーン42にねじ込まれ、内側のねじはセパレータの端部にねじ込まれる。上下の型枠6のフランジの孔と、板状部41の孔とをクリップで挿し通すことでセパレータ3と型枠6とが固定され、図8に示したような向かい合った型枠6、6間にコンクリートを打設することによりコンクリート壁体Wが構築される。
コンクリート硬化後、クリップ5を抜いて型枠6を取り外し、ねじをゆるめて連結金具4も取り外すと、コンクリート壁体には図11に示すようにコーン穴Hが残り、穴の内部にはセパレータ3両端のねじ部31が突出している。
このままでは壁面の美観を損ねるばかりでなく、セパレータ回りの隙間からの雨水の侵入によるコンクリートや内部鉄筋の劣化の懸念もあり、またねじ部31によって幼児が怪我をする可能性もあるため、従来、手作業によりモルタル等でコーン穴を埋めることが行われていた。しかしこの作業は手間がかかる上に、丁寧に行わないとかえって外観が見苦しいものとなるなどの問題点があり、またモルタルの充填が不十分で隙間が残っているとモルタルが脱落したり、内部に雨水が侵入してねじ部にさびが発生し、さび汁が洩れだして壁面が汚れるなどの問題点もあった。
特許文献1には、このような問題点に対処できるようにしたコーン穴処理栓(コーン穴埋め部材)が記載されている。図12はその実施例の斜視図で、1Aはコーン穴のコーン状の開口部に嵌合する栓体(コーン穴処理栓)である。前記コーン穴の壁面寄り部分をふさぐ大きさのフランジを端部に有する外筒11と、コーン穴底部側の開口にセパレータのねじ部分が挿入される内筒12とからなり、両者は樹脂製で一体に成形されている。
このコーン穴処理栓1Aは指でコーン穴に押し込み、ハンマで軽く打ち込むことによって前記の内筒12の先端がコーン穴の底部に密着すると同時に、内筒12の内径部分がセパレータのねじ部31に食い込み、外筒11の周面に形成されたフィン112がつぶれ、端部のフランジ113が変形してコーン穴をふさいだ状態で固定される。
特開2005−139719号公報
しかし特許文献1に記載のコーン穴処理栓は、コーン穴のコーン面との間に多くの隙間が存在し、土圧や水圧の高い地中部分などでは止水性が不十分であり、壁体内に水分が侵入してコンクリートや内部鉄筋を劣化させるという問題点を有していた。
本発明は、このような問題点を解消し、止水性能を向上させた壁体表面用穴埋め部材、およびその使用方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載した第1の本発明は、コンクリート壁体表面のコーン穴をふさぐコンクリート壁体表面用穴埋め部材の樹脂製の栓体にかぶせられる樹脂製のキャップであって、
コンクリート壁体表面用穴埋め部材の内筒にかぶせられる円筒部と、この円筒部の一端から外側に広がり前記コーン穴のコーン状の開口部に接するコーン体とからなるものであるコンクリート壁体表面用穴埋め部材用のキャップである。
請求項2に記載した第2の本発明は、コンクリート壁体表面のコーン穴をふさぐ樹脂製のコンクリート壁体表面用穴埋め部材であって、前記コーン穴のコーン状の開口部に嵌合する栓体とこれにかぶせられるキャップとからなり、前記栓体は、前記コーン穴の壁面寄り部分をふさぐ大きさのフランジを端部に有する外筒と、コーン穴底部側の開口にセパレータのねじ部分が挿入される内筒とからなり、前記キャップは前記栓体の内筒にかぶせられる円筒部と、この円筒部の一端から外側に広がり前記コーン穴のコーン状の開口部に接するコーン体とからなるものであるコンクリート壁体表面用穴埋め部材である。
また、請求項3に記載した第3の本発明は、栓体の内筒内にシーリング剤を充填してからコーン穴に押し込むことを特徴とする請求項2に記載のコンクリート壁体表面用穴埋め部材の使用方法である。
本発明によれば、コーン穴をふさぐ穴埋め部材の止水性能が向上し、コーン穴に起因するコンクリート壁体の劣化がほぼ完全に防止できるという、すぐれた効果を奏する。
本発明の実施例を図面により説明する。
図1は本発明における実施例のキャップ2を一部切り欠いた状態で示す斜視図、図2は底面図である。このキャップ2は樹脂製で、前記特許文献1に記載のようなコンクリート壁体表面用穴埋め部材の内筒にかぶせられる円筒部22と、この円筒部22の一端から外側に広がりコーン穴のコーン状の開口部に接するコーン体21とからなり、23はコーン体21、円筒部22の両者を連結する補強用のリブ、24はコーン体21のすそ部分に設けた切り欠きである。使用方法および各部の作用については追って説明する。
図3は実施例のキャップ2を公知の樹脂製の栓体1に装着した状態を示す断面図、図4は同じく斜視図で、各符号はこれまで使用したものと同じである。
なお、キャップは公知の栓体と同様、樹脂製であるが、樹脂としては耐薬品性や耐衝撃性にすぐれ、かつ耐光剤を添加して耐紫外線性を強化したポリエチレン樹脂などが好ましい。
このコンクリート壁体表面用穴埋め部材は、壁体のコーン穴のコーン状の開口部に嵌合する栓体1とこれにかぶせられるキャップ2とで構成され、栓体1は、前記したようにコーン穴の壁面寄り部分をふさぐ大きさのフランジ113を端部に有する外筒11と、コーン穴底部側の開口にセパレータのねじ部分が挿入される内筒12とからなり、キャップ2は栓体1の内筒12にかぶせて装着される円筒部22と、この円筒部22の一端から外側に広がり前記コーン穴のコーン状の開口部に接するコーン体21とからなる。
なお、図3、4に示したように、内筒12の内面に縦方向の突条121を形成しておくと、ねじ部への食い込みがいっそう確実になる。
図5は実施例のコンクリート壁体表面用穴埋め部材の使用方法を示す説明図である。図3、4における栓体1の内筒12の内部にシーリング剤Sを充填してから、矢印のようにコーン穴Hのセパレータのねじ部31にかぶせ、栓体1をコーン穴に押し込む。図6の断面図に示すように、内筒12がねじ部31に挿入されるに従い、内部のシーリング剤Sは押し出されてコーン穴内にあふれ、コーン穴の底部からキャップ2のコーン体21の表面に向かい、隙間を回って全周を満たす状態となる。さらにあふれたシーリング剤Sは、コーン体21のすそ部分に設けた切り欠き24からキャップ2の内部に侵入し、ほとんどの隙間がシーリング剤Sで充満される。(図6は隙間を強調して描いてある。)これによってこの穴埋め部材の止水性能は万全となる。
なお、本発明の穴埋め部材は、簡単な工具で容易に取り外すこともできるので、将来万一壁体を撤去する際にも、コンクリートの廃材に混入するおそれはない。
また、いうまでもないが、セパレータは内部鉄筋と異なり壁体の強度部材ではないから、穴埋め部材の強度自体は何ら問題にならず、また、穴を埋めることによって元来コーン穴を有する壁体の強度をいささかも損なうものではない。
本発明実施例のキャップを一部切り欠いた状態で示す斜視図である。 本発明実施例のキャップの底面図である。 本発明実施例のキャップを栓体に装着した状態を示す断面図である。 同じく本発明実施例のキャップを栓体に装着した状態を示す斜視図である。 本発明実施例のコンクリート壁体表面用穴埋め部材の使用方法を示す説明図である。 本発明実施例のコンクリート壁体表面用穴埋め部材の使用状態を示す断面図である。 本発明に係わるコンクリート壁体の一例を示す正面図である。 構築中のコンクリート壁体を示す断面図である。 本発明に係わる連結金具を示す説明図である。 本発明に係わる連結金具を示す斜視図である。 本発明に係わるコーン穴を示す斜視図である。 従来の技術を示すコーン穴処理栓の斜視図である。
符号の説明
1 栓体
2 キャップ
3 セパレータ
4 連結金具
5 クリップ
6 型枠
11 外筒
12 内筒
21 コーン体
22 円筒部
23 リブ
24 切り欠き
31 (セパレータの)ねじ部
41 (連結金具の)板状部
42 (連結金具の)コーン
112 フィン
113 フランジ
121 突条
H コーン穴
S シーリング剤
W 壁体

Claims (3)

  1. コンクリート壁体表面のコーン穴をふさぐコンクリート壁体表面用穴埋め部材の樹脂製の栓体(1)にかぶせられる樹脂製のキャップ(2)であって、
    コンクリート壁体表面用穴埋め部材の内筒にかぶせられる円筒部(22)と、この円筒部(22)の一端から外側に広がり前記コーン穴のコーン状の開口部に接するコーン体(21)とからなるコンクリート壁体表面用穴埋め部材用のキャップ。
  2. コンクリート壁体表面のコーン穴をふさぐ樹脂製のコンクリート壁体表面用穴埋め部材であって、前記コーン穴のコーン状の開口部に嵌合する栓体(1)とこれにかぶせられるキャップ(2)とからなり、前記栓体(1)は、前記コーン穴の壁面寄り部分をふさぐ大きさのフランジ(113)を端部に有する外筒(11)と、コーン穴底部側の開口にセパレータのねじ部分が挿入される内筒(12)とからなり、前記キャップ(2)は前記栓体(1)の内筒(12)にかぶせられる円筒部(22)と、この円筒部(22)の一端から外側に広がり前記コーン穴のコーン状の開口部に接するコーン体(21)とからなるものであるコンクリート壁体表面用穴埋め部材。
  3. 栓体の内筒内にシーリング剤を充填してからコーン穴に押し込むことを特徴とする請求項2に記載のコンクリート壁体表面用穴埋め部材の使用方法。

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