JP2009190949A - 浄水場脱水ケーキと砕石微粉末を用いた土木用造粒物及びその製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】浄水場脱水ケーキと砕石微粉末の双方を用いて、路床材と同等な強度を有し、埋め戻し材等にも十分に利用可能な土木用造粒物及びその製法を実現する。
【解決手段】 浄水場脱水ケーキ及び砕石微粉末を回転翼8を有する造粒機7に投入し、回転翼を高速で回転して解砕した後、造粒機に高炉セメントB種と水を加え回転翼を低速で回転して造粒することにより、埋め戻し材等にも十分に利用可能な土木用造粒物を製造する。この場合において、浄水場脱水ケーキの配合率が70±20質量%、砕石微粉末の配合率が30±20質量%の範囲で配合して100質量%とし、高炉セメントB種の配合率が外割合で5〜10質量%の範囲で選択することが好ましい。
【選択図】 図2
【解決手段】 浄水場脱水ケーキ及び砕石微粉末を回転翼8を有する造粒機7に投入し、回転翼を高速で回転して解砕した後、造粒機に高炉セメントB種と水を加え回転翼を低速で回転して造粒することにより、埋め戻し材等にも十分に利用可能な土木用造粒物を製造する。この場合において、浄水場脱水ケーキの配合率が70±20質量%、砕石微粉末の配合率が30±20質量%の範囲で配合して100質量%とし、高炉セメントB種の配合率が外割合で5〜10質量%の範囲で選択することが好ましい。
【選択図】 図2
Description
本発明は、浄水場脱水ケーキと砕石微粉末を用いた土木用造粒物及びその製法に関する。
浄水場では、河川水等に含まれている粘土質や藻類などの汚泥を凝集沈殿させる処理が行われるが、その凝集沈殿された汚泥を脱水して得られる脱水ケーキ(以下、浄水場脱水ケーキと称する。)が産業廃棄物として排出される。
一方、砕石場においても、砕石の生産において、水洗選別の過程で生じる排水を沈殿、脱水処理することにより、砕石微粉末(以下、砕石微粉末と称する。)が産業廃棄物として排出される。
ところで、最近は、埋め立て処分場の手当てが困難になりつつあることから、浄水場脱水ケーキや砕石微粉末を有効利用することが要望されている。例えば、浄水場脱水ケーキを培養土やセメント原料として活用することが提案されているが、必ずしも有効利用法が確立されていない。一方、砕石微粉末は、土砂として有効利用することは困難で、その有効利用についてはいまだ確立されていない。
そこで、特許文献1には、浄水場脱水ケーキを用いて管工事布設用の埋め戻し材を製造する方法が提案されている。これによれば、含水率が60〜70%の浄水場脱水ケーキをロールクラッシャーや混練ミキサ等により解砕して粘度化し、粘度化した浄水場脱水ケーキに必要に応じて生石灰を加えて混練した後、高炉セメントB種などのセメント系固化材を加えて混練ミキサで攪拌及び練り込み、生石灰を主導する造粒粉材を添加しながら、混練ミキサ等で混練して10mm以下の粒子に造粒して埋め戻し材を製造している。また、埋め戻し材の強度を向上させるため、必要に応じて、造粒粉材とともに補強材として山砂、石粉などを10〜40質量%加えることが記載されている。
特に、特許文献1によれば、高炉セメントB種を15質量%、山砂を25質量%添加した場合、路床土としての適否を判断するための指標であるCBR値が186%の強度の埋め戻し材を得ることができるとし、山砂の添加率を20質量%に減らしても、CBR値が137%の強度を得ることができるとしている。さらに、同条件で、生石灰の添加率を0%とし、山砂の添加率を20質量%に減らしても、CBR値が34%の強度を得ることができるとしている。
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術では、砕石微粉末の有効利用については考慮されていない。つまり、補強材として山砂、石粉などを10〜40質量%加えることが記載されているが、補強材として砕石微粉末を用いることについては検討されていない。
上述のように、従来は、比較的大量に出る産業廃棄物としての浄水場脱水ケーキと砕石微粉末の双方を用いて、それらの産業廃棄物を有効利用することについて考慮されていない。
本発明が解決しようとする課題は、浄水場脱水ケーキと砕石微粉末の双方を用いて、路床材と同等な強度を有し、埋め戻し材等にも十分に利用可能な土木用造粒物及びその製法を実現することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、浄水場脱水ケーキ及び砕石微粉末を配合して解砕した後、高炉セメントB種と水を加えて造粒して土木用造粒物を製造することを特徴とする。
すなわち、土木材料として適用するには、浄水場脱水ケーキを造粒化する必要があるが、浄水場脱水ケーキ単体では、造粒化し難く、かつ強度不足であることから、これに処理に困っている砕石微粉末を加え、さらに高炉セメントB種を添加して造粒することにより、物理的、力学的性状のどちらにおいても良好な品質を得ることができるようにしたのである。
なお、砕石微粉末は粒度補正材として配合するものであり、製造される造粒物の強度などの品質を確保することができる。また、高炉セメントB種は固化材として加えるものである。浄水場脱水ケーキ及び砕石微粉末を配合して解砕することにより、浄水場脱水ケーキの塊りをほぐして砕石微粉末との配合を促進し、さらには高炉セメントB種との馴染みを促進することができ、結果的に土木用造粒物の物理的及び力学的な強度及びその均質性を高めることができる。
具体的には、浄水場脱水ケーキ及び砕石微粉末を回転翼を有する造粒機に投入し、前記回転翼を第1の速度で回転して解砕した後、前記造粒機に高炉セメントB種と水を加え前記回転翼を前記第1の速度よりも低い速度で回転して造粒することが好ましい。すなわち、解砕は高速回転で短時間行い、セメント添加後は低速回転で長時間かけて造粒する。これにより、良好な造粒物を得ることができる。
また、上記いずれかの場合において、浄水場脱水ケーキの配合率が70±20質量%、砕石微粉末の配合率が30±20質量%の範囲で配合して100質量%とし、高炉セメントB種の配合率が外割合で5〜10質量%とすることができる。なお、添加する水は、セメントの硬化に必要な量を補うものであるから、浄水場脱水ケーキ及び砕石微粉末の含水量を考慮して、適宜様子を見ながら水を加えることが望ましい。これにより、土木用造粒物の含水比を低減することができる。また、土木用造粒物は、最大粒径を5mmに造粒することが好ましい。
例えば、本発明の製法により製造された土木用造粒物は、高炉セメントB種の含有率が外割合で5〜10質量%としたとき、土木用造粒物の2.5mm貫入におけるCBR値が、浄水場脱水ケーキが85質量%で砕石微粉末が15質量%のとき27〜30%である。同様に、浄水場脱水ケーキが75質量%で砕石微粉末が25質量%のとき31〜34%で、浄水場脱水ケーキが65質量%で砕石微粉末が35質量%のとき32〜35%であるから、土木用材料として、十分な強度を有する造粒物を得ることができる。
また、浄水場脱水ケーキは、一般に含水比が80%以上であることから、土質区分基準上、泥土bに属する。しかし、本発明の製法により製造された土木用造粒物は、後述するように含水比が40%程度以下であるから、粒度補正材、増量材、路床材の粒度補正、充填材、路床材、裏込め材、埋め戻し材などの土木材料として有効利用できる。また、本発明の土木用造粒物は、保水性に優れているため、地温の上昇を抑え、ヒートアイランド現象を緩和すると共に地球温暖化抑止対策としても有効である。
また、本発明の製法により製造された土木用造粒物は、力学的、物理的性状において土木系材料としての強度及び品質を満足するものであるから、産業廃棄物を有価物に転化できる。本発明の製法によれば、産業廃棄物を資源化再利用できるから、産業廃棄物の最終処分費用を節約するとともに、循環型社会基本法に則った利用が可能となる。
本発明によれば、浄水場脱水ケーキと砕石微粉末の双方を用いて、路床材と同等な強度を有し、埋め戻し材等にも十分に利用可能な土木用造粒物及びその製法を実現することができる。
以下、本発明の浄水場脱水ケーキと砕石微粉末を用いた土木用造粒物及びその製法の実施形態を説明する。
図1に、本発明の土木用造粒物の一実施形態の製法のフローチャートを示し、図2に土木用造粒物の一実施形態の製造装置のフローシートを示す。
図2に示すように、本実施形態の製造装置は、それぞれ受入ヤード1、2に受け入れた浄水場脱水ケーキと砕石微粉末を、必要に応じて浄水場脱水ケーキ受入ホッパ3と砕石微粉末受入ホッパ4に貯留する。浄水場脱水ケーキ受入ホッパ3と砕石微粉末受入ホッパ4の底部には、それぞれコンベアなどからなる切出し機5、6が設けられ、切出し機5、6により適量切出された浄水場脱水ケーキと砕石微粉末は造粒機7に投入されるようになっている。造粒機7は、円筒状の容器の筒軸周りに回転する回転翼8が備えられている。また、造粒機7には、セメントホッパ9から高炉セメントB種が適量投入され、かつ水源10から水が適量供給可能になっている。
このように構成される本実施形態の製造装置により、図1に示すように、切出し機5を適宜駆動して、土木用造粒物の原料となる浄水場脱水ケーキと砕石微粉末をそれぞれ適量切出して造粒機7に投入する(工程1)。次いで、造粒機7の回転翼8を高速(例えば、2500rpm)で回転して、浄水場脱水ケーキと砕石微粉末の配合物を解砕する(工程2)。この解砕処理は比較的短時間(例えば、30秒)でよい。次いで、造粒機7内の浄水場脱水ケーキと砕石微粉末の配合物に高炉セメントB種と水を適量添加して(工程3)、回転翼8を低速(例えば、900rpm)で回転して、最大粒径が5mm程度の造粒物に造粒する(工程4)。なお、造粒後、一定の養生期間(例えば、7日程度以上)をおいて製品とすることが望ましい。
本実施形態によれば、浄水場脱水ケーキ単体では造粒化が困難な浄水場脱水ケーキに処理に困っている砕石微粉末を配合し、さらに高炉セメントB種を添加していることから、セメントの固化作用によって容易に造粒することができる。また、粒度補正材として砕石微粉末を配合していることから、製造される造粒物の強度を十分に補うことができ、物理的、力学的性状のどちらにおいても良好な品質の土木系材料に用いる造粒物を得ることができる。
また、浄水場脱水ケーキ及び砕石微粉末を配合して解砕することにより、浄水場脱水ケーキの塊りをほぐして砕石微粉末との配合を促進し、さらには高炉セメントB種との馴染みを促進することができ、結果的に土木用造粒物の物理的及び力学的な強度及びその均質性を高めることができる。
また、造粒工程で添加する水は、高炉セメントB種の硬化に必要な量を補うものであるから、浄水場脱水ケーキ及び砕石微粉末の含水量を考慮して、適宜様子を見ながら水を加えることが望ましい。これにより、土木用造粒物の含水比を低減することができる。
以下、本発明の土木用造粒物の製法により製造した土木用造粒物の具体的な実施例の試験結果について、表1〜表6及び図3、図4を参照して説明する。表1は、浄水場脱水ケーキと砕石微粉末の配合率(質量%)を変化させて試験した試験例1〜6であり、高炉セメントB種の添加量を5%(質量%)に設定した例である。なお、高炉セメントB種の添加量は、浄水場脱水ケーキと砕石微粉末の配合率100%に対する添加割合であり、いわゆる外割合である。表2は、高炉セメントB種の添加量を10%に設定した試験例11〜16であり、その他の条件は表1と同一である。
また、表1、2中の用語は、以下の定義のとおりである。
・含水比:土の乾燥重量に対する含水重量の比を表し、単位はwt%である。
・含水率:土の湿潤重量に対する含水重量の比を表し、単位はwt%である。
・乾燥密度:土全体の体積に対する乾燥土の質量を表し、単位はg/cm3あるいはt/m3である。
・設計CBR:路床や路盤材料の表面に直径5.0cmのピストンが2.5mm又は5.0mm貫入したときの荷重を標準荷重に対する百分率であらわしたもので、試験方法はJIS A 1211による。
表1、表2に示すように、各試験例の造粒直後の含水比に対して、空気中において7日間養生した後の含水比は、大きく低下しており、良好な造粒物が得られることがわかる。また、砕石微粉末の配合率が増えるにつれて、含水比が低下することが確認できる。
また、造粒物のCBR値は、図3の砕石微粉末の配合率とCBR値の関係に示すように、砕石微粉末の配合率に応じてCBR値が増加しているが、砕石微粉末の配合率が25%を超えるとCBR値の増加が緩やかになる。例えば、試験例2、3、4又は試験例12、13、14に示すように、配合率が浄水場脱水ケーキが70±20%の範囲で、砕石微粉末が30±20%の範囲では、高炉セメントB種の含有率が外割合で5〜10質量%としたとき、土木用造粒物の2.5mm貫入におけるCBR値が、浄水場脱水ケーキが85質量%で砕石微粉末が15質量%のとき27〜30%である。同様に、浄水場脱水ケーキが75質量%で砕石微粉末が25質量%のとき31〜34%で、浄水場脱水ケーキが65質量%で砕石微粉末が35質量%のとき32〜35%である。また、5.0mm貫入におけるCBR値は、浄水場脱水ケーキが85質量%で砕石微粉末が15質量%のとき24〜26%で、浄水場脱水ケーキが75質量%で砕石微粉末が25質量%のとき31〜35%で、浄水場脱水ケーキが65質量%で砕石微粉末が35質量%のとき32〜35%である。
また、砕石微粉末の配合率を増やしても乾燥密度の増加がわずかであることから、浄水場脱水ケーキの廃棄量と砕石微粉末の廃棄量とのバランスにもよるが、砕石微粉末の廃棄量が相対的に少ない場合は、砕石微粉末の配合率を増やしてもCBR値の増大が抑えられ、かつ乾燥密度の増加がわずかであることを考慮すると、砕石微粉末の配合率は15〜35%の範囲が好ましく、さらには20〜30%の範囲が好ましい。これにより、十分な強度を有する土木用造粒物を得ることができる。
次に、砕石微粉末の配合率が25%の場合について、高炉セメントB種の添加量の効果を比較した試験結果を表3、表4に示す。表3は物理的性状の試験結果であり、表4は力学的性状の試験結果である。
また、表3、4中の用語は、以下の定義のとおりである。
・密度・吸水率試験:粗骨材の密度及び吸水率試験であり、試験方法はJIS A 1110による。
・表乾密度:表乾状態(試料内部の空隙に水分が満たされている状態)の試料の質量を試料の絶対容積で除した値
・絶乾密度:試料の絶乾状態(全く水分を含んでいない状態)の質量を試料の絶対容積で除した値であり、試料の内部に独立している空隙及び外部に連なる空隙を全て試料の空隙とみなした場合の密度であり、単位はkg/L
・吸水率:湿潤状態の試料の表面水を拭い去って表乾状態とし、さらに100〜110℃で定重量となるまで乾燥して絶乾状態とし、そのときの試料の絶乾状態の重量A、表乾状態の重量Bとしたとき、下式で示す吸水量百分率をいう。
吸水量百分率=(B−A)/A×100(%)
・単位容積質量試験:骨材の単位に容積質量及び実績率試験方法であり、試験方法はJIS A 1104による。
・単位容積質量:骨材の単位に容積質量及び実績率試験方法(JIS A 1104)に規定された方法によって、容器に骨材をつき固めた状態での骨材の単位体積あたりの質量をいう。
・実績率:ある容器の中に入った骨材の粒子が締めるその物体が実際に占める容積の割合をいう。
・微粒分量試験:骨材の微粒分量試験であり、骨材に含まれる粘土、シルト、ロームなどの微細な粒子の全量を求めるために行う試験であり、試験方法はJIS A 1103による。
・土の液性・塑性限界試験:土の液性限界・塑性限界試験方法。土の状態が変化する境界の含水比を測定する。試験方法は、JIS A 1205による。
・液性限界:土が塑性体から液体に移るときの境界の含水比。
・塑性限界:土が塑性体から半固体に移るときの境界の含水比。
・塑性指数:液性限界と塑性限界の差。
・土粒子の密度試験:突固めによる土の締固め試験(JIS A 1210)により求めた土粒子の密度(g/cm3)。
・スレーキング試験:脆弱岩材料の耐久性を評価するもの。旧日本道路公団「岩のスレーキング率試験方法(JHS110-1992)」による。
・コーン指数:締固めた土のコーン指数試験(JIS A 1228)により求められる数値。締め固めた土に直径2cmの先の尖ったコーンを人力で貫入させてその抵抗値からコーン指数を計算する。
・締固め試験/最大乾燥密度/最適含水比:突固めによる土の締固め試験(JIS A 1210)。含水比を変化させた土を締め固めて得られた乾燥密度と含水比の関係は締固め曲線で表せる。乾燥密度が最大となる乾燥密度が最大になるときの含水比を最適含水比、そのときの乾燥密度を最大乾燥密度という。
・水硬性:水と反応して硬くなる性質。
・単位容積質量試験:骨材の単位に容積質量及び実績率試験方法であり、試験方法はJIS A 1104による。
・単位容積質量:骨材の単位に容積質量及び実績率試験方法(JIS A 1104)に規定された方法によって、容器に骨材をつき固めた状態での骨材の単位体積あたりの質量をいう。
・実績率:ある容器の中に入った骨材の粒子が締めるその物体が実際に占める容積の割合をいう。
・微粒分量試験:骨材の微粒分量試験であり、骨材に含まれる粘土、シルト、ロームなどの微細な粒子の全量を求めるために行う試験であり、試験方法はJIS A 1103による。
・土の液性・塑性限界試験:土の液性限界・塑性限界試験方法。土の状態が変化する境界の含水比を測定する。試験方法は、JIS A 1205による。
・液性限界:土が塑性体から液体に移るときの境界の含水比。
・塑性限界:土が塑性体から半固体に移るときの境界の含水比。
・塑性指数:液性限界と塑性限界の差。
・土粒子の密度試験:突固めによる土の締固め試験(JIS A 1210)により求めた土粒子の密度(g/cm3)。
・スレーキング試験:脆弱岩材料の耐久性を評価するもの。旧日本道路公団「岩のスレーキング率試験方法(JHS110-1992)」による。
・コーン指数:締固めた土のコーン指数試験(JIS A 1228)により求められる数値。締め固めた土に直径2cmの先の尖ったコーンを人力で貫入させてその抵抗値からコーン指数を計算する。
・締固め試験/最大乾燥密度/最適含水比:突固めによる土の締固め試験(JIS A 1210)。含水比を変化させた土を締め固めて得られた乾燥密度と含水比の関係は締固め曲線で表せる。乾燥密度が最大となる乾燥密度が最大になるときの含水比を最適含水比、そのときの乾燥密度を最大乾燥密度という。
・水硬性:水と反応して硬くなる性質。
それらの表3、4に示すように、高炉セメントB種を10%添加した方が、物理学的、力学的、双方の面で良好な結果が得られた。すなわち、力学的性状面では土木系材料として、品質を十分に満足する。物理的性状では、単位体積あたりの重量は土木系材料のそれよりも軽く、団粒構造を呈し、保水性に優れていることがわかる。
次に、物理的な造粒物の水浸時間による支持力の変化を確認するために、砕石微粉末の配合率を25%の造粒物について、最適含水比で締め固めた試験体を作成し、4日間、2週間、3週間、4週間経過時点で設計CBR試験を行った。その結果を表5及び図4に示す。
表5及び図4に示すように、高炉セメントB種の含有率を5%、10%の双方に同様な傾向が確認できた。いずれの試験体においても、水浸日数の経過によりCBR値の上昇が確認できた。2.5mm貫入時のCBR値と5.0mm貫入時のCBR値が3〜4週間にかけて逆転する現象は、支持力をもつ土の傾向が出ており、水硬性が十分にあることが考察できる。
以上説明したように、本実施形態の土木用造粒物の製法によれば、単体では造粒化し難く、かつ強度不足である浄水場脱水ケーキに、処理に困っている砕石微粉末を加え、さらに高炉セメントB種を添加して造粒することにより、物理的、力学的性状のどちらにおいても良好な品質の土木系材料を得ることができる。
特に、砕石微粉末を粒度補正材として配合することにより、製造される造粒物の強度などの品質を確保し、固化材として高炉セメントB種を加えることにより、土木用造粒物の物理的及び力学的な強度及びその均質性を高めることができる。
また、本実施形態の製法により製造された土木用造粒物は、含水比が40%程度以下であるから、粒度補正材、増量材、路盤材の粒度補正、充填材、路床材、裏込め材、埋め戻し材などの土木材料として有効利用できる。また、本実施形態の土木用造粒物は、保水性に優れているため、地温の上昇を抑え、ヒートアイランド現象を緩和すると共に地球温暖化抑止対策としても有効である。
また、本発明の製法により製造された土木用造粒物は、力学的、物理的性状において土木系材料としての強度及び品質を満足するものであるから、産業廃棄物である浄水場脱水ケーキ及び砕石微粉末を有価物に転化できる。つまり、産業廃棄物を資源化再利用できるから、産業廃棄物の最終処分費用を節約するとともに、循環型社会基本法に則った利用が可能となる。
3 浄水場脱水ケーキ受入ホッパ
4 砕石微粉末受入ホッパ
5、6 切出し機
7 造粒機
8 回転翼
9 セメントホッパ
10 水源
4 砕石微粉末受入ホッパ
5、6 切出し機
7 造粒機
8 回転翼
9 セメントホッパ
10 水源
Claims (8)
- 浄水場脱水ケーキ及び砕石微粉末を配合して解砕した後、高炉セメントB種と水を加えて造粒する土木用造粒物の製法。
- 浄水場脱水ケーキ及び砕石微粉末を回転翼を有する造粒機に投入し、前記回転翼を第1の速度で回転して解砕した後、前記造粒機に高炉セメントB種と水を加え前記回転翼を前記第1の速度よりも低い速度で回転して造粒する土木用造粒物の製法。
- 請求項1又は2に記載の土木用造粒物の製法において、
前記浄水場脱水ケーキの配合率を70±20質量%、前記砕石微粉末の配合率を30±20質量%の範囲で配合して100質量%とし、前記高炉セメントB種の配合率が外割合で5〜10質量%であることを特徴とする土木用造粒物の製法。 - 請求項3に記載の土木用造粒物の製法において、
前記土木用造粒物の最大粒径を5mmに造粒することを特徴とする土木用造粒物の製法。 - 浄水場脱水ケーキ及び砕石微粉末が配合され、高炉セメントB種を固化材として最大粒径が5mmに造粒されてなる土木用造粒物。
- 請求項5に記載の土木用造粒物において、
前記浄水場脱水ケーキの配合率を70±20質量%、前記砕石微粉末の配合率を30±20質量%の範囲で配合して100質量%とし、前記高炉セメントB種の配合率が外割合で5〜10質量%であることを特徴とする土木用造粒物。 - 請求項5に記載の土木用造粒物において、
前記浄水場脱水ケーキの配合率が75±10質量%、前記砕石微粉末の配合率が25±10質量%の範囲で配合して100質量%とし、前記高炉セメントB種の配合率が外割合で5〜10質量%であることを特徴とする土木用造粒物。 - 請求項7に記載の土木用造粒物において、
前記高炉セメントB種の含有率が外割合で5〜10質量%で、前記土木用造粒物を造粒してから7日養生後の2.5mm貫入によるCBR値が、前記浄水場脱水ケーキが85質量%で前記砕石微粉末が15質量%のとき27〜30%、前記浄水場脱水ケーキが75質量%で前記砕石微粉末が25質量%のとき31〜34%、前記浄水場脱水ケーキが65質量%で前記砕石微粉末が35質量%のとき32〜35%であることを特徴とする土木用造粒物。
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