JP2009190231A - ヘッド及び液体吐出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズル列毎に異なる成分の液体を吐出する場合に、各ノズル列において同じ量の対応する液体を吐出すること。
【解決手段】第1の液体を所定量で吐出するための複数のノズルを有する第1ノズル列と、前記第1の液体とは異なる種類の第2の液体を前記所定量で吐出するための複数のノズルを有する第2ノズル列と、を備え、前記第1のノズル列のノズルの流路の寸法の平均が前記第2ノズル列のノズルの流路の寸法の平均と異なる、ヘッド。
【選択図】図9

Description

本発明は、ヘッド及び液体吐出方法に関する。
インク滴をノズルから吐出させて印刷を行うインクジェットプリンタが多くの分野で利用されている。このようなインクの吐出装置は、正確な位置に正確な量のインク滴を吐出することで所望の画像を形成する。
ところでヘッドに供給されるインクはノズル列毎に異なる色のインクである。供給されるインクの色が異なると、含有する成分の違いから表面張力、粘度、比重などが異なるため、それぞれのノズル列からは異なる量のインク滴が吐出される場合がある。
特開2001−219558号公報 特開平10−291310号公報
しかしながら、媒体に形成される画像の品質を高めるためには、ノズル列毎に異なる成分の液体を吐出する場合であっても、各ノズル列において同じ量の対応する液体滴を吐出できることが望ましい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ノズル列毎に異なる成分の液体を吐出する場合に、各ノズル列において同じ量の対応する液体を吐出することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、
第1の液体を所定量で吐出するための複数のノズルを有する第1ノズル列と、
前記第1の液体とは異なる種類の第2の液体を前記所定量で吐出するための複数のノズルを有する第2ノズル列と、
を備え、前記第1のノズル列のノズルの流路の寸法の平均が前記第2ノズル列のノズルの流路の寸法の平均と異なる、ヘッドである。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
第1の液体を所定量で吐出するための複数のノズルを有する第1ノズル列と、
前記第1の液体とは異なる種類の第2の液体を前記所定量で吐出するための複数のノズルを有する第2ノズル列と、
を備え、前記第1のノズル列のノズルの流路の寸法の平均が前記第2ノズル列のノズルの流路の寸法の平均と異なる、ヘッド。
このようにすることで、ノズル列毎に異なる成分の液体を吐出する場合に、各ノズル列において同じ量の対応する液体を吐出することができる。
かかるヘッドであって、前記ノズルの流路の寸法はノズル径の寸法であることが望ましい。また、前記第1ノズル列のノズルと前記第2ノズル列のノズルはそれぞれ対応する駆動素子を備え、前記第1ノズル列のノズルの駆動素子と前記第2ノズル列のノズルの駆動素子には、共通の駆動信号が印加されることが望ましい。また、さらに、前記第1ノズル列におけるノズルの液体供給口径の平均径が前記第2ノズル列のノズルの液体供給口径の平均径と異なることが望ましい。また、前記第1ノズル列のノズルの流路の寸法と前記第2ノズル列のノズルの流路の寸法は、前記ヘッドの内部において供給される液体の振動の周波数特性に応じて決められることが望ましい。
このようにすることで、ノズル列毎に異なる成分の液体を吐出する場合に、各ノズル列において同じ量の対応する液体を吐出することができる。
複数のノズルを有する第1のノズル列から所定量で第1の液体を吐出するステップと、
ノズルの流路の寸法の平均が前記第1のノズル列のノズルの流路の寸法の平均と異なる第2ノズル列から、前記第1の液体とは異なる種類の第2の液体を前記所定量で吐出するステップと、
を含む液体吐出方法。
このようにすることで、ノズル列毎に異なる成分の液体を吐出する場合に、各ノズル列において同じ量の対応する液体を吐出することができる。
===実施形態===
図1Aは、プリンタ1の斜視図であり、図1Bは、プリンタ1の内部の斜視図である。図2は、プリンタ1のブロック図である。以下、これらの図を参照しつつプリンタ1の構成について説明を行う。
プリンタ1は、用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構、ヘッドユニット40、コントローラ60、及び、駆動信号生成回路70を含む。プリンタ1は、コントローラ60内のインタフェース(不図示)を介してコンピュータ110から印刷データを取得し、この印刷データに基づいて用紙S上に画像の印刷を行う。
コントローラ60は、CPUなどの処理装置(不図示)及びメモリなどの記憶装置(不図示)を含む。記憶装置には、プリンタ1に所望の動作をさせるためのプログラムが記憶されている。処理装置は、このプログラムを実行する。そして、コントローラ60によって、プリンタ1内の用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、及び、駆動信号生成回路70が制御される。
用紙搬送機構20は、コントローラ60の制御により、用紙Sを給紙台4から印刷可能な位置に送り込んだり、この用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させたりする。キャリッジ移動機構30は、コントローラ60の制御により、キャリッジCR移動用のベルト31とキャリッジモータ32を用いて、ヘッドユニット40が取り付けられたキャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させる。
ヘッドユニット40は、ヘッド41とヘッド制御回路HCを含んでいる。ヘッド41は、インク滴を吐出する複数のノズルと、インク滴を吐出するための複数の圧電素子417を含む。ヘッド制御回路HCは、ヘッド41からのインク滴の吐出を制御する機能を有する。ヘッド制御回路HCの制御により、各圧電素子417には、適当なタイミングで駆動信号COMが印加される。
駆動信号生成回路70は、圧電素子417に印加するための駆動信号COMを生成する。
図3は、参考例のヘッド41を下から見た図である。図には、各ノズル列のノズルが示されており、ブラックKのインク滴を吐出するためのブラックインクノズル列Nk、シアンCのインク滴を吐出するためのシアンインクノズル列Nc、マゼンタMのインク滴を吐出するためのマゼンタインクノズル列Nm、及び、イエローYのインクを吐出するためのイエローインクノズル列Nyが示されている。各ノズル列は90個のノズルNzを有する。それぞれのノズル列の方向は用紙の搬送方向と一致している。
参考例のヘッド41において、それぞれのノズル列のノズル径はすべて同じ大きさである。
図4Aは、ヘッド41における1つの圧力室435の構造を示す平面図である。また、図4Bは、ヘッド41のA−A断面図である。断面図に示したように、ヘッド41は、それぞれ金属板(例えばステンレス鋼材製)からなるノズルプレート411、スペーサ部材412、インク供給部材413と、それぞれセラミック板(例えばジルコニア板)からなる蓋部材414、スペーサ部材415、振動板416とが、接着剤や溶着等によって一体に積層されて形成されている。
振動板416の表面には、図示するように圧力室435のインクを加圧するための圧電素子417が貼り付けられている。圧電素子417は、圧力室435の幅よりも狭い幅で、圧力室435の長手方向に長い形状を有するピエゾ素子等の圧電材料の薄板からなり、電圧を印加すると幅方向において湾曲するように構成されている。そして、図示しない電極が圧電素子417に接続形成され、所定の駆動信号が電極に印加されることによって圧電素子417が湾曲し、もって振動板416を変形させて圧力室435のインクを加圧する。
インクカートリッジから供給されリザーバ432に導かれたインクは、まずインク供給部材413に穿孔された第1の通孔433を通り、次に、蓋部材414に穿孔された第2の通孔434を通って圧力室435に流入する。
圧力室435は、スペーサ部材415に設けた横長の通孔を、蓋部材414と振動板416とによって覆って形成されており、この圧力室435に流入したインクは、圧電素子417の駆動に伴って変形する振動板416によって加圧される。
加圧されたインクは、同じく蓋部材414に穿孔された第3の通孔436に流入し、さらにインク供給部材413に形成した第4の通孔437を通過して、スペーサ部材412に穿孔された第5の通孔438に流入する。そして、インクの流路の最後端となるノズルプレート411に穿孔されたノズル開口部439から、加圧された圧力に応じた量のインクがインク滴として噴射される。
尚、上述の流路の寸法は、参考例のヘッド41においては全てのノズル列において共通の同じ寸法となっている。
図5は、駆動信号生成回路70によって生成される駆動信号COMを説明する図である。駆動信号COMは、インク滴を吐出するための圧電素子417に印加される。図に示されるように、駆動信号COMは、繰り返し周期Tごとに繰り返し生成される。
繰り返し周期である期間Tは、ノズルが1画素分移動する間の期間に対応する。例えば、印刷解像度が720dpiの場合、期間Tは、ノズルが1/720インチ移動するための期間に相当する。そして、前述の印刷データに含まれる画素データに基づいて、期間Tに含まれる各区間の駆動パルスPS1〜PS4を圧電素子417に印加することによって、1つの画素内にいくつかのインク滴が吐出され、複数階調を表現可能としている。
駆動信号COMは、繰り返し周期における区間T1で生成される第1波形部SS1と、区間T2で生成される第2波形部SS2と、区間T3で生成される第3波形部SS3と、区間T4で生成される第4波形部SS4とを有する。ここで、第1波形部SS1は、駆動パルスPS1を有している。また、第2波形部SS2は駆動パルスPS2を、第3波形部SS3は駆動パルスPS3を、第4波形部SS4は駆動パルスPS4をそれぞれ有している。
そして、駆動パルスPS1、駆動パルスPS3、及び、駆動パルスPS4は、ノズルNzからインクを吐出させる際に用いられる。ここでは、小ドットの形成時に駆動パルスPS4が圧電素子417へ印加される。また、中ドットの形成時には、駆動パルスPS1が圧電素子417へ印加され、大ドットの形成時には、駆動パルスPS3が圧電素子417へ印加される。駆動パルスPS2は、メニスカスを振動動作させるための微振動パルスであり、ドット無しの場合に圧電素子417へ印加される。
参考例で示したヘッドは、ノズル径などのインクの流路寸法が全てのノズル列で同じサイズであった。このようなヘッドのそれぞれの圧電素子に同一の駆動信号を印加した場合、供給されるインクが同じインクであれば、同じ速度でインク滴がノズルから吐出される。
しかしながら、実際には各ノズル列には異なるインクが供給される。インクは色ごとに比重、粘度、及び、表面張力等が異なっている。よって、異なるインクが供給された場合、各ノズル列からは同じサイズのインク滴が同じ速度で吐出されるとは限らない。これは、ヘッドの流路におけるインクの固有振動周期がインク毎に異なるためである。このように流路におけるインクの固有振動周期がそれぞれ異なることから、同一の周期の駆動信号を各ノズル列の圧電素子に印加しても、吐出されるインク滴のサイズ及び速度などの特性に差が生じてしまう。
よって、ヘッドの流路寸法の設計は、ヘッドの流路内における使用されるインクの固有振動周期や、それぞれの駆動素子に印加される駆動信号を考慮して行われる。しかしながら、各色のインクの特性に合わせて色毎の駆動信号の設計を行い、さらに、色毎のインクの流路の設計を行うこととすると、ヘッドの設計に時間を要する。特に、近年では、印刷の高解像度化のためにヘッドの駆動周波数が高くなる傾向がある。そうすると、駆動信号の駆動周期が短くなり、駆動波形の設計の自由度が低くなる。よって、色毎に駆動波形を設計することが困難になっているという問題がある。また、仮に、色毎に異なる駆動信号を用意することとしても、この場合には色毎に駆動回路が必要になるという問題もある。
さらに、印刷速度を向上させるためにインクの吐出間隔を短くしようとすると、駆動信号の周期が短くなる。そうすると、圧電素子417の振動を制御できる時間間隔が短くなり、複数色あるインクの吐出特性の差を駆動波形の設計のみで補って吐出の安定性を確保することも難しい。
ところで、ノズル径及びインク供給口径を大きくすると、当然に吐出されるインクの量が増える。一方、ノズル径を絞りインク供給口径を小さくすると、吐出されるインクの量は減るが飛翔速度が速くなるという傾向がある。
これらの特性を利用してノズル径及びインク供給口径のサイズを変更することで、異なるインクが供給される場合であっても各ノズル列で同じ飛翔特性でインク滴を吐出させることができるようになる。そして、より容易にヘッドの適切な流路寸法の設計を行うことができ、ヘッドの開発時間を短縮することができる。
以下に示す実施形態では、複数のインクを使用するヘッドの設計において、ノズル列毎に適切なヘッドの流路の寸法を決定する。
図6は、本実施形態を説明するためのフローチャートである。以下、本フローチャートを参照しつつ、本実施形態の手順を説明する。また、図7はノズル径とインク供給口径の安定性エリアを説明するための図である。図において、横軸はノズル径の寸法である。また、縦軸はインク供給口径の寸法である。本実施形態において、ノズル径は図4Bにおけるノズル開口部439の径である。また、本実施形態において、インク供給口径は、第1の通孔33である。また、図には、一点鎖線で後述する基準インクの設計上の寸法が示されている。
まず、基準インクと流路の共通の寸法とが選定される(S202)。基準インクは、後述する駆動波形の作成後に寸法公差を考慮したヘッドからインク滴を吐出させる際に実験的に使用されるインクである。
基準インクは、可能な限り吐出特性の良くないが選定される。ここで、吐出特性が良くないインクとは、開発者が望むサイズのインク滴が吐出されにくいインク、開発者が望む方向に吐出されにくいインク、及び、開発者が望む速度で吐出されにくいインクである。例えば、ミスト状となって吐出されやすいインクや、インクがノズル列方向に曲がって吐出されやすいインクなどである。このように、吐出特性の良くないインクを基準インクとして選定することで、インクの吐出条件を厳しくしてヘッドの開発を開始する。そうすると、最終的に使用されるインクを供給したときには所望のサイズ及び吐出方向でインク滴を吐出しやすくなるためヘッドの設計が行いやすくなる。
また、基準インクは、染料インク及び顔料インクなどヘッドが使用するインクの種類毎に異なる基準インクを選択することができる。また、ヘッドの形状によっても、異なる基準インクを選択することができる。
流路の共通の寸法は、過去の設計の経験などから開発者によって適当なものが決められる。
次に、選定された基準インクと流路の共通の寸法を有するヘッドとを用いて、駆動信号が作成される(S204)。ここでは、流路の共通の寸法を有するヘッドに基準インクを供給し、駆動信号COMを試作しつつ駆動信号が作成される。
図8は、駆動波形の作成方法を説明するための図である。図では、駆動信号COMのうちの一部である駆動波形が例示的に示されている。ここでは、駆動パルスPS1を一例に示している。示された駆動波形のうち、印加時間として、pwd1、pwh1、pwc1、pwh2、pwd2が示されている。また、中間電位としてVmが示されている。
中間電位Vmにおいて、圧電素子417は若干圧力室435の方向にたわまされているが、印加時間pwdにおいて電位が下がるとたわみ量が少なくなり、リザーバ432から圧力室435にインクが流れ込む。印加時間pwh1において、圧電素子417の変形状態が維持される。印加時間pwc1において、圧電素子417は、圧力室435の方向にたわむように変形する。そうすると、圧力室435の圧力が急激に高まり、ノズル開口部439からインク滴が吐出される。次に、印加時間pwh2において圧電素子417の変形状態が維持されるが、印加時間pwd2において圧電素子は、中間電位Vmが印加されたときの状態に戻る。
図にはさらに、時間Tcが示されている。時間Tcは、印加時間pwc1と印加時間pwh2との和の時間である。この時間Tcは、圧力室435の固有振動周期と一致するように設計することが望ましい。そうすることで、圧電素子417がインク滴を吐出させた後に生ずる自由振動を効果的に制止させることができるからである。このようにすることで、インク滴を安定的に吐出させることができる。ここで、安定的に吐出とは、インク滴のサイズ、飛翔速度、及び、飛翔方向の開発者の望む範囲内での吐出である。尚、圧力室435の固有振動周期は、ノズル開口部439におけるイナータンス、第1の通孔433と第2の通孔434のイナータンス、及び、圧力室435におけるコンプライアンスによって求められる。
印加時間pwc1は、インク滴の飛翔速度に基づいて決められる。そうすると、固有振動周期Tcを考慮して印加時間pwh2が一義的に決まることとなるが、そのようにしてもインク滴が安定的に吐出されない場合がある。そのようなときには、印加時間pwh2を微調整してインク滴が安定的に吐出されるような駆動波形を決定することとする。これは、印加時間pwh2は、インク滴を吐出した後の圧電素子417を制止させる役割を担うためである。よって、この時間を調整することにより、圧電素子417がインク滴を吐出した後に、圧電素子417が振動してしまい余計なインクが吐出されたり、また、次のインク滴の吐出の際に影響を与えたりすることを防ぐことができ、安定的にインク滴を吐出できるようにすることができるからである。
このようにして、それぞれの駆動パルスの波形が作成され、基準インクを安定的に吐出できるような駆動信号COM全体が作成される。
次に、作成された駆動信号COMを用いて基準インクの吐出の試験が行われる(S206)。
ヘッドを製造するときにおいて、上述の流路の共通の寸法は製造時において寸法公差を生ずる。よって、ヘッドは流路の共通の寸法において、寸法公差の上限の寸法で製造されることもあれば、寸法公差の下限の寸法で製造されることもある。このように、寸法公差が生じた場合であっても、基準インクは安定的に吐出されなければならない。よって、ここでは、基準インクを吐出するヘッドは、寸法公差の上限の寸法と下限の寸法で製造されたヘッドが用意される。つまり、基準インクを吐出するヘッドは複数用意される。
具体的には、(1)ノズル径が下限かつインク供給口径が下限のときのヘッド、(2)ノズル径が上限かつインク供給口径が上限のときのヘッド、(3)ノズル径が下限かつインク供給口径が上限のときのヘッド、(4)ノズル径が上限かつインク供給口径が下限のときのヘッドが用意される。そして、これらのヘッドにおいて基準インクが安定的に吐出されるかどうかの試験を行う。
基準インクの吐出の試験(ステップS206)は、駆動信号COMを印加したときのノズルからのインク滴の飛翔状態を観察することや、媒体に着弾したインク滴を観察し吐出されたインク滴の吐出方向が正常であるかどうかによって判断される。これは、媒体に着弾したインク滴の観察は、罫線パターンを印刷して、印刷結果を観察することよっても行うことができる。また、印刷サンプルを印刷した際に、色むらが発生していないかを観察することによっても行うことができる。この際、特に、インク滴がノズル列方向に曲がって吐出されていないかなどに注意して判断される。また、インク滴を複数回吐出させ、吐出されたインク量を計測することによって設計上のインク量が吐出されているか否かを判定することとしてもよい。
基準インクの吐出の試験の結果、上述の複数のヘッドにおいて基準インクが安定的に吐出されなかった場合には、ステップS204に戻り駆動信号COMの作成からやりなおす。一方、基準インクの吐出の試験の結果、上述の複数のヘッドにおいて基準インクが安定滴に吐出された場合には、次のステップを行う。
次に、製品化されたときにおいて供給されるインクを対応するノズル列に供給し、これらのインクの吐出の試験を行う(S210)。このときの試験は、製品化されたときにおいて使用されるインクを対応するノズル列に供給しつつ、前述のステップS206における基準インクの吐出の試験と同様に行われる。つまり、寸法公差が考慮された複数のヘッドに、製品化されたときにおいて供給されるインクを対応するノズル列に供給してインクの吐出の試験を行う。
この試験において、全てのノズル列から対応するインクが安定的に吐出されたときには、ヘッドの流路の共通の寸法を全てのノズル列に適用することとして、ヘッドの設計を終了する(S212)。
一方、製品化されたときにおいて供給されるインクは、基準インクとは異なるインクであることがあるため、必ずしも全てのノズル列から安定的にインク滴が吐出されるわけではない。これは、前述のとおり、インクが異なるとヘッドの流路におけるインクの固有振動周期が異なることとなることから、インク滴が安定的に吐出されなくなるためである。
このとき、各色のインク用の駆動信号を生成して、ノズル列毎に別々の駆動信号を印加することも考えられる。しかしながら、最近では印刷速度の高速化及び解像度の高解像度化によって、駆動信号の周波数が高くなってきている。そして、圧電素子417を制止制御できる時間間隔が短くなっており、駆動波形の設計のみでインクの吐出の安定性を補うことが難しくなってきている。よって、安定的にインク滴が吐出されないノズル列が1つでもある場合には、各ノズル列のインクの流路の寸法を変更して対応するべく、次のステップを実行する。
ステップS214において、全てのノズル列において共通であった流路の寸法(ノズル径、及び、インク供給口径)をノズル列毎にずらしながら、ノズル列毎の流路の寸法を決定する。
例えば、前述の吐出試験(ステップS210)においてシアンインクノズル列からシアンインクが安定的に吐出され、イエローインクノズル列からイエローインクが安定的に吐出されたものとする。一方で、マゼンタインクノズル列からマゼンタインクが安定的に吐出されず、また、ブラックインクノズル列からブラックインクが安定的に吐出されなかったものとする。そのとき、マゼンタインクノズル列とブラックインクノズル列のノズル径及びインク供給口径の設計上の寸法を少しずつ異ならせ、上述と同様に寸法公差の上限と下限の寸法を有するヘッドを作成し、吐出状態を観察する。そして、マゼンタインクノズル列とブラックインクノズル列について、寸法公差範囲内で安定的にインク滴を吐出できるノズル径とインク供給口径を決めていく。つまり、安定性エリアをずらしながらノズル径とインク供給口径を決めていく。
前述のように、第1の通孔433と第2の通孔434のイナータンス、ノズル開口部439のイナータンス、及び、圧力室435のコンプライアンスによって固有振動周期が決まっていた。よって、安定的にインク滴を吐出できないノズル列であっても、これらの各部の寸法を変更することによって、固有振動周期をずらし安定的にインク滴を吐出できるようにすることができる。本実施形態では、ノズル径としてのノズル開口部439と、インク供給口としての第2の通孔434の径を変化させるようにしている。
前述の吐出試験(ステップS210)の結果、全てのノズル列から安定的にインク滴が吐出されたか否かを判定する(S216)。そして、どのようにノズル径とインク供給口径の設計上の寸法を変化させても、いずれかのノズル列で安定的に対応するインクを吐出できない場合には、ステップS204に戻り、再度、駆動信号の設計からやりなおす。一方、ノズル径とインク供給口径の設計上の寸法を変化させることで、寸法公差の範囲内においても全てのノズル列でインクが適切に吐出できるようになった場合には、流路の寸法の設計を終了する。
このようにすることで、共通のノズル径とインク供給口径の寸法を基準として異ならせつつ、容易にこれらの寸法を決定することができる。
なお、本実施形態では、図7におけるノズル径をノズル開口部439としたが、他の実施形態として第5の通孔38をノズル径としてもよいし、第3の通孔36又は第4の通孔37をノズル径としてもよい。また、本実施形態において、インク供給口径を第1の通孔33としたが、他の実施形態として第2の通孔434をインク供給口径としてもよい。
図7には、それぞれ対応するインクの安定性エリアがずらされた時の例が示されている。図には基準インクの安定性エリアが示されている。そして、基準インクを使用したときのノズル径とインクの供給口径を中心として、製造時における寸法公差が示されている。そして、この寸法公差の範囲が考慮されるように基準インクの安定性エリアが示されている。すなわち、この基準インクの安定性エリア内に存在するノズル径及びインク供給口径であれば基準インクは安定して吐出されることになる。
そして、前述の吐出試験(ステップS210)の結果、シアンインクとイエローインクについては、基準インクの安定性エリアにおいて安定的にインク滴が吐出できた。よって、シアンインクとイエローインクの安定性エリアは、基準インクのエリアと同じエリアとなっている。
一方、前述のステップS210において吐出状態の試験を行った結果、マゼンタインクとブラックインクについて、ある公差の範囲について安定的にインク滴を吐出できなかった。例えば、マゼンタインクを使用した場合、基準インクの公差の範囲においてノズル径が小さいエリアとインク供給口径が大きいエリアについて、安定的にインク滴を吐出できなかった。よって、マゼンタインクの安定性エリアをよりノズル径が大きく、またインク供給口径が小さくなる方向へシフトさせた。その結果、図に示すマゼンタインクの安定性エリアにおいて安定的にマゼンタのインク滴を吐出できるようになった。
また、例えば、ブラックインクを使用した場合、基準インクの公差の範囲においてノズル径が大きいエリアとインク供給口径が小さいエリアについて、安定的にインク滴を吐出できなかった。よって、ブラックインクの安定性エリアをよりノズル径が小さく、またインク供給口径が大きくなる方向へシフトさせた。その結果、図に示すブラックインクの安定性エリアにおいて安定的にブラックのインク滴を吐出できるようになった。
図9は、本実施形態において設計されたヘッドの一例を示す図である。
前述のようにシアンインク及びイエローインクを吐出するノズル列は同じノズル径及びインク供給口径になるような設計寸法にて製造される。製造時における寸法公差が存在するため、それぞれの寸法は若干異なっていることとなるが、これら2つのノズル列の平均のノズル径及びインク供給口径は、シアンインクのものとイエローインクのものとでほぼ一致することとなる。
一方、前述のようにマゼンタインクの安定性エリアは、ノズル径が大きくなる方向かつインク供給口径が小さくなる方向にシフトされていた。よって、マゼンタインクを吐出するノズル径の平均は、シアンインクのものと比較して大きくなる。また、マゼンタインクを吐出するノズルのインク供給口径の平均は、シアンインクのものと比較して小さくなる。
また、前述のようにブラックインクの安定性エリアは、ノズル径が小さくなる方向かつインク供給口径が大きくなる方向にシフトされていた。よって、ブラックインクを吐出するノズル径の平均は、シアンインクのものと比較して小さくなる。また、ブラックインクを吐出するノズルのインク供給口径の平均は、シアンインクのものと比較して大きくなる。
なお、本実施形態ではノズル径及びインク供給口径の安定性エリアがともにシフトするようにされたが、いずれか一方がシフトされるように設計を行ってもよい。このようにすることで、駆動信号COMはすべてのノズル列で共通のものを使用しつつ、ノズル径の平均とインク供給口径の平均の少なくとも一方を異ならせて、全てのノズルで同じ量のインク滴を吐出することができるようになる。具体的には、このようなヘッドにおいて、ブラックインクノズル列Nkの圧電素子417に駆動パルスPS4が印加されたときのブラックインク滴の大きさと、マゼンタインクノズル列Nmの圧電素子417に駆動パルスPS4が印加されたときのマゼンタインク滴の大きさとを同じサイズにすることができる。
===その他の実施の形態===
上述の実施形態では、プリンタ1を例に説明がされていたが、これに限られるものではなくインク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体)を噴射したり吐出したりする液体吐出装置に具現化することもできる。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、気体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の装置に、上述の実施形態と同様の技術を適用してもよい。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<ヘッドについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。また、実施例のヘッドはキャリッジ走査式の印刷装置に搭載されるもの限らず、ラインプリンタに搭載されるものでもよい。ここで、ラインプリンタとは、用紙の搬送方向の直交方向に複数のノズルが並ぶノズル列を有するヘッドを備えるプリンタである。そして、このラインプリンタは、原則としてヘッドを移動させず、用紙の搬送を行っているときに連続的にインク滴を吐出することによって印刷を行う。
図1Aは、プリンタ1の斜視図であり、図1Bは、プリンタ1の内部の斜視図である。 プリンタ1のブロック図である。 参考例のヘッド41を下から見た図である。 図4Aは、ヘッド41における1つの圧力室435の構造を示す平面図であり、図4Bは、ヘッド41のA−A断面図である。 駆動信号生成回路70によって生成される駆動信号COMを説明する図である。 本実施形態を説明するためのフローチャートである。 ノズル径とインク供給口径の安定性エリアを説明するための図である。 駆動波形の作成方法を説明するための図である。 本実施形態において設計されたヘッドの一例を示す図である。
符号の説明
1 プリンタ、4 給紙台、
30 キャリッジ移動機構、31 ベルト、32キャリッジモータ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、411 ノズルプレート、
412 スペーサ部材、413 インク供給部材、414 蓋部材、
415 スペーサ部材、416 振動板、417 圧電素子、432 リザーバ、
433 第1の通孔、434 第2の通孔、435 圧力室、436 第3の通孔、
437 第4の通孔、438 第5の通孔、439 ノズル開口部、
60 コントローラ、70 駆動信号生成回路、110 コンピュータ、
COM 駆動信号、CR キャリッジ、
Nk ブラックインクノズル列、Nc シアンインクノズル列、
Nm マゼンタインクノズル列、Ny イエローインクノズル列、
Nz ノズル、Vm 中間電位

Claims (6)

  1. 第1の液体を所定量で吐出するための複数のノズルを有する第1ノズル列と、
    前記第1の液体とは異なる種類の第2の液体を前記所定量で吐出するための複数のノズルを有する第2ノズル列と、
    を備え、前記第1のノズル列のノズルの流路の寸法の平均が前記第2ノズル列のノズルの流路の寸法の平均と異なる、ヘッド。
  2. 前記ノズルの流路の寸法はノズル径の寸法である、請求項1に記載のヘッド。
  3. 前記第1ノズル列のノズルと前記第2ノズル列のノズルはそれぞれ対応する駆動素子を備え、
    前記第1ノズル列のノズルの駆動素子と前記第2ノズル列のノズルの駆動素子には、共通の駆動信号が印加される、請求項1または2に記載のヘッド。
  4. さらに、前記第1ノズル列におけるノズルの液体供給口径の平均径が前記第2ノズル列のノズルの液体供給口径の平均径と異なる、請求項1〜3のいずれかに記載のヘッド。
  5. 前記第1ノズル列のノズルの流路の寸法と前記第2ノズル列のノズルの流路の寸法は、前記ヘッドの内部において供給される液体の振動の周波数特性に応じて決められる、請求項1〜4のいずれかに記載のヘッド。
  6. 複数のノズルを有する第1のノズル列から所定量で第1の液体を吐出するステップと、
    ノズルの流路の寸法の平均が前記第1のノズル列のノズルの流路の寸法の平均と異なる第2ノズル列から、前記第1の液体とは異なる種類の第2の液体を前記所定量で吐出するステップと、
    を含む液体吐出方法。
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