実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、打球発射装置が遊技球を発射する速さ(すなわち、遊技球を弾くばねの強さ)を調整する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
遊技者は、操作ノブ5を回転させることにより、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができる。具体的には、操作ノブ5を右に回転させていくことにより、打球発射装置から発射される遊技球の速さが徐々に増していき、所定の速さを越えると、発射された遊技球は打球レールを通って上方より遊技領域7の左側領域に入る。さらに操作ノブ5を右に回転させていくと、発射された遊技球は上方より遊技領域7の右側領域に入る。よって、操作ノブ5を右に回転させた状態で回転量を変化させることで、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができ、遊技球を打ち込む領域を調整することができる。
ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には誘導レールで区画された遊技領域7が形成されている。
遊技領域7のほぼ中央には、特別可変入賞装置20が配置されている。また、特別可変入賞装置20の下方には、特図始動入賞口13が設けられている。特図始動入賞口13に入った入賞球は特図始動口スイッチ13aによって検出され、遊技盤6の背面に導かれる。さらに、特図始動入賞口13の下方には、普通可変入賞球装置15によって構成される役物始動入賞口14が設けられている。役物始動入賞口14に入った入賞球は役物始動口スイッチ14aによって検出され、遊技盤6の背面に導かれる。普通可変入賞球装置15は、所定条件が成立したときにソレノイド15aによって開放状態とされる。この実施の形態では、後述するように、普通図柄の可変表示結果が当りとなったときに、普通可変入賞球装置15が所定時間開放状態とされる。普通可変入賞球装置15が開放状態になることによって、遊技球が役物始動入賞口14に入賞可能になり、遊技者にとって有利な状態になる。また、普通可変入賞球装置15が閉鎖状態になっている状態では、遊技球は役物始動入賞口14に入賞しない。なお、普通可変入賞球装置15が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
特別可変入賞装置20内の右下方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する可変表示装置としての特別図柄表示器8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、特別図柄表示器8は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、打球が特図始動入賞口13に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである。
なお、小型の表示器は、方形状に形成されている。また、特別図柄表示器8は、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
特別図柄表示器8の下方には、特図始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、特別図柄表示器8での可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技球が役物始動入賞口14に入賞し役物始動口スイッチ14aによって検出された場合には、特別可変入賞装置20が所定の回数開閉制御される。開閉制御によって、特別可変入賞装置20の上方に設けられた開放扉76A,76Bが連動して開放状態となることによって、特別可変入賞装置20は開放状態になり、開放扉76A,76Bが連動して閉鎖状態に戻ることによって特別可変入賞装置20は閉鎖状態になる。このように役物始動口スイッチ14aの入賞検出に応じて特別可変入賞装置20が開放動作を行う状態を始動動作状態という。なお、この実施の形態では、特別可変入賞装置20を、役物ということがある。また、遊技盤6には種々の役物が設けられているが、以下、役物という場合には、特別可変入賞装置20を意味する。
特別可変入賞装置20の内部における背面側には、演出表示を行うLCDなどによる演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する。この実施の形態では、演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
特別図柄表示器8の上方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。特別可変入賞装置20の左方に設けられているゲート32を遊技球が通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄(この例では、緑色と赤色とに交互に点灯を繰り返す6つのLED)の可変表示が開始される。この実施の形態では、縦方向に並ぶ6つのLEDが緑色に点灯した状態と赤色に点灯した状態とに交互に変化することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に6つのLEDが緑色に点灯した状態で停止すれば当りとなる。当りの場合には、普通可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる(すなわち、役物始動入賞口14が開放状態となり入賞可能な状態となる)。普通図柄表示器10の左上方(演出表示装置9の右下方)には、ゲート32を通過した通過球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32の通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
特別可変入賞装置20の下方には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板16が開状態にされる大入賞口が設けられている。開閉板16は、大入賞口を開閉する手段である。大入賞口に入った入賞球はカウントスイッチ23で検出される。
また、大入賞口の左上方には入賞口(普通入賞口)38が設けられ、さらに入賞口38の左上方には入賞口(普通入賞口)39が設けられている。遊技球の入賞口38,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ38a,39aによって検出される。入賞口38,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、特図始動入賞口13および役物始動入賞口14も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成し、大入賞口の内部にも入賞領域が設けられている。入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の遊技球が景品(賞球)として遊技者に払い出される。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(特別可変入賞装置20等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を落下する。打球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄表示器10での普通図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、普通図柄始動記憶表示器41における点灯するLEDを1増やす。普通図柄表示器10に表示された停止図柄が予め決められた表示結果(当り図柄)であった場合に、普通可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になり、打球が、役物始動入賞口14に進入可能になる。そして、打球発射装置から発射された打球が役物始動入賞口14に入り役物始動口スイッチ14aで検出されると、上述したように、特別可変入賞装置20が所定の回数開閉制御される。
一方、打球発射装置から発射された打球が特図始動入賞口13に入り特図始動口スイッチ13aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、特別図柄始動記憶表示器18aにおける点灯するLEDを1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄(「0」〜「9」)の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果:具体的には、例えば「0」以外の「1」〜「9」の図柄)であると、大当り遊技状態のうちの第1大当り遊技状態(始動動作状態を経ずに開始される大当り遊技状態。)に移行する。また、始動動作状態において、特別可変入賞装置20の内部に設けられている特定領域に遊技球が入賞すると、第2大当り遊技状態(始動動作状態を経た後に開始される大当り遊技状態)に移行する。なお、以下、始動動作状態を経ずに特別図柄の変動表示結果が大当り図柄となったことにもとづいて大当りとなることを第1大当りともいい、始動動作状態において特定領域に遊技球が入賞したことにもとづいて大当りとなることを第2大当りともいう。
次に、特別可変入賞装置20について、図2〜図15を参照して説明する。図2は、特別可変入賞装置20を右斜め上方から見た斜視図である。図2に示すように、特別可変入賞装置(役物)20内の上方には、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bの2つの開放扉が設けられている。また、特別可変入賞装置20内の上方には、遊技球が進入する第1進入口71および第2進入口72(図2において図示せず)の2つの進入口が設けられている。この実施の形態では、第1開放扉76Aが閉鎖状態である場合には、第1開放扉76Aによって第1進入口71が覆われた状態となり、第1進入口71に遊技球は進入不可能である。また、第2開放扉76Bが閉鎖状態である場合には、第2開放扉76Bによって第2進入口72が覆われた状態となり、第2進入口72に遊技球は進入不可能である。また、この実施の形態では、第1開放扉76Aが開放状態となることによって第1進入口71が開放状態となり、遊技球が第1進入口71に進入可能な状態となる。また、第2開放扉76Bが開放状態となることによって第2進入口72が開放状態となり、遊技球が第2進入口72に進入可能な状態となる。
なお、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bは閉鎖状態において第1進入口71および第2進入口72をそれぞれ完全に覆った状態となるのではなく、一部を覆った状態となるようにしてもよい。そのようにすることによって、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bが閉鎖状態である場合には、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bが開放状態であるときと比較して、遊技球が第1進入口71および第2進入口72にそれぞれ進入しにくくするようにしてもよい。また、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bが開放状態である場合には、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bが閉鎖状態であるときと比較して、遊技球が第1進入口71および第2進入口72にそれぞれ進入しやすくするようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bは、1つの部品として一体形成されている。したがって、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bとは、連動して同じタイミングで開放状態に制御され、同じタイミングで閉鎖状態に制御される。
また、特別可変入賞装置20内において、開放扉76A,76Bの下方には、所定の装飾が施されるとともに可動可能な装飾部材78が設けられている。また、特別可変入賞装置20内において、装飾部材78の背面側には、装飾部材78と連動して可動する可動部材77(図2において図示せず)が設けられている。図2に示すように、この実施の形態では、装飾部材78は、剣を模した形状に形成され、剣に応じた色彩などの装飾が施されている。また、装飾部材78は、特別可変入賞装置20内にて遊技球が通過する領域よりも前面側に配置さており、特別可変入賞装置20内に進入した遊技球の挙動に影響を与えないように配置されている。また、可動部材77は、装飾部材78の背面側に配置されるとともに、透明または略透明な合成樹脂を用いて形成され、遊技機の正面から見ると(すなわち、遊技者からみると)、装飾部材78に覆われて視認できない(または、視認しにくい)。
また、特別可変入賞装置20内の下方には、回転駆動可能な回転体86が設けられている。回転体86には、遊技球を特定入賞口(V入賞口)に導く開口66が上面に設けられており、回転体86上に落下した遊技球が回転体86の上面に設けられた開口66に進入することによって特定入賞口に入賞可能に構成されている。また、回転体86には、側面にも遊技球を特定入賞口に導く開口66bが設けられており、遊技球が開口66bに進入することによっても特定入賞口に入賞可能に構成されている。以下、特定入賞口に導く開口66を特定開口といい、特定入賞口に導く側面側の開口66bを特定側面側開口ともいう。
開放扉76A,76Bの開閉動作と、可動部材77および装飾部材78の可動動作とについて説明する。図3は、特別可変入賞装置20の開放扉76A,76Bの開閉機構部と、可動部材77および装飾部材78の可動機構部との構造部分を正面方向から見た正面図である。また、図4は、特別可変入賞装置20の開放扉76A,76Bの開閉機構部と、可動部材77および装飾部材78の可動機構部との構造部分を右斜め上方から見た斜視図である。
図3および図4に示すように、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bは、それぞれ略板形状に形成されている。また、開放扉76A,76Bは、連結部76Cを介して一体形成されている。具体的には、開放扉76A,76Bは、あらかじめ合成樹脂材料などを用いて成形することによって一体形成されている。なお、各開放扉76A,76Bおよび連結部76Cを別々の部品として作製し組み立てることによって、開放扉76A,76Bを一体形成してもよい。また、開放扉76A,76Bの背面側には、開放扉76A,76Bを開閉するための開放ソレノイド75が配置されている。開放扉76A,76Bは、開放ソレノイド75が駆動された状態となることによって、連動して開放状態に制御される。また、開放扉76A,76Bは、開放ソレノイド75の駆動が停止された状態となることによって、連動して閉鎖状態に制御される。図3および図4に示す例では、開放扉76A,76Bが閉鎖状態に制御されている状態が示されている。図3および図4に示すように、開放扉76A,76Bが閉鎖状態である場合には、開放扉76A,76Bによって第1進入口71および第2進入口72が閉鎖された状態となり、第1進入口71および第2進入口72への遊技球の進入が不可能な状態となっている。
図5は、開放扉76A,76Bを開放状態とした場合の開閉機構部および可動機構部を正面から見た正面図である。また、図6は、開放扉76A,76Bを開放状態とした場合の開閉機構部および可動機構部を右斜め上方から見た斜視図である。図5および図6に示すように、開放ソレノイド75が駆動された状態とすることによって、開放扉76A,76Bは、開放扉76A,76Bの下方を軸(回転軸)として反時計方向に回転駆動し、連動して開放状態となる。この実施の形態では、開放扉76A,76Bの回転軸に駆動部品(図5および図6において図示せず)が接続されている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)によって開放ソレノイド75が駆動されると、開放ソレノイド75によって駆動部品が駆動され、回転軸を軸として反時計方向に開放扉76A,76Bが回転駆動されることによって、開放扉76A,76Bが連動して開放状態となる。なお、この実施の形態では、開放扉76A,76Bが時計方向または反時計方向に回転駆動すると表現するが、具体的には、遊技機の正面方向から見て(すなわち、遊技中の遊技者から見て)時計方向または反時計方向に回転駆動することをいう。また、開放扉76A,76Bが開放状態となることによって、第1進入口71および第2進入口72への遊技球の経路が形成された状態となり、第1進入口71および第2進入口72に遊技球が進入可能な状態となる。また、図5および図6に示すように、少なくとも一体形成された第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bは、それぞれ開放状態において上面側に位置する平面状の面部76a,76bを有し、各面部76a,76bは、少なくとも遊技球1個分が通過可能な幅に形成されている。また、各面部76a,76bは開放状態で上方に対向するとともに第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bの下方に位置して遊技球を第1進入口71および第2進入口72に導くことが可能となる。
なお、第2開放扉76Bは、第1開放扉76Aと比較して小さい。各開放扉76A,76Bは開放状態において遊技球を各進入口71,72に導くための受け皿の役目を果たすのであるが、第2開放扉76Bは第1開放扉76Aと比較して小さいのであるから、第2進入口72は、第1進入口71と比較して遊技球の受け皿が小さいことになり、第1進入口71よりも進入しにくい。
なお、図5および図6に示すように、各開放扉76A,76Bは、開放状態において、斜め上方に突き出た状態に制御される。そのように制御することによって、開放状態において開放扉76A,76Bの受皿となる面に落下した遊技球を開閉扉76A,76Bの斜面を通して各進入口71,72に導かれやすくする。
また、図3および図4に示すように、特別可変入賞装置20内の左方には、表面が螺旋状に溝が形成された2つのボルト状部材77A,78Aが配置されている。このうちボルト状部材77Aには、内面が螺旋状に溝が形成されたナット状部材77Cが嵌め込まれており、さらにナット状部材77Cは可動部材77に連結されている。また、ボルト状部材78Aには、内面が螺旋状に溝が形成されたナット状部材78Cが嵌め込まれており、さらにナット状部材78Cは装飾部材78に連結されている。なお、ナット状部材77C,78Cは、それぞれボルト状部材77A,78Aに形成された溝とかみ合うように、内面に螺旋状に溝が形成されている。また、図3に示す例では、ナット状部材77Cは、ナット状部材78Cの背面側に位置している。
また、ボルト状部材77A,78Aの下方には、可動部材77を可動するための可動部材駆動モータ77Bと、装飾部材78を可動するための装飾部材駆動モータ78Bとが配置されている。この実施の形態では、可動部材駆動モータ77Bを駆動することによってボルト状部材77Aが回転駆動される。また、ナット状部材77Cは、ボルト状部材77Aの回転駆動にしたがって、ボルト状部材77Aの表面に形成された溝とナット状部材77Cの内面に形成された溝とが摺動することによって、ボルト状部材77Aに沿って上方または下方に移動する。すると、ナット状部材77Cに連結された可動部材77は、ナット状部材77Cの移動にしたがって可動する。また、この実施の形態では、装飾部材駆動モータ78Bを駆動することによってボルト状部材78Aが回転駆動される。また、ナット状部材78Cは、ボルト状部材77Aの回転駆動にしたがって、ボルト状部材78Aの表面に形成された溝とナット状部材78Cの内面に形成された溝とが摺動することによって、ボルト状部材78Aに沿って上方または下方に移動する。すると、ナット状部材78Cに連結された装飾部材78は、ナット状部材78Cの移動にしたがって可動する。なお、装飾部材78は、可動部材77とは別々に動作することが可能である。
なお、図3および図4に示す例では、ナット状部材77C,78Cが最も上方に位置している状態が示されている。この状態において、図3および図4に示すように、可動部材77および装飾部材78は特別可変入賞装置20内において水平な状態となっている。
図7は、ナット状部材77C,78Cが最も下方に移動した場合の開閉機構部および可動機構部を正面から見た正面図である。また、図8は、ナット状部材77C,78Cが最も下方に移動した場合の開閉機構部および可動機構部を右斜め上方から見た斜視図である。この実施の形態では、ナット状部材77Cは、可動部材77の左端部分に連結されている。また、ナット状部材78Cは、装飾部材78の左端部分(剣の先端部分)に連結されている。そのため、図7および図8に示すように、ナット状部材77C,78Cが最も下方に移動すると、可動部材77および装飾部材78の左端部分がナット状部材77Cの移動にしたがって下方に下がり、可動部材77および装飾部材78は、右端部分から左端部分に向かって斜め下方向に傾いた状態となる。この場合、図7および図8に示すように、可動部材77および装飾部材78は、可動して右端部分から左端部分に向かって斜め下方向に傾いた状態において、演出表示装置9の正面側に、演出表示装置9の表示領域と重なった状態となる。
なお、可動部材77および装飾部材78の右端部分にはレール部材が設けられており、可動部材77および装飾部材78の右端部分は左右方向に若干移動することが可能である。すなわち、可動部材77および装飾部材78の左端部分が下方に下がるにしたがって、可動部材77および装飾部材78の右端部分も左方に引っ張られるのであるが、レール部材によって可動部材77および装飾部材78の右端部分が左方向に移動することによって吸収している。
また、装飾部材78には、装飾部材78自体を開閉動作させるための剣駆動モータ79が搭載されている。この実施の形態では、図7および図8に示すように、装飾部材78が可動され右端部分から左端部分に向かって斜め下方向に傾いた状態となる際に、剣駆動モータ79を駆動することによって、装飾部材78が開いた状態(本例では、剣が長手方向に2つに開いた状態)となる。なお、この実施の形態では、装飾部材78が閉じた状態であるときには、正面から見ると可動部材77は装飾部材78によって覆われ視認することができないのであるが、図7および図8に示すように、装飾部材78が開いた状態となることによって、装飾部材78の背面側に位置する可動部材77が正面から視認できることができるようになる。また、可動部材77は透明または略透明の合成樹脂材料を用いて形成され、後述するように遊技球の経路の一部を形成しているのであるから、装飾部材78が開いた状態となることによって、可動部材77内部を通過する遊技球を視認することができるようになる。
なお、この実施の形態では、後述する役物20内の第2経路に遊技球が進入して第2役物入賞スイッチ72aで検出された後に、可動部材可動時間となって可動部材77に連動して装飾部材78が可動されるときに、装飾部材78の可動に伴って剣駆動モータ79が駆動され装飾部材78が開いた状態となる。なお、装飾部材78を開く制御を行うタイミングは、この実施の形態で示したタイミングに限らず、例えば、役物20内の特定入賞口66Aに入賞しやすいタイミングで役物20内の第2経路に遊技球が進入したときに、剣駆動モータ79が駆動され装飾部材78が開いた状態となるようにしてもよい。また、例えば、役物20の開放回数や変動表示結果として停止表示された特別図柄の種類に応じて、剣駆動モータ79が駆動され装飾部材78が開いた状態となるようにしてもよい。
また、可動入賞球装置20には、可動部材77および装飾部材78の位置を検出するための位置センサ91a,91bが配置されている。この実施の形態では、ボルト状部材77A,78Aの上方に上側位置センサ91aが配置され、可動部材77および装飾部材78が上方に可動され、ナット状部材77C,78Cが最も上方に位置した状態となると、上側位置センサ91aによって検出され検出信号が出力される。また、この実施の形態では、ボルト状部材77A,78Aの下方に下側位置センサ91bが配置され、可動部材77および装飾部材78が下方に可動され、ナット状部材77C,78Cが最も下方に位置した状態となると、下側位置センサ91bによって検出され検出信号が出力される。
次に、特別可変入賞装置20内における遊技球の経路を説明する。この実施の形態では、特別可変入賞装置20内には、遊技球の2つの経路が設けられている。具体的には、第1開放扉76Aが開放状態となることによって進入可能となる第1進入口71から進入した遊技球を通す第1経路(ノーマルルートともいう)と、第2開放扉76Bが開放状態となることによって進入可能となる第2進入口72から進入した遊技球を通す第2経路(スペシャルルートともいう)とが設けられている。この実施の形態では、前述したように第1進入口71は第2進入口72と比較して進入しやすいのであるが、第1経路を経ることによって、第2経路を経由する場合と比較して、特定入賞口または排出口まで短い時間で到達するとともに、特定入賞口に入賞しにくい。また、前述したように第2進入口72は第1進入口71と比較して進入しにくいのであるが、第2経路を経ることによって、第1経路を経由する場合と比較して、特定入賞口または排出口まで長い時間をかけて到達するとともに、特定入賞口に入賞しやすい。
まず、第1開放扉76Aが開放状態となることによって第1進入口71から進入した遊技球が経由する第1経路について説明する。図9は、特別可変入賞装置20内に設けられた第1経路を示す説明図である。第1進入口71から進入した遊技球は、第1進入口71付近に設けられた第1役物入賞スイッチ71aによって検出され、特別可変入賞装置20内の左方に導かれる。そして、特別可変入賞装置20内の左方に設けられた経路部材92内部を通って特別可変入賞装置20内の左下方に導かれる。
図9に示すように、特別可変入賞装置20の左下方には、正面方向に対して前後に可動可能な第1貯留部材93aが設けられており、経路部材92を通って導かれた遊技球を一旦貯留する第1貯留部が形成されている。また、特別可変入賞装置20の左下方には、第1進入口71に進入して第1経路から導かれた2個目以降の遊技球を排出する排出口83が設けられている。
図10は、第1進入口71に進入して第1経路から導かれた遊技球を貯留する態様を示す説明図である。図10(A)に示すように、経路部材92を通って導かれた遊技球は、第1貯留部材93aによって進路を阻まれ貯留された状態となる。また、第1進入口71にさらに2つ目以上の遊技球が進入し、経路部材92を通って導かれると、図10(B)に示すように、既に第1貯留部に貯留されている遊技球によってはじかれ、排出口83から排出される。
図11は、第1貯留部に貯留された遊技球の貯留状態を解除した態様を示す説明図である。特別可変入賞装置20の左下方の背面には、第1貯留部材93aを駆動するための第1貯留部ソレノイド90a(図11において図示せず)が配置されており、第1貯留部ソレノイド90aを駆動することによって、第1貯留部材93aが背面方向に可動する。すると、第1貯留部に貯留された遊技球の貯留状態が開放され、特別可変入賞装置20内の下方に導かれる。特別可変入賞装置20内の下方には、回転体86に向かって斜め下方向に傾斜する傾斜部73が設けられており、遊技球は回転体86の前面側に導かれ、傾斜部73を遊技球が転動し、その後回転体86の開口66b,84(特定入賞口へ導かれる開口またははずれとなる開口)に入球する。なお、図11において図示していないが、傾斜部73の前面側(ステージ端部)には、上向きに延びる合成樹脂性の透明板が設けられており、前面側に導かれた遊技球がステージ前面側から落ちないように構成されている。
図11に示すように、回転体86には、上面に設けられた特定開口66と隣接する側の側面部分に特定側面側開口66bが設けられている。回転体86の特定側面側開口66bが設けられている側面が正面側を向いているタイミングで、遊技球が回転体86の前面側に導かれた場合には、遊技球が特定側面側開口66bに進入し特定入賞口に入賞する。具体的には、特定入賞口は回転体86の下方に位置するように設けられており、特定側面側開口66bに進入した遊技球は、さらに回転体86の下方に設けられた特定入賞口に進入する。また、特定入賞口には特定領域スイッチ66aが設けられており、特定入賞口に入賞した遊技球は特定領域スイッチ66aで検出される。なお、特定入賞口に入賞し特定領域スイッチ66aで検出された遊技球は、さらに役物排出スイッチ85aで検出される。
また、回転体86は、特定側面側開口66bとともに複数の側面側開口84が設けられている。回転体86の特定側面側開口66bが設けられている側面が正面側を向いているタイミングで、遊技球が回転体86の前面側に導かれなかった場合には、遊技球は特定側面側開口66bに進入することはできず、特定側面側開口66b以外の側面側開口84に進入することになる。この場合、遊技球は回転体86の下方に設けられた特定入賞口に入賞することはできず、回転体86の側方に設けられた排出口から排出されることになる。なお、排出口には役物排出スイッチ85aが設けられており、排出口から排出された遊技球は役物排出スイッチ85aで検出される。また、第1進入口71に2個目以降に進入し排出口83から排出された遊技球も役物排出スイッチ85aで検出される。
なお、この実施の形態では、特定側面側開口66bの開口部の大きさ1に対して、回転体86の側面に設けられた全ての側面側開口86の開口部の合計の大きさは9である。したがって、第1進入口71に進入して第1経路に導かれた遊技球は、10分の1の確率で特定側面側開口66bに進入して特定入賞口に入賞し、特定領域スイッチ66aで検出される。すなわち、10分の1の確率で大当りとなる。
次に、第2開放扉76Bが開放状態となることによって第2進入口72から進入した遊技球が経由する第2経路について説明する。図12および図13は、特別可変入賞装置20内に設けられた第2経路を示す説明図である。第2進入口71から進入した遊技球は、第2進入口72付近に設けられた第2役物入賞スイッチ72aによって検出され、特別可変入賞装置20内の上方に設けられた経路部材94内部を通って特別可変入賞装置20内の右上方に導かれる。特別可変入賞装置20の右上方には、左右に可動可能な第2貯留部材93bが設けられており、経路部材94を通って導かれた遊技球を一旦貯留する第2貯留部が形成されている。したがって、図12に示すように、第2進入口72から進入し経路部材94を通って導かれた遊技球は第2貯留部で一旦貯留される。なお、以下、第1役物入賞スイッチ71aと、第2役物入賞スイッチ72aとを、「役物入賞スイッチ」と総称することがある。
なお、この実施の形態では、後述する役物20内の第2経路に遊技球が進入して第2役物入賞スイッチ72aで検出された後に、後述する第2貯留部開放時間となったときに、第2貯留部ソレノイド90bが駆動されて第2貯留部材93bが可動され、第2貯留部が開放された状態となる。また、この実施の形態では、役物20内の第2経路に遊技球が進入しておらず第2役物入賞スイッチ72aで検出されていない場合には、第2貯留部を開放しないように制御する。なお、第2貯留部を開放するタイミングは、この実施の形態で示したタイミングに限らず、例えば、役物20内の特定入賞口66Aに入賞しやすいタイミングで第2貯留部を開放したり、ランダムなタイミングで第2貯留部を開放するようにしてもよい。
特別可変入賞装置20の右上方の背面には、第2貯留部材93bを駆動するための第2貯留部ソレノイド90bが配置されている。遊技球が第2貯留部で一旦貯留された状態で所定時間が経過すると、第2貯留部ソレノイド90bを駆動することによって、図13に示すように、第2貯留部材93bが左方向に可動し、第2貯留部が開放された状態となる。そして、第2貯留部に一旦貯留されていた遊技球は、第2貯留部が開放されたことによって下方に導かれ、可動部材77内に導かれる。また、可動部材駆動モータ77Bおよび装飾部材可動モータ78Bを駆動することによって、可変部材77および装飾部材78が連動して可動し、可動部材77および装飾部材78が右上方から左下方に斜めに傾いた状態となる。また、剣駆動モータ79を駆動することによって、装飾部材78が長手方向に2つに開いた状態(図7および図8に図示するように、恰も剣が2つに開いた状態)となる。また、図13に示すように、可動部材77の背面側には、遊技球が第2経路(スペシャルルート)側に進入したことを検出するスペシャルルート検出スイッチ72bが設けられており、可動部材77に遊技球が進入すると、スペシャルルート検出スイッチ72bによって検出される。
可動部材77が斜めに傾いた状態となることによって、第2貯留部から導かれた遊技球は可動部材77内部を通過し、特別可変入賞装置20内の下方に設けられた経路部材95に導かれる。この場合、図13に示すように、装飾部材78が長手方向に2つに開いた状態に制御されているので、可動部材77内を通る遊技球を正面から視認することが可能である。特別可変入賞装置20内の下方に設けられた経路部材95は左方から右方に向かって斜め下方向にやや傾斜しており、経路部材95に導かれた遊技球は、経路部材95内を転がって右方に導かれ、回転体86の上面に落下する。
図14は、回転体86上面に落下した後の遊技球の動きを示す説明図である。この実施の形態では、回転体86は、図14(A)に示すように、特別可変入賞装置20の各開放扉76A,76Bが開放状態となった後、時計方向に一定速度で回転駆動を開始する。なお、回転体86は、反時計方向に一定速度で回転駆動するようにしてもよく、所定のタイミングで回転方向を反転するようにしてもよい。また、回転体86の上面には、外周部の一領域に特定開口66が設けられている。また、回転体86の側面には、特定側面側開口66bと複数の側面側開口84が設けられている。また、回転体86の上面には、遊技球を誘導するための溝形状部96が複数形成されており、回転体86の上面に落下した遊技球はいずれかの溝形状部96を通って特定開口66または側面側開口84に導かれる。
図14(B)は、特定開口66が遊技者に対して正面側に位置するタイミングで、遊技球が回転体86上面に落下した場合の遊技球の動きを示している。回転体86は、遊技者に対して背面方向から正面方向に向かって下方にやや傾斜するように配置されており、回転体86上面に落下した遊技球は、回転体86上面の傾斜にしたがって溝形状部96を通って正面側方向に転がる。図14(B)に示す例では、正面側に特定開口66が位置するタイミングであるので、回転体86上面に落下した遊技球は回転体86上面を正面方向に転がり特定開口66に進入する。そして、回転体86の下方に設けられた特定入賞口66Aに入賞し、図14(B)に示すように、特定入賞口66A内に設けられた特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出される。なお、回転体86上面の特定開口66が設けられている外周部分には壁部66cが設けられており、回転体86上面を特定開口66に向かった遊技球が勢い余って特定開口66を飛び越えて回転体86より正面側に飛び出してしまうことはない。
図14(C),(D)は、特定開口66が遊技者に対して正面側と対向する側に位置するタイミングで、遊技球が回転体86上面に落下した場合の遊技球の動きを示している。回転体86上面において特定開口66が設けられている領域と対向する側の領域の外周部には壁部66dが設けられており、回転体86上面に落下した遊技球は、回転体86上面の傾斜にしたがって溝形状部96を通って壁部66d方向に転がる。すると、図14(C)に示すように、遊技球は壁部66dによって進行を遮られ、回転体86上面において一旦貯留された状態となる。次いで、回転体86が時計方向に回転し、特定開口66が遊技者に対して正面側に位置する状態となると、図14(D)に示すように、壁部66d付近に一旦貯留された遊技球は、回転体86上面の傾斜にしたがって溝形状部96を通って正面側方向に転がる。図14(D)に示す例では、正面側に特定開口66が位置している状態であるので、壁部66d付近に一旦貯留された遊技球は回転体86上面を正面方向に転がり特定開口66に進入する。そして、回転体86の下方に設けられた特定入賞口66Aに入賞し特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出される。したがって、この実施の形態では、第2進入口72に進入し第2経路を経由した遊技球は、特定開口66が正面側に位置するタイミングで回転体86に落下したときと、特定開口66が正面側と対向する側に位置するタイミングで回転体86に落下したときとの2種類のタイミングで、特定入賞口66Aに入賞して特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出されることがある。
なお、特定開口66が正面側に位置するタイミング、および特定開口66が正面側と対向する側に位置するタイミング以外のタイミングで、遊技球が回転体86の上面に落下したときには、回転体86上面に落下した遊技球は、回転体86上面の傾斜にしたがって溝形状部96を通って回転体86の側面側に落下する。
また、図14に示すように、この実施の形態では、回転体86の上面には溝形状部96が6方向に形成されており、図14(B),(C),(D)に示すように、それら6方向の溝形状部96のうちの2方向の溝形状部96に導かれた場合に、遊技球が特定入賞口66Aに入賞し特定領域スイッチ66aで検出される可能性がある。したがって、第2進入口72に進入して第2経路に導かれた遊技球は、3分の1の確率で特定開口66に進入して特定入賞口66Aに入賞し、特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出される。すなわち、3分の1の確率で大当りとなる。
図15は、特定開口66が正面側に位置するタイミング、および特定開口66が正面側と対向する側に位置するタイミング以外のタイミングで、遊技球が回転体86の上面に落下したときの遊技球の動きを示す説明図である。この場合、回転体86上面に落下した遊技球は、図15(B)に示すように、回転体86上面の傾斜にしたがって溝形状部96を通って回転体86の側面側に落下する。この場合、回転体86の側面側に落下した後、そのまま側面側開口84に遊技球が進入してしまった場合には、遊技球は特定入賞口66Aに入賞することはできず、回転体86の側方に設けられた排出口から排出されることになる(すなわち、はずれとなる)。具体的には、回転体86の側面側に設けられた各側面側開口84は、図15に示すように、側面側に流下した遊技球が嵌るように内側に窪んだ形状となっているのでるが、その窪み部分の奥行きが回転体86の下方に設けられた特定入賞口66Aまで達しない程度の大きさに形成されている。したがって、側面側開口84に嵌った遊技球は、特定入賞口66Aに入賞することなく、回転体86の回転駆動にしたがって回転体86の左方に導かれる。回転体の左方には排出口83と連結する排出口連結口83aが設けられており、回転体86の左方に導かれた遊技球は、排出口連結口83aから排出口83に導かれ、役物排出スイッチ85aで検出される。
一方、回転体86の側面側に落下しても、落下した勢いでバウンドするなどの理由により、側面側開口84に進入せずに傾斜部73に遊技球が留まる場合がある。この場合、図15(B)に示すように、回転体86の回転にしたがって特定側面側開口66bが次に正面側に位置する状態となる場合には、傾斜部73に留まった遊技球が特定側面側開口66bに進入して特定入賞口66Aに入賞し、特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出されることになる。したがって、この実施の形態では、第2進入口72に進入して第2経路を経由した遊技球が回転体86上面の特定開口66に進入できずに側面側に落下したとしても、さらに特定側面側開口66bに進入して特定入賞口66Aに入賞する可能性がある。なお、回転体86の回転にしたがって次に正面側に位置する開口が特定側面側開口66b以外の側面側開口84である場合には、傾斜部73に遊技球が留まったとしても、遊技球は特定入賞口66Aに入賞することはできず、回転体86の左方に設けられた排出口連結口83aを介して排出口83から排出され、役物排出スイッチ85aで検出されることになる(すなわち、はずれとなる)。
なお、この実施の形態では、図14および図15に示すように、特定入賞口66Aに入賞した遊技球を検出する役物排出スイッチ85aと、排出口83から排出される遊技球を検出する役物排出スイッチ85aとを別々に設ける場合を示したが、1つの役物排出スイッチ85aのみを用いて検出するようにしてもよい。例えば、特定入賞口66Aに入賞した遊技球が通る経路と排出口83に進入した遊技球が通る経路とを遊技盤6の裏側で合流させるようにし、合流後の経路に1つの役物排出スイッチ85aを設けて、特定入賞口66Aに入賞した遊技球と排出口83に進入した遊技球との両方を検出するようにしてもよい。
なお、回転体86の近傍には、位置検出のためのセンサが設けられている。センサは、例えば、回転体86を挟むように設置されている発光ダイオード等の発光素子とフォトダイオードやフォトトランジスタ等の受光素子とからなり、回転体86の下部に設けられ回転体86とともに回転する円盤部材にスリット(穴部)が設けられている。スリットは、回転体86の内部領域における所定位置に形成されている。具体的には、円盤部材が回転体86とともに回転して、スリットを含む領域がセンサ設置位置に対応する位置にくると発光素子からの光を受光素子側に通過させるような位置に形成されている。なお、受光素子を、以下、回転体位置センサ87aという。なお、この実施の形態では、回転体位置センサ87aは、回転体86の特定開口66および特定側面側開口66bが設けられている側が正面側に到達したタイミングで、スリットを検出する位置に設けられている。したがって、回転体86の特定開口66および特定側面側開口66bが設けられている側が正面側に到達したタイミングで、回転体位置センサ87aは、オン信号を出力する。
図16は、この実施の形態の遊技機の遊技の進み方の例を示す説明図である。図16に示すように、遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aの検出信号がオン状態になると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。この実施の形態では、抽選の結果は、当りまたははずれである。そして、普通図柄の変動(可変表示)が開始される。また、普通図柄の変動(可変表示)に同期して飾り図柄の変動(可変表示)が開始される。普通図柄および飾り図柄の変動が終了すると、当りに決定されている場合には、普通可変入賞球装置15を開状態に制御する。そして、遊技球が始動入賞口に入賞して始動口スイッチ13a,14aの検出信号がオン状態になると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。この実施の形態では、抽選の結果は、大当りまたは小当りのうちいずれかであり、はずれはない。そして、抽選の結果が小当りの場合に、遊技の進行を制御する遊技制御手段は、抽選を実行し、小当りA、小当りB、小当りC、小当りDまたは小当りEのいずれかに決定する。また、抽選の結果が大当りの場合に、遊技制御手段は、抽選を実行し、大当りAまたは大当りBのいずれかに決定する。
そして、特別図柄の変動(可変表示)が開始される。また、特別図柄の変動に同期して飾り図柄の変動(可変表示)が開始される。特別図柄および飾り図柄の変動が終了すると、大当りに決定されている場合には、遊技状態が大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行される。この大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)では、開閉板16による大入賞口が例えば16回(16ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。なお、特別図柄の変動(可変表示)に同期した飾り図柄の変動(可変表示)は、普通図柄の変動(可変表示)に同期した飾り図柄の変動(可変表示)よりも優先して行われる。したがって、例えば、特別図柄の変動に同期した飾り図柄の変動中に、普通図柄の変動が開始されても、飾り図柄は、当該普通図柄の変動には同期することなく、特別図柄の変動に同期して変動を継続する。
小当りに決定されている場合には、遊技制御手段は、役物20を開放状態に制御して始動動作を開始させる。始動動作状態において、役物20は、所定の時間、所定の回数開放状態になる。始動動作状態において、遊技球が役物20に入賞し、さらに、遊技球が特定入賞口66Aに入賞して特定領域スイッチ66aで検出されるとV入賞が発生する。V入賞が発生すると、遊技状態が大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行される。この大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)では、開閉板16による大入賞口が例えば2回(2ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)、7回(7ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)、または16回(16ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は3秒、10秒または29秒)開閉制御される。V入賞が発生しなかった場合には、第2大当り遊技状態に移行しない。すなわち、はずれになる。
図17は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図17には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が内蔵されている。乱数回路503は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されるのではなく、主基板31において、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部に設けられていてもよい。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a,14a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、スペシャルルート検出スイッチ72b、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、上側位置センサ91a、下側位置センサ91b、回転体位置センサ87a、入賞口スイッチ38a,39aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、普通可変入賞球装置15を開閉するための可動部ソレノイド62、開閉板16を開閉するためのソレノイド21、可動部材77を可動するための可動部材駆動モータ77B、回転体86を回転駆動するための回転駆動モータ87、開放扉76A,76Bを連動して開閉させる開放ソレノイド75、第1貯留部材93aを可動する第1貯留部ソレノイド90a、第2貯留部材93bを可動する第2貯留部ソレノイド90bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、ホールコンピュータ等の外部装置に接続された情報端子盤34を介して、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(後述する始動口1信号、図柄確定回数2信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、大当り3信号、大当り4信号、異常信号、賞球信号、ドア開放信号)を外部装置に出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。なお、情報端子盤34は、遊技機の裏面に設置されており、主基板31のみと接続されている。
また、この実施の形態では、遊技機1は、前面枠に対してガラス扉枠2または機構板が開放されたことを検出するためのドア開放スイッチ154と、外枠に対して遊技枠11自体が開放されたことを検出するためのドア開放スイッチ155とが取り付けられている。主基板31には、バックアップ電源(例えば、バッテリ。コンデンサでもよい)505を含むバックアップ電源回路506が搭載されており、遊技機1への電力供給が停止されたときであっても、ドア開放スイッチ154およびドア開放スイッチ155にはバックアップ電源505からの電圧が加えられる。なお、バックアップ電源505をRAM55に供給するバックアップ電源と共通化してもよい。そのように共通化することによって、バックアップ電源のコストを削減することができる。また、ドア開放スイッチ154からのドア開放信号およびドア開放スイッチ155からのドア開放信号は、バックアップ電源回路506および遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力され、バックアップ電源回路506に入力された方のドア開放信号は情報端子盤34に入力される。
この実施の形態では、ドア開放スイッチ154からのドア開放信号およびドア開放スイッチ155からのドア開放信号の信号線が、主基板31のバックアップ電源回路506を経由して情報端子盤34に物理的に接続されているので、遊技機への電力供給が停止された場合であっても、ドア開放スイッチ154からのドア開放信号およびドア開放スイッチ155からのドア開放信号が情報端子盤34に供給される。また、バックアップ電源回路506が搭載するバックアップ電源505からの電力が情報端子盤34に供給されるので、遊技機への電力供給が停止された場合であっても、情報端子盤34は、バックアップ電源回路506を経由してドア開放信号を外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に出力することができる。
なお、この実施の形態において、RAM55用のバックアップ電源は、バックアップ電源回路506が搭載するバックアップ電源505とは別に設けられる。この実施の形態では、そのようにバックアップ電源を別々に設けることによって、ドア開放の検出状態によりRAM55が記憶する情報が破損してしまう事態を防止している。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板177を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の表示制御、ランプの点灯制御およびスピーカ27の制御を行う。
図18は、中継基板177、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図18に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板177を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板177から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、中継基板177には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路177Aが搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図18には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板177から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板177からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図17に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板177側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ(図示せず)に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介して、装飾部材78を可動するための装飾部材駆動モータ78B、装飾部材78を開閉動作するための剣駆動モータ79を駆動する信号を出力する。
図19は、情報端子盤34の構成例を示すブロック図である。図19に示す例では、情報端子盤34には、ケーブル343およびコネクタ341を介して主基板31から信号が入力される。そして、ケーブル343を介して入力された信号は、ドライバ回路345、コネクタ347およびケーブル349を介して、例えばホールコンピュータに対して出力される。
図20および図21は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図20に示すように、出力ポート0は、払出制御基板37に送信される払出指令信号(賞球個数信号、賞球REQ信号)および電源確認信号の出力ポートである。賞球個数信号のハイレベル「1」がオン状態に対応し、電源確認信号のハイレベル「1」がオン状態(電力供給が行われている状態)に対応する。また、賞球REQ信号のローレベル「0」がオン状態(払出要求が行われている状態)に対応する。
出力ポート1から、大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21および可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号が出力される。
図21に示すように、出力ポート2,3は、情報端子盤34(を介してホールコンピュータ)に出力される信号の出力ポートである。なお、出力ポート2,3から出力される信号は、図19に示すコネクタ341から情報端子盤34に入力される。出力ポート2から、始動口1信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号が出力される。なお、出力ポート2から出力される信号は、遊技制御処理の実行中に発生する制御情報の信号である。
また、出力ポート3から、異常信号、賞球情報信号(賞球信号、払出情報ともいう。)が出力される。なお、この実施の形態では、大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞を検出した場合や、大入賞口への磁気異常を検出した場合、遊技機の振動異常状態を検出した場合、大入賞口の異常開放を検出した場合に異常信号が出力される。また、賞球情報信号は、払出制御基板37から主基板31に入力された信号である。
なお、出力ポート1〜3は、図17に示されたI/Oポート部57の一部である。また、信号がオン状態になっているときが、「信号が出力されている」状態に相当する。
図22は、遊技制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図22に示すように、入力ポート0のビット0〜5には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ38a,39a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aの検出信号が入力される。
また、入力ポート1のビット0〜3には、それぞれ、払出制御基板37からの賞球カウント信号、満タン信号、球切れ信号、払出エラー信号が入力される。賞球カウント信号のハイレベル「1」はオン状態(払出個数カウントスイッチ301がオンした状態)に対応する。満タン信号のハイレベル「1」はオン状態(満タンスイッチ48がオンした状態)に対応する。球切れ信号のハイレベル「1」はオン状態(球切れスイッチ187がオンした状態)に対応する。払出エラー信号のハイレベル「1」はオン状態(払出エラーが生じた状態)に対応する。
また、入力ポート1のビット5には、大入賞口に設けられた磁気センサからの磁気検出信号が入力される。磁気検出信号のハイレベル「1」はオン状態(磁気センサが磁気異常を検出してオンした状態)に対応する。入力ポート1のビット6には、遊技機に取り付けられた振動センサからの振動検出信号が入力される。振動検出信号のハイレベル「1」はオン状態(振動センサが振動異常状態を検出してオンした状態)に対応する。入力ポート1のビット7には、大入賞口に設けられた開放検出センサ192からの大入賞口開信号が入力される。大入賞口開信号のハイレベル「1」はオン状態(開放検出センサ192が大入賞口の開放状態を検出してオンした状態)に対応する。
入力ポート2のビット0,1には、それぞれ、電源基板からの電源断信号およびクリアスイッチの検出信号(クリア信号)が入力される。電源断信号は、電源基板に搭載されている電源監視回路が所定電圧の低下を検出したときに出力する信号である。クリアスイッチは遊技店員等が操作可能なスイッチあり、RAM55を初期化したいときに操作されるスイッチである。入力ポート2のビット2には、払出制御基板37からの賞球BUSY信号が入力される。賞球BUSY信号は、賞球払出が行われているときに出力される信号である。なお、入力ポート0〜2は、図17に示されたI/Oポート部57の一部である。また、信号がオン状態になっているときが、「信号が入力されている」状態に相当する。
なお、図20〜図22に示された「論理」と逆の論理を用いてもよい。例えば、1がオン状態である入力信号を0をオン状態である入力信号にしてもよい。なお、図20〜図22に示されたポート(出力ポート、入力ポート)は、一時にアクセス可能なポート、すなわち、同一割込みでアクセス可能なポートである。
図23は、情報端子盤の内部構成を示す回路図である。図23に示す情報端子盤34において、左側のコネクタCNは、図19に示した主基板31からの信号を伝達するケーブル343を接続するためのコネクタ341に相当し、右側のコネクタCN1〜CN8は、図19に示したホールコンピュータに対して信号を伝達するケーブル349を接続するためのコネクタ347に相当する。また、半導体リレー(PhotoMOSリレー)PC1〜PC8は、図19に示したドライバ回路345に相当する。
主基板31からのケーブル343がコネクタCNに接続されることにより、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)から各種信号が情報端子盤34に入力される。具体的には、コネクタCNの端子「2」に始動口1信号が入力され、コネクタCNの端子「3」に図柄確定回数1信号が入力され、コネクタCNの端子「4」に大当り1信号が入力され、コネクタCNの端子「5」に大当り2信号が入力され、コネクタCNの端子「6」に時短信号が入力され、コネクタCNの端子「7」に異常信号が入力され、コネクタCNの端子「8」に賞球情報信号が入力される。
図23に示すように、情報端子盤34では、コネクタCNの端子「1」に基準電位の信号線が接続され、その信号線が分岐して、各々の半導体リレーPC1〜PC7の入力端子「1」に接続されている。また、コネクタCNの端子「2」〜「11」に接続された信号線は、それぞれ、1KΩの抵抗R1〜R10を介して半導体リレーPC1〜PC7の入力端子「2」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC7の出力端子「4」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN7の端子「1」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC7の出力端子「3」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN7の端子「2」に接続されている。
一方、図23に示すように、ドア開放信号については、ドア開放スイッチ154,155からの検出信号(ドア開放信号)が、主基板31のバックアップ電源回路506を経由して情報端子盤34に入力される。そして、情報端子盤34に搭載された半導体リレーPC8に入力される。図23に示すように、半導体リレーPC8の入力端子「2」には、主基板31のバックアップ電源回路506を経由して基準電位の信号線が接続されている。また、半導体リレーPC8の入力端子「1」には、主基板31のバックアップ電源回路506を経由してグランド線が接続されている。また、半導体リレーPC8の出力端子「4」に接続された信号線は、コネクタCN8の端子「1」に接続されている。また、半導体リレーPC8の出力端子「3」に接続された信号線は、コネクタCN8の端子「2」に接続されている。なお、この実施の形態では、主基板31のバックアップ電源回路506の基準電位の入力側に逆流防止用のダイオード506aが設けられていることによって、情報端子盤34に設けられている半導体リレーPC8以外の各回路や各回路素子に、バックアップ電源505からの電流が逆流して供給されることを防止している。なお、この実施の形態では、「ドア開放スイッチ154,155からのドア開放信号が入力される」などの表現を用いているが、具体的には、図23の回路図に示すように、ドア開放スイッチ154,155のいずれか一方または両方がオン状態(通電状態)となると、ドア開放スイッチ154,155のいずれか一方または両方からの検出信号が主基板31のバックアップ電源回路506を経由して情報端子盤34に入力された状態となる。
半導体リレーPC1〜PC8では、入力端子に信号電流が流れると、入力側の発光素子(LED)が発光する。発光された光は、LEDと対向に設けられた光電素子(太陽電池)に透明シリコンを通って照射される。光を受けた光電素子は、光の量に応じて電圧に交換し、この電圧は制御回路を通って出力部のMOSFETゲートを充電する。光電素子より供給されるMOSFETゲート電圧が設定電圧値に達すると、MOSFETが導通状態になり、負荷をオンさせる。入力端子の信号電流が切れると、発光素子(LED)の発光が止まる。LEDの発光が止まると、光電素子の電圧が下がり、光電素子から供給される電圧が下がると制御回路により、MOSFETのゲート負荷を急速に放電させる。この制御回路によりMOSFETが非導通状態になり、負荷をオフさせる。
以上のような半導体リレーPC1〜PC8の動作により、入力側のコネクタCNから入力された信号およびドア開放スイッチ154,155からのドア開放信号が出力側のコネクタCN1〜CN8に伝達され、ホールコンピュータに対して出力される。具体的には、コネクタCN1から始動口1信号が出力され、コネクタCN2から図柄確定回数1信号が出力され、コネクタCN3から大当り1信号が出力され、コネクタCN4から大当り2信号が出力され、コネクタCN5から時短信号が出力され、コネクタCN6から異常信号が出力され、コネクタCN7から賞球情報信号が出力され、コネクタCN8からドア開放信号が出力される。
なお、この実施の形態では、図23に示すように、大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞、大入賞口周辺の磁気異常、遊技機の振動異常状態、大入賞口の異常開放を検出した場合に、共通のコネクタCN6を用いて異常信号が出力される。そのため、ホールコンピュータなどの外部装置に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
上記のように、半導体リレーPC1〜PC8を情報端子盤34に設けたことにより、外部から遊技機内部への信号入力を防止することができ、その結果、不正行為を確実に防止することができる。なお、上記の例では、情報端子盤34に半導体リレーPC1〜PC8を設けていたが、半導体リレーPC1〜PC8ではなく、機械式のリレー等の他のリレー素子であってもよい。
また、この実施の形態では、ドア開放スイッチ154,155からのドア開放信号を主基板31のバックアップ電源回路506を経由して情報端子盤34に入力するので、遊技機の電源が切られている場合であっても、バックアップ電源回路506が搭載するバックアップ電源505の電源がドア開放スイッチ154,155および情報端子盤34の半導体リレーPC8に供給され、ドア開放信号が出力側のコネクタCN8に伝達されて、ホールコンピュータに対して出力される。
また、この実施の形態では、ドア開放スイッチ154,155は、ドア(ガラス扉枠2や機構板)や遊技枠が開放されていないときにはオフ状態(非通電状態)であり、開放されているときには通電状態となってオン状態となる。そのため、ドアや遊技枠が開放されていないときにオン状態であり開放されているときにオフ状態となるようにドア開放スイッチ154,155を構成する場合と比較して、消費電力を低減することができる。なお、ドア開放スイッチ154,155として、ドア(ガラス扉枠2や機構板)や遊技枠が開放されていないときにはオン状態(通電状態)であり、開放されているときには非通電状態となってオフ状態となるものを用いてもよい。
図24は、大入賞口の近傍に設置された開放検出センサ192が、大入賞口が開放されたことを検出する構成を示す説明図である。なお、開放検出センサ192は、発光部192aと、当該発光部192aに対向する向きに設置され、発光部192aが発した光を受光する受光部192bとを備えているとして説明する。
図24(A)は、特別可変入賞球装置20が、閉鎖状態であることを示している。図24(A)に示すように、ソレノイド21のソレノイドアーム21bは、スプリング21cによって、当該ソレノイド21の本体から離れる方向に押し出された位置で停止している。また、軸140aを中心に回転するリンク130は、凸部130a,130b,130cを有し、凸部130bの端部でソレノイドアーム21bに連結されている。そして、図24(A)に示すように、特別可変入賞球装置120の扉の端部に設けられた凸部120aが、リンク130の凸部130aと凸部130cとによって、特別可変入賞球装置120が閉鎖状態となる位置で係止されている。
そして、図24(A)に示すように、特別可変入賞球装置120の閉鎖状態では、リンク130に設けられた凸部130aが、開放検出センサ192の発光部192aと受光部192bとの間に位置する。したがって、開放検出センサ192の受光部192bは、発光部192aが発した光を受光できない。開放検出センサ192の受光部192bは、発光部192aが発した光を受光できない場合には、大入賞口開信号を出力しない。
そして、ソレノイド21が通電された場合に、プランジャ21aに結合されたソレノイドアーム21bは、ソレノイド21の本体に近づく方向に移動する。ソレノイドアーム21bがソレノイド21の本体に近づく方向に移動すると、凸部130bの端部でソレノイドアーム21bに連結されているリンク130は、軸140aを中心に回転し、凸部130aが、特別可変入賞球装置120の扉の端部に設けられた凸部120aを押上げて、特別可変入賞球装置120を開放するように、当該特別可変入賞球装置120を軸140bを中心に回転させる。
そして、図24(B)に示すように、特別可変入賞球装置120の開放状態で、リンク130に設けられた凸部130aは、開放検出センサ192の発光部192aと受光部192bとの間に位置せず、開放検出センサ192の受光部192bは、発光部192aが発した光を受光することができる。開放検出センサ192の受光部192bは、発光部192aが発した光を受光した場合に、大入賞口開信号を出力する。
なお、特別可変入賞球装置120が開放状態であるか否かは他の方法で検出してもよい。具体的には、例えば、特別可変入賞球装置120の開放状態で、リンク130に設けられた凸部のいずれかによって押下される位置に設置されたスイッチによって、特別可変入賞球装置120が開放状態であるか否かを検出してもよい。また、例えば、特別可変入賞球装置120の開放状態で、ソレノイドアーム21bによって押下される位置に設置されたスイッチによって、特別可変入賞球装置120が開放状態であるか否かを検出してもよい。また、開放検出センサ192が反射型のフォトセンサによって実現されてもよい。また、開放検出センサ192が、他の位置(具体的には、例えば、特別可変入賞球装置120の天面)に設置されていてもよい。つまり、開放検出センサ192は、特別可変入賞球装置120が物理的に開放したことを検出できるのであれば、設置される場所やセンサの種類はどのようなものであってもよい。なお、遊技球が開放検出センサ192に衝突して当該開放検出センサ192が破損することを防止するため、本実施の形態の説明で図24に例示したように、開放検出センサ192は、直接遊技球に接触しない場所に設けられることが好ましい。
次に、遊技機の動作について説明する。図25は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する処理も実行する。CPU56は、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。乱数回路503は、所定のクロック信号を用いて乱数を発生させる。一例として、乱数回路503は、CPU56から数値が読み出されるときに、0〜598の数値のいずれかの数値をCPU56に出力するように設定される。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS10〜S12の処理によって、例えば、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値(例えば0)が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、異常入賞数をカウントする異常入賞判定カウンタに閾値として「3」の値を設定する(ステップS46)。ステップS46で設定される閾値は、大当り遊技状態以外の平常状態における特別可変入賞球装置120への遊技球の入賞を許容する値である。すなわち、平常状態においては、本来、特別可変入賞球装置120に遊技球が入賞するはずがないが、特別可変入賞球装置120内に遊技球が詰まり、大当り遊技状態が終了した後に詰まりが解消したことによって遊技球の入賞が検出されるような場合も考えられる。また、ノイズ等によってカウントスイッチ23から検出信号が出力されたと誤検出されるとうな場合も考えられる。そこで、この実施の形態では、平常状態においてカウントスイッチ23が遊技球を検出したとしても、検出数が2回まで(つまり特別可変入賞球装置120への入賞数が2個まで)は、特別可変入賞球装置120への遊技球の入賞を許容すべく、ステップS46において閾値として「3」の値が設定されている。後述するように、カウントスイッチ23の検出数が3回になると、異常入賞が発生したと判定して異常報知を実行するための処理を実行する(図58のステップS260,S261参照)。なお、異常入賞判定カウンタは、RAM55の所定領域に形成されている。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、普通図柄の停止図柄を決定するための乱数等であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の表示結果を当り図柄とするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数、および特別図柄の変動パターンを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(特別図柄変動パターン決定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう。)において、普通図柄当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図26に示すステップS20〜S36のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a,14a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、スペシャルルート検出スイッチ72b、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、入賞口スイッチ38a,39a、カウントスイッチ23、上側位置センサ91a,下側位置センサ91bおよび回転体位置センサ87aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS34,S35で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合等に異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図27は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(2)ランダム2:普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(普通図柄変動パターン決定用)
(3)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
(5)ランダム5:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(特別図柄変動パターン決定用)
(6)ランダム6:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
なお、大当りにするのか小当りにするのかを決定するための大当り判定用乱数として、乱数回路503が生成する乱数が用いられる。以下、大当り判定用乱数を、ランダムRということがある。また、(1)〜(6)の乱数をソフトウェア乱数ということがある。
図26に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(3)の普通図柄当り判定用乱数および(5)の特別図柄変動パターン決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8および大入賞口(役物20および開閉板16による大入賞口)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および普通可変入賞球装置15の制御状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、CPU56は、演出表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、始動口スイッチ13a,14a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、入賞口スイッチ33a,38a,39a、およびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、始動口スイッチ13a,14a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、入賞口スイッチ33a,38a,39a、およびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域(ポート出力用RAM領域)におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:ソレノイド出力処理)。
また、役物20内に設けられている回転体86および可動部材77の位置を初期位置に設定するための処理である初期位置制御処理を実行する(ステップS33)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、特別図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS36)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S35(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図28は、特別図柄の可変表示結果と大当り判定用乱数の判定値との関係の一例を示す説明図である。この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)が取り得る数値の範囲は、0〜65535であるとする。判定値の総数は、大当り判定用乱数が取り得る数である65536個ある。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503からカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値に一致する判定値に対応する大当り(大当りAまたは大当りB)または小当り(小当りA、小当りB、小当りC、小当りDまたは小当りE)とすることに決定する。なお、始動動作状態においてV入賞が生ずると第2大当り遊技が開始されるので、大当りまたは小当りとすることに決定するということは、実質的に、いわゆる直大当りによる大当り遊技を開始するか、役物を開放制御する役物制御を開始するかを決定するということでもある。また、図28に示すように、この実施の形態では、小当りに決定される場合には、小当り遊技中の役物20の開放回数や、第2大当り移行後のラウンド数、ラウンドごとの大入賞口の開放期間が異なる5種類の小当り(小当りA、小当りB、小当りC、小当りD、小当りE)のいずれかに決定される。また、図28に示すように、この実施の形態では、大当りに決定される場合には、通常の大当り遊技を行う大当りAと、擬似的に小当りと見せかけた大当り遊技を行う大当りBとのいずれかに決定される。また、図28に示すような特別図柄の停止図柄と判定値との関係は、ROM54にテーブルとして格納されている。すなわち、特別図柄の種類に対応させて各々の判定値が設定されたテーブルがROM54に格納されている。
図29は、普通図柄の停止図柄と判定値との関係の一例を示す説明図である。この実施の形態では、普通図柄当り判定用乱数(ランダム3)が取り得る数値の範囲は、0〜149であるとする。判定値の総数は、大当り判定用乱数が取り得る数である150個ある。
この実施の形態では、図29に示すように、遊技状態が有利状態であるか通常状態(非有利状態)であるかにかかわらず、当りに対応する判定値の数は一定である。具体的には、この実施の形態では、図29に示すように、遊技状態が有利状態であるか通常状態であるかにかかわらず、3分の1の確率で当りになる。なお、この実施の形態では、有利状態とは、普通図柄の変動時間が短縮される状態をいう。そして、普通図柄の変動時間が短縮される状態を時短状態という。また、通常状態(通常時ともいう)とは、時短状態ではない状態(非時短状態)をいう。なお、時短状態で、特別図柄の変動時間を短縮してもよい。
図30は、大当り判定結果と動作との関係を示す説明図である。図30に示すように、この実施の形態では、複数種類の小当りがある。小当りには、始動動作状態において役物20を1回開放する小当りAと、始動動作状態において役物20を2回開放する小当りB、小当りC、小当りDおよび小当りEとがある。小当り種類と特別図柄の停止図柄とは対応している。また、始動動作状態においてV入賞が生じたことを条件に開始される第2大当り遊技にも複数の種類がある。すなわち、ラウンド数が異なる第2大当り遊技がある。
図30に示すように、大当りとすることに決定されたときは、特別図柄および飾り図柄の変動が終了したら、始動動作状態を経ず、直接、16ラウンドの大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行する。また、この実施の形態では、図30に示すように、大当りには、通常の大当り遊技を行う大当りAと、擬似的に小当りと見せかけた大当り遊技を行う大当りBとがある。この実施の形態では、大当りの場合には、通常、19.5秒〜30.0秒のリーチを伴う変動表示が行われた後に大当り表示がなされて大当り遊技状態となり、小当りの場合には、短い3秒の変動表示が行われた後に小当り遊技状態となるのであるが、大当りAの場合には、通常の小当りの場合と同様に3秒の変動表示が行われた後に大当り遊技が行われる。
また、図30に示すように、小当りAとすることに決定されたときは、特別図柄および飾り図柄の変動が終了したら、始動動作状態に1回移行する。つまり、役物20が1回開状態に制御される。そして、役物20が開状態に制御されたことによって、V入賞が発生した場合に、2ラウンドの大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行する。
また、図30に示すように、小当りBとすることに決定されたときは、特別図柄および飾り図柄の変動が終了したら、始動動作状態に2回移行する。つまり、役物20が2回開状態に制御される。そして、役物20が開状態に制御されたことによって、V入賞が発生した場合に、7ラウンドの大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行する。なお、図30に示すように、小当りBとすることに決定された場合において、19.5秒〜30.0秒のリーチを伴う変動表示が行われ、擬似的に大当りと見せかけて小当り遊技となる場合がある。
また、図30に示すように、小当りC、小当りDおよび小当りEとすることに決定されたときは、特別図柄および飾り図柄の変動が終了したら、始動動作状態に2回移行する。つまり、役物20が2回開状態に制御される。そして、役物20が開状態に制御されたことによって、V入賞が発生した場合に、16ラウンドの大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行する。この場合に、図30に示すように、小当りC、小当りDまたは小当りEのいずれであるかによって、大当り遊技中のラウンドごとの大入賞口の開放時間が異なる。この実施の形態では、小当りCの場合にV入賞にもとづいて大当りとなったときには、ラウンドごとの大入賞口の開放時間は3秒である。また、小当りDの場合にV入賞にもとづいて大当りとなったときには、ラウンドごとの大入賞口の開放時間は10秒である。また、小当りEの場合にV入賞にもとづいて大当りとなったときには、ラウンドごとの大入賞口の開放時間は29秒である。
なお、図30に示すように、小当りC、小当りDおよび小当りEとすることに決定された場合において、19.5秒〜30.0秒のリーチを伴う変動表示が行われ、擬似的に大当りと見せかけて小当り遊技となる場合がある。また、この実施の形態では、小当りC、小当りDまたは小当りEのいずれであるかによって、ラウンドごとの大入賞口の開放時間を異ならせる場合を示したが、例えば、ラウンドごとの大入賞口の開放回数を異ならせるようにしてもよい。
この実施の形態では、図30に示すように、複数の小当り種類が設けられ、各小当りに応じて異なる役物20の開放回数、大当りラウンド数およびラウンドごとの開放時間が設定されているので、遊技者の遊技の興趣が向上させることができる。
また、図30に示すように、この実施の形態では、小当りAに決定された場合には、リーチ演出を含まない変動パターン#5が用いられる。また、小当りBに決定された場合には、高い確率でリーチ演出を含まない変動パターン#6が用いられ、ごく低い確率でリーチ演出を含む変動パターン#7,#8が用いられる場合がある。変動パターン#7は、飾り図柄の変動中にノーマルリーチを伴う変動パターンである。また、変動パターン#8は、飾り図柄の変動中に、ノーマルリーチとは異なるリーチ態様のスーパーリーチAを伴う変動パターンである。
また、小当りCに決定された場合には、高い確率でリーチ演出を含まない変動パターン#9が用いられ、ごく低い確率でリーチ演出を含む変動パターン#10,#11が用いられる場合がある。変動パターン#10は、飾り図柄の変動中にノーマルリーチを伴う変動パターンである。また、変動パターン#11は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチAを伴う変動パターンである。
また、小当りDに決定された場合には、高い確率でリーチ演出を含まない変動パターン#12が用いられ、ごく低い確率でリーチ演出を含む変動パターン#13〜#15が用いられる場合がある。変動パターン#13は、飾り図柄の変動中にノーマルリーチを伴う変動パターンである。また、変動パターン#14は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチAを伴う変動パターンである。また、変動パターン#15は、飾り図柄の変動中に、ノーマルリーチおよびスーパーリーチAとは異なるリーチ態様のスーパーリーチBを伴う変動パターンである。
また、小当りEに決定された場合には、高い確率でリーチ演出を含まない変動パターン#16が用いられ、ごく低い確率でリーチ演出を含む変動パターン#17〜#19が用いられる場合がある。変動パターン#17は、飾り図柄の変動中にノーマルリーチを伴う変動パターンである。また、変動パターン#18は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチAを伴う変動パターンである。また、変動パターン#19は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチBを伴う変動パターンである。
また、図30に示すように、大当りAに決定された場合には、変動パターン#1〜#3が用いられる。変動パターン#1は、飾り図柄の変動中にノーマルリーチを伴う変動パターンである。また、変動パターン#2は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチAを伴う変動パターンである。また、変動パターン#3は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチBを伴う変動パターンである。また、図30に示すように、大当りBに決定された場合には、変動パターン#4が用いられる。変動パターン#4は、変動時間が3秒と短いリーチ演出を含まない変動パターンである。
図30に示すように、この実施の形態では、飾り図柄の変動中にスーパーリーチ演出が実行される場合には大当りとなる割合が高いのであるから、スーパーリーチ演出が実行されることによって、第1大当りが発生することへの期待感を高めることができる。
図31は、普通図柄の表示結果と変動パターンとの関係の一例を示す説明図である。図31に示すように、普図当りとすることに決定されると、普通図柄変動パターン決定用乱数値にもとづいて、変動パターンを、ノーマルリーチ、ロングリーチまたはスーパーリーチに決定する。なお、図31に示す例では、普図当りとすることに決定された場合に、ノーマルリーチの変動時間は20秒であり、ロングリーチの変動時間は30秒であり、スーパーリーチの変動時間は35秒である。また、この実施の形態では、図31に示すように、普通可変入賞球装置15の開放時間を5.0秒と決定した場合には0.1秒と決定した場合よりも高い確率でロングリーチやスーパーリーチを含む変動パターンを決定する。
また、図31に示すように、はずれとすることに決定されると、普通図柄変動パターン決定用乱数値にもとづいて、変動パターンを、はずれ(リーチなし)、ノーマルリーチはずれまたはロングリーチはずれに決定する。なお、図31に示す例では、はずれとすることに決定された場合に、はずれ(リーチなし)の変動時間は10秒であり、ノーマルリーチはずれの変動時間は19.5秒であり、ロングリーチはずれの変動時間は29.5秒である。
図32は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。
CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ(始動口スイッチ13a,14a)がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS322)。そして、ステップS300〜S311のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S311の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(この例では2)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、特別図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値(この例では7)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する特別図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において特別図柄に対応する飾り図柄が停止されるように制御する。
役物開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動動作を行わせるための処理を実行して、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、役物開放中処理(ステップS305)に応じた値(この例では5)に更新する。
役物開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。特定領域スイッチ66aがオンしたか否か確認するとともに、役物開放時間が経過したか否か確認する。特定領域スイッチ66aがオンした場合には、V入賞フラグをセットする。役物開放時間が経過した場合には、役物を閉鎖状態にする。そして、役物開放の開放回数が、決定されている開放回数に達していなければ、再び始動動作を行わせるために役物を開放状態にする。役物開放の開放回数が、決定されている開放回数に達している場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物閉鎖後処理(ステップS306)に対応した値(この例では6)に更新する。
役物閉鎖後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。V入賞フラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値(この例では8)に更新する。V入賞フラグがセットされていない場合には、はずれ演出期間を決定するためのはずれ演出中時間タイマに演出中時間に相当する値を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をはずれ演出中処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。
はずれ演出中処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。はずれ演出時間が経過したら、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口開放中処理(ステップS309)に応じた値(この例では9)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立した場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS310)に応じた値(この例では10)に更新する。
大入賞口閉鎖後処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態を大当り終了処理(ステップS311)に対応した値(この例では11)に更新する。
大当り終了処理(ステップS311):特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値(この例では0)に更新する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図33は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図33に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板177を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図34に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図34に示された極性と逆極性であってもよい。
図35および図36は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図35および図36に示す例において、コマンド8001(H)〜8009(H)は、普通図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(普図変動パターンコマンド)である(それぞれ普通図柄変動パターン#1〜#9に対応)。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8009(H)のいずれかを受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
また、図35および図36に示す例において、コマンド8101(H)〜8113(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(特図変動パターンコマンド)である(それぞれ特別図柄変動パターン#1〜#19に対応)。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8101(H)〜8113(H)のいずれかを受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8B00(H)は、普通図柄の可変表示(変動)結果がはずれであることを指定する演出制御コマンド(普図はずれ指定コマンド)である。コマンド8B01(H)は、普通図柄の可変表示(変動)結果が普図当りであることを指定する演出制御コマンド(普図当り指定コマンド)である。以下、普図はずれ指定コマンドおよび普図当り指定コマンドのいずれかを指す場合、または包括的に表現する場合に、普図表示結果コマンドということがある。
コマンド8C00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)結果が小当りAであることを指定する演出制御コマンド(小当りA指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、特別図柄の可変表示(変動)結果が小当りBであることを指定する演出制御コマンド(小当りB指定コマンド)である。コマンド8C02(H)は、特別図柄の可変表示(変動)結果が小当りCであることを指定する演出制御コマンド(小当りC指定コマンド)である。コマンド8C03(H)は、特別図柄の可変表示(変動)結果が小当りDであることを指定する演出制御コマンド(小当りD指定コマンド)である。コマンド8C04(H)は、特別図柄の可変表示(変動)結果が小当りEであることを指定する演出制御コマンド(小当りE指定コマンド)である。コマンド8C05(H)は、特別図柄の可変表示(変動)結果が大当りAであることを指定する演出制御コマンド(大当りA指定コマンド)である。コマンド8C06(H)は、特別図柄の可変表示(変動)結果が大当りBであることを指定する演出制御コマンド(大当りB指定コマンド)である。以下、小当りA指定コマンド、小当りB指定コマンド、小当りC指定コマンド、小当りD指定コマンド、小当りE指定コマンド、大当りA指定コマンドおよび大当りB指定コマンドのいずれかを指す場合、または包括的に表現する場合に、特図表示結果コマンドということがある。
コマンド8F00(H)は、普通図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(普通図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、普通図柄確定指定コマンドを受信すると、普通図柄に対応した飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド8F01(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(特別図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄確定指定コマンドを受信すると、普通図柄に対応した飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、小当り遊技(始動動作状態)の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、役物制御の終了を指定する演出制御コマンド(役物制御終了指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が有利状態になったことを示す演出制御コマンド(有利状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が有利状態から通常状態(非有利状態)に戻ったことを示す演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、大入賞口への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。コマンドD002(H)は、始動入賞口への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(始動異常入賞指定コマンド)である。
コマンドD003(H)は、大入賞口周辺で異常な磁気を検出したことの報知を指示する演出制御コマンド(磁気異常報知指定コマンド)である。コマンドD004(H)は、異常な振動を検出したことの報知を指示する演出制御コマンド(振動異常報知指定コマンド)である。コマンドD005(H)は、大入賞口の異常開放を検出したことの報知を指示する演出制御コマンド(異常開放報知指定コマンド)である。
コマンドE0XX(H)は、保留記憶数がXXで示される値であることを指定する演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)である。
コマンドE400(H)は、役物20の第1進入口71への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(第1役物入賞指定コマンド)である。コマンドE401(H)は、役物20の第2進入口72への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(第2役物入賞指定コマンド)である。コマンドE402(H)は、特定入賞口66Aへの入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(V入賞指定コマンド)である。コマンドE403(H)は、遊技球が役物20内の第2経路(スペシャルルート)に進入したことを示す演出制御コマンド(スペシャルルート検出指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図35および図36に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプ等の発光体の表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
図37は、ステップS322の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS81)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS82)。また、CPU56は、乱数を生成するためのカウンタからカウント値を読み出してソフトウェア乱数を抽出するとともに、乱数回路503のカウント値を読み出してランダムR(乱数回路503が生成する大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS83)。ステップS83では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム5(図27参照)の値(特別図柄変動パターン用乱数を生成するためのカウンタの値)を抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、変動パターン用乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
また、特別図柄保留記憶表示器18の表示を、保留記憶数カウンタの値を示す表示に変更する(ステップS84)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100に、保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS85)。この場合、CPU56は、ステップS82で更新した保留記憶数カウンタの値にもとづいて、現在の保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信する。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する(他の演出制御コマンドについても同様)。
図38および図39は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理が実行される状態は、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態である。
特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば、CPU56は、客待ちデモ表示コマンドを既に送信済みであることを示すデモ表示コマンド送信済みフラグがセットされているか否か確認する(ステップS52)。デモ表示コマンド送信済みフラグがセットされていなければ(ステップS52のN)、CPU56は、客待ちデモ表示コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を実行し(ステップS53)、デモ表示コマンド送信済みフラグをセットする(ステップS54)。上記のステップS52〜54の処理によって、保留記憶数が0の場合に1度だけ客待ちデモ表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
保留記憶数が0でなければ、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS55)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS57)。この場合、CPU56は、ステップS56で更新した保留記憶数カウンタの値にもとづいて、現在の保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し(ステップS60)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS61)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている判定値(図28に例示されたテーブルの設定されている判定値)と大当り判定用乱数とを比較し、大当りとするかまたは小当りとするかを決定する処理を実行するプログラムである。なお、ステップS61では、小当りと決定する場合には、CPU56は、小当りの種類として、小当りA、小当りB、小当りC、小当りDまたは小当りEのいずれとするかも決定する。また、ステップS61では、大当りと決定する場合には、CPU56は、大当りの種類として、大当りAまたは大当りBのいずれとするかも決定する。また、この実施の形態では、図28のテーブルに示すように、ステップS61の大当り判定においてはずれはない。
大当りとすることに決定したときには(ステップS62)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS63)。さらに、大当りBとすることに決定した場合には(ステップS64A)、CPU56は、大当りBフラグをセットする(ステップS64B)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS70)。
大当りとすることに決定しなかった場合(すなわち、小当りA、小当りB、小当りC、小当りDまたは小当りEのいずれかに決定した場合)には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認し、時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS65,S66)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、可変表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短終了フラグをセットする(ステップS68,S69)。そして、ステップS70に移行する。
図40は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS340)。そして、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(ステップS341)。変動パターンテーブルとは、図30に示されたような、変動パターンと対応させて判定値が設定されているROM54の領域である。この実施の形態では、図30に示すように、大当り判定の判定結果(大当りとするのか、小当りA〜小当りEのいずれとするのか、大当りAまたは大当りBのいずれとするのか)に応じて異なる変動パターンテーブルを用いている。
なお、CPU56は、小当りAとすると決定されている場合には、「0」を特別図柄表示器8に表示させる特別図柄の停止図柄(表示結果)に決定する。また、CPU56は、小当りBとすると決定されている場合には、「1」を特別図柄表示器8に表示させる特別図柄の停止図柄(表示結果)に決定する。また、CPU56は、小当りCとすると決定されている場合には、「2」を特別図柄表示器8に表示させる特別図柄の停止図柄(表示結果)に決定する。また、CPU56は、小当りDとすると決定されている場合には、「3」を特別図柄表示器8に表示させる特別図柄の停止図柄(表示結果)に決定する。また、CPU56は、小当りEとすると決定されている場合には、「4」を特別図柄表示器8に表示させる特別図柄の停止図柄(表示結果)に決定する。また、CPU56は、大当りAとすると決定されている場合には、「7」を特別図柄表示器8に表示させる特別図柄の停止図柄(表示結果)に決定する。また、CPU56は、大当りBとすると決定されている場合には、「9」を特別図柄表示器8に表示させる特別図柄の停止図柄(表示結果)に決定する。
CPU56は、ステップS41で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS342)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS344)。例えば、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、ステップS41の処理で選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS345)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS346)。
図41は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図42は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、特別図柄確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS132)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS133,S134)。また、開放回数カウンタに大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットし(ステップS135)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。
次いで、CPU56は、異常入賞判定カウンタに閾値として「192」の値を設定する(ステップS136A)。ステップS136Aで設定される閾値は、16ラウンドの大当り遊技状態における特別可変入賞球装置20への遊技球の入賞を最大限許容する値である。すなわち、この実施の形態では、1ラウンドあたり大入賞口への10個の遊技球の入賞が認められているので、通常は、大当り遊技状態中における16ラウンド(16回の大入賞口の開放)が終了した時点で160個(10個×16ラウンド)の遊技球が入賞する。しかし、カウントスイッチ23が大入賞口への10個目の遊技球の入賞を検出してから大入賞口が閉鎖されるまでに遊技球が大入賞口に入賞する場合がある。この場合、1ラウンドにおいて10個以上の遊技球が大入賞口に入賞することになり、大当り遊技状態中における16ラウンドが終了した時点で160個以上の遊技球が大入賞口に入賞する可能性がある。一方、16ラウンド全てにおいて1ラウンドあたり12個以上の遊技球が大入賞口に入賞すること(つまり、16ラウンドで192個の遊技球が大入賞口に入賞すること)は経験的に考えにくい。よって、そのような事態が生じたときは、大入賞口の開閉板が閉じなくなるような故障が発生したか、何らかの不正行為が行われているとみなすことができる。このような着想にもとづいて、この実施の形態では、16ラウンドの大当り遊技状態においてカウントスイッチ23による遊技球の検出数が191回まで(つまり特別可変入賞球装置120への入賞数が191個まで)は、特別可変入賞球装置120への遊技球の入賞を許容すべく、ステップS136Aにおいて閾値として「192」の値が設定されている。後述するように、カウントスイッチ23の検出数が192回になると、異常入賞が発生したと判定して異常報知を実行するための処理を実行する(図58のステップS260,S261参照)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS137)。なお、開放回数カウンタに設定されるラウンド数は、16ラウンド(16R)に相当する16である。
大当りフラグがセットされておらず(すなわち、小当りである場合)、時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットするとともに、時短フラグをリセットする(ステップS133,S138,S139,S140)。また、小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS142)、特別図柄プロセスフラグの値を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS143)。
次に、始動動作状態を説明する。図43は、ROM54における始動動作状態に関するデータが設定されているテーブルを示す説明図である。図43(A)には、役物20の開放回数が1回の場合に使用される役物開放時テーブルが示され、図43(B)には、役物20の開放回数が2回の場合に使用される役物開放時テーブルが示されている。役物開放時テーブルには、開放中処理時間(役物20の開放時間と開放間の閉鎖時間との和の時間)に相当する値を示すデータと、ROM54に格納されている開放パターンテーブルの先頭アドレス(AAAAまたはBBBBとする。)が順に設定されている。順にとは、データの格納アドレスが連続していることを意味する。
なお、この実施の形態では、役物20の開放回数が1回の場合には、役物20の開放時間は0.7秒であり、役物20の開放回数が2回の場合には、それぞれの開放時間は0.7秒であって、閉鎖時間は0.5秒である。また、開放中処理時間を計測するタイマの値は2ms(2m秒)毎に更新されるので、役物開放時テーブルにおいて(後述する開放パターンテーブルにおいても)、(2ms×(データの値))が時間になるようなデータが、16進数で設定されている。役物20の開放回数が1回の場合には、閉鎖時間がないので、開放中処理時間は、役物20の開放時間と同じである。また、役物20の開放回数が2回の場合には、開放中処理時間は、役物20の2回の開放時間と閉鎖時間との和と同じである。
図43(B)に示すように、役物20の開放回数が1回の場合に使用される開放パターンテーブルには、順に、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))が設定されている。役物20の開放回数が2回の場合に使用される開放パターンテーブルには、順に、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))、閉鎖時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))が設定されている。
CPU56は、開放パターンテーブルに設定されているデータにしたがって、始動動作状態における役物20の開閉を制御する。なお、ソレノイド出力データは、役物20を開放するための開放ソレノイド75の駆動状態を示すデータである。オンは、役物20の開放(開放ソレノイド75の駆動)を示し、オフは、役物20の閉鎖(開放ソレノイド75の駆動停止)を示す。
図44は、役物開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。役物開放前処理において、CPU56は、始動動作状態における役物20の開放回数が1回に決定されている場合(開放パターンが開放回数1回である場合)には、役物20の開放回数が1回の場合に使用される役物開放時テーブルのアドレスをレジスタ(RAM55でもよい)に設定する(ステップS410,S411)。また、役物20の開放回数が1回に決定されていない場合(2回に決定されている場合)には、役物20の開放回数が2回の場合に使用される役物開放時テーブルのアドレスをレジスタ(RAM55でもよい)に設定する(ステップS410,S412)。なお、この実施の形態では、役物20の開放回数は、ステップS61,S62の処理で小当りの種類が決定されたことにもとづいて決定される。すなわち、小当りAと決定された場合には役物20の開放回数は1回と決定され、小当りB、小当りC、小当りDまたは小当りEと決定された場合には役物20の開放回数は2回と決定される。
そして、設定されたアドレスのデータと次のアドレスのデータ(開放中時間である:図43参照)を開放中処理時間タイマに設定する(ステップS413)。また、設定されているアドレスを+2し(ステップS414)、そのアドレスのデータと次のアドレスのデータ(開放パターンテーブルの先頭アドレスである:図43参照)をRAM55に形成されているポインタに設定する(ステップS415)。なお、この実施の形態では、CPU56のデータバスは8ビット(1バイト)である。ステップS413の処理で2バイトのデータを扱うので、ステップS414の処理でアドレスは+2される。
次いで、ポインタが指すアドレスのデータをロードする(ステップS416)。ここでは、1バイトのソレノイド出力データ(=01(オンを示す))がロードされる(図43(B)参照)。CPU56は、ロードしたデータをポート出力用RAM領域にセットする(ステップS417)。なお、図26に示されたソレノイド出力処理(ステップS32)において、ポート出力用RAM領域にセットされたデータにもとづいて開放ソレノイド75が駆動され、役物20が開放する。そして、ポインタの値を+1する(ステップS418)。ポインタの値は、開放パターンテーブルにおける2番目のデータが格納されているアドレスになる。すなわち、ポインタは、開放パターンテーブルにおける2番目のデータが格納されているアドレスを指すことになる。
さらに、CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータと次のアドレスのデータとをロードする(ステップS419)。ここでは、開放時間を示す2バイトのデータがロードされる(図43(B)参照)。そして、ロードしたデータを、開放時間または閉鎖時間を計測するためのオン時間/オフ時間タイマに設定する(ステップS421)。CPU56は、ポインタの値を+2しておく(ステップS422)。よって、ポインタは、開放パターンテーブルにおける3番目のデータが格納されているアドレスを指すことになる。
次いで、CPU56は、役物20の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS423)、役物20の開放制御を開始したことを示す役物開放開始フラグをセットする(ステップS424)とともに、役物20を開放してからの経過時間を計測するための役物開放後時間計測タイマをスタートさせる(ステップS425)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS426)。
図45〜図47は、役物開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、開放中処理時間タイマが既にタイムアウトしている(値が0になっている)か否か確認する(ステップS430)。タイムアウトしていれば、ステップS451に移行する。
開放中処理時間タイマがタイムアウトしていない場合には、開放中処理時間タイマの値を−1する(ステップS431A)。また、オン時間/オフ時間タイマの値を−1する(ステップS431B)。そして、CPU56は、オン時間/オフ時間タイマがタイムアウトした(値が0になった)か否か確認する(ステップS432)。タイムアウトしていれば、ステップS442に移行する。
オン時間/オフ時間タイマがタイムアウトしていない場合には、回転体86を回転駆動する回転体制御を実行する(ステップS433)。また、第1役物入賞スイッチ71aがオンしたら、すなわち役物20の第1進入口71に入賞した遊技球を検出したら(ステップS434A)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS435A)、演出制御用マイクロコンピュータ100に第1役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS436A)。また、第2役物入賞スイッチ72aがオンしたら、すなわち役物20の第2進入口72に入賞した遊技球を検出したら(ステップS434B)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS435B)、演出制御用マイクロコンピュータ100に第2役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS436B)。
また、役物排出スイッチ85aがオンしたら、すなわち役物から排出された遊技球を検出したら(ステップS437)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS438)。
また、スペシャルルート検出スイッチ72bがオンしたら、すなわち役物20内に進入した遊技球が可動部材77に進入(スペシャルルートに進入)したら(ステップS438A)、CPU56は、スペシャルルート検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS438B)。
また、遊技球が特定入賞口66Aに進入したことを示す特定領域スイッチ66aがオンしたら(ステップS439)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS440)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS441)。
ステップS442では、CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータをロードする。ロードしたデータをポート出力用RAM領域にセットする(ステップS443)。
始動動作状態における役物20の開放回数が1回に決定されている場合には、ロードしたデータはソレノイド出力データ(=00(オフを示す))である。また、始動動作状態における役物20の開放回数が2回に決定されている場合には、ロードしたデータはソレノイド出力データ(=00(オフを示す))またはソレノイド出力データ(=01(オンを示す))になる。すなわち、始動動作状態における役物20の開放回数が2回に決定されている場合、役物開放中処理において、最初にステップS442の処理が実行されるときには、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))であり、2回目にステップS442の処理が実行されるときには、2回目の開放に対応するソレノイド出力データ(=01(オンを示す))であり、3回目にステップS442の処理が実行されるときには、2回目の開放に対応するソレノイド出力データ(=00(オフを示す))である。
次いで、CPU56は、ポインタの値を+1し(ステップS444)、ポインタが指すアドレスのデータと次のアドレスのデータとをロードする(ステップS445)。ロードしたデータが0000(終了コード:図43(B)参照)であれば(ステップS446)、入賞監視タイマに入賞監視時間(例えば6秒)に相当する値を設定する(ステップS447)。
ロードしたデータが0000でなければ、ロードしたデータを、開放時間または閉鎖時間を計測するためのオン時間/オフ時間タイマに設定する(ステップS448)。そして、CPU56は、ポインタの値を+2しておく(ステップS449)。
ステップS452では、CPU56は、入賞監視タイマの値を−1する。そして、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否かを確認する(ステップS453A)。また、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていなければ、CPU56は、入賞監視タイマがタイムアウトしている(値が0になっている)か否か確認する(ステップS453B)。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか(ステップS453AのY)、または入賞監視タイマがタイムアウトしていれば(ステップSS453BのY)、CPU56は、役物開放後時間計測タイマをリセットする(ステップS454)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、役物閉鎖後処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS455)。一方、入賞監視タイマもタイムアウトしていなければ(ステップS453BのN)、ステップS456Aに移行する。
ステップS456Aでは、CPU56は、役物20内の第1貯留部を開放中であることを示す第1貯留部開放フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていれば、ステップS456Eに移行する。セットされていなければ、CPU56は、役物開放後時間計測タイマの値にもとづいて所定の第1貯留部の開放時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)8秒)を経過したか否かを確認する(ステップS456B)。第1貯留部の開放時間を経過していれば、CPU56は、第1貯留部ソレノイド90aを駆動して第1貯留部材93aを可動させることによって、第1貯留部を開放状態に制御する(ステップS456C)。そして、第1貯留部開放フラグをセットし(ステップS456D)、ステップS434Aに移行する。
役物20の第1進入口71から進入し第1経路を経由して第1貯留部に遊技球が貯留されていた場合には、ステップS456A〜S456Dの処理が行われることによって、役物20開放後の所定時間後に第1貯留部から開放され、回転体86に導かれる(図10、図11参照)。そして、特定入賞口66Aに入賞した場合にはステップS439の処理で特定領域スイッチ66aで検出され、特定入賞口66Aに入賞せずに排出された場合にはステップS437の処理で役物排出スイッチ85aで検出されることになる。
ステップS456Eでは、CPU56は、役物20内の第2貯留部を開放中であることを示す第2貯留部開放フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていれば、ステップS456Iに移行する。セットされていなければ、CPU56は、役物開放後時間計測タイマの値にもとづいて所定の第2貯留部の開放時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)12秒)を経過したか否かを確認する(ステップS456F)。第2貯留部の開放時間を経過していれば、CPU56は、第2貯留部ソレノイド90bを駆動して第2貯留部材93bを可動させることによって、第2貯留部を開放状態に制御する(ステップS456G)。そして、第2貯留部開放フラグをセットし(ステップS456H)、ステップS434Aに移行する。
ステップS456Iでは、CPU56は、役物開放後時間計測タイマの値にもとづいて所定の可動部材77の可動時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)13秒)を経過したか否かを確認する。可動部材77の可動時間を経過していれば、可動部材77を可動する可動部材制御を実行する(ステップS456J)。そして、ステップS434Aに移行する。
役物20の第2進入口72から進入し第2経路を経由して第2貯留部に遊技球が貯留されていた場合には、ステップS456E〜S456Jの処理が行われることによって、役物20開放後の所定時間後に第2貯留部から開放され、可動部材77が右上方から左下方に斜めに傾斜した状態に可動されることによって、可動部材77内を通って回転体86に導かれる(図12、図13参照)。そして、特定入賞口66Aに入賞した場合にはステップS437の処理で役物排出スイッチ85aで検出されるとともにステップS439の処理で特定領域スイッチ66aで検出され、特定入賞口66Aに入賞せずに排出された場合にはステップS437の処理で役物排出スイッチ85aで検出されることになる。
なお、この実施の形態では、開放中処理時間タイマがタイムアウトしてから役物内遊技球個数カウンタの値が0になるまで、すなわち役物20内の遊技球が全て排出されるまで、役物開放中処理において、役物入賞スイッチ71a,72aの検出信号、役物排出スイッチ85aの検出信号およびV入賞スイッチ22の検出信号の確認を行っているが、開放中処理時間タイマがタイムアウトしてからのそれらの確認を、役物開放中処理以外の処理(例えば、ステップS305の役物開放中処理とステップS306の役物閉鎖後処理との間で実行される別の処理)で実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、開放中処理時間タイマがタイムアウトするまで始動動作状態が継続するが、始動動作状態において所定個の遊技球が役物20に入賞したことが検出されたときに、開放中処理時間タイマがタイムアウトしていなくても、始動動作状態を終了させるようにしてもよい。例えば、CPU56は、役物入賞スイッチ71a,72aによって所定個(例えば、各役物入賞スイッチ71a,72aで最低1個ずつ)の遊技球が役物20に入賞したことを確認したときに、開放中処理時間タイマの値を0にする。
図48は、回転体制御を示すフローチャートである。回転体制御において、CPU56は、回転体86が動作中(回転体動作中)であるか否か(回転体動作中フラグがセットされているか否か)確認する(ステップS211)。動作中でなければ、役物開放開始フラグがセットされているか否か確認する(ステップS212)。役物開放開始フラグがセットされていたら、役物開放開始フラグをリセットするとともに(ステップS213)、回転体86の駆動を開始する(ステップS214)。すなわち、回転体駆動モータ87を回転させる。また、回転体動作中であることを示す回転体動作中フラグをセットする(ステップS215)。なお、この実施の形態では、役物20を開放したときに回転体86の駆動を開始する場合を示しているが、役物20の開閉にかかわらず、常に回転体86に一定の動作をさせるように制御してもよい。また、例えば、遊技状態にかかわらず、遊技機1の電源をオンとした後に常に回転体86を一定の動作で駆動するようにしてもよい。
回転体動作中である場合には(ステップS211のY)、CPU56は、回転体86の動作停止を要求する回転体動作停止要求フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS216)。回転体動作停止要求フラグがセットされている場合には、CPU56は、回転体駆動モータ87の駆動を停止して回転体86の回転を停止させる(ステップS217)とともに、回転体動作中フラグをリセットする(ステップS218)。そして、回転体86を初期位置に復帰させることを要求する回転体初期位置設定要求フラグをセットする(ステップS219)。
なお、回転体動作停止要求フラグは、役物閉鎖後処理でセットされる。また、回転体初期位置設定要求フラグは、ステップS33の初期位置制御処理で参照される。
図49は、可動部材制御を示すフローチャートである。可動部材制御において、CPU56は、可動部材77が動作中(可動部材動作中)であるか否か(可動部材動作中フラグがセットされているか否か)確認する(ステップS221)。動作中でなければ、CPU56は、可動部材77を既に可動済みであることを示す可動部材動作済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS222)。可動部材動作済フラグもセットされていなければ、CPU56は、可動部材駆動モータ77Bを駆動し、可動部材77の可動を開始する(ステップS223)。この場合、図7および図8に示すように、役物20内の上方で水平な状態から、役物20内の右上方から左下方に斜めに傾いた状態となるように可動部材77が可動する。なお、後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100によって連動して装飾部材78の可動制御が行われることによって、図7および図8に示すように、装飾部材78が可動部材77の前方に重なった状態で連動して可動される。また、可動部材動作中であることを示す可動部材動作中フラグをセットする(ステップS224)。
可動部材動作中である場合には(ステップS221のY)、CPU56は、下側位置センサ91bからのオン信号を検出したか否かを確認する(ステップS225)。下側位置センサ91bからのオン信号を検出した場合には、CPU56は、可動部材駆動モータ77Bの駆動を停止して可動部材77の可動を停止させる(ステップS226)。また、可動部材動作中フラグをリセットする(ステップS227)とともに、可動部材動作済フラグをセットする(ステップS228)。そして、可動部材77を初期位置に復帰させることを要求する可動部材初期位置設定要求フラグをセットする(ステップS229)。
なお、この実施の形態では、可動部材77の左端部分が最も下方まで可動してステップS226で可動を停止された場合には、ステップS229で可動部材初期位置設定要求フラグがセットされたことにもとづいて、ステップS33の初期位置制御処理にて直ちに可動部材77を初期位置に戻す処理が実行される。
図50は、役物閉鎖後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。役物閉鎖後処理において、CPU56は、図48に示す回転体制御で参照される回転体動作停止要求フラグをセットする(ステップS1450)。また、回転体制御を実行する(ステップS1451)。また、役物制御終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1452)。また、小当りフラグをリセットする(ステップS1453)。
次いで、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1454)。V入賞フラグがセットされていれば(すなわち、V入賞が発生していれば)、CPU56は、V入賞フラグをリセットし(ステップS1455)、開放回数カウンタに大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットする(ステップS1456)。例えば、開放回数として、小当りAであれば2回をセットし、小当りBであれば7回をセットし、小当りC、小当りDまたは小当りEであれば16をセットする。なお、この実施の形態では、V入賞後にラウンド数をセットする場合を示したが、V入賞前(例えば、役物20開放のタイミング)にセットするようにしてもよい。そして、役物制御中にV入賞がなかった場合には、セットしたラウンド数をクリアするようにしてもよい。次いで、CPU56は、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS1457)。また、大当りフラグをセットし(ステップS1458)、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1459)。
次いで、CPU56は、異常入賞判定カウンタに閾値として開放回数に応じた値を設定する(ステップS1459A)。この実施の形態では、小当りAである場合には異常入賞判定カウンタに「24」(12個×2ラウンド)の値をセットし、小当りBである場合には異常入賞判定カウンタに「84」(12個×7ラウンド)の値をセットし、小当りC、小当りDまたは小当りEである場合には異常入賞判定カウンタに「192」(12個×16ラウンド)の値をセットする。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS1460)。
V入賞フラグがセットされていなければ、すなわちV入賞が発生しなかった場合には(ステップS1454のN)、CPU56は、はずれ演出中タイマにはずれ演出中時間(この例では3秒)に相当する値を設定し(ステップS1461)、特別図柄プロセスフラグの値を、はずれ演出中処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS1462)。
図51は、ステップS33の初期位置制御処理を示すフローチャートである。初期位置制御処理において、CPU56は、可動部材初期位置設定中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1241)。セットされている場合には、ステップS1247に移行する。セットされていない場合には、可動部材初期位置設定要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1242)。セットされていない場合には、ステップS1250に移行する。セットされている場合には、可動部材初期位置設定要求フラグをリセットし(ステップS1243)、第2貯留部ソレノイド90bを駆動して第2貯留部材93bを可動させることによって、第2貯留部を閉鎖状態に戻す(ステップS1244)。次いで、CPU56は、可動部材駆動モータ77Bを駆動し、可動部材77の可動を開始する(ステップS1245)。この場合、CPU56は、役物開放中処理において実行する可動部材制御とは逆方向に可動部材駆動モータ77Bを駆動する。したがって、可動部材77は、役物20内の右上方から左下方に斜めに傾いた状態から、再び役物20内の上方で水平な状態に戻るように可動する。なお、既に可動部材駆動モータ77Bの駆動中であれば、CPU56は、駆動を継続させる。また、可動部材初期位置設定中フラグをセットする(ステップS1246)。
そして、上側位置センサ91aがオン(上側位置センサ91aから検出信号が出力されること)したら、可動部材77の可動を停止させるために可動部材駆動モータ77Bの駆動を停止する(ステップS1247,S1248)。また、可動部材初期位置設定中フラグをリセットする(ステップS1249)。
次いで、CPU56は、回転体初期位置設定中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1250)。セットされている場合には、ステップS1256に移行する。セットされていない場合には、回転体初期位置設定要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1251)。セットされていない場合には、そのまま処理を終了する。セットされている場合には、回転体初期位置設定要求フラグをリセットし(ステップS1252)、第1貯留部ソレノイド90aを駆動して第1貯留部材93aを可動させることによって、第1貯留部を閉鎖状態に戻す(ステップS1253)。次いで、CPU56は、回転体駆動モータ87を駆動し、回転体86の駆動を開始する(ステップS1254)。なお、既に回転体駆動モータ87の駆動中であれば、CPU56は、駆動を継続させる。また、回転体初期位置設定中フラグをセットする(ステップS1255)。
そして、回転体位置センサ87aがオン(回転体位置センサ87aから検出信号が出力されること)したら、回転体86の駆動を停止させるために回転体駆動モータ87の駆動を停止する(ステップS1256,S1257)。また、回転体初期位置設定中フラグをリセットする(ステップS1258)。
始動動作状態が終了したとき(具体的には、ステップS458で回転体動作停止要求フラグがセットされステップS459の回転体制御で回転体初期位置設定要求フラグがセットされたとき)に開始されるステップS1254の処理が実行されてからステップS1256の判定処理で「Y」になるまでの時間は、例えば、最長で1秒である。この実施の形態では、特別図柄の変動時間は最短で10秒である(図30参照)。また、始動動作状態が終了したときに、保留記憶にもとづいて(すなわち、始動入賞の発生にもとづいて)次の始動動作状態が開始されるまでに必ず、始動動作状態が終了した時点から10秒以上の特別図柄の変動が実行されるので、CPU56は、始動動作状態が終了したしたときから所定時間(例えば、10秒)が経過したことを条件に、所定条件の成立(始動入賞の発生)に起因する新たな始動動作状態の制御を開始し、所定時間は、役物20を初期位置に設定するのに要する時間よりも長く設定されていることになる。
図52は、はずれ演出中処理(ステップS307)を示すフローチャートである。はずれ演出中処理において、CPU56は、はずれ演出中時間タイマの値を−1する(ステップS1470)。はずれ演出中時間タイマの値が0になったら、すなわちはずれ演出中時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1471)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS1472)。
図53は、大当り遊技(第1大当り遊技および第2大当り遊技)における各ラウンドの前に実行される大入賞口開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放時表示コマンドを送信していなければ大入賞口開放時表示コマンドを送信する制御を行う(ステップS470,S471)。また、ラウンド開始前タイマの値を−1する(ステップS472)。ラウンド開始前タイマがタイムアウト(ラウンド開始前タイマの値が0)したら(ステップS473)、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS474)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
次いで、CPU56は、大当りBフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS474A)。大当りBフラグがセットされていれば、CPU56は、大当りの第1ラウンド目または第2ラウンド目であるか否かを確認する(ステップS474B)。なお、第1ラウンド目または第2ラウンド目であるか否かは、具体的には、大当り中のラウンド数をカウントするためのラウンド数カウンタの値が第1ラウンド目または第2ラウンド目を示す値(例えば「1」、「2」)であるか否かを確認することにより判定すればよい。この場合、ラウンド数カウンタの値は、各ラウンドを実行するごとに1ずつ加算される。
第1ラウンド目または第2ラウンド目であれば(ステップS474BのY)、CPU56は、開放時間タイマに開放時間(例えば、始動動作時における役物20の開放時間と同じ0.7秒)に相当する値を設定する(ステップS474C)。さらに、役物20を開放状態に制御する。具体的には、開放ソレノイド75を駆動して開放扉76A,76Bを開放状態に制御する(ステップS474D)。そして、ステップS478に移行する。
大当りBフラグがセットされていない場合(ステップS474AのN)、または第3ラウンド目以降である場合(ステップS474BのN)には、CPU56は、開放時間タイマに開放時間に相当する値を設定する(ステップS475)。この場合、大当りA、大当りB、小当りA、小当りBまたは小当りEである場合には、開放時間タイマに開放時間として29秒をセットする。また、小当りCである場合には、開放時間タイマに開放時間として3秒をセットする。また、小当りDである場合には、開放時間タイマに開放時間として10秒をセットする。さらに、大入賞口(特別可変入賞球装置120)を開放状態に制御する。具体的には、ソレノイド21を駆動して開閉板16を開状態にする(ステップS477)。次いで、大入賞口を開放中であることを示す大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS477A)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS309)に対応した値に更新する(ステップS478)。
図54は、大入賞口開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS481)。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS499に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS482)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS499に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS483)。
次いで、CPU56は、大当りBフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS483A)。大当りBフラグがセットされていれば、CPU56は、大当りの第1ラウンド目または第2ラウンド目であるか否かを確認する(ステップS483B)。なお、第1ラウンド目または第2ラウンド目であるか否かは、具体的には、大当り中のラウンド数をカウントするためのラウンド数カウンタの値が第1ラウンド目または第2ラウンド目を示す値(例えば「1」、「2」)であるか否かを確認することにより判定すればよい。
第1ラウンド目または第2ラウンド目であれば(ステップS474BのY)、CPU56は、第1役物入賞スイッチ71aまたは第2役物入賞スイッチ72aがオンしたか否かを確認する(ステップS483C)。第1役物入賞スイッチ71aまたは第2役物入賞スイッチ72aがオンしたら、すなわち役物20に入賞した遊技球を検出したら、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS483D)。
大当りBフラグがセットされていない場合(ステップS483AのN)、または第3ラウンド目以降である場合(ステップS483BのN)には、CPU56は、カウントスイッチ23がオンしたか否かを確認する(ステップS486)。カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち大入賞口(特別可変入賞球装置120)に入賞した遊技球を検出したら、異常入賞判定カウンタの値を1減算する(ステップS487)とともに、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS488)。
開放時間タイマがタイムアウトした場合には(ステップS481のY)、CPU56は、大当りBフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS496)。大当りBフラグがセットされていれば、CPU56は、大当りの第1ラウンド目または第2ラウンド目であるか否かを確認する(ステップS497)。なお、第1ラウンド目または第2ラウンド目であるか否かは、具体的には、大当り中のラウンド数をカウントするためのラウンド数カウンタの値が第1ラウンド目または第2ラウンド目を示す値(例えば「1」、「2」)であるか否かを確認することにより判定すればよい。
第1ラウンド目または第2ラウンド目であれば(ステップS497のY)、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、開放ソレノイド75の駆動を停止して開放扉76A,76Bを閉状態にする(ステップS498)。そして、ステップS499Aに移行する。
大当りBフラグがセットされていない場合(ステップS496のN)、または第3ラウンド目以降である場合(ステップS497のN)には、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板16を閉状態にする(ステップS499)。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS499A)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後表示コマンドを送信する制御を行い(ステップS500)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS310)に対応した値に更新する(ステップS501)。
図55は、大入賞口閉鎖後処理(ステップS310)を示すフローチャートである。大入賞口閉鎖後処理において、CPU56は、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS513)。開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS517に移行する(ステップS514)。開放回数カウンタの値が0になっている場合、すなわち、大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合には、大当りフラグをリセットする(ステップS521)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS311)に対応した値に更新する(ステップS526)。
なお、この実施の形態では、大当り遊技が終了すると、時短状態(特別図柄の変動時間が短縮される状態)になる場合があるが、その状態は、時短回数カウンタにセットされた値が示す回数の特別図柄の変動が終了するまで継続する。
ステップS517では、CPU56は、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定して(ステップS517)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS518)。
なお、大入賞口内の特別領域に遊技球が入賞した(V入賞した)ことを条件に、次ラウンドに移行することとしてもよい。
図56は、大当り終了処理(ステップS311)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS531)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS534に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS532)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS533)、処理を終了する。
ステップS534では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS535)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS536)。時短フラグがセットされていなければ、ステップS541に移行する。時短フラグがセットされていれば、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS537)。そして、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かに応じて時短回数カウンタに時短回数をセットする(ステップS538,S539)。また、ステップS541では、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かを確認する。そして、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かに応じて時短回数カウンタに時短回数をセットする(ステップS542,S543)。
この実施の形態では、時短フラグおよびV入賞フラグがセットされている場合(つまり、有利状態時の小当り遊技で遊技球がV入賞した場合)に、特別図柄プロセス処理では、時短回数カウンタに時短回数が10回であることを示す10がセットされる(ステップS536,S537,S539)。そして、CPU56は、V入賞フラグをリセットする(ステップS540)。また、時短フラグがセットされ、V入賞フラグがセットされていない場合(つまり、有利状態で、ステップS61,S62で大当りとすると決定された場合)に、特別図柄プロセス処理では、時短回数カウンタに時短回数が15回であることを示す15がセットされる(ステップS536,S537,S538)。
また、時短フラグがセットされておらず、V入賞フラグがセットされている場合(つまり、通常状態時の小当り遊技で遊技球がV入賞した場合)に、特別図柄プロセス処理では、時短回数カウンタに時短回数が3回であることを示す3がセットされる(ステップS536,S541,S543)。そして、CPU56は、V入賞フラグをリセットし(ステップS544)、ステップS545に移行する。さらに、時短フラグおよびV入賞フラグがセットされていない場合(つまり、通常状態で、ステップS61,S62で大当りとすると決定された場合)に、特別図柄プロセス処理では、時短回数カウンタに時短回数が5回であることを示す5がセットされる(ステップS536,S541,S542)。ステップS545では、時短フラグがセットされる(ステップS545)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS546)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)について説明する。図57は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS4111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS4112)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS4100〜S4103に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(ステップS4112):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(MR4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS4100):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS4100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS4101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS4101):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS4102)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS4102):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS4100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、可変入賞球装置15の開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS4103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS4103):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行う(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS4100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図58〜図60は、ステップS23の異常報知処理を示すフローチャートである。異常報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS251)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(ステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS255に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS252)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS253,S254)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるか否か確認する(ステップS255)。特別図柄プロセスフラグの値が8以上である状態は、大当り遊技中である状態である。一方、特別図柄プロセスフラグの値が8未満である状態は、大当り遊技中以外の平常状態である。
特別図柄プロセスフラグの値が8未満であれば(ステップS255のN)、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS256)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(この実施の形態では01(H))との論理積をとる(ステップS257)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。論理積の演算結果が0(00(H))であれば(ステップS258のY)、ステップS263に移行する。
論理積の演算結果が01(H)である場合(ステップS258のN)、CPU56は、異常入賞判定カウンタの値を−1する(ステップS259)、ステップS259の処理は、平常状態における大入賞口への異常入賞数をカウントする処理に相当する。
異常入賞判定カウンタの値を−1した後(ステップS259の処理の実行後)または特別図柄プロセス処理の値が8以上である場合には(ステップS255のY)、CPU56は、異常入賞判定カウンタの値が0であるかどうか確認する(ステップS260)。ここで、異常入賞判定カウンタの値が0であるということは、平常状態において大入賞口への入賞数が「3」に達したこと、16ラウンドの大当り遊技状態において大入賞口への入賞数が「192」に達したこと、2ラウンドの小当りA後の大当り遊技状態において大入賞口への入賞数が「24」に達したこと、7ラウンドの小当りB後の大当り遊技状態において大入賞口への入賞数が「84」に達したこと、または16ラウンドの小当りC〜E後の大当り遊技状態において大入賞口への入賞数が「192」に達したことを意味する。この場合、上述したように、各々の遊技状態において大入賞口への入賞が許容されている閾値(許容数)に達したこととなり、異常入賞が生じたと判定する。そこで、CPU56は、演出制御基板80に異常入賞の報知を指示する異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS261)。異常入賞判定カウンタの値が0でなければ(ステップS260のN)、ステップS263に移行する。
また、CPU56は、大入賞口への異常入賞が生じたと判定したことにもとづいて、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS262)。異常信号情報タイマは、情報端子盤34から出力する異常信号のオン時間を計測するためのタイマである。異常信号情報タイマの値が0でなければ、後述する情報出力処理において情報端子盤34を介して異常信号が外部出力される。従って、ステップS262において、異常信号情報タイマに所定時間がセットされることによって、情報端子盤34を介した異常信号の外部出力が開始される。
以上のように、ステップS262の処理が実行されることにより、異常信号が外部出力され、異常入賞発生の可能性を早期に外部(具体的には、遊技店)に知らせることができる。また、ステップS261の処理が実行されることにより、異常入賞報知指定コマンドが送信されることによって、遊技機側において確実に異常入賞が発生してから異常報知を行うようにすることができ、遊技者に不快感を与えないようにすることができる。
ステップS263では、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する。普通図柄プロセスフラグの値が3である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開放状態であると判断される状態(可変入賞球装置15が物理的に開いている状態のときと、可変入賞球装置15が物理的に閉鎖されてから所定のインターバル期間を経過するまでの状態のときとを含む)である。そのような状態であれば(ステップS263のY)、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性があるので、第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行わずに、ステップS279の処理に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は(ステップS263のN)、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開放状態以外の状態と判断される状態である。このような状態のときに第2始動入賞口14に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞である可能性がある。従って、以下に示す第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が3でなければ(ステップS263のN)、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS264)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2始動口スイッチ入力ビット判定値(この実施の形態では80(H))との論理積をとる(ステップS265)。スイッチオンバッファの内容が80(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14aがオンしているときには、論理積の演算結果は80(H)になる。第2始動口スイッチ14aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS266のN)、第2始動入賞口14が開放状態(所定のインターバル期間の状態を含む)以外の状態であるにもかかわらず、第2始動入賞口14に遊技球が入賞した場合である。この場合、CPU56は、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことを報知すると判定し、演出制御基板80に、始動異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS267)。
次いで、CPU56は、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定したことにもとづいて、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS268)。
以上のように、ステップS268の処理が実行されることにより、異常信号が外部出力され、始動異常入賞発生の可能性を早期に外部(具体的には、遊技店)に知らせることができる。また、ステップS267の処理が実行されることにより、始動異常入賞報知指定コマンドが送信されることによって、遊技機側において確実に始動異常入賞が発生してから始動異常報知を行うようにすることができ、遊技者に不快感を与えないようにすることができる。
以上のような処理によって、大当り遊技が行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、異常信号が情報端子盤34を介して外部出力されるとともに、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、可変入賞球装置15が開閉動作していない状態(第2始動入賞口14が開放状態以外の状態)において第2始動口スイッチ14aがオンした場合にも、異常信号が情報端子盤34を介して外部出力されるとともに、始動異常入賞報知指定コマンドが送信される。
また、ステップS251〜S253の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
なお、ステップS255の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしている。そのため、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、特別可変入賞球装置120が閉鎖した後に大当り終了処理が所定時間実行されるので、特別可変入賞球装置120が閉鎖する直前に大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、ステップS263の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしている。そのため、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。
次いで、CPU56は、磁気センサが出力する磁気検出信号がオン状態となったか否かを確認する(ステップS279)。磁気検出信号がオン状態であれば、CPU56は、大入賞口への磁気異常を検出したと判定し、演出制御基板80に、磁気異常報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS280)。また、CPU56は、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS281)。
ステップS279〜S281の処理が実行されることによって、磁石などを用いて大入賞口に遊技球を入賞させるような不正行為が行われた場合に異常を検出することができ、異常の発生を報知できるとともに情報端子盤34を介して外部出力することができる。
次いで、CPU56は、振動センサが出力する振動検出信号がオン状態となったか否かを確認する(ステップS282)。振動検出信号がオン状態であれば、CPU56は、遊技機の振動異常状態を検出したと判定し、演出制御基板80に、振動異常報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS283)。また、CPU56は、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS284)。
ステップS282〜S284の処理が実行されることによって、遊技機を振動させて遊技球を不正に入賞させるような行為が行われた場合に異常を検出することができ、異常の発生を報知できるとともに情報端子盤34を介して外部出力することができる。
次いで、CPU56は、大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS285)。大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS285のY)、大入賞口が開放状態に制御されているときである。そのような状態で、大入賞口開信号がオン状態でない場合には(ステップS289のN)、大入賞口に異常が発生している可能性がある。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって大入賞口を開放状態にする制御が行われたにもかかわらず、大入賞口が開放されていない異常が発生していると考えられる。そこで、CPU56は、演出制御基板80に、異常開放報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS290)。また、CPU56は、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS291)。
また、大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS285のN)、大入賞口が閉鎖状態に制御されているときである。そのような状態で、大入賞口開信号がオン状態である場合には(ステップS286のY)、大入賞口に異常が発生している可能性がある。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって大入賞口を閉鎖状態にする制御が行われたにもかかわらず、大入賞口が閉鎖されていない異常が発生していると考えられる。そこで、CPU56は、演出制御基板80に、異常開放報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS287)。また、CPU56は、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS288)。
なお、大入賞口開放中フラグがセットされている場合に大入賞口が開放されていないこと、および大入賞口開放中フラグがセットされていない場合に大入賞口が開放されていることを、異常開放と記す。
ここで、ステップS287,288の処理は、大入賞口が開放状態に制御されていない状態において、大入賞口が開放された場合に実行される処理である。つまり、不正行為がなされたと考えられる場合に実行される処理である。一方、ステップS290,291の処理は、大入賞口が開放状態に制御されている状態において、大入賞口が開放されない場合に実行される処理である。つまり、不正行為がなされていないと考えられる場合(例えば、ソレノイド21の故障などにより大入賞口が開放されない場合)に実行される処理である。したがって、不正行為がなされていないと考えられる場合にも、不正行為発生時と同様な異常報知が行われる。そこで、ステップS290の処理では、ステップS287で送信されるコマンドと異なるコマンドを送信し、ステップS287でコマンドが送信された場合とは異なる態様で異常の発生を報知するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、不正行為がなされていないと考えられる場合に、不正行為発生時と同様な異常報知を行うことによる遊技興趣の低下や、遊技者とのトラブル発生を防止することができる。
図61〜図66は、ステップS30の情報出力処理を示すフローチャートである。なお、図61〜図66に示す処理のうち、ステップS1002〜S1030が始動口1信号を出力するための処理であり、ステップS1031〜S1036が図柄確定回数1信号を出力するための処理であり、ステップS1050〜S1061が大当り1信号、大当り2信号および時短信号を出力するための処理である。また、ステップS1069〜S1074が異常信号を出力するための処理であり、ステップS1075〜S1101が賞球情報信号を出力するための処理である。
情報出力処理において、CPU56は、初期値(00(H))をRAM55に形成されている情報バッファにセットする(ステップS1001)。そして、始動口1情報設定テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS1002)、ポインタの指す処理数をロードする(ステップS1003)。始動口1情報設定テーブルには、処理数(=2)と始動口1スイッチ入力ビット(第1始動口スイッチ入力ビット判定値(40(H))と始動口2スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ入力ビット判定値(80(H))とが設定されている。ステップS1003では、ポインタが始動口1情報設定テーブルの処理数のアドレスを指しているので、始動口1情報設定テーブルにおける処理数(=2)のデータがロードされることになる。
次いで、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS1004)、スイッチオンバッファをスイッチ入力データにセットする(ステップS1005)。そして、ポインタを1加算し(ステップS1006)、ポインタの指す始動口スイッチ入力ビット(このときは始動口1スイッチ入力ビット)をレジスタにロードし(ステップS1007)、始動口1スイッチ入力ビットとスイッチ入力データの論理積をとる(ステップS1008)。スイッチオンバッファの内容が40(H)であったとき、すなわち第1始動口スイッチ13aがオンしているときは、論理積の演算結果は40(H)になる。第1始動口スイッチ13aがオンしていないときは、論理積の演算結果は、00(H)になる。
論理積の演算結果が0の場合には(ステップS1009のY)、ステップS1015の処理に移行する。論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS1009のN)、第1始動入賞口13への入賞が生じたと判定し、始動口1情報記憶カウンタをレジスタにロードする(ステップS1010)。始動口1情報記憶カウンタは、始動口1信号の残り出力回数(つまり、始動口1信号の未出力の第1始動入賞の残り入賞個数)をカウントするカウンタである。次いで、CPU56は、始動口1情報記憶カウンタを1加算する(ステップS1011)。そして、演算結果(加算した結果)が0でないかどうかを確認する(ステップS1012)。演算結果が0のときは(ステップS1012のN)、演算結果を1減算する(ステップS1013)。そして、演算結果を始動口1情報記憶カウンタにストアする(ステップS1014)。
次に、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS1015)、処理数が0でないかどうかを判定する(ステップS1015)。処理数が0でないときは(ステップS1016のY)、ステップS1004の処理に移行する。そして、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS1004)、スイッチオンバッファをスイッチ入力データにセットする(ステップS1005)。そして、ポインタを1加算し(ステップS1006)、ポインタの指す始動口スイッチ入力ビット(このときは始動口2スイッチ入力ビット)をレジスタにロードし(ステップS1007)、始動口2スイッチ入力ビットとスイッチ入力データの論理積をとる(ステップS1008)。スイッチオンバッファの内容が80(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14aがオンしているときは、論理積の演算結果は80(H)になる。第2始動口スイッチ14aがオンしていないときは、論理積の演算結果は、00(H)になる。その後、上述したステップS1009〜S1016の処理が実行される。
ステップS1016で処理数が0であると判定されると(ステップS1016のN)、CPU56は、始動口1情報記憶タイマをロードし(ステップS1017)、始動口1情報記憶タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1018)、始動口1信号が出力中であるか否かを判定する(ステップS1019)。始動口1情報記憶タイマは、始動口1信号のオン時間およびオフ時間(後述するオン時間200msとオフ時間200ms)を計測するためのタイマである。始動口1情報記憶タイマの値が0でなければ始動口1信号が出力中であると判定され、始動口1情報記憶タイマの値が0であれば始動口1信号が出力中でないと判定される。
始動口1信号が出力中であれば(ステップS1019のY)、ステップS1026の処理に移行する。始動口1信号が出力中でなければ(ステップS1019のN)、CPU56は、始動口1情報記憶カウンタをロードし(ステップS1020)、始動口1情報記憶カウンタの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1021)、始動口1信号の出力回数の残数があるかどうかを判定する(ステップS1022)。なお、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしたときは(ステップS1009のN)、始動口1情報記憶カウンタが1加算されるので、始動口1信号の出力回数の残数があると判定されることになる。
始動口1信号の出力回数の残数がなければ(ステップS1022のY)、ステップS1031の処理に移行する。始動口1信号の出力回数の残数があれば(ステップS1023のN)、CPU56は、始動口1情報記憶カウンタを1減算し(ステップS1023)、演算結果(1減算した結果)を始動口1情報記憶カウンタにストアする(ステップS1024)。そして、入賞情報動作時間(200)をレジスタにセットする(ステップS1025)。なお、入賞情報動作時間(200)は、2msのタイマ割込みが200回実行される時間、すなわち、0.400秒(400ms)の時間となっている。
次に、CPU56は、ステップS1025で入賞情報動作時間がセットされていなければ始動口1情報記憶タイマを1減算し、ステップS1025で入賞情報動作時間がセットされていれば入賞情報動作時間を1減算する(ステップS1026)。そして、演算結果(1減算した結果)を始動口1情報記憶タイマにストアする(ステップS1027)。
CPU56は、演算結果と入賞情報オン時間(100)を比較し(ステップS1029)、演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間であるかどうかを判定する(ステップS1030)。なお、入賞情報オン時間(100)は、2msのタイマ割込みが100回実行される時間、すなわち、0.200秒(200ms)の時間となっている。
演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間でない場合、つまり、演算結果(始動口1情報記憶タイマの残り時間)が入賞情報オン時間(200ms)よりも長い時間である場合は(ステップS1029のN)、CPU56は、情報バッファの始動口1出力ビット位置(図21に示す例では出力ポート2のビット0)をセットする(ステップS1030)。情報バッファの始動口1出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート2に出力することによって、始動口1信号が出力ポート2から出力されることになる。
以上に示したステップS1001〜S1030の処理によって、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞(第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aのオン)が発生すると、始動口1信号が出力される。すなわち、始動口1信号が200ms間オン状態となった後、200ms間オフ状態になる。この始動口1信号がホールコンピュータに入力されることによって、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞個数を認識させることができる。
始動口1信号は、200ms間オン状態となった後、200ms間オフ状態になるので、短時間に連続して始動入賞が発生した場合であっても、200ms間のオフ状態の後に次の始動口1信号が出力される。すなわち、始動口1信号は少なくとも200msの間隔をあけて出力される。
このように、始動口1信号は少なくとも200msの間隔をあけて出力されるので、ホールコンピュータは、全始動入賞数を確実に把握することができる。
次に、CPU56は、図柄確定回数1情報タイマをレジスタにロードし(ステップS1031)、図柄確定回数1情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1032)、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1033)。この実施の形態では、特別図柄変動中処理(ステップS303)において、変動時間がタイムアウトすると、第1特別図柄の変動を停止するときおよび第2特別図柄の変動を停止するときに、図柄確定回数1情報タイマに図柄確定回数出力時間(本例では0.500秒)がセットされ、その図柄確定回数出力時間が経過していないときは、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、図柄確定回数出力時間が経過したとき(図柄確定回数1情報タイマの値が0のとき)に、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1033のN)、図柄確定回数1情報タイマを1減算し(ステップS1034)、演算結果を図柄確定回数1情報タイマにストアする(ステップS1035)。そして、情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置(図21に示す例では出力ポート2のビット1)をセットする(ステップS1036)。情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート2に出力することによって、図柄確定回数1信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。なお、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1033のY)、ステップS1036の処理が実行されない結果、図柄確定回数1信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1031〜S1036の処理によって、特別図柄の変動が停止(停止図柄が確定)する度に、図柄確定回数1信号が図柄確定回数出力時間(例えば500ms)オン状態となる。
次に、CPU56は、特別図柄プロセスフラグをロードし(ステップS1050)、特別図柄プロセスフラグの値と大入賞口開放前処理指定値(「8」)を比較し(ステップS1051)、特別図柄プロセスフラグの値が8未満であるかどうかを判定する(ステップS1052)。特別図柄プロセスフラグの値が8未満であるときは(ステップS1052のY)、ステップS1055の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるときは(ステップS1052のN)、情報バッファの大当り1出力ビット位置をセットする(ステップS1053)。また、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(ステップS1054)。情報バッファの大当り1出力ビット位置および大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート2に出力することによって、大当り1信号および大当り2信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。
また、CPU56は、時短状態であるか否かを確認する時短チェック処理を実行し(ステップS1058)、時短状態であるか否かを判定する(ステップS1059)。具体的には、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認することによって、時短状態であるか否かを判定する。時短状態であるときは(ステップS1059のY)、情報バッファの時短出力ビット位置をセットする(ステップS1060)。時短出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート2に出力することによって、時短信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。また、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(ステップS1061)。大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート2に出力することによって、大当り2信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。
以上に示したステップS1050〜S1061の処理によって、大当りや遊技状態に応じた大当り1信号、大当り2信号および時短信号が出力される(オン状態になる)。
ホールコンピュータは、時短信号を入力することによって、遊技状態を把握することができる。具体的には、時短信号がオン状態であるときは、遊技状態が時短状態であると判断することができ、時短信号がオフ状態であるときは、遊技状態が通常遊技状態であると判断することができる。
次いで、CPU56は、異常信号情報タイマをロードし(ステップS1069)、異常信号情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1070)、異常信号情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1071)。異常報知処理(ステップS23)において、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)がセットされ、その所定時間が経過していないときは、異常信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(異常信号情報タイマの値が0のとき)に、異常信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
異常信号情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1071のN)、異常信号情報タイマを1減算し(ステップS1072)、演算結果を異常信号情報タイマにストアする(ステップS1073)。そして、情報バッファの異常信号出力ビット位置(図21に示す例では出力ポート3のビット0)をセットする(ステップS1074)。情報バッファの異常信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート2に出力することによって、異常信号が出力ポート3から出力される(オン状態となる)。なお、異常信号情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1071のY)、ステップS1074の処理が実行されない結果、異常信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1069〜S1074の処理によって、大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞、大入賞口周辺の磁気異常、遊技機の振動異常状態、大入賞口の異常開放を検出してから30秒間が経過するまで、情報端子盤34の共通のコネクタCN6を用いて異常信号が出力される。また、異常信号の出力を開始してから30秒以内にさらに他の異常を検出した場合には、最後に異常を検出してから30秒間が経過するまで異常信号が出力される。
なお、この実施の形態では、大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞、大入賞口周辺の磁気異常、遊技機の振動異常状態、大入賞口の異常開放の全てについて、異常検出した場合に情報端子盤34の共通のコネクタCN6を用いて異常信号を出力する場合を示したが、必ずしもこれら全ての異常を共通のコネクタを用いて出力する必要はなく、いずれか2以上を共通のコネクタを用いて出力するようにしてもよい。また、この実施の形態では、大入賞口への異常入賞と第2始動入賞口14への異常入賞の両方について、異常検出した場合に情報端子盤34を介して外部出力する場合を示したが、いずれか一方の異常入賞のみを検出した場合に情報端子盤34を介して外部出力するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技機の異常として、大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞、大入賞口周辺の磁気異常、遊技機の振動異常状態、大入賞口の異常開放を検出した場合に、異常信号を外部出力する場合を示したが、遊技機の他の異常を検出したことにもとづいて異常信号を外部出力するようにしてもよい。例えば、球払出装置97内の遊技球検出部において異常を検出したことや、球払出装置97の払い出し動作中以外のタイミングで遊技球を検出したこと、球払出装置97内で遊技球が詰まったことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、払い出し動作が行なわれたにもかかわらず、払出個数カウントスイッチ301が遊技球を1個も検出できなかったことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、満タンエラーが発生したこと(具体的には、満タンスイッチ48からのオン信号を入力したこと)や、球切れエラーが発生したこと(具体的には、球切れスイッチ187からのオン信号を入力したこと)にもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。
また、例えば、遊技機が搭載する電源回路に過電流が流れたことを検出したことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、主基板31と払出制御基板37との未接続状態を検出したことや、主基板31と払出制御基板37との間の通信エラー(例えば、賞球REQ信号通信エラー)を検出したことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、球払出装置97と払出制御基板37との未接続状態を検出したことや、球払出装置97と払出制御基板37との間の通信エラーを検出したことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載する乱数回路503の異常を検出したことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、ドア開放スイッチ154,155からのドア開放信号を、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由せずに、バックアップ電源回路506を介して、情報端子盤34に出力する場合を示したが、ドア開放スイッチ154,155からのドア開放信号も異常信号として、他の異常を検出した場合と共通の情報端子盤34のコネクタCN6を用いて外部出力するようにしてもよい。
次に、CPU56は、賞球払出個数カウンタのアドレスをポインタにセットする(ステップS1075)。賞球払出個数カウンタは、払出制御用マイクロコンピュータ370からの賞球カウント信号のパルスをカウントするカウンタである。次いで、CPU56は、入力ポート1の賞球カウント信号のビットのデータを読み込む(ステップS1076)。そして、賞球カウント信号タイマをロードする(ステップS1077)。賞球カウント信号タイマは、賞球カウント信号のオン状態の時間を判定するタイマである。
そして、CPU56は、賞球カウント信号のビットのデータが「1」であるかどうかを判定し(ステップS1078)、「1」であれば、賞球カウント信号タイマを1加算し(ステップS1079)、「1」でなければ(「0」であれば)、賞球カウント信号タイマを0クリアする(ステップS1080)。次いで、CPU56は、賞球カウント信号タイマとスイッチオン判定値(2)を比較し(ステップS1081)、賞球カウント信号タイマの値がスイッチオン判定値(2)と一致するかどうかを判定する(ステップS1082)。賞球カウント信号タイマの値がスイッチオン判定値(2)と一致しなければ(ステップS1082のY)、ステップS1088の処理に移行する。一致すれば(ステップS1082のN)、確かに賞球カウント信号が入力されたと判断して(4ms連続して賞球カウント信号が入力されたと判断して)、賞球払出個数カウンタを1加算する(ステップS1083)。なお、ステップS1077〜S1081の処理は、確実に賞球カウント信号が入力されたことを確認する処理であるが、払出制御用マイクロコンピュータ370においても、ステップS1077〜S1081と同様の処理で、確実に払出個数カウントスイッチ301からの検出信号が入力されたことを確認するようにしてもよい。
そして、賞球払出個数カウンタの値が10であるかどうかを判定する(ステップS1084)。賞球払出個数カウンタの値が10でなければ(ステップS1084のN)、ステップS1088の処理に移行する。賞球払出個数カウンタの値が10であれば(ステップS1084のY)、クリアデータを賞球払出個数カウンタにストアする(ステップS1085)。これにより、賞球払出個数カウンタがクリアされる。次いで、CPU56は、賞球信号出力回数カウンタをロードし(ステップS1086)、賞球信号出力回数カウンタを1加算する(ステップS1087)。賞球信号出力回数カウンタは、賞球信号の残り出力回数をカウントするカウンタである。
そして、CPU56は、賞球信号出力タイマをロードし(ステップS1088)、賞球信号出力タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1089)、賞球信号が出力中であるかどうかを判定する(ステップS1090)。賞球信号出力タイマは、賞球信号のオン時間およびオフ時間(後述するオン時間100msとオフ時間100ms)を計測するためのタイマである。賞球信号出力タイマの値が0でなければ賞球信号が出力中であると判定され、賞球信号出力タイマの値が0であれば賞球信号が出力中でないと判定される。
賞球信号が出力中であれば(ステップS1090のY)、ステップS1097の処理に移行する。賞球信号が出力中でなければ(ステップS1090のN)、CPU56は、賞球信号出力回数カウンタをロードし(ステップS1091)、賞球信号出力回数カウンタの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1092)、賞球信号の出力回数の残数があるかどうかを判定する(ステップS1093)。
賞球信号の出力回数の残数がなければ(ステップS1093のY)、ステップS1102の処理に移行する。賞球信号の出力回数の残数があれば(ステップS1093のN)、CPU56は、賞球信号出力回数カウンタを1減算し(ステップS1094)、演算結果(1減算した結果)を賞球信号出力回数カウンタにストアする(ステップS1095)。そして、遊技情報信号動作動作時間(100)をレジスタにセットする(ステップS1096)。なお、遊技情報信号動作時間(100)は、2msのタイマ割込みが100回実行される時間、すなわち、0.200秒(200ms)の時間となっている。
次に、CPU56は、ステップS1096で遊技情報信号動作時間がセットされていなければ賞球信号出力タイマを1減算し、ステップS1096で遊技情報信号動作時間がセットされていれば遊技情報信号動作時間を1減算する(ステップS1097)。そして、演算結果(1減算した結果)を賞球信号出力タイマにストアする(ステップS1098)。
CPU56は、演算結果(賞球信号出力タイマの残り時間)と遊技情報信号出力時間判定値(50)を比較し(ステップS1099)、賞球信号出力タイマの残り時間が遊技情報信号出力時間判定値(50)よりも短い時間であるかどうかを判定する(ステップS1100)。なお、遊技情報信号出力時間判定値(50)は、2msのタイマ割込みが50回実行される時間、すなわち、0.100秒(100ms)の時間となっている。
賞球信号出力タイマの残り時間が遊技情報信号出力時間判定値よりも短い時間でない場合、つまり、賞球信号出力タイマの残り時間が遊技情報信号出力時間判定値(100ms)よりも長い時間である場合は(ステップS1100のN)、CPU56は、情報バッファの賞球出力ビット位置(図21に示す例では出力ポート3のビット1)をセットする(ステップS1101)。情報バッファの賞球出力ビット位置がセットされると、ステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート3に出力することによって、賞球信号が出力ポート3から出力される。
以上に示したステップS1075〜S1101の処理によって、賞球カウント信号を10回カウントする度に賞球信号がホールコンピュータに出力される。すなわち、10個の賞球払出が行われる度に賞球信号がホールコンピュータに出力される(10個1パルス)。よって、ホールコンピュータは遊技機で払い出された遊技球数を認識することができる。
なお、以上の信号の定義(信号がオン状態であるときに意味する内容)は一例であって、大当りの種別や遊技状態の違いがホールコンピュータにおいて認識可能であれば、異なる定義としてもよい。また、信号の数や種類も上記したものに限られるわけではない。
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図67は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。また、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS707)。さらに、役物20内に設けられている装飾部材78の位置を初期位置に設定するための処理である装飾部材初期位置制御処理を実行する(ステップS708)。また、客待ちデモ表示コマンドの受信にもとづいて演出表示装置9において客待ちデモ表示を行うデモ表示制御処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702に移行する。
図68は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図35および図36参照)であるのか解析する。
図69〜図73は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS610)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS611)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS612)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが普図変動パターンコマンドであれば(ステップS613)、演出制御用CPU101は、その普図変動パターンコマンドを、RAMに形成されている普図変動パターンコマンド格納領域に格納し(ステップS614)、普図変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS615)。また、普図変動パターンコマンドを受信してからの経過時間を計測するための普図変動パターンコマンド受信後時間計測タイマをスタートさせる(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが普図表示結果コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その普図表示結果コマンドを、RAMに形成されている普図表示結果コマンド格納領域に格納し(ステップS618)、普図表示結果コマンド受信フラグをセットする(ステップS619)。
受信した演出制御コマンドが特図変動パターンコマンドであれば(ステップS620)、演出制御用CPU101は、その特図変動パターンコマンドを、RAMに形成されている特図変動パターンコマンド格納領域に格納し(ステップS621)、特図変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが特図表示結果コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、その特図表示結果コマンドを、RAMに形成されている特図表示結果コマンド格納領域に格納し(ステップS624)、特図表示結果コマンド受信フラグをセットする(ステップS625)。
また、受信した演出制御コマンドが普通図柄確定指定コマンドであれば(ステップS626)、演出制御用CPU101は、普図確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS627)。
受信した演出制御コマンドが特別図柄確定指定コマンドであれば(ステップS628)、演出制御用CPU101は、特図確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS629)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドあれば(ステップS630)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS631)。受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドあれば(ステップS632)、演出制御用CPU101は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS633)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS634)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS635)。初期画面には、あらかじめ決められている飾り図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS636)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS637)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンド(異常報知指定コマンドまたは始動異常入賞報知指定コマンド)を受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS638)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS639)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS640)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS641)。受信した演出制御コマンドが役物制御終了指定コマンドであれば(ステップS642)、演出制御用CPU101は、役物制御終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS643)。
受信した演出制御コマンドが第1役物入賞指定コマンドであれば(ステップS644)、演出制御用CPU101は、第1役物入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS645)。受信した演出制御コマンドが第2役物入賞指定コマンドであれば(ステップS646)、演出制御用CPU101は、第2役物入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS647)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS648)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS649)。受信した演出制御コマンドが始動異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS650)、始動異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS651)。
受信した演出制御コマンドが磁気異常報知指定コマンドであれば(ステップS652)、演出制御用CPU101は、磁気異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS653)。受信した演出制御コマンドが振動異常報知指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、振動異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS655)。受信した演出制御コマンドが異常開放報知指定コマンドであれば(ステップS656)、演出制御用CPU101は、異常開放報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS657)。
受信した演出制御コマンドがV入賞指定コマンドであれば(ステップS658)、演出制御用CPU101は、V入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS659)。受信した演出制御コマンドがスペシャルルート検出指定コマンドであれば(ステップS660)、演出制御用CPU101は、スペシャルルート検出指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS661)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS662)、演出制御用CPU101は、その保留記憶数指定コマンドで特定される保留記憶数を、RAMに形成されている保留記憶数指定コマンド格納領域に格納する(ステップS663)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ表示コマンドであれば(ステップS664)、演出制御用CPU101は、デモ表示コマンド受信フラグをセットする(ステップS665)。
受信した演出制御コマンドが有利状態指定コマンドであれば(ステップS666)、演出制御用CPU101は、遊技状態が有利状態(時短状態)であることを示す有利状態フラグをセットする(ステップS667)。受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(ステップS668)、演出制御用CPU101は、セットされていれば、有利状態フラグをリセットする(ステップS669)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS670)。そして、ステップS610に移行する。
図74は、図67に示されたメイン処理におけるデモ表示制御処理(ステップS709)を示すフローチャートである。デモ表示制御処理において、演出制御用CPU101は、客待ちデモ表示コマンドを受信してから客待ちデモ表示(デモンストレーション表示)を開始するまでの時間を計測するデモ表示開始時間タイマの値が所定値(客待ちデモ表示の開始時間を示す値)であるか否かを判定する(ステップS751)。デモ表示開始時間タイマの値が所定値でない場合は(ステップS751のN)、デモ表示コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS752)。なお、デモ表示コマンド受信フラグは、ステップS665でセットされる。デモ表示コマンド受信フラグがセットされていないときは、そのまま処理を終了し、デモ表示コマンド受信フラグがセットされているときは、デモ表示開始時間タイマの値を+1する(ステップS753)。
ステップS751において、デモ表示開始時間タイマの値が所定値になった場合は(ステップS751のY)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面においてデモ画面(デモンストレーション表示)を表示する制御を行う(ステップS754)。
図75は、図67に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S811のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、変動パターンコマンド受信待ち処理で受信した変動パターンに応じて、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)または第2飾り図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動中処理(ステップS802):特別図柄の変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
第2飾り図柄変動中処理(ステップS803):普通図柄の変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を第2飾り図柄変動停止処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動停止処理(ステップS804):特別図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS806)または役物制御中演出処理(ステップS808)に対応した値に更新する。
第2飾り図柄変動停止処理(ステップS805):普通図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(普通図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を普図当り表示処理(ステップS807)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS806):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS810)に対応した値に更新する。
普図当り表示処理(ステップS807):変動時間の終了後、演出表示装置9に普図当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
役物制御中演出処理(ステップS808):役物制御中の演出の制御を行う。例えば、演出表示装置9において、役物制御に対応した表示演出を行う。そして、V入賞指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS810)に対応した値に更新する。そうでなければ、演出制御プロセスフラグの値をはずれ演出処理(ステップS809)に対応した値に更新する。
はずれ演出処理(ステップS809):始動動作状態終了後に役物20開放中にV入賞せずはずれであった場合の演出を行う。演出期間(この例では3秒)が経過したら、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS810):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、大当り終了指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了後演出処理(ステップS811)に対応した値に更新する。
大当り終了後演出処理(ステップS811):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図76は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様(所定時間毎の態様)を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。プロセスタイマ設定値には、その変動態様または演出態様での演出が行われる時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を表示させたり、表示演出を行う制御を実行する。
図77は、図75に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、普図変動パターンコマンド受信フラグまたは特図変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS1811,S1813)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS1815)。
図78は、図75に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS840A)。ここで、演出制御用CPU101は、普図変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合に、普図変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す。また、演出制御用CPU101は、特図変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合に、特図変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す。なお、各変動パターンコマンド格納領域には、遊技者が、飾り図柄が普通図柄に同期して変動しているのか、または特別図柄に同期して変動しているのかを識別可能に、演出制御用CPU101が演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)を制御するためのデータが格納されている。具体的には、特図変動パターンコマンド格納領域には、遊技者が、飾り図柄が特別図柄に同期して変動していることを認識可能に、演出制御用CPU101が演出装置を制御するためのデータが格納され、普図変動パターンコマンド格納領域には、遊技者が、飾り図柄が普通図柄に同期して変動していることを認識可能に、演出制御用CPU101が演出装置を制御するためのデータが格納されている。したがって、飾り図柄は、普通図柄に同期して変動している場合と、特別図柄に同期して変動している場合とで、例えば、演出表示装置9において異なる図柄や色、変動方向(縦方向への図柄の移動や横方向への図柄の移動、斜め方向への図柄の移動等)で変動する。
そして、演出制御用CPU101は、読み出した変動パターンコマンドを示すデータにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定する飾り図柄決定処理を実行する(ステップS840B)。飾り図柄決定処理では、変動パターンコマンドの内容が大当り専用の特別図柄変動パターンである場合は、左中右の飾り図柄が同一図柄(例えば「7」)で揃った状態の図柄を飾り図柄の停止図柄として決定する。また、変動パターンコマンドの内容が小当りA専用の特別図柄変動パターンである場合は、左中右の飾り図柄が同一図柄(例えば「1」)で揃った状態の図柄を飾り図柄の停止図柄として決定する。また、変動パターンコマンドの内容が小当りB専用の特別図柄変動パターンである場合は、左中右の飾り図柄が同一図柄(例えば「3」)で揃った状態の図柄を飾り図柄の停止図柄として決定する。また、変動パターンコマンドの内容が小当りC専用の特別図柄変動パターンである場合は、左中右の飾り図柄が同一図柄(例えば「5」)で揃った状態の図柄を飾り図柄の停止図柄として決定する。
また、変動パターンコマンドの内容が普図当り専用の普通図柄変動パターンである場合は、左中右の飾り図柄が同一図柄(例えば「5」)で揃った状態の図柄を飾り図柄の停止図柄として決定する。また、変動パターンコマンドの内容がはずれ専用の普通図柄変動パターンである場合は、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃っていない状態の図柄を飾り図柄の停止図柄として決定する。ここで、飾り図柄のはずれ図柄は、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃っていない状態の図柄(例えば、「358」など)である。なお、左右の飾り図柄が同一図柄で揃っているが(リーチとなっているが)、中の飾り図柄だけ揃っていない状態もはずれ図柄である。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、送信された変動パターンコマンドにもとづいて、飾り図柄決定処理で停止図柄を決定するとしているが、送信された表示結果指定コマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するように構成されていてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS840Aで読み出したデータに応じたプロセステーブル(つまり、変動パターンに応じた変動表示用のプロセステーブル)を選択する(ステップS841)。そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS842)。
そして、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS843A,S843B)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグがセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容にしたがって演出装置の制御を実行する(ステップS843A,S843C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS843Cの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、演出表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に演出表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS844)。そして、演出制御用CPU101は、特図変動パターンコマンド受信フラグがセットされていない場合に(ステップS845のN)、普図変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS846)とともに、演出制御プロセスフラグの値を第2飾り図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値にする(ステップS847)。飾り図柄変動開始処理(ステップS801)において、特図変動パターンコマンド受信フラグがセットされていない場合には、普図変動パターンコマンド受信フラグがセットされているからである。また、特図変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合に(ステップS845のY)、特図変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS848)とともに、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS849)。したがって、特図変動パターンコマンド受信フラグおよび普図変動パターンコマンド受信フラグがいずれもセットされている場合には、演出制御プロセスフラグの値は第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にされる。つまり、飾り図柄は、普通図柄に優先して特別図柄の変動に同期して変動する。
図79は、演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS851A)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS852A)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS853A)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS854A)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS855A,S855B)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)にしたがって演出装置の制御を実行する(ステップS855A,S855C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
例えば、ステップS841Dで変動パターンに応じたプロセステーブルが選択された場合には、ステップS855B,S855Cでは、特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示が実行される。また、ステップS841Cで連続演出用プロセステーブルが選択された場合には、ステップS855B,S855Cでは、例えば、同じ演出ステップ数の役物制御中演出に登場するキャラクタと同じキャラクタを登場させるような演出を実行し、恰も役物制御中演出と連続した態様の演出を実行する。
また、ステップS855Cの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
次いで、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチ(スーパーリーチAまたはスーパーリーチB)を実行するか否かを確認する(ステップS855D)。具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS840Aで読み出した変動パターンコマンドに示される変動パターンがスーパーリーチを含む変動パターンであるか否かを確認する。スーパーリーチを含む変動パターンであれば、演出制御用CPU101は、装飾部材78を可動する装飾部材制御を実行する(ステップS855E)。
ステップS855D,S855Eの処理が実行されることによって、変動パターンがスーパーリーチを含むものである場合には、飾り図柄の変動開始とほぼ同時に装飾部材78を可動する制御が開始される。したがって、装飾部材78を可動することによって、遊技者に対してスーパーリーチを予告する演出を行うことができる。なお、この実施の形態では、図7および図8に示すように、装飾部材78は演出表示装置9の前面側を横切るような態様で可動を行う。そのため、装飾部材78の可動に併せて演出表示装置9で所定の表示演出を行うことによって、より効果的な予告演出を行うことができる。例えば、剣を模した装飾部材78の動きに併せて恰も剣が光を発しているような表示を演出表示装置9に表示させて予告演出を行ってもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動中にリーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチAまたはスーパーリーチB)を実行するか否かを確認する(ステップS855F)。具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS840Aで読み出した変動パターンコマンドに示される変動パターンがリーチを含む変動パターンであるか否かを確認する。リーチを含む変動パターンであれば、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値にもとづいて所定のリーチ演出開始時間(例えば、変動開始後10秒後)を経過したか否かを確認する(ステップS855G)。所定のリーチ演出開始時間を経過していれば、演出制御用CPU101は、装飾部材78を可動する装飾部材制御を実行する(ステップS855H)。
ステップS855F〜S855Hの処理が実行されることによって、変動パターンがリーチを含むものである場合には、所定のリーチ演出開始時間となると装飾部材78を可動する制御が開始される。したがって、装飾部材78を可動することによって、装飾部材78の動きと連動したリーチ演出を行うことができる。なお、装飾部材78の可動に併せて演出表示装置9で所定の表示演出を行うことによって、より効果的なリーチ演出を行うことができる。例えば、剣を模した装飾部材78の動きに併せて恰も剣が光を発しているような表示を演出表示装置9に表示させてリーチ演出を行ってもよい。
なお、変動パターンがスーパーリーチを含むものである場合には、飾り図柄の変動開始時に装飾部材78を可動させる予告演出が行われた後に、さらに装飾部材78の可動と連動したリーチ演出が行われることになる。装飾部材78が最下方まで可動する時間は短く(例えば、1秒)、その後、後述する装飾部材初期位置制御処理(ステップS708参照)にて短い時間(例えば、1秒)で直ちに装飾部材78は初期位置に戻される。したがって、予告演出を実行した後、リーチ演出が開始されるまでの間に、装飾部材78は可動前の初期位置に戻された状態となっている。
また、ステップS855E,S855Hでは、装飾部材78のみ、図7および図8と同様の可動態様で、可変入賞球装置20の上方で水平な状態から、右上方から左下方に斜めに傾いた状態に可動する制御が行なわれることによって、小当り遊技状態と類似態様の可動演出が行なわれる。なお、小当り遊技状態と同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側でも可動部材77を可動する制御を行なうようにし、小当り遊技状態と同一態様の可動演出を行なうようにしてもよい。
また、この実施の形態では、リーチ予告演出およびリーチ演出時に装飾部材78を可動する演出を実行する場合を示すが、これらの場合に限らず、例えば、演出制御用CPU56は、大当り予告演出において装飾部材78を可動する演出を実行するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、特図表示結果コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS8551)。具体的には、特図表示結果コマンド受信フラグがセット(ステップS625参照)されているか否かを確認する。受信していなければ(ステップS8551のN)、ステップS856Aに移行する。
特図表示結果コマンドを受信していれば(ステップS8551のY)、演出制御用CPU101は、特図表示結果コマンド格納領域に格納されている特図表示結果コマンド(ステップS624参照)にもとづいて、大当り期待度を決定する(ステップS8552)。この実施の形態では、大当り期待度として「大」、「中」、「小」の3段階のいずれかに決定する。この場合に、特図表示結果コマンドに示される表示結果が大当りである場合には、「大」、「中」、「小」の順に選択率が高くなるように大当り期待度を決定する。例えば、図80(A)に示すように、50パーセントの確率で「大」とすることに決定し、30パーセントの確率で「中」とすることに決定し、20パーセントの確率で「小」とすることに決定する。また、特図表示結果コマンドに示される表示結果が小当りである場合には、「小」、「中」、「大」の順に選択率が高くなるように大当り期待度を決定する。例えば、図80(B)に示すように、50パーセントの確率で「小」とすることに決定し、30パーセントの確率で「中」とすることに決定し、20パーセントの確率で「大」とすることに決定する。なお、この実施の形態では、変動パターンコマンドによっても表示結果が特定可能であることから、ステップS8552では、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドに応じて大当り期待度として「大」、「中」、「小」の3段階のいずれかに決定するようにしてもよい。また、特別図柄の変動表示結果として「はずれ」も決定されるように構成されている場合には、表示結果が「はずれ」であることに応じても、大当り期待度として「大」、「中」、「小」の3段階のいずれかに決定するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、特図表示結果コマンドにもとづいて、16ラウンドの大当りであるか、またはV入賞後の16ラウンドの大当りに移行する小当りであるかを確認する(ステップS8553)。具体的には、特図表示結果コマンドに示される表示結果が大当りA、大当りB、小当りC〜小当りEのいずれかであるか否かを確認する。ラウンド数が16ラウンドであれば(ステップS8553のY)、演出制御用CPU101は、特図表示結果コマンドにもとづいて、大当り後のラウンド数が16ラウンドあること、ラウンドごとの開放時間、ステップS8552で決定した大当り期待度の予告表示を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS8554)。ラウンド数が16ラウンドでなければ(ステップS8553のN)、すなわちV入賞後に2ラウンドまたは7ラウンドの大当りに移行する小当りAまたは小当りBである場合には、大当り後のラウンド数およびステップS8552で決定した大当り期待度の予告表示を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS8555)。そして、ステップS856Aに移行する。
図81は、演出表示装置9に重畳表示される予告表示の表示例を示す説明図である。この実施の形態では、図81に示すように、ステップS8555において、小当りA(V入賞後に2ラウンドの大当りに移行)である場合には、予告表示として星形の図柄900A〜900Cが表示される。また、小当りB(V入賞後に7ラウンドの大当りに移行)である場合には、予告表示として三日月形の図柄901A〜901Cが表示される。また、ステップS8554において、小当りC〜E(V入賞後に16ラウンドの大当りに移行)である場合には、予告表示として太陽の図柄902A〜902C,903A〜903C,904A〜904Cが表示される。そのように、表示する図柄を異ならせることによって、大当り後のラウンド数を予告する。
なお、この実施の形態では、星形や三日月形、太陽などの図柄によって大当り後のラウンド数を予告する場合を示すが、ラウンド数の予告方法は、この実施の形態で示した方法に限られない。例えば、演出表示装置9に表示する同一のキャラクタの登場回数を異ならせたり、演出表示装置9に表示する図柄やキャラクタの色や大きさなどを異ならせることによって、大当り後のラウンド数を予告してもよい。また、例えば、演出表示装置9に表示する図柄やキャラクタの出現タイミングを異ならせ、出現タイミングが遅くなるに従って信頼度が高くなるように予告してもよい。
また、小当りC(大当り後の各ラウンド時間が3秒)である場合には、太陽の輝き具合が最も小さい態様の太陽の図柄902A〜902Cが表示される。また、小当りD(大当り後の各ラウンド時間が10秒)である場合には、太陽の輝き具合をより大きくした態様の太陽の図柄903A〜903Cが表示される。また、小当りE(大当り後の各ラウンド時間が29秒)である場合には、さらに太陽が笑っている態様の図柄904A〜904Cが表示される。そのように、太陽の図柄の態様を異ならせることによって、ラウンドごとの開放時間を予告する。
また、図81に示すように、ステップS8552で決定した大当り期待度に応じて演出表示装置9に表示する図柄の表示色を異ならせる。この実施の形態では、例えば、大当り期待度「大」と決定した場合には、赤色の表示色で各図柄900C,901C,902C,903C,904Cを表示する。また、例えば、大当り期待度「中」と決定した場合には、黄色の表示色で各図柄900B,901B,902B,903B,904Bを表示する。また、例えば、大当り期待度「小」と決定した場合には、白色の表示色で各図柄900A,901A,902A,903A,904Aを表示する。そのように、図柄の表示色を異ならせることによって、大当り期待度を予告する。なお、表示結果が大当りAまたは大当りBである場合には、ステップS8552において、大当り期待度を決定するとともに、図81に示す星形、三日月形または太陽のいずれの図柄を表示するかを乱数を用いた抽選処理で決定する。そして、ステップS8554で、決定した大当り期待態度に応じた表示色で決定した図柄を表示する。
図82および図83は、この実施の形態における予告表示の演出態様の例を示す説明図である。このうち、図82は、表示結果が小当りである場合の予告表示の演出態様の例を示している。また、図83は、表示結果が大当りである場合の予告表示の演出態様の例を示している。
まず、表示結果が小当りである場合の予告表示の演出態様を説明する。図82(1)に示すように、第1始動入賞口13(または第2始動入賞口14)に遊技球が入賞すると、図82(2)に示すように、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示が実行される。また、特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示が実行される。この場合、図82(3)に示すように、演出表示装置9において大当り後のラウンド数や大当り期待度の予告表示が重畳表示される。なお、図82(3)に示す例では、表示結果が小当りAであり、大当り期待度「小」と決定されたことにもとづいて、白色の表示色で星形の図柄900Aが表示されている。また、図82(3)では予告表示のみが示されているが、例えば、演出表示装置9の表示画面の一部に飾り図柄の変動表示を縮小表示していてもよい。
なお、図82(3)に示す予告表示は、特別図柄の変動開始時に表示してもよく、特別図柄の変動表示中に表示してもよい。また、特別図柄の変動終了時に表示してもよく、その表示タイミングは問わない。さらに、予告表示の表示タイミングが遅くなるに従って信頼度が高くなるようにするなど、表示タイミングによって信頼度を異ならせてもよい。
次いで、変動表示を終了すると、図82(4)に示すように、特別図柄表示器8に小当り図柄が導出表示されるとともに、役物20の開放を示す表示905(例えば、「OPEN」などの文字列)が表示される。そして、図82(5)に示すように、開放扉76A,76Bが開放されて役物20の開放制御が開始される。
その後、図82(6)(7)(8)に示すように、遊技球が役物20に入賞し役物20内の特定入賞口66Aに入賞(V入賞)すると、図82(9)に示すように、大当りの開始を示す表示906(本例では、2ラウンドの大当りを示す「2R」などの文字列)が表示される。なお、図82(6)(7)(8)に示す例では、遊技球が役物20の第2進入口72に入賞して第2役物入賞スイッチ72aで検出され、スペシャルルート検出スイッチ72bで検出された後に、回転体86の特定入賞口66Aに入賞して大当りとなる場合が示されている。
次に、表示結果が大当りである場合の予告表示の演出態様を説明する。図83(1)に示すように、第1始動入賞口13(または第2始動入賞口14)に遊技球が入賞すると、図83(2)に示すように、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示が実行される。また、特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示が実行される。この場合、図83(3)に示すように、演出表示装置9において大当り後のラウンド数や大当り期待度の予告表示が重畳表示される。なお、図83(3)に示す例では、表示結果が大当りであり、大当り期待度「大」と決定されたことにもとづいて、赤色の表示色で星形の図柄900Cが表示されている。また、図82(3)では予告表示のみが示されているが、例えば、リーチ演出の表示に重畳して予告表示を行ったり、演出表示装置9の表示画面の一部に飾り図柄の変動表示を縮小表示していてもよい。
次いで、変動表示を終了すると、図83(3)に示すように、特別図柄表示器8に大当り図柄が導出表示される。そして、図83(4)に示すように、大当りの開始を示す表示907(例えば、「大当り」などの文字列)が表示される。
また、この実施の形態では、大当りと決定された場合には、通常、リーチ演出を実行した後に大当りを表示する演出が実行され、小当りと決定された場合には、通常、3秒と短い変動表示を行って役物20開放に移行する制御が行われるのであるが、低い確率で小当りと決定された場合であってもリーチ演出を伴う長時間の変動表示演出が実行される場合がある(図30に示す特図変動パターン#7,#7,#10,#11,#13〜#15,#17〜#19参照)。図84は、大当りと決定された場合の変動表示の演出態様、および小当りであってリーチ演出を伴う変動表示を行う場合の演出態様を示す説明図である。
まず、大当りと決定された場合の変動表示の演出態様を説明する。図84(1)に示すように、第1始動入賞口13(または第2始動入賞口14)に遊技球が入賞すると、図84(2)に示すように、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示が実行される。また、特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示が実行される。この場合、図84(3)に示すように、演出表示装置9において大当り後のラウンド数や大当り期待度の予告表示が重畳表示される。なお、図84(3)に示す例では、表示結果が大当りであり、大当り期待度「大」と決定されたことにもとづいて、赤色の表示色で星形の図柄900Cが表示されている。
次いで、図84(4)に示すように、味方のキャラクタ908および敵のキャラクタ909を登場させ、味方のキャラクタ908と敵のキャラクタ909とがバトルを行う演出を開始する。次いで、図84(5)に示すように、最終的に味方のキャラクタ908がバトルで勝った態様の演出を行う。次いで、変動表示を終了すると、図84(6)に示すように、特別図柄表示器8に大当り図柄が導出表示される。そして、図84(6)に示すように、大当りの開始を示す表示907(例えば、「大当り」などの文字列)が表示される。なお、図84(3)(4)(5)では予告表示やキャラクタの表示のみが示されているが、演出表示装置9の表示画面の一部に飾り図柄の変動表示を縮小表示していてもよい。
次に、小当りであってリーチ演出を伴う変動表示を行う場合の演出態様を説明する。図84(1)に示すように、第1始動入賞口13(または第2始動入賞口14)に遊技球が入賞すると、図84(2)に示すように、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示が実行される。また、特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示が実行される。この場合、図84(3)に示すように、演出表示装置9において大当り後のラウンド数や大当り期待度の予告表示が重畳表示される。なお、図84(3)に示す例では、表示結果が小当りAであり、大当り期待度「大」と決定されたことにもとづいて、赤色の表示色で星形の図柄900Cが表示されている。
次いで、図84(4)に示すように、味方のキャラクタ908および敵のキャラクタ909を登場させ、味方のキャラクタ908と敵のキャラクタ909とがバトルを行う演出を開始する。次いで、図84(7)に示すように、最終的に味方のキャラクタ908がバトルで敗れた態様の演出を行う。次いで、変動表示を終了すると、図84(8)に示すように、特別図柄表示器8に小当り図柄が導出表示される。そして、図84(8)に示すように、役物20の開放を示す表示905(例えば、「OPEN」などの文字列)が表示される。なお、図84(3)(4)(7)では予告表示やキャラクタの表示のみが示されているが、演出表示装置9の表示画面の一部に飾り図柄の変動表示を縮小表示していてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS856A)、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する(ステップS858A)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、特別図柄確定指定コマンドを受信したことを示す特図確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857A)、ステップS858Aに移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても特別図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図85は、演出制御プロセス処理における第2飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS851B)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS852B)。なお、ステップS851Bで1減算するプロセスタイマは、第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)のステップS851Aで1減算されるプロセスタイマとは異なるプロセスタイマである。また、ステップS852Bで1減算する変動時間タイマは、第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)のステップS852Bで1減算される変動時間タイマとは異なる変動時間タイマである。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS853B)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS854B)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS855I,S855J)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)にしたがって演出装置の制御を実行する(ステップS855I,S855K)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS855Kの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
次いで、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチを実行するか否かを確認する(ステップS855L)。具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS840Aで読み出した変動パターンコマンドに示される変動パターンがスーパーリーチを含む変動パターンであるか否かを確認する。スーパーリーチを含む変動パターンであれば、演出制御用CPU101は、装飾部材78を可動する装飾部材制御を実行する(ステップS855M)。
ステップS855L,S855Mの処理が実行されることによって、変動パターンがスーパーリーチを含むものである場合には、飾り図柄の変動開始とほぼ同時に装飾部材78を可動する制御が開始される。したがって、装飾部材78を可動することによって、遊技者に対してスーパーリーチを予告する演出を行うことができる。なお、装飾部材78の可動に併せて演出表示装置9で所定の表示演出を行うことによって、より効果的な予告演出を行うことができる。例えば、剣を模した装飾部材78の動きに併せて恰も剣が光を発しているような表示を演出表示装置9に表示させて予告演出を行ってもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動中にリーチ(ノーマルリーチ、ロングリーチまたはスーパーリーチ)を実行するか否かを確認する(ステップS855N)。具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS840Aで読み出した変動パターンコマンドに示される変動パターンがリーチを含む変動パターンであるか否かを確認する。リーチを含む変動パターンであれば、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値にもとづいて所定のリーチ演出開始時間(例えば、変動開始後10秒後)を経過したか否かを確認する(ステップS855O)。所定のリーチ演出開始時間を経過していれば、演出制御用CPU101は、装飾部材78を可動する装飾部材制御を実行する(ステップS855P)。
ステップS855N〜S855Pの処理が実行されることによって、変動パターンがリーチを含むものである場合には、所定のリーチ演出開始時間となると装飾部材78を可動する制御が開始される。したがって、装飾部材78を可動することによって、装飾部材78の動きと連動したリーチ演出を行うことができる。なお、装飾部材78の可動に併せて演出表示装置9で所定の表示演出を行うことによって、より効果的なリーチ演出を行うことができる。例えば、剣を模した装飾部材78の動きに併せて恰も剣が光を発しているような表示を演出表示装置9に表示させてリーチ演出を行ってもよい。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS856B)、演出制御プロセスフラグの値を第2飾り図柄変動停止処理(ステップS805)に対応した値に更新する(ステップS858B)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、普通図柄確定指定コマンドを受信したことを示す普図確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857B)、ステップS858Bに移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても普通図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(普通図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。なお、第2飾り図柄変動中処理におけるステップS851Bの処理の前に、演出制御用CPU101は、特図変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否かを確認し、特図変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合に、飾り図柄の変動を特別図柄の変動に同期させるために、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新してもよい。つまり、普通図柄の変動に同期して変動している飾り図柄を、普通図柄に優先して特別図柄の変動に同期して変動開始させてもよい。
図86は、装飾部材制御を示すフローチャートである。装飾部材制御において、演出制御用CPU101は、装飾部材78が動作中(装飾部材動作中)であるか否か(装飾部材動作中フラグがセットされているか否か)確認する(ステップS1221)。動作中でなければ、演出制御用CPU101は、装飾部材78を既に可動済みであることを示す装飾部材動作済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1222)。装飾部材動作済フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、装飾部材駆動モータ78Bを駆動し、装飾部材78の可動を開始する(ステップS1223)。この場合、図7および図8に示すように、役物20内の上方で水平な状態から、役物20内の右上方から左下方に斜めに傾いた状態となるように装飾部材78が可動する。また、ステップS1223において、演出制御用CPU101は、剣駆動モータ79を駆動し、装飾部材78を開いた状態(本例では、図7および図8に示すように、剣が長手方向に2つに開いた状態)に制御する。また、装飾部材動作中であることを示す装飾部材動作中フラグをセットする(ステップS1224)。
装飾部材動作中である場合には(ステップS1221のY)、演出制御用CPU101は、下側位置センサ91bからのオン信号を検出したか否かを確認する(ステップS1225)。下側位置センサ91bからのオン信号を検出した場合には、演出制御用CPU101は、装飾部材駆動モータ78Bの駆動を停止して装飾部材78の可動を停止させる(ステップS1226)。また、装飾部材動作中フラグをリセットする(ステップS1227)とともに、装飾部材動作済フラグをセットする(ステップS1228)。そして、装飾部材78を初期位置に復帰させることを要求する装飾部材初期位置設定要求フラグをセットする(ステップS1229)。
なお、この実施の形態では、装飾部材78の左端部分が最も下方まで可動してステップS1226で可動を停止された場合には、ステップS1229で装飾部材初期位置設定要求フラグがセットされたことにもとづいて、ステップS708の装飾部材初期位置制御処理にて直ちに装飾部材78を初期位置に戻す処理が実行される。
図87は、ステップS708の装飾部材初期位置制御処理を示すフローチャートである。装飾部材初期位置制御処理において、演出制御用CPU101は、装飾部材初期位置設定中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS2241)。セットされている場合には、ステップS2247に移行する。セットされていない場合には、装飾部材初期位置設定要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS2242)。セットされていない場合には、そのまま処理を終了する。セットされている場合には、装飾部材初期位置設定要求フラグをリセットする(ステップS2243)。次いで、演出制御用CPU101は、装飾部材駆動モータ78Bを駆動し、装飾部材78の可動を開始する(ステップS2245)。この場合、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中処理および第2飾り図柄変動中処理において実行する装飾部材制御とは逆方向に装飾部材駆動モータ78Bを駆動する。したがって、装飾部材78は、役物20内の右上方から左下方に斜めに傾いた状態から、再び役物20内の上方で水平な状態に戻るように可動する。また、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中処理および第2飾り図柄変動中処理において実行する装飾部材制御とは逆方向に剣駆動モータ79を駆動し、装飾部材78を再び閉じた状態に戻るように制御する。なお、既に装飾部材駆動モータ78Bの駆動中であれば、演出制御用CPU101は、駆動を継続させる。また、装飾部材初期位置設定中フラグをセットする(ステップS2246)。
そして、上側位置センサ91aがオン(上側位置センサ91aから検出信号が出力されること)したら、装飾部材78の可動を停止させるために装飾部材駆動モータ78Bの駆動を停止する(ステップS2247,S2248)。また、装飾部材初期位置設定中フラグをリセットする(ステップS2249)。
図88は、演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、特図確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1861)。特図確定コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS1861のY)、特図確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1862)、飾り図柄の停止図柄を導出表示済みであることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1863)。なお、停止図柄表示フラグは、飾り図柄の停止図柄を導出表示したことにもとづいて、後述するステップS1867でセットされる。停止図柄表示フラグがセットされていれば(ステップS1863のY)、ステップS1868に移行する。停止図柄表示フラグがセットされていなければ(ステップS1863のN)、演出制御用CPU101は、飾り図柄決定処理(ステップS840B)で決定され格納されている飾り図柄の停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS1864)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に重畳表示されている予告表示を消去する(ステップS1864A)。
次いで、飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示した場合には(ステップS8165のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットする(ステップS1867)。
ステップS1868では、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS1868のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS1869)。次いで、演出制御用CPU101は、表示結果が大当りBであるか否かを確認する(ステップS1870A)。具体的には、特図表示結果コマンド格納領域に格納されている特図表示結果コマンドに示される表示結果が大当りB(変動時間が短い(3秒)の大当り)であるか否かを確認する。
大当りBであれば(ステップS1870AのY)、演出制御用CPU101は、擬似役物制御中演出用のプロセステーブルを選択する(ステップS1870B)。この実施の形態では、大当りBである場合には、第1ラウンドおよび第2ラウンドで役物20を大入賞口として開放する制御を行った後に、第3ラウンド以降で特別可変入賞球装置120を開放する制御を行う。また、大当りを開始するときに通常の大当り表示を行うのではなく、擬似的に役物制御中演出と同様の演出を行った後に大当りであることを表示し、大当り遊技を行う。そのようにすることによって、大当りBであった場合には、実際には大当りなのであるが、恰も小当りから突然大当りになったかのような演出を行うことができる。
大当りBでなければ(ステップS1870AのN)、演出制御用CPU101は、通常の大当り表示用のプロセステーブルを選択する(ステップS1870C)。
次いで、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS1871)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS1872)。この場合、例えば、「大当り!」など大当り開始を報知する旨の文字列が表示されるとともに、所定のキャラクタを登場させるような大当り表示演出(ファンファーレ演出)を開始する。また、例えば、大当りBである場合には、擬似的に役物開放中演出と同様の態様の演出を開始する。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS806)に対応する値に更新する(ステップS1873)。
飾り図柄の停止図柄として小当り図柄を導出表示した場合には(ステップS1865のN)、演出制御用CPU101は、役物制御中演出用のプロセステーブルを選択する(ステップS1874)。
次いで、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS1875)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS1876)。この場合、例えば、「役物制御中!」など役物制御中である旨の文字列が表示されるとともに、所定のキャラクタを登場させるような演出を開始する。次いで、演出制御用CPU101は、役物制御開始後の時間を計測するための役物制御開始後時間計測タイマをスタートさせ(ステップS1877)、演出制御プロセスフラグの値を役物制御中演出処理(ステップS808)に対応する値に更新する(ステップS1878)。
図89は、演出制御プロセス処理における第2飾り図柄変動停止処理(ステップS805)を示すフローチャートである。第2飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、普図確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861B)。普図確定コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS861BのY)、普図確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS862B)、飾り図柄決定処理(ステップS840B)で決定され格納されている飾り図柄の停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS863B)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの普通図柄確定指定コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)の受信に応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
ステップS863Bで導出表示された飾り図柄の停止図柄がはずれ図柄である場合は(ステップS864BのN)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットし(ステップS866B)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS867B)。
ステップS863Bで導出表示された飾り図柄の停止図柄が当り図柄(普図当り図柄)である場合は(ステップS864BのY)、演出制御プロセスフラグの値を普図当り表示処理(ステップS807)に対応した値に更新する(ステップS865B)。
図90は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放時表示コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS8701)。大入賞口開放時表示コマンドを受信していなければ、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS8702)。プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には、処理を終了する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8703)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8704)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8705,S8706)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)にしたがって演出装置の制御を実行する(ステップS8705,S8707)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、大当り表示演出に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
なお、ステップS8706,S8707では、例えば、「大当り!」など大当り開始を報知する旨の文字列が表示されるとともに、所定のキャラクタを登場させるような大当り表示演出(ファンファーレ演出)を実行する。また、大当りBである場合には、擬似的に役物開放中演出と同様の態様の演出を実行する。
大入賞口開放時表示コマンドを受信していれば(ステップS8701のY)、演出制御用CPU101は、表示結果が大当りBであるか否かを確認する(ステップS8707A)。具体的には、特図表示結果コマンド格納領域に格納されている特図表示結果コマンドに示される表示結果が大当りB(変動時間が短い(3秒)の大当り)であるか否かを確認する。
大当りBであれば(ステップS8707AのY)、演出制御用CPU101は、擬似役物制御中演出用のプロセステーブルを選択する(ステップS8707B)とともに、擬似的な役物制御中演出の実行中であることを示す擬似役物制御中演出フラグをセットする(ステップS8707C)。大当りBでなければ(ステップS8707AのN)、演出制御用CPU101は、通常の大当り遊技中演出用のプロセステーブルを選択する(ステップS8708)。
次いで、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8709)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS8710)。この場合、例えば、「大当り!」など大当り中である旨の文字列が表示されるとともに、所定のキャラクタを登場させるような演出を開始する。大当りBである場合には、擬似的に役物開放中演出と同様の態様の演出を開始する。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中演出処理(ステップS810)に対応する値に更新する(ステップS8711)。
図91は、演出制御プロセス処理における普図当り表示処理(ステップS807)を示すフローチャートである。普図当り表示処理において、演出制御用CPU101は、普図当りに応じた演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行し(ステップS874C)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応する値に更新する(ステップS875C)。
図92および図93は、演出制御プロセス処理における役物制御中演出処理(ステップS808)を示すフローチャートである。役物制御中演出処理において、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から役物制御終了指定コマンドを受信したことを示す役物制御終了指定コマンド受信フラグがセットされた場合には(ステップS881)、ステップS895に移行する。役物制御終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS882)。プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には、ステップS886に移行する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS883)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS884)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS885A,S885B)。その後、ステップS891に移行する。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)にしたがって演出装置の制御を実行する(ステップS885A,S885C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、小当り遊技に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。その後、ステップS886に移行する。
なお、ステップS885B,S885Cでは、例えば、所定のキャラクタを登場させるような役物制御中演出を実行する。また、例えば、スペシャルルート検出指定コマンドを受信した後である場合には、ステップS885B,S885Cでは、「スペシャルルート!」などスペシャルルートであることを報知する旨の文字列が表示されるとともに、所定のキャラクタを登場させるようなスペシャルルート進入時演出を実行する(後述するステップS888,S889参照)。また、例えば、V入賞指定コマンドを受信した後である場合には、ステップS885B,S885Cでは、「V入賞大当り!」などV入賞大当りであることを報知する旨の文字列が表示されるとともに、所定のキャラクタを登場させるようなV入賞時演出を実行する(後述するステップS890,S891参照)。
次いで、演出制御用CPU101は、役物制御開始後時間計測タイマの値にもとづいて所定の装飾部材78の可動時間(例えば、役物制御開始後13秒)を経過したか否かを確認する(ステップS886)。装飾部材78の可動時間を経過していれば、装飾部材78を可動する可動部材制御を実行する(ステップS887)。
この実施の形態では、前述したように、役物20を開放し役物制御を行う場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)によって、所定の可動部材77の可動時間を経過したときに、可動部材77が可動される(ステップS456I,S456J参照)。この実施の形態では、役物制御開始後(役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後))13秒を経過したときに、CPU56によって可動部材77が可動され、連動して同じタイミングで演出制御用CPU101によって演出部材78が可動される(ステップS886,S887参照)。具体的には、図7および図8に示す態様で、可動部材77の前面側に装飾部材78が重なった状態で連動して右上方から左下方に斜めに傾いた状態に可動する。
なお、この実施の形態では、役物制御において、可動部材77の可動に連動して装飾部材78を1回可動する場合を示しているが、演出制御用CPU101は、役物制御において装飾部材78を複数回数可動するように制御してもよい。例えば、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560による可動部材77の可動に連動したタイミングで装飾部材78を可動するとともに、その後、さらに可動部材77の可動に関係なく装飾部材78をもう1度可動する(この場合、可動部材77の可動は行われず、装飾部材78のみが可動される)ようにしてもよい。そのようにすれば、役物制御中における装飾部材78を用いた演出の演出効果をより高めることができる。
また、スペシャルルート検出指定コマンドを受信した場合には(ステップS888)、演出制御用CPU101は、スペシャルルート進入時演出用プロセステーブルを選択する(ステップS889)。また、V入賞指定コマンドを受信した場合には(ステップS890)、演出制御用CPU101は、V入賞時演出用プロセステーブルを選択する(ステップS891)。
そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS893)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS894)。
例えば、スペシャルルート検出指定コマンドを受信した後である場合には(ステップS888,S889参照)、ステップS894では、「スペシャルルート!」などスペシャルルートであることを報知する旨の文字列が表示されるとともに、所定のキャラクタを登場させるようなスペシャルルート進入時演出を開始する。また、例えば、V入賞指定コマンドを受信した後である場合には(ステップS890,S891参照)、ステップS894では、「V入賞大当り!」などV入賞大当りであることを報知する旨の文字列が表示されるとともに、所定のキャラクタを登場させるようなV入賞時演出を開始する。
ステップS895では、演出制御用CPU101は、V入賞指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS895)。V入賞指定コマンドを受信していない場合(すなわち、はずれである場合)には、演出制御用CPU101は、はずれ演出用のプロセステーブルを選択する(ステップS896)。そして、始動動作状態後の演出(はずれ演出)の時間を決定するためのはずれ演出時間タイマに演出時間(この例では3秒)に相当する値を設定する(ステップS897)。
次いで、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS901)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS902)。この場合、例えば、「はずれ!」など役物開放を行ったもののはずれであることを報知する旨の文字列が表示されるとともに、所定のキャラクタを登場させるようなはずれ演出を開始する。そして、演出制御プロセスフラグの値をはずれ演出処理(ステップS809)に対応する値に更新する(ステップS903)。
V入賞指定コマンドを受信している場合(すなわち、V入賞大当りの場合)には、演出制御用CPU101は、大当り遊技中演出用のプロセステーブルを選択する(ステップS904)。
次いで、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS905)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS906)。この場合、例えば、「大当り!」など大当りであることを報知する旨の文字列が表示されるとともに、所定のキャラクタを登場させるような大当り遊技中演出を開始する。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS810)に対応する値に更新する(ステップS907)。
図94は、演出制御プロセス処理におけるはずれ演出処理(ステップS809)を示すフローチャートである。はずれ演出(始動動作状態後の演出)処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS1881)、はずれ演出時間タイマの値を−1する(ステップS1882)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1883)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS1884)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS1885,S1886)。プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には、ステップS1888に移行する。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS1885,S1887)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、はずれ演出に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
ステップS1886,S1887では、例えば、「はずれ!」など役物開放を行ったもののはずれとなったことを報知する旨の文字列が表示されるとともに、所定のキャラクタを登場させるようなはずれ演出を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、はずれ演出時間タイマがタイムアウトしたか否か(値が0になったか否か)確認する(ステップS1888)。はずれ演出時間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1888のN)、処理を終了する。はずれ演出時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1888のY)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応する値に更新する(ステップS1892)。
図95は、演出制御プロセス処理における大当り遊技中処理(ステップS810)を示すフローチャートである。大当り遊技中処理において、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8601)。セットされていなければ、演出制御用CPU101は、擬似役物制御中演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8601A)。セットされていなければ、ステップS8602に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、大入賞口開放時表示コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS8601B)。大入賞口開放時表示コマンドを受信していなければ、ステップS8602に移行する。
ステップS8602では、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する。プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には、処理を終了する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8603)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8604)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8605,S8606)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)にしたがって演出装置の制御を実行する(ステップS8605,S8607)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、大当り遊技に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
なお、ステップS8606,S8607では、例えば、「大当り!」など大当りであることを報知する旨の文字列が表示されるとともに、所定のキャラクタを登場させるような大当り遊技中演出を実行する。また、大当りBである場合であって第1ラウンド目または第2ラウンド目である場合には、擬似的に役物開放中演出と同様の態様の演出を実行する。
図96は、擬似的な役物開放中演出が実行される場合の演出態様の例を示す説明図である。大当りBとなる場合には、図96(1)に示すように、第1始動入賞口13(または第2始動入賞口14)に遊技球が入賞すると、図96(2)に示すように、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示が実行される。また、特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示が実行される。この場合、図96(3)に示すように、演出表示装置9において大当り後のラウンド数や大当り期待度の予告表示が重畳表示される。なお、図96(3)に示す例では、表示結果が大当りBであり、大当り期待度「大」と決定されたことにもとづいて、赤色の表示色で星形の図柄900Cが表示されている。また、図96(3)では予告表示のみが示されているが、例えば、演出表示装置9の表示画面の一部に飾り図柄の変動表示を縮小表示していてもよい。
次いで、短い3秒間の変動表示を終了すると、大当り遊技状態に移行するのであるが、図96(4)に示すように、第1ラウンドにおいて、開放扉76A,76Bが開放されて役物20の開放制御が開始される。すなわち、第1ラウンド目では役物20が大入賞口として開放される。次いで、第1ラウンドを終了すると、特定入賞口66Aへの遊技球の入賞の有無にかかわらず、図96(5)に示すように、味方のキャラクタ908が敵のキャラクタ909に勝った態様の表示を行い、図96(6)に示すように、大当りの開始を示す表示907(例えば、「大当り」などの文字列)が表示される。図96(1)(2)(3)(4)(5)(6)の演出が行われることによって、実際には初めから大当りだったのであるが、小当りから突然大当りに移行したかのような演出を実行し、遊技に対する興趣を高めることができる。
一方、小当りDまたは小当りEとなる場合には、まず、図96(1)に示すように、第1始動入賞口13(または第2始動入賞口14)に遊技球が入賞すると、図96(2)に示すように、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示が実行される。また、特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示が実行される。この場合、図96(7)に示すように、演出表示装置9において大当り後のラウンド数や大当り期待度の予告表示が重畳表示される。なお、図96(7)に示す例では、表示結果が小当りであり、大当り期待度「大」と決定されたことにもとづいて、赤色の表示色で星形の図柄900Cが表示されている。また、図96(7)では予告表示のみが示されているが、例えば、演出表示装置9の表示画面の一部に飾り図柄の変動表示を縮小表示していてもよい。
次いで、短い3秒間の変動表示を終了し、役物開放制御に移行すると、図96(8)に示すように、開放扉76A,76Bが開放されて役物20の開放制御が開始される。次いで、役物20の開放制御を終了し役物20開放中に特定入賞口66Aへの遊技球の入賞がなかった場合には、図96(9)に示すように、味方のキャラクタ908が敵のキャラクタ909に敗れた態様の表示を行い、図96(10)に示すように、役物20の開放を示す表示905(例えば、「OPEN」などの文字列)が表示される。
大入賞口開放時表示コマンドを受信していれば(ステップS8601BのY)、演出制御用CPU101は、大当り遊技中演出用のプロセステーブルを選択する(ステップS8601C)。すなわち、大当りBの場合であって第3ラウンド目の演出に移行する場合であるので、大当り遊技中演出用のプロセステーブルに切り替える。
次いで、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8601D)。そして、演出制御用CPU101は、擬似役物制御中演出フラグをリセットする(ステップS8601D)とともに、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS8601F)。
大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS8601のY)、演出制御用CPU101は、大当り後演出用プロセステーブルを選択する(ステップS8608)。
次いで、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせるとともに、大当り後演出の演出期間を計測するための大当り後演出期間計測タイマをスタートさせる(ステップS8609)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS8610)。この場合、例えば、「大当り終了!」など大当りを終了することを報知する旨の文字列が表示されるとともに、所定のキャラクタを登場させるような大当り後演出(エンディング演出)を開始する。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り後演出処理(ステップS811)に対応する値に更新する(ステップS8611)。
図97は、演出制御プロセス処理における大当り後演出処理(ステップS811)を示すフローチャートである。大当り後演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り後演出期間計測タイマを1減算する(ステップS8651)。そして、減算後の大当り後演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS8652)。
大当り後演出期間計測タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS8652のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS8653)。プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には、処理を終了する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8654)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8655)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8656,S8657)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)にしたがって演出装置の制御を実行する(ステップS8656,S8658)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、大当り後演出に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
なお、ステップS8657,S8658では、例えば、「大当り終了!」など大当りを終了することを報知する旨の文字列が表示されるとともに、所定のキャラクタを登場させるような大当り後演出(エンディング演出)を実行する。
大当り後演出期間計測タイマがタイムアウトすれば(ステップS8652のY)、演出制御用CPU101は、所定のフラグ(グレードフラグ)の値を、グレードフラグ変更テーブルにもとづいて変更する(ステップS8659)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8659でフラグ(グレードフラグ)の値を変更した場合に、変更後のフラグの値を記憶し、変更後の値に応じて演出表示装置9の背景画像(モード演出)を変更する(ステップS8660)。
図98は、グレードフラグ変更テーブルを示す説明図である。図98に示すように、この実施の形態では、受信した表示結果指定コマンドが「00」である場合(つまり、小当りA後に2ラウンドのV入賞大当りとなった場合)、グレードフラグの値が1であるときにグレードフラグの値は変更されず、グレードフラグの値が2であるときに1を減じた値(つまり1)がグレードフラグの値にセットされ、グレードフラグの値が3であるときに2を減じた値(つまり1)がグレードフラグの値にセットされる。また、受信した表示結果指定コマンドが「01」である場合(つまり、小当りB後に7ラウンドのV入賞大当りとなった場合)、グレードフラグの値が1であるときにグレードフラグの値は変更されず、グレードフラグの値が2であるときに1を減じた値(つまり1)がグレードフラグの値にセットされ、グレードフラグの値が3であるときに2を減じた値(つまり1)がグレードフラグの値にセットされる。また、受信した表示結果指定コマンドが「02」〜「06」である場合(つまり、小当りC〜小当りE後に16ラウンドのV入賞大当りとなった場合、または16ラウンドの直大当りとなった場合)、グレードフラグの値が1であるときに1を加えた値(つまり2)がグレードフラグの値にセットされ、グレードフラグの値が2であるときに1を加えた値(つまり3)がグレードフラグの値にセットされ、グレードフラグの値が3であるときにグレードフラグの値は変更されない。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された特図表示結果指定コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域(特図表示結果コマンド格納領域)に保存されている(ステップS624参照)。
図99は、図98に示すテーブルにもとづくグレードフラグの値の遷移に応じて変更される背景画像の例を示す説明図である。なお、本実施の形態では、グレードフラグの値:1に対応してスタジオライブ(下位段階)の背景画像が用意され、グレードフラグの値:2に対応してコンサート(中位段階)の背景画像が用意され、グレードフラグの値:3に対応して野外コンサート(上位段階)の背景画像が用意されているとする。図99に示すように、スタジオライブの背景画像が用いられたモード演出が実行されているときに、16ラウンドの大当りが発生すると、ステップS8660の処理で、コンサートの背景画像に変更される。また、コンサートの背景画像が用いられたモード演出が実行されているときに、16ラウンドの大当りが発生すると、ステップS8660の処理で、野外ライブの背景画像に変更され、2ラウンドまたは7ラウンドの大当りが発生すると、ステップS8660の処理で、スタジオライブの背景画像に変更される。また、野外ライブの背景画像が用いられたモード演出が実行されているときに、2ラウンドまたは7ラウンドの大当りが発生すると、ステップS8660の処理で、スタジオライブの背景画像に変更される。なお、スタジオライブの背景画像が用いられたモード演出が実行されているときに、2ラウンドまたは7ラウンドの大当りが発生した場合、および野外ライブの背景画像が用いられたモード演出が実行されているときに、16ラウンドの大当りが発生した場合には背景画像は変更されない。図98に例示したテーブルにもとづく図99に示す例では、16ラウンドの大当りが発生した場合に、下位段階の背景画像(スタジオライブ)から中位段階の背景画像(コンサート)に変更され、さらに16ラウンドの大当りが発生した場合に、中位段階の背景画像(コンサート)から上位段階の背景画像(野外ライブ)に変更される。また、図98に例示したテーブルにもとづく図99に示す例では、2ラウンドまたは7ラウンドの大当りが発生した場合に、上位段階の背景画像(野外ライブ)または中位段階の背景画像(コンサート)から下位段階の背景画像(スタジオライブ)に変更される。そのため、所定の数以上のラウンド数の大当りを発生させ続けることによる遊技興趣を向上させることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、所定のフラグ(例えば、大当り終了指定コマンド受信フラグ)をリセットし(ステップS8661)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応する値に更新する(ステップS8662)。
図100および図101は、ステップS707の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1901)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から電源投入指定コマンドを受信した場合にセットされている(図71におけるステップS636参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1906に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS637で設定された期間タイマの値を−1する(ステップS1902)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS1903,S1904)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS1905)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS1906では、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1911に移行する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1907)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常入賞報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1908)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常入賞報知画面を重畳表示する。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1909)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、大入賞口への異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口への異常入賞の報知を行っていることを示す異常入賞報知中フラグをセットし(ステップS1910)、ステップS1911に移行する。
ステップS1911では、演出制御用CPU101は、始動異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す始動異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1917に移行する。始動異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、始動異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS1912)。また、異常入賞報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1913)。セットされていれば、ステップS1917に移行する。すなわち、既に大入賞口への異常入賞報知が行われている場合には、その異常入賞報知を優先して継続実行するように制御する。異常入賞報知中フラグがセットされていなければ、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、始動異常入賞報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1914)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に始動異常入賞報知画面を重畳表示する。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1915)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、第2始動入賞口14への異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、第2始動入賞口14への異常入賞の報知を行っていることを示す始動異常入賞報知中フラグをセットし(ステップS1916)、ステップS1917に移行する。
ステップS1917では、演出制御用CPU101は、磁気異常報知指定コマンドを受信したことを示す磁気異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1923に移行する。磁気異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、磁気異常報知指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS1918)。また、いずれかの異常報知中フラグ(異常入賞報知中フラグまたは始動異常入賞報知中フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS1919)。セットされていれば、ステップS1923に移行する。すなわち、既に大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞報知が行われている場合には、その異常入賞報知を優先して継続実行するように制御する。いずれの異常報知中フラグもセットされていなければ、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、磁気異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1920)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に磁気異常報知画面を重畳表示する。
さらに、演出制御用CPU101は、磁気異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1921)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、磁気異常の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、磁気異常の報知を行っていることを示す磁気異常報知中フラグをセットし(ステップS1922)、ステップS1923に移行する。
ステップS1923では、演出制御用CPU101は、振動異常報知指定コマンドを受信したことを示す振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1929に移行する。振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、振動異常報知指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS1924)。また、いずれかの異常報知中フラグ(異常入賞報知中フラグ、始動異常入賞報知中フラグまたは磁気異常報知中フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS1925)。セットされていれば、ステップS1929に移行する。すなわち、既に大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞報知、磁気異常報知が行われている場合には、その異常入賞報知や磁気異常報知を優先して継続実行するように制御する。いずれの異常報知中フラグもセットされていなければ、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、振動異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1926)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に振動異常報知画面を重畳表示する。
さらに、演出制御用CPU101は、振動異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1927)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、振動異常の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、振動異常の報知を行っていることを示す振動異常報知中フラグをセットし(ステップS1928)、ステップS1929に移行する。
ステップS1929では、演出制御用CPU101は、異常開放報知指定コマンドを受信したことを示す異常開放報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。異常開放報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常開放報知指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS1930)。また、いずれかの異常報知中フラグ(異常入賞報知中フラグ、始動異常入賞報知中フラグ、磁気異常報知中フラグまたは振動異常報知中フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS1931)。セットされていれば、そのまま処理を終了する。すなわち、既に大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞報知、磁気異常報知、振動異常報知が行われている場合には、その異常入賞報知や磁気異常報知、振動異常報知を優先して継続実行するように制御する。いずれの異常報知中フラグもセットされていなければ、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常開放報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1932)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常開放報知画面を重畳表示する。
さらに、演出制御用CPU101は、異常開放の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1933)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常開放の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常開放の報知を行っていることを示す異常開放報知中フラグをセットし(ステップS1934)、処理を終了する。
次に、可変入賞球装置(役物)20への遊技球の入賞および排出のタイミングと可動部材77の可動タイミングとを説明する。図102〜図105は、可変入賞球装置20への遊技球の進入および排出のタイミングと可動部材77の可動タイミングとを示す説明図である。このうち、図102は、可変入賞球装置20の開放期間中に第1進入口71および第2進入口72のいずれにも遊技球が進入しなかった場合の遊技球の進入および排出タイミングと可動部材の可動タイミングとを示している。
図102に示す例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、小当り遊技に移行すると、開放ソレノイド75を駆動して、開放扉76A,76Bを開放する(ステップS417,S32参照)。図102に示す例では、開放扉76A,76Bを開放した後に第1進入口71および第2進入口72のいずれにも遊技球は進入していないのであるから、第1役物入賞スイッチ71aおよび第2役物入賞スイッチ72aのいずれのオン信号も検出しておらず、役物内遊技球個数カウンタの値は0のままである。そのため、開放中処理時間がタイムアウトしさらに役物20内の遊技球が全て排出されるか入賞監視タイマの値が0となると(ステップS430,S453A,S453B参照)、第1貯留部および第2貯留部のいずれも開放されることなく、可動部材77の可動も行われることなく(ステップS453,S456A〜S456J参照)、そのまま小当り遊技を終了する。
また、図103は、可変入賞球装置20の開放期間中に第1進入口71にのみ遊技球が進入した場合の遊技球の進入および排出タイミングと可動部材の可動タイミングとを示している。図103に示す例では、CPU56は、小当り遊技に移行すると、開放ソレノイド75を駆動して、開放扉76A,76Bを開放する(ステップS417,S32参照)。図103に示す例では、遊技球が第1進入口71に進入し第1役物入賞スイッチ71aで検出され(ステップS434A参照)、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタを1加算する(ステップS435A参照)。
次いで、遊技球は役物20内の第1経路を経由して、図9および図10に示すように、役物20内の左方に設けられた経路部材92を通って第1貯留部に一旦貯留される。次いで、開放中処理時間がタイムアウトすると(ステップS430参照)、CPU56は、所定の第1貯留部の開放時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)8秒)を経過したか否かの確認を行う(ステップS456B参照)。所定の第1貯留部の開放時間を経過していれば、CPU56は、第1貯留部ソレノイド90aを駆動して第1貯留部材93aを可動させることによって、第1貯留部を開放状態に制御する(ステップS456C参照)。すると、図11に示すように、第1貯留部から開放された遊技球は回転体86の前面側に導かれ、特定側面側開口66bを介して特定入賞口66Aに入賞し、または他の側面側開口84に入って排出される。
次いで、役物排出スイッチ85aのオン信号が検出されると(ステップS437参照)、役物内遊技球個数カウンタの値が1減算されて0となり、小当り遊技を終了する。なお、第1進入口71に進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞または排出されて役物排出スイッチ85aで検出されるまでの時間が例えば10秒である。第2貯留部の開放時間は第1進入口71に進入した遊技球が排出されるまでの時間(例えば10秒)よりも十分長い時間(例えば12秒)に設定されている。したがって、図103に示す例では、開放中処理時間がタイムアウトしさらに役物20内の遊技球が全て排出されるか入賞監視タイマの値が0となると(ステップS430,S453A,S453B参照)、第2貯留部の開放および可動部材77の可動を行うことなく(ステップS453,S456E〜S456J参照)、そのまま小当り遊技を終了する。すなわち、第2進入口72に遊技球が進入しておらず第2役物入賞スイッチ72aで検出されていなければ、小当り遊技中に可動部材77の可動が行われることはない。
また、図104は、可変入賞球装置20の開放期間中に第2進入口72にのみ遊技球が進入した場合の遊技球の進入および排出タイミングと可動部材の可動タイミングとを示している。図104に示す例では、CPU56は、小当り遊技に移行すると、開放ソレノイド75を駆動して、開放扉76A,76Bを開放する(ステップS417,S32参照)。図104に示す例では、遊技球が第2進入口72に進入し第2役物入賞スイッチ72aで検出され(ステップS434B参照)、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタを1加算する(ステップS435B参照)。
次いで、遊技球は役物20内の第2経路を経由して、図12に示すように、経路部材94を通って役物20内の右上方に導かれ第2貯留部に一旦貯留される。次いで、開放中処理時間がタイムアウトすると(ステップS430参照)、CPU56は、所定の第1貯留部の開放時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)8秒)を経過したか否かの確認を行う(ステップS456B参照)。所定の第1貯留部の開放時間を経過していれば、CPU56は、第1貯留部ソレノイド90aを駆動して第1貯留部材93aを可動させることによって、第1貯留部を開放状態に制御する(ステップS456C参照)。なお、図104に示す例では、第1進入口71には遊技球が進入していないので、第1貯留部を開放しても遊技球の特定入賞口66Aへの入賞や排出は生じない。
次いで、所定の第2貯留部の開放期間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)12秒)を経過しても、役物内遊技球個数カウンタの値が0でない(本例では1でる)状態のままであり入賞監視タイマの値も0でないので(ステップS453A,S453B,S456F)、CPU56は、第2貯留部ソレノイド90bを駆動して第2貯留部材93bを可動させることによって、第2貯留部を開放状態に制御する(ステップS456G参照)。さらに、所定の可動部材77の可動時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)13秒)を経過すると、CPU56は、可動部材77を可動する可動部材制御を実行する(ステップS456J参照)。すると、図13に示すように、第2貯留部が開放されるとともに、可動部材77が可動され右上方から左下方に斜めに傾いた状態に変化する。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)の制御にしたがって装飾部材78も可動部材77に連動して可動される。そして、第2貯留部から開放された遊技球は可動部材77内および経路部材95を通って回転体86上面に落下し、図14および図15に示すように、特定開口66または特定側面側開口66bを介して特定入賞口66Aに入賞し、または他の側面側開口84に入って排出される。
なお、図104に示すように、可動部材77が最も下方まで可動されると、下側位置センサ91bからのオン信号を検出し可動部材初期位置設定要求フラグがセットされた(ステップS225,S229参照)ことにもとづいて、直ちに初期位置制御処理が実行され第2貯留部を閉鎖状態に戻すとともに可動部材77を初期位置に戻す制御が行われる(ステップS1242〜S1249参照)。
次いで、役物排出スイッチ85aのオン信号が検出されると(ステップS437参照)、役物内遊技球個数カウンタの値が1減算されて0となり、小当り遊技を終了する。図104に示すように、この実施の形態では、第2進入口72に遊技球が進入して第2役物入賞スイッチ72aで検出された場合にのみ、可動部材77が可動され、装飾部材78が連動して可動する演出が実行される。そして、第2貯留部から開放された遊技球は可動部材77内および経路部材95を通って回転体86上面に落下し、図14および図15に示すように、特定開口66または特定側面側開口66bを介して特定入賞口66Aに入賞し、または他の側面側開口84に入って排出される。
さらに、図105は、可変入賞球装置20の開放期間中に第1進入口71に遊技球が進入するとともに第2進入口72に遊技球が進入した場合の遊技球の進入および排出タイミングと可動部材の可動タイミングとを示している。図105に示す例では、CPU56は、小当り遊技に移行すると、開放ソレノイド75を駆動して、開放扉76A,76Bを開放する(ステップS417,S32参照)。図105に示す例では、遊技球が第1進入口71に進入し第1役物入賞スイッチ71aで検出され(ステップS434A参照)、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタを1加算する(ステップS435A参照)。さらに、図105に示す例では、遊技球が第2進入口72に進入し第2役物入賞スイッチ72aで検出され(ステップS434B参照)、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタを1加算してカウント値を2とする(ステップS435B参照)。
次いで、第1進入口71に進入した遊技球は役物20内の第1経路を経由して、図9および図10に示すように、役物20内の左方に設けられた経路部材92を通って第1貯留部に一旦貯留される。また、第2進入口72に進入した遊技球は役物20内の第2経路を経由して、図12に示すように、経路部材94を通って役物20内の右上方に導かれ第2貯留部に一旦貯留される。
次いで、開放中処理時間がタイムアウトすると(ステップS430参照)、CPU56は、所定の第1貯留部の開放時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)8秒)を経過したか否かの確認を行う(ステップS456B参照)。所定の第1貯留部の開放時間を経過していれば、CPU56は、第1貯留部ソレノイド90aを駆動して第1貯留部材93aを可動させることによって、第1貯留部を開放状態に制御する(ステップS456C参照)。すると、図11に示すように、第1貯留部から開放された遊技球は回転体86の前面側に導かれ、特定側面側開口66bを介して特定入賞口66Aに入賞し、または他の側面側開口84に入って排出される。なお、図105に示す例では、第1貯留部から開放された遊技球は、側面側開口84に入ってはずれとなったものとする。
次いで、役物排出スイッチ85aのオン信号が検出されると(ステップS437参照)、役物内遊技球個数カウンタの値が1減算されて1となる(ステップS438参照)。この場合、第1進入口71から進入した遊技球が排出されても役物内遊技球個数カウンタの値が0とならず(特定入賞口66Aに入賞していない場合)入賞監視タイマの値も0とならないので(ステップS453A,S453B参照)、所定の第2貯留部の開放期間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)12秒)を経過すると、CPU56は、第2貯留部ソレノイド90bを駆動して第2貯留部材93bを可動させることによって、第2貯留部を開放状態に制御する(ステップS456G参照)。さらに、所定の可動部材77の可動時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)13秒)を経過すると、CPU56は、可動部材77を可動する可動部材制御を実行する(ステップS456J参照)。すると、図13に示すように、第2貯留部が開放されるとともに、可動部材77が可動され右上方から左下方に斜めに傾いた状態に変化する。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)の制御にしたがって装飾部材78も可動部材77に連動して可動される。そして、第2貯留部から開放された遊技球は可動部材77内および経路部材95を通って回転体86上面に落下し、図14および図15に示すように、特定開口66または特定側面側開口66bを介して特定入賞口66Aに入賞し、または他の側面側開口84に入って排出される。
なお、図105に示すように、可動部材77が最も下方まで可動されると、下側位置センサ91bからのオン信号を検出し可動部材初期位置設定要求フラグがセットされた(ステップS225,S229参照)ことにもとづいて、直ちに初期位置制御処理が実行され第2貯留部を閉鎖状態に戻すとともに可動部材77を初期位置に戻す制御が行われる(ステップS1242〜S1249参照)。
そして、役物排出スイッチ85aのオン信号が検出されると(ステップS437参照)、役物内遊技球個数カウンタの値が1減算されて0となり、小当り遊技を終了する。
次に、大当り後のラウンド数や、ラウンドごとの開放時間、大当り期待度の予告表示の表示タイミングについて説明する。図106は、大当り後のラウンド数や、ラウンドごとの開放時間、大当り期待度の予告表示の表示タイミングを示すタイムチャートである。図106に示すように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、特別図柄の変動表示が実行されるとともに(ステップS344〜S346,S121〜S123,S131参照)、飾り図柄の変動表示が実行される(ステップS842〜S844,S851A〜S858A,S1864参照)。また、特図表示結果コマンドを受信すると、受信した特図表示結果コマンドにもとづいて、図106に示すように、特別図柄および飾り図柄の変動表示中に演出表示装置9に予告表示を重畳表示する(ステップS8551〜S8555参照)。
次いで、小当りであれば、可変入賞球装置(役物)20を開放したり役物20内の回転体86や可動部材77を可動させる制御(役物制御)が実行される(ステップS304〜S306)。役物制御が実行されている間、演出表示装置9では役物制御中演出が実行され(ステップS808参照)、役物制御中にV入賞しなければ、はずれ演出が実行される(ステップS809参照)。
次に、大当りBとなり擬似的に小当りの後に突然大当りとなる態様の演出を行う場合の演出タイミングについて説明する。図107は、大当りBとなり擬似的に小当りの後に突然大当りとなる態様の演出を行う場合の演出タイミングを示すタイミングチャートである。図107に示すように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、特別図柄の変動表示が実行されるとともに(ステップS344〜S346,S121〜S123,S131参照)、飾り図柄の変動表示が実行される(ステップS842〜S844,S851A〜S858A,S1864参照)。また、特図表示結果コマンドを受信すると、受信した特図表示結果コマンドにもとづいて、図107に示すように、特別図柄および飾り図柄の変動表示中に演出表示装置9に予告表示を重畳表示する(ステップS8551〜S8555参照)。
次いで、表示結果が大当りBであることにもとづいて、第1ラウンドおよび第2ラウンドにおいて役物20を大入賞口として開放する制御が実行される(ステップS474D参照)。また、第1ラウンドおよび第2ラウンドにおいて、演出制御装置9において、擬似的に役物制御中演出と同様の態様の演出が実行され(ステップS1870B,S8706,S8707,S8707B,S8606,S8607参照)、遊技者から見ると、恰も小当り遊技となったかのような演出が行われる。
そして、第3ラウンド目に移行すると、図107に示すように、通常の大入賞口である特別可変入賞球装置120を開放する制御が行われるとともに、演出制御装置9において、通常の大当り遊技中演出が実行され(ステップS1870C,S8706,S8707,S8708,S8606,S8607参照)、遊技者から見ると、恰も、第3ラウンド目から大当りに移行したかのような演出が行われる。
図107に示すような演出が実行されることによって、実際には大当りなのであるが、遊技者から見ると、恰も小当りの後に、V入賞の有無にかかわらず突然大当りとなったかのような演出を行うことができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示結果を大当りとしないことに決定したときには、始動動作にて役物20が開放状態となったときに進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞したことにもとづいて制御される大当り遊技状態における大入賞口の開放ラウンド数を表示結果の導出以前に決定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定された開放ラウンド数の予告表示を実行する。そのため、大当り遊技状態における大入賞口の開放ラウンド数を変化させることによって大当り遊技状態における遊技価値を変化させるとともに、決定した開放ラウンド数を効果的に示唆または報知することによって、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示結果を大当りとしないことに決定したときには、始動動作にて役物20が開放状態となったときに進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞したことにもとづいて制御される大当り遊技状態における大入賞口の各開放ラウンドごとの開放期間を表示結果の導出以前に決定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定された開放期間の予告表示を実行する。そのため、大当り遊技状態における大入賞口の各開放ラウンドごとの開放期間を変化させることによって大当り遊技状態における遊技価値を変化させるとともに、決定した各開放ラウンドごとの開放期間を効果的に示唆または報知することによって、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の可変表示中に予告表示を実行する。そのため、特別図柄の可変表示が停止する前、すなわち始動動作により役物20が開放状態に制御される前に予告表示を行うことによって、遊技者に対して役物20に遊技球を入賞させることに対する興味を高めさせることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りとすると決定されたか否かの予告表示も実行する。そのため、特定入賞口66Aに遊技球が進入したことにもとづく大当り遊技状態の遊技価値に加えて、特別図柄の可変表示結果として大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当り遊技状態(すなわち、直大当り)の発生に対する期待度も効果的に示唆または報知することができ、遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、遊技者から見ると、予告表示さえ見えれば、特定入賞口66Aに遊技球が進入したことにもとづく大当り遊技状態の遊技価値に加えて、特別図柄の可変表示結果として大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当り遊技状態の発生に対する期待度も知ることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当りと決定された場合であっても、大当りと決定された場合と同様の演出態様でリーチ演出を伴う飾り図柄の変動表示中の演出を実行した後に、大当りとしないと決定されたことに対応する演出(小当りであることを示す演出)を実行する。そのため、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄とならなかった場合であっても、その後の役物20の開放中に特定入賞口66Aに遊技球が進入することにもとづいて大当り遊技状態が発生するように構成することができる。よって、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄とならなかった後の遊技者に対する救済手段を設けることができ、遊技に対する興趣が減退してしまう事態を防止することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、
小当りであって大当り時と同様の演出が実行される場合には、始動動作において役物20を複数回(本例では2回)開放状態に制御する。そのため、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄とならなかった場合には、その後の始動動作において役物20を複数回開放状態に制御することによって特定入賞口66Aに遊技球が進入しやすくすることができる。よって、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄とならなかった後により特定入賞口66Aに遊技球が進入しやすい救済手段を設けることができ、遊技に対する興趣が減退してしまう事態を防止することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りBと決定したときには、大当り遊技状態に制御されているときの最初の開放ラウンドにおいて図96に示すように役物20を2回開放状態に制御し、3回目以降の開放ラウンドにおいて通常の大入賞口である特別可変入賞球装置120を開放状態に制御する。そのため、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄とならずに始動動作が開始されたとみせかけて、役物20の開放制御中に特定入賞口66Aに遊技球が進入しなくても大当り遊技状態に制御されたかのような演出を行うことができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、特別図柄の変動表示中に予告表示を行う場合を示したが、特別図柄の変動表示後の役物20の開放制御が行われるときに予告表示を行うようにしてもよい。以下、特別図柄の変動表示後の役物20の開放制御が行われるときに予告表示を行う第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図108および図109は、第2の実施の形態における第1飾り図柄変動停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。この実施の形態における第1飾り図柄変動停止処理において、ステップS1861〜S1876の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
ステップS1876Aでは、演出制御用CPU101は、特図表示結果コマンド格納領域に格納されている特図表示結果コマンド(ステップS624参照)にもとづいて、大当り期待度を決定する。この実施の形態では、大当り期待度として「大」、「中」、「小」の3段階のいずれかに決定する。この場合に、特図表示結果コマンドに示される表示結果が大当りである場合には、「大」、「中」、「小」の順に選択率が高くなるように大当り期待度を決定する。例えば、50パーセントの確率で「大」とすることに決定し、30パーセントの確率で「中」とすることに決定し、20パーセントの確率で「小」とすることに決定する。また、特図表示結果コマンドに示される表示結果が小当りである場合には、「小」、「中」、「大」の順に選択率が高くなるように大当り期待度を決定する。例えば、50パーセントの確率で「小」とすることに決定し、30パーセントの確率で「中」とすることに決定し、20パーセントの確率で「大」とすることに決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、特図表示結果コマンドにもとづいて、16ラウンドの大当りであるか、またはV入賞後の16ラウンドの大当りに移行する小当りであるかを確認する(ステップS1876B)。具体的には、特図表示結果コマンドに示される表示結果が大当りA、大当りB、小当りC〜小当りEのいずれかであるか否かを確認する。ラウンド数が16ラウンドであれば(ステップS1876BのY)、演出制御用CPU101は、特図表示結果コマンドにもとづいて、大当り後のラウンド数が16ラウンドあること、ラウンドごとの開放時間、ステップS1876Aで決定した大当り期待度の予告表示を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS1876C)。ラウンド数が16ラウンドでなければ(ステップS1876BのN)、すなわちV入賞後に2ラウンドまたは7ラウンドの大当りに移行する小当りAまたは小当りBである場合には、大当り後のラウンド数およびステップS1876Aで決定した大当り期待度の予告表示を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS1876D)。そして、ステップS1876Eに移行する。
なお、この実施の形態では、第1飾り図柄変動停止処理でステップS1876A〜S1876Dの処理を行う代わりに、第1の実施の形態で示した第1飾り図柄変動中処理におけるステップS8551〜S8555の処理は行わない。
次いで、演出制御用CPU101は、予告表示の表示時間を計測するための予告表示時間計測タイマをスタートさせる(ステップS1876E)とともに、予告表示中であることを示す予告表示中フラグをセットする(ステップS1876F)。
なお、ステップS1877,S1878の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図110は、第2の実施の形態における役物制御中演出処理(ステップS808)を示すフローチャートである。この実施の形態における役物制御中演出処理において、ステップS881〜S887の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
ステップS887Aでは、演出制御用CPU101は、予告表示中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS887A)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、予告表示時間計測タイマの値を1減算する(ステップS887B)とともに、減算後を予告表示時間計測タイマの値がタイムアウトしているか否かを確認する(ステップS887C)。タイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に重畳表示されている予告表示を消去する(ステップS887D)とともに、予告表示中フラグをリセットする(ステップS887E)。そして、ステップS888に移行する。
なお、ステップS888以降の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図111は、第2の実施の形態における予告表示の演出態様の例を示す説明図である。図111(1)に示すように、第1始動入賞口13(または第2始動入賞口14)に遊技球が入賞すると、図111(2)に示すように、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示が実行される。また、特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示が実行される。
次いで、変動表示を終了すると、図111(3)に示すように、特別図柄表示器8に小当り図柄が導出表示される。また、役物制御に移行すると、図111(3)に示すように、役物20の開放を示す表示905(例えば、「OPEN」などの文字列)が表示される。この場合、図111(3)に示すように、演出表示装置9において大当り後のラウンド数や大当り期待度の予告表示が重畳表示される。なお、図111(3)に示す例では、表示結果が小当りAであり、大当り期待度「小」と決定されたことにもとづいて、白色の表示色で星形の図柄900Aが表示されている。そして、図111(4)に示すように、開放扉76A,76Bが開放されて役物20の開放制御が開始される。
その後、図111(5)(6)(7)に示すように、遊技球が役物20に入賞し役物20内の特定入賞口66Aに入賞(V入賞)すると、図111(8)に示すように、大当りの開始を示す表示906(本例では、2ラウンドの大当りを示す「2R」などの文字列)が表示される。なお、図111(5)(6)(7)に示す例では、遊技球が役物20の第2進入口72に入賞して第2役物入賞スイッチ72aで検出され、スペシャルルート検出スイッチ72bで検出された後に、回転体86の特定入賞口66Aに入賞して大当りとなる場合が示されている。
次に、大当り後のラウンド数や、ラウンドごとの開放時間、大当り期待度の予告表示の表示タイミングについて説明する。図112は、第2の実施の形態における大当り後のラウンド数や、ラウンドごとの開放時間、大当り期待度の予告表示の表示タイミングを示すタイムチャートである。図112に示すように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、特別図柄の変動表示が実行されるとともに(ステップS344〜S346,S121〜S123,S131参照)、飾り図柄の変動表示が実行される(ステップS842〜S844,S851A〜S858A,S1864参照)。
次いで、小当りであれば、可変入賞球装置(役物)20を開放したり役物20内の回転体86や可動部材77を可動させる制御(役物制御)が実行される(ステップS304〜S306)。また、役物制御の開始時に、受信した特図表示結果コマンドにもとづいて、図112に示すように、演出表示装置9に予告表示を重畳表示する(ステップS1876A〜S1876D参照)。そして、役物制御が実行されている間、演出表示装置9では役物制御中演出が実行され(ステップS808参照)、役物制御中にV入賞しなければ、はずれ演出が実行される(ステップS809参照)。なお、予告表示において図81に示す星形、三日月形、態様のいずれの図柄を表示したかに応じて、異なる演出態様ではずれ演出を実行するようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の可変表示を終了し表示結果を導出表示した後に予告表示を実行する。そのため、特別図柄の可変表示が停止した後、すなわち始動動作により役物20が開放状態に制御されるときに予告表示を行うことによって、遊技者に対して役物20の入口付近に存在する遊技球の動きに興味をもたせることができる。
実施の形態3.
第1の実施の形態では、特別図柄の変動表示中に予告表示を行う場合を示したが、役物20の開放制御が行われるときに役物20に遊技球が入賞したことをトリガとして予告表示を行うようにしてもよい。以下、役物20の開放制御が行われるときに役物20に遊技球が入賞したことをトリガとして予告表示を行う第3の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図113および図114は、第3の実施の形態における役物制御中演出処理(ステップS808)を示すフローチャートである。この実施の形態における役物制御中演出処理において、ステップS881〜S887の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
次いで、演出制御用CPU101は、第1役物入賞指定コマンドまたは第2役物入賞指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS887a)。受信していれば、演出制御用CPU101は、特図表示結果コマンド格納領域に格納されている特図表示結果コマンド(ステップS624参照)にもとづいて、大当り期待度を決定する(ステップS887b)。この実施の形態では、大当り期待度として「大」、「中」、「小」の3段階のいずれかに決定する。この場合に、特図表示結果コマンドに示される表示結果が大当りである場合には、「大」、「中」、「小」の順に選択率が高くなるように大当り期待度を決定する。例えば、50パーセントの確率で「大」とすることに決定し、30パーセントの確率で「中」とすることに決定し、20パーセントの確率で「小」とすることに決定する。また、特図表示結果コマンドに示される表示結果が小当りである場合には、「小」、「中」、「大」の順に選択率が高くなるように大当り期待度を決定する。例えば、50パーセントの確率で「小」とすることに決定し、30パーセントの確率で「中」とすることに決定し、20パーセントの確率で「大」とすることに決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、特図表示結果コマンドにもとづいて、16ラウンドの大当りであるか、またはV入賞後の16ラウンドの大当りに移行する小当りであるかを確認する(ステップS887c)。具体的には、特図表示結果コマンドに示される表示結果が大当りA、大当りB、小当りC〜小当りEのいずれかであるか否かを確認する。ラウンド数が16ラウンドであれば(ステップS887cのY)、演出制御用CPU101は、特図表示結果コマンドにもとづいて、大当り後のラウンド数が16ラウンドあること、ラウンドごとの開放時間、ステップS887bで決定した大当り期待度の予告表示を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS887d)。ラウンド数が16ラウンドでなければ(ステップS887cのN)、すなわちV入賞後に2ラウンドまたは7ラウンドの大当りに移行する小当りAまたは小当りBである場合には、大当り後のラウンド数およびステップS887bで決定した大当り期待度の予告表示を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS887e)。そして、ステップS888に移行する。
なお、この実施の形態では、役物制御中演出処理でステップS887b〜S887eの処理を行う代わりに、第1の実施の形態で示した第1飾り図柄変動中処理におけるステップS8551〜S8555の処理は行わない。
ステップS888〜S894の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
役物制御終了指定コマンドを受信していれば(ステップS881のY)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に重畳表示されている予告表示を消去する(ステップS895A)。そして、ステップS895に移行する。
なお、ステップS895以降の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図115は、第3の実施の形態における予告表示の演出態様の例を示す説明図である。図115(1)に示すように、第1始動入賞口13(または第2始動入賞口14)に遊技球が入賞すると、図115(2)に示すように、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示が実行される。また、特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示が実行される。
次いで、変動表示を終了すると、図115(3)に示すように、特別図柄表示器8に小当り図柄が導出表示される。また、役物制御に移行すると、図115(3)に示すように、役物20の開放を示す表示905(例えば、「OPEN」などの文字列)が表示される。そして、図115(4)に示すように、開放扉76A,76Bが開放されて役物20の開放制御が開始される。
次いで、図115(5)に示すように、遊技球が役物20に進入すると、図115(6)に示すように、演出表示装置9において大当り後のラウンド数や大当り期待度の予告表示が重畳表示される。なお、図115(6)に示す例では、表示結果が小当りAであり、大当り期待度「小」と決定されたことにもとづいて、白色の表示色で星形の図柄900Aが表示されている。また、図115(5)(6)に示す例では、遊技球が役物20の第2進入口72に入賞して第2役物入賞スイッチ72aで検出されたことにもとづいて予告表示を行う場合が示されている。
その後、図115(7)(8)に示すように、遊技球が役物20に入賞し役物20内の特定入賞口66Aに入賞(V入賞)すると、図115(9)に示すように、大当りの開始を示す表示906(本例では、2ラウンドの大当りを示す「2R」などの文字列)が表示される。なお、図115(7)(8)に示す例では、遊技球がスペシャルルート検出スイッチ72bで検出された後に、回転体86の特定入賞口66Aに入賞して大当りとなる場合が示されている。
次に、大当り後のラウンド数や、ラウンドごとの開放時間、大当り期待度の予告表示の表示タイミングについて説明する。図116は、第3の実施の形態における大当り後のラウンド数や、ラウンドごとの開放時間、大当り期待度の予告表示の表示タイミングを示すタイムチャートである。図116に示すように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、特別図柄の変動表示が実行されるとともに(ステップS344〜S346,S121〜S123,S131参照)、飾り図柄の変動表示が実行される(ステップS842〜S844,S851A〜S858A,S1864参照)。
次いで、小当りであれば、可変入賞球装置(役物)20を開放したり役物20内の回転体86や可動部材77を可動させる制御(役物制御)が実行される(ステップS304〜S306)。また、役物20内に遊技球が入賞すると、受信した特図表示結果コマンドにもとづいて、図116に示すように、演出表示装置9に予告表示を重畳表示する(ステップS887b〜S887e参照)。そして、役物制御が実行されている間、演出表示装置9では役物制御中演出が実行され(ステップS808参照)、役物制御中にV入賞しなければ、はずれ演出が実行される(ステップS809参照)。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、役物20に遊技球が入賞したときに予告表示を実行する。そのため、遊技者に対して役物20に入賞した後の遊技球の動きに興味をもたせることができる。
実施の形態4.
第1の実施の形態では、特別図柄の変動表示中に予告表示を行う場合を示したが、役物20の開放制御が行われるときに役物20内のスペシャルルートに遊技球が入賞したことをトリガとして予告表示を行うようにしてもよい。以下、役物20の開放制御が行われるときに役物20内のスペシャルルートに遊技球が入賞したことをトリガとして予告表示を行う第4の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図117は、第4の実施の形態における役物制御中演出処理(ステップS808)を示すフローチャートである。この実施の形態における役物制御中演出処理において、ステップS881〜S889の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
ステップS889Aでは、演出制御用CPU101は、特図表示結果コマンド格納領域に格納されている特図表示結果コマンド(ステップS624参照)にもとづいて、大当り期待度を決定する。この実施の形態では、大当り期待度として「大」、「中」、「小」の3段階のいずれかに決定する。この場合に、特図表示結果コマンドに示される表示結果が大当りである場合には、「大」、「中」、「小」の順に選択率が高くなるように大当り期待度を決定する。例えば、50パーセントの確率で「大」とすることに決定し、30パーセントの確率で「中」とすることに決定し、20パーセントの確率で「小」とすることに決定する。また、特図表示結果コマンドに示される表示結果が小当りである場合には、「小」、「中」、「大」の順に選択率が高くなるように大当り期待度を決定する。例えば、50パーセントの確率で「小」とすることに決定し、30パーセントの確率で「中」とすることに決定し、20パーセントの確率で「大」とすることに決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、特図表示結果コマンドにもとづいて、16ラウンドの大当りであるか、またはV入賞後の16ラウンドの大当りに移行する小当りであるかを確認する(ステップS889B)。具体的には、特図表示結果コマンドに示される表示結果が大当りA、大当りB、小当りC〜小当りEのいずれかであるか否かを確認する。ラウンド数が16ラウンドであれば(ステップS889BのY)、演出制御用CPU101は、特図表示結果コマンドにもとづいて、大当り後のラウンド数が16ラウンドあること、ラウンドごとの開放時間、ステップS889Aで決定した大当り期待度の予告表示を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS889C)。ラウンド数が16ラウンドでなければ(ステップS889BのN)、すなわちV入賞後に2ラウンドまたは7ラウンドの大当りに移行する小当りAまたは小当りBである場合には、大当り後のラウンド数およびステップS889Aで決定した大当り期待度の予告表示を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS889D)。そして、ステップS893に移行する。
なお、この実施の形態では、役物制御中演出処理でステップS889A〜S889Dの処理を行う代わりに、第1の実施の形態で示した第1飾り図柄変動中処理におけるステップS8551〜S8555の処理は行わない。
ステップS890〜S894の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
また、この実施の形態では、第3の実施の形態と同様に、役物制御終了指定コマンドを受信していれば(ステップS881のY)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に重畳表示されている予告表示を消去する(ステップS895A参照)。そして、ステップS895に移行する。
なお、ステップS895以降の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図118は、第4の実施の形態における予告表示の演出態様の例を示す説明図である。図118(1)に示すように、第1始動入賞口13(または第2始動入賞口14)に遊技球が入賞すると、図118(2)に示すように、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示が実行される。また、特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示が実行される。
次いで、変動表示を終了すると、図118(3)に示すように、特別図柄表示器8に小当り図柄が導出表示される。また、役物制御に移行すると、図118(3)に示すように、役物20の開放を示す表示905(例えば、「OPEN」などの文字列)が表示される。そして、図118(4)に示すように、開放扉76A,76Bが開放されて役物20の開放制御が開始される。
次いで、図118(5)に示すように、遊技球が役物20の第2進入口72に入賞して第2役物入賞スイッチ72aで検出された後、さらに、図118(6)に示すように、遊技球がスペシャルルート検出スイッチ72bで検出されると、図118(7)に示すように、演出表示装置9において大当り後のラウンド数や大当り期待度の予告表示が重畳表示される。なお、図118(7)に示す例では、表示結果が小当りAであり、大当り期待度「小」と決定されたことにもとづいて、白色の表示色で星形の図柄900Aが表示されている。
その後、図118(8)に示すように、遊技球が役物20内の特定入賞口66Aに入賞(V入賞)すると、図118(9)に示すように、大当りの開始を示す表示906(本例では、2ラウンドの大当りを示す「2R」などの文字列)が表示される。
次に、大当り後のラウンド数や、ラウンドごとの開放時間、大当り期待度の予告表示の表示タイミングについて説明する。図119は、第4の実施の形態における大当り後のラウンド数や、ラウンドごとの開放時間、大当り期待度の予告表示の表示タイミングを示すタイムチャートである。図119に示すように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、特別図柄の変動表示が実行されるとともに(ステップS344〜S346,S121〜S123,S131参照)、飾り図柄の変動表示が実行される(ステップS842〜S844,S851A〜S858A,S1864参照)。
次いで、小当りであれば、可変入賞球装置(役物)20を開放したり役物20内の回転体86や可動部材77を可動させる制御(役物制御)が実行される(ステップS304〜S306)。また、役物20内に遊技球が入賞し、さらにスペシャルルートに遊技球が進入すると、受信した特図表示結果コマンドにもとづいて、図119に示すように、演出表示装置9に予告表示を重畳表示する(ステップS889A〜S889D参照)。そして、役物制御が実行されている間、演出表示装置9では役物制御中演出が実行され(ステップS808参照)、役物制御中にV入賞しなければ、はずれ演出が実行される(ステップS809参照)。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スペシャルルートへの遊技球の進入が検出されると予告表示を実行する。そのため、遊技者に対して役物20内のスペシャルルートに進入した遊技球の動きに興味をもたせることができる。
なお、上記に示した各実施の形態では、以下の(1)〜(4)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)遊技機は、遊技球を用いて所定の遊技を行うことが可能であり、遊技球が進入可能な開放状態と遊技球が進入不可能な閉鎖状態に制御可能な可変入賞球装置(例えば、可変入賞球装置(役物)20)を備え、当該可変入賞球装置内に設けられた進入領域のうち特別領域(例えば、特定入賞口66A)に遊技球が進入したときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に移行させる遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、各種情報を表示する可変表示部(例えば、演出表示装置9)の表示状態を制御する演出制御手段(例えば、演出制御用CPU101を含む演出制御用マイクロコンピュータ100)と、可変入賞球装置に進入した遊技球を検出する進入検出手段(例えば、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a)と、可変入賞球装置から排出された遊技球を検出する排出検出手段(例えば、役物排出スイッチ85a)とを備え、遊技制御手段は、遊技領域(例えば遊技領域7)に設けられた始動領域(例えば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)に遊技球が進入したことにもとづいて、可変入賞球装置が所定回(例えば1回または2回)開放状態となる開放制御を実行した後(例えば、ステップS417,S443の処理の実行後)、排出検出手段により可変入賞球装置に進入した全ての遊技球が検出されたこと(例えばステップS453AのY)、または可変入賞球装置の開放制御に関連した所定のタイミング(例えば、可変入賞球装置(役物)20の開放開始時。なお、可変入賞球装置(役物)20への遊技球の進入時や特別図柄の変動開始時などのタイミングであってもよい。)から所定期間(例えば入賞監視時間)が経過したこと(例えば、ステップS453BのY)にもとづいて、次の開放制御を実行可能な状態に制御する(例えば、ステップS455の処理を実行して役物閉鎖後処理に移行する)開放制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS453A〜S455の処理を実行する部分)と、始動領域への遊技球の進入が所定時間ないときに実行されるデモンストレーション表示を可変表示部に表示させるためのデモコマンド(例えば客待ちデモ表示コマンド)を送信するデモコマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS53の処理を実行する部分)とを含み、演出制御手段は、デモコマンド送信手段からのデモコマンドを受信したこと(例えば、ステップS664のY)にもとづいて可変表示部にデモンストレーション表示を表示し(例えば、ステップS709のデモ表示制御処理を実行し)、デモコマンド送信手段は、開放制御手段が次の開放制御を実行可能な状態に制御したとき(例えばステップS455の処理を実行したとき)に始動領域に遊技球が進入していない場合(例えばステップS51のY)にはデモコマンドを送信する(例えば、ステップS53の処理を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、正常な制御状態であれば遊技者が注意を惹いている状態でデモンストレーション表示が行われるのを防止することができ、遊技者が興醒めしてしまうのを防止することができる。
(2)遊技機は、遊技球を用いて所定の遊技を行うことが可能であり、所定の移行条件の成立(例えば、ステップS62の大当り判定で「大当り」または「小当り」と決定されたこと)にもとづいて遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させる遊技機であって、特定遊技状態において遊技球が入賞しない閉鎖状態と遊技球が入賞可能な開放状態とに変化可能な可変入賞球装置(例えば、大入賞口を構成する特別可変入賞球装置120)と、特定遊技状態中における可変入賞球装置への入賞の標準値(例えば、16ラウンドの大当り遊技状態のときは、ラウンド中に遊技球が大入賞口に10個入賞すれば次のラウンドに移行されるので標準値は160個(10個×16ラウンド)を示す値ととなる。)よりも多い値であって特定遊技状態における可変入賞球装置への入賞を許容する閾値(例えば、16ラウンドの大当り遊技状態のときは192個を示す値)を記憶する閾値記憶手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS136A,S1459Aの処理を実行する部分)と、可変入賞球装置に入賞した遊技球を検出して検出信号を出力する検出手段(例えば、カウントスイッチ23)と、特定遊技状態において検出手段から検出信号が出力されたことにもとづいて可変入賞球装置への入賞数を計測する入賞数計測手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるカウントスイッチ23がオンしたことにもとづいてステップS487の処理を実行する部分)と、特定遊技状態以外の通常状態(例えば、大当り遊技状態以外の遊技状態)において検出手段から検出信号が出力されたことにもとづいて異常入賞と判定する第1異常入賞判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS255のNのときにステップS258のNとなったことにもとづいて大入賞口への異常入賞が発生したと判定する処理(ステップS260)を実行する部分)と、特定遊技状態において入賞数計測手段により計測された入賞数が閾値を超えたことにもとづいて異常入賞と判定する第2異常入賞判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS255のYのときに異常入賞判定カウンタの値が0であるか否か判定する処理(ステップS260)を実行する部分)と、第1異常入賞判定手段または第2異常入賞判定手段により異常入賞と判定された場合(例えばステップS260のY)に異常報知を実行する異常報知実行手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS261の処理を実行する部分、および演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS707の処理を実行する部分)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、通常遊技状態および特定遊技状態のいずれの遊技状態においても異常入賞を的確に検出し判定することができる。
(3)遊技機は、遊技球を用いて所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技球が進入可能な開放状態と遊技球が進入不可能な閉鎖状態とに変化可能な可変入賞装置(例えば、特別可変入賞球装置120、可変入賞球装置15)と、所定の開放条件が成立(例えば、特別図柄の可変表示結果が大当りとなって大当り遊技状態に移行したこと、普通図柄の可変表示結果が当りとなったこと)したときに可変入賞装置を閉鎖状態から開放状態に変化させる可変入賞装置制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS477を実行する部分。遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS4103を実行して可変入賞球装置15を開放状態に制御する部分)と、可変入賞装置に進入した遊技球を検出して入賞検出信号を出力する入賞検出手段(例えば、カウントスイッチ23、第2始動口スイッチ14a)と、可変入賞装置制御手段によって可変入賞装置が開放状態に制御されていないときに、入賞検出手段が入賞検出信号を出力したことにもとづいて、異常入賞が発生したと判定する異常入賞判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS255のYのときに異常入賞判定カウンタの値が0であるか否か判定する処理(ステップS260)を実行する部分。ステップS263でNのときにステップS266を事項する部分)と、遊技機において異常入賞と異なる所定の異常状態(例えば、磁気異常、振動異常、異常開放)が発生したか否かを判定する異常状態判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS279,S282,S285,S286,S289を実行する部分)と、異常入賞判定手段によって異常入賞が発生したと判定されたことまたは異常状態判定手段によって所定の異常状態が発生したと判定されたことにもとづいて、遊技機の外部に設けられている外部装置に所定の異常信号を出力するための外部出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS262,S268,281,S284,S288,S291,S1069〜S1074,S1102,S1103を実行する部分)とを備え、外部出力手段は、異常入賞判定手段によって異常入賞が発生したと判定されたときと異常状態判定手段によって所定の異常状態が発生したと判定されたときとで、遊技機に設けられた共通の出力端子に所定の異常信号を出力可能とした(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、情報端子盤34の共通のコネクタCN6を用いて異常信号をホールコンピュータに出力する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、異常入賞が発生したことおよび遊技機において所定の異常状態が発生したことなど複数の異常が発生したことを示す情報を外部装置に出力することができる。また、外部装置に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
(4)遊技機は、各々を識別可能な識別情報(例えば特別図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、特別図柄表示器8)を備え、該可変表示装置に特定表示結果(例えば大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な複数のラウンド(例えば、16ラウンド)を実行可能な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させる遊技機であって、可変表示装置に導出表示される表示結果を特定表示結果とするか否かを表示結果の導出表示以前に決定する事前決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS61,S62で大当りとするか小当りとするかを決定する処理を実行する部分)と、特定遊技状態におけるラウンド数を決定するラウンド数決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS61,S62で、図28に示すテーブルにもとづいて、2ラウンドの大当り遊技に対応する小当りAとするのか、7ラウンドの大当り遊技に対応する小当りBとするのか、16ラウンドの大当り遊技に対応する大当りまたは小当りC〜小当りEとするのかを決定する処理を実行する部分)と、複数回の可変表示に亘って実行可能なモード演出(例えば、背景画像を用いた演出)をあらかじめ段階的に上下関係が定められた複数種類のモード演出の中から選択するモード演出段階選択手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS8659の処理を実行する部分)と、可変表示装置を含む演出装置(例えば、演出表示装置9)を用いて、モード演出段階選択手段により選択されたモード演出を実行するモード演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS8660の処理を実行する部分)と、該モード演出実行手段が実行中のモード演出を記憶するモード演出記憶手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100に搭載されたRAMにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するステップS8659の処理にもとづいてフラグの値を記憶する部分)とを備え、モード演出段階選択手段は、ラウンド数決定手段により決定されたラウンド数が所定の数(例えば、16ラウンド)以上であった場合に、モード演出記憶手段に記憶されているモード演出よりも上位の段階のモード演出を選択し(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した表示結果指定コマンドが「02」,「03」であることによって16ラウンドの大当りであることが示されている場合に、ステップS8659で、図98に示すテーブルを参照してグレードフラグの値が1または2であるときにグレードフラグの値に1を加え、ステップS8660で、変更後のグレードフラグの値に応じて背景画像を変更する)、ラウンド数決定手段により決定されたラウンド数が所定の数(例えば、16ラウンド)未満であった場合に、モード演出記憶手段に記憶されているモード演出よりも下位の段階のモード演出を選択する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した表示結果指定コマンドが「01」であることによって7ラウンドの大当りであることが示されている場合に、ステップS8659で、図98に示すテーブルを参照してグレードフラグの値が2または3であるときにグレードフラグの値から1または2を減じ、ステップS8660で、変更後のグレードフラグの値に応じて背景画像を変更する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、所定の数以上のラウンド数の特定遊技状態に移行させるための大当りを発生させ続けることによる遊技興趣を向上させることができ、さらに、特定遊技状態の終了後の通常遊技中においてもその興趣を持続させることができる。