JP2009188672A - 増幅器、半導体装置、および通信装置 - Google Patents

増幅器、半導体装置、および通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009188672A
JP2009188672A JP2008025685A JP2008025685A JP2009188672A JP 2009188672 A JP2009188672 A JP 2009188672A JP 2008025685 A JP2008025685 A JP 2008025685A JP 2008025685 A JP2008025685 A JP 2008025685A JP 2009188672 A JP2009188672 A JP 2009188672A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amplifier
frequency
signal
parallel
inductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008025685A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Koya
真人 幸谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2008025685A priority Critical patent/JP2009188672A/ja
Publication of JP2009188672A publication Critical patent/JP2009188672A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Amplifiers (AREA)
  • Input Circuits Of Receivers And Coupling Of Receivers And Audio Equipment (AREA)

Abstract

【課題】所望波と3倍の周波数関係にある妨害波が入力されたときの、3倍高調波ミキシングによる受信品質の劣化を抑制することができる増幅器、半導体装置、および通信装置を提供する。
【解決手段】入力信号を増幅して出力するトランジスタを含むLNA104を備えた増幅器100において、トランジスタの接地させる端子と、絶対的なグランド電位に保たれている外部のグランド端子とを電気的につなぐ経路上に、並列共振回路105を備え、並列共振回路105の共振周波数は、入力信号の周波数の3倍に設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、増幅器、半導体装置、および通信装置に関するものであり、詳細には、入力された高周波信号のうち所望波を減衰させず、妨害波を減衰させるように適応的に増幅処理を行う技術に関する。
従来、デジタル放送を受信して視聴するためには、RF(Radio Frequency:ラジオ周波数)信号で発信されているチャンネル信号をアンテナにて受信し、チューナにてRF信号をダウンコンバートすることにより、BB(Baseband Frequency:ベースバンド帯周波数)信号に復元することが必要となっている。チューナでは、RF信号は、フィルタにより不要波が抑圧され増幅器にて増幅された後、ミキサにてローカル信号に基づいてダウンコンバートされる。そして、フィルタを介してBB信号が取り出される。
チューナから高品質のBB信号を出力させるためには、フィルタにて不要波を十分に抑圧する必要があるが、フィルタの仕様が厳しくなる。そこで、増幅器の利得を小さくするという方法が提案されている。
図11に、一般的な従来の増幅器500の概略構成を示す。
図11に示すように、増幅器500は、半導体上に形成されており、入力部501に入力された信号を、LNA(Low Noise Amp:低雑音アンプ)504にて増幅し、出力部502に出力する。入力部501には、図示しないフィルタから出力されたRF信号が入力される。増幅器500を半導体チップ内に形成した場合、LNA504の接地は、半導体チップ上に外部と接続可能に形成されたグランド端子503から、パッケージ依存のあるボンディングワイヤ等の寄生インダクタ素子Lpを介して、半導体チップが実装された基板上の絶対グランドに接続されることによって行われている。増幅器500は、トランジスタの増幅作用を利用することによって増幅を行っている。具体的な増幅器の500の構成例を、図12に示す。
図12に示す増幅器510は、入力部501、出力部502、グランド端子503、FET(電界効果トランジスタ)505,FET506、および負荷507により構成されている。FET505は、ゲート端子が入力部501に接続され、ドレイン端子がFET506のソース端子に接続され、ソース端子がグランド端子503を介して基板上の絶対グランドに接地されている。FET506は、ゲート端子にバイアス電圧Vbが供給され、ドレイン端子に負荷507を介して電源電圧が供給されている。FET506のドレイン端子に出力部502が接続されている。
また、増幅器500は、差動増幅を行うように構成することもできる。図13に、差動増幅を行う増幅器520の構成を示す。増幅器520は、入力部501、入力部501’、出力部502、出力部502’、グランド端子503、FET508、およびFET509により構成されている。FET508は、ゲート端子が入力部501に接続され、ドレイン端子が出力部502に接続されている。FET509は、ゲート端子が入力部501’に接続され、ドレイン端子が出力部502’に接続されている。そして、FET508およびFET509は、それぞれのソース端子がグランド端子503に共通接続されている。
次いで、図12に示した増幅器510を例に挙げて、利得について説明する。
図12に示すように、増幅器510のグランド端子503から基板上の絶対グランドまでのインピーダンス成分をZE、出力負荷インピーダンスをZLと表すとする。このとき、FET505,506のgm値(トランスコンダクタンス値)が大きいと仮定すれば、増幅器510の利得(Gain)は、式(1)のように簡略化して示すことができる。
Gain≒20×log(ZL/ZE) ・・・式(1)
式(1)を参照すると、インピーダンス成分ZEが大きいとき、利得は小さくなることがわかる。
インピーダンス成分ZEを大きくするためには、例えば、インピーダンス成分ZEを形成する絶対グランドに接続するまでの経路上に、LC並列共振回路を挿入する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
図14(a)は、LC並列共振回路600の構成を示す回路図である。LC並列共振回路600は、並列接続されたインダクタLおよびキャパシタCにより構成されている。図14(a)は、インダクタLの寄生抵抗が十分に小さい場合を示している。図14(b)は、インダクタLの寄生抵抗Rを考慮したときのLCR並列共振回路610を示している。
LCR並列共振回路610の共振周波数fは、式(2)のように示される。
Figure 2009188672
LC並列共振回路600の場合は、寄生抵抗が十分に小さいので、式(2)中のRを含む第2項を無視して共振周波数fを計算することができる。図14(c)に示すように、LC並列共振回路600およびLCR並列共振回路610では、共振周波数fのときインピーダンスZが最も高くなる。
また、衛星/移動電話信号受信時に、隣接するUTMS地上/衛星電話網による妨害電波を除去する手法として、増幅器の出力信号を感知し、比較的高レベルの出力信号に応答して、共振回路のリアクタンスを可変制御することにより、妨害電波を減衰させる技術も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開昭64−16005号公報(1989年1月19日公開) 特開平10−107554号公報(1998年4月24日公開) 「EICTA MBRAI 2.0 MOBILE AND PORTABLE DVB-T/H RADIO ACCESS−Part1:Interface specification」,P53−11.1.2.2 Interoperability requirements,<URL:http://www.eicta.org/index.php?id=34&id_article=152>
ところで、近年、携帯電話の利用者向けに、ワンセグ(日本)およびDVB−H(欧州)等の地上デジタル放送のサービスが急速に普及している。上述したようなチューナを携帯電話に搭載させることにより、携帯電話にて地上デジタル放送を受信し視聴することが可能となっている。
しかしながら、携帯電話自身が発する電波が、携帯電話が受信する地上デジタル放送のチャンネル信号と3倍の周波数関係にあるとき、携帯電話自身が発する電波が妨害波となって、地上デジタル放送の受信品質が著しく劣化するという問題点を有している。
例えば、携帯電話にて、DVB−HのRF信号の所望波(周波数fRF:650MHz)をダイレクトコンバージョン方式で受信しているとする。所望波は、図15に示すように、ローカル信号(周波数fLO:650MHz)に基づいて、所望帯域にダウンコンバートされる。ところが所望波を受信中に、所望波の3倍周波数関係にある携帯電話自身が発するW−CDMAの電波(1950MHz)を同時に受信してしまうと、この電波とローカル信号の3倍高調波とのミキシングが起こる。このため、不要な電波が所望帯域にダウンコンバートされることにより、地上デジタル放送の受信品質が著しく劣化してしまう。すなわち、W−CDMAの電波が妨害波となり悪影響を与えている。
また、ワンセグでは、Low−IF方式を用いて、430kHzの帯域幅を持つ所望波を、500kHzのIF周波数にダウンコンバートしている。所望波の周波数をf、ローカル信号の周波数をfLO、IF周波数をfIFとすれば、f=(fLO+fIF)と表すことができる。この場合、妨害波の妨害波の周波数が式(3)に示す周波数fのときに、最も受信品質が劣化する。
=3fLO−fIF=3(f-fIF)−fIF=3f−4fIF ・・・式(3)
DVB−Hのように、ダイレクトコンバージョン方式を用いて、8MHzの帯域幅を持つ所望波をDC近傍にダウンコンバートする場合は、式(3)においてfIF=0と考えればよい。よって、DVB−Hで650MHzの地上デジタル放送を受信しているとき、1950MHzのW−CDMA妨害波がf=3fの関係を満たすため、最も受信品質が劣化することがわかる。
また、UHF帯のTV信号は非常に広帯域(DVB−Hの場合474MHz〜858MHz)であるので、その3倍の周波数関係になってしまう周波数を用いた携帯電話妨害波としては、W−CDMA1900MHz帯に限らず、GSM1800MHz帯等もある。
ここで、DVB−Hの規格であるMBRAI仕様書(非特許文献1参照)には、33dBmの携帯電話の送信パワーPにアンテナロスを15dB分考慮し、チューナの入力端子で18dBmのパワーを受けたときに、受信感度の劣化を1.5dB未満に抑えることが記載されている。
受信感度は、式(4)のように示される。
受信感度=10log(kTBw)+NF+C/N ・・・式(4)
(なお、kはボルツマン定数(1.38×10−23)、Tは温度(290K)、BwはDVB−Hの1チャネルの帯域幅(7.6MHz)、NFは雑音指数,C/Nは所要C/Nである。)
所要C/N=11.3(dB)(16QAM CR=1/2)、NF=5(dB)のとき、式(4)により、受信感度は、−88.9dBmとなる。ゆえに、帯域外の妨害波を受信した時に、受信感度の劣化を1.5dBの以内に抑える受信感度は、−87.4dBm(-88.9+1.5)となる。
これを考慮すると、所望波と3倍周波数関係にある帯域外妨害波の仕様に関して、式(5)を満足するフィルタ減衰量X(dB)が必要とされる。
−(P−△G−X)>11.3(C/N) ・・・式(5)
△Gは、所望波の利得Gと3倍高調波成分の利得G3rdとの差であるConversion gain differenceである。△G=G−G3rdと示される。式(5)に、P=−87.4(dBm)、P=18(dBm)、ΔG=40(dB)を代入すると、X>76.7(dB)となる。
よって、DVB−Hの規格を満たすべく、上述した条件で帯域外妨害波の影響を抑制し受信感度の劣化を1.5dB未満に抑えるためには、増幅器の前段に、80dB近い減衰を実現するフィルタを構成しなければならない。
つまりは、ローカル信号の3倍高調波は、本来のローカル信号と比較して、10〜20dB減衰しただけの非常に大きなパワーでミキサに与えられている。このため、所望波の3倍に相当する周波数において、携帯電話の強い妨害波を受けるような機器では、3倍高調波ミキシングによる影響が無視できない大きなものとなり、受信品質の劣化を引き起こしてしまう。このため、妨害波を十分に減衰させるフィルタを備えていない限り、W−CDMA等の携帯周波数を利用する携帯電話ユーザーにとっては、3倍周波数関係にあるTVのチャンネルの受信率が著しく劣化してしまう。
しかし、80dBの減衰量を実現するためには、外付けフィルタに対する要求が非常に厳しく、非常に大きなサイズのフィルタ部品が複数段必要となり、部品点数の増加およびモジュールサイズの増加を招いてしまう。また、携帯電話にチューナを搭載する用途上、外付けフィルタを含めた部品点数の削減および小型化が強く求められるため、上記問題点の影響が非常に顕著なものとなる。
上述した特許文献1,2に記載されているような技術においても、所望波と妨害波との周波数の関係に応じた適応的な制御が行われていないので、妨害波を十分に減衰させるフィルタが必要となる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、所望波と3倍の周波数関係にある妨害波が入力されたときの、3倍高調波ミキシングによる受信品質の劣化を抑制することができる増幅器、半導体装置、および通信装置を提供することにある。
本発明の増幅器は、上記課題を解決するために、入力信号を増幅して出力するトランジスタを備えた増幅器において、上記トランジスタの接地させる端子と、絶対的なグランド電位に保たれている外部のグランド端子とを電気的につなぐ経路上に、並列共振回路を備え、上記並列共振回路の共振周波数は、上記入力信号の周波数の3倍に設定されていることを特徴としている。
トランジスタの接地させる端子と、絶対的なグランド電位に保たれている外部のグランド端子とを電気的につなぐ経路のインピーダンス成分が大きいとき、増幅器の利得は小さくなる。また、並列共振回路は、共振周波数においてインピーダンスが最大値をとるという特性がある。
従来では、入力信号と3倍の周波数関係にある妨害波が入力された場合、入力信号の受信品質が著しく劣化するという問題があったが、上記の構成によれば、上記経路上に並列共振回路を備えることにより、入力信号の周波数と3倍の周波数に対して最もインピーダンス成分を高めることによって、増幅器の利得を小さくしている。
よって、入力信号を減衰させずに、入力信号の受信品質の著しい劣化をもたらす妨害波のみを減衰させることが可能となり、該妨害波が入力されたときの受信品質の劣化を抑制することが可能となる。また、外付けフィルタの要求仕様を緩和することが可能となるので、部品点数を削減させることが可能となる。
また、上記効果を奏する増幅器を半導体チップの形態で容易に実現するために、本発明の増幅器は、上記トランジスタは半導体上に形成されており、上記並列共振回路は、上記半導体上に形成されたインダクタおよびキャパシタが並列に接続されたものにより構成されていることが望ましい。
また、本発明の増幅器は、上記トランジスタは半導体上に形成されており、上記並列共振回路は、それぞれチップ部品からなるインダクタおよびキャパシタが並列に接続されたものにより構成されていることが好ましい。これにより、並列共振回路のインピーダンス素子値を容易に変更することが可能となる。
また、本発明の増幅器は、上記キャパシタは、容量値が可変であることが好ましい。これにより、キャパシタが半導体上に形成されている場合、製造ばらつきによる共振周波数のずれを補償することが可能となる。また、キャパシタがチップ部品で構成されている場合、寄生成分による共振周波数のずれを外付けのインピーダンス素子値の調整で外部から補償することが可能となる。
また、本発明の増幅器は、上記キャパシタの容量値は、上記入力信号の周波数に応じて設定されることが好ましい。これにより、入力信号の周波数に応じて減衰すべき周波数に並列共振回路の共振周波数を常にトラッキングするような設定を実現することが可能となる。
また、本発明の増幅器は、上記トランジスタは半導体上に形成されており、上記並列共振回路は、インダクタとチップ部品からなるキャパシタとが並列に接続されたものにより構成され、上記インダクタは、マイクロストリップラインによる寄生インダクタによって形成されていることが好ましい。これにより、マイクロストリップラインによる寄生インダクタ成分を利用することで、チップ部品を削減することが可能となる。
また、本発明の増幅器は、上記マイクロストリップラインは、コの字形状を有しており、上記キャパシタが上記マイクロストリップラインに接続される位置に応じて、上記寄生インダクタの値が設定されることが好ましい。
上記の構成によれば、マイクロストリップラインは、キャパシタの接続位置に応じて寄生インダクタの値が変化するので、並列共振回路の共振周波数を容易に調整することが可能となり、インダクタ外付け部品を削減することが可能となる。
また、本発明の増幅器は、上記トランジスタは半導体上に形成されており、上記並列共振回路は、インダクタとチップ部品からなるキャパシタとが並列に接続されたものにより構成され、上記インダクタは、WLCSPの再配線による寄生インダクタによって形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、WLCSPの再配線を形成することにより、低抵抗かつ厚みのある銅配線を利用できるため、半導体上で形成するよりもQ値の高いインダクタを形成できる他、チップ部品を削減することが可能となる。
また、本発明の増幅器は、差動対トランジスタを備え、上記差動対トランジスタによって、上記入力信号の増幅出力が行われていることが好ましい。
上記の構成によれば、差動対トランジスタによって入力信号の増幅出力が行われていることにより、片側のトランジスタは1/2の振幅を増幅すればよいので、低電源電圧回路設計において動作マージンに余裕を生み出すことが可能となる。さらには、電源電位およびグランドに混入したコモンモード・ノイズを、差動動作により打ち消すことが可能となるので、電源ライン・ノイズ耐性の指標となるPSRR(Power Supply Rejection Ratio)を高めることが可能となる。
また、上記の構成によれば、差動入出力を有する増幅器に適用できると共に、後段に位置する差動入出力を持つミキサ等にも同様に応用して、フィルタ機能を付加することが可能である。例えば、ミキサの増幅段に至る信号ラインで妨害波をフィルタリングすることにより、妨害波が入力されたときの受信品質の著しい劣化を低減することが可能となり、外付けフィルタの要求仕様をさらに緩和することが可能となる。
また、本発明の半導体装置は、入力信号を増幅する上記増幅器と、上記増幅器から出力された信号を、ローカル信号に基づいて周波数変換する周波数変換部と、上記周波数変換部から出力された信号から所定の信号を抽出する信号抽出部とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、入力信号を上記増幅器にて増幅した後に周波数変換を行っている。それゆえ、入力信号の受信品質の著しい劣化をもたらす、ローカル信号の3倍高調波とミキシングする妨害波を受信してしまった場合でも、この妨害波のみを減衰させて、周波数変換部に信号を送ることが可能となる。よって、高品質の所定の信号を抽出し得ることが可能となる。また、増幅器の前段に設けるフィルタへの厳しい要求仕様が緩和されるので、部品点数を削減することが可能となり、小型化することが可能となる。
また、本発明の通信装置は、高周波信号を受信するアンテナと、上記アンテナにて受信した高周波信号から所定の信号を抽出する半導体装置として上記半導体装置とを備えている。これにより、受信品質の劣化を改善され、小型化された通信装置を実現することが可能となる。例えば、上記半導体装置がチューナの場合、通信装置としては、テレビジョン受信機や携帯電話などが挙げられる。
以上のように、本発明の増幅器は、入力信号を増幅して出力するトランジスタの接地させる端子と、絶対的なグランド電位に保たれている外部のグランド端子とを電気的につなぐ経路上に、並列共振回路を備え、上記並列共振回路の共振周波数は、上記入力信号の周波数の3倍に設定されている構成である。
それゆえ、上記経路上に並列共振回路を備えることにより、入力信号の周波数と3倍の周波数に対して最もインピーダンス成分を高めることによって、増幅器の利得を小さくしている。よって、入力信号を減衰させずに、入力信号の受信品質の著しい劣化をもたらす妨害波のみを減衰させることが可能となり、該妨害波入力されたときの受信品質の劣化を抑制することができるという効果を奏する。また、外付けフィルタの要求仕様を緩和することが可能となるので、部品点数を削減させることができるという効果も併せて奏する。
また、本発明の半導体装置は、入力信号を増幅する上記増幅器と、上記増幅器から出力された信号を、ローカル信号に基づいて周波数変換する周波数変換部と、上記周波数変換部から出力された信号から所定の信号を抽出する信号抽出部とを備える構成である。
それゆえ、入力信号の受信品質の著しい劣化をもたらす、ローカル信号の3倍高調波とミキシングする妨害波を受信してしまった場合でも、この妨害波のみを減衰させて、周波数変換部に信号を送ることができる。よって、高品質の所定の信号を抽出し得ることができるという効果を奏する。また、増幅器の前段に設けるフィルタへの厳しい要求仕様が緩和されるので、部品点数を削減することが可能となり、小型化することができるという効果も併せて奏する。
また、本発明の通信装置は、高周波信号を受信するアンテナと、上記アンテナにて受信した高周波信号から所定の信号を抽出する半導体装置として上記半導体装置とを備えている構成である。それゆえ、受信品質の劣化を改善され、小型化された通信装置を実現することができるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1は、本実施の形態の増幅器100の一構成例を示す回路図である。
図1に示すように、本実施の形態の増幅器100は、入力部101、出力部102、グランド端子103、LNA104、および並列共振回路105を備え、これらが半導体上(On-chip)に形成された構成を有している。グランド端子503は、半導体チップ上に外部と接続可能に形成されている。
LNA104は、入力部101に入力された信号を増幅して、出力部102に出力する。入力部501には、外付けフィルタから出力されたRF信号が入力される。LNA104は、入力部101からのRF信号を増幅して出力するバイポーラトランジスタを備えており、エミッタ接地の増幅回路として構成されている。バイポーラトランジスタのエミッタ端子は、並列共振回路105を介して、グランド端子103に接続されている。グランド端子103は、パッケージ依存のあるボンディングワイヤ等の寄生インダクタ素子Lpを介して、半導体チップが実装された基板上の絶対グランドに接地される。基板には、絶対的なグランド電位に保たれている絶対グランド端子が設けられている。
並列共振回路105は、インダクタLとキャパシタCとが並列に接続されてなるLC並列共振回路である。並列共振回路105の共振周波数fは、入力部101に入力されるRF信号の周波数fRFの3倍になるように設定されている(f=3×fRF)。並列共振回路105は、図14(c)に示したように、共振周波数でインピーダンスが最大値となる。
従来では、妨害波が、受信するデジタル放送のチャンネル信号(RF信号)と3倍の周波数関係にあるとき、チャンネル信号の受信品質が著しく劣化するという問題があった。
これに対し、増幅器100では、RF信号と3倍の周波数関係にある妨害波に対しての利得が小さく設定されている。すなわち、増幅器100では、バイポーラトランジスタのエミッタ端子から基板上の絶対グランドまでのインピーダンス成分が大きいとき、利得は小さくなる。そこで、バイポーラトランジスタのエミッタ端子と、絶対的なグランド電位に保たれている外部の基板の絶対グランド端子とを電気的につなぐ経路上に、並列共振回路105を挿入することによって、RF信号の周波数と3倍の周波数に対して、最もインピーダンス成分を高めることによって、増幅器100の利得を小さくしている。
図2に、図11に示した従来の増幅器500と本実施例の増幅器100との利得の周波数依存をシミュレーションした結果を示す。縦軸は利得(dB)を示し、横軸はRF信号の周波数(MHz)を示している。
このシミュレーションでは、DVB−H放送における所望波帯域(474MHz〜858MHz)の利得を満足するように、各増幅器の特性を設定した(L=1(nH)、C=8(pF)、カットオフ周波数=1.8GHz)。
従来の増幅器500の利得は、RF信号の周波数が400MHz付近から大きくなるにつれて、なだらかな曲線を描くように減少している。所望波帯域における利得は、高く維持されている。
一方、本実施例の増幅器100の利得は、所望波帯域では従来の増幅器500の利得とほぼ同じであるが、1800MHz付近において急激に小さくなっている。つまりは、本実施例の増幅器100では、従来の増幅器500と比較して、1800MHz付近の利得が10dB程度減衰することが可能となっている。この設定では、RF信号が600MHz付近のとき、3倍高調波ミキシングによる受信品質の改善効果が最も大きい。
したがって、所望波のRF信号を減衰させずに、ローカル信号の3倍高調波とミキシングする妨害波のみを減衰させることが可能となる。それゆえ、この妨害波が入力されたときの受信品質の劣化を抑制することが可能となる。また、外付けフィルタの厳しい要求仕様を緩和することが可能となるので、部品点数を削減させることが可能となる。
なお、上述した増幅器100では、LNA104が、バイポーラトランジスタを備えるエミッタ接地回路として構成されていたが、これに限るものではない。すなわち、LNA104を構成するものとしては、増幅作用を有するトランジスタであればよく、該トランジスタの接地させる端子が並列共振回路105を介してグランド端子103に接続される。例えば、LNA104は、図12に示したFET505,FET506、および負荷507のように構成されていてもよい。この場合、FET505のソース端子が、並列共振回路105を介してグランド端子103に接続され、寄生インダクタ素子Lpを介して、基板上の絶対グランドに接地される。
また、上述した増幅器100では、並列共振回路105がLC並列共振回路である構成について説明したが、これに限らず、図14(b)に示したようなLCR並列共振回路であってもよい。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3は、本実施の形態の増幅器の一構成例を示す回路図である。
図3に示すように、本実施の形態の増幅器110は、前記実施の形態1の増幅器100の構成のうち並列共振回路105に替えて、並列共振回路115を備えている。
並列共振回路115は、インダクタLと可変キャパシタCvarとが並列に接続されてなるLC並列共振回路である。並列共振回路115の共振周波数は、入力部101に入力されるRF信号の周波数の3倍になるように設定されている。並列共振回路115は、共振周波数でインピーダンスが最大値となる。
増幅器110においても、前記実施の形態1の増幅器100と同様に、並列共振回路115の共振周波数が、入力部101に入力されるRF信号の周波数と3倍の関係になるように設定されているので、RF信号の周波数と3倍の周波数に対しては、最もインピーダンス成分を高めることによって増幅器110の利得が小さくなる。よって、所望波のRF信号を減衰させずに、ローカル信号の3倍高調波とミキシングする妨害波のみを減衰させることが可能となる。それゆえ、この妨害波が入力されたときの受信品質の劣化を抑制することが可能となる。
また、増幅器110では、並列共振回路115がインダクタLと可変キャパシタCvarとからなり、共振周波数が可変となっているので、製造ばらつきによる共振周波数のずれを補償することが可能となる。さらには、可変キャパシタCvarの可変容量値を、ローカル信号の周波数設定に応じて変化させることにより、受信するRF信号の周波数に応じて、減衰すべき周波数に共振周波数を常にトラッキングした設定を行うことが可能となる。可変キャパシタCvarの可変容量値の制御は、例えば、MOSトランジスタによるスイッチ回路によって実現できる。
図4(a)に示す可変キャパシタCvarは、詳細には、例えば図4(b)に示すような構成で、容量値を3ビットで制御することが可能である。図4(b)に示すスイッチ回路は、直列接続されたキャパシタC1およびスイッチSW1と、直列接続されたキャパシタC2およびスイッチSW2と、直列接続されたキャパシタC3およびスイッチSW3と、が並列接続されている。スイッチSW1〜SW3は、MOSトランジスタにより構成される。
したがって、増幅器110では、外付けフィルタの厳しい要求仕様を緩和し、部品点数を削減させるだけではなく、受信するRF信号の3倍周波数関係にある妨害波全てに対して、最大の減衰効果を得ることが可能となる。
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1,2と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1,2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5は、本実施の形態の増幅器120の一構成例を示す回路図である。
図5に示すように、本実施の形態の増幅器120は、入力部101、出力部102、グランド端子103、LNA104、および並列共振回路125を備え、並列共振回路125以外が半導体上に形成された構成を有している。LNA104に含まれるバイポーラトランジスタのエミッタ端子は、グランド端子103に接続されている。グランド端子103は、パッケージ依存のあるボンディングワイヤ等の寄生インダクタ素子Lp、および、外付けの並列共振回路125を介して、基板上の絶対グランドに接地される。
並列共振回路125は、チップ部品からなるインダクタLcとチップ部品からなるキャパシタCcとが基板上に配置され、インダクタLcとキャパシタCcとが並列に接続されてなるLC並列共振回路である。並列共振回路125の共振周波数は、入力部101に入力されるRF信号の周波数の3倍になるように設定されている。並列共振回路125は、共振周波数でインピーダンスが最大値となる。
増幅器120においても、前記実施の形態1の増幅器100と同様に、並列共振回路125の共振周波数が、入力部101に入力されるRF信号の周波数と3倍の関係になるように設定されているので、RF信号の周波数と3倍の周波数に対しては、最もインピーダンス成分を高めることによって増幅器120の利得が小さくなる。よって、所望波のRF信号を減衰させずに、ローカル信号の3倍高調波とミキシングする妨害波のみを減衰させることが可能となる。それゆえ、この妨害波が入力されたときの受信品質の劣化を抑制することが可能となる。また、外付けフィルタの厳しい要求仕様を緩和することが可能となるので、部品点数を削減させることが可能となる。
このように、本発明の特徴的構成である並列共振回路は、LNA104に含まれるトランジスタの接地させる端子と基板上の絶対グランドとを電気的に結ぶ経路上に在れば、前記実施の形態1の増幅器100のように、LNA104とともに半導体上に形成させてもよいし、本実施の形態の増幅器120のように、半導体チップの外付けで構成してもよい。並列共振回路が外付けの場合は、並列共振回路のインピーダンス素子値を容易に変更することが可能となる。
また、増幅器120では、並列共振回路125において、キャパシタCcに替えて可変キャパシタCvarを備えてもよい。これにより、寄生成分による共振周波数のずれを、外付けインピーダンス素子値の調整で、外部から補償することが可能となる。さらには、可変キャパシタCvarの可変容量値を、ローカル信号の周波数設定に応じて変化させることにより、受信するRF信号の周波数に応じて、減衰すべき周波数に共振周波数を常にトラッキングした設定を行うことが可能となる。
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1〜3と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1〜3の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6(a)は、本実施の形態の増幅器130の一構成例を示す回路図である。
図6(a)に示すように、本実施の形態の増幅器130は、前記実施の形態3の増幅器120の構成のうち並列共振回路125に替えて、並列共振回路135を備えている。
並列共振回路135は、基板上に配置されたチップ部品からなるキャパシタCcと、基板上に形成されたマイクロストリップラインによる寄生インダクタにより形成されたインダクタLmと、が並列に接続されてなるLC並列共振回路である。並列共振回路135の共振周波数は、入力部101に入力されるRF信号の周波数の3倍になるように設定されている。並列共振回路135は、共振周波数でインピーダンスが最大値となる。
図6(b)に、並列共振回路135の一構成例を示す。図6(b)に示すように、マイクロストリップラインは、コの字形状に折り曲げられたように形成されている。キャパシタCcは、マイクロストリップラインの対向する2辺に架かるように接続される。キャパシタCが接続される位置に応じて、コの字型の寄生インダクタの値を変化させることができる。
増幅器130においても、前記実施の形態1の増幅器100と同様に、並列共振回路135の共振周波数が、入力部101に入力されるRF信号の周波数と3倍の関係になるように設定されているので、RF信号の周波数と3倍の周波数に対しては、最もインピーダンス成分を高めることによって増幅器130の利得が小さくなる。よって、所望波のRF信号を減衰させずに、ローカル信号の3倍高調波とミキシングする妨害波のみを減衰させることが可能となる。それゆえ、この妨害波が入力されたときの受信品質の劣化を抑制することが可能となる。また、外付けフィルタの厳しい要求仕様を緩和することが可能となるので、部品点数を削減させることが可能となる。
また、増幅器130では、マイクロストリップラインによる寄生インダクタ成分を利用して並列共振回路135が構成されているので、チップ部品を削減することができる。さらに、増幅器130では、キャパシタCcの接続位置に応じて寄生インダクタの値が変化するので、並列共振回路135の共振周波数を容易に調整することが可能となり、インダクタ外付け部品を削減することが可能となる。
〔実施の形態5〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1〜4と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1〜4の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図7(a)は、本実施の形態の増幅器140の一構成例を示す回路図である。
図7(a)に示すように、本実施の形態の増幅器140は、前記実施の形態3の増幅器120の構成のうち並列共振回路125に替えて、並列共振回路145を備えている。
並列共振回路145は、基板上に配置されたチップ部品からなるキャパシタCcと、基板上に形成されたWLCSP再配線による寄生インダクタにより形成されたインダクタLwと、が並列に接続されてなるLC並列共振回路である。並列共振回路145の共振周波数は、入力部101に入力されるRF信号の周波数の3倍になるように設定されている。並列共振回路145は、共振周波数でインピーダンスが最大値となる。
図7(b)に、並列共振回路145の一構成例を示す。図7(b)に示すように、WLCSPにて、スパイラル(渦巻き)形状に再配線が形成されている。キャパシタCcは、再配線を挟むように接続される。
増幅器140においても、前記実施の形態1の増幅器100と同様に、並列共振回路145の共振周波数が、入力部101に入力されるRF信号の周波数と3倍の関係になるように設定されているので、RF信号の周波数と3倍の周波数に対しては、最もインピーダンス成分を高めることによって増幅器140の利得が小さくなる。よって、所望波のRF信号を減衰させずに、ローカル信号の3倍高調波とミキシングする妨害波のみを減衰させることが可能となる。それゆえ、この妨害波が入力されたときの受信品質の劣化を抑制することが可能となる。また、外付けフィルタの厳しい要求仕様を緩和することが可能となるので、部品点数を削減させることが可能となる。
また、増幅器140では、WLCSP再配線を形成することにより、低抵抗かつ厚みのある銅配線を利用できるため、半導体上(On-chip)で形成するよりもQ値の高いインダクタを形成できる他、チップ部品を削減することができる。
〔実施の形態6〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1〜5と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1〜5の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8は、本実施の形態の増幅器150の一構成例を示す回路図である。
図8に示すように、本実施の形態の増幅器150は、入力部101、入力部101’、出力部102、出力部102’、グランド端子103、FET151、FET152、および並列共振回路105を備え、これらが半導体上に形成された構成を有している。増幅器150は、差動増幅により入力信号の増幅出力を行うように構成されている。
FET151およびFET152は、差動対トランジスタとなっている。FET151は、ゲート端子が入力部101に接続され、ドレイン端子が出力部102に接続されている。FET152は、ゲート端子が入力部101’に接続され、ドレイン端子が出力部102’に接続されている。そして、FET151およびFET152は、それぞれのソース端子がグランド端子103に共通接続されている。なお、差動対トランジスタを構成するものとしては、増幅作用を有するトランジスタであればよく、接地させる端子が並列共振回路105を介してグランド端子103に接続される。グランド端子103は、寄生インダクタ素子Lpを介して基板上の絶対グランドに接地される。
増幅器150においても、入出力が差動であることのみが異なるだけで、前記実施の形態1の増幅器100と同様に、並列共振回路105の共振周波数が、入力部101に入力されるRF信号の周波数と3倍の関係になるように設定されているので、RF信号の周波数と3倍の周波数に対しては、最もインピーダンス成分を高めることによって増幅器130の利得が小さくなる。よって、所望波のRF信号を減衰させずに、ローカル信号の3倍高調波とミキシングする妨害波のみを減衰させることが可能となる。それゆえ、この妨害波が入力されたときの受信品質の劣化を抑制することが可能となる。また、外付けフィルタの厳しい要求仕様を緩和することが可能となるので、部品点数を削減させることが可能となる。
また、増幅器150では、差動トポロジーを利用することにより、片側のトランジスタ(FET151、FET152)は、1/2の振幅を増幅すればよい。それゆえ、低電源電圧回路設計において、動作マージンに余裕を生み出すことができる。さらに、電源電位およびグランド(GND)に混入したコモンモード・ノイズを、差動動作により打ち消すことができるため、電源ライン・ノイズ耐性の指標となるPSRR(Power Supply Rejection Ratio)を高めることができる。
ここで、図8に示したような差動対トランジスタを備える構成は、差動入出力を持つLNAに適用したり、さらには、その後段に位置する差動入出力を持つミキサ等にも同様に応用して、フィルタ機能を付加することができる。これにより、LNAやミキサの増幅段に至る信号ラインにおいて、3倍妨害波成分をフィルタリングすることにより、3倍高調波ミキシングによる受信感度の著しい劣化を低減することができる。
図9(a)に、並列共振回路105を備えるミキサ160の概略構成を示し、図9(b)に具体的な構成例を示す。
図9(a)に示すように、差動入出力を持つミキサ160は、並列共振回路105を介して、基板上の絶対グランドに接地される。ミキサ160は、前段の増幅器から出力されたRF信号を、図示しない発振器から出力されたLO信号に基づいて所望帯域にダウンコンバートし、該ダウンコンバートした信号を出力する。ミキサ160は、図9(b)に示すように、RF信号を増幅する増幅段161と、LO信号を受けて増幅したRF信号との周波数変換を行うスイッチ段162とにより主に構成されている。
増幅段161と基板上の絶対グランドを電気的につなぐ経路上に、並列共振回路105を挿入することによって、3倍妨害波成分をフィルタリングすることが可能となる。それゆえ、3倍高調波ミキシングによる受信感度の著しい劣化を低減することが可能となる。
なお、増幅器150では、並列共振回路105において、キャパシタCに替えて可変キャパシタCvarを備えたり、可変キャパシタCvarの可変容量値をローカル信号の周波数設定に応じて変化させる構成としてもよい。また、並列共振回路105に替えて、並列共振回路125,135,145を備えることも勿論可能である。
〔実施の形態7〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1〜6と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1〜6の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図10は、本実施の形態の通信装置300の一構成例を示す回路ブロック図である。
図10に示すように、通信装置300は、アンテナ301、およびチューナ200を備えている。通信装置300は、例えば、据え置き型のテレビジョン受信機(電子機器)、移動型の携帯電話(携帯機器)などである。なお、通信装置300における図示しない残りの部分は、通信装置300の用途に応じた従来の一般的な構成で実現可能である。
チューナ200は、入力端子201、四相ミキサ202、四相ミキサ203、電圧制御発振器204、1/2分周器205、フィルタ206、可変利得増幅器207、フィルタ208、可変利得増幅器209、出力端子210、出力端子211、および図1に示した増幅器100を備えている。チューナ200は、ダイレクトコンバージョン方式でデジタル放送の受信処理を行うように構成されている。また、チューナ200は、ワンチップ化されたLSIにより構成されている。
アンテナ301にて受信したRF信号が、入力端子201からチューナ200に入力される。チューナ200では、RF信号が、増幅器100にて増幅された後、四相ミキサ202および四相ミキサ203にそれぞれ出力される。四相ミキサ202および四相ミキサ203には、電圧制御発振器204から発振され、1/2分周器205を介したローカル信号が、それぞれ供給されている。
これにより、四相ミキサ202、フィルタ206、および可変利得増幅器207によって、Q成分のBB信号が取り出されて、出力端子210から出力される。また、四相ミキサ203、フィルタ208、および可変利得増幅器209によって、I成分のBB信号が取り出されて、出力端子211から出力される。フィルタ206,208、および可変利得増幅器207,209は、ベースバンド帯域用に設定されている。出力端子210および出力端子211から出力されたBB信号は、チューナ200の後段部分(例えば、表示部など)に出力される。これにより、受信したチャンネルが表示される。
チューナ200では、RF信号を増幅器100にて増幅した後にダウンコンバートを行っている。それゆえ、所望波の受信品質の著しい劣化をもたらす、ローカル信号の3倍高調波とミキシングする妨害波を受信してしまった場合でも、この妨害波のみを減衰させて、四相ミキサ202および四相ミキサ203にRF信号を送ることが可能となる。よって、高品質のBB信号を、出力端子210および出力端子211から出力することが可能となる。
また、チューナ200では増幅器100を備える構成について説明したが、これに限らず、前記実施の形態1〜6にて述べた増幅器を備えてもよい。可変キャパシタCvarを構成する並列共振回路を備えた増幅器を用いる場合、電圧制御発振器204から発振されるローカル信号の周波数に応じて、可変キャパシタCvarの容量値を自動的に調整するような制御回路を構成することが好ましい。これにより、受信するRF信号の3倍周波数関係にある妨害波全てに対して、最大の減衰効果を得ることが可能となる。
また、増幅器100の前段に設けるフィルタ(図示せず)への厳しい要求仕様が緩和されるので、チューナ200では部品点数を削減することが可能となる。例えば、増幅器100が10dB〜20dB程度のフィルタ機能を有することにより、80dBの減衰量を実現するために2〜3段カスケード接続したフィルタを、1段または2段削減することが可能となる。したがって、チューナ200を小型化することが可能となる。さらには、通信装置300の小型化を併せて奏することも可能となり、携帯機器にとっては特に好適となる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、所望波を減衰させずに、ローカル信号の高調波とミキシングしてしまうことより非常に大きな受信品質の劣化を招いてしまう妨害波を減衰することが望まれる増幅器に関する分野に好適に用いることができるだけでなく、増幅器の製造方法に関する分野に好適に用いることができ、さらには、増幅器を備える装置・機器の分野にも広く用いることができる。
本発明における増幅器の実施の一形態を示す回路図である。 上記増幅器の利得と従来の増幅器の利得との周波数依存をシミュレーションした結果を示すグラフである。 本発明における増幅器の他の実施の形態を示す回路図である。 (a)は、可変キャパシタの簡略図であり、(b)は、3ビット制御による可変キャパシタの構成を示す回路図である。 本発明における増幅器のさらに他の実施の形態を示す回路図である。 (a)は、本発明における増幅器のさらに他の実施の形態を示す回路図であり、(b)は、マイクロストリップラインの形成例を図である。 (a)は、本発明における増幅器のさらに他の実施の形態を示す回路図であり、(b)は、WLCSP再配線の形成例を示す図である。 本発明における増幅器のさらに他の実施の形態を示す回路図である。 上記増幅器をミキサに応用したときの一構成例を示す、(a)は簡略図であり、(b)は具体的な回路図である。 本発明における通信装置の実施の一形態を示す回路ブロック図である。 従来の増幅器の構成を示す簡略図である。 上記従来の増幅器の具体的な構成を示す回路である。 上記従来の増幅器の具体的な他の構成を示す回路である。 一般的なLC並列共振回路における、(a)はインダクタの寄生抵抗を十分に小さい場合を示す図であり、(b)はインダクタの寄生抵抗を考慮した場合を示す図であり、(c)は共振周波数のインピーダンス特性を示すグラフである。 DVB−Hデジタル放送(UHF帯)と携帯電波妨害(W−CDMA)とによる3倍高調波ミキシングの周波数関係を示す図である。
符号の説明
100,110,120,130,140,150 増幅器
101,101’ 入力部
102,102’ 出力部
103 グランド端子
104 LNA
105,115,125,135,145 並列共振回路
151,152 FET
160 ミキサ
161 増幅段
162 スイッチ段
200 チューナ(半導体装置)
201 入力端子
202,203 四相ミキサ(周波数変換部)
204 電圧制御発振器(周波数変換部)
205 1/2分周器(周波数変換部)
206,208 フィルタ(信号抽出部)
207,209 可変利得増幅器(信号抽出部)
210,211 出力端子
300 通信装置
301 アンテナ
C,Cc キャパシタ
Cvar 可変キャパシタ
L,Lc,Lm,Lw インダクタ
Lp 寄生インダクタ素子

Claims (11)

  1. 入力信号を増幅して出力するトランジスタを備えた増幅器において、
    上記トランジスタの接地させる端子と、絶対的なグランド電位に保たれている外部のグランド端子とを電気的につなぐ経路上に、並列共振回路を備え、
    上記並列共振回路の共振周波数は、上記入力信号の周波数の3倍に設定されていることを特徴とする増幅器。
  2. 上記トランジスタは半導体上に形成されており、
    上記並列共振回路は、上記半導体上に形成されたインダクタおよびキャパシタが並列に接続されたものにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の増幅器。
  3. 上記トランジスタは半導体上に形成されており、
    上記並列共振回路は、それぞれチップ部品からなるインダクタおよびキャパシタが並列に接続されたものにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の増幅器。
  4. 上記キャパシタは、容量値が可変であることを特徴とする請求項2または3に記載の増幅器。
  5. 上記キャパシタの容量値は、上記入力信号の周波数に応じて設定されることを特徴とする請求項4に記載の増幅器。
  6. 上記トランジスタは半導体上に形成されており、
    上記並列共振回路は、インダクタとチップ部品からなるキャパシタとが並列に接続されたものにより構成され、
    上記インダクタは、マイクロストリップラインによる寄生インダクタによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の増幅器。
  7. 上記マイクロストリップラインは、コの字形状を有しており、
    上記キャパシタが上記マイクロストリップラインに接続される位置に応じて、上記寄生インダクタの値が設定されることを特徴とする請求項6に記載の増幅器。
  8. 上記トランジスタは半導体上に形成されており、
    上記並列共振回路は、インダクタとチップ部品からなるキャパシタとが並列に接続されたものにより構成され、
    上記インダクタは、WLCSPの再配線による寄生インダクタによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の増幅器。
  9. 差動対トランジスタを備え、
    上記差動対トランジスタによって、上記入力信号の増幅出力が行われていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の増幅器。
  10. 入力信号を増幅する増幅器と、
    上記増幅器から出力された信号を、ローカル信号に基づいて周波数変換する周波数変換部と、
    上記周波数変換部から出力された信号から所定の信号を抽出する信号抽出部とを備える半導体装置において、
    上記増幅器は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の増幅器であることを特徴とする半導体装置。
  11. 高周波信号を受信するアンテナと、
    上記アンテナにて受信した高周波信号から所定の信号を抽出する半導体装置として、請求項10に記載の半導体装置とを備えた通信装置。
JP2008025685A 2008-02-05 2008-02-05 増幅器、半導体装置、および通信装置 Pending JP2009188672A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008025685A JP2009188672A (ja) 2008-02-05 2008-02-05 増幅器、半導体装置、および通信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008025685A JP2009188672A (ja) 2008-02-05 2008-02-05 増幅器、半導体装置、および通信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009188672A true JP2009188672A (ja) 2009-08-20

Family

ID=41071500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008025685A Pending JP2009188672A (ja) 2008-02-05 2008-02-05 増幅器、半導体装置、および通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009188672A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8081033B2 (en) Variable gain amplifier and high-frequency signal receiving apparatus comprising the same
EP2130297B1 (en) Frequency selective amplifier with wide-band impedance and noise matching
US7816990B2 (en) Variable gain amplification circuit
US7834704B2 (en) Low-noise amplifier circuit and receiving system
EP2947769B1 (en) Low-noise amplifier
CN112514248A (zh) 用于毫米波5g通信的具有可重配置带宽的宽带低噪声放大器(lna)
WO2012014343A1 (ja) 半導体集積回路およびそれを備えたチューナシステム
US8543073B2 (en) Method and system for loop through for multi-band TV tuners and set-top box and/or TV set applications
CN112204894B (zh) 一种射频前端电路及移动装置
US7778618B2 (en) Systems and methods for reducing broadband image noise through a programmable bandwidth RF variable gain attenuator
JP2009207031A (ja) 増幅回路
Hwang et al. An inductorless wideband noise-cancelling CMOS low noise amplifier with variable-gain technique for DTV tuner application
JP5393703B2 (ja) 制御可能な減衰段を有するifフィルタを備えるチューナおよび個別のチューナを備える受信機
US8159620B2 (en) Receiver for different types of reception signals
CN101378248A (zh) 低噪声放大器以及包括该低噪声放大器的调谐器
CN107612515B (zh) 电视调谐器芯片的放大器及其方法
US20110237212A1 (en) Radio receiving circuit
JP2009188672A (ja) 増幅器、半導体装置、および通信装置
JP4385661B2 (ja) テレビ多方向受信装置
KR20080075522A (ko) 인핸스드 믹서 디바이스
JP5169677B2 (ja) 受信装置
KR100560000B1 (ko) 위성방송튜너회로
Johnston FACULTY OF GRADUATE STUDIES
Youssef Wide Dynamic Range RF Front-End Circuits for DVB-H Mobile TV Applications
KR20070009033A (ko) 출력전압 보상회로를 구비하는 dmb 수신기