JP2009188408A - 露光設定を決定するための方法、リソグラフィ露光装置、コンピュータプログラムおよびデータキャリア - Google Patents

露光設定を決定するための方法、リソグラフィ露光装置、コンピュータプログラムおよびデータキャリア Download PDF

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Abstract

【課題】より良いフォーカス制御を有する方法を提供する。
【解決手段】発明は、リソグラフィ露光プロセスにおける基板上のターゲットフィールドのための露光設定を決定するための方法であって、キャリブレーションフィールドの位置に対する第2および第3の方向の複数のキャリブレーション位置における第1の方向のキャリブレーションフィールドの位置を決定することによってキャリブレーションデータを提供することを含む方法に関する。方法はまた、生産データを、第2および第3の方向のターゲットフィールドの基板上の位置を定めることと、第2および第3の方向の露光フィールドの位置に対する少なくとも1つの測定位置における第1の方向の露光フィールドの位置を測定することとによって提供することを含む。方法はさらに、少なくとも1つの第1の相対測定位置と複数の相対キャリブレーション位置との間の比較を実行することと、第1の方向の露光フィールドの測定した位置およびキャリブレーションデータに基づいて露光設定を決定するために比較を使用することであって、キャリブレーションデータが少なくとも1つの相対測定位置と異なる少なくとも1つの相対キャリブレーション位置に関連する、該使用することとをさらに含む。
【選択図】なし

Description

[0001] 本発明は、露光設定を決定するための方法、リソグラフィ露光装置、コンピュータプログラムおよびデータキャリアに関する。この出願は、US61/006,950の継続出願であり、その全容が本明細書に参考として援用される。
[0002] リソグラフィ露光装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲットフィールド上に付与する機械である。リソグラフィ露光装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。集積回路の製造で一般的に使用されるリソグラフィ投影装置では、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲットフィールド(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)上に転写することができる。通常、パターンの転写は、パターニングデバイス上のパターンをウェーハテーブルに支持された基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上へと結像するための投影システムを用いて行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲットフィールドのネットワークを含んでいる。
[0003] US2007/0263191で知られているウェーハのためのリソグラフィ露光プロセスでは、投影システムの光軸の方向におけるターゲットフィールド(部分)の位置は、一行のM検出ポイント(スポット)を同時に測定するように構成されたマルチポイントAFシステムで決定される。異なるスポットは、スキャン方向Yに対して垂直である方向Xにおける異なる位置でリニアアレイを形成する。これらの位置測定は、ターゲットフィールドを投影露光システムの焦点に合わせるために使用される。
[0004] ウェーハは、スクライブラインによってお互いから離された複数のターゲットフィールドを含む。ウェーハは、後のプロセスステップ中にスクライブラインで切断される。
[0005] スポットのリニアアレイは、ウェーハの幅の周りに設定された長さを有する細長い検出エリアを形成する。
[0006] 検出ポイントの各々は、マルチポイントAFセンサのセンサと関連している。マルチポイントAFセンサのセンサ間のオフセットは、マルチポイントAFセンサを用いてCDバーの位置を測定し、細長い検出エリアの2つの側面に位置付けされたZセンサを用いた測定を組み合わせることによって較正される。オフセットは、所定のX位置(したがって、所定の検出ポイント)で測定された値とZセンサの測定間のリニア補間との間の偏差に相当する。
[0007] さらに、トラバース(traverse)Z移動補正が行われる。これは、ウェーハテーブルの位置を測定および制御するために使用されるエンコーダによって起こった測定エラーによる露光中のウェーハテーブルの不正確な位置決めを回避するためである。トラバースZ移動補正中では、マルチポイントAFセンサを用いて所定の距離を有する検出ポイントにて表面情報を検出する一方、ウェーハテーブルの位置がZセンサを用いて測定される。マルチポイントAFセンサのセンサ間のオフセットが前に較正されたため、マルチポイントAFセンサの2つのセンサが同じポイントを測定した場合、それらは同じ値を得るであろう。同じポイントでの測定間の差は、ウェーハテーブルの位置の差(Zセンサでも測定された)および不正確さを反映する。次いで、これらの不正確さを補償するためにZセンサが較正される。
[0008] 方法によると、ステップは、フォーカスマッピングを含む。フォーカスマッピング中、ウェーハテーブルの中心(ウェーハの中心と実質的に一致する)を通るY軸に平行な直線(中心線)は、複数のエンコーダを介する直線LVと一致する。ウェーハテーブルは、Zセンサを用いてその位置を制御して、Y方向にスキャンされる。スキャン中、マルチポイントAFセンサは、所定のサンプリング間隔で測定する。
[0009] 最終的に、フォーカスマップは、露光中に決定するために使用され、ウェーハテーブルは、フォーカスマッピングからの測定を投影システムの最良のフォーカス位置に関連付けた後、Zセンサの制御の下でスキャンされる。
[0010] 前述したように、検出ポイント(スポット)は、スキャン方向Yに対して垂直である方向Xにおける異なる位置でリニアアレイを形成する。これは、検出ポイント間のクロストークを防ぐためである。検出ポイント間では、ターゲットエリアの位置は、検出ポイント自体の位置によって異なる場合がある。これは、検出ポイント間では、最良のフォーカス位置を決定することが不可能であり、その結果として、ターゲットフィールドに対してより低い全体的なフォーカス制御へと繋がることを意味する。
[0011] より良いフォーカス制御を有する方法を提供することが本発明の目的である。
[0012] 本発明の一態様によると、リソグラフィ露光プロセスにおける基板上のターゲットフィールドのための露光設定を決定するための方法であって、キャリブレーション(calibration)フィールドの位置に対する第2および第3の方向の複数のキャリブレーション位置における第1の方向のキャリブレーションフィールドの位置を決定することによってキャリブレーションデータを提供することと、生産データを、第2および第3の方向のターゲットフィールドの基板上の位置を定めることと、第2および第3の方向の露光フィールドの位置に対する少なくとも1つの測定位置における第1の方向の露光フィールドの位置を測定することとによって提供することとを含み、方法はさらに、少なくとも1つの第1の相対測定位置と複数の相対キャリブレーション位置との間の比較を実行することと、第1の方向の露光フィールドの測定した位置およびキャリブレーションデータに基づいて露光設定を決定するために比較を使用することであって、キャリブレーションデータが少なくとも1つの相対測定位置と異なる少なくとも1つの相対キャリブレーション位置に関連する、該使用することとをさらに含む、方法が提供される。
本発明の別の態様によると、キャリブレーションフィールドの位置に対する第2および第3の方向の複数のキャリブレーション位置で決定されたキャリブレーションフィールドの位置を含むキャリブレーションデータを格納するように構成された、ターゲットフィールドを露光させるためのリソグラフィ露光装置であって、第2および第3の方向のターゲットフィールドの位置を測定するアライメントセンサと、第2および第3の方向のターゲットフィールドの位置に対する少なくとも1つの測定位置における第1の方向のターゲットフィールドの位置を測定するためのセンサとを含む、リソグラフィ露光装置が提供される。
リソグラフィ露光装置は、少なくとも1つの第1の相対測定位置と複数のキャリブレーション位置との間の比較を実行し、第1の方向のターゲットフィールドの測定位置およびキャリブレーションデータに基づいて露光設定を決定するために比較を使用するように構成されたユニットであって、キャリブレーションデータが少なくとも1つの相対測定位置と異なる少なくとも1つの相対キャリブレーション位置に関連する、ユニットをさらに含む。
本発明の一態様によると、プロセシング構成上でロードされた場合、本発明による方法のうちのいずれか1つを行うように構成された、コンピュータプログラムが提供される。
本発明の一態様によると、本発明によるコンピュータプログラムを含むデータキャリアが提供される。
[0013] 本発明の実施形態は、一例としてのみ、対応の参照符号が対応部分を示す付属の概略図を参照して説明される。
[0014] 本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。 [0015] 基板座標システムを概略的に示す。 [0016] 本発明の一実施形態で使用されるレベルセンサを概略的に示す。 [0017] レイアウト独立レベリングによる、基板の上のレベルセンサのスキャンのストロークを概略的に示す。 [0018] レイアウト依存レベリングによる、基板の上のレベルセンサのスキャンのストロークを概略的に示す。
[0019]-[0023] 発明によるリソグラフィ露光装置(図1)は、放射ビームB(例えば、紫外線またはEUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構成され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置付けるように構成された第1のポジショナPMに連結されているサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置付けるように構成された第2ポジショナPWに連結されている基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板WのターゲットフィールドC(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成されている投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSとを備える。
[0024] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。
[0025] サポート構造は、パターニングデバイスを支持、つまり、重さを支える。サポート構造は、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスを保持する。サポート構造は、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスが、例えば、投影システムに対して所望の位置にあることを確実にすることができる。本明細書において使用される「レチクル」または「マスク」という用語はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語と同義であると考えるとよい。
[0026] 本明細書において使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲットフィールド内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。なお、留意すべき点として、放射ビームに付与されたパターンは、例えば、そのパターンが位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲットフィールド内の所望のパターンに正確に一致しない場合もある。通常、放射ビームに付けたパターンは、集積回路などのターゲットフィールド内に作り出されるデバイス内の特定機能層に対応することになる。
[0027] パターニングデバイスは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レベンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
[0028] 本明細書において使用される「投影システム」という用語は、使われている露光放射にとって、あるいは液浸液の使用または真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、および静電型光学系、またはそれらのあらゆる組合せを含むあらゆる型の投影システムを包含していると広く解釈されるべきである。本明細書において使用される「投影レンズ」という用語はすべて、より一般的な「投影システム」という用語と同義であると考えるとよい。
[0029] 本明細書に示されているとおり、装置は、透過型のもの(例えば、透過型マスクを採用しているもの)である。また、装置は、反射型のもの(例えば、上述のプログラマブルミラーアレイを採用しているもの、または反射型マスクを採用しているもの)であってもよい。
[0030] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルは並行して使うことができ、または予備工程(例えば、後で説明されるレベルセンサを用いる測定)を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
[0031] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を満たすように、比較的高屈折率を有する液体(例えば水)によって基板の少なくとも一部を覆うことができるタイプのものであってもよい。また、リソグラフィ装置内の別の空間(例えば、マスクと投影システムとの間)に液浸液を加えてもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるための技術においてよく知られている。本明細書において使用される「液浸」という用語は、基板のような構造物を液体内に沈めなければならないという意味ではなく、単に、露光中、投影システムと基板との間に液体があるということを意味するものである。
[0032] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。例えば、放射源がエキシマレーザである場合、放射源とリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、放射源SOからイルミネータILへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源が水銀ランプである場合、放射源は、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムBDとともに、放射システムと呼んでもよい。
[0033] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタを含んでもよい。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOといったさまざまな他のコンポーネントを含んでもよい。イルミネータは、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせるように、放射ビームを調整するために使用することができる。
[0034] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスクMA)上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAを通り抜けた後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板WのターゲットフィールドC上にビームの焦点をあわせる。第2のポジショナPWおよび位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、様々なターゲットフィールドCを放射ビームBの経路内に位置付けるように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。例えば、位置センサIFは、ディテクタが基板テーブルWT、第2のポジショナPWまたはメトロフレーム(MF)に固定されたリニアエンコーダ、または干渉計デバイスであってもよい。同様に、第1のポジショナPMおよびさらなる位置センサ(図1には明示的に示されていない)を使い、例えば、マスクライブラリからマスクを機械的に取り出した後またはスキャン中に、マスクMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置付けることもできる。例えば、さらなる位置センサは、位置センサIFに対して言及されたものと任意の同じ種類のものであってもよい。通常、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って達成することができる。同様に、基板テーブルWTの移動も、第2のポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使って達成することができる。ステッパの場合は(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結されてもよく、または固定されてもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。例示では基板アライメントマークが専用ターゲットフィールドを占めているが、基板アライメントマークをターゲットフィールドとターゲットフィールドとの間の空間内に置くこともできる(これらは、スクライブラインアライメントマークとして公知である)。同様に、1つより多いダイがマスクMA上に設けられている場合、マスクアライメントマークは、ダイとダイの間に置かれてもよい。
[0035] 例示の装置は、以下のモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
[0036] 1.ステップモードにおいては、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度に(すなわち、単一静止露光)ターゲットフィールドC上に投影する。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。ステップモードにおいては、露光ターゲットフィールドの最大サイズによって、単一静止露光時に結像されるターゲットフィールドCのサイズが限定される。
[0037] 2.スキャンモードにおいては、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲットフィールドC上に投影する(すなわち、単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。スキャンモードにおいては、露光ターゲットフィールドの最大サイズよって、単一動的露光時のターゲットフィールドの幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲットフィールドの高さ(スキャン方向)が決まる。
[0038] 3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、マスクテーブルMTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲットフィールドC上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
[0039] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
[0040] 本明細書中、基板座標システムについて言及する。基板座標システムは、図2に示されている。基板座標システムでは、xおよびy方向は、基板(W)の表面(1)と平行である。z方向は、基板(W)の表面(1)に対して垂直であり、基板(W)を露光するために放射ビームが届く基板(W)の側に正の値がある。
[0041] 基板(W)は、ターゲットフィールドのコラムが基板(W)上に形成されるように、スクライブラインによってお互いから離された複数の均等なターゲットフィールドを含む。基板(W)は、後のプロセスステップ中にスクライブラインで切断される。ターゲットフィールドは、基板(W)のxおよびy方向と位置合わせされているx’方向およびy’方向を有する、その独自の座標システムを有している。各ターゲットフィールド座標システムの原点は、最も小さなまたは負のxおよびy座標を有する基板(W)の座標システムにおける位置に相当する。ターゲットフィールドの原点を介して一列においてy基準線がある。
(レベルセンサ)
[0042] 本発明の一実施形態では、リソグラフィ露光装置は、EP1037117A1の図14A〜図14G、図15および図15Aに関連してEP1037117A1の27頁26行〜31頁14行に記載されているようなレベルセンサをさらに含む。レベルセンサは、基板(W)上のターゲットフィールドまたは基板テーブル上のエリアの高さを測定するように構成されている。高さは、第1の方向における位置を表す。レベルセンサの動作原理は、以下のように最も好ましく説明されている(図3aおよび図3b)。高さが測定される表面(1)は、基準の位置(2)へと運ばれ、測定放射ビーム(3)で照らされる(図3a)。測定放射ビームは、90度より小さい角度で、測定される表面上に衝突する。測定放射ビーム(3)が表面上に衝突するところでは、測定スポットが形成される。入射角が反射角と等しいため、測定放射ビームは、反射放射ビーム(4)を形成するために同じ角度で表面から反射する。測定放射ビーム(3)および反射放射ビーム(4)は、表面(1)に対して垂直である測定面を画定する。レベルセンサは、測定面における反射放射ビーム(4)の位置を測定する。
[0043] 表面(1)が測定放射ビーム(3)の方向で新しい位置(5)へと移動されて別の測定が行われた場合(図3b)、測定スポットは表面の同じ位置に残る。しかしながら、測定放射ビーム(3)は、移動した反射ビーム(6)を形成するように反射する。移動した反射ビーム(6)は、表面が基準位置(2)であったときの反射ビーム(4)と同じ方向で反射する。しかしながら、表面(1)が新しい位置(5)にある状態で形成された移動した反射放射ビーム(6)は、表面(1)が基準位置(2)にある状態で形成された反射放射ビーム(4)に対して移動される。測定面における反射ビーム(4)と移動した反射ビーム(6)との間の移動は、表面の移動の尺度として用いられる。
[0044] 通常の動作中、測定される表面の高さは未知である。表面の高さは、所定の値に対してゼロの高さを与えるようにセンサを較正した後に測定される。
[0045] 一実施形態では、レベルセンサは、x方向の異なる位置を有するリニアアレイにおける9つの測定スポットを形成するために9つの平行の測定ビームを提供し、9つの対応する位置を同時に測定するように構成されている。他の実施形態では、異なる数の測定ビームが使用される。測定スポットは、全て1つのラインである必要、または全てx方向における異なる位置である必要はない。複数の測定スポットは、合わせて、全幅がx方向である細長い検出エリア(7)を形成する。
[0046] リソグラフィ露光装置は、y方向のレベルセンサ測定を行いつつ、基板(W)の表面(1)と平行の方向に移動させるように構成されている。これは、レベルセンサスキャンを行うことと呼ばれる。そのようなスキャンは、基板(W)のターゲットフィールドの異なる位置に対する高さデータを得るために使用される。高さは、基板の表面(1)に対して垂直である方向、すなわち、z方向における基板の表面の位置である。一実施形態では、基板(W)は、基板テーブル(WT)に支持されつつ第2のポジショナ(PW)によって移動され、それによって、基板座標システムにおける異なるxおよびy位置に対するレベルセンサ測定は、可能な限り一定である(例えば、ゼロ)。これは、次のレベルセンサ測定が再びゼロになることが期待されるように、他のxおよびy位置に対する測定に基づいて基板テーブルWTのz位置を補正することによって行われる。
(プロセス)
[0047] 次のセクションでは、基板Wの露光プロセスの態様による方法の一実施形態の異なるステップを説明する。実施形態は、フォーカスマッピング、アライメント、キャリブレーション、露光設定の決定および露光のステップを含む。通常フォーカスマッピングは方法の後のほうで行われるが、キャリブレーションの前に説明する。
(アライメント)
[0048] 方法のステップによると、基板(W)上のアライメントマークの位置は、アライメントセンサによって決定される。そのようなアライメントセンサは、例えば、EP0906590、EP1372040、US2007/0263191A1によって公知である。アライメント中、例えば、16個のアライメントマークが決定され、それらの位置は、xおよびy方向における基板(W)上、すなわち基板表面と平行である平面の全てのターゲットフィールドの位置を決定するために使用される。全てのターゲットフィールドの位置は、生産データとして格納される。
(フォーカスマッピング)
[0049] アライメントステップにてターゲットフィールドの位置を決定した後、基板ターゲットフィールドをストロークでスキャンするためにレベルセンサが用いられる。ターゲットフィールドをスキャンするとき、高さは9つのx’座標に対する9つのスポットで測定される。レベルセンサは、基板がy方向(したがって、y’方向)にて一定の速度で移動する間、固定した時間間隔で測定する。したがって、レベルセンサは、y’方向も同様に固定した時間間隔で測定する。結果的に、第1のターゲットフィールドに対しては、ターゲットフィールド測定の第1のセットが、ターゲットフィールドの座標システムにおけるターゲットフィールド測定座標の第1のセット(x’,y’)にて得られる。
[0050] レベルセンサスキャンは、基板全体をスキャンするために必要である「ストローク」(矢印で示される)の数がリソグラフィ露光装置の生産能力またはスループットを最適化するために最小限(図4)になるように行われる。これは、第1のストローク中、細長い検出エリア(7)におけるレベルセンサ測定スポットがx’における9つのストローク座標の第1のセットを有することを意味する。少数のスポットは、ウェーハの外にある場合があり、放棄される。第2のストローク中、細長い検出エリア(7)におけるレベルセンサ測定スポットは、x’における9つのストローク座標の第2のセットを有する。「ストローク」がターゲットフィールドのコラム間のピッチと異なるピッチを有する場合、x’におけるストローク座標の第1のセットと第2のセットとは異なる。言い換えると、レベルセンサデータは、基板上のターゲットフィールドのレイアウトから独立して集められる。これは、レイアウト独立レベリングと呼ばれる。
[0051] フォーカスマッピングのための時間をさらに最小限にするため(したがって、リソグラフィ露光装置の生産能力またはスループットを最適化するため)、基板は、ストローク中一定の速度で移動される(すなわち、コラムの中のいくつかのターゲットフィールドを測定する間)。レベルセンサが固定した時間間隔で測定するとともに、y’方向における固定した距離間隔で測定する。ターゲットフィールド間のピッチ(y’方向におけるサイズおよびy’方向におけるスクライブライン幅)は、y’方向における固定された距離間隔の整数の倍数ではない。したがって、第1のターゲットフィールドにおけるレベルセンサ測定はy’座標の第1のセットにて得られ、第2のターゲットフィールドにおけるレベルセンサ測定はy’座標の第2のセットにて得られる。
[0052] さらに、スキャン方向は、2つの隣接したストローク間で反対になり、測定のためのy’座標のさらなるセットへと繋がる。結果的に、測定がフォーカスマッピング中に得られる、多数のx’およびy’の組み合わせがある。各ターゲットフィールドに対して、そのターゲットフィールドの座標システムに一組のターゲットフィールド測定座標がある。
[0053] 測定した高さは、生産データとともに対応するx’およびy’座標と一緒に格納される。あるいは、アライメントは後でまたは同時に行われ、測定した高さはその対応するxおよびy座標とともに基板座標システムに格納される。方法の後のステップでは、xおよびy座標は基板上のターゲットフィールドの位置に結合され、測定した高さに対応する測定位置は、ターゲットフィールドのx’およびy’座標システムで分かる。
[0054] レベルセンサ測定が基板上のターゲットフィールドのレイアウトに制約されないため、レベルセンサの全幅を使用することができる。基板上の「ストローク」のパターンは、リソグラフィ露光装置の生産能力(スループット)を向上させるために、レベルセンサ測定を行うのに使われる時間を最小限にするために全幅に基づいて選ばれる。これは、基板の「側面」で特に重要であり、ここでは、レイアウト依存レベリング(すなわち、フォーカスマッピングが各コラムの基準線に対して均等にストローク(矢印で示される)を位置付けする)が適用された場合、非常に小さい数のセンサスポット(例えば、5)を有するストロークがデータをとるために使用される(図5)。図5では、有効な細長いエリア(8)は、減少したスポットの数を反映するために細長いエリア(7)(図示せず)の全幅より小さい幅を有する。
[0055] 実際には、ターゲットフィールドの幅は、高価で組み立てるのが困難である投影システム(PS)の露光光学部品によって限定される。対照的に、レベルセンサはより単純なデバイスである。幅広いレベルセンサを組み立てることはより可能である。幅広いレベルセンサを組み立て、かつレイアウト独立レベリングを適用することによって、比較的幅広い露光ターゲットフィールドでも、ストロークの数が減少し得る。したがって、比較的幅広いターゲットフィールドを有するレイアウト上でも、レイアウト独立レベリングが用いられた場合にレベリング時間が減少し得る。
[0056] したがって、図4は、図5で示されるものと同じ基板Wを示している。しかしながら、図4に関する実施形態では、9つのスポットを同時に測定するように構成されたレベルセンサを用いてレイアウト独立レベリングが行われる。図5に関連して説明されるレイアウト依存の場合、5つのスポットのみが使用される。レイアウト独立レベリングでは、9つのスポット全てが使用される。さらに、ストロークは、基板の「側面」でのそれらの使用を最適化するように位置付けされている。
(キャリブレーション)
[0057] キャリブレーション中、レベルセンサは、キャリブレーションフィールド内の複数の位置で基板表面(1)の高さを測定するために使用される。キャリブレーションフィールドは、キャリブレーションのために選択されたターゲットフィールドである。
[0058] キャリブレーションフィールドは、フォーカスマッピング中に付与されるターゲットフィールド座標システム内のあらゆる可能な座標に少なくとも一回、レベルセンサスポットを用いてスキャンされる。したがって、フォーカスマッピング中に得られる測定の全てのx’−y’の組み合わせに対して、高さを決定するためにキャリブレーション測定が行われる。
[0059] あるいは、キャリブレーションフィールドが複数回測定され、キャリブレーションフィールド内の対応のx’−y’座標に対して結果の平均をとる。さらに、またはあるいは、キャリブレーション測定は、第2のキャリブレーションフィールドから得られる。キャリブレーションフィールドは、異なる基板上の異なるコラムにある。同じ基板上の異なるコラムにあるなど、他の変形も可能である。
[0060] したがって、キャリブレーションは、キャリブレーション測定および対応のキャリブレーション座標を含むキャリブレーションデータを運ぶ。数百個のターゲットフィールドが基板上にあり得るので、通常、キャリブレーションフィールドは基板(W)上の同じ位置上で、キャリブレーションデータが使用されるターゲットフィールドと異なる。当然、少なくともターゲットフィールドは、キャリブレーションフィールドと基板(W)上の同じ位置を有することが期待される。
[0061] 一実施形態では、キャリブレーション機構が、キャリブレーションのための入力として使用するために測定のロバストセットを生成するために使用される。最も高い基準偏差値(すなわち、ターゲットフィールド内のキャリブレーション測定間の変動)を有するターゲットフィールドは、キャリブレーションから放棄される。(残りの)ターゲットフィールドでは、キャリブレーションデータ(指紋データ)を生成するためにポイントからポイントで平均をとってもよい。あるいは、例えば、第1のキャリブレーションフィールドを同じキャリブレーション座標で複数回測定するか、または複数のキャリブレーションフィールドを同じキャリブレーション座標で測定するかによって、複数のキャリブレーション測定がキャリブレーション座標に対して行われる。次いで、平均キャリブレーション測定および基準偏差が各キャリブレーション座標に対して決定される。信頼区間が平均キャリブレーション測定の周りで算出さえる。信頼区間の外に値を有するキャリブレーション測定は放棄され、平均キャリブレーション測定が再び算出される。平均キャリブレーション測定は、キャリブレーションデータのために使用される。
[0062] 一実施形態では、キャリブレーション値は、レベルセンサによって測定されない。代わりに、キャリブレーション値はモデルによって予測される。モデル自体は測定を入力として使用してもよいが、例えば、基板上の層のプロセス効果を予測することができる。あるいは、ターゲットフィールド測定はレベルセンサで行われ、キャリブレーション測定は第2のセンサで測定される。第2のセンサは、異なる種類、例えば、基板上の層の材料の依存性がレベルセンサのものと異なるような種類であってもよい。見掛け表面のため、レベルセンサは、基板の層の材料に依存する。第2のセンサは、US7472580で記載されたようなエアゲージであってもよい。エアゲージはガス圧に対して作動し、したがって、異なる測定原理で作用する。
(露光設定の決定)
[0063] 露光中、基板は基板テーブルによって支持されている。基板テーブルは、セットポイントのような露光設定に従ってスキャンされる。複数のセットポイントは合わせて、基板が露光中に有する位置の一群を形成する。セットポイントを決定することは、基板(W)の高さと投影システム(PS)の露光スリットの平面との間の差を最小限にすることによって行われる。これは、例えば、EP1037117に記載されている。
[0064] 露光スリットが対応のセットポイントの一群へと繋がるように曲がってもよいことに留意されたい。さらに、またはあるいは、基板は、(曲がった)露光スリットにフィットするようにセットポイントによって一致することができないようなカーブを有してもよい。そのような場合では、補正不可能なエラーがある。
[0065] ターゲットフィールド測定座標の第1のセットは、キャリブレーションフィールドのキャリブレーション測定が可能な位置であるキャリブレーション座標と比較される。座標がターゲットフィールド測定座標の第1のセットに対応するキャリブレーション測定は、セットポイント値の第1のキャリブレーションセットを計算するために使用される。
[0066] さらに、全てのキャリブレーション測定は、セットポイント値の最適キャリブレーションセットを計算するために使用される。セットポイント値の最適キャリブレーションセットは、キャリブレーションフィールドにおけるさらに多くの座標におけるキャリブレーション測定に基づく。したがって、露光スリットの平面と基板(W)の高さとの間の差を最小限にすることは、より正確に行うことができる。
[0067] セットポイント値の第1のキャリブレーションセットは、補正値のセットを与えるためにセットポイント値の最適キャリブレーションセットから減算される。
[0068] さらに、ターゲットフィールド測定の第1のセットおよび対応するターゲットフィールド測定座標の第1のセットは、セットポイント値の第1の測定セットを計算するために使用される。セットポイント値の第1の測定セットは、補正値のセットを加算することによって補正される。
[0069] セットポイント値の測定セットを補正することによって、全てのキャリブレーション測定中に得られた情報が使用される。第1のターゲットフィールドに対するターゲットフィールド測定が単にそれらの可能な座標のサブセットであるのに対して、フォーカスマッピング中に付与されるターゲットフィールド座標システムにおけるあらゆる可能な座標でその情報が得られるため、ターゲットフィールド測定座標間のターゲットフィールドの高さについての情報が加えられる。したがって、セットポイント値は、方法のフォーカス制御を改善する。
[0070] さらに、方法は、フォーカスマッピングが第1のターゲットフィールドへと部分的に入り、かつスクライブラインへと部分的に入る1つのスポットで行われた場合に有利である。この状態では、エッジへの最も近い距離での測定は、当業者に明らかであるように、次のx’座標あるいは前のまたは次のy’座標での測定である。一実施形態では、キャリブレーション座標は、スポットがターゲットフィールドのエッジ内に正確に入るように選ばれる。これは、例えば、正確なアライメントデータを得てキャリブレーションフィールドの正確な位置を決定した後、またはキャリブレーションフィールドを非常に密集したグリッドで走査してどのキャリブレーション測定が測定中にスクライブラインに入ったスポットの一部として無効かを決定することによって行われる。そのようなキャリブレーションデータを用いて、ターゲットフィールドのエッジにより近い高さ情報が露光設定を決定するために使用される。
[0071] 露光設定を決定した後、ターゲットフィールドは、基板(W)上の感光性材料の層にパターンを形成するためにパターン形成された放射ビームに露光される。
(代替の実施形態)
[0072] 代替的に、補正測定は、ターゲットフィールド座標システムにおけるあらゆる可能な座標にはない。代わりに、キャリブレーション座標の密集したグリッドが使用される。
[0073] 再度、セットポイント値の最適キャリブレーションセットを計算するために全てのキャリブレーション測定が使用される。
[0074] ターゲットフィールド測定座標の第1のセットは、キャリブレーション座標のグリッドと比較される。リニア補間によって、キャリブレーション測定は、ターゲットフィールド測定座標の第1のセットに対応する座標での仮想キャリブレーション測定を決定するために使用される。
[0075] 仮想キャリブレーション測定およびターゲットフィールド測定座標の第1のセットは、セットポイント値の仮想のセットを決定するために使用される。セットポイント値の仮想のセットは、セットポイント値の最適キャリブレーションセットから減算される。
[0076] さらに、ターゲットフィールド測定の第1のセットおよび対応のターゲットフィールド測定座標の第1のセットは、セットポイント値の第1の測定セットを計算するために使用される。セットポイント値の第1の測定セットは、仮想補正値のセットを加えることによって補正される。
[0077] さらなる別の実施形態では、改善したセットポイント値は、測定値を補正することによって決定される。実施形態では、キャリブレーション測定は、例えば、密集したグリッド、またはフォーカスマッピング中に付与されるターゲットフィールド座標システムにおけるあらゆる可能な座標で得られる。キャリブレーションデータは、キャリブレーション座標間のキャリブレーション測定のリニア補間によってターゲットフィールド測定座標の第1のセットに対応する座標における仮想ターゲットフィールド測定を計算するために使用される。さらに、キャリブレーションデータは、第2のターゲットフィールドに対するターゲットフィールド測定座標の第2のセットに対応する座標におけるさらなる仮想ターゲットフィールド測定を計算するために使用される。これは、再度、リニア補間によって行われる。仮想ターゲットフィールド測定は、測定補正値を与えるためにさらなる仮想ターゲットフィールド測定から減算される。次いで、測定補正値は、補正した測定値を与えるためにターゲットフィールド測定値に加算される。補正した測定値はここで、レベルセンサがフォーカスマッピング中に測定し得た値、ターゲットフィールド測定座標の第2のセットで測定し得た値を表す。次いで、セットポイント値の最適化されたセットは、補正した測定値およびターゲットフィールド測定座標の第2のセットに基づいて決定される。
[0078] これは、同じ測定座標に基づいて第1および第2のターゲットフィールドに対してセットポイントが計算されるレイアウト独立レベリング中に測定値を補正しないことに対して有利である。したがって、第1のターゲットフィールドと第2のターゲットフィールドとの間のフォーカス性能の変化は、補償される。代わりにレイアウト依存レベリング(フォーカス性能の変化を防ぐために各ターゲットフィールドが同じターゲットフィールド測定座標で測定されることを課する)が適用された場合、スループットを低下させるフォーカス性能を確実にするためにさらなる時間が必要とされる。したがって、実施形態は、キャリブレーションなしに、レイアウト独立レベリングに対して基板(W)上の露光の信頼性を改良する。というのは、各ターゲットに対して、レイアウト依存レベリングを適用した場合より早い速度を達する一方、同じフォーカス性能を達することができるからである。
[0079] 一実施形態では、パターニングデバイスの動きに対する設定を計算することによってフォーカス性能が達成される。あるいは、投影システム(PS)の設定は、露光スリットがパターニングデバイスの一定の位置を有するターゲットフィールドの位置に適合するように変更される。あるいは、パターニングデバイスの動き、投影システム設定および基板の組み合わせが計算される。
[0080] 一実施形態では、露光中にウェーハテーブルの高さ設定および/または傾斜設定を計算することによってフォーカス性能が達成される。一実施形態では、これは、ステップモードにてリソグラフィ露光装置に対して適用される。
[0081] 一実施形態では、第一に、キャリブレーションおよびフォーカスマッピングが行われる。キャリブレーション測定およびターゲットフィールド測定は、それらの座標とともに基板座標システムに格納される。アライメントを実行して基板上のターゲットフィールドの位置を決定し、したがって、基板座標システムにおけるターゲットフィールド座標システムの原点を決定した後、露光設定の決定が行われる。
[0082]-[0085] よって、露光フォーカスデータに従ってリソグラフィ装置にて露光される基板のターゲットフィールドのための露光フォーカスデータを計算する方法であって、方法は:a)ターゲットフィールドの上にレベルセンサスキャンを行い、ターゲットフィールドのためのレベルセンサデータを提供することであって、レベルセンサスキャンは、ターゲットフィールドに対して相対位置で行われる、ことと、b)ターゲットフィールドに対するレベルセンサスキャンの相対位置を補正するために所定のキャリブレーションデータおよびレベルセンサデータを使用して補正した露光フォーカスデータを決定することとを含む方法が提供される。
[0085] この実施形態は、ターゲットフィールドに対する相対位置を補正することを可能にする。この相対位置は、レベルセンサデータに影響を与え(例えば、ターゲットフィールド上のトポロジーにより)、結果的に、算出された露光フォーカスデータに影響を与える。この差を補正するために、提供されたような方法が使用されてもよい。
[0086] 一方向でのみ(x’又はy’方向)較正するためにキャリブレーションデータを得るなど、他の実施形態が本発明に包含され、かつ一部の改良がターゲットフィールド測定座標と異なる座標を有するキャリブレーション測定を使用することによって既に得ることができることが当業者に明らかになるであろう。
[0087] 本発明によるリソグラフィ露光装置では、露光設定の決定は、コンピュータシステムを含むユニット内で行われる。コンピュータシステムには、データキャリアを介してコンピュータプログラムが供給され、コンピュータプログラムは、本発明の一実施形態による方法を行うように構成されている。
[0088] 一実施形態では、他のターゲットフィールドに囲まれたターゲットフィールドが測定され、一部のターゲットフィールド測定は、そのような他のターゲットフィールド上で行われる。他のターゲットフィールド上のターゲットフィールド測定は、追加のキャリブレーションデータとして使用されてもよい。一実施形態では、細長い検出エリア(7)は基板(W)の全幅に広がり、同時に異なるx座標でサンプリングする。実行中のターゲットフィールドは測定スポット間のピッチとは異なるピッチを有するため、ターゲットフィールド測定は、異なるターゲットフィールドx’座標についての情報を含む。基板(W)中のターゲットフィールド測定は、キャリブレーションデータとして使用される。別々のキャリブレーションスキャンを必要としない。全てのターゲットフィールド測定は、それぞれのx’座標およびy’座標に関連し、キャリブレーションフィールド内の座標に対してはキャリブレーション測定として取り扱われる。このような方法で、前に説明したように、各ターゲットフィールドに対して、全ての他のターゲットフィールドからのデータは、キャリブレーションデータの形で使用される。
[0089] 本発明による方法は、他のターゲットフィールドキャリブレーションと一緒に使用されてもよい。これは、プロセス依存オフセットキャリブレーション(例えば、高さが回路パターンの存在または不在に関連して測定される基板の材料の組成における違いによって生じる測定した高さ間のオフセットの補正)およびプロセス依存ゲイン補正(例えば、回路パターンの存在または不在に関連した基板の異なる材料組成に対する、同等の高さで測定した強度における違いの補正)を含む。
[0090] レイアウト独立レベリングストロークにてオーバーラップまたは未使用のセンサがある場合、ストローク位置は、フォーカス性能の理由のためにサンプリングを最適化するように調整されてもよい。フォーカス感受性がさらに高い位置での複数のサンプル、または基板のエッジにおけるターゲットフィールドの位置を一致させるための特別な測定位置、の2つがあり得る。
[0091] レベリング測定が層から独立するように較正することには、さらなる可能なスループット利点がある。レベリング測定がレイアウトに対して正確な位置を有することを必要とした場合、充分な正確さのアライメント動作がレベリング測定の前に必要とされる。レベリングを位置から独立するように較正することができた場合(本発明によって達成される)、アライメントをレベリングの前に行うという制約を止めることができる。この制約の緩和は、基板測定シーケンス中に使われる時間を減らし、かつ方法のステップが行われる順序を切り離すためのさらなる機会を与える。例えば、アライメント結果は、レベリング測定を既に開始しつつ処理することができる。さらに、フォーカスマッピングまたはキャリブレーションを開始する前に較正されたアライメントセンサを利用可能にしておく必要がない場合がある。
[0092] 上記の実施形態は、デュアルステージリソグラフィ露光装置で使用されてもよい。デュアルステージリソグラフィ装置では、放射に露光される基板を支持するための2つステージがある。1つの基板がロード、アンロードまたは測定される間、他方が露光される。上記の実施形態は、タンデムステージリソグラフィ装置で使用されてもよい。そのような露光装置では、露光される基板を支持するための第1のステージがある。さらに、露光中に基板を支持するように構成されていない第2のステージもある。第2のステージは、センサを含んでもよく、例えば、第1のステージが基板をロードおよびアンロードするための位置にある間、液浸液が漏れないように液浸液を制御するために使用されてもよい。
[0093] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ露光装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ露光装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者にとっては当然のことであるが、そのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツールおよびその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。これらの処理層は、アラインメント中に読まれるアライメントマークを含む。
[0094] 光リソグラフィの関連での本発明の実施形態の使用について上述のとおり具体的な言及がなされたが、当然のことながら、本発明は、他の用途、例えば、インプリントリソグラフィに使われてもよく、さらに状況が許すのであれば、光リソグラフィに限定されることはない。インプリントリソグラフィにおいては、パターニングデバイス内のトポグラフィによって、基板上に創出されるパターンが定義される。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジスト層の中にプレス加工され、基板上では、電磁放射、熱、圧力、またはそれらの組合せによってレジストは硬化される。パターニングデバイスは、レジストが硬化した後、レジスト内にパターンを残してレジストの外へ移動される。表面の高さを測定することは、基板の露光中の局所的温度または圧力を設定するためにパターニングデバイスに適用されてもよい。
[0095] 本明細書で使用される「放射」および「ビーム」という用語は、紫外線(UV)(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、もしくは126nmの波長、またはおよそこれらの値の波長を有する)、および極端紫外線(EUV)(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)、ならびにイオンビームや電子ビームなどの微粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射を包含している。
[0096] 「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折、反射、磁気、電磁気、および静電型光コンポーネントを含む様々な種類の光コンポーネントのいずれか1つまたはこれらの組合せを指すことができる。
[0097] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。例えば、本発明は、上記に開示した方法を表す1つ以上の機械読取可能命令のシーケンスを含むコンピュータプログラムの形態、またはこのようなコンピュータプログラムが記憶されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスクまたは光ディスク)の形態であってもよい。
[0098] 上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。

Claims (15)

  1. リソグラフィ露光プロセスにおける基板上のターゲットフィールドのための露光設定を決定するための方法であって、
    キャリブレーションフィールドの前記位置に対する第2および第3の方向の複数のキャリブレーション位置における第1の方向の前記キャリブレーションフィールドの前記位置を含むキャリブレーションデータを提供することと、
    生産データを、
    前記第2および第3の方向の前記ターゲットフィールドの前記基板上の前記位置を定めること、および
    前記第2および第3の方向の前記露光フィールドの前記位置に対する少なくとも1つの測定位置における前記第1の方向の前記露光フィールドの前記位置を測定すること
    によって提供することと
    を含み、前記方法はさらに、
    少なくとも1つの第1の相対測定位置と前記複数の相対キャリブレーション位置との間の比較を実行することと、
    前記第1の方向の前記露光フィールドの前記測定した位置および前記キャリブレーションデータに基づいて露光設定を決定するために前記比較を使用することであって、前記キャリブレーションデータが前記少なくとも1つの相対測定位置とは異なる少なくとも1つの相対キャリブレーション位置に関連する、該使用することと
    を含む、方法。
  2. キャリブレーション基板上の前記キャリブレーションフィールドの前記第1の方向の前記位置は、第1のセンサを用いて決定される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の方向の前記ターゲットフィールドの前記位置は、第2のセンサを用いて測定され、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサは、異なる測定原理に基づいている、請求項2に記載の方法。
  4. 前記キャリブレーション基板上の前記キャリブレーションフィールドの位置は、前記基板上の前記ターゲットフィールドの前記位置と異なる、請求項2乃至3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記キャリブレーション基板および前記基板は異なる基板である、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記露光設定は、前記ターゲットフィールドの露光中に前記ターゲットフィールドを含む前記基板を支持するためのサポートのための高さ設定、傾斜設定およびスキャンセットポイントを含むセットの少なくとも1つのメンバーを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記露光設定は、
    前記キャリブレーションデータに基づいてキャリブレーション露光設定を決定することと、
    前記露光フィールドの前記測定した位置に基づいて生産露光設定を決定することと、
    前記比較および前記キャリブレーション露光設定に基づいて前記生産露光設定を補正することによって前記露光設定を決定することと
    によって決定される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記露光設定は、
    前記比較および前記キャリブレーションデータに基づいて前記露光フィールドの前記測定した位置を補正することと、
    補正された前記測定した位置に基づいて前記露光設定を決定することと
    によって決定される、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の方法。
  9. 生産データを提供することは、前記ターゲットフィールドの前記第1の方向の前記位置を測定する一方でさらなるターゲットフィールドの前記位置に対する少なくとも1つの位置における前記第1の方向の前記さらなるターゲットフィールドの前記位置を測定することを含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記複数の位置の少なくとも1つの前記キャリブレーションフィールドの第1のエッジへの前記距離は、前記少なくとも1つの位置の前記ターゲットフィールドの前記対応するエッジへの前記距離より小さい、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
  11. キャリブレーションデータを提供することは、さらなるキャリブレーションフィールドの前記位置に対する前記第2および第3の方向のさらなる複数の位置における前記第1の方向の前記さらなるキャリブレーションフィールドの前記位置を決定することを含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記決定した露光データに従って前記ターゲットフィールドを露光させることを含む、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
  13. キャリブレーションフィールドの前記位置に対する第2および第3の方向の複数のキャリブレーション位置で決定された前記キャリブレーションの前記位置を含むキャリブレーションデータを格納するように構成された、ターゲットフィールドを露光するためのリソグラフィ露光装置であって、
    前記第2および第3の方向の前記ターゲットフィールドの前記位置を測定するアライメントセンサと、
    前記第2および第3の方向の前記ターゲットフィールドの前記位置に対する少なくとも1つの測定位置における前記第1の方向の前記ターゲットフィールドの前記位置を測定するセンサとを含み、
    少なくとも1つの第1の相対測定位置と前記複数のキャリブレーション位置との間の比較を実行し、記第1の方向の前記ターゲットフィールドの前記測定した位置および前記キャリブレーションデータに基づいて露光設定を決定するために前記比較を使用するユニットであって、前記キャリブレーションデータが前記少なくとも1つの相対測定位置とは異なる少なくとも1つの相対キャリブレーション位置に関連する、ユニットによって特徴付けられる、リソグラフィ露光装置。
  14. プロセシング構成上でロードされた場合に請求項1乃至12に記載の方法のいずれか1つを実行する、コンピュータプログラム。
  15. 請求項14に記載のコンピュータプログラムを含む、データキャリア。
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