JP2009188213A - 薄膜電界効果型トランジスタおよびそれを用いた表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、電界効果移動度が高く、高ON/OFF比を有し、かつ環境温度依存性が改良されたTFTを提供することにある。およびそれを用いた表示装置を提供することである。
【解決手段】基板上に、少なくとも、ゲート電極、ゲート絶縁膜、アモルファス酸化物半導体を含有する活性層、ソース電極及びドレイン電極を有する薄膜電界効果型トランジスタであって、前記活性層のキャリア濃度が3×1015/cm以上3×1018/cm以下であり、前記活性層と前記ソース電極又はドレイン電極との間に抵抗層を有し、該抵抗層の電気抵抗率が10Ω・cm以上1013Ω・cm以下で厚みが20nm未満であることを特徴とする薄膜電界効果型トランジスタおよびそれを用いた表示装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、薄膜電界効果型トランジスタおよびそれを用いた表示装置に関する。特に活性層にアモルファス酸化物半導体を用いた薄膜電界効果型トランジスタおよびそれを用いた表示装置に関する。
近年、液晶やエレクトロルミネッセンス(ElectroLuminescence:EL)技術等の進歩により、平面薄型画像表示装置(Flat Panel Display:FPD)が実用化されている。特に、電流を通じることによって励起され発光する薄膜材料を用いた有機電界発光素子(以後、「有機EL素子」と記載する場合がある)は、低電圧で高輝度の発光が得られるために、携帯電話ディスプレイ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピュータディスプレイ、自動車の情報ディスプレイ、TVモニター、あるいは一般照明を含む広い分野で、デバイスの薄型化、軽量化、小型化、および省電力のなどが期待されている。
これらFPDは、ガラス基板上に設けた非晶質シリコン薄膜や多結晶シリコン薄膜を活性層に用いる電界効果型薄膜トランジスタ(以後の説明で、Thin Film Transistor、もしくはTFTと記載する場合がある)のアクティブマトリクス回路により駆動されている。
一方、これらFPDのより一層の薄型化、軽量化、耐破損性の向上を求めて、ガラス基板の替わりに軽量で可撓性のある樹脂基板を用いる試みも行われている。
しかし、上述のシリコン薄膜を用いるトランジスタの製造は、比較的高温の熱工程を要し、一般的に耐熱性の低い樹脂基板上に直接形成することは困難である。
例えば、シリコン薄膜を用いたトランジスタの駆動電圧を低減したMOSFET(Metal−Oxide Semiconductor Field−Effect Transistor)が開示され、活性層の半導体材料として酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫、或いは酸化亜鉛などが用いられ、ゲート絶縁膜に比誘電率の大きな誘電体材料を用いた構成が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。ITO、酸化錫、或いは酸化亜鉛などは結晶性金属酸化物であり、キャリア濃度が1×1019/cm程度有することが開示されている。結晶性金属酸化物よりなる活性層の場合、所望の半導体特性を発現するためには、スパッタリングによる膜形成の後、例えば300℃で15分間ポストアニールするなどの結晶化制御のための高温加熱処理工程が必要になる(例えば、特許文献3の段落番号「0054」参照。)。従って、このような活性層を耐熱性の低い樹脂基板上に直接形成することは困難である。
アモルファス酸化物、例えば、In−Ga−Zn−O系アモルファス酸化物は低温での成膜が可能であり、プラスチックフィルム上に室温成膜可能な材料として注目されている(例えば、非特許文献1参照。)。しかしながら、アモルファス酸化物半導体を用いたTFTの活性層に用いると、OFF電流が高く、ON/OFF比が低いという問題を有していた。例えば、アモルファス酸化物半導体としてキャリア濃度が2.1×1017/cmのIZO(In−Zn−O)を活性層に用いたTFTの構成が開示されている(例えば、非特許文献2参照。)。しかしながら、依然としてOFF電流が高く、TFTゲート電圧を印可しない状態でも電流が流れてしまう”ノーマリーオン”の状態となってしまい、ON/OFF動作のための余分回路と電力消費を必要とする問題がある。
この問題を改良する手段として、アモルファス酸化物半導体のキャリア濃度を低減すること、例えば、1018/cm未満にするとTFTは動作し、1016/cm未満で良好なON/OFF比を持つTFTが得られること、さらに良好な低いオフ電流特性を持たせるには、キャリア濃度を1016/cm未満にすることが好ましいことが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、上記TFTのゲート絶縁膜は、通常蒸着法によって形成されるが膜表面を平坦に形成するのが困難であるため、その上に直接活性層を形成すると活性層の厚みに局部的厚み変動が生じ、TFT性能を劣化させる問題もあった。この問題を改良する手段として、アモルファス酸化物半導体からなる電気抵抗層をゲート絶縁膜と活性層との間に配置し、該電気抵抗層によってゲート絶縁膜の表面凹凸を平坦化することが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、実用的に供されるTFTは、OFF電流が低く、ON/OFF比が高いことは勿論のこと、連続駆動してもその性能が変化しないこと、作動する環境の温度や湿度などの条件が変動しても安定した性能を示すことが要求され、未だ多くのクリアすべき課題が残る。
特開2006−186319号公報 特開2007−73701号公報 特開2006−121029号公報 NATURE、Vol.432(25 November、2004)、P.488−492 APPLIED PHYSICS LETTERS、89,062103(2006)
本発明の目的は、アモルファス酸化物半導体を用いたTFTを提供することにあり、特に、OFF電流が低く、高ON/OFF比を有し、かつ環境温度変化してもTFT性能が変動しない改良されたTFTを提供することにある。さらに、可撓性のある樹脂基板上に作製が可能な高性能のTFTを提供することにある。また、そのTFTを用いた表示装置を提供することにある。
本発明の上記課題は下記の手段によって解決された。
<1> 基板上に、少なくとも、ゲート電極、ゲート絶縁膜、アモルファス酸化物半導体を含有する活性層、ソース電極及びドレイン電極を有する薄膜電界効果型トランジスタであって、前記活性層のキャリア濃度が3×1015/cm以上3×1018/cm以下であり、前記活性層と前記ソース電極又はドレイン電極との間に抵抗層を有し、該抵抗層の電気抵抗率が10Ω・cm以上1013Ω・cm以下で厚みが20nm未満であることを特徴とする薄膜電界効果型トランジスタ。
<2> 前記ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方がIZOであることを特徴とする<1>に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<3> 前記抵抗層がアモルファス酸化物であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<4> 前記活性層のアモルファス酸化物半導体がInを含有することを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<5> 前記活性層のアモルファス酸化物半導体がInとGa又はInとZnを含有することを特徴とする<4>に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<6> 前記活性層のアモルファス酸化物半導体がIn、Ga及びZnを含有することを特徴とする<4>に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<7> 前記抵抗層のアモルファス酸化物がInを含有することを特徴とする<3>〜<6>のいずれかに記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<8> 前記抵抗層のアモルファス酸化物がInとGa又はInとZnを含有することを特徴とする<7>に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<9> 前記抵抗層のアモルファス酸化物がIn、Ga及びZnを含有することを特徴とする<7>に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<10> 前記基板がフレキシブル基板であることを特徴とする<1>〜<9>のいずれかに記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<11> 1対の電極と、該電極間に介在する発光層とを有する発光素子と、該発光素子を駆動するための電界効果型トランジスタを備えた表示装置であって、該電界効果型トランジスタが<1>〜<10>のいずれかに記載の薄膜電界効果型トランジスタであることを特徴を有する表示装置。
アモルファス酸化物半導体を用いたTFTは、室温成膜が可能であり、可撓性プラスチックフイルムを基板として作製が可能であるので、フイルム(フレキシブル)TFTの活性層の材料として注目された。特に特開2006−165529号公報および同2006−186319号公報で開示されているように、ポリエステルフィルム基板上にキャリア濃度を1018/cm未満のアモルファス酸化物半導体を活性層に用いて、電界効果移動度10cm/Vs、ON/OFF比10超の性能を持つTFTが報告されている。
しかしながら、これを例えば表示装置の駆動回路に用いる場合、移動度、ON/OFF比の観点から駆動回路を動作するには性能がまだ不十分であった。活性層に用いられるアモルファス酸化物半導体は、キャリア濃度が下がると電子移動度が下がる傾向があるので、良好なOFF特性と、高移動度を両立するTFTを形成することが困難であった。
さらに、本発明者らによる詳細な解析の結果、キャリア濃度を1018/cm未満に減少するとTFTの動作環境の温度が変動するとOFF電流値が変動したり、TFTの閾値電圧が変動する新たな問題が判明した。このOFF電流値の変動やTFTの閾値電圧の変動はキャリア濃度が低くなるほど大きく、特に3×1017/cm未満に減少すると実用上障害となる変動を引き起こすことが判明した。このOFF電流値の変動やTFTの閾値電圧の変動は、TFTを連続的に繰り返し駆動した場合にも発生することも見出された。従来、半導体素子にこのような問題が生じた場合、温度補償回路ユニットが対策として導入されるのが一般的であったが、回路の複雑化、かつ素子容積が大きくなり開口率が減少する等の弊害を伴う。従って、この問題は解決すべき重大な課題であり、OFF電流特性と高移動度を両立した上で、さらに環境温度依存性および耐久性の改良が求められた。
本発明者らは、鋭意、開発探索を進めた結果、キャリア濃度が3×1015/cm以上3×1018/cm以下の高濃度のアモルファス酸化物半導体を活性層に用いても、活性層とソース電極又はドレイン電極との間に電気抵抗層を配し、該抵抗層を電気抵抗率が10Ω・cm以上1013Ω・cm以下で厚みが20nm未満の層とすることにより、全く予想外に課題が解決し得ることを見出し、本発明に到達した。即ち、キャリア濃度が高濃度のアモルファス酸化物半導体であっても、充分に低いOFF電流に制御できることが見出されたのである。
本発明によると、OFF電流が低く、高ON/OFF比を示すTFTでかつ温度依存性や連続駆動安定性に優れたTFTが提供される。特に、可撓性基板を用いたフイルム(フレキシブル)TFTとして有用な薄膜電界効果型トランジスタが提供される。また、これらのTFTを用いた表示装置を提供される。
1.薄膜電界効果型トランジスタ(TFT)
本発明のTFTは、少なくとも、ゲート電極、ゲート絶縁膜、活性層、ソース電極及びドレイン電極を順次有し、ゲート電極に電圧を印加して、活性層に流れる電流を制御し、ソース電極とドレイン電極間の電流をスイッチングする機能を有するアクテイブ素子である。TFT構造として、スタガ構造及び逆スタガ構造いずれをも形成することができる。
本発明における活性層のキャリア濃度が3×1015/cm以上3×1018/cm以下である。好ましくは、キャリア濃度が5×1015/cm以上2×1018/cm以下であり、さらに好ましくはキャリア濃度が1×1016/cm以上1×1018/cm以下である。
電気抵抗層は、電気抵抗率が10Ω・cm以上1013Ω・cm以下で厚みが20nm未満である。好ましくは、電気抵抗率が2×10Ω・cm以上5×1012Ω・cm以下で厚みが2nm以上18nm以下であり、さらに好ましくは、5×10Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下で厚みが5nm以上15nm以下である。上記範囲内で、電気抵抗率が高い場合は厚みを相対的に薄くし、電気抵抗率が低い場合は厚みを相対的に厚くするのが好ましい。本発明の抵抗層によってキャリア移動度が最適に保たれるように制御される。
好ましくは、活性層のアモルファス酸化物半導体が、少なくともInを含有する。より好ましくは、InとGaを含有又はInとZnを含有するアモルファス酸化物半導体である。さらに好ましくは、In、Ga及びZnを含有するアモルファス酸化物半導体である。
好ましくは、ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方がIZOである。
好ましくは、電気抵抗層がアモルファス酸化物よりなる。電気抵抗層に用いられるアモルファス酸化物は、少なくともInを含有する。より好ましくは、InとGaを含有又はInとZnを含有するアモルファス酸化物である。さらに好ましくは、In、Ga及びZnを含有するアモルファス酸化物である。
好ましくは、前記基板が可撓性樹脂基板である。
本発明のTFTについて以下においてさらに詳細に説明する。
1)活性層
本発明に用いられる活性層には、アモルファス酸化物半導体が用いられる。アモルファス酸化物半導体は、低温で成膜可能である為に、プラスティックのような可撓性のある樹脂基板に作製が可能である。低温で作製可能な良好なアモルファス酸化物半導体としては、少なくともInを含む酸化物、InとGaを含む酸化物、InとZnを含む酸化物、In、Ga及びZnを含有する酸化物であり、組成構造としては、InGaO(ZnO)(mは6未満の自然数)のものが好ましいことが知られている。これらは、キャリアが電子のn型半導体である。もちろん、ZnO・Rh、CuGaO、SrCuのようなp型酸化物半導体を活性層に用いても良い。特開2006−165529に開示されている酸化物半導体を用いることもできる。
具体的に本発明に係るアモルファス酸化物半導体は、In−Ga−Zn−Oを含み構成され、結晶状態における組成がInGaO(ZnO)(mは6未満の自然数)で表されるアモルファス酸化物半導体が好ましい。特に、InGaZnOがより好ましい。この組成のアモルファス酸化物半導体の特徴としては、電気伝導度が増加するにつれ、電子移動度が増加する傾向を示す。また、電気伝導度を制御するには、成膜中の酸素分圧より制御が可能である。もちろん、活性層には酸化物半導体だけではなく、Si、Geなどの無機半導体、GaAs等の化合物半導体、ペンタセン、ポリチオフェン等の有機半導体材料、カーボンナノチューブ等にも適応可能である。
<キャリア濃度>
本発明における活性層のキャリア濃度は、種々の手段により所望の数値に調整することができる。
活性層のキャリア濃度の調整手段としては、下記の手段を挙げることが出来る。
(1)酸素欠陥による調整
酸化物半導体において、酸素欠陥ができると、活性層のキャリア濃度が増加し、電気伝導度が大きくなることが知られている。よって、酸素欠陥量を調整することにより、酸化物半導体のキャリア濃度を制御することが可能である。酸素欠陥量を制御する具体的な方法としては、成膜中の酸素分圧、成膜後の後処理時の酸素濃度と処理時間等がある。ここでいう後処理とは、具体的に100℃以上の熱処理、酸素プラズマ、UVオゾン処理がある。これらの方法の中でも、生産性の観点から成膜中の酸素分圧を制御する方法が好ましい。成膜中の酸素分圧を調整することにより、酸化物半導体のキャリア濃度の制御ができる。
(2)組成比による調整
酸化物半導体の金属組成比を変えることにより、キャリア濃度が変化することが知られている。例えば、InGaZn1−XMgにおいて、Mgの比率が増えていくと、キャリア濃度が小さくなる。また、(In1−X(ZnO)の酸化物系において、Zn/In比が10%以上では、Zn比率が増加するにつれ、キャリア濃度が小さくなる。これら組成比を変える具体的な方法としては、例えば、スパッタによる成膜方法においては、組成比が異なるターゲットを用いる。または、多元のターゲットにより、共スパッタし、そのスパッタレートを個別に調整することにより、膜の組成比を変えることが可能である。
(3)不純物による調整
酸化物半導体に、Li,Na,Mn,Ni,Pd,Cu,Cd,C,N,P等の元素を不純物として添加することによりキャリア濃度を減少させることが可能である。不純物を添加する方法としては、酸化物半導体と不純物元素とを共蒸着により行う、成膜された酸化物半導体膜に不純物元素のイオンをイオンドープ法により行う等がある。
(4)酸化物半導体材料による調整
上記(1)〜(3)においては、同一酸化物半導体系でのキャリア濃度の調整方法を述べたが、もちろん酸化物半導体材料を変えることにより、キャリア濃度を変えることができる。例えば、一般的にSnO系酸化物半導体は、In系酸化物半導体に比べてキャリア濃度が小さいことが知られている。このように酸化物半導体材料を変えることにより、キャリア濃度の調整が可能である。
キャリア濃度を調整する手段としては、上記(1)〜(4)の方法を単独に用いても良いし、組み合わせても良い。
<活性層の形成方法>
活性層の成膜方法は、酸化物半導体の多結晶焼結体をターゲットとして、気相成膜法を用いるのが良い。気相成膜法の中でも、スパッタリング法、パルスレーザー蒸着法(PLD法)が適している。さらに、量産性の観点から、スパッタリング法が好ましい。
例えば、RFマグネトロンスパッタリング蒸着法により、真空度及び酸素流量を制御して成膜される。酸素流量が多いほど電気伝導度を小さくすることができる。
本発明に於ける活性層は極めて薄層であり、このような薄層領域で優れたTFT性能を発揮するには、該活性層と活性層が設置される隣接層との界面の均一性が重要である。例えば、ボトムゲート型TFTの場合、通常ゲート絶縁膜上に活性層が設置されるが、該ゲート絶縁膜と該活性層の界面が平滑であること、好ましくは界面粗さが2nm未満であることが望ましい。より好ましくは1nm未満であることが好ましい。そのためには、該ゲート絶縁膜および該活性層の成膜速度をそれぞれの膜成分のスパッタ速度や蒸着速度を制御し、均一に膜形成する条件を見出して実行するのが好ましい。
成膜した膜は、周知のX線回折法によりアモルファス膜であることが確認できる。組成比は、RBS(ラザフォード後方散乱)分析法により求めることができる。
<活性層の膜厚>
本発明に於ける活性層の厚みは、好ましくは、2nm以上100nm以下である。より好ましくは、5nm以上70nm以下である。
本発明に於ける活性層の膜厚は、作製した素子断面のHRTEM(High Resolution TEM)写真撮影により測定することができる。
上記の構成の活性層を用いることにより、移動度が10cm/(V・秒)以上の高い移動度のTFTで、ON/OFF比が10以上のトランジスタ特性を実現できる。
2)電気抵抗層
電気抵抗層は、活性層とゲート電極またはソース電極の少なくとも一方との間に配される。本発明に用いられる電気抵抗層は、電気抵抗率が10Ω・cm以上1013Ω・cm以下で厚みが20nm未満である。好ましくは、2×10Ω・cm以上5×1012Ω・cm以下で厚みが2nm以18nm以下であり、さらに好ましくは、5×10Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下で厚みが5nm以上15nm以下である。
好ましくは、電気抵抗層がアモルファス酸化物よりなる。電気抵抗層に用いられるアモルファス酸化物は、少なくともInを含有する。より好ましくは、InとGaを含有又はInとZnを含有するアモルファス酸化物である。さらに好ましくは、In、Ga及びZnを含有するアモルファス酸化物である。
電気抵抗層に用いられるアモルファス酸化物は、前述の活性層の材料について説明した材料より選択して用いることができる。電気抵抗率は、前述の活性層におけるキャリア濃度の制御手段について説明したと同様の手段により調整することができる。
3)ゲート電極
本発明におけるゲート電極としては、例えば、Al、Mo、Cr、Ta、Ti、Au、Ag等の金属、Al−Nd、APC等の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物を好適に挙げられる。
ゲート電極の厚みは、10nm以上1000nm以下とすることが好ましい。
電極の成膜法は特に限定されることはなく、印刷方式、コ−ティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って前記基板上に形成することができる。例えば、ITOを選択する場合には、直流あるいは高周波スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレ−ティング法等に従って行うことができる。またゲート電極の材料として有機導電性化合物を選択する場合には湿式製膜法に従って行うことができる。
4)ゲート絶縁膜
ゲート絶縁膜としては、SiO、SiN、SiON、Al、Y、Ta、HfO等の絶縁体、又はそれらの化合物を少なくとも二つ以上含む混晶化合物が用いられる。また、ポリイミドのような高分子絶縁体もゲート絶縁膜として用いることができる。
ゲート絶縁膜の膜厚としては10nm〜10μmが好ましい。ゲート絶縁膜はリーク電流を減らす、電圧耐性を上げる為に、ある程度膜厚を厚くする必要がある。しかし、ゲート絶縁膜の膜厚を厚くすると、TFTの駆動電圧の上昇を招く結果となる。その為、ゲート絶縁膜の膜厚は無機絶縁体だと50nm〜1000nm、高分子絶縁体だと0.5μm〜5μmで用いられることが、より好ましい。特に、HfOのような高誘電率絶縁体をゲート絶縁膜に用いると、膜厚を厚くしても、低電圧でのTFT駆動が可能であるので、特に好ましい。
5)ソース電極及びドレイン電極
本発明におけるソース電極及びドレイン電極材料として、例えば、Al、Mo、Cr、Ta、Ti、Au、Ag等の金属、Al−Nd、APC等の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物を好適に挙げられる。特に好ましくは、IZOである。
ソース電極及びドレイン電極の厚みは、10nm以上1000nm以下とすることが好ましい。
電極の製膜法は特に限定されることはなく、印刷方式、コ−ティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って前記基板上に形成することができる。例えば、ITOを選択する場合には、直流あるいは高周波スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレ−ティング法等に従って行うことができる。またソース電極及びドレイン電極の材料として有機導電性化合物を選択する場合には湿式製膜法に従って行うことができる。
6)基板
本発明に用いられる基板は特に限定されることはなく、例えばYSZ(ジルコニア安定化イットリウム)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリエ−テルスルホン、ポリアリレ−ト、アリルジグリコ−ルカ−ボネ−ト、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の合成樹脂等の有機材料、などが挙げられる。前記有機材料の場合、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性、低吸湿性等に優れていることが好ましい。
本発明においては特に可撓性基板が好ましく用いられる。可撓性基板に用いる材料としては、透過率の高い有機プラスチックフィルムが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等のプラスティックフィルムを用いることができる。また、フィルム状プラスティック基板には、絶縁性が不十分の場合は絶縁層、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層、フィルム状プラスティック基板の平坦性や電極や活性層との密着性を向上するためのアンダーコート層等を備えることも好ましい。
ここで、可撓性基板の厚みは、50μm以上500μm以下とすることが好ましい。これは、可撓性基板の厚みを50μm未満とした場合には、基板自体が十分な平坦性を保持することが難しいためである。また、可撓性基板の厚みを500μmよりも厚くした場合には、基板自体を自由に曲げることが困難になる、すなわち基板自体の可撓性が乏しくなるためである。
7)構造
次に、図面を用いて、詳細に本発明におけるTFTの構造を説明する。
図1は、本発明のTFTの一例を示す模式図である。基板1がプラスチックフィルムなどの可撓性基板の場合、基板1の少なくとも一方の面に絶縁層6を配し、その上にゲート電極2、ゲート絶縁膜3、活性層4、抵抗層7を積層して有し、その表面にソース電極5−1とドレイン電極5−2が設置される。
本構成によれば、活性層4のキャリア濃度が3×1015/cm以上3×1018/cm以下と高く、高いON電流をもたらすことができる。一方、抵抗層7により高いON電流を保持したまま、OFF電流値が抑制され低く保たれる。従って、本構成によれば、ON/OFF比が高く、優れたTFTが得られる。特に高電流を発生することができるので有機EL素子の駆動制御に適したTFTが得られる。
図2は、本発明のTFT素子を用いたアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置の等価回路の模式図である。本発明における有機EL表示装置の回路は、特に図2に示すものに限定されるものではなく、従来公知の回路をそのまま応用することができる。
2.表示装置
本発明の電界効果型薄膜トランジスタは、液晶やEL素子を用いた画像表示装置、特に平面薄型表示装置(Flat Panel Display:FPD)に好ましく用いられる。より好ましくは、基板に有機プラスチックフィルムのような可撓性基板を用いたフレキシブル表示装置に用いられる。特に、本発明の電界効果型薄膜トランジスタは、移動度が高いことから有機EL素子を用いた表示装置、フレキシブル有機EL表示装置に最も好ましく用いられる。
(有機EL表示装置)
本発明に用いられる有機EL表示装置は、基板上に少なくとも下部電極、少なくとも発光層を含む有機層、及び上部電極を順次有する有機EL素子、および前記上部電極上に少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、酸化物半導体を含有する活性層、ソース電極、及びドレイン電極を有し前記有機EL素子を駆動するTFTを有する。TFTが有機EL素子の背面に配置されているので、有機EL素子の発光を取り出す開口部を大きく取ることができる。好ましくは、TFTと有機EL素子の間に保護絶縁膜を有し、前記有機EL素子の上部電極とTFTの前記ソース電極または前記ドレイン電極とが前記保護絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して電気的に接続されている。好ましくは、前記下部電極が光透過性電極であり、前記上部電極が光反射性電極である。
以下、本発明の有機EL素子について詳細に説明する。
本発明の発光素子は基板上に陰極と陽極を有し、両電極の間に有機発光層(以下、単に「発光層」と称する場合がある。)を含む有機化合物層を有する。発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明であることが好ましい。
本発明における有機化合物層の積層の形態としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。更に、正孔輸送層と陽極との間に正孔注入層、及び/又は発光層と電子輸送層との間に、電子輸送性中間層を有する。また、発光層と正孔輸送層との間に正孔輸送性中間層を、同様に陰極と電子輸送層との間に電子注入層を設けても良い。
尚、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
有機化合物層を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法、塗布法、インクジェット法、およびスプレー法等いずれによっても好適に形成することができる。
次に、有機EL素子を構成する要素について、詳細に説明する。
(基板)
本発明で使用する基板としては、有機化合物層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。その具体例としては、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、およびポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
例えば、基板としてガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
基板の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、基板の形状としては、板状であることが好ましい。基板の構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。
基板は、無色透明であっても、有色透明であってもよいが、有機発光層から発せられる光を散乱又は減衰等させることがない点で、無色透明であることが好ましい。
基板には、その表面又は裏面に透湿防止層(ガスバリア層)を設けることができる。
透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に用いられる。透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
熱可塑性基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
(陽極)
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が好適に挙げられる。陽極材料の具体例としては、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。この中で好ましいのは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からはITOが好ましい。
陽極は、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、陽極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って、前記基板上に形成することができる。例えば、陽極の材料として、ITOを選択する場合には、陽極の形成は、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って行うことができる。
本発明の有機電界発光素子において、陽極の形成位置としては特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができる。が、前記基板上に形成されるのが好ましい。この場合、陽極は、基板における一方の表面の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
なお、陽極を形成する際のパターニングとしては、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陽極の厚みとしては、陽極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常、10nm〜50μm程度であり、50nm〜20μmが好ましい。
陽極の抵抗値としては、10Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。陽極が透明である場合は、無色透明であっても、有色透明であってもよい。透明陽極側から発光を取り出すためには、その透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
なお、透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、ここに記載される事項を本発明に適用することができる。耐熱性の低いプラスティック基材を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
(陰極)
陰極は、通常、有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としてはアルカリ金属(たとえば、LI、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、およびイッテルビウム等の希土類金属などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、陰極を構成する材料としては、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01質量%〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されており、これらの広報に記載の材料は、本発明においても適用することができる。
陰極の形成方法については、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、前記した陰極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、陰極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。
陰極を形成するに際してのパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
本発明において、陰極形成位置は特に制限はなく、有機化合物層上の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1nm〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
陰極の厚みは、陰極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μm程度であり、50nm〜1μmが好ましい。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1nm〜10nmの厚さに薄く成膜し、更にITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
(有機化合物層)
本発明における有機化合物層について説明する。
本発明の有機EL素子は、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有しており、発光層以外の他の有機化合物層としては、前述したごとく、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
本発明の有機EL素子において、有機化合物層を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、湿式塗布方式、転写法、印刷法、インクジェット方式等いずれによっても好適に形成することができる。
(発光層)
有機発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
本発明における発光層は、発光材料のみで構成されていても良く、ホスト材料と発光性ドーパントの混合層とした構成でも良い。発光性ドーパントは蛍光発光材料でも燐光発光材料であっても良く、2種以上であっても良い。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であっても良く、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいても良い。
また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
本発明における発光性ドーパントとしては、燐光性発光材料、蛍光性発光材料等いずれもドーパントとして用いることができる。
本発明における発光層は、色純度を向上させるためや発光波長領域を広げるために2種類以上の発光性ドーパントを含有することができる。本発明における発光性ドーパントは、更に前記ホスト化合物との間で、1.2eV>△Ip>0.2eV、及び/又は1.2eV>△Ea>0.2eVの関係を満たすドーパントであることが駆動耐久性の観点で好ましい。
《燐光発光性ドーパント》
前記燐光性の発光性ドーパントとしては、一般に、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体を挙げることができる。
例えば、該遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、金、銀、銅、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金であり、更に好ましくはイリジウム、白金である。
ランタノイド原子としては、例えばランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、およびルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry, Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer−Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
具体的な配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、芳香族炭素環配位子(例えば、好ましくは炭素数5〜30、より好ましくは炭素数6〜30、さらに好ましくは炭素数6〜20であり、特に好ましくは炭素数6〜12であり、シクロペンタジエニルアニオン、ベンゼンアニオン、またはナフチルアニオンなど)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、好ましくは炭素数5〜30、より好ましくは炭素数6〜30、さらに好ましくは炭素数6〜20であり、特に好ましくは炭素数6〜12であり、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、またはフェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、さらに好ましくは炭素数2〜16であり、酢酸配位子など)、アルコラト配位子(例えば、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、さらに好ましくは炭素数6〜20であり、フェノラト配位子など)、シリルオキシ配位子(例えば、好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、さらに好ましくは炭素数3〜20であり、例えば、トリメチルシリルオキシ配位子、ジメチル−tert−ブチルシリルオキシ配位子、トリフェニルシリルオキシ配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子、リン配位子(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、さらに好ましくは炭素数3〜20、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルフォスフィン配位子など)、チオラト配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、さらに好ましくは炭素数6〜20、例えば、フェニルチオラト配位子など)、フォスフィンオキシド配位子(好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数8〜30、さらに好ましくは炭素数18〜30、例えば、トリフェニルフォスフィンオキシド配位子など)であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。
上記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
これらの中でも、発光性ドーパントの具体例としては、例えば、US6303238B1、US6097147、WO00/57676、WO00/70655、WO01/08230、WO01/39234A2、WO01/41512A1、WO02/02714A2、WO02/15645A1、WO02/44189A1、WO05/19373A2、特開2001−247859、特開2002−302671、特開2002−117978、特開2003−133074、特開2002−235076、特開2003−123982、特開2002−170684、EP1211257、特開2002−226495、特開2002−234894、特開2001−247859、特開2001−298470、特開2002−173674、特開2002−203678、特開2002−203679、特開2004−357791、特開2006−256999、特開2007−19462、特開2007−84635、特開2007−96259等の特許文献に記載の燐光発光化合物などが挙げられ、中でも、更に好ましい発光性ドーパントとしては、Ir錯体、Pt錯体、Cu錯体、Re錯体、W錯体、Rh錯体、Ru錯体、Pd錯体、Os錯体、Eu錯体、Tb錯体、Gd錯体、Dy錯体、およびCe錯体が挙げられる。
特に好ましくは、Ir錯体、Pt錯体、またはRe錯体であり、中でも金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも一つの配位様式を含むIr錯体、Pt錯体、またはRe錯体が好ましい。更に、発光効率、駆動耐久性、色度等の観点で、3座以上の多座配位子を含むIr錯体、Pt錯体、またはRe錯体が特に好ましい。
《蛍光発光性ドーパント》
前記蛍光性の発光性ドーパントとしては、一般には、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ピラン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、縮合多環芳香族化合物(アントラセン、フェナントロリン、ピレン、ペリレン、ルブレン、またはペンタセンなど)、8−キノリノールの金属錯体、ピロメテン錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、およびこれらの誘導体などを挙げることができる。
これらの中でも、発光性ドーパントの具体例としては例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
発光層中の発光性ドーパントは、発光層中に一般的に発光層を形成する全化合物質量に対して、0.1質量%〜50質量%含有されるが、耐久性、外部量子効率の観点から1質量%〜50質量%含有されることが好ましく、2質量%〜40質量%含有されることがより好ましい。
発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、2nm〜500nmであるのが好ましく、中でも、外部量子効率の観点で、3nm〜200nmであるのがより好ましく、5nm〜100nmであるのが更に好ましい。
<ホスト材料>
本発明に用いられるホスト材料としては、正孔輸送性に優れる正孔輸送性ホスト材料(正孔輸送性ホストと記載する場合がある)及び電子輸送性に優れる電子輸送性ホスト化合物(電子輸送性ホストと記載する場合がある)を用いることができる。
《正孔輸送性ホスト》
本発明に用いられる正孔輸送性ホストとしては、具体的には、例えば、以下の材料を挙げることができる。
ピロール、インドール、カルバゾール、アザインドール、アザカルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、及び、それらの誘導体等が挙げられる。
好ましくは、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、芳香族第三級アミン化合物、チオフェン誘導体であり、より好ましくは、分子内にカルバゾール基を有するものが好ましい。特に、t−ブチル置換カルバゾール基を有する化合物が好ましい。
《電子輸送性ホスト》
本発明に用いられる発光層内の電子輸送性ホストとしては、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、電子親和力Eaが2.5eV以上3.5eV以下であることが好ましく、2.6eV以上3.4eV以下であることがより好ましく、2.8eV以上3.3eV以下であることが更に好ましい。また、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、イオン化ポテンシャルIpが5.7eV以上7.5eV以下であることが好ましく、5.8eV以上7.0eV以下であることがより好ましく、5.9eV以上6.5eV以下であることが更に好ましい。
このような電子輸送性ホストとしては、具体的には、例えば、以下の材料を挙げることができる。
ピリジン、ピリミジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾ−ル、オキサゾ−ル、オキサジアゾ−ル、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、フッ素置換芳香族化合物、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、およびそれらの誘導体(他の環と縮合環を形成してもよい)、8−キノリノ−ル誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾ−ルやベンゾチアゾ−ルを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体等を挙げることができる。
電子輸送性ホストとして好ましくは、金属錯体、アゾール誘導体(ベンズイミダゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体等)、アジン誘導体(ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体等)であり、中でも、本発明においては耐久性の点から金属錯体化合物が好ましい。金属錯体化合物(A)は金属に配位する少なくとも1つの窒素原子または酸素原子または硫黄原子を有する配位子をもつ金属錯体がより好ましい。
金属錯体中の金属イオンは特に限定されないが、好ましくはベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、インジウムイオン、錫イオン、白金イオン、またはパラジウムイオンであり、より好ましくはベリリウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、白金イオン、またはパラジウムイオンであり、更に好ましくはアルミニウムイオン、亜鉛イオン、またはパラジウムイオンである。
前記金属錯体中に含まれる配位子としては種々の公知の配位子が有るが、例えば、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」、Springer−Verlag社、H.Yersin著、1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」、裳華房社、山本明夫著、1982年発行等に記載の配位子が挙げられる。
前記配位子として、好ましくは含窒素ヘテロ環配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数3〜15であり、単座配位子であっても2座以上の配位子であっても良い。好ましくは2座以上6座以下の配位子である。また、2座以上6座以下の配位子と単座の混合配位子も好ましい。
配位子としては、例えばアジン配位子(例えば、ピリジン配位子、ビピリジル配位子、ターピリジン配位子などが挙げられる。)、ヒドロキシフェニルアゾール配位子(例えば、ヒドロキシフェニルベンズイミダゾール配位子、ヒドロキシフェニルベンズオキサゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾピリジン配位子などが挙げられる。)、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシなどが挙げられる。)、
ヘテロアリールオキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、およびキノリルオキシなどが挙げられる。)、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロアリールチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、および2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、シロキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、およびトリイソプロピルシロキシ基などが挙げられる。)、芳香族炭化水素アニオン配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えばフェニルアニオン、ナフチルアニオン、およびアントラニルアニオンなどが挙げられる。)、芳香族ヘテロ環アニオン配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜25、特に好ましくは炭素数2〜20であり、例えばピロールアニオン、ピラゾールアニオン、ピラゾールアニオン、トリアゾールアニオン、オキサゾールアニオン、ベンゾオキサゾールアニオン、チアゾールアニオン、ベンゾチアゾールアニオン、チオフェンアニオン、およびベンゾチオフェンアニオンなどが挙げられる。)、インドレニンアニオン配位子などが挙げられ、好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ基、またはシロキシ配位子であり、更に好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、シロキシ配位子、芳香族炭化水素アニオン配位子、または芳香族ヘテロ環アニオン配位子である。
金属錯体電子輸送性ホストの例としては、例えば特開2002−235076、特開2004−214179、特開2004−221062、特開2004−221065、特開2004−221068、特開2004−327313等に記載の化合物が挙げられる。
本発明における発光層において、前記ホスト材料の三重項最低励起準位(T1)が、前記燐光発光材料のT1より高いことが色純度、発光効率、駆動耐久性の点で好ましい。
また、本発明におけるホスト化合物の含有量は、特に限定されるものではないが、発光効率、駆動電圧の観点から、発光層を形成する全化合物質量に対して15質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
(正孔注入層、正孔輸送層)
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。これらの層に用いる正孔注入材料、正孔輸送材料は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
具体的には、ピロール誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、チオフェン誘導体、有機シラン誘導体、カーボン、等を含有する層であることが好ましい。
本発明の有機EL素子の正孔注入層あるいは正孔輸送層には、電子受容性ドーパントを含有させることができる。正孔注入層、あるいは正孔輸送層に導入する電子受容性ドーパントとしては、電子受容性で有機化合物を酸化する性質を有すれば、無機化合物でも有機化合物でも使用できる。
具体的には、無機化合物は塩化第二鉄や塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、五塩化アンチモンなどのハロゲン化金属、五酸化バナジウム、および三酸化モリブデンなどの金属酸化物などが挙げられる。
有機化合物の場合は、置換基としてニトロ基、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基などを有する化合物、キノン系化合物、酸無水物系化合物、フラーレンなどを好適に用いることができる。この他にも、特開平6−212153、特開平11−111463、特開平11−251067、特開2000−196140、特開2000−286054、特開2000−315580、特開2001−102175、特開2001−160493、特開2002−252085、特開2002−56985、特開2003−157981、特開2003−217862、特開2003−229278、特開2004−342614、特開2005−72012、特開2005−166637、特開2005−209643等に記載の化合物を好適に用いることが出来る。
このうちヘキサシアノブタジエン、ヘキサシアノベンゼン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、p−フルオラニル、p−クロラニル、p−ブロマニル、p−ベンゾキノン、2,6−ジクロロベンゾキノン、2,5−ジクロロベンゾキノン、1,2,4,5−テトラシアノベンゼン、1,4−ジシアノテトラフルオロベンゼン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、p−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、o−ジニトロベンゼン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロナフトキノン、1,3−ジニトロナフタレン、1,5−ジニトロナフタレン、9,10−アントラキノン、1,3,6,8−テトラニトロカルバゾール、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,3,5,6−テトラシアノピリジン、またはフラーレンC60が好ましく、ヘキサシアノブタジエン、ヘキサシアノベンゼン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、p−フルオラニル、p−クロラニル、p−ブロマニル、2,6−ジクロロベンゾキノン、2,5−ジクロロベンゾキノン、2,3−ジクロロナフトキノン、1,2,4,5−テトラシアノベンゼン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、または2,3,5,6−テトラシアノピリジンがより好ましく、テトラフルオロテトラシアノキノジメタンが特に好ましい。
これらの電子受容性ドーパントは、単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。電子受容性ドーパントの使用量は、材料の種類によって異なるが、正孔輸送層材料に対して0.01質量%〜50質量%であることが好ましく、0.05質量%〜20質量%であることが更に好ましく、0.1質量%〜10質量%であることが特に好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、正孔注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.5nm〜100nmであるのがより好ましく、1nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
(電子注入層、電子輸送層)
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。これらの層に用いる電子注入材料、電子輸送材料は低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
具体的には、ピリジン誘導体、キノリン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、フタラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、トリアジン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、シロールに代表される有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
本発明の有機EL素子の電子注入層あるいは電子輸送層には、電子供与性ドーパントを含有させることができる。電子注入層、あるいは電子輸送層に導入される電子供与性ドーパントとしては、電子供与性で有機化合物を還元する性質を有していればよく、Liなどのアルカリ金属、Mgなどのアルカリ土類金属、希土類金属を含む遷移金属や還元性有機化合物などが好適に用いられる。金属としては、特に仕事関数が4.2eV以下の金属が好適に使用でき、具体的には、Li、Na、K、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Cs、La、Sm、Gd、およびYbなどが挙げられる。また、還元性有機化合物としては、例えば、含窒素化合物、含硫黄化合物、含リン化合物などが挙げられる。
この他にも、特開平6−212153、特開2000−196140、特開2003−68468、特開2003−229278、特開2004−342614等に記載の材料を用いることが出来る。
これらの電子供与性ドーパントは、単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。電子供与性ドーパントの使用量は、材料の種類によって異なるが、電子輸送層材料に対して0.1質量%〜99質量%であることが好ましく、1.0質量%〜80質量%であることが更に好ましく、2.0質量%〜70質量%であることが特に好ましい。
電子注入層、電子輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
(正孔ブロック層)
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
(電子ブロック層)
電子ブロック層は、陰極側から発光層に輸送された電子が、陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陽極側で隣接する有機化合物層として、電子ブロック層を設けることができる。電子ブロック層を構成する化合物の例としては、例えば前述の正孔輸送材料として挙げたものが適用できる。
電子ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
電子ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
(保護層)
本発明において、有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、MgO、SiO、SiO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO等の金属酸化物、SiN、SiN等の金属窒化物、MgF、LiF、AlF、CaF等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
(封止)
さらに、本発明の有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、および酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、およびシリコーンオイル類が挙げられる。
また、下記に示す、樹脂封止層にて封止する方法も好適に用いられる。
(樹脂封止層)
本発明の機能素子は樹脂封止層により大気との接触により、酸素や水分による素子性能の劣化を抑制することが好ましい。
<素材>
樹脂封止層の樹脂素材としては、特に限定されることはなく、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ゴム系樹脂、またはエステル系樹脂等を用いることができるが、中でも水分防止機能の点からエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂の中でも熱硬化型エポキシ樹脂、または光硬化型エポキシ樹脂が好ましい。
<作製方法>
樹脂封止層の作製方法は特に限定されることはなく、例えば、樹脂溶液を塗布する方法、樹脂シートを圧着または熱圧着する方法、蒸着やスパッタリング等により乾式重合する方法が挙げられる。
<膜厚み>
樹脂封止層の厚みは1μm以上、1mm以下が好ましい。更に好ましくは5μm以上、100μm以下であり、最も好ましくは10μm以上50μm以下である。これよりも薄いと、第2の基板を装着時に上記無機膜を損傷する恐れがある。またこれよりも厚いと電界発光素子自体の厚みが厚くなり、有機電界発光素子の特徴である薄膜性を損なうことになる。
(封止接着剤)
本発明に用いられる封止接着剤は、端部よりの水分や酸素の侵入を防止する機能を有する。
<素材>
前記封止接着剤の材料としては、前記樹脂封止層で用いる材料と同じものを用いることができる。中でも、水分防止の点からエポキシ系の接着剤が好ましく、中でも光硬化型接着剤あるいは熱硬化型接着剤が好ましい。
また、上記材料にフィラーを添加することも好ましい。
封止剤に添加されているフィラーとしては、SiO、SiO(酸化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)またはSiN(窒化ケイ素)等の無機材料が好ましい。フィラーの添加により、封止剤の粘度が上昇し、加工適正が向上し、および耐湿性が向上する。
<乾燥剤>
封止接着剤は乾燥剤を含有しても良い。乾燥剤としては、酸化バリウム、酸化カルシウム、または酸化ストロンチウムが好ましい。
封止接着剤に対する乾燥剤の添加量は、0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.05質量%以上15質量%以下である。これよりも少ないと、乾燥剤の添加効果が薄れることになる。またこれよりも多い場合には封止接着剤中に乾燥剤を均一分散させることが困難になり好ましくない。
<封止接着剤の処方>
・ポリマー組成、濃度、
封止接着剤としては特に限定されることはなく、前記のものを用いることができる。例えば光硬化型エポキシ系接着剤としては長瀬ケムテック(株)製のXNR5516を挙げることができる。そこに直接前記乾燥剤を添加し、分散せしめれば良い。
・厚み
封止接着剤の塗布厚みは1μm以上1mm以下であることが好ましい。これよりも薄いと封止接着剤を均一に塗れなくなり好ましくない。またこれよりも厚いと、水分が侵入する道筋が広くなり好ましくない。
<封止方法>
本発明においては、上記乾燥剤の入った封止接着剤をディスペンサー等により任意量塗布し、塗布後第2基板を重ねて、硬化させることにより機能素子を得ることができる。
(駆動)
本発明における有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明における有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
本発明における有機EL発光素子は、種々の公知の工夫により、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、基板表面形状を加工する(例えば微細な凹凸パターンを形成する)、基板・ITO層・有機層の屈折率を制御する、基板・ITO層・有機層の膜厚を制御すること等により、光の取り出し効率を向上させ、外部量子効率を向上させることが可能である。
本発明における発光素子は、陽極側から発光を取り出す、いわゆる、トップエミッション方式であっても良い。
本発明における有機EL素子は、発光効率を向上させるため、複数の発光層の間に電荷発生層が設けた構成をとることができる。
前記電荷発生層は、電界印加時に電荷(正孔及び電子)を発生する機能を有すると共に、発生した電荷を電荷発生層と隣接する層に注入させる機能を有する層である。
前記電荷発生層を形成する材料は、上記の機能を有する材料であれば何でもよく、単一化合物で形成されていても、複数の化合物で形成されていてもよい。
具体的には、導電性を有するものであっても、ドープされた有機層のように半導電性を有するものであっても、また、電気絶縁性を有するものであってもよく、特開平11−329748や、特開2003−272860や、特開2004−39617に記載の材料が挙げられる。
更に具体的には、ITO、IZO(インジウム亜鉛酸化物)などの透明導電材料、C60等のフラーレン類、オリゴチオフェン等の導電性有機物、金属フタロシアニン類、無金属フタロシアニン類、金属ポルフィリン類、無金属ポルフィリン類等などの導電性有機物、Ca、Ag、Al、Mg:Ag合金、Al:Li合金、Mg:Li合金などの金属材料、正孔伝導性材料、電子伝導性材料、及びそれらを混合させたものを用いてもよい。
前記正孔伝導性材料は、例えば2−TNATA、NPDなどの正孔輸送有機材料にF4−TCNQ、TCNQ、FeClなどの電子求引性を有する酸化剤をドープさせたものや、P型導電性高分子、P型半導体などが挙げられ、前記電子伝導性材料は電子輸送有機材料に4.0eV未満の仕事関数を有する金属もしくは金属化合物をドープしたものや、N型導電性高分子、N型半導体が挙げられる。N型半導体としては、N型Si、N型CdS、N型ZnSなどが挙げられ、P型半導体としては、P型Si、P型CdTe、P型CuOなどが挙げられる。
また、前記電荷発生層として、Vなどの電気絶縁性材料を用いることもできる。
前記電荷発生層は、単層でも複数積層させたものでもよい。複数積層させた構造としては、透明伝導材料や金属材料などの導電性を有する材料と正孔伝導性材料、または、電子伝導性材料を積層させた構造、上記の正孔伝導性材料と電子伝導性材料を積層させた構造の層などが挙げられる。
前記電荷発生層は、一般に、可視光の透過率が50%以上になるよう、膜厚・材料を選択することが好ましい。また膜厚は、特に限定されるものではないが、0.5〜200nmが好ましく、1〜100nmがより好ましく、3〜50nmがさらに好ましく、5〜30nmが特に好ましい。
電荷発生層の形成方法は、特に限定されるものではなく、前述した有機化合物層の形成方法を用いることができる。
電荷発生層は前記二層以上の発光層間に形成するが、電荷発生層の陽極側および陰極側には、隣接する層に電荷を注入する機能を有する材料を含んでいても良い。陽極側に隣接する層への電子の注入性を上げるため、例えば、BaO、SrO、LiO、LiCl、LiF、MgF、MgO、CaFなどの電子注入性化合物を電荷発生層の陽極側に積層させてもよい。
以上で挙げられた内容以外にも、特開2003−45676号公報、米国特許第6337492号、同第6107734号、同第6872472号等に記載を元にして、電荷発生層の材料を選択することができる。
本発明における有機EL素子は、共振器構造を有しても良い。例えば、透明基板上に、屈折率の異なる複数の積層膜よりなる多層膜ミラー、透明または半透明電極、発光層、および金属電極を重ね合わせて有する。発光層で生じた光は多層膜ミラーと金属電極を反射板としてその間で反射を繰り返し共振する。
別の好ましい態様では、透明基板上に、透明または半透明電極と金属電極がそれぞれ反射板として機能して、発光層で生じた光はその間で反射を繰り返し共振する。
共振構造を形成するためには、2つの反射板の有効屈折率、反射板間の各層の屈折率と厚みから決定される光路長を所望の共振波長の得るのに最適な値となるよう調整される。
第一の態様の場合の計算式は特開平9−180883号明細書に記載されている。第2の態様の場合の計算式は特開2004−127795号明細書に記載されている。
有機ELディスプレイをフルカラータイプのものとする方法としては、例えば「月刊ディスプレイ」、2000年9月号、33〜37ページに記載されているように、色の3原色(青色(B)、緑色(G)、赤色(R))に対応する光をそれぞれ発光する有機EL素子を基板上に配置する3色発光法、白色発光用の有機EL素子による白色発光をカラーフィルターを通して3原色に分ける白色法、青色発光用の有機EL素子による青色発光を蛍光色素層を通して赤色(R)及び緑色(G)に変換する色変換法、などが知られている。
また、上記方法により得られる異なる発光色の有機EL素子を複数組み合わせて用いることにより、所望の発光色の平面型光源を得ることができる。例えば、青色および黄色の発光素子を組み合わせた白色発光光源、青色、緑色、赤色の発光素子を組み合わせた白色発光光源、等である。
4.保護絶縁膜
本発明の有機EL表示装置において、有機EL素子上全体は、保護絶縁膜によって保護されている。保護絶縁膜は、有機EL素子上にTFTを作製する際に、有機EL素子へ与えるダメージを低減する機能と、有機EL素子とTFTとを電気的に絶縁する機能を有する。また、保護絶縁膜は、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであることが更に好ましい。
その具体例としては、MgO、SiO、SiO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO等の金属酸化物、SiN、SiN等の金属窒化物、MgF、LiF、AlF、CaF等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護絶縁膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
尚、有機EL素子の上部電極と駆動TFTのソースまたはドレイン電極とは、電気的に接続する必要がある為に、保護絶縁膜にはコンタクトホールを作製する必要がある。コンタクトホールを作製する方法としては、エッチング液によるウエットエッチング法、プラズマを用いたドライエッチング法、レーザーによるエッチング法等がある。
5.有機EL表示装置の画素回路構成
図3は、本発明に用いられるTFT素子を用いたアクティブマトリクス型有機EL表示装置の画素回路の模式図である。本発明における表示装置の回路は、特に図3に示すものに限定されるものではなく、従来公知の回路をそのまま応用することができる。
(応用)
本発明のTFTは、液晶やEL素子を用いた画像表示装置、特にFPDのスイッチング素子、駆動素子として用いることができる。特に、フレキシブルFPD装置のスイッチング素子、駆動素子として用いるのが適している。さらに本発明の電界効果型薄膜トランジスタを用いた表示装置は、携帯電話ディスプレイ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピュータディスプレイ、自動車の情報ディスプレイ、TVモニター、あるいは一般照明を含む広い分野で幅広い分野で応用される。
また、本発明のTFTは、表示装置以外にも、有機プラスチックフィルムのような可撓性基板上に本発明の電界効果型薄膜トランジスタを形成し、ICカードやIDタグなどに幅広く応用が可能である。
以下に、本発明の薄膜電界効果型トランジスタについて、実施例により説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
1.活性層の作製
(キャリア濃度の異なるIGZO半導体の作製)
<条件1>
InGaZnOの組成を有する多結晶焼結体をターゲットとして、RFマグネトロンスパッタ真空蒸着法により、Ar流量12sccm、O流量0.4sccm、RFパワー200W、全圧0.4Paの条件で行った。
<条件2>
条件1と同様に、但しO流量1.3sccmに変更して行った。
<条件3>
条件1と同様に、但しO流量1.5sccmに変更して行った。
上記条件1〜3と同一条件で無アルカリガラス基板(コーニング社、品番NO.1737)に直接これらの層を100nmの厚みに設けた物性測定用サンプルを作製した。これらの物性測定用サンプルを周知のX線回折法により分析した結果、これらの膜はアモルファス膜であることが確認できた。また、これらの物性測定用サンプルのキャリア濃度を下記ホール測定法によるキャリア濃度を測定した。
−ホール効果測定法によるキャリア濃度測定−
物性測定用サンプルのキャリア濃度の測定には、ResiTest8300型(東陽テクニカ社製)を用いてホール効果測定を行うことにより求めた。ホール効果測定は20℃の環境下で行った。尚、ホール効果測定を行うことにより、キャリア濃度だけではなく、キャリアのホール移動度も求めることができる。物性測定用サンプルの膜厚測定には、触針式表面形状測定機DekTak−6M(ULBAC社製)を用いた。
2.抵抗層の作製
<条件4>
InGaZnOの組成を有する多結晶焼結体をターゲットとして、RFマグネトロンスパッタ真空蒸着法により、Ar流量12sccm、O流量1.5sccm、RFパワー200W、全圧0.4Paの条件で行った。
上記条件4と同一条件で無アルカリガラス基板(コーニング社、品番NO.1737)に直接100nmの厚みに設けた物性測定用サンプルを作製した。これらの物性測定用サンプルを周知のX線回折法により分析した結果、これらの膜はアモルファス膜であることが確認できた。また、これらの物性測定用サンプルのキャリア濃度を前記ホール測定法によるキャリア濃度を測定した。また、電気抵抗率を下記により測定した。
−電気抵抗率の測定方法−
物性測定用サンプルの電気伝導度は、サンプルの測定されたシート抵抗と膜厚から計算し求めた。ここで、シート抵抗をρ(Ω/□)、膜厚をd(cm)とすると、電気伝導度σ(Scm−1)は、σ=1/(ρ*d)として算出される。
本実施例において、物性測定用サンプルのシート抵抗10Ω/□未満の領域ではロレスタ−GP(三菱化学社製)、シート抵抗10Ω/□以上の領域ではハイテスタ−UP(三菱化学社製)を用いて20℃の環境下で行った。物性測定用サンプルの膜厚測定には触針式表面形状測定器DekTak−6M(ULVAC社製)を用いた。
得られた結果を表1に示した。
3.TFT素子の作製
上記のアモルファス半導体材料およびアモルファス酸化物を用いて、本発明および比較のTFT素子を作製した。
基板として、無アルカリガラス基板(コーニング社、品番No.1737)を用いた。
<ゲート電極>
ZnO含有率が10質量%である酸化インジウム亜鉛(IZO、出光興産(株)製)タ−ゲットを用いて、RFマグネトロンスパッタ(条件:成膜温度43℃、スパッタガスAr=96sccm、RFパワー200W、成膜圧力0.4Pa)により、ゲート電極としてのIZO薄膜(厚み200nm)を形成した。ゲート電極IZOのパターニングには、スパッタ時にシャドウマスクを用いることにより行った。
<ゲート絶縁膜>
次にゲート電極上に、下記のゲート絶縁膜の形成を行った。
ゲート絶縁膜:SiOをRFマグネトロンスパッタ真空蒸着法(条件:ターゲットSiO、成膜温度54℃、スパッタガスAr/O=12/2sccm、RFパワー400W、成膜圧力0.4Pa)にて200nm形成し、ゲート絶縁膜を設けた。ゲート絶縁膜SiOのパターニングには、スパッタ時にシャドウマスクを用いることにより行った。
<活性層>
この上に、上記の活性層作製条件のいずれかを用いて活性層を設けた。スパッタリング時間を調整して蒸着厚みを調整した。用いた条件及び蒸着厚みを表2に示した。活性層のパターニングは、スパッタ時にシャドウマスクを用いることにより行った。
<抵抗層>
この上に、前記抵抗層作製条件のいずれかを用いて抵抗層を設けた。スパッタリング時間を調整して蒸着厚みを調整した。用いた条件及び蒸着厚みを表2に示した。
次いで、上記抵抗層の上にソース電極及びドレイン電極としてアルミニウム(Al)を360nmの厚みに抵抗加熱蒸着(成膜温度:25℃)にて、蒸着した。尚、ソース電極およびドレイン電極のパターニングには、スパッタ時にシャドウマスクを用いることにより行った。以上により、チャネル長L=200μm、チャネル幅W=1000μmの本発明のTFT素子および比較のTFT素子を作製した。
4.性能評価
得られた各TFT素子について、飽和領域ドレイン電圧Vd=10V(ゲート電圧−10V≦Vg≦15V)でのTFT伝達特性の測定を行い、TFTの性能を評価した。TFT伝達特性の測定は、半導体パラメータ・アナライザー4156C(アジレントテクノロジー社製)を用いて行った。各パラメータと本発明に於けるその定義は下記の通りである。
・TFTの閾値電圧(Vth):電流値が50nAとなるときのゲート電圧である。
・OFF電流(Ioff):閾値電圧より5V低いゲート電圧におけるドレイン電流値である。単位は[A]である。
・ON電流(Ion):閾値電圧より5V高いゲート電圧におけるドレイン電流である。
・キャリア移動度:電界効果移動度を測定した。
飽和領域における電界効果移動度μは、TFT伝達特性から次式で求められる。
μ=(2L/W*Cox)*(∂Id1/2/∂Vg)
ここで、Lはチャネル長、Wはチャネル幅、Coxはゲート絶縁膜の静電容量、Idはドレイン電流、Vgはゲート電圧を示す。
以上の測定結果から得られたTFT特性を表2に示した。表2の結果より、本発明による本発明1〜本発明2のTFT素子は、予想外に極めてオン電流が高く、且つオフ電流値が低く、有機EL表示装置の駆動に適した優れた性能を示した。
特に好ましくは、活性層に条件2のInGaZnOを膜厚50nmに設け、抵抗層に条件4のInGaZnOを膜厚10nmに設置した本発明2のTFT素子が最も優れた性能を示した。
一方、比較例のTFT素子では、活性層に条件1のInGaZnOを膜厚50nmに設置した比較例1はIonは高いものの、Ioffが高い欠点を有した。活性層に条件2のInGaZnOを膜厚50nmに設置し、抵抗層に条件4のInGaZnOを膜厚70nmに設置した比較例3はIoffは低いものの、Ionも低い欠点を有した。
実施例2
実施例1における無アルカリガラス基板の代わりに、ポリエチレンナフタレートフィルム(厚み100μm)の両面に下記バリア機能を持つ絶縁層を有するバリア付きフイルムを用いて、その他は実施例1と同様にしてTFT素子を作製した。
絶縁層:SiONを500nmの厚みに蒸着した。SiONの蒸着にはRFマグネトロンスパッタリング蒸着法(スパッタリング条件:ターゲットSi、RFパワー400W、ガス流量Ar/O=12/3sccm、成膜圧力0.45Pa)を用いた。
得られた素子について実施例1と同様に性能を評価した結果、実施例1と同様に予想外に極めてオン電流が高く、且つオフ電流値が低く、有機EL表示装置の駆動に適した優れた性能を示した。
実施例3
1.有機EL表示装置の作製
(有機EL素子部の作製)
1)下部電極の形成
基板にはポリエチレンナフタレートフィルムの両面に下記バリア機能を持つ絶縁層を有するバリア付きフイルムを用いた。前記基板の上に酸化インジウム錫(以後、ITOと略記)を150nmの厚さで蒸着し、陽極とした。
2)有機層の形成
洗浄後、順次、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、および電子注入層を設けた。
各層の構成は、下記の通りである。各層はいずれも抵抗加熱真空蒸着により設けた。
正孔注入層:4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATAと略記する)および2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQと略記する)を2−TNATAに対して1質量%含有する層、厚み160nm。
正孔輸送層:N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(α−NPDと略記する)、厚み10nm。
発光層:1,3−bis(carbazol−9−yl)benzene(mCPと略記する)および白金錯体Pt−1をmCPに対して13質量%含有する層、厚み60nm。
正孔ブロック層:bis−(2−methyl−8−quinonylphenolate)aluminium(BAlqと略記する)、厚み40nm。
電子輸送層:トリス(8−ヒドロキシキノニナート)アルミニウム(Alq3と略記する)、厚み10nm。
電子注入層:LiF、厚み1nm。
3)上部電極
素子サイズが2mm×2mmとなるようにシャドウマスクによりパターニングしてAlを厚み100nmに蒸着し、陰極とした。
(保護絶縁膜)
上部電極上に、保護絶縁膜として500nmのSiON膜をイオンプレーティング法により成膜した。成膜後、レーザーによりコンタクトホールを形成した。
以下に実施例に用いた化合物の構造を示す。
(駆動試験)
得られた有機EL素子と実施例1で作製したTFTとを組みあわせて等価回路を構成し、種々の条件下で駆動試験を行った。
その結果、本発明のTFTを用いると高温度での駆動、および連続して長時間駆動させても安定した発光が得られた。
本発明のTFT素子構造を示す模式図である。 本発明のTFT素子を用いたアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置の等価回路の模式図である。
符号の説明
1:基板
2:ゲート電極
3:ゲート絶縁膜
4:活性層
5−1:ソース電極
5−2:ドレイン電極
6:絶縁層
7:抵抗層
200:スイッチングTFT
300:有機EL素子
400:信号電極線
500:走査電極線
600:コンデンサ
700:駆動TFT
800:共通電線

Claims (11)

  1. 基板上に、少なくとも、ゲート電極、ゲート絶縁膜、アモルファス酸化物半導体を含有する活性層、ソース電極及びドレイン電極を有する薄膜電界効果型トランジスタであって、前記活性層のキャリア濃度が3×1015/cm以上3×1018/cm以下であり、前記活性層と前記ソース電極又はドレイン電極との間に抵抗層を有し、該抵抗層の電気抵抗率が10Ω・cm以上1013Ω・cm以下で厚みが20nm未満であることを特徴とする薄膜電界効果型トランジスタ。
  2. 前記ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方がIZOであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
  3. 前記抵抗層がアモルファス酸化物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
  4. 前記活性層のアモルファス酸化物半導体がInを含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
  5. 前記活性層のアモルファス酸化物半導体がInとGa又はInとZnを含有することを特徴とする請求項4に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
  6. 前記活性層のアモルファス酸化物半導体がIn、Ga及びZnを含有することを特徴とする請求項4に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
  7. 前記抵抗層のアモルファス酸化物がInを含有することを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
  8. 前記抵抗層のアモルファス酸化物がInとGa又はInとZnを含有することを特徴とする請求項7に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
  9. 前記抵抗層のアモルファス酸化物がIn、Ga及びZnを含有することを特徴とする請求項7に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
  10. 前記基板がフレキシブル基板であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
  11. 1対の電極と、該電極間に介在する発光層とを有する発光素子と、該発光素子を駆動するための電界効果型トランジスタを備えた表示装置であって、該電界効果型トランジスタが請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の薄膜電界効果型トランジスタであることを特徴を有する表示装置。
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