JP2009188123A - モータ制御装置およびこれを備える車両用操舵装置 - Google Patents

モータ制御装置およびこれを備える車両用操舵装置 Download PDF

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真介 寺田
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Abstract

【課題】電動モータの熱を十分に放出できるモータ制御装置を提供すること。
【解決手段】モータ制御装置36は、電動モータ18およびモータ駆動回路を互いに接続するための配線65と、モータ駆動回路を収容する制御ハウジング30と、制御ハウジング30に沿わされた絶縁シート66とを備えている。配線65の熱が、絶縁シート66を介して制御ハウジング30の底壁33に伝わるように、上記配線65の少なくとも一部が、絶縁シート66に沿わされている。
【選択図】図6

Description

本発明は、モータ制御装置およびこれを備える車両用操舵装置に関する。
電動モータは、例えば制御装置によって駆動制御される(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−120739号公報
電動モータは、駆動時に発熱するため、この熱を十分に放出できるようにすることが要請されている。本発明は、この課題を解決することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、電動モータ(18)および制御回路(43)を互いに接続するための配線(65)と、上記制御回路を収容するハウジング(30)と、上記ハウジングに沿わされた絶縁部材(66;66A)とを備え、上記配線の熱が上記絶縁部材を介してハウジングに伝わるように、上記配線の少なくとも一部が上記絶縁部材に沿わされていることを特徴とするモータ制御装置(36)を提供するものである(請求項1)。
本発明によれば、モータ等から伝わってきた配線の熱を、絶縁部材を介して、ヒートシンクとしてのハウジングに逃がすことができる。絶縁部材を放熱用の部材として用いることにより、電動モータ等で生じた熱を、十分に放出できる。
また、本発明において、上記絶縁部材および配線は、互いに面接触する接触部(66U,66V,66W,74,75)を有する場合がある(請求項2)。この場合、配線と絶縁部材との接触面積を十分に確保することにより、配線から絶縁部材に伝えることのできる単位時間当たりの熱量をより大きくでき、その結果、配線の熱をより多く絶縁部材に伝えることができる。
また、本発明において、上記配線の上記接続部の断面は、矩形状をなす場合がある(請求項3)。この場合、配線と絶縁部材との十分な接触面積を確保しつつ、配線を薄肉にして小型にできる。また、接触部の断面形状を矩形状にするという簡易な構成で十分な接触面積を確保できるので、低コストで済む。
また、本発明において、上記配線は、電動モータに接続される第1の配線(71)と、制御回路に接続される第2の配線(72)とを含み、第1および第2の配線は、互いに導通可能に面接触する重合領域(76)を有する場合がある(請求項4)。
この場合、第1および第2の配線を別体に形成することができるので、配線形状の自由度を高くでき、レイアウトの自由度を高くできる。また、第1および第2の配線を面接触させることにより、両者の接触面積を十分に確保でき、両者間の電気抵抗を少なくできるので、配線での発熱をより少なくできる。
また、本発明において、上記ハウジングは、上記電動モータのモータハウジング(25)と熱伝導可能に結合されている場合がある(請求項5)。この場合、ハウジングに伝わった熱を、さらにモータハウジングに伝えることができ、ヒートシンクとしての各ハウジングの熱容量の総和を極めて大きくできる。
また、本発明において、上記ハウジングは、上記電動モータの出力回転が伝達されるギヤ(20)を収容するギヤハウジング(22)と熱伝導可能に結合されている場合がある(請求項6)。この場合、ハウジングに伝わった熱を、さらにギヤハウジングに伝えることができ、ヒートシンクとしての各ハウジングの熱容量の総和をより一層大きくできる。
また、本発明において、上記のモータ制御装置と、上記モータ制御装置によって制御される電動モータと、上記電動モータの動力が伝達される転舵機構(4)とを備える場合がある(請求項7)。この場合、放熱性に優れることから電動モータの効率を高く維持できる車両用操舵装置を実現できる。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施の形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
以下には、図面を参照して、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るモータ制御装置を備える車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2と、操舵部材2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助する操舵補助機構5とを備えている。転舵機構4としては、例えばラックアンドピニオン機構が用いられている。
操舵部材2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7等を介して機械的に連結されている。操舵部材2の回転は、ステアリングシャフト6および中間軸7等を介して転舵機構4に伝達されるようになっている。また、転舵機構4に伝達された回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換されるようになっている。これにより、転舵輪3が転舵される。
ステアリングシャフト6は、直線状に延びており、操舵部材2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。すなわち、操舵部材2に一定値以上の操舵トルクが入力されると、入力軸8および出力軸9は、互いに相対回転しつつ同一方向に回転するようになっている。
ステアリングシャフト6の周囲に配置されたトルクセンサ11は、入力軸8および出力軸9の相対回転変位量に基づいて、操舵部材2に入力された操舵トルクを検出する。また、トルクセンサ11のトルク検出結果は、モータ制御装置36のECU12(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)に入力される。中間軸7は、ステアリングシャフト6と転舵機構4とを連結している。
転舵機構4は、ピニオン軸13と、ラック軸14とを含む。ラック軸14の各端部には、タイロッド15およびナックルアーム(図示せず)を介して転舵輪3が連結されている。ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、操舵部材2の操舵に連動して回転する。また、ピニオン軸13の先端(図1では下端)には、ピニオン16が連結されている。
ラック軸14は、自動車の左右方向に沿って直線状に延びている。ラック軸14の軸方向の途中部には、上記ピニオン16に噛み合うラック17が形成されている。このピニオン16およびラック17によって、ピニオン軸13の回転がラック軸14の軸方向移動に変換される。ラック軸14を軸方向に移動させることで、転舵輪3を転舵することができる。
操舵補助機構5は、電動モータ18と、電動モータ18の出力を転舵機構4に伝動するための伝動装置としての減速機構19とを含む。電動モータ18としては、例えば、三相のブラシレスモータが用いられている。減速機構19は、駆動ギヤとしてのウォーム軸20と、このウォーム軸20と噛み合う従動ギヤとしてのウォームホイール21とを含む。
ウォーム軸20は、図示しない動力伝達継手を介して電動モータ18の出力軸(図示せず)に連結されている。ウォームホイール21は、ステアリングシャフト6に同行回転可能に連結されている。
電動モータ18がウォーム軸20を回転駆動すると、ウォーム軸20によってウォームホイール21が回転駆動され、ウォームホイール21および出力軸9が同行回転する。これにより、操舵補助力としての電動モータ18の出力が、出力軸9や転舵機構4に伝達され、運転者の操舵が補助される。
ECU12は、トルクセンサ11からのトルク検出結果や図示しない車速センサからの車速検出結果等に基づいて電動モータ18を制御する。
図2は、操舵補助機構5の図解的な外観図である。図1および図2を参照して、減速機構19は、伝動ハウジングとしてのギヤハウジング22内に収容されている。
ギヤハウジング22は、例えば、アルミニウム合金を用いて形成されており、電動モータ18の出力回転が伝達されるギヤとしてのウォーム軸20が収容された駆動ギヤ収容部23と、ウォームホイール21が収容された従動ギヤ収容部24とを含む。ステアリングシャフト6は、従動ギヤ収容部24の挿通孔を挿通している。
一方、電動モータ18は、カップ状のモータハウジング25を有している。モータハウジング25は、例えば、鉄を用いて形成されており、円筒状の周壁部26と、周壁部26の一端を閉塞する端壁27と、周壁部26の他端からその径方向外方に向かって張り出した円弧状のフランジ部28とを含む。フランジ部28は、電動モータ18の周方向C1に関して、例えば等間隔に2箇所設けられている。
モータハウジング25は、制御ハウジング30を介して、ギヤハウジング22に取り付けられている。すなわち、ギヤハウジング22とモータハウジング25との間には、制御ハウジング30が介在している。制御ハウジング30は、電動モータ18に対して電動モータ18の軸方向X1に隣接している。
なお、以下では、電動モータ18の軸方向X1を単に「軸方向X1」といい、電動モータ18の周方向C1を単に「周方向C1」という。
図3は、制御ハウジング30の図解的な斜視図である。図3を参照して、制御ハウジング30は、例えば、アルミニウム合金を用いて形成されており、一端が開放した概ね四角箱型の部材である。制御ハウジング30は、本体部31と筒状部32とを含む。本体部31および筒状部32は、単一の部材で一体に形成されている。
本体部31は、底壁33と、底壁33の外周縁部に設けられた概ね四角筒状の外周壁34と、外周壁34の一端(図3では上端)から本体部31の外側に向かって張り出した環状のフランジ35とを含む。筒状部32は、底壁33の中心部から延設され、本体部31の開放側に向かって延びている。筒状部32は、外周壁34に取り囲まれている。外周壁34と筒状部32との間には、上述のECU12が収容される収容室S1が区画されている。
外周壁34には、後述の電力供給線44a,44b(図示せず)が挿通する挿通孔29が形成されている。また、底壁33には、底壁33をその厚み方向に貫通する貫通孔37が形成されている。
フランジ35は、外周壁34の一端に沿う環状部38と、環状部38の一部から本体部31の外側に向かって突出する複数(例えば、一対)の取付部39とを含む。各取付部39には、当該取付部39をその厚み方向に貫通する位置決め孔40が形成されている。図2に示すように、制御ハウジング30は、位置決め孔40を挿通する固定ボルト41によって、ギヤハウジング22に固定されている。また、フランジ35は、ギヤハウジング22の、当該フランジ35に対向する矩形状のフランジ部92に接触している。これにより、制御ハウジング30は、ギヤハウジング22と熱伝導可能に結合されている。
図4は、電動モータ18およびモータ制御装置36の要部の一部を断面で表した斜視図である。
図2および図4を参照して、制御ハウジング30の底壁33には、本体部31とは反対に向けて延びる環状の突合せ部50が設けられている。この突合せ部50には、モータハウジング25の上記フランジ部28に対応する位置にそれぞれ円弧状のフランジ部49が設けられている。これらのフランジ部28,49は、固定ねじ48を用いて互いに固定されている。突合せ部50の先端面は、周壁部26の先端面に面接触している。これにより、制御ハウジング30の突合せ部50は、モータハウジング25の周壁部26の他端に、熱伝導可能に結合されている。
図4を参照して、電動モータ18は、出力軸51と、ロータ52と、ステータ53と、バスバー54とを含んでいる。
出力軸51は、モータハウジング25から制御ハウジング30の筒状部32を挿通してギヤハウジング22(図2参照)側に延びており、ウォーム軸20に動力伝達可能に連結されている。出力軸51の一端は、軸受55を介して、モータハウジング25の底壁33に形成された支持孔56に回転自在に支持されている。出力軸51の中間部は、軸受57を介して、制御ハウジング30の環状部58の内周に形成された支持孔59に回転自在に支持されている。環状部58は、制御ハウジング30の底壁33から外周壁34とは反対側に突出形成されて環状をなしている。
ロータ52は、出力軸51に同行回転可能に連結されたロータコア60と、ロータコア60の外周部に同行回転可能に連結されたロータマグネット61とを含んでいる。ロータマグネット61の外周部には、N極とS極とが周方向に交互に形成されている。
ステータ53は、ロータ52を取り囲んでいる。このステータ53は、モータハウジング25の周壁部26の内周に固定されたステータコア62と、複数の電磁コイル63とを含んでいる。
ステータコア62は、周方向C1に等間隔に並ぶ複数のティース64を含んでいる。各ティース64にそれぞれ電磁コイル63が巻回されている。電磁コイル63は、U相の電磁コイル63と、V相の電磁コイル63と、W相の電磁コイル63とを含んでおり、これらU相、V相およびW相の各電磁コイル63が、周方向C1に順番に並んでいる。
バスバー54は、ステータコア62とは軸方向X1に隣接して配置されており、U相のバスバー54Uと、V相のバスバー54Vと、W相のバスバー54Wとを含んでいる。各バスバー54U,54V,54Wは、それぞれ、全体として環状をなす導電部材を含んでおり、環状のバスバーハウジング84内に収容されている。
U相のバスバー54Uは、円弧状の導電板85を複数有しており(図4において、1つの導電板85のみを図示)、これらの導電板85が互いに電気的に接続されつつ、周方向C1に並んでいる。U相のバスバー54Uは、各U相の電磁コイル63と電気的に接続されている。V相のバスバー54Uは、円弧状の導電板85を複数有しており(図4において、1つの導電板85のみを図示)、これらの導電板85が互いに電気的に接続されつつ、周方向C1に並んでいる。V相のバスバー54Vは、各V相の電磁コイル63と電気的に接続されている。W相のバスバー54Wは、円弧状の導電板85を複数有しており(図4において、1つの導電板85のみを図示)、これらの導電板85が互いに電気的に接続されつつ、周方向C1に並んでいる。W相のバスバー54Wは、各W相の電磁コイル63と電気的に接続されている。
図5は、モータ制御装置36の平面図である。図4および図5を参照して、モータ制御装置36は、電動モータ18を制御するものであり、上記ECU12と、ECU12を収容するハウジングとしての上記制御ハウジング30と、ECU12および電動モータ18の各バスバー54U,54V,54Wを互いに電気的に接続する配線65と、絶縁部材としての絶縁シート66と、配線65の一部および絶縁シート66の一部の双方をモールドした合成樹脂部材67と、を備えている。
ECU12は、パワー基板42と、マイクロコンピュータ等を含む図示しない制御基板とを含んでいる。
パワー基板42は、例えば、軸方向X1に沿って見てL字形形状にされている。パワー基板42の表面には、制御回路としてのモータ駆動回路43が形成されている。モータ駆動回路43は、複数(例えば、6つ)のスイッチング素子68を含む。スイッチング素子68としては、例えば、バイポーラトランジスタ、MOSFET、IGBT等が挙げられる。モータ駆動回路43は、上記マイクロコンピュータ等によって制御される。
パワー基板42は、電源としてのバッテリ45に電気的に接続されている。具体的には、バッテリ45の正極Pに接続された一方の電力供給線44aが、制御ハウジング30の収容室S1内に延びており、収容室S1内に配置された導電性の接続部材としての第1のバスバー46の一端46aに接続されている。第1のバスバー46の他端46bは、モータ駆動回路43の正極側の入力端子43aに接続されている。
また、バッテリ45の負極Nに、アースとしての車体69等を介して接続された他方の電力供給線44bは、制御ハウジング30の収容室S1内に延びており、収容室S1内に配置された導電性の接続部材としての第2のバスバー47の一端47aに接続されている。第2のバスバー47の他端47bは、モータ駆動回路43の負極側の入力端子43bに接続されている。
図6は、モータ制御装置36の要部の断面図である。図5および図6を参照して、配線65は、バスバー54に電気的に接続される第1の配線71と、モータ駆動回路43に接続される第2の配線72とを含んでいる。第1の配線71と第2の配線72とは、互いに別体に形成されて互いに結合されている。
第1の配線71は、U相のバスバー54Uに接続される第1の配線71Uと、V相のバスバー54Vに接続される第1の配線71Vと、W相のバスバー54Wに接続される第1の配線71Wとを含んでいる。これらの各第1の配線71U,71V,71Wは、周方向C1に隣接して配置されている。
各第1の配線71U,71V,71Wは、それぞれ、クランク状をなす平板部材を用いて形成されており、軸方向X1に延びている。各第1の配線71U,71V,71Wのうちの一端が、対応するバスバー54U,54V,54Wにそれぞれ接続されている(図6において、第1の配線71Uの一端とバスバー54Uとの接続のみを図示)。各第1の配線71U,71V,71Wの一端は、対応するバスバー54U,54V,54Wの対応する導電板85とは単一の部材を用いて一体に形成されている。各第1の配線71U,71V,71Wの中間部は、制御ハウジング30の底壁33の挿通孔37を遊嵌しており、底壁33とは非接触とされている。各第1の配線71U,71V,71Wの他端部は、収容室S1内に配置されている。
図4および図5を参照して、第2の配線72は、第1の配線71Uに接続される第2の配線72Uと、第1の配線71Vに接続される第2の配線72Vと、第1の配線71Wに接続される第2の配線72Wとを含んでいる。
各第2の配線72U,72V,72Wは、帯状の平板部材を用いて形成されており、軸方向X1に沿ってみたときに、例えばL字形形状をなしている。各第2の配線72U,72V,72Wは、軸方向X1と平行に延びる平行部73と、軸方向X1と直交する方向に延びる接触部としての第1および第2の軸直部74,75とを備えている。
各平行部73は、対応する第2の配線72U,72V,72Wの一端部を構成している。各平行部73は、対応する第1の配線71U,71V,71Wの他端部のそれぞれに、平行に対向している。
各平行部73と、対応する第1の配線71U,71V,71Wの他端部とは、互いの対向面が面接触しており、これにより、両者が互いに導通可能な重合領域76が形成されている。各平行部73と、対応する第1の配線71U,71V,71Wの他端部とは、例えば、溶接金属や、ねじ部材を用いて互いに固定されており、互いの間の熱伝導性が十分に確保されている。各平行部73と、対応する第1の配線71U,71V,71Wの他端部とが面接触していることにより、重合領域76の電気抵抗が可及的に小さくされている。
各第1の軸直部74は、対応する平行部73に対して概ね直角に折り曲げられており、制御ハウジング30の底壁33と平行に延びている。各第1の軸直部74の断面は、扁平な矩形状をなしており、軸方向Xに薄肉となっている。
各第2の軸直部75は、対応する第1の軸直部74に対して概ね直角に延びており、制御ハウジング30の底壁33と平行に延びている。各第2の軸直部75の断面は、扁平な矩形状をなしており、軸方向X1に薄肉となっている。各第2の軸直部75の基端部は、対応する第1の軸直部74に接続されている。
各第2の軸直部75の先端部は、各第2の配線72U,72V,72Wの他端部を構成しており、対応するリード線77を介して、モータ駆動回路43の対応するU相用の端子、V相用の端子、およびW相用の端子のそれぞれに、電気的に接続されている。
図5および図6を参照して、絶縁シート66は、配線65と制御ハウジング30とを電気的に絶縁するシート状の部材であり、合成樹脂部材67の材料と比べて、熱伝導性に優れた材料を用いて形成されている。この材料として、シリコーンを例示することができる。このシリコーンの熱伝導率は、例えば、1〜10W/m・Kであり、体積抵抗率は、例えば1×1014Ω・cm以上である。
絶縁シート66は、制御ハウジング30の収容室S1内に収容されて、底壁33に沿わされており、この底壁33と、各第2の配線72U,72V,72Wの第1および第2の軸直部74,75との間に介在している。各第2の配線72U,72V,72Wの熱が絶縁シート66を介して制御ハウジング30の底壁33に伝わるようにされている。具体的には、配線65の一部としての各第2の配線72U,72V,72Wの第1および第2の軸直部74,75が、絶縁シート66に沿わされている。
絶縁シート66のうち、第2の配線72Uの第1および第2の軸直部74,75と軸方向X1に対向する部分が、接触部66Uとされている。同様に、絶縁シート66のうち、第2の配線72Vの第1および第2の軸直部74,75と軸方向X1に対向する部分が、接触部66Vとされている。また、絶縁シート66のうち、第2の配線72Wの第1および第2の軸直部74,75と軸方向X1に対向する部分が、接触部66Wとされている。各接触部66U,66V,66Wと、各第2の配線72U,72V,72Wの対応する第1および第2の軸直部74,75とは、互いに面接触している。
絶縁シート66は、底壁33の挿通孔37を覆っており、各第1の配線71U,71V,71Wが貫通されている。絶縁シート66のうち、制御ハウジング30の底壁33と軸方向X1に対向する部分が、底壁33と面接触する接触部66aとされている。
合成樹脂部材67は、制御ハウジング30の収容室S1内において、底壁33上に配置された、概ね矩形形状をなす板状の部材である。この合成樹脂部材67は、各第2の配線72U,72V,72Wの第1の軸直部74の全部を埋設しているとともに、第2の軸直部75のうち他端部を除く概ね全部を埋設している。
合成樹脂部材67は、絶縁シート66の大部分を埋設している。絶縁シート66のうち、底壁33に対向する対向面66b、および、各第2の軸直部75の他端部に近接している部分が、合成樹脂部材67から露出している。合成樹脂部材67は、底壁33の挿通孔37を覆っており、各第1の配線71U,71V,71Wが貫通されている。
以上の概略構成を有する電動パワーステアリング装置1において、操舵部材2が操舵されると、ECU12のマイクロコンピュータが操舵補助力を算出し、算出した結果に基づいてモータ駆動回路43に電力が供給される。これにより、電力が、モータ駆動回路43から各第1および第2の配線71,72や各バスバー54を介して各電磁コイル63に供給され、電動モータ18が駆動する。
このとき、第1および第2の配線71,72や、各電磁コイル63等は発熱する。この熱は、第1の配線71から第2の配線72に伝わり、第2の配線72の第1および第2の軸直部74,75から、絶縁シート66に伝わる。絶縁シート66に伝わった熱は、制御ハウジング30の底壁33に伝わる。底壁33に伝わった熱は、空気中に放出されたり、制御ハウジング30の外周壁34やモータハウジング25の周壁部26に伝わった後に、空気中に放出される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、電動モータ18等から伝わってきた第2の配線72の熱を、絶縁シート66介して、ヒートシンクとしての制御ハウジング30やモータハウジング25に逃がすことができる。絶縁シート66を放熱用の部材として用いることにより、電動モータ18や配線65で生じた熱を、外部に十分に放出できる。
また、絶縁シート66と各第2の配線72U,72V,72Wとを互いに面接触させている。このようにして、各第2の配線72U,72V,72Wと絶縁シート66との接触面積を十分に確保することにより、各第2の配線72U,72V,72Wから絶縁シート66に伝えることのできる単位時間当たりの熱量をより大きくでき、その結果、各第2の配線72U,72V,72Wの熱を、より多く絶縁シート66に伝えることができる。
さらに、各第2の配線72U,72V,72Wの第1の軸直部74および第2の軸直部75の断面を、扁平な矩形状に形成している。これにより、各第2の配線72U,72V,72Wと、絶縁シート66との十分な接触面積を確保しつつ、各第2の配線72U,72V,72Wを薄肉にして小型にできる。また、第1および第2の軸直部74,75の断面形状を矩形状にするという簡易な構成で、十分な接触面積を確保できるので、低コストで済む。
さらに、第1および第2の配線71,72を互いに別体に形成することにより、配線形状の自由度を高くでき、レイアウトの自由度を高くできる。また、第1および第2の配線71,72を重合領域76で面接触させることにより、両者の接触面積を十分に確保でき、両者間の電気抵抗を少なくできる。配線65での発熱をより少なくできる。
さらに、制御ハウジング30を、モータハウジング25と熱伝導可能に結合している。これにより、制御ハウジング30に伝わった熱を、さらにモータハウジング22に伝えることができ、ヒートシンクとしての各ハウジング25,30の熱容量の総和を極めて大きくできる。
また、制御ハウジング30を、ギヤハウジング22と熱伝導可能に結合している。これにより、制御ハウジング30に伝わった熱を、さらにギヤハウジング25に伝えることができ、ヒートシンクとしての各ハウジング22,25,30の熱容量の総和をより一層大きくできる。
以上より、放熱性に優れることから電動モータ18の効率を高く維持できる電動パワーステアリング装置1を実現できる。
なお、本実施の形態において、重合領域76における第1および第2の配線71,72の互いの接続に、放熱性に優れた樹脂部材を用いてもよい。また、モータ駆動回路43に接続されるヒートシンクを別途設け、このヒートシンクに絶縁シート66を沿わせてもよい。さらに、電動モータ18のモータハウジング25とモータ制御装置36の制御ハウジング30とを単一の部材を用いて一体に形成してもよい。
また、絶縁シート66は、各第1および第2の配線71,72の長手方向の全域に亘って沿わされていてもよい。さらに、絶縁シート66は、少なくとも接触部66U,66V,66Wがあればよく、残余の部分を廃止してもよい。さらに、絶縁シート66を廃止し、合成樹脂部材67を絶縁部材として用いてもよい。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、図7および図8に示すように、電動モータ用の補助電源78を備えるようにし、電源としてバッテリおよび補助電源78を用いて電動モータを駆動するようにしてもよい。補助電源78は、例えば、収容室S1に収容された複数の電気二重層キャパシタであり、モータ駆動回路43に隣接して配置されている。制御ハウジング30は、補助電源78を収容するハウジングを構成している。
この補助電源78のハウジング78aは、支持プレート79に固定されている。支持プレート79は、パワー基板42の表面に実装されている。
各補助電源78のハウジング78aの底部から、リード線80が延びている。各リード線80は、支持プレート79を貫通して、パワー基板42に接続されている。これにより、各補助電源78とパワー基板42のモータ駆動回路43とは、電気的に接続されている。
パワー基板42の裏面の少なくとも一部は、アルミ板81の表面と面接触している。アルミ板81の裏面の少なくとも一部は、絶縁シート66Aの表面と面接触している。絶縁シート66Aの裏面の少なくとも一部は、制御ハウジング30の底壁33の上面に面接触している。
この場合、補助電源78で発生した熱を、支持プレート79、パワー基板42、アルミ板81および絶縁シート66Aを介して、制御ハウジング30の底壁33に伝えることができる。これにより、補助電源78で発生した熱を、制御ハウジング30の外部に確実に放出できる。補助電源78の許容上限温度が低い場合でも、補助電源78の熱を十分に放出することにより、補助電源78の実用上の使用を可能とすることができる。
また、バッテリ45に加えて、補助電源78を用いることにより、電動モータ18に、より大きな電流を流すことができ、より大きな操舵補助力を発生することができる。
なお、各補助電源78のリード80を、第2の配線72に接続してもよい。この場合、各補助電源78の熱を、第2の配線72および絶縁シート66を介して、制御ハウジング30の底壁33に伝えることができる。
また、図9および図10に示すように、第1の配線71Uを、U相のバスバー54Uの対応する導電板85(851)とは別体に形成しておき、当該導電板85と結合するようにしてもよい。
具体的には、第1の配線71Uの一端側は、略L字形形状に形成されており、この第1の配線71Uの一端が第1の舌片86とされている。第1の舌片86には、周方向C1に沿って延びる長孔からなるねじ挿通孔87が形成されている。
U相のバスバー54Uの導電板851には、周方向C1に関する中央部に、第2の舌片88が延設されている。第2の舌片88には、丸孔からなるねじ挿通孔89が形成されている。
バスバーハウジング84には、ナット部材90が埋設されている。このナット部材90は、例えば、樹脂製のバスバーハウジング84の射出成形の際にインサートされるものであり、ねじ孔が、バスバーハジング84の一端面84a側に開放されている。
第1の舌片86および第2の舌片88は、固定部材としてのねじ部材91を用いて、バスバーハウジング84に固定されている。ねじ部材91のねじ軸は、ねじ挿通孔87,89を挿通して、ナット部材90のねじ孔に螺合されており、ねじ部材91の頭部とバスバーハウジング84とによって、第1および第2の舌片86,88が締結されている。
周方向C1に関する第1および第2の舌片86,88の相対位置、すなわち、周方向C1に関する第1の配線71Uと導電板851との相対位置は、周方向C1に関するねじ挿通孔87の位置を調整することにより、調整される。
なお、上記と同様にして、第1の配線71Vは、V相のバスバー54Vの対応する導電板85とは別体に形成され、当該導電板85に固定される。また、第1の配線71Wは、W相のバスバー54Wの対応する導電板85とは別体に形成され、当該導電板85に固定される。
この場合、各第1の配線71U,71V,71Wと、対応する導電板85との周方向C1の相対位置を調整することができる。その結果、各第1の配線71U,71V,71Wと、対応する第2の配線72U,72V,72Wとの周方向C1に関する位置合わせを、容易に、且つ精度良くできる。
また、各第1の配線71U,71V,71Wと、対応する導電板85とを別体に形成していることにより、これらの部材の形状を簡素な形状にできる。その結果、各第1の配線71U,71V,71W、および各導電板85を、素材としての板材からプレス成形する際に、単位面積あたりの板材から形成できる各上記部材71U,71V,71W,85の数を多くでき、製造コストを低減できる。
仮に、各第1の配線と、対応する導電板とを単一の部材で一体成形したプレス部材を用いる場合には、このプレス部材の形状が複雑になることから、単位面積あたりの板材から形成できるプレス部材の数が少なく、製造コストが高くなってしまう。したがって、本実施の形態のように、各第1の配線71U,71V,71Wと、対応する導電板85とを別体に形成することによる、コスト低減効果は大きい。
また、本発明のモータ制御装置を、伝達比可変機構を備える車両用操舵装置に用いてもよい。伝達比可変機構は、例えば、遊星伝達機構やニューテーションギヤ機構等の差動機構と、この差動機構を駆動する電動モータとしての伝達比可変用モータとを備えており、この伝達比可変用モータの制御装置として、本発明のモータ制御装置を用いることができる。
その他、本発明を、電動モータ制御装置を備える他の一般の装置に適用してもよい。
本発明の一実施の形態に係るモータ制御装置を備える車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 操舵補助機構の図解的な外観図である。 制御ハウジングの図解的な斜視図である。 電動モータおよびモータ制御装置の要部の一部を断面で表した斜視図である。 モータ制御装置の平面図である。 モータ制御装置の要部の断面図である。 本発明の別の実施の形態の要部の平面図である。 図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。 本発明のさらに別の実施の形態の要部の斜視図である。 本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置(車両用操舵装置)、4…転舵機構、18…電動モータ、20…ウォーム軸(ギヤ)、22…ギヤハウジング、25…モータハウジング、30…制御ハウジング(ハウジング)、36…モータ制御装置、43…モータ駆動回路(制御回路)、65…配線、66,66A…絶縁シート(絶縁部材)、66U,66V,66W…(絶縁部材の)接触部、71…第1の配線、72…第2の配線、74…第1の軸直部(配線の接触部)、75…第2の軸直部(配線の接触部)、76…重合領域。

Claims (7)

  1. 電動モータおよび制御回路を互いに接続するための配線と、
    上記制御回路を収容するハウジングと、
    上記ハウジングに沿わされた絶縁部材とを備え、
    上記配線の熱が上記絶縁部材を介してハウジングに伝わるように、上記配線の少なくとも一部が上記絶縁部材に沿わされていることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1において、上記絶縁部材および配線は、互いに面接触する接触部を有するモータ制御装置。
  3. 請求項2において、上記配線の上記接続部の断面は、矩形状をなすモータ制御装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項において、上記配線は、電動モータに接続される第1の配線と、制御回路に接続される第2の配線とを含み、
    第1および第2の配線は、互いに導通可能に面接触する重合領域を有するモータ制御装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項において、上記ハウジングは、上記電動モータのモータハウジングと熱伝導可能に結合されているモータ制御装置。
  6. 請求項1〜5の何れか1項において、上記ハウジングは、上記電動モータの出力回転が伝達されるギヤを収容するギヤハウジングと熱伝導可能に結合されているモータ制御装置。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載のモータ制御装置と、
    上記モータ制御装置によって制御される電動モータと、
    上記電動モータの動力が伝達される転舵機構とを備えることを特徴とする車両用操舵装置。
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