JP2009187800A - 膜電極複合体および燃料電池 - Google Patents

膜電極複合体および燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高温・低加湿の運転環境下での発電性能の低下を抑制し、出力を向上させた膜電極複合体、およびそれを用いた燃料電池を提供する。
【解決手段】特定の芳香族系高分子で示される炭化水素系ポリマーからなる電解質膜2と、上記電解質膜2の両面に配置された触媒電極層3,4とからなる膜電極複合体1であって、上記触媒電極層3,4の少なくとも一方が、特定のベンゼンスルホン酸ポリマーおよび炭化フッ素系の電解質ポリマーを含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池、特に固体高分子型燃料電池を形成するのに用いられる膜電極複合体に関する。
固体高分子電解質型燃料電池(以下、単に燃料電池と称する場合がある。)の最小発電単位である単位セルは、一般に固体電解質膜の両側に触媒電極層(アノード側触媒電極層およびカソード側触媒電極層)が接合されている膜電極複合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を有し、この膜電極複合体の両側にはガス拡散層が配されている。さらに、その外側にはガス流路を備えたセパレータが配されており、ガス拡散層を介して膜電極複合体の触媒電極層へと供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスを通流させるとともに、発電により得られた電流を外部に伝える働きをしている。
このような燃料電池では、アノード側触媒電極層から電解質膜、電解質膜からカソード側触媒電極層へのプロトンの移動に際して水が必要となる。したがって、一般的には燃料ガスを加湿して、燃料電池セル内に水を供給する方法が多く採用されている。しかしながら、例えば、自動車搭載用途などに燃料電池を使用する場合には、燃料ガスを加湿する装置は、重量物であり、燃費の低下、車載スペースの低下、コストの上昇などを招く。
また、燃料電池セルの温度としては、反応効率の観点から40〜80℃程度が望ましいため、通常はセルに冷却水を導入して、電池反応に伴う温度上昇を抑制している。しかしながら、冷却するには冷却ファン・ラジエータなどの重量物である装置が必要となり、これも、燃費低下、車載スペースの低下、コストの上昇を招く。
そこで、上述したような「加湿」や「冷却」を行う必要がない状態、すなわち、できるだけ高温、低加湿の状態で燃料ガスを供給することが望ましい。しかしながら、例えば、特許文献1で示されるような従来の燃料電池においては、常温運転時に触媒電極層中に水が滞留してしまうフラッディングを起こすことを前提として設計されている。このように、一般的には、運転時に水素(H)と酸素(O)とが反応して生成した生成水(HO)を効率よく排水できるように、触媒電極層とガス拡散層との間に撥水層が設けられるなど、水を排出しやすくすることを目的としている。そのため、高温・低加湿状態のような水分の少ない環境下での燃料電池の運転を考慮したものではなく、高温・低加湿条件では、電解質膜の乾燥に伴って膜抵抗が上昇し、膜および触媒電極層中のプロトン伝導度が低下することで燃料電池の発電性能が低下するという問題があった。
特開2004−119102公報 特開2004−247286公報 特開2006−131800公報 特開2003−45437公報 特開2003−238665公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高温・低加湿の運転環境下での発電性能の低下を抑制し、出力を向上させた膜電極複合体、およびそれを用いた燃料電池を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明においては、下記一般式(1)で示される炭化水素系ポリマーからなる電解質膜と、上記電解質膜の両面に配置された触媒電極層とからなる膜電極複合体であって、上記触媒電極層の少なくとも一方が、下記一般式(2)で示されるベンゼンスルホン酸ポリマーおよび炭化フッ素系の電解質ポリマーを含有することを特徴とする膜電極複合体を提供する。
Figure 2009187800
(式中、bはブロック共重合体であることを表し、mとnは繰り返し単位の数を表し、m≧5、n≧5、好ましくは5≦m≦200、5≦n≦1000である。)
Figure 2009187800
(式中、pは繰り返し単位の数を表し、2〜10000の範囲である。)
本発明によれば、上記一般式(1)で示される炭化水素系ポリマーからなる電解質膜と、上記電解質膜の両面に配置された触媒電極層とからなる膜電極複合体であって、上記触媒電極層の少なくとも一方が、上記一般式(2)で示されるベンゼンスルホン酸ポリマーおよび炭化フッ素系の電解質ポリマーを含有することによって、少なくとも一方の触媒電極層の保水性が向上することで、電解質膜および触媒電極層の乾燥を抑制し、高温・低加湿の運転環境下での発電性能の低下を抑制することができ、さらに、電解質膜と触媒電極層との親和性・密着性が向上することにより、電解質膜と触媒電極層との間でのプロトン伝導性が良好となるため、出力が向上した膜電極複合体を得ることができる。
また、本発明においては、上記の膜電極複合体を用いたことを特徴とする燃料電池を提供する。
本発明によれば、触媒電極層の保水性が向上することで電解質膜の乾燥を抑制して高温・低加湿の運転環境下での発電性能の低下を抑制し、さらに、電解質膜と触媒電極層との親和性・密着性が向上することで電解質膜と触媒電極層との間のプロトン伝導性が良好となり、出力が向上した上記の膜電極複合体を有することにより、高温・低加湿の運転環境下での発電性能の低下を抑制し、出力が向上した燃料電池を得ることができる。
本発明においては、触媒電極層の保水性が向上することで、電解質膜および触媒電極層の乾燥を抑制し、高温・低加湿の運転環境下での発電性能の低下を抑制することができ、さらに、電解質膜と触媒電極層との親和性・密着性が向上することにより、電解質膜と触媒電極層との間でのプロトン伝導性が良好となるため、出力が向上した膜電極複合体を得ることができるという効果を奏する。
本発明の膜電極複合体について、以下詳細に説明する。
A.膜電極複合体
まず、本発明の膜電極複合体について説明する。本発明の膜電極複合体は下記一般式(1)で示される炭化水素系ポリマーからなる電解質膜と、上記電解質膜の両面に配置された触媒電極層とからなる膜電極複合体であって、上記触媒電極層の少なくとも一方が、下記一般式(2)で示されるベンゼンスルホン酸ポリマーおよび炭化フッ素系の電解質ポリマーを含有することを特徴とするものである。
Figure 2009187800
(式中、bはブロック共重合体であることを表し、mとnは繰り返し単位の数を表し、m≧5、n≧5、好ましくは5≦m≦200、5≦n≦1000である。)
Figure 2009187800
(式中、pは繰り返し単位の数を表し、2〜10000の範囲である。)
本発明によれば、上記一般式(1)で示される炭化水素系ポリマーからなる電解質膜と、上記電解質膜の両面に配置された触媒電極層とからなる膜電極複合体であって、上記触媒電極層の少なくとも一方が、上記一般式(2)で示されるベンゼンスルホン酸ポリマーおよび炭化フッ素系の電解質ポリマーを含有することによって、少なくとも一方の触媒電極層の保水性が向上することで、電解質膜および触媒電極層の乾燥を抑制し、高温・低加湿の運転環境下での発電性能の低下を抑制することができ、さらに、電解質膜と触媒電極層との親和性・密着性が向上することにより、電解質膜と触媒電極層との間でのプロトン伝導性が良好となるため、出力が向上した膜電極複合体を得ることができる。
以下、本発明の膜電極複合体について、図を用いて説明する。
図1は本発明の膜電極複合体の構成の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、膜電極複合体1は、電解質膜2が中心に配置され、アノード側触媒電極層3とカソード側触媒電極層4とで挟持されている。
以下、本発明における膜電極複合体について、構成ごとに詳細に説明する。
1.電解質膜
本発明に用いられる電解質膜は、下記一般式(1)で示される炭化水素系ポリマーからなるものである。
Figure 2009187800
(式中、bはブロック共重合体であることを表し、mとnは繰り返し単位の数を表し、m≧5、n≧5、好ましくは5≦m≦200、5≦n≦1000である。)
このような炭化水素系ポリマーとしては、特開2007−177197号公報に記載されているもの等を好適に使用することができる。
上記一般式(1)で示される炭化水素系ポリマーは、下記一般式(3)で表されるポリエーテルスルホンと、ベンゼンスルホン酸ポリマーとの2種類のポリマー分子鎖からなるブロック共重合体である。本発明においては、上記電解質膜が上記ベンゼンスルホン酸ポリマーを有することにより、出力が向上した膜電極複合体を得ることができる。これは、以下の理由によるものと推定できる。すなわち、後述する触媒電極層がベンゼンスルホン酸ポリマーを含んでおり、ベンゼンスルホン酸ポリマーは、上記電解質膜のプロトン導伝部位(ベンゼンスルホン酸)をポリマー化したものであるため、上記電解質膜と後述する触媒電極層との親和性・密着性が向上し、電解質膜と触媒電極層との間でのプロトン伝導性が良好となるからである。上記ポリエーテルスルホンとしては、具体的には、スミカエクセルPES(住友化学社製)等を挙げることができる。
Figure 2009187800
上記一般式(1)で示されるブロック共重合体においては、上記2種類のポリマー分子鎖をそれぞれ1個以上持つものである。また、それぞれのポリマー分子鎖を2個以上有していても良い。上記ブロック共重合体の分子量としては、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、通常5000〜1000000が好ましい。さらに好ましくは、15000〜400000である。上記数平均分子量(Mn)が5000以下だと、膜強度が弱くなり、1000000以上だと成膜加工処理が行いにくいおそれがあるからである。
上記一般式(1)で示される炭化水素系ポリマーのイオン交換容量は、0.5〜4.0meq/gが好ましく、中でも1.0〜3.0meq/gであることが好ましい。イオン交換容量の測定方法は公知の方法を用いることができ、例えば滴定法などにより求めることができる。
また、上記一般式(1)で示される炭化水素系ポリマーのイオン伝導度は、例えば、80℃、90%RHにおいて0.01S/cm以上であり、より好ましくは0.1S/cm以上である。イオン伝導度の測定方法は、公知の方法に従って測定することができる。
また、電解質膜の膜厚としては、特に限定されるものではなく、通常の燃料電池に用いられる電解質膜の厚さと同様の厚さのものを用いることができる。
本発明に用いられる電解質膜の製造方法は、電解質膜の製造方法として一般的に用いられているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、予め重合した材料をキャスト法や溶融押し出し法などで成膜する方法等を挙げることができる。
2.触媒電極層
本発明に用いられる触媒電極層はアノード側触媒電極層およびカソード側触媒電極層の少なくとも一方が、下記一般式(2)で示されるベンゼンスルホン酸ポリマーおよび炭化フッ素系の電解質ポリマーを含有するものである。
Figure 2009187800
(式中、pは繰り返し単位の数を表し、2〜10000の範囲である。)
上記ベンゼンスルホン酸ポリマーとして、例えば特開2003−238665号公報、特開2005−248143号公報の各公報に記載されているもの等を好適に使用することができる。
本発明においては、上記ベンゼンスルホン酸ポリマーを触媒電極層中の電解質材料として用いることにより、触媒電極層の保水性が向上する。従って、電解質膜および触媒電極層の乾燥が抑制され、高温・低加湿の運転環境下での発電性能の低下を抑制することができる。さらに、本発明に用いられるベンゼンスルホン酸ポリマーは、上記「1.電解質膜」で説明した電解質膜のプロトン導伝部位(ベンゼンスルホン酸)をポリマー化したものであるため、電解質膜と触媒電極層との親和性・密着性が向上することにより、電解質膜と触媒電極層との間でのプロトン伝導性が良好となるため、出力が向上した膜電極複合体を得ることができる。
上記一般式(2)において、pは繰り返し単位の数を表し、通常2〜10000の範囲の値を取ることができ、中でも10〜5000の範囲内、特に20〜2000の範囲内であることが好ましい。pが小さすぎると、所望の水分保持効果が得られない可能性があるからである。一方、pが大きすぎると、分子量が大きくなり、粘性が高くなるため、ベンゼンスルホン酸ポリマーの分散性が悪くなる可能性があるからである。
また、上記一般式(2)において、末端基は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されるものではないが、例えば、H、Cl、Br等を挙げることができる。中でも電気化学的な触媒電極層の性能等を考慮するとHが好ましい。
また、上記のベンゼンスルホン酸ポリマーは架橋構造を有していても良い。
本発明に用いられるベンゼンスルホン酸ポリマーの添加量は、触媒電極層における通常の電解質材料として添加されている電解質材料と今回新たに添加するベンゼンスルホン酸ポリマーの比、即ち、例えば電解質材料が炭化フッ素系ポリマーとベンゼンスルホン酸ポリマーのみからなる場合は、炭化フッ素系ポリマーの質量に対するベンゼンスルホン酸ポリマーの質量で、0.1〜200質量%の範囲内、中でも1〜140質量%の範囲内、特に100〜120質量%の範囲内であることが好ましい。ベンゼンスルホン酸ポリマーが多すぎる場合、触媒表面を覆ってしまい、ガスの反応およびプロトン伝達を阻害する可能性があるからである。また、保水された水分により膨潤し、電解質膜の細孔を塞ぐためにフラッティングしやすくなる可能性があるからである。一方、ベンゼンスルホン酸ポリマーが少なすぎる場合には、水分保持効果が得られない可能性があるからである。
また、上記ベンゼンスルホン酸ポリマーは2つの触媒電極層の少なくとも一方に含有されていれば良いが、本発明においては、2つの触媒電極層の両方に含有されていることが好ましい。
本発明に用いられる上記炭化フッ素系の電解質ポリマーとしては、例えば、ナフィオン(商品名、デュポン社製)、フレミオン(商品名、旭硝子社製)、アシプレックス(商品名、旭化成社製)等を挙げることができ、中でも、ナフィオン(商品名、デュポン社製)が好ましい。高いイオン伝導性を持ち、耐酸化性に優れているからである。
上記の触媒電極層は、触媒を担持した導電性材料と電解質材料とからなるのが一般的であり、上記触媒としては、触媒としての機能を有するものであれば、特に限定されるものではなく、一般的な燃料電池に用いられる材料と同様のものを使用することができる。例えば、白金等を挙げることができる。
また、触媒を担持する上記導電性材料としては、導電性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、一般的な燃料電池に用いられる材料と同様のものを使用することができる。例えば、カーボンブラック等を用いることができる。
また、本発明に用いられる触媒電極層の製造方法としては、所望の触媒電極層を得ることができる方法であれば特に限定されるものではないが、具体的には、上記の電解質材料、および触媒が担持された導電性材料等を溶媒に溶解、分散させることにより塗工液を作製し、電解質膜上に塗布し、乾燥させる塗布方法等が挙げられる。
3.膜電極複合体の製造方法
本発明の膜電極複合体の製造方法としては、上記の膜電極複合体を得ることができる方法であれば、特に限定されるものではないが、例えば、白金担持カーボン粉末等の触媒を水およびアルコール系溶剤(粘度調整用)中に分散させた後に、上記のベンゼンスルホン酸ポリマーを添加・攪拌分散後、炭化フッ素系高分子電解質溶液(例えば、Dupont社製ナフィオン5%溶液等)を添加・攪拌分散し、電極用インクを得る。得られた電極用インクを用いて、「1.電解質膜」で記載した電解質膜に直接塗布する方法、拡散層に塗布する方法、あるいはテフロン(登録商標)シートなどに塗布したのちに電解質膜に加熱プレスして転写する方法などの製造方法により得ることができる。
B.燃料電池
次に、本発明の燃料電池について説明する。本発明の燃料電池は、上記の膜電極複合体を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、触媒電極層の保水性が向上することで電解質膜の乾燥を抑制して高温・低加湿の運転環境下での発電性能の低下を抑制し、さらに、電解質膜と触媒電極層との親和性・密着性が向上することで電解質膜と触媒電極層との間のプロトン伝導性が良好となり、出力が向上した上記の膜電極複合体を有することにより、高温・低加湿の運転環境下での発電性能の低下を抑制し、出力が向上した燃料電池を得ることができる。
本発明に用いられる膜電極複合体は、上記「A.膜電極複合体」の記載と同様であるので、ここでの説明は省略する。本発明の燃料電池の最小単位である燃料電池セルは、上述したような、触媒電極層(アノード側触媒電極層およびカソード側触媒電極層)、固体電解質膜から構成される膜電極複合体がガス拡散層で挟持され、さらには、セパレータで挟持されており、このような燃料電池セルが複数積層されて燃料電池スタックが構成されている。この際に用いられるガス拡散層およびセパレータは、特に限定されるものではなく、通常用いられるものを用いることができる。
また、本発明においては、上記触媒電極層はアノード側触媒電極層およびカソード側触媒電極層の少なくとも一方が、上記ベンゼンスルホン酸ポリマーを含有するものであるが、どちらか一方が含有するような場合には、カソード側触媒電極層が含有する方が好ましい。
本発明の燃料電池の製造方法は、上記「A.膜電極複合体」により得られる膜電極複合体を用いる方法であれば、特に限定されるものではない。本発明の燃料電池の製造方法の一例としては、例えば、上記膜電極複合体の外側にカーボン繊維等を成型してなるガス拡散層を設置し、さらに、ガス拡散層の外側に金属製あるいはカーボン製のセパレータを設置する方法等を挙げることができる。
本発明の燃料電池の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、自動車用の燃料電池等として、用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例]
(膜電極複合体作製)
白金の担持されたカーボン粉末(Pt担持率45wt%)1gを水5ml、およびアルコール系溶媒(エタノール)15ml中に分散させた後に、通常触媒層に添加する電解質材料(本件ではフッ素系のNafion)の重量の100%相当となるように調製したベンゼンスルホン酸ポリマーを添加し、攪拌分散後、Dupont社製、Nafion5%溶液8mlを添加・攪拌分散し、電極用インクを得た。なお、ベンゼンスルホン酸ポリマーは特開2005−248143号公報中の実施例1に示される方法に準じて作られた。
また、一般式(1)で表されるポリマーからなる電解質膜(IEC 2.2meq/g、Mw 386000、膜厚30μm)を、特開2007−177197号公報に記載の方法に準じて作製し、この電解質膜上に上記の電極用インクをスプレー塗布し、乾燥させることにより電解質膜上に触媒電極層を作製し、膜電極複合体を得た。
[比較例]
上記の膜電極複合体作製において、ベンゼンスルホン酸ポリマーを添加しないこと以外は、実施例と同様にして、膜電極複合体を得た。
[評価]
実施例および比較例で得られた膜電極複合体を用い、セル温度80℃、燃料ガスとしては、アノード側にHガス、カソード側に空気を用い、アノードガス加湿露点45℃/カソードガス加湿露点55℃の条件で、発電試験を行った。得られた電流密度−電圧曲線を図2に示す。図2から明らかなように、実施例で得られた膜電極複合体は、比較例で得られた膜電極複合体に比べて、ベンゼンスルホン酸ポリマー添加によって、触媒電極層の保水性が向上することで、電解質膜および触媒電極層の乾燥が抑制され、高温・低加湿の運転環境下での発電性能の低下を抑制することができ、さらに、電解質膜と触媒電極層との親和性・密着性が向上することにより、電解質膜と触媒電極層との間でのプロトン伝導性が良好となるため、高電流密度域まで高い出力(電圧)を得ることができた。
本発明の膜電極複合体の構成の一例を示す概略断面図である。 発電試験における電流−電圧曲線を示すグラフである。
符号の説明
1 … 膜電極複合体
2 … 固体電解質膜
3 … アノード側触媒電極層
4 … カソード側触媒電極層

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で示される炭化水素系ポリマーからなる電解質膜と、前記電解質膜の両面に配置された触媒電極層とからなる膜電極複合体であって、前記触媒電極層の少なくとも一方が、下記一般式(2)で示されるベンゼンスルホン酸ポリマーおよび炭化フッ素系の電解質ポリマーを含有することを特徴とする膜電極複合体。
    Figure 2009187800
    (式中、bはブロック共重合体であることを表し、mとnは繰り返し単位の数を表し、m≧5、n≧5である。)
    Figure 2009187800
    (式中、pは繰り返し単位の数を表し、2〜10000の範囲である。)
  2. 請求項1に記載の膜電極複合体を用いたことを特徴とする燃料電池。
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