JP2009187130A - 顔認証装置 - Google Patents

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淳平 遠藤
Atsuyuki Hirono
淳之 広野
Hideki Kawahara
英喜 河原
Kenichi Hagio
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Abstract

【課題】写真によるなりすましを確実且つ速やかに検出する。
【解決手段】認証対象判定部9では、解析部6から取得する露光量の調整状態(発光部1の光量)と撮像対象解析部8から取得する顔サイズFnの組合せをメモリに記憶した前記対応関係と比較する。そして、認証対象判定部9は、顔サイズFnと光量の組合せがメモリに記憶した対応関係と一致すれば当該顔領域が本物の顔(生体)であると判定し、当該組合せが対応関係と一致しなければ本物の顔でない、すなわち写真であると判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、予め登録されたテンプレートと認証のために撮像された顔画像とを用いて人物を認証する顔認証装置に関し、特に、認証用の顔画像として光変調画像を用いる顔認証装置に関するものである。
本出願人は、周囲光(例えば、太陽光)の影響を受けない安定した濃淡画像を取得することにより、屋外の太陽光下であっても高い認証精度が確保できる顔認証装置を既に提案している(例えば、特許文献1参照)。この従来装置では、発光ダイオードが発する赤外光を高速変調した変調光を人物の顔に照射し、CCDからなる撮像素子で受光する当該変調光の反射光成分と周囲光の反射光成分とを区別して変調光だけの顔画像(光変調画像)を取得する。さらに当該従来装置では、光変調画像から人物の顔の特徴量を抽出し、当該特徴量を予め登録されているテンプレート(登録者の顔の特徴量)と照合することにより、テンプレートに対応した人物(登録者)の顔を認証する。
ここで、この種の顔認証装置においては、登録者以外の人物が登録者の顔写真を撮像させることで当該登録者になりすまして認証を受けようとする不正行為を防止する必要がある。そこで従来は、例えば、目,鼻,口などの顔器官の動きの有無をフレーム間差分によって検出したり、あるいは、顔画像の周囲に写真のフレームに相当する直線が存在するか否かをフレーム間差分によって検出することで顔画像が実際の人物(生体)であるか否かを判定し、生体でないと判定した場合に認証不可と判定することで不正行為(写真によるなりすまし)を防止していた(特許文献2参照)。
特開2006−155422号公報 特開2006−330936号公報
しかしながら、特許文献2に記載されている従来例では、顔器官の動きを確実に検出するために相当な回数のフレーム間差分を演算しなければず、認証に要する時間が延びてしまう虞があった。また、写真のフレームを検出する場合、画角内にフレームが写らなければ検出ができない。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、写真によるなりすましを確実且つ速やかに検出することができる顔認証装置を提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、一定周期で明滅する変調光を対象空間に照射する変調光照射手段と、複数の画素が縦横に配置され、対象空間から入射する光を各画素で受光するとともに受光光量に応じたレベルを画素値とする画像を出力する撮像手段と、変調光照射手段が変調光を照射しているときに撮像手段から出力する発光時の画像と変調光照射手段が変調光を照射していないときに撮像手段から出力する非発光時の画像との差分を画素値とする光変調画像を生成する光変調画像生成手段と、発光時画像又は非発光時画像又は光変調画像の少なくとも何れかを解析する解析手段と、解析手段の解析結果に基づいて撮像手段の露光量を調整する露光量調整手段と、発光時画像又は非発光時画像又は光変調画像における撮像対象の状態を解析する撮像対象解析手段と、露光量調整手段による露光量の調整状態並びに撮像対象解析手段で解析される撮像対象の状態の少なくとも何れか一方に応じて当該撮像対象が認証対象に適しているか否かを判定する認証対象判定手段と、光変調画像から対象空間に存在する人物の顔の特徴量を抽出し、当該特徴量を予め登録されているテンプレートと照合して一致/不一致を判断する照合手段と、認証対象判定手段により撮像対象が認証対象に適していると判定され、且つ照合手段により当該撮像対象がテンプレートと一致すると判断されたときに認証可と判定する認証手段とを備えたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、露光量の調整状態と撮像対象解析手段で解析される撮像対象の状態とに応じて当該撮像対象が認証対象に適しているか否かを判定するので、従来例のようにフレーム間差分から顔器官の動きや写真のフレームを検出する場合と比較して、認証対象に適しているか否か、すなわち、撮像対象が写真であるか否かを確実且つ速やかに検出することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、撮像対象解析手段は、撮像対象である人物の顔に相当する部分の大きさを発光時画像又は非発光時画像又は光変調画像から抽出し、認証対象判定手段は、露光量調整手段による露光量の調整状態と撮像対象解析手段により抽出された人物の顔に相当する部分の大きさとの関係に基づいて、当該撮像対象が認証対象に適しているか否かを判定することを特徴とする。
請求項2の発明によれば、撮像対象が写真であるか否かを確実且つ速やかに検出することができる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、撮像対象解析手段は、撮像対象である人物の顔に相当する部分の周辺部分の画素値を光変調画像から抽出し、認証対象判定手段は、撮像対象解析手段により抽出された画素値が所定のしきい値以上である場合には認証対象に適していないと判定することを特徴とする。
請求項3の発明によれば、撮像対象が写真であるか否かを確実且つ速やかに検出することができる。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、変調光照射手段は、対象空間に照射する変調光のパターンが可変であって、撮像対象解析手段は、異なるパターンの変調光が照射された状態で生成された複数の光変調画像について、各光変調画像における人物の顔に相当する部分の陰影の状態を抽出し、認証対象判定手段は、撮像対象解析手段により抽出された前記複数の光変調画像の陰影の状態によって当該撮像対象が認証対象に適しているか否かを判定することを特徴とする。
請求項4の発明によれば、撮像対象が写真であるか否かを確実且つ速やかに検出することができる。
請求項5の発明は、請求項1の発明において、変調光照射手段は、対象空間に照射する変調光のパターンが可変であって、撮像対象解析手段は、異なるパターンの変調光が照射された状態で生成された複数の光変調画像について、各光変調画像における人物の目に相当する部分の画素値を抽出し、認証対象判定手段は、撮像対象解析手段により抽出された前記複数の光変調画像における目に相当する部分の画素値によって当該撮像対象が認証対象に適しているか否かを判定することを特徴とする。
請求項5の発明によれば、撮像対象が写真であるか否かを確実且つ速やかに検出することができる。
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1項の発明において、認証対象判定手段は、露光量調整手段によって露光量の調整状態が調整可能範囲内の上限又は下限に調整されている状況が所定時間以上にわたって継続した場合、撮像手段によって撮像されている撮像対象に異常があると判定することを特徴とする。
請求項6の発明によれば、撮像手段に入射する光を手で遮るような不正行為の有無を判定することができる。
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れか1項の発明において、認証手段は、認証不可と判定した撮像対象を不審者として記憶し、同一の撮像対象を認証不可と判定した回数が所定回数以上となったときに報知することを特徴とする。
請求項7の発明によれば、不正行為に利用された登録者に注意を喚起することができる。
請求項8の発明は、請求項1〜7の何れか1項の発明において、認証手段は、認証不可と判定した撮像対象を不審者として登録するとともに、認証不可と判定した撮像対象の特徴点を前記登録された不審者の特徴点と照合し、両者が一致した場合に報知することを特徴とする。
請求項8の発明によれば、不正行為に利用された登録者に注意を喚起することができる。
本発明によれば、写真によるなりすましを確実且つ速やかに検出することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図3は、本実施形態の顔認証装置Aを含む集合住宅用セキュリティシステムのシステム構成例を示している。この集合住宅用セキュリティシステムは、マンションなどの集合住宅に設置されるものであって、顔認証装置Aの他に、ロビーインターホンB、警報監視盤C、電気錠制御装置D、エレベータ制御盤E、宅配ボックス制御盤F、システム制御盤G、テンキー装置H、各住戸に設置される住宅情報盤(図示せず)などで構成されている。
ロビーインターホンBは、来訪者を撮像するカメラ、警報監視盤Cや住宅情報盤との間で通話するための通話装置、来訪者が訪問先の住戸の住戸番号などを入力するためのテンキーなどを備え、集合住宅の共同玄関Jの外に設置されている。来訪者がロビーインターホンBのテンキーを操作して訪問先の住戸の住戸番号を入力すると、当該住戸番号の住戸に設置されている住宅情報盤に対し、ロビーインターホンBから警報監視盤Cを経由して、呼出信号並びにロビーインターホンBのカメラで撮像された訪問者の映像が伝送される。そして、呼出信号を受け取った住宅情報盤においては、ロビーインターホンBから受け取る映像をディスプレイに表示するとともにスピーカから呼出音を鳴動させる。当該住戸の住人が住宅情報盤の応答釦を押操作すれば、住宅情報盤とロビーインターホンBとの間に通話路が形成され、来訪者と住人とがそれぞれロビーインターホンB及び住宅情報盤を用いて通話することができる。尚、この種のロビーインターホンB、警報監視盤C、住宅情報盤については従来周知であるから詳細な構成についての図示並びに説明は省略する。
電気錠制御盤Dは、共同玄関Jに設けられた電気錠(図示せず)の施錠・解錠を制御する。エレベータ制御盤Eは、集合住宅に設置されているエレベータ(図示せず)の運転を制御する。宅配ボックス制御盤Fは、集合住宅に設置されている宅配ボックスの施錠・解錠などを制御する。システム制御盤Gは、住宅情報盤から伝送される制御指令や顔認証装置Aの認証結果に応じて、電気錠制御盤Dに電気錠を解錠させたり、エレベータ制御盤Eにエレベータを運転させたり、宅配ボックス制御盤Fに宅配ボックスを解錠させるといったことを行わせるものである。すなわち、何れかの住戸の住人がテンキー装置Hを操作して当該住人に割り当てられているID番号を入力すると、顔認証装置Aでは、テンキー装置Hから受け取ったID番号に対応するテンプレートを用いて当該住人の顔認証を行い、認証できればシステム制御盤Gに認証可の情報を伝送する。そしてシステム制御盤Gは、顔認証装置Aから認証可の情報を受け取ると電気錠制御盤Dに電気錠を解錠させたり、エレベータ制御盤Eにエレベータを運転させたり、宅配ボックス制御盤Fに宅配ボックスを解錠させる。一方、顔認証装置Aによる認証が不可であった場合、システム制御盤Gでは、顔認証装置Aから認証不可の情報を受け取ると電気錠制御盤Dに電気錠を解錠させず、エレベータ制御盤Eにエレベータの運転を行わせず、且つ宅配ボックス制御盤Fに宅配ボックスを解錠させない。尚、電気錠制御装置D、エレベータ制御盤E、宅配ボックス制御盤Fは従来周知のものであるから、詳細な構成の図示並びに説明は省略する。
図1に本実施形態の顔認証装置Aのブロック図を示す。発光部1は対象空間に変調した光を照射するものであって、赤外光を発する1乃至複数個の発光ダイオードと、発光ダイオードを駆動して発光させる駆動回路とを有している。露光量制御部2は、駆動回路を制御して非常に高い周波数(例えば、10メガヘルツ)で発光ダイオードを明滅させることにより、対象空間に変調光を照射させるとともに、駆動回路から発光ダイオードへ供給する電流量を変化させることで発光部1の光量を調整する。さらに露光量制御部2は、発光ダイオードの発光周期(明滅周期)に同期したタイミング信号を撮像部3に出力している。撮像部3は、赤外光に感度を有する複数の画素が縦横に配置されたCCDなどからなる撮像素子と、撮像素子に光を集光するレンズと、露光量制御部2から受け取るタイミング信号に基づき、発光部1の発光周期に同期して撮像素子の各画素の出力を取り出す信号処理回路とを有している。信号処理回路は、発光部1が発光している期間に撮像素子から取り出した出力(発光時出力)と、発光部1が発光していない期間に撮像素子から取り出した出力(非発光時出力)とを画像メモリ4に格納する。
演算部5は、画像メモリ4に格納されている発光時出力と非発光時出力との差分を求め、各画素毎の差分値を画素値とする光変調画像を生成する。ここで、変調光の1周期内において撮像部3で受光する環境光(太陽光や照明光)の光量に変化がないとすれば、発光時出力と非発光時出力の差分は、発光部1から対象空間に照射された変調光が対象空間に存在する物体(人物)で反射した反射光成分のみからなるとみなすことができる。
照合部7は、演算部5で生成された光変調画像から人物の顔を含む顔領域を検出するとともに、当該顔領域から顔器官(目、鼻、口など)の特徴量を抽出する。さらに照合部7は、抽出した特徴量を、テンプレートデータベース11に予め登録されている登録者(本実施形態では集合住宅の住人)の顔の特徴量を有するテンプレートと照合し、その照合結果(一致/不一致)を認証部10に出力する。
解析部6は、演算部5で生成された光変調画像から顔領域を検出するとともに、画像メモリ4から読み出した発光時画像(各画素毎の発光時出力を画素値とする画像。以下同じ。)における顔領域の画素の画素値が所定の適正範囲内に収まっているか否かを判断する。顔領域画素の画素値が適正範囲から外れている場合、解析部6は、顔領域画素の画素値(輝度レベル)が適正範囲内に収まるように露光量制御部2に発光部1の光量を増減させる。また解析部6は、露光量制御部2に対して指示した露光量の調整状態(発光部1の光量)を認証対象判定部9に通知する。
認証対象解析部8は、演算部5で生成された光変調画像から顔領域を抽出し、当該顔領域の大きさ(=顔領域内に含まれる画素数)を求めるとともに、求めた顔領域の大きさ(顔サイズ)を認証対象判定部9に出力する。
認証対象判定部9は、解析部6から受け取った露光量の調整状態(発光部1の光量)と、認証対象解析部8から受け取った顔サイズとに基づいて、当該顔領域を含む被写体が認証対象に適するか否か、具体的には、顔領域を抽出した光変調画像の被写体が本物の顔(生体)ではなく写真の顔であるか否か、を判定する。一般に、赤外光に対する反射率が写真よりも本物の顔の方が高くなるので、画素値(輝度レベル)を適正範囲に調整するために必要となる露光量の調整状態(発光部1の光量)が本物の顔と写真とで異なると考えられる。
そこで、本物の顔の顔領域について、画素値を適正範囲に調整するために必要となる露光量の調整状態(発光部1の光量)を、複数種類の顔サイズF1,F2,…(但し、F1>F2>F3>…)毎に予め測定し、その測定値(光量)を各々の顔サイズFn(n=1,2,3,…)と対応付けて、認証対象判定部9のメモリ(図示せず)に記憶しておく。そして、認証対象判定部9では、解析部6から取得する光量と撮像対象解析部8から取得する顔サイズFnの組合せをメモリに記憶した前記対応関係と比較し、顔サイズFnと光量の組合せがメモリに記憶した対応関係と一致すれば当該顔領域が本物の顔(生体)であると判定し、当該組合せが対応関係と一致しなければ本物の顔でない、すなわち写真であると判定するのである。例えば、本物の顔とほぼ同じ大きさの写真が撮像された場合、当該写真の顔サイズFnに対応する本物の顔の光量に比べて、写真の反射率が相対的に低いために解析部6から取得する光量は大きくなる。あるいは、本物の顔よりも小さい写真を撮像部3に近付けることで顔サイズFnを本物の顔の顔サイズに一致させた場合、発光部1との距離も近くなるために光量が大幅に小さくなる。尚、認証対象判定部9による判定結果は照合部10に出力される
照合部10は、認証対象判定部9から認証対象に適さない(写真である)という判定結果が入力された場合、若しくは認証対象に適している(写真ではない)という判定結果が入力されたが、照合部7から不一致という照合結果が入力されたときは認証不可と判断する。一方、認証対象に適している(写真ではない)という判定結果が入力され、且つ照合部7から一致という照合結果が入力されたときには認証可と判断する。
尚、認証対象の判定方法は上述した方法に限定されるものではない。例えば、対象空間には奥行きがあるので、本物の人を撮像して取得した光変調画像では、図2(a)に示すように人物の領域X以外の画素値(輝度レベル)はほぼゼロ(但し、図では黒色で表している。)となるが、写真を撮像して取得した光変調画像では、図2(b)及び図2(c)に示すように人物の領域X’、X”の近傍の背景領域Y’、Y”における画素値(輝度レベル)が相対的に大きく(図では白く)なるはずである。図2(d)は図2(a)〜(c)における水平線x上の画素値(輝度レベル)をグラフにしたものであって、直線イが図2(a)の本物の人を撮像した場合、一点破線ロが図2(b)の写真を撮像した場合、破線ハが図2(c)の写真を撮像した場合、をそれぞれ表している。図2(d)から明らかなように、本物の人と写真とでは顔領域の周辺部部(背景部分)の画素値(輝度レベル)に明確な差異が存在する。故に、撮像対象解析部8において顔領域の周辺部分の画素値(輝度レベル)を抽出し、認証対象判定部9では、撮像対象解析部8から取得する周辺部分の画素値(輝度レベル)が所定のしきい値以上であれば認証対象に適していない(写真である)と判定し、周辺部分の画素値(輝度レベル)が当該しきい値未満であれば認証対象に適している(写真ではない)と判定することができる。
さらに別の方法として、本物の人が立体形状を有しているのに対して、写真が平面である点に着目し、変調光の照射方向(パターン)を変化させることで写真か否かを判定する方法もある。つまり、本物の人であれば、その立体形状により、変調光の照射方向(パターン)に応じた陰影が生じるが、写真であれば、平面であるために変調光の照射方向(パターン)を変化させたことによる陰影は生じない。そこで、照射方向(パターン)を変化させることができるように発光部1を構成し、右方向から変調光を照射したときの光変調画像と、左方向から変調光を照射したときの光変調画像とを演算部5で取得するとともに、撮像対象解析部8において、これら2つの光変調画像の顔領域の画素値(輝度レベル)の分布を比較することで陰影の有無を判断し、陰影が有れば認証対象に適している(写真ではない)と判定し、陰影がなければ認証対象に適していない(写真である)と判定することができる。
あるいは、一般に赤目現象と呼ばれる人間の目の網膜での正反射若しくはキャッチアイ(若しくはキャッチライト)と呼ばれる瞳での正反射に着目し、変調光の照射方向(パターン)を変化させたときに、変調光画像の目の位置における画素値(輝度レベル)が大きく変化するか否かによって本物の顔と写真を区別することができる。つまり、本物の顔であれば特定の照射方向(パターン)から変調光を照射したときに目の網膜あるいは瞳で変調光が正反射し、他の照射方向(パターン)から変調光を照射したときには目の網膜あるいは瞳で変調光が正反射しないのに対し、写真であれば、変調光の照射方向(パターン)を変化させても目の部分における反射の状態に有意な差は生じない。そこで、照射方向(パターン)を変化させることができるように発光部1を構成し、左右方向及び正面方向から変調光を照射したときの光変調画像をそれぞれ演算部5で取得するとともに、撮像対象解析部8において、これら3つの光変調画像の目の位置における画素値(輝度レベル)から正反射の有無を判断し、正反射の有無に変化が有れば認証対象に適している(写真ではない)と判定し、正反射の有無に変化がなければ認証対象に適していない(写真である)と判定することができる。また、本実施形態では環境光(周囲光)の影響を受けない光変調画像を利用しているので、上述のように変調光のパターン(照射方向)を変えて生成される光変調画像においても環境光(周囲光)の影響がなく、陰影や目の部分における反射状態を安定して検出することができるのである。
尚、発光部1から対象空間への変調光の照射方向(パターン)を変える方法として、例えば、互いに照射方向の異なる複数個の発光ダイオードを発光部1に設けておき、これらの発光ダイオードの明滅を制御することで照射方向を変化させればよい。また、上述した方法を2つ或いは3つ以上組み合わせて判定すれば、撮像対象に適しているか否か(写真か否か)の判定精度を高めることができる。
ここで、上述のような写真を使った不正行為の他に、目隠し(撮像部3のレンズを覆う行為。以下同じ)によって顔を撮像させないようにする不正行為が行われる虞がある。このような目隠しが行われた場合、露光量制御部2が露光量の調整状態(発光部1の光量)を調整可能範囲内の上限又は下限に調整すると考えられる。そこで、露光量制御部2によって発光部1の光量が上限又は下限の何れかに調整される状況が所定時間以上にわたって継続したら、認証対象判定部9が撮像部3によって撮像されている撮像対象に異常があると判定することが望ましい。尚、認証対象判定部9により撮像対象に異常があると判定された場合、認証部10からシステム制御盤Gに異常の発生を通知すればよい。
ところで、本実施形態ではテンキー装置Hで入力されるID番号に対応するテンプレートをテンプレートデータベース11から読み出して照合しているから、不正行為において使用されたID番号から登録者を特定することが可能である。したがって、認証対象判定部9で認証対象に適していない(写真である)と判定された場合、不正行為に使用された写真に写されている登録者を特定するために照合部7にてテンプレートとの照合を行う必要はない。しかしながら、ID番号を使用せずにテンプレートデータベース11に登録されている全てのテンプレートを対象に照合するようなシステムにおいては、認証対象判定部9で認証対象に適していない(写真である)と判定された場合であっても、照合部7においてテンプレートと照合し、顔写真が不正行為に利用された登録者を特定して当該登録者に注意を喚起することが望ましい。
例えば、認証部10において、認証対象判定部9で認証対象に適していないと判定された回数を、照合部7により同一のテンプレートに一致すると判断された当該テンプレート(登録者)毎にカウントし、その回数が所定回数を超えたときに報知(例として、システム制御盤Gに通知)するとともに、かかる通知を受け取ったシステム制御盤Gから、登録者の住まう住戸に設置されている住宅情報盤に対して、不正行為(写真によるなりすまし)の対象とされた旨の警告を発するようにすればよい。
さらに、上述のように認証対象に適していないと判定された回数が所定回数を超えた場合、あるいは、認証対象に適していると判定され且つテンプレートとの照合が一致しなかった人物(テンプレートデータベース11にテンプレートが登録されていない未登録者)について当該人物が認証対象となった回数が所定回数を超えた場合、それぞれの認証対象の顔領域から抽出された特徴量を不審者用のテンプレートとして、登録者用のテンプレートとは別にテンプレートデータベース11に記憶し、次回以降の認証時において、照合部7が不審者用のテンプレートと照合し、光変調画像の顔領域から抽出された特徴量が不審者用のテンプレートと一致したとき、認証部10からシステム制御盤Gへ不審者であることを通知するようにしてもよい。
本発明の実施形態を示すブロック図である。 (a)〜(d)は同上の動作説明図である。 同上を用いた集合住宅用セキュリティシステムのシステム構成図である。
符号の説明
1 発光部(変調光照射手段)
2 露光量制御部(露光量調整手段)
3 撮像部(撮像手段)
4 画像メモリ
5 演算部(光変調画像生成手段)
6 解析部(解析手段)
7 照合部(照合手段)
8 撮像対象解析部(撮像対象解析手段)
9 認証対象判定部(認証対象判定手段)
10 認証部(認証手段)
11 テンプレートデータベース

Claims (8)

  1. 一定周期で明滅する変調光を対象空間に照射する変調光照射手段と、複数の画素が縦横に配置され、対象空間から入射する光を各画素で受光するとともに受光光量に応じたレベルを画素値とする画像を出力する撮像手段と、変調光照射手段が変調光を照射しているときに撮像手段から出力する発光時の画像と変調光照射手段が変調光を照射していないときに撮像手段から出力する非発光時の画像との差分を画素値とする光変調画像を生成する光変調画像生成手段と、発光時画像又は非発光時画像又は光変調画像の少なくとも何れかを解析する解析手段と、解析手段の解析結果に基づいて撮像手段の露光量を調整する露光量調整手段と、発光時画像又は非発光時画像又は光変調画像における撮像対象の状態を解析する撮像対象解析手段と、露光量調整手段による露光量の調整状態並びに撮像対象解析手段で解析される撮像対象の状態の少なくとも何れか一方に応じて当該撮像対象が認証対象に適しているか否かを判定する認証対象判定手段と、光変調画像から対象空間に存在する人物の顔の特徴量を抽出し、当該特徴量を予め登録されているテンプレートと照合して一致/不一致を判断する照合手段と、認証対象判定手段により撮像対象が認証対象に適していると判定され、且つ照合手段により当該撮像対象がテンプレートと一致すると判断されたときに認証可と判定する認証手段とを備えたことを特徴とする顔認証装置。
  2. 撮像対象解析手段は、撮像対象である人物の顔に相当する部分の大きさを発光時画像又は非発光時画像又は光変調画像から抽出し、認証対象判定手段は、露光量調整手段による露光量の調整状態と撮像対象解析手段により抽出された人物の顔に相当する部分の大きさとの関係に基づいて、当該撮像対象が認証対象に適しているか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の顔認証装置。
  3. 撮像対象解析手段は、撮像対象である人物の顔に相当する部分の周辺部分の画素値を光変調画像から抽出し、認証対象判定手段は、撮像対象解析手段により抽出された画素値が所定のしきい値以上である場合には認証対象に適していないと判定することを特徴とする請求項1記載の顔認証装置。
  4. 変調光照射手段は、対象空間に照射する変調光のパターンが可変であって、撮像対象解析手段は、異なるパターンの変調光が照射された状態で生成された複数の光変調画像について、各光変調画像における人物の顔に相当する部分の陰影の状態を抽出し、認証対象判定手段は、撮像対象解析手段により抽出された前記複数の光変調画像の陰影の状態によって当該撮像対象が認証対象に適しているか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の顔認証装置。
  5. 変調光照射手段は、対象空間に照射する変調光のパターンが可変であって、撮像対象解析手段は、異なるパターンの変調光が照射された状態で生成された複数の光変調画像について、各光変調画像における人物の目に相当する部分の画素値を抽出し、認証対象判定手段は、撮像対象解析手段により抽出された前記複数の光変調画像における目に相当する部分の画素値によって当該撮像対象が認証対象に適しているか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の顔認証装置。
  6. 認証対象判定手段は、露光量調整手段によって露光量の調整状態が調整可能範囲内の上限又は下限に調整されている状況が所定時間以上にわたって継続した場合、撮像手段によって撮像されている撮像対象に異常があると判定することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の顔認証装置。
  7. 認証手段は、認証不可と判定した撮像対象を不審者として記憶し、同一の撮像対象を認証不可と判定した回数が所定回数以上となったときに報知することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の顔認証装置。
  8. 認証手段は、認証不可と判定した撮像対象を不審者として登録するとともに、認証不可と判定した撮像対象の特徴点を前記登録された不審者の特徴点と照合し、両者が一致した場合に報知することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の顔認証装置。
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