JP2009186202A - センサー装置と標的物質検出法 - Google Patents

センサー装置と標的物質検出法 Download PDF

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Junko Wakai
純子 若井
Fumihisa Kitawaki
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Abstract

【課題】本発明においては、サンドイッチ反応をラテックス凝集反応に応用する方法において、異なる抗体担時粒子間での粒子ペアを作成することができるセンサー装置、及びセンサー装置を用いた標的物質検出法を提供する。
【課題手段】サンドイッチ反応をラテックス凝集反応に応用する方法において、異なる抗体担時粒子を含む2液以上の層状をなして流れる層流に対して、交流電圧印加による誘電泳動の発生、あるいは磁性を発生させることにより、層流の界面において異なる抗体担時粒子の凝集を形成させる。このことにより、異なる抗体担時粒子のペアを作ることを可能とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、液体試料中の特定物質の分析、特に免疫学的反応を用いた分析装置に関する。
医療などの分野において、生体中の特定物質の存在及びその量を分析することは有益である。中でも、分析対象物質に特異的に反応する抗体を用いた免疫学的分析法は最もよく用いられる方法の一つである。免疫学的分析法には、反応の検出方法により様々な測定法が存在する。例えば、標識物質を抗体に連結させた試薬を用い抗原抗体反応が生じたかどうかを標識物質により検知する標識免疫測定法が知られている。本方法は、標識物質に酵素、蛍光物質、放射性同位体を用いた方法が知られている。これらはそれぞれ、酵素免疫測定法、蛍光物質標識免疫測定法、放射線免疫測定法と呼ばれている。また、抗体を担持させた粒子状試薬を用い、抗原抗体反応が生じたかどうかを粒子状試薬の凝集状態により検知する、凝集反応に基づく免疫測定法が知られている。この代表的なものとしてラテックス粒子を用いるラテックス凝集法等がある。
標識免疫測定法は高精度の分析が可能であるが、用いる試薬が不安定であることや、測定時間が比較的長いという問題がある。一方、凝集反応にもとづく免疫測定法であるラテックス凝集法は、分析精度はあまり高くないものの、測定時間が比較的短いという利点を有している。
ラテックス凝集法は次のように行われる。まず、分析対象物質に特異的に反応する抗体をラテックス粒子に担持(固定)する。当該ラテックス粒子と試料を反応させ、試料中に含まれる分析対象物質とラテックス粒子に担持された抗体を反応させる(抗原抗体反応)。当該反応の進行に従いラテックス粒子は凝集するので、その凝集塊を光学的に検出して分析対象物の濃度を測定する。
この方法における測定精度・測定時間は、用いるラテックス粒子の粒子径により異なる。ラテックス粒子径が大きければ測定精度は高くなるが、測定時間が長くなる。粒子径が小さければ測定精度は低くなるが、測定時間が短くなる。通常、当該方法で用いられるラテックス粒子の粒子径は数百nmであり、測定可能な領域はnM程度である。
ラテックス凝集法はいくつかの改良方法が報告されている。特許文献1には、ラテックス粒子の代わりに粒径200Å〜2μmの磁性粒子を用い、試料液中で粒子が凝集する際に外部磁場を適用して凝集を促進させる方法が開示されている。この方法によれば測定は10分程度で行うことができる。
特許文献2には粒径0.5μm〜10μmのラテックス粒子を用い、試料液に交流電圧を印加して電場をかけることにより、粒子を一直線上に並べる方法が開示されている。この方法によれば1分で全粒子の90%を凝集させることが可能である。
ラテックス凝集法、及び特許文献1あるいは特許文献2で示したラテックス凝集改良法は、抗原提示部を複数有する多価抗原に対して非常に有効である。しかし、抗原提示部が1つしかない低分子化合物の場合には、新たな工夫が必要となる。一般的に、低分子化合物を測定する場合、競合法や、サンドイッチ法が用いられている。特にサンドイッチ法は同一抗原に対して異なる抗原性提示部を認識する2種類の抗体を用い、抗原を挟み込むように2種類の抗体を結合させるため、感度・特異性の面から優位である。
特開昭62−287159号公報 特開平7−83928号公報
しかしながら前記従来の構成では、サンドイッチ反応をラテックス凝集反応に応用しようとした場合、2種類の抗体をそれぞれ担持した粒子を用意し、それぞれの抗体担時粒子間でペアを形成する。ペアとなった粒子の間、すなわち粒子表面に担時された抗体間に、それぞれの抗体が結合できる抗原が存在すれば、抗原を挟み込むように2種類の抗体が結合し、この抗原抗体反応により粒子間は結合したように観察されるはずである。しかし、試料中に異なる抗体を担持した粒子が分散された状態で、これら異なる抗体を担時した粒子間でペアを作ることは、粒子1個1個の動作制御ができない限り困難である。また、同一抗体を担時した粒子間でのペアができた場合、抗原抗体反応による粒子の結合は起こらないため、感度低下が引き起こされてしまう。如何にして2種の抗体を担時した粒子間でのペアを多く作るかが、サンドイッチ反応をラテックス凝集反応に応用する際の、感度向上のための大きな課題である。
本発明は前記従来の課題を解決するためのもので、サンドイッチ反応をラテックス凝集反応に応用する場合に、異なる抗体担時粒子間での粒子ペアを作成することができるセンサー装置、及びセンサー装置を用いた標的物質検出法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、微小流路に2液を導入した場合、流体が混合せずに層状をなして流れる層流に着目し、本発明を完成させた。すなわち、前記課題は、以下の本発明のセンサー装置、及びセンサー装置を用いた標的物質検出法により解決される。
本発明のセンサー装置はは、少なくとも2つの試料点着口と、前記点着口のそれぞれから前記点着口とは異なる一端に伸びる試料流路と
前記試料流路の前記点着口とは異なる一端に連結された層流形成流路とからなり、
前記層流形成流路の試料流路の連結された一端とは異なる他端に、試料排出口が設けられ、
前記試料流路あるいは前記層流形成流路の一部に送液手段を備えたセンサー装置であり、
前記層流形成流路の一部に試料流れ方向とは異なる方向より、非接触性試料誘導力を付加する手段と、
前記非接触性試料誘導力の及ばない前記層流形成流路に、試料観察手段を有することを特徴とする、検体中標的物質を検出する。本構成により反応時の感度が向上する。
また、本発明による検体中標的物質を検出する方法は、少なくとも2つの試料点着口と、前記点着口のそれぞれから前記点着口とは異なる一端に伸びる試料流路と
前記試料流路の前記点着口とは異なる一端に連結された層流形成流路とからなり、
前記層流形成流路の試料流路の連結された一端とは異なる他端に、試料排出口が設けられ、
前記試料流路あるいは前記層流形成流路の一部に送液手段を備えたセンサー装置であり、
前記層流形成流路の一部に試料流れ方向とは異なる方向より、非接触性試料誘導力を付加する手段と、
前記非接触性試料誘導力の及ばない前記層流形成流路に、試料観察手段を有することを特徴とする、検体中標的物質を検出するセンサー装置において、
a)検体と少なくとも2種の前記親和性分子が担持された不溶性担体を含む分析試薬とをそれぞれ混合し、前記試料を調整する工程
b)前記試料を前記試料点着口に点着する工程
c)前記試料を送液手段により試料流路から層流形成流路へと送液し、層流を形成する工程
d)前記層流形成流路の一部に試料流れ方向とは異なる方向より、前記非接触性試料誘導力を付加する工程
e)前記非接触性資料誘導力の付加を停止し、前記試料観察手段により、生体親和性分子が担持された不溶性担体の分布を計測する工程
からなる標的物質検出法である。
本発明は、サンドイッチ反応をラテックス凝集反応に応用する方法において、異なる抗体担時粒子を含む2液以上の層状をなして流れる層流に対して、交流電圧印加による誘電泳動の発生、あるいは磁性を発生させることにより、層流の界面において異なる抗体担時粒子の凝集を形成させる。このことにより、異なる抗体担時粒子のペアを作ることを可能とするものである。
以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明のセンサー装置の第一の態様を示す分解斜視図である。本発明のセンサー装置は、センサーチップ111と、センサーチップ111に連結されたポンプ、光学検出手段16、交流電圧印加装置17からなる。センサーチップ111は、上カバー1、スペーサー2、下基盤3からなり、上カバー1と下基盤3との間は、スペーサー2により中空構造となり、試料流路13と層流形成流路14が形成されている。試料流路13のポンプと連結された箇所には開閉式の試料点着口11が形成され、層流形成流路14の試料流路13と連結されていない他端には試料排出口12が形成されている。下基盤3には、少なくとも1つの平行電極が設けられ、交流電圧印加装置17が連結されている。
以下に図面を参照し本発明について詳細に説明する。
前記の通り、本発明のセンサー装置に含まれるセンサーチップは中空構造、すなわち試料を充填するための空間を有する。センサーチップは単に「チップ」とも呼ばれる。チップの形状には制限はないが、直方体であることが好ましい。
当該空間の内部には少なくとも2つの試料流路と、少なくとも1つの層流形成流路が形成されている。試料流路の数を増減することで、層流の液層数を調整することも可能である。空間の形状は制限されないが、例えば直方体であることが好ましい。当該空間への試料の充填はポンプ圧によって行われ、ポンプの種類に制限はない。当該空間の内壁を形成する材料は、PET(ポリエチレンテレフタレート)やポリカーボネート等のポリマーフィルム、ガラスなどを用いることができる。上記材料は、より良くは表面性質が親水性であればよく、界面活性剤で処理されていてもよい。界面活性剤には公知のものが用いられる。本発明のセンサーチップの光学検出領域は、内部空間に存在する粒子像を顕微鏡で観察できる程度に透明性の高いものを用いる。また、スペーサーは、接着剤、光硬化樹脂などを用いて形成することができ、その材質による制限はない。平行電極の作製は、スパッタリングや蒸着を用いることができ、電極素材には、金や銀などを用いることができる。
センサーチップ内の該流路へ、試料を挿入する手段として、試料点着口がセンサーチップの内部空間の外壁部分、あるいはポンプとの連結の途中に形成される必要があるが、その場所に関しては制限はない。また、試料を排出する手段として、試料排出口が層流形成流路の下流側に形成されなければならないが、その場所に関してはさらに下流に排出装置を設置することでも実現することができ、制限はない。
本発明のセンサーチップの分析対象は液体試料であり、より詳しくは液体試料中に存在する特定物質である。液体試料は特に限定されないが、その例には生体から採取した血液等が含まれる。一般に、流路を流れる液体は、レイノルズ数2000程度以下で、層流となると知られている。したがって、下記式に従い、流速及び層流形成流路長さを設定すればよい。
Re= U・L / (μ/ρ)
U:特性速度(m/s)
L:特性長さ(m)
μ:粘度又は粘性係数(Pa・s)
ρ:密度(Kg/m^3)
仮に血液検体を用いる場合、全血粘度は約4cp、密度は約1.05であり(参考資料「臨床検査法提要 改訂第32版」金原出版株式会社)、上記式よりUL=8.4を満たす条件を設定することができる。
本発明のセンサーチップの分析対象である液体試料には、不溶性担体を分析試薬として混合して用いる。不溶性担体(単に「担体粒子」「粒子」ともいう。)には、市販の生化学用ビーズを用いることができるが、好ましくはラテックスである。粒子の直径に関しては、光学検出手段により粒子を観察できる径であればよく、好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは1〜3μmである。粒子表面には、液体試料中の特定成分に特異的に結合する物質が担持されている。
「液体試料中の特定成分に特異的に結合する物質」とは、液体試料中の特定成分(分析対象物)の特定部位を認識して当該部位に結合できる物質をいう。このような物質の例には抗体、抗原、受容体、酵素、核酸、ペプチドなどの生体高分子が含まれる。本発明においては、「液体試料中の特定成分に特異的に結合する物質」は「抗体」であることが好ましい。抗体には公知のものを用いることができる。その例には抗アルブミン抗体、抗HCG抗体、抗IgA抗体、抗IgM抗体、抗IgE抗体、抗IgD抗体、抗AFP抗体、抗DNT抗体、抗プロスタグランジン抗体、抗ヒト凝固ファクター抗体、抗CRP抗体、抗HBs抗体、抗ヒト成長ホルモン抗体、抗ステロイドホルモン抗体等が含まれる。抗原の例にはアルブミン、HCG、IgA、IgM、IgE、IgD、AFP、DNT、プロスタグランジン、ヒト凝固ファクター、CRP、HBs、ヒト成長ホルモン、ステロイドホルモン等が含まれる。
「粒子表面に粒子に液体試料中の特定成分に特異的に結合する物質を担持する」とは、粒子表面に化学的あるいは物理的に前記物質を結合させることをいう。例えば、前記物質と粒子を、シランカップリング剤等を用いて化学的に結合して得ることができる。
本粒子を含む分析試薬は、「液体試料中の特定成分に特異的に結合する物質」の保存性を高めるために他の試薬を含んでいてもよい。このような試薬の例には糖類等が含まれる。また、本粒子を含む分析試薬には、測定に適した条件に調節するための緩衝液成分を含んでいても良い。
次に本発明の実施の形態1によるセンサーチップを用いた、検体中標的物質を検出する方法を述べる。また、図5は本発明のセンサーチップ内の担体粒子の模式図を示し、図6はセンサーチップ内の担体粒子挙動の模式図である。
検体試料を少なくとも2種の先述の担体粒子を含む分析試薬とそれぞれ混合し、2種の試料混合物を調整する。この試料混合物をセンサーチップの試料点着口それぞれに点着し、ポンプ圧により送液し、層流形成流路にてそれぞれの液流れを保ったまま、層流を形成させる。この層流流路内の平行電極に交流電圧を印加、含有される担体粒子を誘電泳動力により直列させると粒子の会合体が形成される(図5中の1(図面では丸1と表示)と2(図面では丸2と表示)、非接触性誌領有動力の範囲を参照)。前記会合体はポンプ圧によりさらに送液され、図5中の1(図面では丸1と表示)と2(図面では丸2と表示)、光学検出領域に達する(図5中の1(図面では丸1と表示)と2(図面では丸2と表示)、光学検出領域の範囲を参照)。光学検出領域は誘電泳動力の働かない場であり、粒子動態はブラウン運動に支配される。この光学検出領域における粒子動態から、検体中の標的物質を検出するシグナルを得る。
さらに具体的に検体標識物質の検出手段に関して説明する。担体粒子表面には標的物質に対し、異なるエピトープを認識する2種の抗体が担時されている。図5中のA抗体35、B抗体36である。A抗体担時粒子33とB抗体担時粒子34は、標的物質である抗原37を介し、静電的相互作用、水素結合、ファンデルワールス力、疎水的相互作用などの相互作用により、サンドイッチ結合粒子体38をとることができる。一方、標的物質である抗原37が存在しなければ、A抗体担時粒子33とB抗体担時粒子34は相互に作用を持たず、非サンドイッチ結合粒子体39となる。サンドイッチ結合粒子体38となった粒子は、誘電泳動力の働かない場(図5中の2(図面では丸2と表示)、光学検出領域)においてもその形状を保ち、一方、非サンドイッチ結合粒子体39は誘電泳動力の働かない場(図5中の1(図面では丸1と表示)、光学検出領域)では会合が解消される。誘電泳動力の働かない場において、粒子の結合体数を計測することで、ひいては検体中の標的物質濃度を計測する。本発明において、標的物質は抗体に対する抗原である。
層流形成流路内に2つの層流のみを形成させた場合、サンドイッチ結合粒子体38は、層流界面でのみ形成される。したがって、層流形成流路の外壁側には非サンドイッチ結合粒子体39が存在することになる。層流界面での粒子の結合体数により検体中の標的物質濃度を計測する一方で、外壁側での粒子の結合体数をバックグランドとすることで、S/N比を向上することもできる。
(実施の形態2)
図2は、本発明のセンサー装置の第二の態様を示す分解斜視図である。図1の分解斜視図により構成されるセンサーチップとほぼ同一である。センサーチップと、センサーチップ111に連結されたポンプ、光学検出手段16、交流電圧印加装置17からなる。センサーチップ111は、上カバー1、スペーサー2、下基盤3からなり、上カバー1と下基盤3との間は、スペーサー2により中空構造となり、試料流路13と層流形成流路14が形成されている。試料流路13のポンプと連結された箇所には試料点着口11が形成され、層流形成流路14の試料流路13と連結されていない他端には試料排出口12が形成されている。センサーチップ111内の層流形成流路14の垂直方向に磁場が形成されるように磁性発生装置が設置されている。
本発明のセンサーチップの分析対象である液体試料には、不溶性担体を分析試薬として混合して用いる。不溶性担体(単に「担体粒子」「粒子」ともいう。)には、市販の生化学用磁気ビーズを用いることができる。粒子の直径に関しては、光学検出手段により粒子を観察できる径であればよく、好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは1〜3μmである。粒子表面には、液体試料中の特定成分に特異的に結合する物質が担持されている。
次に本発明の実施の形態1によるセンサーチップを用いた、検体中標的物質を検出する方法を述べる。
検体試料を少なくとも2種の先述の磁気粒子を含む分析試薬とそれぞれ混合し、2種の試料混合物を調整する。この試料混合物をセンサーチップの試料点着口それぞれに点着し、ポンプ圧により送液し、層流形成流路にてそれぞれの液流れを保ったまま、層流を形成させる。この層流流路内の磁気発生装置により、含有される磁気粒子を磁力により整列させると粒子の会合体が形成される(図5中の1(図面では丸1と表示)と2(図面では丸2と表示)、非接触性誌領有動力の範囲を参照)。
前記会合体はポンプ圧によりさらに送液され、図5中の1(図面では丸1と表示)と2(図面では丸2と表示)、光学検出領域に達する(図5中の1(図面では丸1と表示)と2(図面では丸2と表示)、光学検出領域の範囲を参照)。光学検出領域は磁力の働かない場であり、粒子動態はブラウン運動に支配される。この光学検出領域における粒子動態から、検体中の標的物質を検出するシグナルを得る。
具体的な検体標識物質の検出手段は、実施の形態1と同様である。
(実施の形態3)
図3は、本発明のセンサー装置の第3の様態を示す分解斜視図である。図1の分解斜視図により構成されるセンサーチップとほぼ同一であるため、違いのみを以下に記載する。
本発明のセンサー装置は、センサーチップ111と、センサーチップ111に連結されたポンプ、光学検出手段16、交流電圧印加装置17からなる。センサーチップ111は、上カバー1、スペーサー2、下基盤3からなり、上カバー1と下基盤3との間は、スペーサー2により中空構造となり、試料流路13と層流形成流路14が形成されている。試料流路13のポンプと連結された箇所には試料点着口11が形成され、試料流路内の試料点着口と層流形成流路との間に分析試薬設置部31が設けられており、前記分析試薬設置部31には分析試薬32が設置されている。分析試薬32は実施の形態1で述べたように、保存性を高める他の試薬、例えば糖類や、測定に適した条件に調節するための緩衝液成分を含んでおり、好ましくは乾燥状態にある。これにより分析試薬の保存安定性を高めることもできるからである。
次に本発明の実施の形態3によるセンサーチップを用いた、検体中標的物質を検出する方法を述べる。
検体試料をセンサーチップの試料点着口のそれぞれに点着する。ポンプ圧によりこれを送液し、分析試薬設置部で検体試料により分析試薬を溶解し、検体試薬と分析試薬の混合物を調整する。この混合物をポンプ圧でさらに層流形成流路に送り、それぞれの液流れを保ったまま、層流を形成させる。その後、層流形成後の操作に関しては、実施の形態1と同様である。
(実施の形態4)
図4は、本発明のセンサー装置の第4の様態を示す分解斜視図である。図2の分解斜視図により構成されるセンサーチップとほぼ同一であるため、違いのみを以下に記載する。
本発明のセンサー装置は、センサーチップ111と、センサーチップ111に連結されたポンプ、光学検出手段16、交流電圧印加装置17からなる。センサーチップ111は、上カバー1、スペーサー2、下基盤3からなり、上カバー1と下基盤3との間は、スペーサー2により中空構造となり、試料流路13と層流形成流路14が形成されている。試料流路13のポンプと連結された箇所には試料点着口11が形成され、試料流路内の試料点着口と層流形成流路との間に分析試薬設置部31が設けられており、前記分析試薬設置部31には分析試薬32が設置されている。分析試薬32は実施の形態1で述べたように、保存性を高める他の試薬、例えば糖類や、測定に適した条件に調節するための緩衝液成分を含んでおり、好ましくは乾燥状態にある。これにより分析試薬の保存安定性を高めることもできるからである。
次に本発明の実施の形態4によるセンサーチップを用いた、検体中標的物質を検出する方法を述べる。
検体試料をセンサーチップの試料点着口のそれぞれに点着する。ポンプ圧によりこれを送液し、分析試薬設置部で検体試料により分析試薬を溶解し、検体試薬と分析試薬の混合物を調整する。この混合物をポンプ圧でさらに層流形成流路に送り、それぞれの液流れを保ったまま、層流を形成させる。その後の、層流形成後の操作に関しては、実施の形態2と同様である。
本発明は、サンドイッチ反応をラテックス凝集反応に応用する方法において、異なる抗体担時粒子を含む2液以上の層状をなして流れる層流に対して、交流電圧印加による誘電泳動の発生、あるいは磁性を発生させることにより、層流の界面において異なる抗体担時粒子の凝集を形成させる。このことにより、異なる抗体担時粒子のペアを作ることを可能とするものであり、液体試料中の特定物質の分析、特に免疫学的反応を用いた分析装置等に有用である。
本発明のセンサー装置の第一の態様を示す分解斜視図 本発明のセンサー装置の第二の態様を示す分解斜視図 本発明のセンサー装置の第三の態様を示す分解斜視図 本発明のセンサー装置の第四の態様を示す分解斜視図 本発明のセンサーチップ内の担体粒子の模式図 本発明のセンサーチップ内の担体粒子挙動の模式図
符号の説明
1 上カバー
2 スペーサー
3 下基盤
11 試料点着口
12 試料排出口
13 試料流路
14 層流形成流路
15 ポンプ
16 光学検出手段
17 交流電圧印加装置
18 平行電極
19 磁界発生装置
20 磁力線
26 光学検出領域
31 分析試薬設置部
32 分析試薬
33 A抗体担時粒子
34 B抗体担時粒子
35 A抗体
36 B抗体
37 抗原
38 サンドイッチ結合粒子体
39 非サンドイッチ結合粒子体
111 センサーチップ
112 センサー装置

Claims (12)

  1. 少なくとも2つの試料点着口と、前記試料点着口のそれぞれから前記点着口とは異なる一端に伸びる試料流路と
    前記試料流路の前記点着口とは異なる一端に連結された層流形成流路とからなり、
    前記層流形成流路の試料流路の連結された一端とは異なる他端に、試料排出口が設けられ、
    前記試料流路あるいは前記層流形成流路の一部に送液手段を備え、
    前記層流形成流路の一部に試料流れ方向とは異なる方向より、非接触性試料誘導力を付加する手段と、
    前記非接触性試料誘導力の及ばない前記層流形成流路に、試料観察手段を有することを特徴とするセンサー装置。
  2. 少なくとも2種類の生体親和性分子が担持された不溶性担体をそれぞれ前記試薬点着口より点着することを特徴とする請求項1記載のセンサー装置。
  3. 前記生体親和性分子が抗体であることを特徴とする、検体中標的物質を検出する請求項1記載のセンサー装置。
  4. 前記生体親和性分子が、同一の検体中標的物質に対し、異なる抗原認識部位を有する抗体組であることを特徴とする、請求項1記載のセンサー装置。
  5. 前記生体親和性分子が核酸であることを特徴とする、請求項1記載のセンサー装置。
  6. 前記層流形成流路を構成する空間内に、少なくとも1対の平行電極と
    交流電圧印加装置を含む請求項1記載のセンサー装置。
  7. 前記不溶性担体が磁性粒子であることを特徴とする、請求項1記載のセンサー装置。
  8. 前記層流形成流路近傍に、磁界発生装置を含む、請求項1記載のセンサー装置。
  9. 前記試料観察手段が、光学手段によることを特徴とする、請求項1記載のセンサー装置。
  10. 前記試料点着口にガイド電極が備えられていることを特徴とする、請求項1記載のセンサー装置。
  11. 少なくとも2つの試料点着口と、前記点着口のそれぞれから前記点着口とは異なる一端に伸びる試料流路内部に、生体親和性分子が担持された不溶性担体を含む分析試薬設置部が形成され、前記分析試薬が設置されていることを特徴とする、請求項1記載のセンサー装置。
  12. 請求項1記載のセンサー装置により、検体中標的物質を検出する方法であって、
    a)検体と少なくとも2種の前記親和性分子が担持された不溶性担体を含む分析試薬とをそれぞれ混合し、前記試料を調整する工程
    b)前記試料を前記試料点着口に点着する工程
    c)前記試料を送液手段により試料流路から層流形成流路へと送液し、層流を形成する工程
    d)前記層流形成流路の一部に試料流れ方向とは異なる方向より、前記非接触性試料誘導力を付加する工程
    e)前記非接触性資料誘導力の付加を停止し、前記試料観察手段により、生体親和性分子が担持された不溶性担体の分布を計測する工程、
    有することを特徴とする標的物質検出法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018173429A (ja) * 2018-08-20 2018-11-08 積水メディカル株式会社 ラテックス免疫凝集法における測定誤差低減方法

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