JP2009186001A - 動力正逆転変換装置あるいはそれを備えた人力移動装置あるいはロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメント - Google Patents

動力正逆転変換装置あるいはそれを備えた人力移動装置あるいはロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメント Download PDF

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Abstract

【課題】ペダルクランクなどを回転・揺動させることにより発生する動力を非常に効率良く連続回転動力に変換可能な動力正逆転変換装置あるいはそれを備えた人力移動装置を提供する。
【解決手段】回転動力入力軸と;回転動力入力軸に連結の回転方向Aへのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントAと;回転動力入力軸に連結の回転方向Bへのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントBと;一方向クラッチエレメントAに連結の回転方向Aへのみ動力伝達されるリング歯車と、一方向クラッチエレメントBに連結の回転方向Bへのみ動力伝達されるサン歯車と、任意の時に回転が制動される遊星キャリアと、遊星キャリアに軸支された遊星歯車から構成された遊星歯車機構;から構成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、足漕ぎペダルや手漕ぎレバーなどのクランク機構などを経由して伝達された人力を非常に効率良く回転する動力に変換可能な動力正逆転変換装置、あるいは該動力正逆転変換装置を備えた、正転方向と逆転方向のどちらに漕いでも前進可能な自転車などの人力移動装置に関する。
あるいは該動力正逆転変換装置に欠かせないロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントに関する。
周知の人力乗り物、例えば足で漕いで前進する自転車においては、足により足漕ぎペダルを踏むことによりクランクが回転され、その回転力が後輪に伝達されて自転車は前進するものである。
しかしながら、周知の自転車においては、足漕ぎペダルの位置が路面から最も高い位置に在る場合と、同じく最も低い位置に在る場合においては、自転車の乗り手の足踏み力はクランクの回転力に十分に変換されず、すなわち、足漕ぎペダルの位置が路面から最も高い位置に在る場合と同じく最も低い位置に在る場合においては足踏み力の伝達変換効率が非常に悪いことが周知である。
言葉を変えて言えば、足漕ぎペダルの位置が最も上に在る(路面から最も高い位置に在る)場合と最も下に在る(路面から最も低い位置に在る)場合においては「自転車を漕ぐのに疲れる」ということが周知である。
一方、足漕ぎペダルの位置について、足漕ぎペダルとクランクの回転軸とを結ぶ線が路面と平行な位置に在る場合においては、足踏み力の伝達変換効率が非常に良いことが周知である。
言葉を変えて言えば、足漕ぎペダルが水平位置に在る(足漕ぎペダルとクランクの回転軸とを結ぶ線が路面と平行な位置に在る)場合においては「自転車を漕ぐのが楽」ということが周知である。
以上に述べた様な、足漕ぎペダル及びクランクが位置する角度の如何により、「自転車を漕ぐのに疲れる」あるいは「自転車を漕ぐのが楽」と変化する現象は、周知の自転車に限らず、足または手によりクランクを回転させて動力を入力する機構を備えたすべての人力乗り物と、筋力強化を行うためのフィットネスバイクなどのトレーニング器械などに共通して見られる現象である。
このような、足漕ぎペダルなどが装着されたクランクに加えられる漕ぎ動作力の伝達効率の悪さについて、該伝達効率を向上させる目的で、すなわち自転車を漕ぐ動作の効率を向上させる目的で提案された装置としては、以下に記載の装置を一例として挙げることができる。
先ず、特許公開平11−79050号公報に開示された自転車を挙げることができる。
かかる自転車は、てこ部材であるペダルアーム30Aをローラ32Aによってその支点で支え、このローラ32Aを案内溝35Aで揺動自在に保持し、歯車26Aの偏心位置に設けたクランクピン28Aをペダルアーム30Aの作用点の位置に結合させ、歯車26Aの回転を後輪12に伝える構成を備えており、而して、チェーンを用いずに高い効率で人間の力を利用できるとともに、従来の自転車に比べて楽に安定な状態で推進力が得られる、としている。
すなわち、かかる自転車においては、周知の自転車が備える、連続回転する足漕ぎペダルクランクと、自転車を前進駆動させる後輪と、該ペダルクランクの回転軸と該後輪の回転軸とを連結するローラーチェーンからなるペダルクランク動力伝達機構が廃止してあり、すなわち、かかる自転車においては、足漕ぎペダルクランクの連続回転を廃止し、代わりに足漕ぎペダルアームの往復揺動運動を直接的に後輪に伝達して連続回転駆動せしめ、而して足踏み力の伝達効率を向上させた状態で自転車を前進駆動させている。
次に、特許公開2003−341584号公報に開示された自転車を挙げることができる。
かかる自転車は、自転車の後方ホイールに対してペダルクランクアセンブリに加えられる漕ぎ動作力の伝達効率を向上させた改良された機械的構造を備え、この構造は漕ぎ動作が死点にあるときに過剰なエネルギー損失を低減させることにより効率を向上させる、としている。
さらに、発明の目的はサイクリング・アクションにおける死点の負の影響を最小化することである。漕ぎ動作の上昇ストローク位置と下降ストローク位置とを共に「死点」と称する。死点における停止及び開始クランキングは、中断や不連続に起因する低速度効率をもたらす、としている。
なお、該機械的構造については、本発明の自転車はサイクリング動作における死点の影響を排除するように前方移動のために後方へ漕ぎ動作させる手段を含む。前方移動のための後方漕ぎ動作が死点の負の影響を効果的に低減する、としている。
すなわち、かかる自転車においては、周知の自転車が備える、連続回転する足漕ぎペダルクランクと、自転車を前進駆動させる後輪と、該ペダルクランクの回転軸と該後輪の回転軸とを連結するローラーチェーンからなるペダルクランク動力伝達機構は備えているものの、かかる自転車においては、足漕ぎペダルクランクの回転方向において周知の自転車の回転方向とは逆方向に回転せしめ、而して足踏み力の伝達効率を向上させた状態で自転車を前進駆動させている。
特許公開平11−79050号公報 特許公開2003−341584号公報
上述した特許公開平11−79050号公報に開示された自転車においては次の通りの解決すべき問題が存在する。
すなわち、かかる自転車は、足踏み力の伝達効率を向上させた状態で自転車を前進駆動させる点では優れているが、永年に渡って周知の自転車の形状に対する消費者の愛着は根強いものと思われ、而して連続回転が可能な足漕ぎペダルクランクを廃止するのは、自転車の販売高を増大させるといった産業戦略上においては問題があると思われる。
次に、特許公開2003−341584号公報に開示された自転車においては次の通りの解決すべき問題が存在する。
すなわち、かかる自転車は、足踏み力の伝達効率を向上させた状態で自転車を前進駆動させる点では優れているが、永年に渡って周知の自転車の運動態様に対する消費者の愛着は根強いものと思われ、すなわち、かかる自転車において、足漕ぎペダルクランクの回転方向において、常時、周知の自転車の回転方向とは逆方向に回転せしめるのは、自転車の販売高を増大させるといった産業戦略上においては問題があると思われる。
従って、本発明の技術的解決課題は次のとおりである。
周知の自転車においては、自転車の乗り手が足漕ぎペダルクランクを漕いで回転せしめる時に、該足踏み動力の駆動車輪への伝達が非効率になる「死点」と称されるペダルの位置が存在する。すなわち、足漕ぎペダルクランク機構においては、漕ぎ動作の上昇ストローク位置と下降ストローク位置が「死点」と称されている。
足漕ぎペダルが「死点」の位置にあると、例えば自転車が急な上り坂にさしかかった際に、自転車の乗り手に要求される自転車を前進させるための足踏み力は大変大きなものになり、而して自転車の乗り手は疲れることになる。
本発明の主要な課題は、周知の自転車が備える機能や形状や運動態様を出来るだけ変更することなく、自転車を漕いでいる際の任意の時において、足漕ぎペダルクランクの漕ぎ動作の際の死点の負の影響を排除することにより足の動力を効率的に回転動力に変換し、而して自転車の乗り手の疲労を低減することである。
上記の主要な課題を解決するためには、周知の自転車が備える足漕ぎペダルクランクを前漕ぎして自転車を前進させる機能に付け加えて、後ろ漕ぎでも前進できる機能を追加することが肝要である。
以下、本発明の課題を具体的に記載する。
本発明の第1の課題は、例えば自転車が急な上り坂にさしかかった際に、足漕ぎペダルが「死点」の位置に決してならない状態で自転車を漕ぐことが可能で、而して従来の自転車と比較して上り坂で漕ぐのが楽な自転車を提供することである。
本発明の第2の課題は、本発明の第1の課題にて要求された自転車の機能に付け加えて、自転車が平坦地を走行している場合においては、従来の自転車と同様の漕ぎ動作にて自転車を漕ぐことが可能な自転車を提供することである。
本発明の第3の課題は、本発明の第1および第2の課題にて要求された自転車の機能に付け加えて、自転車の形状および運動態様においても、永年に渡って周知の自転車の形状および運動態様とあまり変わらない自転車を提供することである。
本発明の第4の課題は、本発明の第1および第2の課題にて要求された自転車の機能、および第3の課題にて要求された自転車の形状および運動態様に付け加えて、足漕ぎペダルクランクの連続回転方向において、該足漕ぎペダルクランクが周知の自転車の回転方向と逆方向に連続回転しても前進走行が可能な自転車を提供することである。
なお、自転車の足漕ぎペダルクランクが周知の自転車の回転方向と同方向に連続回転しても且つ逆方向に連続回転しても、両回転方向共に自転車の前進走行が可能である効用について述べると、足漕ぎペダルクランクの正回転時と逆回転時とで自転車の乗り手の使用される筋力の部位が異なるためにフィットネス効果が優れている。
本発明の第5の課題は、自転車を押して後進させる場合でも車輪がロックされることが無く、周知の自転車と全く同様の機能を備えた自転車を提供することである。
上記の技術的解決課題を達成するために、本発明によれば、特許請求の範囲の請求項1に記載されているように、
回転動力入力軸と;
該回転動力入力軸に連結された一方向クラッチエレメントにおいて、任意の回転方向である回転方向Aへのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントAと;
該回転動力入力軸に連結された一方向クラッチエレメントにおいて、該一方向クラッチエレメントAと逆方向の回転方向である回転方向Bへのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントBと;
該一方向クラッチエレメントAに連結されて回転方向Aへのみ動力伝達されるリング歯車と、該一方向クラッチエレメントBに連結されて回転方向Bへのみ動力伝達されるサン歯車と、少なくとも回転方向Bへは回転しないように配置された遊星キャリアと、該遊星キャリアに軸支された複数個の遊星歯車から構成された遊星歯車機構;
から構成されたことを特徴とする、動力正逆転変換装置あるいはそれを備えた人力移動装置が提供される。
また、特許請求の範囲の請求項2に記載されているように、
回転動力入力軸と;
該回転動力入力軸に連結された一方向クラッチエレメントにおいて、任意の回転方向である回転方向Aへのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントAと;
該回転動力入力軸に連結された一方向クラッチエレメントにおいて、該一方向クラッチエレメントAと逆方向の回転方向である回転方向Bへのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントBと;
該一方向クラッチエレメントAに連結されて回転方向Aへのみ動力伝達されるリング歯車と、該一方向クラッチエレメントBに連結されて回転方向Bへのみ動力伝達されるサン歯車と、該回転動力入力軸を軸心として回転自在に配置された遊星キャリアと、該遊星キャリアに軸支された複数個の遊星歯車から構成された遊星歯車機構と;
任意の時に該遊星キャリアの回転を制動するための遊星キャリア制動機構;
から構成されたことを特徴とする、動力正逆転変換装置あるいはそれを備えた人力移動装置が提供される。
また、特許請求の範囲の請求項3に記載されているように、
該遊星キャリア制動機構は、ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントCから構成されており、
該一方向クラッチエレメントCは、該回転動力入力軸を軸心とし、該一方向クラッチエレメントCのロック解除部材は該リング歯車と連結されており、該一方向クラッチエレメントCの駆動部材は該遊星キャリアと連結されており、少なくとも以上のように構成された該遊星キャリア制動機構において;
該リング歯車が回転方向Aへ回転すれば、該一方向クラッチエレメントCの駆動部材と該遊星キャリアの回転方向Bへの回転は阻止され(ロックされ)、該リング歯車が回転方向Bへ回転すれば、該一方向クラッチエレメントCの駆動部材と該遊星キャリアの回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される);
以上のように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の装置が提供される。
また、特許請求の範囲の請求項4に記載されているように、
ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントCの構成において、
該一方向クラッチエレメントCは、ロック解除部材でもある外輪部材と、駆動部材でもある内輪部材と、該外輪部材と該内輪部材との間の空隙に配置された複数のロック部材と、該ロック部材を回転自在に軸支する複数の軸と、該軸を保持するロック部材軸固定部材から少なくとも構成されており;
該ロック部材は、その回転の中心軸であるロック部材軸心と、該外輪部材に接触する外輪接触点と、該内輪部材に接触する内輪接触点とを備えており、該外輪接触点と該内輪接触点の配置について、該外輪接触点と該内輪接触点は、該一方向クラッチエレメントCの軸心と該ロック部材軸心とを結ぶ線を境界線とした場合において、該境界線から回転方向Aの方向を見た領域に配置されている;
以上のように構成された該一方向クラッチエレメントCにおいて;
該内輪部材が回転方向Bへ回転すれば該内輪部材は該内輪接触点にてロックされ、該外輪部材が回転方向Aへ回転すれば該ロックはそのままの状態で維持され、
該外輪部材が回転方向Bへ回転すれば、該外輪部材は該外輪接触点を回転方向Bの方向へ移動させるので該内輪接触点を該内輪部材から離反させ、而して該内輪部材の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される);
以上のように構成されたことを特徴とする請求項3に記載の装置が提供される。
また、特許請求の範囲の請求項5に記載されているように、
ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントCのロック部材の構成において、
該ロック部材の軸穴は長円形の形状を成し、図10において、該長円形の中心線と該一方向クラッチエレメントCの軸心との距離は、回転方向Bの方向へ進むにしたがって小さくなっている;
以上のように構成された該一方向クラッチエレメントCにおいて;
該内輪部材が回転方向Bへ回転すれば、該ロック部材が回転方向Bの方向へ移動した後に該内輪部材は該内輪接触点にてロックされ、且つ該ロック部材と該外輪部材との噛合いが解消され、
該内輪部材の回転方向Bへの回転力が維持された状態において、該外輪部材が回転方向Aへ回転すれば該ロックはそのままの状態で維持され、
該内輪部材の回転方向Bへの回転力が解消されると、該ロック部材が回転方向Aの方向へ移動した後に該ロック部材と該外輪部材との噛合いが開始され、
続いて該外輪部材が回転方向Bへ回転すれば、
該外輪部材は該外輪接触点を回転方向Bの方向へ移動させるので該内輪接触点を該内輪部材から離反させ、而して該内輪部材の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される);
以上のように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の装置が提供される。
また、特許請求の範囲の請求項6に記載されているように、
ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントCのロック部材の構成において、
該ロック部材は、該ロック部材の軸を軸心として回転し且つ内輪接触点を備えるロック部材Aと、該ロック部材の軸を軸心として回転し且つ外輪接触点を備えるロック部材Bと、該ロック部材Aと該ロック部材Bとが成す角度のうち回転方向Aの方向に対面する角度をより大きくする方向に作用するバネ、により少なくとも構成され、
該ロック部材Aもしくは該ロック部材Bは、該ロック部材Aと該ロック部材Bとが成す角度のうち回転方向Aの方向に対面する角度が任意の角度より大きくなるのを阻止するためのストッパー部材を備えている;
以上のように構成された該一方向クラッチエレメントCにおいて;
該内輪部材が回転方向Bへ回転すれば該内輪部材は該ロック部材Aの作用により該内輪接触点にてロックされ、
該外輪部材が回転方向Aへ回転すれば、該ロックはそのままの状態で維持されるとともに、該ロック部材Bは回転方向Aの方向へ逃げて該外輪部材と噛合うことが無く、而して該外輪部材は該ロックがそのままの状態で回転方向Aへ回転を続け、
該外輪部材が回転方向Bへ回転すれば、該ロック部材Bは該外輪部材と噛合って而して該外輪接触点を回転方向Bの方向へ移動させ、
続いて該ストッパー部材の作用により該ロック部材Aが該ロック部材Bと同じ方向へ回転させられると、該内輪接触点が該内輪部材から離反し、而して該内輪部材の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される);
以上のように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の装置が提供される。
また、特許請求の範囲の請求項7に記載されているように、
該回転動力入力軸の軸心を中心として回転する車輪用ハブシェルに該一方向クラッチエレメントAが連結されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の装置が提供される。
また、特許請求の範囲の請求項8に記載されているように、
該回転動力入力軸に、足漕ぎペダルまたは手漕ぎレバーなどのクランク式動力伝達手段が連結されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の装置が提供される。
また、特許請求の範囲の請求項9に記載されているように、
クランクを任意の一方向に連続的に回転駆動して車両を前進駆動せしめ、あるいはクランクを逆転方向に連続的に回転駆動して装置を前進駆動せしめ、あるいはクランクの、任意の一方向への限定された角度範囲における揺動回転と、逆転方向への限定された角度範囲における揺動回転とを交互に繰り返し行って装置を前進駆動させる、といった少なくとも三様の運用手段を備えたことを特徴とする、請求項1乃至請求項8に記載の装置が提供される。
なお、以上に述べた動力正逆転変換装置を実現するための手段として、特許請求の範囲の請求項10に記載されているように、
ロック解除部材が任意の回転方向である回転方向Aへ回転すれば、駆動部材の回転方向Bへの回転は阻止され(ロックされ)、ロック解除部材が回転方向Aと逆方向の回転方向である回転方向Bへ回転すれば、該駆動部材の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される)、ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントの構成において;
ロック解除部材でもある外輪部材と、駆動部材でもある内輪部材と、該外輪部材と該内輪部材との間の空隙に配置された複数のロック部材と、該ロック部材を回転自在に軸支する複数の軸と、該軸を保持するロック部材軸固定部材から少なくとも構成されており;
該ロック部材は、その回転の中心軸であるロック部材軸心と、該外輪部材に接触する外輪接触点と、該内輪部材に接触する内輪接触点とを備えており、該外輪接触点と該内輪接触点の配置について、該外輪接触点と該内輪接触点は、該一方向クラッチエレメントの軸心と該ロック部材軸心とを結ぶ線を境界線とした場合において、該境界線から回転方向Aの方向を見た領域に配置されている;
以上のように構成された該一方向クラッチエレメントにおいて;
該内輪部材が回転方向Bへ回転すれば該内輪部材は該内輪接触点にてロックされ、該外輪部材が回転方向Aへ回転すれば該ロックはそのままの状態で維持され、
該外輪部材が回転方向Bへ回転すれば、該外輪部材は該外輪接触点を回転方向Bの方向へ移動させるので該内輪接触点を該内輪部材から離反させ、而して該内輪部材の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される);
以上のように構成されたことを特徴とする、ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントが提供される。
また、特許請求の範囲の請求項11に記載されているように、
ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントのロック部材の構成において、
該ロック部材の軸穴は、回転方向Aもしくは回転方向Bの方向に進むにしたがって長く伸びる長円形の形状を成し、該長円形の中心線と該一方向クラッチエレメントの軸心との距離は、回転方向Bの方向へ進むにしたがって小さくなっている;
以上のように構成された該一方向クラッチエレメントにおいて;
該内輪部材が回転方向Bへ回転すれば、該ロック部材が回転方向Bの方向へ移動した後に該内輪部材は該内輪接触点にてロックされ、且つ該ロック部材と該外輪部材との噛合いが解消され、
該内輪部材の回転方向Bへの回転力が維持された状態において、該外輪部材が回転方向Aへ回転すれば該ロックはそのままの状態で維持され、
該内輪部材の回転方向Bへの回転力が解消されると、該ロック部材が回転方向Aの方向へ移動した後に該ロック部材と該外輪部材との噛合いが開始され、
続いて該外輪部材が回転方向Bへ回転すれば、
該外輪部材は該外輪接触点を回転方向Bの方向へ移動させるので該内輪接触点を該内輪部材から離反させ、而して該内輪部材の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される);
以上のように構成されたことを特徴とする、請求項10に記載の、ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントが提供される。
また、特許請求の範囲の請求項12に記載されているように、
ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントのロック部材の構成において、
該ロック部材は、該ロック部材の軸を軸心として回転し且つ内輪接触点を備えるロック部材Aと、該ロック部材の軸を軸心として回転し且つ外輪接触点を備えるロック部材Bと、該ロック部材Aと該ロック部材Bとが成す角度のうち回転方向Aの方向に対面する角度をより大きくする方向に作用するバネ、により少なくとも構成され、
該ロック部材Aもしくは該ロック部材Bは、該ロック部材Aと該ロック部材Bとが成す角度のうち回転方向Aの方向に対面する角度が任意の角度より大きくなるのを阻止するためのストッパー部材を備えている;
以上のように構成された該一方向クラッチエレメントにおいて;
該内輪部材が回転方向Bへ回転すれば該内輪部材は該ロック部材Aの作用により該内輪接触点にてロックされ、
該外輪部材が回転方向Aへ回転すれば、該ロックはそのままの状態で維持されるとともに、該ロック部材Bは回転方向Aの方向へ逃げて該外輪部材と噛合うことが無く、而して該外輪部材は該ロックがそのままの状態で回転方向Aへ回転を続け、
該外輪部材が回転方向Bへ回転すれば、該ロック部材Bは該外輪部材と噛合って而して該外輪接触点を回転方向Bの方向へ移動させ、
続いて該ストッパー部材の作用により該ロック部材Aが該ロック部材Bと同じ方向へ回転させられると、該内輪接触点が該内輪部材から離反し、而して該内輪部材の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される);
以上のように構成されたことを特徴とする、請求項10に記載の、ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントが提供される。
以上に述べた動力正逆転変換装置においては、回転動力入力軸が時計方向もしくは反時計方向のどちらの方向へ回転しても、回転動力出力軸は時計方向もしくは反時計方向のどちらか一方の方向へのみ回転力を付与され、かつ該回転動力出力軸において、該回転動力出力軸が該回転動力入力軸により回転伝達される方向へ外部より回転力を付与されても、該回転力は該回転動力出力軸から該回転動力入力軸へは伝達されずに該回転動力出力軸は空転するのみ、といった機能を備えている。
また、本発明の第1の実施例の動力正逆転変換装置においては、回転動力出力軸において、該回転動力出力軸が回転動力入力軸により回転伝達される方向と反対方向へ外部より回転力を付与されても、該回転動力出力軸はギヤロックに起因して回転しない、といった機能を備えている。
また、本発明の第2、第3の実施例の動力正逆転変換装置においては、回転動力出力軸において、該回転動力出力軸が回転動力入力軸により回転伝達される方向と反対方向へ外部より回転力を付与されても、該回転動力出力軸はギヤロックすることが無く、該回転力は該回転動力出力軸から該回転動力入力軸へ伝達されて、而して該回転動力出力軸は、該回転動力出力軸が回転動力入力軸により回転伝達される方向と反対方向へ回転する。
以上のような機能を備える動力正逆転変換装置を周知の自転車に適用すれば、足漕ぎペダルクランクをどちらの方向に回転させても前進する自転車が提供される。
すなわち本発明の自転車は下記のような特徴を備える。
先ず、本発明の自転車は、従来の自転車と同様に、足漕ぎペダルクランクを自転車の前進方向に向かって左側面の方向から見て反時計方向へ連続回転させると、自転車は連続して前進することができる。
次に、本発明の自転車は、従来の自転車と異なり、足漕ぎペダルクランクを自転車の前進方向に向かって左側面の方向から見て時計方向へ連続回転させても、自転車は連続して前進することができる。
更に、本発明の自転車は、足漕ぎペダルクランクを連続回転でなく、例えば自転車の前進方向に向かって右側の足漕ぎペダルクランクを自転車の左側面方向から見て反時計方向へ60度回転させ、次に自転車の前進方向に向かって左側の足漕ぎペダルクランクを自転車の左側面方向から見て時計方向へ60度回転させ、以下同様の動作を繰り返す、ことにより自転車は連続して前進することができる。すなわち本発明の自転車は、左右の足漕ぎペダルクランクの往復回転動作により、どちらの回転方向にも駆動力を付与されて連続して前進することができる。
また本発明の第2、第3の実施例の自転車は、自転車を押して後進させる場合でも車輪がロックされることが無く、周知の自転車と全く同様の機能を備えている。
なお、以上に説明した機能を備える動力正逆転変換装置は、発明が解決しようとする課題の項で述べた各課題を解決するための手段として、非常に有効に利用することができる。
本発明は下記の効果をもたらすものである。
第1の効果について述べると、
例えば自転車が急な上り坂にさしかかった際に、足漕ぎペダルが「死点」の位置に決してならない状態で自転車を漕ぐことが可能で、而して従来の自転車と比較して上り坂で漕ぐのが楽な自転車が提供される。
第2の効果について述べると、
自転車が平坦地を走行している場合においては、従来の自転車と同様の漕ぎ動作にて自転車を漕ぐことが可能な自転車が提供される。
第3の効果について述べると、
自転車の形状および運動態様においても、永年に渡って周知の自転車の形状および運動態様とあまり変わらない自転車が提供される。
第4の効果について述べると、
本発明の第1乃至第3の効果に付け加えて、足漕ぎペダルクランクの連続回転方向において、足漕ぎペダルクランクが周知の自転車の回転方向と逆方向に連続回転しても前進走行が可能な自転車が提供される。
なお、自転車の足漕ぎペダルクランクが周知の自転車の回転方向と同方向に連続回転しても且つ逆方向に連続回転しても、両回転方向共に自転車の前進走行が可能である効用について述べると、足漕ぎペダルクランクの正回転時と逆回転時とで自転車の乗り手の使用される筋力の部位が異なるためにフィットネス効果が優れている。
第5の効果について述べると、
本発明の第2、第3の実施例の自転車は、自転車を押して後進させる場合でも車輪がロックされることが無く、周知の自転車と全く同様の機能を備えている。
以下、本発明に従って構成された装置の好適実施例について、添付図を参照して更に詳細に説明する。
図1は、本発明の動力正逆転変換装置が装着された自転車の外観図であり、本発明の自転車の外観は周知の自転車の外観とよく似ている。
図1において、本発明の自転車は、足漕ぎペダルクランク2、足漕ぎペダルクランク2のクランク軸に軸支された大スプロケット3、後輪8のハブ軸に軸支された小スプロケット4、大スプロケット3と小スプロケット4の間に懸架されたローラーチェーン5、自転車フレーム6、操向ハンドル6a、サドル6b、前輪7、後輪8、から構成されている。
図2は、本発明に従って構成された動力正逆転変換装置の第1の好適実施例を示す断面図であって、図1に示す自転車におけるA−Aの断面図である。
すなわち図2は、図1に示す自転車における後輪8の車輪ハブの断面図である。
なお、図2において上方向が自転車の前進方向である。
図3は、図2に示す動力正逆転変換装置におけるA1−A1の断面図である。
図4は、図2に示す動力正逆転変換装置におけるB1−B1の断面図である。
図5は、図2に示す動力正逆転変換装置におけるC1−C1の断面図である。
図2乃至図5において、自転車の後輪の車輪ハブに適用された本発明の第1の好適実施例の動力正逆転変換装置は、
自転車のフレーム6に固定されたハブ軸71と;ハブ軸71に軸支されたベアリング72と;ベアリング72に軸支された中空の回転動力入力軸11と;回転動力入力軸11に溶着された小スプロケット4と;
回転動力入力軸11に装着された、回転方向A(図3において反時計方向)へのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントA10と;
回転動力入力軸11に装着された、回転方向B(図4において時計方向)へのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントB20と;
リング歯車61と、サン歯車62と、ハブ軸71に回転自在に装着された遊星キャリア63と、遊星キャリア63に軸支された複数個の遊星歯車64から構成された遊星歯車機構60と;任意の時に遊星キャリア63の回転を制動するための遊星キャリア制動部材73;
から構成されている。
さらに、上記の動力正逆転変換装置において、
一方向クラッチエレメントA10は、回転動力入力軸11と一体化されその外周部にラチェット歯が形成された内輪部材12と、内周部にクラッチクラッチ爪14を備え且つ外周部がハブシェル76の内周部に固定された外輪部材16と、ベアリング17から構成されており;
一方向クラッチエレメントB20は、回転動力入力軸11と一体化されその外周部にラチェット歯が形成された内輪部材22と、内周部にクラッチクラッチ爪24を備え且つ外周部にサン歯車62が形成された外輪部材26と、ベアリング27から構成されており;
遊星歯車機構60のリング歯車61はハブシェル76の内周部に形成され、4個の遊星歯車64はリング歯車61とサン歯車62に噛合しており;
遊星キャリア制動部材73は、ハブ軸71の外周部に形成されたネジ部と噛合されたボス73aと、ボス73aに溶着された制動アーム73bから構成されており、制動アーム73bを回転させると、ボス73aが遊星キャリア63のボス部を、ベアリング72の内輪部材を介して、回転動力入力軸11の段付き部に強く押し付け、而して遊星キャリア63の回転が阻止される。
一方向クラッチエレメントA10において、内輪部材12が時計方向(回転方向B)に回転すると、外輪部材16の内周部に揺動自在に装着されたクラッチ爪14は、内輪部材12の外周のラチェット歯に噛み込むことが無いので内輪部材12と外輪部材16とは連結されること無く、而して内輪部材12は空転する。
すなわち、一方向クラッチエレメントA10において、内輪部材12が時計方向(回転方向B)に回転すると、内輪部材12の回転力は外輪部材16に伝達されない。
一方、一方向クラッチエレメントA10において、内輪部材12が反時計方向(回転方向A)に回転すると、外輪部材16の内周部に揺動自在に装着されたクラッチ爪14は、内輪部材12の外周のラチェット歯に噛み込んで内輪部材12と外輪部材16とは連結され、而して外輪部材16は反時計方向(回転方向A)に回転する。
すなわち、一方向クラッチエレメントA10において、内輪部材12が反時計方向(回転方向A)に回転すると、内輪部材12の回転力は外輪部材16に伝達される。
すなわち、内輪部材12の回転力は外輪部材16を介してハブシェル76に伝達され、而して自転車は前進駆動される。
一方向クラッチエレメントB20において、内輪部材22が反時計方向(回転方向A)に回転すると、外輪部材26の内周部に揺動自在に装着されたクラッチ爪24は、内輪部材22の外周のラチェット歯に噛み込むことが無いので内輪部材22と外輪部材26とは連結されること無く、而して内輪部材22は空転する。
すなわち、一方向クラッチエレメントB20において、内輪部材22が反時計方向(回転方向A)に回転すると、内輪部材22の回転力は外輪部材26に伝達されない。
一方、一方向クラッチエレメントB20において、内輪部材22が時計方向(回転方向B)に回転すると、外輪部材26の内周部に揺動自在に装着されたクラッチ爪24は、内輪部材22の外周のラチェット歯に噛み込んで内輪部材22と外輪部材26とは連結され、而して外輪部材26は時計方向(回転方向B)に回転する。
すなわち、一方向クラッチエレメントB20において、内輪部材22が時計方向(回転方向B)に回転すると、内輪部材22の回転力は外輪部材26とサン歯車62に伝達される。
この時、遊星キャリア63の回転が遊星キャリア制動部材73により阻止されていれば、遊星歯車64は反時計方向に回転し、リング歯車61も反時計方向に回転する。
すなわち、内輪部材22の回転力は外輪部材26、サン歯車62、遊星歯車64、リング歯車61を介してハブシェル76に伝達され、而して自転車は前進駆動される。
なお、ハブシェル76の外周部には2列のスポークフランジ77が形成されており、車輪8のリムとの間にスポークが装着されている(図示せず)。
図3乃至図4は、遊星キャリア63の回転が遊星キャリア制動部材73により阻止されている状態において、小スプロケット4が反時計方向(回転方向A)に回転されている状態を示している。
太矢印は、上記の状態における各部材の回転方向を示している。
小スプロケット4が反時計方向(回転方向A)に回転されると、一方向クラッチエレメントB20は空転するが、一方向クラッチエレメントA10は動力を伝達し、よって外輪部材16に連結されたハブシェル76が反時計方向(回転方向A)に回転され、而して自転車は前進走行する。
すなわち、本発明の自転車は、足漕ぎペダルを周知の自転車と同じ方向に回転させることにより前進走行することができる。
次に、図示はしないが、小スプロケット4が時計方向(回転方向B)に回転されると、一方向クラッチエレメントA10は空転するが、一方向クラッチエレメントB20は動力を伝達し、よって外輪部材26とサン歯車62が時計方向(回転方向B)に回転し、続いて遊星歯車64が反時計方向に回転し、続いてリング歯車61を備えたハブシェル76が反時計方向(回転方向A)に回転し、而して自転車は前進走行する。
すなわち、本発明の自転車は、足漕ぎペダルを周知の自転車と反対方向に回転させても前進走行することができる。
次に、図示はしないが、ハブシェル76が外力により反時計方向(回転方向A)に回転されると、一方向クラッチエレメントA10および一方向クラッチエレメントB20は共に空転するので、回転動力入力軸11に動力は伝達されない。
すなわち、本発明の自転車が下り坂などを惰性により前進走行している場合においては、周知の自転車と同様に足漕ぎペダルが後輪により駆動されることは無い。
次に、図示はしないが、遊星キャリア63の回転が遊星キャリア制動部材73により阻止されている状態において、ハブシェル76が外力により時計方向(回転方向B)へ回転されると、一方向クラッチエレメントA10および一方向クラッチエレメントB20は共に動力を伝達する。
すなわち、一方向クラッチエレメントA10の内輪部材12は時計方向(回転方向B)に回転力を付与され、一方で、一方向クラッチエレメントB20の外輪部材26とサン歯車62は反時計方向(回転方向A)に回転力を付与され、よって内輪部材22も反時計方向(回転方向A)に回転力を付与されるので、而して内輪部材12と内輪部材22とが互いに反対方向に回転しようとするのでギャロック状態に陥る。
すなわち、駐輪場などにおいて、本発明の自転車を押して後進させる場合においては、周知の自転車と異なって後輪がギャロック状態となるので後進が阻止されて不便である。
そこで、制動アーム73bの手動操作により遊星キャリア制動部材73の制動を一旦停止し、遊星キャリア63の回転を自由にすると、ハブシェル76が外力により時計方向(回転方向B)へ回転されても、遊星キャリア63は時計方向(回転方向B)へ自由回転するので、よって一方向クラッチエレメントB20の内輪部材22に反時計方向(回転方向A)への回転力が付与されることが無くなり、而して後輪がギャロック状態となることは無く不便が解消される。
なお、遊星キャリア制動部材73の機能と構成について、遊星キャリア制動部材73が遊星キャリアに対して制動機能を作用させる場合においては、遊星キャリアが少なくとも回転方向Bへは回転しないように構成されることが重要である。
図6は、本発明に従って構成された動力正逆転変換装置の第2の好適実施例を示す断面図であって、図1に示す自転車におけるB−Bの断面図である。
すなわち図6は、図1に示す自転車における後輪8の車輪ハブの断面図である。
なお、図6において上方向が自転車の前進方向である。
図7は、図6に示す動力正逆転変換装置におけるA2−A2の断面図である。
図8は、図6に示す動力正逆転変換装置におけるB2−B2の断面図である。
図9は、図6に示す動力正逆転変換装置におけるC2−C2の断面図である。
図6乃至図9において、自転車の後輪の車輪ハブに適用された本発明の第2の好適実施例の動力正逆転変換装置は、
自転車のフレーム6に固定されたハブ軸71と;ハブ軸71に軸支されたベアリング72と;ベアリング72に軸支された中空の回転動力入力軸11と;回転動力入力軸11に溶着された小スプロケット4と;
回転動力入力軸11に装着された、回転方向A(図7において反時計方向)へのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントA10と;
回転動力入力軸11に装着された、回転方向B(図8において時計方向)へのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントB20と;
リング歯車61と、サン歯車62と、ハブ軸71に回転自在に装着された遊星キャリア63と、遊星キャリア63に軸支された4個の遊星歯車64から構成された遊星歯車機構60と;遊星キャリア83の回転を制動するための遊星キャリア制動機構;
から構成されている。
該遊星キャリア制動機構は、ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントC80から構成されており、
一方向クラッチエレメントC80は、ハブシェル76の内周部に形成された内周歯車81も兼用する外輪部材81と、外周部に外周歯車82が形成されベアリング73により回転自在に軸支された内輪部材83であって且つ4個の遊星歯車64を軸支する遊星キャリア83も兼用する内輪部材83と、外輪部材81と内輪部材83との間の空隙に配置された2個のロック部材84と、ロック部材84を回転自在に軸支する2個のロック部材軸85と、ロック部材軸85を保持しハブ軸71に固定されたロック部材軸固定部材86から少なくとも構成されている。
以下、図10乃至図12を参照して、一方向クラッチエレメントC80のロック作動・ロック解除機構について説明する。
図10は、図6と図9に示す、ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントC80において、ロック作動・ロック解除機構の第1の好適実施例を示す拡大断面図である。
図11は、図10に示すロック作動・ロック解除機構において、ロック作動状態を示す拡大断面図である。
図12は、図10に示すロック作動・ロック解除機構において、ロック解除状態を示す拡大断面図である。
ロック部材84の軸穴84aは長円形の形状を成し、図10において、該長円形の中心線と一方向クラッチエレメントC80の軸心との距離は、回転方向Bの方向へ進むにしたがって小さくなっている。
図10において、内輪部材83が静止している状態においては、ロック部材軸固定部材86に固定されているロック部材軸85は、引張りコイルバネ87の作用によりロック部材84の軸穴84aの右端の位置に在る。
なお、引張りコイルバネ87の一端はロック部材84に連結され、他端はロック部材軸固定部材86に連結されている。
内輪部材83が回転方向Bへ回転すれば、ロック部材84は回転方向Bの方向へ移動させられるので、ロック部材軸85は軸穴84aの左端の位置まで移動し、而して内輪部材83はロック部材84の内輪接触点84bにてロックされる。
また、ロック部材軸85が軸穴84aの左端の位置まで移動すると、ロック部材84の外輪接触点84cは下方に移動するのでロック部材84と外輪部材81との噛合いが解消される(図11参照)。
なお、内輪部材83が回転方向Bへ回転することに起因して発生する、ロック部材軸85に対する力の方向と大きさについては図11を参照されたい。
なお、内輪部材83の回転方向Bへの回転力が解消されると、ロック部材84は再び図10の状態に戻るのでロック部材84と外輪部材81との噛合いが再開される。
図11において、内輪部材83の回転方向Bへの回転力が維持された状態において、外輪部材81が回転方向Aへ回転すれば該ロックはそのままの状態で維持され、且つ外輪部材81は回転方向Aへ回転し続ける。
図12において、内輪部材83の回転方向Bへの回転力が解消された状態において、外輪部材81が回転方向Bへ回転すれば、外輪部材81はロック部材84の外輪接触点84cを回転方向Bの方向へ移動させるので、ロック部材84の内輪接触点84bと内輪部材83との噛合いが解消され、而して内輪部材83と遊星キャリア83の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される)。
よって、ハブシェル76および外輪部材81が外力により時計方向(回転方向B)へ回転されても、内輪部材83と遊星キャリア83は時計方向(回転方向B)へ自由回転するので、よって一方向クラッチエレメントB20の内輪部材22に反時計方向(回転方向A)への回転力が付与されることが無くなり、而して後輪がギャロック状態となることは防止されてハブシェル76および外輪部材81は回転方向Bへ回転し続けることが可能となる。
すなわち、一方向クラッチエレメントC80の作用について、外輪部材81が回転方向Aへ回転すれば、内輪部材83の回転方向Bへの回転は阻止され(ロックされ)、外輪部材81が回転方向Bへ回転すれば、内輪部材83の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される)。
参考までに、上述した本発明の装置は下記のような効果も付与するものである。
すなわち、内輪部材83に回転方向Bへの回転力が付与されているが内輪部材83はロックされている状態の時、外輪部材81が回転方向Bへ回転されても内輪部材83と外輪部材81はギャロック状態に陥るので、而して外輪部材81が回転方向Bへ回転するのは不可能である。
すなわち言い換えれば、自転車が上り坂において一旦停止した時、足踏みペダルクランクに、前漕ぎ方向に軽く足をかければ、内輪部材83と外輪部材81とはギアロック状態に陥り、而して自転車の後進は確実に阻止される、ということである。
上記の機能を備えた装置は、身体障害者向けの3輪自転車や4輪自転車などの安全増進手段として効果的に適用することができる。
なお、ロック部材84の形状について考察すると、
ロック部材84は、ロック部材軸穴84aと、外輪部材81に接触する外輪接触点84cと、内輪部材83に接触する内輪接触点84bを備えており、外輪接触点84cと内輪接触点84bの配置について、一方向クラッチエレメントC80の軸心とロック部材軸穴84aとを結ぶ線を境界線とした場合において、外輪接触点84cと内輪接触点84bは、該境界線から回転方向Aの方向を見た領域に配置されている。
図6乃至図9において、自転車の後輪の車輪ハブに適用された本発明の第2の好適実施例の動力正逆転変換装置について更に説明を加えると、
一方向クラッチエレメントA10は、回転動力入力軸11と一体化されその外周部にラチェット歯が形成された内輪部材12と、内周部にクラッチクラッチ爪14を備え且つ外周部がハブシェル76の内周部に固定された外輪部材16と、ベアリング17から構成されている。
一方向クラッチエレメントB20は、回転動力入力軸11と一体化されその外周部にラチェット歯が形成された内輪部材22と、内周部にクラッチクラッチ爪24を備え且つ外周部にサン歯車62が形成された外輪部材26と、ベアリング27から構成されており;
遊星歯車機構60のリング歯車61はハブシェル76の内周部に形成され、4個の遊星歯車64はリング歯車61とサン歯車62に噛合している。
一方向クラッチエレメントA10において、内輪部材12が時計方向(回転方向B)に回転すると、外輪部材16の内周部に揺動自在に装着されたクラッチ爪14は、内輪部材12の外周のラチェット歯に噛み込むことが無いので内輪部材12と外輪部材16とは連結されること無く、而して内輪部材12は空転する。
すなわち、一方向クラッチエレメントA10において、内輪部材12が時計方向(回転方向B)に回転すると、内輪部材12の回転力は外輪部材16に伝達されない。
一方、一方向クラッチエレメントA10において、内輪部材12が反時計方向(回転方向A)に回転すると、外輪部材16の内周部に揺動自在に装着されたクラッチ爪14は、内輪部材12の外周のラチェット歯に噛み込んで内輪部材12と外輪部材16とは連結され、而して外輪部材16は反時計方向(回転方向A)に回転する。
すなわち、一方向クラッチエレメントA10において、内輪部材12が反時計方向(回転方向A)に回転すると、内輪部材12の回転力は外輪部材16に伝達される。
すなわち、内輪部材12の回転力は外輪部材16を介してハブシェル76に伝達され、而して自転車は前進駆動される。
一方向クラッチエレメントB20において、内輪部材22が反時計方向(回転方向A)に回転すると、外輪部材26の内周部に揺動自在に装着されたクラッチ爪24は、内輪部材22の外周のラチェット歯に噛み込むことが無いので内輪部材22と外輪部材26とは連結されること無く、而して内輪部材22は空転する。
すなわち、一方向クラッチエレメントB20において、内輪部材22が反時計方向(回転方向A)に回転すると、内輪部材22の回転力は外輪部材26に伝達されない。
一方、一方向クラッチエレメントB20において、内輪部材22が時計方向(回転方向B)に回転すると、外輪部材26の内周部に揺動自在に装着されたクラッチ爪24は、内輪部材22の外周のラチェット歯に噛み込んで内輪部材22と外輪部材26とは連結され、而して外輪部材26は時計方向(回転方向B)に回転する。
すなわち、一方向クラッチエレメントB20において、内輪部材22が時計方向(回転方向B)に回転すると、内輪部材22の回転力は外輪部材26とサン歯車62に伝達される。
この時、遊星キャリア83の回転が遊星キャリア制動機構により阻止されていれば、遊星歯車64は反時計方向に回転し、リング歯車61も反時計方向に回転する。
すなわち、内輪部材22の回転力は外輪部材26、サン歯車62、遊星歯車64、リング歯車61を介してハブシェル76に伝達され、而して自転車は前進駆動される。
なお、ハブシェル76の外周部には2列のスポークフランジ77が形成されており、車輪8のリムとの間にスポークが装着されている(図示せず)。
図7乃至図9は、遊星キャリア83の回転が遊星キャリア制動機構により阻止されている状態において、小スプロケット4が反時計方向(回転方向A)に回転されている状態を示している。
太矢印は、上記の状態における各部材の回転方向を示している。
小スプロケット4が反時計方向(回転方向A)に回転されると、一方向クラッチエレメントB20は空転するが、一方向クラッチエレメントA10は動力を伝達し、よって外輪部材16に連結されたハブシェル76が反時計方向(回転方向A)に回転され、而して自転車は前進走行する。
すなわち、本発明の自転車は、足漕ぎペダルを周知の自転車と同じ方向に回転させることにより前進走行することができる。
次に、図示はしないが、小スプロケット4が時計方向(回転方向B)に回転されると、一方向クラッチエレメントA10は空転するが、一方向クラッチエレメントB20は動力を伝達し、よって外輪部材26とサン歯車62が時計方向(回転方向B)に回転し、続いて遊星歯車64が反時計方向に回転し、続いてリング歯車61を備えたハブシェル76が反時計方向(回転方向A)に回転し、而して自転車は前進走行する。
すなわち、本発明の自転車は、足漕ぎペダルを周知の自転車と反対方向に回転させても前進走行することができる。
次に、図示はしないが、ハブシェル76が外力により反時計方向(回転方向A)に回転されると、一方向クラッチエレメントA10および一方向クラッチエレメントB20は共に空転するので、回転動力入力軸11に動力は伝達されない。
すなわち、本発明の自転車が下り坂などを惰性により前進走行している場合においては、周知の自転車と同様に足漕ぎペダルが後輪により駆動されることは無い。
前述したが、駐輪場などにおいて本発明の自転車を押して後進させる場合において、ハブシェル76は外力により時計方向(回転方向B)へ回転されるが、本発明の第2の好適実施例の動力正逆転変換装置においては、ハブシェル76および外輪部材81が外力により時計方向(回転方向B)へ回転されても、内輪部材83と遊星キャリア83は時計方向(回転方向B)へ自由回転するので、よって一方向クラッチエレメントB20の内輪部材22に反時計方向(回転方向A)への回転力が付与されることが無くなり、而して後輪がギャロック状態となることは防止されてハブシェル76および外輪部材81は回転方向Bへ回転し続けることが可能となる。
すなわち、駐輪場などにおいて本発明の自転車を押して後進させる場合において、後輪がギャロック状態となって後進が阻害される不便が解消されるものである。
以下、図13乃至図16を参照して、一方向クラッチエレメントC80のロック作動・ロック解除機構の別の態様について説明する。
図13は、図6と図9に示す、ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントC80において、ロック作動・ロック解除機構の第2の好適実施例を示す拡大断面図である。
図14は、図13に示すロック作動・ロック解除機構におけるD−Dの側面図。
図15は、図13に示すロック作動・ロック解除機構において、ロック作動状態を示す拡大断面図である。
図16は、図13に示すロック作動・ロック解除機構において、ロック解除状態を示す拡大断面図である。
ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントCの第2の好適実施例において、
ロック部材94は、ロック部材軸95を軸心として回転し且つ内輪接触点94bを備えるロック部材A94dと、ロック部材軸95を軸心として回転し且つ外輪接触点94cを備えるロック部材B94eと、ロック部材A94dとロック部材B94eとが成す角度のうち回転方向Aの方向に対面する角度をより大きくする方向に作用する引張りコイルバネ87、により構成されており、ロック部材A94dは、ロック部材A94dとロック部材B94eとが成す角度のうち回転方向Aの方向に対面する角度が任意の角度より大きくなるのを阻止するためのストッパー部材94daを備えている。
なお、引張りコイルバネ87の一端はロック部材94eに連結され、他端はロック部材軸固定部材86に連結されている。
図13において、内輪部材83が回転方向Bへ回転すれば、内輪部材83はロック部材94dの内輪接触点94bにてロックされる。
図15において、外輪部材81が回転方向Aへ回転すれば、ロック部材B94eは回転方向Aの方向へ逃げて外輪部材81と噛合うことが無く、而して、内輪部材83とロック部材94dとのロックがそのままの状態で、外輪部材81は回転方向Aへ回転を続ける。
図16において、外輪部材81が回転方向Bへ回転すれば、ロック部材B94eは外輪部材81と噛合って而して外輪接触点94cを回転方向Bの方向へ移動させ、
続いてストッパー部材94daの作用によりロック部材A94dがロック部材B94eと同じ方向へ回転させられると、内輪接触点94bが内輪部材83から離反し、而して内輪部材83と遊星キャリア83の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される)。
よって、ハブシェル76および外輪部材81が外力により時計方向(回転方向B)へ回転されても、内輪部材83と遊星キャリア83は時計方向(回転方向B)へ自由回転するので、よって一方向クラッチエレメントB20の内輪部材22に反時計方向(回転方向A)への回転力が付与されることが無くなり、而して後輪がギャロック状態となることは防止されてハブシェル76および外輪部材81は回転方向Bへ回転し続けることが可能となる。
すなわち、一方向クラッチエレメントC80の作用について、外輪部材81が回転方向Aへ回転すれば、内輪部材83の回転方向Bへの回転は阻止され(ロックされ)、外輪部材81が回転方向Bへ回転すれば、内輪部材83の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される)。
図17は、本発明に従って構成された動力正逆転変換装置の第3の好適実施例を示す断面図であって、図1に示す自転車におけるC−Cの断面図である。
すなわち図17は、図1に示す自転車における足漕ぎペダルクランク部の断面図である。
なお、図17において上方向が自転車の前進方向である。
図18は、図17に示す動力正逆転変換装置におけるA2−A2の断面図である。
図19は、図17に示す動力正逆転変換装置におけるB2−B2の断面図である。
図20は、図17に示す動力正逆転変換装置におけるC2−C2の断面図である。
図17乃至図20において、自転車の足漕ぎペダルクランク部に適用された本発明の第3の好適実施例の動力正逆転変換装置は、
自転車のフレーム6に固定された2個のベアリング101と;2個のベアリング101に軸支された回転動力入力軸11(クランクシャフト)と;
回転動力入力軸11の両端部に180度の位相差を保持して装着された1組(2個)の足踏みペダルクランク2と;
各足踏みペダルクランク2に装着された足踏みペダル2aと;
回転動力入力軸11に装着された、回転方向A(図7において反時計方向)へのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントA10と;
回転動力入力軸11に装着された、回転方向B(図8において時計方向)へのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントB20と;
一方向クラッチエレメントA10の外輪部材16の外周部に固定されたギアシェル106と;ギアシェル106の外周部に溶着された大スプロケット3と;

リング歯車61と、サン歯車62と、回転動力入力軸11に回転自在に装着された遊星キャリア63と、遊星キャリア63に軸支された4個の遊星歯車64から構成された遊星歯車機構60と;遊星キャリア83の回転を制動するための遊星キャリア制動機構;
から構成されている。
該遊星キャリア制動機構は、ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントC80から構成されており、
一方向クラッチエレメントC80は、ギアシェル106の内周部に形成された内周歯車81も兼用する外輪部材81と、外周部に外周歯車82が形成されベアリング73により回転自在に軸支された内輪部材83であって且つ4個の遊星歯車64を軸支する遊星キャリア83も兼用する内輪部材83と、外輪部材81と内輪部材83との間の空隙に配置された2個のロック部材84と、ロック部材84を回転自在に軸支する2個のロック部材軸85と、ロック部材軸85を保持し自転車フレーム6に固定されたロック部材軸固定部材86から少なくとも構成されている。
一方向クラッチエレメントA10は、回転動力入力軸11と一体化されその外周部にラチェット歯が形成された内輪部材12と、内周部にクラッチクラッチ爪14を備え且つ外周部がギアシェル106の内周部に固定された外輪部材16と、ベアリング17から構成されている。
一方向クラッチエレメントB20は、回転動力入力軸11と一体化されその外周部にラチェット歯が形成された内輪部材22と、内周部にクラッチクラッチ爪24を備え且つ外周部にサン歯車62が形成された外輪部材26と、ベアリング27から構成されており;
遊星歯車機構60のリング歯車61はギアシェル106の内周部に形成され、4個の遊星歯車64はリング歯車61とサン歯車62に噛合している。
一方向クラッチエレメントA10において、内輪部材12が時計方向(回転方向B)に回転すると、外輪部材16の内周部に揺動自在に装着されたクラッチ爪14は、内輪部材12の外周のラチェット歯に噛み込むことが無いので内輪部材12と外輪部材16とは連結されること無く、而して内輪部材12は空転する。
すなわち、一方向クラッチエレメントA10において、内輪部材12が時計方向(回転方向B)に回転すると、内輪部材12の回転力は外輪部材16に伝達されない。
一方、一方向クラッチエレメントA10において、内輪部材12が反時計方向(回転方向A)に回転すると、外輪部材16の内周部に揺動自在に装着されたクラッチ爪14は、内輪部材12の外周のラチェット歯に噛み込んで内輪部材12と外輪部材16とは連結され、而して外輪部材16は反時計方向(回転方向A)に回転する。
すなわち、一方向クラッチエレメントA10において、内輪部材12が反時計方向(回転方向A)に回転すると、内輪部材12の回転力は外輪部材16に伝達される。
すなわち、内輪部材12の回転力は外輪部材16を介してギアシェル106に伝達され、続いて大スプロケット3から後輪ハブの小スプロケット4に伝達されて、而して自転車は前進駆動される。
一方向クラッチエレメントB20において、内輪部材22が反時計方向(回転方向A)に回転すると、外輪部材26の内周部に揺動自在に装着されたクラッチ爪24は、内輪部材22の外周のラチェット歯に噛み込むことが無いので内輪部材22と外輪部材26とは連結されること無く、而して内輪部材22は空転する。
すなわち、一方向クラッチエレメントB20において、内輪部材22が反時計方向(回転方向A)に回転すると、内輪部材22の回転力は外輪部材26に伝達されない。
一方、一方向クラッチエレメントB20において、内輪部材22が時計方向(回転方向B)に回転すると、外輪部材26の内周部に揺動自在に装着されたクラッチ爪24は、内輪部材22の外周のラチェット歯に噛み込んで内輪部材22と外輪部材26とは連結され、而して外輪部材26は時計方向(回転方向B)に回転する。
すなわち、一方向クラッチエレメントB20において、内輪部材22が時計方向(回転方向B)に回転すると、内輪部材22の回転力は外輪部材26とサン歯車62に伝達される。
この時、遊星キャリア83の回転が遊星キャリア制動機構により阻止されていれば、遊星歯車64は反時計方向に回転し、リング歯車61も反時計方向に回転する。
すなわち、内輪部材22の回転力は外輪部材26、サン歯車62、遊星歯車64、リング歯車61を介してギアシェル106に伝達され、続いて大スプロケット3から後輪ハブの小スプロケット4に伝達されて、而して自転車は前進駆動される。
図18乃至図20は、遊星キャリア83の回転が遊星キャリア制動機構により阻止されている状態において、大スプロケット3が反時計方向(回転方向A)に回転されている状態を示している。
太矢印は、上記の状態における各部材の回転方向を示している。
大スプロケット3が反時計方向(回転方向A)に回転されると、一方向クラッチエレメントB20は空転するが、一方向クラッチエレメントA10は動力を伝達し、よって外輪部材16に連結されたギアシェル106が反時計方向(回転方向A)に回転され、続いて該回転力が大スプロケット3から後輪ハブの小スプロケット4に伝達されて、而して自転車は前進走行する。
すなわち、本発明の自転車は、足漕ぎペダルを周知の自転車と同じ方向に回転させることにより前進走行することができる。
次に、図示はしないが、大スプロケット3が時計方向(回転方向B)に回転されると、一方向クラッチエレメントA10は空転するが、一方向クラッチエレメントB20は動力を伝達し、よって外輪部材26とサン歯車62が時計方向(回転方向B)に回転し、続いて遊星歯車64が反時計方向に回転し、続いてリング歯車61を備えたギアシェル106が反時計方向(回転方向A)に回転し、続いて該回転力が大スプロケット3から後輪ハブの小スプロケット4に伝達されて、而して自転車は前進走行する。
すなわち、本発明の自転車は、足漕ぎペダルを周知の自転車と反対方向に回転させても前進走行することができる。
次に、図示はしないが、ギアシェル106が外力により反時計方向(回転方向A)に回転されると、一方向クラッチエレメントA10および一方向クラッチエレメントB20は共に空転するので、回転動力入力軸11に動力は伝達されない。
すなわち、本発明の自転車が下り坂などを惰性により前進走行している場合においては、周知の自転車と同様に足漕ぎペダルが後輪により駆動されることは無い。
前述したが、駐輪場などにおいて本発明の自転車を押して後進させる場合において、ギアシェル106は外力により時計方向(回転方向B)へ回転されるが、本発明の第3の好適実施例の動力正逆転変換装置においては、ギアシェル106および外輪部材81が外力により時計方向(回転方向B)へ回転されても、内輪部材83と遊星キャリア83は時計方向(回転方向B)へ自由回転するので、よって一方向クラッチエレメントB20の内輪部材22に反時計方向(回転方向A)への回転力が付与されることが無くなり、而して後輪がギャロック状態となることは防止されてギアシェル106および外輪部材81は回転方向Bへ回転し続けることが可能となる。
すなわち、駐輪場などにおいて本発明の自転車を押して後進させる場合において、後輪がギャロック状態となって後進が阻害される不便が解消されるものである。
以上に本発明の装置の好適実施例について説明したが、本発明の装置は該好適実施例の他にも特許請求の範囲に従って種々実施例を考えることができる。
なお、上述のクラッチ爪や遊星歯車などの数量について、本発明の実施例の説明においては、説明を分りやすくするために最低の数量を記載したが、実際の装置においては必要に応じて任意の数量を用いることができるものである。
本発明の動力正逆転変換装置は、周知の人力乗り物、例えば足で漕いで前進する2輪自転車をはじめ3輪自転車や4輪自転車、あるいは主として身体障害者向けの手で漕いで前進する2輪自転車や3輪自転車や4輪自転車、あるいはその他の足や手で漕いで前進する遊戯用などの人力車両、あるいは足や手で漕いで前進する水上乗り物、あるいは足や手で漕ぐことにより筋力強化を行うためのフィットネスバイクなどのトレーニング器械などに装着される動力正逆転変換装置として主として使用されるものである。
本発明の動力正逆転変換装置は、足や手などを使用してクランクハンドルを回転あるいは揺動させることにより発生する動力を連続して回転する動力に変換し、しかも動力を非常に効率良く回転する動力に変換することが可能であるので、産業界において好都合に用いることができる。
本発明のロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントは、動力正逆転変換装置あるいはそれを備えた人力移動装置を発明する過程のなかで、該動力正逆転変換装置あるいはそれを備えた人力移動装置の構成に欠かせない装置として発明されたものである。
該ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントは、
「ロック解除部材が任意の回転方向である回転方向Aへ回転すれば、駆動部材の回転方向Bへの回転は阻止され(ロックされ)、ロック解除部材が回転方向Aと逆方向の回転方向である回転方向Bへ回転すれば、該駆動部材の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される)」
という機能を備えており、このような機能を備えた一方向クラッチエレメントは、種々の分野の産業機械の要素部品として産業界において好都合に用いることができる。
本発明に従って構成された動力正逆転変換装置を備えた自転車を示す正面図。 本発明に従って構成された動力正逆転変換装置の第1の好適実施例を示す断面図であって、図1に示す自転車におけるA−Aの断面図。 図2に示す装置におけるA1−A1の断面図。 図2に示す装置におけるB1−B1の断面図。 図2に示す装置におけるC1−C1の断面図。 本発明に従って構成された動力正逆転変換装置の第2の好適実施例を示す断面図であって、図1に示す装置におけるB−Bの断面図。 図6に示す装置におけるA2−A2の断面図。 図6に示す装置におけるB2−B2の断面図。 図6に示す装置におけるC2−C2の断面図。 図9に示す、ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントにおいて、ロック作動・ロック解除機構の第1の好適実施例を示す拡大断面図。 図10に示すロック作動・ロック解除機構において、ロック作動状態を示す拡大断面図。 図10に示すロック作動・ロック解除機構において、ロック解除状態を示す拡大断面図。 図9に示す、ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントにおいて、ロック作動・ロック解除機構の第2の好適実施例を示す拡大断面図。 図13に示すロック作動・ロック解除機構におけるD−Dの側面図。 図13及び図14に示すロック作動・ロック解除機構において、ロック作動状態を示す拡大断面図。 図13及び図14に示すロック作動・ロック解除機構において、ロック解除状態を示す拡大断面図。 本発明に従って構成された動力正逆転変換装置の第3の好適実施例を示す断面図であって、図1に示す装置におけるC−Cの断面図。 図17に示す装置におけるA3−A3の断面図。 図17に示す装置におけるB3−B3の断面図。 図17に示す装置におけるC3−C3の断面図。

Claims (12)

  1. 回転動力入力軸と;
    該回転動力入力軸に連結された一方向クラッチエレメントにおいて、任意の回転方向である回転方向Aへのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントAと;
    該回転動力入力軸に連結された一方向クラッチエレメントにおいて、該一方向クラッチエレメントAと逆方向の回転方向である回転方向Bへのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントBと;
    該一方向クラッチエレメントAに連結されて回転方向Aへのみ動力伝達されるリング歯車と、該一方向クラッチエレメントBに連結されて回転方向Bへのみ動力伝達されるサン歯車と、少なくとも回転方向Bへは回転しないように配置された遊星キャリアと、該遊星キャリアに軸支された複数個の遊星歯車から構成された遊星歯車機構;
    から構成されたことを特徴とする、動力正逆転変換装置あるいはそれを備えた人力移動装置。
  2. 回転動力入力軸と;
    該回転動力入力軸に連結された一方向クラッチエレメントにおいて、任意の回転方向である回転方向Aへのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントAと;
    該回転動力入力軸に連結された一方向クラッチエレメントにおいて、該一方向クラッチエレメントAと逆方向の回転方向である回転方向Bへのみ動力伝達が可能な一方向クラッチエレメントBと;
    該一方向クラッチエレメントAに連結されて回転方向Aへのみ動力伝達されるリング歯車と、該一方向クラッチエレメントBに連結されて回転方向Bへのみ動力伝達されるサン歯車と、該回転動力入力軸を軸心として回転自在に配置された遊星キャリアと、該遊星キャリアに軸支された複数個の遊星歯車から構成された遊星歯車機構と;
    任意の時に該遊星キャリアの回転を制動するための遊星キャリア制動機構;
    から構成されたことを特徴とする、動力正逆転変換装置あるいはそれを備えた人力移動装置。
  3. 該遊星キャリア制動機構は、ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントCから構成されており、
    該一方向クラッチエレメントCは、該回転動力入力軸を軸心とし、該一方向クラッチエレメントCのロック解除部材は該リング歯車と連結されており、該一方向クラッチエレメントCの駆動部材は該遊星キャリアと連結されており、少なくとも以上のように構成された該遊星キャリア制動機構において;
    該リング歯車が回転方向Aへ回転すれば、該一方向クラッチエレメントCの駆動部材と該遊星キャリアの回転方向Bへの回転は阻止され(ロックされ)、該リング歯車が回転方向Bへ回転すれば、該一方向クラッチエレメントCの駆動部材と該遊星キャリアの回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される);
    以上のように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の装置。
  4. ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントCの構成において、
    該一方向クラッチエレメントCは、ロック解除部材でもある外輪部材と、駆動部材でもある内輪部材と、該外輪部材と該内輪部材との間の空隙に配置された複数のロック部材と、該ロック部材を回転自在に軸支する複数の軸と、該軸を保持するロック部材軸固定部材から少なくとも構成されており;
    該ロック部材は、その回転の中心軸であるロック部材軸心と、該外輪部材に接触する外輪接触点と、該内輪部材に接触する内輪接触点とを備えており、該外輪接触点と該内輪接触点の配置について、該外輪接触点と該内輪接触点は、該一方向クラッチエレメントCの軸心と該ロック部材軸心とを結ぶ線を境界線とした場合において、該境界線から回転方向Aの方向を見た領域に配置されている;
    以上のように構成された該一方向クラッチエレメントCにおいて;
    該内輪部材が回転方向Bへ回転すれば該内輪部材は該内輪接触点にてロックされ、該外輪部材が回転方向Aへ回転すれば該ロックはそのままの状態で維持され、
    該外輪部材が回転方向Bへ回転すれば、該外輪部材は該外輪接触点を回転方向Bの方向へ移動させるので該内輪接触点を該内輪部材から離反させ、而して該内輪部材の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される);
    以上のように構成されたことを特徴とする請求項3に記載の装置。
  5. ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントCのロック部材の構成において、
    該ロック部材の軸穴は長円形の形状を成し、図10において、該長円形の中心線と該一方向クラッチエレメントCの軸心との距離は、回転方向Bの方向へ進むにしたがって小さくなっている;
    以上のように構成された該一方向クラッチエレメントCにおいて;
    該内輪部材が回転方向Bへ回転すれば、該ロック部材が回転方向Bの方向へ移動した後に該内輪部材は該内輪接触点にてロックされ、且つ該ロック部材と該外輪部材との噛合いが解消され、
    該内輪部材の回転方向Bへの回転力が維持された状態において、該外輪部材が回転方向Aへ回転すれば該ロックはそのままの状態で維持され、
    該内輪部材の回転方向Bへの回転力が解消されると、該ロック部材が回転方向Aの方向へ移動した後に該ロック部材と該外輪部材との噛合いが開始され、
    続いて該外輪部材が回転方向Bへ回転すれば、
    該外輪部材は該外輪接触点を回転方向Bの方向へ移動させるので該内輪接触点を該内輪部材から離反させ、而して該内輪部材の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される);
    以上のように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の装置。
  6. ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントCのロック部材の構成において、
    該ロック部材は、該ロック部材の軸を軸心として回転し且つ内輪接触点を備えるロック部材Aと、該ロック部材の軸を軸心として回転し且つ外輪接触点を備えるロック部材Bと、該ロック部材Aと該ロック部材Bとが成す角度のうち回転方向Aの方向に対面する角度をより大きくする方向に作用するバネ、により少なくとも構成され、
    該ロック部材Aもしくは該ロック部材Bは、該ロック部材Aと該ロック部材Bとが成す角度のうち回転方向Aの方向に対面する角度が任意の角度より大きくなるのを阻止するためのストッパー部材を備えている;
    以上のように構成された該一方向クラッチエレメントCにおいて;
    該内輪部材が回転方向Bへ回転すれば該内輪部材は該ロック部材Aの作用により該内輪接触点にてロックされ、
    該外輪部材が回転方向Aへ回転すれば、該ロックはそのままの状態で維持されるとともに、該ロック部材Bは回転方向Aの方向へ逃げて該外輪部材と噛合うことが無く、而して該外輪部材は該ロックがそのままの状態で回転方向Aへ回転を続け、
    該外輪部材が回転方向Bへ回転すれば、該ロック部材Bは該外輪部材と噛合って而して該外輪接触点を回転方向Bの方向へ移動させ、
    続いて該ストッパー部材の作用により該ロック部材Aが該ロック部材Bと同じ方向へ回転させられると、該内輪接触点が該内輪部材から離反し、而して該内輪部材の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される);
    以上のように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の装置。
  7. 該回転動力入力軸の軸心を中心として回転する車輪用ハブシェルに該一方向クラッチエレメントAが連結されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の装置。
  8. 該回転動力入力軸に、足漕ぎペダルまたは手漕ぎレバーなどのクランク式動力伝達手段が連結されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の装置。
  9. クランクを任意の一方向に連続的に回転駆動して車両を前進駆動せしめ、あるいはクランクを逆転方向に連続的に回転駆動して装置を前進駆動せしめ、あるいはクランクの、任意の一方向への限定された角度範囲における揺動回転と、逆転方向への限定された角度範囲における揺動回転とを交互に繰り返し行って装置を前進駆動させる、といった少なくとも三様の運用手段を備えたことを特徴とする、請求項1乃至請求項8に記載の装置。
  10. ロック解除部材が任意の回転方向である回転方向Aへ回転すれば、駆動部材の回転方向Bへの回転は阻止され(ロックされ)、ロック解除部材が回転方向Aと逆方向の回転方向である回転方向Bへ回転すれば、該駆動部材の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される)、ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントの構成において;
    ロック解除部材でもある外輪部材と、駆動部材でもある内輪部材と、該外輪部材と該内輪部材との間の空隙に配置された複数のロック部材と、該ロック部材を回転自在に軸支する複数の軸と、該軸を保持するロック部材軸固定部材から少なくとも構成されており;
    該ロック部材は、その回転の中心軸であるロック部材軸心と、該外輪部材に接触する外輪接触点と、該内輪部材に接触する内輪接触点とを備えており、該外輪接触点と該内輪接触点の配置について、該外輪接触点と該内輪接触点は、該一方向クラッチエレメントの軸心と該ロック部材軸心とを結ぶ線を境界線とした場合において、該境界線から回転方向Aの方向を見た領域に配置されている;
    以上のように構成された該一方向クラッチエレメントにおいて;
    該内輪部材が回転方向Bへ回転すれば該内輪部材は該内輪接触点にてロックされ、該外輪部材が回転方向Aへ回転すれば該ロックはそのままの状態で維持され、
    該外輪部材が回転方向Bへ回転すれば、該外輪部材は該外輪接触点を回転方向Bの方向へ移動させるので該内輪接触点を該内輪部材から離反させ、而して該内輪部材の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される);
    以上のように構成されたことを特徴とする、ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメント。
  11. ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントのロック部材の構成において、
    該ロック部材の軸穴は、回転方向Aもしくは回転方向Bの方向に進むにしたがって長く伸びる長円形の形状を成し、該長円形の中心線と該一方向クラッチエレメントの軸心との距離は、回転方向Bの方向へ進むにしたがって小さくなっている;
    以上のように構成された該一方向クラッチエレメントにおいて;
    該内輪部材が回転方向Bへ回転すれば、該ロック部材が回転方向Bの方向へ移動した後に該内輪部材は該内輪接触点にてロックされ、且つ該ロック部材と該外輪部材との噛合いが解消され、
    該内輪部材の回転方向Bへの回転力が維持された状態において、該外輪部材が回転方向Aへ回転すれば該ロックはそのままの状態で維持され、
    該内輪部材の回転方向Bへの回転力が解消されると、該ロック部材が回転方向Aの方向へ移動した後に該ロック部材と該外輪部材との噛合いが開始され、
    続いて該外輪部材が回転方向Bへ回転すれば、
    該外輪部材は該外輪接触点を回転方向Bの方向へ移動させるので該内輪接触点を該内輪部材から離反させ、而して該内輪部材の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される);
    以上のように構成されたことを特徴とする請求項10に記載のロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメント。
  12. ロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメントのロック部材の構成において、
    該ロック部材は、該ロック部材の軸を軸心として回転し且つ内輪接触点を備えるロック部材Aと、該ロック部材の軸を軸心として回転し且つ外輪接触点を備えるロック部材Bと、該ロック部材Aと該ロック部材Bとが成す角度のうち回転方向Aの方向に対面する角度をより大きくする方向に作用するバネ、により少なくとも構成され、
    該ロック部材Aもしくは該ロック部材Bは、該ロック部材Aと該ロック部材Bとが成す角度のうち回転方向Aの方向に対面する角度が任意の角度より大きくなるのを阻止するためのストッパー部材を備えている;
    以上のように構成された該一方向クラッチエレメントにおいて;
    該内輪部材が回転方向Bへ回転すれば該内輪部材は該ロック部材Aの作用により該内輪接触点にてロックされ、
    該外輪部材が回転方向Aへ回転すれば、該ロックはそのままの状態で維持されるとともに、該ロック部材Bは回転方向Aの方向へ逃げて該外輪部材と噛合うことが無く、而して該外輪部材は該ロックがそのままの状態で回転方向Aへ回転を続け、
    該外輪部材が回転方向Bへ回転すれば、該ロック部材Bは該外輪部材と噛合って而して該外輪接触点を回転方向Bの方向へ移動させ、
    続いて該ストッパー部材の作用により該ロック部材Aが該ロック部材Bと同じ方向へ回転させられると、該内輪接触点が該内輪部材から離反し、而して該内輪部材の回転方向Bへの回転は自由となる(ロックが解除される);
    以上のように構成されたことを特徴とする請求項10に記載のロック解除機能を備えた一方向クラッチエレメント。
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