JP2009185080A - 糖尿病性ネフロパシーにおけるミコフェノール酸モフェチル - Google Patents

糖尿病性ネフロパシーにおけるミコフェノール酸モフェチル Download PDF

Info

Publication number
JP2009185080A
JP2009185080A JP2009128159A JP2009128159A JP2009185080A JP 2009185080 A JP2009185080 A JP 2009185080A JP 2009128159 A JP2009128159 A JP 2009128159A JP 2009128159 A JP2009128159 A JP 2009128159A JP 2009185080 A JP2009185080 A JP 2009185080A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
item
patient
lisinopril
combination
mmf
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009128159A
Other languages
English (en)
Inventor
Sachidananda Moorthy
モージー サキダナンダ
Atignal Shankara Rao Arvind
シャンカラ ラオ アービンド アティグナル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Clinigene International Pvt Ltd
Original Assignee
Clinigene International Pvt Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Clinigene International Pvt Ltd filed Critical Clinigene International Pvt Ltd
Priority to JP2009128159A priority Critical patent/JP2009185080A/ja
Publication of JP2009185080A publication Critical patent/JP2009185080A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】糖尿病性ネフロパシーおよびその関連症状を処置するための治療を提供すること。
【解決手段】本発明は、医化学の分野にあり、免疫抑制剤とACEインヒビターの組み合わせに関する。本発明はまた、免疫抑制剤とACEインヒビターと薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルを含む薬学的に受容可能な組成物、ならびにそれが必要な患者において糖尿病性ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低下させるための方法を提供し、この方法は、この患者に免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する。
【選択図】なし

Description

(技術分野)
本発明は、医化学の分野にあり、免疫抑制剤とACEインヒビターの組み合わせに関する。本発明はまた、その薬学的に受容可能な組成物およびその使用方法を提供する。
(発明の背景)
真性糖尿病は、腎臓に罹患する一般的な全身性の疾患のうちの1つであり、しばしば、糖尿病性ネフロパシーをもたらす。実際に、糖尿病性ネフロパシーは、20年を超えて1型糖尿病を有する患者の3分の1において発症する可能性がある。糖尿病性ネフロパシーは、代表的には、腎臓における重要な構造である糸球体の非常に小さな血管(毛細管系)の網(毛細血管から構成される)に罹患する。糸球体は、血液濾過に対して極めて必須である。糖尿病性ネフロパシーの特徴としては、タンパク質を尿へ過剰に濾過するネフローゼ症候群(蛋白尿)、高血圧(高血圧症)、および腎機能の進行的低下が挙げられる。重篤な場合、糖尿病性ネフロパシーは、腎不全、末期の腎疾患、および慢性的な透析または腎移植の必要性を引き起こす。
糖尿病性ネフロパシーにおける糖尿病は、本質的に糸球体が関与している。糖尿病性腎疾患における高血糖症の主な病理的役割は、十分に確立されており、糖尿病性ネフロパシーが今日では、高血糖性腎糸球体症(hyperglycemic glomerulopathy)と考えられている。これらの患者の死亡率および罹患率は、しばしば、心臓血管疾患に起因しており、おそらく高血圧および高脂血症によって加速される。生化学的要因、ホルモン的要因、免疫学的要因およびレオロジー要因は、糖尿病性ネフロパシーの病理における病因学的に重要であることが示された。関係する生化学的要因としては、高脂血症ならびに血中および腎臓の基底膜中のグリコシル化タンパク質が挙げられる。また、実験的証拠および臨床的証拠により、単球の糸球体への動員は、この糖尿病合併症の病理において役割を果たし得るということが示唆されている。
真性糖尿病は、全ての末期腎疾患の約3分の1を占める。Lewisら、1993による際だった研究により、1型真性糖尿病および糖尿病性ネフロパシーを有する患者において、カプトプリルは、腎疾患の進行を予防または遅延させることが実証されている。これらの知見は、基底の腎機能または動脈血圧(Ravidら.1993,1996)に拘わらず、他のアンジオテンシン変換酵素インヒビター(ACEインヒビター)に対して、ならびに1型糖尿病および2型糖尿病の両方を有する患者に対して推論されてきた。糖尿病性ネフロパシーを予防することに加えて、ACEインヒビターはまた、1型糖尿病における網膜症の進行を減少させ得る(Chaturvediら.1998)。
いくつかの機構は、ACEインヒビターにより与えられる腎臓保護に関与している。増大した糸球体毛細管圧は、糸球体傷害を誘導し、ACEインヒビターは、動脈血圧を低下させることおよび腎臓遠心性細動脈を膨張させることの両方によってこのパラメーターを減少させる。アンジオテンシンIIは、増殖因子であるので、アンジオテンシンIIの腎臓内レベルの低下は、糸球体間質細胞増殖およびマトリクス生成をさらに弱め得る。
ミコフェノール酸モフェチル(MMF)は、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)の選択的、不競合的、かつ可逆性インヒビターであるミコフェノール酸(MPA)に迅速に加水分解されるプロドラッグである。IMPDHは、グアニンヌクレオチドのデノボ経路における重要な酵素である。Bリンパ球およびTリンパ球は、細胞増殖に対してこの経路に大きく依存する一方で、他の細胞型は、サルベージ経路を利用し得る。MPAは、従って、抗体形成、細胞接着および移動を含め、リンパ球の増殖および機能を選択的に阻害する。リンパ球に対するMPAの効果は、グアノシンまたはデオキシグアノシンを細胞に添加することにより逆転され得る(Krenskyら.2001)。
MMFは、実験的糸球体疾患のいくつかのモデルにおいて腎病変を改善する。MMFが免疫応答だけでなく平滑細胞増殖もまた抑制する能力は、腎臓繊維症を予防するための薬物候補にする。これは、筋線維芽細胞が血管平滑筋細胞と多くの特徴を共有するからである。予備的な結果により、MMFが従来の治療が失敗した後のいくつかの型の糸球体腎炎において有用であることが示唆される(Badidら 2001)。
2つの最近の研究により、IgAネフロパシーを有する患者においてMMFの影響が評価された。これらの研究の両方の予備的な結果が、2001 Annual Meeting of the American Society of Nephrology(Chenら.2001およびMaesら.2001)において提示された。Chenら(中国)は、62名の患者においてプレドニゾンに対するMMFの効果を比較した。これらの患者の年齢は、9〜54歳の範囲に及び、各患者は、1日あたり>2gのタンパク質排泄速度を有した。これらの患者に与えられたMMFの用量は、1日あたり1〜1.5gで変化し、それに対して、コントロール群には、1日あたり30〜40mgのプレドニゾンを与えた。群のおのおのにおける15名の患者を、72週間にわたって追跡した。患者の両方の群は3および6ヶ月後に蛋白尿の減少を示したが、MMF患者における減少は、6ヶ月後により大きかった。この蛋白尿における減少は、72週間にわたってMMF群において続いた。Chenらは、MMFが、蛋白尿を減少させ、腎機能を保護するにあたって、また、血中脂質レベルを減少するにあたってプレドニゾンより優れているということをこの予備的な報告において結論づけた。
大部分の免疫抑制剤の場合、免疫抑制の程度の増大は、免疫抑制の副作用(感染および骨髄抑制を含む)の可能性を増大させる。しかし、腎移植における制御された臨床試験からの経験により、MMFがこの一般論に対する例外であり得ることが示される。なぜなら、MMF処置患者は、免疫抑制のより大きな程度を達成し得たが、感染または骨髄抑制の発生率においてほとんど増加しなかったからである(Dooleyら.1999)。
Dooleyおよび彼の共同研究者は、MMFが十分に寛容され、全身性エリテマトーデスの主要な腎発現を制御するにあたってあり得る効力を有することを彼らの研究において結論づけた。狼瘡腎炎(lupus nephritis)において、これらの著者らは、0.5〜1.5g/d用量のMMFが十分であることを見いだした。Millerら.2000は、耐性膜性腎症(resistant membranous nephropathy)におけるミコフェノール酸モフェチル使用の彼の研究において、0.5〜2.0g/d用量のMMFを使用した。この用量のMMFを、白血球数および副作用(大部分は胃腸管症状が原因)に従って力価測定した。
糖尿病性ネフロパシーを有する患者における処置の失敗のもっとも顕著なエンドポイントは、末期腎疾患(ESRD)への進行である。しかし、以来、発症時には正常な腎機能を有する糖尿病性ネフロパシー患者における診断からESRDまでの期間は、10年を超え得る。糖尿病のわずか約30%が、臨床的蛋白尿の発症から10年間生存する。糖尿病制御の程度は、必要な要素であるが、腎不全の発症に線形的に関連しない。高血糖症の制御は、糖尿病ネフロパシーにおいて非常に困難になり得る。進行性糖尿病性腎疾患のあらゆる段階で血圧を正常にすることは、治療プログラムの重要な要素として強調される。本態性高血圧症の制御とは別に、糸球体内高血圧症(intraglomerular hypertension)の制御はまた、糖尿病性ネフロパシーにおいて重要であると考えられる。ACEインヒビターは、糸球体内高血圧症を軽減し、従って、糖尿病性ネフロパシーの過剰濾過が減少することが示された。従って、なお正常な血圧を有する糖尿病において、ACEインヒビターが糸球体内圧力を低下させるために与えられることが推奨される。
ミコフェノール酸モフェチルが実験的糖尿病における糸球体損傷の発生を予防することが報告された(Utimuraら.2003)。糖尿病ラットは、顕著な糸球体の過剰濾過および高血圧症を示した。これらのラットは、進行性のアルブミン尿症を発症し、8ヶ月において、マクロファージ侵襲と関連した拡がった糸球体硬化(glomerulosclerotic)病変を示した。MMFによる処置は、血圧にも、糸球体の動態(glomerular dynamics)にも、血中グルコースレベルにも何ら影響を有さなかったが、アルブミン尿症、糸球体のマクロファージ侵襲および糸球体硬化症を実際に予防した。
上記に鑑みると、糖尿病性ネフロパシーおよびその関連症状を処置するための治療が未だ必要である。
本発明は、以下を提供する:
・項目1.必要な患者における糖尿病性ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低下させる方法であって、該方法は、該患者に免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する、方法。
・項目2.前記免疫抑制剤はIMPDHインヒビターである、項目1に記載の方法。
・項目3.前記免疫抑制剤はミコフェノール酸モフェチルである、項目2に記載の方法。
・項目4.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目2に記載の方法。
・項目5.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目3に記載の方法。
・項目6.必要な患者におけるGFRの低下を予防するか、遅延させるか、停止させるか、または逆転させるための方法であって、該方法は、該患者に免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する、方法。
・項目7.前記免疫抑制剤はIMPDHインヒビターである、項目6に記載の方法。
・項目8.前記免疫抑制剤はミコフェノール酸モフェチルである、項目7に記載の方法。
・項目9.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目6に記載の方法。
・項目10.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目8に記載の方法。
・項目11.必要な患者における蛋白尿を減少させるための方法であって、該方法は、該患者に免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する、方法。
・項目12.前記免疫抑制剤はIMPDHインヒビターである、項目11に記載の方法。
・項目13.前記免疫抑制剤はミコフェノール酸モフェチルである、項目12に記載の方法。
・項目14.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目11に記載の方法。
・項目15.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目13に記載の方法。
・項目16.必要な患者における狼瘡ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低下させるための方法であって、該方法は、該患者に免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する、方法。
・項目17.前記免疫抑制剤はIMPDHインヒビターである、項目16に記載の方法。
・項目18.前記免疫抑制剤はミコフェノール酸モフェチルである、項目17に記載の方法。
・項目19.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目16に記載の方法。
・項目20.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目18に記載の方法。
・項目21.前記方法は、前記患者に糖尿病を処置するための薬剤を投与する工程をさらに包含する、項目1に記載の方法。
・項目22.前記方法は、前記患者に心臓血管疾患を処置するための薬剤を投与する工程をさらに包含する、項目21に記載の方法。
・項目23.免疫抑制剤およびACEインヒビターおよび薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルを含む、組成物。
・項目24.前記免疫抑制剤はIMPDHインヒビターである、項目23に記載の組成物。
・項目25.前記免疫抑制剤はミコフェノール酸モフェチルである、項目24に記載の組成物。
・項目26.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目23に記載の組成物。
・項目27.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目25に記載の組成物。
・項目28.前記組成物は、糖尿病を処置するための薬剤をさらに含む、項目23に記載の組成物。
・項目29.前記組成物は、心臓血管疾患を処置するための薬剤をさらに含む、項目23に記載の組成物。
・項目30.必要な患者における糖尿病性ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低下させるための方法であって、該方法は、該患者に項目23に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。
・項目31.必要な患者における狼瘡ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低下させるための方法であって、該方法は、該患者に項目23に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。
・項目32.患者における糖尿病性ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低下させるための医薬品の製造のための免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせの使用。
・項目33.前記免疫抑制剤がIMPDHインヒビターである、項目32に記載の使用。
・項目34.前記免疫抑制剤はミコフェノール酸モフェチルである、項目33に記載の使用。
・項目35.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目33に記載の使用。
・項目36.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目34に記載の使用。
・項目37.患者におけるGFRの低下を予防するか、遅延させるか、停止させるか、または逆転させるための医薬品の製造のための免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせの使用。
・項目38.前記免疫抑制剤はIMPDHインヒビターである、項目37に記載の使用。
・項目39.前記免疫抑制剤はミコフェノール酸モフェチルである、項目38に記載の使用。
・項目40.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目38に記載の使用。
・項目41.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目39に記載の使用。
・項目42.患者における蛋白尿を減少させるための医薬品の製造のための免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせの使用。
・項目43.前記免疫抑制剤はIMPDHインヒビターである、項目42に記載の使用。
・項目44.前記免疫抑制剤はミコフェノール酸モフェチルである、項目43に記載の使用。
・項目45.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目43に記載の使用。
・項目46.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目44に記載の使用。
・項目47.患者における狼瘡ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低下させるための医薬品の製造のための免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせの使用。
・項目48.前記免疫抑制剤はIMPDHインヒビターである、項目47に記載の使用。
・項目49.前記免疫抑制剤はミコフェノール酸モフェチルである、項目48に記載の使用。
・項目50.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目48に記載の使用。
・項目51.前記ACEインヒビターはリシノプリルである、項目49に記載の使用。
・項目52.糖尿病を処置するための薬剤をさらに含む、項目32〜51のいずれか1項に記載の使用。
・項目53.心臓血管疾患を処置するための薬剤をさらに含む、項目32〜51のいずれか1項に記載の使用。
当業者は、以下に示される図面が例示目的のみであることが理解される。これらの図面は、本発明の教示の範囲を制限するとは如何様にも意図しない。
図1は、リシノプリルによる処置を完了した患者における各通院時の平均ミクロアルブミン尿症レベルを示す。 図2は、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)による処置を完了した患者における各通院時の平均ミクログロブリン尿症レベルを示す。 図3は、減少傾向を示す、MMFおよびリシノプリルによる処置が完了した患者における各通院時の平均ミクログロブリン尿症レベルを示す。 図4は、MMFおよびリシノプリル併用治療を行っている各個々の通院時の3名の患者から得た蛋白尿測定値を示す。 図5aは、研究における患者の予測GFR値を示す。 図5bは、ミコフェノール酸モフェチルおよびリシノプリル(linisopril)の組み合わせを6ヶ月にわたって投与した患者から得た実際のGFR値を示す。
(発明の特定の実施形態の詳細な説明)
(使用および方法)
糖尿病性ネフロパシーは、糸球体濾過速度(GFR)における厳しい減少と併せて、持続性のアルブミン尿症(>300mg/dまたは>200mcg/分)によって特徴づけられる臨床的症候群である。上昇した動脈血圧はまた、糖尿病性ネフロパシーと一般的に関連する。
さらに、3つの主要な組織学的変化が、糖尿病性ネフロパシーを有する個人の糸球体において生じる。まず、糸球体間質拡大は、おそらく増大したマトリクス生成またはマトリクスタンパク質のグリコシル化を介して、高血糖症によって直接誘導される。第2に、GBM肥厚化が起こる。第3に、糸球体硬化症は、糸球体内高血圧症 (腎臓の血管拡張によって誘導されるか、または糸球体に供給する血管を狭くするヒアリンによって誘導される虚血傷害から誘導される)によって引き起こされる。これらの異なる組織学的パターンは、類似の予後重要性を有するようである。
理論に束縛されることなく、高血糖症(過剰濾過および腎傷害を引き起こす)、進んだグリコシル化生成物、およびサイトカインの活性化が糖尿病性ネフロパシーの発症において役割を果たすと考えられる。高血糖症は、糸球体におけるトランスホーミング増殖因子−β(TGF−β)の発現およびこのサイトカインによって特異的に刺激されるマトリクスタンパク質の発現を増大させる。TGF−βは、糖尿病性ネフロパシーを有する個人において観察される、細胞の肥大および増強されたコラーゲン合成の両方に寄与し得る。
驚くべきことに、免疫抑制剤およびアンジオテンシン変換酵素(angiontensin converting enzyme)(ACE)のインヒビターの組み合わせが糖尿病性ネフロパシーを処置するために、またはその重篤度を低減するために特に有用であることが見いだされた。従って、本発明は、必要な患者において、糖尿病性ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低減するための方法を提供する。ここでこの方法は、この患者に免疫抑制剤とアンジオテンシン変換酵素(ACE)のインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する。
本発明に有用な適切な免疫抑制剤としては、IMPDHインヒビター(例えば、ミコフェノール酸モフェチル)が挙げられる。本発明に有用な他の適切な免疫抑制剤は、当該分野で公知であり、とりわけ、シクロスポリン、ラパマイシン、FK−506およびこれらの誘導体、ならびにミゾリビンが挙げられる。
本発明に有用な適切なACEインヒビターとしては、とりわけ、リシノプリル、カプトプリル、ラミプリル、エナラプリルおよびキノプリル(quinopril)が挙げられる。
本発明の一局面に従って、糖尿病性ネフロパシーを処置するか、またはその重篤度を低減するためのこの方法は、それが必要な患者にミコフェノレートおよびACEインヒビターの組み合わせを、投与する工程を包含する。なお別の実施形態は、糖尿病性ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低減するための方法を提供し、ここでこの方法は、それが必要な患者に免疫抑制剤とリシノプリルの組み合わせを投与する工程を包含する。特定の実施形態において、本発明は、糖尿病性ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低減するための方法を提供し、ここでこの方法は、それが必要な患者にミコフェノール酸モフェチルとリシノプリルの組み合わせを投与する工程を包含する。
糖尿病性ネフロパシーは、しばしば、糸球体濾過速度(GFR)における連続的な減少によって特徴づけられる。代表的には、正常なGFRは、約100〜約140ml/分である。しかし、75ml/分未満のGFRは、進行したネフロパシーの徴候であり、10ml/分未満のGFRは、しばしば、「末期」腎疾患と考えられる。従って、本発明の別の局面は、必要な患者におけるGFRの低下を遅延させるための方法を提供し、ここでこの方法は、この患者に、免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する。他の実施形態において、本発明は、必要な患者におけるGFRの低下を遅延させるための方法を提供し、ここでこの方法は、この患者に免疫抑制剤とリシノプリルとの組み合わせを投与する工程を包含する。なお他の実施形態において、本発明は、必要な患者におけるGFRの低下を遅延させる方法を提供し、ここでこの方法は、この患者にミコフェノール酸モフェチルとACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する。特定の実施形態において、この方法は、ミコフェノール酸モフェチルとリシノプリルとの組み合わせを投与する工程を包含する。
本発明のなお別の局面は、必要な患者におけるGFRの低下を停止させるための方法を提供し、ここでこの方法は、この患者に免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する。特定の実施形態において、本発明は、必要な患者におけるGFRの低下を停止させるための方法を提供し、ここでこの方法は、この患者にミコフェノール酸モフェチルとACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する。他の実施形態において、本発明は、免疫抑制剤とリシノプリルとの組み合わせを投与する工程を包含する。なお他の実施形態において、本発明の方法は、ミコフェノール酸モフェチルとリシノプリルとの組み合わせを投与する工程を包含する。
本発明のなお別の局面は、必要な患者におけるGFRの低下を逆転するための方法を提供し、ここでこの方法は、免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する。他の局面において、本発明は、必要な患者におけるGFRの低下を逆転するための方法を提供し、ここでこの方法は、この患者に免疫抑制剤とリシノプリルとの組み合わせを投与する工程を包含する。なお他の局面において、この方法は、この患者にミコフェノール酸モフェチルとACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する。なお他の局面において、この方法は、ミコフェノール酸モフェチルとリシノプリルとの組み合わせを投与する工程を包含する。
なお別の局面に従って、本発明は、必要な患者におけるGFRの低下を予防する方法を提供し、ここでこの方法は、免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせをこの患者に投与する工程を包含する。他の実施形態において、この方法は、ミコフェノール酸モフェチル(myophenolate mofetil)およびACEインヒビターの組み合わせを投与する工程を包含する。なお他の実施形態において、この方法は、免疫抑制剤とリシノプリルとの組み合わせを投与する工程を包含する。なお他の局面に従って、この方法は、ミコフェノール酸モフェチルとリシノプリルとの組み合わせを投与する工程を包含する。
糖尿病性ネフロパシーはまた、尿中のタンパク質の存在によって特徴づけられる。このことは、蛋白尿として公知である。代表的には、150mgを超えるタンパク質を含む、24時間の尿収集物は以上であるのに対して、有意な蛋白尿は、1日あたり300〜500mgを超え得る。従って、特定の実施形態に従って、本発明は、必要な患者における蛋白尿を減少させる方法を提供し、ここでこの方法は、この患者に免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する。本発明の別の局面は、必要な患者における蛋白尿を減少させるための方法を提供し、この方法は、この患者にミコフェノール酸モフェチルとACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する。本発明のなお別の局面は、必要な患者における蛋白尿を減少させる方法を提供し、ここでこの方法は、ここでこの方法は、患者に免疫抑制剤とリシノプリルとの組み合わせを投与する工程を包含する。本発明のなお別の局面は、必要な患者における蛋白尿を減少させる方法を提供し、ここでこの方法は、この患者にミコフェノール酸モフェチルとリシノプリルとの組み合わせを投与する工程を包含する。
本明細書中で使用される場合、語句「蛋白尿を減少させる」とは、本発明の組み合わせを投与した後の患者における蛋白尿の量をいい、ここで本発明の組み合わせを投与した患者は、本発明の組み合わせの投与の前の患者と比較した場合、より少量の蛋白尿を有する。24時間の尿収集物による蛋白尿の検出は、当該分野で公知の方法(例えば、24時間尿収集)によって行われることが理解される。
本発明のなお別の局面は、必要な患者における蛋白尿を減少させ、かつGFRを増大させるための方法を提供し、ここでこの方法は、患者に免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する。特定の実施形態において、本発明は、蛋白尿を減少させかつGFRを増大させるための方法を提供し、ここでこの方法は、この患者にミコフェノール酸モフェチルとACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する。他の実施形態において、本発明は、必要な患者における蛋白尿を減少させかつGFRを増大させるための方法を提供し、ここでこの方法は、この患者に免疫抑制剤とリシノプリルとの組み合わせを投与する工程を包含する。なお他の実施形態において、本発明は、必要な患者における蛋白尿を減少させかつGFRを増大させるための方法を提供し、ここでこの方法は、この患者にミコフェノール酸モフェチルとリシノプリルとの組み合わせを投与する工程を包含する。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、狼瘡としても公知であり、数年持続する自己免疫疾患である。狼瘡が腎臓に影響を及ぼすことは一般的であり、狼瘡ネフロパシーにおいて生じる。従って、本発明の別の局面は、狼瘡ネフロパシーを処置するか、またはその重篤度を低減するための方法を提供し、ここでこの方法は、それが必要な患者に免疫抑制剤とアンジオテンシン変換酵素(ACE)のインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する。特定の実施形態において、狼瘡ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低減するための上記方法は、それが必要な患者にミコフェノール酸とACEインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する。なお別の局面は、それが必要な患者において狼瘡ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低減するための方法を提供し、ここでこの方法は、この患者に免疫抑制剤とリシノプリルとの組み合わせを投与する工程を包含する。他の実施形態において、本発明は、それが必要な患者において狼瘡ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低減するための方法を提供し、ここでこの方法は、この患者にミコフェノール酸モフェチルとリシノプリルとの組み合わせを投与する工程を包含する。
(薬学的に受容可能な組成物)
上記で議論されるように、本発明は、上記でおよび本明細書中の実施形態で規定され、記載され、糖尿病性ネフロパシーの処置に有用な免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせを提供する。従って、本発明の別の局面において、薬学的に受容可能な組成物は提供される。ここでこれらの組成物は、本明細書中に記載の化合物のいずれかを含み、そして必要に応じて、薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルを含む。特定の実施形態において、これらの組成物は、必要に応じて、1種以上のさらなる治療剤をさらに含む。
特定の実施形態において、本発明の免疫抑制剤およびACEインヒビターは、それが必要な患者に、同じ組成物中でともに投与される。代わりの実施形態において、本発明の免疫抑制剤およびACEインヒビターは、それが必要な患者に別個に投与される。これらの薬剤が別個に投与される場合、それらは、連続的にまたは同時に患者に投与され得る。
上記に記載されるように、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルをさらに含み、本明細書中で使用される場合、これらのキャリア、アジュバントまたはビヒクルは、所望される特定の投薬形態に適切である場合、任意のおよびすべての溶媒、希釈剤、または他の液体ビヒクル、分散もしくは懸濁補助剤、界面活性剤、等張剤、濃化剤または乳化剤、保存剤、固体結合材、滑沢剤などが挙げられる。Remington’s Pharmaceutical Sciences,第16版,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)は、薬学的に受容可能な組成物を処方するにあたって使用される種々のキャリアおよびその調製のための公知の技術を開示している。例えば、何らかの所望でない生物学的影響を生じるか、またはさもなければ薬学的に受容可能な組成物の任意の他の成分と有害な様式において相互作用することによって、任意の従来のキャリア媒体が本発明の化合物と不適合性である場合を除いて、その使用は、本発明の範囲内にあることが企図される。薬学的に受容可能なキャリアとして働き得る物質のいくつかの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸、グリシン、ソルビン酸、またはソルビン酸カリウム)、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩)、コロイド性シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、蝋、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマー、羊毛脂、糖(例えば、ラクトース、グルコース、およびすくロース);デンプン(例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース);粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤(例えば、ココアバターおよび坐剤蝋);油(例えば、落花生油、綿実油;サフラワー油;ごま油;オリーブ油;コーン油および大豆油);グリコール(例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール);エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリル酸エチル);寒天;緩衝化剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化ナトリウム);アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張性生理食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール;ならびにリン酸緩衝溶液、ならびに他の非毒性の適合性滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、矯味矯臭剤および芳香剤。保存剤および抗酸化剤もまた、処方者の判断に従って、組成物中に存在し得る。
なお別の局面において、上記および本明細書中に記載されるように、ネフロパシーおよびその徴候を処置するかまたはその重篤度を低減するための本発明の方法はまた、有効量の本発明の薬学的に受容可能な組成物をそれが必要な患者に投与する工程を包含する。本発明の特定の実施形態において、化合物または薬学的に受容可能な組成物の「有効量」は、糖尿病性ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低減するために有効な量である。この化合物および組成物は、本発明の方法に従って、糖尿病性ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低下するために有効な、任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。必要とされる正確な量は、被験体の種、年齢、および全身状態、感染の重篤度、特定の薬剤、その投与様式などに依存して、被験体間で変化する。本発明の組成物は、好ましくは、投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、投薬単位形態に処方される。
表現「投薬単位形態」とは、本明細書中で使用される場合、処置されるべき患者に適切なやく剤の物理的に別個の単位をいう。しかし、本発明の化合物および組成物の1日あたりの合計使用量は、正常な医学的判断の範囲内において主治医によって決定されることが理解される。任意の特定の患者または生物についての特定の有効用量レベルは、種々の要因(処置される障害およびその障害の重篤度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全身の健康、性別および食事;投与時間;投与経路;および使用される特定の化合物の排泄時間;処置の持続時間;使用される特定の化合物と組み合わせてまたはこの化合物と同時に使用される薬物、および医学分野において周知の同様の要因などが挙げられる)に依存する。
用語「患者」は、本明細書中で使用される場合、動物、好ましくは、哺乳動物、およびもっとも好ましくはヒトを意味する。
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、ヒトおよび他の動物に、処置される糖尿病性ネフロパシーの重篤度に依存して、経口的に、直腸的に、非経口的に、クモ膜下内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(散剤、軟膏またはドロップによって)、または口内に、経口または経鼻内スプレーなどに投与され得る。特定の実施形態において、本発明の化合物は、1日1回以上、1日あたり被験体体重の約0.01mg/kg〜約50mg/kg、好ましくは、約1mg/kg〜約25mg/kgの投薬量レベルにおいて経口的にまたは非経口的に投与されて、所望の治療効果を獲得し得る。
経口投与のための液体投薬形態としては、薬学的に受容可能なエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。活性化合物に加えて、液体投薬形態は、当該分野で一般に使用される不活性希釈剤(例えば、水または他の溶媒)、可溶化剤、および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド)、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油、およびごま油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物)が挙げられるが、これらに限定されない。不活性希釈剤の他に、経口組成物はまた、アジュバント(例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤)、甘味剤、矯味矯臭剤、および芳香剤を含み得る。
注射可能な調製物(例えば、滅菌注射可能な水性懸濁液または油性懸濁液)は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて当該分野で公知の技術に従って処方され得る。滅菌注射可能調製物はまた、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の(例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として)、滅菌注射可能溶液、懸濁液またはエマルジョンであり得る。受容可能なビヒクルおよび溶媒の中でも、水、リンゲル溶液(米国局方)、および等張性塩化ナトリウム溶液が使用され得る。さらに、滅菌の不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として従来通り使用される。この目的で、任意の低刺激性の不揮発性油が使用され得る(合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む)。さらに、脂肪酸(例えば、オレイン酸)は、注射可能物質の調製において使用される。
注射可能処方物は、例えば、細菌保持フィルタを通す濾過により、または殺菌剤を組み込む(使用前に滅菌水または他の滅菌注射可能媒体中に溶解または分散され得る滅菌固体組成物の形態において)ことにより滅菌され得る。
本発明の化合物の効果を長期化するために、皮下注射または筋肉内注射からの化合物の吸収を遅延させることがしばしば所望される。このことは、乏しい水溶解性を有する結晶性または非晶質の材料の液体懸濁液を使用することによって達成され得る。次いで、この化合物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、続いて、この溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形態に依存する。あるいは、非経口的に投与される化合物形態の遅延した吸収が、化合物を油ビヒクル中に溶解または懸濁することによって達成される。注射可能なデポー形態は、生分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド−ポリグリコリド)中に化合物のマイクロカプセルマトリクスを形成することによって作製される。化合物 対 ポリマーの日および使用される特定のポリマーの性質に依存して、化合物放出の速度は、制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射可能処方物はまた、身体組織と適合性であるリポソームまたはミクロエマルジョン中に化合物を捕捉することによって調製される。
直腸投与または膣投与のための組成物は、好ましくは、本発明の化合物と、周囲温度では固体であるが、直腸もしくは膣の腔では液体であり、従って、直腸もしくは膣の腔において溶けて、活性化合物を放出し得る適切な非刺激性の賦形剤もしくはキャリア(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコールもしくは坐剤蝋)とを混合することによって、調製され得る坐剤である。
経口投与のための固体投薬形態としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。このような固体投薬形態において、この活性化合物は、少なくとも1つの不活性な薬学的に受容可能な賦形剤もしくはキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二ナトリウム)および/またはa)充填剤もしくは増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびシアル酸)、b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシア)、c)湿潤剤(例えば、グリセロール)、d)崩壊剤(例えば、寒天-寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、e)溶液遅延材(solution retarding agent)(例えば、パラフィン)、f)吸収促進剤(例えば、4級アンモニウム化合物)、g)湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール)、h)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイトクレイ)、ならびにi)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物)と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、投薬量形態はまた、緩衝化剤を含み得る。
類似の型の固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して、軟質重点ゼラチンカプセル剤および硬質重点ゼラチンカプセル剤中の充填剤として使用され得る。錠剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固体投薬形態は、コーティングおよび殻(例えば、腸溶性コーティングおよび薬学処方分野で公知の他のコーティング)とともに処方され得る。それらは、必要に応じて、不透明化剤(opacifying agent)を含み得、また、腸管の特定の部分において、必要に応じて遅延様式において活性成分をそれのみもしくは優先的に放出する組成物であり得る。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質および蝋が挙げられる。同様の型の固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して、軟質充填ゼラチンカプセル剤および硬質充填ゼラチンカプセル剤において充填剤として使用され得る。
活性化合物はまた、上記の1種以上の賦形剤を含有するマイクロカプセル化形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固体投薬形態は、コーティングおよび殻(例えば、腸溶性コーティング、放出制御コーティングおよび薬学処方分野において周知の他のコーティング)とともに調製され得る。このような固体投薬形態において、その活性化合物は、少なくとも1種不活性希釈剤(例えば、スクロース、ラクトースまたはデンプン)と混合され得る。このような投薬形態はまた、通常の実務通り、不活性希釈剤(例えば、錠剤化滑沢剤および他の錠剤化補助剤(ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロース)以外のさらなる物質を含み得る。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、その投薬形態はまた、緩衝化剤を含み得る。それらは、必要に応じて、不透明化剤を含み得、また、腸管の特定の部分において、必要に応じて遅延様式において活性成分をそれのみもしくは優先的に放出する組成物であり得る。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質および蝋が挙げられる。
本発明の化合物の局所的投与または経皮的投与のための投薬形態としては、軟膏、パスタ剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル、散剤、溶液、スプレー、吸入剤またはパッチが挙げられる。活性成分は、必要とされ得る場合、滅菌条件下で薬学的に受容可能なキャリアおよび任意の必要とされる保存剤または緩衝液とともに混合され得る。眼科用処方物、点耳剤および点眼剤はまた、本発明の範囲内にあるように企図される。さらに、本発明は、身体に対して制御された送達を提供するという付加された利点を有する経皮的パッチの使用を企図する。このような投薬形態は、適切な媒体中に化合物を溶解させるからまたは分散させることによって作製され得る。吸収増強剤はまた、皮膚を横断する化合物のフラックスを増大させるために使用され得る。その速度は、速度制御膜を提供することによるか、またはポリマーマトリクスもしくはゲル中に化合物を分散させることによるかのいずれかによって制御され得る。
糖尿病性ネフロパシーのための主要な治療的介入としては、血中グルコース制御、抗高血圧処置、および食餌性タンパク質の制限が挙げられる。従って、本発明の併用療法はまた、糖尿病を処置するための公知の治療と組み合わせて投与され得る。特定の実施形態において、本発明の化合物、およびその薬学的に受容可能な組成物は、1種以上の他の所望の治療または医療的手順と同時、その前、またはその後に投与され得る。組み合わせレジメンにおいて使用する治療(治療剤または手順)の特定の組み合わせは、所望の治療剤および/または手順の適合性ならびに達成されるべき所望の治療効果を考慮する。使用される治療が、同じ障害に対する所望の効果を達成し得る(例えば、本発明の組み合わせは、同じ障害を処置するために使用される別の薬剤と同時に投与され得る)か、またはそれらが異なる効果(例えば、任意の悪影響の制御)を達成し得ることもまた理解される。
例えば、糖尿病を処置するための薬剤は、本発明の化合物および組成物と組み合わされ得る。このような薬剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:注射可能な形態または吸入形態のインスリンおよびインスリンアナログ、グリタゾン、αグルコシダーゼインヒビター、ビグアニド、インスリン感作物質(insulin sensitizer)、およびスルホニル尿素。
本発明の化合物とともに組み合わされ得る薬剤の他の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:心臓血管疾患を処置するための薬剤(例えば、β−遮断剤、利尿剤、硝酸塩、カルシウムチャネル遮断剤、およびスタチン)。
特定の実施形態において、本発明の化合物および組成物は、ネフロパシーを処置するために通常使用される他の治療(例えば、透析および腎移植)と組み合わせて利用される。
本発明の組成物に存在するさらなる治療剤の量は、唯一の活性薬剤としてその治療剤を含む組成物中で通常投与される量以下である。好ましくは、本明細書中で開示される組成物中のさらなる治療剤の量は、唯一の治療的に活性な薬剤としてその薬剤を含む組成物に通常存在する量の約50%〜100%の範囲である。
代替的実施形態において、さらなる治療剤を含まない組成物を利用する本発明の方法は、さらなる治療剤を患者に別個に投与するさらなる工程を包含する。これらのさらなる治療剤が別個に投与される場合、それらは、本発明の組成物の投与の前、投与と連続して、または投与の後に患者に投与され得る。
本明細書中に記載される発明がより十分に理解され得るために、以下の実施例が記載される。これらの実施例は、例示目的にすぎず、本発明を限定するとは如何様にも解釈されないことが理解されるべきである。
(1.定義)
本明細書中で使用される場合、用語「有効性エンドポイント」とは、疾患の症状および/または徴候を改善する薬物の能力の尺度を示すパラメーターをいう。
本明細書中で使用される場合、用語「安全性エンドポイント」とは、糖尿病性ネフロパシーについての薬物処置の使用と関連し得る有害事象、特に重篤な有害事象の任意の発生を示すパラメーラーをいう。
本明細書中で使用される場合、用語「MMF」とは、ミコフェノール酸モフェチルをいう。
本明細書中で使用される場合、本発明における用語「ACEインヒビター」とは、アンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害する任意の薬物または分子を意味する。これらのインヒビターとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:リシノプリル、カプトプリル、キナプリル、およびエナラプリル。
本明細書中で使用される場合、用語「Micral試験」とは、尿中のアルブミン排泄速度の尺度をいう。
本明細書中で使用される場合、用語「V1」とは、患者の1回目の通院を示し、その間に、患者が糖尿病性ネフロパシーの処置についての治験に参加する資格についてスクリーニングされる。
本明細書中で使用される場合、用語「V2」とは、患者の2回目の通院を示し、その間に、患者は、MMFまたはリシノプリル単独または両方の組み合わせのいずれかを伴う処置に今日される。
本明細書中で使用される場合、用語「V3」とは、処置[V2]の開始1ヶ月後の3回目の患者の通院を示す。
本明細書中で使用される場合、用語「V4」とは、処置[V2]の開始3ヶ月後の患者の4回目の通院を示す。
本明細書中で使用される場合、用語「V5」とは、処置[V2]の開始6ヶ月後の患者の5回目の通院を示す。
本明細書中で使用される場合、用語「V6」とは、処置[V2]の開始9ヶ月後の6回目の通院を示す;患者は、処置を中断した後および治験形態の終了が満たされる完了後に、彼らが予測GFRまたは尿タンパク質/クレアチニン比において何らかの変化を示すか否かを決定するためにモニターされる。
(2.実験の設計)
糖尿病性ネフロパシーの処置に対するMMFおよびリシノプリルの効果の研究を、以下の様式で設計した。
(サンプルサイズ)
この研究において、計30名の患者を計画し、そのうちの18名を無作為化して、研究のうちの1つに登録させた。ここでその患者群各々は、MMF単独、リシノプリル単独、またはMMFとリシノプリル両方の組み合わせを受容した。
(効力のエンドポイント)
この研究についての主なエンドポイントは、24時間尿タンパク質を介して患者から得た蛋白尿値であり、この値を、熱量測定Pyrogallol Red/SDS液体安定単一試薬(Calorimetric method Pyrogallol Red / SDS liquid stable single reagent)を用いて測定した。
この研究の第2のエンドポイントは、各患者から得たGFR値であった。この第2のエンドポイントには、予測GFRを含め、このGFRを、以下の式を使用して計算した:
(GFRの測定)
一旦全てのデータを集め、糸球体濾過速度(GFR)を、Cockcroft-Gault式によって決定した:
Figure 2009185080

(安全性エンドポイント)
この研究において、患者を、有害事象、身体検査;生命徴候、血液学および臨床的生化学について評価した。
(選択基準)
(1.参加基準(Inclusion Criteria))
患者の参加は、以下の基準に基づく。1型糖尿病患者および2型糖尿病患者;男性のおよび女性の閉経後の(自然および手術による)糖尿病患者;年齢18〜65歳;micral試験陽性(アルブミン排泄速度20〜200μgm/分);患者は、研究において使用される経口医薬品を嚥下することが可能でなければならない;患者は、研究の前にインフォームドコンセントに署名しなければならない。
(2.排除基準(Exclusion Criteria))
研究から被験体を排除することは、以下の基準に基づく:あらゆる年齢の閉経前の女性患者;SLEの臨床的徴候;非制御糖尿病(uncontrolled diabetes)(絶食時血中グルコース≧160mg/dlまたはHbA1c≧7.5%);非制御高血圧症(収縮期血圧≧160mmHgおよび/または拡張期血圧≧100mmHg);血清クレアチニン≧1.4mg/dlを有する損なわれた腎機能;シェンライン−ヘノッホ紫斑の十分に証明された病歴(以前の非特異的腹痛または発疹(これは、排除基準ではない)は除く);硬変または慢性活動性肝臓疾患の臨床的証拠;研究開始時の異常な実験値;絶対的好中球数(ANC)<2000/nm、またはヘマトクリット(HCT)<28%;AER>200μgm/分;BUN≧25mg/dl;MMFもしくはリシノプリルの投与に対する既知の禁忌またはアレルギー;大きな胃腸障害の病歴(例えば、重篤な慢性下痢または活動性消化性潰瘍疾患;活動性全身性感染または参加前1ヶ月以内の重篤な感染の病歴;HIV、B型肝炎またはC型肝炎による感染が既知であること;参加の5年より前に完全に切除された、皮膚癌以外の他の大きな器官系に疾患または悪性疾患;MMFまたはアザチオプリンでの現在または以前の処置;現在または最近(30日以内)の任意の研究薬物への曝露。
(研究設計)
糖尿病性ネフロパシーを有する患者における蛋白尿の状態に対するMMFまたはACEインヒビター単独または組み合わせの結果の評価は、オープンラベルの無作為化研究であった。この研究は、以下に示されるように、3つの部門からなった。
1.MMF単独での処置
2.MMFとリシノプリルとの組み合わせでの処置
3.リシノプリル単独での処置
さらに、以下に示されるように、研究には3つの相が存在した。
第1相:スクリーニング相(持続期間1〜4週間):303名の患者を、所定の参加基準および排除器順に基づいて彼らの1回目の通院(V1)のときにスクリーニングして、彼らが研究の資格があるか否かを決定し、研究プロトコルに従って可能性を評価した。Micral試験を、全ての患者について行って、資格を決定した。
第2相:処置相(6ヶ月間):スクリーニング相で資格を得た全ての患者を、処置部門のうちの1つに割り当てた。この相の間に、患者をしっかりとモニターし、効力および安全性パラメーターを、月毎に評価する。
以下のいずれかが観察された場合、患者を研究から引きあげさせた:禁止医薬品の摂取;重篤な有害事象;MMF用量後の中程度の重篤度の、持続性の胃腸障害;MMF用量後に25%より持続して低いヘマトクリット;MMF後の1500/mmより持続して低いANC;いかなるときも1000/mmより低いANC;生の経口ワクチンの投与;参加する承諾を撤回した患者;患者が研究施設の場所の地域から引っ越す;累積して合計28日以上のMMF処置の中断、または連続して21日より長い何らかの1回の中断;リシノプリルを寛容できないこと。
第3相:処置後相(3ヶ月間):この相の間に、患者を注意深くモニターして、彼らが処置を中止した後に予測GFRまたは尿タンパク質/クレアチニン比において何らかの変化を示したか否かを決定した。
(研究製品および投薬量:)
1.MMF:研究の間に与えられたMMFの用量は、研究期間全体を通して1日2回、500mg/経口であった。
2.リシノプリル:研究において与えられるリシノプリルの開始用量は、1日2回、5mg/経口であった。高血圧症の患者の場合、用量は、研究者の裁量に基づいて、次に、患者の「安全性エンドポイント」に基づいて、より多く滴定され得る。
3.MMF+リシノプリル:両方の約番号痛を受ける患者において、MMFの用量は、1日2回、500mg/経口であり、リシノプリルは、1日2回、5mg/経口であった。
高血圧症の患者の場合、リシノプリルの用量は、研究者の裁量に基づいて、次に、患者の「安全性エンドポイント」に基づいて、より多く滴定され得る。
(結果)
1回目の通院[V1]時に、18〜65歳の年齢群の間で臨床試験のために、Micral試験陽性(アルブミン排泄率20〜200μgm/分)を示す、1型糖尿病および2型糖尿病を有する19名の男性患者および11名の女性患者を選択した。
(実施例1)
ベースライン実験パラメーター(例えば、24時間尿タンパク質および予測GFR)の値を、MMFでの処置前の2回目の通院[V2]時に患者から得た。V2におけるそのパラメーターの値を、V2から1ヶ月に予定された3回目の通院[V3]時に得た値に対して比較した。処置の1ヶ月後のMMFは、これらの患者の67%において蛋白尿を減少することが分かった。1ヶ月後のMMF単独での処置の、蛋白尿に対する効果は、すぐ下に示される表に開示される。
Figure 2009185080

(実施例2)
ベースライン実験パラメーター(例えば、24時間尿タンパク質および予測GFR)の値を、MMFでの処置前のV2時に患者から得た。V2でのパラメーターの値を、V2(この間に患者は、1日に2回500mgのMMFを受けた)から3ヶ月に予定されたV3時に得た値に対して比較した。3ヶ月の終わりのV4時のMMF処置は、患者の67%において蛋白尿が減少した。MMF単独での処置の、3ヶ月後の蛋白尿に対する効果を、すぐ下の表に開示する。
Figure 2009185080

(実施例3)
ベースライン実験パラメーター(例えば、24時間尿タンパク質および予測GFR)の値を、MMFでの処置前のV2時に患者から得た。V2でのパラメーターの値を、V3、V4、V5およびV6(この間に患者は、1日に2回500mgのMMFを受けた)時に得た値に対して比較した。MMF単独での処置の、9ヶ月後の蛋白尿に対する効果を、図2に示す。
(実施例4)
ベースライン実験パラメーター(例えば、24時間尿タンパク質および予測GFR)の値を、リシノプリルでの処置前のV2時に患者から得た。V2でのパラメーターの値を、V2(この間に患者は、1日に2回、5mgのリシノプリルを受けた)から1ヶ月に予定されたV3時に得た値に対して比較した。1ヶ月の終わりでのリシノプリル処置は、患者の47.2%において蛋白尿を減少させた。リシノプリル単独での処置の、1ヶ月後の蛋白尿に対する効果を、すぐ下の表に開示する。
Figure 2009185080

(実施例5)
ベースライン実験パラメーター(例えば、24時間尿タンパク質および予測GFR)の値を、リシノプリルでの処置前のV2時に患者から得た。V2でのパラメーターの値を、V2(この間に患者は、1日に2回、5mgのリシノプリルを受けた)から3ヶ月に予定されたV4時に得た値に対して比較した。3ヶ月の終わりでのリシノプリル処置は、患者の40%において蛋白尿を減少させた。リシノプリル単独での処置の、3ヶ月後の蛋白尿に対する効果を、すぐ下の表に開示する。
Figure 2009185080

(実施例6)
ベースライン実験パラメーター(例えば、24時間尿タンパク質および予測GFR)の値を、リシノプリルでの処置前のV2時に患者から得た。V2でのパラメーターの値を、V2(この間に患者は、1日に2回5mgのリシノプリルを受けた)から6ヶ月に予定されたV5時に得た値に対して比較した。6ヶ月の終わりでのリシノプリル処置は、患者の50%において蛋白尿を減少させた。リシノプリル単独での処置の、6ヶ月後の蛋白尿に対する効果を、すぐ下の表に開示する。
Figure 2009185080

(実施例7)
ベースライン実験パラメーター(例えば、24時間尿タンパク質および予測GFR)の値を、リシノプリルでの処置前のV2時に患者から得た。V2でのパラメーターの値を、V3、V4、V5およびV6(この間に患者は、1日に2回、5mgのリシノプリルを受けた)時に得た値に対して比較した。リシノプリル単独での処置の、9ヶ月後の蛋白尿に対する効果を、図1に示す。
(実施例8)
ベースライン実験パラメーター(例えば、24時間尿タンパク質および予測GFR)の値を、MMFとリシノプリルとの組み合わせでの処置前のV2時に患者から得た。患者を、1日2回のリシノプリル5mgとともに、1日2回の500mgのMMFで処置した。V2でのパラメーターの値を、V2から1ヶ月に予定されたV3時に得た値に対して比較した。処置の1ヶ月の終わりでのMMFとリシノプリルの組み合わせ処置は、患者の75%において蛋白尿を減少させた。MMFとリシノプリルとの組み合わせでの処置の、1ヶ月後の蛋白尿に対する効果を、すぐ下の表に開示する。
Figure 2009185080

(実施例9)
ベースライン実験パラメーター(例えば、24時間尿タンパク質、尿タンパク質/クレアチニン比および予測GFR)の値を、MMFとリシノプリルとの組み合わせでの処置前のV2時に患者から得た。患者を、1日2回のリシノプリル5mgとともに、1日2回の500mgのMMFで処置した。V2でのパラメーターの値を、V2から3ヶ月に予定されたV4時に得た値に対して比較した。処置の3ヶ月の終わりでのMMFとリシノプリルの組み合わせ処置は、患者の100%において蛋白尿を減少させた。MMFとリシノプリルとの組み合わせでの処置の、3ヶ月後の蛋白尿に対する効果を、すぐ下の表に開示する。
Figure 2009185080

(実施例10)
ベースライン実験パラメーター(例えば、24時間尿タンパク質、尿タンパク質/クレアチニン比および予測GFR)の値を、MMFとリシノプリルとの組み合わせでの処置前のV2時に患者から得た。患者を、1日2回のリシノプリル5mgとともに、1日2回の500mgのMMFで処置した。V2でのパラメーターの値を、V2から6ヶ月に予定されたV5時に得た値に対して比較した。処置の6ヶ月の終わりでのMMFとリシノプリルの組み合わせ処置は、患者の100%において蛋白尿を減少させた。MMFとリシノプリルとの組み合わせでの処置の、9ヶ月後の蛋白尿に対する効果を、すぐ下の表に開示する。
Figure 2009185080

(実施例11)
ベースライン実験パラメーター(例えば、24時間尿タンパク質および予測GFR)の値を、MMFとリシノプリルとの組み合わせでの処置前のV2時に患者から得た。V2でのパラメーターの値を、V3、V4、V5およびV6(この間に患者は、1日2回のリシノプリル5mgとともに、1日に2回、500mgのMMFを受けた)時に得た値に対して比較した。MMFとリシノプリルとの組み合わせでの処置の、9ヶ月後の蛋白尿に対する効果を、図3に示す。
本発明者らは、本発明の多くの実施形態を記載してきたが、本発明者らの基本的実施例は、本発明者名の化合物および方法を利用する他の実施形態を提供するために改変され得ることが理解される。従って、本発明の範囲が例示によって示された特定の実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲によって規定されるべきことが理解される。
本発明は、免疫抑制剤とACEインヒビターとの組み合わせで糖尿病性ネフロパシーを処置する方法に関する。

Claims (4)

  1. 必要な患者における糖尿病性ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低下させるための組成物であって、該組成物は、
    約500mgの免疫抑制剤と約5mgのACEインヒビターとの組み合わせ
    を含み、ここで該免疫抑制剤は、ミコフェノール酸モフェチルであり、該ACEインヒビターはリシノプリルである、組成物。
  2. 前記組成物は、糖尿病を処置するための薬剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記組成物は、心臓血管疾患を処置するための薬剤をさらに含む、請求項2に記載の組成物。
  4. 患者における糖尿病性ネフロパシーを処置するかまたはその重篤度を低下させるための医薬品の製造のための約500mgの免疫抑制剤と約5mgのACEインヒビターとの組み合わせの使用であって、
    ここで該免疫抑制剤は、ミコフェノール酸モフェチルであり、
    該ACEインヒビターはリシノプリルである、
    使用。
JP2009128159A 2009-05-27 2009-05-27 糖尿病性ネフロパシーにおけるミコフェノール酸モフェチル Pending JP2009185080A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009128159A JP2009185080A (ja) 2009-05-27 2009-05-27 糖尿病性ネフロパシーにおけるミコフェノール酸モフェチル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009128159A JP2009185080A (ja) 2009-05-27 2009-05-27 糖尿病性ネフロパシーにおけるミコフェノール酸モフェチル

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004324407A Division JP2006131576A (ja) 2004-11-08 2004-11-08 糖尿病性ネフロパシーにおけるミコフェノール酸モフェチル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009185080A true JP2009185080A (ja) 2009-08-20

Family

ID=41068651

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009128159A Pending JP2009185080A (ja) 2009-05-27 2009-05-27 糖尿病性ネフロパシーにおけるミコフェノール酸モフェチル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009185080A (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0431203A (ja) * 1990-05-18 1992-02-03 Sumitomo Bakelite Co Ltd 易開封性包装体の製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0431203A (ja) * 1990-05-18 1992-02-03 Sumitomo Bakelite Co Ltd 易開封性包装体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2007204963B2 (en) Viral hepatitis treatment
JP6929785B2 (ja) 貧血治療のための組成物及び方法
CN102421433B (zh) 用于治疗肾病的组合物和方法
US7816384B2 (en) Method for treating a demyelinating condition
CA3012165A1 (en) Use of trimetazidine in preparation of drugs for preventing and treating liver diseases
JP2001510159A (ja) チアゾリジンジオン、インスリン分泌促進薬およびジグアニドを用いる糖尿病の治療
EP2026806A2 (en) Use of vx-702 for treating rheumatoid arthritis
EP0534907B1 (en) The use of furanone derivatives for the prevention or treatment of autoimmune diseases
JP2003503457A (ja) 心臓血管合併症の治療用薬剤の製造におけるアンギオテンシンii1型受容体アンタゴニストの使用
EP1825854A1 (en) MEDICINAL COMPOSITION CONTAINING FBPase INHIBITOR
JP2001510160A (ja) チアゾリジンジオン、インスリン分泌促進薬およびアルファグルコシダーゼ阻害剤を用いる糖尿病の治療
TW202038937A (zh) 治療高血壓的方法
US7728033B2 (en) Mycophenolate mofetil in diabetic nephropathy
JP2009185080A (ja) 糖尿病性ネフロパシーにおけるミコフェノール酸モフェチル
JP2006131576A (ja) 糖尿病性ネフロパシーにおけるミコフェノール酸モフェチル
CN101757627A (zh) 用于治疗糖尿病的联合用药及药物组合物
JP2001510158A (ja) チアゾリジンジオンおよびスルホニル尿素を用いる糖尿病の治療
CA2511735C (en) A method for treating renal failure using levosimendan or its metabolite or salts thereof
CA2487377C (en) Mycophenolate mofetil in diabetic nephropathy
Dimkovic et al. Mycophenolate mofetil in high-risk patients with primary glomerulonephritis: results of a 1-year prospective study
EP1656941A1 (en) Compositions for the treatment of diabetic nephropathy
NZ536455A (en) Mycophenolate mofetil in diabetic nephropathy
JP4925406B2 (ja) 糖尿病性腎症の予防及び/又は治療剤
CZ2004719A3 (cs) Léčivo s obsahem darifenacinu pro ošetřování nucení na močení souvisejícího s hyperaktivním měchýřem
WO2024012531A1 (zh) 一种吡啶酮衍生物的应用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090527

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111110

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120209

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120214

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120309

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120314

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120409

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120412

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120724