JP2009184565A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来品よりも優れたランフラット走行時の耐久性及び通常の走行時の耐久性を併せ持つ空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】本発明の空気入りラジアルタイヤは、主ベルトの全幅を覆いベルトエンドセパレーションの発生を抑制する機能を持つ脂肪族ポリケトンのコードからなるベルト補強層と、ベルト中央部を覆いバックリング変形を抑制する機能を持つ脂肪族ポリケトンのコードからなるベルト補強層をそれぞれ適切な幅、層数で配置してなる。主ベルト3全体を覆う1枚以上のベルト補強層4の幅W3は、主ベルト3の総幅W1に対して(即ち、W3−W1が)2〜10mm広く、主ベルト3中央部のみを補強する1層以上のベルト補強層5の幅W4は、主ベルト3の総幅W1に対して(即ちW4/W1が)5〜90%の範囲である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の空気入りラジアルタイヤは、主ベルトの全幅を覆いベルトエンドセパレーションの発生を抑制する機能を持つ脂肪族ポリケトンのコードからなるベルト補強層と、ベルト中央部を覆いバックリング変形を抑制する機能を持つ脂肪族ポリケトンのコードからなるベルト補強層をそれぞれ適切な幅、層数で配置してなる。主ベルト3全体を覆う1枚以上のベルト補強層4の幅W3は、主ベルト3の総幅W1に対して(即ち、W3−W1が)2〜10mm広く、主ベルト3中央部のみを補強する1層以上のベルト補強層5の幅W4は、主ベルト3の総幅W1に対して(即ちW4/W1が)5〜90%の範囲である。
【選択図】図1
Description
本発明は、カーカスのクラウン部に脂肪族ポリケトン(PK)からなるベルト補強層を適切に配置することにより、タイヤ内圧が低下した際に生じるタイヤトレッド部のバックリング変形を効率よく抑制し、ランフラット走行時の耐久性及び通常走行時の耐久性を向上させたランフラットタイヤに関する。
近年、タイヤ内圧が異常低下した場合やパンクした場合であっても、ある程度の距離の走行が可能であるランフラットタイヤへの需要が高まっている。該ランフラットタイヤは、通常の舗装路面を走行するためのサマータイヤ等において既に数多くの開発がなされている。該手法の一つとして、サイドウォール部に位置するカーカス内面側に比較的硬質なゴムからなる補強ゴム層を設置し、これにより内圧の異常低下又はパンクした時に補強ゴム層によって補強された両サイドウォール部を変形しにくくして荷重を支持する、いわゆるサイド補強タイプのランフラットタイヤがある。
このサイド補強タイプのランフラットタイヤは、構造がシンプルであり、リム組み作業性や製法等の煩雑さの問題は少ないが、タイヤクラウン部がその内面側からは特に支持されていないため、パンク時にタイヤクラウン部がその内面側に大きく変形してトレッド部踏面の一部、特に中央領域が浮き上がる現象であるバックリング現象が生じる。バックリングが生じると、サイドウォール部での屈曲変形量が増加してランフラット走行時の耐久性低下に繋がる。
以上のことから、サイド補強型ランフラットタイヤの耐久性を向上させるためにはバックリング変形を抑制することが有効である。該目的を達成するための手法の一つとして、タイヤトレッド部の周方向剛性を向上させるために、高剛性繊維を主ベルト全体を覆うベルト補強層として1枚以上配置すること挙げられ、該高剛性繊維としてはアラミド繊維(特許文献1)、ポリケトン繊維等を使用できる。
特に高熱収縮応力を有する脂肪族ポリケトン等を適用した場合、通常の内圧での走行でタイヤが比較的低温である状態では一般的なベルト補強層として振る舞い、パンク等によってタイヤ内圧が異常低下してタイヤ温度が過度に高温になった時のみに熱収縮応力が発生し、高い周方向剛性を発揮してバックリング変形を抑制することができる。このためアラミド等の高剛性繊維と共に使用した場合、通常の使用時においても高い周方向剛性を有するタイヤによく発生するタイヤ接地面の低下や乗り心地の悪化等の問題は起こらないが、ランフラット耐久性の向上には特に有効である。
一方、昨今ランフラット耐久性と、通常走行時の耐久性を高度に両立したタイヤが求められており、上記従来のタイヤでは、この要求を十分に満足することができていない。
そこで、本発明はバックリング変形を抑制することにより従来品よりも優れたランフラット走行時の耐久性を有し、更に通常の走行時における高い耐久性も併せ持つ空気入りラジアルタイヤを安価に提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、主ベルトの全幅を覆いベルトエンドセパレーションの発生を抑制する機能を持つ脂肪族ポリケトンのコードからなるベルト補強層と、ベルト中央部を覆いバックリング変形を抑制する機能を持つ脂肪族ポリケトンのコードからなるベルト補強層をそれぞれ適切な幅、層数で配置したところ、ランフラット走行時に発生するバックリング変形が抑制されて従来品よりもランフラット走行時の耐久性が向上し、更に通常の走行時の耐久性も高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の空気入りラジアルタイヤは、円筒形状のクラウン部の両端から径方向内側に向かって、先端部にビードリングを埋設したサイドウォールが連なり、またこれらサイドウォールの一方からクラウン部を通り他方のサイドウォールに至る間を繊維コードラジアルプライの少なくとも一枚からなり、その両端部をビードリングの周りに軸方向外側に巻き上げて固定したカーカス層を配置し、更に該カーカス層のクラウン部外周囲上に2層以上のベルト層からなる主ベルト、該主ベルトの径方向外方に配置されタイヤ周方向に対し実質的に平行配列した補強素子のゴム引き層からなる少なくとも2層のベルト補強層、及びトレッド部を順次配置して夫々補強すると共に、前記サイドウォールのカーカス層内面に、荷重を分担支持する、断面が三日月状の補強ゴム層を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記ベルト補強層は、主ベルトより幅が広く主ベルト全体を補強する1枚以上のベルト補強層と、主ベルトより幅が狭く主ベルトの中央部のみを補強する1枚以上のベルト補強層で構成され、前記ベルト補強層を構成する補強素子は脂肪族ポリケトン(PK)のコードからなる。
前記ベルト補強層は、主ベルトより幅が広く主ベルト全体を補強する1枚以上のベルト補強層と、主ベルトより幅が狭く主ベルトの中央部のみを補強する1枚以上のベルト補強層で構成され、前記ベルト補強層を構成する補強素子は脂肪族ポリケトン(PK)のコードからなる。
本発明の空気入りラジアルタイヤの好適例においては、前記主ベルト全体を補強するベルト補強層の幅は、前記主ベルトの総幅に対して2〜10mm広い。
本発明の空気入りラジアルタイヤの好適例においては、前記主ベルト中央部のみを補強するベルト補強層の幅は、前記主ベルトの総幅に対して5〜90%の範囲である。
本発明の空気入りラジアルタイヤは、前記ベルト補強層を構成する補強素子が、室温で49N荷重時の弾性率E(cN/dtex)と177℃加熱時の熱収縮応力σが下記式(1):
σ≧―0.01E+1.2・・・(1)
の関係式を満たし、且つσ≧0.02である脂肪族ポリケトンのコードであることが好ましい。
σ≧―0.01E+1.2・・・(1)
の関係式を満たし、且つσ≧0.02である脂肪族ポリケトンのコードであることが好ましい。
本発明の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト補強層を構成する補強素子が下記式(2):
−(CH2−CH2−CO)n−(R−CO)m−・・・(2)
[式中、Rは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一でも異なってもよく、但し、エチレン基であることはなく;nとmは繰り返し単位数である]で表される繰り返し単位から実質的になり、式(2)中のnとmが下記式(3):
0.95≦n/(n+m)≦1・・・(3)
を満たす脂肪族ポリケトンからなるコードであることが好ましい。
−(CH2−CH2−CO)n−(R−CO)m−・・・(2)
[式中、Rは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一でも異なってもよく、但し、エチレン基であることはなく;nとmは繰り返し単位数である]で表される繰り返し単位から実質的になり、式(2)中のnとmが下記式(3):
0.95≦n/(n+m)≦1・・・(3)
を満たす脂肪族ポリケトンからなるコードであることが好ましい。
本発明の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト補強層を構成する補強素子が、総繊度1000〜7000dtexの双撚り又は片撚りの脂肪族ポリケトンコードであることが好適である。
本発明の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記脂肪族ポリケトンが、下記式(4)
R=N×(0.125×D/ρ)1/2×10−3・・・(4)
[式中、N:コード撚り数(回/10cm)、D:コードの総表示デシテックス数、ρ:コードの比重である]で定義される練り係数Rが0.20〜0.72のラジアルタイヤであることが好適である。
R=N×(0.125×D/ρ)1/2×10−3・・・(4)
[式中、N:コード撚り数(回/10cm)、D:コードの総表示デシテックス数、ρ:コードの比重である]で定義される練り係数Rが0.20〜0.72のラジアルタイヤであることが好適である。
本発明の空気入りラジアルタイヤの他の好適例において、前記ベルト補強層を構成するコードの打ち込み数が30本/50mm〜70本/50mmである。
本発明の空気入りラジアルタイヤの他の好適例において、前記ベルト補強層は、いずれもこれらの配設幅よりも狭い幅寸法をもつ1本以上の補強素子をゴム引きした細いリボン状シートを、所定の幅寸法になるまでタイヤの幅方向に複数回らせん巻き回することによって形成してなる。
本発明によれば、従来品よりも優れたランフラット走行時の耐久性と通常の走行時の耐久性を併せ持つ空気入りラジアルタイヤを提供することができる。
以下に、図を参照しながら本発明を詳細に解説する。図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤは、円筒形状のクラウン部の両端から径方向内側に向かって、先端部にビードリング7を埋設したサイドウォール8が連なり、これらサイドウォール8の一方からクラウン部を通り他方のサイドウォール8に至る間を繊維コードラジアルプライの少なくとも一枚からなり、その両端部をビードリング7の周りに軸方向外側に巻き上げて固定したカーカス層9を配置し、更に該カーカス層周囲上に2層以上のベルト層1、2(内層側からベルト層1、ベルト層2とし、更にそれぞれの幅をW1、W2とする。)からなる主ベルト3と、該主ベルト3の径方向外方に配置され、タイヤ周方向に対し実質的に平行配列した補強素子のゴム引き層からなる2層以上のベルト補強層6及びトレッド部10を順次配列して夫々補強すると共に、前記サイドウォール8のカーカス層9内面に、荷重を分担支持する、断面が三日月状の補強ゴム層11を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記ベルト補強層6は、主ベルト3の外周囲上に配置され主ベルト3より幅が大きく主ベルト3全体を補強する1枚以上のベルト補強層4(幅をW3とする)と、該ベルト補強層4の外周囲上に配置され主ベルト3より幅が狭く主ベルト3中央部のみを補強する1枚以上のベルト補強層5(幅をW4とする)で構成され、前記ベルト補強層6を構成する補強素子は脂肪族ポリケトン(PK)のコードからなる。
尚、図示例のタイヤの主ベルト3は、タイヤ径方向最内側のベルト層1とその径方向外側に位置するベルト層2とからなるが、主ベルト3を構成するベルト層の枚数はこれに限られるものではない。
前記ベルト補強層6は、主ベルト3の外周囲上に配置され主ベルト3より幅が大きく主ベルト3全体を補強する1枚以上のベルト補強層4(幅をW3とする)と、該ベルト補強層4の外周囲上に配置され主ベルト3より幅が狭く主ベルト3中央部のみを補強する1枚以上のベルト補強層5(幅をW4とする)で構成され、前記ベルト補強層6を構成する補強素子は脂肪族ポリケトン(PK)のコードからなる。
尚、図示例のタイヤの主ベルト3は、タイヤ径方向最内側のベルト層1とその径方向外側に位置するベルト層2とからなるが、主ベルト3を構成するベルト層の枚数はこれに限られるものではない。
前記主ベルト3全体を覆う1枚以上の前記ベルト補強層4の幅W3は、前記主ベルト3の総幅W1に対して(即ち、W3−W1が)2〜10mm広いことが好ましい。2mm未満ではベルト端部のタガ効果が不十分なためベルトエンドセパレーションが十分に抑制できず、また10mmを超える幅にしてもタガ効果が向上することはないからである。
前記主ベルト3中央部のみを補強する1層以上の前記ベルト補強層5の幅W4は、前記主ベルト3の総幅W1に対して(即ちW4/W1が)5〜90%の範囲であることが好ましい。W4/W1が5%未満の幅では十分なバックリング変形抑制効果が発揮できず、W4/W1が90%を超える幅ではランフラット走行時にタイヤショルダー部の周方向剛性が過度に高くなり、サイドウォール部の屈曲変形量が増加して耐久性の低下に繋がるためである。
前記ベルト補強層6を構成する補強素子として、室温で49N荷重時の弾性率E(cN/dtex)と177℃加熱時の熱収縮応力σが上記式(1)の関係式を満たし、且つσ≧0.02である脂肪族ポリケトンを適用することが好ましい。この条件を満たす脂肪族ポリケトンを使用することによって、ランフラット走行時にタイヤが高温状態となった時に熱収応力によってベルト中央部に十分な締め付け効果が発生するため、バックリング変形を抑制することが可能となる。
本発明の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト補強層6を構成する補強素子は上記式(2)で表される繰り返し単位から実質的になり、上記式(2)中のnとmが上記式(3)を満たす脂肪族ポリケトンからなるコードであることが好ましく、上記式(2)のRを形成する不飽和化合物としては、特に限定されないが、エチレン以外の不飽和化合物、例えば、プロピレン、ブテン、ペンテン、シクロペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、スチレン、アセチレン、アレン等のエチレン以外の不飽和炭化水素や、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、アクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ウンデセン酸、ウンデセノール、6−クロロヘキセン、N−ビニルピロリドン、スルニルホスホン酸のジエチルエステル、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルピロリドン及び塩化ビニル等の不飽和結合を含む化合物等が挙げられる。ここで、Rがプロピレンであることが更に好ましく、エチレンと一酸化炭素のみを共重合させたコポリマー(即ち、上記式(2)においてn=1、m=0)であることがまた更に好ましい。
前記ベルト補強層6を構成する前記補強素子は、総繊度1000〜7000dtexの双撚り又は片撚りの脂肪族ポリケトンのコードで構成されることが好ましい。1000dtex未満であるとランフラット走行時に発生する熱による熱収縮応力が不十分となり必要なバックリング変形抑制効果が得られず、7000dtexを超えるコードを使用するとコード間に存在するゴム量が小さくなり、補強層とトレッドゴムの耐剥離性が悪化し、走行した際にトレッド−補強層間でセパレーション故障が発生する恐れがあるからである。
前記ベルト補強層6を構成する前記脂肪族ポリケトンは、上記式(4)で定義される練り係数Rが0.20〜0.72のラジアルタイヤであることが好ましい。該脂肪族ポリケトンの撚り係数Rが0.20未満ではコードとゴムの接着性が悪くなり、トレッドと補強層間でセパレーション故障が発生しやすくなり、0.72を超えるとコードに縮れが発生し、タイヤ生産時の作業性が大幅に悪化するためである。
前記ベルト補強層6を構成するコードの打ち込み数は、30本/50mm〜70本/50mmであることが好適である。該コードの打ち込み数が30本/50mm未満であると必要なバックリング変形抑制効果が得られず、70本/50mmを超えるとコード間に存在するゴム量が小さくなり、補強層とトレッドゴムの耐久性が悪化し、走行した際にトレッドを補強層間でセパレーション故障が発生する恐れがあるからである。
前記ベルト補強層6は、請求項1の条件を満たす限りは特に限定されないが、工程の効率上、これらの配設幅よりも狭い幅寸法をもつ1本以上の補強素子をゴム引きした細いリボン状シートを所定の幅寸法になるまでタイヤの幅方向に複数回らせん巻き回することによって形成してなることが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
図1に示す構造を有し、主ベルト3は最内側のベルト層の幅が165mm、その外側のベルト層の幅が155mmであり、表1に示す構成のベルト補強層を具えるサイズ225/60R17の空気入りラジアルタイヤを作製し、それぞれバックリング変形量、サイドウォール撓み量、ランフラット耐久性及び内圧走行時(通常走行時)耐久性に関する測定を行った。結果を表1に示す。比較例として、設置したベルト補強層が本発明の範囲内に無いもの、具体的には、主ベルトよりも幅の狭いベルト補強層5が無いもの(比較例1)、コード繊度が1670dtex/3でW4/W1が105(%)であるもの(比較例2)、コード繊度が1670dtex/3でW3−W1が−40mmであるもの(比較例3)及びベルト補強層6が無いもの(比較例4)、について実施例と同様の測定を行った。結果は表2に示す。尚、各測定は以下のようにして行った。
(1)バックリング変形発生量測定方法
ランフラットドラムにて15分間走行してタイヤに十分な熱入れを行った後、CTスキャンにてタイヤ荷重直下部分の断面形状を観察し、ドラムからトレッド中央部バックリング変形部までの距離を測定した。
ランフラットドラムにて15分間走行してタイヤに十分な熱入れを行った後、CTスキャンにてタイヤ荷重直下部分の断面形状を観察し、ドラムからトレッド中央部バックリング変形部までの距離を測定した。
(2)サイドウォール撓み量測定方法
ランフラットドラムにビデオカメラを取付け、荷重をかけた時と、15分間走行して十分に熱入れを行った後のタイヤ総幅の変化量を測定した。
ランフラットドラムにビデオカメラを取付け、荷重をかけた時と、15分間走行して十分に熱入れを行った後のタイヤ総幅の変化量を測定した。
(3)ランフラット耐久性測定方法
供試タイヤに内圧を充填することなく、荷重4.17kN、速度89km/h、温度38℃の環境下でドラム試験を行い、タイヤが故障に至るまでの走行距離を測定し、比較例1のタイヤの故障に至るまでの走行距離を100として指数表示した。指数値が大きい程、故障に至るまでの走行距離が長く、ランフラット耐久性に優れることを示す。
供試タイヤに内圧を充填することなく、荷重4.17kN、速度89km/h、温度38℃の環境下でドラム試験を行い、タイヤが故障に至るまでの走行距離を測定し、比較例1のタイヤの故障に至るまでの走行距離を100として指数表示した。指数値が大きい程、故障に至るまでの走行距離が長く、ランフラット耐久性に優れることを示す。
(4)内圧走行時耐久性測定方法
JIS D4230に規定される高速耐久性試験終了後、更に30分毎に速度を10km/h単位で増加させ、タイヤが破裂するまでの走行距離を測定した。評価方法は、比較例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど耐久性が優れていることを意味する。
JIS D4230に規定される高速耐久性試験終了後、更に30分毎に速度を10km/h単位で増加させ、タイヤが破裂するまでの走行距離を測定した。評価方法は、比較例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど耐久性が優れていることを意味する。
表1及び2より、各実施例はベルト補強層5が無い比較例1に較べてランフラット耐久性が増し、更に内圧走行時の耐久性に関してもそれぞれ同等であるか優れていた。このことから、ベルト補強層を適切に配置することはバックリングの抑制及び内圧走行時の耐久性向上に有効であることがわかる。一方、コード繊度がdtex/3でW4/W1が105%である比較例2は比較例1に較べてランフラット耐久性が劣り、コード繊度がdtex/3でW3−W1が−40である比較例3は比較例1に較べて内圧走行時耐久性が劣り、ベルト補強層6が無い比較例4は比較例1に較べてランフラット耐久性及び内圧走行時耐久性とも劣っていた。
以上の結果より、ベルト補強層を有し、このベルト補強層が脂肪族ポリケトンのコードからなり、主ベルト全体を補強するベルト補強層4の幅W3は主ベルト3の総幅W1に対して2〜10mm広く、主ベルト中央部のみを補強するベルト補強層5の幅W4が、主ベルト3の総幅W1に対して5〜90%の範囲である様に製造した空気入りラジアルタイヤは、それぞれ比較例よりも優れたランフラット耐久性及び内圧走行時耐久性を有することがわかる。
1、2 ベルト層1、2
3 主ベルト
4、5 ベルト補強層
6 ベルト補強層
7 ビードリング
8 サイドウォール
9 カーカス層
10 トレッド
11 補強ゴム層
W1 ベルト層1の幅(主ベルト3の総幅)
W2 ベルト層2の幅
W3 ベルト補強層4の幅
W4 ベルト補強層5の幅
3 主ベルト
4、5 ベルト補強層
6 ベルト補強層
7 ビードリング
8 サイドウォール
9 カーカス層
10 トレッド
11 補強ゴム層
W1 ベルト層1の幅(主ベルト3の総幅)
W2 ベルト層2の幅
W3 ベルト補強層4の幅
W4 ベルト補強層5の幅
Claims (9)
- 円筒形状のクラウン部の両端から径方向内側に向かって、先端部にビードリングを埋設したサイドウォールが連なり、またこれらサイドウォールの一方からクラウン部を通り他方のサイドウォールに至る間を繊維コードラジアルプライの少なくとも一枚からなり、その両端部をビードリングの周りに軸方向外側に巻き上げて固定したカーカス層を配置し、更に該カーカス層のクラウン部外周囲上に2層以上のベルト層からなる主ベルト、該主ベルトの径方向外方に配置されタイヤ周方向に対し実質的に平行配列した補強素子のゴム引き層からなる少なくとも2層のベルト補強層、及びトレッド部を順次配置して夫々補強すると共に、前記サイドウォールのカーカス層内面に、荷重を分担支持する、断面が三日月状の補強ゴム層を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記ベルト補強層は、主ベルトより幅が広く主ベルト全体を補強する1枚以上のベルト補強層と、主ベルトより幅が狭く主ベルトの中央部のみを補強する1枚以上のベルト補強層で構成され、前記ベルト補強層を構成する補強素子は脂肪族ポリケトン(PK)のコードからなることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 - 前記主ベルト全体を補強するベルト補強層の幅は、前記主ベルトの総幅に対して2〜10mm広いことを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記主ベルト中央部のみを補強するベルト補強層の幅は、前記主ベルトの総幅に対して5〜90%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記ベルト補強層を構成する補強素子が、室温で49N荷重時の弾性率E(cN/dtex)と177℃加熱時の熱収縮応力σが下記式(1):
σ≧―0.01E+1.2・・・(1)
の関係式を満たし、且つσ≧0.02である脂肪族ポリケトンのコードであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 前記ベルト補強層を構成する補強素子が下記式(2):
−(CH2−CH2−CO)n−(R−CO)m−・・・(2)
[式中、Rは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一でも異なってもよく、但し、エチレン基であることはなく;nとmは繰り返し単位数である]で表される繰り返し単位から実質的になり、式(2)中のnとmが下記式(3):
0.95≦n/(n+m)≦1・・・(3)
を満たす脂肪族ポリケトンからなるコードであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 前記ベルト補強層を構成する補強素子が、総繊度1000〜7000dtexの双撚り又は片撚りの脂肪族ポリケトンコードであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記脂肪族ポリケトンが、下記式(4)
R=N×(0.125×D/ρ)1/2×10−3・・・(4)
[式中、N:コード撚り数(回/10cm)、D:コードの総表示デシテックス数、ρ:コードの比重である]で定義される練り係数Rが0.20〜0.72であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 前記ベルト補強層を構成するコードの打ち込み数が30本/50mm〜70本/50mmであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記ベルト補強層は、いずれもこれらの幅よりも狭い幅寸法をもつ1本以上の補強素子をゴム引きした細いリボン状シートを、所定の幅寸法になるまでタイヤの幅方向に複数回らせん巻き回することによって形成してなる請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015209004A (ja) * | 2014-04-23 | 2015-11-24 | 株式会社ブリヂストン | サイド補強型ランフラットラジアルタイヤ |
JP2018197017A (ja) * | 2017-05-23 | 2018-12-13 | 株式会社ブリヂストン | ランフラットラジアルタイヤ |
-
2008
- 2008-02-07 JP JP2008027883A patent/JP2009184565A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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JP2018197017A (ja) * | 2017-05-23 | 2018-12-13 | 株式会社ブリヂストン | ランフラットラジアルタイヤ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110510 |