JP2009183874A - ナノ材料固定化方法及び固定化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ナノ材料の凝集を抑制して、ナノ材料を試料上に好適に固定化することが可能なナノ材料固定化方法及び固定化装置を提供する。
【解決手段】 静電噴霧用ノズル20からナノ材料分散液13を静電噴霧して、ナノ材料を試料10上に固定化する固定化処理において、分散液13と試料10との間に電圧を印加して、噴霧された個々の液滴16内に1個または0個のナノ材料18が含まれる条件下でノズル20の噴霧口22から試料10へと分散液13を静電噴霧し、個々の液滴16に含まれる溶媒17を雰囲気中で乾燥させた後にナノ材料18を試料10の表面に静電付着させることで、試料10上にナノ材料18を固定化する。これにより、液滴内にあるナノ材料の凝集が防止され、ナノ材料を試料上に好適に固定化することが可能となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ナノ材料が溶媒中に分散された分散液を静電噴霧して、ナノ材料を試料上に固定化するためのナノ材料固定化方法、及びナノ材料固定化装置に関するものである。
近年、ナノテクノロジーの発展に伴い、多種多様なナノ材料が創製されている。ナノ材料では、その極微小なサイズなどの効果によって、通常のバルク体の材料にはない新たな特性が現れることから、様々な分野、用途での活用が期待されている。
上記したナノ材料は、バルク材料とは異なり、非常に小さいためにそのハンドリングが難しく、また、複数のナノ材料が凝集して凝集体を形成しやすいという性質がある。このため、ナノ材料は多くの場合、溶媒中にナノ材料が分散されたナノ材料分散液の状態で取り扱われる。また、このようなナノ材料の利用方法の一例として、基板状などの所定形状のバルク材料の表面にナノ材料を固定化し、ナノ材料の有用な機能を付加、発現させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
国際公開WO2004/074172号
ナノ材料をバルク体の試料上に固定化する方法としては、ナノ材料が分散されたナノ材料分散液を試料表面に塗布する方法がある。しかしながら、この方法では、ナノ材料分散液を塗布した後に、その溶媒を乾燥させる工程においてナノ材料が凝集してしまい、結果としてナノ材料の本来の特性を充分に発揮させることができない。
また、ナノ材料を試料上に固定化する他の方法として、試料に対してナノ材料分散液を噴霧する静電噴霧法が考えられる(特許文献1)。この静電噴霧法では、ナノ材料分散液を充填したキャピラリ状のノズルに高電圧を印加し、ノズル先端の分散液噴霧口から試料に向けて帯電した分散液の液滴を噴霧して、試料表面にナノ材料を固定化する。しかしながら、このような方法でも、噴霧された液滴で溶媒が乾燥する過程において、液滴内にある全てのナノ材料が凝集体を形成してしまうという問題がある。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、ナノ材料の凝集を抑制して、ナノ材料を試料上に好適に固定化することが可能なナノ材料固定化方法、及びナノ材料固定化装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明によるナノ材料固定化方法は、ナノ材料を試料上に固定化する固定化方法であって、(1)ナノ材料が溶媒中に分散されたナノ材料分散液を内部に蓄えることが可能な筒状構造を有し、その先端部にナノ材料分散液を静電噴霧するための分散液噴霧口が設けられたノズル本体を含む静電噴霧用ノズルを用い、ノズル本体の内部にナノ材料分散液を導入する分散液導入ステップと、(2)静電噴霧用ノズルの分散液噴霧口に対向するように、ナノ材料の固定化の対象物である試料を設置する試料設置ステップと、(3)ナノ材料分散液と試料との間に電圧を印加し、噴霧された個々の液滴内に1個または0個のナノ材料が含まれる条件下で、静電噴霧用ノズルの分散液噴霧口から試料へとナノ材料分散液を静電噴霧する噴霧ステップと、(4)静電噴霧用ノズルから噴霧されたナノ材料分散液の個々の液滴について、液滴に含まれる溶媒を噴霧の雰囲気中で乾燥させる乾燥ステップと、(5)ナノ材料分散液の溶媒が乾燥した状態でナノ材料を試料の表面に静電付着させることで、試料上にナノ材料を固定化する固定化ステップとを備えることを特徴とする。
また、本発明によるナノ材料固定化装置は、ナノ材料を試料上に固定化する固定化装置であって、(a)ナノ材料が溶媒中に分散されたナノ材料分散液を内部に蓄えることが可能な筒状構造を有し、その先端部にナノ材料分散液を静電噴霧するための分散液噴霧口が設けられたノズル本体を含む静電噴霧用ノズルと、(b)静電噴霧用ノズルの分散液噴霧口に対向するように、ナノ材料の固定化の対象物である試料を支持する試料支持手段と、(c)ナノ材料分散液と試料との間に静電噴霧用の電圧を印加する電圧印加手段とを備え、(d)電圧印加手段は、静電噴霧用ノズルの分散液噴霧口から試料へとナノ材料分散液を静電噴霧する際に、噴霧された個々の液滴内に1個または0個のナノ材料が含まれる条件となるように電圧を印加するとともに、(e)静電噴霧用ノズル及び試料支持手段は、静電噴霧用ノズルから噴霧されたナノ材料分散液の個々の液滴について、液滴に含まれる溶媒が噴霧の雰囲気中で乾燥するとともに、ナノ材料分散液の溶媒が乾燥した状態でナノ材料を試料の表面に静電付着させることで、試料上にナノ材料が固定化されるように配置されていることを特徴とする。
上記したナノ材料固定化方法及び固定化装置においては、静電噴霧用ノズルの内部に充填されたナノ材料分散液と試料との間に所定の電圧を印加し、分散液の静電噴霧、乾燥、及びナノ材料の静電付着によって試料上にナノ材料を固定化している。このような構成では、ナノ材料分散液を試料表面に塗布する方法等に比べて、試料上でのナノ材料の凝集を抑制することができる。
さらに、このようなナノ材料の固定化において、静電噴霧用ノズルから試料への分散液の静電噴霧について、個々の液滴内に1個または0個のナノ材料が含まれる条件下で分散液の噴霧を行っている。このように、噴霧された個々の液滴に多くとも1個のナノ材料が含まれるように分散液の静電噴霧を行うことにより、溶媒が乾燥する過程において液滴内にあるナノ材料が凝集体を形成してしまうことが防止され、充分に分散した状態でナノ材料を試料上に好適に固定化することが可能となる。ナノ材料としては、大きさ100nm以下の材料(例えば直径100nm以下のナノ粒子)を用いることが好ましい。
上記構成において、固定化方法は、静電噴霧用ノズルから試料に向けて噴霧されるナノ材料の通過領域において、ナノ材料の凝集状態を光学的にモニタする凝集状態モニタステップを備えることが好ましい。同様に、固定化装置は、静電噴霧用ノズルから試料に向けて噴霧されるナノ材料の通過領域において、ナノ材料の凝集状態を光学的にモニタする凝集状態モニタ手段を備えることが好ましい。
このように、静電噴霧用ノズルから噴霧され雰囲気中で溶媒が乾燥されるナノ材料に対して、ノズルの噴霧口と試料との間でのナノ材料の通過領域において凝集状態のモニタを光学的に行うことにより、試料上に固定化されるナノ材料の凝集状態を固定化処理の実行中に評価することが可能となる。
上記のようにナノ材料の凝集状態をモニタするための具体的な構成については、固定化方法は、凝集状態モニタステップにおいて、ナノ材料の通過領域に対してモニタ光を照射し、モニタ光によって発生するナノ材料からの散乱光及び蛍光の少なくとも一方を検出することで、凝集状態を光学的にモニタすることが好ましい。同様に、固定化装置は、凝集状態モニタ手段が、ナノ材料の通過領域に対してモニタ光を照射するモニタ用光源と、モニタ光によって発生するナノ材料からの散乱光及び蛍光の少なくとも一方を検出することで、凝集状態を光学的にモニタする光検出手段とを有することが好ましい。
このように、固定化処理の対象となるナノ材料の大きさなどの具体的な固定化条件に応じ、ナノ材料にモニタ光を照射したときに発生する散乱光または蛍光を利用して凝集状態のモニタを行うことにより、静電噴霧用ノズルから噴霧されて試料へと向かう帯電したナノ材料の凝集状態を、その通過領域において好適に光学的にモニタすることができる。
また、固定化方法は、凝集状態モニタステップでの凝集状態のモニタ結果に基づいて、噴霧ステップにおいてナノ材料分散液と試料との間に印加される静電噴霧用の電圧を制御する電圧制御ステップを備えても良い。同様に、固定化装置は、凝集状態モニタ手段による凝集状態のモニタ結果に基づいて、電圧印加手段によってナノ材料分散液と試料との間に印加される静電噴霧用の電圧を制御する電圧制御手段を備えても良い。
このような構成では、凝集状態モニタ手段によって取得されたナノ材料の凝集状態のモニタ結果に基づいて、ノズルからのナノ材料分散液の静電噴霧の条件を好適かつ自動的にフィードバック制御することができる。なお、このような静電噴霧用の電圧のフィードバック制御については、操作者がナノ材料の凝集状態のモニタ結果を参照しながら手動で行う構成としても良い。
また、固定化方法は、ノズル本体の内部にあるナノ材料分散液に対して、凝集したナノ材料を分散させるための光分散用レーザ光を照射する光分散ステップを備えることが好ましい。同様に、固定化装置は、ノズル本体の内部にあるナノ材料分散液に対して、凝集したナノ材料を分散させるための光分散用レーザ光を照射する光分散用レーザ光源を備えることが好ましい。これにより、試料上に固定化されるナノ材料の凝集を、さらに確実に抑制することができる。
また、ナノ材料分散液の静電噴霧に用いられるノズルについては、ノズル本体が、その筒状構造の先端部における内径が50μm以下であることが好ましい。このように、分散液噴霧口でのノズル口径となるノズル本体の先端部での内径を50μm以下と小さくすることにより、噴霧される分散液の微液滴を充分に小さくして、個々の液滴内に1個または0個のナノ材料が含まれる上記した固定化条件を好適に実現することができる。
本発明のナノ材料固定化方法、及び固定化装置によれば、ノズル内部に充填されたナノ材料分散液と試料との間に電圧を印加し、分散液の静電噴霧、乾燥、及びナノ材料の静電付着によって試料上にナノ材料を固定化するとともに、分散液の静電噴霧において個々の液滴内に1個または0個のナノ材料が含まれる条件下で噴霧を行うことにより、液滴内のナノ材料の凝集が防止され、ナノ材料を試料上に好適に固定化することが可能となる。
以下、図面とともに本発明によるナノ材料固定化方法、及びナノ材料固定化装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、本発明によるナノ材料固定化装置の第1実施形態の構成を概略的に示すブロック図である。本実施形態によるナノ材料固定化装置1Aは、ナノ材料が溶媒中に分散されたナノ材料分散液を用い、分散液を静電噴霧することでバルク材料の表面にナノ材料を固定化する装置である。以下においては、ナノ材料の固定化の対象物である基板状などの所定形状のバルク材料を試料とする。また、固定化処理の対象となるナノ材料としては、大きさ100nm以下の微小材料(例えば直径100nm以下のナノ粒子)を用いることが好ましい。このような微小材料では、通常のバルク材料とは異なる物性(光学的特性、電気的特性、物理的特性等)が現れる。
図1に示すナノ材料固定化装置1Aは、静電噴霧用ノズル20と、試料10を載置する試料ステージ30と、電圧印加装置40と、固定化制御装置45とを備えて構成されている。このような構成において、ノズル20からステージ30上の試料10へと向かう図中の上下方向が、本固定化装置1Aにおけるナノ材料の噴霧軸となっている。図1においては、基板状の試料10は水平方向に配置されており、上記した噴霧軸は試料10の表面に対して垂直方向となっている。
静電噴霧用ノズル20は、ナノ材料が溶媒中に分散されたナノ材料分散液13を静電噴霧するためのものであり、ナノ材料分散液13を内部に蓄えることが可能な筒状構造を有するノズル本体21を有して構成されている。本実施形態においては、ノズル20は、ノズル本体21の筒状構造の長手軸(ノズルの中心軸)がナノ材料の噴霧軸と一致した状態で設置されている。また、ノズル本体21の両端の開口22、23のうちの一方の開口、図1では下端部に設けられた開口22は、試料10に対して分散液13を静電噴霧するための分散液噴霧口となっている。なお、このようにノズル本体21を有する構成のノズル20は、例えば、ガラス材料のガラスキャピラリを用いて作製することができる。
ナノ材料分散液13が充填された静電噴霧用ノズル20に対し、ナノ材料の固定化の対象物である試料10は、ノズル20の下方に位置する試料ステージ30上に、ノズル20の分散液噴霧口22に対向するように載置されている。試料ステージ30は、静電噴霧用ノズル20に対して所定の状態で試料10を支持する試料支持手段である。
試料ステージ30としては、試料10の設置位置の調整等を行う必要がある場合には、X、Y方向(水平方向)に移動可能なXYステージ、あるいはX、Y方向(水平方向)及びZ方向(垂直方向)に移動可能なXYZステージを用いることができる。この場合、図1に示すように、試料ステージ30に対して、ステージを駆動制御するためのステージ駆動装置35が設けられる。試料10の位置の調整が不要な場合、あるいは試料10の位置の調整をノズル20の位置の調整によって行う場合等には、試料ステージ30として固定ステージを用いても良い。この場合には、ステージ駆動装置35は不要である。
試料ステージ30上の試料10は、直接に、あるいはステージ30に設けられた電極等を介して、接地電位に接続されている。これに対して、静電噴霧用ノズル20のノズル本体21の内部には、その上端部の開口23側に電極25が分散液13に電気的に接続された状態で設けられている。また、この電極25に対して、電圧印加装置40が接続されている。これにより、電圧印加装置40から電極25を介してナノ材料分散液13に所定の電圧が印加されることによって、ノズル20内の分散液13と、接地電位の試料10との間に静電噴霧用の電圧が印加される。
静電噴霧用ノズル20、試料ステージ30、ステージ駆動装置35、及び電圧印加装置40を含む固定化装置1Aに対し、固定化制御装置45が設けられている。制御装置45は、固定化装置1Aの各部の動作を制御することで、試料10に対するナノ材料の固定化条件、及び固定化処理の実行を制御する。特に、この制御装置45は、具体的なナノ材料の固定化条件に応じて、電圧印加装置40によって分散液13に印加される静電噴霧用の電圧を制御する電圧制御手段としての機能を有する。なお、電圧印加装置40による電圧の印加については、操作者によって手動で制御する構成としても良い。
また、図1に示した構成では、固定化制御装置45に対し、表示装置46、及び入力装置47が接続されている。表示装置46は、操作者に対して固定化処理の設定条件、処理状況、あるいは処理結果等についての必要な情報を表示する際に用いられる。また、入力装置47は、固定化処理についての必要な条件、指示等の情報の入力に用いられる。
図1に示した固定化装置1Aを用いて実行される本発明によるナノ材料固定化方法について説明する。この固定化方法では、まず、固定化を行うナノ材料が溶媒中に分散されたナノ材料分散液を用意し、静電噴霧用ノズル20に対して、ノズル本体21の内部に分散液13を導入する(分散液導入ステップ)。この分散液13の導入は、後述するように、固定化装置1Aの具体的な構成等に応じてノズル本体21の上端部の開口23から、あるいは下端部の開口である分散液噴霧口22から行われる。
また、ナノ材料分散液13に対して、ナノ材料の固定化の対象物であるバルク状の試料10を用意する。試料10としては、例えば、ナノ材料を表面上に固定化するための所定材料からなる基板が用いられる。そして、この試料10を試料ステージ30上に、ノズル20の分散液噴霧口22に対向するように設置する(試料設置ステップ)。ここで、試料10の設置については、分散液13のノズル20への導入の前に、あらかじめ試料10を設置しておいても良い。
次に、制御装置45によって電圧印加装置40を駆動制御し、接地電位の試料10に対して、ノズル20内のナノ材料分散液13に静電噴霧用の電圧を印加する。そして、このように電圧が印加された状態でノズル20の噴霧口22から試料10へと分散液13を静電噴霧し(噴霧ステップ)、ノズル20から噴霧されたナノ材料分散液13の個々の液滴について、液滴に含まれる溶媒を噴霧の雰囲気中で乾燥させ(乾燥ステップ)、噴霧された分散液13に含まれるナノ材料を溶媒が乾燥した状態で試料10の表面に静電付着させることで、試料10上にナノ材料を固定化する(固定化ステップ)。
ナノ材料の固定化における固定化条件について、さらに説明する。図2は、本発明によるナノ材料固定化方法の一実施形態について概略的に示す図である。ノズル20の内部に充填される分散液13では、上記したように、ナノ材料18が溶媒17中に分散された状態となっている。また、図2に示す例では、試料10は接地電位に接続されている。
このような状態で、ノズル20内の分散液13に対して静電噴霧用の電圧(図2の例では正の電圧)を印加すると、ノズル20の先端部の分散液噴霧口22から下方の試料10に向けて、円錐状の液面を有するテーラーコーン14が形成される。さらに、分散液13は、このテーラーコーン14の先端から細いジェット流15を介して多数の帯電した微液滴16(図2の例では正に帯電した微小な液滴)となる。
これにより、ナノ材料分散液13の帯電した液滴16が正電位のノズル20から接地電位の試料10に対して静電噴霧される(噴霧ステップ)。また、この分散液13の静電噴霧は、図2に示すように、噴霧された個々の液滴16内に1個または0個のナノ材料18が含まれる条件下で行われる。この場合、静電噴霧用ノズル20の先端部から生成される液滴16は、ナノ材料18を1個含む液滴、またはナノ材料18を含まない溶媒17のみの液滴となる。
ノズル20の噴霧口22から噴霧された分散液13の個々の液滴16は、ノズル20から試料10に到達するまでの噴霧の雰囲気中において、液滴16に含まれる溶媒17が乾燥し、ナノ材料18のみが残った状態となる(乾燥ステップ)。そして、溶媒17が乾燥した状態の正帯電したナノ材料18を試料10の表面に静電付着させることで、試料10上にナノ材料18が分散し、点在した状態で固定化される(固定化ステップ)。
上記実施形態によるナノ材料固定化方法、及びナノ材料固定化装置の効果について説明する。
図1及び図2に示したナノ材料固定化装置1A及び固定化方法においては、静電噴霧用ノズル20の内部に充填されたナノ材料分散液13と試料10との間に所定の電圧を印加し、分散液13の静電噴霧、乾燥、及びナノ材料18の静電付着によって試料10上にナノ材料を固定化している。このような構成では、分散液13を試料表面に塗布する方法等に比べて、試料10上でのナノ材料18の凝集を抑制することができる。
さらに、このようなナノ材料の固定化において、ノズル20から試料10への分散液13の静電噴霧について、個々の液滴16内に1個または0個のナノ材料18が含まれる条件下で分散液13の噴霧を行っている。このように、噴霧された個々の液滴に多くとも1個のナノ材料が含まれるように分散液13の静電噴霧を行うことにより、溶媒17が乾燥する過程で液滴16内にあるナノ材料18が凝集体を形成してしまうことが防止され、充分に分散した状態でナノ材料18を試料10上に好適に固定化することが可能となる。
また、上記の固定化方法では、ノズル20から噴霧された分散液13の個々の液滴16について、試料10に付着する前の段階の噴霧の雰囲気中で液滴16に含まれる溶媒17を乾燥させ、溶媒が乾燥した状態でナノ材料18を試料10の表面に静電付着させることで試料10上にナノ材料を固定化している。これにより、ノズル20から噴霧された個々の液滴に含まれるナノ材料を、試料10の表面に好適に固定化することができる。
このようなナノ材料の固定化での噴霧条件、乾燥条件、及び固定化条件は、静電噴霧用ノズル20の構成、形状、サイズ、分散液13でのナノ材料の濃度、ノズル20と試料10との間の距離、分散液13に印加される静電噴霧用の電圧の値、及びノズル20から噴霧される液滴径などの条件を適切に設定、調整することで実現することが可能である。
例えば、図1の固定化装置1Aを用いて固定化処理を行う場合、電圧印加装置40が、分散液13を静電噴霧する際に、噴霧された個々の液滴内に1個または0個のナノ材料が含まれる条件となるように電圧を印加する構成とすることが好ましい。また、ノズル20及び試料ステージ30については、噴霧された分散液13の個々の液滴について、液滴に含まれる溶媒が噴霧の雰囲気中で乾燥するとともに、溶媒が乾燥した状態でナノ材料が試料10の表面に静電付着するように配置されている構成とすることが好ましい。また、電圧印加装置40については、電圧制御手段として機能する固定化制御装置45によって、上記の固定化条件を実現するように印加電圧を制御する構成としても良い。また、必要があれば、ノズル20及び試料ステージ30の配置についても、同様に制御装置45によって制御する構成としても良い。
上記したナノ材料固定化装置及び固定化方法によるナノ材料の固定化処理の具体例について説明する。図3及び図4は、試料上へのナノ材料の固定化の例を示す図である。
図3は、ナノ材料の固定化の一例として、金ナノ粒子を試料上に固定化した例を示し、図3(a)は金ナノ粒子分散液を試料上に塗布する方法で固定化処理を行った場合の固定化状態を、また、図3(b)は本発明による固定化装置を用いた静電噴霧によって金ナノ粒子の固定化処理を行った場合の固定化状態を示している。図3に示すように、分散液を塗布する方法では、金ナノ粒子が凝集した状態で固定化されているのに対して、静電噴霧による固定化方法では、金ナノ粒子が凝集せずに分散した状態で固定化されていることがわかる。
また、図4は、ナノ材料の固定化の他の例として、銀ナノ粒子を試料上に固定化した例を示し、図4(a)は銀ナノ粒子分散液を試料上に塗布する方法で固定化処理を行った場合の固定化状態を、また、図4(b)は本発明による固定化装置を用いた静電噴霧によって銀ナノ粒子の固定化処理を行った場合の固定化状態を示している。図4に示すように、金ナノ粒子に比べて凝集しやすい銀ナノ粒子においても、静電噴霧による固定化方法を用いることにより、銀ナノ粒子がほとんど凝集せずに分散した状態で固定化されている。
ここで、静電噴霧用ノズル20から試料10への分散液13の噴霧については、噴霧の雰囲気を調整、制御する必要がある場合には、図5(a)及び図5(b)に模式的に示すように、ノズル20及び試料ステージ30等を収容する噴霧室60を設ける構成としても良い。この場合、噴霧室60内において、ナノ材料の固定化処理を行う際の雰囲気となる気体の種類、あるいはその圧力等を適切に設定することができる。図5(b)では、具体的な構成例として、噴霧室60に対して減圧ポンプ66を接続した構成を示している。
なお、図5(a)に示す構成では、噴霧室60の前面の扉61に観察窓62を設けるとともに、この観察窓62をフレネルレンズなどの拡大鏡によって構成している。このような構成では、噴霧室60の内部で実行されるナノ材料の固定化処理についての観察、確認が容易となる。また、図5(b)に示す構成では、固定化処理の観察等のため、コールドライト光源67を用いた照明68を噴霧室60の内部に設けている。また、噴霧室60内において、ノズル20と試料10との間に静電噴霧の実行/不実行を切り換えるスプレーシャッタ65を設ける構成としても良い。
ここで、特許文献1(国際公開WO2004/074172号)には、キャピラリ内の溶液に電圧を印加して静電噴霧し、溶液中の目的物質を対象物に固定化する方法が記載されている。しかしながら、文献1の構成においても、上述したように、噴霧された液滴内に含まれる複数個のナノ材料が凝集するという問題がある。これに対して、本発明のナノ材料固定化方法及び固定化装置では、個々の液滴内に1個または0個のナノ材料が含まれる条件下で分散液の噴霧を行っている。このような構成では、液滴内でのナノ材料の凝集が防止され、ナノ材料を試料上に充分に分散した状態で固定化することが可能である。
図1に示した固定化装置1Aにおいて分散液の噴霧に用いられる静電噴霧用ノズル20の構成について説明する。ノズル20としては、上記したように、ガラスキャピラリ等を用いた筒状のノズル本体21を有する構成を好適に用いることができる。また、このノズル20のノズル本体21については、その筒状構造の先端部における内径が50μm以下であることが好ましい。
このように、ノズル本体21の内径、及び噴霧口22でのノズル口径を充分に小さくすることにより、例えば直径100nm以下のナノ材料の静電噴霧に好適なサブミクロンオーダーの微液滴を形成するなど、ノズル20から噴霧される分散液13の微液滴を充分に小さくして、液滴内でのナノ材料の凝集を確実に抑制することが可能となる。特に、上記した固定化方法において、ノズル口径が充分に小さい細径のノズル20を用いることにより、分散液13の静電噴霧で個々の液滴内に1個または0個のナノ材料のみが含まれる上記した固定化条件を好適に実現することができる。
また、このようなノズル本体21の先端部における内径については、20μm以下とすることがさらに好ましい。また、静電噴霧用ノズル20を作製するためのノズル作製技術(例えばガラスの加工技術)等を考慮すると、ノズル本体21の先端部における内径は、3μm以上であることが好ましい。
また、ノズル20の構成の他の例として、筒状のノズル本体の内部に芯構造が設けられた構成を用いることができる。図6は、静電噴霧用ノズル20の一変形例について、その先端部(図1中における下端部)の構成を拡大して示す図であり、図6(a)はノズル20の先端部を側面側からみた斜視図、図6(b)はノズル20の断面図である。本変形例では、ノズル本体21の内部にロッド状の芯構造24が配置されており、これらのノズル本体21及び芯構造24によってノズル20が構成されている。また、芯構造24は、図6に示すように、ノズル本体21の内壁に接した状態でノズル本体21の長手軸の方向に沿って延びるように設けられている。このような芯構造24は、例えば、ノズル本体21の内壁に対して融着によって固定される。
このように、ノズル本体21の内部に芯構造24を設けた構成では、図6(b)において矢印で示すように、毛細管現象によって、分散液13がノズル本体21の内壁と芯構造24との隙間に入り込もうとする。その結果、ノズル本体21の内部で分散液13がノズル本体21の先端部まで確実に供給される。この芯構造24については、噴霧口22まで分散液13を充分に供給するため、ノズル本体21の長手方向に沿って噴霧口22を含む所定範囲で延びる(例えば、ノズル本体21の全長にわたって延びる)ように設けることが好ましい。また、ノズル本体21及び芯構造24を有するノズル20は、例えば、ガラスキャピラリ及びガラスロッドを用いて作製することができる。
芯構造24を有するノズル20では、ノズル本体21の先端部を細径とした場合でも、ノズル本体21の内壁と芯構造24との間での毛細管現象により、噴霧口22がある先端部まで分散液13が確実に供給される。これにより、ノズル本体21の内部での固形物または気泡などによるノズル詰まりの発生が防止される。また、分散液13でのナノ材料濃度を低くすることなく、効率的に固定化処理を実行することができる。
すなわち、静電噴霧用ノズル20の口径を小さくした場合、ノズル20の先端部での溶媒の乾燥などにより、噴霧口22での分散液13の液面の保持が難しくなる。また、固形物または気泡などによるノズル詰まりが発生する場合もある。これに対して、芯構造24を設けた構成では、ノズル20の先端部で溶媒の乾燥が発生した場合でも、芯構造24を伝って溶媒が先端部まで自然供給され、分散液13の液面が保持される。
また、このように、ノズル20の先端部での溶媒の乾燥が抑制されることにより、ノズル詰まりの原因となる固形物の発生が防止される。また、ノズル本体21の内部に気泡が発生した場合でも、芯構造24を伝って溶媒が気泡を回り込んでノズル20の先端部まで自然供給されるので、気泡によるノズル詰まりの発生が防止される。
また、分散液13の静電噴霧について考えると、図2に示すように、分散液13と試料10との間に電圧が印加されることで、噴霧口22の下方でテーラーコーン14の液面が形成され、その先端からジェット流15が放出され、最終的に多数の帯電した微液滴16が生成されて分散液13が噴霧される。このとき、ジェット流15及び液滴16の大きさは、試料10へと向かう静電力と、ノズル20へと向かう表面張力との影響を受ける。
これに対して、芯構造24を有する構成のノズル20では、上記した試料10へと向かう静電力と、ノズル20へと向かう表面張力とに加えて、芯構造24による毛細管力が、表面張力と同様に分散液13の液面をノズル20の先端部に引き戻そうとする力としてテーラーコーン14に作用する。これにより、分散液13は、静電力と、表面張力及び毛細管力との影響を受けることとなり、芯構造24がない場合よりもジェット流15及び液滴16の大きさを小さくすることが可能となる。
また、芯構造24は、ノズル本体21の内径に対して0.1倍〜0.2倍の範囲内にある直径を有することが好ましい。この場合、ノズル本体21内での分散液13の流路と芯構造24とを好適に両立して、ノズル本体21の先端部の噴霧口22まで毛細管現象によって分散液13を好適に供給することができる。例えばノズル本体21の内径が20μmである場合、芯構造24の直径を2μm〜4μmの範囲内で設定することが好ましい。
また、静電噴霧用ノズル20の具体的な構成については、上記した構成例では、噴霧口22を構成するノズル本体21の先端面が長手軸に垂直な面となっているが、図7(a)の斜視図、及び図8(a)の断面図にノズル20の他の変形例の先端部の構成を示すように、ノズル本体21が、その筒状構造の長手軸に対して噴霧口22が鋭角をなすように所定角度θで傾いた鋭角形状に形成されている構成としても良い。
このように、ノズル本体21を鋭角形状とした場合、その先端部分においてノズル本体21の内径よりも細い流路が形成され、かつ、先端部分に静電噴霧用の高電場が集中することとなる。これにより、噴霧時に形成される分散液13の液滴をさらに小さくすることができる。また、このような鋭角形状において、ノズル本体21の長手軸に対して噴霧口22がなす角度θ(ノズル本体21の側面と先端面とがなす角度、図8(a)参照)については、45°〜70°の範囲内で傾き角度θを設定することが好ましい。
また、上記構成において、ノズル本体21内部の芯構造24は、図7(a)に示すように、噴霧口22における鋭角の先端側に位置して鋭角形状の先端から上方に延びるように設けられていることが好ましい。これにより、ノズル本体21の内部において、分散液13の流路の先端となる鋭角形状の先端部分まで分散液13を確実に供給することが可能となる。ただし、このような芯構造24については、例えばノズル本体21の鋭角の先端から所定距離だけずれた位置に設けるなど、具体的には様々な構成を用いて良い。
また、このようにノズル本体21が鋭角形状に形成されている場合、図8(b)に示すように、ナノ材料の噴霧軸に対してノズル本体21の長手軸が鋭角形状の先端側に設置角度βで傾いた状態となるようにノズル20を設置して、試料10への分散液13の静電噴霧を行う構成としても良い。このような構成では、ノズル本体21の楕円形の噴霧口22の開口面積が大きくなった場合でも、試料10からみた噴霧口22の面積を小さくして、噴霧時に形成される分散液の微液滴を確実に小さくすることができる。
この場合、ノズル20の設置角度βについては、ノズル本体21の鋭角形状の角度θに対して、θ/4〜3θ/4の範囲内で設置角度βを設定することが好ましく、特に、β=θ/2とすることが好ましい。また、ノズル本体21の噴霧口22の開口面積の増大等が問題とならない場合には、図8(a)に示したようにβ=0°として、ナノ材料の噴霧軸と、ノズル本体21の長手軸とが一致した構成としても良い。
また、ノズル本体21を鋭角形状とする構成については、図7(b)に示すように、芯構造24が設けられていない構成のノズル20(図1参照)においても、同様に適用することが可能である。このような構成においても、鋭角形状の効果によって噴霧時に形成される分散液13の液滴をさらに小さくすることができる。また、ナノ材料の噴霧軸に対してノズル本体21を傾けて配置する構成についても、同様に、芯構造24が設けられていない構成のノズル20に対して適用することが可能である。
図9は、静電噴霧用ノズル20の構成の具体的な一例を示す図である。本構成例によるノズル20は、筒状のガラスキャピラリをノズル本体21、ガラスキャピラリの内部に内壁に接した状態で設けられたガラスロッドを芯構造24とし、その一端部をガラス加工で細径化することによって形成されたものである。また、筒状のノズル本体21の両端の開口22、23のうち、細径化された一端側の開口22が分散液噴霧口となっている。
図9(a)に示すノズル20において、上端部の開口23側の部分は一定の径を有する太径部となっている。また下端部の分散液噴霧口22側の部分は先端に向かって径が減少する細径部となっている。また、上方の太径部の形状(図9(b)参照)は、具体的には例えば、太径部の長さがl1=60mm、ノズル本体21の外径がa1=1mm、内径がb1=0.6mm、芯構造24の直径がc1=0.1mmである。
一方、下方の細径部の形状(図9(c)参照)は、具体的には例えば、細径部の長さがl2=5mm、その下端部でのノズル本体21の外径がa2=20μm、内径がb2=12μm、芯構造24の直径がc2=2μmである。例えば、濃度0.1%で平均粒径が50nmの酸化チタンの水分散液をナノ材料分散液13とした場合、先端部でのノズル内径が12μmのノズル20を用い、ノズル20と試料10の基板との距離を20mmとし、分散液13に印加する静電噴霧用の電圧を1400Vとした条件において、ナノ材料の固定化処理を良好に実行することができる。なお、ノズル20と試料10との距離については、一般には5mm〜30mmの範囲内の距離に設定することが好ましい。また、静電噴霧用の電圧については、5000V以下の電圧に設定することが好ましい。
静電噴霧用ノズル20へのナノ材料分散液13の導入について説明する。筒状のノズル本体21の内部への分散液13の導入は、上述したように、固定化装置1Aの具体的な構成等に応じてノズル本体21の上端部の開口23から、あるいは下端部の開口である分散液噴霧口22から行われる。特に、このノズル20への分散液13の導入については、ノズル本体21に対して上方の開口23からではなく、下方の分散液噴霧口22からナノ材料分散液13を内部に導入することが好ましい。
このように、静電噴霧の対象となるナノ材料分散液13を噴霧口22側から吸入する構成とすることにより、ノズル本体21の内部において、噴霧口22がある先端部まで分散液13を確実に供給することが可能となる。また、ノズル20に対して、微量のナノ材料分散液13を簡便に充填することができる。
例えばノズル本体21に対して上方の開口23側から分散液13を供給する場合、下方の噴霧口22まで分散液13が充填されたことを確認するため、一定量の分散液が噴霧口22から滴下するまで分散液13の導入を行う必要があり、一部の分散液が無駄になるという問題がある。これに対して、上記したように噴霧口22側から分散液13を吸入する場合、このような分散液13の無駄がなくなり、ノズル20内に充填したナノ材料分散液13の全てを静電噴霧に用いることができる。
静電噴霧用ノズル20へのナノ材料分散液13の導入方法の具体例、及び静電噴霧用ノズル20の変形例について、図10及び図11を用いて説明する。図10は、静電噴霧用ノズルの構成の変形例を示す図である。本構成例によるノズル20は、ノズル本体21に加えて、さらにノズルホルダ26を有して構成されている。ここで、図10(a)は、ノズル本体21をホルダ26に取り付ける前の状態を、図10(b)は、ノズル本体21をホルダ26に取り付けて静電噴霧用ノズル20を構成した状態をそれぞれ示している。
図10に示すように、ノズルホルダ26は、ノズル本体21の分散液噴霧口22とは反対側の開口23に対して接続され、ノズル本体21を支持するように構成されている。具体的には、本構成例のノズル20におけるノズルホルダ26には、ノズル本体固定部27と、電圧供給端子28と、負圧導入口29とが設けられている。
ノズル本体固定部27は、ホルダ26の下部に凹状に形成されており、図10(b)に示すように、ノズル本体21は、この固定部27に上端部を挿入することでホルダ26に固定される。これにより、このノズルホルダ26は、ノズル本体21に対して着脱可能に構成されている。また、電圧供給端子28は、分散液13に電圧を印加するための金属ワイヤなどからなる電極25(図1参照)に接続されており、電圧印加装置40は、この端子28を介して、電極25及びナノ材料分散液13に静電噴霧用の電圧を供給する。
負圧導入口29は、筒状のノズル本体21の内部に負圧を与えるためのものであり、上記したように分散液噴霧口22から分散液13をノズル本体21の内部に導入する際に用いられる。この負圧導入口29は、ノズル本体21をホルダ26に固定した状態で、ノズル本体21の内部と空間的に接続されている。ここで、図11は、静電噴霧用ノズル20へのナノ材料分散液13の導入について示す図である。
この分散液13の導入方法では、まず、図11(a)に示すように、ノズルホルダ26によって支持されたノズル本体21の先端部を、容器内に収容された分散液13に浸す。そして、図11(b)に示すように、負圧導入口29からノズル本体21の内部を減圧して内部を負圧とすることにより、ノズル本体21内において噴霧口22側から、分散液13の液面が上昇する。これにより、ノズル20に対して必要な分散液13が噴霧口22から充填されるとともに、電圧印加用の電極25に分散液13が接触した状態となる。
このように、ノズル本体21がホルダ26に装着された構成のノズル20では、噴霧口22側から分散液13を導入する方法を用いた場合、分散液13がノズル本体21の内部のみに充填され、ホルダ26の洗浄等の作業が不要となるという利点がある。また、噴霧口22から分散液13を導入する構成において、図7に示したようにノズル本体21を鋭角形状とした場合には、分散液13の吸入口となる噴霧口22の開口面積が大きくなるため、分散液13の導入・充填の速度を速くして、その時間を短縮することができる。
また、このように細径の噴霧口22から分散液13を吸入する場合にも、上記のようにノズル本体21の内部に芯構造24を設けた構成を適用しても良い。この場合、ノズル本体21の内壁と芯構造24との間での毛細管現象により、噴霧口22からノズル本体21の内部へと分散液13を効率良く吸入することが可能となる。
図12は、本発明によるナノ材料固定化装置の第2実施形態の構成を概略的に示すブロック図である。本実施形態によるナノ材料固定化装置1Bの構成は、試料10を載置する試料ステージ30、ステージ駆動装置35、電圧印加装置40、及びナノ材料の固定化において適用される具体的な固定化条件については、図1に示した固定化装置1Aに関して上述した構成と同様である。また、本実施形態では、静電噴霧用ノズル20として、ノズル本体21及び芯構造24を有する構成を例示している。ただし、本構成においても、図1と同様に芯構造24を除く構成のノズル20を用いることも可能である。
図12に示すナノ材料固定化装置1Bでは、ノズル本体21内部にあるナノ材料分散液13に対して、凝集したナノ材料を分散させるための光分散用レーザ光を照射する光分散用レーザ光源50が設けられている。このような構成では、溶媒中に分散されたナノ材料が分散液13において静電噴霧前に凝集してしまった場合でも、光分散用レーザ光を照射することによって分散液13の溶媒中でナノ材料を再分散させることができる(光分散ステップ)。
したがって、ナノ材料が溶媒中に充分に分散した状態で分散液13を静電噴霧することが可能となり、試料10上に固定化されるナノ材料の凝集を、さらに確実に抑制することができる。なお、このようなレーザ光の照射によるナノ材料の分散処理については、ナノ材料分散液13をノズル20に充填する前の段階で、所定の容器に準備された分散液13にレーザ光を照射して分散処理を行う構成としても良い。
分散液13中でのナノ材料の光分散に用いられるレーザ光としては、例えば波長350nm〜1100nmのパルスレーザ光を好適に用いることができる。この場合のレーザ光強度は、レーザ光の照射波長、あるいは対象とするナノ材料分散液13の吸光特性などによって異なるが、例えばナノ秒オーダーのパルスレーザ光で、照射強度を0.01〜50J/cm・pulseに設定することが好ましい。具体的な光分散用レーザ光源50としては、例えばYAGパルスレーザ光源(波長1064nm、532nm、355nm)を用いることができる。
また、図12の固定化装置1Bでは、静電噴霧用ノズル20から試料10に向けて噴霧される帯電したナノ材料の通過領域に対し、通過領域においてナノ材料の凝集状態を光学的にモニタする凝集状態モニタ部55が設けられている。このような構成では、静電噴霧用ノズル20から噴霧され雰囲気中で溶媒が乾燥されるナノ材料に対して、ノズル20の噴霧口22と試料10との間でのナノ材料の通過領域において凝集状態のモニタを光学的に行うことにより、試料10上に固定化されるナノ材料の凝集状態を固定化処理の実行中にリアルタイムで評価することが可能となる(凝集状態モニタステップ)。
具体的には、図12に示す構成例では、凝集状態モニタ部55は、ナノ材料の通過領域に対してモニタ光を照射するモニタ用光源56と、モニタ光によって発生するナノ材料からの散乱光及び蛍光の少なくとも一方を検出する光検出装置57とを有して構成されている。このように、ナノ材料の大きさなどの条件に応じたモニタ方法で、ナノ材料にモニタ光を照射したときに発生する散乱光または蛍光を利用して凝集状態のモニタを行うことにより、ノズル20から噴霧されて試料10へと向かう帯電したナノ材料の凝集状態を、その通過領域において好適にモニタすることができる。また、これにより、分散液13の静電噴霧において、個々の液滴内に1個または0個のナノ材料が含まれる上記の噴霧条件が実現されているかどうかについても評価することができる。
さらに、図12に示す構成例では、光検出装置57によるナノ材料からの光の検出結果を示す検出信号が解析装置58に入力されており、この解析装置58において、ナノ材料の凝集状態について必要なデータ解析、及びナノ材料の凝集状態の評価が行われる。そして、電圧制御手段として機能する固定化制御装置45は、解析装置58から入力された凝集状態のモニタ結果を参照し、電圧印加装置40によってナノ材料分散液13と試料10との間に印加される静電噴霧用の電圧を制御する(電圧制御ステップ)。
これにより、凝集状態モニタ部55によって取得されたナノ材料の凝集状態のモニタ結果に基づいて、ノズル20からの分散液13の静電噴霧の条件を好適かつ自動的にフィードバック制御することができる。なお、このような静電噴霧用の電圧のフィードバック制御については、操作者がモニタ結果を参照しながら手動で行う構成としても良い。
ナノ材料の凝集状態のモニタに用いられるモニタ光としては、例えば波長400nm〜700nmの連続光を好適に用いることができる。また、モニタ用光源56としては、ノズル20から噴霧されたナノ材料の通過領域に対してモニタ光を集光照射することが可能な光源を用いることが好ましい。そのような光源としては、レーザ光源、半導体レーザ光源、及びLED光源などが挙げられる。
凝集状態モニタ部55によるナノ材料の凝集状態のモニタリングについて、さらに説明する。光源56から供給される光を用いた凝集状態のモニタでは、上記したように、帯電したナノ材料が試料10に向かって雰囲気中を移動していく空間領域に対してモニタ光を照射し、モニタ光照射領域をナノ材料が通過する際に発生する散乱光、あるいは蛍光などの光を光検出装置57で検出することで、ナノ材料の凝集状態をモニタする。
ナノ材料からの散乱光については、前方散乱光、側方散乱光、または後方散乱光、あるいはそれらを組み合わせて測定を行うことが好ましい。特に、大きさが数10nm程度のナノ材料の通過をモニタする場合には、後方散乱光を測定することで凝集状態を好適にモニタすることができる。また、大きさが10nm以下のナノ材料の通過をモニタする場合には、ナノ材料の量子効果に基づいて発生する蛍光を測定することで凝集状態を好適にモニタすることができる。なお、モニタ用光源56、及びモニタ対象となるナノ材料の通過領域に対する光検出装置57の配置については、凝集状態のモニタに用いるナノ材料からの光の種類、及びその測定距離、測定角度(前方、側方、後方等)などの測定条件に応じて、その配置を設定することが好ましい。
図13〜図15は、モニタ光によるナノ材料の凝集状態のモニタについて模式的に示す図である。これらの図13〜図15において、グラフ(a)はナノ材料の凝集状態のモニタに用いられる参照データを示し、グラフ(b)はナノ材料が良好な分散状態にある場合に得られる測定データを示し、グラフ(c)はナノ材料が凝集状態にある場合に得られる測定データを示している。
図13は、ナノ材料からの前方散乱光を用いた凝集状態のモニタ方法を示している。この例では、まず、グラフ(a)に示すように、濃度が非常に薄くナノ材料が良好な分散状態にあると考えられる参照データ取得用のナノ材料分散液を用意し、この参照用分散液に対してモニタ光を照射して前方散乱光の参照データを事前に取得しておく。次に、実際に固定化処理を行うナノ材料分散液13について、静電噴霧の実行中にナノ材料の通過領域にモニタ光を照射して前方散乱光の測定データを取得する。そして、解析装置58において自動で、または操作者により手動で、得られた測定データと参照データとを比較して、ナノ材料の凝集状態についての判断を行う。
図13において、グラフ(b)を参照すると、ナノ材料が良好な分散状態にある場合には、ナノ材料の通過に伴って離散的に観測される前方散乱光の信号強度(ナノ材料での散乱強度)は、グラフ(a)の参照データにおけるピーク信号強度と同程度となる。一方、グラフ(c)を参照すると、ナノ材料が凝集状態にある場合には、凝集体の形成によって粒子径が大きくなるために、参照データに比べて前方散乱光の信号強度が増加する。
図14は、ナノ材料からの側方散乱光または後方散乱光を用いた凝集状態のモニタ方法を示している。図14において、グラフ(b)を参照すると、ナノ材料が良好な分散状態にある場合には、離散的に観測される側方、後方散乱光の信号強度は、グラフ(a)の参照データと同程度となる。一方、グラフ(c)を参照すると、ナノ材料が凝集状態にある場合には、凝集体の形成により、前方散乱光とは逆に参照データに比べて側方、後方散乱光の信号強度が減少する。
図15は、ナノ材料からの蛍光を用いた凝集状態のモニタ方法を示している。図15において、グラフ(b)を参照すると、ナノ材料が良好な分散状態にある場合には、離散的に観測される蛍光の信号強度は、グラフ(a)の参照データと同程度となる。一方、グラフ(c)を参照すると、ナノ材料が凝集状態にある場合には、凝集体が形成されることでナノ材料の量子効果が消失してしまうため、参照データに比べて蛍光の信号強度が減少、あるいは消失する。
図13〜図15の例に示すように、ノズル20から試料10へのナノ材料の通過領域に対してモニタ光を照射してナノ材料で発生する散乱光または蛍光を測定し、得られた測定データを参照データと比較することにより、その信号強度の変化等からナノ材料の分散状態、凝集状態を光学的に、かつ固定化処理の実行中にモニタすることができる。
また、ナノ材料が凝集状態にあると判断された場合には、電圧印加装置40によって分散液13に印加される静電噴霧用の電圧の値を調整することにより、良好な分散状態を保持しつつ、ナノ材料の固定化処理を実行することが可能となる。例えば、分散液13への印加電圧が高過ぎるために噴霧される液滴が大きくなり、その結果としてナノ材料の凝集が生じていると判断される場合には、静電噴霧自体が停止しない範囲内において印加電圧を低くすることで、固定化処理の条件を調整することができる。
本発明によるナノ材料固定化装置、及びナノ材料固定化方法は、上記実施形態及び構成例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、ナノ材料固定化装置の構成、及び固定化装置に用いられる静電噴霧用ノズルの構成等については、上述した固定化条件を実現可能なものであれば、具体的には上記した構成例以外にも様々な構成を用いて良い。
本発明は、ナノ材料の凝集を抑制して、ナノ材料を試料上に好適に固定化することが可能なナノ材料固定化方法、及びナノ材料固定化装置として利用可能である。
ナノ材料固定化装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。 ナノ材料固定化方法の一実施形態を概略的に示す図である。 試料上への金ナノ粒子の固定化の例を示す図である。 試料上への銀ナノ粒子の固定化の例を示す図である。 ノズル及び試料ステージを噴霧室に収容する構成について示す図である。 静電噴霧用ノズルの一変形例の先端部の構成を拡大して示す図である。 静電噴霧用ノズルの他の変形例の先端部の構成を示す図である。 静電噴霧用ノズルの他の変形例の先端部の構成を示す図である。 静電噴霧用ノズルの構成の具体的な一例を示す図である。 静電噴霧用ノズルの構成の変形例を示す図である。 静電噴霧用ノズルへのナノ材料分散液の導入について示す図である。 ナノ材料固定化装置の第2実施形態の構成を示すブロック図である。 モニタ光によるナノ材料の凝集状態のモニタについて示す図である。 モニタ光によるナノ材料の凝集状態のモニタについて示す図である。 モニタ光によるナノ材料の凝集状態のモニタについて示す図である。
符号の説明
1A、1B…ナノ材料固定化装置、10…試料、13…ナノ材料分散液、14…テーラーコーン、15…ジェット流、16…液滴、17…溶媒、18…ナノ材料、
20…静電噴霧用ノズル、21…ノズル本体、22…分散液噴霧口、23…開口、24…芯構造、25…電極、26…ノズルホルダ、27…ノズル本体固定部、28…電圧供給端子、29…負圧導入口、30…試料ステージ、35…ステージ駆動装置、40…電圧印加装置、45…固定化制御装置、46…表示装置、47…入力装置、50…光分散用レーザ光源、55…凝集状態モニタ部、56…モニタ用光源、57…光検出装置、58…解析装置。

Claims (12)

  1. ナノ材料を試料上に固定化する固定化方法であって、
    ナノ材料が溶媒中に分散されたナノ材料分散液を内部に蓄えることが可能な筒状構造を有し、その先端部に前記ナノ材料分散液を静電噴霧するための分散液噴霧口が設けられたノズル本体を含む静電噴霧用ノズルを用い、前記ノズル本体の内部に前記ナノ材料分散液を導入する分散液導入ステップと、
    前記静電噴霧用ノズルの前記分散液噴霧口に対向するように、ナノ材料の固定化の対象物である試料を設置する試料設置ステップと、
    前記ナノ材料分散液と前記試料との間に電圧を印加し、噴霧された個々の液滴内に1個または0個のナノ材料が含まれる条件下で、前記静電噴霧用ノズルの前記分散液噴霧口から前記試料へと前記ナノ材料分散液を静電噴霧する噴霧ステップと、
    前記静電噴霧用ノズルから噴霧された前記ナノ材料分散液の個々の液滴について、前記液滴に含まれる前記溶媒を噴霧の雰囲気中で乾燥させる乾燥ステップと、
    前記ナノ材料分散液の前記溶媒が乾燥した状態で前記ナノ材料を前記試料の表面に静電付着させることで、前記試料上に前記ナノ材料を固定化する固定化ステップと
    を備えることを特徴とするナノ材料固定化方法。
  2. 前記静電噴霧用ノズルから前記試料に向けて噴霧される前記ナノ材料の通過領域において、前記ナノ材料の凝集状態を光学的にモニタする凝集状態モニタステップを備えることを特徴とする請求項1記載のナノ材料固定化方法。
  3. 前記凝集状態モニタステップにおいて、前記ナノ材料の通過領域に対してモニタ光を照射し、前記モニタ光によって発生する前記ナノ材料からの散乱光及び蛍光の少なくとも一方を検出することで、前記凝集状態を光学的にモニタすることを特徴とする請求項2記載のナノ材料固定化方法。
  4. 前記凝集状態モニタステップでの前記凝集状態のモニタ結果に基づいて、前記噴霧ステップにおいて前記ナノ材料分散液と前記試料との間に印加される静電噴霧用の電圧を制御する電圧制御ステップを備えることを特徴とする請求項2または3記載のナノ材料固定化方法。
  5. 前記ノズル本体の内部にある前記ナノ材料分散液に対して、凝集したナノ材料を分散させるための光分散用レーザ光を照射する光分散ステップを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のナノ材料固定化方法。
  6. 前記ノズル本体は、その筒状構造の前記先端部における内径が50μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載のナノ材料固定化方法。
  7. ナノ材料を試料上に固定化する固定化装置であって、
    ナノ材料が溶媒中に分散されたナノ材料分散液を内部に蓄えることが可能な筒状構造を有し、その先端部に前記ナノ材料分散液を静電噴霧するための分散液噴霧口が設けられたノズル本体を含む静電噴霧用ノズルと、
    前記静電噴霧用ノズルの前記分散液噴霧口に対向するように、ナノ材料の固定化の対象物である試料を支持する試料支持手段と、
    前記ナノ材料分散液と前記試料との間に静電噴霧用の電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
    前記電圧印加手段は、前記静電噴霧用ノズルの前記分散液噴霧口から前記試料へと前記ナノ材料分散液を静電噴霧する際に、噴霧された個々の液滴内に1個または0個のナノ材料が含まれる条件となるように電圧を印加するとともに、
    前記静電噴霧用ノズル及び前記試料支持手段は、前記静電噴霧用ノズルから噴霧された前記ナノ材料分散液の個々の液滴について、前記液滴に含まれる前記溶媒が噴霧の雰囲気中で乾燥するとともに、前記ナノ材料分散液の前記溶媒が乾燥した状態で前記ナノ材料を前記試料の表面に静電付着させることで、前記試料上に前記ナノ材料が固定化されるように配置されていることを特徴とするナノ材料固定化装置。
  8. 前記静電噴霧用ノズルから前記試料に向けて噴霧される前記ナノ材料の通過領域において、前記ナノ材料の凝集状態を光学的にモニタする凝集状態モニタ手段を備えることを特徴とする請求項7記載のナノ材料固定化装置。
  9. 前記凝集状態モニタ手段は、前記ナノ材料の通過領域に対してモニタ光を照射するモニタ用光源と、前記モニタ光によって発生する前記ナノ材料からの散乱光及び蛍光の少なくとも一方を検出することで、前記凝集状態を光学的にモニタする光検出手段とを有することを特徴とする請求項8記載のナノ材料固定化装置。
  10. 前記凝集状態モニタ手段による前記凝集状態のモニタ結果に基づいて、前記電圧印加手段によって前記ナノ材料分散液と前記試料との間に印加される静電噴霧用の電圧を制御する電圧制御手段を備えることを特徴とする請求項8または9記載のナノ材料固定化装置。
  11. 前記ノズル本体の内部にある前記ナノ材料分散液に対して、凝集したナノ材料を分散させるための光分散用レーザ光を照射する光分散用レーザ光源を備えることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項記載のナノ材料固定化装置。
  12. 前記ノズル本体は、その筒状構造の前記先端部における内径が50μm以下であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項記載のナノ材料固定化装置。
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