JP2009178747A - 溶接ロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】
ワイヤ送給手段におけるワイヤ送給量と、ワイヤ送給手段と溶接トーチ間におけるワイヤ送給装置の下流側位置のワイヤ送給量を比較することにより、ワイヤ送給装置の下流側である溶接トーチへ送給されるワイヤの送給異常を検出し、ワイヤ送給に起因した不具合の発生を予防することができる溶接ロボットを提供する。
【解決手段】
溶接ロボットは、ワイヤ送給装置16の第1ワイヤ送給量を検出する溶接条件制御部17cと、ワイヤ送給装置16と溶接トーチ13間の下流側の位置における第2ワイヤ送給量を検出するワイヤ計測装置40を備える。溶接条件制御部17cは送給異常判定手段として、第1ワイヤ送給量と第2ワイヤ送給量を比較し、その比較結果に基づいてワイヤ送給装置16の送給異常を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶接ロボットに関し、詳しくは、ワイヤ送給量の管理を行うことができる溶接ロボットに関する。
図7に示すようにワイヤリール100又はペールパックからワイヤWを溶接トーチ110まで送給し、電気エネルギーでワイヤを溶かして溶接を行うアーク溶接分野では、その間にワイヤ送給装置120を配置して上記ワイヤリール100又はペールパックからワイヤWを引っ張り出して溶接トーチ110に送り出して溶接を行っている。前記ワイヤ送給装置120には1組または2組の駆動するロール(送給ロールと加圧ロールと呼ばれるロールがそれぞれ1つずつで対をなし、1組となる。)が装備されており、ワイヤをロールに挟み込み、その摩擦力でワイヤをはさんで引っ張り出す部分がある。
ところで、ロボット溶接では、下記のようなことが生じやすい。
(1)高速溶接や、高速低速の切り替えを行う溶接方法では、ワイヤ送給装置の送給モータ130への送給指令が急激に変化し、送給モータ130の負荷が大きくなるという、送給モータ130に対するワイヤ送給速度指令の変化がある。
(2)ワイヤWが送給されるとワイヤWが摩擦によって削れ、送給経路内に削り粉が蓄積されることによって負荷が大きくなるという、送給経路摩擦負荷の変化がある。
(3)ワイヤWを搭載しているワイヤリール100の場合、最初はワイヤ残量が多く重いために送給モータ130の負荷が大きいが、溶接することによってワイヤWの残量が減り、送給モータ130の負荷が軽くなるという、ワイヤ残量の変化がある。
(4)ロボットの動作によって送給経路が変化し、溶接の箇所によっては、送給経路が急激なカーブを描くことがあり、このカーブで発生する摩擦による送給負荷が大きくなるという、送給経路の変化がある。
これらの状態が発生すると、前記送給モータの負荷が変動し、この現象に伴い、ワイヤ送給速度の安定性にも影響され、最終的に溶接品質が影響される。
通常、これらの問題を解決するにはエンコーダ付きのサーボモータを用いたワイヤ送給装置が使用されている。
このことにより、ワイヤ送給装置120の送給モータをエンコーダ付きとし、該エンコーダからフィードバックされるパルスを用いてワイヤの送給量を測定して送給時の速度を監視するとともに、送給モータのモータ電流を検出することにより、送給系の負荷として監視することができる。例えば、特許文献1の溶接ワイヤの送給抵抗モニタ装置では、ワイヤ送給手段のサーボモータのトルク情報から、溶接ワイヤ送給経路の送給抵抗力を計測して、送給抵抗を管理することによって溶接品質に影響がでる前に、予防的にメンテナンスを行うようにしている。又、特許文献2の消耗電極式アーク溶接装置では、ワイヤ送給装置に、モータ回転数を検出する回転数測定装置とモータ電流を検出する電流検出器を備え、モータ負荷変動や、送給負荷変動を推測して送給負荷によるメンテナンス時期を判断するようにしている。又、特許文献3では、ワイヤの送給経路の途中にワイヤ送給速度を検出する検出装置と、検出した送給速度と基準値とを比較する比較器とが設けられ、比較器の出力信号でワイヤ送給モータを停止する溶接ワイヤ送給制御装置が開示されている。又、特許文献3の第2実施例では、ワイヤ送給装置のモータのワイヤ送給速度と、ワイヤ送給装置の上流側の位置でのワイヤ送給速度との比較結果に応じてワイヤ送給装置のモータを停止するようにしている。
特開2001−293574号公報 特開2002−292466号公報 特開昭57−184581号公報
しかし、このサーボモータ式送給装置が使われても以下の理由により、これらの問題を解決するには十分とはいえない。
(1) サーボモータを使用したとしても、負荷が変動し、送給ロール・加圧ロールの摩擦力を超えると、ワイヤのすべりが発生する。
結果的に、
(a)モータは回転するものの、ワイヤが実際に送られていないため、サーボモータのエンコーダフィードバックで計測した送給量は実際に送給したワイヤ送給量との間に誤差が生じる。
(b)モータはエンコーダフィードバック制御によって変動なく回転するにもかかわらず、溶接トーチに送られてくるワイヤの送給速度が大きく変動し、溶接品質に悪影響を与える。
(c)ロール部分でワイヤのすべりが発生すると、モータに対してその分負荷が軽くなりモータ電流値は減る。そのために送給系の負荷が増えてワイヤのすべりが発生しているにもかかわらず、送給系負荷を誤って測定することが発生し、ワイヤ送給負荷が正しく推定できない(特許文献2の場合)。
又、ワイヤ送給装置と溶接トーチ間のワイヤ送給経路において、ワイヤの遊び部分が生じる場合がある。この遊びというのは、送給経路の内部にある隙間でワイヤが曲がったりして生じるもので、ワイヤ送給装置が押し出したワイヤ送給量と溶接トーチの先端から押し出されるワイヤ送給量が同じではないことを意味する。特にロボット溶接の場合、ロボットの姿勢が変化し、送給経路が大きく動作することがあり、この遊び部分でワイヤの変動が大きくなることがある。結果的に溶接トーチに送られてくるワイヤの速度が大きく変動したり、狙い位置がずれるなどの現象が発生し、溶接品質に影響を与える。このように、ワイヤ送給装置の下流側において、実際に溶接トーチに送給されるワイヤの送給量は、溶接品質に影響を与えるものとなる。
なお、特許文献1は、ワイヤ送給手段と溶接トーチ間でのワイヤの送給速度を測定するものではなく、従って、特許文献1では、ワイヤ送給手段におけるワイヤのすべりが計測できても、ワイヤ送給手段から離間したワイヤ送給手段・溶接トーチ間の位置でのワイヤの動き(例えばワイヤ送給量)に関しては管理しているものではない。このため、ワイヤ送給手段と溶接トーチ間でのワイヤの動きに起因して溶接品質に影響を与えるものとなる。特許文献2においても、ワイヤ送給装置におけるモータ負荷変動や、送給負荷変動を求めてはいるが、ワイヤ送給手段から離間したワイヤ送給手段・溶接トーチ間の位置でのワイヤの動き(例えばワイヤ送給量)に関しては管理しているものではない。このため、ワイヤ送給装置と溶接トーチ間でのワイヤの動きに起因して溶接品質に溶接品質に影響を与えるものとなる。又、特許文献3においては、ワイヤ送給装置におけるワイヤの送給速度を検出しているものであり、ワイヤ送給手段から離間したワイヤ送給手段・溶接トーチ間の位置でのワイヤの動き(例えばワイヤ送給量)に関しては管理しているものではない。このため、特許文献1、2と同様の問題がある。
本発明の目的はワイヤ送給手段におけるワイヤ送給量と、ワイヤ送給手段と溶接トーチ間におけるワイヤ送給装置の下流側位置のワイヤ送給量を比較することにより、ワイヤ送給装置の下流側である溶接トーチへ送給されるワイヤの送給異常を検出し、ワイヤ送給に起因した不具合の発生を予防することができる溶接ロボットを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ワイヤを下流側に位置する溶接トーチへ送給するワイヤ送給手段を備えた溶接ロボットにおいて、ワイヤ送給手段のワイヤ送給量(以下、第1ワイヤ送給量という)を検出する第1ワイヤ送給量検出手段と、前記ワイヤ送給手段と前記溶接トーチ間の下流側の位置におけるワイヤ送給量(以下、第2ワイヤ送給量という)を検出する第2ワイヤ送給量検出手段と、前記第1ワイヤ送給量と第2ワイヤ送給量を比較し、その比較結果に基づいて前記ワイヤ送給手段の送給異常を判定する送給異常判定手段を備えたことを特徴とする溶接ロボットを要旨とするものである。
請求項2の発明は、請求項1において、前記送給異常判定手段は、第1ワイヤ送給量と第2ワイヤ送給量との差が第1許容条件を満たしているか否かを判定し、第1許容条件を満たしていない場合、送給異常と判定し、第1許容条件を満たしていれば、第2ワイヤ送給量に応じた溶接条件に変更することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2において、前記ワイヤの種類に応じて異なる第1許容条件を記憶する第1許容条件記憶手段と、溶接に使用するワイヤを特定する入力手段とを備え、前記送給異常判定手段は、前記特定されたワイヤの種類に応じた第1許容条件を前記第1許容条件記憶手段から読み出して、送給異常判定に使用することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2において、前記送給異常判定手段は、前記溶接条件の変更量が、変更量に関する第2許容条件を満たしているか否かを判定する変更量適正判定手段を含み、前記変更量適正判定手段は、前記変更量が第2許容条件を満たしている場合には、その変更量で溶接条件での溶接を許容し、第2許容条件を満たしていない場合には、送給異常と判定することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4において、前記ワイヤの種類に応じて異なる第2許容条件を記憶する第2許容条件記憶手段と、溶接に使用するワイヤを特定する入力手段とを備え、前記変更量適正判定手段は、前記特定されたワイヤの種類に応じた第2許容条件を前記第2許容条件記憶手段から読み出して、送給異常判定に使用することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項において、前記溶接トーチが溶接ロボットのマニピュレータの手首部に設けられた支持部を介して取付けされ、前記ワイヤ送給手段が、前記支持部に一体に設けられ、前記第2ワイヤ送給量検出手段は、ワイヤの送給量を検出するための計測手段と、前記計測手段の計測結果に基づいて、第2ワイヤ送給量を演算する演算手段とを備え、前記計測手段が、前記支持部に設けられていることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項において、前記溶接トーチに送給されるワイヤのワイヤ装填量を記憶するワイヤ装填量記憶手段と、前記第2ワイヤ送給量と前記ワイヤ装填量に基づいて、装填されたワイヤの残量を算出するワイヤ残量算出手段と、前記ワイヤ残量の大小に基づいて、ワイヤ残量に関する警告を行うか否かの判定を行う警告判定手段を備えたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7において、前記警告判定手段は、ワイヤ残量がなしと判定した場合、溶接禁止処理を行うことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ワイヤ送給手段における第1ワイヤ送給量と、ワイヤ送給手段と溶接トーチ間におけるワイヤ送給装置の下流側位置における第2ワイヤ送給量を比較することにより、ワイヤ送給装置の下流側である溶接トーチへ送給されるワイヤの送給異常を検出し、ワイヤ送給に起因した不具合の発生を予防することができる。
例えば、ワイヤ送給手段の駆動源(例えばモータ等)は回転するものの、ワイヤが実際に送られていない場合、サーボモータのエンコーダフィードバックで計測した送給量(第1ワイヤ送給量)は実際に送給したワイヤ送給量(第2ワイヤ送給量)との間に誤差が生じる場合、この状態をワイヤ送給異常として判定できる。又、駆動源(例えば、モータ等)はエンコーダフィードバック制御によって変動なく回転するにもかかわらず、溶接トーチに送られてくるワイヤの送給速度が大きく変動した場合、溶接品質に悪影響を与えることになるが、請求項1の発明によれば、この場合にもワイヤ送給異常として判定できる。さらに、ワイヤ送給系の消耗時期を予測し、溶接チップやライナチューブなどのメンテナンス時期を予測することも可能となる。
請求項2の発明によれば、送給異常判定手段が異常と判定した場合、上記請求項1の効果を奏することができ、送給異常判定手段が第1許容条件を満足していると判定した場合は、第2ワイヤ送給量に応じた溶接条件で溶接できる。
請求項3の発明によれば、送給異常判定手段は特定されたワイヤの種類に応じた第1許容条件を記憶手段から読み出して、送給異常判定に使用することから、ワイヤの種類に応じて自動的に第1許容条件を設定でき、設定の煩わしさから解放できる。
請求項4の発明によれば、変更量適正判定手段は溶接条件の変更量が第2許容条件を満たしている場合には、その変更量で溶接条件での溶接を許容して、新たな溶接条件で自動的に溶接でき、第2許容条件を満たしていない場合には、送給異常と判定するため、請求項1の効果を奏することができる。
請求項5の発明によれば、変更量適正判定手段は特定されたワイヤの種類に応じた第2許容条件を第2許容条件記憶手段から読み出して、送給異常判定に使用することから、ワイヤの種類に応じて自動的に第2許容条件を設定でき、設定の煩わしさから解放できる。
請求項6の発明によれば、ワイヤ送給手段がマニピュレータの手首部に設けられた支持部に一体に設けられ、第2ワイヤ送給量検出手段を構成する計測手段が、支持部に設けられていることから、溶接ロボットの小型化ができる。
請求項7の発明によれば、ワイヤ残量の大小に基づいて、警告判定手段がワイヤ残量について警告判定を行うことから、ワイヤ残量が少なくなったときワイヤの補充を促すことができる。
請求項8の発明によれば、警告判定手段は、ワイヤ残量がなしと判定した場合、溶接禁止処理を行うことから、ロボットによるワイヤ溶接を自動的に禁止することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜3を参照して説明する。
図1(a)は、多関節ロボットである溶接ロボットのシステム図であり、図1(b)は、システムの電気ブロック図である。図2(a)は、溶接ロボットのマニピュレータの手首部付近の概略図である。
複数のアームからなるマニピュレータ11端に設けられた手首部12の先端に、支持部12aを介して溶接トーチ13が取付けられている。ワイヤリール14に巻かれた溶接用のワイヤWはコンジットパイプ15に挿通されてマニピュレータ11のショルダー部に取付けられたワイヤ送給手段としてのワイヤ送給装置16によって溶接トーチ13に送給される。
ワイヤWはワイヤリール14からワイヤ送給装置16までは、コンジットパイプ15によってガイドされ、ワイヤ送給装置16から溶接トーチ13までは、一線式パワーケーブル18によってガイドされて送給される。そして、溶接機17から一線式パワーケーブル18を介して溶接トーチ13に電力が供給される。又、ティーチペンダント19からロボット制御装置10に指令信号が入力され、このロボット制御装置10からの信号がマニピュレータ11に入力されて、マニピュレータ11の第1軸乃至第6軸から成る6つの軸を回転させて、溶接トーチ13の先端位置が制御される。
次に、溶接ロボットの電気的構成を図1(b)を参照して説明する。
ロボット制御装置10は、図示はしないがCPUからなるシステムコントロール部10a、ロボットの作業プログラムを格納する作業プログラム記憶部10b、マニピュレータ11を制御するモーション制御部10c、溶接制御部10d、溶接機17と通信するための溶接電源インターフェイス10eを備えている。作業プログラム記憶部は例えば、ハードディスク等の書き込み読出し可能な記憶装置により構成されている。
ティーチペンダント19を介して入力されたティーチングデータは、システムコントロール部10aにより図示しない記憶部に格納される。ティーチペンダント19は、表示装置と、キーや、押しボタン等を備えており、ティーチペンダント19は入力手段に相当する。
溶接機17は、ロボット制御装置10の溶接電源インターフェイス10eと通信を行う制御装置インターフェイス17aと、ティーチペンダント19から入力されたワイヤ長の初期値及び溶接条件等を記憶するRAM17b、電力増幅器20を制御する溶接条件制御部17cを備える。ここで、ワイヤ長の初期値とは、ワイヤリール14に装填された際のワイヤの長さ、すなわち、ワイヤ装填量のことである。電力増幅器20はCPUからなる溶接条件制御部17cにより制御されて溶接電流を溶接トーチ13へ供給する。RAM17bは、電源断時にもデータが消失しないようにバックアップ機能を備えている。RAM17bはワイヤ装填量記憶手段に相当する。又、溶接機17にはワイヤ送給制御装置30が内蔵されている。溶接機17の溶接条件制御部17cはワイヤ送給制御装置30へ送給指令値を出力し、ワイヤ送給制御装置30はこの送給指令値に基づいて後述するワイヤ送給装置16のモータ22を回転制御する。
ワイヤ送給装置16は、駆動ロール24と加圧ロール26を備え、加圧ロール26が図示しないバネにより駆動ロール24側へ常時付勢されてワイヤWを両ロールに挟み込み、その摩擦力でワイヤWをはさんでワイヤリール14から引っ張り出すようにされている。駆動ロール24は駆動源としてのモータ22にて回転駆動される。
モータ22は、エンコーダ付サーボモータで構成されている。そして、ワイヤ送給制御装置30は、前記エンコーダからフィードバックされるパルスを用いてワイヤの送給量を測定して送給時の速度を監視するとともに、モータ22のモータ電流を検出することにより、送給系の負荷を監視する。又、図2(a)に示すように、ワイヤ計測装置40は、計測手段としての計測ユニット42と演算手段としての演算ユニット44からなる。ワイヤ計測装置40は第2ワイヤ送給量検出手段に相当する。計測ユニット42は、溶接トーチ13を支持する支持部12aに設けられている。すなわち、計測ユニット42は、ワイヤ送給装置16の下流側であって、溶接トーチ13の上流に位置するように溶接トーチ13の近傍に設けられている。計測ユニット42はできるだけ、溶接トーチ13に近接して設けられることが好ましい。
計測手段としての計測ユニット42は、一対の加圧ロール42a,42bからなる。加圧ロール42a,42bは、送給系の負荷にならないように軽量の金属を使用し、エンコーダ自身もイナーシャの少ないものが使用されることが好ましい。加圧ロール42aにはエンコーダが設けられ、回転することにより、同エンコーダからパルスを発生する。両ロールは、図示しないバネにより互いに接近する方向に付勢されてワイヤWを挟み込みするとともに、ワイヤWが送給されると回転し、前記エンコーダからパルスが出力され、演算ユニット44に送られる。
演算ユニット44は、溶接機17の外部に設けられている。演算ユニット44は、加圧ロール42aのエンコーダ(図示しない)からのパルスをカウントするエンコーダパルスカウンタ44aと、エンコーダパルスカウンタ44aがカウントしたカウント(積算値)に基づいて、実際のワイヤ送給量(すなわち、距離)に換算する演算部44bを備える。又、演算ユニット44は、演算部44bで所定周期毎に演算した実際のワイヤ送給量(以下、実際のワイヤ送給量を第2ワイヤ送給量という)を送受信ユニット44cを介してワイヤ送給制御装置30へ演算部44bの演算周期と同じ周期で送信するようにされている。なお、演算ユニット44には電源断時のエンコーダパルスカウンタ44aのバックアップ機能が組み込まれており、電源が切られても第2ワイヤ送給量のデータが保存されるようにされている。ワイヤ送給制御装置30は、前記演算部44bの演算周期と同じ周期で、演算ユニット44から得た第2ワイヤ送給量(距離)と、モータ22に取り付けられたエンコーダ(図示しない)から入力したパルス、及び送給系の負荷(モータ電流)を溶接条件制御部17cへ送信する。
(実施形態の作用)
次に、溶接機17の溶接条件制御部17cが実行する制御プログラムを図3のフローチャートを参照しながら説明する。このフローチャートでは、通常はS10〜S22はループすることにより繰り返し処理が行われる。
溶接条件制御部17cは、S10においてモータ22のエンコーダからのパルスをカウントし、このカウント値を過去のループ処理で得られた積算値に加算する。なお、前記積算値はバックアップ機能を有するRAM17bに格納され、読み出される。
S12では、溶接条件制御部17cはS10で新たに積算されて得られた積算値に基づいて、ワイヤ送給装置16の駆動ロール24が今回まで回転した距離に換算し、この距離を第1ワイヤ送給量とする。この第1ワイヤ送給量は、駆動ロール24がワイヤWをすべりがなく送給したと仮定したワイヤ送給量である。
この第1ワイヤ送給量を算出する、すなわち、検出する溶接条件制御部17cは、第1ワイヤ送給量検出手段に相当する。
S14では、溶接条件制御部17cは、ワイヤ長の初期値から第2ワイヤ送給量を減算する。そして、溶接条件制御部17cはこの減算して得られた値(減算値)が、残量閾値より少ないか否かを判定する。残量閾値よりも減算値が少ない場合には、S26で、溶接条件制御部17cは、ワイヤ残量少の警告信号を制御装置インターフェイス17aを介してロボット制御装置10に送信する。溶接条件制御部17cは警告判定手段に相当する。このようにワイヤの使用量を正確に管理し、ワイヤWがなくなる前に知らせることによって、途中でのシステム停止を防ぐことができる。ロボット制御装置10はこれを受信して、ワイヤ残量少の警告をティーチペンダント19の表示装置やロボット制御装置10が備える図示しない警告装置に出力し、ワイヤの補填をオペレータに促す。又、ロボット制御装置10のシステムコントロール部10aは、送信された内容を図示しない記憶装置に送給系の異常として記録する。
又、S14において、溶接条件制御部17cは前記減算値が0又はマイナス値となった場合には、ワイヤ残量なしと判定して、S28で、溶接条件制御部17cは、ワイヤ残量0の警告信号及び溶接禁止信号を制御装置インターフェイス17aを介してロボット制御装置10に送信する。ロボット制御装置10はこれを受信して、モーション制御部10c及び溶接制御部10dによる制御を停止させ、ワイヤ補填し、送給量をリセットするまで溶接作業を禁ずる。従って、S14では、ワイヤ残量がなしと判定した場合、S28において、溶接禁止処理を行う。又、ロボット制御装置10のシステムコントロール部10aは、送信された内容を図示しない記憶装置に送給系の異常として記録する。
このようにして、ワイヤの送給量を監視することにより、ワイヤ残量が少ない場合にはワイヤの交換時期を知らせることができ、ワイヤ残量が0以下と判定した際には、溶接作業を停止、すなわち、溶接禁止をすることができる。なお、溶接機17には、電源断時においても、RAM17bの記憶した内容はバックアップされており、溶接機17の電源が切られても、前記積算値等の各種データは、保存されている。
S14において、ワイヤ残量が残量閾値を越えている場合には、溶接条件制御部17cはここでの判定を「NO」として、S16に移行する。溶接条件制御部17cはワイヤ残量算出手段に相当する。
S16では、溶接条件制御部17cは、第1ワイヤ送給量と、演算ユニット44から取得した第2ワイヤ送給量との比較差ΔLを算出する。この比較差ΔLは送給経路中での損失分にあたる。この損失分は、例えば、駆動ロール24でのすべりや、送給経路中にある遊びにより生ずる。
S18では、溶接条件制御部17cは、比較差ΔLが、第1閾値L1<ΔL<第2閾値L2(設定範囲)内か否かを判定する。この設定範囲は、第1許容条件に相当し、第1閾値L1,第2閾値L2は、予めティーチペンダント19にて入力されてRAM17bに格納されている。ここでRAM17bは、第1許容条件記憶手段に相当する。第1閾値L1,第2閾値L2は、径や材質が異なるワイヤWの種類に対応した複数個の組となって、ティーチペンダント19からロボット制御装置10に入力されている。そして、ティーチペンダント19を介して使用するワイヤWが特定入力されると、特定されたワイヤWに対応した組の閾値がS18の判定に自動的に選択されて使用される。こうすることにより、溶接ロボットの種々項目を設定する際に、設定する項目は最小限にでき、設定の煩わしさからオペレータは解放される。
S18で、溶接条件制御部17cは、比較差ΔLが第1閾値L1<ΔL<第2閾値L2(設定範囲)内であれば、S20に移行し、そうでなければ、S30に移行する。
S20では、溶接条件制御部17cは、第2ワイヤ送給量に適した溶接条件に変更する。ここでの溶接条件は、例えば、溶接電流及び溶接電圧である。S22では、溶接条件制御部17cは、溶接条件の変更量が設定範囲内か否かを判定する。S22の設定範囲は、第2許容条件に相当する。溶接条件制御部17cは変更量適正判定手段に相当する。
例えば、溶接電流の変更量ΔAの場合は、変更量ΔAが第3閾値A1<ΔA<第4閾値A2か否かが判定される。又は、溶接電圧の変更量ΔVの場合は、変更量ΔVが第5閾値V1<ΔV<第6閾値V2か否かが判定される。ここで、S22の設定範囲は、予めティーチペンダント19にて入力されてRAM17bに格納されている。ここでRAM17bは、第2許容条件記憶手段に相当する。具体的には、第3閾値A1,第4閾値A2、第5閾値V1及び第6閾値V2は、径や材質が異なるワイヤWの種類に対応した複数個の組となって、ティーチペンダント19からロボット制御装置10に入力されている。そして、ティーチペンダント19を介して使用するワイヤWが特定入力されると、特定されたワイヤWに対応した組の閾値がS22の判定に自動的に選択されて使用される。こうすることにより、溶接ロボットの種々項目を設定する際に、設定する項目は最小限にでき、設定の煩わしさからオペレータは解放される。
S22において、変更量が設定範囲内であれば、溶接条件制御部17cは、S10に戻るとともに変更量に従って電力増幅器20を制御する。S22において、溶接条件制御部17cは変更量が設定範囲内ではないと判定した場合には、S24において、ワイヤWの送給経路のメンテナンスを促す警告を制御装置インターフェイス17aを介してロボット制御装置10に送信する。ロボット制御装置10はこれを受信して、前記警告をティーチペンダント19の表示装置やロボット制御装置10が備える図示しない警告装置に出力し、オペレータにワイヤWの送給経路のメンテナンスを促す。又、ロボット制御装置10のシステムコントロール部10aは、送信された内容を図示しない記憶装置に送給系の異常として記録する。このことによって、比較差ΔLは設定範囲内ではあるが、溶接条件の変更量が設定範囲外であることから、ロボットによる溶接は停止はしないレベルであるとして、オペレータにワイヤWの送給経路のメンテナンスを促すのである。
S22では、S18において、比較差ΔLが設定範囲内であるとしても、溶接条件の変更量が設定範囲外であることから、結果的に送給系の異常と判定するのである。
又、S18において、溶接条件制御部17cは、比較差ΔLが第1閾値L1<ΔL<第2閾値L2(設定範囲)外であって、S30に移行すると、溶接条件制御部17cはモータ負荷は設定範囲内か否かを判定する。このモータ負荷は、ワイヤ送給制御装置30が送信した送給系の負荷(モータ電流)に基づいて判定される。前記送給系の負荷に関する設定範囲は、予めRAM17bに格納されている。
S30で、溶接条件制御部17cが、モータ負荷が設定範囲内であると判定すると、S24に移行し、モータ負荷が設定範囲外であると判定すると、S32に移行する。S32では、溶接条件制御部17cは送給系に急を要する異常が発生したと判断して、ワイヤ残量0の警告を制御装置インターフェイス17aを介してロボット制御装置10に緊急の停止の旨の警告信号及び停止信号を送信する。ロボット制御装置10はこれを受信して、ティーチペンダント19の表示装置やロボット制御装置10が備える図示しない警告装置に緊急の停止の旨の警告を出力するとともに、モーション制御部10c及び溶接制御部10dによる制御を停止させ溶接作業を禁ずる。又、ロボット制御装置10のシステムコントロール部10aは、送信された内容を図示しない記憶装置に送給系の異常として記録する。
上記のように構成された溶接ロボットは、例えば下記の場合に対応できる。
1)ワイヤのすべり、座屈などの急を要する異常の場合、急激な比較差ΔL及びモータ負荷の増大が生ずる場合。すなわち、一般的に、モータ22の回転始動時にはモータ負荷は急激に増大するが、モータ負荷とワイヤ送給量を同時に監視することによって、すべりや座屈と判断できる。送給不良による溶接異常や、ワイヤ座屈を未然に防ぐことができる。
2)ロボットの姿勢が原因と推定される、ワイヤのすべりや送給経路中の遊びによる警告の場合。特定のロボットの姿勢時に比較差ΔL、モータ負荷の増大が発生する場合等において、ロボットの姿勢を変更した作業プログラムに改善するなどの処置をとることができる。
3)送給経路のコンジットパイプ15の交換などメンテナンスを要するインフォメーション。例えば、溶接異常には至っていないが、送給負荷の増大、許容範囲内のすべりが定常的に発生する場合など。このインフォメーションに従えば、送給不良による溶接異常を未然に防ぐことができる。
さて、本実施形態によれば、以下のような特徴がある。
(1) 本実施形態の溶接ロボットは、ワイヤ送給装置16(ワイヤ送給手段)の第1ワイヤ送給量を検出する溶接条件制御部17c(第1ワイヤ送給量検出手段)と、ワイヤ送給装置16と溶接トーチ13間の下流側の位置における第2ワイヤ送給量を検出するワイヤ計測装置40(第2ワイヤ送給量検出手段)を備える。また、溶接ロボットの溶接条件制御部17cは送給異常判定手段として、第1ワイヤ送給量と第2ワイヤ送給量を比較し、その比較結果に基づいてワイヤ送給装置16の送給異常を判定する。
この結果、本実施形態の溶接ロボットは、ワイヤ送給装置16の下流側である溶接トーチ13へ送給されるワイヤWの送給異常を検出し、ワイヤ送給に起因した溶接品質に関する不具合の発生を予防することができる。
例えば、ワイヤ送給装置16のモータ22は回転するものの、ワイヤWが実際に送られていない場合、モータ22のエンコーダフィードバックで計測した第1ワイヤ送給量は実際に送給した第2ワイヤ送給量との間に誤差が生じる場合、この状態をワイヤ送給異常として判定できる。又、モータ22はエンコーダフィードバック制御によって変動なく回転するにもかかわらず、溶接トーチ13に送られてくるワイヤWの送給速度が大きく変動した場合、溶接品質に悪影響を与えることになるが、本実施形態はこの場合にもワイヤ送給異常として判定できる。
このように実際に送給されるワイヤ送給量を管理することにより、溶接の品質を管理することができる。さらに、ワイヤ送給経路の消耗に伴う送給抵抗増加により、ワイヤ速度の変化の増加がひどくなる前に正確に事前に検出し、予防措置を施すことができる。そうすることによって溶接品質を保つことができる。また、本実施形態によれば、ワイヤWの座屈など、復旧に時間がかかる送給系のトラブルを未然に検知することができ、溶接ロボットのシステム停止の時間を減らすことができる。
(2) 本実施形態の溶接ロボットでは、送給異常判定手段としての溶接条件制御部17cは、第1ワイヤ送給量と第2ワイヤ送給量との比較差ΔLが、第1閾値L1<ΔL<第2閾値L2(設定範囲)を満たしていない場合、送給異常と判定し、満たしていれば、第2ワイヤ送給量に応じた溶接電流及び溶接電圧(溶接条件)に変更する。この結果、溶接条件制御部17cが送給異常と判定した場合、上記(1)の効果を奏することができ、送給異常と判定しない場合は、第2ワイヤ送給量に応じた溶接電流及び溶接電圧(溶接条件)で溶接できる。
(3) 本実施形態の溶接ロボットでは、ワイヤWの種類に応じて異なる第1許容条件である第1閾値L1,第2閾値L2を記憶するRAM17b(第1許容条件記憶手段)と、溶接に使用するワイヤを特定するティーチペンダント19(入力手段)とを備えている。又、溶接条件制御部17c(送給異常判定手段)は、特定されたワイヤの種類に応じた第1閾値L1,第2閾値L2(第1許容条件)をRAM17bから読み出して、送給異常判定に使用する。この結果、溶接条件制御部17cは特定されたワイヤWの種類に応じた第1閾値L1,第2閾値L2をRAM17bから読み出して、送給異常判定に使用することから、ワイヤWの種類に応じて自動的に第1閾値L1,第2閾値L2(第1許容条件)を設定でき、設定の煩わしさから解放できる。
(4) 本実施形態では、溶接条件制御部17cは、前記溶接条件の変更量ΔA,ΔVが、第2許容条件(A1<ΔA<A2、V1<ΔV<V2)を満たしているか否かを判定する変更量適正判定手段として機能する。溶接条件制御部17cは、溶接電圧、溶接電流の変更量が第2許容条件(A1<ΔA<A2、V1<ΔV<V2)を満たしている場合には、その変更量で溶接条件での溶接を許容し、第2許容条件を満たしていない場合には、送給異常と判定する。この結果、本実施形態では、上記(1)の効果を容易に実現することができる。
(5) 本実施形態の溶接ロボットは、ワイヤWの種類に応じて異なる第2許容条件を記憶するRAM17b(第2許容条件記憶手段)と、溶接に使用するワイヤWを特定するティーチペンダント19(入力手段)とを備える。そして、溶接条件制御部17c(変更量適正判定手段)は、特定されたワイヤWの種類に応じた第2許容条件をRAM17bから読み出して、送給異常判定に使用する。この結果、ワイヤWの種類に応じて自動的に第2許容条件を設定でき、設定の煩わしさから解放できる。
(6) 本実施形態の溶接ロボットは、溶接トーチ13に送給されるワイヤWのワイヤ装填量を記憶するRAM17b(ワイヤ装填量記憶手段)と、第2ワイヤ送給量とワイヤ装填量に基づいて、装填されたワイヤの残量を算出する(ワイヤ残量算出手段)とを備える。又、溶接条件制御部17cは、警告判定手段としてワイヤ残量の大小に基づいて、ワイヤ残量に関する警告判定を行う。この結果、本実施形態は、ワイヤ残量の大小に基づいて、溶接条件制御部17cがワイヤ残量について警告判定を行うことから、ワイヤ残量が少なくなったときワイヤの補充を促すことができる。
(7) 本実施形態の溶接ロボットは、溶接条件制御部17cが、ワイヤ残量をなしと判定した場合、ロボットによるワイヤ溶接を自動的に禁止することができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 前記実施形態のS12において、パルスのカウント値の代わりに、溶接機17の溶接条件制御部17cがワイヤ送給制御装置30へ出力する送給指令値から駆動ロール24が回転した距離(すなわち、第1ワイヤ送給量)を換算してもよい。
○ 前記実施形態のワイヤリール14の代わりに、ペールパックに代えてもよい。
○ 前記実施形態において、S24、S26、S28、S32で行われた各異常、警告、インフォメーションは、ロボット制御装置が備える図示しない記憶部に記録してもよい。
○ 図2(b)に示すように、前記実施形態と同様に計測ユニット42が溶接トーチ13の上流側に位置するように支持部12aに設けられ、ワイヤ送給手段としてのワイヤ送給装置16が計測ユニット42の上流側において支持部12aに一体に設けてもよい。なお、他の構成は前記実施形態と同様に構成されている。このようにすると、小形軽量化のために、送給装置一体型の溶接トーチ13において実現することが可能であり、溶接ロボットの小型化ができる。
○ 前記実施形態において、溶接機17には外部、例えば上位のコンピュータシステムとの情報のやり取りができるネットワークインターフェースが設けられていてもよい。このようにすると、前記実施形態での警告信号や停止信号である異常信号を上位のコンピュータシステムに出力することができ、ワイヤ送給等に関して管理することができる。
○ モータ22に設けられたエンコーダの出力及び加圧ロール42aに設けられたエンコーダの出力に基づくワイヤ速度計測波形をそれぞれ生成して、ロボット制御装置10の図示しない記憶装置に記録し、ティーチペンダント19あるいはロボット制御装置10と通信したパソコンに表示させるようにしてもよい。この場合、前記速度計測波形の表示は、溶接電流・電圧波形、モータのトルク波形と同時に表示させるようにすると好ましい。
○ 近年ワイヤ送給補助装置を使用した、プッシュプル方式のワイヤ送給システムが採用されることが多いことから、プッシュプル方式のワイヤ送給システムに具体化することにより、ワイヤ送給補助装置の送給力を調整する目安とすることもできる。又、前述のようにロボット制御装置にワイヤ速度計測波形を記憶させておき、新しいワイヤリールあるいはペールパックを装填したときにはワイヤ送給補助装置の送給力を変更する時期を予測することが可能となる。
○ 従来から、溶接トーチ一体型の送給装置を使用して、溶接開始時にワイヤを一旦リトラクトさせ、溶接スタート成功率を高めるRS制御という技術があるが、RS制御を実現するには、溶接トーチ一体型の送給装置が必要であった。本発明を具体化すれば、実際のワイヤ送給量を監視することによって、溶接機17の出力するワイヤ送給指令値がより一層的確なものになる。そして、安価な溶接トーチとロボットショルダーに搭載するプッシュ式の送給装置との組合せでのRS制御を実現することができる。
○ ロボット溶接の場合は、前述のとおりワイヤ送給装置と溶接トーチ間のワイヤ送給経路において、ワイヤの遊び部分の変動があるため、溶接トーチの近傍に計測ユニット42追加することが望ましい。しかし、ワイヤ送給装置16と溶接トーチ13間において、ワイヤの遊び部分の変動の少ないシステムでは、マニピュレータ11のショルダー部分や、ワイヤ送給装置16の近傍に計測ユニット42を取り付けても効果がある。
○ 前記実施形態では、演算ユニット44を溶接機17の外部に設けたが、図4に示すように、演算ユニット44を溶接機17に内蔵させてもよい。
○ 前記実施形態では、ワイヤ送給制御装置30を溶接機17に内蔵したが、ワイヤ送給制御装置30を溶接機17の外部に設けて、ワイヤ送給制御装置30と溶接機17間に通信機能を持たせてもよい。
○ 又、図5(b)に示すように、ワイヤ送給制御装置30を溶接機17の外部に設けて、ワイヤ送給制御装置30と溶接機17間に通信機能を持たせ、ワイヤ送給制御装置30に演算ユニット44を内蔵してもよい。
○ 図6(a)に示すように、演算ユニット44とロボット制御装置10間を通信させて、演算ユニット44からロボット制御装置10にデータを送出し、ロボット制御装置10を介して溶接機17に前記データを送信してもよい。
○ 図6(b)に示すように、演算ユニット44をロボット制御装置10に内蔵させ、演算ユニット44からロボット制御装置10にデータを送出し、ロボット制御装置10を介して溶接機17に前記データを送信してもよい。
(a)は本発明を具体化した実施形態の溶接ロボットのシステム図、(b)は、システムの電気ブロック図。 (a)は実施形態の溶接ロボットのマニピュレータの手首部付近の概略図、(b)は、他の実施形態の溶接ロボットのマニピュレータの手首部付近の概略図。 実施形態のワイヤ送給制御装置が実行するフローチャート。 他の実施形態のシステムの電気ブロック図。 (a)、(b)はシステムの電気ブロック図。 (a)、(b)はシステムの電気ブロック図。 従来の溶接ロボットの電気ブロック図。
符号の説明
10…ロボット制御装置、12…手首部、13…溶接トーチ、14…ワイヤリール、16…ワイヤ送給機(ワイヤ送給手段)、17…溶接機、17b…RAM(第1許容条件記憶手段、第2許容条件記憶手段、ワイヤ装填量記憶手段)、
17c…溶接条件制御部(第1ワイヤ送給量検出手段、送給異常判定手段、変更量適正判定手段、ワイヤ残量算出手段、警告判定手段)、19…ティーチペンダント(入力手段)、20…電力増幅器、22…モータ(駆動源)、24…送給ロール、26…加圧ロール、40…ワイヤ計測装置(第2ワイヤ送給量検出手段)、42…計測ユニット(計測手段)、44…演算ユニット(演算手段)。

Claims (8)

  1. ワイヤを下流側に位置する溶接トーチへ送給するワイヤ送給手段を備えた溶接ロボットにおいて、
    ワイヤ送給手段のワイヤ送給量(以下、第1ワイヤ送給量という)を検出する第1ワイヤ送給量検出手段と、
    前記ワイヤ送給手段と前記溶接トーチ間の下流側の位置におけるワイヤ送給量(以下、第2ワイヤ送給量という)を検出する第2ワイヤ送給量検出手段と、
    前記第1ワイヤ送給量と第2ワイヤ送給量を比較し、その比較結果に基づいて前記ワイヤ送給手段の送給異常を判定する送給異常判定手段を備えたことを特徴とする溶接ロボット。
  2. 前記送給異常判定手段は、第1ワイヤ送給量と第2ワイヤ送給量との差が第1許容条件を満たしているか否かを判定し、第1許容条件を満たしていない場合、送給異常と判定し、第1許容条件を満たしていれば、第2ワイヤ送給量に応じた溶接条件に変更することを特徴とする請求項1に記載の溶接ロボット。
  3. 前記ワイヤの種類に応じて異なる第1許容条件を記憶する第1許容条件記憶手段と、
    溶接に使用するワイヤを特定する入力手段とを備え、
    前記送給異常判定手段は、前記特定されたワイヤの種類に応じた第1許容条件を前記第1許容条件記憶手段から読み出して、送給異常判定に使用することを特徴とする請求項2に記載の溶接ロボット。
  4. 前記送給異常判定手段は、前記溶接条件の変更量が、変更量に関する第2許容条件を満たしているか否かを判定する変更量適正判定手段を含み、
    前記変更量適正判定手段は、前記変更量が第2許容条件を満たしている場合には、その変更量で溶接条件での溶接を許容し、第2許容条件を満たしていない場合には、送給異常と判定することを特徴とする請求項2に記載の溶接ロボット。
  5. 前記ワイヤの種類に応じて異なる第2許容条件を記憶する第2許容条件記憶手段と、
    溶接に使用するワイヤを特定する入力手段とを備え、
    前記変更量適正判定手段は、前記特定されたワイヤの種類に応じた第2許容条件を前記第2許容条件記憶手段から読み出して、送給異常判定に使用することを特徴とする請求項4に記載の溶接ロボット。
  6. 前記溶接トーチが溶接ロボットのマニピュレータの手首部に設けられた支持部を介して取付けされ、
    前記ワイヤ送給手段が、前記支持部に一体に設けられ、
    前記第2ワイヤ送給量検出手段は、
    ワイヤの送給量を検出するための計測手段と、前記計測手段の計測結果に基づいて、第2ワイヤ送給量を演算する演算手段とを備え、
    前記計測手段が、前記支持部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の溶接ロボット。
  7. 前記溶接トーチに送給されるワイヤのワイヤ装填量を記憶するワイヤ装填量記憶手段と、
    前記第2ワイヤ送給量と前記ワイヤ装填量に基づいて、装填されたワイヤの残量を算出するワイヤ残量算出手段と、
    前記ワイヤ残量の大小に基づいて、ワイヤ残量に関する警告を行うか否かの判定を行う警告判定手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の溶接ロボット。
  8. 前記警告判定手段は、ワイヤ残量がなしと判定した場合、溶接禁止処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の溶接ロボット。
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