JP2009178407A - 走行模擬装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 動物等を模擬する模型体に取り付けられた可動部材をダイナミックに揺動させることにより、動物等が高速で走行する様子を模擬する。
【解決手段】 揺動軸76dの周りに揺動運動を行うことが可能な可動部材76が取り付けられた模型体57を搭載した走行体50を駆動して走行面上を走行させる走行模擬装置において、可動部材76を駆動して揺動軸76dの周りで揺動させる可動部材駆動機構と、揺動軸76dを駆動して模型体57上における揺動軸76dの位置を移動させる揺動軸駆動機構とを設ける。可動部材駆動機構は、駆動軸63の回転方向が正回転及び逆回転のいずれの場合にも、駆動軸63の回転力を伝達して可動部材を駆動し、揺動軸駆動機構は、駆動軸63の回転方向が正方向である場合にのみ、駆動軸63の回転力を伝達して揺動軸を駆動し、駆動軸63の回転方向が逆方向である場合には、揺動軸63の駆動を行わないことが可能である。
【選択図】 図3
【解決手段】 揺動軸76dの周りに揺動運動を行うことが可能な可動部材76が取り付けられた模型体57を搭載した走行体50を駆動して走行面上を走行させる走行模擬装置において、可動部材76を駆動して揺動軸76dの周りで揺動させる可動部材駆動機構と、揺動軸76dを駆動して模型体57上における揺動軸76dの位置を移動させる揺動軸駆動機構とを設ける。可動部材駆動機構は、駆動軸63の回転方向が正回転及び逆回転のいずれの場合にも、駆動軸63の回転力を伝達して可動部材を駆動し、揺動軸駆動機構は、駆動軸63の回転方向が正方向である場合にのみ、駆動軸63の回転力を伝達して揺動軸を駆動し、駆動軸63の回転方向が逆方向である場合には、揺動軸63の駆動を行わないことが可能である。
【選択図】 図3
Description
本発明は、1又は複数の走行体を所定の走行面において走行させる走行模擬装置に関し、特に、走行面と平行な面内に延在する第2走行面を備え、第2走行面を自走する自走体の牽引によって走行面上において走行体を走行させる走行模擬装置に関する。
特許文献1には、複数の走行体が配置される走行面と、当該走行面の下方に敷設された複数の自走体が配置される第2走行面を備え、走行面において走行体を走行させるとともに、走行体に競走馬の形状の馬模型やこれに跨った人の形状の騎手模型などにより構成された模型体を搭載し、馬模型の前後脚や騎手模型の手足などの部分に取り付けられた部材(可動部材)に揺動等の動作をさせることで、競走馬が走っている様子をリアルに模擬することができる走行模擬装置が開示されている。
この走行模擬装置では、自走体には鉛直方向の軸を中心に回転可能な駆動磁石が取り付けられ、走行体には上記駆動磁石にカップリングする鉛直方向の軸を中心に回転可能な従動磁石が取り付けられている。
また、自走体には、第2走行面を自走するための動力源及び制御機構、駆動磁石を回転駆動するための動力源及び制御機構等が搭載されており、走行体には、従動磁石の回転を可動部材に伝達して可動部材に揺動等の動作を行わせる駆動力の伝達機構が搭載されている。
そして、駆動磁石と従動磁石とを走行面を挟んで結合させ、自走体を第2走行面において走行させると、磁力による牽引で走行体が走行面上を走行し、自走体の駆動磁石を回転させると、走行体の従動磁石がこれと一体となって回転し、その回転が伝達機構によって伝達されて可動部材が揺動する仕組みとなっている。
上記走行模擬装置では、走行体を走行させるための駆動源や制御装置、可動部材を揺動させるための駆動源や制御装置など、設置にスペースを要する機材を全て第2走行面の自走体に搭載することが可能であるため、走行体のサイズをコンパクトに保ったまま、模型体の造作や動作機構を精緻にすることが容易である利点がある。
しかし、特許文献1の走行模擬装置では、馬模型の前後脚の可動部材は、脚の付け根の軸を中心とする揺動を行うだけなので、現実の競走馬における躍動感のある走行の様子をリアルに模擬することはできない。
また、現実の競走馬は、低速での移動中は、常に前後脚のどれかを地面に接触させた状態で歩行又は走行し、高速での移動中は、よりダイナミックに、一完歩(前後脚のどれかが着地し、再びその脚が着地するまで)中に必ず一度は前後脚のすべてを地面から離間させて走行するなど、走行速度などによって異なる脚運びで走行する。
これに対して、上記特許文献1の走行模擬装置は上記の通りの構成であるため、走行体が高速で移動しているときも、低速で移動しているときも、馬模型の前後脚は常に同じ態様で揺動動作することになり、遊戯者(鑑賞者)が十分な現実感をもって走行体の走行を観賞することができず、或いは、その走行の態様に不自然な印象を持つ場合があった。
また、現実の競馬場での競走馬は、ゲートに入るのをいやがったり、前方の遅い競走馬のために先に行けずにいらいらして上体を持ち上げた後脚立ち姿勢や、後脚を跳ね上げた前脚立ち姿勢を取る場合があり、模型体の動作をよりリアリティの高いものとするなどのために、上記のような動作も模型体において実現することが望まれていた。
しかし、特許文献1の走行模擬装置では、可動部材を駆動するための動力は、磁石の回転により伝達されるものであるために可動部材の動作の自由度が制限されるなどの理由から、現実の競走馬における上記のような動作を模型体において再現することはできなかった。
この点、特許文献1の走行模擬装置においても、駆動磁石と従動磁石のカップリングと従動磁石の回転力を可動部材に伝達する伝達機構からなる駆動系を複数組搭載することにより、複数の可動部材(馬模型の前後脚と騎手模型の手足)を独立に揺動動作させることが開示されている。
しかし、走行体に動力源や制御装置を搭載せず、動力源や制御装置を全て第2走行面の自走体に搭載する上記方式の走行模擬装置において複数の可動部材の独立制御が可能であったのは、その複数の可動部材が相互に独立した部材であり、それぞれを他の可動部材のための駆動系に影響を与えることなく動作させることが可能な場合のみであり、例えば、馬模型上の支点を中心に馬模型の全体を回転可能にするとともに、その一部である前後脚も揺動可能にする場合のように、一の可動部材の動作(馬模型の回転)が他の可動部材(馬模型の前後脚)の駆動系に影響を与える装置構成において、その複数の可動部材を独立に動作させる機構は実現されていなかった。
特開平9−248383号公報
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、下記のいずれか一以上の目的を達成するものである。
即ち、本発明の目的は、模型体に取り付けられた可動部材をよりダイナミックな態様で揺動させることができる走行模擬装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、脚部分に可動部材を有する動物の形状の模型体を搭載した走行体を走行させる走行模擬装置において、模型体の可動部材をよりダイナミックに揺動させることにより、現実の動物の走行態様をよりリアルに模擬することが可能な走行模擬装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、模型体に取り付けられた可動部材を異なる2種類の態様で揺動させることが可能な走行模擬装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、脚部分に可動部材を有する動物の形状の模型体を搭載した走行体を走行させる走行模擬装置において、可動部材を異なる2種類の態様で揺動させることを可能にすることにより、現実の動物が高速で走行している場合と、低速で走行している場合の両方を模擬することが可能な走行模擬装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、模型体に取り付けられた可動部材の揺動運動と、その揺動運動のための駆動力を伝達する駆動軸とは非平行な模型体回転軸の周りでの模型体の回転運動とを独立に行うことが可能な走行模擬装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、動物の形状の模型体を搭載した走行体を走行させる走行模擬装置において、模型体に取り付けられた可動部材の揺動と、走行面に対する模型体の傾斜角度の制御とを独立に行い得るようにすることにより、動物の形状の模型体を後脚立ちや前脚立ちの姿勢にすることを可能にし、例えば、競走馬がゲートに入るのをいやがったり、前方の遅い競走馬のために先に行けずにいらいらしている様子などを表現することが可能な走行模擬装置を提供することにある。
本発明は、上記問題を解決したものであり、
走行面上において走行可能な走行体であって、揺動軸の周りに揺動運動を行うことが可能な可動部材が取り付けられた模型体を搭載した走行体と、
前記走行体を駆動して前記走行面上を走行させる走行駆動機構とを備える走行模擬装置であって、
前記可動部材を駆動して前記揺動軸の周りで揺動させる可動部材駆動機構と、
前記揺動軸を駆動して前記模型体上における前記揺動軸の位置を移動させる揺動軸駆動機構とを更に備えることを特徴とする走行模擬装置(請求項1)である。
走行面上において走行可能な走行体であって、揺動軸の周りに揺動運動を行うことが可能な可動部材が取り付けられた模型体を搭載した走行体と、
前記走行体を駆動して前記走行面上を走行させる走行駆動機構とを備える走行模擬装置であって、
前記可動部材を駆動して前記揺動軸の周りで揺動させる可動部材駆動機構と、
前記揺動軸を駆動して前記模型体上における前記揺動軸の位置を移動させる揺動軸駆動機構とを更に備えることを特徴とする走行模擬装置(請求項1)である。
かかる発明では、模型体上における揺動軸の位置を移動させつつその揺動軸の周りで可動部材を揺動させることが可能であるため、従来にないダイナミックな態様で模型体を動作させることが可能である。
特に、模型体に馬などの動物の形状を付与するとともに、その脚部分を本発明の可動部材で構成した場合には、現実の馬などの動物が高速で走行している際の躍動感のある走行態様をリアルに模擬することが可能になる。
本発明では、前記可動部材駆動機構による前記可動部材の駆動と、前記揺動軸駆動機構による前記揺動軸の駆動とが同期して行われること(請求項2)が好ましい。
かかる発明では、特に、模型体に馬などの動物の形状を付与するとともに、その脚部分を本発明の可動部材で構成した場合には、脚と肩の部分を一体に動作させて走行する現実の動物の走行態様を一層リアルに模擬することが可能である。
本発明では、前記走行体が、駆動軸を更に備え、前記可動部材駆動機構及び前記揺動軸駆動機構は、前記駆動軸の回転力を伝達することにより前記可動部材及び前記揺動軸を駆動するものであり、前記可動部材駆動機構は、前記駆動軸の回転方向が正方向及び逆方向のいずれの場合にも、前記駆動軸の回転力を伝達して前記可動部材を駆動し、前記揺動軸駆動機構は、前記駆動軸の回転方向が正方向である場合にのみ、前記駆動軸の回転力を伝達して前記揺動軸を駆動し、前記駆動軸の回転方向が逆方向である場合には、前記揺動軸の駆動を行わないこと(請求項3)が好ましい。
かかる発明では、駆動軸を正方向に回転させた場合には、模型体上における揺動軸の位置を移動させつつその揺動軸の周りで可動部材が揺動することになるために、可動部材を高い躍動感をもって揺動させることができ、駆動軸を逆方向に回転させた場合には、模型体上における揺動軸の位置を移動させることなく、その揺動軸の周りで可動部材が揺動することになるために、可動部材を比較的静的な態様で揺動させることができるなど、模型体を異なる2つの態様で駆動することが可能になる。
特に、模型体に馬などの動物の形状を付与するとともに、その脚部分を本発明の可動部材で構成した場合には、駆動軸を正回転させることで現実の馬などの動物が高速で走行している際の躍動感のある走行態様を模擬し、駆動軸を逆回転させることで動物が比較的ゆっくりと歩行又は走行している様子を模擬するなど、駆動軸の回転方向によって、動物の異なる2通りの走行態様を模擬することが可能になる。
本発明は、走行面上において走行可能な走行体であって、少なくとも1の可動部材が取り付けられた模型体を搭載した走行体と、前記走行体を駆動して前記走行面上を走行させる走行駆動機構とを備える走行模擬装置であって、前記走行体が、駆動軸と、前記駆動軸の回転力を伝達することで前記可動部材を駆動する可動部材駆動機構と、前記駆動軸と非平行な模型体回転軸の周りで前記模型体を回転させる模型体回転機構とを更に備えるもの(請求項4)とすることも可能である。
かかる発明では、走行体の走行中に模型体に取り付けられた可動部材を揺動させることが可能であるために、動物などが走行している様子を模型体の動作により模擬することが可能であり、更に、模型体回転軸を中心にして模型体を回転させることが可能である。
従って、例えば、本発明の模型体を競走馬の形状とした場合には、競走馬がゲートに入るのをいやがったり、前方の遅い競走馬のために先に行けずにいらいらして上体を持ち上げた後脚立ち姿勢や、後脚を跳ね上げた前脚立ち姿勢を取る様子を模擬することが可能となるなど、従来の走行模擬装置において実現できなかった態様の動作を模型体に行わせることが可能になる。
なお、本明細書において「正方向」は、時計回り方向又は反時計回り方向の意味であり、「逆方向」は「正方向」とは反対の方向の意味である。
本発明では、前記可動部材駆動機構が、前記駆動軸に取り付けられ、前記駆動軸の周りで回転する第1ギヤと、前記模型体回転軸の周りに回転自在に取り付けられた第2ギヤであって、前記第1ギヤと歯合し、前記第1ギヤの回転により前記模型体回転軸の周りで回転駆動される第2ギヤとを有し、前記駆動軸の回転力が、前記第2ギヤを介して前記可動部材に伝達されるものとし(請求項5)、或いは、前記可動部材駆動機構が、前記駆動軸に取り付けられ、前記駆動軸の周りで回転する第1ギヤと、前記模型体回転軸の周りに回転自在に取り付けられた第2ギヤであって、前記第1ギヤと歯合し、前記第1ギヤの回転により前記模型体回転軸と平行な軸の周りで回転駆動される第2ギヤと、前記第2ギヤの回転により前記模型体回転軸の周りで回転駆動される第3ギヤとを有し、前記駆動軸の回転力が、前記第3ギヤを介して前記可動部材に伝達されるものとすること(請求項6)が好ましく、これにより簡易な構成をもって模型体に後脚立ち姿勢や、前脚立ち姿勢を取らせることが可能な走行模擬装置を実現することが可能になる。
本発明は、前記走行面と平行な面内に延在する第2走行面上において自走することが可能な自走体を更に備え、前記自走体が、前記走行面に対して概略垂直方向を指向する回転軸の周りに回転可能な駆動磁石と、前記駆動磁石を回転駆動する磁石駆動手段とを備え、前記走行体が、前記走行面に対して概略垂直方向を指向する回転軸の周りに回転可能であり、前記駆動磁石と磁気的に結合して前記駆動磁石とともに回転する従動磁石を更に備え、前記走行体は、前記駆動磁石と前記従動磁石の吸引力によって前記自走体に牽引されて前記走行面上を走行し、前記従動磁石の回転力が、前記可動部材駆動機構によって前記可動部材に伝達されて前記可動部材が駆動されること(請求項7)が好ましい。
かかる発明では、走行体を走行させ、模型体の可動部材を駆動するためのモータや制御装置などの機材を全て自走体に搭載することが可能であるため、走行体のサイズをコンパクトに保ったまま、模型体の動作や動力の伝達機構等を精緻なものとすることが容易となる。
なお、本発明における「自走」は、走行のための動力源を搭載した物体がその動力源を用いて走行することを意味し、その物体が走行のための制御装置など、他の機構を搭載しているか否かは問わない。また、本明細書における「走行」は、物体が走行のための動力源を搭載しているか否かを問わず、その物体が移動することを意味する。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
なお、本発明は、少なくとも1つの可動部材を有する任意形状の模型体を搭載した走行体を走行面上において走行させる走行模擬装置に適用されるものであるが、以下では、本発明を、競走馬と騎手を象った馬模型及び騎手模型から構成される模型体を搭載した走行体を走行面上で走行させる競馬ゲーム装置に適用した場合について説明する。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る競馬ゲーム装置1の外観構成を示す斜視説明図である。
図示されるように、この競馬ゲーム装置1は、後述の主制御基板21などが収容される筐体中央の略円柱状の装置本体部2と、装置本体部2の周囲に配置され、通信ケーブルなどを介して上記主制御基板21と電気的に接続される複数のサテライト(操作盤)80とを主体に構成されている。
なお、図1(a)では、簡略のために手前の3台のサテライト90a〜90cのみが示されているが、本実施形態の競馬ゲーム装置1においては、12台のサテライト90a〜90lが装置本体部2の周囲に配置されている。
図1(b)は、装置本体部2の構成を示す斜視説明図である。
図示されるように、装置本体部2は、円筒状の外側筐体3と、当該外側筐体3の内側に収容され、上下に離間して配置された上面板4及び下面板7からなる2階建て構造とを備えている。
上面板4は、概略円形の形状を有する板状の部材であり、その上側表面である第1走行面4sはサテライト90に位置する遊戯客などから視認することが可能である。第1走行面4sには、レースにおいて複数の走行体50が着順を競って走行する走路であるトラック5が形成されている他、当該トラック5上の走行体50を撮影する複数のフィールドカメラ22a及びゴールカメラ22b、各カメラ22a、22bにより撮影された画像やレースの案内などの情報を表示するモニタ装置23などが配置されている。また、本実施形態では、競馬場の外観をリアルに再現するために、トラック5及びその周辺には、緑色の粉末や繊維等を加工した人工芝材などが敷き詰められている。
なお、図には示されていないが、本実施形態では、各レースにおいてトラック5上を走行する走行体50の台数変更を可能にするために、装置本体部2は、上面板4の外周部等の適宜の箇所に走行体50を収容する収容部を備えることが可能である。
更に、装置本体部2は、現実の競馬と同様のスタートシーンを再現するために、各レースの開始時にスタート地点に配置され、レース中には上面板4の外周部等の適宜の箇所に退避収容される出走ゲートを更に備えることが可能である。この場合の出走ゲートは、例えば、特開平10−216355号公報に開示される出走ゲートと同様の構成とすることができる。
図2(a)は、装置本体部2を俯瞰視で示す説明図である。
図示されるように、上記トラック5は、8の字状に形成されている。従って、本実施形態の競馬ゲーム装置1では、レースの種類に応じてスタート地点である5a又は5bからゴール5cに至る符号5S、5M、5Lで示す複数種類の走行コースを変更することにより、短距離、中距離、長距離など複数種類の走行コースでのレースを行うことが可能である。
図2(b)は、上面板4から所定距離下方に離間した位置において上面板4と平行に敷設された下面板7を装置本体部2の周辺に配置されたサテライト90a〜90lとともに平面視で示す説明図である。
図示されるように、下面板7は、上面板4と同様円形形状を有する板状の部材であり、その上側表面である第2走行面7sのトラック5に対応する領域は、レースにおいて複数の自走体30が走行する走路8とされている。
また、走路8は、装置周辺の12台のサテライト90a〜90lのそれぞれに対応付けられた12のサテライト対応領域8a〜8lに区画されている。
各サテライト対応領域8a〜8lの大小関係や配置、或いは、走路8の全面積を余すことなくいずれかのサテライト対応領域8a〜8lに区画するか否かなどは任意ではあるが、本実施形態では、全てのサテライト対応領域8a〜8lが概略同一の面積を有し、かつ、各サテライト対応領域8a〜8lが対応するサテライト90a〜90lに最も近い位置となるように配置されている。
なお、各サテライト対応領域8a〜8lの位置乃至境界は、主制御基板21又は自走体制御基板101において認識されるデータとして定義されるものであり、図示のように視認できる態様で境界線が引かれている訳ではない。また、後述のように、各自走体30の走路8上での位置は、それぞれ対応する走行体50のトラック5上の位置に一致するため、走路8がサテライト対応領域8a〜8lに区画されていることは、トラック5が同等の領域に区画されているのと同義である。
図2(c)は、第2走行面7sにおける2次元コードCの配列の様子を下面板7に配置された自走体30とともに示す説明図である。
第2走行面7sの全体又は少なくとも走路8の表面は、第2走行面7sに固定された直交座標であるグローバル座標上における位置座標を記録した多数の2次元コードCが配置された情報配置面とされている。なお、本実施形態では、2次元コードCとしてQRコード(JIS−X−0510)が使用されている。
ここで、QRコードは、図2(c)に示すように、グローバル座標のXg軸及びYg軸方向にそれぞれ一定間隔をもって行列状に配列されるとともに、各QRコードは、QRコード上の直交座標であるQR座標上のXqr軸及びYqr軸方向が、グローバル座標上のXg軸及びYg軸方向と一致する角度で配置されている。
QRコードは、自走体30に搭載されるカメラ装置36の撮影角及びカメラ装置36から第2走行面7sまでの距離を考慮して、走路8上のどの位置に自走体30が位置する場合でも、カメラ装置36の画角(撮影視野)V内に常に1以上のQRコードの全体が含まれるサイズ及び間隔で配置されており、後述の自走体制御基板101は、カメラ装置36による撮影画像中のQRコードに記録された位置情報と、カメラ装置36により撮影された画像に固定された座標系であるカメラ座標(Xc、Yc)上でのそのQRコードの位置及び角度とに基づいて、グローバル座標上における自走体30の基準点(例えば、中央輪34a、34bの車軸中央位置)Rの位置座標及び角度(進行方向)Fを導出する。なお、撮影画像中における一のQRコードからの位置情報の取得に失敗した場合における他のQRコードからの位置情報の取得を可能にするべく、QRコードは、カメラ装置36の画角V内に常に2以上のQRコードの全体が含まれるサイズ及び間隔で配置されていることが好ましい。
図3は、第2走行面7sに配置された自走体30と、第1走行面4sに配置された走行体50を側面視で示す説明図である。
図示されるように、自走体30は、台車31及び支持台40から構成されている。
台車31には、前後輪32、33と、左右の中央輪34a、34bと、当該中央輪34a、34bをそれぞれ駆動する走行モータ35a、35bとが搭載されており、走行制御基板106に制御された走行モータ35a、35bが左右の中央輪をそれぞれ独立に駆動することにより、進行方向を変更自在に自走体30を第2走行面7s上で自力走行(自走)させることが可能である。
台車31には、更に、第2走行面7sを上方から垂直に撮影するCCDカメラなどのカメラ装置36と、カメラ装置36の両側部に取り付けられ、カメラ装置36の画角Vを照明する白色LED37と、無線LANによる装置本体部2との通信を行うためのアンテナ38などの機構部品を備えている。
支持台40は、スプリング41による上方への付勢力を受けた状態で台車31の上方に取り付けられている。
支持台40の上面には、前後輪42、43と、左右の中央輪44a、44bとが取り付けられ、これら車輪42〜44は、スプリング41の付勢力により上面板4の下面に当接する。従って、自走体30は、下部の車輪42〜44と、上部の車輪42〜44に挟まれて、上面板4と下面板7の間の走行空間を直立姿勢を維持しながら安定に走行することができる。
支持台40の上部には、駆動磁石45a〜45c及び模型制御モータ46a〜46cが更に取り付けられている
駆動磁石45a〜45cは、相互に所定の間隔をもって、また、上面板4に対しても若干の距離を離間させるように取り付けられており、模型制御モータ46a〜46cの駆動により、鉛直方向の軸を中心に回転動作を行うようになっている。駆動磁石45a〜45cは、後述の従動磁石55a〜55cと磁気的に結合し、自走体30の走行により上面板4上の走行体50を牽引するとともに、従動磁石55a〜55cを回転させることによって走行体50上の模型体57に取り付けられた可動部材(馬模型58の前後脚部や騎手模型59の手足部など)を揺動動作させ、或いは、模型体57を馬体回転軸である円柱状突起us3の周りで回転動作させる。なお、本実施形態の模型制御モータ46a及び46cには、ステッピングモータが採用されており、騎手模型59の手足部の揺動動作や模型体57の回転動作を数値制御することが可能である。
支持台40には、更に、給電板6から電力を受電して、後述の自走体制御基板101、撮影制御基板102、LED制御基板103、画像処理基板104、画像メモリ105、走行制御基板106、模型制御基板107、無線LAN装置108などへの給電を行うための集電装置47が接続されている。
支持台40上部における駆動磁石45aの前方位置には、更に駆動磁石45aから所定の距離を離間させてホール素子48が取り付けられている。ホール素子48は自走体制御基板101に電気的に接続されており、自走体制御基板101は、台車51に取り付けられた磁石55dとホール素子48の位置関係により変化するホール電圧によって、走行体50が自走体30に対して正しい位置及び方向にセットされているか否かを検知することが可能である。
走行体50は、台車51と、台車51に立設された支持柱56及び馬体駆動軸64により支持される模型体57とから構成されている。
台車51は、前後輪52、53と、台車51の両側部に軸支された中央輪54a、54bとにより第1走行面4s上を走行可能とされており、台車51の下面には、第1走行面4sから若干の間隔を離間させて、かつ、自走体30の駆動磁石45a〜45cと対応する配置をもって3つの従動磁石55a〜55cが取り付けられている。
従動磁石55a〜55cは、自走体30の駆動磁石45a〜45cと磁気的に結合し、第2走行面7s上を走行する自走体30に追従して(自走体30と所定の位置関係を保った状態で)走行体50が第1走行面4s上を走行することを可能にする。
従動磁石55a〜55cは、概略鉛直方向の軸を中心に回転可能とされ、自走体30の駆動磁石45a〜45cの回転に同期して回転する。
なお、台車51の下面における従動磁石55aの更に前方位置には、第1走行面4sから若干の間隔を離間させて、上述の磁石55dが取り付けられている。
模型体57は、現実の競走馬を象った馬模型58と、現実の騎手を象った騎手模型59とから構成され、上記従動磁石55a、55bの回転は、支持柱56に収容された騎手駆動軸62、馬脚駆動軸63を介して模型体57に伝達され、馬模型58及び騎手模型59に取り付けられた複数の可動部材を揺動等させる。また、従動磁石55cの回転は、馬体駆動軸64の上下動に変換され、これにより模型体57は馬体回転軸(円柱状突起us3)の周りで上下に回転し、馬模型58が後脚立ち姿勢や前脚立ち姿勢を取ることを可能にする。
図4(a)は、模型体57を取り外した状態で台車51の外観を示す斜視説明図であり、図4(b)は、図4(a)の台車51のカバー部材61を取り除いてその内部構造を示す斜視説明図である。
本実施形態の台車51は、板状のベース部材60とその上部を覆うカバー部材61を備えており、ベース部材60の下面には、3つの従動磁石55a〜55cが鉛直方向を回転軸として回転自在に取り付けられている。
カバー部材61の上方には、騎手駆動軸62及び馬脚駆動軸63をその内部空間に収容した支持柱56及び馬体駆動軸64がそれぞれ鉛直方向に向けて立設されており、支持柱56の上端にはウォームギアボックス65が、馬体駆動軸64の上端には牽引部材66がそれぞれ取り付けられている。
また、カバー部材61に覆われた内部空間には、上記従動磁石55a〜55cの回転力を、それぞれ騎手駆動軸62、馬脚駆動軸63及び馬体駆動軸64に伝達する複数の歯車などで構成される動力伝達機構が収容されている。
即ち、ベース部材60の上面前方位置には、それぞれ鉛直方向の軸の周りに回転自在の3つの平歯車dg1〜dg3が相互に歯合し合う態様で取り付けられており、平歯車dg1は、従動磁石55aと後述のトルククラッチ機構68aを介して連結され、平歯車dg3は、騎手駆動軸62と一体となって回転する平歯車dg4と歯合している。従って、従動磁石55aが回転すると、その回転が平歯車dg1〜dg4により伝達されて騎手駆動軸62が回転する。
また、ベース部材60の下面概略中央に取り付けられた従動磁石55bは馬脚駆動軸63にトルククラッチ機構68bを介して直接連結されており、従動磁石55bが回転すると、騎手駆動軸63はこれと一体となって回転する。
図5(a)は、支持柱56の内部に収容される上記騎手駆動軸62及び馬脚駆動軸63と、その上端のウォームギアボックス65との連結の態様を示す分解斜視図である。
図示のように、支持柱56は中空円筒状部材であり、支持柱56の筒内には、中空円筒状の騎手駆動軸62がその上端及び下端を支持柱56から突出させる態様で挿通されており、更に、当該騎手駆動軸62の筒内には、円柱状の馬脚駆動軸63がその上端及び下端を騎手駆動軸62から突出させる態様で挿通されている。騎手駆動軸62及び馬脚駆動軸63は、その鉛直方向の中心軸の周りに相互に自由に回転することが可能である。
そして、支持柱56の上端が、ウォームギアボックス65の下部に設けられた孔65aに挿通固定され、支持柱56から上方に突出した騎手駆動軸62及び馬脚駆動軸63の上端は、孔65aを貫通してウォームギアボックス65の内部空間まで延在しており、騎手駆動軸62の先端には騎手駆動軸62と一体に回転するウォーム62aが取り付けられ、馬脚駆動軸63の先端には馬脚駆動軸63と一体に回転するウォーム63aが取り付けられている。
ウォームギアボックス65の側壁に設けられた2つの軸孔65b、65cには、それぞれ水平方向のシャフトus1、us2が挿通固定されており、下方側のシャフトus1には、ウォーム62aに切られた螺旋状の螺子溝と歯合する螺子歯車(ウォームホイール)ug1及びこの螺子歯車ug1と一体に形成された平歯車ug2から成る歯車ユニットug3と、平歯車ug2と同径の平歯車ug4とが軸挿されている。歯車ユニットug3と平歯車ug4は、シャフトus1の周りで相互に独立に回転することが可能である。
上方側のシャフトus2には、ウォーム63aと歯合する螺子歯車ug5及び該螺子歯車ug5と一体に形成され、上記平歯車ug4と歯合する平歯車ug6から成る歯車ユニットug7が軸挿されている。
このように、従動磁石55aは、騎手駆動軸62及びこれに固定されたウォーム62aを介して歯車ユニットug3に連結されており、従動磁石55aを回転させることにより平歯車ug2を回転させることが可能である。同様に、従動磁石55bは、馬脚駆動軸63及びこれに固定されたウォーム63a、歯車ユニットug7を介して平歯車ug4に連結されており、従動磁石55bを回転させることにより、平歯車ug4を回転させることが可能である。
また、ウォームギアボックス65の両側壁には、外方に向けてシャフトus1、us2と同心に円柱状突起us3、us4が突設されている。この円柱状突起us3は、模型体57の回転運動の中心軸である馬体回転軸として機能し、円柱状突起us4は、その回転を案内するガイドとして機能する。
図4に戻って、ベース部材60の上面後方位置には、鉛直方向の軸の周りに回転自在の3つの平歯車dg5〜dg7が相互に歯合し合う態様で取り付けられており、平歯車dg5は、従動磁石55cとトルククラッチ機構68cを介して連結されている。
図5(b)は、平歯車dg5〜dg7、馬体駆動軸64及び牽引部材66の連結の態様を示す分解斜視図である。
図示のように、馬体駆動軸64は、棒状のシャフト64aと、バネ部材64bと、ピン挿通孔64cが形成された円筒部材64dと、雄螺子部材64eからなる棒状の部材であり、その円筒部材64dよりも下方部分は、ベース部材60に螺子留めなどにより固定される台座67に形成された孔67aに挿通され、雄螺子部材64eの下端は当該孔67aを貫通して、平歯車dg7の中心孔に切られた雌螺子に累合するようになっている。
また、台座67の側面には、円筒部材64dのピン挿通孔64cに挿通されるガイドピン67cを上下方向に案内する1対の長穴67bが形成されている。従って、馬体駆動軸64は、上記ガイドピン67c及び長穴67bにより、その長手方向軸(鉛直方向の軸)周りの回転が禁止され、上下方向への移動のみが可能となっている。
なお、バネ部材64bは、上記馬体駆動軸64が上下方向に移動する際の馬体駆動軸64のしなりを吸収するための弾性手段として機能するものである。
図5(c)は、従動磁石55a〜55cをそれぞれ平歯車dg1、馬脚駆動軸63、平歯車dg5に連結させるトルククラッチ機構68a〜68cの例示的な構成を示す斜視説明図である。
図示のように、各トルククラッチ機構部68a〜68cは、例えば、金属製の2つの円盤状板バネ部材681と、2つの球状のボール部材682と、円盤状の固定部材683と、円盤状の磁石取付板部材684などから構成される。
ここで、固定部材683は、平歯車dg1、馬脚駆動軸63又は平歯車dg5と一体となって回転する部材であり、磁石取付板部材684の下面にはボール部材682を受ける凹陥部が複数個(例えば、8個など)形成され、固定部材683には、ボール部材682を転動可能に収容する2つの貫通孔が形成されるとともに、その下面には板バネ部材681に形成された2つの孔に嵌合する2つの突起部が形成されている。
従って、各トルククラッチ機構68a〜68cでは、磁石取付板部材684に固定された従動磁石55a〜55cによる回転力が一定のトルクに達するまでは、磁石取付板部材684と固定部材683とが一体となって回転し、その回転力が平歯車dg1、馬脚駆動軸63又は平歯車dg5に伝達され、一方、従動磁石55a〜55cの回転力が一定のトルクを超えた場合には、磁石取付板部材684が固定部材683に対して空回りし、平歯車dg1、馬脚駆動軸63又は平歯車dg5への上記回転力の伝達が遮断される。
従動磁石55a〜55cと平歯車dg1、馬脚駆動軸63及び平歯車dg5は、上述のようなトルククラッチ機構68a〜68cを介して連結されているために、何らかの原因で許容範囲を超える回転力が発生した場合における台車51又は模型体57を構成する歯車等の部品が破損するなどの不都合を解消することが可能である。
図6は、頭部、首部、胴体部などの各外装材を取り除いた馬模型58を示す斜視説明図であり、図7は、馬模型58の前脚部及び後脚部の部品構成を示す分解斜視説明図であり、図8は、馬フレーム70の内部に収容される可動部材駆動機構を示す分解斜視図である。
図示のように、本実施形態の馬模型58は、一対の馬フレーム70、70と、この馬フレーム70、70に摺動板部材73、連結部材74、回転盤部材75等を介して取り付けられた前脚部76、後脚部77、及び、首骨部材78、尻尾部材79などで構成されており、これらの周囲に外装材を取り付けることで図3に示す競走馬の形状が与えられている。
馬フレーム70の長手方向概略中央には、両馬フレーム70の間の空間(以下、馬体空間という)に内挿されたウォームギアボックス65の円柱状突起us3を軸挿する軸孔70aと、円柱状突起us4を案内する円弧状のガイド孔70bが穿孔されており、馬フレーム70は、ガイド孔70bにより円柱状突起us4の移動が許容される範囲で回転可能に円柱状突起us3に枢着されている(円柱状突起us3に対して回転可能に取り付けられている)。
また、上記馬体空間には、ウォームギアボックス65の平歯車ug2、ug4と係合して騎手模型59や馬模型58の前脚部を揺動させる図8に示す複数の歯車などで構成される動力伝達機構が収容される。
即ち、上記馬体空間における右側の馬フレーム70寄りの位置には、相互に歯合し合う3つの平歯車mg1〜mg3が取り付けられており、平歯車mg3には、馬フレーム70の前方に取り付けられたベアリング71aに水平に軸支されるシャフトms2が固定されている。
また、左側の馬フレーム70寄りの位置には、相互に歯合し合う3つの平歯車mg4〜mg6が取り付けられている。平歯車mg6の偏心位置には、ワイヤーロッドwの下端を係止する係止孔mg6aが穿孔されており、その右側側面には、左側の馬フレーム70内壁に突設された不図示の突設ピンを挿通する概略C形状の案内溝mg6bが刻設されており、平歯車mg6は、案内溝mg6bが突設ピンによる規制を受けるために、係止孔mg6aが最下位置から最上位置に移動するまでの180度の角度範囲でのみ回転可能とされている。
ここで、平歯車mg1及びmg4は、両馬フレーム70、70の内側に穿孔された軸孔70cに水平に差し渡されたシャフトms1に軸支される同径の歯車であり、平歯車mg1はウォームギアボックス65の平歯車ug4に歯合し、平歯車mg4はウォームギアボックス65の平歯車ug2に歯合する。
従って、従動磁石55bの回転は、馬脚駆動軸63、ウォーム63a、歯車ユニットug7、ug4、平歯車mg1〜mg3を介して伝達されてシャフトms2を回転させて前後脚部76、77を揺動動作させ、従動磁石55aの回転は、騎手駆動軸62、ウォーム62a、歯車ユニットug3、mg4〜mg6を介して伝達されてワイヤーロッドwの上下動に変換されて、騎手模型59の手足部82〜85を揺動動作させる。
このように、可動部材である馬模型58の前後脚部76、77や騎手模型59の手足部82〜85に駆動力を伝達するための駆動力が、馬体回転軸である円筒状突起us3と同心のシャフトus1を軸芯とする歯車ユニットug3又は平歯車ug4を介して伝達されるために、これらの可動部材への動力の伝達に影響を与えることなく模型体57を馬体回転軸の回りで回転させることが可能となっている。
なお、上記シャフトms2には、一部が切り欠かれて断面視がC字状となったリング部材mrが嵌着され、このリング部材mrは、係合部材mkに形成された円形開口に内挿されるようになっている。
馬フレーム70の長手方向前方位置には、摺動板部材73を取り付けるための構造として、ベアリング71aを内挿した円環状突起71b、摺動板部材73の厚みだけ凹陥した平滑な概略扇状の摺動面71c、スプリング71dを収容するスプリング溝71e、円弧状のガイド孔71fなどが形成されている。
なお、摺動面71cの裏面側上方位置には、首骨部材78の後方に穿孔された軸孔78aを回転自在に軸支するシャフト71gが突設されている。
摺動板部材73は、上部に開口73aが形成され、下部が扇形の形状を成す部材であり、扇状の部分の前方には、スプリング溝71eのスプリング71dに当接する受座73bと、前脚部76を揺動自在に枢着する軸孔73cとが形成されており、その後方には、ガイド孔71fに案内されるガイドピン73dが突設されている。
摺動板部材73は、開口73aを円環状突起71bに挿通させて摺動面71cに収容され、受座73bに当接するスプリング71dによる後方への付勢力を受けた状態で、カイド孔71f内でのガイドピン73dの移動が許容される範囲で円環状突起71bの周りに回転可能とされている。
摺動板部材73の外側には、回転盤部材75及び回転盤部材75の円環状突起75bに枢着された連結部材74を介して前脚部76が取り付けられている。
回転盤部材75は、中央に形成された螺子孔75aにおいて螺子止めなどによってシャフトms2に固定されてシャフトms2と一体に回転する部材であり、その内側表面及び外側表面の偏心位置には、それぞれ円環状突起75b及びガイドピン75cが突設されている。
前脚部76は競走馬の前脚の外観を模した外形を有する棒状の部材であり、その上部には、回転盤部材75のガイドピン75cを案内する直線状の長穴76aが形成されるとともに、揺動軸76bを中心に回転自在とされた回転部材76cが取り付けられ、その概略中央付近の内側表面には、摺動板部材73の軸孔73cに軸支される揺動軸76dが突設され、更に、その下端付近の外側表面には、下肢部分76fを回転自在に軸支する軸ピン76eが突設されている。
下肢部分76fは、上記軸ピン76eによって軸支されるとともに、その下方位置には、スプリング76gの付勢力を受けて上端を上記回転部材76cの先端に取り付けられた連結部材76hの下端が取り付けられている。
また、馬フレーム70の長手方向後方位置には、後脚部77の厚みだけ凹陥した概略円形の摺動面72aが形成されている。また、摺動面72aの中央には、円柱状の突起軸72bが、その下方には、シャフト72cが突設されており、突起軸72bの後方には、馬体空間に収容された牽引部材66の牽引シャフト66aを枢着する駆動孔72dが穿孔され、更に、摺動面72aの上部後方位置には、尻尾部材79の揺動軸79aを枢着する軸孔72eが穿孔されている。その他、左側の馬フレーム70の摺動面72aには、尻尾部材79のシャフト79bを案内する直線状のガイド孔72fが穿孔され、右側の馬フレーム70の摺動面72aには、右側の後脚部77に形成されたシャフト77iを挿通する円弧状の挿通孔72gが穿孔されている。
後脚部77は競走馬の後脚の外観を模した外形を有する部材であり、その前方には、摺動面72aに収容される円盤部77aを有しており、当該円盤部77aは、その中心位置に突起軸72bを回転自在に枢着する枢着孔77bを有するとともに、その偏心位置に円柱突起77cが突設されている。更に、枢着孔77bの周囲には、馬フレーム70のシャフト72cを案内する円弧状のガイド孔77d及び尻尾部材79のシャフト79bを案内する直線状のガイド孔77eが穿孔されている。
後脚部77は、突起軸72bに枢着孔77bを枢着させて摺動面72a内において円盤部77aを自在に回転させることが可能な態様で馬フレーム70に取り付けられ、更に、その外側に連結部材74が取り付けられる。
連結部材74は、回転盤部材75の回転を後脚部77に伝達するための棒状の部材であり、その前方の開口74aには回転盤部材75の円環状突起75bを枢着し、後方の開口74bには円盤部77aの円柱突起77cを枢着するようになっている。
また、後脚部77の下端付近の外側表面には、下肢部分77gを回転自在に軸支する軸ピン77fが突設されている。
下肢部分77gは、上記軸ピン77fによって軸支されるとともに、その下方位置には、シャフト72cに上端を軸支された連結部材77hが取り付けられている。
図9(a)は、騎手模型59の外観を示す斜視説明図であり、図9(b)は、騎手模型59の部品構成を示す分解斜視図である。
図示されるように、本実施形態の騎手模型59は、現実の騎手を象った模型であり、左胴体部80と、右胴体部81と、左腕部82と、右腕部83と、左足部84と、右足部85と、足下付き鞍部86と、駆動部材87とから構成されている。
そして、本実施形態の騎手模型59は、左胴体部80のシャフト80a及び80bに、左腕部82の枢着穴82a及び左足部84の枢着穴84aがそれぞれ枢着される態様で、左胴体部80に左腕部82及び左足部84が装着されており、同様に、右胴体部81のシャフト81a及び81bに、右腕部83の枢着穴83a及び右足部85の枢着穴85aがそれぞれ枢着される態様で、右胴体部81に右腕部83及び右足部85が装着される。
左胴体部80の内側には、駆動部材87を上下方向に移動可能に収容する空間が形成されおり、上記左腕部82及び左足部84が装着された左胴体部80に、左胴体部80の円弧状のガイド溝80cに挿通された左腕部82のシャフト82bを駆動部材87の上端側に設けられた長穴87aに挿通し、左足部84のシャフト84bを他端側の枢着孔87bに挿通する態様で駆動部材87が左胴体部80の内側の空間に収容される。駆動部材87の中央部に穿孔された連結孔87cには、ワイヤーロッドwの上端が係合される。
上記のようにして、左腕部82、左足部84を取り付けられ、駆動部材87を収容した左胴体部80と、右腕部83及び右足部85を取り付けられた右胴体部81とが螺子留めなどにより接合される。
また、左足部84及び右足部85の膝部分に形成されたシャフト84c、85bが、足下付き鞍部86の枢着孔86a、86bにそれぞれ枢着される。なお、左腕部82には、鞭部材88が嵌合されて固定されている。
次ぎに、従動磁石55a、55bが駆動磁石45a、45bに駆動されて回転した場合における馬模型58の可動部材である前脚部76及び後脚部77、騎手模型59の可動部材である胴体部80、81及び手足部82〜84の動作態様、並びに、従動磁石55cが駆動磁石45cにより駆動されて回転した場合における模型体57の馬体回転軸である円柱状突起us3の周りでの回転運動の態様を図10〜図12を参照しつつ説明する。
図10(a)は、従動磁石55bの回転を回転盤部材75に伝達する可動部材駆動機構を抽出して示す説明図である。
図示されるように、従動磁石55bの回転は、馬脚駆動軸63、ウォーム63a、歯車ユニットug7、平歯車ug4、平歯車mg1〜mg3及びシャフトms2を介して伝達されて回転盤部材75を回転させる。
図10(b)は、回転盤部材75が1回転する間における前脚部76及び後脚部77の揺動の態様を側面視で示す説明図である。
図10(A)の状態を初期姿勢と呼ぶものとすると、初期姿勢(A)においては、回転盤部材75はガイドピン75cが軸芯75aの直上となる回転位置にあり、前脚部76は概略鉛直下方に垂下した状態にある。
この初期姿勢(A)から回転盤部材75が回転すると、その偏心位置にあるガイドピン75cが前脚部76の長穴76a内を下方に移動し、これにより、前脚部76は揺動軸76dの周りで前方に向けて回転駆動される。このとき、揺動軸76dは、ガイドピン75cから前方に向かう付勢力を受けることになり、この付勢力により、揺動軸76dを枢着した摺動板部材73がスプリング71dの付勢力に抗して円環状突起71bの周りで前方方向に回転し、これにより、揺動軸76dの馬模型58上での位置が前方に移動する。
この間、回転盤部材75の回転は、円環状突起75bに枢着された連結部材74により後脚部77の円柱突起77cにも伝達され、後脚部77は突起軸72bの周りに後方に向けて回転駆動される。
ガイドピン75cが長穴76aの中間における特定位置に達したところで、馬模型58は、前脚部76が最も前方に回転し、揺動軸76dが最も前方に移動し、かつ、後脚部77が最も後方に回転した状態である開脚姿勢(B)となる。
なお、馬模型58が初期姿勢(A)から開脚姿勢(B)に至る過程では、前脚部76の下肢部分76f及び後脚部の下肢部分77gは、スプリングの付勢力によってそれぞれ最も前方及び後方に回転した状態に維持される。
回転盤部材75が更に回転すると、ガイドピン75cは長穴76aの最下点を通過して上昇していくことになり、これにより、前脚部76は揺動軸76dの周りで後方に向けて回転駆動される。このとき、揺動軸76dへのガイドピン75cからの上記付勢力は徐々に小さくなっていくために、揺動軸76dを枢着した摺動板部材73はスプリング71dの付勢力によって後方に回転し、揺動軸76dの馬模型58上での位置は、前脚部76の後方への回転に同期して後方に移動する。また同時に、後脚部77は、ガイドピン75cに枢着された連結部材74により駆動されて前方に向けて回転する。そして、ガイドピン75cが長穴76aの中間における特定位置に達したところで、馬模型58は、前脚部76を鉛直下方に垂下させた初期姿勢(A)と同一の初期姿勢(C)を取ることになる。
なお、開脚姿勢(B)から初期姿勢(C)に至る過程では、前脚部76の下肢部分76f及び後脚部77の下肢部分77gはそれぞれ最も前方及び後方に回転した状態に維持される。
そして、初期姿勢(C)から更に回転盤部材75が回転すると、ガイドピン75cが長穴76a内を更に上昇し、前脚部76は揺動軸76dの周りで更に後方に向けて回転駆動され、後脚部77はガイドピン75cに枢着された連結部材74により駆動されて更に前方に向けて回転駆動される。
このとき、長穴76aを上昇するガイドピン75cにより前脚部76の上端に取り付けられた回転部材76cが押し上げられて上方に回転し、これにより、回転部材76cに取り付けられた連結部材76hが上方に移動して下肢部分76fを牽引し、下肢部分76fが軸ピン76eの周りに後方に向けて回転することになる。同様に、後脚部77の前方への回転が一定以上に達すると、円柱突起77cに取り付けられた連結部材77hによる牽引によって下肢部分77gは前方に回転する。
ガイドピン75cが長穴76aの最上位置に到達したところで、馬模型58は、前脚部76が最も後方に回転し、かつ、後脚部77が最も前方に回転した状態である閉脚姿勢(D)となる。
回転盤部材75が更に回転すると、やがては馬模型58は初期姿勢(A)に復帰し、その後は(A)〜(D)のサイクルが反復する。
上記のように、本実施形態における馬模型58では、馬模型58上における揺動軸76dの位置が前後に移動し、これに同期してその揺動軸76dの周りで可動部材76が揺動するように構成されているため、馬模型58上における揺動軸76dの位置を固定した状態で可動部材76を揺動させる場合と比較して、よりダイナミックな態様で可動部材76を揺動させることが可能であり、現実の動物が高速で走行しているときのような躍動感のある走行態様を模擬することが可能になる。
なお、本実施形態の馬模型58では、従動磁石55bの回転による上記前脚部76及び後脚部77の揺動に同期して、更に首骨部材78が前後に移動し、尻尾部材79が上下に揺動(振動)するようになっている。
即ち、従動磁石55bの回転によりシャフトms2が回転すると、これに嵌着されたリング部材mrが係合部材mkの開口内で回転し、係合部材mkはリング部材mrの切欠部分が下に来たときには上方に持ち上げられ、これが上に来たときには首骨部材78またはその外装材の重量により下降する態様で上下に揺動する。そして、この揺動運動が、係合部材mkの前端のピンに係合するピン孔78bに伝達されることにより、首骨部材78がシャフト71gに枢着された軸孔78aの周りで揺動することになる。
また、尻尾部材79のシャフト79bは、摺動面72aに穿孔された直線状のガイド孔72fと、後脚部77の円盤部77aに穿孔された直線状のガイド孔77eが交わる交差空間に支持されることになるが、この交差空間は、尻尾部材79の揺動によってガイド孔72f上を前後に移動することになるため、シャフト79bは交差空間の移動に従って前後に駆動され、これにより尻尾部材79は、軸孔72eに枢着された揺動軸79aの周りで揺動することになる。
図11(a)は、従動磁石55aの回転を駆動部材87に伝達する可動部材駆動機構を抽出して示す説明図である。
図示されるように、従動磁石55aの回転は、平歯車dg1〜dg4、騎手駆動軸62、ウォーム62a、歯車ユニットug3の平歯車ug2、平歯車mg4〜mg6に伝達され、平歯車mg6を回転させる。このとき、平歯車mg6の回転は、案内溝mg6bに挿通された突設ピンの規制を受けて、係止孔mg6aが最下位置から最上位置に移動するまでの半回転の範囲においてのみ往復回転が可能である。従って、平歯車mg6の回転により、平歯車mg6の係止孔mg6aに係止されたワイヤーロッドw及びこれに連結された駆動部材87を最下位置から最上位置の範囲で駆動する。
図11(b)は、従動磁石55aの回転により、係止孔mg6a(駆動部材87)が最下位置から最上位置に移動する間における騎手模型59の動作態様を側面視で示す説明図である。なお、図11(b)では、右胴体部81、右腕部83及び右足部85を取り除いた騎手模型59の左半分の内部構造が示されている。
駆動部材87が最下位置にある場合、騎手模型59は、図11(b)の上部に示す第1姿勢(A)を取る。即ち、この状態では、駆動部材87による下方への牽引によって、左右胴体部80、81は、シャフト80b、81bを中心として、左右足部84、85は、シャフト84c、85bを中心として、それぞれ最も下方に回転した状態であり、更に、左腕部82は、シャフト82bを左胴体部80のガイド溝80cの上方側端部に当接させた状態、即ち、シャフト80aを中心に最も下方に回転した状態にある。なお、第1姿勢(A)の状態では、シャフト82bは駆動部材87の長穴87aの上端に位置している。
そして、第1姿勢(A)から平歯車mg6が回転して駆動部材87が上方に押し上げられると、駆動部材87に押されてシャフト82bがガイド溝80c内で後方側に移動することになり、これにより、左腕部82はシャフト80aの周りに前方側に回転していき、シャフト82bがガイド溝80cの後方側の縁(X)に当接したところで、騎手模型59の姿勢は、左腕部82を前方側に向けて振り上げた第2姿勢(B)に移行することになる。
なお、第1姿勢(A)から第2姿勢(B)に至るガイド溝80c内でのシャフト82bの移動により、枢着孔87bからシャフト82bまでの距離が短くなるために、シャフト82bは長穴87a内において下端側に移動することになる。
この第1姿勢(A)から第2姿勢(B)までの変化では、最も軽量の部材である左腕部82のみが上記の態様で回転し、左右胴体部80、81及び左右足部84、85の回転位置は変化しない。
従って、騎手模型59の姿勢を第1姿勢(A)と第2姿勢(B)の間で反復して変化させるように駆動磁石45aを制御することにより、騎手模型59に前のめり姿勢で左腕部82に固定された鞭部材88を揺動させる動作を行わせることが可能であり、走行中の競走馬に跨った騎手が鞭打ちを行っている様子を模擬することが可能である。
そして平歯車mg6が更に回転して駆動部材87を更に上昇させると、シャフト82bのガイド溝80cの縁(X)への当接によって左胴体部80が押し上げられることになり、これにより、左右胴体部80、81は、シャフト80b、81bを中心として、左右足部84、85は、シャフト84c、85bを中心として、それぞれ上方に向けて回転し、騎手模型59の姿勢は、馬模型58上で立ち上がった第3姿勢(C)に移行することになる。
従って、騎手模型59の姿勢を第2姿勢(B)から第3姿勢(C)に変化させるように駆動磁石45aを制御することで、馬上での騎手の立ち上がり動作を模擬することが可能である。
なお、第2姿勢(B)から第3姿勢(C)への変化では、左右胴体部80、81及び左右足部84、85の上記回転により枢着孔87bからシャフト82bまでの距離が長くなるために、シャフト82bは長穴87aの上端に当接する位置に移動することになる。
以降、第3姿勢(C)から更に平歯車mg6が回転して駆動部材87を上昇させると、長穴87aの上端に当接したシャフト82bがその長穴87aの上端に駆動されてガイド溝80c内を移動して左腕部82を更に上方に向けて回転させ、係止孔mg6aが最上位置に達したところで左腕部82が最も上方に回転し、シャフト82bがガイド溝80cの下方側端部に当接したところで騎手模型59は図11(b)に示す第4姿勢(D)となる。
従って、騎手模型59の姿勢を第3姿勢(C)と第4姿勢(D)の間で反復して変化させるように駆動磁石45aを制御することにより、立ち上がり姿勢の騎手模型59に左腕部82を上方で揺動動作させることが可能であり、馬上で立ち上がった騎手が手を挙げて歓声に応えている様子、或いは、ガッツポーズを行っている様子を模擬することが可能である。
図12は、馬模型58を馬体回転軸である円柱状突起us3の周りに回転させる馬体回転機構の構成を示す説明図である。
図5(b)に関して上記した通り、従動磁石55cは、平歯車dg5、dg6を介して平歯車dg7に連結され、平歯車dg7の中心孔の雌螺子には、馬体駆動軸64の先端が累合され、馬体駆動軸64の鉛直方向の軸周りの回転は、ガイドピン67cを上下方向にのみ案内する台座67に穿孔された長穴により禁止されている。
従って、図12(a)に示すように、従動磁石55cが正方向に回転すると、その回転により平歯車dg7が正回転し、その中心孔の雌螺子に雄螺子部材64eが累合していくことで、馬体駆動軸64が下降し、これにより、馬体駆動軸64の上端に取り付けられた牽引部材66の位置が下降する。逆に、従動磁石55cが逆方向に回転した場合には、平歯車dg7が逆回転し、その中心孔の雌螺子への雄螺子部材64eの累合が戻さていくことで、馬体駆動軸64が上昇し、これにより、馬体駆動軸64の上端に取り付けられた牽引部材66の位置が上昇する。
また、図12(b)に示すように、馬フレーム70は、ウォームギアボックス65に突設された円柱状突起us3によって軸孔70aを回転自在に軸支され、更に、円弧状のガイド孔70b内に円柱状突起us4を案内することにより、円柱状突起us3の周りでの回転の安定が図られている。そして、従動磁石55cにより上下に駆動される牽引部材66は、その牽引シャフト66aを馬フレーム70の後方に穿孔された駆動孔72dに枢着されている。
従って、従動磁石55cを正回転させていくことにより、牽引部材66を下降させて駆動孔72dを下方に牽引し、馬フレーム70を馬体回転軸である円柱状突起us3の周りで回転させて、図12(c)に示すように、馬模型58に上体を持ち上げた後脚立ち姿勢を取らせることが可能である。
同様に、従動磁石55cを逆回転させていくことにより、牽引部材66を上昇させて駆動孔72dを上方に牽引し、馬フレーム70を円柱状突起us3の周りで回転させて、図12(d)に示すように、馬模型58に後脚部77を持ち上げた前脚立ち姿勢を取らせることが可能である。
図1に戻って、装置本体部2の側部には4本の支柱部材10が立設され、その上端にはリング状の天井部材11が取り付けられている。支柱部材10及び天井部材11には、上方からトラック5の俯瞰映像を撮影する天井カメラ24、実況放送やファンファーレやBGMなどの各種演出用の音響を出力するスピーカ25、各種演出用の発光を行う照明装置26などが設けられている。
なお、本実施形態では、上面板4に形成されたトラック5が、サテライト90に着席した遊戯者から見下ろすことができるように、テーブル部94よりも下方位置に配置されており、各サテライト90に着席した遊戯者は、現実の競馬場のゴンドラ席からトラックを見下ろす感覚と同様の感覚をもってレースを観戦することが可能である。
装置本体部2の周囲に配置された各サテライト90は、それぞれ同一の構成を有しており、図示されるように、アミューズメントセンターなどの遊戯場の床面に設置され、図示省略の椅子などに腰掛けた遊戯者の足や荷物を乗せる台部材から上方に向って立設される脚部92と、その脚部の上端側で支持されるテーブル部94とを主体に構成されている。
そして、脚部92には、メダル払出口93が設けられており、テーブル部94には、レースの進行に関する各種情報等を表示するとともに遊戯者によるタッチ操作を検出するタッチパネル式モニタ95、実況放送やファンファーレ、BGMなどの各種演出用の音響を出力するスピーカ96、メダルを投入するためのメダル投入口97及び獲得したメダルの払い出しを行うペイアウトボタン98などが設けられている。また、各サテライト90の内部には、上記メダル払出口93にメダルを払い出すためのメダル払出装置93aや、メダル投入口97から投入されたメダルを検出してその枚数をカウントするメダルセンサ97a等の機構部品が収容されている。
図13は、各サテライト90における上記タッチパネル式モニタ95に表示されるサテライト画面SPの例示的な態様を示す説明図である。
図示されるように、本実施形態のサテライト画面SPでは、表示画面の右側に、各レースにおける走行体50の着順についての投票を行うためのベット画面BPを常に表示させる態様にしており、一方、表示画面の左側には、解説画面GP、レース前新聞画面FNP、実況画面BCP、レース後新聞画面ANP等がそれぞれ所定のタイミングで表示されるようになっている。
本実施形態に係るベット画面BPでは、操作毎にベットできるメダルの枚数を指定する枚数ボタンBAや、「単勝」、「複勝」、「馬連」、「馬単」、「ワイド」、「三連複」、「三連単」、「三連単ライト」及び「重勝」の9種類の指定態様から好みの指定態様を選択する指定態様ボタンBK、着順の指定方法を説明するインストラクション欄BI、走行データ生成部113が各走行体50に割り当てた競走馬の馬番や馬名、オッズなどを表示したベットボタンBB、それら各ベットボタンBBに対応した走行体50のイメージ画像BS(走行体50に割り当てられた競走馬と騎手のイメージ画像)等が表示されており、いずれかの枚数ボタンBA及び指定態様ボタンBKを選択した状態でベットボタンBBを操作することにより、選択された枚数のメダルを対価として選択された指定態様で着順を指定した投票を行うことができる。
ここで、上記「単勝」は、1着になる走行体50に割り当てられた競走馬(以下、単に「1着になる競走馬」等という)の馬番を指定するものであり、「複勝」は、1着又は2着になる競走馬の馬番を指定するものであり、「馬連」は、2着以内に入る競走馬の馬番をセットで指定するものであり、「馬単」は、1着と2着になる競走馬の馬番を着順通りに指定するものであり、「ワイド」は、1〜3着になる競走馬のうちの任意の2つの馬番を指定するものであり、「三連複」は、1〜3着になる競走馬の馬番の組み合わせを指定するものであり、「三連単」及び「三連単ライト」は、1〜3着になる競走馬の馬番を着順通りに指定するものであり、「重勝」は、複数のレースに渡る競走馬の着順を指定するものである。
図13に示すベット画面BPでは、指定態様ボタンBKから「馬単」の指定態様が選択された状態が示されており、この場合を例として投票の方法を説明すると以下の通りである。
指定態様ボタンBKから「馬単」の指定態様を選択した初期状態では、インストラクション欄BIに「1着の馬を指定して下さい」と表示されており、遊戯者は、適宜の枚数ボタンBAを操作してから、1着になると思う馬番のベットボタンBBを操作するとインストラクション欄BIが「2着の馬を指定して下さい」に切り替わるので、これに合わせて2着になると思う馬番のベットボタンBBを操作する。これにより、枚数ボタンBAで指定した枚数のメダルを対価として、指定態様ボタンBKで選択した指定態様によって、ベットボタンBBの操作により指定した着順の投票が受け付けられる。
他の指定態様においても、インストラクション欄BIの表示に従って、同様の態様で投票を行うことが可能である。
投票は、残り時間表示BTがゼロになるまでであれば何度でも繰り返して行うことが可能であり、1レースについて、複数の指定態様で、複数通りの着順を指定した任意枚数のメダルを対価とする投票を行うことが可能である。
解説画面GPは、指定態様ボタンBKの選択に応じて各指定態様についての解説を表示するものである。遊戯者は、解説画面GPにより、各指定態様における着順指定の方法や配当の特性などを理解することが可能である。
レース前新聞画面FNPは、各レースの開始前のタイミングで表示される画面である。即ち、このレース前新聞画面FNPにより、各レース開始前に出走する複数の競走馬のいずれが強いのかなどの着順の予想に役立つ情報を遊戯者に提供して遊戯者の着順予想の手助けを行うことができる。
レース後新聞画面ANPは、各レースの終了後のタイミングで表示される画面である。即ち、このレース後新聞画面ANPにより、各レース終了後に勝利した競走馬がどのような勝ち方をしたかなどの結果情報を遊戯者に提供する。
上記のようなレース前新聞画面FNP及びレース後新聞画面ANPに表示される情報から、遊戯者は各競走馬の馬名やその戦績、特徴などを覚えることができ、初級者であってもレースを消化するうちにより的確な着順予想を行うなどが可能になる。
なお、レース前新聞画面FNP及びレース後新聞画面ANPでは、それぞれのレースに適合した文章を自動生成し、或いはそれぞれのレースに適合する画像を自動選択して、毎回異なる記事内容を表示させることが可能である。
実況画面BCPは、各レースの実行中に表示される画面であり、フィールドカメラ22aやゴールカメラ22bで撮影された画像と予め用意された画像を合成した合成画像を実況画像として表示するものである。この実況画面BCPにおいて、例えば、コインマークなどの合成画像を表示させて、遊戯者がどの競走馬に投票したか、或いは、どの競走馬の人気が高いかなどを遊戯者に視認させることができる。また、ゴールまでの距離などの情報や、遊戯者が投票した競走馬に対する応援コメントなどを表示させることで遊戯の雰囲気を盛り上げることも可能である。
図14は、競馬ゲーム装置1のハードウェアの概略構成を示す説明図である。
図示されるように、本実施形態の競馬ゲーム装置1では、装置本体部2が主制御基板21を備え、各サテライト90がサテライト制御基板91を備え、各自走体30が自走体制御基板101を備えており、通信ケーブルや無線LAN回線などによって主制御基板21、各サテライト制御基板91及び各自走体制御基板101の間でのデータの送受信が可能とされている。なお、主制御基板21、サテライト制御基板91及び自走体制御基板101は、それぞれ、CPUや、ROM、RAM、ハードディスクなどの記録装置を備える情報処理装置である。
主制御基板21には、フィールドカメラ22a、ゴールカメラ22b、モニタ装置23、天井カメラ24、スピーカ25、照明装置26、通信装置27、無線LAN装置28などが接続されており、主制御基板21は、レースの進行に合わせてこれらの装置を駆動制御するとともに、各サテライト制御基板91及び各自走体制御基板101との間で種々のデータや信号を送受信することで競馬ゲームの進行を統括的に制御するものである。
なお、本実施形態では、主制御基板21の制御により、GIレース(Grade One Race)やGIIレース(Grade Two Race)、GIIIレース(Grade Three Race)など、複数種類のグレードで構成される36回の競馬ゲームのセットが反復して実行されるよう構成されている。
サテライト制御基板91には、メダル払出装置93a、タッチパネル式モニタ95、スピーカ96、メダルセンサ97a、ペイアウトボタン98、通信装置99などが接続されており、サテライト制御基板91は、各競馬ゲームの実行前の所定時間内に、遊戯者によるタッチパネル式モニタ95のベット画面BPに対する操作に基づいて、1又は複数通りの投票を受け付ける処理を実行し、上記所定時間が経過した時点で受け付けた投票についてのデータを主制御基板21に送信する処理を実行する。
また、サテライト制御基板91は、上記において受け付けた投票を、各競馬ゲームの終了後に主制御基板21から受信する各走行体50の着順についてのデータと対比することより当選の有無を判定し、当選している場合には、主制御基板21において定められたオッズや投票において投入されたメダルの枚数等から導かれる枚数のメダルをメダル払出装置93aから払い出すなどの処理を実行する。
各自走体制御基板101には、撮影制御基板102、LED制御基板103、画像処理基板(FPGA)104、画像メモリ105、走行制御基板106、模型制御基板107、無線LAN装置108などが接続されている。
撮影制御基板102は、カメラ装置36による撮影動作の制御を行うものであり、本実施形態では、撮影制御基板102の制御により、カメラ装置36は、1秒間に2〜200回程度の頻度で情報配置面である第2走行面7s上のQRコードを高速撮影する。
LED制御基板103は、白色LED37を点灯制御し、カメラ装置36の撮影に必要な照明光を情報配置面に照射する処理を実行する。
画像処理基板104は、カメラ装置36により撮影された各画像を走査することで、各画像に含まれる各QRコードの3頂点に配置されたマーカーを抽出する処理を実行し、また、自走体制御基板101により抽出された撮影画像中のQRコードをデコードする処理を実行する。
画像メモリ105は、カメラ装置36により撮影された画像を一時的に記録するものである。
走行制御基板106は、自走体制御基板101からの制御信号に従って走行モータ35a、35bの駆動制御を行うことにより、走路8上での自走体30の走行を制御するものである
模型制御基板107は、自走体制御基板101からの制御信号に従って駆動モータ45a〜45cの駆動制御を行うことにより、模型体57に取り付けられた可動部材76、77、80〜85を揺動駆動し、或いは、模型体57を馬体回転軸us3の周りで回転駆動するなど、模型体57の動作制御を行うものである。
模型制御基板107は、自走体制御基板101からの制御信号に従って駆動モータ45a〜45cの駆動制御を行うことにより、模型体57に取り付けられた可動部材76、77、80〜85を揺動駆動し、或いは、模型体57を馬体回転軸us3の周りで回転駆動するなど、模型体57の動作制御を行うものである。
模型体制御基板107は、後述の演出信号に従って、模型体57による演出動作のために駆動モータ45a〜45cの駆動制御を実行することに加え、自走体制御基板101から正常セット信号を受信した場合には、馬模型の前後脚部76、77を揺動させる「正常セット動作」のためにの駆動磁石45bの駆動制御も実行する。
自走体制御基板101は、画像処理基板104が抽出したマーカーからQRコードを抽出する処理を行うとともに、そのQRコードから取得されるグローバル座標上での位置座標と、そのQRコードのカメラ座標上での位置及び角度とに基づいて、グローバル座標上での自走体30の基準点Rの位置座標及び角度Fを特定し、当該位置座標及び角度Fを用いて主制御基板21から受信した走行データに従った正確な走行コースで自走体30を走行させるべく、走行制御基板106に所定の制御信号を送信する。
また、自走体制御基板101は、ホール素子48のホール電圧によって自走体30と走行体50の位置関係を常時監視しており、何らかの原因で走行体50が自走体30から外れた場合には、所定の事故信号を主制御基板21に送信することで異常を報知するものとされている。
更に、本実施形態の自走体制御基板101では、走行体50が自走体30から外れた状態から正しい位置関係にセットされた場合には、所定の正常セット信号を模型体駆動基板107に送信することにより、模型体57に前後脚部76、77を揺動させる「正常セット動作」を実行させる。
従って、走行体50が自走体30に対して正しい位置、方向にセットされたかどうかを、模型体57の「正常セット動作」によって直ちに確認することが可能であり、競馬ゲーム装置1の起動や事故からの復旧の際などにおける走行体50のセット作業が容易化される。
無線LAN装置108は、所定のタイミング毎に主制御基板21において生成された走行データや演出信号を受信し、自走体制御基板101が導出する自走体30の時々刻々の基準点Rのグローバル座標上での位置座標、又は、当該位置座標及び角度Fを主制御基板21に送信するなどの処理を実行する。
図15は、主制御基板21においてROMやハードディスクに記録されたプログラムを実行することにより実現される機能ブロックを示す説明図である。
図示されるように、本実施形態の競馬ゲーム装置1は、馬データ記録部111、走行パラメータ管理部112、走行データ生成部113、オッズ算出部114、着順決定部115、投票集計部116、演出処理部117の各機能構成を備えている。
馬データ記録部111は、複数の競走馬の名称(馬名)やその属性(年齢、雌雄など)等を記録するものである。
馬名は、実在の競走馬と同一の名称を使用しても良いが、本実施形態では、現実の競馬に詳しくない遊戯者にも遊戯を楽しんで貰えるように、各競走馬にはオリジナル(架空)の馬名が使用されている。
馬データ記録部111には、トラック5上に配置される走行体50の台数(例えば、6〜12)と同数の競走馬についての馬データを記録しても良いが、それよりも多数(例えば、100頭)の競走馬についての馬データを記録しておけば、レース毎に異なる競走馬を出走させる(走行体50に割り当てる)ことにより、レースの多様性を高めることができる。
走行パラメータ管理部112は、走行データ生成部113における着順やレース展開の決定に使用される各種走行パラメータを管理するものである。具体的には、走行パラメータ管理部112は、馬データ記録部111に記録される各競走馬についての基本パラメータや適性パラメータなどを記録し、また、各競馬ゲームの実行前にその競馬ゲームに出走する各競走馬(即ち、その競走馬が割り当てられる走行体50)の調子パラメータなどを決定する処理を実行する。
ここで、基本パラメータは、各競走馬に固有の強さを定義するパラメータであり、全ての競馬ゲームを通じて変化しない定数パラメータである。この基本パラメータには、ゲームの制作者が競馬ゲームでの勝率を高くすることを意図した競走馬には高い値が設定され、勝率を低くすることを意図した競走馬には低い値が設定される。
適性パラメータは、競馬ゲーム毎に設定されるシチュエーションに対する各競走馬の適性に応じて定められるパラメータである。この適性パラメータを適切に設定することにより、雨の日のレースに強い競走馬や長距離のレースに強い競走馬などといった具合に、競走馬毎に個性を持たせることが可能になり、競馬ゲームの興趣性を高め、或いは、遊戯者の投票における予測性を高めるなどの効果を得ることができる。適性パラメータを設定するシチュエーションとしては、GI、GII、GIIIといった競馬ゲームのグレードや、季節、天候、気温、馬場条件、走行コースの長短などを例示することができる。
調子パラメータは、基本パラメータや競馬ゲームのシチュエーションなどとは無関係に、競馬ゲームの実行毎に決定される変動パラメータであり、本実施形態では、処理の簡素化等のため、各競馬ゲームに出走する各競走馬について、乱数を用いて発生させたアトランダムな数値を調子パラメータとして決定するものとされている。
基本パラメータ、適性パラメータ及び調子パラメータが取り得る値の範囲は任意に定めることが可能であるが、本実施形態では、これらの全てのパラメータが「1」〜「100」の範囲内で設定されるものとすることにより、各パラメータの影響を等分に反映させてレース展開が決定されるものとされている。
走行データ生成部113は、トラック5上に配置される各走行体50に馬データ記録部111に記録されるいずれかの競走馬を割り当てるとともに、走行パラメータ管理部112において管理される各競走馬の走行パラメータや乱数を用いた抽選によって、各走行体50の着順やレース展開(レース開始からゴールまでの経過時間に対する各自走体30の走路8上における位置座標)などよりなる走行データを生成する。
オッズ算出部114は、各走行体50に割り当てられた競走馬の走行パラメータに基づいて、全ての指定態様における全ての着順についてオッズを算出する。
ここで、本実施形態におけるオッズは、1枚のメダルを対価として投票を行った場合に配当として払い出されるメダル枚数の期待値がペイアウト率(払戻率。配当として払い出される総メダル数を全ての投票における対価とされた総メダル数で除した値)と等しくなるように設定された配当割合(配当倍率)である。
着順決定部115は、各自走体30から無線LAN装置28を介して各自走体30の時々刻々の第2走行面7s上における位置座標を受信し、各レースにおいて各自走体30がゴール5cに到着した時刻の先後により着順を決定する。ここで、走行データ生成部113において生成した走行データに基づいて着順を決定するのではなく、現実の自走体30の走行に基づいて着順を決定するものとしたのは、何らかの原因により走行データと異なる着順で各自走体30がゴールした場合におけるトラブル等の発生を回避するためである。
投票集計部116は、各サテライト90において受け付けられた投票についてのデータを各サテライト90から受信してこれを集計する処理を実行する。
演出処理部117は、走行パラメータ管理部112により決定される調子パラメータ、着順決定部115により決定された競馬ゲームにおける着順、投票集計部116における投票の集計結果などに基づいて所定の演出信号を生成し、これを対象の自走体30に送信する処理を実行する。
具体的には、演出処理部117は、各サテライト90において各競馬ゲームについての投票受付が開始される前の所定のタイミングで、その競馬ゲームに出走する各競走馬の調子パラメータを検査し、いずれかの競走馬の調子パラメータが所定値(例えば70)以上である場合には、その競走馬が割り当てられた自走体30に対して、競走馬の好調をアピールする「好調演出」の実行を指示する演出信号を送信する。
「好調演出」の演出信号を受信した自走体30では、模型制御基板107の制御の下で模型制御モータ46cが駆動磁石45cを所定の態様で回転駆動し、この回転力が馬体回転機構(図12(a))を介して馬模型58に伝達されことにより、馬模型58は、所定の時間に渡って、図16(a)に示す態様で馬体を円柱状突起us3の周りに回転させて「後脚立ち姿勢」を取る「好調演出」を実行する。
なお、この演出信号が送信される時点では、各走行体50はスタート地点5a又は5bにおいてゲートイン待ちの状態にあり、各サテライト90の遊戯者は、ゲートイン待ちのどの馬模型58が「後脚立ち姿勢」をとるかを参考に投票を行うことが可能である。
また、演出処理部117は、投票集計部116における集計が終了した時点で、各サテライト90における投票で人気の高かった競走馬が割り当てられた自走体30に対して、多くの投票を受けて奮起していることをアピールする「奮起演出」の実行を指示する演出信号を送信する。なお、投票での人気の高さを評価する方法は種々考えられるが、本実施形態では、3台以上のサテライト90で、最も多数のメダルを対価とした投票において指定された競走馬が「奮起演出」の対象として選択するものとされている。
「奮起演出」の演出信号を受信した自走体30では、模型制御基板107の制御の下で模型制御モータ46aが駆動磁石45aを所定の態様で回転駆動し、この回転力が可動部材駆動機構(図11(a))を介して騎手模型59に伝達されることにより、騎手模型59は、その姿勢を図11(b)ついて説明した第3姿勢(C)と第4姿勢(D)の間で反復して変化させるよう駆動され、その結果、図16(b)に示すように、騎手が馬上で立ち上がって歓声に応えている動作が模擬される。
なお、この演出信号が送信される時点では、各走行体50はスタート地点5a又は5bにおいてゲートインの状態にあり、多くの投票を獲得した競走馬に対応する走行体50において、競馬ゲームの直前に上記態様の「奮起演出」が実行されるため、その競走馬に投票した遊戯者の期待感や満足感を高めるなどの効果を得ることができる。
また、演出処理部117は、着順決定部115が各競馬ゲームにおける着順の決定を行った時点で、その競馬ゲームにおいて勝利した走行体50に対応する競走馬がいずれかのサテライト90での投票において指定されていたことを条件として、その勝利した走行体50に対応する自走体30に対して、その投票を受け付けたサテライト90に割り当てられたサテライト対応領域8a〜8l内において、多くの投票を受けて勝利できたことに感謝していることをアピールする「感謝演出」の実行を指示する演出信号を送信する。
「感謝演出」の演出信号を受信した自走体30は、走行制御基板106の制御により走行モータ35a、35bを駆動して、演出信号により指示されるサテライト対応領域8a〜8lに自走体30を移動させ、その後、模型制御基板107の制御により模型制御モータ46a及び46cが駆動磁石45a及び45cを所定の態様で回転駆動し、これが可動部材駆動機構(図11(a))及び馬体駆動機構(図12(a))を介して馬模型58及び騎手模型59に伝達されることにより、「後脚立ち姿勢」を取った馬模型58上で、騎手模型59がその姿勢を第3姿勢(C)と第4姿勢(D)の間で反復して変化させるよう駆動され、その結果、図16(c)に示すように、人馬が一体となって感謝乃至歓喜している様子が模擬される。
このように、遊戯者が投票において指定した競走馬が勝利した場合には、対応する走行体50が、トラック5上をその遊戯者のいるサテライト90に最も近い位置まで近づいて上記態様の「感謝演出」を実行するため、「感謝演出」がその遊戯者のための演出であることを理解して貰うことが可能であり、投票が当選となったことに対する遊戯者の満足感を高め、或いは、次回以降の競馬ゲームでの投票に対する意欲を高揚させるなどの効果を期待することができる。
図17(a)、(b)は、上記第1の実施形態における馬模型58の可動部材である前脚部76を駆動する可動部材駆動機構の変形形態を示す説明図であり、図17(a)には、馬フレーム70周辺を左方から示す側面図が示されており、図17(b)には、馬フレーム70周辺を上方から示す平面図が示されている。
なお、図17(a)、(b)においては、図5〜図12と共通の要素には同一の符号が付されている。
図示のように、この変形形態においても、馬脚駆動軸63先端のウォーム63aに歯合する歯車ユニットug3等が組み込まれたウォームギアボックスと、牽引シャフト66aが取り付けられた牽引部材66が馬フレーム70、70間の馬体空間に内挿されており、馬フレーム70、70の概略中央部には、ウォームギアボックス65の円柱状突起us3を枢着する軸孔70aと、円柱状突起us4を案内する円弧状のガイド孔70bが穿孔され、その後方位置には駆動部材66の牽引シャフト66aを枢着する駆動孔72dが穿孔されている。
従って、この変形形態においても、駆動磁石45cの回転を制御することにより、馬模型58を円柱状突起us3の回りに回転駆動することが可能である。
また、馬フレーム70、70間には、4本のシャフトs1〜s4がそれぞれの軸芯回りに回転自在に差し渡されており、シャフトs1には、平歯車g1及びハスバ歯車g3が一体に取り付けられるとともに、時計回り方向(図17(a)の矢印Aに示す方向)の回転のみを伝達するクラッチ機構を介して平歯車g1に連結された平歯車g2が軸挿されている。
シャフトs2は、シャフトs1の前側上方において馬フレーム70、70を貫通して取り付けられており、馬フレーム70、70の内側においては平歯車g2と歯合する平歯車g4が、馬フレーム70、70の外側においては、クランク板121を介在させて平歯車g5及び回転盤部材75が、それぞれシャフトs2に一体に取り付けられている。
シャフトs3は、シャフトs2の前方位置において馬フレーム70に突設された軸受b1に水平方向(図17(b)の矢印C、Dに示す方向)への並進移動可能に枢着されている。シャフトs3には、ハスバ歯車g3と歯合するハスバ歯車g6が一体に取り付けられており、ハスバ歯車g3が反時計回り方向に回転した場合には、右方向(矢印C方向)に、ハスバ歯車g3が時計回り方向(B方向)に回転した場合には、左方向(矢印D方向)に向かうスラスト力が発生するようになっている。シャフトs3には更に、反時計回り方向の回転のみを伝達するクラッチ機構を介してハスバ歯車g6に連結され、平歯車g4に歯合する平歯車g7が枢着されている。
シャフトs4は、シャフトs3の更に前方位置において馬フレーム70に突設された軸受b2に水平方向への並進移動可能に枢着されており、図17(c)に示すように、その両端には、軸芯から外方に向けて伸びるカム片s4aが取り付けられている。
また、シャフトs4の外周には、シャフトs4とともに水平方向に並進移動するハウジング122が取り付けられている。ハウジング122は、シャフトs4を回転可能に収容する円筒部122aと、円筒部122aから垂下した2枚の側壁122b、122cとから構成されており、2枚の側壁122b、122c間にハスバ歯車g6及び平歯車g7が収容されるようになっている。
シャフトs4には更に、馬フレーム70、70の外側において、平歯車g5と歯合する平歯車g8が一体に取り付けられており、当該平歯車g8には、カム片s4aと相補的な形状の開口g8aが形成され、シャフトs4の並進運動によるカム片s4aの出没が可能となっている。
図17(d)、(e)には、それぞれ、クランク板121の表裏面が示されている。
図示のように、クランク板121は、上方の円盤状部分と下方の台形状部分とから構成される平板状の部材であり、円形状部分の中心には軸孔121aが穿孔されるとともに、前方に向かって当接片121bが設けられており、台形状部分の前方側には軸孔121cが、後方側には馬フレーム70に取り付けられるスプリング123による後方への付勢力を受ける係止部121dが突設されており、その裏面側には馬フレーム70に穿孔された不図示の案内溝に案内されるガイドピン121eが突設されている。
前脚部76は、上記した実施形態における前脚部76と実質的に同一の構成を有しているが、その中央付近に内側に向けて突設された揺動軸76dは、クランク板121の軸孔121cに枢着され、その上端の長穴76aには回転盤部材75の偏心位置に突設されたガイドピン75cが挿通される。
なお、この変形形態においても、ウォームギアボックス65には、騎手駆動軸62先端のウォーム62a及びその回転力を伝達する歯車ユニットug7、平歯車ug4等が取り付けられており、更に、馬フレーム70、70の内側には、平歯車ug4の回転力を騎手模型59に伝達する平歯車mg4〜mg6等が取り付けられているが、図17(b)ではこれらの部材は省略されている。
図18は、上記変形形態に係る可動部材駆動機構において、馬脚駆動軸63を逆方向に回転させたときの前脚部76の揺動の態様を示す説明図である。
図18(A)の状態を初期姿勢と呼ぶものとすると、初期姿勢(A)においては、回転盤部材75はガイドピン75cが軸芯75aの直上となる回転位置にあり、前脚部76は概略鉛直下方に垂下した状態にある。
この初期姿勢(A)から、馬脚駆動軸63が逆方向に回転することで平歯車g1は反時計回り方向に回転し、その回転はクラッチ機構を介して平歯車g2に伝達され、これに歯合する平歯車g4が時計回りに回転し、平歯車g4と一体にシャフトs2に取り付けられた回転盤部材75が時計回りに回転することになる。
これにより、回転盤部材75の偏心位置にあるガイドピン75cは、前脚部76の長穴76a内を下方に移動し、前脚部76は揺動軸76dの周りで前方に向けて回転駆動され、ガイドピン75cが長穴76aの中間における特定位置に達したところで可動部材駆動機構は、前脚部76が最も前方に回転した開脚状態(B)となる。
開脚状態(B)から回転盤部材75が更に回転すると、ガイドピン75cが長穴76a内を更に下降するにつれて前脚部76は後方に向けて回転し、やがては前脚部76が初期姿勢(A)と同一の角度となる初期姿勢(C)に戻る。
そして、初期姿勢(C)から更に回転盤部材75が回転すると、ガイドピン75cは長穴76aの最下点を通過して上昇していくことになり、これにより、前脚部76は揺動軸76dの周りで更に後方に向けて回転駆動されていき、ガイドピン75cが長穴76aの中間における特定位置に達したところで可動部材駆動機構は、前脚部76を最も後方に回転させた閉脚姿勢(D)となる。
回転盤部材75が更に回転すると、やがては可動部材駆動機構は初期姿勢(A)に復帰し、その後は(A)〜(D)のサイクルが反復する。
なお、上記サイクルでは、ハスバ歯車g3が平歯車1とともに反時計回り方向に回転し、これと歯合するハスバ歯車g6がスラスト力によって右方向(C方向)に並進移動し、平歯車g7が側壁122bに当接することでハウジング122及びシャフトs4を右方向に並進移動させる。このため、カム片s4aは平歯車g8の開口g8a内に収納され、平歯車g8が回転することによるクランク板122の駆動は行われないことになる。
また、平歯車g7は、クラッチ機構によりハスバ歯車g6との連結が遮断されているために、シャフトs3の周りでフリーに回転できる状態にあり、前脚部76の運動には何ら影響を与えない。
図19は、上記変形形態に係る可動部材駆動機構において、馬脚駆動軸63を正方向に回転させたときの前脚部76の揺動の態様を示す説明図である。
馬脚駆動軸63が正方向に回転した場合、ハスバ歯車g3が平歯車1とともに時計回り方向に回転し、これと歯合するハスバ歯車g6が反時計回り方向に回転することとなり、平歯車g7は、クラッチ機構を介してハスバ歯車g6と一体となって反時計回り方向に回転する。
このため、平歯車g7と歯合する平歯車g4及びこれと一体にシャフトs2に取り付けられた回転盤部材75は、馬脚駆動軸63が逆方向に回転した場合と同様、時計回り方向に回転することになる。
一方、ハスバ歯車g3の時計回り方向への回転により生じるスラスト力によって、ハスバ歯車g6は左方向に並進移動し、側壁122cに当接することでシャフトs4を左方向に並進移動させる。このため、馬脚駆動軸63が正方向に回転している間は、カム片s4aは、平歯車g8の開口g8aから左方に突出した状態に保たれることになる。また、シャフトs2に固定された平歯車s5は、平歯車g4とともに時計回り方向に回転するため、この平歯車s5に歯合する平歯車s8及びこれに固定されたシャフトs4は反時計回り方向に回転し、これにより、カム片s4aは、開口g8aから突出した状態で、シャフトs4の周りで反時計周り方向に回転することになる。
今、回転盤部材75がガイドピン75cを軸芯75aの直上とした回転位置にあり、前脚部76は概略鉛直下方に垂下した状態(A)を初期姿勢と呼ぶものとすると、この初期姿勢(A)から馬脚駆動軸63が正方向に回転すると、図18について上記したと同様に、回転盤部材75のガイドピン75cによる駆動を受けて、前脚部76は揺動軸76dの周りで前方に向けて回転駆動されていくが、その過程で、反時計回り方向に回転するカム片s4aが当接片121bに係合することとなり(A′)、カム片s4aの回転によりクランク板121は、スプリング123の付勢力に抗して軸孔121aの周りで時計回り方向に回転することになる。
このために、クランク板121の軸孔121cは、前方に向けて移動し、これに軸支される揺動軸76dの馬フレーム70上における位置も前方に向けて移動することになる。
そして、揺動軸76dの馬フレーム70上における位置が最も前方まで移動したところで、可動部材駆動機構は、前脚部76が最も前方に回転した開脚状態(B)となる。
開脚状態(B)から更に回転盤部材75が回転すると、カム片s4aと当接片121bの係合が外れ、スプリング123の付勢力によって、軸孔121c及び揺動軸76dの馬フレーム70上における位置は初期状態(A)と同一の位置に復帰する。
その後は、図18について上記したと同様の態様で、可動部材駆動機構は初期姿勢(C)及び閉脚姿勢(D)を経て初期姿勢(A)に復帰し、更に、(A)〜(D)のサイクルが反復する。
このように、本変形形態に係る可動部材駆動機構では、馬脚回転軸63を逆回転させることにより、馬模型58上における揺動軸76dの位置を移動させることなく前脚部76を前後に揺動させることが可能であり、馬脚回転軸63を正回転させた場合には、前脚部76を前後に揺動させるとともに、前脚部76の前方への揺動に同期して、その揺動軸76dの馬模型58上における位置を前方に移動させることが可能である。
従って、馬脚回転軸63を逆回転させることで比較的静かな態様で前脚部76を揺動させ、競走馬が低速で走行している様子を模擬することが可能であり、馬脚回転軸63を正回転させることで高い躍動感をもって前脚部76を揺動させ、競走馬が高速で走行している様子を模擬することが可能である。
図20は、本発明の他の実施形態に係るゲーム装置に使用される馬模型58の構成を示す説明図であり、図20(a)には、主として1対の馬フレーム170の外側に取り付けられる部材が、図20(b)には、肩部材173の形状の詳細が、図20(c)には、主として1対の馬フレーム170の内側に収容される部材が示されている。
図20(a)に示されるように、この馬模型58は、顔部材179、首部材178、肩部材173、前脚部176、回転盤部材175等を馬フレーム170の外側に備えている。首部材178の内側には、2本のシャフト178a、178bが突設されており、その一方のシャフト178aは馬フレーム170に穿孔された軸孔170aに枢着され、首部材178は軸孔170aの回りで回転自在となっている。また、顔部材179の内側には、2本のシャフト179a、179bが突設されており、その一方のシャフト179aは首部材179の先端に穿孔された軸孔179cに枢着され、首部材178は、軸孔178cの回りで回転自在となっている。
図20(b)に示されるように、肩部材173は、本体から下方にカバー173a及びアーム173bを垂下させた立体的な部材であり、カバー173aとアーム173bの間には、前脚部176の上端を前方から挿通させて収容するスペースが形成されている。肩部材173の本体中央及びアーム173bには、それぞれ軸孔173c、173dが形成され、本体上部には、首部材の後部壁178dを押圧する押圧ピン173eが突設されている。肩部材173は、本体中央の軸孔173cを馬フレーム170の前端に突設されたシャフト170bに枢着されて馬フレーム170に対して揺動自在とされている。
前脚部176は、その上端部をカバー173aとアーム173bの間のスペースに遊挿させるとともに、その概略中央に内側に向けて突設された揺動軸176dにおいて肩部材173の軸孔173dに揺動自在に軸支される。
前脚部176の上部には、長穴176aが形成されており、当該長穴176aには、後述の螺子歯車ug8に歯合する不図示のギヤ列を介して回転駆動される回転盤部材175の偏心位置に外側に向けて突設されたガイドピン175cが遊挿される。
図20(c)に示されるように、馬フレーム170の内側には、馬脚駆動軸163と、その上端に一体に取り付けられたウォーム163aと、ウォーム163aに歯合する2つの歯車ユニットug8、ug9と、歯車ユニットug8に歯合するラック180が取り付けられており、ラック180の上端に形成された開口には、首部材178のシャフト178bが枢着されている。
また、そのシャフト178bには、首骨部材181の下端に形成された開口が挿通され、首骨部材181の上端に形成された開口には、顔部材179のシャフト179aが枢着されている。
ここで、馬脚駆動軸163及びウォーム163aは、第1の実施形態における馬脚駆動軸63及びウォーム63aと実質的に同様の部材であり、従動磁石55bに駆動されて一体となって回転する。また、歯車ユニットug8、ug9は、第1の実施形態における歯車ユニットug3と同様、一体に形成された螺子歯車と平歯車から構成され、ウォーム163aの回転力を、それぞれラック180及び不図示の歯車列に伝達する。
第2の実施形態に係るゲーム装置は、図20に示した構成を除いて実質的に第1の実施形態に係る競馬ゲーム装置1と同様の構成を有している。
図21(a)、(b)は、第2の実施形態において、従動磁石55bの駆動により、馬脚駆動軸163を正方向に回転させた場合の馬模型58の動作態様を示す説明図である。
馬脚駆動軸163を正方向に回転させた場合、歯車ユニットug9は、図16(c)の方向から見て時計回り方向に回転し、不図示の歯車列を介して回転盤部材175を時計回り方向に回転させる。
今、馬模型58は図21(a)の状態にあるものとする。なお、この状態では、首部材178は、その後部壁178dが肩部材173の押圧ピン173eの当接による付勢力によって持ち上げられて、フリーの状態からシャフト178aの周りで前方乃至上方に向けて回転した状態にある。
この状態から回転盤部材175が時計回り方向に回転すると、その偏心位置にあるガイドピン175cが前脚部176の長穴176a内を下方に移動し、これにより、前脚部176は揺動軸176dの周りで前方に向けて回転駆動される。
このとき、揺動軸176dがガイドピン175cから前方に向かう付勢力を受けるために肩部材173が軸孔173cの周りを前方に向けて回転し、揺動軸176dは前方に向けて、押圧ピン173eは後方に向けて移動していくことになる。
図21(b)は、回転盤部材175により前脚部176が最も前方に回転した状態であり、この状態において揺動軸176dは最も前方に位置し、押圧ピン173eは首部材178から完全に離間し、首部材178は自重により最も後方乃至下方に回転したフリーの状態にある。
そして、回転盤部材175が更に回転すると、上記とは逆に、ガイドピン175cが長穴176a内を上方に移動することで、前脚部176及び肩部材173は、それぞれ揺動軸176d及び軸孔173cの周りを後方に向けて回転し、押圧ピン173eが首部材178の後部壁178dに当接した以降は、押圧ピン173eの付勢力により首部材178を前方乃至上方に向けて回転させ、やがては図21(a)の状態に復帰する。
なお、馬脚駆動軸163を正方向に回転させた場合、歯車ユニットug8は、図16(c)の方向から見て反時計回り方向に回転し、その回転によってラック180は歯車ユニットug8と歯合しない下端位置まで下降する。従って、歯車ユニットug8及びラック180は、この場合の馬模型58の動作に影響しない。
図21(c)、(d)は、第2の実施形態における従動磁石55bの駆動により、馬脚駆動軸163を逆方向に回転させた場合の馬模型58の動作態様を示す説明図である。
馬脚駆動軸163を逆方向に回転させた場合、歯車ユニットug8は、図21(c)の方向から見て時計回り方向に回転し、歯車ユニットug8と歯合するラック180が歯車ユニットug8の回転により上方に向けて移動するために、シャフト178b、179bがそれぞれ上方に向けて駆動され、首部材178及び顔部材179は、それぞれ、シャフト178a、179aを中心に上方に向けて回転することになる。
従って、馬脚駆動軸163を正方向に回転させることにより、馬模型58の姿勢を図21(c)の状態から、首部材178及び顔部材179を大きく上方に回転させた図21(d)の姿勢に移行させることができる。
なお、馬脚駆動軸163を逆方向に回転させた場合には、回転盤部材175は反時計回り方向に回転することになるが、これによる肩部材173及び前脚部176の揺動の態様は、回転盤部材175を時計回り方向に回転させた場合と順序が逆になるだけで、図21(a)、(b)について上記したと実質的に同様である。ただし、首部材178が図21(d)のように、大きく上方に回転しているために押圧ピン173eは首部材178から大きく離間し、押圧ピン173eによる首部材178の揺動は行われない。
以上のように、本実施形態における馬模型58では、従動磁石55bの回転によって馬脚駆動軸163を回転させることにより、その回転方向に関わらず、馬模型58上における揺動軸176dの位置が前後に移動し、これに同期してその揺動軸176dの周りで前脚部176が前後に揺動するように構成されているため、現実の競走馬が高速で走行しているときのような躍動感のある走行態様を模擬することが可能である。
また、馬脚駆動軸163を正方向に回転させた場合には、上記前脚部176の動作と同期して、首部材178を前後乃至上下に揺動させることが可能であり、これによって、一層高い現実感をもって競走馬の走行体用を模擬することが可能である。
更に、馬脚駆動軸163を逆方向に回転させた場合には、首部材178及び顔部材179を上方に向けて大きく回転上昇させて、現実の競走馬の嘶きの動作を模擬することが可能である。
本実施形態の競馬ゲーム装置においても、所定の条件が満たされた場合には、第1の実施形態の競馬ゲーム装置1と同様の態様で、「好調演出」、「奮起演出」、「感謝演出」などを行うことが可能であり、或いは、「好調演出」、「奮起演出」、「感謝演出」の全部又は一部を実行する際に、馬模型58を図21(b)に示す姿勢に駆動することで、競走馬の嘶きの動作を模擬した演出を行うことも可能である。
以上、例示的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態により限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の変更、改変を行うことが可能である。
例えば、上記実施形態では、馬の形状の馬模型を搭載した走行体を走行させる走行駆動装置に本発明を適用した場合について説明したが、走行体に搭載する模型体の種類、形状は任意である。
また、上記実施形態では、模型体上での位置を移動させる揺動軸の回りで揺動する構成の可動部材が馬模型の前脚部である場合を例として説明したが、上記構成は模型体に取り付けられる任意の箇所の任意の個数の可動部材に適用することが可能である。
その他、上記した実施形態におけるハードウェア構成やソフトウェア構成のうち、特許請求の範囲の限定外の事項は、単なる好ましい例として記載したものであり、本発明はこれらにより限定されない。
1・・・競馬ゲーム装置、2・・・装置本体部、3・・・外側筐体、4・・・上面板、4s・・・走行面、5・・・トラック、5a、5b・・・スタート地点、5c・・・ゴール、6・・・給電板、7・・・下面板、7s・・・走行面、8・・・走路、8a〜8l・・・サテライト対応領域、10・・・支柱部材、11・・・天井部材、21・・・主制御基板、22a・・・フィールドカメラ、22b・・・ゴールカメラ、23・・・モニタ装置、24・・・天井カメラ、25・・・スピーカ、26・・・照明装置、27・・・通信装置、28・・・無線LAN装置、30・・・各自走体、30・・・自走体、31・・・台車、32・・・前輪、33・・・後輪、34a、34b・・・中央輪、35a、35b・・・走行モータ、36・・・カメラ装置、38・・・アンテナ、40・・・支持台、41・・・スプリング、42・・・前輪、43・・・後輪、44a、44b・・・中央輪、45a〜45c・・・駆動磁石、46a〜46c・・・模型制御モータ、47・・・集電装置、50・・・走行体、51・・・台車、52・・・前輪、53・・・後輪、54a、54b・・・中央輪、55a〜55c・・・従動磁石、56・・・支持柱、57・・・模型体、58・・・馬模型、59・・・騎手模型、60・・・ベース部材、61・・・カバー部材、62・・・騎手駆動軸、62a・・・ウォーム、63・・・馬脚駆動軸、63a・・・ウォーム、64・・・馬体駆動軸、65・・・ウォームギアボックス、66・・・牽引部材、66a・・・牽引シャフト、67・・・台座、68a〜68c・・・トルククラッチ機構、70・・・馬フレーム、70a・・・軸孔、70b・・・ガイド孔、72d・・・駆動孔、73・・・摺動板部材、73c・・・軸孔、74・・・連結部材、75・・・回転盤部材、76・・・前脚部、76d・・・揺動軸、77・・・後脚部、78・・・首骨部材、79・・・尻尾部材、80、81・・・胴体部、82、83・・・腕部、84、85・・・足部、86・・・鞍部、87・・・駆動部材、us3・・・円柱状突起(馬体回転軸)、90、90a〜90l・・・サテライト、91・・・サテライト制御基板、92・・・脚部、93・・・メダル払出口、93a・・・メダル払出装置、94・・・テーブル部、95・・・タッチパネル式モニタ、96・・・スピーカ、97・・・メダル投入口、97a・・・メダルセンサ、98・・・ペイアウトボタン、99・・・通信装置、101・・・自走体制御基板、102・・・撮影制御基板、103・・・LED制御基板、104・・・画像処理基板、105・・・画像メモリ、106・・・走行制御基板、107・・・模型制御基板、108・・・無線LAN装置、111・・・馬データ記録部、112・・・走行パラメータ管理部、113・・・走行データ生成部、114・・・オッズ算出部、115・・・着順決定部、116・・・投票集計部、117・・・演出処理部、121・・・クランク板、122・・・ハウジング、123・・・スプリング、163・・・馬脚駆動軸、163a・・・ウォーム、170・・・馬フレーム、170a・・・軸孔、170b・・・シャフト、173・・・肩部材、173a・・・カバー、173b・・・アーム、173c・・・軸孔、173d・・・軸孔、173e・・・押圧ピン、175・・・回転盤部材、175c・・・ガイドピン、176・・・前脚部、176a・・・長穴、176d・・・揺動軸、178・・・首部材、178a、178b・・・シャフト、178c・・・軸孔、178d・・・後部壁、179・・・顔部材、179a、179b・・・シャフト、180・・・ラック、181・・・首骨部材
Claims (7)
- 走行面上において走行可能な走行体であって、揺動軸の周りに揺動運動を行うことが可能な可動部材が取り付けられた模型体を搭載した走行体と、
前記走行体を駆動して前記走行面上を走行させる走行駆動機構とを備える走行模擬装置であって、
前記可動部材を駆動して前記揺動軸の周りで揺動させる可動部材駆動機構と、
前記揺動軸を駆動して前記模型体上における前記揺動軸の位置を移動させる揺動軸駆動機構とを更に備えることを特徴とする走行模擬装置。 - 前記可動部材駆動機構による前記可動部材の駆動と、前記揺動軸駆動機構による前記揺動軸の駆動とが同期して行われることを特徴とする請求項1に記載の走行模擬装置。
- 前記走行体が、駆動軸を更に備え、
前記可動部材駆動機構及び前記揺動軸駆動機構は、前記駆動軸の回転力を伝達することにより前記可動部材及び前記揺動軸を駆動するものであり、
前記可動部材駆動機構は、前記駆動軸の回転方向が正方向及び逆方向のいずれの場合にも、前記駆動軸の回転力を伝達して前記可動部材を駆動し、
前記揺動軸駆動機構は、前記駆動軸の回転方向が正方向である場合にのみ、前記駆動軸の回転力を伝達して前記揺動軸を駆動し、前記駆動軸の回転方向が逆方向である場合には、前記揺動軸の駆動を行わないことを特徴とする請求項1又は2に記載の走行模擬装置。 - 走行面上において走行可能な走行体であって、少なくとも1の可動部材が取り付けられた模型体を搭載した走行体と、
前記走行体を駆動して前記走行面上を走行させる走行駆動機構とを備える走行模擬装置であって、
前記走行体が、
駆動軸と、
前記駆動軸の回転力を伝達することで前記可動部材を駆動する可動部材駆動機構と、
前記駆動軸と非平行な模型体回転軸の周りで前記模型体を回転させる模型体回転機構とを更に備えることを特徴とする走行模擬装置。 - 前記可動部材駆動機構が、
前記駆動軸に取り付けられ、前記駆動軸の周りで回転する第1ギヤと、
前記模型体回転軸の周りに回転自在に取り付けられた第2ギヤであって、前記第1ギヤと歯合し、前記第1ギヤの回転により前記模型体回転軸の周りで回転駆動される第2ギヤとを有し、
前記駆動軸の回転力が、前記第2ギヤを介して前記可動部材に伝達されることを特徴とする請求項4に記載の走行模擬装置。 - 前記可動部材駆動機構が、
前記駆動軸に取り付けられ、前記駆動軸の周りで回転する第1ギヤと、
前記模型体回転軸の周りに回転自在に取り付けられた第2ギヤであって、前記第1ギヤと歯合し、前記第1ギヤの回転により前記模型体回転軸と平行な軸の周りで回転駆動される第2ギヤと、
前記第2ギヤの回転により前記模型体回転軸の周りで回転駆動される第3ギヤとを有し、
前記駆動軸の回転力が、前記第3ギヤを介して前記可動部材に伝達されることを特徴とする請求項4に記載の走行模擬装置。 - 前記走行面と平行な面内に延在する第2走行面上において自走することが可能な自走体を更に備え、
前記自走体が、
前記走行面に対して概略垂直方向を指向する回転軸の周りに回転可能な駆動磁石と、
前記駆動磁石を回転駆動する磁石駆動手段とを備え、
前記走行体が、前記走行面に対して概略垂直方向を指向する回転軸の周りに回転可能であり、前記駆動磁石と磁気的に結合して前記駆動磁石とともに回転する従動磁石を更に備え、
前記走行体は、前記駆動磁石と前記従動磁石の吸引力によって前記自走体に牽引されて前記走行面上を走行し、
前記従動磁石の回転力が、前記可動部材駆動機構によって前記可動部材に伝達されて前記可動部材が駆動されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の走行模擬装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008021162A JP2009178407A (ja) | 2008-01-31 | 2008-01-31 | 走行模擬装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008021162A JP2009178407A (ja) | 2008-01-31 | 2008-01-31 | 走行模擬装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2009178407A true JP2009178407A (ja) | 2009-08-13 |
Family
ID=41032844
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008021162A Withdrawn JP2009178407A (ja) | 2008-01-31 | 2008-01-31 | 走行模擬装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009178407A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011200436A (ja) * | 2010-03-25 | 2011-10-13 | Konami Digital Entertainment Co Ltd | 模型アセンブリおよびゲーム装置 |
KR101222623B1 (ko) | 2010-12-15 | 2013-01-16 | 한국생산기술연구원 | 다족보행장치 |
US8866493B2 (en) | 2010-08-24 | 2014-10-21 | Cypress Semiconductor Corporation | Noise suppression and/or reduction circuits and methods for capacitance sensing systems |
-
2008
- 2008-01-31 JP JP2008021162A patent/JP2009178407A/ja not_active Withdrawn
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JP2011200436A (ja) * | 2010-03-25 | 2011-10-13 | Konami Digital Entertainment Co Ltd | 模型アセンブリおよびゲーム装置 |
US8866493B2 (en) | 2010-08-24 | 2014-10-21 | Cypress Semiconductor Corporation | Noise suppression and/or reduction circuits and methods for capacitance sensing systems |
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