JP2009177404A - エレクトレットコンデンサの両極間電位の測定方法 - Google Patents

エレクトレットコンデンサの両極間電位の測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 エレクトレットコンデンサの2極間の電位を、エレクトレットコンデンサが組みあがった状態で、かつ、非破壊で測定することを可能とする。
【解決手段】 振動板306と、この振動板306に対向して配置される固定極302とを備え、かつ、振動板306および固定極302のいずれかがエレクトレット化されたエレクトレット材であるエレクトレットコンデンサ300の両極間電位の測定方法であって、振動板306と固定極302との間にバイアス電圧を掃引印加しながら、振動板306と固定極302との間の静電容量および損失を測定する第1のステップと、その測定された静電容量および損失とバイアス電圧値との関係に基づいて、振動板306と固定極302との間の電位を同定する第2のステップと、を含む測定方法とした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、エレクトレットコンデンサの両極間電位の測定方法に関し、特に、エレクトレットコンデンサが組み立てられた状態で、両極間の電位を非破壊で測定する方法に関する。
図1は、エレクトレットコンデンサマイクロホン(振動板、スペーサおよび背極にて形成される機械式のマイクロホン)の構造の一例を説明するための断面図であり、(a)は、エレクトレットコンデンサマイクロホンの構造を示す断面図、(b)は、エレクトレットコンデンサマイクロホンに接続される電子部品の断面図である。
図1(a)に示されるように、エレクトレットコンデンサマイクロホンは、金属のケース101の前面に前面板101aが一体に形成され、前面板101aに音孔107が形成され、前面板101aの内面の周縁部に金属製の振動板リング102が対接されるとともに電気的に接続され、その振動板リング102の前面板と反対の面に振動膜103が貼り付けられている。そのフィルムの一面に金属が蒸着され、その蒸着膜が振動板リング102に接して取り付けられている。
その振動膜103にスペーサ104を介して、背極105に近接対向され、背極105は筒状の背極保持体106の前面に保持されている。背極保持体106の内部で構成される背室110内にインピーダンス変換用IC素子109が配され、そのIC素子の入力端子109aは背極と接続され、出力端子109bはケースの背面から突出され、ケースの背面を塞ぐ配線基板108の配線に接続される。配線基板108の背面にケースの後方端子部が折り曲げられて、内部の各部が前面板101aに押し付けられて全体が固定される。
背極105には、FEP等のエレクトレット材が融着されており、そのエレクトレット材をエレクトレット化することにより、背極−振動膜間に電位Vgが発生する。なお、参照符号120は接続用部品であり、参照符号120aはバネ接点であり、参照符号120bは接続用部品筐体であり、参照符号121は、ゴムブッシュである。
図1(a)のマイクロホンに音信号が入力されると、振動板およびスペーサおよび背極で形成されたコンデンサの静電容量や損失が変化し、電圧信号としてインピーダンス変換用IC素子109に入力され、インピーダンス変換された電気信号が、出力端子109bを介して出力される。インピーダンス変換用IC109から出力された信号は、スルーホール111を介して配線パターンに出力される。ここで、マイクロホン感度は、背極105−振動膜103間の電位Vgに比例するため、両極間電位Vgの測定技術は、安定したVgを供給するために必要な技術となり、したがって、精密でばらつきの少ない感度のエレクトレットマイクロホンの製造のための、重要技術となっている。
従来のVgの測定方法としては、特許文献1に示すように、Vgを測定する代わりに、背極105の表面電位を測定するのが一般的であり、マイクロホン作成時には、背極の表面電位を制御することによって、所望の感度のマイクロホンを作成していた。
また、近年、MEMS(微小電気機械システム)技術を用いてシリコン基板を加工することによって形成されるエレクトレットコンデンサマイクロホンも登場している(例えば、特許文献2参照)。
図2は、シリコン基板を加工することによって形成された音響トランスデューサを搭載したマイクロホンの断面構造を示す図である。
図2において、配線基板404上に音響トランスデューサ300と、インピーダンス変換IC200が実装されている。参照符号400はケース、参照符号402はケース側面板である。
インピーダンス変換IC200は、信号出力端子204aと信号入力端子204bを備え、各端子204a,204bは、例えば、半田202により配線基板404上の配線パターンに接続されている。
また、音響変換トランスデューサ300は、シリコン基板300と、空孔(音孔)304が設けられた第1電極(例えば、シリコンからなる)302と、第2電極(例えば、シリコン酸化膜からなる)307と、を備え、第1電極302と第2電極307は、所定のエアギャップ306を隔てて対向して設けられている。参照符号308は、エアギャップを形成するスペーサ(例えば、金属からなる)であり、参照符号309はボンディングワイヤである。
また、配線基板404には、スルーホール312a,312bが設けられている。配線基板404の裏面には、グランド配線パターン314aと信号配線パターン314bが形成されている。
図2に示されるような、MEMS技術を用いて製造されるエレクトレットコンデンサマイクロホンは、例えば、特許文献2に記載されている。
特開平6-313782号公報(第5頁、第1図) 特開平2005−183437号公報
しかしながら、特許文献1に記載される従来の表面電位測定方法においては、マイクロホンが組みあがった状態での測定は不可能である。
さらに、図2に示されるような、半導体製造プロセスにより作成された音響トランスデューサ(音響−電気変換素子)を搭載したエレクトレットコンデンサマイクロホンでは、例えば、第2電極にエレクトレット材を用いた場合は、第2電極(例えば、シリコン酸化膜)に印加された表面電位を測定する際、シリコンからなる第1電極が障害物となってしまい、非破壊でかつ正確に表面電位測定することは難しくなり、同様に、第1電極をエレクトレット材とした場合でも、今度は第2電極が障害物となり、したがって、非破壊でかつ正確に表面電位測定することは難しい。
本発明は、前記実情に基づいてなされたものであり、その目的は、エレクトレットコンデンサの2極間の電位を、エレクトレットコンデンサが組みあがった状態で、かつ、非破壊で測定することを可能とすることにある。
本発明のエレクトレットコンデンサの両極間電位の測定方法は、振動板と、この振動板に対向して配置される固定極とを備え、かつ、前記振動板および前記固定極のいずれかがエレクトレット化されたエレクトレット材であるエレクトレットコンデンサの両極間電位の測定方法であって、前記振動板と前記固定極との間にバイアス電圧を掃引印加しながら、前記振動板と前記固定極との間の静電容量および損失を測定する第1のステップと、その測定された静電容量および損失と前記バイアス電圧値との関係に基づいて、前記振動板と前記固定極との間の電位を同定する第2のステップと、を含む。
組み立てられた状態のエレクトレットコンデンサの両極にバイアス電圧を印加し、その電圧値を線形的に変化させると、それに伴って両極間の静電容量および損失が変化する。ここで、エレクトレットコンデンサの一極は、エレクトレット材(永久的電気分極をもつ素材)からなっているため、両極間に電位Vgが生じているため、その静電容量および損失の変化の挙動は、一極がエレクトレット化されていないときと比べて異なるものとなる。その静電容量および損失の変動の挙動は、エレクトレット化により生じた電位Vgと密接に関連するため、測定された静電容量および損失と、そのとき印加されているバイアス電圧値との関係に基づいて、両極間(すなわち、振動板と固定極との間)の電位を同定することが可能となる。さらに静電容量および損失に基づくことで、いずれか一方による電位の同定よりも正確な測定が可能である。
また、本発明のエレクトレットコンデンサの両極間の電位測定方法の一態様では、前記第1のステップにおいて、前記静電容量を測定する際の周波数を共振周波数の1/8以上1/4以下とする。
静電容量および損失の測定周波数を共振周波数の1/8以上1/4以下、つまり低周波とすることで、測定周波数における各ピーク値が顕著に出現しやすいため、正確な電位測定が可能である。したがって、エレクトレットコンデンサの両極間電位を、非破壊で正確に測定することができる。
また、本発明のエレクトレットコンデンサの両極間の電位測定方法の他の態様では、前記第1のステップにおいて、前記静電容量を測定する際、オシレータ電圧のレベルを0.05V以上となるように設定する。
オシレータ電圧が小さすぎる場合にはノイズの影響を大きく受ける。上記構成によれば、静電容量および損失を測定する際のオシレータ電圧レベルを0.05V以上となるように設定することで、ノイズの影響を受けずに電位測定することが可能となる。したがって、エレクトレットコンデンサの両極間電位を、非破壊で正確に測定することができる。
また、本発明のエレクトレットコンデンサの両極間の電位測定方法の他の態様では、前記第1のステップにおいて、前記静電容量を測定する際に、当該エレクトレットコンデンサを真空状態または13.332Pa以下の減圧状態で測定する。
真空状態または減圧状態で電位測定と大気圧で電位測定とを比較すると、例えば測定周波数20kHzや50kHzの場合に、真空状態または減圧状態での電位測定の方が静電容量および損失のピーク値が顕著に出やすい。したがって、エレクトレットコンデンサを真空状態または13.332Pa以下の減圧状態で測定することで、エレクトレットコンデンサの両極間電位を、非破壊で正確に測定することができる。
本発明の電位測定によれば、マイクロホンに組みあがった状態でのエレクトレットコンデンサの2極間電位を、非破壊で測定することができる。
したがって、マイクロホンが組み上がった状態におけるエレクトレット材の帯電量を精度良く求めることができ、これによって、エレクトレット化時の最適な条件出しや製造プロセス条件を最適化することが可能となる。
したがって、精密でばらつきの少ない高感度のエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造が可能となる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第1の実施形態における測定方法を実施するための基本構成を示す図である。本実施形態では、大気圧下での測定を想定している。
図示されるように、第1電極(固定極)302とエレクトレット化済みの第2電極(振動膜)306とにより構成されたエレクトレットコンデンサ300の両極に対し、掃引バイアス電圧発生器500を接続してバイアス電圧Vbを掃引印加し、同時に、静電容量損失測定器600によって2極間の静電容量および損失を測定する。
エレクトレットコンデンサ300は、振動板と、この振動板に対向して配置される固定極とを備え、かつ、振動板および固定極のいずれかがエレクトレット化されたエレクトレット材である。
図4は、本発明の第1の実施形態における静電容量測定により得られる静電容量(C)−バイアス電圧(DC bias)特性の一例を示す図である。本特性は、振動膜306がエレクトレット化されている場合の静電容量−バイアス電圧特性である。図4では、測定周波数を10kHz、20kHz、50kHz、80kHz、100kHz、150kHz、および200kHzとして測定している。また、図4では、エレクトレットコンデンサ300の共振周波数は例えば80kHzである。図4より、測定周波数10kHzもしくは20kHz等の低周波の場合に静電容量の最大値(ピーク)が顕著に出やすいことが理解できる。これは、高周波の場合にはエレクトレットコンデンサ300の共振周波数に近づき、本特性の波形が乱れてしまうためである。このように、静電容量を測定する際の周波数はエレクトレットコンデンサ300の共振周波数のおよそ1/8以上1/4以下とすることが好ましい。
次に、図5は、本発明の第1の実施形態における損失測定により得られる損失(D)−バイアス電圧(DC bias)特性の一例を示す図である。本特性は、振動膜306がエレクトレット化されている場合の損失−バイアス電圧特性である。図5では、測定周波数を10kHz、20kHz、50kHz、80kHz、100kHz、150kHz、および200kHzとして測定している。また、図5では、エレクトレットコンデンサ300の共振周波数は80kHzである。図5より、測定周波数10kHzもしくは20kHz等の低周波の場合に損失の最大値(ピーク)が顕著に出やすいことが理解できる。これは、高周波の場合にはエレクトレットコンデンサ300の共振周波数に近づき、本特性の波形が乱れてしまうためである。このように、損失を測定する際の周波数はエレクトレットコンデンサ300の共振周波数のおよそ1/8以上1/4以下とすることが好ましい。
なお、エレクトレットコンデンサ300の静電容量Cおよび損失Dには、図6(a)のように、コンデンサ300が電界コンデンサである場合の静電容量Csおよび損失Dsや、図6(b)のように、コンデンサ300が電界コンデンサである場合の静電容量Cpおよび損失Dpがある。どちらにも本発明を適用可能である。
上記では、静電容量Cや損失Dに基づいて2極間電位を同定する方法について説明したが、|Z|(インピーダンス)、|Y|(アドミタンス)、θ(位相)、R(レジスタンス)、X(リアクタンス)、G(コンダクタンス)、B(サセプタンス)、L(インダクタンス)などに基づいて、2極間電位を同定するようにしてもよい。
例えば、L、|Z|、Yのθなどは、静電容量の逆数と比例関係にあるので、ピークがした向きピークとなる。また、R、X、G、B、|Y|、Zのθなどは、静電容量と同様の特性がある。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態における測定方法を実施するための基本構成を示す図である。本実施形態では、真空下(または減圧下)での測定および大気圧下での測定を想定している。
図7による測定では、図1による測定と同様に、第1電極(固定極)302とエレクトレット化済みの第2電極(振動膜)306とにより構成されたエレクトレットコンデンサ300の両極に対し、掃引バイアス電圧発生器500を接続してバイアス電圧Vbを掃引印加し、同時に、静電容量損失測定器600によって2極間の静電容量および損失を測定する。ただし、図7では、エレクトレットコンデンサ300は真空チャンバ内に配置されており、真空内測定を行うことが可能となっている。
図8は、本発明の第2の実施形態における静電容量測定により得られる静電容量(C)−バイアス電圧(DC bias)特性の一例を示す図である。本特性は、振動膜306がエレクトレット化されている場合の静電容量−バイアス電圧特性である。図8では、大気圧下で測定周波数20kHzとした場合の特性と真空下で測定周波数20kHzとした場合の特性を示している。また、図8では、エレクトレットコンデンサ300の共振周波数は80kHzである。図8より、この場合には大気圧下よりも真空下において静電容量の最大値(ピーク)が顕著に出やすいことが理解できる。
図9は、本発明の第2の実施形態における静電容量測定により得られる静電容量(C)−バイアス電圧(DC bias)特性の一例を示す図である。本特性は、振動膜306がエレクトレット化されている場合の静電容量−バイアス電圧特性である。図9では、大気圧下で測定周波数50kHzとした場合の特性と真空下で測定周波数50kHzとした場合の特性を示している。また、図9では、エレクトレットコンデンサ300の共振周波数は80kHzである。図9より、この場合には大気圧下よりも真空下において静電容量の最大値(ピーク)が顕著に出やすいことが理解できる。
図10は、本発明の第2の実施形態における静電容量測定により得られる静電容量(C)−バイアス電圧(DC bias)特性の一例を示す図である。本特性は、振動膜306がエレクトレット化されている場合の静電容量−バイアス電圧特性である。図10では、大気圧下で測定周波数80kHzとした場合の特性と真空下で測定周波数80kHzとした場合の特性を示している。また、図10では、エレクトレットコンデンサ300の共振周波数は80kHzである。図10より、大気圧下よりも真空下において静電容量の最大値(ピーク)が顕著に出やすいが、例えばバイアス電圧−20V付近において波形が大きく変動していることが理解できる。これは、測定周波数80kHzの場合に振動膜306が共振してしまうためである。
図8〜図10に示したように、測定周波数が共振周波数の例えば±10%外である場合には、真空下において所望の静電容量−バイアス電圧特性が得られ、上記関係性が例えば±10%内である場合には、真空下において所望の静電容量−バイアス電圧特性が得られないことが有りえる。ただし、図10に示した振動膜306の共振の場合だけでなく、固定膜で形成される固定極302の共振周波数(140〜150kHz)や、振動膜306および固定膜で形成される固定極302それぞれの2次モード以降の共振周波数付近においても、真空下において所望の静電容量−バイアス電圧特性が得られないことがある。
また、図11は、本発明の第2の実施形態における損失測定により得られる損失(D)−バイアス電圧(DC bias)特性の一例を示す図である。本特性は、振動膜306がエレクトレット化されている場合の損失−バイアス電圧特性である。図11では、大気圧下で測定周波数20kHzとした場合の特性と真空下で測定周波数20kHzとした場合の特性を示している。また、図11では、エレクトレットコンデンサ300の共振周波数は80kHzである。図11より、この場合には大気圧下よりも真空下において損失の最大値(ピーク)が顕著に出やすいことが理解できる。
図12は、本発明の第2の実施形態における損失測定により得られる損失(D)−バイアス電圧(DC bias)特性の一例を示す図である。本特性は、振動膜306がエレクトレット化されている場合の損失−バイアス電圧特性である。図12では、大気圧下で測定周波数50kHzとした場合の特性と真空下で測定周波数50kHzとした場合の特性を示している。また、図12では、エレクトレットコンデンサ300の共振周波数は80kHzである。図12より、この場合には大気圧下よりも真空下において損失の最大値(ピーク)が顕著に出やすいことが理解できる。
図13は、本発明の第2の実施形態における損失測定により得られる損失(D)−バイアス電圧(DC bias)特性の一例を示す図である。本特性は、振動膜306がエレクトレット化されている場合の損失−バイアス電圧特性である。図13では、大気圧下で測定周波数80kHzとした場合の特性と真空下で測定周波数80kHzとした場合の特性を示している。また、図13では、エレクトレットコンデンサ300の共振周波数は80kHzである。図13より、大気圧下よりも真空下において損失の最大値(ピーク)が顕著に出やすいが、例えばバイアス電圧−20V付近において波形が大きく変動していることが理解できる。これは、測定周波数80kHzの場合に振動膜306が共振してしまうためである。
図11〜図13に示したように、測定周波数が共振周波数の例えば±10%外である場合には、真空下において所望の損失−バイアス電圧特性が得られ、上記関係性が例えば±10%内である場合には、真空下において所望の損失−バイアス電圧特性が得られないことが有りえる。ただし、図13に示した振動膜306の共振の場合だけでなく、固定膜で形成される固定極302の共振周波数(140〜150kHz)や、振動膜306および固定膜で形成される固定極302それぞれの2次モード以降の共振周波数付近においても、真空下において所望の損失−バイアス電圧特性が得られないことがある。
ところで、静電容量の測定において、オシレータ電圧についても変化させて測定が行なわれている。図14は、本発明の第2の実施形態における静電容量の測定により得られる静電容量(C)−バイアス電圧(DC bias)特性の一例を示す図である。ここでは、オシレータ電圧とは、測定時に両電極間つまり固定極302と振動膜306に印加される電圧の交流成分を指す。
図14の測定は大気圧下で行なわれたものであり、オシレータ電圧を10mV、50mVとして測定が行なわれている。図14より、10mVでの測定時にはノイズの影響を強く受け、50mVでの測定時にはノイズの影響をあまり受けないことが理解できる。
さらに、損失測定においても、同様に、図15で示すようにオシレータ電圧を変化させて測定が行なわれている。図15は、本発明の第2の実施形態における損失の測定により得られる損失(D)−バイアス電圧(DC bias)特性の一例を示す図である。
図15の測定は大気圧下で行なわれたものであり、オシレータ電圧を10mV、50mVとして測定が行なわれている。図15より、10mVでの測定時にはノイズの影響を強く受け、50mVでの測定時にはノイズの影響をあまり受けないことが理解できる。
このように、より正確に静電容量および損失の測定を行なうためには、オシレータ電圧を0.05V以上とすることが望ましい。
なお、図14の静電容量の測定および図15の損失測定では、大気圧下において、オシレータ電圧が低すぎるとノイズの影響を受けやすくなることを説明したが、これは真空中においても同様のことが言える。
なお、本実施形態においては、真空状態の代わりに減圧状態(例えば13.332Pa(=0.1Torr)以下の状態)で測定を行うようにしてもよい。
上記第1および第2の実施形態では、半導体プロセスにより作成された音響トランスデューサ(例えば図2)を使用したエレクトレットコンデンサマイクロホンの場合を想定して説明した。機械式のエレクトレットコンデンサマイクロホン(例えば図1)へ本実施形態を適用することも考えられるが、半導体プロセスにより作成された音響トランスデューサを使用したエレクトレットコンデンサマイクロホンへの適用が望ましい。
以上説明したように本発明によれば、マイクロホンに組みあがった状態でのエレクトレットコンデンサの2極間電位を、非破壊で測定することができる。
したがって、マイクロホンが組み上がった状態におけるエレクトレット材の帯電量を精度良く求めることができ、これによって、エレクトレット化時の最適な条件出しや製造プロセス条件を最適化することが可能となる。
したがって、精密でばらつきの少ない高感度のエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造が可能となる。
本発明は、マイクロホンに組み上がった状態でのエレクトレットコンデンサの2極間電位を非破壊で測定することを可能とするという効果を奏し、したがって、エレクトレットコンデンサの両極間電位の測定方法として有用である。
エレクトレットコンデンサマイクロホン(振動板、スペーサおよび背極にて形成される機械式のマイクロホン)の構造の一例を説明するための断面図であり、(a)は、エレクトレットコンデンサマイクロホンの構造を示す断面図、(b)は、エレクトレットコンデンサマイクロホンに接続される電子部品の断面図 シリコン基板を加工することによって形成された音響トランスデューサを搭載したマイクロホンの断面構造を示す図 本発明の第1の実施形態における測定方法を実施するための基本構成を示す図 本発明の第1の実施形態における測定により得られる静電容量−バイアス電圧特性の一例を示す図 本発明の第1の実施形態における測定により得られる損失−バイアス電圧特性の一例を示す図 本発明の第1の実施形態におけるエレクトレットコンデンサの静電容量および損失の一例を説明するための図 本発明の第2の実施形態における測定方法を実施するための基本構成を示す図 本発明の第2の実施形態における測定により得られる静電容量−バイアス電圧特性の一例を示す図 本発明の第2の実施形態における測定により得られる静電容量−バイアス電圧特性の一例を示す図 本発明の第2の実施形態における測定により得られる静電容量−バイアス電圧特性の一例を示す図 本発明の第2の実施形態における測定により得られる損失−バイアス電圧特性の一例を示す図 本発明の第2の実施形態における測定により得られる損失−バイアス電圧特性の一例を示す図 本発明の第2の実施形態における測定により得られる損失−バイアス電圧特性の一例を示す図 本発明の第2の実施形態における測定により得られる静電容量−バイアス電圧特性の一例を示す図 本発明の第2の実施形態における測定により得られる損失−バイアス電圧特性の一例を示す図
符号の説明
101 ケース
101a 前面板
102 振動板リング
103 振動膜
104 スペーサ
105 背極
106 背極保持体
107 音孔
108 配線基板
109 インピーダンス変換用IC
109a インピーダンス変換用ICの入力端子
109b インピーダンス変換用ICの出力端子
110 背室
111 スルーホール
120 接続用部品
120a バネ接点
120b 接続用部品筐体
121 ゴムブッシュ
130 実装対象部品
130a 接続用部品の入力端子
200 インピーダンス変換用IC
202 半田
204a インピーダンス変換用ICの入力端子
204b インピーダンス変換用ICの出力端子
300 エレクトレットコンデンサ(組み上がった状態)
302 第一電極
304 空孔(音孔)
306 エアギャップ
307 第二電極
308 スペーサを兼ねる接合材
309 ボデンィングワイヤ
310 シリコン基板
312a,312b スルーホール
314a グランド配線パターン
314b 信号配線パターン
400 ケース
402 ケース側面板
404 配線基板
500 掃引電圧印加装置
600 静電容量損失測定器

Claims (4)

  1. 振動板と、この振動板に対向して配置される固定極とを備え、かつ、前記振動板および前記固定極のいずれかがエレクトレット化されたエレクトレット材であるエレクトレットコンデンサの両極間電位の測定方法であって、
    前記振動板と前記固定極との間にバイアス電圧を掃引印加しながら、前記振動板と前記固定極との間の静電容量および損失を測定する第1のステップと、
    その測定された静電容量および損失と前記バイアス電圧値との関係に基づいて、前記振動板と前記固定極との間の電位を同定する第2のステップと、
    を含むことを特徴とする、エレクトレットコンデンサの両極間電位の測定方法。
  2. 請求項1に記載のエレクトレットコンデンサの両極間の電位測定方法であって、
    前記第1のステップにおいて、前記静電容量および損失を測定する際の周波数を共振周波数の1/8以上1/4以下とする
    エレクトレットコンデンサの両極間電位の測定方法。
  3. 請求項1に記載のエレクトレットコンデンサの両極間の電位測定方法であって、
    前記第1のステップにおいて、前記静電容量および損失を測定する際、オシレータ電圧のレベルを0.05V以上となるように設定する
    エレクトレットコンデンサの両極間電位の測定方法。
  4. 請求項1に記載のエレクトレットコンデンサの両極間の電位測定方法であって、
    前記第1のステップにおいて、前記静電容量および損失を測定する際に、当該エレクトレットコンデンサを真空状態または13.332Pa以下の減圧状態で測定する
    エレクトレットコンデンサの両極間電位の測定方法。
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