JP2009172676A - レーザブレージング装置、およびレーザブレージング加工方法 - Google Patents

レーザブレージング装置、およびレーザブレージング加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接合部材同士の接合不良を防止するとともに、接合強度を向上し得るレーザブレージング装置、およびレーザブレージング加工方法を提供する。
【解決手段】レーザブレージング装置10は、複数の接合部材61、62が接合されるブレージング箇所50に対して接近離反移動自在に設けられるとともに、ブレージング箇所に沿って移動しつつブレージング箇所にろう材18を供給するろう材供給部16と、ろう材供給部に追従して移動しつつろう材供給部から供給されるろう材に対してレーザ光Lを照射するレーザヘッド14と、ブレージング箇所に沿って移動するろう材供給部の移動軌跡を規制する規制部70と、ろう材供給部に設けられ、規制部に当接するガイドアーム30と、ろう材供給部がブレージング箇所から離反移動するときに、規制部に対するガイドアームの当接をガイドアームの自重により維持する維持手段34と、を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザブレージング装置、およびレーザブレージング加工方法に関する。
複数の接合部材が接合されるブレージング箇所にろう材を供給し、ろう材にレーザ光を照射することにより、接合部材同士を接合するレーザブレージング装置が知られている(特許文献1参照)。
重ね合わせた接合部材同士の接合を行う重ね隅肉ブレージング加工にあっては、ろう材を供給するろう材供給部を重ね隅肉ブレージング箇所に沿って移動させつつ、ろう材を供給させる。しかしながら、ブレージング加工時において、ろう材供給部がブレージング箇所から逸れて移動することにより、ブレージング箇所にろう材が十分に供給されず、接合部材同士の接合不良や接合強度の低下という問題生じる。
特開2007−152381
そのため、従来の重ね隅肉ブレージング加工にあっては、ブレージング箇所における接合部材の端部にろう材を当接させてろう材供給部の移動軌跡をガイドする方法や、ろう材供給部にガイドピンを設け、ガイドピンを一方の接合部材の端部に当接させてろう材供給部の移動軌跡をガイドする方法が利用されている。
ろう材を接合部材の端部に当接させてろう材供給部の移動軌跡をガイドする方法では、アルミニウムのような比較的剛性の小さいろう材を用いた場合には、当接させたろう材が屈曲して、ろう材供給部の移動軌跡をガイドすることができず、ろう材供給部がブレージング箇所から逸れて移動してしまう。
また、ガイドピンによりろう材供給部の移動軌跡をガイドする方法では、ろう材供給部の移動速度に対して、相対的にろう材の供給量が過剰となる場合には、ろう材供給部がブレージング箇所から離反移動し、それに伴ってガイドピンもブレージング箇所から離反移動しまうことが起こり得る。そのため、ろう材供給部の移動軌跡をガイドすることができず、ろう材供給部がブレージング箇所から逸れて移動してしまう。
本発明は、複数の接合部材が接合されるブレージング箇所に対して、ろう材を供給するろう材供給部が離反移動するような場合であっても、ろう材供給部をブレージング箇所に沿って移動させることができ、接合部材同士の接合不良を防止するとともに、接合強度を向上し得るレーザブレージング装置、およびレーザブレージング加工方法を提供することを目的としている。
本発明は、複数の接合部材の接合部をブレージング箇所として接合するレーザブレージング装置であって、複数の接合部材が接合されるブレージング箇所に対して接近離反移動自在に設けられるとともに、ブレージング箇所に沿って移動しつつブレージング箇所にろう材を供給するろう材供給部を有している。さらに、ろう材供給部に追従して移動しつつろう材供給部から供給されるろう材に対してレーザ光を照射するレーザヘッドと、ブレージング箇所に沿って移動するろう材供給部の移動軌跡を規制する規制部と、ろう材供給部に設けられ、規制部に当接するガイドアームと、を有している。そして、ろう材供給部がブレージング箇所から離反移動するときに、規制部に対するガイドアームの当接をガイドアームの自重により維持する維持手段を有している。
また、本発明は、複数の接合部材の接合部をブレージング箇所として接合するブレージング加工方法であって、複数の接合部材が接合されるブレージング箇所に対してろう材を供給するろう材供給部を接近移動させるとともに、ろう材供給部に設けられ、ろう材供給部の移動をガイドするガイドアームをろう材供給部の移動軌跡を規制する規制部に当接させる。さらに、規制部に対するろう材供給部の当接を維持しつつろう材供給部をブレージング箇所に沿って移動させ、ろう材にレーザ光を照射するレーザヘッドをろう材供給部に追従させて移動させるとともに、ブレージング箇所に供給されたろう材にレーザ光を照射してなる。そして、ガイドアームの規制部に対する当接は、ガイドアームの自重により規制部との当接を維持する維持手段により維持されてなる。
本発明によれば、複数の接合部材が接合されるブレージング箇所に対して、ろう材を供給するろう材供給部が離反移動するような場合であっても、ろう材供給部に設けられたガイドアームがその自重により規制部との当接を維持するため、ろう材供給部をブレージング箇所に沿って移動させることができ、接合部材同士の接合不良を防止するとともに、接合強度を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(A)は、本発明の実施形態に係るレーザブレージング装置10を簡略化して示す図、図1(B)は、図1(A)におけるブレージング箇所50を拡大して示す図、図2(A)および(B)は、ガイドアーム30およびガイドアーム30と規制部70との当接を維持する維持手段34を説明するための図、図3(A)および(B)は、ガイドアーム30の回動を補助する補助手段40を説明するための図、図4〜6は、レーザブレージング装置10の作用を説明するための図、図7〜10は、レーザブレージング装置10によるブレージング加工方法の手順を説明するための斜視図、図11および図12は、レーザブレージング装置10を適用するブレージング箇所50の適用例を示す図である。
図1(A)および(B)を参照して、本実施形態に係るレーザブレージング装置10は、複数の接合部材61、62が接合されるブレージング箇所50にろう材18を供給し、供給されたろう材18にレーザ光Lを照射することにより、レーザブレージング加工を行う。概説すれば、レーザブレージング装置10は、複数の接合部材61、62が接合されるブレージング箇所50に対して接近離反移動自在に設けられるとともに、ブレージング箇所50に沿って移動しつつブレージング箇所50にろう材18を供給するろう材供給部16と、ろう材供給部16の先端に設けられたノズル17と、ろう材供給部16に追従して移動しつつろう材供給部16から供給されるろう材18に対してレーザ光Lを照射するレーザヘッド14と、ブレージング箇所50に沿って移動するろう材供給部16の移動軌跡を規制する規制部70と、ろう材供給部16に設けられ、規制部70に当接するガイドアーム30と、ろう材供給部16がブレージング箇所50から離反移動するときに、規制部70に対するガイドアーム30の当接をガイドアーム30の自重により維持する維持手段34と、を有している。さらに、ろう材供給部16から供給されるろう材18を送り込むモータ12と、レーザ光Lを照射するレーザヘッド14を移動させる駆動手段13と、レーザヘッド14に取り付けられ、ブレージング箇所50に倣って接近離反移動するアーム部20と、レーザ光Lをレーザヘッド14に伝送するファイバケーブル15と、ろう材供給部16にろう材18を送り込むろう材ケーブル19と、を有している。以下、本実施の形態について詳述する。
まず、図1(A)および(B)を参照して、レーザブレージング装置10について説明する。
本実施形態にあっては、レーザブレージング装置10を平板形状の第1の接合部材61(第1の板材に相当する)と平板形状の第2の接合部材62(第2の板材に相当する)とを接合する重ね隅肉ブレージング加工に用いる。ブレージング箇所50を、第1の接合部材61と第2の接合部材62とを接合する重ね隅肉ブレージング部に設定している。ブレージング箇所50は、図中破線で囲んで示す。
重ね隅肉ブレージング加工における規制部70は、第1の接合部材61の端部70a(以下、第1の規制部)と、第2の接合部材62における第1の接合部材61の端部70aと隣接する箇所70b(以下、第2の規制部)とによって形成している。
ブレージング加工は、図中矢印a方向に沿って進行する。ろう材供給部16の接近移動を図中矢印bで示し、ろう材供給部16の離反移動を図中矢印b′で示す。
ろう材供給部16は、ブレージング箇所50に対して接近離反移動自在に設けられている。ブレージング加工時は、ろう材供給部16をブレージング箇所50に沿わせつつ加工進行方向に移動させる。
レーザブレージング装置10は、レーザヘッド14をろう材供給部16の移動に追従して移動させるとともに、ブレージング箇所50に供給したろう材18にレーザ光Lを照射する。レーザ光Lにより溶かされたろう材18を硬化させて、接合部材61、62同士を接合する。
規制部70は、ろう材供給部16の移動軌跡を規制する。ろう材供給部16の移動時にガイドアーム30を規制部70に当接させる。ガイドアーム30がろう材供給部16の移動をガイドするため、ろう材供給部16は、ブレージング箇所50に沿って移動することができる。
ガイドアーム30には、ガイドアーム30の自重によりガイドアーム30と規制部70との当接を維持するための維持手段34が設けられている。ろう材供給部16がブレージング箇所50に対して離反移動するような場合であっても、維持手段34により、規制部70に対するガイドアーム30の当接を維持することができる。
ろう材供給部16が離反移動する場合として、例えば、ろう材供給部16の移動速度に対して、ろう材18が過剰供給されるような場合が挙げられる。過剰供給されたろう材18により、ろう材供給部16が持ち上げられ、ブレージング箇所50からろう材供給部16が離反移動する(図6を参照)。ろう材供給部16が離反移動し、第1の接合部材61上に乗り上げてしまうと、ろう材供給部16はブレージング箇所50に沿って移動することができなくなり、ブレージング箇所50にろう材18が十分に供給されない。このため、接合部材61、62同士の接合不良や接合強度の低下という問題が発生する。
レーザブレージング装置10にあっては、ろう材供給部16がブレージング箇所50から離反移動するような場合であっても、維持手段34により、規制部70に対するガイドアーム30の当接を維持することができ、ろう材供給部16をブレージング箇所50に沿って移動させることができる(図6を参照)。そのため、ブレージング箇所50にろう材18を十分に供給することができ、接合部材61、62同士の接合不良を防止するとともに、接合強度を向上することができる。
次に、図2(A)および(B)を参照して、ガイドアーム30および維持手段34について説明する。
前述のように、ブレージング加工時において、ガイドアーム30は、規制部70に当接し、ろう材供給部16をブレージング箇所50に沿って移動させる。
図示例にあっては、ガイドアーム30は角柱形状に形成されているが、この形状に限定されるものではない。加工時において、ガイドアーム30を規制部70に当接させることが可能な形状であればよい。後述するようにピン形状の先端部36を形成することも可能である(図15(A)および(B)を参照)。
ガイドアーム30の材質は、特に限定されるものではないが、レーザ光Lが照射される付近にガイドアーム30を配置する場合には、耐熱性を考慮した金属材料などを選択することが望ましい。
ガイドアーム30は、固定用ブラケット31(ケーシング部材に相当する)を介して、ろう材供給部16に取り付ける。固定用ブラケット31内には、後述するストッパ42bや付勢手段37を配置するための空間を設けている(図13および図14を参照)。
維持手段34は、ガイドアーム30をろう材供給部16に回動自在に設けることによって構成している。
維持手段34は、回転軸32と、固定用ブラケット31に設けた貫通穴33aと、ガイドアーム30に設けた貫通穴33bと、を有している。
貫通穴33aおよび貫通穴33bに回転軸32を挿通させて、ガイドアーム30を固定用ブラケット31に取り付ける。
取付け部35を介して、溶接やネジ留めにより固定用ブラケット31をろう材供給部16に固定する。このようにして、ガイドアーム30をろう材供給部16に回動自在にして取り付ける
次に、図3(A)および(B)を参照して、ガイドアーム30の回動を補助する補助手段40について説明する。
レーザブレージング装置10のセッティング時に、ろう材供給部16をブレージング箇所50に接近移動させると、ガイドアーム30が必要以上に垂れ下がることがある。この場合、ガイドアーム30が第2の規制部70bに突っ張った状態で当接し、ガイドアーム30のセッティング作業に手間がかかる。また、ブレージング加工終了時や、ろう材18が過剰に供給された場合において、ろう材供給部16がブレージング箇所50から大きく離反移動するときにガイドアーム30が必要以上に垂れ下がることがある。ガイドアーム30が第2の接合部材62に引っかかることによって、第2の接合部材62に傷が付いたり、ガイドアーム30が損傷したりする。
ガイドアーム30が必要以上に垂れ下がることを防止するために、ろう材供給部16の接近離反移動に伴うガイドアーム30の回動を補助する補助手段40を設ける。
補助手段40を設けることにより、ガイドアーム30を突っ張らせることなく第2の規制部70bに当接させることができ、ガイドアーム30のセッティング作業を円滑に行うことが可能になる。このため、加工作業の作業効率を向上させることができる。さらに、ろう材供給部16が離反移動する場合において、ガイドアーム30が接合部材62にひっかかることを防止でき、第2の接合部材62に傷が付いたり、ガイドアーム30が損傷したりすることを防止できる。
図3(A)を参照して、補助手段40は、例えば、ガイドアーム30の先端部36に屈曲部41を設けることにより構成する。
ガイドアーム30の先端部36に設けた屈曲部41により、ガイドアーム30は、第2の規制部70bに対して一定の角度を持って当接する(図5を参照)。そのため、ガイドアーム30を突っ張らせることなく、第2の規制部70bに当接させることができる。
ろう材供給部16に離反移動が生じた場合、屈曲部41により、ガイドアーム30は、第2の接合部材62に対して一定の角度を保持する。このため、ガイドアーム30が第2の接合部材62にひっかかることを防止できる(図6を参照)。
ガイドアーム30に屈曲部41を設けなかった場合と比較して、屈曲部41を設けた場合には、規制部70に当接するガイドアーム30の面積を大きくすることが可能である。そのため、ろう材供給部16の離反移動量が大きくなった場合であっても、ガイドアーム30と規制部70との当接を維持することが可能となる。
ガイドアーム30の先端部36に屈曲部41を設けるだけの簡素な構造によって補助手段40を構成している。このため、補助手段40を設けることによって生じ得る装置構成の複雑化を防止できる。
屈曲部41の形状は、図中に示される平板形状に限定されるものではない。例えば、湾曲形状にすることにより、ガイドアーム30と第2の接合部材62との摺動抵抗を小さくすることが可能である。
図3(B)を参照して、補助手段40は、例えば、第2の規制部70bに対するガイドアーム30の傾斜を維持するストッパ42aをガイドアーム30に設けることにより構成する。
ガイドアーム30にストッパ42aを設けることにより、ガイドアーム30が第2の規制部70bに対して一定の角度を持って当接する。そのため、ガイドアーム30を突っ張らせることなく、第2の規制部70bに当接することができる。
ろう材供給部16に離反移動が生じた場合、屈曲部41により、ガイドアーム30は、第2の接合部材62に対して一定の角度を保持する。このため、ガイドアーム30が第2の接合部材62に引っかかることを防止できる。
ストッパ42aを設けることにより、規制部70に対するガイドアーム30の傾斜を維持することが可能となる。そのため、ガイドアーム30にストッパ42aを設けなかった場合と比較して、規制部70に当接するガイドアーム30の面積を大きくすることが可能となり、屈曲部41を設けた場合と同様の効果を得ることができる。
ガイドアーム30にストッパ42aを設けるだけの簡素な構造によって補助手段40を構成している。このため、補助手段40を設けることによって生じ得る装置構成の複雑化を防止できる。
ストッパ42aの形状は、図中に示される形状に限定されるものではなく、規制部70に対するガイドアーム30の当接を維持することが可能な形状であれば良い。材質も特に限定されないが、照射されるレーザ光Lの影響を考慮し、金属材料を選択するのが望ましい。
ガイドアーム30は、維持手段40により、加工進行方向に対して、反対方向に回動させることが望ましい。加工進行方向に対して、反対方向にガイドアーム30を回動させることにより、ガイドアーム30と第2の接合部材62との摺動抵抗を小さくすることができる。ブレージング箇所50に沿ってガイドアーム30およびろう材供給部16を滑らかに移動させることができる。
第2の規制部70bに対して、ガイドアーム30が当接する角度は、特に限定されるものではない。但し、ガイドアーム30とろう材供給部16の先端に設けられたノズル17との接触を防ぐために、第2の規制部70bに対して一定の角度を持って当接させることが望ましい。例えば、ブレージング加工時には、ガイドアーム30を第2の規制部70bに対して、30°〜75°程度の角度で当接させる。
次に、図4〜6を参照して、レーザブレージング装置10の作用を説明する。なお、レーザブレージング装置10には、維持手段34および屈曲部41を設けている。
各図において、ブレージング箇所50および規制部70は、図1(A)および(B)に示す箇所と同様に設定している。
図4を参照して、アーム部20により、ろう材供給部16をブレージング箇所50に接近移動させる(図中矢印b)。ガイドアーム30は、ろう材供給部16の接近移動に伴ってブレージング箇所50に対して接近移動する。
図5を参照して、ガイドアーム30は、規制部70に当接して回動する(図中矢印c)。この際、屈曲部41は、ガイドアーム30の回動を補助する。ガイドアーム30は、突っ張ることなく第2の規制部70bに当接する。
屈曲部41は、加工進行方向(図中矢印a)に対して、反対方向にガイドアーム30を回動させる。このため、ガイドアーム30と規制部70との摺動抵抗が小さくなる。
維持手段34は、規制部70に対するガイドアーム30の当接を維持する。
図6を参照して、ろう材供給部16の加工進行方向(図中矢印a)における移動速度に対して、相対的にろう材18の供給量が過剰になると、ブレージング箇所50に一定量以上の硬化したろう材80が発生する。硬化したろう材80により、ろう材供給部16は、離反移動する(図中矢印b′)。
ろう材18が過剰供給されてろう材供給部16がブレージング箇所50から離反移動する場合であっても、維持手段34により、ガイドアーム30は、その自重で回動し(図中矢印d)、ガイドアーム30と規制部70との当接を維持する。
ろう材供給部16に離反移動が生じた場合、屈曲部41は、ガイドアーム30の回動を補助する。このため、ガイドアーム30は、第2の接合部材62に対して一定の角度を保持して離反移動する。
レーザブレージング加工において、上述したろう材供給部の離反移動を防止する方法として、例えば、フィードバック制御によって、ろう材供給部の移動速度とろう材の供給量とを調整する方法が考えられる。この場合、レーザブレージ装置にろう材供給部の移動速度およびろう材の供給量をフィードバック制御する複雑な制御手段を新たに設ける必要がある。制御手段を新たに設けることによって、装置構成の複雑化や設備投資費の増加が招かれる。
これに対して、レーザブレージング装置10にあっては、ろう材供給部16の離反移動が生じた場合であっても、レーザブレージング装置10に簡易に取り付けることが可能なガイドアーム30により、ろう材供給部16の移動軌跡をガイドすることができる。このため、新たに制御手段を設けることによって生じ得る装置構成の複雑化や設備投資費の増加を防止できる。
ガイドアーム30が当接する規制部70に微小な凹凸部が存在する場合や、曲面に沿ってブレージング加工を行う際に生じるろう材供給部16の移動速度の変化などに起因して、ろう材供給部16の離反移動が生じることも考えられる。
そのような場合であっても、レーザブレージング装置10にあっては、ガイドアーム30をその自重により回動させることによって、規制部70に対するガイドアーム30の当接を維持することができる。この方法を採用した場合、ろう材供給部16を接合部材61、62が接合されるブレージング箇所50に沿って移動させることができ、接合部材61、62同士の接合不良を防止するとともに、接合強度を向上することができる。
従来の重ね隅肉ブレージング加工にあっては、接合部材にろう材を当接させてろう材供給部の移動軌跡をガイドする方法が利用されている。このため、アルミニウムのような比較的剛性の小さい材料をろう材に用いた場合には、当接させたろう材の切断が生じ得る。そのため、ろう材供給部の移動軌跡をガイドすることができず、ろう材供給部がブレージング箇所から逸れて移動するという問題が生じる。
これに対して、レーザブレージング装置10にあっては、ガイドアーム30を規制部70に当接させることにより、ろう材供給部16をブレージング箇所50に沿って移動させることができる。このため、比較的剛性の小さいアルミニウムをろう材18に用いることができる。
ろう材18にアルミニウムを用いることができるため、接合によって、接合部材の重量が増加することを抑制できる。例えば、自動車の車体パネル同士の接合を行うブレージング加工において、ろう材18にアルミニウムを用いる場合、加工後の成形品を軽量化するとともに、成形品の外観品質を向上することができる。
レーザブレージング装置10にあっては、アルミニウム以外にも、例えば、比較的安価な銅や鉄などをろう材18の材料として用いることができる。
以上のように、平板形状の第1の接合部材61の端部70aおよび平板形状の第2の接合部材62における端部70aと隣接する箇所70bによって形成された規制部70と、ガイドアーム30との当接を維持することによって、ブレージング箇所50に沿ってろう材供給部16を移動させて重ね隅肉ブレージング加工を行うことができる。
次に、図7〜10を参照して、レーザブレージング加工方法について説明する。
図7を参照して、アーム部20により、ろう材供給部16およびガイドアーム30をブレージング箇所50に接近移動させる(図中矢印b)。
図8を参照して、ガイドアーム30は、第2の接合部材62に当接し、回動する(図中矢印c)。当接の際、屈曲部41は、ガイドアーム30の回動を補助する。
アーム部20により、ろう材供給部16を第1の規制部70aに向けて移動させて(図中矢印e)、ガイドアーム30を規制部70にセットする。
図9を参照して、ガイドアーム30を規制部70に当接させた状態でろう材供給部16をブレージング箇所50に沿わせつつ加工進行方向(図中矢印a)に移動させる。この際、規制部70に対するガイドアーム30の当接を維持手段34により維持し、ろう材供給部16の移動軌跡をガイドする。
ろう材供給部16は、ブレージング箇所50に沿って移動しつつ、ろう材18を供給する。
レーザヘッド14は、ろう材供給部16の移動に追従して移動し、ろう材18に対してレーザ光Lを照射する。ろう材18は溶かされた後、ブレージング箇所50で硬化し、第1の接合部材61と第2の接合部材62とを接合する。
図10を参照して、ブレージング加工時において、ろう材供給部16が離反移動(図中矢印b′)した場合であっても、ガイドアーム30は自重により回動し(図中矢印d)、規制部70との当接を維持する。
離反移動する際、屈曲部41は、ガイドアーム30の回動を補助する。
ガイドアーム30により、ろう材供給部16をブレージング箇所50に沿って移動させる。
上述したように、本実施形態にあっては、ろう材供給部16の離反移動が生じた場合であっても、ガイドアーム30は、その自重によって規制部70に対する当接を維持する。そのため、ろう材供給部16を、接合部材61、62を接合するブレージング箇所50に沿って移動させることができ、接合部材61、62同士の接合不良が生じることを防止するとともに、接合強度を向上させることができる。
ガイドアーム30が当接する規制部70に微小な凹凸部が存在する場合や、曲面に沿ってブレージング加工を行う場合であっても、ガイドアーム30をその自重により回動させることによって、規制部70に対するガイドアーム30の当接を維持することができる。
補助手段40を設けることにより、ガイドアーム30を突っ張らせることなく第2の規制部70bに当接させることができる。ガイドアーム30のセッティング作業を円滑に行うことが可能になるため、加工作業の作業効率を向上させることができる。ガイドアーム30が離反移動するときに、ガイドアーム30が第2の接合部材62にひっかかることを防止でき、第2の接合部材62に傷が付いたり、ガイドアーム30が損傷したりすることを防止できる。
ガイドアーム30の先端部36に屈曲部41を設けるだけの簡素な構造によって補助手段40を構成することができ、補助手段40を設けることによって生じ得る装置構成の複雑化を防止できる。
ガイドアーム30にストッパ42aを設けるだけの簡素な構造によって補助手段40を構成することができ、補助手段40を設けることによって生じ得る装置構成の複雑化を防止できる。
補助手段40は、加工進行方向に対して、反対方向にガイドアーム30を回動させる。ガイドアーム30と接合部材62との摺動抵抗を小さくすることができ、ブレージング箇所50に沿ってガイドアーム30およびろう材供給部16を滑らかに移動させることができる。
ろう材18が過剰供給されてろう材供給部16がブレージング箇所50から離反移動する場合であっても、維持手段34により、ガイドアーム30と規制部70との当接を維持することができる。
平板形状の第1の接合部材61の端部70aおよび平板形状の第2の接合部材62における端部70aと隣接する箇所70bによって形成された規制部70と、ガイドアーム30との当接を維持することによって、ブレージング箇所50に沿ってろう材供給部16を移動させて重ね隅肉ブレージング加工を行うことができる。
ガイドアーム30を規制部70に当接することにより、ろう材供給部16をブレージング箇所50に沿って移動させることができる。このため、比較的剛性の小さいアルミニウムや、比較的安価な銅および鉄をろう材18の材料に用いることができる。
図11および図12を参照して、本実施形態に係るレーザブレージング装置10およびレーザブレージング加工方法の適用例について説明する。
(適用例1)
図11(A)を参照して、本適用例にあっては、ブロック形状の第1の接合部材61およびブロック形状の第2の接合部材62を互いに突き当てて直交させて配置している。
第1の接合部材61において第2の接合部材62が突き当てられた箇所の近傍に第1の規制部70aを形成している。一方、第2の接合部材62において第1の接合部材61が突き合てられた箇所の近傍に第2の規制部70bを形成している。規制部70は、第1の規制部70aと第2の規制部70bとによって形成している。
規制部70の周辺部をブレージング箇所50に設定し、第1の接合部材61と第2の接合部材62とを接合する。
(適用例2)
図11(B)を参照して、本適用例にあっては、角部が欠けた第1の接合部材61および角部が欠けた第2の接合部材62を突き合わせて配置している。
第1の接合部材61の欠けた角部を第1の規制部70aとし、第2の接合部材62の欠けた角部を第2の規制部70bとしている。規制部70は、第1の規制部70aと第2の規制部70bとによって形成している。
規制部70の周辺部をブレージング箇所50に設定し、第1の接合部材61と第2の接合部材62とを接合する。
(適用例3)
図12(A)を参照して、本適用例にあっては、段差形状を有する第1の接合部材61と、段差形状を有する第2の接合部材62とを重ね合わせて配置している。
第1の接合部材61において段差形状が形成された側の端部を第1の規制部70aとしている。第2の接合部材62において第1の規制部70aと隣接する箇所を第2の規制部70bとしている。規制部70は、第1の規制部70aと第2の規制部70bとによって形成している。
規制部70の周辺部をブレージング箇所50に設定し、第1の接合部材61と第2の接合部材62とを接合する。
レーザブレージング装置10が備える維持手段34は、接合部材61、62の段差形状に追従させてガイドアーム30と規制部70との当接を維持する。このため、ブレージング箇所50に連続した接合軌跡を形成し、第1の接合部材61と第2の接合部材62とを接合することができる。
(適用例4)
図12(B)を参照して、本適用例にあっては、段差形状を有する第1の接合部材61と平板形状の第2の接合部材62とを重ね合わせて配置している。さらに、第1の接合部材61の段差形状が形成された部位と第2の接合部材62との間に第3の接合部材63を配置している。
第1の接合部材61において段差形状が形成された側の端部を第1の規制部70aとしている。第1の接合部材61と第2の接合部材62との関係では、第2の接合部材62において第1の規制部70aと隣接する箇所を第2の規制部70bとしている。
第1の接合部材61と第3の接合部材63との関係では、第3の接合部材63において第1の規制部70aと隣接する箇所を第2の規制部70cとしている。
規制部70は、第1の規制部70aと第2の規制部70b、70cとによって形成している。
規制部70の周辺部をブレージング箇所50に設定し、第1の接合部材61と第2の接合部材62、および第3の接合部材63を接合する。
ガイドアーム30は、ろう材供給部16が第1の接合部材61と第2の接合部材62とに跨って形成されたブレージング箇所50を移動するときには、第1の規制部70aと第2の規制部70bとによって形成された規制部70に当接した状態で移動する。
ガイドアーム30は、ろう材供給部16が第1の接合部材61と第3の接合部材63とに跨って形成されたブレージング箇所50を移動するときには、第1の規制部70aと第2の規制部70cとによって形成された規制部70に当接した状態で移動する。
レーザブレージング装置10が備える維持手段34は、第2の接合部材62と第3の接合部材63とによって形成された段差形状に追従させてガイドアーム30と規制部70との当接を維持する。このため、ブレージング箇所50に連続した接合軌跡を形成し、第1の接合部材61と第2の接合部材62、および第3の接合部材63を接合することができる。
(変形例1)
図13(A)および(B)は、本変形例に係るレーザブレージング装置10の説明に供する固定用ブラケット31の断面図である。図1〜12に示した部材と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は一部省略する。
図13(A)および(B)を参照して、本変形例に係るレーザブレージング装置10は、固定用ブラケット31に補助手段40としてのストッパ42bを設けている。前述したように、ガイドアーム30は、固定用ブラケット31を介してろう材供給部16に回動自在に取り付けている。
図13(A)を参照して、ストッパ42bは、固定用ブラケット31に一体にして設けている。ストッパ42bは、ブレージング加工の進行方向(図中矢印a)の下流側に配置している。
ろう材供給部16とともにガイドアーム30が第2の規制部70bに対して接近移動(図中矢印b)すると、ガイドアーム30は、維持手段34によって回動する(図中矢印d)。
回動したガイドアーム30は、ストッパ42bに突き当たる。ストッパ42bは、突き当てられたガイドアーム30の回動を制限し、回動方向への可動範囲rを規制する。ガイドアーム30は、第2の規制部70bに対する傾斜を維持した状態で当接する。
傾斜を維持させることによって、ガイドアーム30が必要以上に垂れ下がることを防止し、突っ張った状態で第2の規制部70bに当接することを防止する。ガイドアーム30のセッティング作業を円滑に行うことが可能になるため、加工作業の作業効率を向上させることができる。
ストッパ42bは、規制部70からガイドアーム30が離反移動するときに(図中矢印b′)、ガイドアーム30が必要以上に垂れ下がることを防止する。このため、ブレージング加工終了時や、ろう材18が過剰に供給されてガイドアーム30が大きく離反移動する場合において、ガイドアーム30が第2の接合部材62にひっかかることを防止でき、第2の接合部材62に傷が付いたり、ガイドアーム30に損傷が生じたりすることを防止できる。
図13(B)を参照して、図示される変形例にあっては、ブレージング加工の進行方向(図中矢印a)の上流側にストッパ42bを配置している。
ストッパ42bは、突き当てられたガイドアーム30の回動を制限し、回動方向への可動範囲rを規制する。
ガイドアーム30は、規制部70に対する傾斜を維持しつつ接近離反移動する。このため、ガイドアーム30が必要以上に垂れ下がることを防止し、突っ張った状態で第2の規制部70bに当接することを防止する。さらに、規制部70からガイドアーム30が離反移動するときに、ガイドアーム30が必要以上に垂れ下がることを防止する。
上述したように、本変形例にあっては、固定用ブラケット31に設けたストッパ42bによって、ガイドアーム30が必要以上に垂れ下がることを防止し、ガイドアーム30を突っ張らせることなく第2の規制部70bに当接させることができる。このため、ガイドアーム30のセッティング作業を円滑に行うことが可能となり、加工作業の作業効率を向上させることができる。さらに、ガイドアーム30が離反移動するときに、ガイドアーム30が必要以上に垂れ下がることを防止する。このため、ガイドアーム30が第2の接合部材62にひっかかることを防止でき、第2の接合部材62に傷が付いたり、ガイドアーム30が損傷したりすることを防止できる。
ストッパ42bの形状および材質は特に限定されるものではない。突き当てられたガイドアーム30の回動を制限するとともにガイドアーム30の回動方向の可動範囲rを規制することが可能な範囲で適宜変更することが可能である。
(変形例2)
図14は、本変形例に係るレーザブレージング装置10の説明に供する固定用ブラケット31の断面図である。図1〜13に示した部材と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は一部省略する。
図14を参照して、本変形例に係るレーザブレージング装置10は、ガイドアーム30を規制部70に対して当接させる方向の力f(以下、付勢力とする)をガイドアーム30に付勢する付勢手段37を備えている。付勢手段37には、コイルバネを用いている。
付勢手段37は、固定用ブラケット31内に配置している。付勢手段37を配置する位置や付勢手段37の形状は、特に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。
ろう材供給部16の離反移動が生じたとき(図中矢印b′)、ガイドアーム30は、維持手段34によって自重で回動し、規制部70との当接を維持する。
付勢手段37は、付勢力fによって、ガイドアーム30を第2の規制部70bに対して押し付ける。自重のみでガイドアーム30を接合部材62に押し付けた場合と比較して、大きな外乱に対してより安定的にガイドアーム30と第2の規制部70bとの当接を維持することが可能になる。
図示されるように、曲面形状に設定されたブレージング箇所50に沿って加工を行う場合であっても、付勢手段37を用いることによって、ガイドアーム30と第2の規制部70bとが当接した状態を安定的に維持することができる。
その他、例えば、段差形状が形成された接合部材同士を接合するような場合、ろう材供給部16の移動速度を増加させることによりガイドアーム30が自重のみでは跳ね上がってしまうような場合、接合部材にプレス成形によってシワ等の凹凸形状が形成されておりガイドアーム30が自重のみでは跳ね上がってしまうような場合にあっても、付勢手段37によって安定的にガイドアーム30と第2の規制部70bとの当接を維持することが可能になる。
上述したように、本変形例にあっては、付勢手段37を設けることによって、自重のみでガイドアーム30を接合部材62に押し付けた場合と比較して、より安定的にガイドアーム30と第2の規制部70bとの当接を維持することができる。
本変形例にあっては、付勢手段37によってガイドアーム30を第2の規制部70bに対して当接させる方向に付勢力fを付与しているが、例えば、第1の規制部70aに対して当接させる方向に付勢力を付与する構成とすることも可能である。また、第1の規制部70aおよび第2の規制部70bの両者に対して当接させる方向に付勢力を付与する構成とすることも可能である。
付勢手段37を構成する部材は、コイルバネのみに限定されるものではない。例えば、コイルバネのような弾発力を生じさせ得る板バネ等を用いることも可能である。
(変形例3)
図15(A)および(B)は、本変形例に係るレーザブレージング装置10の説明に供するガイドアーム30の図であり、図15(C)は、本変形例に係るレーザブレージング装置10の対比例を示す図である。図1〜14に示した部材と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は一部省略する。
図15(A)を参照して、本変形例にあっては、ガイドアーム30の先端部36をピン形状に形成している。
図15(B)を参照して、規制部70aに段差形状や凹凸形状が形成されている場合には、ガイドアーム30が接合部材61、62に対して傾斜して当接することがある。また、レーザを照射する角度を調整するために接合部材61、62に対して傾斜させてガイドアーム30を当接させることがある。
図15(C)を参照して、対比例にあっては、ガイドアーム30の先端部36を角柱形状に形成し、接合部材61、62に対して傾斜させてガイドアーム30を当接させている。この場合、先端部36をピン形状に形成した場合と比較して、第1の接合部材61と先端部36とのひっかかり量wが減少する。このため、傾斜角θがより大きく変化した場合には、先端部36が第1の接合部材61上に乗り上がってしまい、規制部70からの離反が生じる虞がある。
これに対して、本変形例にあっては、ガイドアーム30の先端部36を細径のピン形状に形成することによって、第1の接合部材61と先端部36との引っかかり量wを増加させている。このため、傾斜角θの変化に追従させて規制部70とガイドアーム30との当接を安定的に維持することが可能になる。さらに、引っかかり量wを増加させているため、第1の接合部材61に対する先端部36の押し付け力を強めることができ、ガイドアーム30と第2の接合部材62との摺動抵抗を小さくすることができる。このため、より円滑にブレージング加工を行うことが可能になる。
上述したように、本変形例にあっては、ガイドアーム30の先端部36を細径のピン形状に形成することによって、傾斜角θの変化に追従させて規制部70とガイドアーム30との当接を安定的に維持することができる。さらに、第1の接合部材61に対する先端部36の押し付け力を強めることができ、ガイドアーム30と第2の接合部材62との摺動抵抗を小さくすることができる。
ピン形状の先端部36の材質は、特に限定されるものではないが、レーザの照射による溶解や、接合部材に対する押し付けによる折れ、たわみ、磨耗等の破損が生じることを防止するために、高強度の鋼材等を用いることが望ましい。
ピン形状の先端部36の径寸法は、特に限定されるものではないが、引っかかり量wを増加させてより安定的に当接を維持させるためには、第1の接合部材61の厚さ寸法より十分小さな径寸法に形成することが望ましい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜改変することができる。
実施形態のレーザブレージング装置10にあっては、駆動手段13により、ろう材供給部16の移動に追従してレーザヘッド14が移動する構成となっている。例えば、レーザブレージング装置10に複数の駆動手段を設けることにより、レーザヘッド14、およびろう材供給部16がそれぞれ独立して移動する構成にすることも可能である。
ろう材18の材料は、実施形態において示されたものに限定されるものではなく、その他にも接合部材同士のレーザブレージング加工に用いられる公知の材料を用いることができる。
本発明のレーザブレージング装置は、ブレージング箇所近傍にガイドアームを当接させることが可能な規制部が存在し、ろう材供給部をブレージング箇所に沿って移動させるレーザブレージング加工に広く適用することができる。例えば、接合部材とは別体に設けられた専用の規制部により、ろう材供給部の移動軌跡をガイドするレーザブレージング加工に適用することも可能である。
図1(A)は、実施形態に係るレーザブレージング装置を簡略化して示す図であり、図1(B)は、図1(A)におけるブレージング箇所を拡大して示す図である。 図2(A)および(B)は、ガイドアームおよびガイドアームと規制部との当接を維持する維持手段を説明するための図である。 図3(A)および(B)は、ガイドアームの回動を補助する補助手段を説明するための図である。 レーザブレージング装置の作用を説明するための図である。 レーザブレージング装置の作用を説明するための図である。 レーザブレージング装置の作用を説明するための図である。 レーザブレージング装置によるブレージング加工方法の手順を説明するための斜視図である。 レーザブレージング装置によるブレージング加工方法の手順を説明するための斜視図である。 レーザブレージング装置によるブレージング加工方法の手順を説明するための斜視図である。 レーザブレージング装置によるブレージング加工方法の手順を説明するための斜視図である。 図11(A)および(B)は、レーザブレージング装置を適用するブレージング箇所の適用例を示す図である。 図12(A)および(B)は、レーザブレージング装置を適用するブレージング箇所の適用例を示す図である。 図13(A)および(B)は、変形例1に係るレーザブレージング装置の説明に供する固定用ブラケットの断面図である。 図14は、変形例2に係るレーザブレージング装置の説明に供する固定用ブラケットの断面図である。 図15(A)および(B)は、変形例3に係るレーザブレージング装置の説明に供するガイドアームの図であり、15(C)は、変形例3に係るレーザブレージング装置の対比例を示す図である。
符号の説明
10 レーザブレージング装置、
12 モータ、
13 駆動手段、
14 レーザヘッド、
15 ファイバケーブル、
16 ろう材供給部、
17 ノズル、
18 ろう材、
19 ろう材ケーブル、
20 アーム部、
30 ガイドアーム、
31 固定用ブラケット(ケーシング部材)、
32 回転軸、
33a、33b 貫通穴、
34 維持手段、
35 取付け部、
36 ガイドアームの先端部、
37 付勢手段、
40 補助手段、
41 屈曲部(補助手段)、
42a、42b ストッパ(補助手段)、
50 ブレージング箇所、
61 第1の接合部材(第1の接合板材)、
62 第2の接合部材(第2の接合板材)、
63 第3の接合部材、
70 規制部、
70a 第1の規制部、
70b、70c 第2の規制部、
80 硬化したろう材、
r 可動範囲、
f 付勢力(当接させる方向の力)、
θ 傾斜角、
w 引っかかり量、
L レーザ光。

Claims (13)

  1. 複数の接合部材が接合されるブレージング箇所に対して接近離反移動自在に設けられるとともに、前記ブレージング箇所に沿って移動しつつ前記ブレージング箇所にろう材を供給するろう材供給部と、
    前記ろう材供給部に追従して移動しつつ前記ろう材供給部から供給される前記ろう材に対してレーザ光を照射するレーザヘッドと、
    前記ブレージング箇所に沿って移動する前記ろう材供給部の移動軌跡を規制する規制部と、
    前記ろう材供給部に設けられ、前記規制部に当接するガイドアームと、
    前記ろう材供給部が前記ブレージング箇所から離反移動するときに、前記規制部に対する前記ガイドアームの当接を前記ガイドアームの自重により維持する維持手段と、を有するレーザブレージング装置。
  2. 前記維持手段は、前記ガイドアームを前記ろう材供給部に回動自在に設けることによって構成される請求項1に記載のレーザブレージング装置。
  3. 前記ろう材供給部の接近離反移動に伴い前記ガイドアームを回動させるための補助手段がさらに設けられている請求項2に記載のレーザブレージング装置。
  4. 前記補助手段は、前記ガイドアームの先端部に屈曲部を設けることにより構成される請求項3に記載のレーザブレージング装置。
  5. 前記補助手段は、前記規制部に対する前記ガイドアームの傾斜を維持するストッパを前記ガイドアームに設けることにより構成される請求項3に記載のレーザブレージング装置。
  6. 前記補助手段は、前記ガイドアームの回動方向への可動範囲を規制して前記ガイドアームの傾斜を維持するストッパを、前記ガイドアームを前記ろう材供給部に回動自在に取り付けるケーシング部材に設けることにより構成される請求項3に記載のレーザブレージング装置。
  7. 前記補助手段は、前記ろう材供給部が前記ブレージング箇所に沿って移動する方向に対して反対方向に前記ガイドアームを回動させる請求項3〜6のいずれか1つに記載のレーザブレージング装置。
  8. 前記ろう材が過剰供給され、前記ろう材供給部の離反移動が生じたとき、前記維持手段が前記規制部に対する前記ガイドアームの当接を維持する請求項1〜7のいずれか1つに記載のレーザブレージング装置。
  9. 前記ガイドアームを前記規制部に対して当接させる方向の力を前記ガイドアームに付勢する付勢手段をさらに有する請求項1〜8のいずれか1つに記載のレーザブレージング装置。
  10. 前記ガイドアームは、ピン形状の先端部を有する請求項1〜9のいずれか1つに記載のレーザブレージング装置。
  11. 前記ブレージング箇所は、重ね合わせた第1の板材と第2の板材における重ね隅肉ブレージング部であり、前記規制部は、重ね隅肉ブレージングが行われる前記第1の板材の端部および前記第2の板材における前記第1の板材の端部と隣接する箇所から構成される請求項1〜10のいずれか1つに記載のレーザブレージング装置。
  12. 前記ろう材は、銅、鉄またはアルミニウムのいずれか1つである請求項1〜11のいずれか1つに記載のレーザブレージング装置。
  13. 複数の接合部材の接合部をブレージング箇所として接合するブレージング加工方法であって、
    複数の接合部材が接合される前記ブレージング箇所に対してろう材を供給するろう材供給部を接近移動させるとともに、前記ろう材供給部に設けられ、前記ろう材供給部の移動をガイドするガイドアームを前記ろう材供給部の移動軌跡を規制する規制部に当接させ、前記規制部に対する前記ろう材供給部の当接を維持しつつ前記ろう材供給部を前記ブレージング箇所に沿って移動させ、前記ろう材にレーザ光を照射するレーザヘッドを前記ろう材供給部に追従させて移動させるとともに、前記ブレージング箇所に供給された前記ろう材にレーザ光を照射してなり、
    前記ガイドアームの前記規制部に対する当接は、前記ガイドアームの自重により前記規制部との当接を維持する維持手段により維持されてなるレーザブレージング加工方法。
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