JP2009170819A - フルオレン誘導体、およびそれを含む有機電界発光素子 - Google Patents

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由之 戸谷
Takahiko Ochi
貴彦 越智
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Abstract

【課題】有機電界発光素子の、発光輝度や耐久性(寿命)を向上させること。
【解決手段】一対の電極間に発光層を含む機能層を挟持してなる有機電界発光素子であって、前記機能層の少なくとも一層は、一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含有する、有機電界発光素子。
【化1】
Figure 2009170819

【選択図】なし

Description

本発明は、フルオレン誘導体、およびそれを含む有機電界発光素子に関する。
電界発光現象を利用する電界発光素子は、液晶表示に比べて自発光型であるために視認性が高く、さらに高速な応答性が得られる。そのため、ディスプレイ等に使用すると鮮明な画像表示が可能となり、また、全固体型素子であるために耐衝撃性に優れている等の特徴を有している。そのため、近年、薄型ディスプレイ(液晶ディスプレイなど)のバックライト、あるいは平面光源などに広く使用されることが期待されている。
電界発光素子は発光層を構成する材料によって、無機電界発光素子と、有機電界発光素子とに大別することができる。無機電界発光素子は硫化亜鉛等の無機材料を用いた分散型電界発光素子である。この分散型電界発光素子の発光原理は、高電界を印加することにより加速された電子が、発光中心を衝突励起して発光させるという、いわゆる「衝突励起型発光」である。そのため、高い交流電圧で駆動させる必要があり、駆動回路が複雑であったり、また輝度が低いなどの課題を有している。
一方、有機電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子:有機EL素子)の発光原理は、電極から注入された電荷(正孔および電子)が有機化合物からなる発光層中で再結合して発光するという、いわゆる「注入型発光」であるため、低電圧駆動することが可能である(非特許文献1及び特許文献1)。また、有機化合物の分子設計を変更することによって、任意の発光色、特性を容易に変化させることが可能であるという利点もある。このため現在では、種々の材料や素子構成等が提案され、研究開発が活発化している。
その一方で、これまでに提案された材料を用いる有機電界発光素子には、依然として様々な問題・課題が残されている。例えば、駆動状態、あるいは非駆動状態にも関わらず、保存するだけで素子の機能が劣化して発光輝度が低下するという発光寿命上の問題が存在する。また、一般的に発光輝度がまだ低く、実用上充分ではない。
発光輝度を向上させる方法として、発光層にホスト材料としてトリス(8-キノリノラート)アルミニウム等を使用し、ゲスト化合物としてクマリン誘導体、ピラン誘導体を使用した有機電界発光素子(非特許文献2)、ゲスト化合物としてN,N−ジメチルキナクリドンを使用した有機電界発光素子(例えば、非特許文献3)、ゲスト化合物としてルブレンを使用した有機電界発光素子(例えば、非特許文献4)が提案されている。
一方、近年、有機EL素子の発光層に蛍光材料の他に、燐光材料を利用することが提案されている(非特許文献5、非特許文献6)。通常の有機電界発光は、有機分子が電場から注入されたキャリア電子及び正孔の再結合により励起状態を形成し、さらに基底状態に落ちるときに生じる。この場合、励起された有機分子は、高いエネルギーの励起一重項状態(電子が逆スピン)と、低いエネルギーの励起三重項状態(電子が同スピン)をとる。一般に燐光の発光過程は、基底状態から一重項励起状態に有機分子が励起され;続いて一重項励起状態から三重項励起状態へ項間交差(intersystem crossing)と呼ばれる無放射遷移が起こり;さらに三重項励起状態から基底状態に落ちるときに、発光が起こる。
有機電界発光素子の発光に、有機燐光発光物質の一重項励起状態と三重項励起状態とを利用すれば、高い発光効率が達成されると予想されている。有機電界発光素子内で電子と正孔が再結合する際には、スピン多重度の違いから、一重項励起子と三重項励起子とが3:1の割合で生成すると考えられている。そのため、三重項励起状態を利用すれば、蛍光を使った素子の3倍の発光効率が達成されると考えられるからである。
そのため近年、燐光発光を用いた有機電界発光素子の発光効率および耐久性を向上させる目的で、有機発光層のホスト材料や、発光層燐接材料の改良が盛んに行われている。
例えば、燐光発光を用いた有機電界発光素子の発光層のホスト材料として、4,4’-ビス(N-カルバゾリル)-1,1'-ビフェニル(CBP)や、1,3-ビス(N-カルバゾリル)ベンゼン(m-CP)に代表されるカルバゾール誘導体がよく知られているが、いずれも、十分な性能を有しているとは言い難く、さらなる高効率化および耐久性の向上が望まれている(例えば、特許文献2及び3参照)。
Appl.Phys.Lett.,51,913(1987) J.Appl.Phys.,65,3610(1989) Appl.Phys.Lett.,70,1665(1997) Jpn.J.Appl.Phys.,34,L824(1995) Appl.Phys.Lett.,74,442(1999) Appl.Phys.Lett.,75,4(1999) 特開昭63−264692号公報 国際公開第03/80760号パンフレット 国際公開第04/74399号パンフレット
本発明は、有機電界発光素子、特に発光層に燐光材料を含有する、燐光発光材料を利用する有機電界発光素子の、発光輝度や耐久性(寿命)を向上させることを目的とする。さらに、本発明は、新規な化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、種々の化合物を開発して、それを機能層に含有させた有機電界発光素子に関して鋭意検討を行った。その結果、特定の化合物を機能層に含む有機電界発光素子の発光輝度、耐久性(寿命)などが向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明の第一は、以下に示す化合物に関する。
[1] 一般式(1)で表される化合物。
Figure 2009170819
〔式(1)において、
は、アルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン基、あるいは式(2)で表される2価の有機基を表し(但し、置換または未置換のメチレン基は除く)、
およびRは、それぞれ独立に、直鎖、分岐または環状のアルキル基、あるいは芳香族炭化水素基を表し、
〜Zは、それぞれ独立に、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアミノ基を表し、
a、b、cおよびdは、それぞれ独立に0〜4の整数を表し、a、b、cまたはdが2以上の場合には、複数のZ,Z,ZまたはZは、互いに同一であっても異なっていてもよく、
式(2)において、
ArおよびArは、それぞれ独立に、アリーレン基を表し、
Xは、酸素原子、硫黄原子、またはN−R’を表し、
R'は、アルキル基またはアリール基を表す〕
さらに本発明の第二は、以下に示す有機電界発光素子に関する。
[2] 一対の電極間に、少なくとも発光層を含む層を狭持してなる有機電界発光素子であって、前記一対の電極間に狭持される層のいずれかの層は、[1]に記載の化合物の少なくとも一種を含有する、有機電界発光素子。
[3] 前記発光層が、燐光発光材料を含有する、[2]に記載の有機電界発光素子。
本発明により、新規なフルオレン誘導体が提供される。また、それを用いて、発光輝度や耐久性(寿命)などが改良された有機電界発光素子を提供することが可能になる。
1.フルオレン誘導体
本発明の第1は、一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2009170819
一般式(1)におけるLは、アルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン基、あるいは一般式(2)で示される2価の有機基(後述)を表す(但し、置換または未置換のメチレン基は除く)。
が示すアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基は、無置換であってもよいが、1または2以上の置換基を有していてもよい。アルキレン基の総炭素数は2〜12であることが好ましく、アリーレン基の総炭素数は6〜24であることが好ましく、アラルキレン基の総炭素数は7〜25であることが好ましい。
が示すアルキレン基の具体例には、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2,3−ブチレン基、2−メチル−2,3−ブチレン基、2,3−ジメチル−2,3−ブチレン基、1,3−ブチレン基、1,4−ブチレン基、2,2−ジメチル−1,3−ブチレン基、2,2,3−トリメチル−1,3−ブチレン基、2,4−ペンチレン基、2,4−ジメチルペンチレン基、2,4,3,3−テトラメチル−2,4−ペンチレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキレン基、1,2−シクロペンチレン基(トランスでもシスでもよい)、1,3−シクロペンチレン基(トランスでもシスでもよい)、1,2−シクロヘキレン基(トランスでもシスでもよい)、1,3−シクロヘキシレン基(トランスでもシスでもよい)、1,4−シクロヘキシレン基(トランスでもシスでもよい)、1,4−(ビスメチレン)シクロヘキサン基などが含まれる。
が示すアリーレン基の具体例には、1,2−フェニレン基、4−tert-ブチル−1,2−フェニレン基、4−フェニル−1,2−フェニレン基、4,5−ジメチル−1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基などが含まれる。
が示すアラルキレン基の具体例には、ベンジレン基、αーメチルベンジレン基、α,αージメチルベンジレン基、フェネチレン基、キシリレン基(オルト、メタ、パラのいずれでもよい)、α,α,α',α'ーテトラメチルキシリレン基(オルト、メタ、パラのいずれでもよい)4,4’−ビス(メチレン)−1,1’−ビフェニル基、4,4’ビス(メチレン)−1,1’−ジフェニルエーテル基などが含まれる。
は、一般式(2)で示される2価の有機基であってもよい。
Figure 2009170819
一般式(2)におけるArおよびArは、それぞれ独立してアリーレン基を表す。ArおよびArが示すアリーレン基の具体例は、Lで例示したアリーレン基と同様である。また、一般式(2)におけるXは、酸素原子、硫黄原子、N−R'を表す。R'は、アルキル基またはアリール基を表す。R'のアルキル基の例は、後述のRおよびRで例示するアルキル基と同様である。R'のアリール基の例は、後述のRおよびRで例示する芳香族炭化水素基や、Z〜Zで例示する複素環式芳香族基と同様である。
一般式(1)におけるRおよびRは、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、または芳香族炭化水素基を表す。アルキル基は、炭素数1〜16の直鎖、分岐または環状のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状のアルキル基であることが好ましい。芳香族炭化水素基は、フェニル基、ナフチル基、アントリル基などである。芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。
およびRが示すアルキル基の例には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec −ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
およびRが示す芳香族炭化水素基の例には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−アントリル基、9−アントリル基、2−フルオレニル基などが含まれる。
およびRが示す芳香族炭化水素基のうち、フェニル基の例には、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、2−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−sec −ブチルフェニル基、2−sec −ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−イソペンチルフェニル基、2−ネオペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−(2’−エチルブチル)フェニル基、4−n−ヘプチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−(2’−エチルヘキシル)フェニル基、4−tert−オクチルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−n−テトラデシルフェニル基、4−シクロペンチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニル基、4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、4,6−ジ−tert−ブチル−2−メチルフェニル基、5−tert−ブチル−2−メチルフェニル基、4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、3−n−プロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、2−イソプロポキシフェニル基、4−n−ブトキシフェニル基、4−イソブトキシフェニル基、2−sec −ブトキシフェニル基、4−n−ペンチルオキシフェニル基、4−イソペンチルオキシフェニル基、2−イソペンチルオキシフェニル基、4−ネオペンチルオキシフェニル基、2−ネオペンチルオキシフェニル基、4−n−ヘキシルオキシフェニル基、2−(2’−エチルブチル)オキシフェニル基、4−n−オクチルオキシフェニル基、4−n−デシルオキシフェニル基、4−n−ドデシルオキシフェニル基、4−n−テトラデシルオキシフェニル基、4−シクロヘキシルオキシフェニル基、2−シクロヘキシルオキシフェニル基、2−メチル−4−メトキシフェニル基、2−メチル−5−メトキシフェニル基、3−メチル−5−メトキシフェニル基、3−エチル−5−メトキシフェニル基、2−メトキシ−4−メチルフェニル基、3−メトキシ−4−メチルフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,5−ジエトキシフェニル基、3,5−ジ−n−ブトキシフェニル基、2−メトキシ−4−エトキシフェニル基、2−メトキシ−6−エトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、4−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、2−フェニルフェニル基、4−(4’−メチルフェニル)フェニル基、4−(3’−メチルフェニル)フェニル基、4−(4’−メトキシフェニル)フェニル基、4−(4’−n−ブトキシフェニル)フェニル基、2−(2’−メトキシフェニル)フェニル基、4−(4’−クロロフェニル)フェニル基、3−メチル−4−フェニルフェニル基、3−メトキシ−4−フェニルフェニル基、4−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ブロモフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,5−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2−フルオロ−4−メチルフェニル基、2−フルオロ−5−メチルフェニル基、3−フルオロ−2−メチルフェニル基、3−フルオロ−4−メチルフェニル基、2−メチル−4−フルオロフェニル基、2−メチル−5−フルオロフェニル基、3−メチル−4−フルオロフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、2−クロロ−5−メチルフェニル基、2−クロロ−6−メチルフェニル基、2−メチル−3−クロロフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、3−メチル−4−クロロフェニル基、2−クロロ−4,6−ジメチルフェニル基、2−メトキシ−4−フルオロフェニル基、2−フルオロ−4−メトキシフェニル基、2−フルオロ−4−エトキシフェニル基、2−フルオロ−6−メトキシフェニル基、3−フルオロ−4−エトキシフェニル基、3−クロロ−4−メトキシフェニル基、2−メトキシ−5−クロロフェニル基、3−メトキシ−6−クロロフェニル基、5−クロロ−2,4−ジメトキシフェニル基などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
およびRが示す芳香族炭化水素基のうち、フェニル基以外の例には、4−エチル−1−ナフチル基、6−n−ブチル−2−ナフチル基、9−メチル−2−フルオレニル基、9−エチル−2−フルオレニル基、9−n−ヘキシル−2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、9,9−ジエチル−2−フルオレニル基、9,9−ジ−n−プロピル−2−フルオレニル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、4−n−ブトキシ−1−ナフチル基、5−エトキシ−1−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、6−エトキシ−2−ナフチル基、6−n−ブトキシ−2−ナフチル基、6−n−ヘキシルオキシ−2−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基、7−n−ブトキシ−2−ナフチル基、9−フェニル−2−フルオレニル基、4−クロロ−1−ナフチル基、4−クロロ−2−ナフチル基、6−ブロモ−2−ナフチル基、2,4−ジクロロ−1−ナフチル基、1,6−ジクロロ−2−ナフチル基などが含まれるが、これらに限定されない。
一般式(1)におけるZ〜Zは、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、置換または未置換のアリール基あるいは置換または無置換のアミノ基を表す。
〜Zは、炭素数1〜16の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、炭素数4〜20の置換または未置換のアリール基あるいは無置換または炭素数1〜50の置換のアミノ基であることが好ましく、炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、炭素数6〜12の置換または未置換のアリール基あるいは無置換または炭素数1〜50の置換のアミノ基であることがより好ましい。
〜Zが示すアルキル基の具体例は、RおよびRで例示したアルキル基と同様である。
〜Zが示すアルコキシ基の具体例は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec −ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−エチルブトキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
〜Zが示すアリール基は、フェニル基、ナフチル基、アントリル基などの炭素環式芳香族基、またはフリル基、チエニル基、ピリジル基などの複素環式芳香族基のいずれでもよい。
〜Zは、未置換であるか、あるいはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、またはアリール基などで単置換または多置換されている、総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基であることが好ましく、未置換であるか、あるいはハロゲン原子、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数1〜14のアルコキシ基、または炭素数6〜10のアリール基で単置換または多置換されている、総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基であることがより好ましく、未置換であるか、あるいはハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、または炭素数6〜10のアリール基で単置換あるいは多置換されている、総炭素数6〜16の炭素環式芳香族基であることがさらに好ましい。
〜Zが示すアリール基のうち、炭素環式芳香族基の具体例は、RおよびRで例示された芳香族炭化水素基と同様である。Z〜Zが示すアリール基のうち、複素環式芳香族基の具体例には、4−キノリル基、4−ピリジル基、3−ピリジル基、2−ピリジル基、3−フリル基、2−フリル基、3−チエニル基、2−チエニル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、などが含まれる。
〜Zが示すアミノ基の具体例には、アミノ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−n−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−n−ブチルアミノ基、N−イソブチルアミノ基、N−sec−ブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、N−n−ペンチルアミノ基、N−シクロペンチルアミノ基、N−n−ヘキシルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−フェネチルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−(1−ナフチル)アミノ基、N−(2−ナフチル)アミノ基、N−(4−フェニルフェニル)アミノ基、N−(3−フェニルフェニル)アミノ基、N−(2−フェニルフェニル)アミノ基、N−(4−メチルフェニル)アミノ基、N−(2−メチルフェニル)アミノ基、N−(2−アントラニル)アミノ基、N−(9−アントラニル)アミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジ−n−プロピルアミノ基、N,N−ジ−イソプロピルアミノ基、N,N−ジ−n−ブチルアミノ基、N,N−ジ−イソブチルアミノ基、N,N−ジ−sec−ブチルアミノ基、N,N−ジ−n−ペンチルアミノ基、N,N−ジシクロペンチルアミノ基、N,N−ジシクロヘキシルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、N,N−ジフェネチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基、N−メチル−N−n−プロピルアミノ基、N−メチル−N−イソプロピルアミノ基、N−メチル−N−n−ブチルアミノ基、N−メチル−N−tert−ブチルアミノ基、N−メチル−N−シクロペンチルアミノ基、N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ基、N−メチル−N−ベンジルアミノ基、N−メチル−N−フェネチルアミノ基、N−エチル−N−tert−ブチルアミノ基、N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ基、N−エチル−N−ベンジルアミノ基、N−イソプロピル−N−シクロペンチルアミノ基、N−イソプロピル−N−シクロヘキシルアミノ基、N−イソプロピル−N−ベンジルアミノ基、N−tert−ブチルーN−シクロヘキシルアミノ基、N−tert−ブチル−N−ベンジルアミノ基、N−シクロペンチル−N−ベンジルアミノ基、N−シクロヘキシル−N−ベンジルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−フェニル−N−(4−メチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(3−メチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−メチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−メトキシフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(3−メトキシフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−メトキシフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(1−ナフチル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−ナフチル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−フェニル−1−ナフチル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−フェニルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(3−フェニルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−フェニルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−シクロヘキシルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(3−シクロヘキシルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−シクロヘキシルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−〔4−(2'−ピリジニル)フェニル〕アミノ基、N−フェニル−N−〔4−(4'−ピリジニル)フェニル〕アミノ基、N−フェニル−N−(4−フェノキシフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(3−フェノキシフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(9−フェナントレニル)アミノ基、N−フェニル−N−(9−フェニル−10−フェナントレニル)アミノ基、N−フェニル−N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ基、N−フェニル−N−(2'−ピリジニル)アミノ基、N−フェニル−N−(3'−ピリジニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4'−ピリジニル)アミノ基、N−(1−ナフチル)−N−(4'−フェニルフェニル)アミノ基、N−(1−ナフチル)−N−(3'−フェニルフェニル)アミノ基、N−(1−ナフチル)−N−(2'−フェニルフェニル)アミノ基、N−(2−ナフチル)−N−(4'−フェニルフェニル)アミノ基、N−(2−ナフチル)−N−(3'−フェニルフェニル)アミノ基、N−(2−ナフチル)−N−(2'−フェニルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−メチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(3−メチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(2−メチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−メトキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(3−メトキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(2−メトキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(1−ナフチル)アミノ基、N,N−ジ(2−ナフチル)アミノ基、N−(1−ナフチル)−N−(2−ナフチル)アミノ基、N,N−ジ(4−フェニルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(3−フェニルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(2−フェニルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−シクロヘキシルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(3−シクロヘキシルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(2−シクロヘキシルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−フェノキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(3−フェノキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(9−フェナントリル)アミノ基などが含まれる。
〜Zが示すアミノ基は環状アミノ基であってもよく、環状アミノ基の例には、N−カルバゾリル基、3,6−ジメチル−N−カルバゾリル基、3,6−ジフェニル−N−カルバゾリル基、3,6−ビス(N,N−ジフェニルアミノ)−N−カルバゾリル基、3,6−ビス〔N−フェニル−N−(1'−ナフチル)アミノ〕−N−カルバゾリル基、3,6−ビス〔N−フェニル−N−(4'−フェニルフェニル)アミノ〕−N−カルバゾリル基、3,6−ビス〔N−カルバゾリル〕−N−カルバゾリル基、3−(N,N−ジフェニルアミノ)−N−カルバゾリル基、3−(N,N−ジフェニルアミノ)−6−フェニル−N−カルバゾリル基、3−〔N−フェニル−N−(1'−ナフチル)アミノ〕−N−カルバゾリル基、1,8−ジフェニル−3,6−ビス(N,N−ジフェニルアミノ)−N−カルバゾリル基、3−(N,N−ジフェニルアミノ)−6−〔N−フェニル−N−(1'−ナフチル)アミノ〕カルバゾリル基、N−フェノチアジニル基、N−フェノキサジニル基などが含まれる。
a、b、cおよびdは、それぞれ独立に0〜4の整数を表し、好ましくは、0または1を表し、より好ましくは0を表す。
一般式(1)で表される化合物は、Lがアルキレン基である化合物(1−1)、アリーレン基である化合物(1−2)、アラルキレン基である化合物(1−3)、および式(2)で示される2価の置換基である化合物(1−4)に大別されうる。
がアルキレン基である化合物(1−1)の例を示す。
Figure 2009170819
がアリーレン基である化合物(1−2)の例を示す。
Figure 2009170819
がアラルキレン基である化合物(1−3)の具体例を示す。
Figure 2009170819
が式(2)で示される2価の置換基である化合物(1−4)の具体例を示す。(1−4B)において、Rは例えばフェニル基などである。
Figure 2009170819
一般式(1)において、RおよびRは、例えば、アルキルまたは、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。また、一般式(1)において、フルオレニル基の芳香族炭素のすべてに水素原子が結合していてもよい(a=b=c=d=0)が、下記式に示されるように、それぞれのフルオレニル基の2位および/または7位に置換基を有していてもよい。
Figure 2009170819
上記式において、Z=Z=Z=Z=フェニル基、Z=Z=Z=Z=ビフェニル基、あるいはZ=Z=フェニル基かつZ=Z=ジフェニルアミノ基であることが好ましい。
Figure 2009170819
上記式において、Z=Z=ジフェニルアミノ基、Z=Z=Nカルバリル基で、あるいはZ=Z=フェニル基であることが好ましい。
化合物製造方法
一般式(1)で表される化合物は、例えば、以下に示す製造方法により製造することができる。
Figure 2009170819
〔式中、RおよびR、Z〜Z、a〜d、ならびにLは、一般式(1)のそれと同様に定義される。XおよびXは、ハロゲン原子を表す。L’は、ヒドロキシ基またはハロゲン原子を表す〕
がアルキリデンまたはアラルキリデン基である一般式(1)で表される化合物は、フルオレン化合物(A)および(A')と、化合物(B)を、塩基〔例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム〕の存在下で反応させて製造することができる。
がアリーレン基である一般式(1)で表される化合物は、フルオレン化合物(D)および(D')と、化合物(E)を触媒の存在下で反応させて製造することができる。触媒の例には、塩酸、p-トルエンスルホン酸などの酸触媒、またはランタノイド系触媒〔La(OTf)など〕が含まれる。
2.有機電界発光素子
次に、本発明の有機電界発光素子ついて説明する。
本発明の有機電界発光素子は、一対の電極(陽極と陰極)間に、少なくとも発光層を含む機能層を挟持する。機能層には、発光層に使用する化合物の正孔注入および正孔輸送、電子注入および電子輸送の各機能レベルを考慮し、所望に応じて、正孔注入成分を含有する正孔注入輸送層および/または電子注入輸送成分を含有する電子注入輸送層などの電荷注入輸送層が含まれていてもよい。機能層に含まれる層のうちの少なくとも一層に、一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種が含まれる。
発光層に含まれる化合物の正孔注入機能や正孔輸送機能が良好な場合には、発光層自体が正孔注入輸送層としての機能を発揮する。また、発光層に含まれる化合物の電子注入機能、電子輸送機能が良好な場合には、発光層自体が電子注入輸送層としての機能を発揮する。したがって、発光層に正孔注入輸送層および電子注入輸送層としての機能を付与して、「一層型」の素子構成とすることもできる。
一方、発光層に含まれる化合物の正孔注入機能や正孔輸送機能が充分でない場合には、発光層の陽極側に正孔注入輸送層を設けた「二層型」の素子構成とすることができ;発光層に含まれる化合物の電子注入機能や電子輸送機能が充分でない場合には、発光層の陰極側に電子注入輸送層を設けた「二層型」の素子構成とすることができる。さらに、発光層を、正孔注入輸送層と電子注入輸送層で挟み込んだ「三層型」の素子構成とすることもできる。
また、正孔注入輸送層、電子注入輸送層および発光層のそれぞれの層は、一層構造であっても多層構造であってもよい。例えば、正孔注入輸送層および電子注入輸送層のそれぞれは、注入機能を有する層と輸送機能を有する層とに分けてもよい。
本発明の有機電界発光素子において、一般式(1)で表される化合物は、電荷注入輸送層(正孔注入輸送層および電子注入輸送層の一方または両方)、および/または発光層に含まれていることが好ましく、発光層に含まれていることがより好ましい。本発明の有機電界発光素子の機能層に含まれる一般式(1)で表される化合物は、一種単独であってもよく、複数種であってもよい。
より具体的に、本発明の有機発光素子の構造の例が図1〜図8に示されるが、特にこれらに限定されるわけではない。
図1には、基板1/陽極2/正孔注入輸送層3/発光層4/電子注入輸送層5/陰極6と、電源7を含む素子(EL−1)が;図2には、基板1/陽極2/正孔注入輸送層3/発光層4/陰極6と、電源7を含む素子(EL−2)が;図3には、基板1/陽極2/発光層4/電子注入輸送層5/陰極6と、電源7を含む素子(EL−3)が;図4には、基板1/陽極2/発光層4/陰極型6と、電源7を含む素子(EL−4)が示される。
図5Aには、基板1/陽極2/正孔注入層3’/正孔輸送層3”/発光層4/電子注入輸送層5/陰極6と、電源7を含む素子(EL−5A)が示される。
一方、図5Bには、基板1/陽極2/正孔注入輸送層3/発光層4/正孔阻止層(電子輸送層)5’/電子注入輸送層5/陰極6と、電源7を含む素子(EL−5B)が示される。
さらに、図5Cには、基板1/陽極2/正孔注入層3’/正孔輸送層3”/発光層4/正孔阻止層(電子輸送層)5’/電子注入輸送層5/陰極6と、電源7を含む素子(EL−5C)が示される。
また、図6〜図8には、EL−4に類似する素子が示される。つまり、図6には、正孔注入輸送成分3aと、発光成分4aと、電子注入成分5aとを混合させた発光層を一対の電極間に挟持させた型の素子(EL−6)が;図7には、正孔注入輸送成分3aと、発光成分4aとを混合させた発光層を、一対の電極間に挟持させた型の素子(EL−7)が;図8には、発光層として発光成分4aと、電子注入輸送成分5aを混合させた発光層を、一対の電極間に挟持させた型の素子(EL−8)が示される。
本発明の有機電界発光素子の好ましい素子構成は、(EL−1)型素子、(EL−2)型素子、(EL−3)型素子、(EL−5A)型素子、(EL−5B)型素子、(EL−5C)型素子、(EL−6)型素子または(EL−7)型素子であり、より好ましくは、(EL−1)型素子、(EL−2)型素子、(EL−5A)型素子、(EL−5B)型素子、(EL−5C)型素子または(EL−7)型素子である。
もちろん、本発明の有機電界発光素子の素子構成は、これらに限定されるものではない。それぞれの型の素子において、正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層をそれぞれ、複数設けてもよい。また、それぞれの型の素子において、正孔注入輸送層と発光層との間に、発光成分と正孔注入輸送成分の混合層を設けてもよく、電子注入輸送層と発光層との間に、発光成分と電子注入輸送成分の混合層を設けてもよい。
以下、本発明の有機電界発光素子の構成要素のそれぞれについて詳細に説明する。例として図1に示す(EL−1)型素子を参照する。(EL−1)型素子において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入輸送層、4は発光層、5は電子注入輸送層、6は陰極、7は電源を示す。
本発明の有機電界発光素子は、基板1に支持されていることが好ましい。基板は透明または半透明であることが好ましく、その材質は特に限定されない。基板の材質の例には、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどのガラス;およびポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの透明性高分子が含まれる。また基板は、半透明プラスチックシート、石英、透明セラミックスあるいはこれらを組み合わせた複合シートであってもよい。さらに、基板に、例えば、カラーフィルター膜、色変換膜、誘電体反射膜を組み合わせて、発光色をコントロールすることもできる。
陽極2の電極材料は、仕事関数の比較的大きい金属、合金または導電性化合物であることが好ましい。陽極の電極材料の例には、金、白金、銀、銅、コバルト、ニッケル、パラジウム、バナジウム、タングステン、酸化インジウム(In2O3)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛、ITO(インジウム・チン・オキサイド:Indium Tin Oxide)、ポリチオフェン、ポリピロールなどが含まれる。これらの電極材料は単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。陽極は、これらの電極材料を、蒸着法、スパッタリング法などの方法により、基板の上に成膜して形成することができる。
陽極は一層構造であってもよく、あるいは多層構造であってもよい。陽極のシート電気抵抗は、数百Ω/□以下であることが好ましく、5〜50Ω/□程度であることがより好ましい。陽極の厚みは、その電極材料の材質にもよるが、一般に約5〜1000nm、より好ましくは約10〜500nmに設定する。
正孔注入輸送層3には、陽極からの正孔(ホール)の注入を容易にする機能、および注入された正孔を輸送する機能を有する化合物を含有する層である。
本発明の電界発光素子の正孔注入輸送層は、一般式(1)で表される化合物、および他の正孔注入輸送機能を有する化合物のいずれか一方または両方を含有する。正孔注入輸送層に含まれる正孔注入輸送機能を有する化合物は、1種単独でもよく、または複数種でもよい。
一般式(1)で表される化合物以外の正孔注入輸送機能を有する化合物の例には、フタロシアニン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、オキサゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ-N-ビニルカルバゾールなどなどが含まれる。トリアリールアミン誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体がより好ましい。
一般式(1)で表される化合物以外の正孔注入輸送機能を有する化合物のうち、トリアリールアミン誘導体の例には、例えば、4,4'-ビス〔N-フェニル-N-(4''-メチルフェニル)アミノ〕-1,1'-ビフェニル、4,4'-ビス〔N-フェニル-N-(3''-メチルフェニル)アミノ〕-1,1'-ビフェニル、4,4'-ビス〔N-フェニル-N-(3''-メトキシフェニル)アミノ〕-1,1'-ビフェニル、4,4'-ビス〔N-フェニル-N-(1''-ナフチル)アミノ〕-1,1'-ビフェニル、3,3'-ジメチル-4,4'-ビス〔N-フェニル-N-(3''-メチルフェニル)アミノ〕-1,1'-ビフェニル、1,1-ビス〔4'-[N,N-ジ(4''-メチルフェニル)アミノ]フェニル〕シクロヘキサン、9,10-ビス〔N-(4'-メチルフェニル)-N-(4''-n-ブチルフェニル)アミノ〕フェナントレン、3,8-ビス(N,N-ジフェニルアミノ)-6-フェニルフェナントリジン、4-メチル-N,N-ビス〔4'',4'''-ビス[N',N'-ジ(4-メチルフェニル)アミノ]ビフェニル-4-イル〕アニリン、N,N'-ビス〔4-(ジフェニルアミノ)フェニル〕-N,N'-ジフェニル-1,3-ジアミノベンゼン、N,N'-ビス〔4-(ジフェニルアミノ)フェニル〕-N,N'-ジフェニル-1,4-ジアミノベンゼン、5,5''-ビス〔4-(ビス[4-メチルフェニル]アミノ〕フェニル-2,2':5',2''-ターチオフェン、1,3,5-トリス(ジフェニルアミノ)ベンゼン、4,4',4''-トリス(N-カルバゾリイル)トリフェニルアミン、4,4',4''-トリス〔N,N-ビス(4'''-tert-ブチルビフェニル-4''''-イル)アミノ〕トリフェニルアミン、1,3,5-トリス〔N-(4'-ジフェニルアミノ〕ベンゼンなどが含まれる。
一般式(1)で表される化合物と、他の正孔注入機能を有する化合物とを併用する場合、正孔注入輸送層中に占める一般式(1)で表される化合物の含有量は、好ましくは、0.1重量%以上、より好ましくは、0.5〜99.9重量%、さらに好ましくは3〜97重量%である。
発光層4は、正孔および電子の注入機能、それらの輸送機能、正孔と電子の再結合により励起子を生成させる機能を有する化合物を含有する層である。発光層は、一般式(1)で表される化合物および他の発光機能を有する化合物の一方または両方を含有することが好ましい。本発明の有機電界発光素子の発光層に、一般式(1)で表される化合物が含有されていることがより好ましい。発光層には、発光機能を有する化合物の1種または2種以上が含まれる。
一般式(1)で表される化合物以外の発光機能を有する化合物には、アクリドン誘導体、キナクリドン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、多環芳香族化合物〔例えば、ルブレン、アントラセン、テトラセン、ピレン、ペリレン、クリセン、デカサイクレン、コロネン、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、9,10-ジフェニルアントラセン、9,10-ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1,4-ビス(9'-エチニルアントセニル)ベンゼン、4,4'-ビス(9''-エチニルアントラセニル)ビフェニル、ジベンゾ[f,f]ジインデノ[1,2,3-cd:1',2',3'-lm]ペリレン誘導体〕、トリアリールアミン誘導体、有機金属錯体〔例えば、トリス(8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(10-ベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム、2-(2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾールの亜鉛塩、4-ヒドロキシアクリジンの亜鉛塩、3-ヒドロキシフラボンの亜鉛塩、5-ヒドロキシフラボンのベリリウム塩、5-ヒドロキシフラボンのアルミニウム塩〕、スチルベン誘導体〔例えば、1,1,4,4-テトラフェニル-1,3-ブタジエン、4,4'-ビス(2,2-ジフェニルビニル)ビフェニル、4,4'-ビス[(1,1,2-トリフェニル)エテニル]ビフェニル〕、クマリン誘導体(例えば、クマリン1、クマリン6、クマリン7、クマリン30、クマリン106、クマリン138、クマリン151、クマリン152、クマリン153、クマリン307、クマリン311、クマリン314、クマリン334、クマリン338、クマリン343、クマリン500)、ピラン誘導体(例えば、DCM1、DCM2)、アントラセン誘導体〔例えば、9,10-ビス(2'-ナフチル)アントラセン誘導体、9,10-ビス(1',1''-ビス-3'-ビフェニル)アントラセン誘導体〕、オキサゾン誘導体(例えば、ナイルレッド)、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ピラジン誘導体、ケイ皮酸エステル誘導体、ポリ-N-ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリフェニレンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリビフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリターフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリナフチレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体などが含まれる。
トリアリールアミン誘導体の例には、前述の正孔注入輸送機能を有する化合物として例示したトリアリールアミン誘導体が含まれる。
一般式(1)で表される化合物以外の発光機能を有する化合物は、アクリドン誘導体、キナクリドン誘導体、多環芳香族化合物、トリアリールアミン誘導体、有機金属錯体およびスチルベン誘導体が好ましく、多環芳香族化合物、トリアリールアミン誘導体、有機金属錯体であることがより好ましい。
発光層に、一般式(1)で表される化合物と、一般式(1)で表される化合物以外の発光機能を有する化合物の両方が含有される場合、発光層中に占める一般式(1)で表される化合物の割合は、60〜99.999重量%であることが好ましい。
また、本発明の有機電界発光素子の発光層には、一般式(1)で表される化合物以外の発光機能を有する化合物として、燐光(三重項発光)性発光材料が含まれることが好ましい。発光層に含まれる燐光発光材料は、1種類でも複数種類でもよい。
燐光発光材料は、例えば、下記一般式(a−1)または一般式(a−2)で表される化合物を挙げることができるが、特に限定されるものではない。
Figure 2009170819
一般式(a−1)において、
A1は、5員または6員の含窒素複素環を形成するための原子群を表し、
A2は、5員または6員の環状構造を形成するための原子群を表す。
M1は、m価の金属原子を表し、
LおよびL’は、M1に配位可能な原子を表し、LおよびL’の間の点線は結合を形成していてもよく、それぞれ分離していても良いことを表す。
は、1〜mの整数を表す〕
一般式(a−2)において、
V1〜V8は、水素原子、あるいはアルキル基またはアリール基を表し、
Y1〜Y4は、C−V9(ここでV9は水素原子または、アルキル基、あるいは、アリール基から選ばれる置換基を表す)、あるいは窒素原子を表す。
M2は、金属原子を表す〕
一般式(a-1)におけるMの例には、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金または金などが含まれる。
一般式(a-1)におけるAは、置換基を有していてもよい含窒素複素環基を形成する原子群を表す。形成される含窒素複素環基の例には、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジン基、トリアジン基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリン基、およびフェナントリレン基などが含まれる。
一般式(a-1)におけるAは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基を形成する原子群を表す。形成される芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基の例には、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、ピリジル基、キノリル基、およびイソキノリル基などが含まれる。
一般式(a-1)におけるA1およびA2が有していてもよい置換基の例には、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基;ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基などが含まれる。
一般式(a−1)および一般式(a−2)で表される燐光発光材料の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されるものではない。
Figure 2009170819
一般式(1)で表される化合物および/または一般式(1)で表される化合物以外の発光機能を有する化合物をホスト化合物として発光層を形成する場合、ホスト化合物に対する燐光発光材料の含有量は、0.001から40重量%であることが好ましく、0.01〜30重量%であることがより好ましく、0.1〜20重量%であることがさらに好ましい。
発光層に含まれる一般式(1)以外の発光機能を有する化合物の量は、一般式(1)で表される化合物に対して、通常は0.001〜40重量%であり、0.05〜30重量%であることが好ましく、0.1〜20重量%であることがより好ましい。
本発明の有機電界発光素子における電子注入輸送層は、発光層の陰極側に直接接触して配置されてもよく;また発光層の陰極側に電子輸送層(正孔阻止層)を介して配置されてもよい。
正孔阻止層としては、発光層に注入された正孔を発光層中に効率よく蓄積することを目的として、電子との再結合確立を向上させて、発光の高効率化を達成する。正孔阻止層に含まれる成分の例には、フェアントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、ビス(2-メチルキノリノラト)(4-フェニルフェノラート)アルミニウムなどが含まれる。
電子注入輸送層5は、陰極からの電子の注入を容易にする機能および/または注入された電子を輸送する機能を有する化合物を含有する。
電子注入輸送層5は、一般式(1)で表される化合物、および他の電子注入輸送機能を有する化合物の一方または両方を含む。また電子注入輸送層5には、電子注入機能を有する化合物の1種または2種以上が含まれている。
一般式(1)で表される化合物以外の電子注入輸送機能を有する化合物の例には、有機金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ペリレン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体などが含まれる。
有機金属錯体の例には、トリス(8-キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、ビス(10-ベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム等の有機ベリリウム錯体、5-ヒドロキシフラボンのベリリウム塩、5-ヒドロキシフラボンのアルミニウム塩等が含まれる。
電子注入輸送層5には、本発明の一般式(1)で表される化合物、または有機アルミニウム錯体が含まれることが好ましい。
有機アルミニウム錯体とは、置換または未置換の8-キノリノラート配位子を有する有機アルミニウム錯体であることが好ましい。置換または未置換の8-キノリラート配位子を有する有機アルミニウム錯体の例には、一般式(a)〜一般式(c)で表される化合物が含まれる。
(Q)−Al ・・・(a)
(式(a)において、Qは置換または未置換の8-キノリノラート配位子を表す)
(Q)−Al−O−L’ ・・・(b)
(式(b)において、Qは置換または未置換の8-キノリノラート配位子を表し、
O−L’はフェノラート配位子を表し、L’はフェニル基を有する炭素数6〜24の炭化水素基を表す)
(Q)−Al−O−Al−(Q) ・・・(c)
(式(c)において、Qは置換または未置換の8-キノリノラート配位子を表す)
置換または未置換の8-キノリノラート配位子を有する有機アルミニウム錯体の具体例には、トリス(8-キノリノラート)アルミニウム、トリス(4-メチル-8-キノリノラート)アルミニウム、トリス(5-メチル-8-キノリノラート)アルミニウム、トリス(3,4-ジメチル-8-キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,5-ジメチル-8-キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,6-ジメチル-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2-メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(3-メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(4-メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(3-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(4-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,3-ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,6-ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(3,4-ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(3,5-ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(3,5-ジ-tert-ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,6-ジフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,4,6-トリフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,4,6-トリメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,4,5,6-テトラメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(1-ナフトラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2-ナフトラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)(2-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)(3-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)(4-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)(3,5-ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)(3,5-ジ-tert-ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2-メチル-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-4-エチル-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2-メチル-4-エチル-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-4-メトキシ-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2-メチル-4-メトキシ-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-5-シアノ-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2-メチル-5-シアノ-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-5-トリフルオロメチル-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2-メチル-5-トリフルオロメチル-8-キノリノラート)アルミニウムなどが含まれる。
陰極6の電極材料は、比較的仕事関数の小さい金属、合金または導電性化合物であることが好ましい。陰極の電極材料の例には、例えば、リチウム、リチウム−インジウム合金、リチウムフルオライド、安息香酸リチウム、酢酸リチウム等の有機酸のリチウム塩、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、カルシウム、マグネシウム、マグネシウム−銀合金、マグネシム−インジウム合金、インジウム、ルテニウム、チタニウム、マンガン、イットリウム、アルミニウム、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−カルシウム合金、アルミニウム−マグネシウム合金、グラファイト薄などが含まれる。これらの電極材料を1種単独で使用してもよく、また複数種を併用してもよい。陰極は、これらの電極材料を、例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオン蒸着法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法により電子注入輸送層の上に成膜することにより形成することができる。
陰極は、一層構造であってもよく、多層構造であってもよい。陰極のシート電気抵抗は数百Ω/□以下とするのが好ましい。陰極の厚みは、使用する電極材料にもよるが、通常は5〜1000nmであり、10〜500nmであることが好ましい。
本発明の有機電界発光素子からの発光を効率よく取り出すために、陽極または陰極の少なくとも一方の電極は、透明ないし半透明であることが好ましい。一般に、発光光の透過率が70%以上となるように、陽極または陰極の材料、厚みを設定することが好ましい。
また、本発明の有機電界発光素子の正孔注入輸送層、発光層および電子注入輸送層のうちの少なくとも一層に、一重項酸素クエンチャーを含有していてもよい。一重項酸素クエンチャーが含有されている層は、好ましくは発光層または正孔注入輸送層であり、より好ましくは正孔注入輸送層である。正孔注入輸送層中に、一重項酸素クエンチャーを均一に含有させてもよく、正孔注入輸送層と隣接する層(例えば、発光層または発光機能を有する電子注入輸送層)の近傍に含有させてもよい。
一重項酸素クエンチャーの例には、ルブレン、ニッケル錯体、ジフェニルイソベンゾフランなど含まれ、好ましくはルブレンであるが、特に限定されるものではない。一重項酸素クエンチャーの含有量は、含有される層(例えば、正孔注入輸送層)を構成する全体量の0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜30重量%、より好ましくは0.1〜20重量%である。
正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層は、任意の方法で形成すればよく、特に限定されない。形成方法の例には、真空蒸着法、イオン化蒸着法、溶液塗布法(例えば、スピンコート法、キャスト法、デイップコート法、バーコート法、ロールコート法、ラングミュア・ブロジェット法、インクジェット法)などが含まれる。
真空蒸着法により、正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層等の各層を形成する場合には、通常、10−3Pa程度以下の真空下で、ボート温度(蒸着源温度)を約50〜500℃として、基板温度を約−50〜300℃として、蒸着速度を約0.005〜50nm/secとして実施することが好ましい。この場合、正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層等の層は、真空下で、連続して形成されることが好ましい。連続形成することにより、諸特性に優れた有機電界発光素子を製造することが可能となる。真空蒸着法により、正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層等の各層を、複数の化合物を使用して形成する場合、化合物を入れた各ボートを個別に温度制御して、蒸着することが好ましい。
溶液塗布法により各層を形成する場合、各層を形成する成分、および必要に応じてバインダー樹脂を、溶媒に溶解または分散させて塗布液とする。溶媒は、有機溶媒であっても、水であってもよい。有機溶媒の例には、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、1−メチルナフタレン等の炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸エチル等のエステル系溶媒;メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、アニソール等のエーテル系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、1-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒が含まれる。溶媒は単独で使用してもよく、また複数併用してもよい。
正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層の各層の成分を溶媒に分散させるには、例えば、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、アトライター、ホモジナイザーなどを使用して微粒子状に分散する方法を使用することができる。
正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層等の各層を形成するための塗布液に含まれるバインダー樹脂の例には、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアリーレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリパラキシレン、ポリエチレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテルスルホン、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体などの高分子化合物を挙げることができる。バインダー樹脂は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。
塗布液の固体成分濃度は特に限定されず、所望の厚みを得るために適した濃度範囲に設定する。通常は0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。
バインダー樹脂を使用する場合、塗布液におけるその含有量は特に限定されない。正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層等の各層を形成する成分の合計に対するバインダー樹脂の含有率は、通常は5〜99.9重量%であり、好ましくは10〜99重量%である。
正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層等の各層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常は5nm〜5μmである。
本発明の有機電界発光素子は、酸素や水分等との接触を防止する目的で、保護層(封止層)を有していてもよいし、また不活性物質中(例えば、パラフィン、流動パラフィン、シリコンオイル、フルオロカーボン油、ゼオライト含有フルオロカーボン油)に封入されて保護されてもよい。保護層の材料は、有機高分子材料であっても、無機材料であってもよい。有機高分子材料の例には、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、エポキシシリコーン樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリパラキシレン、ポリエチレン、ポリフェニレンオキサイドなどが含まれる。光硬化性樹脂であってもよい。無機材料の例には、ダイアモンド薄膜、アモルファスシリカ、電気絶縁性ガラス、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物が含まれる。
保護層に使用する材料は単独で使用してもよく、また複数併用してもよい。保護層は一層構造であってもよく、また多層構造であってもよい。
また、本発明の有機電界発光素子の電極に、保護膜として金属酸化物膜(例えば、酸化アルミニウム膜)、または金属フッ化膜を設けてもよい。本発明の有機電界発光素子の陽極の表面に、界面層(中間層)を設けてもよい。界面層の材質の例には、有機リン化合物、ポリシラン、芳香族アミン誘導体、フタロシアニン誘導体などが含まれる。さらに、電極(例えば、陽極)は、その表面を、酸、アンモニア/過酸化水素、あるいはプラズマで処理されていてもよい。
本発明の有機電界発光素子は、通常、直流駆動型の素子として使用することができるが、交流駆動型の素子としても使用することができる。本発明の有機電界発光素子は、セグメント型、単純マトリックス駆動型等のパッシブ駆動型であってもよく、TFT(薄膜トランジスタ)型、MIM(メタル−インスレーター−メタル)型等のアクティブ駆動型であってもよい。駆動電圧は通常、2〜30Vである。
本発明の有機電界発光素子は、パネル型光源(例えば、時計、液晶パネル等のバックライト)、照明装置(平面照明、特殊照明等)、各種の発光素子(例えば、LED等の発光素子の代替)、各種の表示素子〔例えば、情報表示素子(パソコンモニター、携帯電話・携帯端末用表示素子)〕、各種の標識、各種のセンサーなどに使用することができる。
[実施例1]
厚さ110nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、セミコクリーン(フルウチ化学製)、超純水、アセトン、イソプロパノールを用いて超音波洗浄した。この基板を窒素ガスにより乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定し、蒸着槽を1×10−5Paに減圧した。
先ず、ITO透明電極上に、ビス〔N−フェニル−N−(1−ナフチル)〕−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニルを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着し、膜厚40nmの正孔注入層を設けた。次に、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(以下、m−CPと略記する)を、蒸着速度0.1nm/secで蒸着し、膜厚10nmの正孔輸送層を設けた。
Figure 2009170819
正孔輸送層の上に、例示化合物A−1と、上記(a1−8)であるイリジウム錯体〔以下、Firpicと略記する〕を、それぞれ蒸着速度0.2nm/sec、0.016nm/secで蒸着して、膜厚25nmの発光層を設けた。
Figure 2009170819
Figure 2009170819
前記発光層の上に、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(以下、BPhenと略記する)を、蒸着速度0.1nm/secで蒸着して、膜厚15nmの正孔阻止層(電子輸送層)を設けた。前記正孔阻止層の上に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着して、厚さ25nmの電子輸送層を設けた。蒸着時の基板温度は室温であった。引き続き、リチウムフルオライドを、蒸着速度0.02nm/secで0.5nmの厚さに蒸着し、最後に陰極としてアルミニウムを蒸着速度2.0nm/secで100nmの厚さに蒸着して、有機電界発光素子を作製した。蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。
Figure 2009170819
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は6.1Vであり、輝度1300cd/mの青色の発光が確認された。輝度の半減期は2400時間であった。
[比較例1]
例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、下記のCBPの化合物を使用して発光層を形成したこと以外は、実施例1に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作製した。
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は6.9Vであり、輝度500cd/mの青色の発光が確認された。輝度の半減期は120時間であった。
Figure 2009170819
[実施例2]
例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、例示化合物A−2の化合物を使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作製した。
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は6.1Vであり、輝度1500cd/mの青色の発光が確認された。輝度の半減期は2100時間であった。
Figure 2009170819
[比較例2]
例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、下記のH−2の化合物を使用して発光層を形成したこと以外は、実施例1に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作製した。
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は7.4Vであり、輝度400cd/mの青色の発光が確認された。輝度の半減期は28時間であった。
Figure 2009170819
[実施例3]
厚さ110nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、セミコクリーン(フルウチ化学製)、超純水、アセトン、イソプロパノールを用いて超音波洗浄した。この基板を窒素ガスにより乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定し、蒸着槽を1×10−5Paに減圧した。
先ず、ITO透明電極上に、ビス〔N−フェニル−N−(1−ナフチル)〕−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニルを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着し、膜厚40nmの正孔注入層を設けた。次に、m−CPを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着し、膜厚10nmの正孔輸送層を設けた。
正孔輸送層の上に、例示化合物A−1と、上記(a1−1)であるトリス(フェニルピリジン)イリジウム錯体〔以下、Ir(ppy)と略記する〕を、それぞれ蒸着速度0.2nm/sec、0.016nm/secで蒸着して、膜厚25nmの発光層を設けた。
前記発光層の上に、BPhenを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着して、膜厚15nmの正孔阻止層(電子輸送層)を設けた。前記正孔阻止層の上に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着して、厚さ25nmの電子輸送層を設けた。蒸着時の基板温度は室温であった。引き続き、リチウムフルオライドを蒸着速度0.02nm/secで0.5nmの厚さに蒸着し、最後に陰極としてアルミニウムを蒸着速度2.0nm/secで100nmの厚さに蒸着して有機電界発光素子を作製した。蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は6.3Vであり、輝度2200cd/mの緑色の発光が確認された。輝度の半減期は4500時間であった。
[比較例3]
例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、CBPを使用して発光層を形成したこと以外は、実施例3に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作製した。
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は6.2Vであり、輝度1800cd/mの緑色の発光が確認された。輝度の半減期は600時間であった。
[実施例4]
例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、例示化合物A−3の化合物を使用した以外は、実施例3に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作製した。
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は6.7Vであり、輝度2400cd/mの緑色の発光が確認された。輝度の半減期は4000時間であった。
Figure 2009170819
[実施例5]
例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、例示化合物A−4の化合物を使用した以外は、実施例3に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作製した。
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は6.8Vであり、輝度2300cd/mの緑色の発光が確認された。輝度の半減期は4200時間であった。
Figure 2009170819
[実施例6]
厚さ110nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、セミコクリーン(フルウチ化学製)、超純水、アセトン、イソプロパノールを用いて超音波洗浄した。この基板を窒素ガスにより乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定し、蒸着槽を1×10−5Paに減圧した。
先ず、ITO透明電極上に、銅フタロシアニンを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着し、膜厚10nmの正孔注入層を成膜した。ビス〔N−フェニル−N−(1−ナフチル)〕−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニルを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着し、膜厚30nmの正孔注入層を設けた。次に、m−CPを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着し、膜厚10nmの正孔輸送層を設けた。
正孔輸送層の上に、例示化合物A−5と、Ir(ppy)を、それぞれ蒸着速度0.2nm/sec、0.016nm/secで蒸着して、膜厚25nmの発光層を設けた。
Figure 2009170819
記発光層の上に、BPhenを、蒸着速度0.1nm/secで前蒸着して、膜厚15nmの正孔阻止層(電子輸送層)を設けた。前記正孔阻止層の上に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着して、厚さ25nmの電子輸送層を設けた。蒸着時の基板温度は室温であった。引き続き、リチウムフルオライドを蒸着速度0.02nm/secで0.5nmの厚さに蒸着し、最後に陰極としてアルミニウムを蒸着速度2.0nm/secで100nmの厚さに蒸着して、有機電界発光素子を作製した。蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は6.1Vであり、輝度2600cd/mの緑色の発光が確認された。輝度の半減期は4100時間であった。
[実施例7]
例示化合物A−5の化合物を使用する代わりに、例示化合物A−6の化合物を使用した以外は、実施例6に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作製した。
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は6.5Vであり、輝度2300cd/mの緑色の発光が確認された。輝度の半減期は3800時間であった。
Figure 2009170819
[実施例8]
例示化合物A−5の化合物を使用する代わりに、例示化合物A−7の化合物を使用した以外は、実施例6に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作製した。
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は6.4Vであり、輝度2200cd/mの緑色の発光が確認された。輝度の半減期は4100時間であった。
Figure 2009170819
[実施例9]
厚さ80nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、セミコクリーン(フルウチ化学製)、超純水、アセトン、イソプロパノールを用いて超音波洗浄した。この基板を窒素ガスにより乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定し、蒸着槽を1×10−5Paに減圧した。
先ず、ITO透明電極上に、銅フタロシアニンを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着し、膜厚10nmの正孔注入層を成膜した。ビス〔N−フェニル−N−(1−ナフチル)〕−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニルを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着し、膜厚30nmの正孔注入層を設けた。次に、m−CPを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着し、膜厚10nmの正孔輸送層を設けた。
正孔輸送層の上に、例示化合物A−4と、上記(a2−1)で表される燐光発光材料を、それぞれ蒸着速度0.2nm/sec、0.009nm/secで蒸着して、膜厚25nmの発光層を設けた。
前記発光層の上に、ビス(2−メチルキノリノラト)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム(BAlq)を、蒸着速度0.1nm/secで蒸着して、膜厚15nmの正孔阻止層(電子輸送層)を設けた。前記正孔阻止層の上に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着して、厚さ25nmの電子輸送層を設けた。蒸着時の基板温度は室温であった。引き続き、リチウムフルオライドを蒸着速度0.02nm/secで0.5nmの厚さに蒸着し、最後に陰極としてアルミニウムを蒸着速度2.0nm/secで100nmの厚さに蒸着して有機電界発光素子を作製した。蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。
Figure 2009170819
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は5.8Vであり、輝度1200cd/mの赤色の発光が確認された。輝度の半減期は2800時間であった。
[実施例10]
例示化合物A−4の化合物を使用する代わりに、例示化合物A−8の化合物を使用した以外は、実施例9に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作製した。
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は5.6Vであり、輝度1200cd/mの赤色の発光が確認された。輝度の半減期は3100時間であった。
Figure 2009170819
[比較例4]
例示化合物A−4の化合物を使用する代わりに、BAlqを使用して発光層を形成したこと以外は、実施例9に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作製した。
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は6.3Vであり、輝度700cd/mの赤色の発光が確認された。輝度の半減期は1200時間であった。
[実施例11]
例示化合物A−4の化合物を使用する代わりに、例示化合物A−2の化合物を使用した以外は、実施例9に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作製した。
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は5.4Vであり、輝度1100cd/mの赤色の発光が確認された。輝度の半減期は3200時間であった。
[実施例12]
厚さ110nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、セミコクリーン(フルウチ化学製)、超純水、アセトン、イソプロパノールを用いて超音波洗浄した。この基板を窒素ガスにより乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定し、蒸着槽を1×10−5Paに減圧した。
先ず、ITO透明電極上に、ビス〔N−フェニル−N−(1−ナフチル)〕−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニルを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着し、膜厚40nmの正孔注入層を設けた。次に、m−CPを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着し、膜厚10nmの正孔輸送層を設けた。
正孔輸送層の上に、上記CBPと、上記(a1−1)であるIr(ppy)を、それぞれ蒸着速度0.2nm/sec、0.016nm/secで蒸着して、膜厚25nmの発光層を設けた。
前記発光層の上に、例示化合物A−7を、蒸着速度0.1nm/secで蒸着して、膜厚15nmの正孔阻止層(電子輸送層)を設けた。さらに前記正孔阻止層の上に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムを、蒸着速度0.1nm/secで蒸着して、厚さ25nmの電子輸送層を設けた。蒸着時の基板温度は室温であった。引き続き、リチウムフルオライドを蒸着速度0.02nm/secで0.5nmの厚さに蒸着し、最後に陰極としてアルミニウムを蒸着速度2.0nm/secで100nmの厚さに蒸着して、有機電界発光素子を作製した。蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は6.2Vであり、輝度2100cd/mの緑色の発光が確認された。輝度の半減期は900時間であった。
本発明により、有機電界発光素子に適した優れた化合物、および化合物を使用した、発光効率が高く、安定性、耐久性に優れた有機電界発光素子を提供することが可能になった。
有機電界発光素子の層構造の一例を示す概略図である。 有機電界発光素子の層構造の一例を示す概略図である。 有機電界発光素子の層構造の一例を示す概略図である。 有機電界発光素子の層構造の一例を示す概略図である。 有機電界発光素子の層構造の一例を示す概略図である。 有機電界発光素子の層構造の一例を示す概略図である。 有機電界発光素子の層構造の一例を示す概略図である。 有機電界発光素子の層構造の一例を示す概略図である。 有機電界発光素子の層構造の一例を示す概略図である。 有機電界発光素子の層構造の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 正孔注入輸送層
3’ 正孔注入層
3” 正孔輸送層
3a 正孔注入輸送成分
4 発光層
4a 発光成分
5 電子注入輸送層
5’ 正孔阻止層(電子輸送層)
5a 電子注入輸送成分
6 陰極
7 電源

Claims (8)

  1. 一対の電極間に発光層を含む機能層を挟持してなる有機電界発光素子であって、
    前記機能層の少なくとも一層は、一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含有する、有機電界発光素子。
    Figure 2009170819
    〔式(1)において、
    は、アルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン基、あるいは式(2)で表される2価の有機基を表し(但し、置換または未置換のメチレン基は除く)、
    およびRは、それぞれ独立に、直鎖、分岐または環状のアルキル基、あるいは芳香族炭化水素基を表し、
    〜Zは、それぞれ独立に、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアミノ基を表し、
    a、b、cおよびdは、それぞれ独立に0〜4の整数を表し、a、b、cまたはdが2以上の場合には、複数のZ,Z,ZまたはZは、互いに同一であっても異なっていてもよく、
    式(2)において、
    ArおよびArは、それぞれ独立に、アリーレン基を表し、
    Xは、酸素原子、硫黄原子、またはN−R’を表し、
    R'は、アルキル基またはアリール基を表す〕
  2. 一般式(1)で表される化合物を含有する層が発光層である、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 一般式(1)で表される化合物を含有する層が電荷輸送層である、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記電荷輸送層が電子輸送層または正孔阻止層である、請求項3に記載の有機電界発光素子。
  5. 前記発光層が燐光発光材料を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  6. 前記燐光発光材料がイリジウム錯体または白金錯体である、請求項5に記載の有機電界発光素子。
  7. 前記発光層がホスト材料とドーパント材料から構成され、
    前記ホスト材料として一般式(1)で表される化合物を含有する、請求項1、2、5および6の何れか一項に記載の有機電界発光素子。
  8. 一般式(1)で表される化合物。
    Figure 2009170819
    〔式(1)において、
    は、アルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン基、あるいは式(2)で表される2価の有機基を表し(但し、置換または未置換のメチレン基は除く)、
    およびRは、それぞれ独立に、直鎖、分岐または環状のアルキル基、あるいは芳香族炭化水素基を表し、
    〜Zは、それぞれ独立に、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアミノ基を表し、
    a、b、cおよびdは、それぞれ独立に0〜4の整数を表し、a、b、cまたはdが2以上の場合には、複数のZ,Z,ZまたはZは、互いに同一であっても異なっていてもよく、
    式(2)において、
    ArおよびArは、それぞれ独立に、アリーレン基を表し、
    Xは、酸素原子、硫黄原子、またはN−R’を表し、
    R'は、アルキル基またはアリール基を表す〕

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