JP2009169918A - 非接触icカード収納ケース - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の非接触ICカード同士の相互干渉による読み取りエラーを防ぐと共に、感度調整の容易さ、収納性、加工性及び検査性を向上させた折り畳み式非接触ICカード収納ケースを提供する。
【解決手段】収納ケース外側第一面及び第二面にそれぞれ1枚ずつ非接触ICカードの収納部を有し、且つ収納ケース内部に磁性体、導電体並びにその他収納部をそれぞれ配置することで、リーダー・ライターからの交流磁界と、収納ケースのリーダー・ライターにかざした側に収納された非接触ICカードのみが確実に交信を行う収納ケースである。その上で、磁性体と導電体を同形状とすることで両者を同時成形加工可能とする。加えて、磁性体の取り外し又は収納ケース内部へのその他収納部配置により、収納ケース交信感度調整ができる。更には、磁性体と導電体間にその他収納部を設けることによって、磁性体の封入検査を永久磁石により可能とした収納ケースを実現する。
【選択図】図2

Description

発明の詳細な説明
本発明はループアンテナを備え交流磁界を交信手段とする非接触ICカード(以下、非接触ICカードと呼ぶ)を複数枚収納可能とする折り畳み式非接触ICカード収納ケース(以下、収納ケースと呼ぶ)であって、複数枚の非接触ICカードを収納した状態で所望の非接触ICカードのみをリーダー・ライターと確実に交信可能とする収納ケースに関する。
ここで言う収納ケースとは、財布やパスケース,名刺入れ,カードケース,手帳等を指す。
近年、非接触ICカードは、電子マネーを始め乗車券,定期券及び入退室管理システム等で既に広く普及している。非接触ICカードはループアンテナを内蔵し、リーダー・ライターから放射される所定の周波数の交流磁界により電磁結合することによって交信を行い、情報のやり取りを行う。
利用者はパスケースや財布などに非接触ICカードを入れたままリーダー・ライターにかざすだけで通信を適切に行なうことができ、従来の磁気カードなどに比べ利便性が向上したため、多目的なカードをそれぞれの発行機関が発行し、利用者が同時に複数枚の非接触ICカードを所持する場合も少なくない。
前記のように利便性が高く普及も広く進んでいる非接触ICカードにも、複数枚の非接触ICカードがリーダー・ライターの交信範囲内に存在する場合、相互の非接触ICカードの干渉により「枚数超過」などの読み取りエラーを起こす問題が生じる。
このような問題を解消するため、従来技術として例えば下記特許文献1には、二枚の非接触ICカードの間の隔壁部に、導電体と前記導電体の第一面及び第二面磁性体部を設けた構成とした非接触型ICカードホルダーが提案されている。
前記従来技術(以下、従来技術1と呼ぶ)の非接触型ICカードホルダーの構成を図8に示す。図8は、従来技術1の構成を示す断面図である。
従来技術1の非接触型ICカードホルダーは、カードホルダー本体106にカードポケット104,105間の隔壁に導電体103の第一面及び第二面に磁性体101,102を設けている。
例として、非接触ICカードCAを使用する際、当該ICカードCAの面を図示しないリーダー・ライターの読み取り面にかざす。このとき、リーダー・ライターからの交流磁界の多くはリーダー・ライターに近い側の磁性体101を磁路として収束し、リーダー・ライターに戻る磁力線のループを形成し、隣接した非接触ICカードCAに内蔵されたアンテナコイルCAaとの交信を促す。
リーダー・ライターからの交流磁界のうち導電体103と鎖交する磁界は、導電体103の内部に生じる渦電流によって発生した反磁界に打ち消され、他方の非接触ICカードCBのアンテナコイルCBaには影響を与えない。よって、リーダー・ライターからの交流磁界は非接触ICカードCBのアンテナコイルCBaとの交信をせず、非接触ICカードCAのアンテナコイルCAaとのみ交信を可能とする。なお、他方の非接触ICカードCBを使用する場合も同様である。
また、従来技術の例として下記特許文献2には、二枚の非接触ICカードの間に、導電性シートと前記導電性シートの第一面及び第二面に前記導電性シートの外周縁部分よりも一回り小さい磁性シートを積層した構成としたICカードアクセス制御体が提案されている。
前記従来技術(以下、従来技術2と呼ぶ)のICカードアクセス制御体の構成を図9に示す。
図9は、前記従来技術の構成を示す断面図である。
従来技術のICカードアクセス制御体は、導電性シート203の第一面及び第二面に導電性シートの外周縁部分よりも一回り小さい磁性シート201,202を積層させたものであり、前記ICカードアクセス制御体を二枚の非接触ICカードCC,CDの中間に挟んで分離して使用する。
例として、非接触ICカードCCを使用する際、当該ICカードCCの面を図示しないリーダー・ライターにかざす。このとき、従来技術1と同様の効果を得られると共に、更にリーダー・ライターからの交流磁界のうち導電性シート203の外側を通る磁界は、磁性シート202が導電性シート203の外周縁部よりも一回り小さいために磁性シート202に引き込まれることなくICカードCDのアンテナコイルCDaとはリーダー・ライターとの磁路は形成されない。
よって、リーダー・ライターの交流磁界は非接触ICカードCDのアンテナコイルCDaとの交信をさせずに、非接触ICカードCCのアンテナコイルCCaとのみリーダー・ライターとの交信を可能とする。
なお、他方の非接触ICカードCDを使用する場合も同様である。
この従来技術2は従来技術1と比較して、より確実な交信を可能とするものである。
特許第3630006号 特許第3872496号
以上のように、二枚の非接触ICカード間にシート形状の磁性体と導電体を介在させることによってリーダー・ライターから発生した交流磁界内での非接触ICカードの読み分けは可能である。
しかしながら、従来技術1では両非接触ICカード間にその他のカード類や紙幣、硬貨などを入れることを想定しておらず、ICカード収納専用カードホルダーとなり、普段持ち歩く際に財布等を別途持参しなければならず、実用性について難がある。
両外側面に収納する様々な組み合わせの非接触ICカードとリーダー・ライターとの交信感度を調整する場合に於いて、磁性体,導電体並びに非接触ICカード収納部間の間隙による調整では、収納ケース自体の総厚みの変化を伴うが、磁性体若しくは導電体の種類,厚み又は面積による調整と比較すると、調整に於ける原料コストを要しない。
従来技術1の非接触型ICカードホルダーに於いて、前述の通り用途をICカード収納専用としており、前記間隙によっての調整を行うと、必要以上の厚みになり、携行する上で不便となる。
従来技術2に於いて積層部分の加工の際に、導電性シートと磁性シートがそれぞれ異形状であるため、前記導電性シートと前記磁性シートをそれぞれ別々に所定の形状に型抜き加工等の成形加工を行い、前記導電性シートの表裏の所定位置にそれぞれ前記磁性シートを固定しなければならず、加工工数が多く生産性に難がある。
また、従来技術2は前記導電性シートと前記磁性シートの三層積層構造であり、使用方法として財布やパスケース等のポケットに最低2枚の非接触ICカードと同時に収納可能なサイズでなければならない。したがって厚みや面積も必然的に薄く小さくなければならないため、リーダー・ライターの出力に応じて感度調整する際に、間隙によっての調整は困難である。
収納ケースに於いては、磁性体,導電体は皮革層等に封入されてしまい、これを目視することは不可能となる。磁性体,導電体の配置は正しくされていなければ作用しない為、完成後に於いての作動チェックは必須である。
本発明で提供する収納ケースは、上記の課題である加工性、感度調整の容易さ、収納性並びに検査性の問題を解決したものである。更に、リーダー・ライターが放射する所定の周波数の交流磁界に対してリーダー・ライターにかざした非接触ICカードとのみ確実に電磁結合による交信を行い、前記リーダー・ライター側とは逆側に収納された非接触ICカードの電磁結合による交信を抑える機能を有した収納ケースを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明の収納ケースは、折り畳んだ状態に於いて両外側面にそれぞれ一枚ずつの非接触ICカード収納部を設けた収納ケースであって、収納ケースの外側第一面より収納ケースが折り畳まれた内側方向に向かって順に、第一面非接触ICカード収納部,次に少なくとも非接触ICカードのループアンテナをカバーするサイズの磁性体(以下、小磁性体と呼ぶ)をそれぞれ配置し、収納ケースの外側第二面より収納ケースが折り畳まれた内側方向に向かって順に、第二面非接触ICカード収納部,次に少なくとも外側第一面側の磁性体と同じか一回り大きいサイズの磁性体(以下、大磁性体と呼ぶ),更に大磁性体と同サイズの導電体をそれぞれ配置したことを特徴とする。
本発明の収納ケースは、外側両面の非接触ICカード収納部以外にその他収納部を有し、前記その他収納部の表面,裏面の片側若しくは両側には少なくとも非接触ICカードのループアンテナをカバーするサイズの導電体を配置したことを特徴とする。ここで言うその他収納部とは非接触ICカードを含む各種カード若しくは紙幣,硬貨等の収納部を指し、以下も同様とする。
本発明の収納ケースは、小磁性体よりも前記収納ケース折り畳み時内側方向に、小磁性体と同形状の導電体を配置することによって、より確実な交信を実現可能である。
本発明の収納ケースについて、大磁性体及び小磁性体の一方若しくは両方を任意に取り外し可能であることを特徴とする。
本発明の収納ケースは、小磁性体と小磁性体に隣接して配置された導電体間及び大磁性体と大磁性体に隣接して配置された導電体間のうち、片側若しくは両側にその他収納部を配置することを特徴とする。
本発明の収納ケースに使用する磁性体は、合成ゴム又は合成樹脂基材に磁性粉乃至は磁性フレークを分散させたシート状若しくは板状であることを特徴とする。
本発明の収納ケースに使用する導電体は、反磁界を発生させる金属のうちいずれかよりなること及び、形状がシート状若しくは板状であることを特徴とする。
本発明の収納ケースによれば、収納ケース内部に導電体及び磁性体を配置したことによって、収納ケースに複数枚の非接触ICカードを収納した状態に於いて、所望のICカードをリーダー・ライターにかざした際に、リーダー・ライターが放射する所定の周波数の交流磁界が、リーダー・ライターにかざした側の非接触ICカードとのみ電磁結合による交信を行い、リーダー・ライターと逆側に収納された非接触ICカードの交信を抑える機能を有した折り畳み式非接触ICカード収納ケースを提供することが可能となる。
前記構成に加え、本発明の収納ケースによれば、小磁性体の収納ケース折り畳み時内側方向に、小磁性体と同形状の導電体を配置することによって、より確実な交信を実現できる。
前記導電体を配置した構成では、収納ケース両外側にそれぞれ隣接して配置される磁性体と導電体が同一サイズである為、同時に型抜き加工等の成型加工が可能となる。磁性体及び導電体を貼り合わせて製品に組み込むことを前提とした場合には、予め磁性体と導電体を大きな寸法形状、例えば長尺のロール等の状態で貼り合わせて加工することで、成形加工後の製品単体ごとの位置決め,貼り合わせの工程が不要となり、従来技術2と比較して格段に成形加工性に優れると共に、生産コストの削減が実現できる。
本発明の収納ケースに於いて、大磁性体及び小磁性体の一方若しくは両方を任意に取り外し可能である構造にすることにより、前記磁性体を取り外した側の収納ケース外側面非接触ICカード収納部に収納した非接触ICカードについて導電体が隣接した場合に、スキミング防止機能を持たせることが可能となる。
更に、違う種類や厚みの磁性体を収納ケースに差し替えることによって、収納ケースが完成後であっても、様々なICカードに応じた交信感度調整を行うことが可能となる。
本発明の収納ケースによれば、収納ケース内部にその他収納部を配置することによって、リーダー・ライターの出力に対応した感度調整を収納ケース内部の間隙により可能となる。
間隙による調整方法は、間隙を収納部として使用するのはもとより、磁性体若しくは導電体の種類,大きさ又は面積での調整に比べてコストを要せず、収納部の確保という点で付加価値要素がある。
加えて、その他収納部の表面、裏面の片側若しくは両側に導電体を配置することにより、前記その他収納部に非接触ICカードが収納されても、前記導電体により発生した反磁界によって交信を不能にする効果が得られる。
前記その他収納部を設けることで本発明の収納ケースは、従来技術1と比較してパスケースとしての用途だけでなく財布や手帳など様々な構成に対応可能である。
本発明の収納ケースの次の効果は、磁性体と導電体間に間隙を設け、これをその他収納部とする事により、前記その他収納部に永久磁石を挿入すると、永久磁石と磁性体が引き合う。
よって、ケース内部に磁性体を封入後であっても、リーダー・ライターを用いる事なく磁性体の内包を容易に確認出来る大きな効果を生む。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(第一の実施の形態)
図1,2は本発明の第一の実施の形態を示している。
図1,2は本発明の収納ケースの最小構成例を表す断面図であり、図1は展開状態を示し、又図2は図1の構成の収納ケースをヒンジ部10で折り畳んだ状態の断面図を示す。
図2に示すようにケース本体03は、内部に図面下側より順に非接触ICカード収納部09,磁性体06,導電体07,磁性体05,非接触ICカード収納部(以下、ICカード収納部と呼ぶ)08をそれぞれ備え、ICカード収納部08,09内には非接触ICカード(以下、ICカードと呼ぶ)C1,C2がそれぞれ収納されている。実際の使用時は図2の様に折り畳んだ状態でリーダー・ライターとの交信を行う。
前記ケース本体は交信を妨害しない例えば皮革、合成繊維、合成樹脂等の非磁性材料が好ましい。前記磁性体とは合成樹脂等の基材に磁性粉乃至は磁性フレークを分散させたシート状若しくは板状とし、前記導電体とは反磁界を発生させる金属で出来たシート状若しくは板状のものとする。
導電体07の大きさは、リーダー・ライターと逆側にあるICカードに磁界の交信を妨げる上で大きければ大きいほど好ましい。
ここで、図2の構成に於いてICカードC1,C2がそれぞれ交信出力の違ったリーダー・ライターに対応する場合での読み分けが提案出来る。
図2に於いて、仮にICカードC1が交信出力の弱いリーダー・ライターに対応したカードとし、ICカードC2が交信出力の強いリーダー・ライターに対応したカードとする。
ここで、図2における収納部09に収納されたICカードC2を交信させるためにICカードC2面を図示しない交信出力の強いリーダー・ライターの読み取り面にかざした際、前記リーダー・ライターは前記従来技術2と同様の効果により、前記ICカードC1との磁路は形成されず、ICカードC2のみと交信を行う。
次に、収納部08に収納されたICカードC1を交信させるために交信出力の弱いリーダー・ライターの読み取り面にかざした際、リーダー・ライターの交流磁界の多くは磁性体05を磁路として収束し、リーダー・ライターに戻る磁力線のループを形成する。
リーダー・ライターの交流磁界のうち導電体07と鎖交する磁界は、導電体07により生じる渦電流により打ち消され、他方のICカードC2のアンテナコイルC2aには影響を与えない。ここで、導電体07の外側を通る磁界については僅かながら磁性体06へと引き込まれて磁路が形成されてICカードC1に達するが、前記リーダー・ライターの交信出力が弱いため、交信に必要十分な強さの磁路を形成せず、結果としてICカードC2のみの交信が実現できる。
更に図1に於いて、磁性体05の下側に図示しない磁性体05と同サイズの導電体をケース本体10に内包して配置することにより、両側面にてICカードに近接して反磁界を発生させる事が可能となるため、より確実なICカードの読み分けが実現する構成となる。
上記本発明の実施の形態について、実際にリーダー・ライターと逆側のICカードにどの程度、磁界の影響が及ぼされるかは、以下の実験により説明する。
(第二の実施の形態)
図3,4は本発明の第二の実施形態を示している。
図3,4は本発明の収納ケースの応用構成例を表す断面図であり、図3は展開状態を示し、又図4は図3の構成の収納ケースをヒンジ部19で折り畳んだ状態の断面図を示す。
図3に於いて、ヒンジ部19より右側のケース本体04内部に図面上より非接触ICカード収納部16,磁性体12,導電体13,その他収納部18が配置され、更にヒンジ部19より左側のケース本体04内部に図面上より非接触ICカード収納部15,磁性体11,その他収納部20,導電体14,その他収納部17が順に配置されている。ICカード収納部15にはICカードC3が、ICカード収納部16にはICカードC4が、その他収納部17内にはICカードC5が、その他収納部18内にはICカードC6がそれぞれ収納されている。
図4での収納ケース04のように、折り畳まれた状態でのケース本体04内部に新たにその他収納部17,18,20を配置した場合、前記その他収納部のどちらか片側若しくは両側に少なくともループアンテナをカバーするサイズの導電体を配置する。
図4の例では、その他収納部17,20に対しては導電体14、その他収納部18については導電体13がそれぞれ配置されている。
前記第一の実施の形態に於いては、両面が違う交信出力のリーダー・ライターに対応したICカードを収納することを想定していたが、リーダー・ライターの交信出力並びに導電体と磁性体の種類,厚み及び面積を同一として、実験を行う。
先ず第一の構成として従来技術2、第二の構成として図2の最小構成例、第三の構成として図1に示す構成に加え磁性体05の下側に磁性体05と同形状の導電体を近接して配置した構成(以下、本発明応用例と呼ぶ)、以上これらを模式化した三構成を比較し、リーダー・ライターと逆側のICカードのループアンテナに発生する電圧の測定実験を行うことにより磁性体の大きさによる性能差を比較する。
更に、本発明での収納ケースは収納ケース内部に収納部を備えることを想定している為、上記実験構成の内部に間隙(スペーサー)を設け、実用用途に即した構成での実験を行う。
スペーサーは従来技術2では片側の磁性体と導電体間に、本発明の最小構成例では小磁性体と導電体間に、本発明応用例では2枚の導電体間にそれぞれ挟み込むこととする。
(実験)
以下、本発明に関する実験形態を図面を参照して説明する。
図5は従来技術2を応用した実験形態を、図6は本発明の最小構成例を、そして図7は本発明応用例をそれぞれ実験を行う構成として模式的に表した断面図を示している。その中でも図5Aは従来技術2を利用した実験形態を、図6A,Bは本発明最小構成例での裏表面二例の実験形態を、そして図7A,Bは本発明応用例での裏表面二例の実験形態をそれぞれ模式的に表した断面図である。
本実験で使用したリーダー・ライター005は、交信周波数13.56MHz、公称最大交信距離が30mmのものである。磁性体001,002,006は厚さ120μm,透磁率23程度とし、導電体003,008は厚さ25μmのアルミニュウム箔とした。
実験では、導電体,磁性体,ICカード,スペーサー並びに電圧センサーを重ね合わせる際には縦横の長手方向及び短手方向を揃え、中心位置を合わせて重ね合わせることとする。以下、構成部品の重ね方は前述の通りとする。
図5に於ける磁性体001,002の大きさは従来技術2の説明にあるように、導電体003よりも一回り小さく、且つICカードのループアンテナをカバーする大きさとあるため、当該実験に於いては、磁性体001,002をカードサイズの規格であるISO7810のID−1(85.60mm×53.98mm)よりも縦横比約0.9倍の大きさの77.0mm×48.6mmとし、導電体003はISO7810のID−1よりも縦横比約1.1倍の大きさの94.2mm×59.3mmとした。
図6に於ける磁性体006は導電体003と縦横長さを同サイズとし、実験時は磁性体006と導電体003を貼り合わせて同時に抜き加工を行った事を前提として、お互いの面同士が正しく重なり合う様に用いた。
更に図7に於いても同様に、磁性体001と導電体008は同サイズであり、お互いの面同士を正しく重なり合う様に用いた。
実験に使用する被測定ICカードとして、JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)が発行している「Suica(TM)」を二枚及びJR西日本(西日本旅客鉄道株式会社)が発行している「ICOCA(TM)」を用いた。即ち、交通系のICカードである為に駅に設置されている自動改札機による検出を想定して実験を行った。
以下、実験用ICカードはそれぞれ、SuicaA,SuicaB,ICOCAと呼ぶこととする。
なお、以下実験による同一条件での電圧値は電圧センサーと密着させた被測定ICカードの交信感度個体差により測定値のばらつきが生じる為、同構成で上記3種のカードをそれぞれ測定することとした。
実験に於いて、リーダー・ライター005と逆側のICカードの上面に、電圧センサー004を前記ICカードと密着させて、電圧センサー004と接続された図示しない電圧計によって電圧の測定を行う。
第一の実験として、図5Aによる構成での測定の場合、図示の通りに磁性体001,002,導電体003,ICカードC7,C8及び電圧センサー004を重ねて固定し、リーダー・ライター005の磁界発生面上にかざして電圧計が最も強い電圧値を示した箇所での電圧を測定する。
以下の全ての実験では電圧値の測定方法は上記方法に準ずることとする。
又、図5Aの測定に関しては電圧センサー004を構成に含めずに、導電体を挟んでの構成が上下対象になる場合に於いては、両面の測定値が変わりない為に片面のみの測定とする。
次いで、図6A,B及び図7A,Bでの構成にて測定する。図示の通り図6A,図7Aでは小さい磁性体001を導電体の上面に大きい磁性体006を下面に配置されている。図6A,図7Aと図6B,図7Bでは、電圧センサー004を構成に含めない場合に上下非対称となるために、図示の通りICカードC7,C8両面をリーダー・ライター005と逆側に向けた状態でそれぞれ測定を行う。
以下にスペーサー007を使用した測定の内容を記述するが、スペーサーを挟んだ全ての構成で上下非対称の構成となるために、前記両面の測定を行うこととする。
第二の実験として、本発明の実用構成である折り畳み式収納ケースとして収納ケース内部に間隙(スペーサー)が設けられた場合を想定して、図5A,図6A,B及び図7A,Bの構成にスペーサー007を挟んだ状態を構成を比較する。
スペーサーは図5B,C、図6C,D及び図7C,D中にあるスペーサー007を使用し、素材は紙,厚み0.7mm,大きさはICカードと同サイズとする。
スペーサー007は図5,図6では磁性体001,導電体003間に、図7では導電体003,008間にその枚数を1枚から6枚まで1枚ずつ枚数を増やしていきICカードC7面及びC8面の両面の測定を行う。図5B,C、図6C,D及び図7C,Dはスペーサーをそれぞれの構成で1枚及び2枚挟んだ状態を示している。スペーサー007を3枚から6枚に増やした場合も図示はしないが同様の箇所に挟み重ねることとする。
Figure 2009169918
表1及び図10乃至12より以下、実験結果を説明することとする。
第一の実験は、間隙(スペーサー)を設けない構成での測定である。
図5A,図6A及び図7Aでの電圧値は0.022〜0.027Vとほぼ同様の低い値であった。図6B,図7Bの電圧値は測定されるICカードC08側の磁性体006が導電体003と同形状である為に、導電体003の外側から回り込んだ磁界により0.050〜0.062Vとなり、前記電圧値と比較すると高い値である。しかし、駅に設置されている改札機の磁界内に非接触ICカードが複数枚存在した場合と電圧センサーの測定値との相互関係上、測定電圧が0.250V未満である場合であれば「枚数超過」等のエラーにならないことが分かっているため、交信エラーを起こすことはない。
よって、三構成のいずれも駅の改札機での読み取りエラーを防ぐ効果を持つといえる。
スペーサー007を使用した第二の実験では、先ず図5及び図6の結果について説明する。
導電体と磁性体間にスペーサー007が介在しない側、即ち非接触ICカードC8側(以下、C8側と呼ぶ)に於いて、図5の測定結果によると電圧値は0.020〜0.024Vの範囲内におさまり、図6での測定結果では0.029〜0.051Vの範囲の値であった。前記両構成共にC8側ではスペーサー007を複数枚介在していくにつれ、電圧値がわずかに減少していく傾向を示している。
C8側は、磁性体及び導電体が密着しているので外側から回りこむ磁界が少ない上、リーダー・ライターからの距離が遠ざかる事によって磁界の強さが弱まる為に電圧値が高くならなかった。
数値を比較すると、図6に対して図5の電圧値は高くはあるが、前記改札機にてエラーを起こす電圧値にはほど遠いため問題はないと言える。
次いで、スペーサー007を挟んだ構成での、導電体と磁性体間にスペーサー007を介在させる側、即ち非接触ICカードC7側(以下、C7側と呼ぶ)の測定値の比較に於いて、スペーサー007を1枚から6枚まで挟むに連れて、両構成共に測定された電圧値は高くなっていく。
図5の構成ではスペーサー007を4枚挟んだ時点で電圧ピーク値0.165Vを、図6の構成ではスペーサー007を5枚挟んだ時点で電圧ピーク値0.165Vをそれぞれ測定したが、前記エラーを生じさせる電圧である0.250Vには達していないために改札機でのエラーを生じないものと判断される。
更にC7側の測定に於いて、電圧ピーク値まではスペーサー007の枚数を追加していくことで電圧は増加傾向を示していたが、電圧ピーク値を記録した時点でのスペーサー007の枚数よりもスペーサーの枚数を増やした測定電圧値は、図5及び図6の構成でも同様に減少傾向がみられる。これは、ICカードC7側の磁性体が導電体の外側を回りこんだ磁界を収束させる影響以上に、リーダー・ライターからの磁界が距離に応じて減衰した影響が上回った為であり、これ以上スペーサー007を増やしても電圧値は減少していくため、本発明での間隙を設けた構成ではC7側に於いても読み取りエラーが生じないことが確認できる。
続いて、図7の構成にスペーサー007を介在させた場合の測定では、裏表ともに測定値が低く0.021〜0.056Vの範囲内と非常に小さい値となった。磁性体001に隣接して導電体008を配置することによって、他の二構成と比較して本発明応用例は折り畳み式非接触ICカード収納ケースの構成として最適と言える。
第二の実験により、本発明の構成は磁性体及び導電体間に間隙を介在させた場合、即ち折り畳み式非接触ICカード収納ケースに於いても複数枚の非接触ICカードの読み分けについて妥当性を持つ構成であると証明された。
本発明の実施例の、最小構成での展開状態を示す断面図。 本発明の実施例の、最小構成での折り畳み状態を示す断面図。 本発明の実施例の、応用構成での展開状態を示す断面図。 本発明の実施例の、応用構成での折り畳み状態を示す断面図。 従来技術2の構成による、実験の概要を示す断面図。 本発明の最小構成例による、実験の概要を示す断面図。 本発明応用例による、実験の概要を示す断面図。 特許文献1の、非接触型ICカードホルダーの構成及び非接触ICカードの配置を示す断面図。 特許文献2の、ICカードアクセス制御体の構成及び非接触ICカードの配置を示す断面図。 [図5]の構成例での実験に於ける電圧測定結果。 [図6]の構成例での実験に於ける電圧測定結果 [図7]の構成例での実験に於ける電圧測定結果。
符号の説明
01,02…折り畳み式非接触ICカード収納ケース、03,04…ケース本体、05,06,11,12,001,002,006,101,102…磁性体、07,13,14,003,008,103…導電体、201,202…磁性シート、203…導電性シート、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,CA,CB,CC,CD…非接触ICカード、C1a,C2a,C3a,C4a,C5a,C6a,C7a,C8a…ループアンテナ、CAa,CBa,CCa,CDa…アンテナコイル、08,09,15,16…非接触ICカード収納部、10,19…収納ケースヒンジ部、17,18,20…その他収納部、005…リーダー・ライター、005a…リーダー・ライターループアンテナ、004…電圧センサー、004a…電圧センサーループアンテナ、007…0.7mmスペーサー

Claims (7)

  1. 折り畳んだ状態に於いて両外側面にそれぞれ一枚ずつの非接触ICカード収納部を設けた収納ケースであって、収納ケースの外側第一面より収納ケースが折り畳まれた内側方向に向かって順に、第一面側非接触ICカード収納部,次に少なくとも非接触ICカードのループアンテナをカバーするサイズの磁性体をそれぞれ配置し、収納ケースの外側第二面より収納ケースが折り畳まれた内側方向に向かって順に、第二面側非接触ICカード収納部,次に少なくとも外側第一面側の磁性体と同じか一回り大きいサイズの磁性体,更に収納ケース外側第二面側の磁性体と同サイズの導電体をそれぞれ配置したことを特徴とする収納ケース。
  2. 前記収納ケースには外側両面の非接触ICカード収納部以外にその他収納部を有し、前記その他収納部の表面,裏面の片側若しくは両側には少なくとも非接触ICカードのループアンテナをカバーするサイズの導電体を配置したことを特徴とする請求項1に記載の収納ケース。
  3. 前記収納ケース外側第一面側磁性体よりも前記収納ケース折り畳み時内側方向に、前記収納ケース第一面側磁性体と同形状の導電体を配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の収納ケース。
  4. 前記収納ケース外側第一面側及び第二面側磁性体のうち、一方若しくは両方が、任意に収納ケースより取り外し可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の収納ケース。
  5. 前記収納ケースに於いて、外側第一面側磁性体,第一面側導電体間及び外側第二面側磁性体,第二面側導電体間のうち、片側若しくは両側にその他収納部を配置することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の収納ケース。
  6. 前記磁性体が、合成ゴム又は合成樹脂基材に磁性粉乃至は磁性フレークを分散させたシート状若しくは板状であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の収納ケース。
  7. 前記導電体が、反磁界を発生させる金属のうちいずれかよりなること及び、形状がシート状若しくは板状であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の収納ケース。
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