JP2009169015A - 情報表示用パネルおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エリアカラー表示の場合でも表示品位が劣ることなく、暗い表示になることのない情報表示用パネルおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明である2枚の対向する基板間に、隔壁により互いに隔離されたセルを形成し、セル内に有色粒子群として構成した表示媒体を封入する構造を有する情報表示用パネルであって、一部の表示領域で、他の表示領域とは異なる色で画像等の情報表示を行うエリアカラー表示方式の情報表示用パネルにおいて、エリアカラー表示を行う各表示領域毎に、強調したい有色粒子群の色に隔壁の色を合わせる。
【選択図】図3

Description

本発明は、少なくとも一方が透明である2枚の対向する基板間に、隔壁により互いに隔離されたセルを形成し、セル内に有色粒子群として構成した表示媒体を封入する構造を有する情報表示用パネルであって、一部の表示領域で、他の表示領域とは異なる色で画像等の情報表示を行うエリアカラー表示方式の情報表示用パネルおよびその製造方法に関するものである。
従来、少なくとも一方が透明である2枚の対向する基板間に、隔壁により互いに隔離されたセルを形成し、セル内に有色粒子群として構成した表示媒体を封入する構造を有する情報表示用パネルにおいて、透明隔壁と黒色遮光膜(ブラックマトリックス)との二層構造の隔壁とし、表示面側にブラックマトリックスが位置するようにして、白/黒粒子群を表示媒体として視認することによって、白色表示/黒色表示を行う、帯電粒子移動方式の情報表示用パネルが知られている(例えば、特許文献1参照)。上述した従来の情報表示用パネルにおいて、表示領域の一部に配置する表示媒体を、白/赤粒子群など、白/黒粒子群とは別の組合せとしてエリアカラー表示を行う場合も、すべての表示領域において、上記構成の隔壁を配置していた。
国際公開WO2005/015892号のパンフレット
エリアカラー表示を行う情報表示用パネルでは、白/黒粒子群の組合せのほかに、白/赤粒子群や白/青粒子群などの白色粒子群を共通とした組合せ、さらに、黒/黄粒子群や黒/赤粒子群などの黒色粒子群を共通とした組合せ、を用いる。透明隔壁と黒色遮光膜(ブラックマトリックス)との二層構造の隔壁(リブ)では、白/黒粒子群で行う白/黒表示の場合の表示品には優れるが、白/赤粒子群で行う白/赤表示や、白/青粒子群で行う白/青表示の場合、さらに、黒/黄粒子群で行う黒/黄表示や、黒/赤粒子群で行う黒/赤表示の場合、表示品位は劣ってしまう。特に、暗い表示になってしまう問題があった。
本発明の目的は上述した問題点を解消して、エリアカラー表示の場合でも表示品位が劣ることなく、暗い表示になることのない情報表示用パネルおよびその製造方法を提供しようとするものである。
本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明である2枚の対向する基板間に、隔壁により互いに隔離されたセルを形成し、セル内に有色粒子群として構成した表示媒体を封入する構造を有する情報表示用パネルであって、一部の表示領域で、他の表示領域とは異なる色で画像等の情報表示を行うエリアカラー表示方式の情報表示用パネルにおいて、エリアカラー表示を行う各表示領域毎に、強調したい有色粒子群の色に隔壁の色を合わせることを特徴とするものである。
また、本発明の情報表示用パネルの好適例としては、エリアカラー表示を、共通の淡明色粒子群と複数の濃色粒子群あるいは複数の暗色粒子群のいずれかとの組合せで行う場合、エリアカラー表示を行う各表示領域で、共通の淡明色粒子群と組み合わせて用いる濃色粒子群または暗色粒子群の色に隔壁の色を合わせること、その場合、共通の淡明色が白色で、濃色が赤色で、暗色が黒色であること、がある。
さらに、本発明の情報表示用パネルの好適例としては、エリアカラー表示を、共通の暗色粒子群と複数の淡明色粒子群あるいは複数の濃色粒子群のいずれかとの組合せで行う場合、エリアカラー表示を行う各表示領域で、共通の暗色粒子群と組み合わせて用いる淡明色粒子群または濃明色粒子群の色に隔壁の色を合わせること、その場合、共通の暗色が黒色で、淡明色が白色で、濃明色が黄色であること、がある。
さらにまた、本発明の情報表示用パネルの製造方法は、上述した情報表示用パネルの製造方法において、感光性レジスト剤に感光波長(365nm近辺)とは異なる波長領域の波長を吸収する顔料を配合してなるドライフィルムレジストを準備し、少なくとも一方の基板上において、エリアカラー表示を行う色に対応した色の隔壁を形成するための、少なくとも1種類のドライフィルムレジストを積層し、基板上のドライフィルムレジストに対しマスクを介して露光した後、現像・洗浄することにより、基板上にエリアカラー毎に所定の着色隔壁を作製したことを特徴とするものである。
本発明によれば、エリアカラー表示を行う各表示領域毎に、強調したい有色粒子群の色に隔壁の色を合わせることで、エリアカラー表示の場合でも表示品位が劣ることなく、暗い表示になることのない情報表示用パネルおよびその製造方法を得ることができる。
また、本発明の好適例によれば、隔壁の色を、その隔壁で囲まれたセル内に配置する表示媒体(粒子群)を白色粒子群と組み合わせて構成するカラー粒子群の色と同じ色調とすることで、白表示時のネガとなるカラー表示時の色再現性が向上し、表示品位が上がる。同様に、隔壁の色を、その隔壁で囲まれたセル内に配置する表示媒体(粒子群)を黒色粒子群と組み合わせて構成するカラー粒子群の色と同じ色調とすることで、黒表示時のネガとなるカラー表示時の色再現性が向上し、明るい表示が行える。
<本発明の対象となる情報表示用パネルの説明>
まず、本発明を用いる対象となる一例である帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの基本的な構成について説明する。前記情報表示用パネルでは、対向する2枚の基板間に封入した帯電性粒子を含んた粒子群として構成した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向にそって、表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示を書き換える時あるいは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明を用いる対象となる一例である帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)に基づき説明する。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率と帯電性とを有する粒子を含んだ粒子群として構成される、互いに光学的反射率および帯電特性が異なる表示媒体3を少なくとも2種以上(ここでは白色表示媒体用粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと黒色表示媒体用粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)基板間に封入し、隔壁4で形成された各セル7において、基板1に設けた電極5(個別電極)と基板2に設けた電極6(個別電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色ドット表示を行うか、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色ドット表示を行っている。なお、図1(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率と帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成される、互いに光学的反射率および帯電特性の異なる表示媒体3を2種以上(ここでは白色表示媒体用粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと黒色表示媒体用粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)基板間に封入し、隔壁4で形成された各セル7において、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色ドット表示を行うか、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色ドット表示を行っている。なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。
上述した本発明を用いる対象となる一例である帯電粒子移動方式の情報表示用パネルは、表示媒体を収納した複数のセル(小部屋)として基板間に封入し、2枚の基板それぞれに形成したライン電極を直交配置して形成したマトリックス状対向電極対によって表示媒体を駆動させてドットマトリックス表示するようにできる。あるいは、表示媒体を収納した複数のセル(小部屋)として基板間に封入し、2枚の基板それぞれに形成したマトリックス状対向個別電極対によって表示媒体を駆動させてドットマトリックス表示するようにもできる。
以下、本発明の対象となる情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
基板としては、少なくとも一方の基板はパネル外側から表示媒体の色が確認できる透明基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板となる背面基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフィン(PES)、アクリル等の 有機高分子系基板や、ガラスシート、石英シート、金属シート等を用い、表示面側にはこのうち透明なものを用いる。基板の厚みは、2〜2000μmが好ましく、さらに5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、2000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
基板に設ける電極の形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状にパターニング形成する方法、金属箔(例えば圧延銅箔など)をラミネートする方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布してパターニング形成する方法が用いられる。視認側(表示面側)基板に設ける電極は視野の妨げにならない程度透明である必要があるが、背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、視認側基板に設ける電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜10μmの範囲で調整された厚みとする。背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様にしてもよいが、光透過性を鑑みる必要はないので、電気抵抗を小さくするために金属材料で構成したり、厚さを10μmを超えて構成したりすることもできる。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
セルは格子状に配置するが、形状としては三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形や、円形、楕円形、レーストラック形などいずれでもよいし、異なる形状を組み合わせてもよい。このうち表示媒体が移動しやすいものとして角丸付きの多角形(特に角丸付き四角形)、円形、楕円形、レーストラック形が好ましい。
セルを形成する隔壁4については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜500μm、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは10〜100μm、特に好ましくは10〜50μmに調整される。
パネル基板を樹脂等のフレキシブルな材料で構成したフレキシブル情報表示用パネルでは、そのフレキシビリティを得るために隔壁の高さは低い方が好ましく、また、低電圧印加で高電界を得るためには基板間ギャップが小さい方が好ましいことから多くの場合に、隔壁高さを10〜100μm、好ましくは10〜50μmに調製する。
さらに、基板間キャップ確保部材として配置する隔壁を、最外周および他の部分に留め、多くの隔壁部分において隔壁高さを基板間ギャップよりも低くすることができる。これによってフレキシブル情報表示用パネルでは、そのフレキシビリティを得やすくなる。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も用いられる。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
さらに、帯電性粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体を気体中空間で駆動させる情報表示用パネルとする場合には、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6、表示媒体3の占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明の対象となる情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体とする場合には、特に、10〜100μm、好ましくは10〜50μmの基板間隔とする。これによって低電圧印加で高電界が得られるようになるので、低電圧での表示媒体駆動が可能となる。
対向する基板間を気体中空間とする場合の表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体としての移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
<本発明の情報表示用パネルの説明>
本発明の情報表示用パネルの特徴は、上述した表示媒体として粒子群を用いた構成の情報表示用パネルのうち、一部の表示領域で、他の表示領域とは異なる色で画像等の情報表示を行うエリアカラー表示方式の情報表示用パネルにおいて、エリアカラー表示を行う各表示領域毎に、強調したい有色粒子群の色に隔壁の色を合わせることにある。以下、具体的な構成について図3(a)、(b)および図4(a)、(b)を参照して説明する。
図3(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの一例の構成を説明するための図であり、図3(a)は上面側から見た図であり、図3(b)は図3(a)におけるA−A線に沿った断面を示す図である。図3(a)、(b)に示す例では、パネルの左半分を白/黒表示、パネルの右半分を白/赤表示、のエリアカラーを達成するために、左半分のセル7には、白色(淡明色)粒子群3Wと黒色(暗色)粒子群3Bとを表示媒体として充填するとともに、右半分のセル7には、白色(淡明色)粒子群3Wと赤色(濃色)粒子群3Rとを表示媒体として充填している。
本例の特徴は、パネルの左半分の白/黒表示領域の隔壁4を上面側から見て黒色の隔壁4とするとともに、パネルの右半分の白/赤表示領域の隔壁4を上面側から見て赤色の隔壁4としている点である。本例では、黒色の隔壁4を達成するために、4R(赤色)、4G(緑色)、4BL(青色)の3色の隔壁を積み重ねて、上面側から見て黒色としている。赤色の隔壁4は全体を4R(赤色)の隔壁から構成して、上面側から見て赤色としている。なお、本例において、11は基板間ギャップ(基板間隔)確保用部材として機能する、幅が他の部分よりも広い最外周隔壁を示し、12は表示領域全体をシールするためのシール剤、13は隔壁4と上面側のパネル2とを接着するための接着剤を示している。ここでは最外周隔壁の幅を他の隔壁よりも広くしたが、基板間ギャップ確保用部材として機能すればよいので、全ての隔壁部分において同じ幅で形成することもできる。また、表示色が異なるエリアの境界および表示エリア最外周に設ける隔壁は基板間ギャップ確保用部材としての機能を持たせるが、その他の隔壁においては基板間ギャップ確保用部材としての機能を持たせても持たさなくてもよい。隔壁の高さを部分的に基板間ギャップよりも低くすることもできる。
図4(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの一例の構成を説明するための図であり、図4(a)は上面側から見た図であり、図4(b)は図4(a)におけるA−A線に沿った断面を示す図である。図4(a)、(b)に示す例では、パネルの左半分を白/黒表示、パネルの右半分を黄/黒表示、のエリアカラーを達成するために、左半分のセル7には、白色(淡明色)粒子群3Wと黒色(暗色)粒子群3Bとを表示媒体として充填するとともに、右半分のセル7には、黄色(濃色)粒子群3Yと黒色(暗色)粒子群3Bを表示媒体として充填している。
本例の特徴は、パネルの左半分の白/黒表示領域の隔壁4を上面側から見て白色の隔壁4とするとともに、パネルの右半分の白/赤表示領域の隔壁4を上面側から見て黄色の隔壁4としている点である。本例では、白色の隔壁4は全体を4W(白色)の隔壁から構成して、上面側から見て白色としている。また、黄色の隔壁4は全体を4Y(黄色)の隔壁から構成して、上面側から見て黄色としている。なお、本例において、11は基板間ギャップ確保用部材として機能する、幅が他の部分よりも広い最外周隔壁を示し、12は表示領域全体をシールするためのシール剤、13は隔壁4と上面側のパネル2とを接着するための接着剤を示している。ここでは最外周隔壁の幅を他の隔壁よりも広くしたが、基板間ギャップ確保用部材として機能すればよいので、全ての隔壁部分において同じ幅で形成することもできる。また、表示色が異なるエリアの境界および表示エリア最外周に設ける隔壁は基板間ギャップ確保用部材としての機能を持たせるが、その他の隔壁においては基板間ギャップ確保用部材としての機能を持たせても持たさなくてもよい。隔壁の高さを部分的に基板間ギャップよりも低くすることもできる。
<本発明の情報表示用パネルの製造方法の説明>
本発明の情報表示用パネルの製造方法の特徴は、上述した情報表示用パネルの製造方法において、感光性レジスト剤に感光波長(365nm近辺)とは異なる波長領域の波長を吸収する顔料を配合してなるドライフィルムレジストを準備し、少なくとも一方の基板上において、エリアカラー表示を行う色に対応した色の隔壁を形成するための、少なくとも1種類のドライフィルムレジストを積層し、基板上のドライフィルムレジストに対しマスクを介して露光した後、現像・洗浄することにより、基板上にエリアカラー毎に所定の着色隔壁を作製した点にある。以下、具体例について図5(a)、(b)乃至図9(a)〜(d)を参照して説明する。
図5(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図であり、図3(a)、(b)に示した隔壁4を作製する方法を示している。まず、基板21と、黒色顔料を配合した感光性フィルムレジスト剤からなる黒色レジスト膜22Bと、赤色顔料を配合した感光性フィルムレジスト剤からなる赤色レジスト膜22Rと、を準備する。次に、図5(a)に示すように、基板21の上に、黒色レジスト膜22Bと赤色レジスト膜22Rとを、エリアを区別して積層する。次に、図5(b)に示すように、黒色レジスト膜22Bと赤色レジスト膜22Rに対しマスクを介して露光した後、現像・洗浄するフォトリソ法により、基板21上に黒色の隔壁4Bと赤色の隔壁4Rとを形成している。これにより、パネルの左半分を黒色の隔壁4Bとするとともに、パネルの右半分を赤色の隔壁4Rとすることができる。
図6(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図であり、図4(a)、(b)に示した隔壁4を作製する方法を示している。まず、基板21と、白色顔料を配合した感光性フィルムレジスト剤からなる白色レジスト膜22Wと、黄色顔料を配合した感光性フィルムレジスト剤からなる黄色レジスト膜22Yと、を準備する。次に、図6(a)に示すように、基板21の上に、白色レジスト膜22Wと黄色レジスト膜22Yとを、エリアを区別して積層する。次に、図6(b)に示すように、白色レジスト膜22Wと黄色レジスト膜22Yに対しマスクを介して露光した後、現像・洗浄するフォトリソ法により、基板21上に白色の隔壁4Wと黄色の隔壁4Yとを形成している。これにより、パネルの左半分を白色の隔壁4Wとするとともに、パネルの右半分を黄色の隔壁4Yとすることができる。
図7(a)〜(c)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図であり、図3(a)、(b)に示した隔壁4を作製する方法を示している。まず、基板21と、黒色顔料を配合した感光性フィルムレジスト剤からなる黒色レジスト膜22Bと、赤色顔料を配合した感光性フィルムレジスト剤からなる赤色レジスト膜22Rと、顔料を含まない感光性フィルムレジスト剤からなる透明無色レジスト膜22Tと、を準備する。次に、図7(a)に示すように、基板21の上に、黒色レジスト膜22Bと赤色レジスト膜22Rとを、エリアを区別して積層する。次に、図7(b)に示すように、黒色レジスト膜22Bと赤色レジスト膜22Rとをエリアを区別して積層した上に、透明無色レジスト膜22Tをさらに積層する。次に、図7(c)に示すように、透明無色レジスト膜22Tと黒色レジスト膜22Bと赤色レジスト膜22Rに対しマスクを介して露光した後、現像・洗浄するフォトリソ法により、基板21上に黒色の隔壁4Bと赤色の隔壁4Rとを形成している。これにより、パネルの左半分を黒色の隔壁4Bとするとともに、パネルの右半分を赤色の隔壁4Rとすることができる。
図8(a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図であり、図3(a)、(b)に示した隔壁4を作製する方法を示している。まず、基板21と、青色顔料を配合した感光性フィルムレジスト剤からなる青色レジスト膜22BLと、赤色顔料を配合した感光性フィルムレジスト剤からなる赤色レジスト膜22Rと、緑色顔料を配合した感光性フィルムレジスト剤からなる緑色レジスト膜22Gと、を準備する。次に、図8(a)に示すように、基板21の上に、青色レジスト膜22BLと赤色レジスト膜22Rとを、エリアを区別して積層する。次に、図8(b)に示すように、青色レジスト膜22BLと赤色レジスト膜22Rとをエリアを区別して積層した上に、緑色レジスト膜22Gと赤色レジスト膜22Rとを、エリアを区別して積層する。次に、図8(c)に示すように、緑色レジスト膜22Gと赤色レジスト膜22Rとをエリアを区別して積層した上に、赤色レジスト膜22Rをさらに積層する。次に、図8(d)に示すように、青色レジスト膜22BLと緑色レジスト膜22Gと赤色レジスト膜22Rに対しマスクを介して露光した後、現像・洗浄するフォトリソ法により、基板21上に黒色の隔壁4Bと赤色の隔壁4Rとを形成している。これにより、パネルの左半分を黒色の隔壁4Bとするとともに、パネルの右半分を赤色の隔壁4Rとすることができる。
図9(a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図であり、図3(a)、(b)に示した隔壁4を作製する方法を示している。まず、基板21と、青色顔料を配合した感光性フィルムレジスト剤からなる青色レジスト膜22BLと、赤色顔料を配合した感光性フィルムレジスト剤からなる赤色レジスト膜22Rと、緑色顔料を配合した感光性フィルムレジスト剤からなる緑色レジスト膜22Gと、を準備する。次に、図8(a)に示すように、基板21の上に、赤色レジスト膜22Rを積層する。次に、図8(b)に示すように、緑色レジスト膜22Gと赤色レジスト膜22Rとを、エリアを区別して積層する。次に、図8(c)に示すように、緑色レジスト膜22Gと赤色レジスト膜22Rとをエリアを区別して積層した上に、青色レジスト膜22BLと赤色レジスト膜22Rとを、エリアを区別して積層する。次に、図8(d)に示すように、青色レジスト膜22BLと緑色レジスト膜22Gと赤色レジスト膜22Rに対しマスクを介して露光した後、現像・洗浄するフォトリソ法により、基板21上に黒色の隔壁4Bと赤色の隔壁4Rとを形成している。これにより、パネルの左半分を黒色の隔壁4Bとするとともに、パネルの右半分を赤色の隔壁4Rとすることができる。
以下、本発明の情報表示用パネルの製造方法における好適例について説明する。
黒色以外のカラー隔壁の作製としては、感光性レジスト剤に感光波長(365nm近辺)とは異なる波長領域の波長を吸収する顔料を配合してなるドライフィルムレジストを少なくとも1種類配置後にパターニングしてカラー(淡明色、濃色)隔壁を作製する。
黒色(暗色)隔壁を作製するには黒色(暗色)レジストを用いるが、この場合、感光性レジスト剤に感光波長(365nm近辺)領域の波長を吸収する顔料が配合されているのでレジスト膜厚を10μm以下とし、その上に透明レジスト膜を積層して高さ(総膜厚)を調整し、作製する隔壁の高さを所定の高さとすることが好ましい。
レジスト膜厚が10μmよりも厚い黒色(暗色)レジスト膜を用いて黒色(暗色)隔壁を作製する場合、感光性レジスト剤が十分に感光するように長時間露光する必要があるが、これで10μmよりも高い隔壁高さを有する黒色(暗色)隔壁を得ることができる。
感光性レジスト剤に感光波長(365nm近辺)とは異なる波長領域の波長を吸収する顔料を配合されているレジスト膜を複数積層して高さ(総膜厚)を調整して所定高さの黒色(暗色)色調の隔壁を得ることもできる。この場合も露光時間が短くてもレジスト剤が膜として残ることなく(残膜なし)、良好な黒色(暗色)隔壁を作製することができる。
暗色(特に黒色)の感光性レジスト剤からなる層は、あまり厚すぎると感光波長領域の波長も吸収してしまい隔壁を形成できないため1〜3μmの厚さとする必要があるが、そのような厚さの感光性レジスト剤からなる層はシート材としては得ることができず、スピンコート法により形成せざるをえなかった。そのため、工程が複雑で高価となる問題もあったが、シート材として得ることができる他色の感光性レジスト剤を積層して暗色(黒色)の隔壁を作製する本発明ではその問題が解消される。
青色顔料を配合した1種類のドライフィルムレジストを用いること、青色顔料を配合した青色ドライフィルムレジスト、緑色顔料を配合した緑色ドライフィルムレジスト、赤色顔料を配合した赤色ドライフィルムレジスト、の3種類のドライフィルムレジストを積層して用いること、シアン顔料を配合したシアン色ドライフィルムレジスト、マゼンタ顔料を配合したマゼンタ色ドライフィルムレジスト、イエロー顔料を配合したイエロー色ドライフィルムレジスト、の3種類のドライフィルムレジストを積層して用いること、で黒色で所望の高さの隔壁が作製できる。
基板と、赤色顔料を配合した感光性フィルムレジスト剤からなる赤色ドライフィルムレジスト、緑色顔料を配合した感光性フィルムレジスト剤からなる緑色ドライフィルムレジスト、青色顔料を配合した感光性フィルムレジスト剤からなる青色ドライフィルムレジスト、とを準備する。次に、基板と、赤色ドライフィルムレジスト、緑色ドライフィルムレジスト、青色ドライフィルムレジストとを、熱ラミネートして積層する。次に、基板上に積層した、赤色ドライフィルムレジスト、緑色ドライフィルムレジスト、青色ドライフィルムレジストに対しマスクを介して露光した後、現像・洗浄するフォトリソ法により、基板上に黒色の隔壁を形成する。積層の順番は上述した順番に限るものではない。
赤色ドライフィルムレジスト、緑色ドライフィルムレジスト、青色ドライフィルムレジストを積層してなる隔壁は、上から見ると黒色に見える。また、工程もシンプルになる。なお、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料は、いずれも、感光波長(365nm近辺)とは異なる波長領域の波長を吸収する顔料である。各15μm厚のレジストフィルムを積層して、高さ45μmの黒色隔壁としたり、各10μm厚のレジストフィルムを積層して、高さ30μmの黒色隔壁としたり、各10μm厚のレジストフィルムを積層し、さらに、10μm厚の透明レジストフィルムを積層して、高さ40μmの黒色隔壁としたりすることができる。
基板と、青色顔料を50重量%配合した青色の感光性フィルムレジスト剤からなる青色ドライフィルムレジストと、を準備する。次に、基板と青色ドライフィルムレジストとを、熱ラミネートして積層する。次に、基板上に積層した青色ドライフィルムレジストに対しマスクを介して露光した後、現像・洗浄するフォトリソ法により、基板上に青色隔壁を形成する。
青色顔料は感光波長(365nm近辺)とは異なる波長領域の波長を吸収する顔料である。40μm厚の青色レジストフィルムを用いて、高さ40μmの青色隔壁としたり、50μm厚の青色レジストフィルムを用いて、高さ50μm厚の青色隔壁としたり、50μm厚の青色レジストフィルムを積層し、さらに、50μm厚の透明レジストフィルムを積層して、高さ100μmの青色隔壁としたりすることができる。
上記の色や上記の顔料配合量のレジストフィルムに限定されず、様々な色の顔料を配合量を調整して作製したレジストフィルムを用いることによって、所望の色の隔壁を得ることができる。該隔壁で囲まれたセル内に配置する表示媒体を、帯電性粒子を含む粒子群とした場合には、その帯電性粒子に配合された顔料と同じ顔料をレジスト剤に配合すると色調が揃うので好ましい。
上述した例において、そのまま使用されるか、あるいは、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料を配合して使用されるドライフィルムレジストの一例として、アルフォNIT2(ニチゴーモートン社製)やPDF300(新日鐵化学社製)を使用することができる。また、着色顔料は上述した例に限定されるものではなく、どのような波長領域の波長を吸収する顔料であってもよいが、感光波長(365nm近辺)とは異なる波長領域の波長を吸収する顔料を使用することが好ましい。そのような他のドライフィルムレジストの例として、シアン顔料を配合したシアン色ドライフィルムレジスト、マゼンタ顔料を配合したマゼンタ色ドライフィルムレジスト、イエロー顔料を配合したイエロー色ドライフィルムレジスト、の3種類のドライフィルムレジストを用いることで黒色隔壁を得ることもできる。
本発明の情報表示用パネルは、ノートパソコン、PDA、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞、電子マニュアル(取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、電子POP(Point of presnece, Point of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、外部電界形成手段を用いて表示媒体駆動を行うリライタブルペーパーや、書き換え装置に接続して表示媒体駆動を行うリライタブルペーパーとしても好適に用いられる。
(a)、(b)はそれぞれ本発明の対象となる情報表示用パネルの一例を説明するための図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の対象となる情報表示用パネルの他の例を説明するための図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの一例の構成を説明するための図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの一例の構成を説明するための図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図である。 (a)〜(c)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図である。 (a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図である。 (a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図である。
符号の説明
1、2 基板
3 表示媒体(粒子群)
3W 白色粒子群
3Wa 白色表示媒体用粒子
3B 黒色粒子群
3Ba 黒色表示媒体用粒子
3R 赤色粒子群
3G 緑色粒子群
3BL 青色粒子群
3Y 黄色粒子群
4 隔壁
4W 白色の隔壁
4B 黒色の隔壁
4R 赤色の隔壁
4G 緑色の隔壁
4Y 黄色の隔壁
5、6 電極
7 セル
11 最外周隔壁
12 シール材
13 接着剤
21 基板
22W 白色レジスト膜
22B 黒色レジスト膜
22R 赤色レジスト膜
22G 緑色レジスト膜
22BL 青色レジスト膜
22Y 黄色レジスト膜

Claims (6)

  1. 少なくとも一方が透明である2枚の対向する基板間に、隔壁により互いに隔離されたセルを形成し、セル内に有色粒子群として構成した表示媒体を封入する構造を有する情報表示用パネルであって、一部の表示領域で、他の表示領域とは異なる色で画像等の情報表示を行うエリアカラー表示方式の情報表示用パネルにおいて、エリアカラー表示を行う各表示領域毎に、強調したい有色粒子群の色に隔壁の色を合わせることを特徴とする情報表示用パネル。
  2. エリアカラー表示を、共通の淡明色粒子群と、複数の濃色粒子群あるいは複数の暗色粒子群のいずれかの表示媒体との組合せで行う場合、エリアカラー表示を行う各表示領域で、共通の淡明色粒子群と組み合わせて用いる、濃色粒子群または暗色粒子群の色に隔壁の色を合わせることを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネル。
  3. 前記共通の淡明色が白色で、前記濃色が赤色で、前記暗色が黒色であることを特徴とする請求項2に記載の情報表示用パネル。
  4. エリアカラー表示を、共通の暗色粒子群と、複数の淡明色粒子群あるいは複数の濃明色粒子群のいずれかの表示媒体との組合せで行う場合、エリアカラー表示を行う各表示領域で、共通の暗色粒子群と組み合わせて用いる、淡明色粒子群または濃明色粒子群の色に隔壁の色を合わせることを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネル。
  5. 前記共通の暗色が黒色で、前記淡明色が白色で、前記濃明色が黄色であることを特徴とする請求項4に記載の情報表示用パネル。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法において、感光性レジスト剤に感光波長(365nm近辺)とは異なる波長領域の波長を吸収する顔料を配合してなるドライフィルムレジストを準備し、少なくとも一方の基板上において、エリアカラー表示を行う色に対応した色の隔壁を形成するための、少なくとも1種類のドライフィルムレジストを積層し、基板上のドライフィルムレジストに対しマスクを介して露光した後、現像・洗浄することにより、基板上にエリアカラー毎に所定の着色隔壁を作製したことを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。
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