JP2009166379A - 変色性写経用シート及びそれを用いた変色性写経用シートセット - Google Patents

変色性写経用シート及びそれを用いた変色性写経用シートセット Download PDF

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Abstract

【課題】 繰り返しの実用性に優れ、しかも、使用者が整った文字からなる経文の写経を低コストで行なうことのできる利便性に優れた変色性写経用シート及びそれを用いた変色性写経用シートセットを提供する。
【解決手段】 有色支持体2上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層3を部分的に形成し、隣在する多孔質層の隙間部分が経文の文字からなる輪郭像である変色性写経用シート1、前記変色性写経用シートと水を塗布する筆記具とからなる変色性写経用シートセット。
【選択図】 図1

Description

本発明は、変色性写経用シート及びそれを用いた変色性写経用シートセットに関する。更に詳細には、整った文字からなる経文を写経するための変色性写経用シート及びそれを用いた変色性写経用シートセットに関する。
従来、写経の方法としては経文が書かれた手本を見ながら用紙に書き写したり、薄い色で経文が印刷された写経用紙上になぞり書きする方法がある(例えば、特許文献1参照)。
しかし、初心者が手本を見ながら書き写しても整った文字からなる経文を写経することは困難である。また、薄い色で経文が印刷された写経用紙になぞり書きしても、一度の使用で整った文字からなる経文を書くことはできず、何枚も写経用紙を用意して練習する必要があるためコスト高である。
特開平11−59026号公報
本発明は、前記した写経の不具合を解消しようとするものであって、低コストで整った文字からなる経文の写経を可能にする変色性写経用シート及びそれを用いた変色性写経用シートセットを提供しようとするものである。
本発明は、 有色支持体上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を部分的に形成し、隣在する多孔質層の隙間部分が経文の文字からなる輪郭像である変色性写経用シート、或いは、有色支持体上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設け、前記多孔質層上に経文の文字の非変色性輪郭像を形成した変色性写経用シート、或いは、有色支持体上に経文の文字からなる非変色性輪郭像を形成し、前記非変色性輪郭像の周囲に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を形成してなる変色性写経用シート、或いは、有色支持体上に経文の文字からなる非変色性像を形成し、前記有色支持体及び非変色性像上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設けてなり、前記有色支持体の色濃度D1、非変色性像の色濃度D2、乾燥状態における有色支持体上に形成された多孔質層の色濃度D3、乾燥状態における非変色性像上に形成された多孔質層の色濃度D4が下記式(1)乃至(3)を満たす変色性写経シートを要件とする。
0.2<D1<1.5 (1)
0.2<D2−D1<1.0 (2)
0.1<D4−D3<0.5 (3)
更には、シートの一部に任意の文字を書き込める低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設けてなること、前記経文の文字の近傍に、該文字の読み方を記した非変色性文字を配設してなること等を要件とする。
更には、水を塗布する筆記具と、前記変色性写経用シートとからなる変色性写経用シートセットを要件とする。
本発明は、繰り返しの実用性に優れ、しかも、使用者が整った文字からなる経文の写経を低コストで行なうことのできる利便性に優れた変色性写経用シート及びそれを用いた変色性写経用シートセットを提供できる。
本発明は、 有色支持体上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を部分的に形成し、隣在する多孔質層の隙間部分が経文の文字からなる輪郭像である変色性写経用シート、或いは、有色支持体上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設け、前記多孔質層上に経文の文字の非変色性輪郭像を形成した変色性写経用シート、或いは、有色支持体上に経文の文字からなる非変色性輪郭像を形成し、前記非変色性輪郭像の周囲に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を形成してなる変色性写経用シート、或いは、有色支持体上に経文の文字からなる非変色性像を形成し、前記有色支持体及び非変色性像上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設けてなり、前記有色支持体の色濃度D1、非変色性像の色濃度D2、乾燥状態における有色支持体上に形成された多孔質層の色濃度D3、乾燥状態における非変色性像上に形成された多孔質層の色濃度D4が式(1)乃至(3)を満たす変色性写経シートであり、多孔質層に浸透した水が蒸発すれば元の状態に復する。
前記変色性写経用シートを変色させる媒体は、水が簡易性、安全性、コスト面から好適に用いられるが、乾燥速度を調整して印像の可視時間を延長化させるためにプロピレングリコール等、微量の水溶性有機溶剤を配合することもできる。
本発明の変色性写経用シートのうち、有色支持体上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を部分的に形成し、隣在する多孔質層の隙間部分が経文の文字からなる輪郭像である変色性写経用シートについて説明する。
前記有色支持体の材質は、耐水性を有するものであれば特に限定されないが、合成紙、布帛、フィルム、プラスチック、ゴム、合成皮革、レザー、ガラス、陶磁器、木材、石材等が挙げられる。
又、耐水性に乏しい材質、例えば、上質紙、アート紙、コート紙等であっても、フィルムによるラミネート、樹脂を塗工又は含浸する等の方法により、有色支持体として用いることができる。
前記有色支持体形態としては平面状のものが好ましいが、凹凸を有する形態であってもよい。
前記有色支持体は有色(白色、透明を除く)のものが用いられ、支持体が白色や透明の場合は上面に着色層を設けたり、支持体中に着色剤を含有させた有色支持体を用いる。
前記有色支持体上に、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を部分的に形成し、隣在する多孔質層の隙間部分が経文の文字からなる輪郭像となるように構成する。即ち、有色支持体上の多孔質層が形成されていない部分が経文の文字からなる輪郭像である。
これを図1において説明すると、輪郭像は有色支持体自体であり、輪郭像以外の部分は多孔質層が配設されてなる。
前記輪郭像は常に視認され、該輪郭像内の多孔質層に水を付着させることによって吸液により透明化して変色(有色支持体の色調が視認される)し、経文を筆記することができる。
この際、輪郭からはみ出して水を付着させると輪郭外の多孔質層も変色するため、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
前記多孔質層は、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた層である。
前記低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは屈折率が1.4〜1.8の範囲にあり、液状組成物を吸液すると良好な透明性を示すものである。
なお、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
前記低屈折率顔料の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
又、前記低屈折率顔料は2種以上を併用することもできる。
尚、好適に用いられる低屈折率顔料としては珪酸が挙げられる。
前記珪酸は、乾式法により製造させる珪酸であってもよいが、湿式法により製造される珪酸(以下、湿式法珪酸と称する)が特に効果的であり、実用性を満たす。
この点を以下に説明する。
珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるものとに大別されるが、本発明の意図する多孔質層として機能させるためには、湿式法珪酸が最適である。
これは、乾式法珪酸と湿式法珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法珪酸は珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、湿式法珪酸は、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。
従って、前記乾式法珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、よって、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
又、前記本発明の多孔質層においては、水を吸液させるものであるから、湿式法珪酸は乾式法珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、親水性の度合いが大であり、好適に用いられる。
尚、前記多孔質層の常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を調整するために、湿式法珪酸と共に、他の汎用の低屈折率顔料を併用することもできる。
前記多孔質層中の低屈折率顔料は、粒子径、比表面積、吸油量等の性状に左右されるが、常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗布量が1〜30g/mであることが好ましく、より好ましくは、5〜20g/mである。
1g/m未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、又、30g/mを越えると吸液時に十分な透明性を得ることが困難である。
前記低屈折率顔料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、有色支持体に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記低屈折率顔料とこれらのバインダー樹脂の混合比率は、低屈折率顔料の種類及び性状に左右されるが、好ましくは、低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分0.5〜2質量部であり、より好ましくは、0.8〜1.5質量部である。低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5質量部未満の場合には、前記多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2質量部を越える場合には、前記多孔質層内部への水の浸透性が悪くなる。
前記多孔質層は、一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、耐擦過強度を高めるために、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂又はウレタン系樹脂を用いると効果的である。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用することもできる。又、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
尚、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、本発明においては水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、有色支持体の種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分質量比率で30%以上含有させることが好ましい。前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、水との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
また、前記多孔質層中には、二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料を添加したり、一般染料、顔料を添加することもできる。
前記多孔質層は公知の方法、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の手段により形成することができる。
次に、有色支持体上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設け、前記多孔質層上に経文の非変色性輪郭像を形成した変色性写経用シートを図2において説明する。
有色支持体と多孔質層は前記と同様である。
前記多孔質層上には非変色性輪郭像を設ける。前記非変色性輪郭像は経文の輪郭部分のみを非変色性インキ等により形成したものであり、輪郭内の多孔質層に水を付着させて吸水状態とすることにより透明化して変色(有色支持体の色調が視認される)し、経文を筆記することができる。
前記輪郭像を設けることにより、輪郭からはみ出して水を付着させると輪郭外の多孔質層も変色するため、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
次に、有色支持体上に経文の非変色性輪郭像を形成し、前記非変色性輪郭像周囲に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を形成してなる変色性写経用シートを図3において説明する。
有色支持体と多孔質層は前記と同様である。
有色支持体上には非変色性輪郭像が設けられ、非変色性輪郭像の周囲、即ち、輪郭像内と輪郭像外に多孔質層を並設する。
前記非変色性輪郭像内の多孔質層に水を付着させることによって多孔質層が透明化して変色(有色支持体の色調が視認される)し、経文を筆記することができる。
この際、輪郭からはみ出して水を付着させると輪郭外の多孔質層も変色するため、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
更に、有色支持体上に経文の文字からなる非変色性像を形成し、前記有色支持体及び非変色性像上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設けてなり、前記有色支持体の色濃度D1、非変色性像の色濃度D2、乾燥状態における有色支持体上に形成された多孔質層の色濃度D3、乾燥状態における非変色性像上に形成された多孔質層の色濃度D4が下記式(1)乃至(3)を満たす変色性写経シートを図4において説明する。
0.2<D1<1.5 (1)
0.2<D2−D1<1.0 (2)
0.1<D4−D3<0.5 (3)
有色支持体と多孔質層は前記と同様である。
有色支持体上には、経文の文字からなる非変色性像(非変色性輪郭像を含む)が設けられ、前記有色支持体及び非変色性像上には多孔質層を設ける。
前記非変色性像は多孔質層が乾燥状態において視覚可能である。
前記非変色性像上に多孔質層に水を付着させることによって多孔質層が透明化して変色(下層の非変色性像の色調が視認される)し、経文を筆記することができる。
この際、非変色性像からはみ出して水を付着させると有色支持体上の多孔質層も変色するため、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
前記有色支持体の色濃度D1が式(1)を満たすことにより、非変色性像からはみ出して水を付着させた際に有色支持体の色調を明瞭に視認できる。
D1が0.2未満では非変色性像からはみ出して水を付着させた際に有色支持体の色調を明瞭に視認できず、一方、D1が1.5を超えると、多孔質層による有色支持体の隠蔽効果を損ない易くなる。
前記有色支持体の色濃度D1と非変色性像の色濃度D2が式(2)を満たすことにより、非変色性像は有色支持体よりも濃色であり、多孔質層による隠蔽効果を損なうこともない。
D2−D1が0.2未満では有色支持体と非変色性像のコントラストに乏しく、非変色性像からはみ出して水を付着させた際の有色支持体の色調を明瞭に視認できない。
また、D2−D1が1.0を超えると、多孔質層による非変色性像の隠蔽効果を損ない易くなる。
前記乾燥状態における有色支持体上に形成された多孔質層の色濃度D3と、乾燥状態における非変色性像上に形成された多孔質層の色濃度D4が式(3)を満たすことにより、多孔質層が乾燥状態において非変色性像の視覚性を満たす。
D4−D3が0.1未満では多孔質層が乾燥状態において非変色性像の視認性に乏しく、筆記し難くなる。
また、D4−D3が0.5を超えると、非変色性像が明瞭に視認されるため、変色の妙味に欠ける。
前記経文としては「般若心経」が挙げられるが、その他の経文であってもよい。
また、経文の近傍、好ましくは経文の最後に、氏名,日付、或いは願い事を書き込むための低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設けたり、経文の近傍に、該文字の読み方を記した非変色性文字を配設することもできる。
前記変色性写経用シートを変色させるためには多孔質層に水を吸水させる必要がある。
前記変色性写経用シートに水を付着させる筆記具としては、先端部に筆穂を有する筆、容器内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出する繊維体や毛筆体を設けた筆記具が挙げられる。
前記した筆記具と変色性写経用シートと組み合わせて変色性写経用シートセットを構成できる。
本発明変色性写経用シートの具体的な実施形態としては、多孔質層に水を付着させて吸水状態とすることにより経文を筆記したように視覚させるシートであり、多孔質層が乾燥すると再び元の状態に復する。
従って、前記変色性写経用シートは写経を初めて行なう人や老人も気軽に写経する意欲をもたせることができる。また、老人ホーム等の施設で教養や病後の機能回復のためのリハビリテーションの一環としても好適であり、呆け防止にも役立つものである。
以下に実施例を示す。尚、実施例中の部は質量部を示す。
実施例1(図1参照)
有色支持体2として黒色合成紙上に、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色印刷用インキを用いて部分的に多孔質層3を形成して変色性写経用シート1を得た。
なお、隣在する多孔質層の隙間部分(多孔質層を形成していない部分)は、有色支持体による経文の文字からなる輪郭像として構成されてなる。
筆穂に水を含ませた筆を用いて、前記変色性写経用シートの経文の文字からなる輪郭像内に位置する多孔質層に筆記すると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の有色支持体による黒色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視覚される。
また、輪郭像外の部分に筆記すると黒色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
更に、シート上の輪郭像外の部分には、前記筆を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に白色になり、多孔質層が乾燥状態で元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例2
実施例1の変色性写経用シートと、軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して毛筆体から水を塗布する筆記具とを組み合わせて変色性写経用シートセットを構成した。
前記筆記具の毛筆体を経文の文字からなる輪郭像内に位置する多孔質層に接触させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の有色支持体による黒色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視覚される。
また、輪郭像外の部分に筆記すると黒色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
更に、シート上の輪郭像外の部分には、前記筆記具を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に白色になり、多孔質層が乾燥状態で元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例3
白色合成紙上に、赤色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌した赤色印刷用インキを用いてベタ印刷して非変色層を形成して有色支持体を得た。
前記有色支持体上に、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色印刷用インキを用いて部分的に多孔質層3を形成して変色性写経用シート1を得た。
なお、隣在する多孔質層の隙間部分(多孔質層を形成していない部分)は、有色支持体による経文の文字からなる輪郭像として構成されてなる。
軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して毛筆体から水を塗布する筆記具を用いて、前記変色性写経用シートの経文の文字からなる輪郭像内に位置する多孔質層に筆記すると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の有色支持体による赤色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視覚される。
また、輪郭像外の部分に筆記すると赤色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
更に、シート上の輪郭像外の部分には、前記筆記具を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に白色になり、多孔質層が乾燥状態で元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例4
実施例3の変色性写経用シートと、軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して毛筆体から水を塗布する筆記具とを組み合わせて変色性写経用シートセットを構成した。
前記筆記具の毛筆体を経文の文字からなる輪郭像内に位置する多孔質層に接触させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の有色支持体による赤色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視覚される。
また、輪郭像外の部分に筆記すると赤色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
更に、シート上の輪郭像外の部分には、前記筆記具を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に白色になり、多孔質層が乾燥状態で元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例5(図2参照)
有色支持体2として緑色合成紙上に、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−74P、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色印刷用インキを用いてベタ印刷を施して多孔質層3を形成し、更にその上層に黒色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌した黒色印刷用インキを用いて経文の輪郭を印刷して非変色性輪郭像4を形成して変色性写経用シート1を得た。
軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して毛筆体から水を塗布する筆記具を用いて、前記変色性写経用シートの経文の文字からなる輪郭像内に位置する多孔質層に筆記すると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の有色支持体による緑色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視覚される。
また、輪郭像外の部分に筆記すると緑色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
更に、シート上の輪郭像外の部分には、前記筆記具を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に白色になり、多孔質層が乾燥状態で元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例6
実施例5の変色性写経用シートと、軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して毛筆体から水を塗布する筆記具とを組み合わせて変色性写経用シートセットを構成した。
前記筆記具の毛筆体を経文の文字からなる輪郭像内に位置する多孔質層に接触させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の有色支持体による緑色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視覚される。
また、輪郭像外の部分に筆記すると緑色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
更に、シート上の輪郭像外の部分には、前記筆記具を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に白色になり、多孔質層が乾燥状態で元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例7
白色合成紙上に、緑色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌した緑色印刷用インキを用いてベタ印刷して非変色層を形成して有色支持体を得た。
前記有色支持体上に、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−74P、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色印刷用インキを用いて全面に印刷を施して多孔質層を形成し、更に、黒色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌した黒色印刷用インキを用いて経文の輪郭を印刷して非変色性輪郭像を形成して変色性写経用シートを得た。
次いで、前記黒色印刷用インキを用いて非変色性輪郭像の近傍に、経文の文字の読み方を記した非変色性文字を配設した。
軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して毛筆体から水を塗布する筆記具を用いて、前記変色性写経用シートの経文の文字からなる輪郭像内に位置する多孔質層に筆記すると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の有色支持体による緑色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視覚される。
また、輪郭像外の部分に筆記すると緑色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
更に、シート上の輪郭像外の部分には、前記筆記具を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に白色になり、多孔質層が乾燥状態で元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例8
実施例7の変色性写経用シートと、軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して毛筆体から水を塗布する筆記具とを組み合わせて変色性写経用シートセットを構成した。
前記筆記具の毛筆体を経文の文字からなる輪郭像内に位置する多孔質層に接触させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の有色支持体による緑色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視覚される。
また、輪郭像外の部分に筆記すると緑色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
更に、シート上の輪郭像外の部分には、前記筆記具を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に白色になり、多孔質層が乾燥状態で元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例9(図3参照)
有色支持体2としてピンク色合成紙上に、黒色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌した黒色印刷用インキを用いて経文の輪郭を印刷して非変色性輪郭像4を形成した。
次いで、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色印刷用インキを用いて非変色性輪郭像4の周囲に多孔質層3を形成して変色性写経用シート1を得た。
筆穂に水を含ませた筆を用いて、前記変色性写経用シートの経文の文字からなる輪郭像内に位置する多孔質層に筆記すると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の有色支持体によるピンク色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視覚される。
また、輪郭像外の部分に筆記するとピンク色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
更に、シート上の輪郭像外の部分には、前記筆記具を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に白色になり、多孔質層が乾燥状態で元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例10
実施例9の変色性写経用シートと、軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して毛筆体から水を塗布する筆記具とを組み合わせて変色性写経用シートセットを構成した。
前記筆記具の毛筆体を経文の文字からなる輪郭像内に位置する多孔質層に接触させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の有色支持体によるピンク色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視覚される。
また、輪郭像外の部分に筆記するとピンク色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。更に、シート上の輪郭像外の部分には、前記筆記具を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に白色になり、多孔質層が乾燥状態で元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例11
白色合成紙上に、ピンク色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌したピンク色印刷用インキを用いてベタ印刷して非変色層を形成して有色支持体を得た。
前記有色支持体上に、黒色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌した黒色印刷用インキを用いて経文の輪郭を印刷して非変色性輪郭像を形成した。
更に、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色印刷用インキを用いて非変色性輪郭像の周囲に多孔質層を形成して変色性写経用シートを得た。
筆穂に水を含ませた筆を用いて、前記変色性写経用シートの経文の文字からなる輪郭像内に位置する多孔質層に筆記すると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の有色支持体によるピンク色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視覚される。
また、輪郭像外の部分に筆記するとピンク色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
更に、シート上の輪郭像外の部分には、前記筆記具を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に白色になり、多孔質層が乾燥状態で元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例12
実施例11の変色性写経用シートと、軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して毛筆体から水を塗布する筆記具とを組み合わせて変色性写経用シートセットを構成した。
前記筆記具の毛筆体を経文の文字からなる輪郭像内に位置する多孔質層に接触させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の非変色層によるピンク色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視覚される。
また、輪郭像外の部分に筆記するとピンク色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
更に、シート上の輪郭像外の部分には、前記筆記具を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に白色になり、多孔質層が乾燥状態で元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例13(図4参照)
白色合成紙上に、黒色顔料0.1部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌した黒色印刷用インキを用いてベタ印刷してグレー色の非変色層を形成し、色濃度D1が0.69の有色支持体2を得た。
次いで、前記有色支持体2上に、黒色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌した黒色印刷用インキを用いて経文の文字を印刷し、色濃度D2が1.91の非変色性像5を形成した。
なお、D2−D1=1.22であった。
更に、前記有色支持体及び非変色性像上に、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色印刷用インキを用いて印刷し、多孔質層3を形成して変色性写経用シート1を得た。
ここで、前記有色支持体上に形成された多孔質層の乾燥状態における色濃度D3は0.20、非変色性像上に形成された多孔質層の乾燥状態における色濃度D4は0.50、D4−D3=0.3であり、多孔質層が乾燥状態で非変色性像は僅かに視認できる。
なお前記有色支持体の色濃度D1、非変色性像の色濃度D2、有色支持体上に形成された多孔質層の乾燥状態における色濃度D3、非変色性輪郭像上に形成された多孔質層の乾燥状態における色濃度D4は、DIN16536に準拠し、グラタグマクベス社の分光光度計(製品名:スペクトロアイD19C)を用い、555nmにおける色濃度を測定した。
前記変色性写経用シートの非変色性像を設けた箇所の多孔質層上に、筆穂に水を含ませた筆を用いて筆記すると、前記多孔質層が吸水して透明化して下層の非変色性像による黒色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視認される。また、非変色性像以外の部分に筆記すると灰色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。 更に、シート上の非変色像外の部分には、前記筆記具を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例14
実施例13の変色性写経用シートと、軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して毛筆体から水を塗布する筆記具とを組み合わせて変色性写経用シートセットを構成した。
前記筆記具の毛筆体を経文の文字からなる非変色性像上に位置する多孔質層に接触させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の非変色性像による黒色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視覚される。また、非変色性像以外の部分に筆記すると灰色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
更に、シート上の非変色像外の部分には、前記筆記具を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例15
白色合成紙上に、青色顔料0.2部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌した黒色印刷用インキを用いてベタ印刷して淡青色の非変色層を形成し、色濃度D1が0.35の有色支持体を得た。
次いで、前記有色支持体上に、青色顔料3部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌した青色印刷用インキを用いて経文の文字を印刷し、色濃度D2が1.04の非変色性像を形成した。
なお、D2−D1=0.69であった。
更に、前記有色支持体及び非変色性像上に、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色印刷用インキを用いて印刷し、多孔質層を形成して変色性写経用シートを得た。
なお、前記有色支持体上に形成された多孔質層の乾燥状態における色濃度D3は0.05、非変色性像上に形成された多孔質層の乾燥状態における色濃度D4は0.27、D4−D3=0.22であり、多孔質層が乾燥状態で非変色像は僅かに視認できる。
前記有色支持体の色濃度D1、非変色性像の色濃度D2、有色支持体上に形成された多孔質層の乾燥状態における色濃度D3、非変色性輪郭像上に形成された多孔質層の乾燥状態における色濃度D4は、DIN16536に準拠し、グラタグマクベス社の分光光度計(製品名:スペクトロアイD19C)を用い、555nmにおける色濃度を測定した。
前記変色性写経用シートの非変色性像を設けた箇所の多孔質層上に、筆穂に水を含ませた筆を用いて筆記すると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の非変色性像による青色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視認される。
また、非変色性像以外の部分に筆記すると淡青色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
更に、シート上の非変色像外の部分には、前記筆記具を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例16
実施例15の変色性写経用シートと、軸筒内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出して毛筆体から水を塗布する筆記具とを組み合わせて変色性写経用シートセットを構成した。
前記筆記具の毛筆体を経文の文字からなる非変色性像上に位置する多孔質層に接触させると、前記多孔質層が吸水して透明化し、下層の非変色層による青色が視覚されるため、経文を筆記した状態が視覚される。
また、非変色性像以外の部分に筆記すると淡青色に変色し、所望の経文がきれいに筆記できなかったことは一目でわかる。
更に、シート上の非変色像外の部分には、前記筆記具を用いて氏名、日付、願い事を書き込むこともできる。
前記経文を筆記した状態は多孔質層が吸液した状態で維持されていたが、乾燥するにつれて徐々に元の状態に戻った。
前記様相変化は繰り返し行うことができた。
本発明変色性写経用シートの一実施例の縦断面図である。 本発明変色性写経用シートの他の実施例の縦断面図である。 本発明変色性写経用シートの他の実施例の縦断面図である。 本発明変色性写経用シートの他の実施例の縦断面図である。
符号の説明
1 変色性写経用シート
2 有色支持体
3 多孔質層
4 非変色性輪郭像
5 非変色性像

Claims (8)

  1. 有色支持体上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を部分的に形成し、隣在する多孔質層の隙間部分が経文の文字からなる輪郭像である変色性写経用シート。
  2. 有色支持体上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設け、前記多孔質層上に経文の文字の非変色性輪郭像を形成した変色性写経用シート。
  3. 有色支持体上に経文の文字からなる非変色性輪郭像を形成し、前記非変色性輪郭像の周囲に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を形成してなる変色性写経用シート。
  4. 有色支持体上に経文の文字からなる非変色性像を形成し、前記有色支持体及び非変色性像上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設けてなり、前記有色支持体の色濃度D1、非変色性像の色濃度D2、乾燥状態における有色支持体上に形成された多孔質層の色濃度D3、乾燥状態における非変色性像上に形成された多孔質層の色濃度D4が下記式(1)乃至(3)を満たす変色性写経シート。
    0.2<D1<1.5 (1)
    0.2<D2−D1<1.0 (2)
    0.1<D4−D3<0.5 (3)
  5. シートの一部に任意の文字を書き込める低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設けてなる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の変色性写経用シート。
  6. 前記経文の文字の近傍に、該文字の読み方を記した非変色性文字を配設してなる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の変色性写経用シート。
  7. 水を塗布する筆記具と、請求項1乃至6記載のいずれかの変色性写経用シートとからなる変色性写経用シートセット。
  8. 前記筆記具が、筆、又は、ペン先に筆穂を有し、且つ、軸筒内に水を収容する筆ペン形態の筆記具のいずれかである請求項7記載の変色性写経用シートセット。
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