JP2009164024A - 発光装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】低電流で高輝度を得ることができる発光装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】陽極と陰極との間に発光層が挟持された複数の発光素子21と、複数の発光素子21に対応して配置された複数の着色層37Rと、を備えた有機EL装置において、発光素子21のそれぞれの発光領域23Rと発光素子21に対応する着色層37Rとの平面視で重なった領域の面積が、発光領域23Rの面積より小さく形成されていることを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】陽極と陰極との間に発光層が挟持された複数の発光素子21と、複数の発光素子21に対応して配置された複数の着色層37Rと、を備えた有機EL装置において、発光素子21のそれぞれの発光領域23Rと発光素子21に対応する着色層37Rとの平面視で重なった領域の面積が、発光領域23Rの面積より小さく形成されていることを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、発光装置及び電子機器に関するものである。
近年、情報機器の多様化等に伴い、消費電力が少なく軽量化された発光装置のニーズが高まっている。この様な発光装置の一つとして、有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、「有機EL装置」という)が知られている。このような有機EL装置は、陽極(第1電極)と陰極(第2電極)との間に発光層を有する発光素子を備えたものが一般的である。また、発光素子は、複数の画素隔壁によって単位画素領域毎に区分されている。
ところで、有機EL装置は、その発光層自体で赤(R)や、緑(G)、青(B)等の発光色を有するものであり、画素隔壁間に光の3原色であるRGBの各色の発光層を塗り分けることにより、フルカラー表示が行えるように構成されている。
しかしながら、発光特性や寿命に優れた発光層の材料は高価であり、また画素隔壁間にRGBの発光層をそれぞれ塗り分けることが困難であるという問題がある。
しかしながら、発光特性や寿命に優れた発光層の材料は高価であり、また画素隔壁間にRGBの発光層をそれぞれ塗り分けることが困難であるという問題がある。
そこで、例えば特許文献1に示すように、基板上の各画素領域に同一色(例えば、白)の発光層が形成されるとともに、基板に対向配置された封止基板の各画素領域に対応してRGBの色変換層(カラーフィルタ)が形成された構成が知られている。この構成によれば、発光層から色変換層に向けて射出される光は、色変換層で着色されて取り出されるため、製造効率を向上させた上で安価にフルカラー表示を行う有機EL装置を提供することができるとされている。
特許第3452262号公報
しかしながら、上述した色変換層にあっては、発光層から射出された光のうち特定波長領域以外の光を吸収してしまうため、発光層で発光して色変換層へ入射する光の発光輝度に対して、色変換層から出射する光の発光輝度が低くなってしまうという問題がある。通常、色変換層は発光素子の発光領域以上の面積で形成されており、発光層から発光した光は全て色変換層を介して取り出される。したがって、所望の発光輝度を得るためには発光素子に流す電流を大きくしなければならない。その結果、発光素子の発光寿命が短くなってしまう。
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、低電流で高輝度を得ることができる発光装置及び電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る発光装置は、第1電極と第2電極との間に発光層が挟持された複数の発光素子と、前記複数の発光素子に対応して配置された複数の着色層と、を備えた発光装置において、前記発光素子のそれぞれの発光領域と前記発光素子に対応する前記着色層との平面視で重なった領域の面積が、前記発光領域の面積より小さく形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、発光領域と着色層との平面視で重なった領域の面積が、発光領域の面積より小さく形成されているため、発光層から射出される光のうち、一部の光は着色層を透過し、残りの光は着色層を透過せずに発光層から射出された光の状態で封止基板を透過することになる。
ここで、着色層を透過せずに取り出される光は、着色層で吸収されることなく取り出されるため、発光層から射出された状態の発光輝度を維持することができる。そして、表示面(封止基板の表面)から表示される画像は、着色層によって着色された光と、着色層を透過せずに取り出された高輝度な光とによって表示される。したがって、発光素子に流す電流を大きくする必要なく、低電流で高輝度を得ることができ、発光素子の長寿命化を図ることができる。
この構成によれば、発光領域と着色層との平面視で重なった領域の面積が、発光領域の面積より小さく形成されているため、発光層から射出される光のうち、一部の光は着色層を透過し、残りの光は着色層を透過せずに発光層から射出された光の状態で封止基板を透過することになる。
ここで、着色層を透過せずに取り出される光は、着色層で吸収されることなく取り出されるため、発光層から射出された状態の発光輝度を維持することができる。そして、表示面(封止基板の表面)から表示される画像は、着色層によって着色された光と、着色層を透過せずに取り出された高輝度な光とによって表示される。したがって、発光素子に流す電流を大きくする必要なく、低電流で高輝度を得ることができ、発光素子の長寿命化を図ることができる。
また、前記発光層は、白色光を発光することを特徴とする。
この構成によれば、発光層から射出された光は、着色層で着色されて取り出されるため、製造効率を向上させた上で安価にフルカラー表示を行うことができる。
この構成によれば、発光層から射出された光は、着色層で着色されて取り出されるため、製造効率を向上させた上で安価にフルカラー表示を行うことができる。
また、前記第1電極は光透過性を有するとともに、前記第2電極は半透過反射性を有し、前記第1電極を挟んで前記発光層の反対側には光反射層が配置され、前記光反射層と前記第2電極との間で、前記発光層から射出された光を共振させる光共振器構造が構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、発光層から射出された光を共振させる光共振構造を構成することで、単位画素領域からは光反射層と第2電極との間の光学的距離に対応した共振波長の条件を満たす光のみが増幅されて取り出される。つまり、赤(R),緑(G),青(B)の各色に対応する共振波長を有する発光素子を形成することで、フルカラー表示が可能な発光装置を提供することができる。これにより、着色層を透過せずに取り出される光自体も、各発光素子に対応した色を有することになる。そして、表示面(封止基板の表面)から表示される画像は、着色層によって着色された光と、着色層を透過せずに取り出された高輝度かつ単位画素領域に対応した色を有する光とによって表示される。したがって、低電流で高輝度を得ることに加え、色再現性を向上させることができる。
また、視野角が大きい場合においても、発光輝度及び色純度の視野角特性を向上させることができる。
この構成によれば、発光層から射出された光を共振させる光共振構造を構成することで、単位画素領域からは光反射層と第2電極との間の光学的距離に対応した共振波長の条件を満たす光のみが増幅されて取り出される。つまり、赤(R),緑(G),青(B)の各色に対応する共振波長を有する発光素子を形成することで、フルカラー表示が可能な発光装置を提供することができる。これにより、着色層を透過せずに取り出される光自体も、各発光素子に対応した色を有することになる。そして、表示面(封止基板の表面)から表示される画像は、着色層によって着色された光と、着色層を透過せずに取り出された高輝度かつ単位画素領域に対応した色を有する光とによって表示される。したがって、低電流で高輝度を得ることに加え、色再現性を向上させることができる。
また、視野角が大きい場合においても、発光輝度及び色純度の視野角特性を向上させることができる。
また、前記着色層は、前記発光領域の平面視中央部において重なるように配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、表示面を斜めから見た場合、つまり視野角が大きい場合にも所望の発光輝度を確保することができる。つまり、視野角が大きい場合には、着色層を透過せずに取り出された発光輝度の高い光を見ることになるため、発光輝度の視野角特性を向上させることができる。
この構成によれば、表示面を斜めから見た場合、つまり視野角が大きい場合にも所望の発光輝度を確保することができる。つまり、視野角が大きい場合には、着色層を透過せずに取り出された発光輝度の高い光を見ることになるため、発光輝度の視野角特性を向上させることができる。
また、前記複数の着色層の間の領域には、光透過領域が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、表示面を斜めから見た場合、つまり視野角が大きい場合にも所望の発光輝度を確保することができる。つまり、視野角が大きい場合には、着色層を透過せずに取り出された発光輝度の高い光を見ることになるため、発光輝度の視野角特性を向上させることができる。
この構成によれば、表示面を斜めから見た場合、つまり視野角が大きい場合にも所望の発光輝度を確保することができる。つまり、視野角が大きい場合には、着色層を透過せずに取り出された発光輝度の高い光を見ることになるため、発光輝度の視野角特性を向上させることができる。
また、前記発光素子から射出され隣接する前記発光素子に対応した前記着色層に入射する光が、全反射条件を満たすことを特徴とする。
この構成によれば、発光素子から射出され隣接する発光素子に対応した着色層に入射する光が表示面と空気との境界面を透過せず、全て反射することになる。つまり、発光素子から射出された光が、隣接する発光素子に対応する着色層を透過することがない。そのため、例えば着色層間にブラックマトリクス層等の非発光領域を設けることなく、隣接する発光素子間の光漏れを防止して、色再現性を維持することができる。
この構成によれば、発光素子から射出され隣接する発光素子に対応した着色層に入射する光が表示面と空気との境界面を透過せず、全て反射することになる。つまり、発光素子から射出された光が、隣接する発光素子に対応する着色層を透過することがない。そのため、例えば着色層間にブラックマトリクス層等の非発光領域を設けることなく、隣接する発光素子間の光漏れを防止して、色再現性を維持することができる。
一方、本発明に係る電子機器は、上記発光装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、上記本発明の発光装置を備えているため、低電流で高輝度な電子機器を提供することができる。
この構成によれば、上記本発明の発光装置を備えているため、低電流で高輝度な電子機器を提供することができる。
(第1実施形態)
(有機EL装置)
図1は、本実施形態の有機EL装置の配線構造を示す模式図であり、図1において符号1は有機EL装置である。
この有機EL装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTと称する。)を用いたアクティブマトリクス方式のもので、複数の走査線101…と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線102…と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103…とからなる配線構成を有し、走査線101…と信号線102…との各交点付近に画素領域(単位画素領域)X…を形成したものである。
もちろん本発明の技術的思想に沿えば、TFTなどを用いるアクティブマトリクスは必須ではなく、単純マトリクス向けの素子基板を用いて本発明を実施し、単純マトリクス駆動しても全く同じ効果が低コストで得られる。
(有機EL装置)
図1は、本実施形態の有機EL装置の配線構造を示す模式図であり、図1において符号1は有機EL装置である。
この有機EL装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTと称する。)を用いたアクティブマトリクス方式のもので、複数の走査線101…と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線102…と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103…とからなる配線構成を有し、走査線101…と信号線102…との各交点付近に画素領域(単位画素領域)X…を形成したものである。
もちろん本発明の技術的思想に沿えば、TFTなどを用いるアクティブマトリクスは必須ではなく、単純マトリクス向けの素子基板を用いて本発明を実施し、単純マトリクス駆動しても全く同じ効果が低コストで得られる。
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続されている。また、走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路80が接続されている。
さらに、画素領域Xの各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT(スイッチング素子)112と、このスイッチング用TFT112を介して信号線102から共有される画素信号を保持する保持容量113と、該保持容量113によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT(スイッチング素子)123と、この駆動用TFT123を介して電源線103に電気的に接続したときに該電源線103から駆動電流が流れ込む陽極10と、該陽極10と陰極11との間に挟み込まれた発光層40が設けられている。
この有機EL装置1によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT112がオン状態になると、そのときの信号線102の電位が保持容量113に保持され、該保持容量113の状態に応じて、駆動用TFT123のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT123のチャネルを介して、電源線103から陽極10に電流が流れ、さらに発光層40を介して陰極11に電流が流れる。発光層40は、これを流れる電流量に応じて発光する。
次に、本実施形態の有機EL装置の具体的な態様を、図2〜図4を参照して説明する。ここで、図2は有機EL装置の構成を模式的に示す平面図である。図3は有機EL装置を模式的に示す断面図である。
まず、図2を参照し、有機EL装置1の構成を説明する。
図2は、基板本体20上に形成された前述した各種配線,TFT,各種回路によって、発光層40を発光させるTFT素子基板(以下「素子基板」という。)20Aを示す図である。
有機EL装置の素子基板20Aは、中央部分の実表示領域4(図2中二点鎖線枠内)と、実表示領域4の周囲に配置されたダミー領域5(一点鎖線および二点鎖線の間の領域)とを備えている。
図2は、基板本体20上に形成された前述した各種配線,TFT,各種回路によって、発光層40を発光させるTFT素子基板(以下「素子基板」という。)20Aを示す図である。
有機EL装置の素子基板20Aは、中央部分の実表示領域4(図2中二点鎖線枠内)と、実表示領域4の周囲に配置されたダミー領域5(一点鎖線および二点鎖線の間の領域)とを備えている。
図1に示す画素領域Xからは、赤色光(R)、緑色光(G)または青色光(B)のいずれかの光が取り出され、図2に示す表示領域RGBが形成されている。実表示領域4においては、表示領域RGBがマトリクス状に配置されている。また、表示領域RGBの各々は、紙面縦方向において同一色で配列しており、いわゆるストライプ配置を構成している。そして、表示領域RGBが一つのまとまりとなって、表示単位画素が構成されており、該表示単位画素はRGBの発光を混色させてフルカラー表示を行うようになっている。
実表示領域4の図2中両側であってダミー領域5の下層側には、走査線駆動回路80、80が配置されている。また、実表示領域4の図2中上方側であってダミー領域5の下層側には、検査回路90が配置されている。この検査回路90は、有機EL装置1の作動状況を検査するための回路であって、例えば検査結果を外部に出力する検査情報出力手段(不図示)を備え、製造途中や出荷時における有機EL装置1の品質、欠陥の検査を行うことができるように構成されている。
図3に示すように、本実施形態における有機EL装置1は、いわゆる「トップエミッション構造」の有機EL装置である。この有機EL装置1は、素子基板20A上に陽極10と陰極11の間に有機機能層12が挟持された複数の発光素子21と、発光素子21を画素領域XR、XG,XB毎に区切る画素隔壁13と、素子基板20Aに対向配置された封止基板31と、を備えている。この有機EL装置1は、素子基板20Aの対向側である封止基板31側から発光光を取り出す構成であるため、素子基板20Aの材料としては、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えば、アルミナ等のセラミックス、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したものの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられる。
素子基板20A上には、窒化珪素等からなる無機絶縁層14が形成されている。
無機絶縁層14上にはアルミ合金等からなる金属反射板(光反射層)15が内装された平坦化層16が形成されている。この平坦化層16は、アクリル系やポリイミド系等の、耐熱性絶縁性樹脂などによって形成されたもので、駆動用TFT123等による表面の凹凸をなくすために形成されている。
無機絶縁層14上にはアルミ合金等からなる金属反射板(光反射層)15が内装された平坦化層16が形成されている。この平坦化層16は、アクリル系やポリイミド系等の、耐熱性絶縁性樹脂などによって形成されたもので、駆動用TFT123等による表面の凹凸をなくすために形成されている。
平坦化層16上には、陽極10が形成されている。この陽極10は、酸化物系透明導電材料によって形成され、具体的にはITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)が好適に用いられている。陽極10は、各発光素子21に対応して形成されており、その一端側が無機絶縁層14に形成されたコンタクトホール(不図示)を介して駆動用TFT123に接続されている。
陽極10上には、画素隔壁13が形成されている。この画素隔壁13は、陽極10上に開口部を有し、複数の発光素子21を独立させて区分するものである。つまり、画素隔壁13に囲まれた領域が発光素子21の画素領域X(図1参照)となっており、これらは赤色光、青色光、緑色光のそれぞれの光が封止基板31側から取り出される画素領域XR、XG,XBとして割り当てられている。なお、画素隔壁13を形成する材料として、例えばポリイミド、アクリル等の絶縁性を有する有機物を用いることができる。なお、画素隔壁13を形成する材料として、無機物と有機物とを組み合わせたものであってもよい。
発光素子21は、正孔注入・輸送層30と発光層40とを備えている。
正孔注入・輸送層30は、陽極10の正孔を発光層40に注入・輸送するためのものであり、素子基板20A上に各画素隔壁13を跨いで形成されている。正孔注入・輸送層30の形成する材料としては、特に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の水分散液が好適に用いられる。なお、正孔注入・輸送層30の形成材料としては、上述のものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えば前記のポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどが使用可能である。
正孔注入・輸送層30は、陽極10の正孔を発光層40に注入・輸送するためのものであり、素子基板20A上に各画素隔壁13を跨いで形成されている。正孔注入・輸送層30の形成する材料としては、特に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の水分散液が好適に用いられる。なお、正孔注入・輸送層30の形成材料としては、上述のものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えば前記のポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどが使用可能である。
発光層40は、陰極11から注入される電子と正孔注入・輸送層30から注入される正孔とが結合して所定波長の光が射出される部分であり、正孔注入・輸送層30上の全域に亘って形成されている。発光層40は、赤色、緑色、青色を発光する発光材料が積層されて白色に発光する白色発光層を採用している。このような発光層40の構成材料として、例えばポリフルオレン誘導体(PF)やポリパラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などの高分子有機材料を用いることができる。また、上記高分子有機材料に、例えばペリレン系色素や、クマリン系色素、ローダミン系色素、ルブレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、キナクリドンなどの低分子有機材料をドープしたものを用いてもよい。なお、発光層40の上層に、電子輸送層やホールブロック層を形成することが好ましい。
陰極11は、各画素隔壁13を跨いで発光層40上の全域に亘って形成されている。陰極11を形成するための材料としては、本実施形態はトップエミッション構造であることから光透過性を有する材料である必要があり、したがって透明導電材料が用いられる。透明導電材料としては、ITOが好適とされるが、これ以外にも、例えば酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide:IZO/アイ・ゼット・オー(登録商標))等を用いることができる。なお、本実施形態ではITOを用いるものとする。
陰極11上には、有機緩衝層18が形成されている。画素隔壁13の形状の影響により、凹凸状に形成された陰極11の凹凸部分を埋めるように配置され、さらに、その上面は略平坦に形成されている。有機緩衝層18は、素子基板20Aの反りや体積膨張により発生する応力を緩和し、不安定な形状の画素隔壁13からの陰極11の剥離を防止する機能を有する。また、有機緩衝層18の上面が略平坦化されるので、有機緩衝層18上に形成される硬い被膜からなる後述するガスバリア層19も平坦化される。したがって、応力が集中する部位がなくなり、これにより、ガスバリア層19でのクラックの発生を防止することができる。
有機緩衝層18上には、有機緩衝層18を覆うようにガスバリア層19が形成されている。ガスバリア層19は、発光素子21内に酸素や水分が浸入するのを防止するためのもので、これにより酸素や水分による発光素子21の劣化等を抑えることができる。ガスバリア層19の材質は、透明性、ガスバリア性、耐水性を考慮して、好ましくは窒素を含む珪素化合物、すなわち珪素窒化物や珪素酸窒化物などによって形成される。
ガスバリア層19上には、ガスバリア層19を覆うようにシール層22が形成されている。シール層22は、ガスバリア層19上に封止基板31を固定させ、かつ外部からの機械的衝撃に対して緩衝機能を有し、発光層40やガスバリア層19の保護をするものである。シール層22は、例えばウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ポリオレフィン系などの樹脂で、封止基板31より柔軟でガラス転移点の低い材料からなる接着剤によって形成されている。
封止基板31は、上述した素子基板20Aに対向配置されている。封止基板31は、その上面が発光光を取り出す表示面として機能するため、ガラスまたは透明プラスチック(ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネ―ト、ポリオレフィン等)などの光透過性を有する材料で構成されている。
封止基板31の下面には、赤色着色層37R、緑色着色層37G、青色着色層37Bがマトリクス状に配列形成されたカラーフィルタ37が構成されている。各着色層37R,37G,37Bは、透明バインダー層に顔料または染料が混合して構成された層で、顔料を選択することにより目的とする赤(R)、緑(G)あるいは青(B)に調整されている。なお、着色層37R,37G,37Bは、各色のカラーレジストをパターニングして形成してもよい。また、着色層37R,37G,37Bの色は目的に応じてライトブルーやライトシアン、白などを加えてもよい。これにより、発光層40から射出された光のうち、各色の波長に対応した光(例えば、赤色光は波長610nm、緑色光は波長530nm、青色光は波長470nm)のみが着色層37R,37G,37Bの各々を透過し、各色光として観察者側に射出されるようになっている。
図4は着色層及び発光領域の平面図である。なお、各画素領域の構成は略同一の構成であるため、図4においては赤色光の発光領域のみを示す。
ここで、図3,4に示すように、着色層37R,37G,37Bと各画素領域XR,XG,XBの発光領域23R,23G,23Bとは、ともに平面視略矩形状に形成されている。着色層37R,37G,37Bの各々は、各発光素子21の陽極10、つまり各発光素子21の発光領域23R,23G,23Bに対向して配置されている。具体的には、発光領域23Rの平面視中央部にのみ赤色着色層37Rが平面視で重なるように配置されている(図4参照)。なお、発光領域(例えば、図3中符号23R,23G,23B)とは、陽極10及び発光層40、陰極11の3層が積層された領域、つまり陽極10と陰極11によって発光層40が挟持され、実質的に発光に寄与する領域を示している。
ここで、図3,4に示すように、着色層37R,37G,37Bと各画素領域XR,XG,XBの発光領域23R,23G,23Bとは、ともに平面視略矩形状に形成されている。着色層37R,37G,37Bの各々は、各発光素子21の陽極10、つまり各発光素子21の発光領域23R,23G,23Bに対向して配置されている。具体的には、発光領域23Rの平面視中央部にのみ赤色着色層37Rが平面視で重なるように配置されている(図4参照)。なお、発光領域(例えば、図3中符号23R,23G,23B)とは、陽極10及び発光層40、陰極11の3層が積層された領域、つまり陽極10と陰極11によって発光層40が挟持され、実質的に発光に寄与する領域を示している。
つまり、図4に示すように、赤色着色層37Rにおける発光領域23Rとの対向面の面積は、発光領域23Rにおける赤色着色層37Rとの対向面の面積に比べて小さく形成されている。したがって、発光領域23Rと赤色着色層37Rとが平面視で重ならない領域、つまり赤色着色層37Rの周囲には、赤色着色層37Rを取り囲むように透過エリアF1が形成される。この透過エリアF1では、発光素子21から射出される白色光が封止基板31をそのまま透過することになる。
また、封止基板31上における各着色層37R,37G,37Bの間の領域であって、発光領域23R,23G,23Bより外側の領域にも、透過エリアf(光透過領域)41が形成されている。この透過エリアfは、上述した各着色層37R,37G,37Bが形成されていない領域であり、発光素子21から射出される白色光が封止基板31をそのまま透過することになる。
なお、本実施形態では、発光領域(例えば、発光領域23G)から射出され、隣接する発光領域(例えば、発光領域23R)に対応する着色層(例えば、赤色着色層37R)に入射する光が、封止基板31と空気との境界面で、全反射条件を満たすように設定されている(図3中矢印参照)。ここで、封止基板31の屈折率をn1、空気の屈折率をn2、封止基板31への入射角をθ1、封止基板31からの出射角をθ2とすると、n1,n2,sinθ1,sinθ2の関係は、n1sinθ1=n2sinθ2となる。そして、全反射条件を満たすためには、θ2≧90°となるようにn1,sinθ1を設定すればよい。具体的には、発光領域(例えば、発光領域23G)と隣接する発光領域(例えば、発光領域23R)の着色層(例えば、赤色着色層37R)との水平及び垂直方向の距離を調整することで発光領域から射出され隣接する着色層に入射する光の入射角θ1を調整する。また、封止基板31の屈折率n1を調整することも可能である。この場合、θ2≧90°となる光は、封止基板31と空気との境界面を透過せず、全て素子基板20A側に反射するようになっている。これにより、発光領域(例えば、発光領域23G)から射出された光が、隣接する発光領域(例えば、発光領域23R)に対応する着色層(例えば、赤色着色層37R)を透過することがない。そのため、例えば着色層37R,37G,37B間にブラックマトリクス層等の非発光領域を設けることなく、隣接する画素領域XR,XG、XB間の光漏れを防止して、色再現性を維持することができる。
このように、本実施形態によれば、各発光領域23R,23G,23Bと各着色層37R,37G,37Bとが重なった領域の面積が、各発光領域23R,23G,23Bの面積より小さく形成されている構成とした。
この構成によれば、発光層40から射出される光のうち、一部の光は各着色層37R,37G,37Bを透過し、残りの光は各着色層37R,37G,37Bを透過せずに透過エリアF1を透過するため、発光層40から射出された白色光の状態で封止基板31を透過することになる。つまり、封止基板31から取り出される光は、各着色層37R,37G,37Bを透過した光と透過エリアF1を透過した光とによって構成されることになる。
ここで、透過エリアF1から取り出される光は、着色層37R,37G,37Bで吸収されることなく取り出されるため、発光層40から射出された状態の発光輝度を維持することができる。そして、封止基板31の表示面から表示される画像は、着色層37R,37G,37Bによって着色された光と、透過エリアF1を透過した高輝度な光とによって表示される。したがって、発光素子21に流す電流を大きくする必要なく、低電流で高輝度を得ることができ、発光素子21の長寿命化を図ることができる。
この構成によれば、発光層40から射出される光のうち、一部の光は各着色層37R,37G,37Bを透過し、残りの光は各着色層37R,37G,37Bを透過せずに透過エリアF1を透過するため、発光層40から射出された白色光の状態で封止基板31を透過することになる。つまり、封止基板31から取り出される光は、各着色層37R,37G,37Bを透過した光と透過エリアF1を透過した光とによって構成されることになる。
ここで、透過エリアF1から取り出される光は、着色層37R,37G,37Bで吸収されることなく取り出されるため、発光層40から射出された状態の発光輝度を維持することができる。そして、封止基板31の表示面から表示される画像は、着色層37R,37G,37Bによって着色された光と、透過エリアF1を透過した高輝度な光とによって表示される。したがって、発光素子21に流す電流を大きくする必要なく、低電流で高輝度を得ることができ、発光素子21の長寿命化を図ることができる。
また、発光領域23R,23G,23Bの平面視中央部にのみ着色層37R,37G,37Bが重なるように配置されるとともに、各着色層37R,37G,37Bの間の領域に透過エリアfが形成されているため、表示面を斜めから見た場合、つまり視野角が大きい場合にも所望の発光輝度を確保することができる。つまり、視野角が大きい場合には、着色層37R,37G,37Bの外側に形成された透過エリアF1及び透過エリアfから透過した発光輝度の高い光を見ることになるため、発光輝度の視野角特性を向上させることができる。
また、着色層37R,37G,37Bを発光領域23R,23G,23Bの中央部に形成することで、着色層37R,37G,37Bの形成時における誤差を許容することができるため、アライメントが容易になる。
また、着色層37R,37G,37Bを発光領域23R,23G,23Bの中央部に形成することで、着色層37R,37G,37Bの形成時における誤差を許容することができるため、アライメントが容易になる。
さらに、発光層40として、白色発光層を採用することで、発光層40から射出された光は、各着色層37R,37G,37Bで着色されて取り出されるため、製造効率を向上させた上で安価にフルカラー表示を行うことができる。
なお、透過エリアF1及び透過エリアfの面積が大きくなり色純度が低い場合には、各着色層37R,37G,37Bの膜厚や濃度を変更して各着色層37R,37G,37Bの色純度を向上させることで、全体の色再現性を調整することが可能である。
なお、透過エリアF1及び透過エリアfの面積が大きくなり色純度が低い場合には、各着色層37R,37G,37Bの膜厚や濃度を変更して各着色層37R,37G,37Bの色純度を向上させることで、全体の色再現性を調整することが可能である。
(第2実施形態)
次に、図5に基づいて、本発明の第2実施形態について説明する。図5は第2実施形態における有機EL装置を模式的に示す断面図である。本実施形態では、上述した金属反射板と陰極との間で発光層から射出された光を共振させる光共振構造を採用している点で、第1実施形態と相違している。したがって、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明は省略する。
次に、図5に基づいて、本発明の第2実施形態について説明する。図5は第2実施形態における有機EL装置を模式的に示す断面図である。本実施形態では、上述した金属反射板と陰極との間で発光層から射出された光を共振させる光共振構造を採用している点で、第1実施形態と相違している。したがって、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態における有機EL装置2の陰極111は、発光層40から発光した光の一部を透過し、残りの光の一部又は全部を金属反射板15側に反射する半透過反射性を有しており、画素隔壁13及び発光層40を覆うように形成されている。一般に、上述したITO等の透光性導電膜は、大気層との界面で10%程度の反射率を有しており、特段の工夫を施さなければ、このような透光性導電膜を用いた陰極111は、上記のような半透過反射性を有するものとなっている。
ここで、発光層40は、上述した半透過反射機能を有する陰極111と金属反射板15との間に挟持されており、これら陰極111と金属反射板15との間で、発光層40から射出された光を共振させる光共振構造が形成されている。この構成によれば、発光層40から射出された光は、金属反射板15と陰極111との間で往復し、金属反射板15と陰極111との間の光学的距離に対応した共振波長の光だけが増幅されて取り出される(図5中矢印参照)。このため、発光輝度が高く、スペクトルもシャープな光を取り出すことができる。
各発光素子21の共振波長は、金属反射板15と陰極111との間の光学的距離、つまり金属反射板15と陰極111との間に形成された各層(例えば、有機機能層12、陽極110)の膜厚と屈折率とのそれぞれの積の総和によって求められる。本実施形態では、各画素領域XR,XG、XBの光共振器構造における金属反射板15と陰極111との間の光学的距離を調整することで、各画素領域XR,XG、XBの共振波長を異ならせている。つまり、光共振器構造における共振波長の異なる複数の発光素子21が含まれているため、白色光を発光する発光層40からはそれぞれ異なった色(例えば、赤色光、緑色光、青色光)が取り出されるようになっている。
これらの共振波長は、本実施形態の場合、発光素子21の陽極110の膜厚によって調節されている。具体的には、各画素領域XR,XG、XBにおける陽極110の膜厚は、共振波長が最も大きくなる画素領域XRの陽極110Rが最大となり、その次に、画素領域XGの陽極110G、画素領域XBの陽極110Bの順で膜厚が薄くなっている。また、光学的距離は表示面(封止基板31の表面)を正面から見た場合、つまり視野角0°の時に各色を発光する発光素子21が最適な共振波長の条件となるように設定されている。具体的には、光学的距離をL、発光層40で発光した光が陽極10または陰極111で反射する際に生じる位相シフトをΦ(例えば、−3/2π(rad))、発光層40から射出される光のうち取り出したい光のスペクトルのピーク波長をλとすると、2L=λ(m−Φ/2π)(mは整数)となる。なお、上述した視野角とは、視覚方向と封止基板31の表示面の法線とのなす角度とする。
このように本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することに加え、発光層40から射出された光を共振させる光共振構造を採用したため、各画素領域XR,XG、XBからは金属反射板15と陰極111との間の光学的距離に対応した共振波長の条件を満たす光のみが増幅されて取り出される。つまり、赤色光(R),緑色光(G),青色光(B)の各色に対応する共振波長を有する発光素子21を形成することで、フルカラー表示が可能な有機EL装置2を提供することができる。
これにより、着色層37R,37G,37Bを透過せずに透過エリアF1(図4参照)及び透過エリアfを透過した光自体も、赤色光、緑色光、青色光の各画素領域XR,XG、XBに対応した色の光として取り出すことができる。そして、封止基板31の表示面から表示される画像は、着色層37R,37G,37Bによって着色された光と、透過エリアF1及び透過エリアfを透過した高輝度かつ画素領域XR,XG、XBに対応した色を有する光とによって表示される。したがって、低電流で高輝度を得ることに加え、色再現性を向上させることができる。
また、視野角が大きい場合においても、発光輝度及び色純度の視野角特性を向上させることができる。
これにより、着色層37R,37G,37Bを透過せずに透過エリアF1(図4参照)及び透過エリアfを透過した光自体も、赤色光、緑色光、青色光の各画素領域XR,XG、XBに対応した色の光として取り出すことができる。そして、封止基板31の表示面から表示される画像は、着色層37R,37G,37Bによって着色された光と、透過エリアF1及び透過エリアfを透過した高輝度かつ画素領域XR,XG、XBに対応した色を有する光とによって表示される。したがって、低電流で高輝度を得ることに加え、色再現性を向上させることができる。
また、視野角が大きい場合においても、発光輝度及び色純度の視野角特性を向上させることができる。
なお、着色層の構成は、以下に示すような構成も可能である。図6〜9は、着色層の他の構成を示しており、着色層及び画素領域の平面図である。なお、各画素領域の構成は略同一の構成であるため、図6,8,9においては赤色光の画素領域のみを示す。また、図7においては、隣接する複数の画素領域を示している。
本発明においては、各発光領域と各着色層との平面視で重なった領域の面積が、発光領域の面積より小さく形成されていればよい。つまり、各発光領域の発光素子から発光した光が、各着色層を透過せず、封止基板をそのまま透過するような透過エリアを有する構成であればよい。
本発明においては、各発光領域と各着色層との平面視で重なった領域の面積が、発光領域の面積より小さく形成されていればよい。つまり、各発光領域の発光素子から発光した光が、各着色層を透過せず、封止基板をそのまま透過するような透過エリアを有する構成であればよい。
具体的には、図6に示すように、平面視矩形状の赤色着色層137Rが、発光領域23Rの一端から他端側にかけて発光領域23Rと重なるような構成としてもよい。この場合、発光領域23Rと赤色着色層137Rとが重ならない領域、つまり赤色着色層137Rの周囲には透過エリアF2が形成される。この透過エリアF2では、発光素子21から射出される白色光が封止基板31をそのまま透過することになる。
また、図7に示すように、マトリクス状に配列された同一の発光領域23R,23G,23Bの配列方向に沿って各着色層237R,237G,237Bを帯状に形成する構成も可能である。この場合、各着色層237R,237G,237Bと各発光領域23R,23G,23Bとは、それぞれの長手方向に沿って重なっており、発光領域23R,23G,23Bの両側には透過エリアF3が形成される。
この構成によれば、インクジェット法やスクリーン印刷法等により、同一の色を取り出す各着色層237R,237G,237Bを一括して形成することができるため、製造効率を向上させた上で、高輝度を得ることができる。
この構成によれば、インクジェット法やスクリーン印刷法等により、同一の色を取り出す各着色層237R,237G,237Bを一括して形成することができるため、製造効率を向上させた上で、高輝度を得ることができる。
さらに、図8に示すように、赤色着色層337Rの面積を発光領域23Rの面積より大きく形成した場合においても、平面視で発光領域23Rの一部に透過エリアF4が形成されていればよい。また、図9に示すように、発光領域23Rの平面視中央部に透過エリアF5を有する赤色着色層437Rを形成してもよい。なお、着色層の形状は矩形状に限らず、円形等の様々な形状を採用することが可能である。
(電子機器)
次に、本発明の電子機器について説明する。
電子機器は、上述した有機EL装置1,2(図3,5参照)を表示部として有したものであり、具体的には図10に示すものが挙げられる。
図10(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図10(a)において、携帯電話1000は、上述した有機EL装置1,2を用いた表示部1001を備える。
図10(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図10(b)において、時計(電子機器)1100は、上述した有機EL装置1,2を用いた表示部1101を備える。
図10(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図10(c)において、情報処理装置1200は、キーボードなどの入力部1202、上述した有機EL装置1,2を用いた表示部1206、情報処理装置本体(筐体)1204を備える。
図10(d)は、薄型大画面テレビの一例を示した斜視図である。図10(d)において、薄型大画面テレビ1300は、薄型大画面テレビ本体(筐体)1302、スピーカーなどの音声出力部1304、上述した有機EL装置1を用いた表示部1306を備える。
次に、本発明の電子機器について説明する。
電子機器は、上述した有機EL装置1,2(図3,5参照)を表示部として有したものであり、具体的には図10に示すものが挙げられる。
図10(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図10(a)において、携帯電話1000は、上述した有機EL装置1,2を用いた表示部1001を備える。
図10(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図10(b)において、時計(電子機器)1100は、上述した有機EL装置1,2を用いた表示部1101を備える。
図10(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図10(c)において、情報処理装置1200は、キーボードなどの入力部1202、上述した有機EL装置1,2を用いた表示部1206、情報処理装置本体(筐体)1204を備える。
図10(d)は、薄型大画面テレビの一例を示した斜視図である。図10(d)において、薄型大画面テレビ1300は、薄型大画面テレビ本体(筐体)1302、スピーカーなどの音声出力部1304、上述した有機EL装置1を用いた表示部1306を備える。
図10(a)〜(d)に示すそれぞれの電子機器は、上述した有機EL装置1を有した表示部1001,1101,1206,1306を備えているので、表示部が低電流で高輝度を得ることを図られたものとなる。
また、有機EL装置1,2を表示部として備える場合に限らず、発光部として備える電子機器であってもよい。例えば、有機EL装置1,2を露光ヘッド(ラインヘッド)として備えるページプリンタ(画像形成装置)であってもよい。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。例えば、上述した正孔注入・輸送層あるいは発光層のインク組成物は、低分子、高分子、デンドリマー等の分子形態に関係なく、また発光層の形成材料は、例えば蛍光、燐光材料ともに有効である。
また、上述した第2実施形態において、光学的距離の設定方法として、陽極の膜厚を調整する場合について説明したが、有機機能層の膜厚を厚く形成してもよい。
また、有機機能層や陽極の構成材料を変化させて屈折率を調整することで、光学的距離を調整することも可能である。
また、上述した第2実施形態において、光学的距離の設定方法として、陽極の膜厚を調整する場合について説明したが、有機機能層の膜厚を厚く形成してもよい。
また、有機機能層や陽極の構成材料を変化させて屈折率を調整することで、光学的距離を調整することも可能である。
また、各画素隔壁間(画素領域)に赤色発光層、緑色発光層、青色発光層をそれぞれ形成し、これら各色の発光層に対応して各色の着色層を配置する構成も可能である。
さらに各着色層の領域の間に、ブラックマトリクス層を形成するような構成にしてもよい。ブラックマトリクス層は、着色層を区分して非発光部分として構成するものであり、隣接する画素領域間の光漏れを防止するものである。ブラックマトリクス層の構成材料としては、カーボンブラック等の顔料が混入された樹脂からなる遮光層である。なお、このブラックマトリクス層には、フッ素樹脂等の撥液性を有する樹脂を混合させてもよい。
1,2…有機EL装置(発光装置)10…陽極(第1電極) 11…陰極(第2電極) 15…金属反射板(光反射層) 20A…素子基板 21…発光素子 23R,23G,23B…発光領域 31…封止基板 37R,37G,37B…着色層 40…発光層 1000…携帯電話(電子機器)、1100…時計(電子機器)、1200…情報処理装置(電子機器)、1300…薄型大画面テレビ(電子機器)、1001,1101,1206,1306…表示部(発光装置) F1〜F5…透過エリア f…透過エリア(光透過領域)
Claims (7)
- 第1電極と第2電極との間に発光層が挟持された複数の発光素子と、
前記複数の発光素子に対応して配置された複数の着色層と、を備えた発光装置において、
前記発光素子のそれぞれの発光領域と前記発光素子に対応する前記着色層との平面視で重なった領域の面積が、前記発光領域の面積より小さく形成されていることを特徴とする発光装置。 - 前記発光層は、白色光を発光することを特徴とする請求項1記載の発光装置。
- 前記第1電極は光透過性を有するとともに、前記第2電極は半透過反射性を有し、前記第1電極を挟んで前記発光層の反対側には光反射層が配置され、前記光反射層と前記第2電極との間で、前記発光層から射出された光を共振させる光共振器構造が構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の発光装置。
- 前記着色層は、前記発光領域の平面視中央部において重なるように配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記複数の着色層の間の領域には、光透過領域が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子から射出され隣接する前記発光素子に対応した前記着色層に入射する光が、全反射条件を満たすことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の発光装置。
- 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の発光装置を備えたことを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008001867A JP2009164024A (ja) | 2008-01-09 | 2008-01-09 | 発光装置及び電子機器 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108630718A (zh) * | 2017-03-21 | 2018-10-09 | 晶元光电股份有限公司 | 发光元件 |
-
2008
- 2008-01-09 JP JP2008001867A patent/JP2009164024A/ja not_active Withdrawn
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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