JP2009162643A - 微小粒子の送流方法及び分析方法、並びに微小粒子分析用基板 - Google Patents

微小粒子の送流方法及び分析方法、並びに微小粒子分析用基板 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロチップを用いた微小粒子の分析システムにおいて、高い分析速度及び分析精度を実現し得る微小粒子の送流方法及びこの送流方法を用いた分析方法、並びに微小粒子分析用基板の提供。
【解決手段】基板A上に配設された円弧状の周曲流路2内に微小粒子を通流させ、周曲流路2の曲率中心Qから外側に向かう遠心力に基づいて、前記微小粒子をその比重に応じ前記遠心力方向に分離して送流することを特徴とする微小粒子の送流方法などを提供する。この送流方法において、前記微小粒子は、曲率中心Q側に偏向された層流として、又は基板面に垂直方向に積層された層流として周曲流路2内へ導入される。
【選択図】図1

Description

本発明は、微小粒子の送流方法及び分析方法、並びに微小粒子分析用基板に関する。より詳しくは、基板上に配設された円弧状の周曲流路内において、微小粒子を比重により分離して送流する微小粒子の送流方法等に関する。
近年、半導体産業における微細加工技術を応用し、シリコンやガラス製の基板上に化学的及び生物学的分析を行うための領域や流路を設けたマイクロチップが開発されてきている。これらのマイクロチップは、例えば、液体クロマトグラフィーの電気化学検出器や医療現場における小型の電気化学センサーなどに利用され始めている。
このようなマイクロチップを用いた分析システムは、μ−TAS(micro-Total-Analysis System)やラボ・オン・チップ、バイオチップ等と称され、化学的及び生物学的分析の高速化や高効率化、集積化あるいは分析装置の小型化を可能にする技術として注目されている。
μ−TASは、少量の試料で分析が可能なことや、マイクロチップのディスポーザブルユーズ(使い捨て)が可能なことなどの理由から、特に貴重な微量試料や多数の検体を扱う生物学的分析への応用が期待されている。
μ−TASの応用例として、マイクロチップ上に設けられた流路内で細胞等の微小粒子の特性を光学的、電気的あるいは磁気的に分析し、微小粒子中から所定の条件を満たすポピュレーション(群)を分別回収する微小粒子分取技術がある。
例えば、特許文献1には、流路内において微小粒子の光学測定と分類を行うためのマイクロチップ(当該文献、図17、粒子分類システム1700参照)が開示されている。この粒子分類システム1700は、平行に動作する複数の分類モジュール1701(試料用流路)を備え、入力領域1710から各分類モジュール1701に試料を導入して、粒子の所定の特性を検出領域1720において同時並行的に測定するものである。
また、特許文献2には、レーザートラッピングを利用した微小粒子分別装置が開示されている。この微小粒子分別装置は、移動する細胞等の微小粒子に対して走査光を照射することにより、微小粒子の種類に応じた作用力を与えて分取を行うものである。同様の技術として、特許文献3には、光圧(optical forceもしくはoptical pressure)を利用した微小粒子回収装置が開示されている。この微小粒子回収装置は、流路対し微小粒子の流れ方向に交差させてレーザービームを照射し、回収すべき微小粒子の運動方向をレーザービームの収束方向に偏向させて微小粒子を回収するものである。
また、特許文献4には、微小粒子の移動方向を制御するための電極を有する微小粒子分別マイクロチップが記載されている。この電極は、微小粒子計測部位から微小粒子分別流路への流路口付近に設置され、微小粒子の移動方向を制御するものである。
特表2005−538727号公報 特開平7−24309号公報 特開2004−167479号公報 特開2003−107099号公報
上記特許文献1に開示される粒子分類システムでは、複数の分類モジュールによって微小粒子の特性を同時並行的に測定することにより、測定速度の向上が図られている。また、特許文献2〜4に開示される微小粒子分別装置等では、レーザートラッピングや光圧、電極を用いて微小粒子の分別を行うことにより、分別精度及び分別速度の向上が図られている。
近年、これらのマイクロチップを用いた微小粒子の分析システムにおいて、一層の分析速度及び分析精度の向上が求められている。特に、微小粒子として細胞を対象とするいわゆるセルソーターにおいては、再生医療への期待の高まりを受け、生体細胞中にごくわずかに存在する幹細胞を効率よく単離するための高い分析速度及び分析精度を備えたシステムが望まれている。
そこで、本発明は、マイクロチップを用いた微小粒子の分析システムにおいて、高い分析速度及び分析精度を実現し得る微小粒子の送流方法及びこの送流方法を用いた分析方法、並びに微小粒子分析用基板を提供することを主な目的とする。
上記課題解決のため、本発明は、基板上に配設された円弧状の周曲流路内に微小粒子を通流させ、該周曲流路の曲率中心から外側に向かう遠心力に基づいて、前記微小粒子をその比重に応じ前記遠心力方向に分離して送流することを特徴とする微小粒子の送流方法を提供する。
この送流方法において、前記微小粒子は、前記曲率中心側に偏向された層流として、又は基板面に垂直方向に積層された層流として前記周曲流路内へ導入することができる。
併せて、本発明は、この送流方法を用いた微小粒子分析方法を提供する。すなわち、基板に配設された領域内に微小粒子を導入し、該微小粒子の物性測定及び/又は分別を行う微小粒子分析方法において、前記領域に連通して配設された円弧状の周曲流路内に前記微小粒子を通流させ、該周曲流路の曲率中心から外側に向かう遠心力に基づいて、前記微小粒子をその比重に応じ前記遠心力方向に分離して前記領域に送流することを特徴とする微小粒子分析方法を提供する。
さらに、本発明は、上記の微小粒子の送流方法及び分析方法に使用される微小粒子分析用基板を提供する。すなわち、円弧状の周曲流路が形成され、該周曲流路内を通流する微小粒子を、該周曲流路の曲率中心から外側に向かう遠心力に基づいて、その比重に応じ前記遠心力方向に分離して送流し得ることを特徴とする微小粒子分析用基板が提供される。
この微小粒子分析用基板には、前記周曲流路に連通して、分離された前記微小粒子の物性測定及び/又は分別を行うための領域が配設される。
ここで、本発明において「微小粒子」には、細胞や微生物、リポソームなどの生体関連微小粒子、あるいはラテックス粒子やゲル粒子、工業用粒子などの合成粒子などが広く含まれる。生体関連微小粒子には、各種細胞を構成する染色体、リポソーム、ミトコンドリア、オルガネラ(細胞小器官)などが含まれる。対象とする細胞には、動物細胞(血球系細胞など)および植物細胞が含まれる。微生物には、大腸菌などの細菌類、タバコモザイクウイルスなどのウイルス類、イースト菌などの菌類などが含まれる。さらに、生体関連微小粒子には、核酸やタンパク質、これらの複合体などの生体関連高分子も包含され得るものとする。また、工業用粒子は、例えば有機もしくは無機高分子材料、金属などであってもよい。有機高分子材料には、ポリスチレン、スチレン・ジビニルベンゼン、ポリメチルメタクリレートなどが含まれる。無機高分子材料には、ガラス、シリカ、磁性体材料などが含まれる。金属には、金コロイド、アルミなどが含まれる。これら微小粒子の形状は、一般には球形であるのが普通であるが、非球形であってもよく、また大きさや質量なども特に限定されない。
また、「微小粒子の特性」には、光学特性、電気特性及び磁気特性が少なくとも含まれる。光学特性の測定としては、例えば、蛍光測定、散乱光測定、透過光測定、反射光測定、回折光測定、紫外分光測定、赤外分光測定、ラマン分光測定、FRET測定、FISH測定その他各種スペクトラム測定等が行われる。また、電気的物性の測定としては、例えば、抵抗値、容量値(キャパシタンス値)、インダクタンス値、インピーダンス、電極間の電界の変化値等の測定が行われる。磁気的物性の測定としては、例えば、試料に関する磁化、磁界変化、磁場変化等の測定を行うことができる。さらに、これらの特性の二以上を同時に測定することもでき、例えば磁気ビーズ等を蛍光色素で標識した場合などにおいては、光学特性と磁気特性の測定が同時に行われる。
マイクロチップを用いた微小粒子の分析システムにおいて、高い分析速度及び分析精度を実現し得る微小粒子の送流方法及びこの送流方法を用いた分析方法、並びに微小粒子分析用基板が提供される。
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
図1は、本発明に係る微小粒子分析用基板の構成を示す簡略上面図である。
図中、符号Aで示す微小粒子分析用基板(以下、単に「基板A」という)には、微小粒子を導入可能な導入流路1が形成されている。そして、この導入流路1に連通して、遠心力に基づいて微小粒子を比重に応じ分離するための円弧状の周曲流路2が形成されている。図中、符号Qは、この周曲流路2の曲率中心を示している。ここでは、周曲流路2を半円円弧として示したが、周曲流路2の形状は扇型円弧(1/4円等)等であってもよい。周曲流路2の形状は、内部を通流する微小粒子に対し遠心力の作用を付与可能な円弧部分を有する形状であれば特に限定されないものとする。
基板Aには、周曲流路2に連通して、微小粒子の特性測定及び/又は分別を行うための領域3が形成されている。周曲流路2において比重に応じ分離された微小粒子は、その分離状態を維持したまま領域3内へ導入され、特性測定及び/又は分取に供される。図中、符号31は、領域3内へ送流された微小粒子を所定の比重ごとに区分し、領域3外へ排出するためのアウトレットを示す。
さらに、基板Aには、微小粒子を所定の層流として周曲流路2内へ導入するための層流形成部4が配設されている。図中、符号41は、微小粒子の分散液(以下、「サンプル」ともいう)を基板A内に導入するためのサンプルインレットを示す。また、符号42,43,44は、シース液(緩衝液や微小粒子の分散媒)を基板A内に導入するためのシースインレットを示す。層流形成部4は、以下に説明するように立体的な構造を備えるものである。従って、基板Aは、例えば両面形成や片面成形した基板層を貼り合わせることによって形成されることが好適である。
サンプルインレット41から導入された微小粒子は、層流形成部4によって曲率中心Q側に偏向された層流として、又は基板面に垂直方向に積層された層流として、導入流路1から周曲流路2内へ送流される。そして、周曲流路2において、曲率中心Qから外側に向かう遠心力に基づいて、その比重に応じ遠心力方向に分離されて領域3内に送流される。
以下、この基板Aにおけるサンプル送流方向に従って、本発明に係る微小粒子の送液方法及び分析方法について説明する。
始めに、図2〜図4に基づいて、層流形成部4における層流形成方法について説明する。
サンプルインレット41(図1参照)から導入されたサンプルは、図2中符号411で示すサンプル導入部内に送出される。また、シースインレット42及び43(図1参照)から導入されたシース液は、それぞれシース導入部421及び431に送出される。そして、サンプル導入部411内を通流するサンプル流を、シース導入部421及び431から送流されるシース流によって、これらの合流部において挟み込むことで、第1段階目の層流形成が行われる(図3も参照)。
第1段階目の層流は、図2中X軸正方向に送流され、曲折部45にてY軸周りに略90度曲折して、Z軸正方向に折れ曲がる(図3、矢印C5参照)。続いて、曲折部46にてX軸周りに略90度曲折して、Y軸負方向に折れ曲がる(図3、矢印C6参照)。
曲折部46の下流では、シースインレット44(図1参照)からシース導入部441に送出されたシース液が、第1段階目の層流に合流し、第2段階目の層流形成が行われる。これにより、導入流路1内においてサンプル流をX軸正方向に偏向させることができる(図3も参照)。ここで、X軸正方向は、周曲流路2における曲率中心Q方向に対応する。
図3を参照して、層流形成部4におけるサンプル流の層流形成についてさらに説明する。図3では、説明の便宜上、シース流を点線で、サンプル流を実線で示している。
サンプル導入部411を通流するサンプル流は、シース導入部421及び431から合流するシース流によって挟み込まれる。この第1段階目の層流形成により、サンプル流はY軸方向に幅が狭い形状となる。このサンプル流の形状を、便宜上「縦長層流」というものとする。
続いて、サンプル流は曲折部45及び46において折り曲げられる。これにより、サンプル流はZ軸方向に高さが低い形状となる。このサンプル流の形状を、便宜上「横長層流」というものとする。
さらに、この横長層流とされたサンプル流に、シース導入部441からシース液を合流させる。この第2段階目の層流形成により、サンプル流は、導入流路1内においてX軸正方向に偏向された層流となる。
この層流形成部4は、第1段階目の層流形成のためのサンプル導入部411、シース導入部421及び431を形成した基板層と、第2段階目の層流形成のための導入流路1及びシース導入部441を形成した基板層と、を貼り合わせることにより、その立体構造を形成することができる。
図4には、基板層の貼り合わせによって形成した層流形成部4の構成(A)及びこの場合に形成されるサンプル流(B)を示した。
サンプル導入部411、シース導入部421及び431を形成した基板層と、導入流路1及びシース導入部441を形成した基板層を、図4(A)に示すようにそれぞれの基板層に形成された流路が連通するように貼り合わせることで、曲折部45及び46が形成される。
この曲折部45及び46によって、第1段階目の層流形成後の横長層流を、図4(B)中矢印C56で示すように連続して折り曲げ、第2段階目の層流形成を行うことで、先に説明したようなX軸正方向に偏向された層流形成することができる。
図5(A)には、第1段階目の層流形成後のサンプル流及びシース流のYZ断面を示す。また、(B)には、曲折部45及び46を経由後のサンプル流及びシース流のZX断面を、(C)には、第2段階目の層流形成後の同断面を示す。図中、符号Sはサンプル流、符号T2, T3, T4はそれぞれシース導入部421, 431, 441から導入されたシース流を示す。図中、符号Pは微小粒子を示す。なお、微小粒子Pの濃淡は、各粒子の比重の大きさを示している(微小粒子の比重については後述する)。
第1段階目の層流形成におけるサンプル流Sの縦長層流の幅(図5(A)中、符号Ws参照)は、サンプル流Sそのものの流量、流入圧等の流体条件、及びシース導入部421及び431から合流するシース流T2及びT3の流体条件を調整することで制御することができる。例えば、各シース流の流量を増加させ、シース流T2及びT3の幅(符号Wt2及びWt3参照)を増加させることで、サンプル流Sの幅Wsを小さくできる。この縦長層流の幅Wsは、曲折部45及び46を経由後の横長層流のサンプル流Sの高さ(図5(B)中、符号Hs)にも対応する。
また、シース流T2及びT3の流体条件を調整し、それぞれの幅Wt2及びWt3を変化させることにより、流路内におけるサンプル流Sの送流位置を制御することも可能である。例えば、シース流T3の流量をシース流T2の流量に比べ大きくすることで、サンプル流Sの送流位置を、図5(A)ではY軸正方向に、また図5(B)ではZ軸正方向に偏向させることが可能となる。
同様に、シース導入部441から合流するシース流の流体条件を調整し、シース流T4の幅wt4を調整すれば、第2段階目の層流形成におけるサンプル流Sの横長層流の幅(図5(C)中、符号ws)を制御することができる。この場合、シース流T4の例えば流量を大きくするほど、サンプル流Sの送流位置をX軸正方向に偏向させることが可能となる。
さらに、層流形成部4において、シース導入部441の反対側に、シース導入部451及びこれにシース液を送出するシースインレット45(ともに不図示)を設けることもできる。これにより、第2段階目の層流形成を、第1段階目と同様に、サンプル流をシース流で挟み込むことにより行うこともできる。
図6には、第2段階目の層流形成を、サンプル流をシース流で挟み込むことにより行った場合のサンプル流及びシース流のZX断面を示す。図中、符号Sはサンプル流、符号T2, T3, T4, T5はそれぞれシース導入部421, 431, 441, 451から送流されたシース流を示す。
第1段階目の縦長層流形成後、曲折部45及び46で折り曲げられた横長層流(図5(B)参照)に、シース導入部441及び451からシース液を合流させると、サンプル流は図6に示すように流路中心付近に収束した状態で送流されることとなる。
流路内におけるサンプル流Sの送流位置は、シース流T4及びT5の流体条件を調整し、それぞれの幅Wt4及びWt5を変化させることにより制御できる。例えば、シース流T4の流量をシース流T5の流量に比べ大きくすることで、サンプル流Sの送流位置を、図6中X軸正方向に偏向させることが可能である。
また、シース流T4及びT5の流体条件の調整により、サンプル流Sの幅(図6中、符号ws参照)を制御することもできる。例えば、各シース流の流量を増加させ、シース流T4及びT5の幅(符号wt4及びwt5参照)を増加させることで、サンプル流Sの幅Wsを小さくできる。
サンプル流Sの送流位置は、シース流T4及びT5の流体条件の調節によりX軸方向に任意に偏向させることができるが、後述する周曲流路2内において微小粒子の遠心分離を行うためには、サンプル流SをX軸方向へ偏向させることは必須とはならない。すなわち、シース流T4及びT5の流体条件を等しくして、X軸方向への偏向を行わず、サンプル流Sを流路中心に収束された状態で周曲流路2内へ導入してもよい。また、場合によってX軸負方向に偏向させた状態で導入を行うこともできる。
ただし、周曲流路2内における遠心分離の効率を高めるためには、サンプル流Sを周曲流路2における曲率中心Q方向に一致させるかたちで、X軸正方向に偏向することが望ましい。この場合、もっともX軸正方向に偏向された状態として、シース流T5の流量をゼロとすれば、図5(C)に示す状態のサンプル流が形成されることとなる。以下、図5(C)及び図6に示したサンプル流に関しては、より好適な例として図5(C)を中心に説明を行う。
本発明において、層流形成部4の構成は、図2〜図4で説明した構成に限定されず、図5(B)又は(C)(及び図6)に示すいずれかの層流を形成し得るものであればよい。
従って、層流形成部4における第2段階目の層流形成は必須の構成となるものではなく、少なくとも上記図5(B)の横長層流を形成し得るものであればよい。第2段階目の層流形成を行わない場合には、シースインレット44及びシース導入部441からのシース液を導入する必要はない。また、層流形成部4にシースインレット44及びシース導入部441を設けなくてもよい。
このように、本発明に係る微小粒子の送流方法において、サンプル流Sは、層流形成部4によって、図5(B)に示す横長層流として、又は、好適には図5(C)に示すX軸正方向に偏向された層流として、周曲流路2内へ導入される。
図1中、点線Rにおけるサンプル流及びシース流の断面図は、流路上流から下流方向への正面視において、図5(B)又は(C)(及び図6)のいずれかによって示される。ここで、図5(B)に示した横長層流は、基板面に垂直方向(図2〜図5中、Z軸方向)に積層された層流として説明される。また、図5(C)に示したX軸正方向に偏向された層流は、周曲流路2の曲率中心Q側に偏向された層流として説明することができる。
次に、このように、基板面に垂直方向に積層された層流(横長層流)として、又は曲率中心Q側に偏向された層流として、周曲流路2内に導入したサンプルの遠心分離について説明する。
図7は、周曲流路2の拡大簡略上面図である。
導入流路1から周曲流路2へ送流されたサンプル流に含まれる微小粒子は、円弧状に形成された周曲流路2内を通流する間に、曲率中心Qから外側に向かう遠心力(図中矢印F参照)の作用を受ける。そして、この遠心力Fは比重の大きい粒子に対してより強く作用する。従って、周曲流路2を通流する微小粒子Pは、サンプル流内において比重の大きい粒子ほど曲率中心Qから遠方へ移動する。これにより、周曲流路2内において、微小粒子をその比重に応じ遠心力F方向に分離することが可能となる。
図8は、周曲流路2内のサンプル流S及びシース流の断面図である。(A)及び(B)は、サンプル流Sを周曲流路2内に基板面に垂直方向に積層された層流として導入した場合を示し、(C)及び(D)は、サンプル流Sを曲率中心Q側に偏向された層流として導入した場合を示している。また、(A)及び(C)は、周曲流路2内へ導入直後のサンプル流及びシース流の断面を示し、(B)及び(D)は、周曲流路2内における遠心分離後の同断面を示す。図中矢印Fは、曲率中心Qから外側に向かう遠心力Fの向きを表している。また、微小粒子Pは、比重の大きいものほど濃く、小さいものほど薄く示した。
まず、図8(A)及び(B)に基づき、サンプル流Sを周曲流路2内に基板面に垂直方向に積層された層流として導入した場合について説明する。
図8(A)に示す周曲流路2内へ導入直後において、微小粒子Pは、その比重とは無関係にサンプル流S内に分散している。この状態の微小粒子Pは、周曲流路2を通流する間に遠心力Fの作用を受けると、(B)に示すようにサンプル流S内においてその比重に応じて遠心分離される。
この際、サンプル中の微小粒子Pの濃度や、微小粒子Pの粒径等に応じて、サンプル流Sの高さHsを制御することにより、分離後の微小粒子Pをサンプル流S内で遠心力F方向に略一列(図8(B)参照)に配列させることができる。
サンプル流Sの高さHsの制御は、上述のように、層流形成部4での第1段階目の層流形成において、サンプル流Sそのものの流量、流入圧等の流体条件、及びシース導入部421及び431から合流するシース流T2及びT3の流体条件を調整することで制御することができる。
次に、図8(C)及び(D)に基づき、サンプル流Sを周曲流路2内に曲率中心Q側に偏向された層流として導入した場合について説明する。
図8(C)に示す周曲流路2内へ導入直後において、微小粒子Pは、遠心方向内側に偏向されたサンプル流S内に、その比重とは無関係に分散している。この状態のサンプル流Sは、周曲流路2を通流する間に遠心力Fの作用を受けると、(D)に示すように遠心力F方向に遠心分離される。同時に、サンプル流S内に含まれる微小粒子Pが、遠心分離されたサンプル流S内においてその比重に応じて配列される。
この際、サンプル中の微小粒子Pの濃度や、微小粒子Pの粒径等に応じて、サンプル流Sの幅ws及び高さHsを制御し、分離後のサンプル流Sの高さ(図中、符号hs参照)を調整することにより、微小粒子Pをサンプル流S内で遠心力F方向に略一列(図7(D)参照)に配列させることができる。
図8(A)及び(B)で説明したように、サンプル流Sを基板面に垂直方向に積層された層流として周曲流路2内に導入し遠心分離を行う場合、周曲流路2内への導入時点の各粒子の分布位置によっては分離が十分に行われないおそれがある。すなわち、導入時点に、例えば比重の小さい粒子が予め遠心力F方向内側(曲率中心側)に位置している場合や、逆に比重に大きい粒子が予め遠心力F方向外側に位置している場合には、遠心分離によってこれらの粒子がサンプル流S内及び周曲流路2内を十分な距離移動できず、分離効果が不十分となる可能がある。
これに対して、図8(C)及び(D)で説明したように、サンプル流Sを周曲流路2内に曲率中心Q側に偏向された層流として導入した場合には、全ての粒子を予め遠心力F方向内側(曲率中心側)に位置させ、一律に遠心力F方向に遠心分離することによって、各粒子について十分な移動距離を確保し、分離効果を高めることが可能となる。
また、サンプル流を、図6で示したX軸方向に任意に偏向が可能な層流として周曲流路2内に導入し遠心分離を行う場合にも、遠心分離による粒子の距離移動は比較的小さくなる。しかし、特に微小粒子Pが細胞である場合などにおいては、遠心分離による細胞への負荷を避け、かつ必要な分離効果を得るため、サンプル流の層流位置を適宜X軸方向に調整し、遠心分離による粒子の移動距離を調整することが有効となる。この場合には、図6を用いた層流形成を好適に採用し得る。
続いて、領域3内における微小粒子の特性測定及び/又は分別について説明する。
始めに、図9を参照し、領域3内での微小粒子の特性測定について説明する。ここでは、微小粒子Pの特性を光学的に測定する場合を説明する。
図9は、図1中点線Uにおける基板Aの断面図を示している。図中、符号51は、微小粒子Pの光学特性を測定するための光学系を構成し、微小粒子Pに対し測定光を集光、照射するための集光レンズを示す。また、符号52は、測定光の照射によって微小粒子Pから発生する測定対象光を検出するエリア撮像素子を示している。エリア撮像素子には、例えば、CCDやCMOS素子を使用できる。
周曲流路2内において、遠心力Fに基づき比重に応じて分離された微小粒子Pは、図に示すようにサンプル流S内において遠心力F方向に略一列に配列された状態で、周曲流路2に連通する領域3へ送流される。
従って、例えば図9(A)に示すように、測定光を微小粒子Pの分離方向と一致させて図中矢印方向に走査し、微小粒子Pに照射することで、微小粒子Pの光学特性の測定を行うことが可能となる。
また、各粒子の分離方向における位置を検出することで、各粒子の比重の大小に関する情報を得ることができる。従って、本発明に係る微小粒子の分析方法では、微小粒子の光学特性の測定を、その比重と関連させて行うことが可能である。
さらに、微小粒子Pが測定光の走査方向に略一列で配列されていることにより、集光レンズ52から各粒子までの焦点深度を一定条件下に保つことが可能である。従って、以下に説明するように、本発明に係る分析方法では、高い測定精度を得ることができる。
まず、比較のため、図10に、サンプル流を縦長層流として周曲流路2内に導入した場合、及びサンプルを層流形成を行わずに導入した場合のサンプル流S及びシース流の断面図を示す。
図10(A)及び(B)は、サンプル流を縦長層流として周曲流路2内に導入した場合を示し、(C)及び(D)は、サンプルを層流形成を行わずに導入した場合を示している。また、(A)及び(C)は、周曲流路2内へ導入直後のサンプル流及びシース流の断面を示し、(B)及び(D)は、周曲流路2内における遠心分離後の同断面を示す。
サンプル流を縦長層流として周曲流路2内に導入した場合、周曲流路2における遠心分離後の微小粒子Pは、図10(B)に示すように、基板面に垂直方向に異なる深さをもってサンプル流S内に分布し、遠心力F方向に略一列に配列されない。
同様に、サンプルを層流形成を行わずに導入した場合にも、遠心分離後の微小粒子Pは、図10(D)に示すように、基板面に垂直方向に異なる深さをもって分布することとなる。
従って、周曲流路2から領域3へ送流される微小粒子Pは、図9に示したように測定光の走査方向に略一列で配列されず、基板面に垂直方向に異なる深さに位置することとなる。この場合、集光レンズ52から各粒子までの焦点深度が粒子ごとに異なり、全ての粒子に対し精度高く測定光を照射することができず、測定精度が低下してしまうこととなる。
これに対して、本発明に係る送流方法によれば、微小粒子Pを測定光の走査方向に略一列で配列させることで、集光レンズ52から各粒子までの焦点深度を一定条件下に保つことが可能であるため、高い測定精度を得ることができる。
さらに、図5において説明したように、シース流T2及びT3の流体条件を独立に調整し、それぞれの幅Wt2及びWt3を個別に変化させることにより、サンプル流Sの送流位置を、図5(B)Z軸方向に制御することが可能である。このため、集光レンズ52から略一列に配列された粒子までの焦点深度は任意に調整することができる。従って、微小粒子Pの焦点深度にずれが生じた場合にも、柔軟にずれを補正して、各粒子に正確に測定光を照射することができ、一層精度の高い測定を行うことが可能である。
微小粒子Pの光学特性を測定するための光学系は、従来のマイクロチップを用いた微小粒子の分析システムと同様に構成することができる。具体的には、光源とダイクロイックミラー、バンドパスフィルター、上記集光レンズ51、検出器(例えば、photo multiplier tube; PMT)等によって光学系を構成する。
測定光の照射によって、微小粒子Pから発生する測定対象光は、測定する光学特性に応じて、蛍光や散乱光、透過光、反射光、回折光等とすることができる。これらの検出対象光は、集光レンズ51と同一の集光レンズ又は異なる集光レンズを経て検出器によって検出される。また、図9(B)に示すように、検出器としてエリア撮像素子を配し、集光レンズを介さずに測定対象光の検出を行ってもよい。検出器により検出された測定対象光は、電気信号に変換され、分析システムを構成するデータ解析手段に出力される。
ここでは、光学特性を測定する場合について説明したが、測定を行う微小粒子の特性は、電気特性及び磁気特性等であってもよい。電気的物性及び磁気特性の測定を行う場合には、領域3に微小電極を配し、例えば抵抗値、容量値(キャパシタンス値)、インダクタンス値、インピーダンス、電極間の電界の変化値等、あるいは、例えば試料に関する磁化、磁界変化、磁場変化等を測定する。これらの特性の二以上を同時に測定することもでき、例えば磁気ビーズ等を蛍光色素で標識した場合などにおいては、光学特性と磁気特性の測定が同時に行われる。
従来のマイクロチップを用いた微小粒子の分析システムでは、流路中に微小粒子を一つずつ配列させて特性の測定を行っている。従来システムのフロー系は、微小粒子を含む分散液を層流として送出するノズルと、シース液を層流として送出するノズルから構成され、これらのノズルによってシース流の中央に微小粒子の層流を作り出している。そして、微小粒子Pの分散液を送出する際、ノズルにわずかな圧力差を加えることによって、微小粒子を一つずつ送出し、分散液層流内に一つずつ配列させた状態で特性の測定を行っている。
このように、流路内を一つずつ配列されて送流される微小粒子について特性の測定を行う従来の分析システムでは、流路内への微小粒子の送出速度が制約されるため、高速な測定を行うことができなかった。これを解決するため、上記特許文献1に開示される粒子分類システムのように、基板上に設けた複数の流路(当該文献の分類モジュール)において、同時並行的に測定を行うことも試みられている。しかし、この場合、基板構造が複雑になるという問題があった。
これに対して、本発明に係る分析方法によれば、サンプル流を多数の微小粒子を含んだ状態で流路内に導入し、周曲流路2において遠心方向に略一列に分離させ特性の測定を行うことにより、流路内への微小粒子の送出速度に制約されることなく、高速な測定を行うことが可能である。
次に、図11を参照し、領域3内での微小粒子の分別について説明する。
図11は、図1中点線Vにおける領域3の断面図を示している。図中、符号31は、周曲流路2において分離され、領域3内へ送流された微小粒子Pを、領域3外へ排出するためのアウトレットを示す。また、符号32は、微小粒子Pの分離状態を維持し、所定の比重範囲ごとに粒子を区分する流路隔壁を示している。
周曲流路2内において、遠心力Fに基づき比重に応じて分離された微小粒子Pは、その比重に応じ遠心力方向に略一列に配列された状態で、領域3へ送流される。そして、流路隔壁32によって、所定の比重範囲ごとに区分される。各比重範囲に区分された粒子は、それぞれアウトレット31から領域3外へ排出される(図中矢印参照)。これにより、領域3では、微小粒子Pを比重に応じて分別することができる。
次に、本発明に係る微小粒子の分析方法を適用した血球分離システムについて説明する。このシステムは、血液に含まれる赤血球、単球、リンパ球、好中球、好酸球、好塩基球等の中から比重に応じ特定の血球を分取し、さらにこの細胞群中から所定の特性を有するポピュレーション(細胞群)を分取し、培養するためのものである。
図12は、この血球分離システムの構成を示すフローチャートである。本血球分離システムは、全血遠心分離部Aと溶血処理部B、試薬処理部C、分析・分取部D、細胞培養部Eとからなっている。
全血遠心分離部Aは、図1に示した基板Aと同様の構成とすることができる。全血遠心分離部Aにおける操作を、図1に基づいて説明する。まず、サンプルインレット41から、全血又は緩衝液で希釈した血液を導入する。シースインレット42,43,44からは、例えば生理食塩水をシース液として導入する。これにより、サンプルインレット41から導入された血液は、層流形成部4によって曲率中心Q側に偏向された層流として、又は基板面に垂直方向に積層された層流として、導入流路1から周曲流路2内へ送流される。
そして、血液中に含まれる血球は、周曲流路2において、曲率中心Qから外側に向かう遠心力に基づいて、その比重に応じ遠心力方向に分離されて領域3内に送流される。領域3では、流路隔壁32によって、血球が所定の比重範囲ごとに区分され、それぞれアウトレット31から領域3外へ排出される(図11も参照)。これにより、血液中に含まれる血球を比重に応じ赤血球、単球、リンパ球、好中球、好酸球、好塩基球等に区分して、各アウトレット31から全血遠心分離部Aに続く溶血処理部Bへ送出することができる。
この際、溶血処理部Bに接続するアウトレット31を適宜選択することで、赤血球、単球、リンパ球、好中球、好酸球、好塩基球等の中から特定の血球のみを分取して、溶血処理部Bへ送出することができる。以下、全血遠心分離部Aにおいて、分取を行う血球を「血球a」というものとする。
血液中には、単球、リンパ球、好中球、好酸球、好塩基球等の白血球に比して、多量の赤血球が含まれる。従って、全血遠心分離部Aにおける遠心分離によって赤血球が十分に分離できず、分取された血球a中に赤血球が混入することも考えられる。
溶血処理部Bでは、このような混入した赤血球を完全に取り除くため、赤血球の溶血処理を行う。
図13は、溶血処理部Bの簡略上面図を示している。図では、液体が導入される流路等を便宜上黒く塗りつぶして示した(以下、図14〜16についても同じ)。
全血遠心分離部Aの選択されたアウトレット31から排出された血球aは、サンプルインレットb1に導入される。シースインレットb2, b3からは溶血液(低張液又は高張液等)をシース液として導入する。また、必要に応じて、シースインレットb4, b5からも溶血液を導入してもよい。
図1に示した基板A(層流形成部4参照)と同様、サンプルインレットb1から導入された血球aを含むサンプル流は、シースインレットb2, b3から合流する溶血液によって第1段階目の層流形成がなされ、縦長層流となる(図5(A)参照)。また、シースインレットb4, b5から合流する溶血液による第2段階目の層流形成後、サンプル流は流路中心に収束された層流(図6参照)となる。このような層流形成は、溶血のための必須の工程とはならないが、サンプル流中に含まれる血球aの基板表面への接触や付着を防止するため、好ましくは流路中心部に収束された層流を形成する。シースインレットb6, b7からは必要に応じて、生理食塩水等を導入する。
このように、溶血処理部Bでは、血球aを含むサンプル流と溶血液との層流形成し、サンプル流と溶血流との境界面において混入した赤血球を溶血させる。赤血球が取り除かれた血球aは、アウトレットb8から溶血処理部Bに続く試薬処理部Cへ送出される。
試薬処理部Cでは、続く分析・分取部Dにおいて血球Aの特性を測定するため、血球Aの前処理を行う。ここでは、細胞表面に発現する抗原に基づいて細胞Aを分類するため、抗原に対する蛍光抗体を用いて細胞を蛍光標識する場合について説明する。分析・分取部Dでは、蛍光標識された細胞の光学特性(蛍光特性)の測定及び測定された特性に基づく分取が行われる。
図14は、試薬処理部Cの簡略上面図を示している。
溶血処理部Bのアウトレットb8から排出された血球aは、サンプルインレットc1に導入される。シースインレットc2, c3, c4, c5からはそれぞれ血球Aの蛍光標識のための試薬が導入される。各シースインレットから導入される試薬はそれぞれ異なっていてもよく、同一であってもよい。
一例として、シースインレットc2, c3から細胞表面抗原に対する一次抗体液を、シースインレットc4, c5からこの一次抗体に対する蛍光標識二次抗体液を導入する。この際、サンプルインレットc1から導入された血球aを含むサンプル流に対し、シースインレットc2, c3からの一次抗体液により第1段階目の層流形成を行い、シースインレットc4, c5からの二次抗体液により第2段階目の層流形成を行うことができる点は、溶血処理部Bと同様である。また、このとき、サンプル流を流路中心部に収束された層流とすることが望ましい点も上述の通りである(この点、以下に説明する分取・分析部D及び細胞培養部Eにおいても同様)。シースインレットc6, b7からは必要に応じて、生理食塩水等を導入する。
血球Aに特定の細胞表面抗原が発現している場合には、シースインレットc2, c3からの一次抗体が細胞表面に結合し、さらにこの一次抗体にシースインレットc4, c5からの二次抗体が結合することで、細胞が蛍光標識される。一方、血球Aが抗原を発現していない場合には、細胞は蛍光標識されない。このように細胞表面への特定抗原の発現の有無によって蛍光標識された血球Aは、アウトレットc8から試薬処理部Cに続く分取・分析部Dへ送出される。
分析・分取部Dでは、血球Aの特性を光学的、電気的又は磁気的に測定し、測定された特性に基づき分取を行う。ここでは、上記のように蛍光標識された血球Aを光学的に測定し、分取する場合について説明する。
図15は、分析・分取部Dの簡略上面図を示している。
試薬処理部Cのアウトレットc8から排出された血球aは、サンプルインレットd1に導入される。シースインレットd2, d3, d4, d5からは、例えば生理食塩水等を導入し、層流形成を行う。
そして、層流形成後のサンプル流に含まれる血球aに対し測定光を照射することで各細胞の蛍光特性を測定する。上記抗原を発現する細胞は強い蛍光強度を呈し、同抗原を発現しない細胞は蛍光強度が低いため、各細胞の蛍光測定により血球aを細胞表面抗原の発現の有無により分類することができる。
そして、例えば、図中符号d8で示す分取細胞アウトレットへ、抗原を発現すると判定された細胞を送流し、符号d9で示す廃棄細胞アウトレットへ、抗原を発現しないと判定された細胞を送流することにより、血球Aから抗原を発現する細胞群のみを分取する。
分取する細胞と廃棄する細胞の分別は、分取細胞アウトレットd8と廃棄細胞アウトレットd9の分岐部におけるサンプル流の送流方向を制御することにより行うことができる。送流方向の制御は、従来マイクロチップを用いた微小粒子の分取技術に用いられている方法により行うことができる。例えば、上記特許文献1に開示されるように、分岐部上流にアクチュエータを配し、このアクチュエータから発生する圧力パルスによって分取する細胞のみを分取細胞アウトレットd8へ送流する。また、特許文献2〜4に開示されるレーザートラッピングや光圧、電極等を用いて送流方向の制御を行うこともできる。
細胞培養部Eでは、血球aから分取された所定の細胞群を培養、維持する。
図16は、細胞培養部Eの簡略上面図を示している。
分析・分取部Dの分取細胞アウトレットd8から排出された分取細胞は、サンプルインレットe1に導入される。シースインレットe2, e3, e4, e5からはそれぞれ分取細胞の培養のための試薬が導入される。各シースインレットから導入される試薬はそれぞれ異なっていてもよく、同一であってもよい。
例えば、シースインレットe2, e3から生理食塩水を、シースインレットe4からpH調整液を、シースインレットe5から細胞培養液を導入する。
図中、符号e10は、分別細胞の培養領域を示す。サンプルインレットe1から導入された分取細胞は、シースインレットe2, e3, e4, e5から導入される培養液等と混合された状態で培養領域e10に貯留され、培養される。なお、図中符号e8は、過剰な培養液等が排出されるアウトレットを示す。
以上のように、この本発明に係る微小粒子の分析方法を適用した血球分離システムによれば、血液に含まれる赤血球、単球、リンパ球、好中球、好酸球、好塩基球等の中から比重に応じ特定の血球を分取し、さらに、例えば、血球表面に発現する抗原を光学的に検出することにより、特定のポピュレーション(細胞群)を分取し、培養することが可能である。
また、この血球分離システムにおいて、遠心分離部A〜細胞培養部Eは、一枚の基板上に集積させて配置することができる。この場合、遠心分離部A〜細胞培養部Eを、例えば、基板面に水平方向に連続する領域として設けることができる。また、遠心分離部A〜細胞培養部Eを形成した複数の基板を、基板面に垂直方向に貼り合わせ、垂直方向に連続させて配置させることもできる。
本発明に係る微小粒子の送流方法の効果を、図17に示す基板(簡略上面図)を用いて検証した。サンプルには、粒子直径3μmの Duke Scientific Corporation製蛍光ビーズ(Cat.No.R0300)を1%濃度で用いた。
基板には、図17に示すように、層流形成部、周曲流路、サンプルアウトレット及びこれらを接続する直線流路を配設した。図中、各数値はサイズ(mm)を示す。基板は、層流形成部の立体形状を形成するため、二層を貼り合わせた構造(基板厚0.5mm)とした。流路の幅及び深さは、それぞれ200μmとした。サンプルアウトレットは直径2mmとし、直径4mmのコネクタを排出路として接続した。
図18には、層流形成部の拡大図を示す。(A)中、各数値はサイズ(mm)を示す。サンプルインレット及びシースインレットは直径2mmとし、直径4mmのコネクタを接続してそれぞれサンプル及びシース液を導入した。(B)中、各数値は、サンプル導入部及び各シース導入部からのサンプル流及びシース流の流量(ml/h)を示す。
図19(A)には、第1段階目の層流形成を行ったサンプル流を基板上面から撮影した写真を示す。シース流に比べ暗く視認されるサンプル流が、シース流によって挟み込まれ、図中矢印方向に狭い縦長層流となっていることが確認される。
また、図19(B)には、曲折部における折れ曲がり後のサンプル流を基板上面から撮影した写真を示す。折れ曲がり後のサンプル流は、図中矢印方向に流路幅全体に広がる横長層流となっていることが確認される。
さらに、図19(C)には、第2段階目の層流形成を行ったサンプル流を基板上面から撮影した写真を示す。サンプル流は、再度シース流によって挟み込まれ、図中矢印方向に狭い層流となり、流路中心部に収束された層流となっていることが確認される。
図20には、周曲流路への導入直前のサンプル流(A)と、周曲流路を通流後のサンプル流(B)を基板上面から撮影した写真を示す。図(A)に示す導入直前のサンプル流は、層流形成部によって流路中心部に収束された層流となっている(図中、矢頭参照)。なお、図中ブロック矢印は、サンプル流の送流方向を示す。
これに対して、周曲流路を通流後のサンプル流は、図(B)に示すように、一方向(周曲流路における遠心方向)に進展し、同方向に幅が広い層流となっていることが確認される(図中、アスタリスク参照)。
このことは、流路中心部に収束されたサンプル流が、周曲流路を通流する際、遠心力の作用によって遠心力方向に分離されたことを示している。従って、本発明に係る微小粒子の送流方法によれば、微小粒子を周曲流路の曲率中心から外側に向かう遠心力に基づき、比重に応じて遠心力方向に分離できることが示された。
本発明に係る微小粒子分析用基板の構成を示す簡略上面図である。 層流形成部4の構成を示す簡略斜視図である。 層流形成部4において形成される層流を示す簡略斜視図である。 基板層の貼り合わせによって形成した層流形成部4の構成(A)と、この場合に形成されるサンプル流(B)を示す簡略斜視図である。 層流形成後のサンプル流及びシース流の断面図である。(A):第1段階目の層流形成後(YZ断面)、(B):曲折部45及び46経由後(ZX断面)、(C):第2段階目の層流形成後(ZX断面)。 第2段階目の層流形成を、サンプル流をシース流で挟み込むことにより行った場合のサンプル流及びシース流の断面図(ZX断面)である。 周曲流路2の拡大簡略上面図である。 周曲流路2内のサンプル流S及びシース流の断面図である。(A)及び(C):周曲流路2内へ導入直後、(B)及び(D):周曲流路2内における遠心分離後。 領域3内での微小粒子の特性測定について説明する図である。 本発明に係る送流方法によらない層流形成を行った場合の周曲流路2内のサンプル流S及びシース流の断面図である。(A)及び(C):周曲流路2内へ導入直後、(B)及び(D):周曲流路2内における遠心分離後。 領域3内での微小粒子の分別について説明する図である。 本発明に係る微小粒子の分析方法を適用した血球分離システムの構成を示すフローチャートである。 溶血処理部Bの簡略上面図である。 試薬処理部Cの簡略上面図である。 分析・分取部Dの簡略上面図である。 細胞培養部Eの簡略上面図である。 実施例に用いた基板の構成を示す簡略上面図である。 実施例における流体条件を示す簡略上面図である。 実施例におけるサンプル流を基板上面から撮影した写真である。(A):第1段階目の層流形成後、(B):曲折部経由後、(C):第2段階目の層流形成後。 実施例におけるサンプル流を基板上面から撮影した写真である。(A):周曲流路への導入直前、(B):周曲流路通流後。
符号の説明
A 微小粒子分析用基板
F 遠心力
P 微小粒子
Q 曲率中心
S サンプル流
T2, T3, T4, T5 シース流
1 導入流路
2 周曲流路
3 領域
31 サンプルアウトレット
32 流路隔壁
4 層流形成部
41 サンプルインレット
42, 43, 44 シースインレット
45,46 曲折部

Claims (6)

  1. 基板上に配設された円弧状の周曲流路内に微小粒子を通流させ、該周曲流路の曲率中心から外側に向かう遠心力に基づいて、前記微小粒子をその比重に応じ前記遠心力方向に分離して送流することを特徴とする微小粒子の送流方法。
  2. 前記微小粒子を、前記曲率中心側に偏向された層流として前記周曲流路内へ導入することを特徴とする請求項1記載の送流方法。
  3. 前記微小粒子を、基板面に垂直方向に積層された層流として前記周曲流路内へ導入することを特徴とする請求項1記載の送流方法。
  4. 基板に配設された領域内に微小粒子を導入し、該微小粒子の特性測定及び/又は分別を行う微小粒子分析方法において、
    前記領域に連通して配設された円弧状の周曲流路内に前記微小粒子を通流させ、該周曲流路の曲率中心から外側に向かう遠心力に基づいて、前記微小粒子をその比重に応じ前記遠心力方向に分離して前記領域に送流することを特徴とする微小粒子分析方法。
  5. 円弧状の周曲流路が形成され、該周曲流路内を通流する微小粒子を、該周曲流路の曲率中心から外側に向かう遠心力に基づいて、その比重に応じ前記遠心力方向に分離して送流し得ることを特徴とする微小粒子分析用基板。
  6. 前記周曲流路に連通して、分離された前記微小粒子の特性測定及び/又は分別を行うための領域が配設されていることを特徴とする請求項5記載の微小粒子分析用基板。
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