JP2009162322A - 変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両への搭載性の向上及び軽量化を図ることができ、動力伝達効率の向上を図ることができる変速機の提供。
【解決手段】入力軸1の回転をN段に変速してカウンタ軸2に伝達する上流側変速機構UIと、第1、第2遊星歯車列40,50を有する複列式遊星歯車変速機構UOとを備え、複列式遊星歯車変速機構UOは、第1クラッチK1を介して入力軸2と係脱自在に連結される第1回転要素S1,S2と、出力軸4に連結される第2回転要素C1と、第2クラッチK2を介して入力軸1と係脱自在に連結され、第1ブレーキB1によって回転を停止可能な第3回転要素C2と、カウンタ軸2の回転が伝達されて回転し、第2ブレーキB2によって回転を停止可能な第4回転要素R2と、を備え、第2ブレーキB2は、上流側変速機構UIに設置され、カウンタ軸2を固定保持することで第4回転要素R2の回転を停止させる変速機。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両などに搭載され、入力回転を受けて回転される入力部材の回転を変速して出力部材に出力する変速機に関する。
従来、車両などに搭載され、入力回転を受けて回転される入力軸(入力部材)の回転を変速して出力軸(出力部材)に出力する変速機がある。この種の変速機として、例えば、特許文献1に記載された変速機がある。特許文献1の変速機は、上流側(回転入力側)に設けた上流側変速機構と、下流側(回転出力側)に設けた複列式遊星歯車変速機構との2つのユニットを連結して構成されている。上流側変速機構は、互いの軸方向が平行に配置された入力軸とカウンタ軸とを有し、入力軸の回転をN段に変速してカウンタ軸に伝達する平行軸式変速機構で構成されている。また、下流側の複列式遊星歯車変速機構は、入力軸とカウンタ軸の少なくともいずれかの回転を入力し、該回転を変速して出力軸に伝達するための複数の遊星歯車列を備えて構成されている。
特開2007−327536号公報
上記のような変速機の複列式遊星歯車変速機構は、いずれかの遊星歯車列が備えるリングギヤから構成される回転要素(特許文献1の変速機における第4回転要素)を備えている。さらに、この回転要素の回転を停止させるためのブレーキ手段が設けられている。特許文献1の変速機においては、当該ブレーキ手段は、複列式遊星歯車変速機構の内部に設置されている。
ところで、複列式遊星歯車変速機構は、部品点数が多く内部構造が複雑であるため、該複列式遊星歯車変速機構を収納しているケースの内部において上記のブレーキ手段を設置可能なスペースは、限られた位置になってしまうのが現状である。このため、特許文献1の変速機では、当該ブレーキ手段は、複列式遊星歯車変速機構の内部において入力軸と該入力軸の回転が伝達される他の部材との間に設置されたクラッチ手段の外側(外周側)の位置に配置されている。しかしながら、ブレーキ手段をこの位置に配置すると、クラッチ手段を避けるためにブレーキ手段の外径が大きくなってしまうため、ケースの外径を大きくするなどして対応せざるを得ず、変速機の外径(胴回り寸法)の大型化を招いてしまう。これにより、変速機の車両への搭載性に悪影響が生じるおそれがあった。また、ケースの大型化によってケースを含む変速機全体の重量の増加にもつながり、車両の軽量化の妨げになるおそれもあった。
また、ブレーキ手段の外径が大きくなると、変速機の外径の大型化や重量の増加のみでなく、ブレーキ手段で生じるフリクションの増大にもつながってしまう。これにより、変速機における動力伝達効率の低下を招くおそれがあった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、外径の大型化や重量の増加を回避して車両への搭載性の向上を図ることができ、かつ、ブレーキ手段のフリクションを低減して動力伝達効率の向上を図ることができる変速機を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明にかかる変速機は、入力回転を受けて回転される上流側入力部材(1)の回転をN段に変速して上流側出力部材(2)に伝達する上流側変速機構(UI)と、2組以上の遊星歯車列(40,50)を有して構成され、上流側入力部材(1)と上流側出力部材(2)の少なくともいずれかの回転を変速して変速機出力部材(4)に伝達する複列式遊星歯車変速機構(UO)とを備え、複列式遊星歯車変速機構(UO)は、第1クラッチ手段(K1)を介して上流側入力部材(1)と係脱自在に連結される第1回転要素(S1,S2)と、変速機出力部材(4)に連結される第2回転要素(C1)と、第2クラッチ手段(K2)を介して上流側入力部材(1)と係脱自在に連結されるとともに、第1ブレーキ手段(B1)によって回転を停止可能である第3回転要素(C2)と、上流側出力部材(2)の回転が伝達されて回転するとともに、第2ブレーキ手段(B2)によって回転を停止可能である第4回転要素(R2)とを備え、第2ブレーキ手段(B2)は、上流側変速機構(UI)に設置され、上流側出力部材(2)あるいは上流側出力部材(2)に回転を伝達する部材(11,13)を固定保持することで第4回転要素(R2)の回転を停止させることを特徴とする。なお、ここでの括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
従来のように第2ブレーキ手段を複列式遊星歯車変速機構に設置する場合、第2ブレーキ手段の大径化が必要であり、第2ブレーキ手段で生じるフリクションが大きくなる。また、第2ブレーキ手段の外径に応じて決まる変速機の外径(胴回り径)も大きくなり、変速機の重量も増加する。仮に、第2ブレーキ手段を複列式遊星歯車変速機構に設置して、当該第2ブレーキ手段を小径化しようとすれば、上述したクラッチ手段の径方向における外側の位置ではなく、クラッチ手段の前後方向における隣接位置などに第2ブレーキ手段を配置する必要がある。そのためには、クラッチ手段の間に第2ブレーキ手段を設置するためのスペースを設ける必要があり、変速機の前後方向の長さ寸法を大きく延ばさなければならない。これに対して、上流側変速機構は、複列式遊星歯車変速機構と比べて部品点数が少なく、内部の空きスペースが大きいので、本発明のように第2ブレーキ手段を上流側変速機構に配置すれば、変速機の胴回り径を大きくせず、かつ、長さ寸法を延ばさずに、第2ブレーキ手段の設置スペースを容易に確保でき、第2ブレーキ手段の小径化を図ることが可能となる。
すなわち、本発明にかかる変速機によれば、複列式遊星歯車変速機構が備える第4回転要素の回転を停止させるための第2ブレーキ手段を上流側変速機構に配置したことで、変速機内のスペースを有効に活用して、第2ブレーキ手段を含む変速機の構成部品を効率良くレイアウトすることが可能となる。これにより、変速機の外形寸法(胴回り寸法あるいは軸方向の長さ寸法)の大型化を防止でき、変速機の車両への搭載性の向上を図ることができる。また、第2ブレーキ手段を上流側変速機構に配置することで、第2ブレーキ手段の寸法形状の自由度が高まるので、第2ブレーキ手段の小径化・小容量化を図ることが可能となる。これにより、第2ブレーキ手段で生じるフリクションを効果的に低減することができ、変速機の動力伝達効率の向上を図ることができる。
また、上記構成の変速機において、上流側出力部材(2)の回転を減速して第4回転要素(R2)に伝達する回転伝達部(G3)を備えてもよい。
この構成によれば、回転伝達部によって上流側出力部材の回転が減速されて第4回転要素に伝達されるので、第2ブレーキ手段は、減速前の上流側出力部材を固定保持することで、減速後の第4回転要素の回転を停止させることが可能となる。したがって、第4回転要素を直接に固定保持する場合と比較して、第4回転要素を停止させるために必要なトルクが小さくて済む。これにより、第2ブレーキ手段の容量を小さくすることができ、第2ブレーキ手段を構成するブレーキ板の枚数を減らしたり、ブレーキ板を小径化したりすることが可能となる。また、第2ブレーキ手段の少容量化によって、ブレーキの引きずりを低減する効果も望める。さらに、第2ブレーキ手段で生じるフリクションの低減を図ることが可能となる。
また、上記構成の変速機においては、上流側変速機構(UI)は、上流側入力部材(1)である入力軸(1)と上流側出力部材(2)であるカウンタ軸(2)とを平行に配置してなる平行軸式変速機構であり、第2ブレーキ手段(B2)は、カウンタ軸(2)あるいは該カウンタ軸(2)と一体に回転する部材(12,14,15)を固定保持可能に配置されていてもよい。
平行軸式変速機構におけるカウンタ軸の周辺には、第2ブレーキ手段を設置可能な空きスペースがある。したがって、第2ブレーキ手段をカウンタ軸あるいは該カウンタ軸と一体に回転する部材を固定保持可能に配置すれば、第2ブレーキ手段の設置スペースを容易に確保できる。これにより、他の構成部品の配置を変えずに第2ブレーキ手段を設置することが可能となるので、変速機の構成部品のレイアウト性を向上させることができる。また、本発明の第2ブレーキ手段は、カウンタ軸の周辺の空きスペースを利用して配置することで、形状寸法の自由度を高めることができるので、複列式遊星歯車変速機構に設置する従来のブレーキ手段と比較して小径化を図ることが可能となる。
また、上記構成の変速機においては、上流側変速機構(UI)は、上流側入力部材(1)である入力軸(1)と上流側出力部材(2)であるカウンタ軸(2)とを平行に配置してなる平行軸式変速機構であり、第2ブレーキ手段(B2)は、入力軸(1)の回転をカウンタ軸(2)に伝達する部材(11,13)を固定保持可能に配置されていてもよい。
平行軸式変速機構におけるトルクコンバータ付近(上流側端部近傍)などの入力軸の周辺には、第2ブレーキ手段を設置可能な空きスペースがある。したがって入力軸の回転をカウンタ軸に伝達する部材を固定保持可能となるように第2ブレーキ手段を配置すれば、他の構成部品の配置を変えずに第2ブレーキ手段を設置することが可能となり、変速機の構成部品のレイアウト性を向上させることができる。また、入力軸の周辺の空きスペースに第2ブレーキ手段を設置することで、変速機の外径を大型化せずに、第2ブレーキ手段に必要なブレーキ容量を持たせるための径寸法の確保が可能となる。
本発明にかかる変速機によれば、車両への搭載性の向上および動力伝達効率の向上を図ることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態にかかる自動変速機(以下、単に「変速機」という。)TM1を備えた動力伝達装置10を示す概略図である。動力伝達装置10は、例えばFR型の車両に搭載されるものである。動力伝達装置10は、車両前方に配設されたエンジン5と、エンジン5の出力軸5aにトルクコンバータ6を介して入力軸1が接続される変速機TM1と、変速機TM1の出力軸4が接続されるデフ機構7とで構成される。この動力伝達装置10では、エンジン5の駆動力により所定方向に回転数Neで回転する入力軸1の回転駆動力が変速機TM1により変速されて、出力軸4から出力される。出力された回転駆動力は、デフ機構7により左右のドライブシャフト8,8に分割されて、左右の駆動輪(後輪)9,9に伝達される。FR型の車両においては、しばしば、図1に示すように、変速機TM1の入力軸1と出力軸4とを車両の前後方向に延びる同軸上に位置させたレイアウトで動力伝達装置10が構成される。なお、変速機TM1は、複数のケース部材を組み付けて成形されるケーシング20の内部空間に収容されている。
変速機TM1には、変速制御を行うように構成された図示しない変速制御装置が備えられている。変速制御装置は、車両各部に設けたセンサからの入力情報やシフトレバーの操作状態などに応じて、変速機TM1に設けた複数のクラッチやブレーキからなる各係合要素(後述する摩擦係合要素K1〜K4,B1,B2など)の作動制御を行うように構成されており、これら係合要素の作動状態(係脱状態)に応じて変速機TM1に複数の変速段が設定されるようになっている。変速機TM1は、変速制御装置により設定された変速段に応じて入力軸1の回転を変速して出力軸4を回転させるようになっている。
図2は、変速機TM1を示すスケルトン図である。なお、以下では、図2における右側(エンジン側)を入力側あるいは上流側と称し、左側(駆動輪側)を出力側あるいは下流側と称す。また、入力軸1の軸方向を前後方向と称すことがある。この点は、後述する他の実施形態においても同様である。変速機TM1は、入力側が、入力軸1の回転を変速してカウンタ軸2に出力する平行軸式変速機PTMからなる上流側変速機構UIになっており、出力側が、入力軸1とカウンタ軸2の少なくともいずれかの回転を変速して出力軸4に出力する複列式遊星ギヤ列PLAおよび遊星ギヤ用係合要素30からなる複列式遊星歯車変速機構UOになっている。この第1実施形態の変速機TM1は、詳しくは後述するように、従来は複列式遊星歯車変速機構UOに設けていた第2ブレーキ(B2)を上流側変速機構UIにおけるカウンタ軸2の外周に設けたことを特徴としている。
入力軸1は、ケーシング20内部を上流側から下流側に延びて設けられており、上流側が図示しないベアリングにより回転自在に支持されている。カウンタ軸2は、ケーシング20の内部を入力軸1と平行に延びるように設けられており、上流端及び下流端がそれぞれ図示しないベアリングによって回転自在に支持されている。カウンタ軸2は、ケーシング20の内部空間において入力軸1の下方に配置されている。センタ軸3は、入力軸1の下流側において入力軸1と同一の軸線上を延びるように設けられている。
平行軸式変速機PTMは、第1ギヤ列G1、第2ギヤ列G2および第3ギヤ列G3から構成される入力軸側変速ギヤ列GMを備えている。第1ギヤ列G1は、入力軸1上に相対回転可能に設けられた第1ドライブギヤ11と、第1ドライブギヤ11に噛合してカウンタ軸2上に連結されてカウンタ軸2と一体回転可能な第1ドリブンギヤ12とから構成される。第1ドライブギヤ11は、入力軸1上に設けられ入力軸1と一体に回転するクラッチK3(以下、後述する第1、第2クラッチK1,K2と区別するために第3クラッチK3という。)により入力軸1に対して係脱自在に構成されている。
第2ギヤ列G2は、入力軸1上に相対回転可能に設けられた第2ドライブギヤ13と、第2ドライブギヤ13に噛合してカウンタ軸2上に連結されてカウンタ軸2と一体回転可能な第2ドリブンギヤ14とから構成される。第2ドライブギヤ13は、入力軸1上に設けられ入力軸1と一体に回転するクラッチK4(以下、第4クラッチK4という。)により入力軸1に対して係脱自在に構成されている。なお、第3クラッチK3と第4クラッチK4は入力軸1上に並設されている。
第3ギヤ列G3は、カウンタ軸2上に設けられてカウンタ軸2と一体回転可能な第3ドライブギヤ15と、第3ドライブギヤ15と噛合して入力軸1の外周に入力軸1に対して相対回転可能に設けられた第3ドリブンギヤ16とから構成されている。第3ドリブンギヤ16は、後述する第2リングギヤR2に連結されている。
図3(a)は、図2に示す構成からなる変速機TM1におけるギヤ列とレシオとの関係の具体例を示す表で、(b)は、(a)の具体例に対して実現される変速機TM1における変速段(変速レンジ)とレシオとの関係を示す表である。第1ギヤ列G1に設定されるギヤ比(レシオ)rG1は、第1ドリブンギヤ12(カウンタ軸2側)の歯数を第1ドライブギヤ11(入力軸1側)の歯数で除したものである。第2ギヤ列G2に設定されるギヤ比(レシオ)rG2は、第2ドリブンギヤ14(カウンタ軸2側)の歯数を第2ドライブギヤ13(入力軸1側)の歯数で除したものである。第3ギヤ列G3に設定されるギヤ比(レシオ)rG3は、第3ドライブギヤ15(カウンタ軸2側)の歯数を第3ドリブンギヤ16(入力軸1側)の歯数で除したものである。ここでは、第1ギヤ列G1と第3ギヤ列G3のギヤ比rG1,rG3は1よりも小さく設定されており、第2ギヤ列G2のギヤ比rG2は1よりも大きく設定されている。
上記構成の変速機TM1では、第3クラッチK3が係合すると、カウンタ軸2が、入力軸1に対して第1ギヤ列G1のギヤ比rG1に応じた回転数(Ne×1/rG1)に増速されて入力軸1と逆方向に回転する。また、第4クラッチK4が係合すると、カウンタ軸2が、入力軸1に対して第2ギヤ列G2のギヤ比rG2に応じた回転数(Ne×1/rG2)に減速されて入力軸1と逆方向に回転する。また、第3ドリブンギヤ16は、カウンタ軸2に対して第3ギヤ列G3のギヤ比rG3に応じた回転数(Nc×rG3)に減速されてカウンタ軸2と逆方向、すなわち入力軸1と同方向に回転する。ここで、Ncはカウンタ軸2の回転数である。
遊星ギヤ用係合要素30は、入力軸1およびセンタ軸3上に並設された第1クラッチK1と第2クラッチK2とで構成される。入力軸1の出力側とセンタ軸3の入力側とは、第1クラッチK1を介して係脱可能に構成されている。これにより、第1クラッチK1が係合されると、入力軸1の回転がそのままセンタ軸3に伝達され、センタ軸3は入力軸1と一体に回転する。また、入力軸1の出力側は、後述する複列式遊星ギヤ列PLAを構成する第2キャリアC2に、第2クラッチK2を介して係脱自在に連結されている。
複列式遊星ギヤ列PLAは、同一ギヤ比を有するシングルピニオンタイプの第1遊星ギヤ列(第1遊星歯車列)40及び第2遊星ギヤ列(第2遊星歯車列)50を有している。
第1遊星ギヤ列40は、センタ軸3上に位置する回転軸を中心に回転可能な第1サンギヤS1と、第1サンギヤS1と噛合して第1サンギヤS1の周りを自転しながら公転する第1ピニオンギヤP1と、ニードルベアリングを介して第1ピニオンギヤP1を回転自在に保持するとともに出力軸4に固定されて出力軸4を回転中心として第1ピニオンギヤP1と同じ速度で公転する第1キャリアC1と、第1ピニオンギヤP1と噛合する内歯を有して第1サンギヤS1の回転軸と同軸上に位置する回転軸を中心に回転可能な第1リングギヤR1とから構成されている。第1クラッチK1が係合されると、第1サンギヤS1にはセンタ軸3を介して入力軸1の回転が直接的に伝達される。また、図3(a)のPG1の欄に示すように、第1遊星ギヤ列40には、第1リングギヤR1の歯数を第1サンギヤS1の歯数で除して求められる所定のレシオ(ギヤ比)rRPGが設定されている。
第2遊星ギヤ列50は、センタ軸3上に位置する回転軸を中心に回転可能な第2サンギヤS2と、第2サンギヤS2と噛合して第2サンギヤS2の周りを自転しながら公転する第2ピニオンギヤP2と、ニードルベアリングを介して第2ピニオンギヤP2を回転自在に保持するとともにセンタ軸3を回転中心として第2ピニオンギヤP2と同じ速度で公転する第2キャリアC2と、第2ピニオンギヤP2と噛合する内歯を有し、第2サンギヤS2の回転軸と同軸上に位置する回転軸を中心に回転可能な第2リングギヤR2と、から構成されている。また、図3(a)のPG2の欄に示すように、第2遊星ギヤ列50には、第2リングギヤR2の歯数を第2サンギヤS2の歯数で除して求められる所定のレシオ(ギヤ比)rRPGが設定されているが、第2リングギヤR2の歯数は第1リングギヤR1の歯数と同じであり、第2サンギヤS2の歯数は第1サンギヤS1の歯数と同じであるため、第1遊星ギヤ列40および第2遊星ギヤ列50のレシオの値は、同じになる。
第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とは、互いの回転軸が連結されて一体に設けられている。第1リングギヤR1は、第2キャリアC2と連結されて一体に設けられている。また、第2キャリアC2は、第2クラッチK2を介して入力軸1と係脱自在に連結されている。第2リングギヤR2は、第3ドリブンギヤ16と連結されて一体に設けられている。第1キャリアC1は、その回転軸が下流側に延びる出力軸4に接続されている。
これにより、第1遊星ギヤ列40及び第2遊星ギヤ列50の各構成部品は、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2が連結されて構成される第1回転要素と、第1キャリアC1および第1ピニオンギヤP1から構成される第2回転要素と、第2ピニオンギヤP2、第2キャリアC2および第1リングギヤR1から構成される第3回転要素と、第2リングギヤR2から構成される第4回転要素の各回転要素を構成している。
複列式遊星歯車変速機構UOには、第1ブレーキ(第1ブレーキ手段)B1が設けられている。第1ブレーキB1は、第1リングギヤR1の外周に配置されており、係合により第1リングギヤR1を固定保持するようになっている。したがって、第3回転要素である第1リングギヤR1と第2キャリアC2は一体に回転可能であるとともに、第1ブレーキB1により一体に停止されるようになっている。なお、第1ブレーキB1は、ワンウェイブレーキ機構F1を有するブレーキである。ワンウェイブレーキ機構F1は、第1ブレーキB1が係合していない状態で、第1リングギヤR1の前進側駆動方向(入力軸1に対して逆方向)の回転を規制してブレーキ作用を生じさせる機構である。
上流側変速機構UIには、第2ブレーキ(第2ブレーキ手段)B2が設けられている。第2ブレーキB2は、カウンタ軸2の下流端近傍の外周に配置されており、係合によりカウンタ軸2を固定保持するようになっている。第2ブレーキB2によってカウンタ軸2が固定保持されると、第3ドライブギヤ15を介して第3ドリブンギヤ16の回転が停止される。したがって、第4回転要素である第2リングギヤR2は、第3ドリブンギヤ16と一体に回転可能であるとともに、第2ブレーキB2により第3ドリブンギヤ16と一体に停止されるようになっている。
図4は、変速制御装置による摩擦係合要素K1〜K4,B2,B1,F1の係合・解除状態と変速段との関係を示す図である。上記のように構成される変速機TM1は、変速制御装置が摩擦係合要素K1〜K4,B2,B1,F1を選択的に係合させる制御を行うことにより、図4に示すように、前進8速(1st〜8th)および後進2速(REV1、REV2)の変速段を設定できる。なお、図4の●印は、摩擦係合要素が係合状態にあることを示している。各変速段は、2つの摩擦係合要素が係合されて設定される。また、前進段において隣り合う変速段間の変速は、2つの摩擦係合要素のうち1つを係合させたままとし、残りの1つを解放して別の1つの摩擦係合要素を係合させて行うように構成されている。このため、変速をスムーズに行うことができる。また、図4においては、1速における第1ブレーキB1が○印となっており、ワンウェイブレーキ機構F1が●印となっているが、これは第1ブレーキB1を係合させずにワンウェイブレーキ機構F1の作用により第1リングギヤR1の回転を規制する状態を示している。
図5は、変速機TM1における遊星ギヤ列を構成する各要素の速度の関係を示す速度線図である。この速度線図では、4本の縦軸は、それぞれ左側から複列式遊星ギヤ列PLAを構成する第1回転要素である第1および第2サンギヤS1、S2、第2回転要素である第1キャリアC1、第3回転要素である第1リングギヤR1および第2キャリアC2、第4回転要素である第2リングギヤR2の回転数Nを示すものであり、縦線上の上下方向の位置が回転数Nの値に対応している。また、各縦軸は、第1回転要素および第2回転要素間の間隔と、第2回転要素および第3回転要素間の間隔と、第3回転要素および第4回転要素間の間隔との比がrRPG:1:(1+rRPG)/rRPGになっている。同図の第1回転要素、第3回転要素および第4回転要素を表す縦軸上の●印はクラッチの係合を表し、■印はブレーキの係合(ワンウェイブレーキ機構F1による回転の規制を含む)を表す。また、回転数Nは入力軸1の回転方向を正としており、出力軸4が正方向に回転するとき、すなわち、第1キャリアC1が正方向に公転するとき、車両は前進する。
上記の各変速段は、図4に示すように、摩擦係合要素K1〜K4,B2,B1のうちのいずれか2つが選択的に係合されることで設定される。このとき、図5に示すように、各変速段において、係合される2つの摩擦係合要素を結ぶ直線L1〜L8,LREV1,LREV2と第1キャリアC1の回転数を示す縦軸との交点である回転数N1〜N8,NREV1,NREV2で第1キャリアC1が正方向あるいは逆方向に回転する。したがって、1速〜8速、後進1速、後進2速の各変速段において、出力軸4がそれぞれ回転数N1〜N8,NREV1,NREV2で正方向あるいは逆方向に回転するようになる。なお、ワンウェイブレーキ機構F1は、上述のように1速において第1リングギヤR1が第1サンギヤS1と逆方向に回転するのを規制するように配設されている。第1サンギヤS1が回転すると、その回転は第1ピニオンギヤP1を介して第1リングギヤR1に伝達されるが、このとき第1リングギヤR1には、第1サンギヤS1と逆方向に回転するトルクが働く。その場合、ワンウェイブレーキ機構F1により、その方向に第1リングギヤR1が回転するのを規制することで、第1リングギヤR1が固定保持されて入力軸1と同じ回転方向の出力軸4への動力伝達が行われる。1速以外のときは、第1リングギヤR1は第1サンギヤS1と同方向に回転するため、ワンウェイブレーキ機構F1による回転の規制は起こらない。
なお、図4及び図5に示すように、本発明に従って上流側変速機構UIに配置されている第2ブレーキB2は、2速(2nd)と8速(8th)で係合されるようになっている。すなわち、2速では、第1クラッチK1と第2ブレーキB2が係合される。このとき、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2は、回転数Neで正方向に回転する。第2リングギヤR2は、第2ブレーキB2の係合により停止されているため回転しない。また、8速では、第2クラッチK2と第2ブレーキB2が係合される。このとき、第2クラッチK2の係合により第1リングギヤR1および第2キャリアC2が入力軸1の回転数Neで正方向に回転する。第2リングギヤR2は、第2ブレーキB2の係合により停止されているため回転しない。
以上説明したように、本実施形態の変速機TM1では、複列式遊星歯車変速機構UOが備える第4回転要素の回転を停止させるための第2ブレーキB2を上流側変速機構UIに配置している。これにより、変速機TM1内の空きスペースを有効に活用して、第2ブレーキB2を含む変速機TM1の構成部品を効率良くレイアウトすることが可能となる。したがって、変速機TM1の外径(胴回り寸法)の大型化を防止できる。また、第2ブレーキB2を内部の空きスペースが比較的大きい上流側変速機構UIに配置することで、第2ブレーキB2の寸法形状の自由度が高まるので、第2ブレーキB2の小径化・小容量化を図ることが可能となる。これにより、第2ブレーキB2で生じるフリクションを低減させることができ、変速機TM1の動力伝達効率の向上を図ることができる。
すなわち、従来のように第2ブレーキを複列式遊星歯車変速機構UOに設置すると、限られた空きスペースに第2ブレーキを設置しなければならないため、第2ブレーキを大径化せざるを得ず、第2ブレーキで生じるフリクションも大きくなる。また、第2ブレーキの外径に応じて決まる変速機TM1の外径(胴回り径)も大きくなり、変速機TM1の重量も増加する。仮に、第2ブレーキを複列式遊星歯車変速機構UOに設置して、当該第2ブレーキを小径化しようとすれば、第1、第2クラッチK1,K2の径方向における外側の位置ではなく、第1、第2クラッチK1,Kに対して前後方向に並ぶ位置に第2ブレーキを配置する必要がある。そのためには、第1、第2クラッチK1,K2の前後に第2ブレーキB2を設置するためのスペースを設ける必要があり、このスペースを確保するため、変速機TM1の前後方向の長さ寸法を大きく延ばさなければならない。これに対して、上流側変速機構UIは、複列式遊星歯車変速機構UOと比べて部品点数が少なく、内部の空きスペースが大きいので、本実施形態の変速機TM1のように、第2ブレーキB2を上流側変速機構UIに配置すれば、変速機TM1の胴回り径を大きくせず、かつ、前後方向の長さ寸法を延ばさずに、第2ブレーキB2の設置スペースを容易に確保し、第2ブレーキB2の小径化を図ることが可能となる。これにより、変速機TM1の車両への搭載性の向上、および軽量化を図ることができる。また、第2ブレーキB2で生じるフリクションを効果的に低減できる。
また、本実施形態の変速機TM1では、平行軸式変速機構UIにおけるカウンタ軸2の周辺には、第2ブレーキB2を設置可能な空きスペースがある。したがって、本実施形態のように第2ブレーキB2をカウンタ軸2の外周に設置すれば、第2ブレーキB2の設置スペースを容易に確保でき、他の構成部品の配置を変えずに第2ブレーキB2を設置することが可能となるので、変速機TM1の構成部品のレイアウト性を向上させることができる。また、カウンタ軸2の周辺の空きスペースを利用して第2ブレーキB2を設置することによって、本実施形態の第2ブレーキB2は、複列式遊星歯車変速機構UOに設置する従来のブレーキ手段と比較して小径化を図ることが可能となる。
また、本実施形態の変速機TM1は、カウンタ軸2の回転を減速して第2リングギヤR2に伝達する第3ギヤ列(回転伝達部)G3を備えており、第3ギヤ列G3の上流側に第2ブレーキB2を配置している。これにより、第2ブレーキB2は、減速前のカウンタ軸2を固定保持することで、減速後の第2リングギヤR2の回転を停止させるようになっている。したがって、第2リングギヤR2を直接に固定保持して停止させる場合と比較して、第2リングギヤR2を停止させるために必要なトルクが小さくて済む。よって、第2ブレーキB2の小容量化を図ることができ、第2ブレーキB2を構成するブレーキ板の枚数を低減したり、ブレーキ板を小径化したりすることが可能となる。また、第2ブレーキB2の少容量化によって、第2ブレーキB2の引きずりを低減できる効果も望める。さらに、第2ブレーキB2で生じるフリクションの低減も可能となる。
なお、本実施形態では、第2ブレーキB2は、カウンタ軸2を固定保持するように構成しているが、これ以外にも、第2ブレーキB2は、カウンタ軸2と一体に回転する部材である第1ドリブンギヤ12、第2ドリブンギヤ14、第3ドライブギヤ15のいずれかを固定保持するように構成することも可能である。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態にかかる変速機について説明する。なお、第2実施形態の説明及び対応する図面においては、第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項については、第1実施形態と同じである。これらの点は他の実施形態についても同様とする。
図6は、本発明の第2実施形態にかかる変速機TM2を示すスケルトン図である。第2実施形態の変速機TM2は、第1実施形態の変速機TM1においてカウンタ軸2の外周に配置されていた第2ブレーキB2にかえて、入力軸1の周辺に配置した第2ブレーキB2−2を備えている。第2ブレーキB2−2は、入力軸1の回転をカウンタ軸2に伝達する第1ドライブギヤ11を固定保持可能に配置されており、詳細には、入力軸1の上流側端部近傍、すなわちトルクコンバータTC(図1参照)の近傍に配置された第3クラッチK3の外側(外周側)に設置されている。この第2ブレーキB2−2の係合によって、第1ドライブギヤ11が固定保持されることで、第1ドリブンギヤ12、カウンタ軸2、第3ドライブギヤ15、第3ドリブンギヤ16を介して第2リングギヤR2の回転が停止されるようになっている。
本実施形態の変速機TM2では、上記のように第2ブレーキB2−2を入力軸1の周辺に配置したことで、平行軸式変速機構UI内の空きスペースを有効に活用して、他の構成部品の配置に変更を加えずに第2ブレーキB2−2をレイアウトすることを可能としている。また、第2ブレーキB2−2を第3クラッチの外周側に設置したことで、第2ブレーキB2−2を配置するためのスペースを第3クラッチの前後方向の隣接位置に設けずに済むので、変速機TM2の全長を延ばさなくてよい。したがって、変速機TM2の全長の小型化を図ることができ、変速機TM2の車両への搭載性を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
図7は、本発明の第3実施形態にかかる変速機TM3を示すスケルトン図である。本実施形態の変速機TM3は、第1実施形態の変速機TM1においてカウンタ軸2の外周に配置されていた第2ブレーキB2にかえて、入力軸1の周辺に配置された第2ブレーキB2−3を備えている。第2ブレーキB2−3は、入力軸1の周辺に配置されている点、および第1ドライブギヤ11を固定保持するものである点は、第2実施形態の第2ブレーキB2−2と同じであるが、その詳細な配置位置が第2ブレーキB2−2とは若干異なっている。すなわち、第2ブレーキB2−3は、第3クラッチK3の外側(外周側)ではなく、第3クラッチK3に対して入力軸1の軸方向の下流側(後方側)に並ぶ位置に配置されている。
第2ブレーキB2−3をこのような位置に配置したことで、第2ブレーキB2−3が第3クラッチK3の外側にはみ出さずに済むので、変速機TM3の外径(胴回り寸法)の大型化を防止することができる。また、第2ブレーキB2−3を入力軸1に近い位置に設置できるので、第2ブレーキB2−3の小径化を図ることもできる。
〔第4実施形態〕
図8は、本発明の第4実施形態にかかる変速機TM4を示すスケルトン図である。第4実施形態の変速機TM4は、第1実施形態の変速機TM1が備える入力軸側変速ギヤ列GMを構成する第1〜第3ギヤ列G1〜G3のうち、第1ギヤ列G1を省略し、第2ギヤ列G2と第3ギヤ列G3だけを備えて構成されている。また、第1ギヤ列G1を省略したことに伴い、第3クラッチK3も省略している。さらに、第1実施形態の変速機TM1においてカウンタ軸2を固定保持可能に設置されていた第2ブレーキB2にかえて、入力軸1の周辺に配置され、第2ギヤ列G2の第2ドライブギヤ13を固定保持可能である第2ブレーキB2−4が設けられている。第2ブレーキB2−4は、第2ドライブギヤ13に対して入力軸1に沿って前方に並ぶ位置に配置されており、トルクコンバータTC(図1参照)の下流端近傍位置に配置されている。
図9は、変速機TM4における摩擦係合要素K1,K2,K4,B2−4,B1,F1の係合・解除状態と変速段との関係を示す図である。上記のように構成される変速機TM4は、変速制御装置が摩擦係合要素K1,K2,K4,B2−4,B1,F1を選択的に係合させる制御を行うことにより、同図に示すように、前進6速(1st〜6th)および後進1速(REV)の変速段を設定できる。このときの速度線図を図10に示す。本実施形態の変速機TM4の速度線図では、図3に示す第1実施形態の変速機TM1の速度線図で第1ギヤ列G1を構成するギヤを断続させていた第3クラッチK3が省かれている。これにより、図10に示すような6速の速度線図が構成される。
図11(a)は、図8に示す構成からなる変速機TM4におけるギヤ列とレシオとの関係の具体例を示す表で、(b)は、(a)の具体例に対して実現される変速機TM4における変速段(変速レンジ)とレシオとの関係を示す表である。図10のようにして設定される各変速段のレシオ(減速比)は、各ギヤの歯数設定により、一例として図11(b)のように変化する。
本実施形態の変速機TM4では、第1ギヤ列G1および第3クラッチK3を省略したことで、入力軸1の周辺におけるトルクコンバータTCの下流側近傍位置に空きスペースが生じている。したがって、この空きスペースに第2ブレーキB2−4を設置することで、変速機TM1の外径や長さ寸法を大型化せず、かつ、他の部品の配置構成に変更を加えずに、第2ブレーキB2−4を効率良くレイアウトすることが可能となる。また、第2ブレーキB2−4の小径化を図ることも可能となる。
〔第5実施形態〕
図12は、本発明の第5実施形態にかかる変速機TM5を示すスケルトン図である。第5実施形態の変速機TM5は、第4実施形態の変速機TM4と同様、第1実施形態の変速機TM1が備える入力軸側変速ギヤ列GMを構成する第1〜第3ギヤ列G1〜G3のうち第1ギヤ列G1を省略して、第2ギヤ列G2と第3ギヤ列G3だけを備えて構成されている。また、第1ギヤ列G1を省略したことに伴い、第3クラッチK3も省略している。これにより、変速機TM4と同様、前進6速(1st〜6th)および後進1速(REV)の変速段を設定できる。
また、本実施形態の変速機TM5が備える第2ブレーキB2−5は、第1実施形態の変速機TM1が備える第2ブレーキB2と同様、カウンタ軸2を固定保持可能になっている。しかしながら、本実施形態の第2ブレーキB2−5は、カウンタ軸2の下流端近傍ではなく、上流端近傍の外周に配置されている。これは、本実施形態の変速機TM5では、第1ギヤ列G1および第3クラッチK3を省略したことで、入力軸1の上流側のトルクコンバータTC近傍及びその周辺に空きスペースが生じているため、第2ブレーキB2−5をカウンタ軸2の上流端近傍に配置すれば、この空きスペースを利用して第2ブレーキB2−5を効率良くレイアウトすることが可能となるからである。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
例えば、上記各実施形態では、複列式遊星歯車変速機構UOは、第1遊星ギヤ列40と第2遊星ギヤ列50の2組の遊星ギヤ列を有して構成されているが、遊星ギヤ列の具体的な組数は、上記の2組には限定されず、他の組数とすることも可能である。また、上流側変速機構UIが有するクラッチの段数も上記実施形態で示した2段あるいは1段には限定されず、他の段数であってもよい。
本発明の第1実施形態にかかる変速機を備えた動力伝達装置を示す概略図である。 第1実施形態の変速機を示すスケルトン図である。 (a)は、第1実施形態の変速機におけるギヤ列とレシオとの関係の具体例を示す表で、(b)は、変速段とレシオとの関係を示す表である。 第1実施形態の変速機における摩擦係合要素の係合・解除状態と変速段との関係を示す図である。 第1実施形態の変速機における遊星ギヤ列を構成する各要素の速度の関係を示す速度線図である。 本発明の第2実施形態にかかる変速機を示すスケルトン図である。 本発明の第3実施形態にかかる変速機を示すスケルトン図である。 本発明の第4実施形態にかかる変速機を示すスケルトン図である。 第4実施形態の変速機における摩擦係合要素の係合・解除状態と変速段との関係を示す図である。 第4実施形態の変速機における遊星ギヤ列を構成する各要素の速度の関係を示す速度線図である。 (a)は、第4実施形態の変速機におけるギヤ列とレシオとの関係の具体例を示す表で、(b)は、変速段とレシオとの関係を示す表である。 本発明の第5実施形態にかかる変速機を示すスケルトン図である。
符号の説明
1 入力軸(上流側入力部材)
2 カウンタ軸(上流側出力部材)
3 センタ軸
4 出力軸(変速機出力部材)
5 エンジン
6 トルクコンバータ
7 デフ機構
8 ドライブシャフト
10 動力伝達装置
11 第1ドライブギヤ
12 第1ドリブンギヤ
13 第2ドライブギヤ
14 第2ドリブンギヤ
15 第3ドライブギヤ
16 第3ドリブンギヤ
20 ケーシング
30 遊星ギヤ用係合要素
40 第1遊星ギヤ列(第1遊星歯車列)
50 第2遊星ギヤ列(第2遊星歯車列)
B1 第1ブレーキ(第1ブレーキ手段)
B2〜B2−5 第2ブレーキ(第2ブレーキ手段)
C1 第1キャリア(第2回転要素)
C2 第2キャリア(第3回転要素)
F1 ワンウェイブレーキ
G1 第1ギヤ列
G2 第2ギヤ列
G3 第3ギヤ列
GM 入力軸側変速ギヤ列
K1 第1クラッチ(第1クラッチ手段)
K2 第2クラッチ(第2クラッチ手段)
K3 第3クラッチ(第3クラッチ手段)
K4 第4クラッチ(第4クラッチ手段)
P1 第1ピニオンギヤ(第2回転要素)
P2 第2ピニオンギヤ(第3回転要素)
R1 第1リングギヤ(第3回転要素)
R2 第2リングギヤ(第4回転要素)
S1 第1サンギヤ(第1回転要素)
S2 第2サンギヤ(第1回転要素)
TC トルクコンバータ
TM1〜TM5 変速機(自動変速機)
PTM 平行軸式変速機
PLA 複列式遊星ギヤ列
UI 上流側変速機構
UO 複列式遊星歯車変速機構

Claims (4)

  1. 入力回転を受けて回転される上流側入力部材の回転をN段に変速して上流側出力部材に伝達する上流側変速機構と、
    2組以上の遊星歯車列を有して構成され、前記上流側入力部材と前記上流側出力部材の少なくともいずれかの回転を変速して変速機出力部材に伝達する複列式遊星歯車変速機構と
    を備え、
    前記複列式遊星歯車変速機構は、
    第1クラッチ手段を介して前記上流側入力部材と係脱自在に連結される第1回転要素と、
    前記変速機出力部材に連結される第2回転要素と、
    第2クラッチ手段を介して前記上流側入力部材と係脱自在に連結されるとともに、第1ブレーキ手段によって回転を停止可能である第3回転要素と、
    前記上流側出力部材の回転が伝達されて回転するとともに、第2ブレーキ手段によって回転を停止可能である第4回転要素と
    を備え、
    前記第2ブレーキ手段は、前記上流側変速機構に設置され、前記上流側出力部材あるいは前記上流側出力部材に回転を伝達する部材を固定保持することで前記第4回転要素の回転を停止させる
    ことを特徴とする変速機。
  2. 前記上流側出力部材の回転を減速して前記第4回転要素に伝達する回転伝達部を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機。
  3. 前記上流側変速機構は、前記上流側入力部材である入力軸と前記上流側出力部材であるカウンタ軸とを平行に配置してなる平行軸式変速機構であり、
    前記第2ブレーキ手段は、前記カウンタ軸あるいは該カウンタ軸と一体に回転する部材を固定保持可能に配置されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の変速機。
  4. 前記上流側変速機構は、前記上流側入力部材である入力軸と前記上流側出力部材であるカウンタ軸とを平行に配置してなる平行軸式変速機構であり、
    前記第2ブレーキ手段は、前記入力軸の回転を前記カウンタ軸に伝達する部材を固定保持可能に配置されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の変速機。
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