JP2009161466A - 芳香族アミン誘導体及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

芳香族アミン誘導体及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Mitsunori Ito
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Abstract

【課題】寿命が長く、高発光効率な有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを実現する芳香族アミン誘導体を提供する。
【解決手段】インデン構造及びクリセン構造を有する芳香族アミン誘導体、並びに陰極と陽極間に少なくとも発光層を含む一層又は複数層からなる有機薄膜層が挟持されている有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機薄膜層の少なくとも一層が、前記芳香族アミン誘導体を単独又は混合物の成分として含有する有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【選択図】なし

Description

本発明は芳香族アミン誘導体及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関し、特に、寿命が長く、高発光効率の有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを実現する芳香族アミン誘導体に関するものである。
有機物質を使用した有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての用途が有望視され、多くの開発が行われている。一般に有機EL素子は、発光層及び該層をはさんだ一対の対向電極から構成されている。発光は、両電極間に電界が印加されると、陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入される。さらに、この電子が発光層において正孔と再結合し、励起状態を生成し、励起状態が基底状態に戻る際にエネルギーを光として放出する現象である。
従来の有機EL素子は、無機発光ダイオードに比べて駆動電圧が高く、発光輝度や発光効率も低かった。また、特性劣化も著しく実用化には至っていなかった。最近の有機EL素子は徐々に改良されているものの、さらなる高発光効率、長寿命が要求されている。
例えば、単一のモノアントラセン化合物を有機発光材料として用いる技術が開示されている(特許文献1)。しかしながら、この技術においては、例えば電流密度165mA/cm2において、1650cd/m2の輝度しか得られておらず、効率は1cd/Aであって極めて低く、実用的ではない。また、単一のビスアントラセン化合物を有機発光材料として用いる技術が開示されている(特許文献2)。しかしながら、この技術においても、効率は1〜3cd/A程度で低く、実用化のための改良が求められていた。一方、有機発光材料として、ジスチリル化合物を用い、これにスチリルアミンなどを添加したものを用いた長寿命の有機EL素子が提案されている(特許文献3)。しかしながら、この素子は、寿命が十分ではなく、さらなる改良が求められていた。
また、モノもしくはビスアントラセン化合物とジスチリル化合物を有機発光媒体層として用いた技術が開示されている(特許文献4)。しかしながら、これらの技術においては、スチリル化合物の共役構造により発光スペクトルが長波長化して色純度を悪化させていた。
さらに、特許文献5には、ジアミノクリセン誘導体を用いた青色発光素子が開示されている。しかしながら、この素子は、発光効率に優れるものの、寿命が十分でなく、さらなる改良が求められていた。また、特許文献6には、中心にアリーレン基を有する芳香族アミン誘導体を正孔輸送材料として用いる発明が開示され、特許文献7には、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環等がアリーレン基を介して窒素原子に結合した芳香族アミン誘導体を正孔輸送材料として用いる発明が開示され、特許文献8には、窒素原子にインデン環が結合している芳香族アミン誘導体を発光層に用いる発明が開示されているが、さらなる寿命及び発高効率の向上が求められていた。
特開平11−3782号公報 特開平8−12600号公報 国際公開WO94/006157号公報 特開2001−284050号公報 国際公開WO04/044088号公報 特許第3508984号公報 国際公開WO07/125714号公報 国際公開WO2006/025273号公報
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、寿命が長く、高発光効率な有機EL素子及びそれを実現する芳香族アミン誘導体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記の好ましい性質を有する芳香族アミン誘導体及びそれを用いた有機EL素子を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、インデン構造及びジメチルインデン構造を有する芳香族アミン誘導体を、特に、発光材料として用いると高発光効率かつ長寿命となることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される芳香族アミン誘導体を提供するものである。
下記一般式(1)で表わされる芳香族アミン誘導体。
Figure 2009161466
[式中、m、n、p及びqは、それぞれ独立に、0〜5の整数であり、A1〜A4及びR1〜R14は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の核炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアラルキル基、シリル基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜50の複素環基である。m、n、p、qがそれぞれ2以上の場合、複数のA1〜A4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに結合して飽和もしくは不飽和の、置換もしくは無置換の5員環又は6員環の環状構造を形成してもよい。R11〜R14の隣接する置換基同士は互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成していてもよい。]
また、本発明は、陰極と陽極間に少なくとも発光層を含む一層又は複数層からなる有機薄膜層が挟持されている有機EL素子において、該有機薄膜層の少なくとも一層が、前記芳香族アミン誘導体を単独又は混合物の成分として含有する有機EL素子を提供するものである。
本発明の芳香族アミン誘導体を用いた有機EL素子は、発光効率が高く、長時間使用しても劣化しづらく寿命が長い。
本発明の芳香族アミン誘導体は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2009161466
一般式(1)において、A1〜A4及びR1〜R14は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50(好ましくは、核炭素数6〜20、より好ましくは、核炭素数6〜14)のアリール基、置換もしくは無置換の核炭素数1〜50(好ましくは、炭素数1〜20、より好ましくは、炭素数1〜12)のアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数3〜50(好ましくは、核炭素数5〜12)のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50(好ましくは、核炭素数6〜20)のアラルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜50(好ましくは、核炭素数5〜20)の複素環基である。
1〜A4及びR1〜R14のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、ビフェニル基、4−メチルビフェニル基、4−エチルビフェニル基、4−シクロヘキシルビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、ナフチル基、5−メチルナフチル基、アントリル基、ピレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、ペリレニル基等が挙げられる。
1〜A4及びR1〜R14のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、2−フェニルイソプロピル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、α−フェノキシベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、α,α−メチルフェニルベンジル基、α,α−ジトリフルオロメチルベンジル基、トリフェニルメチル基、α−ベンジルオキシベンジル基等が挙げられる。
1〜A4及びR1〜R14のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、ビシクロヘプチル基、ビシクロオクチル基、トリシクロヘプチル基、アダマンチル基等が挙げられ、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、ビシクロヘプチル基、ビシクロオクチル基、アダマンチル基が好ましい。
1〜A4及びR1〜R14のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基、1−ピロリルメチル基、2−(1−ピロリル)エチル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、o−ブロモベンジル基、p−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、o−ヨードベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、m−ヒドロキシベンジル基、o−ヒドロキシベンジル基、p−アミノベンジル基、m−アミノベンジル基、o−アミノベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、o−シアノベンジル基、1−ヒドロキシ−2−フェニルイソプロピル基、1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基等が挙げられる。
1〜A4及びR1〜R14のシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。
1〜A4及びR1〜R14の複素環基としては、例えば、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピロール、フラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、オキサジアゾリン、インドリン、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノン、ピラロジン、イミダゾリジン、ピペリジン等の残基が挙げられる。
一般式(1)において、m、n、p及びqは、それぞれ独立に、0〜5の整数であり、m及びnが0であると好ましい。またm、n、p及びqのいずれかが複数の場合、A1〜A4及びR1〜R10は、それぞれ独立に、互いに結合して飽和もしくは不飽和の置換もしくは無置換の5員環または6員環の環状構造を形成してもよい。また、R11〜R14の隣接する置換基同士は互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成していてもよい。
一般式(1)において、R11〜R14は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基又は置換もしくは無置換の核炭素数6〜20のアリール基であると好ましい。
一般式(1)において、2つの窒素原子はインデン構造のベンゼン環に結合していることが好ましい。
なお、上記各一般式の各基の炭素数、原子数は置換基のものを含まない数である。また、アラルキル基の炭素数はアリール部の炭素数である。
上記各一般式の「置換もしくは無置換の・・・基」において、任意の置換基としては、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が特に好ましい。
本発明の一般式(1)で表される芳香族アミン誘導体の具体例を以下に示すが、これら例示化合物に限定されるものではない。
Figure 2009161466
Figure 2009161466
Figure 2009161466
次に、本発明の芳香族アミン誘導体の製造方法について説明する。
本発明の一般式(1)で表される芳香族アミン誘導体の製造方法は、特に限定されず公知の方法で製造すればよく、例えばJ.Prakt.Chem.,<2> 144 (1935) 265〜270、Chem.Ber.,60 (1927) 140〜145に記載された方法で得られる6,12−ジブロモクリセンを、ジアリールアミンによりアミノ化して芳香族アミン誘導体を製造する。
本発明の芳香族アミン誘導体は、有機EL素子用材料として好適であり、特に、発光材料であると好ましく、青色発系発光材料又は緑色系発光材料として好適に用いられる。
また、本発明の芳香族アミン誘導体は、有機EL素子用ドーピング材料としても好適である。
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極間に一層又は複数層の有機薄膜層を形成した素子である。一層型の場合、陽極と陰極との間に発光層を設けている。発光層は、発光材料を含有し、それに加えて陽極から注入した正孔、又は陰極から注入した電子を発光材料まで輸送させるために、正孔注入材料又は電子注入材料を含有しても良い。本発明の芳香族アミン誘導体は、高い発光特性を持ち、優れた正孔注入性、正孔輸送特性及び電子注入性、電子輸送特性を有しているので、発光材料又はドーピング材料として発光層に使用することができる。
本発明の有機EL素子においては、発光層が、本発明の芳香族アミン誘導体を含有すると好ましく、含有量としては通常0.1〜20重量%であり、1〜10重量%含有するとさらに好ましい。また、本発明の芳香族アミン誘導体は、極めて高い蛍光量子効率、高い正孔輸送能力及び電子輸送能力を併せ持ち、均一な薄膜を形成することができるので、この芳香族アミン誘導体のみで発光層を形成することも可能である。
また、本発明の有機EL素子は、陰極と陽極間に少なくとも発光層を含む二層以上からなる有機薄膜層が挟持されている有機EL素子において、陽極と発光層との間に本発明の芳香族アミン誘導体を主成分とする有機層を有しても好ましい。この有機層としては、正孔注入層、正孔輸送層等が挙げられる。
さらに、本発明の芳香族アミン誘導体をドーピング材料として含有する場合、ホスト材料として下記一般式(i)で表されるアントラセン誘導体及び下記一般式(ii)で表されるピレン誘導体から選ばれる1種以上を含有すると好ましい。
Figure 2009161466
前記一般式(i)において、A5及びA6は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜20の芳香族環から誘導される基である。前記芳香族環は1又は2以上の置換基で置換されていてもよい。前記芳香族環の置換基は、置換もしくは無置換の炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアラルキル基(アリール部分は炭素数6〜50、アルキル部分は炭素数1〜5)、置換もしくは無置換の炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基(アルコキシ部分は炭素数1〜50)、置換もしくは無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基及びヒドロキシル基から選ばれ、R15〜R22の具体例として下記に記載する基から選択される。前記芳香族環が2以上の置換基で置換されている場合、前記置換基は同一であっても異なっていてもよく、隣接する置換基同士は互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成していてもよい。A5とA6は、異なることが好ましい。また、A5とA6の少なくとも一方は、置換もしくは無置換の炭素数10〜30の縮合環基を有する置換基であることが好ましく、置換もしくは無置換のナフチル基を有する置換基であることがより好ましい。
5およびA6の置換もしくは無置換の炭素数6〜20の芳香族環から誘導される基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基などが挙げられる。好ましくは、置換もしくは無置換の核炭素数10〜14の芳香族環から誘導される基であり、特に1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−フェナントリル基が好ましい。
15〜R22は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の核原子数4〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基及びヒドロキシル基から選ばれる基である。
式(i)におけるR15〜R22の置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基などが挙げられる。
式(i)におけるR15〜R22の置換もしくは無置換の核原子数4〜50のヘテロアリール基としては、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナントリジニル基、2−フェナントリジニル基、3−フェナントリジニル基、4−フェナントリジニル基、6−フェナントリジニル基、7−フェナントリジニル基、8−フェナントリジニル基、9−フェナントリジニル基、10−フェナントリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナントロリン−2−イル基、1,7−フェナントロリン−3−イル基、1,7−フェナントロリン−4−イル基、1,7−フェナントロリン−5−イル基、1,7−フェナントロリン−6−イル基、1,7−フェナントロリン−8−イル基、1,7−フェナントロリン−9−イル基、1,7−フェナントロリン−10−イル基、1,8−フェナントロリン−2−イル基、1,8−フェナントロリン−3−イル基、1,8−フェナントロリン−4−イル基、1,8−フェナントロリン−5−イル基、1,8−フェナントロリン−6−イル基、1,8−フェナントロリン−7−イル基、1,8−フェナントロリン−9−イル基、1,8−フェナントロリン−10−イル基、1,9−フェナントロリン−2−イル基、1,9−フェナントロリン−3−イル基、1,9−フェナントロリン−4−イル基、1,9−フェナントロリン−5−イル基、1,9−フェナントロリン−6−イル基、1,9−フェナントロリン−7−イル基、1,9−フェナントロリン−8−イル基、1,9−フェナントロリン−10−イル基、1,10−フェナントロリン−2−イル基、1,10−フェナントロリン−3−イル基、1,10−フェナントロリン−4−イル基、1,10−フェナントロリン−5−イル基、2,9−フェナントロリン−1−イル基、2,9−フェナントロリン−3−イル基、2,9−フェナントロリン−4−イル基、2,9−フェナントロリン−5−イル基、2,9−フェナントロリン−6−イル基、2,9−フェナントロリン−7−イル基、2,9−フェナントロリン−8−イル基、2,9−フェナントロリン−10−イル基、2,8−フェナントロリン−1−イル基、2,8−フェナントロリン−3−イル基、2,8−フェナントロリン−4−イル基、2,8−フェナントロリン−5−イル基、2,8−フェナントロリン−6−イル基、2,8−フェナントロリン−7−イル基、2,8−フェナントロリン−9−イル基、2,8−フェナントロリン−10−イル基、2,7−フェナントロリン−1−イル基、2,7−フェナントロリン−3−イル基、2,7−フェナントロリン−4−イル基、2,7−フェナントロリン−5−イル基、2,7−フェナントロリン−6−イル基、2,7−フェナントロリン−8−イル基、2,7−フェナントロリン−9−イル基、2,7−フェナントロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル1−インドリル基、4−t−ブチル1−インドリル基、2−t−ブチル3−インドリル基、4−t−ブチル3−インドリル基などが挙げられる。
式(i)におけるR15〜R22の置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−t−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基などが挙げられる。
式(i)におけるR15〜R22及び前記芳香族環の置換基の置換もしくは無置換の核炭素数3〜50のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基などが挙げられる。
式(i)におけるR15〜R22の置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基は−OZで表される基であり、Zは、前記R15〜R22の置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基から選択される。
式(i)におけるR15〜R22の置換基の置換もしくは無置換のアラルキル基(アリール部分は炭素数6〜50、アルキル部分は炭素数1〜50)としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基、1−ピロリルメチル基、2−(1−ピロリル)エチル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、o−ブロモベンジル基、p−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、o−ヨードベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、m−ヒドロキシベンジル基、o−ヒドロキシベンジル基、p−アミノベンジル基、m−アミノベンジル基、o−アミノベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、o−シアノベンジル基、1−ヒドロキシ−2−フェニルイソプロピル基、1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基などが挙げられる。
式(i)におけるR15〜R22の置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリールオキシ基及びアリールチオ基は、それぞれ−OY’及び−SY”と表され、Y’及びY”は、前記R15〜R22の置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基から選ばれる。
式(i)におけるR15〜R22の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基(アルキル部分は炭素数1〜50)は−COOZと表され、Zは、前記R15〜R22の置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基から選ばれる。
式(i)におけるR15〜R22の置換シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。
式(i)におけるR15〜R22のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
前記R15〜R22及び/又は前記A5〜A6の芳香族環の置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシ基、芳香族複素環基、アラルキル基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基などでさらに置換されていてもよい。
前記一般式(i)において、A5とA6とが異なる基であると好ましい。
式(i)で表されるアントラセン誘導体は下記式(i’)に示す構造を有する化合物であると好ましい。
Figure 2009161466
(式(i’)中、A5、A6およびR15〜R22は、式(i)で定義したとおりである。ただし、アントラセン構造の9位及び10位の置換基A5とA6は、X−Y軸に対して非対称である。)
本発明の有機EL素子に用いられる式(i)で表されるアントラセン誘導体の具体例としては、特開2004‐356033号公報[0043]〜[0063]に示されている分子中にアントラセン骨格を2個有するものや、国際公開第2005/061656号パンフレットの27〜28ページに示されているアントラセン骨格を1個有する化合物など公知の各種アントラセン誘導体を挙げることができる。代表的な具体例を下記に示す。
Figure 2009161466
Figure 2009161466
Figure 2009161466
Figure 2009161466
Figure 2009161466
Figure 2009161466
Figure 2009161466
Figure 2009161466
Figure 2009161466
Figure 2009161466
Figure 2009161466
(式中、Ar15及びAr16は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基である。
1及びL2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のナフタレニレン基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基又は置換もしくは無置換のジベンゾシロリレン基である。
sは0〜2の整数、pは1〜4の整数、qは0〜2の整数、rは0〜4の整数である。
また、L1又はAr15は、ピレンの1〜5位のいずれかに結合し、L2又はAr16は、ピレンの6〜10位のいずれかに結合する。
ただし、p+rが偶数の時、Ar15,Ar16,L1,L2は下記(1)又は(2)を満たす。
(1) Ar15≠Ar16及び/又はL1≠L2(ここで≠は、異なる構造の基であることを示す。)
(2) Ar15=Ar16かつL1=L2の時
(2-1) s≠q及び/又はp≠r、又は
(2-2) s=qかつp=rの時、
(2-2-1) L1及びL2、又はピレンが、それぞれAr15及びAr16上の異なる結合位置に結合しているか、(2-2-2) L1及びL2、又はピレンが、Ar15及びAr16上の同じ結合位置で結合している場合、L1及びL2又はAr15及びAr16のピレンにおける置換位置が1位と6位、又は2位と7位である場合はない。)
前記Ar15及びAr16並びにL1及びL2の各基の具体例や置換基は、前記一般式(1)で説明したものと同様の例が挙げられる。
一般式(ii)のピレン誘導体の具体例を以下に示すが、これら例示化合物に限定されるものではない。
Figure 2009161466
Figure 2009161466
なお、上記一般式(i)〜(ii)の各基の炭素数、原子数は置換基のものを含まない数である。また、アラルキル基の炭素数はアリール部の炭素数である。
上記各一般式の「置換もしくは無置換の・・・基」において、任意の置換基としては、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等が挙げられる。
本発明において、有機薄膜層が複数層型の有機EL素子としては、(陽極/正孔注入層/発光層/陰極)、(陽極/発光層/電子注入層/陰極)、(陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極)等の構成で積層したものが挙げられる。
前記複数層には、必要に応じて、本発明の芳香族アミン誘導体に加えてさらなる公知の発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料や電子注入材料を使用することもできる。有機EL素子は、前記有機薄膜層を複数層構造にすることにより、クエンチングによる輝度や寿命の低下を防ぐことができる。必要があれば、発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料や電子注入材料を組み合わせて使用することができる。また、ドーピング材料により、発光輝度や発光効率の向上、赤色や青色の発光を得ることもできる。また、正孔注入層、発光層、電子注入層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されても良い。その際には、正孔注入層の場合、電極から正孔を注入する層を正孔注入層、正孔注入層から正孔を受け取り発光層まで正孔を輸送する層を正孔輸送層と呼ぶ。同様に、電子注入層の場合、電極から電子を注入する層を電子注入層、電子注入層から電子を受け取り発光層まで電子を輸送する層を電子輸送層と呼ぶ。これらの各層は、材料のエネルギー準位、耐熱性、有機層又は金属電極との密着性等の各要因により選択されて使用される。
本発明の芳香族アミン誘導体と共に発光層に使用できる上記一般式(i)〜(ii)以外のホスト材料又はドーピング材料としては、例えば、ナフタレン、フェナントレン、ルブレン、アントラセン、テトラセン、ピレン、ペリレン、クリセン、デカシクレン、コロネン、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、フルオレン、スピロフルオレン、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1,4−ビス(9’−エチニルアントラセニル)ベンゼン等の縮合多量芳香族化合物及びそれらの誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム、ビス−(2−メチル−8−キノリノラート)−4−(フェニルフェノリナート)アルミニウム等の有機金属錯体、トリアリールアミン誘導体、スチリルアミン誘導体、スチルベン誘導体、クマリン誘導体、ピラン誘導体、オキサゾン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ピラジン誘導体、ケイ皮酸エステル誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、アクリドン誘導体、キナクリドン誘導体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
正孔注入材料としては、正孔を輸送する能力を持ち、陽極からの正孔注入効果、発光層又は発光材料に対して優れた正孔注入効果を有し、発光層で生成した励起子の電子注入層又は電子注入材料への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。具体的には、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾールチオン、ピラゾリン、ピラゾロン、テトラヒドロイミダゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ヒドラゾン、アシルヒドラゾン、ポリアリールアルカン、スチルベン、ブタジエン、ベンジジン型トリフェニルアミン、スチリルアミン型トリフェニルアミン、ジアミン型トリフェニルアミン等と、それらの誘導体、及びポリビニルカルバゾール、ポリシラン、導電性高分子等の高分子材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の有機EL素子において使用できる正孔注入材料の中で、さらに効果的な正孔注入材料は、芳香族三級アミン誘導体及びフタロシアニン誘導体である。
芳香族三級アミン誘導体としては、例えば、トリフェニルアミン、トリトリルアミン、トリルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−フェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−(メチルフェニル)−N,N’−(4−n−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N−ビス(4−ジ−4−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサン等、又はこれらの芳香族三級アミン骨格を有したオリゴマーもしくはポリマーであるが、これらに限定されるものではない。
フタロシアニン(Pc)誘導体としては、例えば、H2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、Cl2SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPc等のフタロシアニン誘導体及びナフタロシアニン誘導体があるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の有機EL素子は、発光層と陽極との間に、これらの芳香族三級アミン誘導体及び/又はフタロシアニン誘導体を含有する層、例えば、前記正孔輸送層又は正孔注入層を形成してなると好ましい。
電子注入材料としては、電子を輸送する能力を持ち、陰極からの電子注入効果、発光層又は発光材料に対して優れた電子注入効果を有し、発光層で生成した励起子の正孔注入層への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。
電子注入層に用いられる材料としては、8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体やオキサジアゾール誘導体が好適である。上記8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウムを電子注入材料として用いることができる。
一方、オキサジアゾール誘導体としては、以下の一般式で表される電子伝達化合物が挙げられる。
Figure 2009161466
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar5、Ar6、及びAr9はそれぞれ置換又は無置換のアリール基を示し、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。またAr4、Ar7、Ar8は置換又は無置換のアリーレン基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい)
ここでアリール基としてはフェニル基、ビフェニル基、アントラニル基、ペリレニル基、ピレニル基が挙げられる。また、アリーレン基としてはフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントラニレン基、ペリレニレン基、ピレニレン基などが挙げられる。また、置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はシアノ基等が挙げられる。この電子伝達化合物は薄膜形成性のものが好ましい。
上記電子伝達性化合物の具体例としては下記のものを挙げることができる。
Figure 2009161466
さらに、電子注入層及び電子輸送層に用いられる材料として、下記一般式(A)〜(F)で表されるものも用いることができる。
Figure 2009161466
(一般式(A)及び(B)中、A1〜A3は、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子である。
Ar1は、置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のアリール基、又は置換もしくは無置換の核炭素数3〜60のヘテロアリール基であり、Ar2は、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のアリール基、置換もしくは無置換の核炭素数3〜60のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、あるいはこれらの2価の基である。ただし、Ar1及びAr2のいずれか一方は、置換もしくは無置換の核炭素数10〜60の縮合環基、又は置換もしくは無置換の核炭素数3〜60のモノヘテロ縮合環基である。
1、L2及びLは、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のアリーレン基、置換もしくは無置換の核炭素数3〜60のヘテロアリーレン基、又は置換もしくは無置換のフルオレニレン基である。
Rは、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のアリール基、置換もしくは無置換の核炭素数3〜60のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、nは0〜5の整数であり、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、また、隣接する複数のR基同士で結合して、炭素環式脂肪族環又は炭素環式芳香族環を形成していてもよい。)で表される含窒素複素環誘導体。
HAr−L−Ar1−Ar2 (C)
(式中、HArは、置換基を有していてもよい炭素数3〜40の含窒素複素環であり、Lは、単結合、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリーレン基、置換基を有していてもよい炭素数3〜60のヘテロアリーレン基又は置換基を有していてもよいフルオレニレン基であり、Ar1は、置換基を有していてもよい炭素数6〜60の2価の芳香族炭化水素基であり、Ar2は、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜60のヘテロアリール基である。)で表される含窒素複素環誘導体。
Figure 2009161466
(式中、X及びYは、それぞれ独立に炭素数1〜6の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環又はXとYが結合して飽和又は不飽和の環を形成した構造であり、R1〜R4は、それぞれ独立に水素、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1から6までのアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アゾ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、スルフィニル基、スルフォニル基、スルファニル基、シリル基、カルバモイル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ基、ホルミルオキシ基、イソシアノ基、シアネート基、イソシアネート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基もしくはシアノ基又は隣接した場合には置換若しくは無置換の環が縮合した構造である。)で表されるシラシクロペンタジエン誘導体。
Figure 2009161466
(式中、R1〜R8及びZ2は、それぞれ独立に、水素原子、飽和もしくは不飽和の炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ環基、置換アミノ基、置換ボリル基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示し、X、Y及びZ1は、それぞれ独立に、飽和もしくは不飽和の炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ環基、置換アミノ基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示し、Z1とZ2の置換基は相互に結合して縮合環を形成してもよく、nは1〜3の整数を示し、nが2以上の場合、Z1は異なってもよい。但し、nが1、X、Y及びR2がメチル基であって、R8が、水素原子又は置換ボリル基の場合、及びnが3でZ1がメチル基の場合を含まない。)で表されるボラン誘導体。
Figure 2009161466
[式中、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、下記一般式(G)で示される配位子を表し、Lは、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基、−OR1(R1は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基である。)又は−O−Ga−Q3(Q4)(Q3及びQ4は、Q1及びQ2と同じ)で示される配位子を表す。]
Figure 2009161466
[式中、環A1及びA2は、置換基を有してよい互いに縮合した6員アリール環構造である。]
この金属錯体は、n型半導体としての性質が強く、電子注入能力が大きい。さらには、錯体形成時の生成エネルギーも低いために、形成した金属錯体の金属と配位子との結合性も強固になり、発光材料としての蛍光量子効率も大きくなっている。
一般式(G)の配位子を形成する環A1及びA2の置換基の具体的な例を挙げると、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリクロロメチル基等の置換もしくは無置換のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−フルオロフェニル基、3−トリクロロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、3−ニトロフェニル基等の置換もしくは無置換のアリール基、メトキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロプロポキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシ基、6−(パーフルオロエチル)ヘキシルオキシ基等の置換もしくは無置換のアルコキシ基、フェノキシ基、p−ニトロフェノキシ基、p−t−ブチルフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェニル基、3−トリフルオロメチルフェノキシ基等の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、t−ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基等の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、フェニルチオ基、p−ニトロフェニルチオ基、p−t−ブチルフェニルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基、3−トリフルオロメチルフェニルチオ基等の置換もしくは無置換のアリールチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等のモノ又はジ置換アミノ基、ビス(アセトキシメチル)アミノ基、ビス(アセトキシエチル)アミノ基、ビスアセトキシプロピル)アミノ基、ビス(アセトキシブチル)アミノ基等のアシルアミノ基、水酸基、シロキシ基、アシル基、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、プロイピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等のカルバモイル基、カルボン酸基、スルフォン酸基、イミド基、シクロペンタン基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基等のアリール基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、インドリニル基、キノリニル基、アクリジニル基、ピロリジニル基、ジオキサニル基、ピペリジニル基、モルフォリジニル基、ピペラジニル基、トリアチニル基、カルバゾリル基、フラニル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、トリアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、プラニル基等の複素環基等がある。また、以上の置換基同士が結合してさらなる6員アリール環もしくは複素環を形成しても良い。
本発明の有機EL素子の好ましい形態に、電子を輸送する領域又は陰極と有機層の界面領域に、還元性ドーパントを含有する素子がある。ここで、還元性ドーパントとは、電子輸送性化合物を還元ができる物質と定義される。したがって、一定の還元性を有するものであれば、様々なものが用いられ、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属の酸化物又は希土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の有機錯体、アルカリ土類金属の有機錯体、希土類金属の有機錯体からなる群から選択される少なくとも一つの物質を好適に使用することができる。
また、より具体的に、好ましい還元性ドーパントとしては、Na(仕事関数:2.36eV)、K(仕事関数:2.28eV)、Rb(仕事関数:2.16eV)及びCs(仕事関数:1.95eV)からなる群から選択される少なくとも一つのアルカリ金属や、Ca(仕事関数:2.9eV)、Sr(仕事関数:2.0〜2.5eV)、及びBa(仕事関数:2.52eV)からなる群から選択される少なくとも一つのアルカリ土類金属が挙げられる仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。これらのうち、より好ましい還元性ドーパントは、K、Rb及びCsからなる群から選択される少なくとも一つのアルカリ金属であり、さらに好ましくは、Rb又はCsであり、最も好ましのは、Csである。これらのアルカリ金属は、特に還元能力が高く、電子注入域への比較的少量の添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。また、仕事関数が2.9eV以下の還元性ドーパントとして、これら2種以上のアルカリ金属の組合わせも好ましく、特に、Csを含んだ組み合わせ、例えば、CsとNa、CsとK、CsとRbあるいはCsとNaとKとの組み合わせであることが好ましい。Csを組み合わせて含むことにより、還元能力を効率的に発揮することができ、電子注入域への添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。
本発明においては陰極と有機層の間に絶縁体や半導体で構成される電子注入層をさらに設けても良い。この時、電流のリークを有効に防止して、電子注入性を向上させることができる。このような絶縁体としては、アルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用するのが好ましい。電子注入層がこれらのアルカリ金属カルコゲニド等で構成されていれば、電子注入性をさらに向上させることができる点で好ましい。具体的に、好ましいアルカリ金属カルコゲニドとしては、例えば、Li2O、K2O、Na2S、Na2Se及びNa2Oが挙げられ、好ましいアルカリ土類金属カルコゲニドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS、及びCaSeが挙げられる。また、好ましいアルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、LiF、NaF、KF、CsF、LiCl、KCl及びNaCl等が挙げられる。また、好ましいアルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、CaF2、BaF2、SrF2、MgF2及びBeF2といったフッ化物や、フッ化物以外のハロゲン化物が挙げられる。
また、電子輸送層を構成する半導体としては、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、Si、Ta、Sb及びZnの少なくとも一つの元素を含む酸化物、窒化物又は酸化窒化物等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。また、電子輸送層を構成する無機化合物が、微結晶又は非晶質の絶縁性薄膜であることが好ましい。電子輸送層がこれらの絶縁性薄膜で構成されていれば、より均質な薄膜が形成されるために、ダークスポット等の画素欠陥を減少させることができる。なお、このような無機化合物としては、上述したアルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられる。
次に、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、セシウム、マグネシウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、Al/Li2O、Al/LiO、Al/LiF、アルミニウム・リチウム合金、インジウム、希土類金属などが挙げられる。
この陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。
ここで、発光層からの発光を陰極から取り出す場合、陰極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましい。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、さらに、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmである。
また、一般に、有機EL素子は、超薄膜に電界を印加するために、リークやショートによる画素欠陥が生じやすい。これを防止するために、一対の電極間に絶縁性の薄膜層を挿入しても良い。
絶縁層に用いられる材料としては、例えば、酸化アルミニウム、弗化リチウム、酸化リチウム、弗化セシウム、酸化セシウム、酸化マグネシウム、弗化マグネシウム、酸化カルシウム、弗化カルシウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、酸化ゲルマニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化バナジウム等が挙げられる。これらの混合物や積層物を用いてもよい。
本発明の有機EL素子においては、発光層中に、一般式(1)から選ばれる少なくとも一種の芳香族アミン誘導体の他に、発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料及び電子注入材料の少なくとも1種が同一層に含有されてもよい。また、本発明により得られた有機EL素子の、温度、湿度、雰囲気等に対する安定性の向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、シリコンオイル、樹脂等により素子全体を保護することも可能である。
本発明の有機EL素子の陽極に使用される導電性材料としては、4eVより大きな仕事関数を持つものが適しており、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム等及びそれらの合金、ITO基板、NESA基板に使用される酸化スズ、酸化インジウム等の酸化金属、さらにはポリチオフェンやポリピロール等の有機導電性樹脂が用いられる。陰極に使用される導電性物質としては、4eVより小さな仕事関数を持つものが適しており、マグネシウム、カルシウム、錫、鉛、チタニウム、イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン、アルミニウム、フッ化リチウム等及びそれらの合金が用いられるが、これらに限定されるものではない。合金としては、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム、リチウム/アルミニウム等が代表例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。合金の比率は、蒸着源の温度、雰囲気、真空度等により制御され、適切な比率に選択される。陽極及び陰極は、必要があれば二層以上の層構成により形成されていても良い。
本発明の有機EL素子では、効率良く発光させるために、少なくとも一方の面は素子の発光波長領域において充分透明にすることが望ましい。また、基板も透明であることが望ましい。透明電極は、上記の導電性材料を使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透光性を確保するように設定する。発光面の電極は、光透過率を10%以上にすることが望ましい。基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有するものであれば限定されるものではないが、ガラス基板及び透明性樹脂フィルムがある。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリプロピレン等が挙げられる。
本発明に係わる有機EL素子の各層の形成は、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法やスピンコーティング、ディッピング、フローコーティング等の湿式成膜法のいずれの方法を適用することができる。膜厚は特に限定されるものではないが、適切な膜厚に設定する必要がある。膜厚が厚すぎると、一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要になり効率が悪くなる。膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生して、電界を印加しても充分な発光輝度が得られない。通常の膜厚は5nm〜10μmの範囲が適しているが、10nm〜0.2μmの範囲がさらに好ましい。
湿式成膜法の場合、各層を形成する材料を、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の適切な溶媒に溶解又は分散させて薄膜を形成するが、その溶媒はいずれであっても良い。また、いずれの有機薄膜層においても、成膜性向上、膜のピンホール防止等のため適切な樹脂や添加剤を使用しても良い。使用の可能な樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース等の絶縁性樹脂及びそれらの共重合体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の光導電性樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂を挙げられる。また、添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を挙げられる。
本発明の有機EL素子は、壁掛けテレビのフラットパネルディスプレイ等の平面発光体、複写機、プリンター、液晶ディスプレイのバックライト又は計器類等の光源、表示板、標識灯等に利用できる。また、本発明の材料は、有機EL素子だけでなく、電子写真感光体、光電変換素子、太陽電池、イメージセンサー等の分野においても使用できる。
次に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明する。
合成実施例1(化合物D−1の合成)
アルゴン気流下、冷却管付き300ミリリットル三口フラスコ中に、2,8−ジメチル−6,12−ジブロモクリセン4.1g(10mmol)、N−p−トリル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミン6.2g(25mmol)、酢酸パラジウム0.03g(1.5mol%)、トリ−t−ブチルホスフィン0.06g(3mol%)、ナトリウムt−ブトキシド2.4g(25mmol)、乾燥トルエン100ミリリットルを加えた後、100℃にて一晩加熱撹拌した。反応終了後、析出した結晶を濾取し、トルエン50ミリリットル、メタノール100ミリリットルにて洗浄し、淡黄色粉末6.7gを得た。このものは、FD−MS(フィールドディソープションマススペクトル)の測定にてm/e=750を確認し、化合物D−1と同定した。
合成実施例2(化合物D−2の合成)
合成実施例1において、N−p−トリル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンの代わりに、N−m−トリル−N’−5−(3,3−ジメチル−3H−インデン)アミンを用いて同様の方法で合成した。このものは、FD−MSの測定にてm/e=750を確認し、化合物D−2と同定した。
合成実施例3(化合物D−3の合成)
アルゴン気流下、冷却管付き300ミリリットル三口フラスコ中に、2,3,8,9−テトラメチル−6,12−ジブロモクリセン4.4g(10mmol)、N−p−トリル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミン6.5g(25mmol)、酢酸パラジウム0.03g(1.5mol%)、トリ−t−ブチルホスフィン0.06g(3mol%)、ナトリウムt−ブトキシド2.4g(25mmol)、乾燥トルエン100ミリリットルを加えた後、100℃にて一晩加熱撹拌した。反応終了後、析出した結晶を濾取し、トルエン50ミリリットル、メタノール100ミリリットルにて洗浄し、淡黄色粉末7.0gを得た。このものは、FD−MSの測定にてm/e=806を確認し、化合物D−3と同定した。
合成実施例4(化合物D−6の合成)
アルゴン気流下、冷却管付き300ミリリットル三口フラスコ中に、6,12−ジブロモクリセン3.8g(10mmol)、N−4−シクロヘキシルフェニル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミン7.9g(25mmol)、酢酸パラジウム0.03g(1.5mol%)、トリ−t−ブチルホスフィン0.06g(3mol%)、ナトリウムt−ブトキシド2.4g(25mmol)、乾燥トルエン100ミリリットルを加えた後、100℃にて一晩加熱撹拌した。反応終了後、析出した結晶を濾取し、トルエン50ミリリットル、メタノール100ミリリットルにて洗浄し、淡黄色粉末6。0gを得た。このものは、FD−MSの測定にてm/e=858を確認し、化合物(D−6)と同定した。
合成実施例5(化合物D−7の合成)
合成実施例4において、N−4−シクロヘキシルフェニル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンの代わりに、N−4−(トリメチルシリル)フェニル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンを用いて同様の方法で合成した。このものは、FD−MSの測定にてm/e=838を確認し、化合物(D−7)と同定した。
合成実施例6(化合物D−8の合成)
合成実施例4において、N−4−シクロヘキシルフェニル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミン代わりに、N−4−(トリメチルシリル)フェニル−N’−5−(3,3−ジメチル−3H−インデン)アミンを用いて同様の方法で合成した。このものは、FD−MSの測定にてm/e=838を確認し、化合物(D−8)と同定した。
合成実施例7(化合物D−16の合成)
合成実施例4において、N−4−シクロヘキシルフェニル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミン代わりに、N−2−ナフチル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンを用いて同様の方法で合成した。このものは、FD−MSの測定にてm/e=794を確認し、化合物D−16と同定した
合成実施例8(化合物D−17の合成)
合成実施例4において、N−4−シクロヘキシルフェニル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンの代わりに、N,N’−5,5’−ビス(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンを用いて同様の方法で合成した。このものは、FD−MSの測定にてm/e=826を確認し、化合物D−17と同定した。
合成実施例9(化合物D−18の合成)
合成実施例4において、N−4−シクロヘキシルフェニル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンの代わりに、N,N’−6,6’−ビス(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンを用いて同様の方法で合成した。このものは、FD−MSの測定にてm/e=826を確認し、化合物D−18と同定した。
合成実施例10(化合物D−19の合成)
合成実施例4において、N−4−シクロヘキシルフェニル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンの代わりに、N−3,4−ジメチルフェニル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンを用いて同様の方法で合成した。このものは、FD−MSの測定にてm/e=750を確認し、化合物(D−19)と同定した。
合成実施例11(化合物D−20の合成)
合成実施例1において、2,7−ジメチル−6,12−ジブロモクリセンの代わりに、6,12−ジブロモクリセンを用いて同様の方法で合成した。このものは、FD−MSの測定にてm/e=722を確認し、化合物D−20と同定した。
合成実施例12(化合物D−21の合成)
合成実施例4において、N−4−シクロヘキシルフェニル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンの代わりに、N−6‘−メチルナフタレン−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンを用いて同様の方法で合成した。このものは、FD−MSの測定にてm/e=822を確認し、化合物(D−21)と同定した。
合成実施例13(化合物D−22の合成)
合成実施例4において、N−4−シクロヘキシルフェニル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンの代わりに、N−3,4−ジメチルフェニル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンを用いて同様の方法で合成した。このものは、FD−MSの測定にてm/e=750を確認し、化合物D−22と同定した。
合成実施例14(化合物D−23の合成)
合成実施例4において、N−4−シクロヘキシルフェニル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンの代わりに、N−p−トリル−N’−5−(3,3−ジメチル−3H−インデン)アミンを用いて同様の方法で合成した。このものは、FD−MSの測定にてm/e=722を確認し、化合物D−23と同定した。
合成実施例15(化合物D−24の合成)
合成実施例4において、N−4−シクロヘキシルフェニル−N’−5−(1,1−ジメチル−1H−インデン)アミンの代わりに、N−4−ビフェニル−N’−5−(3,3−ジメチル−3H−インデン)アミンを用いて同様の方法で合成した。このものは、FD−MSの測定にてm/e=846を確認し、化合物D−24と同定した。
実施例1
25×75×1.1mmサイズのガラス基板上に、膜厚120nmのインジウムスズ酸化物からなる透明電極を設けた。このガラス基板に紫外線及びオゾンを照射して洗浄した後、真空蒸着装置にこの基板を設置した。
まず、正孔注入層として、N’,N’’−ビス[4−(ジフェニルアミノ)フェニル]−N',N’’−ジフェニルビフェニル−4,4’−ジアミンを60nmの厚さに蒸着したのち、その上に正孔輸送層として、N,N,N’,N’−テトラキス(4−ビフェニル)−4,4’−ベンジジンを20nmの厚さに蒸着した。次いで、ホスト材料として10,10’−ビス[1,1’,4’,1’’]テルフェニル−2−イル−9,9’−ビアントラセニルとドーピング材料として上記化合物D−17とを、重量比40:2で同時蒸着し、厚さ40nmの発光層を形成した。
次に、電子注入層として、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウムを10nmの厚さに蒸着した。次に、弗化リチウムを1nmの厚さに蒸着し、次いでアルミニウムを150nmの厚さに蒸着した。このアルミニウム/弗化リチウムは陰極として機能する。このようにして有機EL素子を作製した。
得られた素子に通電試験を行ったところ、電圧6.5V、電流密度10mA/m2にて、発光輝度730cd/m2の青色発光が得られた。初期輝度500cd/m2で直流の連続通電試験を行ったところ、半減寿命は16000時間であった。
実施例2
実施例1において、ドーピング材料として化合物D−17の代わりに、化合物D−18を用いたこと以外は同様にして有機EL素子を作製した。
得られた素子に通電試験を行ったところ、電圧6.5V,電流密度10mA/m2にて、730cd/m2の青色発光が得られた。また、実施例1と同様にして連続通電試験を行ったところ、半減寿命は16000時間であった。
実施例3
実施例1において、ドーピング材料として化合物D−17の代わりに、化合物D−19を用いたこと以外は同様にして有機EL素子を作製した。
得られた素子に通電試験を行ったところ、電圧6.5V,電流密度10mA/m2にて、710cd/m2の青色発光が得られた。また、実施例1と同様にして連続通電試験を行ったところ、半減寿命は15000時間であった。
比較例1
実施例1において、ドーピング材料として化合物D−17の代わりに、下記化合物A−1を用いたこと以外は同様にして有機EL素子を作製した。
得られた素子に通電試験を行ったところ、電圧6.5V,電流密度10mA/m2にて、710cd/m2の青色発光が得られた。また、実施例1と同様にして連続通電試験を行ったところ、半減寿命は12000時間であった。
比較例2
実施例1において、ドーピング材料として化合物D−17の代わりに、下記化合物A−2を用いたこと以外は同様にして有機EL素子を作製した。
得られた素子に通電試験を行ったところ、電圧6.5V,電流密度10mA/m2にて、640cd/m2の青色発光が得られた。また、実施例1と同様にして連続通電試験を行ったところ、半減寿命は14000時間であった。
比較例3
実施例1において、ドーピング材料として化合物D−17の代わりに、下記化合物A−3を用いたこと以外は同様にして有機EL素子を作製した。
得られた素子に通電試験を行ったところ、電圧6.5V,電流密度10mA/m2にて、640cd/m2の青色発光が得られた。また、実施例1と同様にして連続通電試験を行ったところ、半減寿命は15000時間であった。
Figure 2009161466
以上のように、実施例1〜3の素子は、インデン骨格に置換基を導入することで化合物の会合が防止されたため、半減寿命が向上した(比較例1)。また、置換もしくは無置換のインダン環に比べて発光効率の向上を観測した(比較例2、3)。
以上詳細に説明したように、本発明の芳香族アミン誘導体を用いた有機EL素子は、発光効率が高く、長時間使用しても劣化しづらく寿命が長い。このため、壁掛テレビの平面発光体やディスプレイのバックライト等の光源として有用である。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で表わされる芳香族アミン誘導体。
    Figure 2009161466
    [式中、m、n、p及びqは、それぞれ独立に、0〜5の整数であり、A1〜A4及びR1〜R14は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の核炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアラルキル基、シリル基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜50の複素環基である。m、n、p、qがそれぞれ2以上の場合、複数のA1〜A4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに結合して飽和もしくは不飽和の、置換もしくは無置換の5員環又は6員環の環状構造を形成してもよい。R11〜R14の隣接する置換基同士は互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成していてもよい。]
  2. 前記一般式(1)において、R11〜R14が、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基又は置換もしくは無置換の核炭素数6〜20のアリール基である請求項1に記載の芳香族アミン誘導体。
  3. 前記一般式(1)において、n及びmが0である請求項1又は2に記載の芳香族アミン誘導体。
  4. 前記一般式(1)において、2つの窒素原子がインデン構造のベンゼン環に結合している請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族アミン誘導体。
  5. 有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料である請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族アミン誘導体。
  6. 有機エレクトロルミネッセンス素子用青色発系発光材料である請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族アミン誘導体。
  7. 有機エレクトロルミネッセンス素子用ドーピング材料である請求項1〜6のいずれかに記載の芳香族アミン誘導体。
  8. 陰極と陽極の間に少なくとも発光層を含む一層または複数層からなる有機薄膜層が挟持されている有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機薄膜層の少なくとも一層が、請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族アミン誘導体を単独もしくは混合物の成分として含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記発光層が、請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族アミン誘導体を含有する請求項8記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記発光層が、請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族アミン誘導体をドーピング材料として含有し、下記一般式(i)で表されるアントラセン誘導体をホスト材料として含有する請求項8又は9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2009161466
    (式中、A5及びA6は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜20の芳香族環から誘導される基であり、R15〜R22は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の核原子数4〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基及びヒドロキシル基から選ばれる基である)。
  11. 前記式(i)において、A5とA6とが異なる基である請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記発光層が、請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族アミン誘導体をドーピング材料として含有し、下記一般式(ii)で表されるピレン誘導体をホスト材料として含有する請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2009161466
    (式中、Ar15及びAr16は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基である。
    1及びL2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のナフタレニレン基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基又は置換もしくは無置換のジベンゾシロリレン基である。
    sは0〜2の整数、pは1〜4の整数、qは0〜2の整数、rは0〜4の整数である。
    また、L1又はAr15は、ピレンの1〜5位のいずれかに結合し、L2又はAr16は、ピレンの6〜10位のいずれかに結合する。
    ただし、p+rが偶数の時、Ar15,Ar16,L1,L2は下記(1)又は(2)を満たす。
    (1) Ar15≠Ar16及び/又はL1≠L2(ここで≠は、異なる構造の基であることを示す。)
    (2) Ar15=Ar16かつL1=L2の時
    (2-1) s≠q及び/又はp≠r、又は
    (2-2) s=qかつp=rの時、
    (2-2-1) L1及びL2、又はピレンが、それぞれAr15及びAr16上の異なる結合位置に結合しているか、(2-2-2) L1及びL2、又はピレンが、Ar15及びAr16上の同じ結合位置で結合している場合、L1及びL2又はAr15及びAr16のピレンにおける置換位置が1位と6位、又は2位と7位である場合はない。)
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