JP2009161361A - 成形品の製造方法および成形型の製造方法 - Google Patents

成形品の製造方法および成形型の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱垂下成形法により容易かつ簡便に所望形状を有する成形品を得るための手段を提供すること。
【解決手段】成形型成形面上に配置された被成形ガラス素材に加熱処理を施すことにより、該被成形ガラス素材の上面を成形して成形品を得る成形品の製造方法。前記成形型として、被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する被成形ガラス素材の予測変形量に基づき決定された成形面形状を有する成形型を使用する。成形型成形面上に配置された被成形ガラス素材に加熱処理を施すことにより、該被成形ガラス素材の上面を成形して成形品を得る成形法に使用される成形型の製造方法。前記成形面形状を、被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する被成形ガラス素材の予測変形量に基づき決定する。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱垂下成形法による成形品の製造方法および熱垂下成形法に使用される成形型の製造方法に関する。
眼鏡レンズ用ガラスモールドの成形方法としては、機械的研削研磨法や、機械的研削法や放電加工等の電気的加工法により作成した耐熱性母型を用い、これにガラスブランクスを接触加熱軟化させて母型の面形状を転写する方法等、得ようとする面形状ごとに研削プログラムを用いたり、対応する面形状を有する母型を成形する方法が採用されている。
近年、軸対称の非球面レンズ設計を組み入れることにより、薄肉軽量化を図った多焦点眼鏡レンズの需要が増大している。そのため、このような複雑な形状の眼鏡レンズを得るためのモールドの成形法として、熱垂下成形法が提案されている(特開平6−130333号公報(特許文献1)、特開平4−275930号公報(特許文献2)参照)。熱垂下成形法は、ガラス等の熱軟化性物質からなるガラス素材を型の上に載せ、その軟化点以上の温度に加熱することによりガラス素材を軟化させて型と密着させることにより、型形状をガラス素材の上面に転写させて所望の面形状を有する成形品を得る成形法である。
熱垂下成形法では、成形型成形面形状、被成形素材形状、成形面と成形素材下面との離間距離、加熱条件等の因子が成形精度に影響し得る。通常、形状制御を容易にするために上記因子中のいくつかを固定し、いくつかを可変とした上で成形条件が決定される。一般には、形状の異なるガラスブランクスと成形型を多数準備し、成形面と被成形ガラス素材の離間距離が所定値(一般に幾何中心部離間距離にて0.1mm〜2.0mm程度)となるようなガラスブランクスと成形型との組み合わせを選択した上で、予備成形を繰り返しガラスブランクスおよび/または成形型の形状に補正を加えた後に実成形が行われる。これは一般に、成形型とブランクスの間隔を極力小さくすることにより、形状制御が容易になるからである。しかし、上記方法では、多数のガラスブランクスや成形型のストックを準備する必要がある、ガラスブランクスと成形型の組み合わせを選択した後の形状補正が煩雑である、等の課題があった。
これに対し、本願出願人は、特許文献3において、ガラス素材の上面を成形型成形面に対する略オフセット面に成形することを提案した。特許文献3には、まず所望のガラス素材上面形状に基づき成形型成形面の形状を決定し、決定された成形型成形面形状に基づきガラス素材の形状を決定することが提案されている。
特開平6−130333号公報 特開平4−275930号公報 WO2007/058353 A1
熱垂下成形法の簡便性を高めるアプローチの1つとしては、特許文献3に記載の方法のように成形型成形面形状に基づきガラス素材形状を決定することが挙げられる。一方、他のアプローチとしては、ガラス素材の形状に基づき成形型成形面形状を決定することが考えられる。この方法によれば、任意に選択したガラス素材から様々な異なる形状の成形品を得ることが可能となり、熱垂下成形法の簡便性をより一層高めることができる。
そこで本発明の目的は、熱垂下成形法により容易かつ簡便に所望形状を有する成形品を得るための手段を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、被成形ガラス素材の熱軟化による変形量は、被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する成分を含むことを新たに見出した。
本発明者らは、上記知見に基づき更に検討を重ね、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的は、下記手段によって達成された。
[1]成形型成形面上に配置された被成形ガラス素材に加熱処理を施すことにより、該被成形ガラス素材の上面を成形して成形品を得る成形品の製造方法であって、
前記成形型として、被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する被成形ガラス素材の予測変形量に基づき決定された成形面形状を有する成形型を使用することを特徴とする成形品の製造方法。
[2]複数の同一形状かつ同一組成の試験用ガラス素材を使用し、各試験用ガラス素材を、試験用成形型成形面上に配置した状態で前記加熱処理と同一条件下でテスト加熱することを、試験用成形型成形面の曲率半径を変化させて繰り返すテスト成形により、被成形ガラス素材の予測総変形量を求めるための式を導出することを含み、該導出される式を用いて成形型成形面の形状を決定する[1]に記載の成形品の製造方法。
[3]前記複数の試験用成形型は、試験用ガラス素材下面と同一の平均曲率半径を有する成形面を有するベース成形型を含む[2]に記載の成形品の製造方法。
[4]前記予測総変形量を、前記ベース成形型を使用するテスト加熱による変形量と被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する予測変形量に基づき決定する[3]に記載の成形品の製造方法。
[5]前記被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する予測変形量は、
[1+sqrt(1/R)]×K
[上記において、Rは被成形ガラス素材下面の曲率半径であり、Kは係数である。]
に比例する値である[1]〜[4]のいずれかに記載の成形品の製造方法。
[6]成形型成形面上に配置された被成形ガラス素材に加熱処理を施すことにより、該被成形ガラス素材の上面を成形して成形品を得る成形法に使用される成形型の製造方法であって、
前記成形面形状を、被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する被成形ガラス素材の予測変形量に基づき決定することを特徴とする成形型の製造方法。
[7]複数の同一形状かつ同一組成の試験用ガラス素材を使用し、各試験用ガラス素材を、試験用成形型成形面上に配置した状態で前記加熱処理と同一条件下でテスト加熱することを、試験用成形型成形面の曲率半径を変化させて繰り返すテスト成形により、被成形ガラス素材の予測総変形量を求めるための式を導出することを含み、該導出される式を用いて成形型成形面の形状を決定する[6]に記載の成形型の製造方法。
[8]前記複数の試験用成形型は、試験用ガラス素材下面と同一の平均曲率半径を有する成形面を有するベース成形型を含む[7]に記載の成形型の製造方法。
[9]前記予測総変形量を、前記ベース成形型を使用するテスト加熱による変形量と被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する予測変形量に基づき決定する[8]に記載の成形品の製造方法。
[10]前記被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する予測変形量は、
[1+sqrt(1/R)]×K
[上記において、Rは被成形ガラス素材下面の曲率半径であり、Kは係数である。]
に比例する値である[6]〜[9]のいずれかに記載の成形品の製造方法。
本発明によれば、任意の形状のガラス素材を用いて異なる形状の成形品を得ることが可能となる。これにより、熱垂下成形法におけるガラス素材の製造および管理が容易となり、熱垂下成形法の簡便性を顕著に向上することができる。
本発明の成形品の製造方法は、成形型成形面上に配置された被成形ガラス素材に加熱処理を施すことにより、該被成形ガラス素材の上面を成形して成形品を得る成形品の製造方法であり、前記成形型として、被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する被成形ガラス素材の予測変形量に基づき決定された成形面形状を有する成形型を使用する。
図1に、熱垂下成形法の説明図を示す。
通常、熱垂下成形法では、被成形ガラス素材を、ガラス素材下面中央部と成形型成形面が離間した状態となるように成形型上に配置した状態(図1(a))で加熱処理を施す。これにより、被成形ガラス素材の下面は自重により変形し成形型成形面と密着し(図1(b))、成形型成形面形状がガラス素材上面に転写され、その結果、ガラス素材上面を所望形状に成形することができる。
ガラス素材が成形面と所定の離間距離をもって成形型上に配置される場合とは、ガラス素材下面の平均曲率半径と成形型成形面の平均曲率半径が異なる場合である。これに対し、成形型成形面とガラス素材下面の平均曲率半径が一致するのであれば、ガラス素材は成形型成形面と嵌合した状態で成形型上に配置される。本発明者らは、熱垂下成形法におけるガラス素材の加熱による変形量は、ガラス素材が成形型上に嵌合配置され加熱処理される場合の変形量、即ち、ガラス素材下面の曲率半径に依存しないガラス素材固有の変形量と、ガラス素材下面の曲率半径に依存する変形量とに分離できることを新たに見出した。そこで、「下面曲率半径に依存しない変形量」と「下面曲率半径に依存する変形量」とを独立の項に分離した関係式を導出し、かつ「下面曲率半径に依存しない変形量」を、例えば実験的に決定することにより、任意形状の被成形ガラス素材から、以下の方法により成形品を得るための成形型成形面形状を決定するために使用可能な補正関数を導出することができる。
上記関係式を得るためのテスト成形は、複数の同一形状かつ同一組成の試験用ガラス素材を使用し、各試験用ガラス素材を、試験用成形型成形面上に配置した状態で実成形における加熱処理と同一加熱条件下でテスト加熱することを、試験用成形型成形面の曲率半径を変化させて繰り返すことにより行うことができる。なお、各試験用ガラス素材の組成および形状にについて、「同一」とは、ガラス素材製造において通常生じ得る程度の差が存在する場合も含むものとする。
以下に、上記関係式の導出方法を、具体的態様に基づき説明する。但し本発明は、下記態様に限定されるものではない。
関係式の導出方法
(工程1)テスト成形1
試験用ガラス素材下面と同一の平均曲率半径を有する試験用成形型成形面上に試験用ガラス素材を配置(嵌合配置)し、実成形で使用する加熱条件と同条件で加熱処理を行う。次いで、加熱処理により発生する変形量を測定する。「変形量」とは、例えば、加熱処理前と加熱処理後における、幾何中心を基準としたサジタルハイト(中心を基準とする鉛直方向高さ)の差分として表すことができる。上記変形量は、例えばタリサーフ(接触式2次元形状測定装置)により測定することができる。ここで、「曲率半径が同一」とは、例えば、45mm程度の領域で誤差量が5ミクロン以下程度である場合も含むものとする。
(工程2)テスト成形2
試験用ガラス素材下面と平均曲率半径が異なる試験用成形型成形面上に試験用ガラス素材を配置しテスト加熱による変形量を求める工程を、使用する成形型の成形面曲率半径を変化させて繰り返す。
(工程3)下面曲率半径に依存する変形量算出のための係数決定
後述する式1に前記テスト成形1、2の数値を代入して係数Kを求める。
以下に、上記各工程を更に詳細に説明するが、本発明は下記態様に限定されるものではない。
(工程1)テスト成形1
前述の通り、成形型成形面上に配置されたガラス素材の加熱による変形量は、「ガラス素材下面の曲率半径に依存しない変形量」と「ガラス素材下面の曲率半径に依存する変形量」との2成分を含み、例えば
ガラス素材の加熱による変形量=ガラス素材下面の曲率半径に依存しない変形量CA+ガラス素材下面の曲率半径に依存する変形量CB・・・(式a)
として表すことができる。テスト成形1は、ガラス素材下面の曲率半径に依存しない変形量CAを求めるための工程であり、ガラス素材下面の平均曲率半径と同一の平均曲率半径を有する成形型成形面上に試験用ガラス素材を嵌合配置し、実成形で使用する加熱条件と同条件で加熱処理を行う。本発明者らは、上記変形量CAは、ガラス素材下面の曲率半径と同一の曲率半径を有する成形型成形面上での加熱によるガラス素材の変形量とみなすことができることを新たに見出した。そのため、テスト成形1における変形量として、上記変形量CAを求めることができる。
(工程2)テスト成形2
工程2は、ガラス素材下面の曲率半径に依存する変形量CBを求めるための工程であり、テスト成形1で使用したガラス素材と同一組成かつ同一形状の新たな試験用ガラス素材を、テスト成形1で使用した成形型とは平均曲率半径の異なる成形面を有する成形型上へ配置し、工程1と同条件下で加熱処理を施す。成型型成形面が凹形状の場合、
(成形型成形面の平均曲率半径)<(試験用ガラス素材下面の平均曲率半径)
の関係を満たすことが好ましい。一方、成形型成形面が凸形状の場合、
(成形型成形面の平均曲率半径)>(試験用ガラス素材下面の平均曲率半径)
の関係を満たすことが好ましい。曲率半径は、例えばタリサーフ(テーラーホブソン社製)により測定することができる。平均曲率半径は、例えば成形面またはレンズ下面の幾何中心から周縁まで2mm間隔で複数点(例えば後述するように合計38点)測定した値の平均値として求めることができる。
ガラス素材下面および成形型成形面における曲率半径は測定位置において異なり、例えば図1に示すように、上面が凹面、下面が凸面のガラス素材を、凹面形状を有する成形型成形面上に配置する場合、ガラス素材の凹凸両面は任意の位置にて実質的に同一曲率半径となるが、成形型は中心部から周縁部に向かって曲率半径が異なる。例えば幾何中心から0.1mm〜4mmピッチ程度、例えば2mmピッチ程度でガラス素材下面の複数点において曲率半径と加熱後の変形量を測定することが好ましい。このように複数点で測定を行い得られたデータを平均化し曲率半径と変形量との相関を求めることにより、信頼性の高い補正関数を得ることができる。具体的には、例えば図2に示すようにガラス素材と成形型のノッチ部分を合わせてガラス素材を配置し、ノッチ方向を基準の0°方向とし、0°方向に直交する方向を90°方向として、それぞれの方向において測定することができる。前述の工程1における変形量測定も、同様の理由から複数点で行うことが好ましい。なお、連続式電気炉を使用し加熱処理を行う場合、上記0°方向または90°方向のいずれか一方を炉内での進行方向とすることが好ましい。連続式電気炉内には温度分布があり、一般に進行方向では温度変化があり進行方向に直交する方向における温度変化は少ない。2方向での測定値を平均化することにより、温度分布による影響を低減し信頼性の高いデータを得ることができる。
例えば、下記表1に示す4種のガラス素材を使用し、幾何中心における離間距離が0mm、0.2mm、0.5mm、1.0mmとなるように成形型成形面の曲率半径を変化させてテスト加熱を行った場合のガラス素材上面のタリサーフにより測定した変形量((加熱処理後のDepth測定値)−(加熱処理前のDepth測定値);以下、「Depth変化量」ともいう)を、幾何中心からの半径方向距離に対してプロットしたグラフを図3に示す。測定は、図2に示す2方向において合計38点行った。なお、下記4種のガラス素材は、ガラス組成は同一であり、いずれも法線方向に等厚であった。
(表中の曲率半径は、幾何中心における曲率半径である。)
図3に示すように、ガラス素材下面の曲率半径と成形型成形面の曲率半径が同一である場合にも加熱前後でDepth変化が発生している。本発明者らは、この曲率半径同一の場合のDepth変化量が、ガラス素材下面と成形型成形面との曲率半径が異なる場合のDepth変化量に含まれるガラス素材固有の値であると考えた。そこで曲率半径が異なる場合のDepth変化量から曲率半径同一の場合のDepth変化量を差し引き差分を求め、各測定点における曲率半径と上記差分との関係をプロットしたところ、図4に示すように曲率半径にかかわらず直線関係が得られた。この結果から、離間状態における変形量は、上記式aに示すように、「ガラス素材下面の曲率半径に依存しない変形量CA」と「ガラス素材下面の曲率半径に依存する変形量CB」との和として表すことができることがわかる。更に本発明者らは、CBはガラス素材下面の平均曲率半径をRとすると、
[1+sqrt(1/R)]×K
[上記において、Rは被成形ガラス素材下面の曲率半径であり、Kは実験的に求められる係数である。]
に比例し、下記式bにより算出できることを新たに見出した。
ガラス素材下面の曲率半径に依存する変形量CB=(Cb−CA)×[1+sqrt(1/R)]×K ・・・(式b)
[式b中、CAはガラス素材下面と成形型成形面の曲率半径が同一である場合の変形量であり、Cbはガラス素材下面と成形型成形面の曲率半径が異なる場合の変形量である。]
そこで本態様では、下記工程3によりガラス素材下面の曲率半径に依存する変形量算出のための係数Kを求めることができる。
(工程3)ガラス素材下面の曲率半径に依存する変形量算出のための係数決定
上記の通り、ガラス素材下面と成形型成形面の曲率半径が異なる場合の変形量は、ガラス素材下面の曲率半径に依存しない変形量CAと上記曲率半径に依存する変形量CBの和として表すことができ、更にCBは上記式bにより求めることができる。そこでガラス素材下面の曲率半径に基づき実成形における被成形ガラス素材の総変形量を予測するための関係式としては、下記式1を用いることができる。
予測総変形量=CA+CB=CA+(Cb−CA)×[1+sqrt(1/R)]×K
・・・(式1)
上記式1中のCA、CB、Cb、R、Kは前述と同義であり、上記Kは、式1のCAに工程1における変形量測定値、Cbに工程2における変形量測定値を、それぞれ代入することにより実験的に求めることができる。Cbとして代入する値としては、工程2における任意の位置における測定値でもよいが、前述と同様、複数点で測定を行い、各点での測定値の平均値として求めることもできる。
以上の工程により求められる係数Kは、ガラス素材等により変化するが、例えば図3および図4に示す態様では0.60〜0.80程度となる。D1613については、K=0.68であった。
成形面形状決定
以上の工程により式1に代入すべきK、CA、Cbが決定されれば、実成形に使用するガラス素材と試験用ガラス素材の厚みが同一の場合、式1に実成形において使用するガラス素材の下面曲率半径を代入することにより、予測総変形量を求めることができる。そして、算出された予測総変形量をガラス素材下面の変形量として、下面形状から成形型の成形面形状を決定することができる。
一方、試験用ガラス素材と実成形に使用するガラス素材の厚さが異なる場合は厚み補正を加えることが好ましい。この場合、成形型成形面補正のための補正関数としては、下記式2を使用することができる。
総変形量=[CA+(Cb−CA)×[1+sqrt(1/R)]×K]×厚み変化比率CC ・・・(式2)
[式2中、厚み変化比率CCは、試験用ガラス素材の厚みt1と実成形に使用するガラス素材の厚みt2との比(t2/t1)であり、CA、Cb、R、Kは式1と同義である。]
本発明において使用されるガラス素材は、鉛直方向または法線方向において厚みが異なるガラスであってもよいが、等厚であることが好ましい。中でも、法線方向に等厚のガラス素材はWO2007/058353 A1に記載されているように形状制御が容易であり特に好ましい。
以上の工程により試験用ガラス素材を使用したテスト成形における測定値および試験用ガラス素材と被成形ガラス素材の厚み変化比率から、被成形用ガラス素材の変形量を予測するための補正関数を得ることができる。これにより、ある形状のガラス素材の上面を所望形状にするための変形量(予測変形量)が決定されれば、式1または式2により、所望形状の成形品を得るための成形型成形面形状を決定できる。予測変形量の算出は、ガラス素材上の複数点について行うことが成形面形状補正の精度を高める上で好ましい。具体的には、ガラス素材の幾何中心から周縁部まで1〜3mm間隔で15〜20点程度行うことや、0.1〜4mm間隔で9〜400点程度行うことが好適である。
その後、実成形で使用する成形型に対し、決定された成形面形状となるように成形型成形面に形状補正を加えることにより、所望形状の成形品を得るための成形型を得ることができる。形状補正は研削、研磨等の公知の加工方法によって行うことができる。
次いで、形状補正を加えた成形型成形面上に被成形ガラス素材を配置し加熱処理を施すことにより実成形を行うことができる。被成形ガラス素材が、補正関数により求められる予測変形量と同一または近似する変形量で変形すれば、被成形ガラス素材の上面を所望形状に成形することができる。被成形ガラス素材を、下面とは異なる曲率半径を有する成形型成形面上に配置する場合、安定配置のためにはガラス素材が下面周縁部の3点以上で成形型成形面と接触することが好ましく、周縁部全周にわたって成形型成形面と接触することが更に好ましい。
前記試験用ガラス素材は、実成形で使用されるガラス素材と同一のガラス組成を有するものを使用することが成形型成形面の形状補正精度を高める上で好ましい。更に、同様の理由から、試験用ガラス素材は、実成形で使用されるガラス素材と外形が同一または略同一であることが好ましい。
本発明の成形品の製造方法において使用されるガラス素材のガラス組成および形状は特に限定されるものではなく、所望の成形品に応じて決定することができる。試験用ガラス素材としては、例えば球面屈折力のみを含み乱視屈折力を含まない形状を有するガラス素材が好適である。
被成形ガラス素材としては、比較的大きな曲率半径(例えば下面の曲率半径が1607mm程度)、中程度の曲率半径(例えば下面の曲率半径が134〜222mm)、比較的小さな曲率半径(例えば下面の曲率半径が95mm程度)のいずれも使用可能である。曲率半径が大きいガラス素材に対しては予測変形量を算出する算出点を増加することにより、成形面補正精度を高めることができる。ガラス素材の詳細については、例えばWO2007/058353 A1等を参照できる。また加熱処理の条件等の詳細についても、WO2007/058353 A1等を参照できる。
更に本発明は、成形型成形面上に配置された被成形ガラス素材に加熱処理を施すことにより、該被成形ガラス素材の上面を成形して成形品を得る成形法に使用される成形型の製造方法に関する。本発明の成形型の製造方法では、成形面形状を、被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する被成形ガラス素材の予測変形量に基づき決定する。本発明の成形型の製造方法の詳細は、先に本発明の成形品の製造方法について述べた通りである。また、成形型の素材、加工方法等の詳細は、WO2007/058353 A1等を参照できる。
本発明の成形品の製造方法は、注型重合により眼鏡レンズを得るための眼鏡レンズ用鋳型または鋳型の一部を製造する方法として好適である。前記加熱処理により上面が成形されたガラス素材は、そのままの状態で、または周縁部など一部を除去して眼鏡レンズ用鋳型として使用することができる。また本発明により製造される成形型は、上記製造方法において好適に使用することができる。例えば眼鏡レンズの形状種類は1種類の製品ごとに平均度数屈折力について40種、乱視屈折力について8種あり、合計320種類にもなる、さらに累進屈折力レンズでは加入屈折力について14種類が処方値のパラメータとして加わり1製品で4480種類にもなる。このように膨大な種類の形状に応じた形状を有するガラス素材や成形型を保管および管理することは容易ではない。また眼鏡レンズの形状に応じてガラス素材や成形型に対しトライアルアンドエラーを繰り返し形状補正を加えていくことはきわめて煩雑である。これに対し、本発明によれば、先に説明したように、テスト成形により得られた測定値を基礎データとして求められた補正関数により成形型の成形面形状を決定することができる。これにより熱垂下成形法の簡便性を顕著に高めることができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に説明する。但し本発明は、実施例に示す態様に限定されるものではない。
(比較例)
加熱条件および成形すべき成形品の面形状を決定した。保管されている成形型の中から使用する成形型を選択した。被成形ガラス素材として表1に示すD222を選択し、被成形ガラス素材の上面が所望の面形状に収束するまで選択した成形型の成形面形状に補正を加えながらテスト成形を繰り返した。テスト成形回数は4回であった。
(実施例)
図3および図4に示す測定により得られたD1613について求めた定数K(K=0.68)、CAおよびCbを使用し、被成形ガラス素材として表1に示すD222を選択し、前述の式2を使用し成形面形状を決定した。D1613の法線方向における厚さは6.002mm、D222の法線方向における厚さは6.110mmであった。比較例で選択した成形型と同一面形状を有する成形型の成形面を、決定された成形面形状に補正した。
実施例および比較例における補正量を図5に示す。図5中、「評価位置」とは、成形型成形面上における幾何中心からの距離である。図5に示すように、実施例と比較例ではほぼ同等の補正値が得られた。この結果から、本発明によれば、ある形状を有するガラス素材を使用してテスト成形を行えば、以降は成形テストを行うことなく補正値を得ることができることがわかる。このように本発明によればトライアルアンドエラーによる補正を行うことなく、成形型成形面の形状を決定できるため、熱垂下成形法により所望形状の成形品を容易かつ簡便に得ることができる。
本発明の製造方法は、眼鏡レンズ用鋳型の製造方法として好適である。
熱垂下成形法の説明図である。 ガラス素材変形量の測定方向の説明図である。 表1に示す4種のガラス素材の加熱前後の変形量を示す。 表1に示す4種のガラス素材の下面曲率半径(ガラス素材下面と成形型成形面との離間距離)に依存する変形量を示す。 実施例および比較例における成形型補正値を示す。

Claims (10)

  1. 成形型成形面上に配置された被成形ガラス素材に加熱処理を施すことにより、該被成形ガラス素材の上面を成形して成形品を得る成形品の製造方法であって、
    前記成形型として、被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する被成形ガラス素材の予測変形量に基づき決定された成形面形状を有する成形型を使用することを特徴とする成形品の製造方法。
  2. 複数の同一形状かつ同一組成の試験用ガラス素材を使用し、各試験用ガラス素材を、試験用成形型成形面上に配置した状態で前記加熱処理と同一条件下でテスト加熱することを、試験用成形型成形面の曲率半径を変化させて繰り返すテスト成形により、被成形ガラス素材の予測総変形量を求めるための式を導出することを含み、該導出される式を用いて成形型成形面の形状を決定する請求項1に記載の成形品の製造方法。
  3. 前記複数の試験用成形型は、試験用ガラス素材下面と同一の平均曲率半径を有する成形面を有するベース成形型を含む請求項2に記載の成形品の製造方法。
  4. 前記予測総変形量を、前記ベース成形型を使用するテスト加熱による変形量と被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する予測変形量に基づき決定する請求項3に記載の成形品の製造方法。
  5. 前記被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する予測変形量は、
    [1+sqrt(1/R)]×K
    [上記において、Rは被成形ガラス素材下面の曲率半径であり、Kは係数である。]
    に比例する値である請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形品の製造方法。
  6. 成形型成形面上に配置された被成形ガラス素材に加熱処理を施すことにより、該被成形ガラス素材の上面を成形して成形品を得る成形法に使用される成形型の製造方法であって、
    前記成形面形状を、被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する被成形ガラス素材の予測変形量に基づき決定することを特徴とする成形型の製造方法。
  7. 複数の同一形状かつ同一組成の試験用ガラス素材を使用し、各試験用ガラス素材を、試験用成形型成形面上に配置した状態で前記加熱処理と同一条件下でテスト加熱することを、試験用成形型成形面の曲率半径を変化させて繰り返すテスト成形により、被成形ガラス素材の予測総変形量を求めるための式を導出することを含み、該導出される式を用いて成形型成形面の形状を決定する請求項6に記載の成形型の製造方法。
  8. 前記複数の試験用成形型は、試験用ガラス素材下面と同一の平均曲率半径を有する成形面を有するベース成形型を含む請求項7に記載の成形型の製造方法。
  9. 前記予測総変形量を、前記ベース成形型を使用するテスト加熱による変形量と被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する予測変形量に基づき決定する請求項8に記載の成形品の製造方法。
  10. 前記被成形ガラス素材下面の曲率半径に依存する予測変形量は、
    [1+sqrt(1/R)]×K
    [上記において、Rは被成形ガラス素材下面の曲率半径であり、Kは係数である。]
    に比例する値である請求項6〜9のいずれか1項に記載の成形品の製造方法。
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