JP2009160302A - 複合多孔質足場材 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、従来技術のこのような問題点を解決し、再生部分に適した形状を保持しながら、細胞培養に十分な気孔率と連通性が高く、かつサイズの均一な空孔構造を有する多孔質足場材を提供することを課題とするものである。
【解決手段】
本発明1の多孔質足場材は、欠損した生体部分に適合する形状に、当該箇所の細胞を培養する多孔質足場材であって、粒子状空隙部と針状空隙部とからなり、前記粒子状空隙部が多数の針状空隙部により相互に連通されてなる多孔質構造を有する多孔質体が、これよりも気孔率の小さい外郭により覆われてなることを特徴とする多孔質足場材である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、欠損した生体部分に適合する形状に、当該箇所の細胞を培養する多孔質足場材に関する。
事故や病気などの原因で損傷、あるいは損失した軟骨、骨、皮膚、靭帯、皮膚、血管、膵臓、肝臓等の生体組織・臓器を修復するため、従来は人工臓器や臓器移植による治療が行われてきた。しかしながら、人工臓器は、生体臓器の機能を十分に代替できるとはいえず、磨耗・緩み・破損などの問題をかかえている。また、臓器移植では、ドナーの不足という問題に加え、ドナーが他人の場合、免疫応答に基づく拒絶反応や病気感染の恐れという問題もある。このような問題点の存在により、現在では、再生医工学的な手法による治療法が理想的であると考えられ、患者自身の細胞を多孔質材料中で培養し、移植する組織を再生する研究が盛んに行われている。
生体外で細胞を増殖させ、細胞や組織の足場となる足場材に播種、培養し、生体組織が形成した後、生体内に移植する。あるいは、生体細胞を足場材に播種し、生体内に埋め込み、生体内で生体組織の再生を誘導する。そのため、生体組織の形成を誘導、促進し、生体組織の形態を維持する足場材は非常に重要な役割を果たしている。
この足場材には、生体に影響を及ぼさない性質としての生体適合性や、新しい生体組織が形成すると共に分解・吸収される生体吸収性や、適度な力学強度が要求される。
従来、この足場材として、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、乳酸とグリコール酸との共重合体(PLGA)、コラーゲンなどの生体吸収性高分子の多孔質材料がよく用いられている。PLA、PGA、PLGAなどの生体吸収性合成高分子には、加水分解により生体に吸収されやすい、場合によっては分解物が体内の代謝経路を通して吸収されること、構造制御により吸収速度を制御可能なこと、力学強度が高い(たとえば、気孔率90%のPLGAスポンジの圧縮弾性率は、1.0MPa程度、非特許文献1)こと、加工性に優れ任意の形に成形できることなど、数々の利点があるが、細胞への親和性が低いという問題があった。一方、コラーゲンなどの生体吸収性天然高分子では、高い気孔率の多孔質材料を作製することは困難ではないが、加工性と力学強度の点で劣るため、明確な形態を付与することは難しい。たとえば、気孔率99%のコラーゲンスポンジの圧縮弾性率は0.01MPa程度である。(非特許文献1)
Guoping Chen, Takashi Ushida, Tetsuya Tateishi J Biomed Mater. Res, 51, 273-279, 2000
コラーゲン多孔質体は高い生体親和性と生体吸収性を持つので、再生医療のための多孔質材料として広く用いられている。これまで、コラーゲン多孔質体の作製には、凍結乾燥法が用いられてきた。凍結乾燥法では、コラーゲン水溶液が凍結する際に生じる氷晶が、細孔形成のテンプレートの役割を果たす。H. Schoofらは、コラーゲン多孔質体の多孔質構造を制御するため、氷晶の成長挙動について実験的に検討した(非特許文献2)。
H. Schoof et al. J. Crystal Growth, 209, 122-129, 2000
その結果、氷晶の成長に関する知見は得られたが、凍結乾燥法を用いるかぎり、孔径のばらつき、独立した氷晶の成長による不連続孔の形成、スキン層による細孔の閉塞という問題が残る。熱の伝導性の違いによって、氷の結晶の大きさや形状が異なるので、足場材において均一なサイズの細孔を形成させることは難しい。したがって、現在のところ再生医療用材料としての理想的な構造をそなえたものは得られていない。
本発明は、従来技術のこのような問題点を解決し、再生部分に適した形状を保持しながら、細胞の培養において十分な気孔率と連通性をもち、かつ均一なサイズの空孔構造を有する多孔質足場材を提供することを課題とするものである。
発明1の多孔質足場材は、欠損した生体部分に適合する形状に、当該箇所の細胞を培養する多孔質足場材であって、粒子状空隙部と針状空隙部とからなり、前記粒子状空隙部が多数の針状空隙部により相互に連通されてなる多孔質構造を有する多孔質体が、これよりも力学強度の大きい外郭により覆われてなることを特徴とする多孔質足場材である。
発明2の多孔質足場材は、発明1の多孔質足場材において、前記外郭が生体吸収性合成高分子からなるメッシュやスポンジなどの多孔質体であることを特徴とする。
発明1、2の多孔質足場材において、前記多孔質体の一側面が前記外郭に覆われていない開放部とされ、当該開放部に前記粒子状空隙部が開放されていることを特徴とする。
発明3は、中空の多孔質外郭内に、多孔質体構成成分の水溶液に微小氷粒子を混入したペーストを充填し、これを凍結して乾燥し、前記構成成分からなる多孔質体を生成することを特徴とする。ここで、前記構成成分は、多孔質化された後、架橋することを特徴とする。また、前記多孔質外郭は、生体吸収性合成高分子に多孔質形成材が混練されたペースト状材を中空の所望形状に形成し、次に、前記多孔質形成材を除去して、多孔質化したものであることを特徴とする。
発明4は、前記の多孔質足場材を製造するのに、一側が開放された多孔質外郭を用い、これに前記ペーストを充填した後、予め微小氷粒子を一面に付着させた基板にて前記外郭の開放部を閉止して、前記ペーストの表面に前記基板に付着させた微小氷粒子を押しつけ、この状態で凍結乾燥することを特徴とする。
発明1により、内部に十分な細胞密度を有する大きな気孔率の空間を持ちながら、培養あるいは生体埋設時の圧力に耐えうる保形性を外郭に有さしめることができるようになった。
また、発明2では、発明1の足場材を製造するのに、多孔質形成材の混練割合などにより、外郭の強度を調整することができるので、使用する対象に適合した力学強度と形状とにすることが容易に行えるようになった。
本発明3では、粒子状空隙部と針状空隙部からなる連通した細孔により細胞の送達が簡易になり、細胞を多孔質足場材に効率よく播くことができる。すなわち、細胞を多孔質足場材の内部に浸透させやすく、均一に配置できるという利点を発揮するものである。
本発明4では、粒子状空隙部と針状空隙部との接合部分は漏斗状構造を呈しており、このような構成故に、隣接する細孔に細胞の送達が簡易になり、細胞を多孔質足場材に効率よく播くことができる。特に、表面に粒子状空隙部の開放部を有するものでは、細胞をスポンジ材料の内部に浸透させやすいという利点を発揮するものである。
本発明は、疾患や事故などの原因で損傷、失った骨や軟骨、靭帯、皮膚、血管、膵臓、肝臓等の生体組織・臓器を修復するために、それらの生体組織・臓器に分化して組織化する細胞を高密度で、効率がよく播種できる培養多孔質足場材及び製造方法に関するものである。
本発明では、内郭多孔質体は、外郭メッシュあるいは外郭スポンジ体などの多孔質体で保護されている。このような構成故に、安定な形状を保持し、取り扱いが容易となる。また、内郭の多孔質体内部は粒子状空隙部と針状空隙部を呈しており、このような構成故に、細胞を均一に分布させることができる。さらに、粒子状空隙部と針状空隙部との接合部分は漏斗状構造を呈しており、このような構成故に、隣接する細孔に細胞の送達が簡易になり、細胞を多孔質足場材に効率よく播くことができる。
以下、本発明をさらに詳述する。
本発明のコラーゲン多孔質体は、氷微粒子を用いて、冷却することにより、コラーゲンと主成分とする溶液中での氷の成長を制御し、成長した氷をテンプレートとして多孔質構造を制御し、これを凍結乾燥することにより、氷が除去され、表面には漏斗状の多孔質構造と、内部には連続した細孔を持つコラーゲン多孔質体が得られる。
その製造方法には幾つかあり、その代表例を図2および図3に模式的に示し、その概要を以下に説明する。
具体的には、加工性の良好な生体吸収性合成高分子からなる力学強度の高い多孔質外郭の中空部に、気孔率の高い生体吸収性天然高分子の多孔質構造を形成させることによって得られる高い力学強度と気孔率を兼ね備えた複合多孔質足場材、およびその製造方法に関するものである。
本発明の多孔質材料は、生体吸収性合成高分子が中空多孔質構造を有する多孔質材料、あるいは中空に生体吸収性天然高分子、細胞成長因子、および細胞分化制御因子、あるいはこれらの誘導体からなる群から選ばれる1種又は2種以上で構成多孔質体を導入した複合多孔質材料である。多孔質外郭は生体吸収性合成高分子により構成され、一定の力学強度を持ち、多孔質外郭の形状を保持する。力学強度が高く、気孔率が高い多孔質材料を形成する。さらに、その中空の部分に生体吸収性天然高分子、細胞成長因子、および細胞分化制御因子、あるいはこれらの誘導体からなる群から選ばれる1種又は2種以上で構成多孔質体を導入した複合多孔質材料を形成する。中空部に形成させた生体吸収性天然高分子、細胞成長因子、細胞分化制御因子あるいはこれらの誘導体のうち1種類以上の多孔質体は細胞が接着するための足場として、細胞の接着を支持し、細胞の増殖、分化、細胞外マトリックス分泌、組織再生を促進する機能を持つ。
中空部をもつ外郭は、生体吸収性高分子を素材とするメッシュやスポンジなどの多孔質体からなるものでよい。メッシュは、織布又は不織布等からなるものでよい。多孔質体は、発泡剤を利用する発泡成形法、あるいは多孔質化剤除去法等、その他公知の方法により得られる。多孔質体を構成する成分は生体吸収性合成高分子である。生体吸収性合成高分子としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸の共重合体、ポリ−α−カプロラクトン、これらの共重合体などのポリエステルなどを挙げることができる。本発明において好ましく使用される生体吸収性合成高分子は、ポリ乳酸、乳酸とグリコール酸の共重合体、ポリ−α−カプロラクトン、これらの共重合体である。
上記の中空多孔質構造を有する外郭の多孔質体の力学強度は、外郭中空部に形成させた多孔質体よりも高ければよく、圧縮弾性率が0.01MPaより大きければよい。力学強度が低くなるにつれて、多孔質足場材の形状を保持することが困難となる。取扱いやすさや埋設部の周辺部位との力学的適合性を考慮して、適度な力学強度をもつように調整することが望ましい。
上記の中空多孔質構造を有する外郭の多孔質材料の気孔率は30〜99.9%で、最も望ましい気孔率は40〜99%である。気孔率が低くなるにつれて、栄養物や老廃物の交換効率が低下してしまう。また、気孔率が高くなるにつれて、多孔質材料の力学強度が低下する。多孔質材料の孔の大きさは1〜1×10μmで、最も望ましい孔の大きさは20〜6×10μmである。孔の大きさが小さすぎると栄養分や老廃物が透過しにくくなり、大きくなりすぎると、細胞が漏出しやすくなる。
上記の中空多孔質構造を有する多孔質材料の中空部で形成した生体吸収性天然高分子、細胞成長因子、細胞分化制御因子、あるいはこれらの誘導体のうち1種類以上の多孔質体は細胞が接着するための足場として、細胞の接着を支持し、細胞の増殖、分化、細胞外マトリックス分泌、組織再生を促進する機能を持つ。
以下、本発明をさらに詳述する。
本発明のコラーゲン多孔質体は、氷微粒子を細孔形成剤として用いて、冷却することにより、コラーゲンと主成分とする溶液中での氷の成長を制御し、成長した氷をテンプレートとして多孔質構造を制御し、これを凍結乾燥することにより、氷が除去され、表面には漏斗状の多孔質構造と、内部には連続した細孔を持つコラーゲン多孔質体が得られる。同時に、生体吸収性合成高分子を素材とする多孔質体の空隙部に、コラーゲンが絡み付き、得られる足場材の形状が保持される。
その製造方法には幾つかあり、その代表例を図2および図3に模式的に示し、その概要を以下に説明する。
<製法1(図2参照)>
本製法は、内部に粒子状空隙部(4)を配置する例を示す。
S1:予め氷の微粒子(1)を用意し、これをコラーゲン水溶液(2)に混合して全体に分散させる。
S2:氷の微粒子とコラーゲン水溶液の混合物をメッシュシリンダー、又は、多孔質体シリンダーに充填する。
S3:これを凍結乾燥する。
凍結過程(S2)では、コラーゲン水溶液中の水分が、氷微粒子(1)を核とする毬状(針状)(3)に結晶化し、これら氷が乾燥過程(S3)で除去され、粒子状空隙部(4)と針状空隙部(5)とからなる開口部分を有する連続した多孔質構造を形成する。また、コラーゲン水溶液の一部が、メッシュシリンダー、又は、多孔質体シリンダーの空隙部分に侵入し、凍結乾燥の過程でコラーゲンがシリンダーに絡み付く。
<製法2(図3参照)>
硬質の型板上に予め氷微粒子を分散配置しておき、予め氷の微粒子を用意し、これをコラーゲン水溶液に混合して、全体に分散させたコラーゲン水溶液を作成して、これを前記型板表面に積層して覆い、これを凍結乾燥して、一表面に開口孔部分が暴露され、内部にも毬状部分が分散配置された多孔質構造を形成する。
いずれの製法も多孔質構造を形成した後に、コラーゲン成分を架橋することで、均一な連続多孔質構造を持つコラーゲン多孔質体が形成される。
前記製法1、2において、以下のようにして氷微粒子を作製する。冷却したステンレス板の表面に純水を噴霧することにより、板の表面に氷の微粒子を形成させる。次に、ふるいを−30℃で予め冷却した後、−10℃に設定した低温チャンバー内で目的の大きさの氷微粒子をふるい分ける。この場合の氷微粒子の直径は、0.1〜20×10μm、好ましくは20〜10×10μm程度とするのがよい。足場材として使用する場合には、直径が小さすぎると細胞を侵入させることができない。また、大きすぎると細胞の空間分布は悪くなる。氷微粒子は、融けないかぎり何度で保存してもよいが、0℃から−8×10℃とするのが望ましい。
前記製法2において、表面に氷微粒子を形成した型板を作製する。フッ素樹脂シートを金属基板の上に載せ、純水を噴霧することにより、表面に氷微粒子を形成させる。形成した氷の微粒子の直径はスプレーと板の距離、スプレーの口径とスプレーの速度により制御できる。この場合の氷微粒子の直径は、0.1〜20×10μm、好ましくは20〜10×10μm程度とするのがよい。足場材として使用する場合には、直径が小さすぎると細胞を侵入させることができない。逆に、大きすぎると細胞の空間分布の均一性は低下する。氷微粒子を形成した型板は、氷が融けないかぎり何度で保存してもよいが、0℃から−8×10℃とするのが望ましい。
コラーゲンを主成分とする溶液を、氷を形成させた板の表面に載せ、凍結する。この操作は低温で行う。コラーゲンを主成分とする溶液は氷微粒子との混合物でもよい、氷微粒子を添加せずそのままで氷を形成させた板の表面に載せてもよい。この作業の温度は主成分とした溶液が凍らず、氷が融けない温度であれば何度でもよい。
前記製法2、3において、コラーゲンと氷微粒子混合物を型板上に積層する場合は、当該水溶液が凍結せず、氷微粒子が融けない型板温度とする。望ましくは、0℃から−10℃である。
凍結乾燥する温度では、コラーゲンを主成分とする溶液あるいは混合物は凍ればよい。温度は0℃から−196℃で、望ましくは、0℃から−80℃である。温度を低くすればするほど、氷晶の成長速度が速くなり、針状空隙部は細くなる。氷微粒子とコラーゲンを主成分とする溶液の割合が高くなると、内部多孔質構造の孔の連通性は高くなり、気孔率も増加するが、得られるコラーゲン多孔質体の力学強度は低くなる。氷微粒子とコラーゲンを主成分とした溶液の割合はコラーゲン多孔質体の力学強度が適当である範囲内であればよい。一般的にコラーゲンを主成分とした溶液1mLに対して氷微粒子の割合は0.01g〜10gである。ただし、氷微粒子の割合が高くなるほど、気孔率は大きくなるが、得られる多孔質体の力学強度は低下する。したがって、望ましい割合は0.1g〜5gである。
本発明の中空部に形成させた多孔質体を構成する生体吸収性天然高分子は、自然に存在する、あるいは生体に由来するもので、生体親和性を示すものであれば、いずれも使用できるが、コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ゼラチン、フィブロネクチン、およびラミニンなどから選ばれた1種以上のもの、特にコラーゲンが好ましく使用される。
コラーゲンにはI、II、III、IV、V、VI、VIII、IX、X型などのものがあるが、本発明においてはこれらのいずれも使用でき、これらの誘導体を使用してもよい。コラーゲンの濃度は0.01×10−2mg/mLから3×10mg/mLとすることができるが、コラーゲンの濃度を高くすればするほど、得られる多孔質体の力学強度は高くなるが、気孔率は低下してしまう。望ましい濃度は0.1mg/mLから1×10mg/mLである。
本発明の中空部に形成した多孔質体を構成する細胞成長因子と細胞分化制御因子は細胞の成長、分化を制御できるものであれば、いずれも使用できるが、上皮細胞成長因子(EGF)、インシュリン、血小板由来増殖因子(PDGF)、繊維芽細胞増殖因子(FGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、α型形質転換増殖因子(TGF−α)、骨形成因子(BMP)、デキサメタゾン等から選ばれた1種以上のものあるいはこれらの誘導体があるが、本発明においてはこれらのいずれも使用できる。
上記の生体吸収性天然高分子、細胞成長因子、細胞分化制御因子あるいはこれらの誘導体の濃度は0.01μg/mLから100mg/mLである。望ましい濃度は0.1μg/mLから50mg/mLである。上記の生体吸収性天然高分子、細胞成長因子、細胞分化制御因子あるいはこれらの誘導体の濃度は0.001×10−3μg/mLから2×10mg/mLである。これらの濃度が低すぎると、目的の効果が十分には得られないだけでなく、調製時に容器に非特異吸着し、損失する恐れがある。また、濃度が高すぎると凝集しやすくなる。そこで、望ましい濃度は0.01×10−2μg/mLから10mg/mLである。
生体吸収性合成高分子、生体吸収性天然高分子、細胞成長因子、細胞分化誘導因子からなる多孔質体はこれらの材料の1種類以上で構成される。多孔質体の細孔は、播種細胞の接着、増殖および組織再生の足場とするものであり、細孔は連続していることが好ましい。細孔の大きさは1〜10μm、好ましくは20〜6×10μmとするのがよい。
また、本発明においては、多孔質体の形状は生体複合材料の使用形態によって適宜定めればよいが、通常円柱体、三角体、四角柱、五角柱、六角柱、八角柱などの多角柱、好ましくは円柱体と六角柱である。多孔質材料の厚みは、生体複合材料の使用形態によって適宜定めればよいが、通常0.1〜10mm、好ましくは0.2〜50mmである。直径、あるいは横幅、奥行きは、通常0.1〜10mm、好ましくは0.1〜50mmである。その気孔率は30〜99.5%で、最も望ましい気孔率は50〜99%である。
多孔質足場材の好ましい作製方法しては、(1)生体吸収性合成高分子の中空多孔質構造を有する多孔質材料を作製した後、(2)生体吸収性天然高分子、細胞成長因子、細胞分化制御因子あるいはそれらの誘導体などのうち1種以上のものの溶液を中空部に載せた後、そして、(3)凍結乾燥し、好ましくはガス状ないし液状の架橋剤で処理することにより架橋するものである。
上記工程(1)においては、生体吸収性合成高分子を用いて、粒子溶出法(particulate−leaching)によって作製することができる。生体吸収性合成高分子を有機溶媒に溶かした溶液に多孔質形成材と混合し、上記の中空多孔質構造を有する多孔質材料の鋳型に詰め込み、乾燥させた。多孔質形成材と生体吸収性合成高分子の乾固物を鋳型から取り出し、多孔質化剤を除去することにより、上記工程(1)の中空多孔質構造を有する多孔質材料を作製できる。
上記の生体吸収性合成高分子としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸の共重合体、ポリ−α−カプロラクトン、これらの共重合体などのポリエステル等を挙げることができる。本発明において好ましく使用される生体吸収性合成高分子はポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸の共重合体、ポリ−α−カプロラクトン、これらの共重合体である。
上記の生体吸収性合成高分子を溶かす溶媒には、クロロホルム、四塩化炭素、ジオキサン、トリクロロ酢酸、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、酢酸エチル、アセトン、ヘキサフルオロイソプロパノール、ジメチルアセトアミド、ヘキサフルオロ−2−プロパノールなどが挙げられる。
上記の多孔質形成材として、ブトウ糖、砂糖などの水溶性の糖質や、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酒石酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどの塩の粒子、結晶を挙げられる。
上記の多孔質形成材を除去する方法として、純水に浸漬し、純水による洗浄法が挙げられる。
上記工程(2)においては、前記生体吸収性合成高分子の中空多孔質構造を有する多孔質材料を前記生体吸収性天然高分子、細胞成長因子、細胞分化制御因子又はこれらの誘導体の水溶液で処理する。種々の処理方法があるが、浸漬法が好ましく採用される。
浸漬法は、生体吸収性天然高分子、細胞成長因子、細胞分化制御因子又はこれらの誘導体の水溶液に生体吸収性合成高分子の中空多孔質構造を有する多孔質材料を浸漬することにより行われる。減圧脱気処理することのより、生体吸収性合成高分子の中空多孔質構造を有する多孔質材料の中を生体吸収性天然高分子、細胞成長因子、細胞分化制御因子又はこれらの誘導体の水溶液で満たす。
溶液として水溶液でもよい、ほかの水との混合溶媒を使ってもよい。水との混合溶媒として用いられる溶媒として水と混合でき、コラーゲンや生体吸収性天然高分子、細胞成長因子、細胞分化制御因子あるいはこれらの誘導体に影響がなければ何でもよい。このような溶媒の例としては、エタノール、メタノールなどが挙げられる。溶媒の割合は0.1%〜99.0%とすることが可能であるが、溶媒の濃度が高すぎると、生体分子が変性・失活しやすくなる。そこで、望ましい割合は0.5〜10%である。
本発明で用いられる架橋方法としては、従来公知のものがいずれも使用できる。例えば、ガンマ線による架橋方法、紫外線照射による架橋方法、加熱による架橋方法、ガスによる架橋方法がある。紫外線照射による架橋方法は、多孔質材料を紫外光源から一定距離に置き、紫外線を一定時間で照射することにより架橋する。加熱による架橋方法では、一定の真空下で、多孔質材料を加熱することにより、架橋する。真空度と温度は、多孔質材料を変性させず、水分を除去して架橋できればよい。真空度が低くなると、架橋の効率は低下し、多孔質材料は変性しやすくなる。真空度は1×10−4 Torr〜50Torrが用いられ、好ましくは1×10−3〜10 Torr程度とするのがよい。温度が低くなると、架橋効率は低下し、架橋に要する時間が長くなる。一方、温度が高すぎると、多孔質材料は変性してしまう。温度は5×10〜2×10℃、好ましくは8×10〜1.5×10℃とするのがよい
ガスによる架橋方法として、好ましく使用される架橋剤は、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドのようなアルデヒド類、特にグルタルアルデヒドである。
具体的には、上記のコラーゲン、生体吸収性天然高分子、細胞成長因子、細胞分化制御因子又はこれらの誘導体を架橋するに際し、一定温度で一定濃度の架橋剤又はその水溶液で飽和した架橋剤蒸気の雰囲気下で一定時間架橋を行う。
架橋温度は、多孔質材料が溶解せず、かつ架橋剤の蒸気が形成できる範囲内で選定すればよく、通常、2×10〜5×10℃に設定される。
架橋時間は、架橋剤の種類や架橋温度にもよるが、上記の多孔質材料の親水性や生体吸収性を阻害せず、かつ生体移植時にこのものが溶解しないような架橋固定化が行われる範囲に設定するのが望ましい。好ましい架橋時間は1/6〜12時間程度である。
以下の実施例では、1mm未満の大きさは50μm単位で、温度は10℃単位で、時間は時間単位で示した。この単位未満での相違は効果上大きな意味を有さないがためである。
外郭としての例として、生体吸収性高分子の一種、乳酸とグリコール酸との共重合体(PLGA)(乳酸:グリコール酸、10:90)メッシュシリンダーの中空部にコラーゲン多孔質体を形成させた。
まず、2種類のPLGAメッシュ(ウーブンタイプとニットタイプ)をPLGA(乳酸:グリコール酸、75:25)のクロロホルム溶液(20wt%)で貼り合わせることにより、メッシュのシリンダー(内径6mm,高さ4mm)を作製した。このメッシュシリンダーの静的圧縮弾性率は、0.35MPaであった。
前記のPLGAメッシュシリンダーを1.0wt%のブタI型アテロコラーゲン酸性水溶液(pH 3.0)に浸漬した。次に、減圧することにより、PLGAメッシュシリンダーの細孔内をI型アテロコラーゲン水溶液で満たし、このまま4℃で12時間静置した。
一方、コラーゲン水溶液と氷微粒子を混合し、この混合物を凍結乾燥することにより、コラーゲン多孔質体を調製した。まず、液体窒素で冷却したステンレス板の表面に超純水を噴霧することにより、氷微粒子を作製した。目開き250μmと150μmのふるいを−30℃で予め冷却した後、−10℃に設定した低温チャンバー内で直径150μm〜250μmまでの氷微粒子をふるい分け、これを−80℃で24時間静置した。
次に、−1℃に設定した低温チャンバー内で、前記の氷微粒子2gと1.0wt%のブタI型アテロコラーゲン酸性水溶液(pH 3.0)2mLとをよく混合した。この混合物を前記のPLGAメッシュシリンダーの中空部に少しずつ入れ、混合物内、混合物とシリンダーとの間に空隙が生じるのを防ぐため、前記混合物をステンレス製のヘラで押さえつけながら充填した。これを−80℃で4時間凍結した後、減圧下(0.01 Torr)で24時間凍結乾燥し、コラーゲン多孔質体を形成させた。
作製したコラーゲン多孔質体/PLGAメッシュシリンダー複合体を、25wt%のグルタルアルデヒド水溶液で飽和したグルタルアルデヒド蒸気下で、37℃、4時間架橋処理した。さらに、0.1Mのグリシン水溶液で未反応アルデヒド基のブロッキング処理を4時間行った後、超純水で5回洗浄した。乾燥させたコラーゲン多孔質体の外観写真を図4に示す。さらに、走査型電子顕微鏡写真を図5A、Bに示す。図5Aより、コラーゲン多孔質体がPLGAメッシュシリンダーの中空部に形成されていることがわかった。さらに、図5Bより、氷微粒子による球状の孔が形成され、孔どうしが繋がった多孔質構造を有することがわかった。
例として、生体吸収性高分子の一種、乳酸とグリコール酸との共重合体(PLGA)(乳酸:グリコール酸、10:90)メッシュシリンダーの中空部にコラーゲン多孔質体を形成させ、上面には開口孔を有する材料を作製した。
まず、2種類のPLGAメッシュ(ウーブンタイプとニットタイプ)をPLGA(乳酸:グリコール酸、75:25)のクロロホルム溶液(20wt%)で貼り合わせることにより、メッシュのシリンダー(内径6mm,高さ4mm)を作製した。
前記のPLGAメッシュシリンダーを1.0wt%のブタI型アテロコラーゲン酸性水溶液(pH 3.0)に浸漬した。次に、減圧することにより、PLGAメッシュシリンダーの細孔内をI型アテロコラーゲン水溶液で満たし、このまま4℃で12時間静置した。
一方、コラーゲン水溶液と氷微粒子を混合し、この混合物を凍結乾燥することにより、コラーゲン多孔質体を調製した。まず、液体窒素で冷却したステンレス板の表面に超純水を噴霧することにより、氷微粒子を作製した。目開き250μmと150μmのふるいを−30℃で予め冷却した後、−10℃に設定した低温チャンバー内で直径150μm〜250μmまでの氷微粒子をふるい分け、これを−80℃で24時間静置した。
さらに、フッ素樹脂シートを金属基板の上に載せ、−1℃で冷却した後、チャンバーに入れて、フッ素樹脂表面に向かって、蒸留水を液体窒素にスプレーすることにより、フッ素樹脂シートの表面に氷微粒子を調製した。氷微粒子を形成したフッ素樹脂シートを−30℃で置いた。
次に、−1℃に設定した低温チャンバー内で、前記の氷微粒子2gと1.0wt%のブタI型アテロコラーゲン酸性水溶液(pH 3.0)2mLとをよく混合した。この混合物を、前記シリンダーの中空部に少しずつ入れ、混合物内、混合物とシリンダーとの間に空隙が生じるのを防ぐため、前記混合物をステンレス製のヘラで押さえつけながらこの混合物を前記のPLGAメッシュシリンダーに充填した。さらに、その上に氷微粒子を形成したフッ素樹脂シートで覆った。これを−80℃で4時間凍結した後、減圧下(0.01 Torr)で24時間凍結乾燥し、コラーゲン多孔質体を形成させた。
作製したコラーゲン多孔質体/PLGAメッシュシリンダー複合体を、25wt%のグルタルアルデヒド水溶液で飽和したグルタルアルデヒド蒸気下で、37℃、4時間架橋処理した。さらに、0.1Mのグリシン水溶液で未反応アルデヒド基のブロッキング処理を4時間行った後、超純水で5回洗浄した。乾燥させたコラーゲン多孔質体の走査型電子顕微鏡写真を図6A、Bに示す。両図より、コラーゲン多孔質体がPLGAメッシュシリンダーの中空部に形成されて、氷微粒子による球状の孔が形成し、孔どうしが繋がった多孔質構造、および開口孔の表面構造を有することがわかった。
例として、PLGA(乳酸:グリコール酸、75:25)の多孔質体シリンダーの中空部にコラーゲン多孔質体を形成させた材料を調製した。
まず、PLGAの多孔質体シリンダーを作製した。ポリテトラフルオロエチレン製加工物の円形の溝にポリ過フルオロアルコキシ製のチューブを装着し、モールドを組み立てた。このモールドを、PLGAからなる多孔質体シリンダーの作製に用いた。
破砕した塩化ナトリウムの結晶から、目開き150μmふるいと250μmのふるいを用いて、直径150μm〜250μmの粒子をふるい分けた。一方、PLGA1gを4mLのクロロホルムに溶かし、25(w/v)%の溶液を調製した。このPLGAのクロロホルム溶液をガラス試験管に入れ、ここに直径が150μm〜250μmの塩化ナトリウムの粒子9g(PLGAの量の9倍)を加えてよく混合した。この混合物を前記モールドの空隙部に少しずつ入れ、混合物内、混合物とシリンダーとの間に空隙が生じるのを防ぐため、前記混合物をステンレス製のヘラで押さえつけながら充填し、ステンレス製のヘラを用いて充填面を水平にならした。これを大気中で12時間乾燥させ、減圧下(0.01Torr)で3日間乾燥させた。乾燥後、塩化ナトリウムとPLGAからなる乾固物を鋳型から外し、さらに1日間減圧乾燥した。乾燥物を蒸留水に浸漬することにより、塩化ナトリウムを溶出除去した。蒸留水を2時間ごとに交換し、この操作を4日間行った。このようにして、孔径150μm〜250μm、気孔率90%を有するPLGAの多孔質体シリンダーを得た。
次に、PLGA多孔質体シリンダーの中空部および細孔内にコラーゲン多孔質体を形成させた。まず、前記のPLGA多孔質体シリンダーを1.0wt%のブタI型アテロコラーゲン酸性水溶液(pH 3.0)に浸漬した。次に、減圧することにより、PLGA多孔質体シリンダーの細孔内をI型アテロコラーゲン水溶液で満たし、このまま4℃で12時間静置した。
−1℃に設定した低温チャンバー内で、前記の氷微粒子2gと1.0wt%のブタI型アテロコラーゲン酸性水溶液(pH 3.0)2mLとをよく混合した。この混合物を前記シリンダーの中空部に少しずつ入れ、混合物内、混合物とシリンダーとの間に空隙が生じるのを防ぐため、前記混合物をステンレス製のヘラで押さえつけながら充填し、ステンレス製のヘラを用いて充填面を水平にならした。この混合物を前記のPLGA多孔質体シリンダーに充填した。さらに、その上に氷微粒子を形成したフッ素樹脂シートで覆った。これを−80℃で4時間凍結した後、減圧下(0.01 Torr)で24時間凍結乾燥し、コラーゲン多孔質体を形成させた。−80℃で4時間凍結した後、減圧下(0.01 Torr)で24時間凍結乾燥し、コラーゲン多孔質体を形成させた。
作製したコラーゲン多孔質体/PLGA多孔質体シリンダー複合体を、25wt%のグルタルアルデヒド水溶液で飽和したグルタルアルデヒド蒸気下で、37℃、4時間架橋処理した。さらに、0.1Mのグリシン水溶液で未反応アルデヒド基のブロッキング処理を4時間行った後、超純水で5回洗浄した。乾燥させたコラーゲン多孔質体の外観写真を図7に示す。さらに、電子顕微鏡写真を図8A、B、Cに示す。図8A、Bより、コラーゲン多孔質体がPLGA多孔質体シリンダーと接合していること、図8Cより、氷微粒子による球状の孔が形成し、孔どうしが繋がった多孔質構造を有することがわかった。
例として、PLGA(乳酸:グリコール酸、75:25)の多孔質体シリンダーの中空部にコラーゲン多孔質体を形成させた材料を調製した。
まず、PLGAの多孔質体シリンダーを作製した。ポリテトラフルオロエチレン製加工物の円形の溝にポリ過フルオロアルコキシ製のチューブを装着し、モールドを組み立てた。このモールドを、PLGAからなる多孔質体シリンダーの作製に用いた。
破砕した塩化ナトリウムの結晶から、目開き150μmふるいと250μmのふるいを用いて、直径150μm〜250μmの粒子をふるい分けた。一方、PLGA1gを4mLのクロロホルムに溶かし、25(w/v)%の溶液を調製した。このPLGAのクロロホルム溶液をガラス試験管に入れ、ここに直径が150μm〜250μmの塩化ナトリウムの粒子9g(PLGAの量の9倍)を加えてよく混合した。この混合物を前記モールドの中空部に少しずつ入れ、混合物内、混合物とシリンダーとの間に空隙が生じるのを防ぐため、前記混合物をステンレス製のヘラで押さえつけながら充填し、ステンレス製のヘラを用いて充填面を水平にならした。これを大気中で12時間乾燥させ、減圧下(0.01Torr)で3日間乾燥させた。乾燥後、塩化ナトリウムとPLGAからなる乾固物を鋳型から外し、さらに1日間減圧乾燥した。乾燥物を蒸留水に浸漬することにより、塩化ナトリウムを溶出除去した。蒸留水を2時間ごとに交換し、この操作を4日間行った。このようにして、孔径150μm〜250μm、気孔率90%を有するPLGAの多孔質体シリンダーを得た。
次に、PLGA多孔質体シリンダーの中空部および細孔内にコラーゲン多孔質体を形成させた。まず、前記のPLGA多孔質体シリンダーを1.0wt%のブタI型アテロコラーゲン酸性水溶液(pH 3.0)に浸漬した。次に、減圧することにより、PLGA多孔質体シリンダーの細孔内をI型アテロコラーゲン水溶液で満たし、このまま4℃で12時間静置した。
−1℃に設定した低温チャンバー内で、前記の氷微粒子2gと1.0wt%のブタI型アテロコラーゲン酸性水溶液(pH 3.0)2mLとをよく混合した。この混合物を前記のPLGA多孔質体シリンダーの中空部に少しずつ入れ、混合物内、混合物とシリンダーとの間に空隙が生じるのを防ぐため、前記混合物をステンレス製のヘラで押さえつけながら充填し、ステンレス製のヘラを用いて充填面を水平にならした。さらに、その上に氷微粒子を形成したフッ素樹脂シートで覆った。これを−80℃で4時間凍結した後、減圧下(0.01 Torr)で24時間凍結乾燥し、コラーゲン多孔質体を形成させた。−80℃で4時間凍結した後、減圧下(0.01 Torr)で24時間凍結乾燥し、コラーゲン多孔質体を形成させた。
作製したコラーゲン多孔質体/PLGA多孔質体シリンダー複合体を、25wt%のグルタルアルデヒド水溶液で飽和したグルタルアルデヒド蒸気下で、37℃、4時間架橋処理した。さらに、0.1Mのグリシン水溶液で未反応アルデヒド基のブロッキング処理を4時間行った後、超純水で5回洗浄した。乾燥させたコラーゲン多孔質体の電子顕微鏡写真を図9A、Bに示す。両図より、コラーゲン多孔質体がPLGA多孔質体シリンダーの中空部に形成され、氷微粒子による球状の孔が形成し、孔どうしが繋がった多孔質構造、および開口孔の表面構造を有することがわかった。
PLGAシリンダー/コラーゲン多孔質体の模式図(外観図と横断面図)。 PLGAシリンダー/コラーゲン多孔質体製法1の製造工程を示す模式図。 PLGAシリンダー/コラーゲン多孔質体製法2の製造工程を示す模式図。 PLGAメッシュシリンダー/コラーゲン多孔質体の外観写真。 PLGAメッシュシリンダー/コラーゲン多孔質体タイプ1の走査型電子顕微鏡写真。A:全体像、B:細孔部拡大像。 PLGAメッシュシリンダー/コラーゲン多孔質体タイプ2の走査型電子顕微鏡写真。A:拡大像、B:細孔部拡大像。 PLGA多孔質体シリンダー/コラーゲン多孔質体の外観写真。 PLGA多孔質体シリンダー/コラーゲン多孔質体タイプ1の走査型電子顕微鏡写真。A:全体像、B:シリンダー壁面近傍拡大像、C:細孔部拡大像。 PLGA多孔質体シリンダー/コラーゲン多孔質体タイプ2の走査型電子顕微鏡写真。A:拡大像、B:細孔部拡大像。

Claims (7)

  1. 欠損した生体部分に適合する形状に、当該箇所の細胞を培養する多孔質足場材であって、粒子状空隙部と針状空隙部とからなり、前記粒子状空隙部が多数の針状空隙部により相互に連通されてなる多孔質構造を有する多孔質体が、これよりも力学強度の大きい外郭により覆われてなることを特徴とする多孔質足場材
  2. 請求項1に記載の多孔質足場材において、前記外郭は生体吸収性合成高分子からなる多孔質体であることを特徴とする。
  3. 請求項1又は2に記載の多孔質足場材において、前記多孔質体の一側面が前記外郭に覆われていない開放部とされ、当該開放部に前記粒子状空隙部が開放されていることを特徴とする。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の多孔質足場材の製造方法であって、中空の多孔質外郭内に、多孔質体構成成分の水溶液に微小氷粒子を混入したペーストを充填し、これを凍結して乾燥し、前記構成成分からなる多孔質体を生成することを特徴とする。
  5. 請求項4に記載の多孔質足場材の製造方法であって、前記構成成分は、多孔質化された後、架橋することを特徴とする。
  6. 請求項4に記載の多孔質足場材の製造方法において、前記多孔質外郭は、生体吸収性合成高分子に多孔質形成材が混練されたペースト状材を中空の所望形状に形成し、次に、前記多孔質形成材を除去して、多孔質化したものであることを特徴とする。
  7. 請求項4から6のいずれかに記載の多孔質足場材の製造方法において、請求項3に記載の多孔質足場材を製造するのに、一側が開放された多孔質外郭を用い、これに前記ペーストを充填した後、予め微小氷粒子を一面に付着させた基板にて前記外郭の開放部を閉止して、前記ペーストの表面に前記基板に付着させた微小氷粒子を押しつけ、この状態で凍結乾燥することを特徴とする。
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