JP2009160001A - 睡眠評価装置及び睡眠評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 睡眠評価装置1は、寝床上の被験者の身体の動きを時々刻々検出するセンサ部2と、その検出結果に基づいて被験者の睡眠状態及び覚醒状態の別を判別する判別手段とを備える。そして判別手段は、センサ部の検出結果をN個の体動データ(ただし、Nは、N≧2を満たす正の整数)として数値化するとともに、これらN個の体動データを区分けするG個のグループ(ただし、Gは、2≦G<Nを満たす整数)の各々及び当該各々に含まれる体動データごとについての、G個の標準偏差、及び、その中から選択されたgs個の標準偏差(ただし、gs<G)に基づいてL個の標準偏差平均値(ただし、Lは、2≦L≦Gを満たす整数)を求める。被験者の睡眠状態及び覚醒状態の判別は、これらG個の標準偏差及びL個の標準偏差平均値に基づく。
【選択図】図1
Description
このような睡眠評価装置としては、例えば以下に掲げる特許文献に開示されているようなものが知られている。
この特許文献1では、前記体動検出手段として、具体的には、「エアマット11」が利用される(特許文献1の〔0018〕、あるいは〔0016〕〔請求項4〕等参照)。これにより、特許文献1は、「手首、足首、指および腕等の箇所にバンド」(特許文献1の〔0005〕)等を設ける必要がないから、被験者に「精神的および肉体的負担をかけずに」、「身体データを収集」するという課題(特許文献1の〔0010〕、あるいは〔0031〕)が達成されると主張する。この点は、たしかに、前記「バンド」等を設ける場合と対比して、そのような効果が奏されることに疑いない。
前記の「標準偏差」は、この時系列データとしての体動データのばらつきの程度を、G個のグループごとに表現する。さらに、「標準偏差平均値」は、この「標準偏差」の平均値であるから、結局、その「標準偏差」が対象とする期間よりも長期に亘る体動データのばらつきの程度を表現(しかも、一定程度平準化した上で表現)することになる。
このように、本発明は、これら「標準偏差」及び「標準偏差平均値」、即ち、基本的には、生のデータに対する加減乗除加工のみを行ったデータを利用するので、特別複雑な構成及び処理を必要としない。そして、そのような簡易性を保持しえながらも、前記のうちの「標準偏差」は、被験者の比較的短時間における体動の変化の様子をよく表し、また、「標準偏差平均値」は、比較的長時間における体動の変化の様子をよく表す(特に、周期的な変化はキャンセルされ得る)、という特性の相違があるので、これらを利用することにより、被験者の睡眠状態の把握を一定程度好適に行うことが可能になる。
要するに、本発明によれば、低コスト、簡易な手法により、人の睡眠状態の可能な限りの正確な把握が可能になる。
なお、本発明にいう「時々刻々」という用語において観念される時間間隔は、同じく本発明にいう「所定の時間間隔」と同じであってもよいが、通常、好適には、前者は後者よりも短い。この場合、「体動データ」を得るためには、アナログ信号たる「検出結果」に所定のサンプリング処理を施すことにより、デジタルデータとして取得されるのが好適である。
この態様によれば、「基線値」が求められる。これは、標準偏差平均値をHenAv[x](ここで、xは番号)として表せば、ABS〔HenAv[p]−HenAv[p+1]〕≦Aを満たす場合における、HenAv[p]のすべてに関する平均値である。ここで“ABS”は〔〕内の絶対値をとることを意味し、Aは、前記所定値を表す。このような「基線値」は、被験者の体動がAを基準に一定程度安定した状態を維持した場合におけるHenAv[p]全体の平均値を意味する。
そして、本態様では、このような「基線値」、つまり上述したところを繰り返せば、被験者の体動がAを基準に一定程度安定した状態を維持した場合におけるHenAv[p]全体の平均値に基づいて、被験者の睡眠状態の把握が行われるのである。言い換えれば、比較的長期の観測に基づく被験者の体動の中から比較的安定期にある期間が、その被験者の基本の線(即ち、“基線”)にあるものとして、当該被験者の睡眠状態が把握されるのである。
そうすると、例えば、現実に観測される体動データの、「基線値」からのずれの程度が大きいほど、被験者は起きている、との判断がなしやすくなる等、被験者の睡眠状態の把握がより的確になし得ることになる。
このようにして、本態様によれば、「基線値」概念の導入により、被験者の睡眠状態の把握がより的確になし得る。
例えば、L個の標準偏差平均値の中の、第L1の標準偏差平均値は、第G1,G2,…,G10グループ各々に対応する標準偏差の平均値であり、かつ、これらのグループに含まれる体動データのうち最先の取得に係る体動データの取得時間がT1である一方、第L2の標準偏差平均値は、第G11,G12,…,G20グループ各々に対応する標準偏差の平均値であり、かつ、これらのグループに含まれる体動データのうち最先の取得に係る体動データの取得時間がT2であって、T2>T1(即ち、T2はT1よりも遅れた時点)であるという場合には、これら第L1及び第L2の標準偏差平均値は、それぞれ、“第p番目”及び“第(p+1)番目”と定められるとよい。
このような構成によれば、L個の標準偏差平均値の設定が好適になされる。すなわち、1個1個の標準偏差平均値が、gs個の標準偏差の移動平均値であるということは、そのgsの適当な設定等によって、前述した平準化、あるいは周期的な変化のキャンセル(ここでは、「移動平均」という概念が導入されている以上、これらのことを特に「平滑化」と呼び得る。)等が、より好適になされ得ることになるからである。つまり、本態様によれば、比較的長期に亘る体動の変化の様子を表す指標として、「標準偏差平均値」を使用することの意義がより高まる。
一方、このようなことから、本態様によれば、前記基線値の設定もより好適になされ得ることになる。
以上により、本態様によれば、前述した効果がより実効的に奏される。
ちなみに、ここでいう「移動平均値」とは、例えば、第p番目の標準偏差平均値が、第p,第(p−1),及び第(p−2)のグループに対応する標準偏差の平均値であって、第(p+1)番目の標準偏差平均値が、第(p+1),第p,及び第(p−1)のグループに対応する標準偏差の平均値であるという場合、を含む。なお、後述する実施形態の説明においては、本態様にいう「移動平均値」に含まれる他の例についても説明される。
この態様によれば、前記所定値Eを比較的低い値に好適に設定しておけば、覚醒状態の中でも特に、被験者が既に前記寝床に存在しない場合を検出することが可能になる。
この態様によれば、前記所定値F1を好適に設定しておけば、被験者が覚醒状態に至った時点を好適に判断することが可能になる。
なお、この態様においていう第q番、あるいは第(q+1)番という番号の付与についても、前述した、L個の標準偏差平均値に番号を付す場合における考え方を適用する(つまり、G個のグループそれぞれの算出根拠となった体動データの取得時間の前後による。)のが好適である。
この態様によれば、前記所定値F2を好適に設定しておけば、被験者が覚醒状態に至った時点を好適に判断することが可能になる。
この態様によれば、前記基線値の好適な利用例の1つが提供される。すなわち、本態様によれば、G個の標準偏差をAve・Hensa、全体的標準偏差をHenStdとすれば、被験者の動きの多さを示す指標Moveは、
Move=(Ave・Hensa−(基線値))/HenStd
として求められることになる。このMoveは、まさに、字義通り、被験者の動きの多さを示すとみなしうるから、例えば、当該Moveに基づき適当に設定された基準値と、前記G個の標準偏差それぞれとの値の比較を行うこと等により、当該被験者の、睡眠状態から覚醒状態への移行を好適に判断することができる。
この態様によれば、体動検出手段は、被験者の身体、あるいはその一部を拘束することなく、当該被験者の体動を検出することが可能である。そして、そのように、被験者に余計な負担をかけることがないにもかかわらず、上述のように、本発明、あるいはその各種態様では、当該被験者にかかる正確な睡眠状態の把握が可能となっているのである。
このように本態様によれば、いわば2つの効果の同時享受が可能となる。
図1において、睡眠評価装置1は、寝具に横臥した人体の生体信号を検出するためのセンサ部2と、センサ部2に接続され睡眠段階の判定及び睡眠の質の評価を行なう制御ボックス3とを備える。制御ボックス3は、睡眠段階の判定結果及び睡眠の評価指標などのガイダンス表示などを行なう表示部4及び電源オン/オフ又は測定開始/終了などの操作を行なう操作部5を備える。
ちなみに、本実施形態に係る睡眠評価装置1は、図1に示すように、被験者の身体を特に拘束することはない。これは、上述のように、センサ部2が寝具の下に配置されるだけで被験者の体動を検出することが可能となっていることによる。
制御部CPは、センサ部2から受けた入力信号をデジタル信号に変換するADコンバータ、あるいはCPU(Central Process Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、等その他必要な要素を備える(いずれも不図示)。
この制御部CPは、その他、本実施形態に係る睡眠評価装置1全体を調和的に動作させるため、当該睡眠評価装置1に係る全般的な制御を行う。
解析部30は、センサ部2が検出した被験者の姿勢変化等の様子や、計時部11で計測された現在時刻等の情報に基づいて、被験者のその時時における睡眠状態やその質等を、演算、解析及び評価等を通じて判定ないし判断する。
記憶部20は、前述の解析部30における判定結果等を記憶する。あるいは、記憶部20は、必要に応じて、解析部30における演算途中で得られた中間結果、中間成果情報、等々を記憶するほか、睡眠評価装置1の動作に必要となるその他の各種情報やプログラム等を記憶する。
なお、本発明にいう「判定手段」は、本実施形態でいう制御部CP、解析部30及び記憶部20を少なくとも含む。
次に、制御部CPは、測定開始の指令の有無を判断する(図3のステップS3)。この指令は、例えば、操作部5に対するユーザの測定開始ボタンの押下に基づいて発せられたり、あるいは、一定の時刻の到来に基づいていわば自動的に発せられたりする。また、ここでいう測定とは、センサ部2によって検出される被験者の体動の時間的変化を計測することを指す。
この一連の処理により、記憶部20内には、例えば観念的には図4に示されるようなデータテーブルT1が構築される。このデータテーブルT1は、記憶部20のアドレス番号1から100までに対応する体動データの書込みを順次受ける。図では、これら各アドレスに対応して、体動データが、512,356,…,457,615,601,…,824と書き込まれていることがわかる。ちなみに、これらの変数名は、D[0],D[1],…,D[99]が対応している(なお、体動データの個数が100個とされているのは単なる一例である。)。
制御部CPは、このようなデータテーブルT1の構築と並行して、現在時刻を取得し(図3のステップS9)、表示する(図3のステップS10)。
このデータ解析が終了すれば、制御部CPは、その結果を表示し(図3のステップS12)、現在時刻表示に戻るかどうかを判断した後、これが肯定され得れば前述した繰り返し処理に戻る(図3のステップS13;YESからステップS1へ)。なお、このステップS13における判断は、言い換えると、例えば当該解析結果の表示がユーザの視認に十分な時間だけ行われたかどうか、と読み替えることができる。これは、制御部CPによる一定時間経過判断によってもよいし、ユーザによる指令によってもよい。
Hensa[x]=sqr〔(1/(z+1))・SS(D[i]−Ave・D)2〕 … (1)
である。ただし、i=s,s+1,…,s+zである。また、“sqr”は平方根を表す(以下同様である。)。また、“SS”は、()内の式につきiについての総和をとることを意味する(通常表記上ギリシャ文字のシグマで表される記号に相当する。)。
ちなみに、上述したような演算処理は、図5のステップS22において行われる処理に同じである。かかる処理により、前記データテーブルT3には、Hensa[0],Hensa[1],…,Hensa[9]の各具体値が書き込まれていく。なお、データテーブルT3は、記憶部20内のアドレス番号211から220に対応する。
なお、ここで述べた「単位期間」は、本発明にいう「グループ」の1個について観念される期間に相当する。
HenAv[x]=(Hensa[t],Hensa[t+1],…,Hensa[t+y])/(y+1) … (2)
である。
ちなみに、上述したような演算処理は、図5のステップS23において行われる処理に同じである。かかる処理により、前記データテーブルT4には、HenAv[0],HenAv[1],…,HenAv[9]の各具体値が書き込まれていく。なお、データテーブルT4は、記憶部20内のアドレス番号221から230に対応する。
なお、いま述べたように、HenAv[x]は、
HenAv[x]=(Hensa[x−1]+Hensa[x]+Hensa[x+1])/3
であるが、本発明にいう「移動平均値」とは、このような場合も含む。
図4では、データテーブルT2において、Stage[0]及びStage[9]が“1”をとっており、被験者は、これらエポック0及び9において覚醒状態にあることが表されている。一方、Stage[1]は“0”をとっており、被験者は、このエポック1において睡眠状態にあることが表されている。なお、このような各Stage[x]の値の設定は、後述する図8(離床エポック演算処理)、図9(寝返りエポック演算処理)、図11及び図12(中途覚醒エポック演算処理)、図15(入眠演算処理)、図16及び図17(中途覚醒エポック演算処理)に係る処理において行われる。Stage[x]については、その際に改めて触れる。
HenStd=sqr〔(1/10)・SS(Hensa[j]−Ave・Hensa)2〕 … (3)
である。ただし、j=0,1,2,…,9であり、Ave・Hensa=(Hensa[0]+…+Hensa[9])/10である。また、“SS”は、()内の式につきjについての総和をとることを意味する(通常表記上ギリシャ文字のシグマで表される記号に相当する。)。
ABS〔HenAv[I]−HenAV[I+1]〕≦A … (4)
ただし、“ABS”は〔〕内の値の絶対値をとることを意味する(以下同様である。)。
この条件式はつまり、HenAV[x]のうち、隣り合う値(あるいは、隣り合う単位期間)同士の差の絶対値が所定の値“A”以下であるかどうか、の判断が行われることを表現している。
一方、式(4)が偽であれば、解析部30は、次の条件式の真偽を判断する(図6のステップS45)。
ABS〔Hensa[I]−Hensa[I+1]〕≦B … (5)
なお、B>Aである。
この式(5)が満たされるのであれば、解析部30は、変数Stableの値を1だけ増やすが(図6のステップS46)、満たされない場合には、counter,Baseline及びStableの値はいじらない。
Baseline=(Baseline/counter) … (6)
が演算され、最終的に、“基線値”、ないしは“Baseline”の値が求められる(図6のステップS49)。
すなわち、HenAv[x]は、前述のように、xを中心とした3つの単位期間における被験者の体動のばらつきの程度の平均値を表現しているので、式(4)中にみられる、“HenAv[I]−HenAV[I+1]”とは、これを書き下せば、期間(I−1),I,(I+1)についてのばらつきの程度の平均値と、期間I,(I+1),(I+2)についてのそれとの差を意味することになる(HenAvが移動平均値であるから、両単位期間は一部重なり合っている。)。そして、その絶対値が“A”以下であるというのは、被験者は、そのIから(I+1)への遷移において、一定程度安定した状態を維持したことを意味する。この場合、前述のように、Baselineには、そのHenAv[I]の値が足しこまれる(図6のステップS44参照)。そして、これがI=1,2,…と繰り返されることにより、最終的には、前記式(6)のように、当該ステップS44で加算対象となったHenAv[x]全体の平均値が、“Baseline”として求められることになるのである。
要するに、この基線値“Baseline”とは、一定程度安定した状態が維持された場合に該当するものとして選りすぐられたHenAv[x]の平均値を表現していることになる。
このように、安定エポック数“Stable”とは、被験者に比較的大きな体動がなかった期間(当該期間は単位期間を基準ないし一単位として数えられる。)の数を表現していることになる。
この図7に示すように、前記Moveは、前記Hensa[x]の平均値(既述の式(3)中に現れる「Ave・Hensa」に同じ。)から、上で求められた基線値Baselineを引いた値を、前記HenStdで除した値として求められる(図7のステップS51)。この値が大きければ大きいほど、被験者の動きが多いことが表現される。
また、前記Percentは、上で求められた安定エポック数Stableを、前記Hensa[x]の配列数、即ち本実施形態では10(これは、前記「単位期間」の全数でもある。)で割った値の100倍として求められる(図7のステップS52)。
まず、図8において、適宜使用される変数(ここではI)の初期設定が行われた後(図8のステップS61)、解析部30は、前記Hensa[x]の平均値(既述の式(3)中に現れる「Ave・Hensa」に同じ。)が所定の値Cを下回るかどうかを判断する(図8のステップS62)。ここで下回ると判断される場合には(図8のステップS62;YES)、変数Bedoutに、所定値E1が代入される(図8のステップS64)。
一方、下回らないと判断される場合には(図8のステップS62;NO)、基線値Baselineが所定の値Dを下回るかどうかが判断される(図8のステップS63)。ここで下回ると判断される場合には(図8のステップS63;YES)、変数Bedoutに、所定値E2が代入される(図8のステップS65)。他方、下回らないと判断される場合には、変数Bedoutに、所定値E3が代入される(図8のステップS66)。
なお、前記のE1,E2,及びE3間には、E1<E2<E3が成立する。
このような処理は、本実施形態において、Hensa[9]に達するまで行われる(図8のステップS69及びS70参照)。
なお、前述で“Wake”というのは、図4でいうデータテーブルT2に示される値、“1”に該当する。逆に、図4でいうデータテーブルT2に示される値、“0”は、“Wake”でない場合を意味する。この点は、以下においても同様である。
すなわち、この処理においては、図4を参照して説明した、Stage[x]の値が、エポック毎に定められていく。この際、図8では、そのステップS67における“Bedout”の値がE1,E2又はE3という異なる値をとりうることからわかるように、被験者が床を離れているかどうかの判断基準を変動させている。ちなみに、この基準値たるBedout、ないしはその内実たるE1乃至E3は、いずれも相当程度小さい値であって、その意義は、センサ部2が被験者の体動を感知していない状況(あるいはエポック)を見極めることにある。だから、Hensa[I]<Bedoutが真のとき、Stage[I]=“Wake”と設定されるのである。
また、E1<E2<E3であり、かつ、E1はAve・Hensa<Cの場合に、E2は基線値Baseline<Dの場合に、E3はそれ以外の場合に、対応していることからわかるように、これらE1乃至E3は、就寝中の被験者の安定度に応じて定められている。つまり、Ave・HensaがCを下回る場合というのは、全期間を通じて、被験者の体動のばらつきが比較的小さい場合を意味しているので、「離床」が生じたかどうかを判断するには、より小さい基準値E1が使用されるのが好ましい。他方、BaselineがDを下回る場合(で、かつ、Ave・Hensa≧Cである場合)というのは、Baselineが前述のように一定程度安定した状態が維持された場合に該当するものとして選りすぐられたHenAv[x]の平均値を表現しているのであるから、安定期間の限りでは比較的静かな被験者であるという推定が成り立つので、前記E1よりは大きめの基準値E2が使用されるのが好ましい。
そして、その他の場合は、以上の2つの場合が否定される場合なのであるから、前記E2よりも大きめの基準値E3が使用されるのが好ましいのである。
以上を要するに、本実施形態では、「離床」が生じたかどうかが、被験者の就寝時体動に関する一般的性質の相違に基づいて定められるのである。
まず、図9において、適宜使用される変数(ここではI)の初期設定が行われた後(図9のステップS71)、解析部30は、以下の条件式の真偽について判断する(図9のステップS72)。
Hensa[I+1]>Hensa[I]+F1 … (7)
これが偽と判断される場合は、続いて更に、以下の条件式の真偽について判断される(図9のステップS73)。
Hensa[I+1]>F2 … (8)
そして、これらの式(7)及び式(8)のいずれかが、真であると判断される場合には(図9のステップS72又はS73;YES)、Stage[I+1]には“Wake”が代入される(図9のステップS74)。他方、これらのいずれもが偽であると判断される場合には(図9のステップS73;NO)、Stage[I+1]の値はいじられない(図9のステップS75)。
このような処理は、本実施形態において、Hensa[9]に達するまで行われる(図9のステップS76参照)。
すなわち、この処理においては、ある期間(I+1)における被験者の体動に係る標準偏差Hensa[I+1]が、期間Iと対比して“相対的”に増大している場合、あるいは、この標準偏差Hensa[I+1]がそれ自体として“絶対的”に大きい場合には、当該期間(I+1)は、「寝返り」が生じたエポックであると判断されるのである。そして、この「寝返り」の発生は即ち、その時点において被験者が「覚醒」していたことと同視しうる。これは、「寝返り」が生じる際の脳波は、覚醒時のそれと同視可能だからである。
要するに、この処理は、前述の離床エポック演算処理では、“Wake”とはされなかった場合でも、寝返りが生じた場合には、それをも“Wake”と認定する処理に該当するのである。
まず、図11において、適宜使用される変数(ここではI1)の初期設定が行われた後(図11のステップS81)、解析部30は、上で求めた、動きの多さを示す指標Move(図5参照)がH1以上であるかどうかを判断する(図11のステップS82)。ここで、これが偽と判断される場合は、図5のデータ解析処理に係るメインフローチャートへと戻る。これはつまり、「被験者は中途覚醒しなかった」との判断が、この時点において既に終局的になされたことを意味する。
一方、真と判断される場合は、解析部30は続いて、MoveがH2以上であるかどうか(図11のステップS83)、更にこれが偽である場合には、MoveがH3以上であるかどうかを判断する(図11のステップS84)。そして、前者の場合が真と判断される場合は、変数ValueにJ1が代入され(図11のステップS85)、後者の場合が真と判断される場合は、変数ValueにJ2が代入される(図11のステップS86)。さらに、前者も後者も偽と判断される場合は、変数ValueにはJ3が代入される(図11のステップS87)。
なお、前記のH1,H2及びH3の間には、H2>H3>H1が成立する。
また、前記のJ1,J2及びJ3の間には、J3>J2>J1が成立する。
HenAv[I1]≧Baseline+Value … (9)
これが真と判断される場合は、適宜使用される変数(ここではI2)の初期設定が行われた後(図11のステップS89)、解析部30は、HenAv[I1−I2]≧Baseline+Kの真偽について判断する(図11のステップS90)。これが真と判断される場合は、Stage[I1−I2]に“Wake”が代入される(図11のステップS91)。
このようなI2の関わる処理は、当該処理が開始された時点における、I1のもつ数値に至るまで、繰り返し行われる(図11のステップS92及びS93参照)。
このようなI2の関わる処理は、当該処理が開始された時点におけるI1に、I2を加えた数値が、HenAv配列数の全数に一致するまで、繰り返し行われる(図12のステップS97及びS98参照)。
すなわち、この処理の前段、即ちH1乃至H3に基づくJ1乃至J3の設定に関わる、図11のステップS82からステップS87までの処理は、被験者の動きの多さに応じた基準値の設定、という意味をもつ。つまり、被験者の動きが極めて活発である場合(即ち、Move≧H2(>H3>H1)の場合)は、基準値は最小のJ1に定められ、そうでもない場合(即ち、H2>Move≧H3(>H1)の場合)は、基準値は中程度のJ2に定められ、鎮静的である場合(即ち、H3>Move≧H1の場合)は、基準値は最大のJ3に定められる。
そして、これらJ1,J2及びJ3は、前記の式(9)からわかるように、比喩的にいえば、いわばバイアス値のようなものとして機能する。具体的には、前述のように、式(9)が偽であれば、当該I1についての処理は完了してしまうのであるが、前述したところから、被験者の動きが極めて活発、中間的、及び鎮静的となる順につれて、Stage[x]が変動を受け得るかどうかの基準値は次第に大きくなっていく。
なお、被験者の動きが、極めて鎮静的な場合(即ち、Move<H1の場合)は、そもそも、基準値の設定及びそれ以降の処理が行われない。
以上の様子は、図13に表としてまとめられている。
第1種の処理は、図11のステップS89からステップS93までの処理である。この処理では、基準となる期間I1を中心として、それ以前に遡った時点において、中途覚醒があったかどうかが判断されている(「遡った時点」での判断がなされるとは、この第1種の処理では、当該の判断が、I1を基準に、I1−0,I1−1,I1−2,…と行われるからである。)。また、その判断基準は、“Baseline+K”である(図11のステップS90参照)。そして、HenAv[I1−I2]がこの値以上であれば、「中途覚醒あり」として、Stage[x]に“Wake”が代入されるのである。
一方、第2種の処理は、図12のステップS94からステップS98までの処理である。この処理では、基準となる期間I1を中心として、それ以後の時点において、中途覚醒があったかどうかが判断されている(「以後の時点」での判断がなされるとは、この第2種の処理では、当該の判断が、I1を基準に、I1+0,I1+1,I1+2,…と行われるからである。)。判断基準は前記第1種の処理と同じである(図12のステップS95参照)。
まず、図15において、解析部30は、入眠エポックを求める(図15のステップS101)。
その処理の詳細は、図18に示される。この入眠エポック演算処理ではまず、適宜使用される変数(ここではI)の初期設定が行われた後(図18のステップS141)、解析部30は、Stage[I]が“Wake”に一致するかどうかを判断する(図18のステップS142)。これが否定されれば、本処理に戻る(図5のステップS142;NOから図15のステップS102へ)。一方、肯定されれば、Iを1つだけ増加して、先の処理を繰り返す(図15のステップS142;YESからステップS143、及び、ステップS144、参照。)。
要するに、この入眠エポック演算処理では、Stage[x]の中から、“Wake”をもたないものが探索される。したがって、図18の処理を経る結果、本処理(ここでは、図15の処理)の側から見ると、Stage[I]が値“Wake”をもたない場合、あるいはIの増加につれてもたなくなった場合における、“I”(以下、「入眠時のI」ということがある。)の値が返されてくることになる。
他方、前述のステップS102において、Stage[I+Ka1]がWakeでなければ、単に、Ka1が1だけ減ぜられる(図15のステップS106)。このような処理は、Ka1が0になるまで、あるいは、Wakeに一致するStage[I+Ka1]が見つかるまで、繰り返し行われる(図15のステップS107参照。Wakeに一致するStage[I+Ka1]が見つかれば、前述の処理が実行される。)。
すなわち、入眠時のIから、適当に設定されたKa1だけ離れた時点において、もしStage[I+Ka1]=Wakeが成立するエポック(I+Ka1)が存在するのであれば、それは真に睡眠状態に入った時点であるとは認定し得ない。これは、入眠直後においては、通常、「寝返り」等は発生しにくい(つまり、そのような時点におけるエポックは通常“Wake”とはならない。)という、経験則ないしは論理則によっている。したがって、そのような場合には、Stage[I+1],Stage[I+2],…,Stage[I+Ka1]については、改めて、覚醒状態であったと認定するのである。
このように、図15に係る処理では、被験者が真に睡眠状態にあった期間を正確に把握するために、いわば一種の誤りとしてStage[x]がWakeをとらなかった場合を探索し、そのようなStage[x]を改めて、Wakeに認定し直すという意義をもつのである。
まず、図16において、適宜使用される変数(ここではM)の初期設定が行われた後(図16のステップS111)、解析部30は、入眠エポックを求める(図16のステップS112)。ここでは、既に述べた図18に示される処理が行われる。したがって、この図18の処理を経ることで、入眠時のIが返されてくることになる。
このような処理は、入眠時のIを基準に、そこから1ずつ増加した各Iについて、繰り返し行われる(図16のステップS115及びステップS116、参照)。
以上の繰り返し処理の回数は、Stage[x]の全個数(全エポック数)を限度とする(図16のステップS116参照)。これに達すれば、図5のデータ解析処理に係るメインフローチャートへと戻る。
前記ステップS152において、Stage[I+X]=Wakeが否定されれば、本処理に戻る(図19のステップS152;NOから図16のステップS118へ)。一方、肯定されれば、Xを1つだけ増加して、先の処理を繰り返す(図16のステップS152;YESからステップS153、及び、ステップS154、参照)。
要するに、この覚醒継続エポック演算処理では、Stage[x](ただし、ここでいう、xは、「入眠時のI」から進んで、覚醒時に移行した時点のI以上である。以下、このIを、「覚醒開始時のI」ということがある。)の中から、どこまで“Wake”が維持されたのかが探索される。したがって、図19の処理を経る結果、本処理(ここでは、図16の処理)の側から見ると、Stage[I+X]が値“Wake”をもたない場合における、あるいは、Xの増加につれてもたなくなった場合における、“X”(以下、「覚醒継続のX」ということがある。)の値が返されてくることになる。
まず、変数Oに適当な値が設定された後(図16のステップS119)、解析部30は、Stage[I−O]が“Wake”をもつかどうかを判断する(図16のステップS120)。これが肯定される場合は、Stage[I−O]には、改めて、“Wake”が代入され(図16のステップS123)、続いてOが1だけ減ぜられる(図16のステップS124)。このような処理は、Oが1になるまで繰り返し行われる(図16のステップS125からステップS123への流れ、参照)。これにより、当初の覚醒開始時のIから、Oだけ遡った時点までの配列数x1をもつStage[x1]はすべて、値“Wake”をもつことになる。
他方、前述のステップS123において、Stage[I−O]がWakeでなければ、単に、Oが1だけ減ぜられる(図16のステップS121)。このような処理は、Oが1になるまで、あるいは、Wakeに一致するStage[I−O]が見つかるまで、繰り返し行われる(図16のステップS122からステップS120への流れ、参照。Wakeに一致するStage[I−O]が見つかれば、前述の処理が実行される。)。
ここでまず、解析部30は、覚醒開始時のI、覚醒継続のX及び適当に設定されたOの和が、全エポック数に一致すると判断する場合には、図5のデータ解析処理に係るメインフローチャートに戻る(図17のステップS127;YES)。他方、そうではない場合には以下の処理を行う(図17のステップS127;NO)。
他方、前述のステップS128において、Stage[I+X+O]がWakeでなければ、単に、Oが1だけ減ぜられる(図17のステップS129)。このような処理は、Oが1になるまで、あるいは、Wakeに一致するStage[I+X+O]が見つかるまで、繰り返し行われる(図17のステップS130からステップS128への流れ、参照。Wakeに一致するStage[I+X+O]が見つかれば、前述の処理が実行される。)。
すなわち、この処理の意義は、一言でいえば、覚醒と判断されるべきエポックの見落としがないかどうかの再確認にある。言い換えると、当該処理は、前述の図11及び図12に係る処理を補完する意義を持つ。その際、見落としがあったかどうかを見極めるのに特に重要な役割を担っているのは、覚醒継続のXである(図16のステップS118参照)。すなわち、この覚醒継続のXが一定値Ne以上の大きさをもつのであれば、その前後の期間においても、実は被験者は覚醒していたのだ、という推定が強く成り立つ。前記ステップS118以後、IよりOだけ前のエポック、及び、I+XよりOだけ後のエポックのそれぞれについてStageの値が確認され、それがWakeである場合には、その間のStage[x]が0であったとしても、改めてStage[x]=1と認定され直されているのは、そのような推定に基づいているのである。
第1種の処理は、図16のステップS119からステップS125までの処理である。この処理では、基準となる覚醒開始時のIを中心として、それ以前に遡った時点において、覚醒があったかどうかが判断されている(「遡った時点」での判断がなされるとは、この第1種の処理では、当該の判断が、Iを基準に、I−O,I−(O−1),I−(O−2),…と行われるからである。)。また、その判断基準は、端的に、Stage[I−O]=Wakeである(図16のステップS120参照)。これが満たされる以上は、前記の各配列数をもつStage[x]には“Wake”が代入されるのである。
一方、第2種の処理は、図16のステップS126からステップS133までの処理である。この処理では、基準となる、(覚醒開始時のI)+(覚醒継続のX)、を中心として、それ以後の時点において、覚醒があったかどうかが判断されている(「以後の時点」での判断がなされるとは、この第2種の処理では、当該の判断が、(I+X)を基準に、I+X+O,I+X+(O−1),I+X+(O−2),…と行われるからである。)。判断基準は前記第1種の処理と同じである(図12のステップS128参照)。
ちなみに、これら図20及び図21と対比しうるように、通常状態における表示部4の表示内容を図22として示しておいた。これは、図3のステップS2における現在時刻の表示処理の結果である。
(1) 本実施形態に係る睡眠評価装置1は、上述のように、Hensa[x]、あるいはHenAv[x]といった、体動データD[0],D[1],…,D[99]に対する加減乗除加工のみを行ったデータを利用して、被験者の睡眠状態を把握することから、特別複雑な構成及び処理を必要としない。そして、そのような簡易性を保持しえながらも、前記のうち、Hensa[x]は、被験者の比較的短時間における体動の変化の様子をよく表し、また、HenAv[x]は、比較的長時間における体動の変化の様子をよく表す、という特性の相違があるので、これらを利用することにより、被験者の睡眠状態の把握を一定程度好適に行うことが可能になる。
要するに、本実施形態によれば、低コスト、簡易な手法により、人の睡眠状態の可能な限りの正確な把握が可能になる。
また、これら、直接的に基線値Baselineを利用する処理(以下、「直接利用処理」という。)以外のその他の処理も、これら直接利用処理を前提に行われる場合があり得ることを考えると、当該その他の処理も、基線値Baselineの恩恵を間接的に受けているということができる。例えば、図11及び図12の処理によって、あるStage[a]がWakeをもつに至った場合を考えると、そのStage[a]が、図16及び図17における処理の、いわば新たな発火点になる(例えば、ステップS120、あるいはステップS128参照)、という場合も考えられるのである。
しかも、本実施形態では、この基線値Baseline自体が、HenAv[x]の移動平均値を利用して設定されていることから(図4及び図6並びにそれらに関する説明、参照)、この点からも、被験者の睡眠状態の把握の的確性はより高まるということができるのである。
(1) 上記実施形態では、体動データが100個取得される例について説明しているが、上でも既に言及しているように、本発明がこの形態に限定されるわけでは勿論ない。むしろ、体動データの個数は通常、100個よりも多い(あるいは、遥かに多い)と考えるのが自然である(上記で“100個”が選択されたのは、まさに説明の便宜を図る目的以外の何らの目的もない。)。また、これに関連して、Hensa[x]が、何個の体動データの標準偏差として求められるか、あるいは、HenAv[x]が、何個のHensa[x]の平均値として求められるか、についても、基本的に自由に設定される事柄である。
さらに、これに関連して、上記実施形態では、センサ部2から取り込まれた信号に対してAD変換を実行することで、デジタルデータたる体動データを取得することについて言及しているが、この場合、そのAD変換におけるサンプリング間隔の長さは、基本的に自由に定められ得る。ただ、当該サンプリング間隔が比較的長期に設定されるのであれば、体動データの全個数は減少する可能性が強く、短期に設定されるのであれば、増加する可能性が強い、ということはいえる(“可能性”というのは、寝床上の在留時間の長短が、被験者ごとに、あるいは同じ被験者でも日々の相違により、等々、一般に異なるからである。)。
Claims (9)
- 寝床上の被験者の身体の動きを時々刻々検出する体動検出手段と、
前記体動検出手段の検出結果に基づいて、少なくとも、前記被験者の睡眠状態及び覚醒状態の別を判別する判別手段と、
を備える睡眠評価装置であって、
前記判別手段は、
前記体動検出手段の検出結果を、所定の時間間隔でN個の体動データ(ただし、Nは、N≧2を満たす正の整数)として数値化し、
前記N個の体動データを区分けするG個のグループ(ただし、Gは、2≦G<Nを満たす整数)の各々及び当該各々に含まれる体動データごとについての、G個の標準偏差を求め、
前記G個の標準偏差の中から選択されたgs個の標準偏差(ただし、gs<G)に基づいてL個の標準偏差平均値(ただし、Lは、2≦L≦Gを満たす整数)を求め、
前記G個の標準偏差及び前記L個の標準偏差平均値に基づいて、少なくとも前記被験者の睡眠状態及び覚醒状態の別を判別する、
ことを特徴とする睡眠評価装置。 - 前記判別手段は、
前記L個の標準偏差平均値を、前記G個の標準偏差のうち連続するgs個の標準偏差(ただし、gs<G)に基づいて求め、かつ、
当該L個の標準偏差平均値のうち、第p番目の標準偏差平均値(ただし、pはp≦L−1を満たす整数)と第(p+1)番目の標準偏差平均値との差の絶対値が所定値以下であるという条件を満たす、当該第p番目の標準偏差平均値のすべてに関する平均値を、基線値として求め、かつ、
当該基線値に基づいて、少なくとも前記被験者の睡眠状態及び覚醒状態の別を判別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の睡眠評価装置。 - 前記判別手段は、
前記L個の標準偏差平均値の各々を、前記gs個の標準偏差に関する移動平均値として求める、
ことを特徴とする請求項2に記載の睡眠評価装置。 - 前記判別手段は、
前記G個の標準偏差のうち、いずれかの標準偏差が所定値Eを下回る場合、
前記被験者は、当該標準偏差の算出根拠たる前記体動データの基となった前記検出結果の検出時点において、覚醒状態にあると判断する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の睡眠評価装置。 - 前記判別手段は、
前記G個の標準偏差のうち、第q番目の標準偏差(ただし、qはq≦G−1を満たす整数)に所定値F1を加えた値よりも、第(q+1)番目の標準偏差が大きい場合、
前記被験者は、当該第(q+1)番目の標準偏差の算出根拠たる前記体動データの基となった前記検出結果の検出時点において、覚醒状態にあると判断する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の睡眠評価装置。 - 前記判別手段は、
前記G個の標準偏差のうち、いずれかの標準偏差が所定値F2を超える場合、
前記被験者は、当該標準偏差の算出根拠たる前記体動データの基となった前記検出結果の検出時点において、覚醒状態にあると判断する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の睡眠評価装置。 - 前記判別手段は、
前記G個の標準偏差に関する標準偏差たる全体的標準偏差を求め、かつ、
前記G個の標準偏差の平均値から前記基線値を引いた値を、前記全体的標準偏差により除すことによって、前記被験者の動きの多さを示す指標を求め、かつ、
前記、被験者の動きの多さを示す指標に基づいて、前記被験者の睡眠状態から覚醒状態への移行時点を判断する、
ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の睡眠評価装置。 - 前記体動検出手段は、
所定の流体を内封するマットレスを含み、
前記流体の圧力変化に応じて、前記被験者の身体の動きを検出する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の睡眠評価装置。 - 寝床上の被験者の身体の動きを所定の時間間隔で数値化したN個の体動データ(ただし、Nは正の整数)を取得する工程と、
前記N個の体動データを区分けするG個のグループ(ただし、Gは、2≦G<Nを満たす整数)の各々及び当該各々に含まれる体動データごとについての、G個の標準偏差を求める工程と、
前記G個の標準偏差の中から選択されたgs個の標準偏差(ただし、gs<G)に基づいてL個の標準偏差平均値(ただし、Lは、2≦L≦Gを満たす整数)を求める工程と、
前記G個の標準偏差及び前記L個の標準偏差平均値に基づいて、少なくとも前記被験者の睡眠状態及び覚醒状態の別を判別する工程と、
を含む、
ことを特徴とする睡眠評価方法。
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