JP2009159385A - 音場制御装置及び音場制御方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】実際の自動車室内で、音響空間モード分解フィルタに用いる関数が理論条件を満たさない場合でも、性能を落とさずに音響空間モード(定在波)の制御を実現できるようにする「音場制御装置及び音場制御方法」を提供することである。
【構成】複数のスピーカ、複数のスピーカから放射された音声を集音する複数のマイクロホン、音圧分布をモード分解するモード分解フィルタ、モード分解フィルタによって分解された各モードのモード振幅が所定の値になるように、複数のスピーカに入力される入力信号を制御する制御用フィルタを備えた音場制御装置において、音響空間における音圧分布を測定し、振幅制御すべきモードの空間周波数の正弦関数及び余弦関数を用いて音響空間における音圧分布を表現し、該表現した音圧分布が前記測定した音圧分布と同等となるようにモード空間周波数を補正し、補正により得られたモード空間周波数(補正モード空間周波数)に基づいてモード分解フィルタのフィルタ係数を決定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、音場制御装置及び音場制御方法に関わり、特に、入力信号を音響空間に放射する複数のスピーカ、前記複数のスピーカから放射された音声を集音する複数のマイクロホンを備え、各マイクロホンの出力信号に基づいて音圧分布をモード分解し、各モードのモード振幅が所定の値になるように制御する音場制御装置および音場制御方法に関する。
一般に音響空間では、壁などによって反射波や定在波などが発生し、音波が相互干渉することによって、音響伝達特性が複雑に乱れる。特に、ガラスのような音が反射しやすいもので囲まれている車室内のような狭い空間では、反射波や定在波の影響が大きいため、音響伝達特性の乱れが音の聴取に与える影響は大きい。このような音響伝達特性の乱れを補正する技術としては、適応等化システムが知られている。適応等化システムによれば、任意の制御点で所定の音場空間を実現することができる。
図13は、オーディオ装置に適用される適応等化システムの構成を示す図である。同図に示す適応等化システムは、オーディオソース500、目標応答設定部501、マイクロホン502、演算部504、適応信号処理装置506、スピーカ508を備えている。オーディオソース500は、ラジオチューナやCDプレイヤ等から構成されており、オーディオ信号x(n)を出力する。目標応答設定部501は、目標応答特性(インパルスレスポンス)Hが設定されており、オーディオソース500から出力されるオーディオ信号x(n)が入力されて、これに対応する目標応答信号d(n)を出力する。マイクロホン502は、車室内音響空間の聴取位置(制御点)に設置されており、この観測点における音を検出して音楽信号d′(n)を出力する。演算部504は、マイクロホン502から出力される音楽信号d′(n)と目標応答設定部501から出力される目標応答信号d(n)との誤差を演算して誤差信号e(n)を出力する。適応信号処理装置506は、誤差信号e(n)のパワーが最小となるように信号y(n)を発生する。スピーカ508は、この適応信号処理装置506から出力される信号y(n)に応じた音を車室内音響空間に放射する。
目標応答設定部501の目標応答特性Hは、再現したい音場空間に対応する特性が設定されている。例えば、適応フィルタのタップ数の半分程度に相当する遅延時間をtとしたときに、この遅延時間tを有し、全オーディオ周波数帯域でフラットな特性(ゲイン1の特性)が設定されている。なお、この遅延時間tは音響系の逆特性を適応フィルタが精度良く近似するためのものであり、このような目標応答特性を有する目標応答設定部501は、FIR(Finite Impulse Response )型のデジタルフィルタの遅延時間tに対応するタップの係数を1に設定し、それ以外のタップの係数を0に設定することにより実現することができる。
適応信号処理装置506は、オーディオ信号x(n)が参照信号として入力されるとともに、上述した演算部504から出力される誤差信号e(n)が入力されており、誤差信号e(n)のパワーが最小となるように適応信号処理を行って信号y(n)を出力する。適応信号処理装置506は、LMS(Least Mean Square )アルゴリズム処理部510と、FIR型のデジタルフィルタ構成の適応フィルタ512と、オーディオ信号x(n)にスピーカ508から聴取位置までの音響伝搬系の伝搬特性(伝達特性)Cを畳み込んで適応信号処理に用いる参照信号(フィルタードリファレンス信号)u(n)を生成する信号処理フィルタ514とを有している。
LMSアルゴリズム処理部510は、聴取位置における誤差信号e(n)と信号処理フィルタ514から出力される参照信号u(n)とが入力されており、これらの信号を用いて聴取位置における音楽信号d′(n)が目標応答信号d(n)と等しくなるように、LMSアルゴリズムを用いて適応フィルタ512のタップ係数ベクトルWを設定する。適応フィルタ512は、このようにして設定されたタップ係数ベクトルWを用いてオーディオ信号x(n)に対してデジタルフィルタ処理を施して信号y(n)を出力する。
このような適応処理によって誤差信号e(n)のパワーが最小となるように適応フィルタ512のタップ係数ベクトルWが収束すれば、目標応答設定部501に設定した目標応答特性Hを有する空間で音楽を聴取した場合と同様の音楽の聴取が可能となる。
ところで、上述した適応等化システムは、制御点においては目標応答特性Hと同様の伝達特性で音楽を聴取することが可能となるが、制御点以外の特性については全く保証していない。このため、適応等化システムによって音響空間内の多くの位置で理想的な音楽の聴取を行おうとすると、制御点を多く設定し、これに対応して多くのスピーカが必要になる。また、制御音源としてのスピーカを多く設置するということは、そのために必要な適応フィルタ512の数も多くなるということであり、回路規模や演算量の増大を招くことになる。
そこで、少ないスピーカおよび適応フィルタによって音響空間全体にわたって伝達特性を補正することができる音場制御装置が提案されている(特許文献1)。この音場制御装置は、音響空間内の所定位置に複数のスピーカと複数のマイクロホンを設置し、各マイクロホンの出力信号に基づいて音圧分布をモード分解し、各モードのモード振幅が所定の値になるように制御する。すなわち、各モードのモード振幅を制御することにより、聴取位置が移動したときに音圧が大きく変化するようなモードの影響を少なくし、あるいは、打ち消すことができるため、特に制御点(聴取位置)を増やすことなく、少ないスピーカや適応フィルタによって音響空間全体にわたって伝達特性を補正し、平坦な音圧分布を実現する。
図14は、モードの振幅状態を示す図であり、(A)は0次モードの振幅状態、(B)は1次モードの振幅状態、(C)は2次モードの振幅状態、(D)は3次モードの振幅状態である。図15においてaで示すように、0次モードでは、音響空間の全体において同位相で振動するため、聴取位置に関係なく同じ音圧レベルでオーディオ音声の聴取が可能となる。しかし、1次モードではb、b′で示すように、その聴取位置によって音圧レベルが大きく変動する。したがって、音響空間に放射される音声内の1次モード成分が大きい場合には、これを小さくしたり、打ち消したりすることにより、聴取位置を移動させた場合であっても音響特性がほぼ均一な音場を実現することができる。また、2次以上の各モードについても同様であり、2次以上の次数成分が大きい場合には、その成分を小さくし、あるいは、打ち消すような制御を行う。なお、図15においてSPKは音源であるスピーカ、STF、STRは前座席、後座席である。
図16は従来の音場制御説明図である。
音響空間のモードを制御するためには、音圧分布のモード分解を行う必要がある。図16に示すような内部にM個の音源(スピーカ)2を有する両端が閉じた一次元音場1の波動方程式は、以下に示す(1)式で与えられる。なお、一次元音場とは、音圧が所定の軸方向xのみに応じて変化する音場をいう。
Figure 2009159385
ここで、xはマイクロホンの位置を、ωは角周波数を、p(x,ω)は音圧を、qm はm番目のスピーカへの入力信号を、lm はm番目のスピーカの位置を、Mは全スピーカ数を、ξn′は第n′モードの壁面での減衰比を、N′は全モード数を、Lは音場の長さを、ωn′(=n′πc0 /L)は音場の固有各周波数を、ρ0 は空気密度を、c0 は音速を、δ(n′)はn′=0の時1でn′≠0の時0となるクロネッカのデルタ関数をそれぞれ示している。
また、(1)式において、
Figure 2009159385
Figure 2009159385
であり、an′(ω)は第n′モードの振幅であり、ψn′(x)は第n′モードの固有関数を示している。上述した(1)式において、p(x,ω)は一次元音場内におけるマイクロホンの距離xにおける音圧であるから、一次元音場内のK個の点(x1 ,x2 ,…,xK )にマイクロホンを設置した場合の各マイクロホンでの音圧p(x,ω)は、以下のマトリクス表記で表される。
Figure 2009159385
ここで、
Figure 2009159385
である。(4)式を、モード固有関数Ψを用いて書き直すと、
Figure 2009159385
となる。(6)式の両辺に固有マトリクス(モード固有関数)の逆行列(逆モード固有関数)Ψ-1を左からかけることにより、以下の(7)式が得られる。
Figure 2009159385
(7)式より、各マイクロホンでの音圧p(xk,ω)から各モードの振幅an′(ω)を求めることができる。以上の手順によって音圧分布のモード分解が行われる。
図17は、モード分解手法を適用して構成したモード分解部の具体例を示す図である。同図に示すモード分解部10は、M個のスピーカ2、K個のマイクロホン4、マイクロホン4の音圧からN個のモード振幅を導出するモード分解フィルタ6を備えている。M個のスピーカ2に信号q1 〜qM が入力されて、音響系Cの一次元音場に音が放射された場合の各マイクロホン4における音圧p1 〜pK は、それぞれ(4)式で与えられる。モード分解フィルタ6は、これらの音圧p1〜pK が入力され、(7)式によってモード0からモードN−1のモード振幅a0 〜aN-1 を算出して出力する。
以上では、一次元音場の場合のモード制御について説明したが、2次元音場、3次元音場の場合も同様に考えることができる。3次元音場の場合の波動方程式は、上述した(1)式の代わりに、以下の(8)式を用いる。
Figure 2009159385
但し、x1,x2,x3 はマイクロホンの縦、横、高さの位置を、ωは角周波数を、p(x1,x2,x3,ω)は音圧を、qm はm番目のスピーカへの入力信号を、l1m,l2m,l3mはm番目のスピーカの縦、横、高さの位置を、Mは全スピーカ数を、ξn1,ξn2,ξn3 は第n′1 ,n′2 ,n′3 モードの壁面での減衰比を、N′は全モード数を、L1 ,L2 ,L3 は音場の縦、横、高さの長さを、
ωn1,n2,n3 (=πc0 {(n′1 /L1 )2 +(n′2 /L2 )2 +(n′3 /L3 )2})
は音場の固有各周波数を、ρ0 は空気密度を、c0は音速をそれぞれ示している。
特許3539855号
上記従来技術は、音響空間モード分解フィルタを生成するために使用するモード固有関数は
Figure 2009159385
である。かかるモード固有関数を使用できる条件は音場内の壁(一次元音場では前端、後端の壁)の位置で定在波が最大振幅を取る必要があり、向かい合った壁が平行で、音波を全反射する場合に成り立つ。しかし、実際の車室内は対向する前後のガラス面あるいは左右のガラス面が平行になっておらず、また、特に低い周波数の音は車室外に透過し、(9)式を使用できる状態になっていない。すなわち、従来技術は、1次モードに着目すると、図18に示すように音圧レベルが前後方向の中央部で0になり、前端Fと後端Rにおける音圧レベルの絶対値が等しくなるように1次モードの音圧が車室内に発生する理想的な状態を想定している。しかし、実際には車室内の1次モードの音圧レベルは図19に示すように(図19では音圧の絶対値を示している)、最低レベル位置は中央より前方向にシフトしており、また、前端Fと後端Rにおける音圧レベルの絶対値は異なり、相当の差があり、理想状態からずれている。それにもかかわらず、従来技術は、モード分解フィルタを生成するために(9)式を用いているため、モード空間周波数の振幅を正確に分解できず、所望の性能を得ることができない問題がある。
以上から本発明の目的は、実際の自動車室内で、音響空間モード分解フィルタに用いる関数が理論条件を満たさない場合でも、性能を落とさずに音響空間モード(定在波)の制御を実現できるようにすることである。
本発明の別の目的は、車室内の実際の音圧特性を考慮したモード固有関数を正しく決定することである。
本発明の別の目的は、車室内の実際の音圧特性を考慮したモード固有関数を用いてモード分解フィルタを生成することである。
本発明の別の目的は、モード分解フィルタによりモード空間周波数の振幅を正確に分解して所望の音圧分布(平坦な音圧分布)が得られるように制御することである。
・音場制御装置
本発明の第1は、入力信号を音響空間に放射する複数のスピーカ、前記複数のスピーカから放射された音声を集音する複数のマイクロホンを備え、各マイクロホンの出力信号に基づいて音圧分布をモード分解し、各モードのモード振幅が所定の値になるように制御する音場制御装置である。この音場制御装置は、前記複数のマイクロホンの出力信号に基づいて音圧分布をモード分解するモード分解フィルタ、前記モード分解フィルタによって分解された各モードのモード振幅が所定の値になるように、前記複数のスピーカに入力される前記入力信号を制御する制御用フィルタ、前記音響空間における音圧分布を測定し、前記振幅制御すべきモードの空間周波数の正弦関数及び余弦関数を用いて前記音響空間における音圧分布を模擬し、該模擬した音圧分布が前記測定した音圧分布と同等となるようにモード空間周波数を補正する音圧分布模擬部を備え、前記得られたモード空間周波数に基づいて前記モード分解フィルタを生成する。
前記音圧分布模擬部は、前記モード空間周波数、前記正弦関数及び余弦関数の振幅をパラメータとして一般調和解析により前記音響空間における音圧分布を表現する音圧分布表現部、該表現した音圧分布が前記測定した音圧分布と同等となるようにモード空間周波数を補正し、かつ、前記補正されたモード空間周波数を用いて前記正弦関数及び余弦関数の振幅を決定するパラメータ決定部を備えている。
また、前記音圧分布模擬部は、各スピーカから測定音を放射して各マイクロホンまでのインパルス応答を測定するインパルス応答測定部、該インパルス応答をフーリエ変換して伝達特性を取得する伝達特性取得部、前記伝達特性を用いて各マイクロホンにおける前記振幅制御するモードの音圧を算出する第1音圧算出部、前記モード空間周波数、前記正弦関数及び余弦関数の振幅をパラメータとして一般調和解析により前記音響空間における音圧分布を表現する音圧分布表現部、各マイクロホンにおける前記振幅制御するモードの音圧を前記正弦関数及び余弦関数の振幅を用いて計算する第2音圧算出部、各マイクロホンにおける前記第1、第2の音圧算出部で算出した音圧差のパワーの総和が最小となるように前記モード空間周波数を補正し、かつ、前記補正されたモード空間周波数(補正モード空間周波数)を用いて前記正弦関数及び余弦関数の振幅を決定するパラメータ決定部を備えている。
音場制御装置は、更に、振幅制御すべきモードのモード空間周波数を算出するモード空間周波数算出部を備え、前記パラメータ決定部は、該計算されたモード空間周波数を含む所定範囲内において前記一般調和解析表現におけるモード空間周波数を可変して前記パワーの総和が最小となるモード空間周波数を求め、該モード空間周波数を前記補正モード空間周波数とする。
音場制御装置は、更に、前記振幅制御すべきモードのモード中心周波数を算出するモード中心周波数算出部を備え、前記第1音圧算出部は、前記振幅制御すべきモードのモード中心周波数における前記伝達関数の実数部分及び虚数部分を計算し、該実数部分が正であれば、前記実数部分と虚数部分の二乗の和の平方根を正の音圧として出力し、負であれば前記平方根を負の音圧として出力する音圧計算部を備えている。
音場制御装置は、更に、前記振幅制御すべきモードのモード中心周波数を算出するモード中心周波数算出部を備え、前記第1音圧算出部は、モード中心周波数より低い所定の周波数範囲内において、前記マイクロホンの音圧差が最大となる周波数を取得し、該周波数でモード中心周波数を補正するモード中心周波数補正部、前記補正モード中心周波数における前記伝達関数の実数部分及び虚数部分を計算し、該実数部分が正であれば、前記実数部分と虚数部分の二乗の和の平方根を正の音圧として出力し、負であれば前記平方根を負の音圧として出力する音圧計算部を備えている。
音場制御装置は、更に、前記振幅制御すべきモードのモード中心周波数を算出するモード中心周波数算出部を備え、前記第1音圧算出部は、モード中心周波数より低い所定の周波数範囲内において、前記所定マイクロホンの音圧が最大となる周波数を取得し、該周波数でモード中心周波数を補正するモード中心周波数補正部、前記補正モード中心周波数における前記伝達関数の実数部分及び虚数部分を計算し、該実数部分が正であれば、前記実数部分と虚数部分の二乗の和の平方根を正の音圧として出力し、負であれば前記平方根を負の音圧として出力する音圧計算部を備えている。
・音場制御方法
本発明の第2は、入力信号を音響空間に放射する複数のスピーカ、前記複数のスピーカから放射された音声を集音する複数のマイクロホン、前記複数のマイクロホンの出力信号に基づいて音圧分布をモード分解するモード分解フィルタ、前記モード分解フィルタによって分解された各モードのモード振幅が所定の値になるように、前記複数のスピーカに入力される前記入力信号を制御する制御用フィルタを備えた音場制御装置の音場制御方法である。この音場制御方法は、前記音響空間における音圧分布を測定する第1ステップ、前記振幅制御すべきモードの空間周波数の正弦関数及び余弦関数を用いて前記音響空間における音圧分布を模擬する第2ステップ、該模擬した音圧分布が前記測定した音圧分布と同等となるようにモード空間周波数を補正する第3ステップ、前記補正により得られたモード空間周波数(補正モード空間周波数)に基づいて、前記モード分解フィルタを生成する。
前記第2ステップは、前記モード空間周波数、前記正弦関数及び余弦関数の振幅をパラメータとして一般調和解析により前記音響空間における音圧分布を表現するステップ、前記第3ステップにおいて、該表現した音圧分布が前記測定した音圧分布と同等となるようにモード空間周波数を補正し、かつ、前記補正されたモード空間周波数を用いて前記正弦関数及び余弦関数の振幅を決定するステップを有している。
以上から本発明によれば、音響空間における音圧分布を測定し、振幅制御すべきモードの空間周波数の正弦関数及び余弦関数を用いて前記音響空間における音圧分布を表現し、該表現した音圧分布が前記測定した音圧分布と同等となるようにモード空間周波数を補正し、前記補正により得られたモード空間周波数に基づいて、モード分解フィルタのフィルタ係数を決定するようにしたから、実際の自動車室内で、音響空間モード分解フィルタに用いる関数が理論条件を満たさない場合でも、性能を落とさずに音響空間モード(定在波)の制御を実現できる。
また、車室内の実際の音圧特性を考慮してモード分解フィルタを生成することができ、このモード分解フィルタによりモード空間周波数の振幅を分解でき、結果的に所望の音圧分布(平坦な音圧分布)を車室内に生成することができる。
本発明によれば、モード空間周波数、正弦関数及び余弦関数の振幅をパラメータとして一般調和解析により前記音響空間における音圧分布を表現し、該表現した音圧分布が前記測定した音圧分布と同等となるようにモード空間周波数を補正し、かつ、前記補正されたモード空間周波数を用いて前記正弦関数及び余弦関数の振幅を決定するため、正確に車室内の実際の音圧特性を考慮したモード固有関数を決定することができる。また、該モード固有関数を用いてモード分解フィルタのフィルタ係数を決定するようにしたから、モード空間周波数の振幅を正確に分解でき、結果的に所望の音圧分布(平坦な音圧分布)を車室内に生成することができる。
(A)車室内音響空間
図1は本発明を適用する車室内音響空間の説明図であり、説明を簡単にするために1次元音場(車両前後方向)についての制御を説明するが、2次元、3次元音場に適宜拡張することができる。
車両CARの車室内に2つのスピーカSPKi(i=1,2)、2つのマイクロホンMICi(i=1,2)が設けられている。前後方向の長さ2.048m(メートル)を16等分して分割点に番号1、2、3、・・・17を割り振ったとき、マイクロホンMIC1は分割点4の所定高さの聴取点位置に配置され、マイクロホンMIC2は分割点14の所定高さの聴取点位置に配置されている。SPK1は車両前方に設けられ、SPK2は車両後方に設けられている。FGLはフロントガラス、RGLはリアガラス、STFは前座席、STRは後座席である。
(B) モード分解フィルタ生成装置の構成
図2は本発明のモード分解フィルタ(図17参照)を生成する装置の構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付している。この生成装置では、振幅制御すべきモードの空間周波数の正弦関数及び余弦関数を用いて音響空間における実際の音圧分布(例えば図19参照)を表現し、該表現した音圧分布が実際の音圧分布と同等となるようにモード空間周波数及び正弦関数、余弦関数の振幅値を補正し、補正により得られたモード空間周波数(補正モード空間周波数)および正弦関数、余弦関数の振幅値により実際の音圧分布を模擬し、模擬結果に基づいて、モード分解フィルタを生成する。
そのために、まず、制御したい音響空間モード(定在波)の数と同数のマイクロホンを音響空間に等間隔に配置する。ただし、0次音響空間モードは全音響空間均一音場モードであるため必ず制御対象とする。このため、最低2個以上のマイクロホンを配置する必要がある。またマイクの設置位置は、ユーザーのリスニングポイントの高さでの水平断面上であり、制御したい音響空間モードが発生する方向の一方の壁面近くとする。図1は制御したい音響空間モードを0次音響空間モードと1次空間モードをとした場合のマイクロホンの配置例である。すなわち、車室内の音圧特性が図19であるとすれば、複数の音響空間モードのうち1次空間モードが支配的であるため、制御したい音響空間モードを0次音響空間モードと1次空間モードとしている。
ついで、ユーザーのリスニングポイントの高さでの水平断面の前後寸法をL1として設定する。又、制御したい音響空間モードの前後方向の次数n1(図1の例ではn1=1)を設定する。
モード中心周波数演算部11は次式
Figure 2009159385
により理論的なモード中心周波数fidを計算する。(10)式は、1次元音場の長さLfidをfcと表現する。
又、モード空間周波数計算部12は次式
Figure 2009159385
によりモード空間周波数Fid1を計算する。
ついで、伝達特性を測定するために、各スピーカSPK1,SPK2により同時に測定音を発生し、インパルス応答測定部13は各マイクロホンMIC1,MIC2の検出信号よりインパルス応答IRk(k=1,2)を測定する。図3の(A)は分割点14に配置されたマイクロホンMIC2のインパルス応答例、(B)は分割点4に配置されたマイクロホンMIC1のインパルス応答例である。
伝達特性生成部14は各測定インパルス応答をフーリエ変換して伝達特性 Hk(xk、fc)(k=1,2)を得る。xk(k=1,2)はマイクロホン位置座標である。
各マイクロホンにおける伝達特性が求まれば、音圧分布算出部15は次式に従い、周波数fcでの音圧分布 p(xk,fc) を計算する。Re( )は複素数の実部を意味し、Im( )は虚部を意味する。
Figure 2009159385
すなわち、音圧分布算出部15は振幅制御すべきモードのモード中心周波数fcにおける前記伝達関数の実数部分及び虚数部分を計算し、該実数部分が正であれば、前記実数部分と虚数部分の二乗の和の平方根を正の音圧として出力し、負であれば前記平方根を負の音圧として出力する
音圧分布模擬部16は、モード空間周波数、その正弦関数及び余弦関数の振幅をパラメータとして一般調和解析により車室内の音響空間における音圧分布を模擬する。すなわち、車室内には図14で説明したように複数の音響空間モード(定在波)が存在し、それらが合成して車室内の所定観測点における音圧となる。このため、車室内の音響特性はモード空間周波数及びその正弦関数、余弦関数を用いて一般調和解析により表現でき、xの位置の音圧p′(x,ω)は一般的に次式
Figure 2009159385
により表現できる。ただし、K はマイクロホン数、xkは各マイクロホン位置、Nは音響空間モード数、Fnは音響空間モードnのモード空間周波数である。ここで、図1のように、制御すべき音響空間モードを0、1次とすれば、(13a)においてN=1である。
ところで、図19よりわかるように車室内の音圧特性は一次モードの音圧特性に類似しているが、前よりに位相がシフトしている。これは、モード空間周波数がn1/2(=0.5)よりずれていることを意味している。そこで、音圧分布模擬部16は、(13a)式におけるFnをn1/2(=0.5)を含む所定の範囲で可変すると共に、その正弦関数、余弦関数の係数an、bnを調整して、(13a)式で模擬する音圧分布が前記測定した音圧分布p(xk,fc)と同等となるようにする。すなわち、次式
Figure 2009159385
が最小となるように一次空間モード周波数Fnを調整する。換言すれば、音圧分布模擬部16は、各マイクロホン位置における実際の音圧と模擬した音圧の差の二乗の総和が最小となるようにFn、an、bnを決定してモード分割フィルタ生成部17に入力する。
モード分割フィルタ生成部17は、入力されたFn、an、bn(Fn1、an1、bn1と表現する)を用いて次式により実際の自動車室内での音響空間モード分解フィルタに用いる固有関数を得る。
Figure 2009159385
モード分割フィルタ生成部17は、上式より(4)式のモード分割フィルタのΨを決定する。図1の場合は次式により、
Figure 2009159385
のマトリクス要素を計算してモード分割フィルタのΨを決定する。ψ01、ψ02は共に1、ψ11は(15)式においてxkとして第1マイクロホンMIC1の位置x1を入力したときの(15)式の値、ψ22は(15)においてxkとして第2マイクロホンMIC2の値を入力したときの(15)式の値である。
以上により決定したモード分割フィルタを図17のモード分割フィルタ6として用いて音圧を制御すると、図4の実線で示すように音場全域に渡って平坦に近い音圧分布特性を得ることができた。すなわち、制御後は制御前に比べて、音圧分布上のピーク・ディップが10dB程度軽減され、より平坦な特性に近づけることができた。
以上では1次元音場の場合について説明したが、2次元音場、3次元音場に拡張することができる。2次元音場の場合には、自動車室内での音響空間モード分解フィルタに用いる固有関数は
Figure 2009159385
となる。ただし、L1,L2は音場の前後、左右方向の寸法である。又、n1、n2は制御した音響空間モードの前後、左右方向のモード次数である。
また、3次元音場の場合には、自動車室内での音響空間モード分解フィルタに用いる固有関数は
Figure 2009159385
となる。
以上により、実際の自動車室内で、音響空間モード分解フィルタに用いる関数が理論条件を満たさない場合でも、性能を落とさずに定在波の制御を実現できる。
(C)モード分解フィルタ生成装置の別の構成
図5は本発明のモード分解フィルタを生成する装置の別の構成図であり、図2と同一部分には同一符号を付している。異なる点は、実際のモード中心周波数を求める実中心周波数計算部21を設けている点である。図19より明らかなように車室内の両端の音圧レベルの絶対値が異なっている。これは波長が正規な長さより長くなっているためであり、中心周波数fcも低くなっている。
図6の(A)はマイクロホンMIC2の伝達特性(ゲイン周波数特性)、(B)はマイクロホンMIC1の伝達特性である。伝達特性は理論的なモード中心周波数fc(=fid)でピークを示すはずである。しかし、図6(A)よりピークが低周波数側にずれている。そこで、第1の方法では、中心周波数を、ピークを示す周波数fc′に変更する。そして、以後、この周波数fc′をfcとして第1のモード分解フィルタ生成装置と同様の制御をする。このようにモード中心周波数を変更することにより、平坦特性を向上することができる。
ところで、図6(B)では周波数fc′ではピークを示していない。そこで、第2の方法では、理論的なモード中心周波数 fidより低く、かつその近傍の周波数で、マイク位置の違いにより音圧差が最も大きくなる周波数を実際のモード中心周波数とする。そして、以後、この周波数をfcとして第1のモード分解フィルタ生成装置と同様の制御をする。このようにモード中心周波数を変更することにより平坦特性を向上することができる。
音圧差が最も大きくなる周波数を実際のモード中心周波数とする理由は、図7を参照すると以下の通りである。ただし、図7の(A)は車室内の各位置における70Hzの音圧分A布及び140Hzの音圧分布Bであり、図7の(B)は位置x1における周波数特性、図7の(C)配置x2における周波数特性である。(A)より明らかなように周波数に応じて音響空間内の音圧分布は変化し、これにより(B)、(C)に示すように各位置(例えばx1,、x2)での周波数特性上のピークやディップが発生する。本発明の目的は音圧分布の平坦特性を向上すること、すなわち、位置が異なることによりある周波数の音圧分布の差が大きく場合、該周波数の音圧分布を補正することである。このため、音圧差が大きくなる周波数を実際のモード中心周波数として採用するのである。
(D)第1の音場制御装置
図8は第1実施形態の音場制御装置の概略構成を示す図であり、音場制御装置は、図2または図5で生成したモード分解フィルタを備え、かつ、時間領域で動作するLMSアルゴリズムによって制御される適応フィルタを備えている。
すなわち、第1実施形態の音場制御装置は、タップ数がIのM個の適応フィルタを含む制御用フィルタ102と、M個のスピーカ104と、K個のマイクロホン106と、マイクロホン106の各音圧pからN′個のモード振幅を導出するモード分解手段としてのモード分割フィルタ108と、目標とするモード振幅に対する各モード振幅の誤差を算出するN′個の演算部110と、各モードの誤差に重み付けを行うN′個のモード領域誤差重み付け部112と、モード領域の誤差を時間領域の誤差に変換する領域変換フィルタ114とを備えている。
m番目の制御用フィルタ102の出力信号ym (n)は、入力信号u(n)と制御用フィルタ102の係数wm との畳み込みとして、以下の(10)式のように表される。
Figure 2009159385
この出力信号ym (n)がm番目のスピーカ104に入力されて、音響系Cの一次元音場に音が放射され、各マイクロホン106に取り込まれる。k番目のマイクロホン106における音圧pk (n)は、次式で与えられる。
Figure 2009159385
ここで、ckm(j)はm番目のスピーカ104からk番目のマイクロホン106までの音響系Cのjタップ目の係数を、wm (i)はm番目の制御用フィルタ102のiタップ目の係数をそれぞれ示している。(18)式を行列表現で書き直すと、
Figure 2009159385
となる。モード振幅a(n)は、(19)式で得られたマイクロホン106における音圧p(n)に対して、(7)式と同様の手法でモード分解を行うことにより求めることができる。すなわち、モード分割フィルタ108は、
Figure 2009159385
で与えられる演算によってモード振幅a(n)を導出する。
一方、目標応答設定部(後述する)から出力されるk番目の目標インパルス応答の出力dk (n)は、以下の(21)式で与えられる。
Figure 2009159385
ここで、hk (s)はk番目の目標インパルス応答のsタップ目の係数を示している。(21)式を行列表現で書き直すと、
Figure 2009159385
目標応答のモード振幅d′(n)は、(22)式で得られた目標応答信号d (n)に対して(7)式と同様の手法でモード分解を行うことにより求めることができる。したがって、目標応答のモード振幅d′(n)は、
Figure 2009159385
モード領域における誤差e′(n)は、(23)式で与えられる目標応答のモード振幅d′(n)から(20)式で与えられるモード振幅a(n)を引くことによって求めることができる。したがって、演算部110は、
Figure 2009159385
で与えられる演算によって、モード領域における誤差e′(n)を導出する。
次に、モード領域誤差重み付け部112は、制御するモードを選択するためにモード領域の誤差e′(n)(e′0 (n)〜e′N-1 (n))に対して、重み付け係数B(b0 〜bN-1)による重み付けを行う。領域変換フィルタ114は、この重み付けされたモード領域の誤差にモード固有関数Ψをかけて時間領域の誤差e(n)を算出する。モード領域の誤差e′(n)に対する重み付けと、重み付けされたモード領域の誤差から時間領域の誤差への変換は、
Figure 2009159385
ここで、時間領域における誤差ベクトルe(n)の瞬時パワーe(n)T e(n)をフィルタ係数wで偏微分することによって誤差特性曲面の勾配ベクトルの瞬時推定値を求めると、
Figure 2009159385
となる。したがって、制御用フィルタ102の係数の更新は、次式によって行われる。
Figure 2009159385
ここで、μはLMSアルゴリズムのステップサイズパラメータである。
図9は、第1の音場制御装置の全体構成を示す図である。同図に示すように、音場制御装置100は、タップ数Iの個の適応フィルタを含む制御用フィルタ102、M個のスピーカ104、K個のマイクロホン106、モード分割フィルタ108、N′個の演算部110、N′個のモード領域誤差重み付け部112、領域変換フィルタ114、目標応答設定部116、モード分割フィルタ118、フィルタードx部120、LMSアルゴリズム処理部122を備えている。
制御用フィルタ102、スピーカ104、マイクロホン106、モード分割フィルタ108、演算部110、モード領域誤差重み付け部112、領域変換フィルタ114は、それぞれ図8で説明した動作を行う。
目標応答設定部116は、再現したい音場空間に対応する特性(目標応答特性H)、例えば制御用フィルタ102を構成するフィルタのタップ数の半分程度の遅延時間を有する特性が設定されている。モード分割フィルタ118は、目標応答設定部116から出力される目標応答信号からN′個のモード振幅を導出して、演算部110に出力する。
フィルタードx部120は、入力信号u(n)から参照信号を作成するためのフィルタである。具体的には、フィルタードx部120は、上述したC^、Ψ−1、B、Ψ野各特性を有するフィルタを直列接続して構成されている。LMSアルゴリズム処理部122は、領域変換フィルタ114から出力される時間領域の誤差信号e(n)及びフィルタードx部120から出力される参照信号に基づいて、上述した(27)式にしたがって制御用フィルタ102を構成する適応フィルタのフィルタ係数を調整する。
このように、音圧分布をモード分解して、振幅の大きいモード、すなわち音響空間の伝達特性に悪影響を与えるモードを制御することにより、音響空間全体の伝達特性を補正することが可能となる。
なお、以上では一般的にN′個のモードを対象とした例であるが、対象モードを0次と1次、あるいは0次と2次のようにN′=2とすれば、Ψは(16)式で説明したように2×2のマトリックスになる。また、対象モードを0次と1次と2次のようにN′=3とすれば、Ψは3×3のマトリックスになる。図10は音響系に含まれる各モードの周波数特性である。同図に示すように、低次になるほどモード振幅が大きくなるから、低次のモードのみを制御することによってほぼ目的とする音響特性を実現することができ、しかも処理量を減らすことができる。以上のことは、次の第2の音場制御装置にも言えることである。
(E)第2の音場制御装置
第1の音場制御装置は、時間領域で適応フィルタが動作するアルゴリズムを有しているが、モード領域で適応フィルタを動作させるアルゴリズムにしたがって動作するように構成することができる。モード領域で動作させるには、モード領域で計算した誤差をそのまま適応フィルタの係数更新に用いるようにすればよい。
図11は、第2の音場制御装置の概略構成を示す図である。同図に示すように、本実施形態の音場制御装置は、音響系Cを模擬する音響系モデリングフィルタ202と、音響系モデリングフィルタ202から出力される信号(音圧)からN′個のモード振幅を導出するモード分割フィルタ204と、タップ数IのN′個の適応フィルタを含む制御用フィルタ206と、制御用フィルタ206から出力されるモード領域の信号を時間領域の信号に変換する領域変換フィルタ208と、音響系モデリングフィルタ202によって模擬された音響系C^を元に戻す音響系逆フィルタ210と、M個のスピーカ212と、K個のマイクロホン214と、マイクロホン214の音圧からN′個のモード振幅を導出するモード分割フィルタ216と、各モードの誤差を算出するN′個の演算部218と、各モードの誤差に重み付けを行うN′個のモード領域誤差重み付け部220とを備えている。
モード領域で適応フィルタを動作させようとすると、制御用フィルタ206の係数はモード領域で得られるため、制御用フィルタ206への入力信号はモード領域の信号でなければならない。このため、一旦、入力信号u(n)を実際の音響系Cと同等の特性を有する音響系モデリングフィルタ202に通し、その後にモード分割フィルタ204によって、音響系モデリングフィルタ202から出力される時間領域の信号をモード領域の信号に変換している。
また、実際にスピーカ212から音を出力する場合には、スピーカ212に入力される信号は時間領域の信号でなければならない。このため、領域変換フィルタ208によって、制御用フィルタ206から出力されるモード領域の信号を再び時間領域の信号に変換している。また、領域変換フィルタ208から出力される時間領域の信号は、音響系モデリングフィルタ202によって音響系C^を通した後の信号(マイクロホン214の位置に相当する信号)であるため、これを音響系逆フィルタ210に通すことにより、スピーカ212の位置に相当する信号に戻している。
ところで、音響系Cをモデリングした音響系モデリングフィルタ202のk番目の出力信号pk (n)は、入力信号u(n)と音響系モデリングフィルタ202の畳み込みとして、
Figure 2009159385
で表される。(28)式を行列表現で書き直すと、
Figure 2009159385
となる。モデリングフィルタ出力のモード振幅a^(n)は、(29)式で得られた音響系モデリングフィルタ202の出力信号p^(n)に対して、逆モード固有関数Ψ-1を掛けることにより求めることができる。したがって、モード分割フィルタ204は、
Figure 2009159385
で与えられる演算によってモード振幅a^(n)を導出する。このモード振幅a^(n)が制御用フィルタ206の入力信号となる。したがって、制御用フィルタ206の出力信号y(n)は、
Figure 2009159385
となる。(31)式は、次式
Figure 2009159385
で示すように書き換えることもできる。
次に、領域変換フィルタ208は、モード領域の信号である制御用フィルタ206の出力信号y(n)にモード固有関数Ψをかけて時間領域の信号に変換する。さらに、この時間領域の信号は音響系モデリングフィルタ202によって音響系C^に模擬された信号であるため、音響系逆フィルタ210は、音響系C^の逆フィルタFを欠けて元に戻している。したがって、音響系逆フィルタ210の出力信号y′(n)は、
Figure 2009159385
となる。この出力信号y′(n)がスピーカ212に入力されて音響系Cの一次元音場に音が放射され、マイクロホン214によって取り込まれる。マイクロホン214での音圧p(n)は、
Figure 2009159385
である。モード振幅a(n)は、(33)式で得られたマイクロホン214での音圧p(n)に対して(7)式と同様の手法でモード分解を行うことにより求めることができる。したがって、モード分割フィルタ216は、
Figure 2009159385
で表される演算によってモード振幅a(n)を導出する。一方、目標応答のモード振幅d′(n)は、(33)式と同様に、
Figure 2009159385
で与えられる。モード領域における誤差e′(n)は、(34)式で与えられる目標応答のモード振幅d′(n)から(33)式で与えられるモード振幅a(n)を引くことによって求めることができる。したがって、演算部218は、
Figure 2009159385
で与えられる演算を行うことによって、モード領域における誤差e′(n)を算出する。
次に、モード領域誤差重み付け部220は、以下の(38)式にしたがって、モード領域の誤差e′(n)に対して重み付け係数Bによる重み付けを行う。
Figure 2009159385
ここで、モード領域における重み付け誤差ベクトルe(n)の瞬時パワーe(n)T e(n)をフィルタ係数wで偏微分することによって誤差特性曲面の勾配ベクトルの瞬時推定値を求めると、
Figure 2009159385
となる。したがって、制御用フィルタ206の係数の更新は、次式によって行われる。
Figure 2009159385
ここで、μはLMSアルゴリズムのステップサイズパラメータであり、毎回の繰り返しにおける補正の大きさを制御する係数である。
次に、第2の音場制御装置の詳細構成について説明する。図12は、第2の音場制御装置の全体構成を示す図である。同図に示すように、音場制御装置200は、音響系モデリングフィルタ202、モード分割フィルタ204、タップ数IのN′個の適応フィルタを含む制御用フィルタ206、領域変換フィルタ208、音響系逆フィルタ210、M個のスピーカ212、K個のマイクロホン214、モード分割フィルタ216、N′個の演算部218、N′個のモード領域誤差重み付け部220、目標応答設定部222、モード分割フィルタ224、フィルタードx部226、LMSアルゴリズム処理部228を備えている。
音響系モデリングフィルタ202、モード分割フィルタ204、制御用フィルタ206、領域変換フィルタ208、音響系逆フィルタ210、スピーカ212、マイクロホン214、モード分割フィルタ216、演算部218、モード領域誤差重み付け部220は、それぞれ図8で説明した動作を行う。
目標応答設定部222は、再現したい音場空間に対応する特性(目標応答特性H)、例えば、音響系逆フィルタ210を構成するフィルタのタップ数の半分程度の遅延時間を有する特性が設定されている。モード分割フィルタ224は、目標応答設定部222から出力される目標応答信号からN′個のモード振幅を導出して、演算部218に出力する。フィルタードx部226は、モード分割フィルタ204の出力信号であるモード振幅a^(n)から参照信号を作成するためのフィルタである。具体的には、フィルタードx部226は、上述したΨ、C、F、Ψ-1、Bの各特性を有するフィルタを直列接続して構成されている。LMSアルゴリズム処理部228は、モード領域誤差重み付け部220から出力されるモード領域の誤差信号e(n)およびフィルタードx部226から出力される参照信号に基づいて、上述した(40)式にしたがって制御用フィルタ206を構成する適応フィルタのフィルタ係数を調整する。
このように、モード領域で制御用フィルタ206による制御を行うことにより、振幅の大きいモード、すなわち音響空間の伝達特性に悪影響を与えるモードを制御することができ、音響空間全体の伝達特性を補正することが可能となる。
本発明を適用する車室内音響空間の説明図である。 本発明のモード分解フィルタを生成する装置の構成図である。 インパルス応答例である。 本発明により音場全域に渡って得られる音圧分布特性である。 本発明のモード分解フィルタを生成する装置の別の構成図である。 伝達特性(ゲイン周波数特性)である。 モード中心周波数決定法の説明図である。 第1の音場制御装置の概略構成を示す図である。 第1の音場制御装置の全体構成を示す図である。 音響系に含まれる各モードの周波数特性である。 第2の音場制御装置の概略構成を示す図である。 第2の音場制御装置の全体構成を示す図である。 オーディオ装置に適用される適応等化システムの構成を示す図である。 モードの振幅状態を示す図である。 音響空間におけるモード状態説明図である。 従来の音場制御説明図である。 従来のモード分解手法を適用して構成したモード分解部の具体例を示す図である。 車室内における音圧レベル説明図である。 車室内の1次モードの音圧レベルである。
符号の説明
11 モード中心周波数演算部
12 モード空間周波数計算部
13 インパルス応答測定部
14 伝達特性生成部
15 音圧分布算出部
16 音圧分布模擬部
17 モード分割フィルタ生成部

Claims (16)

  1. 入力信号を音響空間に放射する複数のスピーカ、前記複数のスピーカから放射された音声を集音する複数のマイクロホンを備え、各マイクロホンの出力信号に基づいて音圧分布をモード分解し、各モードのモード振幅が所定の値になるように制御する音場制御装置において、
    前記複数のマイクロホンの出力信号に基づいて音圧分布をモード分解するモード分解フィルタ、
    前記モード分解フィルタによって分解された各モードのモード振幅が所定の値になるように、前記複数のスピーカに入力される前記入力信号を制御する制御用フィルタ、
    前記音響空間における音圧分布を測定し、前記振幅制御すべきモードの空間周波数の正弦関数及び余弦関数を用いて前記音響空間における音圧分布を模擬し、該模擬した音圧分布が前記測定した音圧分布と同等となるようにモード空間周波数を補正する音圧分布模擬部、
    を備え、前記得られたモード空間周波数に基づいて前記モード分解フィルタを生成する、
    ことを特徴とする音場制御装置。
  2. 前記音圧分布模擬部は、前記補正されたモード空間周波数を用いて前記正弦関数及び余弦関数の振幅を決定する手段、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の音場制御装置。
  3. 前記音圧分布模擬部は、
    前記モード空間周波数、前記正弦関数及び余弦関数の振幅をパラメータとして一般調和解析により前記音響空間における音圧分布を表現する音圧分布表現部、
    該表現した音圧分布が前記測定した音圧分布と同等となるようにモード空間周波数を補正し、かつ、前記補正されたモード空間周波数を用いて前記正弦関数及び余弦関数の振幅を決定するパラメータ決定部、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の音場制御装置。
  4. 前記音圧分布模擬部は、
    各スピーカから測定音を放射して各マイクロホンまでのインパルス応答を測定するインパルス応答測定部、
    該インパルス応答をフーリエ変換して伝達特性を取得する伝達特性取得部、
    前記伝達特性を用いて各マイクロホンにおける前記振幅制御するモードの音圧を算出する第1音圧算出部、
    前記モード空間周波数、前記正弦関数及び余弦関数の振幅をパラメータとして一般調和解析により前記音響空間における音圧分布を表現する音圧分布表現部、
    各マイクロホンにおける前記振幅制御するモードの音圧を前記正弦関数及び余弦関数の振幅を用いて計算する第2音圧算出部、
    各マイクロホンにおける前記第1、第2の音圧算出部で算出した音圧差のパワーの総和が最小となるように前記モード空間周波数を補正し、かつ、前記補正されたモード空間周波数(補正モード空間周波数)を用いて前記正弦関数及び余弦関数の振幅を決定するパラメータ決定部、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の音場制御装置。
  5. 音場制御装置は更に振幅制御すべきモードのモード空間周波数を算出するモード空間周波数算出部を備え、
    前記パラメータ決定部は、該計算されたモード空間周波数を含む所定範囲内において前記一般調和解析表現におけるモード空間周波数を可変して前記パワーの総和が最小となるモード空間周波数を求め、該モード空間周波数を前記補正モード空間周波数とする、
    ことを特徴とする請求項4記載の音場制御装置。
  6. 音場制御装置は更に前記振幅制御すべきモードのモード中心周波数を算出するモード中心周波数算出部を備え、
    前記第1音圧算出部は、前記振幅制御すべきモードのモード中心周波数における前記伝達関数の実数部分及び虚数部分を計算し、該実数部分が正であれば、前記実数部分と虚数部分の二乗の和の平方根を正の音圧として出力し、負であれば前記平方根を負の音圧として出力する音圧計算部、
    を有することを特徴とする請求項4記載の音場制御装置。
  7. 音場制御装置は更に前記振幅制御すべきモードのモード中心周波数を算出するモード中心周波数算出部を備え、
    前記第1音圧算出部は、
    モード中心周波数より低い所定の周波数範囲内において、前記マイクロホンの音圧差が最大となる周波数を取得し、該周波数でモード中心周波数を補正するモード中心周波数補正部、
    前記補正モード中心周波数における前記伝達関数の実数部分及び虚数部分を計算し、該実数部分が正であれば、前記実数部分と虚数部分の二乗の和の平方根を正の音圧として出力し、負であれば前記平方根を負の音圧として出力する音圧計算部、
    を備えたことを特徴とする請求項4記載の音場制御装置。
  8. 音場制御装置は更に前記振幅制御すべきモードのモード中心周波数を算出するモード中心周波数算出部を備え、
    前記第1音圧算出部は、
    モード中心周波数より低い所定の周波数範囲内において、前記所定マイクロホンの音圧が最大となる周波数を取得し、該周波数でモード中心周波数を補正するモード中心周波数補正部、
    前記補正モード中心周波数における前記伝達関数の実数部分及び虚数部分を計算し、該実数部分が正であれば、前記実数部分と虚数部分の二乗の和の平方根を正の音圧として出力し、負であれば前記平方根を負の音圧として出力する音圧計算部、
    を備えたことを特徴とする請求項4記載の音場制御装置。
  9. 入力信号を音響空間に放射する複数のスピーカ、前記複数のスピーカから放射された音声を集音する複数のマイクロホン、前記複数のマイクロホンの出力信号に基づいて音圧分布をモード分解するモード分解フィルタ、前記モード分解フィルタによって分解された各モードのモード振幅が所定の値になるように、前記複数のスピーカに入力される前記入力信号を制御する制御用フィルタを備えた音場制御装置の音場制御方法において、
    前記音響空間における音圧分布を測定する第1ステップ、
    前記振幅制御すべきモードの空間周波数の正弦関数及び余弦関数を用いて前記音響空間における音圧分布を模擬する第2ステップ、
    該模擬した音圧分布が前記測定した音圧分布と同等となるようにモード空間周波数を補正する第3ステップ、
    前記補正により得られたモード空間周波数(補正モード空間周波数)に基づいて、前記モード分解フィルタを生成する第4ステップ、
    を有することを特徴とする音場制御方法。
  10. 前記補正モード空間周波数を用いて前記正弦関数及び余弦関数の振幅を決定するステップ、
    を有することを特徴とする請求項9記載の音場制御方法。
  11. 前記第2ステップにおいて、前記モード空間周波数、前記正弦関数及び余弦関数の振幅をパラメータとして一般調和解析により前記音響空間における音圧分布を表現し、
    前記第3ステップにおいて、該表現した音圧分布が前記測定した音圧分布と同等となるようにモード空間周波数を補正し、かつ、前記補正されたモード空間周波数を用いて前記正弦関数及び余弦関数の振幅を決定する、
    ことを特徴とする請求項9記載の音場制御方法。
  12. 前記第1ステップは、
    各スピーカから測定音を放射して各マイクロホンまでのインパルス応答を測定するインパルス応答測定ステップ、
    該インパルス応答をフーリエ変換して伝達特性を取得する伝達特性取得ステップ、
    前記伝達特性を用いて各マイクロホンにおける前記振幅制御するモードの音圧を算出する第1音圧算出ステップ、
    を備え、第2ステップは、
    前記モード空間周波数、前記正弦関数及び余弦関数の振幅をパラメータとして一般調和解析により前記音響空間における音圧分布を表現する音圧分布表現ステップ、
    を備え、前記第3ステップは、
    各マイクロホンにおける前記振幅制御するモードの音圧を前記正弦関数及び余弦関数の振幅を用いて計算する第2音圧算出ステップ、
    各マイクロホンにおける前記第1、第2の音圧算出ステップで算出した音圧差のパワーの総和が最小となるように前記モード空間周波数を補正するステップ、
    前記補正されたモード空間周波数(補正モード空間周波数)を用いて前記正弦関数及び余弦関数の振幅を決定するパラメータ決定ステップ、
    を備えることを特徴とする請求項9記載の音場制御方法。
  13. 前記音場制御方法は、更に、振幅制御すべきモードのモード空間周波数を算出するモード空間周波数算出ステップを備え、
    前記モード空間周波数補正ステップにおいて、該計算されたモード空間周波数を含む所定範囲内において前記一般調和解析表現におけるモード空間周波数を可変して前記パワーの総和が最小となるモード空間周波数を求め、該モード空間周波数を前記補正モード空間周波数とする、
    ことを特徴とする請求項12記載の音場制御方法。
  14. 前記音場制御方法は、更に、前記振幅制御すべきモードのモード中心周波数を算出するモード中心周波数を備え、
    前記第1音圧算出ステップは、
    前記振幅制御すべきモードのモード中心周波数における前記伝達関数の実数部分及び虚数部分を計算するステップ、
    該実数部分が正であれば、前記実数部分と虚数部分の二乗の和の平方根を正の音圧として出力し、負であれば前記平方根を負の音圧として出力するステップ、
    を有することを特徴とする請求項12記載の音場制御方法。
  15. 前記音場制御方法は、更に、前記振幅制御すべきモードのモード中心周波数を算出するモード中心周波数を備え、
    前記第1音圧算出ステップは、
    前記モード中心周波数より低い所定の周波数範囲内において、前記マイクロホンの音圧差が最大となる周波数を取得し、該周波数をモード中心周波数とするモード中心周波数補正ステップ、
    前記補正されたモード中心周波数における前記伝達関数の実数部分及び虚数部分を計算するステップ、
    該実数部分が正であれば、前記実数部分と虚数部分の二乗の和の平方根を正の音圧として出力し、負であれば前記平方根を負の音圧として出力するステップ、
    を有することを特徴とする請求項12記載の音場制御方法。
  16. 前記音場制御方法は、更に、前記振幅制御すべきモードのモード中心周波数を算出するモード中心周波数を備え、
    前記第1音圧算出ステップは、
    前記モード中心周波数より低い所定の周波数範囲内において、前記マイクロホンの音圧が最大となる周波数を取得し、該周波数をモード中心周波数とするモード中心周波数補正ステップ、
    前記補正されたモード中心周波数における前記伝達関数の実数部分及び虚数部分を計算するステップ、
    該実数部分が正であれば、前記実数部分と虚数部分の二乗の和の平方根を正の音圧として出力し、負であれば前記平方根を負の音圧として出力するステップ、
    を有することを特徴とする請求項12記載の音場制御方法。
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