JP2009158388A - 色素増感太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高光電変換効率、高出力の色素増感太陽電池の作製を目的とする。すなわち、太陽電池の受光面積の拡大において、太陽電池セルの分割と集積を必要とせず、また、透明導電膜上に金属配線などの設置を必要としないで、単独のセルの大面積化により、高光電変換効率および高出力を実現し、それによって面積効率の高い太陽電池を作製することを目的とする。
【解決手段】透明基板11上に透明導電膜12および酸化物半導体膜13を順次形成し、酸化物半導体膜13に色素を吸着させてなる作用極1と、基板22上に導電膜21を有する対向極2とを所定の間隔を隔てて対面させ、作用極1と対向極2との間に封入された電解質3からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は受光面積を拡大し、光電変換効率を高くした色素増感太陽電池に関する。ここで受光面積とは、色素増感太陽電池において、光が照射される酸化物半導体膜の面積をいう。
クリーンで無尽蔵な太陽光エネルギーを利用して発電する太陽電池の中で、シリコン太陽電池に代わる新しいタイプの太陽電池として、製造コストが低く、豊富な原料を使用する色素増感太陽電池が提案されている(特許文献1)。この色素増感太陽電池は、光電極として、透明基板上に透明導電膜および酸化物半導体膜を順次形成するとともに酸化物薄膜の表面に色素を吸着させ、この酸化物薄膜を、酸化還元電解質を介して対向極の白金薄膜電極に接合させることにより構成されている。色素増感太陽電池は、太陽光により色素内で励起された光電子が半導体である酸化チタンなどの酸化物半導体膜に注入され、この光電子が薄膜内を移動し透明導電膜に伝達され、さらに、負荷を持つ外部回路を介して対向極に到達することにより電流が流れる。この電池は実用化されているシリコン太陽電池と比べて、製造および設備に関わるコストが安く、また原料も豊富に存在するため、次世代の太陽電池として注目されている。
色素増感太陽電池の性能を示す光電変換効率は通常、5mm角程度のミニセルと呼ばれる太陽電池セルで測定評価され、現在までに10%を超える高い光電変換効率が報告されている(非特許文献1)。
本発明者らは、先に色素増感太陽電池においてその酸化還元電解質としてCuI(沃化銅)を含む固体電解質を使用し、太陽電池としての機械的強度および電池特性を高めた全固体型の色素増感太陽電池を提案している(特許文献2)。この電池の光電変換効率は0.25cm2のミニセルで4%程度で、出力に換算すると1mW前後であり、この電池を実用的な電源として利用するためには、受光面積を拡大して電池の出力を大きくする必要がある。しかし、受光面積を単に拡大するだけでは、電極間距離が大きくなるために、内部抵抗の増大により電力の損失が生じ、結果的に変換効率の低下や形状因子(フィルファクタ(FF))を小さくするという問題があった。
受光面積を拡大するという産業界のニーズに応えるために、大面積の太陽電池セルを短冊形状の小面積セルに分割してモジュールを構成することにより、変換効率の低下を抑制して、電池の出力を大きくする方法が提案されている(特許文献3)。この方法によると、高出力・大面積化が可能な色素増感太陽電池の作製が可能となるが、構造が複雑で作製工程が多くなり、また、セルを細分化するほど、光電変換に寄与する太陽電池セルの有効受光面積が小さくなるなどの難点があった。
別の方法として基板に形成した透明導電膜上に、格子状の金属配線層を設けることにより、透明導電膜が大面積化しても内部抵抗を低く維持できる方法が提案されている(特許文献4)。この方法によると、透明導電膜上の金属線による集電効果により、内部抵抗の増大が抑制されるため、太陽電池セルを分割しなくても、変換効率の高い太陽電池が実現できる。しかし、銀などの金属線の消費に加えて、工程が複雑になるばかりでなく、電解質による金属線の腐食や漏電が起こりやすい。したがって、長期の使用により、変換効率や出力の低下の問題が生じる。
さらに、電解質による金属配線層の腐食を防止するため、透明導電膜を形成した透明基板上にV字やU字形状の溝加工を施し、この溝の傾斜面に金属配線層を設け、さらにこの金属配線層の上に酸化物半導体層を設けることにより、太陽電池の大面積化を可能とする方法が提案されている(特許文献5)。この方法では、金属配線層と電解質の接触が防止できるため、金属線の腐食が起こりにくくなるが、金属配線層だけでなくさらにそれを設ける溝加工も施す必要があり、工程が多く、複雑になる問題がある。
さらに、色素増感太陽電池のエネルギー変換効率を向上させることを技術的課題とし、該技術的課題を解決するために、基板や、FTO(フッ素を含む酸化すず)およびTO(フッ素を含まない酸化すず)の透明導電膜や、増感色素吸着金属酸化物を順次積層してなる表面側電極と、これに対向して設けられる対向側電極の間に電解質を配した色素増感太陽電池が提案されている(特許文献6)。しかしながら、この太陽電池では、製造コストが増大するという問題がある。
また、色素増感太陽電池の透明電極板などに用いられるITO膜が300℃以上の高温に曝されても、その電気抵抗値の上昇を防止することを技術的課題とし、該技術的課題を解決するために、透明基材上に2層以上の異なる透明導電膜が形成され、上層の透明導電膜が下層の透明導電膜よりも耐熱性が高いことを特徴とする色素増感太陽電池が提案されている(特許文献7)。しかしながら、この太陽電池では、透明導電膜のシート抵抗値が膜厚700nmで3.3(Ω/□)と高く、受光面積を拡大した場合、高い光電変換効率5〜8%を達成できないという問題があった。
特表平5−504023号公報 特開2003−331938号公報 特開2007−18862号公報 特開2007−42366号公報 特開2005−109033号公報 特開2006−244877号公報 特開2003−323818号公報 Md.K.Nazeeruddin, and M.Graetzel, J.Photochem. and Photobiol.A,145,79(2001)
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、高光電変換効率、高出力の色素増感太陽電池の作製を目的とするものである。すなわち、太陽電池の受光面積の拡大において、太陽電池セルの分割と集積を必要とせず、また、透明導電膜上に金属配線などの設置を必要としないで、単一のセルの大面積化により、高光電変換効率および高出力を実現し、それによって面積効率の高い太陽電池を作製することを目的としている。
請求項1の色素増感太陽電池では、透明基板上に透明導電膜および酸化物半導体膜を順次形成し、酸化物半導体膜に色素を吸着させてなる作用極と、基板上に導電膜を有する対向極とを所定の間隔を隔てて対面させ、作用極と対向極との間に封入された電解質からなる。透明導電膜は、透明基板上に形成された酸化インジウム・すず(ITO)膜と、酸化インジウム・すず(ITO)膜上に形成されたフッ素ドープ酸化すず(FTO)膜の2層からなり、その膜のシート抵抗が膜厚500nm〜1μmで1.5〜3.0Ω/□であり、可視光透過率が80%以上である。
請求項2の色素増感太陽電池では、酸化物半導体膜は、受光面積20〜100cm2の単一膜であり、光電変換効率が5〜8%である。
請求項3の色素増感太陽電池では、透明導電膜は、加熱した基板の表面に原料溶液を噴霧するスプレー熱分解法により製膜される。
請求項4の色素増感太陽電池では、酸化物半導体膜は酸化チタン膜である。
請求項5の色素増感太陽電池では、酸化物半導体膜は、加熱した基板の表面に原料溶液を噴霧するスプレー熱分解法により製膜される。
本発明の色素増感太陽電池では、透明基板上に酸化インジウム・すず(ITO)膜を形成し、さらにこの膜の上にフッ素ドープ酸化すず(FTO)膜を形成することにより、例えば、膜厚500nm〜1μmで、シート抵抗が1.5〜3.0Ω/□で、可視光透過率80%以上で、耐熱性および耐薬品性に優れ、低コストの透明導電膜が作製できる。これにより色素増感太陽電池の面積が大型化しても色素増感太陽電池の製造コストを削減でき、セルの分割によるモジュール化あるいは透明導電膜への金属配線を設けることなく、色素増感太陽電池の光電変換効率の低下を大幅に抑制することができる。
以下、本発明の色素増感太陽電池について、図を用いて説明する。本発明の色素増感太陽電池の一実施形態の断面の模式図を図1に示す。色素増感太陽電池100は、ガラス基板11(透明基板)の片面に透明導電膜12が形成され、さらにその上に酸化物半導体膜13が形成され、この酸化物半導体膜13に色素を吸着させた作用極1と、基板22の片面に白金膜21(導電膜)が形成された対向極2を電解質3を介して対向させ、封止剤4で封止した構造をしている。
酸化物半導体膜13としては酸化すず、酸化亜鉛あるいは酸化チタンなどの酸化物半導体膜を用いることができるが、本発明の色素増感太陽電池100において高い光電変換効率(=発電エネルギー(W)/太陽光入射エネルギー(W))を達成するためには、酸化チタンを用いるのが好ましい。
酸化チタンの粒径は小さいほど酸化物半導体膜13の表面積が大きくなり、色素の担持量が増えるため、光電変換効率が向上するが、小さすぎると電解質のヨウ素イオンの移動が困難になり色素への電子の輸送が困難になり、また、大きすぎると色素の担持量が不十分になり光電変換効率が低下するため、好ましくは3〜30nmに調整される。
また、酸化物半導体膜13の膜厚は、厚い方が単位面積当りの入射光の吸収量が増えるが、厚すぎると光が到達しない無駄な部分が生ずるばかりでなく、膜の抵抗が大きくなりフィルファクタが低下し、逆に薄すぎると酸化物半導体膜13による入射光の吸収量が不十分となり光電変換効率が低下するため、適度の厚みにする必要があり、好ましくは5〜30μmに調整される。
酸化物半導体膜13はドクターブレード法、スクリーン印刷法、スピンコート法およびスプレー熱分解法などで形成することができる。これらのうち、スプレー熱分解法は他の方法と比較し、製膜後の熱処理を必要としないことおよび透明導電膜12を構成する酸化インジウム・すず(ITO)膜121とフッ素ドープ酸化すず(FTO)膜122を連続的に形成して多層化できる利点があり、本発明の色素増感太陽電池の最適な作製方法である。この酸化物半導体膜13にさらに色素を担持させ、作用極1を作製する。色素としては、吸光性に優れるルテニウム系色素などを使用することができる。
作用極1とは別に基板22の片面に白金膜21を形成することにより、対向極2を作製する。白金膜21の膜厚は薄すぎるとシート抵抗が高くなり、セルの光電変換効率が低下し、厚すぎると必要以上に高価になるため、適度の膜厚にする必要があり、一般には50nm〜2μm、好ましくは200〜800nmに調整される。
このようにして作製された作用極1と対向極2を、封止剤4をスペーサとして対向させ、電解質3を封入してセルを作製する。この封止剤4により、電解質の漏出や蒸発などを防止することができる。また、電解質3としては、ヨウ素系(I-/I3 -)電解質などが用いられ、これにより、酸化された色素への電子の注入と対向電極からの電子の補給が効率的に行なわれる。また、封止剤4としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アイオノマー樹脂あるいは紫外線硬化樹脂などを使用することができる。
このように本発明による色素増感太陽電池100では、低抵抗率の透明導電膜12および易色素吸着酸化物半導体膜13を使用することにより、高光電変換効率の実現を可能にするものである。
図2は本発明の色素増感太陽電池の一実施形態の平面の模式図を示したものである。色素増感太陽電池100では、光電変換効率5〜8%を発現するために、酸化物半導体膜13の一辺が好ましくは2〜6cmで、面積が10〜60cm2、より好ましくは一辺が3〜5cmで、面積が20〜50cm2の矩形状に調整される。酸化物半導体膜13の面積が10cm2より小さいと光電変換効率は高いが、太陽電池として実用的な出力が得られず、また、60cm2より大きいと光電変換効率が5%より低くなり、電池の出力が低くなる問題点がある。
図3は本発明の色素増感太陽電池の別の一実施形態の平面の模式図を示したものである。色素増感太陽電池200は、色素増感太陽電池100(図1、2)に比べて矩形の二辺の長さの比を大きくした点を除いて、色素増感太陽電池の一実施形態(図1、2)と同じである。図1、2で説明した要素と同一の要素については詳細な説明を省略する。
この例では、平面方向での電極間距離が短くなるため色素増感太陽電池200の内部抵抗を小さくでき、より大面積化が可能となる。この色素増感太陽電池200では、光電変換効率5〜8%を発現するために、酸化物半導体膜13の一辺が好ましくは0.3〜1.5cmで、面積が10〜120cm2、より好ましくは一辺が0.5〜1cmで、面積が20〜100cm2の矩形状に調整される。
酸化物半導体膜13の面積が10cm2より小さいと太陽電池として実用的な出力が得られず、また、120cm2より大きいと光電変換効率が5%より低くなり、電池出力の効率が低くなる問題点がある。
図4はガラス基板11および透明導電膜12の断面の模式図を示している。透明導電膜12は酸化インジウム・すず(ITO)やアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)あるいはフッ素ドープ酸化すず(FTO)などを用いることができる。
しかし、色素増感太陽電池100、200(図1〜図3)の作製においては500℃前後での熱処理工程が必要であること、および酸性電解液を用いることなどより、酸化インジウム・すず(ITO)と比べて耐熱性および耐薬品性に優れ、コストが低いフッ素ドープ酸化すず(FTO)が好ましい。
しかし、フッ素ドープ酸化すず(FTO)は可視光透過率が80%以上のもので、シート抵抗が10Ω/□程度と、酸化インジウム・すず(ITO)よりも高抵抗であり、大面積セルで高い光電変換効率を得るためにはさらにシート抵抗を低くする必要がある。
本発明者らはガラス基板上11に酸化インジウム・すず(ITO)膜121を形成し、さらにこの膜の上にフッ素ドープ酸化すず(FTO)膜122を形成することにより、膜のシート抵抗が膜厚500nm〜1μmで1.5〜3.0Ω/□であり、可視光透過率80%以上で、耐熱性および耐薬品性に優れ、低コストの透明導電膜12が作製できることを見出した。
これにより色素増感太陽電池の面積が大型化しても色素増感太陽電池100、200の製造コストを削減でき、セルの分割によるモジュール化あるいは透明導電膜への金属配線を設けることなく、光電変換効率の低下を大幅に抑制することが可能となった。
酸化インジウム・すず(ITO)膜121とフッ素ドープ酸化すず(FTO)膜122の膜厚はシート抵抗、可視光透過率、耐熱性および耐薬品性のいずれも太陽電池セル用透明導電膜として好適となるように選ばれるが、好ましくは酸化インジウム・すず(ITO)膜121の膜厚が300〜800nm、フッ素ドープ酸化すず(FTO)膜122の膜厚が100〜400nmに調整され、より好ましくは透明導電膜12全体の膜厚合計が1μm以下に調整される。
透明導電膜12は加熱した基板の上に原料溶液を間歇的に噴霧するスプレー熱分解(SPD)法により、大気中で容易に得ることができる。まず、酸化インジウム・すず(ITO)原料をアルコールなどに溶解した0.1〜1.0mol/lの濃度の原料溶液を、500℃前後に加熱されたガラス基板11上に間歇的に噴霧し、酸化インジウム・すず(ITO)膜121を形成する。
続けてフッ素ドープ酸化すず(FTO)原料を同様の方法で作製し、酸化インジウム・すず(ITO)膜121上に噴霧し、フッ素ドープ酸化すず(FTO)膜122を形成する。これにより、シート抵抗が低く、可視光透過率が高く、耐熱性および耐薬品性に優れ、低コストの透明導電膜12を作製することができ、太陽電池セルの大面積化を可能とする。
つぎに本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
酸化インジウム・すず(ITO)の製膜原料として、インジウムアセチルアセトナートおよびジブチルすずアセテートを所定量混合し、これをアセチルアセトンに溶かして溶液を調製した。また、フッ素ドープ酸化すず(FTO)の製膜原料として、ジブチルすずジアセテートをエタノールに溶かし、これに所定量のフッ化アンモニウム水溶液を添加した溶液を調製した。
酸化物半導体13の製膜原料として、チタンテトライソプロポキシドをエタノールで希釈し、これを加熱煮沸することにより平均粒径5nmの酸化チタンのナノ粒子分散溶液を得た。これに酸化チタン微粒子[日本アエロジル社製P25]を加え、さらに酢酸を加えて酸化チタンの分散溶液を得た。
スプレー熱分解薄膜形成装置[SPD研究所製KM−150]を用いて、460℃に加熱された3.5cm×9.0cmのガラス製の基板11[コーニング社製#1737]上に、酸化インジウム・すず(ITO)原料溶液を1回当り0.5mlずつ、基板温度が下がらないように休止間隔をおきながら150回噴霧して膜厚620nmの酸化インジウム・すず(ITO)膜121(図4)を形成した。
さらにこの膜121の上に、基板温度を520℃に保持して、フッ素ドープ酸化すず(FTO)原料溶液を1回当り0.6mlずつ、基板温度が下がらないように休止間隔をおきながら50回噴霧し、膜厚170nmのフッ素ドープ酸化すず(FTO)膜122(図4)を形成した。得られた透明導電膜12は密着性の良い均一なFTO/ITOの2層膜であった。
次に透明導電膜12を形成した基板11(3.5cm×9.0cm)上に3cm×8cmの矩形状のマスクを作製し、基板温度を450℃に保持して、酸化チタンの分散溶液を同様に1回当り2.3mlずつ、基板温度が下がらないように休止間隔をおきながら500回噴霧し、膜厚13μmの酸化チタン膜を酸化物半導体膜13として形成した。この酸化チタン膜にルテニウム色素[ソーラロニクス社製N719]を担持して作用極1とした。
一方、対向極2として3.5cm×9.0cmのガラス製の基板22[コーニング社製#1737]上に、スパッタリング装置[アネルバ社製]によって、膜厚600nmの白金膜21を形成した。
封止剤4としてアイオノマーフィルムを用い、電解質の注入口を残して酸化物半導体膜13を取り囲むように対向極2上に枠状に貼り付け、作用極1と対向極2を、重ねて貼り合わせ加熱して封止する。注入口よりヨウ化リチウムおよびヨウ素を含むアセトニトリル溶液の電解質3を注入し、注入口をエポキシ樹脂により封止して、受光面積24cm2(3cm×8cm)の色素増感太陽電池を作製した。
実施例2
実施例1において、膜厚730nmの酸化インジウム・すず(ITO)膜121、膜厚270nmのフッ素ドープ酸化すず(FTO)膜122を形成し、酸化チタン膜(酸化物半導体膜13)の受光面積を50cm2(5cm×10cm)としたこと以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
実施例3
実施例1と同様の原料溶液を用い、2cm×30cmのガラス製の基板11[コーニング社製1737]を450℃に加熱されたホットプレート上に置き、ハンドスプレー装置を用い、1回当り1.3mlずつ休止間隔をおきながら60回噴霧して膜厚350nmの酸化インジウム・すず(ITO)膜121(図4)を形成した。
またこの膜121の上に、基板温度を500℃に保持して、1回当り1.1mlで30回噴霧して膜厚150nmのフッ素ドープ酸化すず(FTO)膜122(図4)を形成し、2層膜より成る透明導電膜12を得た。
次に、この透明導電膜12上に一辺が1cm×28cmの矩形状のマスクを作製し、基板温度460℃に保持して酸化チタンの分散溶液を1回当り2.0mlずつ、480回噴霧して膜厚12μmの酸化チタン膜を酸化物半導体膜13として形成した。
この酸化チタン膜にルテニウム色素[ソーラロニクス社製N719]を担持して作用極1とした。また、対向極2として、実施例1と同様にして、2cm×30cm角のガラス製の基板22上に、スパッタリング法により膜厚400nmの白金膜21を形成した。
封止剤4としてアイオノマーフィルムを用い、電解質の注入口を残して酸化物半導体膜13を取り囲むように対向極2上に枠状に貼り付け、作用極1と対向極2を重ねて貼り合わせ、加熱して封止する。注入口よりヨウ化リチウムおよびヨウ素を含むアセトニトリル溶液の電解質3を注入し、注入口をエポキシ樹脂により封止して、受光面積28cm2(1cm×28cm)の色素増感太陽電池を作製した。
実施例4
実施例3において、膜厚610nmの酸化インジウム・すず(ITO)膜121、膜厚330nmのフッ素ドープ酸化すず(FTO)122を形成し、酸化チタン膜の受光面積を100cm2(1cm×100cm)としたこと以外は、実施例3と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
実施例5
実施例3において、膜厚540nmの酸化インジウム・すず(ITO)膜121、膜厚230nmのフッ素ドープ酸化すず(FTO)122膜を形成したこと以外は、実施例3と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
比較例1
実施例1において、フッ素ドープ酸化すず(FTO)原料溶液を0.7mlずつ150回噴霧して膜厚800nmのフッ素ドープ酸化すず(FTO)膜としたこと以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
比較例2および3
実施例1において、酸化物半導体膜の原料として、平均粒径7nmの酸化すずナノ粒子および平均粒径5nmの酸化亜鉛ナノ粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製し、それぞれ比較例2および3とした。
次に、各実施例および各比較例で得られた透明導電膜および色素増感太陽電池の物性を以下の方法に基づいて評価した。
[可視光透過率]
分光光度計〔日本分光製V−570〕を用いて、波長領域400〜800nmにおける透明導電膜の拡散光透過率の積分面積を波長区間で除することにより、可視光透過率を算出した。
[シート抵抗]
四端子シート抵抗測定器〔三菱化学製Loresta−GPMCP−T600〕を用いて、透明導電膜のシート抵抗を測定した。
[光電変換効率]
太陽電池評価システム〔JASCO製CEP−25BX〕を用いて、AM1.5の光照射下で色素増感太陽電池の開放電圧、短絡電流および光電変換効率を評価した。
各実施例および比較例で得られた透明導電膜の可視光透過率、シート抵抗および色素増感太陽電池の受光面積および寸法、開放電圧、短絡電流、光電変換効率の値を表1に示す。
Figure 2009158388
表1に示すように、各実施例で得られた色素増感太陽電池はシート抵抗の低い透明導電膜および多孔質酸化チタン半導体膜を使用することにより、受光面積が大きくても高い光電変換効率を有することがわかる。
したがって、本発明により得られた色素増感太陽電池は、従来の色素増感太陽電池のように大面積化による光電変換効率の低下を防ぐために、セルを小面積セルに分割したり、あるいは透明導電膜上に低抵抗化のための金属配線層を設けることなく、高い光電変換効率を発揮できることがわかる。
本発明の色素増感太陽電池の一実施形態を示す断面の模式図である。 本発明の色素増感太陽電池の一実施形態を示す平面の模式図である。 本発明の色素増感太陽電池の別の一実施形態を示す平面の模式図である。 ガラス基板および透明導電膜の断面の模式図である。
符号の説明
1 作用極
2 対向極
3 電解質
4 封止剤
11 ガラス基板
12 透明導電膜
13 酸化物半導体膜
21 白金膜
22 基板
100、200 色素増感太陽電池
121 酸化インジウム・すず膜
122 フッ素ドープ酸化すず膜

Claims (5)

  1. 透明基板上に透明導電膜および酸化物半導体膜を順次形成し、前記酸化物半導体膜に色素を吸着させてなる作用極と、基板上に導電膜を有する対向極とを所定の間隔を隔てて対面させ、前記作用極と前記対向極との間に封入された電解質からなる色素増感太陽電池であって、前記透明導電膜は、前記透明基板上に形成された酸化インジウム・すず(ITO)膜と、前記酸化インジウム・すず(ITO)膜上に形成されたフッ素ドープ酸化すず(FTO)膜の2層からなり、その膜のシート抵抗が膜厚500nm〜1μmで1.5〜3.0Ω/□であり、可視光透過率が80%以上であることを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 請求項1記載の色素増感太陽電池において、
    酸化物半導体膜は、受光面積20〜100cm2の単一膜であり、光電変換効率が5〜8%であることを特徴とする色素増感太陽電池。
  3. 請求項1記載の色素増感太陽電池において、
    前記透明導電膜は、加熱した基板の表面に原料溶液を噴霧するスプレー熱分解法により製膜されることを特徴とする色素増感太陽電池。
  4. 請求項1記載の色素増感太陽電池において、
    前記酸化物半導体膜は、酸化チタン膜であることを特徴とする色素増感太陽電池。
  5. 請求項1記載の色素増感太陽電池において、
    前記酸化物半導体膜は、
    加熱した基板の表面に原料溶液を噴霧するスプレー熱分解法により製膜されることを特徴とする色素増感太陽電池。
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