JP2009156185A - 消音器 - Google Patents

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直史 瀬古
Takao Yamamoto
高生 山本
Yoshitaka Nishio
佳高 西尾
Toshiaki Nakayama
利明 中山
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Abstract

【課題】 インナーダクト4の第2、第5薄膜部5に設けられる第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44の突出方向が急激に反転するのを防止して異音の発生を抑制することを課題とする。
【解決手段】 インナーダクト(振動膜)4に設けられる第2、第5薄膜部5の各振動面において、第1、第2多角環状リブ7、特に第2、第5突条リブの根元部の各曲がり部43、44を第2、第5薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状は、第2、第5突条リブの両斜面部より外側に向かって出っ張った出っ張り状の突起部分51、52を備える形状となっている。あるいは第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部45、46の平面視形状が、複数の第1〜第6屈曲部6に対して略直交する垂直方向に波状に蛇行して延びる波形形状となっている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ダクトの薄膜に設けられる第2補強部の曲がり部の突出方向が急激に反転するのを防止することが可能な消音器に関するものである。
[従来の技術]
従来より、内燃機関(エンジン)からの脈動波により、吸気ダクトの内部にて気柱共鳴が発生し、この気柱共鳴による吸気ダクトの共振に伴って吸気ダクトから放射音が発生するという問題があった。
そこで、エンジンの吸気通路の途中に、外管(または外筒)と内管(または内筒)とからなる2重管構造の吸気消音器を設置し、内管(または内筒)を薄膜とすることで、吸気ダクトの内部に気柱共鳴を発生し難くするようにし、外管(または外筒)の剛性を高めて膜振動を抑制することで、外管(または外筒)から外部へ伝達される放射音を低減させるようにした吸気ダクトが公知である(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の吸気消音器は、図10に示したように、多数の小孔101が形成された円筒状の補強部材102と、全ての小孔101を塞ぐように補強部材102の外周部を被覆する可撓性薄膜部材103と、補強部材102および可撓性薄膜部材103よりなるインナーダクトの周囲をダンパ室104を介して取り囲むアウターダクト105とを備えている。
そして、ダンパ室104の両側の開口部は、音波が透過可能なポリウレタンフォーム等の端部壁部材106、107によって閉塞されている。また、アウターダクト105の内周面には、ポリウレタンフォーム等の吸音材109が貼着されている。
ここで、補強部材102は、2つの第1、第2ダクト111、112と同様に、ポリプロピレン等の剛性を有する合成樹脂からなる。また、可撓性薄膜部材103は、音波が透過可能なように可撓性を有する合成樹脂フィルム等からなる。また、アウターダクト105は、ポリプロピレン等の剛性を有する合成樹脂からなる。
[従来の技術の不具合]
ところが、特許文献1に記載の吸気消音器においては、多数の小孔101が形成された補強部材102を可撓性薄膜部材103の内周部に入れることで可撓性薄膜部材103の強度をアップしているが、インナーダクトにおける薄膜部の面積が著しく減少し、消音効果が著しく低下するという問題が生じる。
そこで、インナーダクトの周方向を全面薄膜化することで、大きな消音効果を得ることができる。
しかし、インナーダクトの周方向を全面薄膜化すると、インナーダクトの強度が低下してしまうという問題が生じる。
そこで、全面薄膜化されたインナーダクトの強度をアップするという目的で、図11に示したように、複数の振動面を有する薄膜状のインナーダクト120の隣り合う2つの振動面間に吸気流方向に沿って真っ直ぐに延びる複数の第1補強部(インナーダクト120の径方向外方に向けて凸形状の屈曲部)121を設け、且つこの第1補強部121に対して直交する垂直方向に真っ直ぐに延びる第2補強部(インナーダクト120の径方向外方に向けて凸形状の直線部:補強リブ)122を設けることが考えられる。この第2補強部122の根元部には、インナーダクト120の径方向内方に凸形状の曲がり部123、124が形成されている。
また、インナーダクト120は、吸気流方向に垂直な断面が、六角筒形状に形成されている。
しかるに、図11に示したインナーダクト120は、長い直線部を有する第2補強部122が設けられているので、エンジンからの脈動波による吸気通路内部の圧力変化によって、第2補強部122の両側の曲がり部123、124のうちの少なくとも一方の曲がり部123の突出方向が急激に反転し、大きな異音(「ベコ」という高周波音)が発生するという問題が生じている。また、図11に示したインナーダクト120は、その第2補強部122の曲がり部123の突出方向が急激な反転を繰り返すことで、第2補強部122の曲がり部123に応力が集中し、疲労による破損に至る可能性がある。
特開2004−346750号公報
本発明の目的は、ダクトの薄膜に設けられる第2補強部の突出方向が急激に反転するのを防止することで、異音の発生を抑制することのできる消音器を提供することにある。また、ダクトの薄膜に設けられる第2補強部の突出方向が急激な反転を繰り返すのを防止することで、第2補強部に作用する応力を緩和して耐疲労性を向上することのできる消音器を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、ダクトは、その周方向に複数の振動面を有する薄膜を具備している。
その薄膜は、複数の振動面のうちの隣り合う2つの振動面間に、流体流路を流れる流体の流れ方向に沿って延びる第1補強部を設けている。また、薄膜は、複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面の一部をダクトの外部方向に向けて突出させると共に、ダクトの周方向に延びる第2補強部を設けている。
この第2補強部の根元部に、ダクトの内部方向に向けて突出する凸形状の曲がり部を形成している。
そして、複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面において、第2補強部自体またはその近傍に、第2補強部の曲がり部の突出方向が反転するのを防止する反転防止部を設けたことにより、ダクトの内部(流体流路内)に圧力変化が発生した場合であっても、ダクトの薄膜に設けられる第2補強部の曲がり部の突出方向が急激に反転するのを防止することができるので、異音の発生を抑制できる。
また、ダクトの薄膜に設けられる第2補強部の曲がり部の突出方向が急激な反転を繰り返すのを防止することができるので、第2補強部の曲がり部に作用する応力を緩和でき、耐疲労性が向上する。
請求項2に記載の発明によれば、ダクトの周方向とは、第1補強部に対して直交する垂直方向のことである。あるいはダクトの周方向とは、第1補強部に対して斜めに交差する方向のことである。
請求項3に記載の発明によれば、反転防止部は、第2補強部の根元部(の曲がり部)の平面視形状が、第1補強部に対して直交する垂直方向の幅よりも長い直線部(直線部分)を、第1補強部に対して直交する垂直方向の幅方向に有さない形状となっている。これによって、請求項1に記載の発明と同様な効果を得ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、反転防止部は、第2補強部の根元部(の曲がり部)の平面視形状が、第1補強部に対して直交する垂直方向の幅よりも短い直線部(直線部分)を、第1補強部に対して直交する垂直方向の幅方向に有する形状となっている。これによって、請求項1に記載の発明と同様な効果を得ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、反転防止部は、(例えばダクトの内部(流体流路)を流れる流体の流れ方向の中央部よりも)ダクトの内部(流体流路)を流れる流体の流れ方向の上流側または下流側に形成される。
請求項6に記載の発明によれば、ダクトの周方向の略全周は、薄膜によって形成されている。
請求項7に記載の発明によれば、被覆体は、硬質のダクトまたは軟質の被覆材によって形成されている。
請求項8に記載の発明によれば、流体流路とは、内燃機関の燃焼室に連通する吸気通路のことである。また、流体とは、内燃機関の吸気通路の内部を流れる吸入空気のことである。
請求項9に記載の発明によれば、ダクトの薄膜は、樹脂フィルムによって形成されている。
請求項10に記載の発明によれば、ダクトは、流体流路を流れる流体の流れ方向に垂直な断面形状が、多角筒形状となっている。
請求項11に記載の発明によれば、複数の振動面全体または複数の振動面のうちの隣り合う2つの振動面または複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面は、平面(平坦な面)である。
請求項12に記載の発明によれば、ダクトは、第1補強部を被覆体に接近する方向に延伸して被覆体に固定される。
請求項13に記載の発明によれば、気体層は、ダクトの周方向の一部分が密閉され、ダクトの周方向の残りの部分が開放される。
請求項14に記載の発明によれば、被覆体は、気体層と被覆体の外部とを連通する連通孔を有している。
請求項15に記載の発明によれば、ダクトは、その周方向に複数の振動面を有する薄膜を具備している。
その薄膜は、複数の振動面のうちの隣り合う2つの振動面間に、流体流路を流れる流体の流れ方向に沿って延びる第1補強部を設けている。また、薄膜は、複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面の一部をダクトの外部方向に向けて突出させると共に、ダクトの周方向に延びる第2補強部を設けている。
そして、ダクトの薄膜に設けられる第2補強部の根元部を複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第2補強部の根元部の平面視形状は、第1補強部に対して直交する垂直方向の幅よりも長い直線部(直線部分)を、第1補強部に対して直交する垂直方向の幅方向に有さない形状となっている。
これによって、ダクトの内部(流体流路内)に圧力変化が発生した場合であっても、ダクトの薄膜に設けられる第2補強部の突出方向が急激に反転するのを防止することができるので、異音の発生を抑制することができる。
また、ダクトの薄膜に設けられる第2補強部の突出方向が急激な反転を繰り返すのを防止することができるので、第2補強部に作用する応力を緩和して耐疲労性を向上することができる。
請求項16に記載の発明によれば、ダクトは、その周方向に複数の振動面を有する薄膜を具備している。
その薄膜は、複数の振動面のうちの隣り合う2つの振動面間に、流体流路を流れる流体の流れ方向に沿って延びる第1補強部を設けている。また、薄膜は、複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面の一部をダクトの外部方向に向けて突出させると共に、ダクトの周方向に延びる第2補強部を設けている。
この第2補強部の根元部に、ダクトの内部方向に向けて突出する凸形状の曲がり部を形成している。
そして、複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面において、第2補強部自体またはその近傍に、第2補強部の曲がり部の突出方向が反転するのを防止する反転防止部を設けたことにより、ダクトの内部(流体流路内)に圧力変化が発生した場合であっても、ダクトの薄膜に設けられる第2補強部の曲がり部の突出方向が急激に反転するのを防止することができるので、異音の発生を抑制することができる。
また、ダクトの薄膜に設けられる第2補強部の曲がり部の突出方向が急激な反転を繰り返すのを防止することができるので、第2補強部の曲がり部に作用する応力を緩和して耐疲労性を向上することができる。
請求項17に記載の発明によれば、複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面において、第2補強部を複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第2補強部の平面視形状は、第1補強部に対して直交する垂直方向に延び、第1補強部に対して平行な方向に一定の幅を有する部分、およびこの一定の幅を有する部分から第1補強部に対して平行な方向に延びる出っ張り部分を備える形状となっている。
請求項18に記載の発明によれば、複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面において、第2補強部を複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第2補強部の平面視形状は、第1補強部に対して直交する垂直方向に波状に蛇行して延びる波形形状となっている。
請求項19に記載の発明によれば、複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面において、第2補強部を複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第2補強部の平面視形状は、略菱形の形状となっている。
請求項20に記載の発明によれば、複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面において、第2補強部を複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第2補強部の平面視形状は、略X字形の形状となっている。
請求項21に記載の発明によれば、複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面において、第2補強部の根元部を複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第2補強部の根元部の平面視形状は、第1補強部に対して直交する垂直方向に延びる直線部分を備え、複数に分割されている形状となっている。
請求項22に記載の発明によれば、複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面において、第2補強部の根元部を複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第2補強部の根元部の平面視形状は、第1補強部に対して直交する垂直方向に延び、且つその垂直方向の中央部分が括れた形状となっている。
請求項23に記載の発明によれば、複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面において、第2補強部の根元部を複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第2補強部の根元部の平面視形状は、第1補強部に対して直交する垂直方向に延びる直線部分、およびこの直線部分の中央部分より離れた島状部分を備えた形状となっている。
請求項24に記載の発明によれば、ダクトは、流体流路を流れる流体の流れ方向における流路断面積が、上流側から下流側に向けて大きくなっている。
本発明を実施するための最良の形態は、ダクトの薄膜に設けられる第2補強部の突出方向が急激に反転するのを防止することで、異音の発生を抑制するという目的、また、ダクトの薄膜に設けられる第2補強部の突出方向が急激な反転を繰り返すのを防止することで、第2補強部に作用する応力を緩和して耐疲労性を向上するという目的を、複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面において、第2補強部自体またはその近傍に、第2補強部の根元部の突出方向が反転するのを防止する反転防止部を形成することで実現した。または、ダクトの薄膜に設けられる第2補強部の根元部を複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第2補強部の根元部の平面視形状を、第1補強部に対して直交する垂直方向の幅よりも長い直線部(直線部分)を、第1補強部に対して直交する垂直方向の幅方向に有さない形状にすることで実現した。
[実施例1の構成]
図1ないし図3は本発明の実施例1を示したもので、図1は内燃機関の吸気制御装置を示した図で、図2は内燃機関の吸気消音器を示した図で、図3はインナーダクトを示した図である。
本実施例の内燃機関の制御装置(エンジン制御システム)は、複数の気筒を有する内燃機関(例えば4気筒ガソリンエンジン:以下エンジンと言う)Eの各気筒毎の燃焼室に吸入空気を供給するための吸気通路(外気導入通路10、共通吸気通路13、吸気導入通路14、連通路15、吸気導入通路16、共通吸気通路17、分岐吸気通路20等)を開閉する吸気通路開閉装置と、エンジンEの各気筒毎の燃焼室内において混合気の燃焼を促進させるための吸気渦流を生成することが可能な吸気渦流発生装置と、エンジンEの吸気脈動に伴って発生する吸気音を低減する吸気音低減装置(内燃機関の吸気音低減装置)とを備えた内燃機関の吸気制御装置として使用されるものである。この吸気音低減装置を含む吸気制御装置は、エンジンEの吸気系統に組み込まれており、しかも自動車等の車両のエンジンルーム内に設置されている。
ここで、エンジンEは、エアクリーナ(内燃機関のエアクリーナ)1で濾過された清浄な吸入空気とインジェクタ(図示せず)より噴射された燃料との混合気を燃焼室内で燃焼させて得られる熱エネルギーにより出力を発生するもので、吸気行程、圧縮行程、膨張(燃焼)行程、排気行程の4つの行程(ストローク)を周期(サイクル)として繰り返す4サイクルエンジンが採用されている。
このエンジンEは、その各気筒毎の燃焼室内に吸入空気(吸気)を供給するための吸気ダクト(インテークダクト、吸気管)2と、エンジンEの各気筒毎の燃焼室より流出する排気ガスを排気浄化装置を経由して外部に排出するための排気ダクト(エキゾーストダクト、排気管)とを備えている。
そして、エンジンEは、シリンダヘッドおよびシリンダブロック等によって構成されている。シリンダヘッドの一方側に形成される複数の吸気ポートは、ポペット型の吸気バルブ(インテークバルブ)によって開閉され、また、シリンダヘッドの他方側に形成される複数の排気ポートは、ポペット型の排気バルブ(エキゾーストバルブ)によって開閉される。
また、シリンダブロックの内部に形成されるシリンダボア内には、連接棒を介してクランクシャフトに連結されたピストンがその摺動方向に摺動自在に支持されている。さらに、エンジンEのシリンダヘッドには、先端部が各気筒毎の燃焼室内に露出するようにスパークプラグが取り付けられている。そして、シリンダヘッドには、吸気ポート内に最適なタイミングで燃料を噴射するインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)が取り付けられている。
エアクリーナ1は、エンジンEの吸気ダクト2の最上流部に設置された外気導入ダクト(エアクリーナ1のインレットダクト)21、この外気導入ダクト21の下流端が接続するエアクリーナケース22、およびこのエアクリーナケース22の内部空間(ダストサイド空間11、クリーンサイド空間12)内に収容保持されたエアクリーナエレメント(フィルタエレメント)23等によって構成されている。
フィルタエレメント23は、外気導入ダクト21の上流端で開口した外気導入口(吸気ダクト2の吸入口)24よりエアクリーナケース22の内部空間内に導入される吸入空気(外気)を濾過する。つまり、フィルタエレメント23は、外気導入口24より導入される外気中に含まれる不純物(塵や埃、砂等のダスト)を捕捉して取り除くことで、硬質の不純物がエンジンEの燃焼室内に吸い込まれることによるエンジン摺動摩耗等を防止する濾過フィルタ(エアフィルタ)である。
本実施例の吸気通路開閉装置は、内燃機関の電子スロットル制御装置であって、エンジンEの吸気ダクト(内燃機関の吸気管)2の途中、つまりエアクリーナ1よりも吸入空気の流れ方向(吸気流方向)の下流側に設置されたスロットルボディ26、このスロットルボディ26の内部(共通吸気通路17)に開閉自在に収容されたスロットルバルブ27、およびこのスロットルバルブ27を閉弁作動方向(または開弁作動方向)に付勢するリターンスプリング(またはデフォルトスプリング)等によって構成されている。
そして、スロットルボディ26には、シャフト28を介して、スロットルバルブ27を開弁作動方向(または閉弁作動方向)に駆動するアクチュエータ(電動モータ29等)が設けられている。また、スロットルバルブ27は、そのバルブ開度に相当するスロットル開度に応じて、スロットルボディ26の内部(共通吸気通路17)を流れる吸入空気の流量(吸入空気量)を可変制御する吸気量制御バルブである。
なお、電動モータ29は、エンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)によって駆動(通電制御)されるように構成されている。
本実施例の吸気渦流発生装置は、エンジンEの各気筒毎の燃焼室内において縦方向の吸気渦流(タンブル流)を発生させる複数の吸気流制御弁(タンブル流制御弁:以下TCVと呼ぶ)を備えている。このTCVは、エンジンEの吸気ダクト2の最下流部、つまりサージタンク30よりも吸気流方向の下流側に設置されたインテークマニホールド31の各分岐ダクト部32、この分岐ダクト部32の内部(分岐吸気通路20)に開閉自在に収容された吸気流制御バルブ33、およびこの吸気流制御バルブ33を開弁作動方向(または閉弁作動方向)に付勢するリターンスプリング等によって構成されている。
そして、インテークマニホールド31には、1本のシャフト34を介して、吸気流制御バルブ33を閉弁作動方向(または開弁作動方向)に駆動するアクチュエータ(電動モータ35等)が設けられている。また、吸気流制御バルブ33は、その全閉時または半開き時に、インテークマニホールド31の各分岐ダクト部32の内部(分岐吸気通路20)の通路断面積を絞ることで、エンジンEの各気筒毎の燃焼室内においてタンブル流を発生させるタンブル流制御バルブである。
なお、電動モータ35は、ECUによって駆動(通電制御)されるように構成されている。
ここで、ECUには、制御処理や演算処理を行うCPU、制御プログラムまたは制御ロジックや各種データを保存する記憶装置(ROMやRAM等のメモリ)、入力回路(入力部)、出力回路(出力部)、電源回路、タイマー等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。
また、ECUは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、メモリ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づいて、電動モータ29、35を通電制御するように構成されている。これにより、エンジンEの運転中に、吸入空気量(スロットル開度)、TCVのバルブ開度等が各々制御指令値(制御目標値)となるように制御される。
また、ECUは、イグニッションスイッチがオフ(IG・OFF)されると、メモリ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づくスロットル開度制御やTCVのバルブ開度制御等を含むエンジン制御(更には空燃比制御、点火制御や燃料噴射制御等)が強制的に終了されるように構成されている。
次に、エンジンEの吸気ダクト2は、エンジンEの各気筒毎の燃焼室に吸入空気を供給するための吸気通路(流体流路)を形成するケーシングであって、吸気通路の途中に部分的に2重管構造の吸気消音器3を設置している。
すなわち、吸気ダクト2は、外気導入ダクト21を有するエアクリーナケ−ス22、このエアクリーナケース22よりも通路方向(吸気流方向)の下流側に結合されるインテークパイプ25、このインテークパイプ25よりも吸気流方向の下流側に結合される2重管構造の吸気消音器3、この吸気消音器3よりも吸気流方向の下流側に結合されるスロットルボディ26、このスロットルボディ26よりも吸気流方向の下流側に結合されるサージタンク30、およびこのサージタンク30よりも吸気流方向の下流側に結合されるインテークマニホールド31等によって構成されている。
なお、外気導入ダクト21の内部には、エアクリーナケース22の内部空間(ダストサイド空間11、クリーンサイド空間12)に連通する外気導入通路10が形成されている。また、インテークパイプ25の内部には、吸気消音器3の内部(連通路15)に連通する共通吸気通路13が形成されている。また、スロットルボディ26の内部には、サージタンク30の内部空間(拡張室)19に連通する共通吸気通路(スロットルボア)17が形成されている。また、インテークマニホールド31の各分岐ダクト部32の下流端には、エンジンEのシリンダヘッドが気密的に結合されている。
また、エンジンEの吸気ダクト2、特にインテークパイプ25には、エンジンEの各気筒(全気筒)の燃焼室内に供給される吸入空気量を電気信号に変換してECUに出力するエアフローメータ36が搭載されている。
本実施例の吸気音低減装置は、エンジンEの各気筒毎の燃焼室内に吸入空気を導入する吸気ダクト2に一体的に設置されている。この吸気ダクト2は、上述したように、吸気通路の途中に部分的に設置された2重管構造の吸気消音器3等を有している。
本実施例の吸気消音器3は、図1に示したように、エアクリーナ1のフィルタエレメント23よりも吸気流方向の下流側(クリーンサイド)に設置されている。この吸気消音器3は、インテークパイプ25とスロットルボディ26との間に気密的に接続されている。 そして、吸気消音器3は、図2に示したように、内部に吸気通路(吸気導入通路14、連通路15、吸気導入通路16)が形成された多角筒状(本例では六角筒状)の内筒膜(内管、内筒体:以下インナーダクトと言う)4と、このインナーダクト4の周囲を円筒状の消音室8を介して取り囲む円筒状(または多角筒状)の外筒壁(外管、外筒体:以下アウターダクトと言う)9とを備えている。
ここで、吸気導入通路14、連通路15、吸気導入通路16は、多角断面を有する第1空間(流体流路)を構成する。また、消音室8は、円筒状の断面を有する第2空間(気体層、空気層)を構成する。この消音室8は、音波を干渉させて減衰させる音波干渉空気層を構成している。
本実施例のインナーダクト4は、その周方向の全周(全体)が、薄膜状の樹脂フィルムよりなる振動膜(薄膜)によって形成されている。このインナーダクト4は、連通路15内を流れる吸入空気の流れ方向(吸気流方向)に垂直な断面が、多角筒形状(六角筒形状)となっている。
インナーダクト4である振動膜は、樹脂材料(例えば芳香族ポリアミド樹脂(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等の合成樹脂)によって形成された多角筒状(本例では六角筒状)の樹脂フィルム(例えば薄膜状のPENフィルム等)である。
インナーダクト4は、吸気ダクト2内を伝播する吸気音に共鳴して振動する筒状薄膜共鳴体を構成すると共に、所望(特定)の周波数を有する吸気音が、連通路側から消音室側に向けて透過可能な筒状吸気音透過体を構成している。また、インナーダクト(振動膜)4の内部には、エンジンEの各気筒毎の燃焼室に連通する連通路15が形成されている。この連通路15は、インテークパイプ25の内部(共通吸気通路13)とスロットルボディ26の内部(共通吸気通路17)とを連通する中継吸気通路(流体流路、連通路)を構成している。
インナーダクト4である振動膜は、図2および図3に示したように、連通路15の周囲を周方向に取り囲むように設置されている。この振動膜は、インナーダクト4の周方向に所定の間隔で配設された複数(6つ)の第1〜第6薄膜部5を有している。
複数の第1〜第6薄膜部5は、平面化された平面部であって、アウターダクト9よりも薄膜化されている。これらの第1〜第6薄膜部5は、内側の連通路15と外側の消音室8とを気密的に区画する薄膜隔壁を構成し、所定の幅、所定の長さを有している。ここで、第1、第4薄膜部5は、連通路15を間に挟んで対向して配置されており、第2、第3、第5、第6薄膜部5よりも幅が広い。
また、複数の第1〜第6薄膜部5には、エンジンEから吸気ダクト2内を伝播してきた吸気音の所望(特定)の周波数に共鳴して振動する振動面がそれぞれ設けられている。つまり、複数の第1〜第6薄膜部5は、インナーダクト4の周方向に所定の間隔で配設された複数の振動面を有する振動膜(薄膜)を構成する。
複数の第1〜第6薄膜部5は、エンジンEの吸気通路(連通路15等)の軸線方向(吸気流方向)に対して平行な方向に延びるように形成されている。
インナーダクト4である振動膜は、複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面のうちの隣り合う2つの振動面間に、連通路15の通路方向(吸気流方向)に沿って真っ直ぐに延びる複数の第1補強部(以下第1〜第6屈曲部と言う)6を有している。複数の第1〜第6屈曲部6は、筋状の屈曲部(山折り線)であって、インナーダクト4の外部方向(径方向外方)に向けてヘの字状またはくの字状に屈曲するように突出する凸状のエッジ部(折り曲げ部)である。
また、インナーダクト4は、複数の第1〜第6屈曲部6のうちの少なくとも2つの第1、第4屈曲部6の最頂部を、アウターダクト9に接近する方向に真っ直ぐに延伸する2つの第1、第2板状突起39を一体的に形成している。2つの第1、第2板状突起39は、アウターダクト9に保持固定される。
インナーダクト4である振動膜は、図3に示したように、複数の第1〜第6屈曲部6の延長方向(吸気流方向)に対して直交する垂直方向に延びると共に、複数の第1〜第6屈曲部6の延長方向(吸気流方向)に対して垂直に交差する複数(2つ)の第2補強部(以下第1、第2多角環状リブ)7を有している。
第1多角環状リブ7は、インナーダクト4の吸気流方向の上流側に設けられており、また、第2多角環状リブ7は、インナーダクト4の吸気流方向の下流側に設けられている。 第1、第2多角環状リブ7は、多角環状の第1〜第6突条リブ(凸状の補強リブ)であって、複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面の一部を、インナーダクト4の外部方向(径方向外方)に向けて突出させると共に、インナーダクト4の周方向に延びている。
この第1、第2多角環状リブ7は、台形状の内部空間を有し、平面化された頂面部(平面部)41、第1〜第6屈曲部6に対応して設けられた凸状の屈曲部42、および頂面部41と根元部とを繋ぐように振動面に直交する垂線に対して所定の傾斜角度分だけ傾斜した斜面部(傾斜部)等によって構成されている。
そして、第1、第2多角環状リブ7の根元部には、インナーダクト4の内部方向(径方向内方)に向けて突出する凸形状の曲がり部(直線部分、谷折り線)43、44がそれぞれ形成されている。
また、第1、第2多角環状リブ7自体の幅方向の中央部には、図3(a)、(b)に示したように、第1、第2多角環状リブ7、特に第2、第5突条リブの各曲がり部43、44の突出方向が反転するのを防止する2つの反転防止部が一体的に形成されている。
これらの反転防止部は、インナーダクト4の第2、第5薄膜部5の各振動面において、吸気流方向の上流側および下流側の第1、第2多角環状リブ7、特に第2、第5突条リブにそれぞれ2箇所ずつ設けられている。
そして、2つの反転防止部は、図3(a)、(b)に示したように、第2、第5突条リブの根元部の各曲がり部43、44の平面視形状が、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅よりも長い直線部分を、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅方向に有さない形状となっている。
そして、第2、第5薄膜部5の各振動面において、第2、第5突条リブの根元部の各曲がり部43、44を第2、第5薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第2、第5突条リブの根元部の各曲がり部43、44の平面視形状は、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向に延び、複数の第1〜第6屈曲部6に対して平行な方向に一定の幅を有する部分、およびこの一定の幅を有する部分から複数の第1〜第6屈曲部6に対して平行な方向に延びる所定の形状(球面形状)の出っ張り部分を備える形状となっている。すなわち、第1、第2多角環状リブ7、特に第2、第5突条リブは、その両斜面部より外側(吸気流方向の上流側および下流側)に向かって出っ張った出っ張り状の突起部分51、52を備えている。
これらの突起部分51、52は、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅よりも吸気流方向(図示上下方向)の幅が狭い楕円形状の凸状補強リブである。また、第1、第2多角環状リブ7、特に第2、第5突条リブの突起部分51、52の内部(連通路側)には、中空部が形成されている。
一方、図3(c)、(d)に示した第1、第2多角環状リブ7は、それ自体が、第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部(蛇行部分)45、46の突出方向が反転するのを防止する反転防止構造を備えている。
すなわち、複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面において、第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部45、46を複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部45、46の平面視形状は、図3(c)、(d)に示したように、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅よりも長い直線部分を、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅方向に有さない形状となっている。
また、複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面において、第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部45、46を複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部45、46の平面視形状は、図3(c)、(d)に示したように、複数の第1〜第6屈曲部6に対して略直交する垂直方向に波状に蛇行して延びる波形形状となっている。
アウターダクト9は、インナーダクト4よりも高剛性(硬質)の樹脂材料(例えばポリプロピレン(PP)、ポリアミド樹脂(PA)等の合成樹脂)によって形成された円筒状の樹脂体である。このアウターダクト9は、吸気ダクト2の途中に一体的に形成されている。また、アウターダクト9の吸気流方向の上流側には、内部に吸気導入通路14が形成された接続ダクト61が一体的に形成されている。また、アウターダクト9の吸気流方向の下流側には、内部に吸気導入通路16が形成された接続ダクト62が一体的に形成されている。
2つの接続ダクト61、62は、アウターダクト9の本体部(インナーダクト4の周囲を取り囲む被覆体の部分)よりも内径および外径が小さい円筒部である。また、接続ダクト61の上流側の開口端は、インテークパイプ25の下流端に気密的に結合されている。また、接続ダクト62の下流側の開口端は、スロットルボディ26の上流端に気密的に結合されている。
また、アウターダクト9は、図2に示したように、図示上下方向に2分割された分割部63、64よりなる。分割部63は、所定の隙間を隔てて対向する一対の第1、第2対向部65を有している。また、分割部64は、所定の隙間を隔てて対向する一対の第1、第2対向部66を有している。これらの第1、第2対向部65、66は、連通路15の通路方向(吸気流方向)に沿って真っ直ぐに延びている。
ここで、インナーダクト4である振動膜に一体的に設けられる2つの第1、第2板状突起39は、第1、第2対向部65、66間にそれぞれ挟み込まれて保持固定されている。これにより、インナーダクト4である振動膜がアウターダクト9に固定される。
[実施例1の作用]
次に、本実施例のエンジンEの吸気消音器3の作用を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、スロットルバルブ27のスロットル開度に応じて、エアクリーナケース22の外気導入口24から外気を吸入し、エンジンEが運転を開始する。このとき、エンジンEの特定気筒が排気行程から、吸気バルブが開弁し、ピストンが下降する吸気行程に移行すると、ピストンの下降に従って当該気筒の燃焼室内の負圧(大気圧よりも低い圧力)が大きくなり、開弁している吸気ポートから燃焼室に混合気が吸い込まれる。
また、エンジンEは、吸気バルブの開閉作動およびピストンの昇降運動を実施することで、吸気行程、圧縮行程、膨張(燃焼)行程、排気行程の4つの行程(ストローク)を順次繰り返すため、吸気ダクト2内の全体に吸入空気の振動、すなわち、吸気脈動が発生する。そして、この吸気脈動に伴って吸気脈動音、つまり吸気音が吸気ダクト2内を伝播する。
吸気ダクト2内を伝播した吸気音が、エンジン側から吸気消音器3に到達すると、吸気消音器3のインナーダクト(振動膜)4の複数の第1〜第6薄膜部5が、吸気ダクト2内を伝播してきた吸気音の所望(特定)の周波数(を含む特定の周波数帯域)に共鳴して振動する。そして、吸気消音器3のインナーダクト(振動膜)4の複数の第1〜第6薄膜部5の振動によって発生する音波が、インナーダクト4の複数の第1〜第6薄膜部5から吸気消音器3の消音室8内に伝播する。そして、吸気消音器3のアウターダクト9の内周部に伝播してきた音波は、先ず吸気消音器3の消音室8内で減衰する。
次に、吸気消音器3のアウターダクト9の内周部に伝播してきた音波は、アウターダクト9の内周部で反射し、反射波となってインナーダクト4の複数の第1〜第6薄膜部5側に向かう。これにより、吸気消音器3のインナーダクト4の振動によって発生し、アウターダクト側に向かう音波と、インナーダクト側に向かう反射波とが干渉して減衰する。
したがって、吸気消音器3のインナーダクト(振動膜)4の複数の第1〜第6薄膜部5の振動によって発生する音波が減衰(消音)されるので、アウターダクト9から外部へ伝達される放射音を低減することが可能となる。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例の2重管構造の吸気消音器3においては、インナーダクト(振動膜)4に設けられる第2、第5薄膜部5の各振動面において、第1、第2多角環状リブ7、特に第2、第5突条リブの根元部の各曲がり部43、44を、第2、第5薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第2、第5突条リブの根元部の各曲がり部43、44の平面視形状が、図3(a)、(b)に示したように、第2、第5突条リブの両斜面部より外側(吸気流方向の上流側および下流側)に向かって出っ張った出っ張り状の突起部分51、52を備える形状となっている。
ここで、図3(a)、(b)に示した第2、第5薄膜部5の各振動面においては、第2、第5突条リブの根元部の各曲がり部43、44に、複数の第2、第3、第5、第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅と同一幅の直線部分を有しているが、その直線部分の各曲がり部43、44の中央部を補強するように出っ張り状の突起部分(反転防止部)51、52が設けられている。これにより、図3(a)、(b)に示した第2、第5薄膜部5の各振動面において、複数の第2、第3、第5、第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅よりも長い直線部がなくなる。
一方、本実施例の2重管構造の吸気消音器3においては、インナーダクト(振動膜)4に設けられる複数の第1〜第6薄膜部5の全ての振動面において、第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部45、46を複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部45、46の平面視形状が、図3(c)、(d)に示したように、複数の第1〜第6屈曲部6に対して略直交する垂直方向に波状に蛇行して延びる波形形状となっている。
ここで、図3(c)、(d)に示した複数の第1〜第6薄膜部5の全ての振動面においては、波形形状の第1、第2多角環状リブ7の各第1〜第6突条リブを設けることで、複数の第1〜第6薄膜部5の全ての振動面において、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅よりも長い直線部分が存在しない。
これによって、エンジンEの吸気通路を形成するインナーダクト4の内部(連通路15内)に圧力変化が発生した場合であっても、インナーダクト(振動膜)4の複数の第1〜第6薄膜部5に設けられる第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43〜46の突出方向が急激に反転するのを防止することができるので、大きな異音(「ベコ」という高周波音)の発生を抑制することが可能となる。
また、インナーダクト(振動膜)4の複数の第1〜第6薄膜部5に設けられる第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43〜46の急激な反転を繰り返すのを防止することができるので、第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43〜46に作用する応力を緩和でき、耐疲労性が向上する。
図4は本発明の実施例2を示したもので、図4はインナーダクト(振動膜)を示した図である。
先ず、図4(a)、(b)に示した第1、第2多角環状リブ7は、それ自体が、第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44の突出方向が反転するのを防止する反転防止構造を備えている。
すなわち、複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面において、第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44を複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44の平面視形状は、図4(a)、(b)に示したように、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅よりも長い直線部分を、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅方向に有さない形状となっている。
また、複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面において、第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44を複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44の平面視形状は、図4(a)、(b)に示したように、第2、第5屈曲部6から第2、第5薄膜部5の各振動面の中央部分に向けて徐々に頂面部41の幅が広くなる略菱形の形状となっている。
また、図4(c)、(d)に示した第1、第2多角環状リブは、2分割された2つの第1、第2分割リブ71、72を有している。これらの第1、第2分割リブ71、72は、それ自体が、2つの第1、第2分割リブ71、72の根元部の各曲がり部43、44の突出方向が反転するのを防止する反転防止構造を備えている。
すなわち、第2、第5薄膜部5の各振動面において、2つの第1、第2分割リブ71、72の根元部の各曲がり部43、44を第2、第5薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは2つの第1、第2分割リブ71、72の根元部の各曲がり部43、44の平面視形状は、図4(c)、(d)に示したように、複数の第2、第3、第5、第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅よりも長い直線部分を、複数の第2、第3、第5、第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅方向に有さない形状となっている。
また、第2、第5薄膜部5の各振動面において、2つの第1、第2分割リブ71、72の根元部の各曲がり部43、44を複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは2つの第1、第2分割リブ71、72の根元部の各曲がり部43、44の平面視形状は、図4(c)、(d)に示したように、複数の第2、第3、第5、第6屈曲部6に対して直交する垂直方向に延びる直線部分を備え、複数(2つ)に分割(2分割)されている半多角環状形状となっている。
以上のように、本実施例の吸気消音器3においては、実施例1と同様な効果を達成することができる。
図5は本発明の実施例3を示したもので、図5はインナーダクト(振動膜)を示した図である。
先ず、図5(a)、(b)に示した第1、第2多角環状リブ7は、それ自体が、第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44の突出方向が反転するのを防止する反転防止構造を備えている。
すなわち、複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面において、第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44を複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44の平面視形状は、図5(a)、(b)に示したように、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅よりも長い直線部分を、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅方向に有さない形状となっている。
また、複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面において、第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44を複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44の平面視形状は、図5(a)、(b)に示したように、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向に延びる頂面部41を有し、その垂直方向の頂面部41の中央部分の両側に設けられる斜面部が括れた形状となっている。
また、図5(c)、(d)に示した第1、第2多角環状リブ7は、それ自体が、第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44の突出方向が反転するのを防止する反転防止構造を備えている。
すなわち、複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面において、第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44を複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44の平面視形状は、図5(c)、(d)に示したように、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅よりも長い直線部分を、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅方向に有さない形状となっている。
また、複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面において、第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44を複数の第1〜第6薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第1、第2多角環状リブ7の根元部の各曲がり部43、44の平面視形状は、図5(c)、(d)に示したように、略X字形の形状となっている。 以上のように、本実施例の吸気消音器3においては、実施例1と同様な効果を達成することができる。
図6は本発明の実施例4を示したもので、図6はインナーダクト(振動膜)を示した図である。
第1、第2多角環状リブ7自体の幅方向の中央部には、図6(a)〜(d)に示したように、第1、第2多角環状リブ7、特に第2、第5突条リブの各曲がり部43、44の突出方向が反転するのを防止する2つの反転防止部が一体的に形成されている。これらの反転防止部は、図6(a)〜(d)に示したように、第2、第5突条リブの根元部の各曲がり部43、44の平面視形状が、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅よりも長い直線部分を、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅方向に有さない形状となっている。
そして、第2、第5薄膜部5の各振動面において、第2、第5突条リブの根元部の各曲がり部43、44を第2、第5薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第2、第5突条リブの根元部の各曲がり部43、44の平面視形状は、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向に延び、複数の第1〜第6屈曲部6に対して平行な方向に一定の幅を有する部分、およびこの一定の幅を有する部分から複数の第1〜第6屈曲部6に対して平行な方向に延びる所定の形状(楕円形状)の出っ張り部分を備える形状となっている。すなわち、第1、第2多角環状リブ7、特に第2、第5突条リブは、その両斜面部より外側(吸気流方向の上流側および下流側)に向かって出っ張った出っ張り状の突起部分51、52を備えている。
ここで、図6(a)、(b)に示した突起部分51、52は、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅よりも吸気流方向(図示上下方向)の幅が広い楕円形状の凸状補強リブである。また、図6(c)、(d)に示した突起部分51、52は、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅よりも吸気流方向(図示上下方向)の幅が狭い楕円形状の凸状補強リブである。
以上のように、本実施例の吸気消音器3においては、実施例1と同様な効果を達成することができる。
図7は本発明の実施例5を示したもので、図7はインナーダクト(振動膜)を示した図である。
第1、第2多角環状リブ7の近傍には、図7(a)、(b)に示したように、第1、第2多角環状リブ7、特に第2、第5突条リブの各曲がり部43、44の突出方向が反転するのを防止する2つの反転防止部が一体的に形成されている。
そして、第2、第5薄膜部5の各振動面において、第2、第5突条リブの根元部の各曲がり部43、44を第2、第5薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第2、第5突条リブの根元部の各曲がり部43、44の平面視形状は、複数の第1〜第6屈曲部6に対して直交する垂直方向に延びる直線部分(第1、第2多角環状リブ7)、およびその垂直方向の直線部分の中央部分より離れた位置に設置される島状部分53、54を備えた形状となっている。すなわち、第1、第2多角環状リブ7、特に第2、第5突条リブは、その両斜面部より外側(吸気流方向の上流側および下流側)に離れた位置に飛び島状の突起部分(島状部分53、54)を備えている。なお、直線部分とは、第1、第2多角環状リブ7、特に第2、第5突条リブのことである。
以上のように、本実施例の吸気消音器3においては、実施例1と同様な効果を達成することができる。
図8および図9は本発明の実施例6を示したもので、図8および図9はインナーダクト(振動膜)を示した図である。
本実施例のインナーダクト4である振動膜は、吸気流方向における通路断面積が、上流側から下流側に向けて大きくなっている。この振動膜は、連通路15内を流れる吸入空気の流れ方向(吸気流方向)に垂直な断面が、多角筒形状(八角筒形状)となっている。また、振動膜は、インナーダクト4の周方向に所定の間隔で配設された複数(8つ)の第1〜第8薄膜部5を有している。
そして、インナーダクト4である振動膜は、複数の第1〜第8薄膜部5の各振動面のうちの隣り合う2つの振動面間に、連通路15の通路方向(吸気流方向)に沿って真っ直ぐに延びる複数の第1補強部(以下第1〜第8屈曲部と言う)6を有している。また、インナーダクト4である振動膜は、複数の第1〜第8屈曲部6の延長方向(吸気流方向)に対して直交する垂直方向に延びると共に、複数の第1〜第8屈曲部6の延長方向(吸気流方向)に対して垂直に交差する複数(2つ)の第2補強部(以下第1、第2多角環状リブ)7を有している。
また、第1、第2多角環状リブ7は、多角環状の第1〜第8突条リブ(凸状の補強リブ)であって、複数の第1〜第8薄膜部5の各振動面の一部を、インナーダクト4の外部方向(径方向外方)に向けて突出させると共に、インナーダクト4の周方向に延びている。この第1、第2多角環状リブ7は、台形状の内部空間を有し、平面化された頂面部(平面部)41、第1〜第8屈曲部6に対応して設けられた凸状の屈曲部42、および頂面部41と根元部とを繋ぐように振動面に直交する垂線に対して所定の傾斜角度分だけ傾斜した斜面部(傾斜部)等によって構成されている。そして、第1、第2多角環状リブ7の根元部には、インナーダクト4の内部方向(径方向内方)に向けて突出する凸形状の曲がり部(直線部分、谷折り線)43、44がそれぞれ形成されている。
第1、第2多角環状リブ7自体の幅方向の中央部には、第1、第2多角環状リブ7、特に第2、第6突条リブの各曲がり部43、44の突出方向が反転するのを防止する2つの反転防止部が一体的に形成されている。これらの反転防止部は、第2、第6突条リブの根元部の各曲がり部43、44の平面視形状が、複数の第1〜第8屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅よりも長い直線部分を、複数の第1〜第8屈曲部6に対して直交する垂直方向の幅方向に有さない形状となっている。
そして、複数の第2、第6薄膜部5の各振動面において、第2、第6突条リブの根元部の各曲がり部43、44を複数の第2、第6薄膜部5の各振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは第2、第6突条リブの根元部の各曲がり部43、44の平面視形状は、複数の第1〜第8屈曲部6に対して直交する垂直方向に延び、複数の第1〜第8屈曲部6に対して平行な方向に一定の幅を有する部分、およびこの一定の幅を有する部分から複数の第1〜第8屈曲部6に対して平行な方向に延びる所定の形状(略二等辺三角形状)の出っ張り部分を備える形状となっている。すなわち、第1、第2多角環状リブ7、特に第2、第6突条リブは、その両斜面部より外側(吸気流方向の上流側および下流側)に向かって出っ張った出っ張り状の突起部分55、56を備えている。
ここで、突起部分55、56は、その頂面部が、第1、第2多角環状リブ7、特に第2、第6突条リブの頂面部41と略同一の高さにある二等辺三角形状の凸状補強リブである。
以上のように、本実施例の吸気消音器3においては、実施例1と同様な効果を達成することができる。
[変形例]
本実施例では、エンジンEの吸気ダクト2に、吸気通路開閉装置および吸気渦流発生装置を設置したが、エンジンEの吸気ダクト2に、吸気通路開閉装置または吸気渦流発生装置を設置しなくても良い。エンジンEの吸気ダクト2に、少なくとも吸気音低減装置(吸気音制御装置)が設置されていれば良い。
本実施例では、インナーダクト4とアウターダクト9との間に形成される筒状の空間を消音室8として使用しているが、インナーダクト4とアウターダクト9との間に形成される筒状の空間を吸音室または共鳴室として使用しても良い。
ここで、共鳴室として使用する場合には、アウターダクト9に分岐開口部(連通孔)を設け、この分岐開口部からダッシュパネル(またはサイドパネル)を貫通して、自動車の車室内で開口する開口部まで延びる分岐ダクトを吸気消音器3に接続する。そして、インナーダクト4の形状、厚み、面積または位置をチューニングすることにより、所望(特定)の周波数(を含む特定の周波数帯域:例えば100〜400Hz程度)を有する吸気音、例えば運転者にとって心地良い吸気音が、インナーダクト4を透過して、吸気消音器3の共鳴室および分岐開口部からダッシュパネル(またはサイドパネル)を貫通する分岐ダクト内に伝播し、その後に、分岐ダクトの開口部から自動車の車室内に放出される。なお、この場合の吸気消音器3は共鳴器となる。
本実施例では、アウターダクトとして、六角筒形状のアウターダクト9を採用しているが、アウターダクトとして、三角筒形状、四角筒形状、五角筒形状、七角筒以上の多角筒形状、あるいは長円筒形状等のように、少なくとも一部に所定の面積を持つ平面部を有する筒形状の被覆体を採用しても良い。
本実施例では、インナーダクト4として、六角筒形状の振動膜(薄膜、内筒膜)を採用しているが、インナーダクト4として、三角筒形状、四角筒形状、五角筒形状、七角筒以上の多角筒形状、あるいは長円筒形状等のように、少なくとも一部に所定の面積を持つ平面部を有する筒形状の振動膜(薄膜)を採用しても良い。
また、アウターダクト9とインナーダクト4とが同一の多角筒形状または長円筒形状である必要はなく、アウターダクト9とインナーダクト4とを異なる多角筒形状または長円筒形状としても良い。
本実施例では、本発明の消音器を、エンジンEで発生した吸気音、つまりインナーダクト4よりも吸気通路(流体流路)を流れる吸入空気(流体、特に気体)の流れ方向(吸気流方向)の下流側で発生した音を減衰させる吸気消音器3に適用しているが、本発明の消音器を、ダクトよりも流体流路を流れる流体の流れ方向の上流側で発生した音を減衰させる消音器に適用しても良い。あるいは本発明の消音器を、ダクトの内部で発生した音を減衰させる消音器に適用しても良い。
本実施例では、インナーダクト4の周方向の全周が樹脂フィルムよりなる振動膜(薄膜)によって形成されているが、第1補強部の両側で隣り合う2面が共に振動面であれば、インナーダクト4の周方向の一部が薄膜によって形成されていても良い。
本実施例では、ダクトの周囲を気体層を介して取り囲む筒状の被覆体を、硬質のアウターダクト9によって形成しているが、被覆体を、軟質の被覆材によって形成しても良い。 なお、消音室(気体層)8を、インナーダクト4の周方向の一部分が密閉され、インナーダクト4の周方向の残りの部分が開放されるように構成しても良い。
また、アウターダクト(被覆体)9に、消音室(気体層)8とアウターダクト(被覆体)9の外部とを連通する連通孔を設けても良い。また、アウターダクト(被覆体)9を設けなくても良い。
また、空気層(消音室8)を、アルゴン、ヘリウム、キセノン等の不活性ガス、窒素ガスなどが封入されるガス層(気体層)に変更しても良い。
本実施例では、アウターダクト9を、インナーダクト4よりも高剛性(硬質)の樹脂材料によって形成しているが、アウターダクト9を、インナーダクト4よりも柔軟性(軟質)のある樹脂材料(例えばエラストマー樹脂等の合成樹脂)、あるいは柔軟性のある弾性材料(例えばシリコンゴムまたはエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)等の弾性体)、あるいは柔軟性のあるポリウレタンフォーム等の吸音材によって形成形成しても良い。また、アウターダクト9を、インナーダクト4よりも高剛性(硬質)の金属材料(例えばアルミニウム、鉄等)、あるいはインナーダクト4よりも柔軟性のある軟質の金属材料(例えばアルミニウム、鉄等)によって形成しても良い。
本実施例では、本発明の消音器を、エンジンEの吸気ダクト2の途中に部分的に設置された2重管構造の吸気消音器3に適用しているが、本発明の消音器を、内燃機関の排気ダクトの途中に部分的に設置された排気消音器(自動車用マフラ)に適用しても良い。また、本発明の消音器を、空調装置(エアコン)用の吸気ダクトまたは燃焼式暖房装置の排気ダクトの途中に部分的に設置される消音器に適用しても良い。
内燃機関の吸気制御装置を示した概略図である(実施例1)。 (a)は内燃機関の吸気消音器を示した断面図で、(b)は(a)のA−A断面図である(実施例1)。 (a)、(b)はインナーダクト(振動膜)を示した平面図、正面図で、(c)、(d)はインナーダクト(振動膜)を示した平面図、正面図である(実施例1)。 (a)、(b)はインナーダクト(振動膜)を示した平面図、正面図で、(c)、(d)はインナーダクト(振動膜)を示した平面図、正面図である(実施例2)。 (a)、(b)はインナーダクト(振動膜)を示した平面図、正面図で、(c)、(d)はインナーダクト(振動膜)を示した平面図、正面図である(実施例3)。 (a)、(b)はインナーダクト(振動膜)を示した平面図、正面図で、(c)、(d)はインナーダクト(振動膜)を示した平面図、正面図である(実施例4)。 (a)はインナーダクト(振動膜)を示した平面図で、(b)はインナーダクト(振動膜)を示した正面図である(実施例5)。 インナーダクト(振動膜)を示した斜視図である(実施例6)。 (a)、(b)、(c)はインナーダクト(振動膜)を示した正面図、平面図、側面図である(実施例1)。 内燃機関の吸気ダクトを示した断面図である(従来の技術)。 (a)はインナーダクトを示した平面図で、(b)は(a)のB−B断面図で、(c)は凸形状の補強リブの曲がり部の急激な反転状態を示した説明図である(従来の技術)。
符号の説明
E エンジン(内燃機関)
2 エンジンの吸気ダクト
3 2重管構造の吸気消音器
4 インナーダクト(薄膜、振動膜、内管、内筒膜)
5 振動面を有する第1〜第6薄膜部
6 第1〜第6屈曲部(第1補強部)
7 第1、第2多角環状リブ(第2補強部、凸状の補強リブ)
8 消音室(気体層、空気層)
9 アウターダクト(被覆体、外管、外筒壁)
14 吸気導入通路(流体流路)
15 連通路(流体流路)
16 吸気導入通路(流体流路)
41 第1、第2多角環状リブの頂面部(平面部)
42 第1、第2多角環状リブの屈曲部
43 第1、第2多角環状リブの曲がり部(直線部分)
44 第1、第2多角環状リブの曲がり部(直線部分)
45 第1、第2多角環状リブの曲がり部(蛇行部分)
46 第1、第2多角環状リブの曲がり部(蛇行部分)
51 第1、第2多角環状リブの突起部分(反転防止部、出っ張り部分、凸状の補強リブ)
52 第1、第2多角環状リブの突起部分(反転防止部、出っ張り部分、凸状の補強リブ)
53 第1、第2多角環状リブの島状部分(反転防止部、凸状の補強リブ)
54 第1、第2多角環状リブの島状部分(反転防止部、凸状の補強リブ)
55 第1、第2多角環状リブの突起部分(反転防止部、出っ張り部分、凸状の補強リブ)
56 第1、第2多角環状リブの突起部分(反転防止部、出っ張り部分、凸状の補強リブ)
71 第1、第2分割リブ(第2補強部、凸状の補強リブ、左側補強リブ)
72 第1、第2分割リブ(第2補強部、凸状の補強リブ、右側補強リブ)

Claims (24)

  1. 内部に流体流路が形成された筒状のダクトと、このダクトの周囲を気体層を介して取り囲む筒状の被覆体とを備え、
    前記ダクトよりも前記流体流路を流れる流体の流れ方向の上流側または下流側で発生した音、あるいは前記ダクトの内部で発生した音を減衰させる消音器において、
    前記ダクトは、その周方向に複数の振動面を有する薄膜を具備し、
    前記薄膜は、前記複数の振動面のうちの隣り合う2つの振動面間に、前記流体流路を流れる流体の流れ方向に沿って延びる第1補強部を有し、且つ前記複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面の一部を前記ダクトの外部方向に向けて突出させると共に、前記ダクトの周方向に延びる第2補強部を有し、
    前記第2補強部の根元部には、前記ダクトの内部方向に向けて突出する凸形状の曲がり部が形成されており、
    前記少なくとも1つの振動面において、前記第2補強部自体またはその近傍には、前記曲がり部の突出方向が反転するのを防止する反転防止部が形成されていることを特徴とする消音器。
  2. 請求項1に記載の消音器において、
    前記ダクトの周方向は、前記第1補強部に対して直交する垂直方向、あるいは前記第1補強部に対して斜めに交差する方向であることを特徴とする消音器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の消音器において、
    前記反転防止部は、前記第2補強部の根元部の平面視形状が、前記第1補強部に対して直交する垂直方向の幅よりも長い直線部を、前記第1補強部に対して直交する垂直方向の幅方向に有さない形状となっていることを特徴とする消音器。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記反転防止部は、前記第2補強部の根元部の平面視形状が、前記第1補強部に対して直交する垂直方向の幅よりも短い直線部を、前記第1補強部に対して直交する垂直方向の幅方向に有する形状となっていることを特徴とする消音器。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記反転防止部は、前記流体流路を流れる流体の流れ方向の上流側または下流側に形成されることを特徴とする消音器。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記ダクトは、その周方向の略全周が、前記薄膜によって形成されていることを特徴とする消音器。
  7. 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記被覆体は、硬質のダクトまたは軟質の被覆材によって形成されていることを特徴とする消音器。
  8. 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記流体流路とは、内燃機関の燃焼室に連通する吸気通路のことであって、
    前記流体とは、前記吸気通路の内部を流れる吸入空気のことであることを特徴とする消音器。
  9. 請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記薄膜は、樹脂フィルムによって形成されていることを特徴とする消音器。
  10. 請求項1ないし請求項9のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記ダクトは、前記流体流路を流れる流体の流れ方向に垂直な断面形状が、多角筒形状となっていることを特徴とする消音器。
  11. 請求項1ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記複数の振動面全体または前記隣り合う2つの振動面または前記少なくとも1つの振動面は、平面であることを特徴とする消音器。
  12. 請求項1ないし請求項11のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記ダクトは、前記第1補強部を前記被覆体に接近する方向に延伸して前記被覆体に固定されることを特徴とする消音器。
  13. 請求項1ないし請求項12のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記気体層は、前記ダクトの周方向の一部分が密閉され、前記ダクトの周方向の残りの部分が開放されることを特徴とする消音器。
  14. 請求項1ないし請求項13のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記被覆体は、前記気体層と前記被覆体の外部とを連通する連通孔を有していることを特徴とする消音器。
  15. 内部に流体流路が形成された筒状のダクトと、このダクトの周囲を気体層を介して取り囲む筒状の被覆体とを備え、
    前記ダクトよりも前記流体流路を流れる流体の流れ方向の上流側または下流側で発生した音、あるいは前記ダクトの内部で発生した音を減衰させる消音器において、
    前記ダクトは、その周方向に複数の振動面を有する薄膜を具備し、
    前記薄膜は、前記複数の振動面のうちの隣り合う2つの振動面間に、前記流体流路を流れる流体の流れ方向に沿って延びる第1補強部を有し、且つ前記複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面の一部を前記ダクトの外部方向に向けて突出させると共に、前記ダクトの周方向に延びる第2補強部を有し、
    前記少なくとも1つの振動面において、前記第2補強部の根元部を前記少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは前記第2補強部の根元部の平面視形状は、
    前記第1補強部に対して直交する垂直方向の幅よりも長い直線部を、前記第1補強部に対して直交する垂直方向の幅方向に有さない形状であることを特徴とする消音器。
  16. 内部に流体流路が形成された筒状のダクトを備え、
    前記ダクトよりも前記流体流路を流れる流体の流れ方向の上流側または下流側で発生した音、あるいは前記ダクトの内部で発生した音を減衰させる消音器において、
    前記ダクトは、その周方向に複数の振動面を有する薄膜を具備し、
    前記薄膜は、前記複数の振動面のうちの隣り合う2つの振動面間に、前記流体流路を流れる流体の流れ方向に沿って延びる第1補強部を有し、且つ前記複数の振動面のうちの少なくとも1つの振動面の一部を前記ダクトの外部方向に向けて突出させると共に、前記ダクトの周方向に延びる第2補強部を有し、
    前記第2補強部の根元部には、前記ダクトの内部方向に向けて突出する凸形状の曲がり部が形成されており、
    前記少なくとも1つの振動面において、前記第2補強部自体またはその近傍には、前記曲がり部の突出方向が反転するのを防止する反転防止部が形成されていることを特徴とする消音器。
  17. 請求項1ないし請求項16のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記少なくとも1つの振動面において、前記第2補強部を前記少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは前記第2補強部の平面視形状は、
    前記第1補強部に対して直交する垂直方向に延び、前記第1補強部に対して平行な方向に一定の幅を有する部分、およびこの一定の幅を有する部分から前記第1補強部に対して平行な方向に延びる出っ張り部分を備える形状であることを特徴とする消音器。
  18. 請求項1ないし請求項16のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記少なくとも1つの振動面において、前記第2補強部を前記少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは前記第2補強部の平面視形状は、
    前記第1補強部に対して直交する垂直方向に波状に蛇行して延びる波形形状であることを特徴とする消音器。
  19. 請求項1ないし請求項16のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記少なくとも1つの振動面において、前記第2補強部を前記少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは前記第2補強部の平面視形状は、
    略菱形の形状であることを特徴とする消音器。
  20. 請求項1ないし請求項16のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記少なくとも1つの振動面において、前記第2補強部を前記少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは前記第2補強部の平面視形状は、
    略X字形の形状であることを特徴とする消音器。
  21. 請求項1ないし請求項16のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記少なくとも1つの振動面において、前記第2補強部の根元部を前記少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは前記第2補強部の根元部の平面視形状は、
    前記第1補強部に対して直交する垂直方向に延びる直線部分を備え、複数に分割されている形状であることを特徴とする消音器。
  22. 請求項1ないし請求項16のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記少なくとも1つの振動面において、前記第2補強部の根元部を前記少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは前記第2補強部の根元部の平面視形状は、
    前記第1補強部に対して直交する垂直方向に延び、且つその垂直方向の中央部分が括れた形状であることを特徴とする消音器。
  23. 請求項1ないし請求項16のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記少なくとも1つの振動面において、前記第2補強部の根元部を前記少なくとも1つの振動面に対して直交する垂直方向から見た形状、あるいは前記第2補強部の根元部の平面視形状は、
    前記第1補強部に対して直交する垂直方向に延びる直線部分、およびこの直線部分の中央部分より離れた島状部分を備えた形状であることを特徴とする消音器。
  24. 請求項1ないし請求項23のうちのいずれか1つに記載の消音器において、
    前記ダクトは、前記流体流路を流れる流体の流れ方向における流路断面積が、上流側から下流側に向けて大きくなっていることを特徴とする消音器。
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