JP2009156157A - 圧縮機 - Google Patents

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清彦 榊原
Sokichi Hibino
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Abstract

【課題】吐出圧領域から異常な高圧が作用してもリリーフバルブが装着孔から脱落する不具合の発生を防止することができる圧縮機を提供すること。
【解決手段】冷媒圧縮機11において、リリーフバルブ30は、装着孔15の吐出室Da側の開口から装着孔15内に挿入されて装着される。また、リリーフバルブ30は、ケーシング31の係合凸部34と装着孔15の係合凹部15dとの係合によって装着孔15内での吐出室Da側への移動が規制されている。さらに、リリーフバルブ30は、ケーシング31の係止段部36と、装着孔15の係止段差15cとの係止によって装着孔15内での大気側への移動が規制されている。リヤハウジング14には装着孔15の大気側を覆うように膨出する通路形成部141が設けられ、通路形成部141に装着孔15の他端側と大気とを連通する連通通路14aを形成可能にした。
【選択図】図2

Description

本発明は、装着孔内に吐出圧領域の圧力開放のためのリリーフバルブが装着された圧縮機に関する。
例えば、車両空調装置の冷凍回路に用いられる冷媒圧縮機の運転時には、冷媒圧縮機内に形成された吐出室が高圧状態となるが、該吐出室の圧力が所定値を越えて異常に高くなった場合には、吐出室の圧力を低減させ、冷媒圧縮機の破壊を防ぐ必要がある。このため、冷媒圧縮機には、吐出室の冷媒ガス(圧力)を外部に放出するためのリリーフバルブが装備されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1のリリーフバルブは、合成樹脂からなるカップ状のボディを備え、該ボディの中央底部には圧力導入口が形成され、該圧力導入口の内周縁には弁座が形成されている。また、ボディ内には弁体が収納され、該弁体の弁体ガイド部の内側には圧縮コイルばねが収納されている。ボディの上部開口には、中央に通口を備えた合成樹脂からなるプレートが固定されている。圧縮コイルばねは弁体とプレートの間に介装されている。そして、特許文献1のリリーフバルブは、ハウジングの外部側から吐出室付近まで凹設された凹部に、ボディの下部外周面に設けられたおねじを螺合することにより冷媒圧縮機に装備されている。
また、特許文献2のリリーフバルブは、ハウジングに、その外部側から吐出室付近まで凹設された弁室に弁体及びばねが収容され、該弁室の開口を閉塞するようにハウジングの外部側から弁蓋が取り付けられることにより冷媒圧縮機に設けられている。前記弁蓋はハウジング外面から突出した凸状部材によりカシメ固定されたり、弁蓋の周面と弁室の周面との間に形成される螺合関係によってハウジングに固定されている。また、ハウジングには吐出室と弁室とを連絡するための流入孔が形成され、弁蓋には弁室と大気とを連絡するための放出孔が形成されている。また、前記ばねは弁体と弁蓋の間に介装されている。
特開2001−12628号公報 特開2004−360491号公報
ところが、特許文献1のリリーフバルブは、ハウジングの外部側から凹部にボディのおねじを螺合して冷媒圧縮機に装備されている。このため、吐出室の圧力が異常に高くなり、該異常な高圧が弁体に作用したとき、弁体及び圧縮コイルばねを介してプレートが凹部内から大気側へ強く押圧されてプレートが外れたり、リリーフバルブ自体が凹部から脱落してしまう不具合が発生する虞があった。特許文献2のリリーフバルブも、ハウジングの外部側から弁室に弁体及びばねを収容し、該弁室の開口を閉塞するようにハウジングに弁蓋が固定されて冷媒圧縮機に設けられている。そして、吐出室の圧力が異常に高くなり、該異常な高圧が弁体に作用したとき、弁室内から大気側へ弁体及びばねを介して弁蓋が強く押圧されて弁蓋が弁室から外れてリリーフバルブがハウジングから脱落してしまう不具合が発生する虞があった。
本発明の目的は、吐出圧領域から異常な高圧が作用してもリリーフバルブが装着孔から脱落する不具合の発生を防止することができる圧縮機を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ハウジングには、一端側が吐出圧領域に連通するとともに他端側が大気に連通する装着孔が形成され、該装着孔内に前記吐出圧領域の圧力開放のためのリリーフバルブが装着された圧縮機であって、前記リリーフバルブは、前記吐出圧領域からの気体が流入する流入口が形成された合成樹脂製のボディと、前記気体を放出する放出口が形成された合成樹脂製のストッパとが溶着されてなるケーシングを備え、該ケーシングの内部に前記流入口を開閉する弁体、及び該弁体を前記流入口を閉鎖する方向に付勢する圧縮ばねが収容されるとともに、前記ケーシングには前記圧縮ばねを支持する支持部が前記ストッパにおける前記放出口の近傍に形成されており、前記リリーフバルブが、前記流入口を前記装着孔の吐出圧領域側に位置させるとともに放出口を前記装着孔の大気側に位置させるように前記装着孔の吐出圧領域側の開口から該装着孔内に挿入されて装着されるとともに、位置決め手段によって前記装着孔内での前記吐出圧領域側への移動が規制され、さらに、前記ケーシングに形成された係止段部と前記装着孔に形成された係止段差との係止によって前記装着孔内での大気側への移動が規制され、前記ハウジングには前記装着孔の大気側を覆うように膨出する通路形成部が設けられ、該通路形成部に前記装着孔の他端側と大気とを連通する連通通路を形成可能にした。
この構成によれば、リリーフバルブは、装着孔の吐出圧領域側の開口から該装着孔内に挿入して装着されている。そして、装着孔内への装着状態では、ケーシングの係止段部と装着孔の係止段差との係止により、リリーフバルブの装着孔内での大気側への移動が阻止されている。したがって、リリーフバルブに吐出圧領域から異常な高圧が作用しても、ケーシングの係止段部と装着孔の係止段差との係止によってリリーフバルブが大気側へ移動することを阻止することができる。また、車両等の空調装置において、圧縮機及びその他の機器のレイアウトは予め決定されている。そして、通路形成部に形成する連通通路の位置を設定することで、冷媒ガスの放出先を、冷媒ガスが吹きかけられると好ましくない機器を避けた位置に配置することができる。その結果として、冷媒ガスの放出先を変更するためにハウジングにおける装着孔の形成位置を変更する等の必要がなくなり、ハウジングにおける装着孔の形成位置を統一することができ、圧縮機用に製造されるハウジングの種類を減らすことができる。
また、前記連通通路は、前記通路形成部に1本形成されていてもよい。この構成によれば、連通通路はドリル等で通路形成部を掘って形成するため、連通通路を1本だけとすることで、通路形成部の剛性低下を抑制することができる。
また、前記連通通路は、該連通通路の出口が上方に向かって開口している。
この構成によれば、圧縮機の上方には空調装置の機器が配置されないため、連通通路の出口が上方に開口していることにより、冷媒ガスが吹きかけられると好ましくない機器を避けた位置に配置することができる。
また、前記通路形成部は、前記ハウジングと一体成形されていてもよい。
この構成によれば、通路形成部がハウジングと一体成形されることで、例えば、ハウジングと別体形成した通路形成部をハウジングに接合する場合に比して、圧縮機用のハウジングの製造が容易である。
本発明によれば、吐出圧領域から異常な高圧が作用してもリリーフバルブが装着孔から脱落する不具合の発生を防止することができる。
以下、本発明の圧縮機を、車両空調装置の冷凍回路に用いられる冷媒圧縮機に具体化した一実施形態について図1及び図2を用いて説明する。
まず、車両空調装置の冷凍回路について説明する。
図1に示すように、車両のエンジンルーム(図示せず)内には、冷凍回路10が設置されるとともに、冷凍回路10を構成する圧縮機11の後側(近傍)にはエキゾストマニホールドMが配置されている。
冷凍回路10は、気体としての冷媒ガスを圧縮する冷媒圧縮機11、冷媒圧縮機11からの高圧の冷媒ガスを冷却する凝縮器C、凝縮器Cからの冷媒を絞る膨張弁V、及び膨張弁Vからの冷媒が蒸発される蒸発器Eから構成されている。そして、エンジンルーム内において、圧縮機11、凝縮器C、膨張弁V、蒸発器E、エキゾストマニホールドMは、そのレイアウトが予め決定されている。冷媒圧縮機11には、吐出圧領域である吐出室Daが異常な高圧となった時に、吐出室Daの圧力を開放する目的で吐出室Daの冷媒ガスを大気へと逃がすリリーフバルブ30が装備されている。
また、冷媒圧縮機11のハウジングは、シリンダブロック12と、シリンダブロック12のフロント側に接合されたフロントハウジング13と、シリンダブロック12のリヤ側に接合されたリヤハウジング14とから構成されている。これらシリンダブロック12、フロントハウジング13及びリヤハウジング14は、複数本(例えば、5本)のボルトBによって共締めされている。ハウジングにおけるシリンダブロック12とリヤハウジング14との間には、吐出室Daと吸入室Saが区画形成されている。また、冷媒圧縮機11において、リヤハウジング14と、シリンダブロック12との間には、バルブプレート19、吐出用の弁形成プレート20、吸入用の弁形成プレート21及びリテーナガスケット22が介在されている。
バルブプレート19には、吐出室Daと対応する位置に吐出ポート19aが形成されるとともに吸入室Saに対応する位置に吸入ポート19bが形成されている。また、吐出用の弁形成プレート20には、吐出ポート19aと対応する位置に吐出弁20aが形成されるとともに、吐出弁20aは、吐出ポート19aを開閉する。また、リテーナガスケット22には、リテーナ22aが形成されるとともに、リテーナ22aは、吐出弁20aの開度を規制する。吸入用の弁形成プレート21には、吸入ポート19bと対応する位置に吸入弁21aが形成されるとともに、吸入弁21aは、吸入ポート19bを開閉する。
リヤハウジング14には吸入通路16が形成され、吸入通路16は一端が吸入室Saに連通するとともに、他端は冷凍回路10における蒸発器Eに接続されている。また、リヤハウジング14には吐出通路17が形成され、吐出通路17は一端が吐出室Daに連通するとともに、他端は冷凍回路10における凝縮器Cに接続されている。そして、冷媒圧縮機11は、吸入室Saから吸入された冷媒ガスを圧縮室(図示せず)で圧縮し、圧縮した高圧の冷媒ガスを吐出室Daに吐出する。吐出室Daに吐出された冷媒ガスは、吐出通路17から凝縮器Cへ流入するようになっている。さらに、膨張弁V及び蒸発器Eを経由した冷媒は、吸入通路16から吸入室Saへ流入するようになっている。
図2に示すように、リヤハウジング14には円孔状をなす装着孔15が形成されるとともに、装着孔15は一端側が吐出室Da(吐出圧領域)に連通し、他端側が大気と連通している。装着孔15の吐出室Da側は大径部15aとなっており、大径部15aより大気側は大径部15aより小径の小径部15bとなっている。そして、装着孔15の周面において、大径部15aと小径部15bとの間に係止段差15cが装着孔15の全周に亘って形成されている。さらに、装着孔15の周面において、大径部15aの吐出室Da側の縁部には、位置決め手段としての係合凹部15dが装着孔15の全周に亘って凹設されている。そして、上記構成の装着孔15にはリリーフバルブ30が装着されている。
リヤハウジング14の端面には、装着孔15の大気側(他端側)を覆うように半球状に膨出する通路形成部141がリヤハウジング14に一体成形されている。通路形成部141の内部には、装着孔15の他端側が延設されている。また、通路形成部141の内部では、装着孔15の他端側が、装着孔15の中心軸L1の延びる方向に沿って装着孔15の他端に向かうに従い徐々に縮径するように形成されている。
通路形成部141には、装着孔15の他端側と大気とを連通する連通通路14aが形成されるとともに、連通通路14aにより、装着孔15は大気と連通している。連通通路14aは、装着孔15の中心軸L1の延びる方向と直交する方向へ直線状に延びるとともに、出口14bが通路形成部141の上面で上方に向かって開口するように1本形成されている。連通通路14aは、その出口14bがエキゾストマニホールドMに向けて開口しないように、すなわち出口14bがエキゾストマニホールドMを避けた位置に配置されるように、通路形成部141での形成位置が設定されている。連通通路14aは、通路形成部141をドリル等で掘ることにより形成されている。
次に、リリーフバルブ30の構成について説明する。
リリーフバルブ30の外郭は円筒状をなすケーシング31によって形成されている。このケーシング31は、円筒状をなすボディ32と、円筒状をなすストッパ33とを超音波溶着によって溶着して一体化することにより形成されている。ボディ32及びストッパ33は合成樹脂たる熱可塑性樹脂(例えば、ポリエーテルイミド樹脂)よりなる。なお、ケーシング31の中心軸L2の延びる方向をケーシング31の軸方向とし、ケーシング31における吐出室Da側をケーシング31の軸方向一端側とし、大気側をケーシング31の軸方向他端側とする。そして、リリーフバルブ30において、ケーシング31の軸方向に沿った全長は、装着孔15において、吐出室Da側の開口と大気側の開口の間の長さより短くなっている。また、リリーフバルブ30は、中心軸L2が装着孔15の中心軸L1と同軸上に位置するように装着孔15に装着されている。
ケーシング31の軸方向一端側(ボディ32)の外周面には、位置決め手段としての係合凸部34がケーシング31の全周に亘って形成され、係合凸部34は装着孔15の係合凹部15dに係合可能になっている。また、ケーシング31の軸方向中央部(ストッパ33)の外周面には、係止段部36がケーシング31の全周に亘って形成されるとともに、係止段部36は装着孔15の係止段差15cに係止可能になっている。すなわち、ケーシング31はボディ32側がストッパ33側より大径をなす。
また、ケーシング31内には弁室37が形成されている。ケーシング31の軸方向一端であって、ボディ32の吐出室Da側の端面(一端面)には冷媒ガスが流入する流入口38が形成されるとともに、流入口38は吐出室Daと弁室37とを連通している。また、ケーシング31において、流入口38の周囲には円筒状をなす弁座39が弁室37の内部に向けて立設されている。
ケーシング31の軸方向他端であって、ストッパ33の大気側の端面(他端面)には冷媒ガスを放出する放出口45が形成されるとともに、放出口45は弁室37と大気とを連通している。また、ケーシング31において、放出口45の周囲(近傍)には、弁室37内に収容されたコイルスプリングよりなる圧縮ばね44の他端が当接するとともに、放出口45の周囲によって、圧縮ばね44を支持する支持部33aが形成されている。
弁室37内には弁体40が収容されている。弁体40は略円柱状をなすとともに、弁体40における弁座39側の端面にはシールゴム41が装着されている。また、弁体40の周面と、周面に対向するボディ32の内周面との間には僅かな隙間(図示せず)が形成されるとともに、弁体40は弁座39に対して接離する方向(ケーシング31の軸方向)に沿って移動可能となっている。そして、弁体40は弁座39に対して接離することにより、流入口38を開閉するようになっている。また、弁体40において、シールゴム41が装着された端面と背向する端面には、ばね取付部40cが立設されている。
弁室37内において、圧縮ばね44の一端は、ばね取付部40cを囲むようにしてばね取付部40cに取り付けられるとともに、圧縮ばね44の一端は弁体40に当接し、圧縮ばね44の他端は、ケーシング31における支持部33aに当接し、支持されている。そして、圧縮ばね44は、弁体40を弁座39に向けて付勢するとともに、流入口38を閉鎖する方向に付勢する。ボディ32の外周面にはシール部材35が装着されるとともに、シール部材35により、ケーシング31の外周面と装着孔15の周面との間から冷媒ガスが洩れるのを阻止している。
上記構成のリリーフバルブ30は、冷媒圧縮機11のハウジングを組み立てる前、リヤハウジング14の装着孔15内に挿入される。このとき、リリーフバルブ30は、装着孔15における吐出室Da側(吐出圧領域側)の開口に、ケーシング31の軸方向他端側から挿入される。そして、係止段部36が係止段差15cに係止するまでリリーフバルブ30を装着孔15に挿入すると、係合凸部34が係合凹部15dに係合し、リリーフバルブ30が装着孔15内に装着される。リリーフバルブ30は、全体が装着孔15内に収容されるとともに、リヤハウジング14の端面からリヤハウジング14外へリリーフバルブ30が突出しないようになっている。
また、リリーフバルブ30が装着孔15内に装着された状態では、流入口38が装着孔15の吐出室Da側に位置するとともに放出口45が装着孔15の大気側に位置している。さらに、ケーシング31の外周面と装着孔15の周面との間に設けられる係合関係、すなわち、係合凸部34と係合凹部15dとの係合関係よりなる位置決め手段によって、リリーフバルブ30は装着孔15での吐出室Da側への移動が規制される。また、ケーシング31の外周面と装着孔15の周面との間に設けられる係止関係、すなわち、係止段部36と係止段差15cとの係止関係によって、リリーフバルブ30の装着孔15での大気側への移動が規制される。
次に、上記構成のリリーフバルブ30の機能について説明する。さて、冷媒圧縮機11の吐出室Daが異常な高圧でなければ、吐出室Daの圧力に基づき弁体40に作用する弁開方向への力は小さくなっている。したがって、弁体40の位置決めには圧縮ばね44のばね力が支配的となり、弁体40は弁座39に当接した状態となっている。よって、流入口38と弁室37との連通が弁体40によって遮断されて、吐出室Da内の冷媒ガスがリリーフバルブ30から大気へと放出されることはない。
この状態から、何らかの理由によって吐出室Daが異常な高圧に上昇しようとすると、吐出室Daの圧力に基づき弁体40に作用する弁開方向への力が過大となる。したがって、弁体40は、圧縮ばね44のばね力に抗して移動して弁座39から離間する。よって、流入口38と弁室37との連通が弁体40によって開放され、吐出室Daの冷媒ガスが流入口38、弁室37及び放出口45からリリーフバルブ30外へ放出される。冷媒ガスは、連通通路14aの出口14bを介して冷凍回路10の上方に向けて放出されて大気へ放出されるとともに、吐出室Daの異常な圧力上昇が防止され、異常な高圧によるハウジングの破壊が防止される。
また、吐出室Daが異常な高圧に上昇しようとすると、異常な高圧がケーシング31の軸方向一端及び弁体40に作用し、ケーシング31及び弁体40は大気側へ強く押圧される。このとき、リリーフバルブ30は、ケーシング31の係合凸部34と装着孔15の係合凹部15dとの係合、さらに、ケーシング31の係止段部36と装着孔15の係止段差15cとの係止によってリリーフバルブ30が大気側へ移動することが阻止される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)リリーフバルブ30は、装着孔15の吐出室Da側の開口から装着孔15内に挿入して装着されている。そして、装着孔15内への装着状態では、ケーシング31の係止段部36が装着孔15の係止段差15cに係止することにより、リリーフバルブ30の装着孔15内での大気側への移動が阻止されている。また、ケーシング31の係合凸部34が装着孔15の係合凹部15dに係合することによって、ケーシング31の装着孔15内での吐出室Da側及び大気側への移動が規制されている。したがって、リリーフバルブ30に吐出室Daから異常な高圧が作用してもリリーフバルブ30が大気側へ移動することを阻止することができ、リリーフバルブ30が装着孔15から脱落することを防止することができる。
(2)リヤハウジング14には装着孔15の大気側を覆うように膨出する通路形成部141が設けられ、該通路形成部141に装着孔15の他端側と大気とを連通する連通通路14aを形成可能にした。よって、通路形成部141に形成する連通通路14aの位置を設定することで、冷媒ガスの放出先を、冷媒ガスが吹きかけられると好ましくない機器を避けた位置に配置することができる。その結果として、冷媒ガスの放出先を変更するためにリヤハウジング14における装着孔15の形成位置を変更する等の必要がなくなり、リヤハウジング14における装着孔15の形成位置を統一することができ、圧縮機11用に製造されるリヤハウジング14の種類を減らすことができる。
(3)通路形成部141に形成する連通通路14aを1本だけとした。よって、連通通路14aはドリル等で通路形成部141を掘って形成されるため、連通通路14aを1本だけとすることで通路形成部141の剛性低下を抑制することができる。
(4)連通通路14aは、その出口14bが上方に向かって開口している。よって、リリーフバルブ30によって放出された冷媒ガスが圧縮機11の後側に配設されたエキゾストマニホールドMに吹きかけられることをなくすことができる。このため、高温となったエキゾストマニホールドMに高温の冷媒ガスが吹きかけられることが原因で、冷媒ガスに混ざったオイルが気化して煙が発生することを防止することができる。また、圧縮機11の上方には機器が配設されないため、冷媒ガスが機器に吹きかけられることをなくすことができる。
(5)通路形成部141は、リヤハウジング14と一体成形されている。よって、例えば、リヤハウジング14と別体形成した通路形成部をリヤハウジング14に接合する場合に比して、圧縮機11用のハウジングの製造が容易である。
(6)係合凸部34と係合凹部15dが係合することにより、リリーフバルブ30の装着孔15内での吐出室Da側への移動が規制される。よって、冷媒圧縮機11の吐出室Daが真空引きされたとき、リリーフバルブ30が装着孔15の吐出室Da側に向けて移動することを防止することができる。
(7)ケーシング31は合成樹脂より形成されている。したがって、ケーシング31をアルミニウムより形成する場合に比して、材料費を抑えることができる。また、ケーシング31(ボディ32及びストッパ33)は射出成形によって形成され、リリーフバルブ30を装着孔15内に移動規制して装着するための係合凸部34、係止段部36等は射出成形の際に一体成形される。よって、ケーシング31をアルミニウムで形成する場合のように、リリーフバルブ30を冷媒圧縮機11に装着するための雄ねじ等の加工を必要とせず、ケーシング31の加工費を抑えることができるとともに係合凸部34、係止段部36等の精度を良好なものとすることができる。
(8)リリーフバルブ30は、全体が装着孔15内に収容された状態で係合凸部34を装着孔15の係合凹部15dに係合することで装着孔15内に位置決めした状態に装着される。よって、例えば、リリーフバルブをアルミニウム製とし、リリーフバルブに設けた雄ねじをリヤハウジングに螺合して冷媒圧縮機に装備する場合のように、リリーフバルブを工具によって回転させて螺進させるために、工具を掛止させるリリーフバルブの端部をハウジングから突出させる必要がない。したがって、冷媒圧縮機11においては、リリーフバルブの突出端部のためのスペースを必要とせず、また、リリーフバルブを螺進させる工具を動かすためのスペースも確保する必要が無くなり、冷媒圧縮機11の車両搭載スペースを狭くすることができる。加えて、リリーフバルブ30を装着孔15内に挿入するだけで装着孔15に位置決めされるため、リリーフバルブを螺進させる場合に比して、簡単に冷媒圧縮機11に装備することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ ケーシング31の外周面に係合凹部を凹設し、装着孔15の周面に係合凸部を突設してもよい。
○ リリーフバルブ30は、ケーシング31の軸方向他端側が装着孔15から大気へ突出していてもよい。リリーフバルブ30が装着孔15から大気へ突出している場合、通路形成部141が形成されていないと、圧縮機11の搬送時や取り付け時にリリーフバルブ30が他の部材と接触し、変形してしまう虞がある。しかし、通路形成部141が形成されているため、他の部材と接触してもリリーフバルブ30が変形することを防止できる。
○ 連通通路14aは、装着孔15の中心軸L1の延びる方向と直交する方向に延びるように形成したが、例えば、中心軸L1の延びる方向に沿った方向へ形成してもよい。その場合、連通通路14aは、その出口14bがエキゾストマニホールドMを避けた位置に配置されるようにする。又は、連通通路14aは、中心軸L1の延びる方向に対し、斜め上方に向けて延びるように形成されていてもよい。
○ 連通通路14aは、通路形成部141を上下方向へ貫通し、通路形成部141の上面及び下面に開口するように形成されていてもよい。
○ 連通通路14aは、通路形成部141に2本以上形成してもよい。
○ 通路形成部141は、リヤハウジング14と一体成形したが、連通通路14aを形成した通路形成部を別部品としてリヤハウジング14に溶接してもよい。この場合、通路形成部とリヤハウジング14との溶接部分には冷媒ガスが漏れないようにシールする必要がある。
○ 冷媒圧縮機11を車両空調装置の冷凍回路10を構成するものに具体化したが、冷媒圧縮機11を、車両空調装置以外の空調装置の冷凍回路を構成するものや、空調装置以外の冷凍回路に用いられるものに具体化してもよい。
冷媒圧縮機を含む冷凍回路を示す部分破断断面図。 リリーフバルブ及び装着孔を示す断面図。
符号の説明
Da…吐出圧領域としての吐出室、11…圧縮機としての冷媒圧縮機、12…ハウジングを形成するシリンダブロック、13…ハウジングを形成するフロントハウジング、14…ハウジングを形成するリヤハウジング、141…通路形成部、14a…連通通路、14b…出口、15…装着孔、15c…係止段差、15d…位置決め手段としての係合凹部、22b…吐出圧領域としての連通孔、22c…吐出圧領域としての凹部、22e…吐出圧領域としての連通溝、30…リリーフバルブ、31…ケーシング、32…ボディ、33…ストッパ、33a…支持部、34…位置決め手段としての係合凸部、36…係止段部、38…流入口、40…弁体、44…圧縮ばね、45…放出口。

Claims (4)

  1. ハウジングには、一端側が吐出圧領域に連通するとともに他端側が大気に連通する装着孔が形成され、該装着孔内に前記吐出圧領域の圧力開放のためのリリーフバルブが装着された圧縮機であって、
    前記リリーフバルブは、前記吐出圧領域からの気体が流入する流入口が形成された合成樹脂製のボディと、前記気体を放出する放出口が形成された合成樹脂製のストッパとが溶着されてなるケーシングを備え、該ケーシングの内部に前記流入口を開閉する弁体、及び該弁体を前記流入口を閉鎖する方向に付勢する圧縮ばねが収容されるとともに、前記ケーシングには前記圧縮ばねを支持する支持部が前記ストッパにおける前記放出口の近傍に形成されており、
    前記リリーフバルブが、前記流入口を前記装着孔の吐出圧領域側に位置させるとともに放出口を前記装着孔の大気側に位置させるように前記装着孔の吐出圧領域側の開口から該装着孔内に挿入されて装着されるとともに、位置決め手段によって前記装着孔内での前記吐出圧領域側への移動が規制され、さらに、前記ケーシングに形成された係止段部と前記装着孔に形成された係止段差との係止によって前記装着孔内での大気側への移動が規制され、前記ハウジングには前記装着孔の大気側を覆うように膨出する通路形成部が設けられ、該通路形成部に前記装着孔の他端側と大気とを連通する連通通路を形成可能にしたことを特徴とする圧縮機。
  2. 前記連通通路は、前記通路形成部に1本形成される請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記連通通路は、該連通通路の出口が上方に向かって開口している請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記通路形成部は、前記ハウジングと一体成形される請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の圧縮機。
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