JP2009155091A - シート厚検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メンテナンス性を低下させることなしに検出精度の向上を図ることができるシート厚検出装置を提供する。
【解決手段】位置固定の基準ローラ32と、基準ローラ32に対し紙幣Sの搬送路15を挟んで対向するように設けられた変位可能な可動ローラ39とを有し、搬送路15で通常方向及び該通常方向よりも頻度が低い逆方向の両方向に搬送可能であって搬送時に基準ローラ32および可動ローラ39間を通過する紙幣Sの厚さを、可動ローラ39の変位量に応じて回動する検出軸34の回動量に基づいて検出する検出機構部35を備え、検出軸34をその軸方向に対して垂直な方向へ付勢する板バネ60を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、シートの厚さを検出するシート厚検出装置に関するものである。
従来から、紙幣処理機等において紙幣の重送やテープ等が貼付された紙幣を割り出すために、シートの厚さを検出するシート厚検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このシート厚検出装置は、位置固定の基準ローラと、この基準ローラに対しシートの搬送路を挟んで対向するように設けられた変位可能な可動ローラとを有し、この可動ローラの変位量から基準ローラおよび可動ローラ間を通過するシートの厚さを検出するようになっている。
ところで、上述のシート厚検出装置は、アームの端部に可動ローラが軸支され、このアームがその基部に設けられた検出軸を介して揺動自在に軸支されている。そして、検出軸の回動量をロータリエンコーダなどの検出手段により検出して可動ローラの変位量を求めている。
また、上述のシート厚検出装置では、検出手段等の定期的なメンテナンスが必要であり、検出軸とその軸受けとの間の遊びが少ないと、メンテナンス性が著しく悪化するため、一般に、検出軸とその軸受けとの間にある程度遊びを設定するようになっている。
特開2007−015779号公報
しかしながら、上述した従来のシート厚検出装置では、検出軸とその軸受けとの遊びにより、検出軸がガタつき、検出手段の検出結果に悪影響を及ぼす虞があるという課題がある。
そこで、この発明は、メンテナンス性を低下させることなしに検出精度の向上を図ることができるシート厚検出装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、位置固定の基準ローラ(例えば、実施の形態における基準ローラ32)と、当該基準ローラに対しシート(例えば、実施の形態における紙幣S)の搬送路(例えば、実施の形態における搬送路15)を挟んで対向するように設けられた変位可能な可動ローラ(例えば、実施の形態における可動ローラ39)とを有し、前記搬送路で通常方向及び該通常方向よりも頻度が低い逆方向の両方向に搬送可能であって搬送時に前記基準ローラおよび前記可動ローラ間を通過するシートの厚さを、前記可動ローラの変位量に応じて回動する検出軸(例えば、実施の形態における検出軸34)の回動量に基づいて検出する検出機構部(例えば、実施の形態における検出機構部35)を備え、前記検出軸をその軸方向に対して垂直な方向へ付勢する弾性体(例えば、実施の形態における板バネ60)を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記弾性体が、前記検出軸を前記搬送路側に向かって付勢することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記弾性体が、板バネであることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、検出軸を弾性体によって軸方向に対して垂直方向に付勢することで、検出軸と該検出軸を支持する軸受けとの間に遊びを残したまま、可動ローラの変位量を検出するときに検出軸がガタつくのを防止することができる。したがって、メンテナンス性を低下させることなしに検出精度を向上することができる効果がある。
請求項2に記載した発明によれば、可動ローラが変位する方向と反対方向に付勢することとなるため、可動ローラの変位に伴って検出軸が搬送路から離間する方向に変位するのを効率よく防止することができる効果がある。
請求項3に記載した発明によれば、弾性体として板バネを用いることで、構造が複雑化することなく、また、少ないスペースで検出軸を付勢することができる。したがって、弾性体の設置自由度を向上することができるとともに、装置の大型化を防止することができる効果がある。
次に、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態のシート厚検出装置は、紙幣処理機内に内蔵されてシートとしての紙幣の厚みを検出するものであって、紙幣処理機において機外から紙幣Sが投入される図1に示す紙幣投入口11を含む投入部ユニット12に設けられている。この投入部ユニット12は、装着先の紙幣処理機の仕様によって、図1に示すように、紙幣投入口11を横に向けた状態で装着されたり、紙幣投入口11を上に向けた状態(図示略)で装着されたりする。
投入部ユニット12は、紙幣投入口11から投入された紙幣Sを例えばその長辺方向に沿って搬送する水平に配置された搬送路15と、この搬送路15における紙幣投入口11側の下側に配置されるとともに紙幣搬送方向に直交する水平方向に沿って軸線を配置した回転可能な軸16と、この軸16に同軸をなして固定された円筒状の搬送ローラ17と、軸16に対し、搬送路15を挟んで反対側つまり上側に紙幣搬送方向における位置を合わせて平行に配置された回転可能な軸19と、この軸19に同軸をなして固定された円筒状の搬送ローラ20とを有している。これにより、搬送ローラ17,20は、互いに当接可能となるように搬送路15を挟んで対向配置されている。
また、投入部ユニット12は、軸16の紙幣投入口11に対し反対側において軸16と平行をなして搬送路15の下側に配置された回転可能な軸22と、この軸22に同軸をなして固定された円筒状の搬送ローラ23と、軸22に対し、搬送路15を挟んで反対側に紙幣搬送方向における位置を合わせて平行に配置された回転可能な軸25と、この軸25に同軸をなして固定された円筒状の搬送ローラ26とを有している。これにより、搬送ローラ23,26は、互いに当接可能となるように搬送路15を挟んで対向配置されている。ここで、下側の搬送ローラ17,23は、図示略の搬送駆動機構により正逆回転が可能となっており、上側の搬送ローラ20は搬送ローラ17に対し連れ回りし、搬送ローラ26も搬送ローラ23に対し連れ回りするようになっている。そして、これら搬送ローラ17,20,23,26によって紙幣Sを、紙幣投入口11側から機内側へ搬送可能であるとともに機内側から紙幣投入口11側へ搬送可能となっている。ここで、紙幣Sの紙幣投入口11側から機内側への搬送(図1および図2における矢印Fの方向)を通常方向搬送とし、紙幣Sの機内側から紙幣投入口11側への搬送(図1における矢印Rの方向)を逆方向搬送とする。通常方向搬送は投入された紙幣が正常な場合の搬送であり、逆方向搬送は投入された紙幣が異常な場合の戻し搬送であるため、逆方向搬送は通常方向搬送よりも発生頻度が大幅に低い。
本実施形態のシート厚検出装置30は、下側の軸16と軸22との間においてこれら軸16,22と平行をなして搬送路15の下側に配置された位置固定の回転可能な基準軸31と、この基準軸31に同軸をなして固定されるとともに上記した図示略の搬送駆動機構で駆動されて搬送ローラ17,23と同期して回転する位置固定の円筒状の基準ローラ32と、基準軸31に対し、搬送路15を挟んで反対側かつ紙幣搬送方向における位置を紙幣投入口11側にずらして平行に配置された位置固定の回転可能な検出軸34を有する検出機構部35と、この検出機構部35の検出軸34に一端側が固定されるとともに紙幣投入口11とは反対側に延出する回動アーム37と、この回動アーム37の検出軸34に対し反対側に検出軸34と平行をなすよう回転可能に取り付けられた支持軸38と、この支持軸38に同軸をなして固定された円筒状の可動ローラ39とを有している。ここで、可動ローラ39は、基準ローラ32に対し当接可能となるように搬送路15を挟んで対向配置されており、基準ローラ32に対し連れ回りする。可動ローラ39は、回動アーム37が回動することで基準ローラ32に対し変位可能となっている。
また、シート厚検出装置30は、回動アーム37を基準ローラ32に向けて常時付勢するスプリングs(図2参照)を有しており、このため、可動ローラ39は、紙幣Sが搬送路15に沿って基準ローラ32と可動ローラ39との間に搬送されてくると、紙幣Sの厚み分だけ、回動アーム37を検出軸34を中心に回動させながら基準ローラ32に対し変位する。すると、回動アーム37に固定された検出軸34が可動ローラ39の変位量に応じて回動し、この回動量をロータリエンコーダ等を含む検出機構部35が検出することになり、可動ローラ39の変位量に相当するこの回動量から基準ローラ32および可動ローラ39間を通過する紙幣Sの厚みを検出して重送等を検出する。
基準ローラ32の可動ローラ39とは反対側かつ紙幣投入口11側に、基準ローラ32に接触して基準ローラ32の外周面の異物を掻き取る基準ローラ側掻取部材41が設けられている。この基準ローラ側掻取部材41は、基準ローラ32の可動ローラ39とは反対側かつ紙幣投入口11側に位置固定で設けられた支持部42に取り付けられる取付部43と、この取付部43から略水平をなして基準ローラ32の下端部の方向に延出する連結板部(支持延出部)44と、連結板部44の取付部43とは反対側の端部から基準ローラ32の中心方向つまり上方に突出し連結板部44のバネ力で基準ローラ32の外周面に当接する基準ローラ側掻取部45とを有している。この基準ローラ側掻取部45は、基準ローラ32の中心と可動ローラ39の中心とを結んだ線の延長上に配置されるとともに、基準ローラ32の外周面に基準ローラ32の軸線方向における全長にわたって接触する。
また、可動ローラ39の紙幣投入口11とは反対側に、可動ローラ39に接触して可動ローラ39の外周面の異物を掻き取る可動ローラ側掻取部材53が設けられている。この可動ローラ側掻取部材53は、可動ローラ39の基準ローラ32とは反対側かつ紙幣投入口11とは反対側に位置固定で設けられた支持部54に取り付けられる取付部55と、この取付部55から略鉛直をなして可動ローラ39の紙幣投入口11とは反対側の端部まで延出する連結板部(支持延出部)56と、連結板部56の取付部55とは反対側の端部から可動ローラ39の中心方向つまり紙幣投入口11の方向に突出し連結板部56のバネ力で可動ローラ39の外周面に当接する可動ローラ側掻取部57とを有している。この可動ローラ側掻取部57は、基準ローラ32の中心と可動ローラ39の中心とを結んだ線の可動ローラ39の中心を通る直交線上に配置されるとともに、可動ローラ39の外周面に可動ローラ39の軸線方向における全長にわたって接触する。
図1に示すように、投入部ユニット12に紙幣Sが投入されると、通常方向搬送時に、この紙幣Sは、上部が紙幣投入口11とは反対方向に移動するように駆動される搬送ローラ17とこれに連れ回りする搬送ローラ20とで搬送路15に沿って投入部ユニット12内に引き込まれることになり、続いて、搬送ローラ17と同期して上部が紙幣投入口11とは反対方向に移動するように駆動される本実施形態のシート厚検出装置30の基準ローラ32とこれに連れ回りする可動ローラ39との間に送り込まれることになる。これにより、可動ローラ39が紙幣Sの厚みに応じて変位し、その変位量は回動アーム37の回動量となって検出機構部35で検出される。
ここで、検出機構部35で検出された紙幣Sの厚みが正常範囲である場合には、図示略の搬送駆動機構の駆動状態がそのまま維持、つまり通常方向搬送がそのまま維持され、紙幣Sがそのまま、搬送ローラ17および搬送ローラ20と、基準ローラ32および可動ローラ39とで搬送され、さらに搬送ローラ23および搬送ローラ26で機内奥側に搬送されて、所定の処理が行われる。
他方、検出機構部35で検出された紙幣Sの厚みが正常範囲にない場合には、図示略の搬送駆動機構を停止後に逆回転させることで、上部が紙幣投入口11側に移動するように搬送ローラ17および基準ローラ32が回転し、よって、紙幣Sが搬送ローラ17および搬送ローラ20と基準ローラ32および可動ローラ39とで搬送路15に沿って紙幣投入口11側に戻される逆方向搬送になる。
ところで、図2に示すように、検出軸34は、軸受け部材58に位置固定で軸支されている。この軸受け部材58は、搬送路15側に搬送路15に沿って形成される下壁部59aと、下壁部59aの搬送路15上流側端部から上方に向かって立ち上がる縦壁部59bと、下壁部59aと平行に縦壁から搬送路15の通常方向に沿って延びる上壁部59cとを備えている。縦壁部59bは上壁部59cよりも上方に向かって延出形成されており、この縦壁部59bの上部が装置の躯体Kにビス等の締結部材(図示略)により固定される。
さらに、軸受け部材58の下壁部59aと上壁部59cとの間には、上壁部59cと直交し検出軸34の軸受け部(図示略)がそれぞれ形成された一対の左・右側壁部59d,59dを備え(図2中、左側壁部59dのみを示す。)、これら上壁部59c、下壁部59a、縦壁部59bおよび左・右側壁部59d,59dによって搬送路15の通常方向に開口する空間部Aが画成されている。この空間部Aには、検出軸34が収容され、さらに検出軸34と上壁部59cとの間には、板バネ60と中間部材61が配置されている。ここで、軸受け部材58の軸受けは、検出軸34に対して所定の遊びを有しており、これによりメンテナンス時に調整や取り外しが容易になっている。
図2、図3に示すように、板バネ60は、2枚の板部62,62と、これら板部62,62の基部側を接続し、板部62,62を互いに離間する方向に付勢する連結付勢部63とで構成された弾性体である。この板バネ60は、上述した取り付け状態で2つの板部62,62が略平行となり、一方の板部62が上壁部59cの下面を押圧し、他方の板部62が中間部材61の上面を押圧する。板部62,62には、所定位置に中間部材61の爪部64が係止する係止孔65が形成されている。ここで、板バネ60には、取り付け作業時にその取り付け姿勢が上下反転しても良いように、板部62,62の両方に同一形状、同一位置の係止孔65が形成される。
中間部材61は、板バネ60と検出軸34との間に介装されて板バネ60による付勢力を検出軸34に伝達するためのものであり、板バネ60の他方の板部62によって押圧される上面が略平面に形成されている。さらに、この中間部材61の上面には板バネ60の係止孔65に係止されて板バネ60の変位を規制する爪部64が形成されている。
爪部64は、板バネ60と中間部材61とを取り付けた状態で係止孔65に没入する所定位置に配置され、空間部Aの開口側と反対側で板部62と垂直に立ち上がるとともに、所定の角度で空間部Aの開口側に向かい中間部材61の上面に収束するように形成されている。そのため、爪部64が係止孔65に没入することで、板バネ60が空間部Aの開口側に向かって変位しようとすると、係止孔65の搬送方向上流側の内面が中間部材61の爪部64の立ち上がり部分に引っ掛かり、板バネ60の空間部Aの開口側への変位が規制されることとなる。
また、中間部材61には、検出軸34側に検出軸34の外周上部を受容する溝部66が軸方向に沿って形成されている。より具体的には、溝部66は、検出軸34の軸方向に沿う断面略半円形状に形成されたものであり、その略半円形の部分の曲面は、検出軸34の外周面の曲面と略同一に形成されている。これにより、中間部材61の溝部66に検出軸34が没すると、検出軸34の搬送路15とは反対側の外周面に中間部材61の溝部66の内周面が当接し、検出軸34の搬送方向への変位が規制されることとなる。また、検出軸34は、中間部材61が板バネ60により押圧されると、軸方向に対して垂直方向、すなわち搬送路15とは反対側から搬送路15側に向かって検出軸34が付勢されることとなり、検出軸34の両端部が、左・右側壁部59d,59dに形成された軸受けの下部内周に回動自在に押し付けられることとなる。
したがって、上述した実施の形態によれば、検出軸34を板バネ60によって軸方向に対して垂直方向に付勢することで、検出軸34と該検出軸34を支持する軸受けとの間に遊びを残したまま、可動ローラ39の変位量を検出するときに検出軸34がガタつくのを防止することができ、この結果、メンテナンス性を低下させることなしに紙幣Sの厚さ検出の精度を向上することができる。
また、弾性体として板バネ60を用いることで、構造が複雑化することなく、また、少ないスペースで検出軸34を付勢することができるため、弾性体の設置自由度を向上することができるとともに、装置の大型化を防止することができる。
さらに、可動ローラ39が変位する方向と反対方向に付勢することとなるため、可動ローラ39の変位に伴って検出軸34が搬送路15から離間する方向に変位するのを、比較的小さい付勢力で効率よく防止することができる。
なお、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、紙幣S以外のシートの厚さ検出装置に適用しても良い。
また、上記実施の形態では板バネ60を用いる場合について説明したが、例えば、コイルバネなどの他のバネやゴムなど、板バネ60以外の弾性体を用いてもよい。
さらに、板バネ60の板部62,62の両方に係止孔65を形成する場合について説明したが、いずれか一方に形成するようにしても良い。
本発明の実施の形態におけるシート厚検出装置を含む投入部ユニットの搬送路を概略的に示す透過側面図である。 本発明の実施の形態におけるシート厚検出装置の要部を示す側断面図である。 本発明の実施の形態における検出軸、板バネおよび中間部材の斜視図である。
符号の説明
32 基準ローラ
15 搬送路
39 可動ローラ
34 検出軸
35 検出機構部
60 板バネ(弾性体)
S 紙幣(シート)

Claims (3)

  1. 位置固定の基準ローラと、当該基準ローラに対しシートの搬送路を挟んで対向するように設けられた変位可能な可動ローラとを有し、前記搬送路で通常方向及び該通常方向よりも頻度が低い逆方向の両方向に搬送可能であって搬送時に前記基準ローラおよび前記可動ローラ間を通過するシートの厚さを、前記可動ローラの変位量に応じて回動する検出軸の回動量に基づいて検出する検出機構部を備え、前記検出軸をその軸方向に対して垂直な方向へ付勢する弾性体を設けたことを特徴とするシート厚検出装置。
  2. 前記弾性体は、前記検出軸を前記搬送路側に向かって付勢することを特徴とする請求項1に記載のシート厚検出装置。
  3. 前記弾性体は、板バネであることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート厚検出装置。
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