(第1の実施の形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10の遊技機本体12の分解斜視図である。なお、図2では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
外枠11は、木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって形成することも可能である。
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が設けられており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
また、遊技機本体12には、図2に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図3は内枠13の正面図である。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤33の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口34,可変入賞装置35,作動口36,スルーゲート37及び可変表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット38には、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部43では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。なお、これら第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44の制御は、後述する主制御装置により行われる。
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置35の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
遊技盤33には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構50は、図3に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられている。遊技球発射機構50は、電磁式のソレノイド51と、発射レール52と、球送り機構53とからなり、ソレノイド51への電気的な信号の入力により当該ソレノイド51の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構53によって発射レール52上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス56が嵌め込まれている。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部58の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置59が設けられている。ハンドル装置59が操作されることにより、遊技球発射機構から遊技球が発射される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図5は内枠13の背面図、図6は裏パックユニット15の正面図である。
図5に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されている。
主制御装置ユニット61は、合成樹脂製の取付台62を有し、取付台62に主制御装置63が搭載されている。主制御装置63は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備している。なお、主制御装置63の具体的な構成については、後に詳細に説明する。
音声ランプ制御装置ユニット65は、音声ランプ制御装置66と、取付台67とを具備する構成となっており、取付台67上に音声ランプ制御装置66が装着されている。音声ランプ制御装置66は、主制御装置63からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス68に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図6に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部72などが取り付けられるベース部74と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75とを有する。
ベース部74には、その右上部に外部端子板76が設けられている。外部端子板76には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。ベース部74には、保護カバー部75を迂回するようにして払出機構部72が配設されている。すなわち、裏パック71の最上部には上方に開口したタンク77が設けられており、タンク77には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク77の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置78が設けられている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。
払出機構部72には、裏パック基板79が設置されている。裏パック基板79には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部74の下端部には、制御装置集合ユニット73が取り付けられている。制御装置集合ユニット73は、横長形状をなす取付台81を有し、取付台81に払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とが搭載されている。これら払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置82は、基板ボックス84内に払出装置78を制御する払出制御基板が収容されて構成されている。電源及び発射制御装置83は、基板ボックス85内に電源及び発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
次に、主制御装置63の構成を図7〜図9に基づいて詳細に説明する。図7は主制御装置63の構成を示す斜視図、図8は主制御装置63を表側から見た斜視図、図9は主制御装置63を裏側から見た斜視図である。
主制御装置63は、図8及び図9に示すように、主制御基板91と基板ボックス92とを備えており、当該基板ボックス92内に主制御基板91が収容されてなる。
主制御基板91は、主たる制御を司るCPU、遊技制御プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM等を備えている。本実施の形態では、CPU、ROM及びRAMがCPUチップ93に1チップ化されている。また、詳細な説明は省略するが、入出力ドライバ用ICチップ94及びラッチ用ICチップ95が搭載されている。また、図示は省略するが、主制御基板91にはコンデンサや抵抗などの各種素子が搭載されているとともに、複数のコネクタが搭載されている。
主制御基板91においてCPUチップ93などの各種素子やコネクタは全て同一の板面上に搭載されており、CPUチップ93を除いて、逆側の板面にて半田付けされている。つまり、主制御基板91は、一方の板面が素子搭載面97となっており、他方の板面が半田面98となっている。なお、半田面98とは、素子搭載面97に搭載される各種素子の半田付け部分が設けられた面であるが、当該半田面98に対して回路パターンが形成されていてもよい。
ここで、CPUチップ93は素子搭載面97の中央付近に配置されており、さらに素子搭載面97から起立させて設けられている。さらに、CPUチップ93は上記のとおり主制御基板91に半田付けされておらず、CPUチップ93の接続端子が主制御基板91に差し込まれた状態となっている。つまり、CPUチップ93は抜き挿し可能な状態で主制御基板91に搭載されている。但し、CPUチップ93を主制御基板91に対して半田付けしてもよい。
基板ボックス92は、複数のボックス構成体として、裏側構成体(ボックスベース又は裏ケース体)101と、表側構成体(ボックスカバー又は表ケース体)102と、中間構成体(中間枠体又は中間ケース体)103と、コネクタ用プレート(ミドルプレート)104と、を備えている。これら裏側構成体101、表側構成体102、中間構成体103及びコネクタ用プレート104は、基板ボックス92内に収容された主制御基板91の素子搭載面97及び半田面98を基板ボックス92外から視認可能なように透明性を有する材料により形成されている。具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、これに限定されることはなく、アクリル樹脂等であってもよく、さらには有色透明であってもよい。
裏側構成体101は、図8及び図9に示すように、正面視で方形状、具体的には長方形状をなす略板状に形成されており、平面状に形成された平面部111と、当該平面部111の周縁を囲むようにして形成された裏側周縁部112とが一体形成されてなる。平面部111の一方の板面には、当該板面を四角形状、具体的には長方形状に囲む区画枠部113が一体形成されている。区画枠部113は板面から突出させて形成されている。
平面部111には、図8に示すように、区画枠部113により区画された領域の内側及び外側のそれぞれに複数のボス114,115,116が一体形成されており、各ボス114〜116にはそれぞれネジ孔が形成されている。これらボス114〜116のうち区画枠部113により区画された領域の四隅に形成されたボス114は、主制御基板91を裏側構成体101に固定するために用いられるものであり、区画枠部113により区画された領域内における他のボス115は、主制御基板91を仮固定するために用いられるものであり、区画枠部113により区画された領域の外部に形成されたボス116は、表側構成体102を仮固定するために用いられるものである。なお、以下の説明では、最初のボス114を基板本固定用ボス(基板本固定部)114、次のボス115を基板仮固定用ボス(基板仮固定部)115、最後のボス116をボックス仮固定用ボス(ボックス仮固定部)116ともいう。
基板本固定用ボス114に対してネジ止めされていることにより、裏側構成体101に主制御基板91が固定されている。主制御基板91の周縁は裏側構成体101の区画枠部113と重なっており、さらに主制御基板91の半田面98は、平面部111において区画枠部113により区画された領域と対向している。この場合、主制御基板91の周縁部と区画枠部113とが当接することにより、主制御基板91と平面部111との間に閉空間が形成されるようにしてもよく、一部又は全周に亘って隙間を設けておくようにしてもよい。
基板本固定用ボス114に対する主制御基板91のネジ止めは、主制御基板91の素子搭載面97側から破断ネジ117を螺着することにより行われている。ここで、破断ネジ117とは、ドライバなどの工具に先端を差込可能な頭部とネジ溝が形成された側との連結部分の強度が低く設定されたものであり、それ以上締めることができない位置において頭部に対して上記工具によりさらに所定の力を加えることにより、上記連結部分が切断され、頭部が分離されるものである。つまり、破断ネジ117は、螺着後において、上記工具を用いて緩める方向へ回転させることを不可とするものである。なお、螺着後において主制御基板91と基板本固定用ボス114との結合を緩めることができないようにすることができるのであれば、主制御基板91と基板本固定用ボス114とを結合する固定具(結合手段)は破断ネジ117に限定されることはなく周知のワンウェイネジであってもよい。基板本固定用ボス114に螺着されている破断ネジ117は螺着後において頭部が分離されている。
基板仮固定用ボス115及びボックス仮固定用ボス116はそれぞれ、遊技場において主制御基板91の検査を行う上で基板ボックス92を開放した後に用いられる。これについては、後に詳細に説明することとし、ここでは説明を省略する。
上記のように主制御基板91が一体化された裏側構成体101に対して、中間構成体103及びコネクタ用プレート104が一体化された表側構成体102が固定されている。
詳細には、表側構成体102は、図8及び図9に示すように、当該表側構成体102の周縁を規定する表側周縁部121と、当該表側周縁部121から一方に膨出するようにして形成された膨出部122とが一体形成されてなる。これら表側周縁部121と膨出部122とにより、表側構成体102は膨出部122の膨出側とは反対側に開放された略直方体形状をなしている。また、膨出部122は正面視で長方形状をなしており、その一方の長辺側には当該長辺に沿って延びる長孔部123が形成されている。当該長孔部123は、表側周縁部121と膨出部122の区画壁124とにより周囲が囲まれている。
長孔部123を塞ぐようにして、表側構成体102にはその背面側からコネクタ用プレート104がネジ止めされている(着脱可能な状態で固定されている)。コネクタ用プレート104には、主制御基板91に設けられた所定のコネクタ群に1対1で対応させて貫通孔125が複数形成されている。
中間構成体103は、その外周を規定する矩形枠状の枠状部131と、当該枠状部131の開口内に設けられ、柱状連結部132を介して枠状部131に連結されたカバー部133とが一体形成されてなる。枠状部131は表側構成体102の表側周縁部121よりも一回り小さく、すなわち膨出部122において表側構成体102の表面を構成する表面構成部126の周縁に沿うようにして形成されている。このように枠状部131が形成されていることにより、中間構成体103は表側構成体102の膨出部122内に入り込み可能となっている。
カバー部133は一方に開放された箱状に形成されており、そのカバー部133が設けられた位置は、素子搭載面97におけるCPUチップ93の搭載位置に対応させて枠状部131の開口の中央付近となっている。この場合、カバー部133の開口は枠状部131の開口方向の一方を向いている。
カバー部133を枠状部131に連結する柱状連結部132は複数設けられており、各柱状連結部132は個別に枠状部131とカバー部133とを連結している。詳細には、柱状連結部132は3本設けられており、そのうちの2本の柱状連結部132は、枠状部131においてカバー部133を挟んで対向する一対の枠部131a,131bとカバー部133とを連結するようにして設けられている。これら2本の柱状連結部132はカバー部133を挟んで同一直線上に並んでいる。また、残り1本の柱状連結部132は、上記一対の枠部131a,131bとは異なる枠部131cとカバー部133とを連結するようにして設けられている。つまり、各柱状連結部132は、カバー部133を中心としてT字状に形成されている。上記のように柱状連結部132が形成されていることにより、枠状部131の開口を極力閉塞しないようにしつつ、カバー部133が枠状部131に対して強固に固定されている。
枠状部131の対向する一対の枠部131a,131bには、図9に示すように、外方に延出した固定用フランジ134が一体形成されている。当該固定用フランジ134は複数設けられている。この固定用フランジ134に1対1で対応させて、表側構成体102の表面構成部126の裏側にはネジ孔を有する固定用ボス135が一体形成されている。そして、カバー部133の開口が表面構成部126とは反対側を向き且つ対応する固定用フランジ134及び固定用ボス135が重なり合うようにして、表側構成体102の膨出部122内に裏面側から中間構成体103が配置されており、その状態で固定用フランジ134及び固定用ボス135の各組み合わせは表側構成体102の裏側からネジ止めされている。このネジ止めは破断ネジ136によって行われており、当該破断ネジ136は螺着後において頭部が分離されている。なお、破断ネジ136に代えて、ワンウェイネジを用いてもよい。
中間構成体103及びコネクタ用プレート104が一体化された表側構成体102は、主制御基板91が一体化された裏側構成体101に対して、主制御基板91の素子搭載面97を覆うようにして組み合わされている。この場合、裏側構成体101の裏側周縁部112と表側構成体102の表側周縁部121とが重なり、表側構成体102の裏面側への開放部分が裏側構成体101により閉塞されている。また、主制御基板91の素子搭載面97に搭載された各種素子は、主制御基板91と表側構成体102との間の領域内に収容されている。
ここで、上記のとおりカバー部133が一体形成された中間構成体103が表側構成体102に固定されており、中間構成体103のカバー部133内に、素子搭載面97に搭載されたCPUチップ93が入り込んでいる。また、カバー部133の開口周縁部は素子搭載面97に当接している。つまり、カバー部133と主制御基板91とにより閉空間が形成されており、当該閉空間内にCPUチップ93が収容されている(図10(a)参照)。これにより、仮に裏側構成体101と表側構成体102との境界部分等に不正に隙間を形成し、そこから基板ボックス92内に針金などの不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具のCPUチップ93へのアクセスを阻止することが可能となる。また、CPUチップ93の取り外しが規制された状態となっている。
カバー部133は3本の柱状連結部132を介して枠状部131に強固に固定されているため、基板ボックス92の内部空間に挿入した不正用治具を用いてカバー部133を動かそうとしても、それが行いづらくなっている。ちなみに、柱状連結部132は4本ではなく、3本設けられており、さらに枠状部131の開口を極力閉塞しないように柱状に設けられている。よって、中間構成体103を設けた構成において、素子搭載面97における各種素子の配置に関する自由度の低下が抑えられている。
また、裏側構成体101と表側構成体102とが組み合わされた状態においては、素子搭載面97に搭載された所定のコネクタがコネクタ用プレート104の対応する貫通孔125内に入り込んでいる。そして、この状態ではコネクタは表側構成体102の表面側に露出している。主制御基板91において所定のコネクタの位置は機種毎に変更されることがあり、このような事情において上記のようにコネクタ用プレート104を設けることで、機種毎にコネクタ用プレート104を変更するだけでよく、表側構成体102及び裏側構成体101を機種毎に共通化させることができる。
ちなみに、コネクタ用プレート104の貫通孔125が形成された板状部127は主制御基板91の素子搭載面97に重ね合わせられており、コネクタ用プレート104の板状部127から起立させて設けられた起立部128は、膨出部122の区画壁124に対して当該膨出部122の内側において重なり合っている。したがって、上記のようにコネクタ用プレート104が設けられた構成において、図7に示すように、コネクタを除いて、主制御基板91の素子搭載面97は表側構成体102及びコネクタ用プレート104により覆われている。
裏側構成体101と表側構成体102とは、上記のように組み合わされた状態において相互に固定されている。これにより、所定の内部空間を有する四角箱状(略直方体形状)の基板ボックス92が形成されており、当該基板ボックス92の内部空間内に主制御基板91が収容されている。この場合、主制御基板91の素子搭載面97はその全体が、中間構成体103及びコネクタ用プレート104が一体化された表側構成体102と対向しており、主制御基板91の半田面98はその全体が、裏側構成体101と対向している。
上記構成の主制御装置63は、図5に示すように、表側構成体102の表面がパチンコ機10後方を向き、且つコネクタ用プレート104が設けられた側の縁部が上側に位置するようにして搭載されている。ちなみに、遊技場への設置状態において遊技機本体12を外枠11からパチンコ機10前方に開放させることにより、遊技機本体12の背面側が視認可能となる。この場合に、主制御装置63は遊技機本体12の背面部を構成しており、さらには上記のとおり表側構成体102の表面がパチンコ機10後方を向いているため、遊技機本体12を外枠11に対して開放することで表側構成体102の表面が視認可能となる。なお、裏パックユニット15により主制御装置63の全部又は一部が後方から覆われた構成としてもよい。この場合であっても、裏パック71が透明に形成されていることにより、遊技機本体12を外枠11に対して開放することで表側構成体102の表面が視認可能となる。
次に、裏側構成体101と表側構成体102との固定に関する構成について詳細に説明する。表側構成体102と裏側構成体101との固定手段として、(1)接着剤、(2)カシメ構造、(3)封印シールが設けられている。そこで、これら各固定手段について個別に説明する。
接着剤は、裏側構成体101の裏側周縁部112と表側構成体102の表側周縁部121との境界の全周を埋めるようにして塗布されている。これにより、裏側周縁部112と表側周縁部121とが接着されており、裏側構成体101と表側構成体102とが固定されている。また、裏側周縁部112と表側周縁部121との間の境界が埋められている。これにより、裏側周縁部112と表側周縁部121との境界部分から基板ボックス92の内部空間内に不正用治具を挿入しようとしてもそれが行いづらくなっている。
なお、接着剤としては、裏側構成体101と表側構成体102とを固定することができるのであれば周知の接着剤を用いることができ、例えば、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エチレン―酢酸ビニル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン系接着剤などを用いてもよく、それら接着剤は、反応系、溶液系、水分散系、固形系のいずれであってもよい。
次に、上述したカシメ構造について説明する。
カシメ構造は、図9に示すように、裏側構成体101に設けられた裏側結合部141と、表側構成体102に設けられた表側結合部142とを備えている。裏側結合部141は、裏側構成体101の裏側周縁部112において一対の対向する辺に対してそれぞれ設けられている。具体的には、裏側結合部141は裏側構成体101の一の短辺部に対して複数(具体的には2個)設けられているとともに、当該短辺部と対向する短辺部に対して1個設けられている。裏側結合部141は平面部111に一体形成されており、裏側結合部141自身は比較的肉厚に形成されているとともに、裏側結合部141と平面部111との連結部分に脆弱な部位は形成されていない。
表側結合部142は、上記裏側結合部141に1対1で対応させて設けられている。つまり、表側構成体102には、各裏側結合部141と基板ボックス92の厚み方向に重なる位置にそれぞれ表側結合部142が設けられている。表側結合部142は表側周縁部121に一体形成されており、表側結合部142自身は比較的肉厚に形成されているとともに、表側結合部142と表側周縁部121との連結部分に脆弱な部位は形成されていない。なお、裏側結合部141及び表側結合部142の数は、上記のものに限定されることはなく、裏側構成体101と表側構成体102とを固定することができるのであれば任意である。
一対の結合部141,142には、同一軸線上において相互に連通するネジ孔が形成されており、これら連通したネジ孔に対して、表側結合部142側から破断ネジ143が螺着されている。裏側結合部141及び表側結合部142の組み合わせは上記のとおり複数組設けられているが、それら全ての組み合わせに対して破断ネジ143による結合が行われている。そして、それら破断ネジ143は全て頭部が分離されている。なお、破断ネジ143に代えて、ワンウェイネジを用いてもよい。
上記のように裏側結合部141及び表側結合部142が結合されていることにより、裏側構成体101と表側構成体102とが分離不可な状態で相互に固定されている。そして、両結合部141,142を結合している破断ネジ143の頭部は分離されているため、当該破断ネジ143を緩めることができないようになっている。また、両結合部141,142は上記のとおり比較的肉厚に形成されており、さらには各構成体101,102からの分離を行い易くするような脆弱部は形成されていない。よって、両結合部141,142の結合に伴う、裏側構成体101及び表側構成体102の固定を解除することは実質的に困難なものとなっている。
また、両結合部141,142の結合による両構成体101,102の固定を解除すべく、両結合部141,142のうち少なくとも一方を破壊した場合には、その破壊箇所が基板ボックス92の開放の痕跡として残ることとなる。つまり、基板ボックス92の開放履歴が残ることとなる。これにより、基板ボックス92が不正に開放された場合には、それを発見することが可能となる。
次に、封印シール145について説明する。
図8に示すように、裏側構成体101の裏側周縁部112において裏側結合部141が2個設けられた短辺部には、これら裏側結合部141の間に裏側貼付板部146が一体形成されているとともに、表側構成体102の表側周縁部121において裏側貼付板部146と基板ボックス92の厚み方向に重なる位置に表側貼付板部147が一体形成されている。
両貼付板部146,147には、相互に連通するネジ孔が複数組形成されており、これらネジ孔に対して図示しないネジが螺着されている。なお、当該ネジとしては着脱自在な周知のものが用いられている。上記のようにネジが螺着されていることにより、両貼付板部146,147が固定されている。そして、当該貼付板部146,147には、図7に示すように、両者の境界を跨ぐようにして封印シール145が貼り付けられている。封印シール145は、貼り付けた後に剥がすと粘着剤層が貼付板部146,147側に残り、再貼付不可となるものである。封印シール145が設けられていることにより、基板ボックス92が不正に開放された場合には、それを発見することが可能となる。
ちなみに、図7に示すように、両貼付板部146,147には貼り付けられた封印シール145を外側から覆うようにシールカバー148が固定されている。当該シールカバー148は透明性を有する合成樹脂により形成されており、当該シールカバー148を通じて封印シール145が視認可能となっている。なお、シールカバー148を不具備としてもよい。また、封印シール145として、所定のスキャナからの呼出波に応答して、固有のID情報を含む応答波を発信するICタグを有するものを用いてもよい。
次に、基板ボックス92の開放を容易に行うための開放容易化構造について説明する。なお、以下の説明では、図7〜図9に加えて、図10〜図12を適宜参照することとする。図10(a)は開放容易化構造を説明するための基板ボックス92の縦断面図、図10(b)は開放容易化構造を説明するために基板ボックス92の正面の一部を拡大して示す説明図である。また、図11及び図12は開放容易化構造を説明するための説明図である。
図7に示すように、表側構成体102の表面構成部126には、当該表面構成部126の所定の領域を区画するようにしてボックス側切断部(ボックス側の脆弱部)151が形成されている。ボックス側切断部151は、表面構成部126を基板ボックス92の内外に貫通するようにして形成された多数(又は複数)の貫通孔152により構成されている。
詳細には、多数の貫通孔152は表面構成部126の周縁に沿って等間隔で形成されており、当該多数の貫通孔152は表面構成部126の所定の領域を囲むようにして並んでいる。つまり、ボックス側切断部151は、表面構成部126の所定の領域を囲む断続的な環状に形成されている。換言すれば、ボックス側切断部151として、断続的な環状の切断ガイド線が形成されている。それら貫通孔152は、長孔状をなしており、その長手方向が切断ガイド線に沿うように配置されている。このように貫通孔152を配置することで、貫通孔152の大型化を抑えつつ、切断の容易化に貢献することができる。また、ボックス側切断部151は矩形枠状、具体的には長方形枠状に形成されている。また、表面構成部126においてボックス側切断部151により区画された領域は、表面構成部126において主制御基板91のCPUチップ93及びその周辺と対向する領域となっている。なお、貫通孔152が丸孔状をなす構成とすることも可能ではある。しかしながら、かかる場合、孔の大きさが直接的に不正治具等の挿入のしやすさに繋がることが懸念される。すなわち、孔径を大きくすることで切断ガイド線上における肉部の占有領域を大きくすることが可能となり、切断作業の容易化が図られる反面、孔径が大きくなることで、不正治具等の挿入が容易となり得る。この点、上述の如く貫通孔152を長孔状とすれば、不正治具等の挿入の困難さを担保しつつ、切断ガイド線上における肉部の占有領域を大きくすることが可能となる。故に、望ましくは貫通孔を切断ガイド線に沿って延びる長孔状とするとよい。
ちなみに、ボックス側切断部151は表側構成体102の金型による成型(射出成型)に際して同時に形成される。つまり、表側構成体102の金型にはボックス側切断部151の貫通孔152を形成するための型が設けられている。この場合に、ボックス側切断部151の貫通孔152は表側構成体102において表面構成部126にのみ形成されているため、金型構造の複雑化を招くことなく、ボックス側切断部151を有する表側構成体102の形成を容易に行うことができる。すなわち、表側構成体102は膨出部122を有し一方に開放された箱状に形成されているため、金型において成型後の表側構成体102の抜き方向は自ずと規定される。この場合に、ボックス側切断部151の貫通孔152は表面構成部126において当該表面構成部126の厚み方向に貫通するように形成されているため、表側構成体102の上記抜き方向と貫通孔152の貫通方向とが同一方向となっている。よって、表側構成体102の金型構造が複雑化しないようにすることができる。
隣り合う貫通孔152間の間隔は、ニッパやカッタなどによる工具により、隣り合う貫通孔152間の領域を容易に切断可能なように設定されている。具体的には貫通孔152間の間隔寸法は、貫通孔152の長手方向における長さ寸法よりも小さく設定されている。これにより、ボックス側切断部151は表面構成部126において他の部位に比べ脆弱な領域となっている。換言すれば、裏側結合部141と表側結合部142との結合による裏側構成体101と表側構成体102との固定状態を、結合部141,142又は破断ネジ143の少なくともいずれかを破壊することで基板ボックス92の内部空間を開放する場合よりも、当該内部空間の開放を行い易いようにボックス側切断部151は切断し易く形成されている。
ボックス側切断部151を全周に亘って切断することにより、図11及び図12に示すように、ボックス側切断部151により区画されていた領域(以下、ボックス側除去領域153ともいう)を表側構成体102から除去することが可能となり、除去することで基板ボックス92の内部空間を開放させることが可能となる。この場合、ボックス側除去領域153はその全体が表側構成体102から分離され、図11に示すように、当該表側構成体102には矩形状、具体的には長方形状の開口154が形成される。なお、当該開口154の長辺部は表面構成部126の長辺部に沿っており、開口154の短辺部は表面構成部126の短辺部に沿っている。
上記ボックス側切断部151は中間構成体103の枠状部131と対向する位置に形成されている。詳細には、図10(a)に示すように、基板ボックス92の内部空間には中間構成体103が収容されており、当該中間構成体103の枠状部131と対向する位置にボックス側切断部151の全ての貫通孔152が配置されている。そして、各貫通孔152の全体が枠状部131と対向している。
この場合、図10(a)に示すように、各貫通孔152における基板ボックス92の内部空間側の開口は、枠状部131に対して離間されている。つまり、各貫通孔152は枠状部131により閉塞されていない。これにより、ボックス側切断部151を形成する貫通孔152により基板ボックス92の通気口としての機能が果たされている。
但し、各貫通孔152と枠状部131との間の距離は比較的狭く設定されており、貫通孔152を通じて基板ボックス92内に針金等の不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具の先端が枠状部131に当たり、基板ボックス92の内部空間へそれ以上侵入させようとしても、それが行いづらくなるようになっている。
また、図8及び図10(a)に示すように、枠状部131においてボックス側切断部151と対向する面には主制御基板91側に凹ませて溝部155が形成されている。溝部155は主制御基板91側に底を有するとともに、ボックス側切断部151側に向けて開放されるように形成されており、さらに溝部155は枠状部131の全周に沿って連続させて形成されている。上記のように溝部155が形成されていることにより、貫通孔152を通じて基板ボックス92内に針金等の不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具は枠状部131の溝部155内に入り込む。そうすると、枠状部131を迂回するように不正用治具を侵入させようとしても、それが困難なものとなる。
ボックス側切断部151を切断してボックス側除去領域153を除去することにより、上記のとおり基板ボックス92の内部空間が開放されることとなる。この場合、図11に示すように、主制御基板91の素子搭載面97が露出する。但し、この状態では依然として基板ボックス92内に中間構成体103が内蔵されているため、素子搭載面97に搭載されたCPUチップ93は中間構成体103のカバー部133により覆われた状態となっている。
ここで、中間構成体103を不具備とする又はカバー部133をボックス側除去領域153に対して一体形成する構成が考えられる。この場合、ボックス側除去領域153を除去したタイミングで、CPUチップ93を露出させることが可能となる。しかしながら、当該構成においては、ボックス側切断部151の一部を切断してボックス側除去領域153を外側に撓ませた場合には、当該ボックス側除去領域153とともにカバー部133が主制御基板91の素子搭載面97から離間される方向に移動することとなる。そうすると、ボックス側除去領域153を外側に撓ませた状態において基板ボックス92内に不正用治具を挿入することで、CPUチップ93に容易にアクセスすることができてしまう。これに対して、本パチンコ機10では上記のとおりカバー部133がボックス側除去領域153とは別に設けられているため、ボックス側除去領域153を外側に撓ませたとしても、カバー部133が素子搭載面97から離間されることはなく、上記のようにCPUチップ93にアクセスされてしまうことを阻止することが可能となる。
中間構成体103のカバー部133によりCPUチップ93が覆われた構成において、ボックス側切断部151を切断して表側構成体102からボックス側除去領域153を除去した後に中間構成体103の各柱状連結部132を切断することでカバー部133を除去することが可能となり、カバー部133を除去することでCPUチップ93が露出することとなる。そして、CPUチップ93が露出することで、当該CPUチップ93を主制御基板91から取り外すことが可能となる。
このように各柱状連結部132を切断する際には、切断を実施している対象以外の柱状連結部132を片方の手によって把持するとともに、他方の手(詳しくは工具等)によって切断作業を行うとよい。これにより、切断対象に切断力が加わることで当該切断対象が移動するといった不都合の発生を抑え、切断作業を行いやすくすることができる。更に、柱状連結部132における切断位置よりもカバー部133側を把持しておくことで、柱状連結部132の切断によって分離されたカバー部133とCPUチップ93等とが当たるといった不都合の発生を抑えることができる。
ちなみに、柱状連結部132は、図9に示すように、当該柱状連結部132の長さ方向の全体に亘って溝部156が形成されており、当該溝部156を規定する壁は比較的薄肉に形成されている。したがって、柱状連結部132の切断を比較的容易に行うことができるようになっている。特に、当該柱状連結部132の切断に際しては、ボックス側切断部151を切断する工具を用いて、柱状連結部132を切断することができるようになっている。
また、各柱状連結部132と素子搭載面97との間には所定の隙間が形成されている(図11等参照)。このため、柱状連結部132の切断に際し、素子搭載面97側に向かって過度の負荷が加わる等した場合であっても、工具の切先等が素子搭載面97に接触するといった不都合が生じにくくなっている。これにより、素子搭載面の保護がなされている。なお、柱状連結部132と素子搭載面97との間に空間が設けられているため、工具を、柱状連結部132に対して素子搭載面97側から当てることも可能である。これにより、柱状連結部132の切断に際して素子搭載面97側に向かって負荷がかかることを回避し、作業ミス等による素子搭載面97との接触を好適に抑制することができる。例えば、工具としてニッパ等を用いるとよい。
一方、主制御基板91は、ボックス側除去領域153の除去及びカバー部133の除去を行ったとしても基板ボックス92内から取り出すことはできない。つまり、主制御基板91は上述したように裏側構成体101に対して破断ネジ117を用いて固定されている。また、主制御基板91の少なくとも長辺部は、ボックス側除去領域153の長辺部よりも、すなわちボックス側除去領域153を除去することにより基板ボックス92に形成される開口の長辺部よりも長さ寸法が大きく設定されている。したがって、図10(b)に示すように、ボックス側除去領域153を主制御基板91側に投影させた場合に当該投影させた領域よりも主制御基板91の周縁部が外方にはみ出している。そして、主制御基板91においてはみ出した領域は、少なくとも一対の対向する両端側に存在している。さらにまた、主制御基板91において両端側にはみ出した領域は、表側構成体102の表側周縁部121と対向しているとともに、当該表側周縁部121と対向している領域に上記破断ネジ117による固定部位が存在している。
上記構成であることにより、ボックス側除去領域153の除去及びカバー部133の除去を行ったとしても、主制御基板91を基板ボックス92内から取り出すことはできない。これにより、上記のように表側構成体102にボックス側除去領域153を設けた構成において、当該ボックス側除去領域153を除去し純正の主制御基板91を簡単に入手しようとしても、それを行いづらくすることが可能となる。
主制御基板91の取り外しが規制された構成において、当該主制御基板91には、図8及び図10(b)に示すように、基板側切断部161が形成されている。基板側切断部161は、主制御基板91をその厚み方向に貫通するようにして形成された多数(又は複数)の貫通孔162により構成されている。
詳細には、多数の貫通孔162は主制御基板91の周縁に沿って等間隔で形成されており、当該多数の貫通孔162は主制御基板91の所定の領域を囲むようにして並んでいる。つまり、基板側切断部161は、主制御基板91の所定の領域を囲む断続的な環状に形成されている。換言すれば、基板側切断部161として、断続的な環状の切断ガイド線が形成されている。また、基板側切断部161は矩形枠状、具体的には長方形枠状に形成されている。なお、主制御基板91に搭載されているCPUチップ93を含めた各種素子及びコネクタは全て、基板側切断部161により区画された領域内に含まれている。
図8に示すように、基板側切断部161により区画された領域(以下、基板側除去領域163)の範囲内にCPUチップ93が設置されているのに対して、破断ネジ117による裏側構成体101に対する主制御基板91の固定箇所は基板側除去領域163の領域の範囲外にある。また、基板側切断部161における隣り合う貫通孔162間の間隔は、ニッパやカッタなどによる工具により、隣り合う貫通孔162間の領域を容易に切断可能なように設定されている。ちなみに、基板側切断部161の貫通孔162とボックス側切断部151の貫通孔152とは同一の開口面積を有しており、さらには基板側切断部161における隣り合う貫通孔162間の距離はボックス側切断部151における隣り合う貫通孔152間の距離と同一となっている。したがって、ボックス側切断部151を切断する工具を用いて、基板側切断部161を切断することができる。なお、ボックス側切断部151と基板側切断部161とで、それぞれ異なる工具を要する構成としてもよい。
基板側除去領域163は、その面積がボックス側除去領域153の面積よりも小さく設定されている。また、基板側除去領域163は、図10(b)に示すように、ボックス側除去領域153を主制御基板91側に投影させた場合に当該投影させた領域の範囲内に含まれるように形成されている。したがって、ボックス側除去領域153を除去することにより、基板側除去領域163の全体、すなわち基板側切断部161の全体が露出することとなる。そして、この状態で、中間構成体103の各柱状連結部132を枠状部131側の根元から切断するとともに、基板側切断部161を切断することで、ボックス側除去領域153を除去することにより基板ボックス92に形成された開口154を通じて、基板側除去領域163を取り出すことができる。この場合、開口154を通じて、基板側切断部161の全体が露出しているため、当該基板側切断部161の切断作業及び基板側除去領域163の取り出し作業を行い易くなっている。
ここで、図10(b)に示すように、主制御基板91の少なくとも素子搭載面97側の配線パターン164は、当該配線パターン164を構成する一部の配線165が基板側切断部161を跨ぐようにして形成されている。つまり、配線165は、基板側切断部161における隣り合う貫通孔162間の領域を跨ぐようにして形成されている。したがって、基板側除去領域163を基板ボックス92から取り出すべく、基板側切断部161を切断した場合には、主制御基板91の配線パターン164が断線されることとなる。これにより、基板側切断部161を切断して基板側除去領域163を取り出した後に当該基板側除去領域163を元の位置に戻したとしても、配線パターン164が断線された状態は維持されるため、主制御基板91は正常に機能しない。よって、基板側除去領域163を基板ボックス92から取り出して当該基板側除去領域163に不正を施した後に元の位置に戻す不正行為が行われたとしても、その際には主制御基板91が正常に機能しなくなることで、当該不正行為を実質的に無効化させることが可能となる。
次に、遊技場において検査を行うためにCPUチップ93を基板ボックス92内から取り出す場合の作業の様子について説明する。図13はCPUチップ93を基板ボックス92内から取り出す場合の作業の様子を説明するための説明図である。
遊技場においてCPUチップ93の検査を行う場合、図13(a)に示すように、遊技機本体12から主制御装置63を取り出す。その後、図13(b)に示すように、表側構成体102のボックス側切断部151を切断して、ボックス側除去領域153を除去する。これにより、基板ボックス92内が開放され、中間構成体103及び主制御基板91の素子搭載面97が露出する。
その後、図13(c)に示すように、中間構成体103の各柱状連結部132を切断することにより、カバー部133を除去することが可能となり、カバー部133を除去することでCPUチップ93が露出する。この場合、各柱状連結部132はボックス側切断部151を切断するための工具を用いて切断することができるため、CPUチップ93を露出させる作業を比較的容易に行うことができる。CPUチップ93は上記のとおり主制御基板91に対して半田付けされていないため、CPUチップ93を素子搭載面97の向く方向に引き抜くことで、図13(d)に示すように、CPUチップ93を取り出すことができる。これにより、CPUチップ93の検査を入念に行うことができる。
次に、遊技場において検査を行うために主制御基板91の基板側除去領域163を基板ボックス92内から取り出す場合の作業の様子について説明する。図14は主制御基板91の基板側除去領域163を基板ボックス92内から取り出す場合の作業の様子を説明するための説明図である。
遊技場において主制御基板91の検査を行う場合、図14(a)に示すように、遊技機本体12から主制御装置63を取り出す。その後、図14(b)に示すように、表側構成体102のボックス側切断部151を切断して、ボックス側除去領域153を除去する。これにより、基板ボックス92内が開放され、中間構成体103及び主制御基板91の素子搭載面97が露出する。
その後、図14(c)に示すように、中間構成体103の各柱状連結部132を、枠状部131側の根元から切断するとともに、図14(d)に示すように、主制御基板91の基板側切断部161を切断する。これにより、主制御基板91の基板側除去領域163を取り出すことができ、主制御基板91における基板側除去領域163の領域の検査を入念に行うことができる。この場合、基板側切断部161はボックス側切断部151及び各柱状連結部132を切断するための工具を用いて切断することができるため、基板側除去領域163を取り出す作業を比較的容易に行うことができる。
ここで、上記のようにCPUチップ93及び基板側除去領域163の基板ボックス92からの取り出しを容易に行うことができるようにした構成においては、その容易化の構造を用いて、CPUチップ93又は主制御基板91の不正目的での取り出しも容易に行うことができてしまう。これに対して、上記のとおりCPUチップ93の基板ボックス92からの取り出しに際しては基板ボックス92からボックス側除去領域153を除去する必要があり、当該基板ボックス92には大きな開口154が形成されることとなる。そうすると、CPUチップ93の不正目的での取り出しが行われていた場合にはそれを容易に発見することができる。
また、上記のとおり主制御基板91の基板ボックス92からの取り出しに際しては基板ボックス92からボックス側除去領域153を除去する必要があるとともに、基板側切断部161を切断して主制御基板91から基板側除去領域163を取り出す必要がある。基板ボックス92からボックス側除去領域153を除去することで当該基板ボックス92には大きな開口154が形成されることとなる。また、主制御基板91から基板側除去領域163を取り出すことで当該主制御基板91には大きな開口が形成されることとなる。そうすると、主制御基板91の不正目的での取り出しが行われていた場合には、基板ボックス92に形成された開口154又は主制御基板91に形成された開口の少なくとも一方を確認することにより、それを容易に発見することができる。
次に、CPUチップ93や主制御基板91の検査後においてこれらCPUチップ93や主制御基板91を基板ボックス92内に仮収容するための構成について説明する。
先ず、CPUチップ93のみを取り出した後に当該CPUチップ93を基板ボックス92に仮収容するための構成について説明する。
既に説明したように、裏側構成体101には複数のボックス仮固定用ボス116が一体形成されており、各ボックス仮固定用ボス116にはネジ孔が形成されている。これらボックス仮固定用ボス116に1対1で対応させて、基板ボックス92のボックス側除去領域153の四隅には、図11及び図12に示すように、ボックス仮固定用ボス171が一体形成されている。当該ボックス仮固定用ボス171は、ボックス側除去領域153の裏面から裏側構成体101側に延びており、ネジ孔が形成されている。当該ネジ孔は、ボックス仮固定用ボス171を貫通しており、ボックス側除去領域153の表側において開口されている。
ボックス側除去領域153及びカバー部133を除去してCPUチップ93を取り出した後は、当該CPUチップ93を再度、主制御基板91に取り付けるとともに、ボックス側除去領域153を基板ボックス92の元の位置に配置する。この場合、裏側構成体101の各ボックス仮固定用ボス116に対して、ボックス側除去領域153のそれぞれ対応するボックス仮固定用ボス171が重なり、両ボス116,171のネジ孔は連通される。そして、この状態において、ボックス側除去領域153の表側から破断ネジを螺着することにより、ボックス側切断部151は切断されているものの、CPUチップ93及び主制御基板91が基板ボックス92内に収容された状態となる。
ここで、遊技場においてCPUチップ93を基板ボックス92から取り出して入念に検査した後に、当該CPUチップ93を遊技機メーカにおいて再検査を行う場合などがある。この場合としては、CPUチップ93の検査結果が異常であり、当該CPUチップ93の不正交換などが行われていた場合が考えられる。このような場合に、基板ボックス92に開口154が形成されたまま主制御装置63が遊技機メーカに搬送される場合を想定すると、搬送途中にCPUチップ93が破損して当該CPUチップ93の再検査を行うことができなくなってしまう可能性がある。これに対して、上記のようにボックス側除去領域153により基板ボックス92の開口154を再度閉鎖することで、搬送途中におけるCPUチップ93の破損の発生が抑制される。
また、CPUチップ93の不正交換を行った不正行為者が、主制御装置63の遊技機メーカへの搬送途中において正規のCPUチップ93に再度交換する行為が想定される。これに対して、上記のとおりボックス側除去領域153を破断ネジにより螺着することで、ボックス側除去領域153を取り外しづらくなり、正規のCPUチップ93に再度交換しようとする行為を行いづらくすることが可能となる。
なお、主制御装置63の遊技機メーカへの搬送途中における不都合として、前者のもののみを想定する場合、ボックス側除去領域153の仮固定は破断ネジである必要はなく、着脱自在な周知のネジを用いて行えばよい。
次に、主制御基板91の基板側除去領域163を取り出した後に当該基板側除去領域163を基板ボックス92に仮収容するための構成について説明する。
既に説明したように、裏側構成体101には複数の基板仮固定用ボス115が一体形成されており、各基板仮固定用ボス115にはネジ孔が形成されている。これら基板仮固定用ボス115に1対1で対応させて、基板側除去領域163の四隅には、図8に示すように、仮固定用貫通孔172が形成されている。
ボックス側除去領域153及びカバー部133を含めた各柱状連結部132を除去するとともに、基板側切断部161を切断して基板側除去領域163を取り出した後は、当該基板側除去領域163を裏側構成体101上における元の位置に配置する。この場合、裏側構成体101の基板仮固定用ボス115のネジ孔に対して、ボックス側除去領域153のそれぞれ対応する仮固定用貫通孔172が連通される。この状態において、基板側除去領域163の素子搭載面97側から破断ネジを螺着することにより、基板側切断部161は切断されているものの、裏側構成体101に対して基板側除去領域163が固定される。その後、既に説明したように、ボックス側除去領域153を各ボックス仮固定用ボス116,171を通じて仮固定することにより、ボックス側切断部151は切断されているものの、CPUチップ93及び主制御基板91が基板ボックス92内に収容された状態となる。
ここで、遊技場において主制御基板91の基板側除去領域163を基板ボックス92から取り出して入念に検査した後に、当該基板側除去領域163を遊技機メーカにおいて再検査を行う場合などがある。この場合としては、基板側除去領域163の検査結果が異常であり、主制御基板91の不正交換などが行われていた場合が考えられる。このような場合に、基板ボックス92に開口154が形成されたまま主制御装置63が遊技機メーカに搬送される場合を想定すると、搬送途中に基板側除去領域163が破損して当該基板側除去領域163の再検査を行うことができなくなってしまう可能性がある。これは、基板ボックス92内において基板側除去領域163が固定されていない場合も同様である。これに対して、上記のように基板側除去領域163を裏側構成体101に固定するとともに、ボックス側除去領域153により基板ボックス92の開口154を再度閉鎖することで、搬送途中における基板側除去領域163の破損の発生が抑制される。
また、主制御基板91の不正交換を行った不正行為者が、主制御装置63の遊技機メーカへの搬送途中において正規の基板側除去領域163に交換する行為が想定される。これに対して、上記のとおりボックス側除去領域153及び基板側除去領域163をそれぞれ破断ネジにより螺着することで、ボックス側除去領域153及び基板側除去領域163を取り外しづらくなり、正規の基板側除去領域163に交換しようとする行為を行いづらくすることが可能となる。
なお、主制御装置63の遊技機メーカへの搬送途中における不都合として、前者のもののみを想定する場合、ボックス側除去領域153及び基板側除去領域163の仮固定は破断ネジである必要はなく、着脱自在な周知のネジを用いて行えばよい。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図15のブロック図に基づいて説明する。図15では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置63に設けられた主制御基板91には、主制御回路202と停電監視回路203とが内蔵されている。主制御回路202には、CPUチップ93が搭載されている。CPUチップ93には、当該CPUチップ93により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM205と、そのROM205内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM206と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
CPUチップ93には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPUチップ93の入力側には、主制御基板91に設けられた停電監視回路203、払出制御装置82に設けられた払出制御基板211及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路203には電源及び発射制御装置83に設けられた電源及び発射制御基板215が接続されており、CPUチップ93には停電監視回路203を介して電力が供給される。
一方、CPUチップ93の出力側には、停電監視回路203、払出制御基板211及び中継端子板219が接続されている。払出制御基板211には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板219を介して主制御回路202から音声ランプ制御装置66に設けられた音声ランプ制御基板221に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路203は、主制御回路202と電源及び発射制御基板215とを中継し、また電源及び発射制御基板215から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御基板211は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU212は、そのCPU212により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM213と、ワークメモリ等として使用されるRAM214とを備えている。
払出制御基板211のCPU212には、入出力ポートが設けられている。CPU212の入力側には、主制御回路202、電源及び発射制御基板215、及び裏パック基板79が接続されている。また、CPU212の出力側には、主制御回路202及び裏パック基板79が接続されている。
電源及び発射制御基板215は、電源部216と発射制御部217とを備えている。電源部216は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路202や払出制御基板211等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路202や払出制御基板211等に対して供給する。発射制御部217は、遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板221は、表示制御装置225を制御するものである。演算装置であるCPU222は、そのCPU222により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM223と、ワークメモリ等として使用されるRAM224とを備えている。
音声ランプ制御基板221のCPU222には入出力ポートが設けられている。CPU222の入力側には中継端子板219に中継されて主制御回路202が接続されており、主制御回路202から出力される各種コマンドに基づいて、表示制御装置225を制御する。表示制御装置225は、音声ランプ制御基板221から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置63の基板ボックス92には、ボックス側切断部151が形成されており、当該ボックス側切断部151を切断して、内部空間を規定している位置からボックス側除去領域153を除去した場合、遊技制御プログラムを記憶したCPUチップ93の取り外しを可能とする開口154が基板ボックス92に形成される。そして、ボックス側切断部151は裏側構成体101と表側構成体102との固定状態を解除する場合よりも切断し易く形成されているため、遊技場においてCPUチップ93を基板ボックス92から取り出して入念に検査する場合には、その作業を比較的容易に行うことができる。
また、ボックス側切断部151を切断して基板ボックス92の内部空間を開放させた場合には、当該基板ボックス92に開口154が形成されるため、仮にCPUチップ93などに不正を行う目的でボックス側切断部151を切断して基板ボックス92の内部空間が開放されていた場合にはその発見を比較的容易に行うことができる。
さらには、上記のようにボックス側切断部151が設けられた構成においては、当該ボックス側切断部151によって基板ボックス92の内部空間を良好に開放するための機能が果たされている。したがって、裏側構成体101と表側構成体102の固定に際しては、基板ボックス92の内部空間を開放する場合の作業性を考慮する必要がなくなる。
つまり、本実施の形態では、裏側結合部141と表側結合部142に対して破断ネジ143を螺着することにより、両結合部141,142の結合がその結合解除が行いづらい状態で行われている。そして、従来のパチンコ機のように両結合部141,142による両構成体101,102の固定を解除するための積極的な脆弱部は設けられていない。また、裏側構成体101と表側構成体102との境界部分には接着剤が塗布されており、両構成体101,102が広範囲に亘って固定されているとともに、その境界部分から不正用治具を挿入しようとしてもそれが行いづらくなっている。さらには、裏側構成体101と表側構成体102との境界部分を跨ぐようにして封印シール145が貼り付けられている。以上のとおり、裏側構成体101と表側構成体102との固定が強固に行われており、それに伴って、裏側構成体101と表側構成体102とを不正に分離させようとする行為が行いづらくなっている。
また、ボックス側切断部151を切断しボックス側除去領域153を取り除くことで、主制御基板91の素子搭載面97が露出し、更に中間構成体103の柱状連結部132を切断してカバー部133を取り除くことでCPUチップ93が露出する。すなわち、CPUチップ93へのアクセスや取り外し等を行う際には、複数の部材の破壊履歴が残る構成となっている。このため、CPUチップ93の取り外し等が行われたか否かの確認が一層容易なものとなっている。これにより、CPUチップ93を入れ替える等の不正行為を好適に抑制することができる。
主制御基板91の検査の際には、CPUチップ93をそのままの状態として作業が行われる場合と、CPUチップ93を取り外して作業が行われる場合とがある。上述の如く、CPUチップ93の取り外し準備を2段階で行い、その一段階目にてCPUチップ93以外の部位を露出させることで、CPUチップ93の規制状態を維持したまま検査等を行うことができる。本実施の形態においては特に、主制御基板91を段階的に露出させる構成とすることで、CPUチップ93の不要な露出を抑え、防犯性の向上が図られている。
従来の遊技機においては、基板ボックスを開放すると主制御基板全体が露出される構成が多く採用されていた。かかる構成においては、主制御基板が露出された後、CPUチップの入替のみが行われると、CPUチップ自体を概観の違いによって判別することは困難でると想定される。本実施の形態においては、主制御基板91に搭載された素子のうち不正の対象となりやすいと想定されるCPUチップ93の取り外し等を別個独立して規制する構成とした。これにより、主制御基板91の封印が解除された場合CPUチップを確認するのではなく、CPUチップの規制状態を確認することで、不正な入替え等が行われたか否かを判断することができる。これにより、不正等の確認作業の容易化に貢献している。
中間構成体103の柱状連結部132は中間構成体103の他の部位と比較して切断が容易となるように構成されている。この柱状連結部132を切断することでカバー部133を分離することができるため、CPUチップ93の規制状態の解除が容易となっている。本実施の形態においては特に、CPUチップ93を取り外すためには、素子搭載面97を露出させるための基板ボックス92の開放に加え、カバー部133を取り外すことでCPUチップ93自身を露出させる必要がある。このように、複数の段階を経てCPUチップ93の取り外し規制を解除する構成とすることで、防犯性の向上を図ることができる反面、検査時等における規制解除の作業性の悪化が懸念される。しかしながら、本実施の形態においては、柱状連結部132の切断によって取り外し規制の解除の容易化を図っており、CPUチップ93検査時の作業性が悪化することを抑制している。特に、図11等に示すように、基板ボックス92の内部空間の解放に伴って柱状連結部132が露出するため、当該柱状連結部132の切断作業を容易に行うことができる。
また、同図11に示すように、柱状連結部132と素子搭載面97との間には、所定の隙間が設けられている。このため、素子搭載面97の正面側から切断作業を行う際に、工具の刃先等が素子搭載面97に接触するといった不都合が抑制されている。これにより、切断時の作業性の向上が図られている。
更に、中間構成体103の脆弱部は、表側構成体102のボックス側切断部151と異なり、切断時の作業方向が限定されにくくなっている。具体的には、表側構成体102のボックス側切断部151を切断する際には、カッターナイフ等の工具を素子搭載面97側に向かって押し付けることで作業が行われる。一方、柱状連結部132に関しては、ボックス側切断部151と同様の切断作業を行う以外に、ニッパ等の工具によって素子搭載面97側に力を加えることなく切断作業を行うことが可能となっている。このように、素子搭載面97側に向かって力を加えることなく作業を行うことができるため、切断時の力加減を気にせず作業を行うことができる。これにより更なる作業性の向上が図られている。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、主制御装置の基板ボックスについて中間構成体の固定に関する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における主制御装置230の構成を説明する。図16は本実施の形態における主制御装置230の構成を説明するための分解斜視図である。
主制御装置230は、上記第1の実施の形態における主制御装置63と同様に、主制御基板231と基板ボックス232とを備えている。また、基板ボックス232は、上記第1の実施の形態における基板ボックス92と同様に、複数のボックス構成体として、裏側構成体233と、表側構成体234と、中間構成体235と、コネクタ用プレート236と、を備えている。また、表側構成体234には、上記第1の実施の形態における表側構成体102と同様に、ボックス側切断部237が形成されているとともに、主制御基板231には、上記第1の実施の形態における主制御基板91と同様に、基板側切断部238が形成されている。
但し、本実施の形態における主制御装置230では、中間構成体235は表側構成体234だけでなく裏側構成体233にも固定されている。詳細には、中間構成体235の枠状部241の外周側には、ネジ孔を有する裏用固定部242と、同じくネジ孔を有する表用固定部243と、が一体形成されている。裏用固定部242及び表用固定部243はそれぞれ、枠状部241の対向する枠部に1個ずつ設けられているが、複数個ずつ設けてもよい。
裏用固定部242はそのネジ孔が、裏側構成体233側に向けて開放されており、裏側構成体233には裏用固定部242と基板ボックス232の厚み方向に並ぶ位置に貫通孔244が形成されている。この場合、裏用固定部242と貫通孔244との間には主制御基板231が介在しているが、当該主制御基板231には裏用固定部242と貫通孔244との間の空間を遮らないように貫通孔245が形成されている。
中間構成体235は、主制御基板231が一体化された裏側構成体233に対して、裏用固定部242のネジ孔と裏側構成体233の貫通孔244とが同一軸線上に位置するように配置されており、裏側構成体233側から裏用固定部242のネジ孔に破断ネジ246が螺着されている。当該破断ネジ246は螺着後において頭部が分離されている。これにより、中間構成体235は裏側構成体233に固定されており、この固定の解除に際しては基本的に裏用固定部242の破壊を要する。
表用固定部243はそのネジ孔が、表側構成体234側に向けて開放されており、表側構成体234には表用固定部243と基板ボックス232の厚み方向に並ぶ位置に貫通孔247が形成されている。コネクタ用プレート236が一体化された表側構成体234は、主制御基板231及び中間構成体235が一体化された裏側構成体233に対して、貫通孔247と表用固定部243のネジ孔とが同一軸線上に位置するように配置されており、表側構成体234側から表用固定部243のネジ孔に破断ネジ248が螺着されている。当該破断ネジ248は螺着後において頭部が分離されている。これにより、中間構成体235は表側構成体234に対しても固定されており、この固定の解除に際しては基本的に表用固定部243の破壊を要する。
なお、裏側構成体233と表側構成体234とは、上記第1の実施の形態における基板ボックス92と同様に固定されている。
以上詳述した本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態における効果に加え、純正の基板ボックス232を不正に得ようとする行為を行いづらくすることが可能となる。
つまり、主制御装置230に対する不正行為としては、2個の主制御装置230を用意し、一方の主制御装置230から表側構成体234及びその付属品を破壊しない状態で取り出し、他方の主制御装置230から裏側構成体233及びその付属品を破壊しない状態で取り出す行為が想定される。この場合、それぞれ破壊しない状態で取り出した表側構成体234側のユニットと裏側構成体233側のユニットとを組み合わせることにより、純正の基板ボックス232を得ることができてしまう。そうすると、パチンコ機10の主制御装置230が、上記不正に得た基板ボックス232に不正なCPUチップ249などを収容させて構成された主制御装置230に交換された場合には、その発見を行うことが困難なものとなってしまう。
これに対して、本実施の形態によれば、中間構成体235が裏側構成体233及び表側構成体234の両方に固定されているとともに、その固定の解除に際しては、中間構成体235の破壊を要するように構成されている。したがって、裏側構成体233のみを破壊して、表側構成体234側のユニットを破壊しない状態で取り出そうとしても、中間構成体235の裏用固定部242が破壊されることで当該行為が不可となる。また、表側構成体234のみを破壊して、裏側構成体233側のユニットを破壊しない状態で取り出そうとしても、中間構成体235の表用固定部243が破壊されることで当該行為が不可となる。よって、上記不正行為を行いづらくすることが可能となる。
なお、中間構成体235の裏側構成体233に対する固定及び中間構成体235の表側構成体234に対する固定は、破断ネジ246,248に限定されることはなく、ワンウェイネジであってもよい。また、ネジではなく、係止具を用いてもよい。例えば、裏用固定部242及び表用固定部243には係止用孔を形成し、当該係止用孔に係止具を挿入した場合には、係止具の爪が係止用孔の壁に引っ掛かり、当該係止具の離脱が不可となる構成としてもよい。そして、係止具が裏用固定部242に挿入されている状態では、中間構成体235と裏側構成体233との固定が行われるとともに、係止具が表用固定部243に挿入されている状態では、中間構成体235と表側構成体234との固定が行われる構成とする。本構成であっても、裏側構成体233や表側構成体234の取り出しに際して、中間構成体235の破壊が行われるようにすることが可能となる。
つまり、裏側構成体と、表側構成体と、中間構成体とを備え、中間構成体を裏側構成体及び表側構成体の両方に固定し、さらに裏側構成体と表側構成体との分離に際して少なくとも一方が破壊され、裏側構成体からの中間構成体の分離及び表側構成体からの中間構成体の分離に際して中間構成体が破壊される構成であればよい。なお、純正の基板ボックスの不正取得を抑制するという観点のみに着目するのであれば、表側構成体にボックス側切断部が形成されていなくてもよく、主制御基板に基板側切断部が形成されていなくてもよい。
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、裏側構成体と表側構成体との固定手段の構成の一部が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における主制御装置250の構成を説明する。図17は本実施の形態における主制御装置250の構成を説明するための分解斜視図である。
主制御装置250は、上記第1の実施の形態における主制御装置63と同様に、主制御基板251と基板ボックス252とを備えている。また、基板ボックス252は、上記第1の実施の形態における基板ボックス92と同様に、複数のボックス構成体として、裏側構成体253と、表側構成体254と、中間構成体255と、コネクタ用プレート256と、を備えている。また、表側構成体254には、上記第1の実施の形態における表側構成体102と同様に、ボックス側切断部257が形成されているとともに、主制御基板251には、上記第1の実施の形態における主制御基板91と同様に、基板側切断部258が形成されている。
但し、本実施の形態における主制御装置250では、裏側構成体253と表側構成体254との長辺部位における固定は接着剤により行われているのではなく、係止部と係止受け部との係止により行われている。
詳細には、裏側構成体253には係止部261が一体形成されている。係止部261は複数設けられており、それら係止部261は裏側構成体253の裏側周縁部262における上縁及び下縁のそれぞれについて各縁に沿って等間隔で形成されている。この場合、係止部261は、上下にそれぞれ6個ずつ形成されているが、複数であればその数は任意である。各係止部261は、全て同一形状となるように形成されているとともに、全て同一のサイズに形成されている。
各係止部261は、裏側構成体253の裏側周縁部262を基端として形成されており、自由端側が裏側構成体253の一方の側縁に向けて延びるように途中位置で折り曲げて形成されている。
上記係止部261に対応させて表側構成体254には、係止受け部263が一体形成されている。当該係止受け部263は、表側構成体254の表側周縁部264における上縁及び下縁のそれぞれにおいて、係止部261と1対1で対応させて形成されている。各係止受け部263は、表側構成体254の裏側から係止部261が入り込み可能な空間を有しているとともに、当該空間内に係止部261が係止される部位を有している。
係止部261と係止受け部263との係止は、係止部261が係止受け部263内に挿入されるように裏側構成体253と表側構成体254とを組み合わせ、その後に裏側構成体253又は表側構成体254の少なくとも一方をスライド移動させることにより行われる。そして、この状態で、各構成体253,254にそれぞれ形成された結合部265,266の結合を行うことにより、裏側構成体253と表側構成体254とが固定される。なお、本主制御装置250では、裏側構成体253と表側構成体254とを組み合わせる前の状態において、主制御基板251は裏側構成体253ではなく表側構成体254に固定されており、さらにその固定は破断ネジを用いて行われている。
本実施の形態によれば、接着剤を用いなくても裏側構成体253と表側構成体254との固定を良好に行うことができる。そして、基板ボックス252にはボックス側切断部257が形成されているとともに、主制御基板251には基板側切断部258が形成されているため、基板ボックス252の内部空間の開放に関する上記第1の実施の形態における効果を奏することができる。
また、本実施の形態では、主制御基板251は表側構成体254に対して破断ネジを用いて固定されているため、裏側構成体253と表側構成体254との固定を解除し、両者を分離させたとしても、CPUチップは露出しない。したがって、本構成においてCPUチップの不正取得や不正交換を行うためには、主制御基板251等の破壊を要することとなる。
(第4の実施の形態)
本実施の形態では、主制御装置における各構成体の固定に関する構成及び主制御基板の固定に関する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。すなわち、主制御基板とCPUチップの取り外し規制に関する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における主制御装置300の構成を説明する。図18は本実施の形態における主制御装置300の構成を説明するための分解斜視図である。
主制御装置300は、上記第1の実施の形態における主制御装置63と同様に、主制御基板301と基板ボックス302とを備えている。基板ボックス302においては、上記第1の実施の形態における基板ボックス92と同様に、複数のボックス構成体として、裏側構成体303と、表側構成体304と、コネクタ用プレート305とを備えている。一方、中間構成体は省略されている。また、表側構成体102に形成されたボックス側切断部も省略されている。
本実施の形態における主制御装置300では、第1の実施の形態と同様に、各構成体303,304が破断ネジ306によって相互に固定されることで基板ボックス302が構成されている。より詳細には、表側構成体304の表側結合部307と裏側構成体303の裏側結合部308とが破断ネジ306によって取り外し不能な状態で結合されている。当該破断ネジ306は螺着後において頭部が分離されており、両構成体303,304の固定の解除に際しては基本的に構成体303,304等の破壊を要する。これにより、主制御基板301が基板ボックス302内に隔離された状態となっている。各結合部307,308の根本部位の周辺には、脆弱部を構成する切り欠き部309,310が形成されており、それら切り欠き部309,310によって各結合部307,308の切り離しが容易化されている。すなわち、破断ネジ306による両構成体303,304の結合を解除する際には、各結合部307,308を折り曲げる等することで、それら切り欠き部309,310周辺が破壊さやすくなっている。このように、結合部分の切り離しを容易化することで、規制状態を解除する際の作業性向上に貢献している。
基板ボックス302内部には、上述の如く主制御基板301が格納されている。本実施の形態においては、上記各実施の形態と同様に、主制御基板301におけるCPUチップ315等が搭載された素子搭載面316が表側構成体304側を向いた状態で配置されている。より具体的には、表側構成体304は裏側構成体303側に開放された略箱状をなしており、表側構成体304によって区画形成された空間内に主制御基板301が配置されている。主制御基板301の素子搭載面316は表側構成体304によって覆われており、当該素子搭載面316へのアクセスが制限された状態となっている。
主制御基板301の4隅には貫通孔317が形成されており、表側構成体304における主制御基板301側には貫通孔317と同一軸線上となるようにネジ孔(図示略)が形成されている。そして、主制御基板301における素子搭載面316と反対側(すなわち半田面318側)から貫通孔317に挿通された破断ネジ319が、前記ネジ孔に螺着されている。当該破断ネジ319は螺着後において頭部が分離されている。これにより、主制御基板301は表側構成体304に固定されており、この固定の解除に際しては基本的に主制御基板301の破壊を要する。これにより、素子搭載面316(詳しくはCPUチップ315)は表側構成体304と主制御基板301とによって区画形成された空間内に隔離された状態、すなわちは表側構成体304内に隔離された状態となっている。
主制御基板301における貫通孔317の周辺部位には縦横に延びる基板側切断部320が設けられている。より詳しくは、基板側切断部320は、貫通孔317とCPUチップ315等との間に配置されている。基板側切断部320は、主制御基板301をその厚み方向に貫通するようにして形成された複数のスリット321により構成されている。この基板側切断部320に沿って主制御基板301の一部(具体的には主制御基板301の部分)を切り取ることで、破断ネジ319によって固定された部位と、CPUチップ315等を含んだ部位とが分断される。これにより、主制御基板301の固定状態、すなわち素子搭載面316の隔離状態が解除される。
ここで、検査等の際に、CPUチップ315を取り外す場合の作業の流れについて説明する。先ず、両構成体303,304によって形成された内部空間を開放する。上述した各実施の形態においては、ボックス側除去領域153を取り除くことで、主制御基板301へのアクセスを可能とした。一方、本実施の形態においては、各構成体303,304の結合を解除することで、具体的には各結合部307,308を取り除くことで、主制御基板301(具体的には半田面318)へのアクセスが可能となる。また、両構成体303,304の内部空間を開放することで、主制御基板301の基板側切断部320が露出された状態となる。ここで、基板側切断部320に沿って主制御基板301の一部を切り離すことで、主制御基板301のCPUチップ315の取り外し規制状態が解除される。これにより、CPUチップ315を含む主制御基板301の主要部分を取り外し可能となる。主制御基板301の主要部分を取り外すことで、CPUチップ315等が露出した状態となり、検査を容易に実施することができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏する。すなわち、主制御装置300における主制御基板301を段階的に露出させることで、CPUチップ315の取り外しが可能となる。主制御基板301を段階的に露出させる場合にはそれぞれ破壊を伴うため、複数の部位において破壊の痕跡が残ることとなる。このように痕跡を確認できる箇所を増やすことで、開放事実の発見の容易化に貢献している。これにより、主制御基板301(特にCPUチップ315)に対する不正の発見を容易なものとし、結果として不正行為自体を行いづらくすることができる。
(第5の実施の形態)
本実施の形態では、裏側構成体と表側構成体とを固定する固定手段の構成が上記第1の実施の形態と異なっている。すなわち、主制御基板の露出を規制するための構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における主制御装置330の構成を説明する。図19は本実施の形態における主制御装置330の構成を説明するための斜視図である。
主制御装置330は、上記第1の実施の形態における主制御装置63と同様に、主制御基板331と基板ボックス332とを備えている。また、基板ボックス332は、上記第1の実施の形態における基板ボックス92と同様に、複数のボックス構成体として、裏側構成体333,表側構成体334,中間構成体335,コネクタ用プレート336を備えている。
本実施の形態における主制御装置330では、裏側構成体333と表側構成体334との長辺部位における固定は接着剤により行われているのではなく、封印部337(具体的にはカシメ等による結合部)によって開封不能に連結されている。これによって主制御基板331は基板ボックス332の内部に露出が規制された状態で格納されている。封印部337は、基板ボックス332の長辺部に複数(本実施の形態においては5つ)設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理(すなわち主制御基板331の露出の規制処理)が行われる。
封印部337は裏側構成体333と表側構成体334とを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、本実施の形態においては、封印部337を構成する長孔338に係止爪339を挿入することで各構成体333,334が開封不能に結合されるようになっている。封印部337による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部337のうち、少なくとも一つの長孔338に係止爪339を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板331の不具合発生の際や主制御基板331の検査の際など基板ボックス332を開封する場合には、係止爪339が挿入された封印部337と他の封印部337及び基板ボックス332の本体部分との連結部340等を破壊(切断)する。連結部340は基板ボックス332の他の部位と比べ脆弱に形成された脆弱部であり、具体的には薄板状をなしている。この連結部340を切断することで、基板ボックス332の各構成体333,334が分離され、内部の主制御基板331を取り出すことが可能となる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部337の長孔338に係止爪339を挿入する。基板ボックス332の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス332に残しておけば、基板ボックス332を見ることで開封が行われた旨を容易に把握できる。これにより、不正な開放が行われた場合、その開放事実を発見可能となっている。
また、本実施の形態における主制御基板331及び中間構成体335は、裏側構成体333及び表側構成体334の一方にまとめて固定されている。具体的には、裏側構成体333に破断ネジ(図示略)によって固定されている。当該破断ネジは螺着後において頭部が分離されている。基板ボックス332の封印が解除され両構成体333,334が分離されることで、主制御基板331の素子搭載面350へのアクセスが可能となる。詳細には、中間構成体335のカバー部351によって覆われているCPUチップ352以外の部分へのアクセスが可能となる。検査等の事情により、CPUチップ352へのアクセスやCPUチップ352の取り外しを行う場合には、上記各実施の形態と同様に、中間構成体335の各柱状連結部353を任意の位置(例えば枠状部側の根元)にて切断し、カバー部351を取り外すとよい。
本実施の形態によれば、検査やメンテナンスの際に、複数回にわたって封印処理を行うことができる。これにより、主制御装置330(詳しくは主制御基板331)のリユース性を向上することができる。すなわち、一度の封印解除によって主制御装置330の入れ替えが必要になることが無く、繰り返しの使用が可能となっている。しかしながら、かかる封印の解除が不正行為者によって行われた場合、CPUチップ352が不正に入替えられる可能性が生じる。CPUチップ352の入替えが行われた後に、封印処理が再度施されると、不正行為の発見が困難となる可能性がある。より詳細には、過去の開封履歴を把握していないと、不正な開放が行われたか否かを判別するのが困難となる。本実施の形態においては、CPUチップ352の入替えを行うには、中間構成体335を破壊する必要がある。このように中間構成体335が破壊された場合、破壊事実の有無を確認することで、不正開放が行われた可能性があることを認識しやすくできる。故に、封印部337を確認する場合と比較して、不正開放の発見の容易化が図られている。
また、本実施の形態では、基板ボックス332の封印の解除を行うことで、素子搭載面350が露出する構成とすることで検査等の容易化を図りつつ、不正の対象となりやすいCPUチップ352の取り外し等には更なる封印の解除を要する構成とすることで不正をより困難なものとしている。すなわち、メンテナンス性の向上と不正抑制効果の向上との両者を期待することができる。
(他の実施の形態)
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
また、複数の実施の形態にて共通で使用している部分名称や部材名称等に関しては、1つの実施の形態で用いられている部分番号や部材番号のみを付属した状態で記載するが、これに限定されるものではない。すなわち、予め指定した他の実施の形態に用いられている部分番号や部材番号を適応することも可能である。
(1)主制御装置の基板ボックスの変形例を、図20(a),(b)に示す。図20(a),(b)は、基板ボックス271,281の変形例を説明するための説明図である。
(1−1)図20(a)に示す基板ボックス271では、ボックス側切断部272が表側構成体273だけでなく裏側構成体274にも形成されている。詳細には、ボックス側切断部272は、裏側構成体274において一対の対向する縁部間に亘って形成された裏側切断部275と、表側構成体273において一対の対向する縁部間に亘って形成された表側切断部276と、を備えている。これら裏側切断部275及び表側切断部276は共に、基板ボックス271の内外に貫通した貫通孔が多数並設されて構成されている。
ボックス側切断部272は、裏側切断部275と表側切断部276とにより、裏側構成体274及び表側構成体273の境界部分を跨いで断続的な環状となっている。また、ボックス側切断部272が形成された位置は、基板ボックス271における一方の短辺部側に偏倚された位置となっている。
上記基板ボックス271においては、ボックス側切断部272をその全周に亘って切断することにより、基板ボックス271の内部空間が開放される。この場合に、主制御基板は、ボックス側切断部272をその全周に亘って切断し基板ボックス271の内部空間を開放した状態において、基板ボックス271内から抜き取り可能なように設けられている。
本構成によれば、上記第1の実施の形態と同様に、基板ボックス271の内部空間の開放に際してはボックス側切断部272を切断すればよいため、裏側構成体274と表側構成体273との固定を、その固定解除を意図しない状態で行ったとしても、主制御基板などの検査の作業性が低下することが抑制される。
(1−2)図20(b)に示す基板ボックス281では、上記第1の実施の形態と同様に、表側構成体282の表面構成部283にボックス側切断部284が形成されている。但し、本構成では、ボックス側切断部284が2重に形成されている。2重のボックス側切断部284のうち、内側のものは表面構成部283において主制御基板のCPUチップ及びその周辺と対向する領域を区画するように形成されている。一方、2重のボックス側切断部284のうち、外側のものは表面構成部283において主制御基板の切除可能な領域と対向する領域よりも外側を区画するように形成されている。本構成によれば、検査の目的に応じて、2重のボックス側切断部284のうち一方を切断すればよい。特に、CPUチップのみの検査に際して切断を要する長さを、上記第1の実施の形態よりも短くすることができる。
(2)主制御装置63の基板ボックス92に形成されたボックス側切断部151の変形例を、図21(a),(b)に示す。図21(a),(b)は、ボックス側切断部151の変形例を説明するための説明図である。
(2−1)図21(a)に示すボックス側切断部151は、基板ボックスの内外に貫通する貫通孔ではなく、有底の溝を形成することにより設けられている。なお、当該溝は横断面V字状に限定されることはなく、U字状であってもよい。本構成であっても、基板ボックスにボックス側切断部151が形成されているため、基板ボックスの内部空間の開放に関して上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本構成においては、ボックス側切断部151にて通気口としての機能が果たされないが、ボックス側切断部151を通じて不正用治具を挿入しようとする行為が行われることはないため、中間構成体103の枠状部131を不具備としてもよい。
(2−2)図21(b)に示すボックス側切断部151は、基板ボックス92の内外に貫通する貫通孔や溝ではなく、基板ボックス92における他の部位を構成する材料よりも強度の弱い材料を適用することにより設けられている。本構成であっても、基板ボックス92にボックス側切断部151が形成されているため、基板ボックス92の内部空間の開放に関して上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本構成においては、ボックス側切断部151にて通気口としての機能が果たされないが、ボックス側切断部151を通じて不正用治具を挿入しようとする行為が行われることはないため、中間構成体103の枠状部131を不具備としてもよい。
(3)主制御装置63の基板ボックス92における、ボックス側切断部151の貫通孔152と中間構成体103の枠状部131との位置関係の変形例を図22に示す。図22は、貫通孔152と枠状部131との位置関係の変形例を説明するための説明図である。
図22に示すように、中間構成体103は表側構成体102の表面構成部126の裏面に当接させて設けられており、中間構成体103の枠状部131はボックス側切断部151の貫通孔152を基板ボックス92の内部空間側において閉塞している。本構成によれば、ボックス側切断部151にて通気口としての機能が果たされないが、ボックス側切断部151を通じて不正用治具を挿入しようとされた場合に基板ボックス92の内部空間に不正用治具が入り込む前に当該不正用治具の侵入を阻止することが可能となる。
(4)上記第1の実施の形態では、枠状部131とカバー部133とを有する中間構成体103を表側構成体102とは別に設けたが、これに代えて、枠状部131及びカバー部133が表側構成体102に一体形成された構成としてもよい。また、中間構成体103として枠状部131のみを設けるとともに、カバー部133を主制御基板91に固定する構成としてもよい。また、枠状部131を表側構成体102に一体形成するとともに、カバー部133を主制御基板91に固定する構成としてもよい。また、中間構成体103を不具備としてもよい。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(5)上記第1の実施の形態では、ボックス側切断部151を表側構成体102に形成したが、当該ボックス側切断部を裏側構成体101に形成してもよい。また、裏側構成体101において所定の領域を囲むようにしてボックス側切断部を形成するとともに、表側構成体102において所定の領域を囲むようにしてボックス側切断部を形成してもよい。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(6)上記第1の実施の形態では、基板側切断部161は枠状に形成されていたが、これに限定されることはなく、基板ボックス92に形成された開口154を通じて取り出し可能な大きさの基板側除去領域163を分離させることができるのであれば、基板側切断部161の形状は任意である。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(7)中間構成体103の柱状連結部132の数や配置位置は、上記第1の実施の形態とは異なるものとしてもよい。また、柱状連結部132においてカバー部133側の根元又は枠状部131側の根元の少なくとも一方に、柱状連結部132の他の部位に比べ脆弱に形成された脆弱部を形成してもよい。この場合、柱状連結部132の切断作業を良好に行うことができる。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(8)上記第1の実施の形態において、CPUチップ93や基板側除去領域163の検査後における仮収容の構成を不具備としてもよい。また、カバー部133に対して仮収容の構成を適用し、CPUチップ93や基板側除去領域163の検査後において、再度カバー部133によりCPUチップ93を覆うことができる構成としてもよい。また、CPUチップ93や基板側除去領域163の検査後における仮収容に際しては、CPUチップ93が搭載される側の板面を裏側構成体101側に向けて仮収容させることを可能とする構成としてもよい。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(9)上記第1の実施の形態では、CPU,ROM,RAMが1チップ化されたCPUチップ93を主制御基板91に搭載したが、これに代えて、ROM専用の素子を主制御基板91に搭載してもよい。この場合、少なくともそのROM専用の素子に関して、上記第1の実施の形態における基板ボックス92の各構成を適用するとよい。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(10)上記第1の実施の形態において、主制御装置63の基板ボックス92は中間構成体103及びコネクタ用プレート104を具備しない構成とするとともに、表側構成体102が長孔部123を具備しない構成としてもよい。この場合、基板ボックス92は一対のボックス構成体101,102から形成されることとなる。また、4個のボックス構成体ではなく、3個又は5個以上のボックス構成体を組み合わせることにより、基板ボックス92が形成される構成としてもよい。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(11)裏側結合部141及び表側結合部142を固定する固定具として、破断ネジ143に代えて、引掛け金具を用いてもよい。この場合、引掛け金具により両結合部141,142を固定した後は当該引掛け金具の抜き取りが不可となる構成とすることで、両結合部141,142の固定解除に際して両結合部141,142の破壊を要することとなる。また、裏側結合部141及び表側結合部142を固定する構成としては、上記のように固定具を用いる構成に代えて、接着剤を用いて両結合部141,142を固定する構成としてもよく、超音波や熱を用いて両結合部141,142を一体化する構成としてもよい。また、両結合部141,142を、基板ボックス92の全ての辺に対して設けてもよい。
(12)上記第1の実施の形態では、裏側周縁部112と表側周縁部121との境界部分には接着剤を塗布するようにしたが、これに代えて、両周縁部112,121を超音波や熱を用いて一体化させてもよい。また、基板ボックス92の全体が、当該基板ボックス92の内部空間を規定する機能を有していてもよい。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(13)上記第1の実施の形態において、ボックス側切断部151を切断してボックス側除去領域153を除去する場合、当該ボックス側除去領域153は基板ボックス92の内部空間を開放する開口が形成されるように当初の位置から離間されるものの、表側構成体102に対して一部が連結されていることで、表側構成体102側に残る構成としてもよい。
(14)上記第1乃至第3及び第5の各実施の形態においては、中間構成体103のカバー部133によってCPUチップ93のみを覆う構成としたが、これに加え、他のICチップ(例えばラッチ用ICチップ95等)を覆う構成としてもよい。
(15)上記第4の実施の形態においては、主制御基板310の素子搭載面316が表側構成体304側を向くように当該主制御基板310を配置したが、これを変更し、素子搭載面316が裏側構成体303側を向くように配置することも可能である。かかる場合、主制御基板310の固定対象を裏側構成体303とすることで、基板ボックス302の内部空間が開放された際の、素子搭載面316(詳しくはCPUチップ315)の露出を回避することが可能となる。但し、このように主制御基板310の素子搭載面316を裏側構成体303側に向けた場合、メンテナンス等の際に素子搭載面316側を確認するためには、裏パックユニット15を開放する必要が生じる。さらに、主制御装置300については自身の背側を視認できるように回動させる必要がある。通常、半田面318と比較して、素子搭載面316の方が不正の対象となりやすいと考えられる。故に、望ましくは、第4の実施の形態に示したように、素子搭載面316が表側構成体304側を向くように配置するとよい。
(16)上記第1乃至第3の各実施の形態においては、図8等に示すように、中間構成体103を枠状としたが、中間構成体を主制御基板91側に開放された箱状とすることも可能である。この箱状の中間構成体によって、CPUチップ93を含む素子搭載面97の一部を覆うとよい。かかる場合、中間構成体にも表側構成体102と同様に脆弱部としての切断部を設け、この切断部に沿って中間構成体の一部を切断することで、CPUチップ93等の取り外しが可能となる構成とすればよい。但し、中間構成体を箱状とした場合、主制御基板91に発生する熱がこもりやすくなると想定される。故に、通気孔を多数設定し、放熱性の向上を図ることが望ましい。
(17)上記第1乃至第3及び第5の各実施の形態においては、中間構成体103の柱状連結部132全体が同一の強度となるように構成したが、柱状連結部における所定の部位の強度が他の部位の強度に比べて弱くなるように設定してもよい。例えば、柱状連結部の一部に切り欠き等を設けることで、部分的な強度の低下を実現するとよい。
(18)上記第1乃至第3の各実施の形態では、主制御基板91に基板側切断部161を設け、主制御基板91を切断することで、当該主制御基板91の主要部分の取り外しが可能となる構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、主制御基板とその取付け対象のうち、取付対象側(例えば裏側構成体等)を破壊することで、主制御基板の取り外しが可能となる構成としてもよい。かかる場合、取付対象側における主制御基板の固定部周辺に脆弱部を設けるとよい。
(19)上記各実施の形態では、表側構成体102と裏側構成体101とを主制御基板91の素子搭載面97と直交する方向に重ねあわせることで、組み付けを行う構成としたが、主制御基板の素子搭載面と平行な方向に表側構成体と裏側構成体とを相互にスライドさせることで組み付けを行う構成としてもよい。例えば、主制御基板の長手方向にスライドさせるとよい。特に、中間構成体を有する構成においては、当該中間構成体によって素子搭載面が保護されやすくなっている。このため、スライド装着時に、各素子が表側構成体や裏側構成体に当たることで、破損するといった不都合を好適に抑制することができる。
(20)上記第1乃至第3の各実施の形態においては、図10(a)等に示すように、素子搭載面97と直交する方向において、ボックス側除去領域153の周縁部と中間構成体103の枠状部131とが重なる構成とし、ボックス側除去領域153が取り除かれる際には、当該ボックス側除去領域153が基板ボックス92内に倒れこむことを抑制したが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、ボックス側除去領域153の周縁部と中間構成体103の枠状部131とが重なる構成としなくてもよい。かかる場合、ボックス側除去領域153が取り除かれる際には、当該ボックス側除去領域153が基板ボックス92内に倒れこむ可能性が生じる。そこで、カバー部133によってボックス側除去領域153の倒れこみを抑制する構成とすればよい。以下その具体例を示す。
カバー部133に収容されているCPUチップ93は図8等に示すように、素子搭載面97からの突出量が最大となっている。このCPUチップ93を収容するカバー部133もまた、素子搭載面97から大きく突出している。ボックス側除去領域153は除去される際に素子搭載面97側に向けて倒れる等する可能性がある。かかる場合、ボックス側除去領域153が素子搭載面97に当たることで、各ICチップ94等に負荷が生じるおそれがある。しかしながら、上述の如くカバー部133が素子搭載面97から大きく突出していることで、ボックス側除去領域153はカバー部133に当り、他のICチップ94等に当たりにくくなる。このように、カバー部133に素子搭載面97の保護機能を付与することも可能である。
(21)上記各実施の形態においては、CPUチップ93等の取り外し及び露出を規制すべく、カバー部133等によって形成された閉空間内にCPUチップ93等を格納する構成としたが、これを変更し、CPUチップ93等の取り外しのみを規制する構成としてもよい。例えば、CPUチップ93の取り取り外し方向への移動を抑える移動規制部をカバー部の代わりに設けてもよい。
(22)上記各実施の形態においては、基板ボックス92の一部(詳しくはボックス側切断部151)を切断又は破壊することで、主制御基板91を露出させる構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、基板ボックス92を構成する各構成体101,102を封印シールで結合することで主制御基板91を内封し、この封印シールを除去することによって主制御基板91を露出可能な状態とする構成としてもよい。封印シールは、上記実施の形態に示した封印シール145のように、当該封印シールを剥す際にシールの母材が破壊されその破壊の痕跡が残存するものである。主制御基板91を露出した状態とするには、先ず封印シールの除去がなされる。これにより、主制御基板91が露出可能な状態となる。その後各構成体101,102分離することで、主制御基板91が露出した状態となる。
(22)上記各実施の形態において主制御装置の基板ボックスに適用した構成を、音声ランプ制御装置66、払出制御装置82、電源及び発射制御装置83といった他の制御装置に対して適用してもよい。
(23)上記各実施の形態では、外側貯留部として上皿57aと下皿58aとを備えたパチンコ機10に本発明を適用したが、これに代えて、単一の外側貯留部を備えたパチンコ機に本発明を適用してもよい。また、停電監視装置を主制御装置63とは別に設けることで、主制御基板91は主制御回路202のみの機能を有する構成としてもよい。
(24)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。
本スロットマシンは、前方に開放された箱状をなす筐体と、当該筐体の開口を塞ぐ前面扉とを備えており、筐体内に制御基板装置が収容されている。この場合に、制御基板装置の基板ボックスにおいてボックス側切断部の形成された面が前面扉を開放した場合に視認可能となるように、制御基板装置を配置することで、ボックス側切断部が切断されているか否かの確認を容易に行うことができる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
10…パチンコ機、63…主制御装置、91…主制御基板、92…基板ボックス、93…CPUチップ、97…素子搭載面、101…裏側構成体、102…表側構成体、103…中間構成体、104…コネクタ用プレート、131…枠状部、132…柱状連結部、133…カバー部、136,143…破断ネジ、151…ボックス側切断部、152…貫通孔、153…ボックス側除去領域、154…開口、155…溝部、161…基板側切断部、163…基板側除去領域、164…配線パターン、165…配線、171…ボックス仮固定用ボス、172…仮固定用貫通孔。