はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
以下の各手段は、「遊技機の複数種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPUや遊技に関わる制御プログラムが記憶されたROM等の電子部品が実装された制御基板を備えており、その制御基板によって一連の遊技が制御されている。なお、近年においては、CPUやROMが1チップ化されて制御基板に実装されたものがある。この種の遊技機においては、不正な利益を得ることを目的として、制御基板内のROM(CPUやROMが1チップ化されている場合は当該チップ)を交換し遊技内容を変更する等の制御基板に対する不正行為が数多く報告されており、従来より各種の不正対策が検討されている。例えば、基板ボックスを構成する複数のボックス構成体を相互に結合するための結合構造(いわゆる、カシメ構造)を持たせたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。当該結合構造は、その結合の解除に際して破壊を要するように構成されている。これにより、基板ボックスの開放時にはその破壊による開放履歴を残すことができ、不正に基板ボックスが開放された場合にはそれを発見することが可能となる。一方、遊技場では外部機関等によって制御基板の検査が行われることがある。したがって、この検査に際して基板ボックスの開放作業を容易なものとするために、結合構造には脆弱部が積極的に設けられており、当該脆弱部を破壊(切断等)することにより結合構造による結合が解除され、基板ボックスの開放を行えるようにしてある。」という背景技術について、「しかしながら、上記結合構造を備えた制御基板装置であっても、未だに不正行為が行われることが考えられる。例えば脆弱部の破壊を目立たないようにして行うことが考えられ、そうすると基板ボックスが不正に開放されたことを容易に発見できないおそれがある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
手段1.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板91等)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板が収容されている基板ボックス(基板ボックス92等)と
を備え、
前記基板ボックスは、複数のボックス構成体(裏側構成体101、表側構成体102等)を組み合わせるとともにこれらボックス構成体を結合手段(破断ネジ180等)によって相互に結合することにより構成され、
前記各ボックス構成体は、前記内部空間と前記基板ボックスの外部空間とを区画する略一定肉厚の区画壁部(裏側周壁部118,表側周壁部122等)を有し、
前記区画壁部同士が前記結合手段によって固定されることにより前記各ボックス構成体同士が結合されていることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、各ボックス構成体は、基板ボックスの内外を区画する区画壁部を有しており、これら区画壁部が結合手段によって結合されることで、基板ボックスが構成されている。結合手段による結合状態を解除するには、結合手段自身又は結合手段によって固定されている区画壁部の結合部分の少なくともいずれかを破壊等する必要がある。
一般的に、ボックス構成体同士の結合には、以下の構成が用いられることが多い。すなわち、区画壁部には自身から外側に突出した結合部等が形成され、これら結合部同士が結合手段によって固定されることが多い。これにより、結合部の視認性向上や結合時の作業性の向上等が図られている。しかしながら、上述の如く結合手段によって区画壁部から突出した部位(結合部)同士が固定されている場合には、それら結合部を区画壁部の壁面に沿って切断等される可能性がある。このように、壁面に沿って結合部の除去がなされると、破壊痕跡を目立ちにくくしつつ、結合状態を解除することが可能となり得る。更に、切除された結合部が、接着等の固定手段によって元の位置に戻された場合、その痕跡の発見が困難となり得る。例えば、結合状態の解除に伴って生じる痕跡が壁面に沿って形成されることで、その痕跡は、突出部位等及び壁面の相関線に対して紛れやすくなることが懸念される。
この点、本手段においては、略一定肉厚に形成されている区画壁部にて結合がなされ、上述したような突出部位等において結合がなされるものではない。つまり、結合状態の解除に伴って、突出部位等ではなく区画壁部そのものの破壊がなされやすいと想定される。区画壁部が破壊されその破壊の痕跡が残存している場合には、制御基板へのアクセスが行われた可能性があるという事実、すなわち基板ボックスの開放が行われたという事実を確認しやすくすることができる。より具体的には、区画壁部の破壊に伴って、基板ボックスに開口や凹み等が形成されることとなる。このため、仮に上記制御基板などに不正を行う目的で結合手段の周辺部位(すなわち区画壁部)を破壊して基板ボックスの内部空間が開放されていた場合には、その痕跡の発見を比較的容易に行うことができる。また、区画壁部の一部が除去された後に接着等によって元の位置に戻されたとしても、その痕跡を確認しにくくなるといった不都合が生じにくい。より詳しくは、残存する痕跡は区画壁部に対し立体的なもの(すなわち区画壁部の厚み方向において、視認可能な程度の規模で形成されたもの)となりやすく、その痕跡が区画壁部に形成された突出部位と壁面との相関線等に紛れて視認しにくくなるといった不都合は発生しにくくなる。これにより、区画壁部に残存する破壊痕跡が隠蔽されることを好適に抑制することができる。
なお、「前記区画壁部同士が前記結合手段によって固定されること」とは、区画壁部同士の分離が抑えられていることを示し、以下の概念を含むものである。すなわち、ボックス構成体同士が組み合わされる際のそれら区画壁部同士の相対移動を所定の方向に規定する規定部(例えば案内部318及び摺動部319)と、それらボックス構成体が組み合わされた状態にて引っ掛かることにより前記所定の方向への区画壁部の相対移動を規制する規制手段(例えば固定具330)とを備え、これら規定部及び規制手段によって区画壁部同士の分離を不可とすることを含む。
また、本手段に示す「略一定肉厚の区画壁部」は、一定肉厚の区画壁部に補強を目的としたリブ等の突部等が形成されているものも含む。しかしながら、このような突部等を有する構成であっても、ボックス構成体同士の結合は、あくまでも一定肉厚の区画壁部においてなされるものである。
手段2.前記区画壁部は、前記基板ボックスの前記内部空間を規定する平面状の内壁面(内壁面118a,122a)と、前記内壁面に対して略平行となるように形成され、前記基板ボックスと当該基板ボックスの外部領域との境界を規定する外壁面(外壁面118b,122b)とを有しており、
前記結合手段は、前記外壁面よりも前記内部空間側に設けられていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段2によれば、区画壁部における外壁面よりも内側に結合手段が設けられている。このように外壁面よりも内側に結合手段を配置することで、結合手段自身へのアクセス(物理的な接触)を困難なものとすることができる。結合手段へのアクセスが困難である場合、結合状態を解除するには、区画壁部における結合手段の周辺部位の破壊が行われやすくなると想定される。仮に、上述の如く区画壁部の一部を破壊(切断等)することで、結合手段が除去され、ボックス構成体の結合状態が解除された場合であっても、例えば制御基板への不正なアクセス等がなされた場合であっても、結合手段の周辺部位が破壊されれば、その痕跡が区画壁部に大きく残存することになりやすい。故に、区画壁部に残存する破壊痕跡の発見の容易化に貢献することができ、防犯性の向上を期待することができる。
手段3.前記各ボックス構成体の前記外壁面は、同一面上に位置していることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
手段3によれば、結合手段によって結合されている各構成体(詳しくは各区画壁部)の外壁面が同一面上に位置しているため、両区画壁部間の境界部位(すなわちボックス構成体同士の境界部位)における外壁面同士の段差の発生、詳しくは区画壁部の厚み方向における段差の発生が抑えられている。仮に区画壁部の外壁面同士が段差状をなしている場合には、その段差部分を外壁面に沿って切断等されることが懸念される。かかる場合、その切断の痕跡が確認しづらくなる可能性がある。一般的に、区画壁部同士の結合には、それら区画壁部同士の境界部位を跨いで設けられた結合手段が用いられやすい。上述の如く、両区画壁部間の境界部位における段差を利用して区画壁部の切断が行われた場合には、その痕跡の目立ちにくさを確保しつつ結合手段へのアクセスがなされ、ボックス構成体同士の結合状態が解除される可能性がある。このように痕跡が目立ちにくくなることで、結合状態の不正解除の発見が困難となり得る。
この点、本手段においては、上述の如く両区画壁部の境界部位における段差の発生が抑えられているため、区画壁部同士の境界部位の段差部分を利用した結合部位周辺の破壊行為(詳しくは切断行為)を好適に回避できる。故に、破壊痕跡の隠蔽を抑制することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
手段4.前記各ボックス構成体の前記外壁面は、前記両区画壁部間の境界部位を挟んで連続した面を形成していることを特徴とする手段2又は手段3に記載の遊技機。
手段4によれば、手段3と同様の効果を奏する。すなわち、結合手段によって結合されている各区画壁部の外壁面が両区画壁部の接触部位を挟んで連続した面を形成しているため、両区画壁部間の境界部位における外壁面同士の段差(厚み方向における段差)の発生が抑えられている。このため、区画壁部間の境界部位の段差部分を利用した結合部位周辺の破壊行為(詳しくは切断行為)を好適に回避できる。故に、破壊痕跡の隠蔽を抑制することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、「連続した面」とは、厳密には一枚の面ではないものの、折れ曲がりが少なく一見して連続しているように見えるものや、段差がなく連続しているように見えるものを含む。例えば、一方の外壁面が平面で構成され、他方の外壁面が前者に添って曲がる曲面で構成されているものや、両外壁面が金型における抜き角等の微小な角度(例えば10°程度)を外壁面同士の角度差として有しているものを含む。
手段5.前記区画壁部には、前記境界部位を前記外壁面側から覆う遮蔽部(遮蔽部124)が一体成形されていることを特徴とする手段3又は手段4に記載の遊技機。
手段5によれば、区画壁部に一体成形された遮蔽部によって、区画壁部間の境界部位が外壁面側から、すなわち基板ボックスの外側から塞がれている。この遮蔽部により、境界部位を介して結合手段にアクセスされるといった不都合を好適に抑制することができる。
また、手段3や手段4に示すように、外壁面同士の段差(厚み方向における段差)の発生が抑えられているため、仮に遮蔽部が外壁面に沿って切除された場合であっても、それにより切断の痕跡を分かりにくくしつつ、結合手段へのアクセスがなされたり、結合手段による結合状態に影響が及んだりすることがない。すなわち、遮蔽部を設けることにより、その遮蔽部を足がかりとして不正行為が行われるといった不都合が生じにくくなっている。故に、防犯性の更なる向上に貢献することができる。
手段6.前記区画壁部における前記内壁面及び前記外壁面に挟まれた領域に設けられ、前記結合手段を収容する収容部(貫通孔182やネジ穴183等)を備えていることを特徴とする手段2乃至手段5のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段5によれば、結合手段は、内壁面及び外壁面に挟まれた領域に設けられた収容部に収容されている。このように、結合手段を区画壁部内に収容することで、結合手段に対する基板ボックスの外側からのアクセスを困難なものとすることができる。これにより、結合状態の解除において、結合手段のみが不正に取り外されるといった不都合を生じにくくすることができ、区画壁部の破壊痕跡を残存させやすい構成を実現できる。
手段7.前記区画壁部には、前記ボックス構成体が相互に結合された状態において、前記外壁面側から隔離された閉空間が形成されており、その閉空間内に前記結合手段が収容されていることを特徴とする手段2乃至手段5のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段7によれば、結合手段が区画壁部に形成された閉空間内に収容されている。このため、両構成体が結合された状態においては、基板ボックスの外側から結合手段にアクセスすることができなくなっている。このように結合手段そのものへのアクセスを妨げることで、結合手段を取り外すためには、結合手段の周辺部位すなわち、区画壁部を破壊する必要が生じる。結合手段に取り外しには区画壁部の破壊を伴う構成とすることで、痕跡の隠蔽を困難なものとし、不正行為の抑止効果を高めることができる。
手段8.前記両区画壁部のうち少なくとも一方に形成され、前記区画壁部間の境界部位側に開放された凹部(取付穴331,丸穴336)が、他方の区画壁部によって塞がれることによって前記閉空間が形成されていることを特徴とする手段7に記載の遊技機。
手段7に示した閉空間を形成するには、本手段に示すように、両区画壁部のうち少なくとも一方に形成された凹部が他方の区画壁部によって塞がれる構成とすればよい。このように、両構成体が組み合わせられることにより閉空間が形成される構成とすることで、結合手段の隔離を容易に実現することができる。
手段9.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板91等)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板が収容されている基板ボックス(基板ボックス92等)と
を備え、
前記基板ボックスは、複数のボックス構成体(裏側構成体101、表側構成体102等)を組み合わせるとともにこれらボックス構成体を結合手段(破断ネジ180等)によって相互に結合することにより構成され、
前記各ボックス構成体は、前記内部空間と前記基板ボックスの外部空間とを区画する略一定肉厚の区画壁部(裏側周壁部118,表側周壁部122等)を基本構造として有し、
前記区画壁部同士が前記結合手段によって固定されることにより前記各ボックス構成体同士が結合されていることを特徴とする遊技機。
手段9によれば、手段1と同様の効果を奏する。具体的には、各ボックス構成体は、基板ボックスの内外を区画する区画壁部を基本構造として有しており、これら区画壁部が結合手段によって結合されることで、基板ボックスが構成されている。区画壁部が破壊されることで結合状態が解除された場合、その区画壁部の破壊に伴って、基板ボックスに開口や凹み等が形成されることとなる。このため、仮に上記制御基板などに不正を行う目的で結合手段の周辺部位すなわち区画壁部を破壊して基板ボックスの内部空間が開放されていた場合にはその発見を比較的容易に行うことができる。また、区画壁部に残存する破壊痕跡が隠蔽されることを好適に抑制することもできる。
なお、「略一定肉厚の区画壁部を基本構造として有し」とは、ボックス構成体の区画壁部に補強を目的としたリブ等の突部等が付加(例えば一体成形)されているものを含む意であり、それら突部等によってその板厚が部分的に変化(増加)する場合であっても、それら突部等による板厚が変化している部分を除いた一定の肉厚が確保されている基礎部分によって区画壁部が構成され、各ボックス構成体がこれら区画壁部を有していることを示す。
手段10.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板91等)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板が収容されている基板ボックス(基板ボックス92等)と
を備え、
前記基板ボックスは、複数のボックス構成体(裏側構成体101、表側構成体102等)を組み合わせるとともにこれらボックス構成体を結合手段(破断ネジ180等)によって相互に結合することにより構成され、
前記ボックス構成体は、それらボックス構成体が組み合わされた状態にて相互に接触する壁部(裏側周壁部118,表側周壁部122等)をそれぞれ有し、
前記壁部は、前記基板ボックスの内部空間を規定する内壁面(内壁面118a,122a)と、前記内壁面に対して所定の間隔を隔てて設けられ、前記基板ボックスと当該基板ボックスの外部領域との境界を規定する外壁面(外壁面118b,122b)とを備え、
前記各壁部において前記内壁面及び前記外壁面により前記基板ボックスの内外を区画している部分同士が前記結合手段によって固定されることにより、前記ボックス構成体同士が結合されていることを特徴とする遊技機。
手段10によれば、手段1に示した効果と同様の効果を奏する。具体的には、壁部において内壁面及び外壁面により基板ボックスの内外を区画している部分同士が結合されている。このような壁部同士の結合は上述したような壁部に形成された突出部位等において結合が行われる場合とはことなり、結合状態の解除に際して結合手段自身の破壊又は壁部における結合部分等の破壊を伴うこととなる。特に、壁部が破壊されその破壊の痕跡が残存している場合には、制御基板へのアクセスが行われた可能性があるという事実、すなわち基板ボックスの開放が行われたという事実を確認しやすくすることができる。より具体的には、壁部の破壊に伴って基板ボックスに開口等が形成されることとなるため、仮に上記制御基板などに不正を行う目的で結合状態を解除した場合には、そのような不正の痕跡を比較的容易に発見することができる。また、壁部に開口等の痕跡が残存する場合、このような痕跡を隠蔽することは困難となりやすいと考えられる。このように痕跡の隠蔽が困難となることで、不正抑止効の向上が期待できる。
手段11.前記制御基板には、遊技制御プログラムを記憶した素子(CPUチップ93等)が搭載され、
前記基板ボックスにおける前記素子搭載面と対向し、当該基板ボックスの内部空間を規定する規定部(表側壁部121)を複数の領域に区画するように設けられ、前記ボックス構成体における相互の結合状態を解除して前記内部空間を開放する場合よりも当該内部空間を開放し易いように切断し易く形成されたボックス側切断部(ボックス側切断部151等)を備えており、
当該ボックス側切断部を切断して、前記内部空間を規定している位置から前記規定部の一部の領域(ボックス側除去領域153)を除去した場合、前記素子の取り外し又は前記制御基板において少なくとも前記素子が搭載された領域の取り外しを可能とする開口(開口154等)が前記基板ボックスに形成されることを特徴とする手段1乃至手段10のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段11によれば、基板ボックスにはボックス側切断部が形成されており、当該ボックス側切断部を切断して、内部空間を規定している位置から規定部の一部の領域を除去した場合、遊技制御プログラムを記憶した素子の取り外しを可能とする開口が基板ボックスに形成される。そして、ボックス側切断部は結合手段によるボックス構成体の相互の結合状態を解除する場合よりも切断し易く形成されているため、遊技場において上記素子を基板ボックスから取り出して入念に検査する場合には、その作業を比較的容易に行うことができる。
また、ボックス側切断部を切断して基板ボックスの内部空間を開放させた場合には、当該基板ボックスに開口が形成されるため、仮に上記素子などに不正を行う目的でボックス側切断部を切断して基板ボックスの内部空間が開放されていた場合にはその発見を比較的容易に行うことができる。
さらには、上記のようにボックス側切断部が設けられた構成においては、当該ボックス側切断部によって基板ボックスの内部空間を良好に開放するための機能が果たされているため、複数のボックス構成体の結合に際しては、基板ボックスの内部空間を開放する場合の作業性を考慮する必要がなくなる。したがって、結合手段によるボックス構成体の相互の結合を強固に行うことが可能となる。
なお、手段1乃至手段10に示す「区画壁部」と「規定部」とは同一の対象を示すものであってもよいし、異なる対象を示すものであってもよい。特に、両者を異なる対象を示すものとすれば、以下の優れた効果を奏することとなる。具体的には、ボックス構成体の区画壁部を固定する構成の場合、区画壁部以外の部位(規定部)に破壊痕跡を残す痕跡手段としてのボックス側切断部を設けることで、区画壁部及びそれ以外の部位においてそれぞれの役割を明確に分けることができる。これにより、区画壁部の肉厚を大きくする等して結合手段による結合強度の向上を図ったとしても、メンテナンス時や確認時の基板ボックスの開放作業を容易なものとすることができる。すなわち、防犯性の向上を図りつつ確認等の際の作業性を担保し、実用上好ましい構成を実現できる。特に、区画壁部を破壊容易とする必要が無いことで、結合手段の配置自由度の向上等に貢献することができる。
また、「前記素子の取り外しを可能とする開口が前記基板ボックスに形成され」には、当該開口によって素子が露出する構成だけでなく、基板ボックスの内部空間に素子を覆うカバー部を備えた構成においては前記開口によって当該カバー部が露出し、その状態で当該カバー部を除去することが可能となるとともに、当該カバー部を除去することで素子が露出する構成も含まれる。
「相互の結合状態を解除して」とは、結合手段そのものを破壊等することにより結合状態を解除することを示す他、区画壁部の一部を結合手段ごと除去することにより結合状態を解除することを示す。
因みに、「切断し易く形成されたボックス側切断部」は、例えば、以下に示すような構成を適用することで容易に実現できる。「基板ボックスの内外に貫通する貫通孔(貫通孔152)が所定の線上に複数配列されてなり、前記貫通孔は、長孔状をなすとともに、それら各貫通孔の長手方向が前記所定の線に沿うように配置されている構成」を適用してもよく、「前記切断部は、前記基板ボックスの内外に貫通する貫通孔(貫通孔152)が所定の線上に複数配列されてなり、隣り合うように並設された前記貫通孔間の距離寸法は、その並設方向における前記貫通孔の長さ寸法よりも小さく設定されている構成」を適用してもよい。
手段12.前記ボックス側切断部は、前記規定部において前記素子と対峙する部位を含んだ領域をその周囲の領域に対して区画するように形成されていることを特徴とする手段11に記載の遊技機。
手段12によれば、ボックス側切断部を切断することで、制御基板において素子が搭載された領域を露出させることが可能となる。よって、素子の検査を行う場合の作業性を向上させることができる。
なお、「前記素子と対峙する部位」には、当該部位と素子との間に何ら部材が介在していない構成だけでなく、当該部位と素子との間に所定の部材が介在している構成も含まれる。この所定の部材としては、例えば、基板ボックスの内部空間において素子を覆うカバー部などが含まれる。これは以下も同様である。
手段13.前記ボックス側切断部は、当該ボックス側切断部を切断することにより前記基板ボックスに形成される開口が前記制御基板の取り出しを不可とする大きさとなるように形成されていることを特徴とする手段11又は手段12に記載の遊技機。
制御基板装置に対する不正行為としては、制御基板を不正に取得しようとする行為や、制御基板を不正な基板に交換しようとする行為が想定される。この場合に、上記手段1の構成を備え、ボックス側切断部が基板ボックスに設けられた構成においては、当該ボックス側切断部を切断することにより基板ボックスに形成される開口を通じて、制御基板を取り外そうとする行為が想定される。これに対して、本手段によれば、ボックス側切断部を切断したとしても制御基板の取り外しが難しくなり、上記不正行為を困難なものとすることが可能となる。
なお、制御基板は基板ボック内にて固定具等によって固定されていてもよい。かかる場合、仮にそれら固定具による固定が解除された場合であっても、開口からの制御基板の取り外しが困難となる。これにより、防犯性の向上に貢献できる。
以下に、本手段を実現し得る遊技機の具体例を示す。
前記制御基板は、前記制御基板が前記開口側に移動した場合に、前記開口が形成された規定部に対して当接することにより前記基板ボックスからの当該制御基板の取り外しを規制する規制部を備えていることを特徴とする手段11又は手段12に記載の遊技機。
手段14.前記制御基板は、当該制御基板を複数の領域に区画するようにして設けられ、制御基板における他の部位に比べ切断し易い基板側切断部(基板側切断部161)を備えており、
当該基板側切断部を切断することにより、前記制御基板において前記素子が搭載された領域が他の領域に対して分離可能となるとともに、
当該素子が搭載された領域は、前記ボックス側切断部を切断することにより前記基板ボックスに形成される開口を通じて前記基板ボックスから取り出し可能な大きさに設定されていることを特徴とする手段13に記載の遊技機。
上記手段13の構成を備え、ボックス側切断部を切断したとしても制御基板を取り外すことができないようにした構成において、制御基板の検査を行うために素子が搭載された領域を基板ボックスの外部に取り出すことが必要となることがある。この場合に、本手段によれば、制御基板には基板側切断部が形成されており、当該基板側切断部を切断することにより制御基板において素子が搭載された領域を基板ボックスの外部に取り出すことができる。そして、基板側切断部は制御基板における他の領域に比べ切断し易く形成されている。よって、当該検査の作業性を向上させることができる。
手段15.前記ボックス側切断部は、前記規定部において、前記基板側切断部と対峙する部位の全体を含んだ領域をその周囲の領域に対して区画するように形成されていることを特徴とする手段14に記載の遊技機。
手段15によれば、ボックス側切断部を切断して基板ボックスに開口を形成することにより、基板側切断部の全体が露出することとなる。よって、基板側切断部を切断する場合の作業性を向上させることができる。
手段16.前記制御基板の配線パターン(配線パターン164)は、当該配線パターンの一部を構成する配線(配線165)が前記基板側切断部の一部を跨ぐようにして形成されていることを特徴とする手段14又は手段15に記載の遊技機。
上記手段14の構成を備え、基板側切断部を備えた構成においては、基板側切断部を切断して、制御基板において素子が搭載された領域を基板ボックスから取り出し、その取り出した領域に対して不正を施した後に、当該領域を元の位置に戻す行為が想定される。これに対して、本手段によれば、基板側切断部を切断した場合には制御基板の配線パターンが断線されることとなる。これにより、基板側切断部の切断後には制御基板を動作不可なものとすることが可能となり、上記不正行為を阻止することが可能となる。
手段17.前記制御基板における前記基板側切断部により区画された基板側除去領域(基板側除去領域163)は、前記基板側切断部を切断し元の位置から除去した後において当該元の位置にて固定する上で用いられる固定部(仮固定用貫通孔172)を備えていることを特徴とする手段14乃至手段16のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
遊技場において基板側切断部を切断して素子が搭載された領域を検査した後に、その検査済みの制御基板装置を再度遊技機メーカなどにて検査してもらうために搬送することが考えられる。この場合に、本手段によれば、基板側除去領域を元の位置にて固定することが可能となり、上記搬送を良好に行うことが可能となる。
手段18.前記基板ボックスにおける前記ボックス側切断部により区画されたボックス側除去領域(ボックス側除去領域153)は、前記ボックス側切断部を切断し元の位置から除去した後において当該元の位置にて固定する上で用いられる固定部(ボックス仮固定用ボス171)を備えていることを特徴とする手段11乃至手段17のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
遊技場においてボックス側切断部を切断して素子を検査した後に、その検査済みの制御基板装置を再度遊技機メーカなどにて検査してもらうために搬送することが考えられる。この場合に、本手段によれば、ボックス側除去領域を元の位置にて固定することが可能となり、上記搬送を良好に行うことが可能となる。
手段19前記制御基板装置は、前記内部空間内において前記素子の周囲を覆うカバー部(カバー部133)を備えていることを特徴とする手段11乃至手段18のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
上記手段11の構成を備え、ボックス側切断部を備えた構成においては、当該ボックス側切断部の一部を切断することにより形成される隙間を通じて基板ボックスの内部空間内に不正用治具を挿入し、当該不正用治具を素子にアクセスさせる不正行為が想定される。これに対して、本手段によれば、素子は内部空間内においてカバー部により覆われているため、上記不正行為を行いづらくすることが可能とする。
手段20.前記カバー部は、前記制御基板とともに閉空間を形成するものであり、その閉空間内に前記素子が収容されていることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
手段20によれば、素子はカバー部と制御基板とにより形成された閉空間内に収容されているため、ボックス側切断部の一部を切断することにより形成される隙間を通じて基板ボックスの内部空間内に不正用治具を挿入し、当該不正用治具を素子にアクセスさせる不正行為を行いづらくすることが可能となる。
手段21.前記ボックス側切断部は、前記規定部において所定の領域をその周囲の領域に対して区画するようにして形成されており、
前記カバー部は、前記ボックス側切断部により区画された前記所定の領域とは別に形成されていることを特徴とする手段19又は手段20に記載の遊技機。
手段21によれば、カバー部はボックス側切断部により区画された領域とは別に形成されているため、ボックス側切断部をある程度切断し、当該ボックス側切断部により区画された領域を外側に撓ませたとしても、カバー部はそれに追随することはなく、当該カバー部により素子が収容された状態は維持される。
手段22.前記ボックス側切断部は、前記規定部において前記カバー部と対峙する部位を含んだ領域をその周囲の領域に対して区画するように形成されていることを特徴とする手段19乃至21のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段22によれば、ボックス側切断部を切断することで、カバー部を露出させることが可能となる。そして、当該カバー部を除去することで素子を露出させることができる。よって、素子の検査を行う場合の作業性を向上させることができる。
手段23.前記ボックス側切断部は、前記規定部において所定の領域をその周囲の領域に対して区画するようにして形成されており、
前記カバー部は、前記ボックス側切断部により区画された前記所定の領域と前記制御基板における前記素子が搭載された素子搭載面(素子搭載面97)との間に位置するように、前記複数のボックス構成体における所定のボックス構成体(中間構成体103)に形成されているとともに、当該ボックス構成体のベース部(枠状部131)に対して連結部(柱状連結部132)を通じて連結されており、
前記ボックス側切断部を切断して前記所定の領域を除去したとしても、前記基板ボックスに形成される開口と前記制御基板との間には前記カバー部が介在していることを特徴とする手段19乃至手段22のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
制御基板装置に対する不正行為としては、制御基板を不正に取得しようとする行為や、制御基板を不正な基板に交換しようとする行為が想定される。この場合に、上記手段11の構成を備え、ボックス側切断部が基板ボックスに設けられた構成においては、当該ボックス側切断部を切断することにより基板ボックスに形成される開口を通じて、制御基板を取り外そうとする行為が想定される。これに対して、本手段によれば、ボックス側切断部を切断したとしても、当該ボックス側切断部を切断することにより形成された開口と制御基板との間にはカバー部が介在しているため、制御基板を取り外すことができない。よって、上記不正行為を阻止することが可能となる。
手段24.前記連結部は柱状をなし、その幅寸法が前記カバー部の幅寸法よりも小さく形成されていることを特徴とする手段23に記載の遊技機。
手段24によれば、連結部は柱状をなし、その幅寸法がカバー部の幅寸法よりも小さく形成されているため、基板ボックス内の内部空間を極力占有しないようにしつつ、上記手段23における優れた効果を得ることができる。
手段25.前記ボックス側切断部は、前記規定部において所定の領域をその周囲の領域に対して区画するようにして形成されており、
前記複数のボックス構成体として、前記ボックス側切断部により区画された前記所定の領域と前記制御基板との間に介在する中間構成体(中間構成体103)を備えており、
前記ボックス側切断部を切断して前記所定の領域を除去したとしても、前記基板ボックスに形成される開口と前記制御基板との間には前記中間構成体が介在していることを特徴とする手段11乃至24のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
制御基板装置に対する不正行為としては、制御基板を不正に取得しようとする行為や、制御基板を不正な基板に交換しようとする行為が想定される。この場合に、上記手段11の構成を備え、ボックス側切断部が基板ボックスに設けられた構成においては、当該ボックス側切断部を切断することにより基板ボックスに形成される開口を通じて、制御基板を取り外そうとする行為が想定される。これに対して、本手段によれば、ボックス側切断部を切断したとしても、当該ボックス側切断部を切断することにより形成された開口と制御基板との間には中間構成体が介在しているため、制御基板を取り外すことができない。よって、上記不正行為を阻止することが可能となる。
手段26.前記表側ボックス構成体及び前記裏側ボックス構成体は、固定の解除に際してそれら両ボックス構成体のうち少なくとも一方の破壊を要するように固定されており、
前記中間構成体は前記表側ボックス構成体及び前記裏側ボックス構成体の両方に対して固定されているとともに、前記中間構成体と前記表側ボックス構成体との固定解除及び前記中間構成体と前記裏側ボックス構成体との固定解除を行う場合に前記中間構成体の破壊を要するように構成されていることを特徴とする手段25に記載の遊技機。
制御基板装置に対する不正行為としては、2個の制御基板装置を用意し、一方の制御基板装置から表側ボックス構成体を破壊しない状態で取り出し、他方の制御基板装置から裏側ボックス構成体を破壊しない状態で取り出す行為が想定される。この場合、それぞれ破壊しない状態で取り出した表側ボックス構成体と裏側ボックス構成体とを組み合わせることにより、純正の基板ボックスを得ることが可能となってしまう。そうすると、遊技機の制御基板装置が、上記不正に得た基板ボックスに不正な制御基板を収容させて構成された制御基板装置に交換された場合には、その発見を行うことが困難なものとなってしまう。
これに対して、本手段によれば、中間構成体が表側ボックス構成体及び裏側ボックス構成体の両方に固定されているとともに、その固定の解除に際しては、中間構成体の破壊を要するように構成されている。したがって、表側ボックス構成体を破壊して、裏側ボックス構成体側を破壊しない状態で取り出そうとしても、中間構成体における表側ボックス構成体との固定箇所が破壊されることで当該行為が不可となる。また、裏側ボックス構成体を破壊して、表側ボックス構成体側を破壊しない状態で取り出そうとしても、中間構成体における裏側ボックス構成体との固定箇所が破壊されることで当該行為が不可となる。よって、上記不正行為を行いづらくすることが可能となる。
手段27.前記ボックス側切断部は、前記規定部を貫通する貫通孔(貫通孔152)が並設されて形成されていることを特徴とする手段11乃至26のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段27によれば、ボックス側切断部を、基板ボックスに貫通孔を形成するという比較的簡素な構成により得ることができる。
手段28.前記基板ボックスは、前記制御基板と前記ボックス側切断部との間において、当該ボックス側切断部と対向する対向部(枠状部131)を備えていることを特徴とする手段27に記載の遊技機。
上記手段27の構成を備え、ボックス側切断部が貫通孔により形成された構成においては、当該貫通孔を通じて基板ボックスの内部空間に不正用治具が挿入されてしまうことが想定される。これに対して、本手段によれば、基板ボックスに対向部が設けられているため、基板ボックスの内部空間への不正用治具の挿入を阻止すること、又は内部空間に挿入されたとしても当該不正用治具が制御基板に到達してしまうことを阻止することが可能となる。
手段29.前記対向部は、前記貫通孔と対向する位置に、当該開口側とは反対側に凹んだ有底の凹部(溝部155)が形成されていることを特徴とする手段28に記載の遊技機。
手段29によれば、貫通孔を通じて基板ボックスの内部空間に不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具の先端が対向部の凹部内に入り込むことで、制御基板側に不正用治具の先端を持っていこうとしてもそれが行いづらくなる。
手段30.前記貫通孔により前記基板ボックスの内外の通気性が確保されていることを特徴とする手段28又は手段29に記載の遊技機。
手段30によれば、ボックス側切断部は、基板ボックスの内部空間を比較的容易に開放させるための機能だけでなく、基板ボックスの通気性を高めるための機能も兼用することとなる。よって、ボックス側切断部の多機能化を図ることができる。
手段31.前記対向部は、前記貫通孔の前記内部空間側の開口から離間されていることを特徴とする手段30に記載の遊技機。
手段31によれば、基板ボックスの通気性を高める機能をボックス側切断部に果たさせつつ、貫通孔を通じた不正行為を阻止することが可能となる。
手段32.前記基板ボックスにおける前記素子搭載面と対向し、当該基板ボックスの内部空間を規定する規定部において前記素子と対峙する部位を含む領域を周囲の領域に対して区画するように設けられ、前記複数のボックス構成体の結合状態を解除する場合よりも前記内部空間を開放し易いように切断し易く形成されたボックス側切断部(ボックス側切断部151等)を備えており、
当該ボックス側切断部を切断して、前記内部空間を規定している位置から前記ボックス側切断部により区画された領域を除去した場合、前記素子の取り外しを可能とする開口(開口154)が前記基板ボックスに形成されることを特徴とする手段5乃至手段10のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段32によれば、基板ボックスにはボックス側切断部が形成されており、当該ボックス側切断部を切断して、内部空間を規定している位置からボックス側切断部により区画された領域を除去した場合、遊技制御プログラムを記憶した素子の取り外しを可能とする開口が基板ボックスに形成される。そして、ボックス側切断部は複数のボックス構成体の結合状態を解除する場合よりも切断し易く形成されているため、遊技場において上記素子を基板ボックスから取り出して入念に検査する場合には、その作業を比較的容易に行うことができる。
また、ボックス側切断部を切断して基板ボックスの内部空間を開放させた場合には、当該基板ボックスに開口が形成されるため、仮に上記素子などに不正を行う目的でボックス側切断部を切断して基板ボックスの内部空間が開放されていた場合にはその発見を比較的容易に行うことができる。
さらには、上記のようにボックス側切断部が設けられた構成においては、当該ボックス側切断部によって基板ボックスの内部空間を良好に開放するための機能が果たされているため、複数のボックス構成体の固定に際しては、基板ボックスの内部空間を開放する場合の作業性を考慮する必要がなくなる。したがって、複数のボックス構成体の固定を強固に行うことが可能となる。
なお、「前記素子の取り外しを可能とする開口が前記基板ボックスに形成され」には、当該開口によって素子が露出する構成だけでなく、基板ボックスの内部空間において素子を覆うカバー部を備えた構成においては前記開口によって当該カバー部が露出し、その状態で当該カバー部を除去することが可能となるとともに、当該カバー部を除去することで素子が露出する構成も含まれる。
手段33.前記基板ボックスにおける前記素子搭載面と対向し、当該基板ボックスの内部空間を規定する規定部において前記制御基板と対峙する領域の一部を周囲の領域に対して区画するように設けられ、前記複数のボックス構成体の結合状態を解除する場合よりも前記内部空間を開放し易いように切断し易く形成されたボックス側切断部(ボックス側切断部151等)を備えており、
当該ボックス側切断部を切断して、前記内部空間を規定している位置から前記ボックス側切断部により区画された領域を除去した場合、前記制御基板の全体又は当該制御基板において前記素子が搭載された領域の取り外しを可能とする開口(開口154等)が前記基板ボックスに形成されることを特徴とする手段5乃至手段10のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段33によれば、基板ボックスにはボックス側切断部が形成されており、当該ボックス側切断部を切断して、内部空間を規定している位置からボックス側切断部により区画された領域を除去した場合、制御基板の全体又は当該制御基板において上記素子が搭載された領域の取り外しを可能とする開口が基板ボックスに形成される。そして、ボックス側切断部は複数のボックス構成体の結合状態を解除する場合よりも切断し易く形成されているため、遊技場において制御基板の少なくとも上記素子が搭載された領域を基板ボックスから取り出して入念に検査する場合には、その作業を比較的容易に行うことができる。
また、ボックス側切断部を切断して基板ボックスの内部空間を開放させた場合には、当該基板ボックスに開口が形成されるため、仮に制御基板に不正を行う目的でボックス側切断部を切断して基板ボックスの内部空間が開放されていた場合にはその発見を比較的容易に行うことができる。
さらには、上記のようにボックス側切断部が設けられた構成においては、当該ボックス側切断部によって基板ボックスの内部空間を良好に開放するための機能が果たされているため、複数のボックス構成体の固定に際しては、基板ボックスの内部空間を開放する場合の作業性を考慮する必要がなくなる。したがって、複数のボックス構成体の固定を強固に行うことが可能となる。
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
(第1の実施の形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10の遊技機本体12の分解斜視図である。なお、図2では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
外枠11は、木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって形成することも可能である。
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が設けられており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
また、遊技機本体12には、図2に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図3は内枠13の正面図である。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤33の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口34,可変入賞装置35,作動口36,スルーゲート37及び可変表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット38には、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部43では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。なお、これら第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44の制御は、後述する主制御装置により行われる。
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置35の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
遊技盤33には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構50は、図3に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられている。遊技球発射機構50は、電磁式のソレノイド51と、発射レール52と、球送り機構53とからなり、ソレノイド51への電気的な信号の入力により当該ソレノイド51の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構53によって発射レール52上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス56が嵌め込まれている。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部58の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置59が設けられている。ハンドル装置59が操作されることにより、遊技球発射機構から遊技球が発射される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図5は内枠13の背面図、図6は裏パックユニット15の正面図である。
図5に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されている。
主制御装置ユニット61は、合成樹脂製の取付台62を有し、取付台62に主制御装置63が搭載されている。主制御装置63は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備している。なお、主制御装置63の具体的な構成については、後に詳細に説明する。
音声ランプ制御装置ユニット65は、音声ランプ制御装置66と、取付台67とを具備する構成となっており、取付台67上に音声ランプ制御装置66が装着されている。音声ランプ制御装置66は、主制御装置63からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス68に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図6に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部72などが取り付けられるベース部74と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75とを有する。
ベース部74には、その右上部に外部端子板76が設けられている。外部端子板76には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。ベース部74には、保護カバー部75を迂回するようにして払出機構部72が配設されている。すなわち、裏パック71の最上部には上方に開口したタンク77が設けられており、タンク77には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク77の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置78が設けられている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。
払出機構部72には、裏パック基板79が設置されている。裏パック基板79には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部74の下端部には、制御装置集合ユニット73が取り付けられている。制御装置集合ユニット73は、横長形状をなす取付台81を有し、取付台81に払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とが搭載されている。これら払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置82は、基板ボックス84内に払出装置78を制御する払出制御基板が収容されて構成されている。電源及び発射制御装置83は、基板ボックス85内に電源及び発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
次に、主制御装置63の構成を図7〜図9に基づいて詳細に説明する。図7は主制御装置63の構成を示す斜視図、図8は主制御装置63を表側から見た斜視図、図9は主制御装置63を裏側から見た斜視図である。
主制御装置63は、図8及び図9に示すように、主制御基板91と基板ボックス92とを備えており、当該基板ボックス92内に主制御基板91が収容されてなる。
主制御基板91は、主たる制御を司るCPU、遊技制御プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM等を備えている。本実施の形態では、CPU、ROM及びRAMがCPUチップ93に1チップ化されている。また、詳細な説明は省略するが、入出力ドライバ用ICチップ94及びラッチ用ICチップ95が搭載されている。また、図示は省略するが、主制御基板91にはコンデンサや抵抗などの各種素子が搭載されているとともに、複数のコネクタが搭載されている。
主制御基板91においてCPUチップ93などの各種素子やコネクタは全て同一の板面上に搭載されており、CPUチップ93を除いて、逆側の板面にて半田付けされている。つまり、主制御基板91は、一方の板面が素子搭載面97となっており、他方の板面が半田面98となっている。なお、半田面98とは、素子搭載面97に搭載される各種素子の半田付け部分が設けられた面であるが、当該半田面98に対して回路パターンが形成されていてもよい。
ここで、CPUチップ93は素子搭載面97の中央付近に配置されており、さらに素子搭載面97から起立させて設けられている。さらに、CPUチップ93は上記のとおり主制御基板91に半田付けされておらず、CPUチップ93の接続端子が主制御基板91に差し込まれた状態となっている。つまり、CPUチップ93は抜き挿し可能な状態で主制御基板91に搭載されている。但し、CPUチップ93を主制御基板91に対して半田付けしてもよい。
基板ボックス92は、複数のボックス構成体として、裏側構成体(ボックスベース又は裏ケース体)101と、表側構成体(ボックスカバー又は表ケース体)102と、中間構成体(中間枠体又は中間ケース体)103と、コネクタ用プレート(ミドルプレート)104と、を備えている。これら裏側構成体101、表側構成体102、中間構成体103及びコネクタ用プレート104は、基板ボックス92内に収容された主制御基板91の素子搭載面97及び半田面98を基板ボックス92外から視認可能なように透明性を有する材料により形成されている。具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、これに限定されることはなく、アクリル樹脂等であってもよく、さらには有色透明であってもよい。
裏側構成体101は、図8及び図9に示すように、主制御基板91と同様に略長板状をなす平面部111を備えている。主制御基板91は、その半田面98が平面部111と対向するように配置されている。平面部111は主制御基板91の長手方向と同一方向を長手方向とする略長方形状をなしており、その外形は主制御基板91の外形よりも大きく形成されている。また、平面部111における主制御基板91と対向している側には、板面を四角形状に区画する区画枠部113が一体形成されている。この区画枠部113は平面部111から主制御基板91側に突出している。
平面部111には、図8に示すように、区画枠部113により区画された領域の内側及び外側のそれぞれに複数のボス114,115,116が一体形成されており、各ボス114〜116にはそれぞれネジ孔が形成されている。これらボス114〜116のうち区画枠部113により区画された領域の四隅に形成されたボス114は、主制御基板91を裏側構成体101に固定するために用いられるものであり、区画枠部113により区画された領域内における他のボス115は、主制御基板91を仮固定するために用いられるものであり、区画枠部113により区画された領域の外部に形成されたボス116は、表側構成体102を仮固定するために用いられるものである。なお、以下の説明では、最初のボス114を基板本固定用ボス(基板本固定部)114、次のボス115を基板仮固定用ボス(基板仮固定部)115、最後のボス116をボックス仮固定用ボス(ボックス仮固定部)116ともいう。
基板本固定用ボス114に対してネジ止めされていることにより、裏側構成体101に主制御基板91が固定されている。主制御基板91の周縁は裏側構成体101の区画枠部113と重なっており、さらに主制御基板91の半田面98は、平面部111において区画枠部113により区画された領域と対向している。この場合、主制御基板91の周縁部と区画枠部113とが当接することにより、主制御基板91と平面部111との間に閉空間が形成されるようにしてもよく、一部又は全周に亘って隙間を設けておくようにしてもよい。
基板本固定用ボス114に対する主制御基板91のネジ止めは、主制御基板91の素子搭載面97側から破断ネジ117を螺着することにより行われている。ここで、破断ネジ117とは、ドライバなどの工具に先端を差込可能な頭部とネジ溝が形成された側との連結部分の強度が低く設定されたものであり、それ以上締めることができない位置において頭部に対して上記工具によりさらに所定の力を加えることにより、上記連結部分が切断され、頭部が分離されるものである。つまり、破断ネジ117は、螺着後において、上記工具を用いて緩める方向へ回転させることを不可とするものである。なお、螺着後において主制御基板91と基板本固定用ボス114との結合を緩めることができないようにすることができるのであれば、主制御基板91と基板本固定用ボス114とを結合する固定具(結合手段)は破断ネジ117に限定されることはなく周知のワンウェイネジであってもよい。基板本固定用ボス114に螺着されている破断ネジ117は螺着後において頭部が分離されている。
基板仮固定用ボス115及びボックス仮固定用ボス116はそれぞれ、遊技場において主制御基板91の検査を行う上で基板ボックス92を開放した後に用いられる。これについては、後に詳細に説明することとし、ここでは説明を省略する。
また、平面部111における外周縁の全域には、主制御基板91側に起立し、同主制御基板91を囲む裏側周壁部118が一体成形されている。裏側周壁部118は平面部111の各縁部に対応する4つの板状部分が連結されて構成されており、それら各板状部分はそれぞれ略一定の肉厚を有している。これら平面部111及び裏側周壁部118によって区画される空間に、主制御基板91が収容されている。すなわち、裏側構成体101は一方に開放された略箱状をなしており、その裏側構成体101内に主制御基板91が収容された状態となっている。
上記のように主制御基板91が一体化された裏側構成体101に対して、中間構成体103及びコネクタ用プレート104が一体化された表側構成体102が固定されている。
詳細には、表側構成体102は、図8及び図9に示すように、主制御基板91の素子搭載面97と対向する表側壁部121を有している。すなわち、裏側構成体101の平面部111と表側構成体102の表側壁部121との間に、主制御基板91が挟まれた状態となっている。表側壁部121は主制御基板91の正面側から見て略長方形状をなしており、その外形は平面部111の外形とほぼ同一となるように形成されている。表側壁部121における外周縁の全域には主制御基板91側に起立した表側周壁部122が一体成形されている。これら表側周壁部122は裏側周壁部118と同様に、表側壁部121の各縁部に対応する4つの板状部分が連結されて構成されており、それら各板状部分はそれぞれ略一定の肉厚を有している。これら表側壁部121及び表側周壁部122により、表側構成体102は主制御基板91側に解放された略箱状をなす構成とされている。
表側周壁部122は、裏側周壁部118と連続するように配置されている。より詳しくは、裏側周壁部118と表側周壁部122とは所定の肉厚(本実施形態においては両者の肉厚は同一)を有しており、両構成体101,102が固定された状態において、それら両周壁部118,122の端面119,123同士が面接触している。すなわち、これら端面119,123同士の接触部位が、両構成体101,102(詳しくは両周壁部118,122)の境界を規定している。両周壁部118,122の内壁面118a,122aはその境界を挟んで連なっており、それら内壁面118a,122aによって基板ボックス92の内部空間が区画されている。また、両周壁部118,122の内壁面118a,122aの外壁面118b,122bについても同様に前記境界を挟んで連なっており、それら外壁面118b,122bによって基板ボックス92とその外部との境界が規定されている。
表側構成体102には、これら周壁部118,122の境界を外側から覆う遮蔽部124が形成されている。より詳しくは、遮蔽部124は、表側周壁部122の端部に沿って一体成形されており、その遮蔽部124の内面は、その全域において裏側周壁部118の外面と接触している。すなわち、両構成体101,102が固定された状態においては、両周壁部118,122の境界部位が外部より塞がれた状態となっている。また、遮蔽部124は、両構成体101,102を組み合わせる際のガイド手段としての機能と、組み合わせた後の両構成体101,102の位置ずれを抑制する抑制手段としての機能とを併せ有している。両構成体101,102を組み合わせる際には、遮蔽部124の内面に裏側周壁部118の外面を沿わせることで、各周壁部118,122の端面119,123が相互に接触するように導かれる。そして、両構成体101,102が組み合わされた状態においては、遮蔽部124の内面に裏側周壁部118の外面とが接触していることで、組み付け方向以外の方向への位置ずれが抑えられる。
また、表側壁部121の一方の長辺側には当該長辺に沿って延びる長孔部125が形成されている。当該長孔部125は、表側周壁部122と表側壁部121の区画壁126とによりその周囲が囲まれている。
表側構成体102と主制御基板91との間には、長孔部125を塞ぐようにして、コネクタ用プレート104が配置されている。コネクタ用プレート104は、表側構成体102の背面側にネジ止めされている(詳しくは着脱可能な状態で固定されている)。コネクタ用プレート104には、主制御基板91に設けられた所定のコネクタ群に1対1で対応させて貫通孔129が複数形成されている。
上述した中間構成体103は、その外周を規定する矩形枠状の枠状部131と、当該枠状部131の開口内に設けられ、柱状連結部132を介して枠状部131に連結されたカバー部133とが一体形成されてなる。枠状部131は表側構成体102の表側壁部121よりも一回り小さく、詳しくは表側壁部121の周縁に沿うようにして形成されている。このように枠状部131が形成されていることにより、中間構成体103は表側構成体102内に入り込み可能となっている。
カバー部133は一方に開放された箱状に形成されており、そのカバー部133が設けられた位置は、素子搭載面97におけるCPUチップ93の搭載位置に対応させて枠状部131の開口の中央付近となっている。この場合、カバー部133の開口は枠状部131の開口方向の一方を向いている。
カバー部133を枠状部131に連結する柱状連結部132は複数設けられており、各柱状連結部132は個別に枠状部131とカバー部133とを連結している。詳細には、柱状連結部132は3本設けられており、そのうちの2本の柱状連結部132は、枠状部131においてカバー部133を挟んで対向する一対の枠部131a,131bとカバー部133とを連結するようにして設けられている。これら2本の柱状連結部132はカバー部133を挟んで同一直線上に並んでいる。また、残り1本の柱状連結部132は、上記一対の枠部131a,131bとは異なる枠部131cとカバー部133とを連結するようにして設けられている。つまり、各柱状連結部132は、カバー部133を中心としてT字状に形成されている。上記のように柱状連結部132が形成されていることにより、枠状部131の開口を極力閉塞しないようにしつつ、カバー部133が枠状部131に対して強固に固定されている。
枠状部131の対向する一対の枠部131a,131bには、図9に示すように、外方に延出した固定用フランジ134が一体形成されている。当該固定用フランジ134は複数設けられている。この固定用フランジ134に1対1で対応させて、表側構成体102の表側壁部121の裏側にはネジ孔を有する固定用ボス135が一体形成されている。そして、カバー部133の開口が表側壁部121とは反対側を向き且つ対応する固定用フランジ134及び固定用ボス135が重なり合うようにして、表側構成体102の裏面側から中間構成体103が配置されており、その状態で固定用フランジ134及び固定用ボス135の各組み合わせは表側構成体102の裏側からネジ止めされている。このネジ止めは破断ネジ136によって行われており、当該破断ネジ136は螺着後において頭部が分離されている。なお、破断ネジ136に代えて、ワンウェイネジを用いてもよい。
上述したように中間構成体103及びコネクタ用プレート104が一体化された表側構成体102は、主制御基板91が一体化された裏側構成体101に対して、主制御基板91の素子搭載面97を覆うようにして組み合わされている。この場合、裏側構成体101の裏側周壁部118(詳しくは端面119)と表側構成体102の表側周壁部122(詳しくは端面123)とが全周で接触した状態となり、表側構成体102の裏面側への開放部分が裏側構成体101により閉塞されている。また、主制御基板91の素子搭載面97に搭載された各種素子は、主制御基板91と表側構成体102との間の領域内に収容されている。
ここで、上記のとおりカバー部133が一体形成された中間構成体103が表側構成体102に固定されており、中間構成体103のカバー部133内に、素子搭載面97に搭載されたCPUチップ93が入り込んでいる。また、カバー部133の開口周縁部は素子搭載面97に当接している。つまり、カバー部133と主制御基板91とにより閉空間が形成されており、当該閉空間内にCPUチップ93が収容されている(図10(a)参照)。これにより、仮に裏側構成体101と表側構成体102との境界部分等に不正に隙間を形成し、そこから基板ボックス92内に針金などの不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具のCPUチップ93へのアクセスを阻止することが可能となる。また、CPUチップ93の取り外しが規制された状態となっている。
カバー部133は3本の柱状連結部132を介して枠状部131に強固に固定されているため、基板ボックス92の内部空間に挿入した不正用治具を用いてカバー部133を動かそうとしても、それが行いづらくなっている。ちなみに、柱状連結部132は4本ではなく、3本設けられており、さらに枠状部131の開口を極力閉塞しないように柱状に設けられている。よって、中間構成体103を設けた構成において、素子搭載面97における各種素子の配置に関する自由度の低下が抑えられている。
また、裏側構成体101と表側構成体102とが組み合わされた状態においては、素子搭載面97に搭載された所定のコネクタがコネクタ用プレート104の対応する貫通孔129内に入り込んでいる。そして、この状態ではコネクタは表側構成体102の表面側に露出している。主制御基板91において所定のコネクタの位置は機種毎に変更されることがあり、このような事情において上記のようにコネクタ用プレート104を設けることで、機種毎にコネクタ用プレート104を変更するだけでよく、表側構成体102及び裏側構成体101を機種毎に共通化させることができる。
ちなみに、コネクタ用プレート104の貫通孔129が形成された板状部127は主制御基板91の素子搭載面97に重ね合わせられており、コネクタ用プレート104の板状部127から起立させて設けられた起立部128は、表側壁部121の区画壁126に対して当該表側壁部121よりも内側において重なり合っている。したがって、上記のようにコネクタ用プレート104が設けられた構成において、図7に示すように、コネクタを除いて、主制御基板91の素子搭載面97は表側構成体102及びコネクタ用プレート104により覆われている。
裏側構成体101と表側構成体102とは、上記のように組み合わされた状態において相互に固定されている。これにより、所定の内部空間を有する四角箱状(略直方体形状)の基板ボックス92が形成されており、当該基板ボックス92の内部空間内に主制御基板91が収容されている。この場合、主制御基板91の素子搭載面97はその全体が、中間構成体103及びコネクタ用プレート104が一体化された表側構成体102と対向しており、主制御基板91の半田面98はその全体が、裏側構成体101と対向している。
上記構成の主制御装置63は、図5に示すように、表側構成体102の表面がパチンコ機10後方を向き、且つコネクタ用プレート104が設けられた側の縁部が上側に位置するようにして搭載されている。ちなみに、遊技場への設置状態において遊技機本体12を外枠11からパチンコ機10前方に開放させることにより、遊技機本体12の背面側が視認可能となる。この場合に、主制御装置63は遊技機本体12の背面部を構成しており、さらには上記のとおり表側構成体102の表面がパチンコ機10後方を向いているため、遊技機本体12を外枠11に対して開放することで表側構成体102の表面が視認可能となる。なお、裏パックユニット15により主制御装置63の全部又は一部が後方から覆われた構成としてもよい。この場合であっても、裏パック71が透明に形成されていることにより、遊技機本体12を外枠11に対して開放することで表側構成体102の表面が視認可能となる。
なお、裏側構成体101と表側構成体102とは、複数の結合手段によって結合されているが、これら両構成体101,102の結合に関する構成についての詳細は後述する。
ここで、基板ボックス92の開放を容易に行うための開放容易化構造について説明する。なお、以下の説明では、図7〜図9に加えて、図10〜図12を適宜参照することとする。図10(a)は開放容易化構造を説明するための基板ボックス92の縦断面図、図10(b)は開放容易化構造を説明するために基板ボックス92の正面の一部を拡大して示す説明図である。また、図11及び図12は開放容易化構造を説明するための説明図である。
図7に示すように、表側構成体102の表側壁部121には、当該表側壁部121の所定の領域を区画するようにしてボックス側切断部(ボックス側の脆弱部)151が形成されている。ボックス側切断部151は、表側壁部121を基板ボックス92の内外に貫通するようにして形成された多数(又は複数)の貫通孔152により構成されている。
詳細には、多数の貫通孔152は表側壁部121の周縁に沿って等間隔で形成されており、当該多数の貫通孔152は表側壁部121の所定の領域を囲むようにして並んでいる。つまり、ボックス側切断部151は、表側壁部121の所定の領域を囲む断続的な環状に形成されている。換言すれば、ボックス側切断部151として、断続的な環状の切断ガイド線が形成されている。それら貫通孔152は、長孔状をなしており、その長手方向が切断ガイド線に沿うように配置されている。このように貫通孔152を配置することで、貫通孔152の大型化を抑えつつ、切断の容易化に貢献することができる。また、ボックス側切断部151は矩形枠状、具体的には長方形枠状に形成されている。また、表側壁部121においてボックス側切断部151により区画された領域は、表側壁部121において主制御基板91のCPUチップ93及びその周辺と対向する領域となっている。なお、貫通孔152が丸孔状をなす構成とすることも可能ではある。しかしながら、かかる場合、孔の大きさが直接的に不正治具等の挿入のしやすさに繋がることが懸念される。すなわち、孔径を大きくすることで切断ガイド線上における肉部の占有領域を大きくすることが可能となり、切断作業の容易化が図られる反面、孔径が大きくなることで、不正治具等の挿入が容易となり得る。この点、上述の如く貫通孔152を長孔状とすれば、不正治具等の挿入の困難さを担保しつつ、切断ガイド線上における肉部の占有領域を大きくすることが可能となる。故に、望ましくは貫通孔を切断ガイド線に沿って延びる長孔状とするとよい。
ちなみに、ボックス側切断部151は表側構成体102の金型による成型(射出成型)に際して同時に形成される。つまり、表側構成体102の金型にはボックス側切断部151の貫通孔152を形成するための型が設けられている。この場合に、ボックス側切断部151の貫通孔152は表側構成体102において表側壁部121にのみ形成されているため、金型構造の複雑化を招くことなく、ボックス側切断部151を有する表側構成体102の形成を容易に行うことができる。すなわち、表側構成体102は一方に開放された箱状に形成されているため、金型において成型後の表側構成体102の抜き方向は自ずと規定される。この場合に、ボックス側切断部151の貫通孔152は表側壁部121において当該表側壁部121の厚み方向に貫通するように形成されているため、表側構成体102の上記抜き方向と貫通孔152の貫通方向とが同一方向となっている。よって、表側構成体102の金型構造が複雑化しないようにすることができる。
隣り合う貫通孔152間の間隔は、ニッパやカッタなどによる工具により、隣り合う貫通孔152間の領域を容易に切断可能なように設定されている。具体的には貫通孔152間の間隔寸法は、貫通孔152の長手方向における長さ寸法よりも小さく設定されている。これにより、ボックス側切断部151は表側壁部121において他の部位に比べ脆弱な領域となっている。換言すれば、裏側結合部141と表側結合部142との結合による裏側構成体101と表側構成体102との結合状態を、結合部141,142又は破断ネジ143の少なくともいずれかを破壊することで基板ボックス92の内部空間を開放する場合よりも、当該内部空間の開放を行い易いようにボックス側切断部151は切断し易く形成されている。
ボックス側切断部151を全周に亘って切断することにより、図11及び図12に示すように、ボックス側切断部151により区画されていた領域(以下、ボックス側除去領域153ともいう)を表側構成体102から除去することが可能となり、除去することで基板ボックス92の内部空間を開放させることが可能となる。この場合、ボックス側除去領域153はその全体が表側構成体102から分離され、図11に示すように、当該表側構成体102には矩形状、具体的には長方形状の開口154が形成される。なお、当該開口154の長辺部は表側壁部121の長辺部に沿っており、開口154の短辺部は表側壁部121の短辺部に沿っている。
上記ボックス側切断部151は中間構成体103の枠状部131と対向する位置に形成されている。詳細には、図10(a)に示すように、基板ボックス92の内部空間には中間構成体103が収容されており、当該中間構成体103の枠状部131と対向する位置にボックス側切断部151の全ての貫通孔152が配置されている。そして、各貫通孔152の全体が枠状部131と対向している。
この場合、図10(a)に示すように、各貫通孔152における基板ボックス92の内部空間側の開口は、枠状部131に対して離間されている。つまり、各貫通孔152は枠状部131により閉塞されていない。これにより、ボックス側切断部151を形成する貫通孔152により基板ボックス92の通気口としての機能が果たされている。
但し、各貫通孔152と枠状部131との間の距離は比較的狭く設定されており、貫通孔152を通じて基板ボックス92内に針金等の不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具の先端が枠状部131に当たり、基板ボックス92の内部空間へそれ以上侵入させようとしても、それが行いづらくなるようになっている。
また、図8及び図10(a)に示すように、枠状部131においてボックス側切断部151と対向する面には主制御基板91側に凹ませて溝部155が形成されている。溝部155は主制御基板91側に底を有するとともに、ボックス側切断部151側に向けて開放されるように形成されており、さらに溝部155は枠状部131の全周に沿って連続させて形成されている。上記のように溝部155が形成されていることにより、貫通孔152を通じて基板ボックス92内に針金等の不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具は枠状部131の溝部155内に入り込む。そうすると、枠状部131を迂回するように不正用治具を侵入させようとしても、それが困難なものとなる。
ボックス側切断部151を切断してボックス側除去領域153を除去することにより、上記のとおり基板ボックス92の内部空間が開放されることとなる。この場合、図11に示すように、主制御基板91の素子搭載面97が露出する。但し、この状態では依然として基板ボックス92内に中間構成体103が内蔵されているため、素子搭載面97に搭載されたCPUチップ93は中間構成体103のカバー部133により覆われた状態となっている。
ここで、中間構成体103を不具備とする又はカバー部133をボックス側除去領域153に対して一体形成する構成が考えられる。この場合、ボックス側除去領域153を除去したタイミングで、CPUチップ93を露出させることが可能となる。しかしながら、当該構成においては、ボックス側切断部151の一部を切断してボックス側除去領域153を外側に撓ませた場合には、当該ボックス側除去領域153とともにカバー部133が主制御基板91の素子搭載面97から離間される方向に移動することとなる。そうすると、ボックス側除去領域153を外側に撓ませた状態において基板ボックス92内に不正用治具を挿入することで、CPUチップ93に容易にアクセスすることができてしまう。これに対して、本パチンコ機10では上記のとおりカバー部133がボックス側除去領域153とは別に設けられているため、ボックス側除去領域153を外側に撓ませたとしても、カバー部133が素子搭載面97から離間されることはなく、上記のようにCPUチップ93にアクセスされてしまうことを阻止することが可能となる。
中間構成体103のカバー部133によりCPUチップ93が覆われた構成において、ボックス側切断部151を切断して表側構成体102からボックス側除去領域153を除去した後に中間構成体103の各柱状連結部132を切断することでカバー部133を除去することが可能となり、カバー部133を除去することでCPUチップ93が露出することとなる。そして、CPUチップ93が露出することで、当該CPUチップ93を主制御基板91から取り外すことが可能となる。
このように各柱状連結部132を切断する際には、切断を実施している対象以外の柱状連結部132を片方の手によって把持するとともに、他方の手(詳しくは工具等)によって切断作業を行うとよい。これにより、切断対象に切断力が加わることで当該切断対象が移動するといった不都合の発生を抑え、切断作業を行いやすくすることができる。更に、柱状連結部132における切断位置よりもカバー部133側を把持しておくことで、柱状連結部132の切断によって分離されたカバー部133とCPUチップ93等とが当たるといった不都合の発生を抑えることができる。
ちなみに、柱状連結部132は、図9に示すように、当該柱状連結部132の長さ方向の全体に亘って溝部156が形成されており、当該溝部156を規定する壁は比較的薄肉に形成されている。したがって、柱状連結部132の切断を比較的容易に行うことができるようになっている。特に、当該柱状連結部132の切断に際しては、ボックス側切断部151を切断する工具を用いて、柱状連結部132を切断することができるようになっている。
また、各柱状連結部132と素子搭載面97との間には所定の隙間が形成されている(図11等参照)。このため、柱状連結部132の切断に際し、素子搭載面97側に向かって過度の負荷が加わる等した場合であっても、工具の切先等が素子搭載面97に接触するといった不都合が生じにくくなっている。これにより、素子搭載面の保護がなされている。なお、柱状連結部132と素子搭載面97との間に空間が設けられているため、工具を、柱状連結部132に対して素子搭載面97側から当てることも可能である。これにより、柱状連結部132の切断に際して素子搭載面97側に向かって負荷がかかることを回避し、作業ミス等による素子搭載面97との接触を好適に抑制することができる。例えば、工具としてニッパ等を用いるとよい。
一方、主制御基板91は、ボックス側除去領域153の除去及びカバー部133の除去を行ったとしても基板ボックス92内から取り出すことはできない。つまり、主制御基板91は上述したように裏側構成体101に対して破断ネジ117を用いて固定されている。また、主制御基板91の少なくとも長辺部は、ボックス側除去領域153の長辺部よりも、すなわちボックス側除去領域153を除去することにより基板ボックス92に形成される開口の長辺部よりも長さ寸法が大きく設定されている。したがって、図10(b)に示すように、ボックス側除去領域153を主制御基板91側に投影させた場合に当該投影させた領域よりも主制御基板91の周縁部が外方にはみ出している。そして、主制御基板91においてはみ出した領域は、少なくとも一対の対向する両端側に存在している。さらにまた、主制御基板91において両端側にはみ出した領域は、表側構成体102の表側周壁部122と対向しているとともに、当該表側周壁部122と対向している領域に上記破断ネジ117による固定部位が存在している。
上記構成であることにより、ボックス側除去領域153の除去及びカバー部133の除去を行ったとしても、主制御基板91を基板ボックス92内から取り出すことはできない。これにより、上記のように表側構成体102にボックス側除去領域153を設けた構成において、当該ボックス側除去領域153を除去し純正の主制御基板91を簡単に入手しようとしても、それを行いづらくすることが可能となる。
主制御基板91の取り外しが規制された構成において、当該主制御基板91には、図8及び図10(b)に示すように、基板側切断部161が形成されている。基板側切断部161は、主制御基板91をその厚み方向に貫通するようにして形成された多数(又は複数)の貫通孔162により構成されている。
詳細には、多数の貫通孔162は主制御基板91の周縁に沿って等間隔で形成されており、当該多数の貫通孔162は主制御基板91の所定の領域を囲むようにして並んでいる。つまり、基板側切断部161は、主制御基板91の所定の領域を囲む断続的な環状に形成されている。換言すれば、基板側切断部161として、断続的な環状の切断ガイド線が形成されている。また、基板側切断部161は矩形枠状、具体的には長方形枠状に形成されている。なお、主制御基板91に搭載されているCPUチップ93を含めた各種素子及びコネクタは全て、基板側切断部161により区画された領域内に含まれている。
図8に示すように、基板側切断部161により区画された領域(以下、基板側除去領域163)の範囲内にCPUチップ93が設置されているのに対して、破断ネジ117による裏側構成体101に対する主制御基板91の固定箇所は基板側除去領域163の領域の範囲外にある。また、基板側切断部161における隣り合う貫通孔162間の間隔は、ニッパやカッタなどによる工具により、隣り合う貫通孔162間の領域を容易に切断可能なように設定されている。ちなみに、基板側切断部161の貫通孔162とボックス側切断部151の貫通孔152とは同一の開口面積を有しており、さらには基板側切断部161における隣り合う貫通孔162間の距離はボックス側切断部151における隣り合う貫通孔152間の距離と同一となっている。したがって、ボックス側切断部151を切断する工具を用いて、基板側切断部161を切断することができる。なお、ボックス側切断部151と基板側切断部161とで、それぞれ異なる工具を要する構成としてもよい。
基板側除去領域163は、その面積がボックス側除去領域153の面積よりも小さく設定されている。また、基板側除去領域163は、図10(b)に示すように、ボックス側除去領域153を主制御基板91側に投影させた場合に当該投影させた領域の範囲内に含まれるように形成されている。したがって、ボックス側除去領域153を除去することにより、基板側除去領域163の全体、すなわち基板側切断部161の全体が露出することとなる。そして、この状態で、中間構成体103の各柱状連結部132を枠状部131側の根元から切断するとともに、基板側切断部161を切断することで、ボックス側除去領域153を除去することにより基板ボックス92に形成された開口154を通じて、基板側除去領域163を取り出すことができる。この場合、開口154を通じて、基板側切断部161の全体が露出しているため、当該基板側切断部161の切断作業及び基板側除去領域163の取り出し作業を行い易くなっている。
ここで、図10(b)に示すように、主制御基板91の少なくとも素子搭載面97側の配線パターン164は、当該配線パターン164を構成する一部の配線165が基板側切断部161を跨ぐようにして形成されている。つまり、配線165は、基板側切断部161における隣り合う貫通孔162間の領域を跨ぐようにして形成されている。したがって、基板側除去領域163を基板ボックス92から取り出すべく、基板側切断部161を切断した場合には、主制御基板91の配線パターン164が断線されることとなる。これにより、基板側切断部161を切断して基板側除去領域163を取り出した後に当該基板側除去領域163を元の位置に戻したとしても、配線パターン164が断線された状態は維持されるため、主制御基板91は正常に機能しない。よって、基板側除去領域163を基板ボックス92から取り出して当該基板側除去領域163に不正を施した後に元の位置に戻す不正行為が行われたとしても、その際には主制御基板91が正常に機能しなくなることで、当該不正行為を実質的に無効化させることが可能となる。
次に、遊技場において検査を行うためにCPUチップ93を基板ボックス92内から取り出す場合の作業の様子について説明する。図13はCPUチップ93を基板ボックス92内から取り出す場合の作業の様子を説明するための説明図である。
遊技場においてCPUチップ93の検査を行う場合、図13(a)に示すように、遊技機本体12から主制御装置63を取り出す。その後、図13(b)に示すように、表側構成体102のボックス側切断部151を切断して、ボックス側除去領域153を除去する。これにより、基板ボックス92内が開放され、中間構成体103及び主制御基板91の素子搭載面97が露出する。
その後、図13(c)に示すように、中間構成体103の各柱状連結部132を切断することにより、カバー部133を除去することが可能となり、カバー部133を除去することでCPUチップ93が露出する。この場合、各柱状連結部132はボックス側切断部151を切断するための工具を用いて切断することができるため、CPUチップ93を露出させる作業を比較的容易に行うことができる。CPUチップ93は上記のとおり主制御基板91に対して半田付けされていないため、CPUチップ93を素子搭載面97の向く方向に引き抜くことで、図13(d)に示すように、CPUチップ93を取り出すことができる。これにより、CPUチップ93の検査を入念に行うことができる。
次に、遊技場において検査を行うために主制御基板91の基板側除去領域163を基板ボックス92内から取り出す場合の作業の様子について説明する。図14は主制御基板91の基板側除去領域163を基板ボックス92内から取り出す場合の作業の様子を説明するための説明図である。
遊技場において主制御基板91の検査を行う場合、図14(a)に示すように、遊技機本体12から主制御装置63を取り出す。その後、図14(b)に示すように、表側構成体102のボックス側切断部151を切断して、ボックス側除去領域153を除去する。これにより、基板ボックス92内が開放され、中間構成体103及び主制御基板91の素子搭載面97が露出する。
その後、図14(c)に示すように、中間構成体103の各柱状連結部132を、枠状部131側の根元から切断するとともに、図14(d)に示すように、主制御基板91の基板側切断部161を切断する。これにより、主制御基板91の基板側除去領域163を取り出すことができ、主制御基板91における基板側除去領域163の領域の検査を入念に行うことができる。この場合、基板側切断部161はボックス側切断部151及び各柱状連結部132を切断するための工具を用いて切断することができるため、基板側除去領域163を取り出す作業を比較的容易に行うことができる。
ここで、上記のようにCPUチップ93及び基板側除去領域163の基板ボックス92からの取り出しを容易に行うことができるようにした構成においては、その容易化の構造を用いて、CPUチップ93又は主制御基板91の不正目的での取り出しも容易に行うことができてしまう。これに対して、上記のとおりCPUチップ93の基板ボックス92からの取り出しに際しては基板ボックス92からボックス側除去領域153を除去する必要があり、当該基板ボックス92には大きな開口154が形成されることとなる。そうすると、CPUチップ93の不正目的での取り出しが行われていた場合にはそれを容易に発見することができる。
また、上記のとおり主制御基板91の基板ボックス92からの取り出しに際しては基板ボックス92からボックス側除去領域153を除去する必要があるとともに、基板側切断部161を切断して主制御基板91から基板側除去領域163を取り出す必要がある。基板ボックス92からボックス側除去領域153を除去することで当該基板ボックス92には大きな開口154が形成されることとなる。また、主制御基板91から基板側除去領域163を取り出すことで当該主制御基板91には大きな開口が形成されることとなる。そうすると、主制御基板91の不正目的での取り出しが行われていた場合には、基板ボックス92に形成された開口154又は主制御基板91に形成された開口の少なくとも一方を確認することにより、それを容易に発見することができる。
次に、CPUチップ93や主制御基板91の検査後においてこれらCPUチップ93や主制御基板91を基板ボックス92内に仮収容するための構成について説明する。
先ず、CPUチップ93のみを取り出した後に当該CPUチップ93を基板ボックス92に仮収容するための構成について説明する。
既に説明したように、裏側構成体101には複数のボックス仮固定用ボス116が一体形成されており、各ボックス仮固定用ボス116にはネジ孔が形成されている。これらボックス仮固定用ボス116に1対1で対応させて、基板ボックス92のボックス側除去領域153の四隅には、図11及び図12に示すように、ボックス仮固定用ボス171が一体形成されている。当該ボックス仮固定用ボス171は、ボックス側除去領域153の裏面から裏側構成体101側に延びており、ネジ孔が形成されている。当該ネジ孔は、ボックス仮固定用ボス171を貫通しており、ボックス側除去領域153の表側において開口されている。
ボックス側除去領域153及びカバー部133を除去してCPUチップ93を取り出した後は、当該CPUチップ93を再度、主制御基板91に取り付けるとともに、ボックス側除去領域153を基板ボックス92の元の位置に配置する。この場合、裏側構成体101の各ボックス仮固定用ボス116に対して、ボックス側除去領域153のそれぞれ対応するボックス仮固定用ボス171が重なり、両ボス116,171のネジ孔は連通される。そして、この状態において、ボックス側除去領域153の表側から破断ネジを螺着することにより、ボックス側切断部151は切断されているものの、CPUチップ93及び主制御基板91が基板ボックス92内に収容された状態となる。
ここで、遊技場においてCPUチップ93を基板ボックス92から取り出して入念に検査した後に、当該CPUチップ93を遊技機メーカにおいて再検査を行う場合などがある。この場合としては、CPUチップ93の検査結果が異常であり、当該CPUチップ93の不正交換などが行われていた場合が考えられる。このような場合に、基板ボックス92に開口154が形成されたまま主制御装置63が遊技機メーカに搬送される場合を想定すると、搬送途中にCPUチップ93が破損して当該CPUチップ93の再検査を行うことができなくなってしまう可能性がある。これに対して、上記のようにボックス側除去領域153により基板ボックス92の開口154を再度閉鎖することで、搬送途中におけるCPUチップ93の破損の発生が抑制される。
また、CPUチップ93の不正交換を行った不正行為者が、主制御装置63の遊技機メーカへの搬送途中において正規のCPUチップ93に再度交換する行為が想定される。これに対して、上記のとおりボックス側除去領域153を破断ネジにより螺着することで、ボックス側除去領域153を取り外しづらくなり、正規のCPUチップ93に再度交換しようとする行為を行いづらくすることが可能となる。
なお、主制御装置63の遊技機メーカへの搬送途中における不都合として、前者のもののみを想定する場合、ボックス側除去領域153の仮固定は破断ネジである必要はなく、着脱自在な周知のネジを用いて行えばよい。
次に、主制御基板91の基板側除去領域163を取り出した後に当該基板側除去領域163を基板ボックス92に仮収容するための構成について説明する。
既に説明したように、裏側構成体101には複数の基板仮固定用ボス115が一体形成されており、各基板仮固定用ボス115にはネジ孔が形成されている。これら基板仮固定用ボス115に1対1で対応させて、基板側除去領域163の四隅には、図8に示すように、仮固定用貫通孔172が形成されている。
ボックス側除去領域153及びカバー部133を含めた各柱状連結部132を除去するとともに、基板側切断部161を切断して基板側除去領域163を取り出した後は、当該基板側除去領域163を裏側構成体101上における元の位置に配置する。この場合、裏側構成体101の基板仮固定用ボス115のネジ孔に対して、ボックス側除去領域153のそれぞれ対応する仮固定用貫通孔172が連通される。この状態において、基板側除去領域163の素子搭載面97側から破断ネジを螺着することにより、基板側切断部161は切断されているものの、裏側構成体101に対して基板側除去領域163が固定される。その後、既に説明したように、ボックス側除去領域153を各ボックス仮固定用ボス116,171を通じて仮固定することにより、ボックス側切断部151は切断されているものの、CPUチップ93及び主制御基板91が基板ボックス92内に収容された状態となる。
ここで、遊技場において主制御基板91の基板側除去領域163を基板ボックス92から取り出して入念に検査した後に、当該基板側除去領域163を遊技機メーカにおいて再検査を行う場合などがある。この場合としては、基板側除去領域163の検査結果が異常であり、主制御基板91の不正交換などが行われていた場合が考えられる。このような場合に、基板ボックス92に開口154が形成されたまま主制御装置63が遊技機メーカに搬送される場合を想定すると、搬送途中に基板側除去領域163が破損して当該基板側除去領域163の再検査を行うことができなくなってしまう可能性がある。これは、基板ボックス92内において基板側除去領域163が固定されていない場合も同様である。これに対して、上記のように基板側除去領域163を裏側構成体101に固定するとともに、ボックス側除去領域153により基板ボックス92の開口154を再度閉鎖することで、搬送途中における基板側除去領域163の破損の発生が抑制される。
また、主制御基板91の不正交換を行った不正行為者が、主制御装置63の遊技機メーカへの搬送途中において正規の基板側除去領域163に交換する行為が想定される。これに対して、上記のとおりボックス側除去領域153及び基板側除去領域163をそれぞれ破断ネジにより螺着することで、ボックス側除去領域153及び基板側除去領域163を取り外しづらくなり、正規の基板側除去領域163に交換しようとする行為を行いづらくすることが可能となる。
なお、主制御装置63の遊技機メーカへの搬送途中における不都合として、前者のもののみを想定する場合、ボックス側除去領域153及び基板側除去領域163の仮固定は破断ネジである必要はなく、着脱自在な周知のネジを用いて行えばよい。
以下、裏側構成体101と表側構成体102との結合に関する構成について詳細に説明する。表側構成体102と裏側構成体101との結合手段として、(1)接着剤、(2)カシメ構造が設けられている。そこで、これら各結合手段について個別に説明する。
接着剤は、裏側構成体101における端面119と表側構成体102における端面123との全域に塗布されている。これにより、裏側周壁部118と表側周壁部122とが接着されており、裏側構成体101と表側構成体102とが固定されている。このように両構成体101,102の境界部位が塞がれることで、同境界部分から基板ボックス92の内部空間内に不正用治具を挿入しようとしても、そのような行為は行いづらくなっている。
なお、接着剤としては、裏側構成体101と表側構成体102とを固定することができるのであれば周知の接着剤を用いることができ、例えば、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エチレン―酢酸ビニル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン系接着剤などを用いてもよく、それら接着剤は、反応系、溶液系、水分散系、固形系のいずれであってもよい。
次に、上述したカシメ構造について図8,図9及び図15に基づいて説明する。図15は、図5のA−A線部分断面図である。
図8等に示すように、表側周壁部122には結合手段としての破断ネジ180を挿入する挿入部181が複数形成されている。具体的には、表側周壁部122のうち、相対向する壁部にそれぞれ2つづつ形成されている。挿入部181は、表側周壁部122の起立方向と同一方向に延びる長穴状をなしている。すなわち、表側周壁部122の基部(根元部)から端面123に向かって延びる長穴状をなしている。より詳しくは、挿入部181における一方の端部は表側周壁部122の基部側に開放され、他方の端部は有底状をなすように形成されている。挿入部181の底部には、裏側周壁部118との境界部位(具体的には端面123)に繋がる貫通孔182が形成されており、裏側周壁部118における表側周壁部122との境界部位(具体的には端面119)には、その貫通孔182と相互に連通する有底のネジ穴183が形成されている。より詳しくは、各構成体101,102が組み合わされている状態、すなわち各端面119,123が接触している状態において、貫通孔182の中心軸線とネジ穴183の中心軸線とが重なっている。かかる状態において、挿入部181を介して挿入された破断ネジ180がネジ穴183にねじ込まれ、両周壁部118,122、すなわち両構成体101,102が固定されている。
破断ネジ180とは、ドライバなどの工具に先端を差込可能な頭部とネジ溝が形成された側との連結部分の強度が低く設定されたものであり、それ以上締めることができない位置において頭部に対して上記工具によりさらに所定の力を加えることにより、上記連結部分が切断され、頭部が分離されるものである。つまり、破断ネジ180は、螺着後において、上記工具を用いて緩める方向へ回転させることを不可とするものである。なお、螺着後において両構成体101,102の結合を緩めることができないようにすることができるのであれば、両構成体101,102を固定する結合手段は破断ネジ180に限定されることはなく周知のワンウェイネジであってもよい。裏側周壁部118(詳しくはネジ穴183)に螺着されている破断ネジ180は螺着後において頭部が分離されており、当該破断ネジ180を緩めることができないようになっている。
両周壁部118,122は上記のとおり比較的肉厚に形成されており、さらには各構成体101,102から破断ネジ180による固定部位を分離しやすくするような脆弱部は形成されていない。よって、両周壁部118,122の結合に伴う、裏側構成体101及び表側構成体102の固定を解除することは実質的に困難なものとなっている。また、破断ネジ180及びネジ穴183等の側方には、前記遮蔽部124が位置している。このため、破断ネジ180を配置するために周辺部位と比較して肉薄となりがちな部分へのアクセスが好適に抑制されている。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図15のブロック図に基づいて説明する。図15では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置63に設けられた主制御基板91には、主制御回路202と停電監視回路203とが内蔵されている。主制御回路202には、CPUチップ93が搭載されている。CPUチップ93には、当該CPUチップ93により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM205と、そのROM205内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM206と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
CPUチップ93には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPUチップ93の入力側には、主制御基板91に設けられた停電監視回路203、払出制御装置82に設けられた払出制御基板211及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路203には電源及び発射制御装置83に設けられた電源及び発射制御基板215が接続されており、CPUチップ93には停電監視回路203を介して電力が供給される。
一方、CPUチップ93の出力側には、停電監視回路203、払出制御基板211及び中継端子板219が接続されている。払出制御基板211には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板219を介して主制御回路202から音声ランプ制御装置66に設けられた音声ランプ制御基板221に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路203は、主制御回路202と電源及び発射制御基板215とを中継し、また電源及び発射制御基板215から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御基板211は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU212は、そのCPU212により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM213と、ワークメモリ等として使用されるRAM214とを備えている。
払出制御基板211のCPU212には、入出力ポートが設けられている。CPU212の入力側には、主制御回路202、電源及び発射制御基板215、及び裏パック基板79が接続されている。また、CPU212の出力側には、主制御回路202及び裏パック基板79が接続されている。
電源及び発射制御基板215は、電源部216と発射制御部217とを備えている。電源部216は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路202や払出制御基板211等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路202や払出制御基板211等に対して供給する。発射制御部217は、遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板221は、表示制御装置225を制御するものである。演算装置であるCPU222は、そのCPU222により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM223と、ワークメモリ等として使用されるRAM224とを備えている。
音声ランプ制御基板221のCPU222には入出力ポートが設けられている。CPU222の入力側には中継端子板219に中継されて主制御回路202が接続されており、主制御回路202から出力される各種コマンドに基づいて、表示制御装置225を制御する。表示制御装置225は、音声ランプ制御基板221から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置63の基板ボックス92には、ボックス側切断部151が形成されており、当該ボックス側切断部151を切断して、内部空間を規定している位置からボックス側除去領域153を除去した場合、遊技制御プログラムを記憶したCPUチップ93の取り外しを可能とする開口154が基板ボックス92に形成される。そして、ボックス側切断部151は裏側構成体101と表側構成体102との結合状態を解除する場合よりも切断し易く形成されているため、遊技場においてCPUチップ93を基板ボックス92から取り出して入念に検査する場合には、その作業を比較的容易に行うことができる。
また、ボックス側切断部151を切断して基板ボックス92の内部空間を開放させた場合には、当該基板ボックス92に開口154が形成されるため、仮にCPUチップ93などに不正を行う目的でボックス側切断部151を切断して基板ボックス92の内部空間が開放されていた場合にはその発見を比較的容易に行うことができる。
さらには、上記のようにボックス側切断部151が設けられた構成においては、当該ボックス側切断部151によって基板ボックス92の内部空間を良好に開放するための機能が果たされている。したがって、裏側構成体101と表側構成体102の固定に際しては、基板ボックス92の内部空間を開放する場合の作業性を考慮する必要がなくなる。
つまり、本実施の形態では、裏側結合部141と表側結合部142に対して破断ネジ143を螺着することにより、両結合部141,142の結合がその結合解除が行いづらい状態で行われている。そして、従来のパチンコ機のように両結合部141,142による両構成体101,102の固定を解除するための積極的な脆弱部は設けられていない。また、裏側構成体101と表側構成体102との境界部分には接着剤が塗布されており、両構成体101,102が広範囲に亘って固定されているとともに、その境界部分から不正用治具を挿入しようとしてもそれが行いづらくなっている。さらには、裏側構成体101と表側構成体102との境界部分を跨ぐようにして封印シール145が貼り付けられている。以上のとおり、裏側構成体101と表側構成体102との固定が強固に行われており、それに伴って、裏側構成体101と表側構成体102とを不正に分離させようとする行為が行いづらくなっている。
また、ボックス側切断部151を切断しボックス側除去領域153を取り除くことで、主制御基板91の素子搭載面97が露出し、更に中間構成体103の柱状連結部132を切断してカバー部133を取り除くことでCPUチップ93が露出する。すなわち、CPUチップ93へのアクセスや取り外し等を行う際には、複数の部材の破壊履歴が残る構成となっている。このため、CPUチップ93の取り外し等が行われたか否かの確認が一層容易なものとなっている。これにより、CPUチップ93を入れ替える等の不正行為を好適に抑制することができる。
主制御基板91の検査の際には、CPUチップ93をそのままの状態として作業が行われる場合と、CPUチップ93を取り外して作業が行われる場合とがある。上述の如く、CPUチップ93の取り外し準備を2段階で行い、その一段階目にてCPUチップ93以外の部位を露出させることで、CPUチップ93の規制状態を維持したまま検査等を行うことができる。本実施の形態においては特に、主制御基板91を段階的に露出させる構成とすることで、CPUチップ93の不要な露出を抑え、防犯性の向上が図られている。
従来の遊技機においては、基板ボックスを開放すると主制御基板全体が露出される構成が多く採用されていた。かかる構成においては、主制御基板が露出された後、CPUチップの入替のみが行われると、CPUチップ自体を概観の違いによって判別することは困難でると想定される。本実施の形態においては、主制御基板91に搭載された素子のうち不正の対象となりやすいと想定されるCPUチップ93の取り外し等を別個独立して規制する構成とした。これにより、主制御基板91の封印が解除された場合CPUチップを確認するのではなく、CPUチップの規制状態を確認することで、不正な入替え等が行われたか否かを判断することができる。これにより、不正等の確認作業の容易化に貢献している。
中間構成体103の柱状連結部132は中間構成体103の他の部位と比較して切断が容易となるように構成されている。この柱状連結部132を切断することでカバー部133を分離することができるため、CPUチップ93の規制状態の解除が容易となっている。本実施の形態においては特に、CPUチップ93を取り外すためには、素子搭載面97を露出させるための基板ボックス92の開放に加え、カバー部133を取り外すことでCPUチップ93自身を露出させる必要がある。このように、複数の段階を経てCPUチップ93の取り外し規制を解除する構成とすることで、防犯性の向上を図ることができる反面、検査時等における規制解除の作業性の悪化が懸念される。しかしながら、本実施の形態においては、柱状連結部132の切断によって取り外し規制の解除の容易化を図っており、CPUチップ93検査時の作業性が悪化することを抑制している。特に、図11等に示すように、基板ボックス92の内部空間の解放に伴って柱状連結部132が露出するため、当該柱状連結部132の切断作業を容易に行うことができる。
また、同図11に示すように、柱状連結部132と素子搭載面97との間には、所定の隙間が設けられている。このため、素子搭載面97の正面側から切断作業を行う際に、工具の刃先等が素子搭載面97に接触するといった不都合が抑制されている。これにより、切断時の作業性の向上が図られている。
更に、中間構成体103の脆弱部は、表側構成体102のボックス側切断部151と異なり、切断時の作業方向が限定されにくくなっている。具体的には、表側構成体102のボックス側切断部151を切断する際には、カッターナイフ等の工具を素子搭載面97側に向かって押し付けることで作業が行われる。一方、柱状連結部132に関しては、ボックス側切断部151と同様の切断作業を行う以外に、ニッパ等の工具によって素子搭載面97側に力を加えることなく切断作業を行うことが可能となっている。このように、素子搭載面97側に向かって力を加えることなく作業を行うことができるため、切断時の力加減を気にせず作業を行うことができる。これにより更なる作業性の向上が図られている。
両ボックス構成体101,102を、それらボックス構成体101,102の周壁部118,122を結合することにより一体化する構成とした。詳しくは、破断ネジ180によって両周壁部118,122を固定した。この結合状態を解除するためには、上述の如く予め設けられたボックス側除去領域153を取り除くか、破断ネジ180による結合部位を取り除くかする必要がある。ボックス側除去領域153が取り除かれた場合、その痕跡の確認が容易なものとなる。また、破断ネジ180自身を取り外すことが困難であるため、上述の如く破断ネジ180の結合部位周辺領域が取り除かれることが想定されるが、かかる場合においても、周壁部118,122に除去の痕跡が残りやすくなる。例えば、周壁部118,122に開口等が形成されることとなる。仮に、破断ネジ180の周辺部位を除去した後、同一箇所にその除去部分を戻すことにより基板ボックス92の開放痕跡の隠蔽がなされた場合であっても、そのような痕跡の発見を容易なものとすることができる。
両周壁部118,122に外壁面118b,122bから突出した固定部を形成し、それら固定部を破断ネジ等の結合手段によって結合する構成を想定すれば、固定部が外壁面118b,122bに沿って切除され後、接着等によって元の位置に戻されることで、その痕跡が巧妙に隠蔽されるといった不都合が生じ得る。かかる場合、不正の発見が困難となると懸念される。このような不都合は、固定部の根元部分に切断を容易とする脆弱部を有する場合においては、とりわけ顕著なものとなると考えられる。この点、上述の如く、結合部位の外壁面118b,122bからの突出を抑え、周壁部118,122同士を直接的に固定する構成成とすれば、周壁部118,122の外壁面118b,122bに沿って固定部位が除去されることが無い。故に、固定解除の痕跡を隠蔽しにくくすることができ、防犯性の向上に貢献し得る。
本実施の形態においては特に、破断ネジ180及びその結合部位を、周壁部118,122の内外の壁面118a,122a,118b,122bによって挟まれた領域、より的確には外壁面118b,122bよりも内側となる領域に配置した。このため、破断ネジ180及びその結合部位へのアクセスを困難なものとすることができる。故に、破断ネジ180そのものを破壊することで結合状態を解除するといった不正行為を行いにくくすることができる。
一般的に基板ボックス92の放熱性や成形性等を考慮すれば、周壁部118,122の厚み寸法を大きくすることは困難であると想定される。仮に、周壁部118,122を厚み方向に重ね(例えば周壁部118を外側、周壁部122を内側として重ね)、その厚み方向に破断ネジを挿入した場合、ネジ部の掛かり代を担保しつつ、且つネジ頭の外壁面118bからの突出を抑えることは難しいと考えられる。そこで、本実施の形態においては、破断ネジ180の装着方向(すなわち挿入部181の中心軸線方向)を周壁部122の起立方向と同一とした。これにより、周壁部118,122の厚み寸法が過度に大きくなることを抑えつつ、ネジ部の掛かり代の担保と破断ネジ180の突出の抑制とを好適に両立している。特に、挿入部181が周壁部118の起立方向に延びる構成とすることで、挿入部181の開口部位から破断ネジ180を離しやすくなっている。これにより、破断ネジ180へのアクセスを困難なものとしている。
更に、破断ネジ180の中心軸線が周壁部118,122(詳しくは外面118b,122b及び内壁面118a,122a)に沿っているため、破断ネジ180が厚み方向に向けて羅着されている場合よりも、周壁部118,122における固定部位の占める領域を大きくしやすくなっている。これにより、固定部位を除去される場合の除去範囲を大きくすることができ、その痕跡の分かりやすさの向上に貢献することができる。
周壁部118,122に両構成体101,102を固定する固定部位を設けるとともに、表側壁部121に主制御基板91を露出させるためのボックス側切断部151(ボックス側除去領域153)を設けた。すなわち、固定部位と開放部位とを別々の壁部に設ける構成とした。このため、ボックス側除去領域153が取り除かれた状態においても、基板ボックス92の結合状態が維持される。故に、主制御基板91の不正な入れ替え等を好適に抑制することができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、主制御装置の基板ボックスについて中間構成体の固定に関する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における主制御装置230の構成を説明する。図16は本実施の形態における主制御装置230の構成を説明するための分解斜視図である。
主制御装置230は、上記第1の実施の形態における主制御装置63と同様に、主制御基板231と基板ボックス232とを備えている。また、基板ボックス232は、上記第1の実施の形態における基板ボックス92と同様に、複数のボックス構成体として、裏側構成体233と、表側構成体234と、中間構成体235と、コネクタ用プレート236と、を備えている。また、表側構成体234には、上記第1の実施の形態における表側構成体102と同様に、ボックス側切断部237が形成されているとともに、主制御基板231には、上記第1の実施の形態における主制御基板91と同様に、基板側切断部238が形成されている。
但し、本実施の形態における主制御装置230では、中間構成体235は表側構成体234だけでなく裏側構成体233にも固定されている。詳細には、中間構成体235の枠状部241の外周側には、ネジ孔を有する裏用固定部242と、同じくネジ孔を有する表用固定部243と、が一体形成されている。裏用固定部242及び表用固定部243はそれぞれ、枠状部241の対向する枠部に1個ずつ設けられているが、複数個ずつ設けてもよい。
裏用固定部242はそのネジ孔が、裏側構成体233側に向けて開放されており、裏側構成体233には裏用固定部242と基板ボックス232の厚み方向に並ぶ位置に貫通孔244が形成されている。この場合、裏用固定部242と貫通孔244との間には主制御基板231が介在しているが、当該主制御基板231には裏用固定部242と貫通孔244との間の空間を遮らないように貫通孔245が形成されている。
中間構成体235は、主制御基板231が一体化された裏側構成体233に対して、裏用固定部242のネジ孔と裏側構成体233の貫通孔244とが同一軸線上に位置するように配置されており、裏側構成体233側から裏用固定部242のネジ孔に破断ネジ246が螺着されている。当該破断ネジ246は螺着後において頭部が分離されている。これにより、中間構成体235は裏側構成体233に固定されており、この固定の解除に際しては基本的に裏用固定部242の破壊を要する。
表用固定部243はそのネジ孔が、表側構成体234側に向けて開放されており、表側構成体234には表用固定部243と基板ボックス232の厚み方向に並ぶ位置に貫通孔247が形成されている。コネクタ用プレート236が一体化された表側構成体234は、主制御基板231及び中間構成体235が一体化された裏側構成体233に対して、貫通孔247と表用固定部243のネジ孔とが同一軸線上に位置するように配置されており、表側構成体234側から表用固定部243のネジ孔に破断ネジ248が螺着されている。当該破断ネジ248は螺着後において頭部が分離されている。これにより、中間構成体235は表側構成体234に対しても固定されており、この固定の解除に際しては基本的に表用固定部243の破壊を要する。
なお、裏側構成体233と表側構成体234とは、上記第1の実施の形態における基板ボックス92と同様に固定されている。
以上詳述した本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態における効果に加え、純正の基板ボックス232を不正に得ようとする行為を行いづらくすることが可能となる。
つまり、主制御装置230に対する不正行為としては、2個の主制御装置230を用意し、一方の主制御装置230から表側構成体234及びその付属品を破壊しない状態で取り出し、他方の主制御装置230から裏側構成体233及びその付属品を破壊しない状態で取り出す行為が想定される。この場合、それぞれ破壊しない状態で取り出した表側構成体234側のユニットと裏側構成体233側のユニットとを組み合わせることにより、純正の基板ボックス232を得ることができてしまう。そうすると、パチンコ機10の主制御装置230が、上記不正に得た基板ボックス232に不正なCPUチップ249などを収容させて構成された主制御装置230に交換された場合には、その発見を行うことが困難なものとなってしまう。
これに対して、本実施の形態によれば、中間構成体235が裏側構成体233及び表側構成体234の両方に固定されているとともに、その固定の解除に際しては、中間構成体235の破壊を要するように構成されている。したがって、裏側構成体233のみを破壊して、表側構成体234側のユニットを破壊しない状態で取り出そうとしても、中間構成体235の裏用固定部242が破壊されることで当該行為が不可となる。また、表側構成体234のみを破壊して、裏側構成体233側のユニットを破壊しない状態で取り出そうとしても、中間構成体235の表用固定部243が破壊されることで当該行為が不可となる。よって、上記不正行為を行いづらくすることが可能となる。
なお、中間構成体235の裏側構成体233に対する固定及び中間構成体235の表側構成体234に対する固定は、破断ネジ246,248に限定されることはなく、ワンウェイネジであってもよい。また、ネジではなく、係止具を用いてもよい。例えば、裏用固定部242及び表用固定部243には係止用孔を形成し、当該係止用孔に係止具を挿入した場合には、係止具の爪が係止用孔の壁に引っ掛かり、当該係止具の離脱が不可となる構成としてもよい。そして、係止具が裏用固定部242に挿入されている状態では、中間構成体235と裏側構成体233との固定が行われるとともに、係止具が表用固定部243に挿入されている状態では、中間構成体235と表側構成体234との固定が行われる構成とする。本構成であっても、裏側構成体233や表側構成体234の取り出しに際して、中間構成体235の破壊が行われるようにすることが可能となる。
つまり、裏側構成体と、表側構成体と、中間構成体とを備え、中間構成体を裏側構成体及び表側構成体の両方に固定し、さらに裏側構成体と表側構成体との分離に際して少なくとも一方が破壊され、裏側構成体からの中間構成体の分離及び表側構成体からの中間構成体の分離に際して中間構成体が破壊される構成であればよい。なお、純正の基板ボックスの不正取得を抑制するという観点のみに着目するのであれば、表側構成体にボックス側切断部が形成されていなくてもよく、主制御基板に基板側切断部が形成されていなくてもよい。
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、裏側構成体及び表側構成体を結合する結合手段と、その結合手段に付随する構成とが上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、本実施の形態における主制御装置300の構成を上記相違点を中心として以下に説明する。図18は本実施の形態における主制御装置300の分解斜視図、図19の(a)は図18のB−B線部分断面図、図19の(b)〜(d)は結合状態への移行を示す説明図である。
主制御装置300は、上記第1の実施の形態における主制御装置63と同様に、主制御基板301と基板ボックス302とを備えている。また、基板ボックス302は、上記第1の実施の形態における基板ボックス92と同様に、複数のボックス構成体として、裏側構成体303,表側構成体304,中間構成体(図示略),コネクタ用プレート(図示略)を備えている。なお、コネクタ用プレートについては第1の実施の形態と同様に表側構成体304に破断ネジによって固定されており、中間構成体については裏側構成体303に破断ネジによって固定されているが、これら中間構成体及びコネクタ用プレートの構成について詳細な説明は省略する。
図18に示すように、裏側構成体303は、主制御基板301を搭載するの搭載部としての裏側平板部310を有している。裏側平板部310は主制御基板301の半田面311と対向しており、主制御基板301の外形よりも大きな略長板状をなしている。また、裏側平板部310の長手方向は、主制御基板301の長手方向と同一方向となるように設定されている。裏側平板部310の2つの長辺部には、主制御基板301側に起立する裏側側壁部312が一体成形されている。これら裏側側壁部312は、半田面311と直交する方向に延び、互いに向き合った状態となっている。一方、表側構成体304は、主制御基板301の素子搭載面313と対向する表側平板部314を有している。この表側平板部314も、裏側平板部310と同様に略長板状をなしており、その長辺部には裏側構成体303に向かって起立した表側側壁部315が一体成形されている。より具体的には、対峙する表側側壁部315の間隔寸法は同方向にて対峙する裏側側壁部312間の間隔寸法と同一となるように設定されている。両側壁部312,315の端面316,317は互いに向き合っており、両構成体303,304が組み付けられた状態においては、それら各端面316,317が全域で接触している。
裏側側壁部312における内側の先端縁には、両構成体303,304が組み合わされる際に表側構成体304を所定の組み付け完了位置に案内する案内部318が形成されている。案内部318は、裏側平板部310の長手方向に向かって延びる溝状をなしている。一方、表側構成体304には、案内部318に嵌まり、その案内部318の内面、詳しくは溝状部分の内面に接触した状態で同案内部318に沿ってスライド移動可能な摺動部319が設けられている。より詳細に説明すれば、摺動部319は案内部318と同一方向に延びる(詳しくは表側側壁部315の先端縁に沿って延びる)突条状をなしており、表側側壁部315の内面から基板ボックス302の内方に向けて突出している。そして、両構成体303,304が組み合わされた状態においては、案内部318及び摺動部319は、表側側壁部315の外壁面315a及び裏側側壁部312の外壁面312aよりも内側、すなわち基板ボックス302の内方に位置する構成となっている。これにより、案内部318及び摺動部319の基板ボックス302の外側への露出が抑えられており、基板ボックス302の外部からの案内部318及び摺動部319へのアクセスが回避されている。
案内部318には、素子搭載面313に平行な板状をなし主制御基板301における端手方向への摺動部319の移動を規制する第1規制部320と、側壁部312,315に平行な板状をなし素子搭載面313の前方へ向けた摺動部319の移動を規制する第2規制部321とが設けられている。これら両規制部320,321によって摺動部319の移動が抑えられることにより、表側構成体304と裏側構成体303とが所定の方向(詳しくは前記スライド方向)以外の方向に向けて分離されることが回避されている。また、案内部318及び摺動部319は、上述の如く基板ボックス302の外側への露出が抑えられている。このため、両構成体303,304の組み付け状態にて、これら案内部318及び摺動部319を破壊することにより、両構成体303,304が分離されるといった不都合が好適に抑制されている。なお、案内部318は、両規制部320,321等により、基板ボックス302の外側に向けて開放された略コ字状をなしている。
また、案内部318の一端部には、摺動部319の挿入口としての開口322が形成されている。この開口322から摺動部319が挿入され、表側構成体304をスライドさせることで、両構成体303,304の組み付けがなされる。裏側構成体303における開口322が形成された側と反対側の端部には両裏側側壁部312と同一方向に起立する奥壁部323が形成されている。奥壁部323は、両側壁部312,315を繋いで設けられており、それら側壁部312,315とともに主制御基板301を収容する収容空間を区画形成している。そして案内部318における開口322と反対側の端部は、奥壁部323の一部によって塞がれている。両構成体303,304が組み合わせられている状態にあっては、摺動部319の一端部が奥壁部323に接触している。すなわち、開口322から挿入され、案内部318に沿って押し込まれた表側構成体304は、奥壁部323に当たることでその移動が規制され、組み付け完了位置への到達を把握可能となっている。
表側構成体304における奥壁部323と反対側の短辺には、裏側構成体303における奥壁部323と反対側の開放部位を覆う蓋部324が形成されている。蓋部324は、表側平板部314から表側側壁部315と同一側に向けて起立する壁状をなしている。そしてこの蓋部324によって、対峙する表側側壁部315が連結されている。上述の如く、両構成体303,304が組み合わせられた状態にて、表側構成体304の開放部位が蓋部324によって塞がれることにより、基板ボックス302内に閉空間が形成される構成となっている。なお、裏側平板部310における奥壁部323が形成された側と反対側の端部にその奥壁部323と向い合う壁部を形成し、裏側構成体303を一方に開放された箱状をなす構成とすることも可能である。かかる場合、表側構成体304の蓋部324を省略するとよい。
図19(a)に示すように、両側壁部312,315の境界部位には、前記案内部318及び前記摺動部319とともに両構成体303,304の結合手段を構成する係止具330が設けられている。詳しくは、裏側側壁部312の端面316には係止具330を取り付けるための有底の取付穴331が形成されており、この取付穴331に係止具330が嵌まった状態となっている。係止具330は、取付穴331の底部に設置される設置部332を有しており、この設置部332と取付穴331の底部とが接着等の結合手段によって結合されることで、係止具330が裏側構成体303に組み付けられた状態となっている。係止具330は、取付穴331から突出可能に設けられた突出片333を有している。突出片333は、バネ部334を介して設置部332と連結されており、取付穴331の軸線方向への移動が許容されている。より詳しくは、突出片333は、取付穴331から突出した状態で配置されているが、取付穴331の軸線方向への外力が加わることで、バネ部334が圧縮され、取付穴331の内部に収容される構成となっている。これら設置部332,突出片333,バネ部334は合成樹脂材料により一体成形されている。なお、バネ部334に代えてコイルバネ等を用いることも可能である。
突出片333は、取付穴331の中心軸線と同一方向に延びる略円柱状をなしており、その表側構成体304側の端部には傾斜面335が設けられている。より詳しくは、傾斜面335は表側構成体304の挿入方向における手前側に形成されている。また、傾斜面335は、奥壁部323から遠ざかるにつれて徐々に端面316側に下っており、傾斜面335が表側構成体304の挿入方向に向けて押されることで、突出片333は取付穴331の中心軸線方向、すなわち突出片333の中心軸線方向に移動しやすくなっている。
また、突出片333の外径は取付穴331の穴径とほぼ同一に設定されており、突出片333の円柱部分における外周面は取付穴331の内周面と接触している。これにより、突出片333の取付穴331の放射方向への移動が規制され、上述の如く取付穴331の軸線方向へ移動する際のがたつきが抑えられている。なお、突出片333の円柱部分における外周面と取付穴331の内周面と接触状態は、突出片333の最大突出位置においても担保されるように設定されている。
表側構成体304の表側側壁部315(詳しくは端面316)には、前記突出片333に対応する有底の丸穴336が形成されている。丸穴336は、表側構成体304が奥壁部323に接触している状態、すなわち組み付け完了位置に到達している状態において、前記取付穴331と相互に連通した状態となるように配置されている。また、丸穴336の穴径は取付穴331の穴径(詳しくは突出片333の外径)とほぼ同一となるように設定されており、当該丸孔336に突出片333が嵌まる構成となっている。このように、突出片333が嵌まった状態においては、突出片の円柱部分の周面が、丸穴336の内周面及び取付穴331の内周面の両者に接触した状態となり、表側構成体304の開口322へ向けての移動(すなわち表側構成体304の取り外し方向への移動)が規制される。
ここで、図19に基づいて、表側構成体304と裏側構成体303との組み付け作業について説明する。なお、両構成体303,304の組み付け時には、図19(b)→図19(c)→図19(d)の順に係止具330が動作する。
表側構成体304を裏側構成体303に取り付けるには、先ず、裏側構成体303の開口322に表側構成体304の摺動部319を挿入する。そして、案内部318に沿って表側構成体304を奥方にスライドさせる(押し込む)。図19(b)に示すように、表側構成体304を所定量スライドさせた場合、摺動部319の端部が係止具330の傾斜面335に当たる。更に表側構成体304を押し込むことで、バネ部334が撓み、突出片333の突出量が減少する。この結果、突出片333が取付穴331に完全に埋没することとなる。かかる状態においては、突出片333は、端面316によって押えられたまま保持される。すなわち、突出片333は、バネ部334によって端面316側に向けて付勢されたまま保持される。表側構成体304が奥壁部323に接触するまで押し込まれた場合、表側構成体304の丸穴336と裏側構成体303の取付穴331とが連通し、バネ部334の付勢力によって突出片333が丸穴336へと突出する。このように突出片333が丸穴336に突出した状態となることで、同突出片333が両穴331,336に引っ掛かり、表側構成体304の取り外し方向への移動が規制される。これにより、表側構成体304と裏側構成体303とが固定された状態となる。
本実施の形態においても第1の実施の形態と同様に、表側構成体304にボックス側切断部340が設けられており、このボックス側切断部340をニッパやカッタ等の工具によって切断することで、ボックス側除去領域341を取り外すことができる。ボックス側除去領域341が取り除かれることで、基板ボックス302の内部空間が開放され、主制御基板301の素子搭載面の一部が露出した状態となる。そしてCPUチップ342を覆う中間構成体のカバー部(図示略)を除去することで、CPUチップの取り外し等も可能となる。
以上詳述した本実施の形態によれば、上記各実施の形態と同様の効果に加え以下の特別な効果を奏する。すなわち、係止具330が2つの側壁部312,315によって挟まれている閉空間内に収容されているため、外部への露出が抑えられている。このため、基板ボックス302の外部からの係止具330へのアクセスが回避される。故に、係止具330を破壊等し、取り外すことによって両構成体303,304の結合状態が不正に解除されるといった不都合の発生を好適に抑えることができる。これにより、更なる防犯性の向上が期待できる。
また、案内部318に沿って表側構成体304をスライド移動させることで組み付けが完了するため、係止具330による固定作業を別途行う必要がない。これにより、組み付け作業の煩雑化を抑制することが可能となっている。そして、作業が簡略化されることにより、作業者の過誤により組み付けが完全に行われないまま、すなわち完全に固定されないまま主制御装置300が流通されるといった不都合を生じにくくすることができる。
さらに、各構成体303,304に形成された案内部318及び摺動部319によって上述の如くスライド装着を可能としつつ、装着完了後の両構成体303,304の離れを規制している。このように案内部318及び摺動部319に、装着性向上と両構成体303,304同士の固定機能とを併せて付与することで、実用上好ましい構成が実現されている。
しかしながら、案内部318及び摺動部319によってスライド装着を可能とすることで上述したような有益な効果を享受できる反面、それら案内部318及び摺動部319が破壊等されることにより、両構成体303,304が分離される可能性が生じ得る。特に、それら案内部318及び摺動部319が表側側壁部315の外壁面315aよりも外側に形成されている場合には、その外壁面315aに沿って切断等されることで破壊の痕跡が巧妙に隠蔽される可能性が生じ得る。かかる場合、不正が行われたことを把握しにくくなる可能性がある。この点、本実施の形態においては、案内部318及び摺動部319は表側側壁部315の外壁面315aよりも内側に配置されており、基板ボックス302の外部からのアクセスが妨げられている。このため、それら案内部318及び摺動部319を除去するには、先ず表側側壁部315等を破壊する必要が生じる。そして、表側側壁部315等を破壊した場合には、その痕跡が開口等として残存することとなる。このように、破壊痕跡を目立ち易くすることで、上述したような破壊痕跡の隠蔽を好適に抑制することができる。故に、防犯性を担保しつつ、組み付け時の作業性の向上を図ることができる。
また、外壁面312a,315aを周壁部312,315間の境界部位を挟んで連続する構成とした。このため、境界部位における両外壁面312a,315aの段差(詳しくは周壁部312,315の厚み方向における段差)が生じにくくなっている。このため、段差部位を外壁面に沿って切除する等して痕跡の発見を困難なものとしつつ、固定具330等へのアクセスがなされるといった不都合を生じにくくすることができる。
両構成体303,304が組み合わせられることで、取付穴331及び丸孔336が連通し、側壁部312,315内に閉空間を形成される構成とした。このように形成された閉空間内に係止具330が収容されるため、基板ボックス302の外部からの係止具330へのアクセスが好適に回避される。これにより、係止具330の係止状態が不正に解除されるといった不都合の発生を抑え、更なる防犯性の向上を貢献することができる。
なお、本実施の形態における技術的思想(詳しくは結合手段を周壁部内に隔離するという技術的思想)を上記第1又は第2の実施の形態に併せて適用することも可能である。
(他の実施の形態)
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
また、複数の実施の形態にて共通で使用している部分名称や部材名称等に関しては、1つの実施の形態で用いられている部分番号や部材番号のみを付属した状態で記載するが、これに限定されるものではない。すなわち、予め指定した他の実施の形態に用いられている部分番号や部材番号を適応することも可能である。
(1)主制御装置の基板ボックスの変形例を、図20(a),(b)に示す。図20(a),(b)は、基板ボックス271,281の変形例を説明するための説明図である。
(1−1)図20(a)に示す基板ボックス271では、ボックス側切断部272が表側構成体273だけでなく裏側構成体274にも形成されている。詳細には、ボックス側切断部272は、裏側構成体274において一対の対向する縁部間に亘って形成された裏側切断部275と、表側構成体273において一対の対向する縁部間に亘って形成された表側切断部276と、を備えている。これら裏側切断部275及び表側切断部276は共に、基板ボックス271の内外に貫通した貫通孔が多数並設されて構成されている。
ボックス側切断部272は、裏側切断部275と表側切断部276とにより、裏側構成体274及び表側構成体273の境界部分を跨いで断続的な環状となっている。また、ボックス側切断部272が形成された位置は、基板ボックス271における一方の短辺部側に偏倚された位置となっている。
上記基板ボックス271においては、ボックス側切断部272をその全周に亘って切断することにより、基板ボックス271の内部空間が開放される。この場合に、主制御基板は、ボックス側切断部272をその全周に亘って切断し基板ボックス271の内部空間を開放した状態において、基板ボックス271内から抜き取り可能なように設けられている。
本構成によれば、上記第1の実施の形態と同様に、基板ボックス271の内部空間の開放に際してはボックス側切断部272を切断すればよいため、裏側構成体274と表側構成体273との固定を、その固定解除を意図しない状態で行ったとしても、主制御基板などの検査の作業性が低下することが抑制される。
(1−2)図20(b)に示す基板ボックス281では、上記第1の実施の形態と同様に、表側構成体282の表面構成部283にボックス側切断部284が形成されている。但し、本構成では、ボックス側切断部284が2重に形成されている。2重のボックス側切断部284のうち、内側のものは表面構成部283において主制御基板のCPUチップ及びその周辺と対向する領域を区画するように形成されている。一方、2重のボックス側切断部284のうち、外側のものは表面構成部283において主制御基板の切除可能な領域と対向する領域よりも外側を区画するように形成されている。本構成によれば、検査の目的に応じて、2重のボックス側切断部284のうち一方を切断すればよい。特に、CPUチップのみの検査に際して切断を要する長さを、上記第1の実施の形態よりも短くすることができる。
(2)主制御装置63の基板ボックス92に形成されたボックス側切断部151の変形例を、図21(a),(b)に示す。図21(a),(b)は、ボックス側切断部151の変形例を説明するための説明図である。
(2−1)図21(a)に示すボックス側切断部151は、基板ボックスの内外に貫通する貫通孔ではなく、有底の溝を形成することにより設けられている。なお、当該溝は横断面V字状に限定されることはなく、U字状であってもよい。本構成であっても、基板ボックスにボックス側切断部151が形成されているため、基板ボックスの内部空間の開放に関して上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本構成においては、ボックス側切断部151にて通気口としての機能が果たされないが、ボックス側切断部151を通じて不正用治具を挿入しようとする行為が行われることはないため、中間構成体103の枠状部131を不具備としてもよい。
(2−2)図21(b)に示すボックス側切断部151は、基板ボックス92の内外に貫通する貫通孔や溝ではなく、基板ボックス92における他の部位を構成する材料よりも強度の弱い材料を適用することにより設けられている。本構成であっても、基板ボックス92にボックス側切断部151が形成されているため、基板ボックス92の内部空間の開放に関して上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本構成においては、ボックス側切断部151にて通気口としての機能が果たされないが、ボックス側切断部151を通じて不正用治具を挿入しようとする行為が行われることはないため、中間構成体103の枠状部131を不具備としてもよい。
(3)主制御装置63の基板ボックス92における、ボックス側切断部151の貫通孔152と中間構成体103の枠状部131との位置関係の変形例を図22に示す。図22は、貫通孔152と枠状部131との位置関係の変形例を説明するための説明図である。
図22に示すように、中間構成体103は表側構成体102の表側壁部121の裏面に当接させて設けられており、中間構成体103の枠状部131はボックス側切断部151の貫通孔152を基板ボックス92の内部空間側において閉塞している。本構成によれば、ボックス側切断部151にて通気口としての機能が果たされないが、ボックス側切断部151を通じて不正用治具を挿入しようとされた場合に基板ボックス92の内部空間に不正用治具が入り込む前に当該不正用治具の侵入を阻止することが可能となる。
(4)上記第1の実施の形態では、枠状部131とカバー部133とを有する中間構成体103を表側構成体102とは別に設けたが、これに代えて、枠状部131及びカバー部133が表側構成体102に一体形成された構成としてもよい。また、中間構成体103として枠状部131のみを設けるとともに、カバー部133を主制御基板91に固定する構成としてもよい。また、枠状部131を表側構成体102に一体形成するとともに、カバー部133を主制御基板91に固定する構成としてもよい。また、中間構成体103を不具備としてもよい。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(5)上記第1の実施の形態では、ボックス側切断部151を表側構成体102に形成したが、当該ボックス側切断部を裏側構成体101に形成してもよい。また、裏側構成体101において所定の領域を囲むようにしてボックス側切断部を形成するとともに、表側構成体102において所定の領域を囲むようにしてボックス側切断部を形成してもよい。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(6)上記第1の実施の形態では、基板側切断部161は枠状に形成されていたが、これに限定されることはなく、基板ボックス92に形成された開口154を通じて取り出し可能な大きさの基板側除去領域163を分離させることができるのであれば、基板側切断部161の形状は任意である。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(7)中間構成体103の柱状連結部132の数や配置位置は、上記第1の実施の形態とは異なるものとしてもよい。また、柱状連結部132においてカバー部133側の根元又は枠状部131側の根元の少なくとも一方に、柱状連結部132の他の部位に比べ脆弱に形成された脆弱部を形成してもよい。この場合、柱状連結部132の切断作業を良好に行うことができる。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(8)上記第1の実施の形態において、CPUチップ93や基板側除去領域163の検査後における仮収容の構成を不具備としてもよい。また、カバー部133に対して仮収容の構成を適用し、CPUチップ93や基板側除去領域163の検査後において、再度カバー部133によりCPUチップ93を覆うことができる構成としてもよい。また、CPUチップ93や基板側除去領域163の検査後における仮収容に際しては、CPUチップ93が搭載される側の板面を裏側構成体101側に向けて仮収容させることを可能とする構成としてもよい。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(9)上記第1の実施の形態では、CPU,ROM,RAMが1チップ化されたCPUチップ93を主制御基板91に搭載したが、これに代えて、ROM専用の素子を主制御基板91に搭載してもよい。この場合、少なくともそのROM専用の素子に関して、上記第1の実施の形態における基板ボックス92の各構成を適用するとよい。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(10)上記第1の実施の形態において、主制御装置63の基板ボックス92は中間構成体103及びコネクタ用プレート104を具備しない構成とするとともに、表側構成体102が長孔部125を具備しない構成としてもよい。この場合、基板ボックス92は一対のボックス構成体101,102から形成されることとなる。また、4個のボックス構成体ではなく、3個又は5個以上のボックス構成体を組み合わせることにより、基板ボックス92が形成される構成としてもよい。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(11)裏側結合部141及び表側結合部142を固定する固定具として、破断ネジ143に代えて、引掛け金具を用いてもよい。この場合、引掛け金具により両結合部141,142を固定した後は当該引掛け金具の抜き取りが不可となる構成とすることで、両結合部141,142の固定解除に際して両結合部141,142の破壊を要することとなる。また、裏側結合部141及び表側結合部142を固定する構成としては、上記のように固定具を用いる構成に代えて、接着剤を用いて両結合部141,142を固定する構成としてもよく、超音波や熱を用いて両結合部141,142を一体化する構成としてもよい。また、両結合部141,142を、基板ボックス92の全ての辺に対して設けてもよい。
(12)上記第1の実施の形態では、裏側周壁部118と表側周壁部122との境界部分には接着剤を塗布するようにしたが、これに代えて、両周壁部118,122を超音波や熱を用いて一体化させてもよい。また、基板ボックス92の全体が、当該基板ボックス92の内部空間を規定する機能を有していてもよい。なお、本構成を、上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態に適用してもよい。
(13)上記第1の実施の形態において、ボックス側切断部151を切断してボックス側除去領域153を除去する場合、当該ボックス側除去領域153は基板ボックス92の内部空間を開放する開口が形成されるように当初の位置から離間されるものの、表側構成体102に対して一部が連結されていることで、表側構成体102側に残る構成としてもよい。
(14)上記第1乃至第3の各実施の形態においては、中間構成体103のカバー部133によってCPUチップ93のみを覆う構成としたが、これに加え、他のICチップ(例えばラッチ用ICチップ95等)を覆う構成としてもよい。
(15)上記第1乃至第3の各実施の形態においては、図8等に示すように、中間構成体103を枠状としたが、中間構成体を主制御基板91側に開放された箱状とすることも可能である。この箱状の中間構成体によって、CPUチップ93を含む素子搭載面97の一部を覆うとよい。かかる場合、中間構成体にも表側構成体102と同様に脆弱部としての切断部を設け、この切断部に沿って中間構成体の一部を切断することで、CPUチップ93等の取り外しが可能となる構成とすればよい。但し、中間構成体を箱状とした場合、主制御基板91に発生する熱がこもりやすくなると想定される。故に、通気孔を多数設定し、放熱性の向上を図ることが望ましい。
(16)上記第1乃至第3の各実施の形態においては、中間構成体103の柱状連結部132全体が同一の強度となるように構成したが、柱状連結部における所定の部位の強度が他の部位の強度に比べて弱くなるように設定してもよい。例えば、柱状連結部の一部に切り欠き等を設けることで、部分的な強度の低下を実現するとよい。
(17)上記第1乃至第3の各実施の形態では、主制御基板91に基板側切断部161を設け、主制御基板91を切断することで、当該主制御基板91の主要部分の取り外しが可能となる構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、主制御基板とその取付け対象のうち、取付対象側(例えば裏側構成体等)を破壊することで、主制御基板の取り外しが可能となる構成としてもよい。かかる場合、取付対象側における主制御基板の固定部周辺に脆弱部を設けるとよい。
(18)上記各実施の形態では、表側構成体102と裏側構成体101とを主制御基板91の素子搭載面97と直交する方向に重ねあわせることで、組み付けを行う構成としたが、主制御基板の素子搭載面と平行な方向に表側構成体と裏側構成体とを相互にスライドさせることで組み付けを行う構成としてもよい。例えば、主制御基板の長手方向にスライドさせるとよい。特に、中間構成体を有する構成においては、当該中間構成体によって素子搭載面が保護されやすくなっている。このため、スライド装着時に、各素子が表側構成体や裏側構成体に当たることで、破損するといった不都合を好適に抑制することができる。
(19)上記第1乃至第3の各実施の形態においては、図10(a)等に示すように、素子搭載面97と直交する方向において、ボックス側除去領域153の周縁部と中間構成体103の枠状部131とが重なる構成とし、ボックス側除去領域153が取り除かれる際には、当該ボックス側除去領域153が基板ボックス92内に倒れこむことを抑制したが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、ボックス側除去領域153の周縁部と中間構成体103の枠状部131とが重なる構成としなくてもよい。かかる場合、ボックス側除去領域153が取り除かれる際には、当該ボックス側除去領域153が基板ボックス92内に倒れこむ可能性が生じる。そこで、カバー部133によってボックス側除去領域153の倒れこみを抑制する構成とすればよい。以下その具体例を示す。
カバー部133に収容されているCPUチップ93は図8等に示すように、素子搭載面97からの突出量が最大となっている。このCPUチップ93を収容するカバー部133もまた、素子搭載面97から大きく突出している。ボックス側除去領域153は除去される際に素子搭載面97側に向けて倒れる等する可能性がある。かかる場合、ボックス側除去領域153が素子搭載面97に当たることで、各ICチップ94等に負荷が生じるおそれがある。しかしながら、上述の如くカバー部133が素子搭載面97から大きく突出していることで、ボックス側除去領域153はカバー部133に当り、他のICチップ94等に当たりにくくなる。このように、カバー部133に素子搭載面97の保護機能を付与することも可能である。
(20)上記各実施の形態においては、CPUチップ93等の取り外し及び露出を規制すべく、カバー部133等によって形成された閉空間内にCPUチップ93等を格納する構成としたが、これを変更し、CPUチップ93等の取り外しのみを規制する構成としてもよい。例えば、CPUチップ93の取り取り外し方向への移動を抑える移動規制部をカバー部の代わりに設けてもよい。
(21)上記各実施の形態においては、基板ボックス92の一部(詳しくはボックス側切断部151)を切断又は破壊することで、主制御基板91を露出させる構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、基板ボックス92を構成する各構成体101,102を封印シールで結合することで主制御基板91を内封し、この封印シールを除去することによって主制御基板91を露出可能な状態とする構成としてもよい。封印シールは、上記実施の形態に示した封印シール145のように、当該封印シールを剥す際にシールの母材が破壊されその破壊の痕跡が残存するものである。主制御基板91を露出した状態とするには、先ず封印シールの除去がなされる。これにより、主制御基板91が露出可能な状態となる。その後、各構成体101,102分離することで、主制御基板91が露出した状態となる。
(22)上記各実施の形態においては、裏側構成体101及び表側構成体102の両者を、互いに対峙する側(主制御基板91側)に向けて解放された箱状をなす構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。裏側構成体101及び表側構成体102の一方を、他方の開放部位を塞ぐ板状をなす構成としてもよい。例えば、図23の(a)に示すように、表側構成体350を板状に形成し、その表側構成体350によって箱状をなす裏側構成体351の開口部位を塞ぐ構成としてもよい。このように表側構成体350によって裏側構成体351の開放部位を覆った場合、表側構成体350にその厚み方向に延び、破断ネジ352を挿入する挿入部353を形成し、その挿入部353に破断ネジ352を収容する構成とするとよい。
また、上記第1の実施の形態に示したように、裏側構成体351の壁面部354に壁面部354の起立方向に延び、破断ネジを挿入する挿入部を形成することも可能である。後者の如く壁面部354に挿入穴を形成することで、表側構成体350に挿入穴を形成する場合と比較して、挿入穴の開口部位から破断ネジまでの距離を大きくしやすい。これにより、主制御装置63の外部からの破断ネジへのアクセスを困難なものとし、破断ネジが不正に取り外されるといった不都合を生じにくくすることができる。
(23)上記各実施の形態においては、両周壁部118,122がそれらの端面119,123にて接触した状態で固定される構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、図23の(b)の基板ボックス355に示すように、両ボックス構成体360,361における両周壁部362,363のうち片方の外壁面を他方の内壁面に接触させる構成としてもよい。より具体的には、両周壁部362,363を基板ボックス355の内外に重ねて配置し、それら両周壁部362,363によって主制御基板91を内外二重に囲う構成としてもよい。かかる場合、外側に位置する外側周壁部363に両周壁部362,363の重なり方向(すなわち外側周壁部363の厚み方向)に向けて延びる挿入部364及び貫通孔365を形成するとともに、内側周壁部361にネジ穴366を形成し、それら貫通孔365及びネジ穴366に挿通された破断ネジ367によって、両周壁部362,363を相互に固定するとよい。但し、かかる構成においては、第1の実施の形態に示した構成と異なり、挿入部364の開口部位から破断ネジ367までの距離を確保しにくいと想定される。すなわち、前記距離を大きくするには外側周壁部363の厚み寸法を大きくする必要があり、このような厚み寸法の増大は放熱性や成形性の悪化等の不都合を招来する可能性がある。故に、上述した挿入部364の開口部位から破断ネジ367までの距離を大きくすることが難しく、主制御装置63の外部からの破断ネジ367へのアクセスが容易なものとなり得る。これは防犯性の観点から望ましいものではないと考えられる。
(24)上記各実施の形態においては、両周壁部118,122の厚みを同一としたがこれに限定されるものではない、いずれか一方が他方に比べて厚くなるように設定してもよい。また、両周壁部118,122の内面が、両周壁部118,122の境界を跨いで連続すると構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、両周壁部118,122の内面が両周壁部118,122の境界部位にて段差状をなす構成とすることも可能である。
(25)上記第1の実施の形態においては、表側構成体102から破断ネジ143による固定を行う構成としたが、裏側構成体101側から固定を行う構成としてもよい。具体的には、裏側構成体101に挿入部及び貫通孔を形成し、表側構成体102にネジ穴を形成するとよい。
(26)上記第1の実施の形態においては、両周壁部118,122の境界部位を側方から覆う遮蔽部124を設けたが、これを設けない構成とすることも可能である。
(27)上記第1の実施の形態においては、遮蔽部124が裏側周壁部118の外周面と接触する構成としたが、それら遮蔽部124が裏側周壁部118の外周面との間に所定のクリアランスを設けてもよい。但し、遮蔽部124は両構成体101,102を組み合わせる際の案内部としての機能を有するが、クリアランスを大きくすると、この案内機能が活用されにくくなり得る。なお、遮蔽部124を表側構成体102ではなく、裏側構成体101に設けることも可能である。
(28)上記第1の実施の形態においては、両周壁部118,122を破断ネジ143及び接着剤の2つの結合手段によって固定したが、これら2つの結合手段のうちいずれか一方のみを用いて固定してもよい。
(29−1)上記第1の実施の形態においては、結合手段として破断ネジ180を適用したがこれを変更し、破断ネジ以外の結合手段を適用することも可能である。
以下、図23の(c)に基づいて具体例を示す。表側構成体370の表側周壁部371及び裏側構成体372の裏側周壁部373には両者を連結する係止金具374が取り付けられている。
より詳しくは、両周壁部371,373には、両者に連続する凹部375が形成されており、その凹部375に係止金具374が配置されている。係止金具374は、両周壁部371,373の境界部位を跨ぐ長板状の本体部376と、本体部376における表側構成体370側の端部から基板ボックス377の内方に向かって延びるアーム部378とを備えている。表側構成体370の表側周壁部371(詳しくは凹部375)には基板ボックス377の内外に貫通する貫通孔379が形成されており、この貫通孔379にアーム部378が挿通された状態となっている。アーム部378の中央には先端側を根元として切り起しされた傾斜部380が形成されている。傾斜部380は、アーム部378の先端側から基端側に向かって、当該アーム部378の外方(すなわち両周壁部371,373の境界部位から離れる側)に開いた状態となっている。傾斜部380の先端部分が表側周壁部371の内壁面に引っ掛かることで、係止金具374の外れが防止されている。このアーム部378は、その根元部分を基端として撓み変形(詳しくは弾性変形)可能となっている。係止金具374が装着される際には、アーム部378が貫通孔379に差し込まれることで傾斜部380が撓み、すなわち折りたたまれる。傾斜部380が貫通孔379を通り抜けた後に、基板ボックス377内において自身の弾性力により元の状態に復帰することで、上述の如く傾斜部380の先端部分が表側周壁部371の内壁面に接触した状態となる。
また、裏側構成体372側についても同様に、本体部376における裏側構成体372側の端部から基板ボックス377の内方に向かって延びるアーム部381が設けられており、同アーム部381の略中央には傾斜部382が形成されている。そして、裏側周壁部373(詳しくは凹部375)には、それらアーム部381及び傾斜部382に対応する貫通孔383が形成されている。これらアーム部381等により、係止金具374が裏側構成体372の裏側周壁部373に取り付けられた状態となっている。このように、係止金具374を取り付けることによって、両周壁部371,373が固定された状態となっている。
(29−2)表側構成体の表側周壁部に係止金具を装着するとともに、裏側構成体の裏側周壁部に係止金具が引っ掛かる受け金具を装着し、それら両金具が引っ掛かることで表側周壁部と裏側周壁部とが固定状態となる構成とすることも可能である。以下、図23の(d)に基づき具体例について説明する。基板ボックス390は上記各実施の形態と同様に主要な構成として表側構成体400と裏側構成体402とを有している。表側構成体400の表側周壁部401と裏側構成体402の裏側周壁部403には相互に連通する穴部404,405が形成されている。表側周壁部401の穴部404には、係止金具410が固定されており、裏側周壁部403の穴部405には、係止金具410と引っ掛かる受け金具420が固定されている。係止金具410は、受け金具420に向かって延びるアーム部411を有しそのアーム部411の略中央には同アーム部411の先端側を根元として切り起しされた傾斜部412が形成されている。傾斜部412は、アーム部411の先端側から基端側に向かって基板ボックス390の内側(すなわち受け金具420側)に開いた状態となっている。一方、受け金具420は穴部405の開口部位に設けられた係止部421を有し、この係止部421によって穴部405の開口が前記アーム部411のみを挿入可能な程度に狭められている。
アーム部411及び傾斜部412はこの開口部位を介して穴部405に挿入されており、傾斜部412の先端が係止部421に引っ掛かった状態となっている。このように両金具410,420が引っ掛かることで、両周壁部401,403が固定された状態となっている。なお、本別例における傾斜部412も上記傾斜部380と同様に撓み変形可能に設けられている。傾斜部412は、穴部405に挿入された際に、係止部421と接触し当該傾斜部412の根元部位を基端として撓む。これにより、係止部421との引っ掛かりが回避され、傾斜部412が穴部405内に収容される。穴部405内にその傾斜部412の全体が嵌まることで弾性力により元の状態に復元し、傾斜部412の先端部分が係止部421に引っ掛かる。このように両金具410,420が引っ掛かかることで、両構成体400,402が固定された状態となる。なお、かかる構成においては、主制御基板91の素子搭載面97の面と平行に両構成体400,402の位置ずれが生じる可能性がある。故に、第1の実施の形態と同様に、遮蔽部430によって両構成体400,402の位置ずれを規制する構成とすることが望ましい。
(30)上記各実施の形態においては、基板ボックス92等の開放を容易とする構成として、ボックス側切断部151等を設けたが、これを省略することも可能である。また、主制御基板91の取り外しを容易化する構成として、基板側切断部161を設けたがこれを省略することも可能である。更には、CPUチップ93を覆う中間構成体103を備える構成としたが、これを省略することも可能である。
(31)上記各実施の形態において主制御装置の基板ボックスに適用した構成を、音声ランプ制御装置66、払出制御装置82、電源及び発射制御装置83といった他の制御装置に対して適用してもよい。
(33)上記各実施の形態では、外側貯留部として上皿57aと下皿58aとを備えたパチンコ機10に本発明を適用したが、これに代えて、単一の外側貯留部を備えたパチンコ機に本発明を適用してもよい。また、停電監視装置を主制御装置63とは別に設けることで、主制御基板91は主制御回路202のみの機能を有する構成としてもよい。
(34)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。
本スロットマシンは、前方に開放された箱状をなす筐体と、当該筐体の開口を塞ぐ前面扉とを備えており、筐体内に制御基板装置が収容されている。この場合に、制御基板装置の基板ボックスにおいてボックス側切断部の形成された面が前面扉を開放した場合に視認可能となるように、制御基板装置を配置することで、ボックス側切断部が切断されているか否かの確認を容易に行うことができる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。