JP2009151026A - 着色組成物、カラーフィルタの製造方法およびカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】顔料、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーおよび光重合開始剤を含有し、かつ、前記透明樹脂の重量(P)に対するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの重量(M)の比(M/P)が、0.12以上1.35以下の範囲にあり、波長340〜380nmのレーザ照射で硬化可能な着色組成物。
【選択図】なし
Description
顔料としては、一般に市販されている有機顔料を用いることができ、形成するフィルタセグメントの色相に応じて、染料、天然色素、無機顔料を併用することができる。
着色組成物に含まれる透明樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂を用いることが出来る。透明樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および感光性透明樹脂が含まれ、これらを単独で用いることもできるが、2種以上混合して用いることが好ましい。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは、波長340〜380nmのレーザを照射することにより硬化する成分である。
着色組成物に含まれる光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。光重合開始剤は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
着色組成物には多官能チオールを含有させてもよく、例としては、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられる。これらの多官能チオールは、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
本発明の第1の実施形態に係る着色組成物は、顔料を、必要に応じて上記顔料分散剤と共に透明樹脂および有機溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散し、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーおよび光重合開始剤を添加して製造することができる。また、2種以上の色素を含む着色組成物は、各色素を別々に、透明樹脂および有機溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
着色塗膜形成工程では、スピンコート法やダイコート法によって、上述した本発明の第1の実施形態に係る着色組成物を塗布し、必要に応じて余分な溶剤を除去することにより、基板上に着色塗膜を形成する。
露光・硬化工程では、前記着色塗膜形成工程で得た着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスとなる部分に、波長340〜380nmのレーザを照射して硬化させる。具体的には、大サイズの基板上に形成された着色塗膜に、基板と比較して小さいフォトマスクを介してレーザを照射し、前記着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスとなる部分を硬化させる。
未硬化部分の除去工程では、前記露光・硬化を施された着色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを形成する。未硬化部分の除去に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、n−ブチルメタクリレート55.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂溶液を得た。
下記表1に示す組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、赤色顔料分散体R−1、緑色顔料分散体G−1、青色顔料分散体B−1、および黒色顔料分散体BM−1を調製した。
(チバ・ジャパン社製「イルガフォーレッドB−CF」)
PR177:アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Red 177)
(チバ・ジャパン社製ズ社製「クロモフタールレッドA2B」)
PG36:ハロゲン化銅フタロシアニン系顔料(C.I. Pigment Green 36)
(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)
PB15:6:ε型銅フタロシアニン顔料(C.I. Pigment Blue 15:6)
(BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)
PY150:ニッケルアゾ錯体系顔料(C.I. Pigment Yellow 150)
(ランクセス社製「E4GN」)
CB :カーボンブラック(C.I. Pigment Black 7)
(三菱化学社製「MA11」)
顔料分散剤:日本ルーブリゾール社製「ソルスパース20000」)
アクリル樹脂溶液:先に調製したアクリル樹脂溶液
溶剤:シクロヘキサノン
[実施例1〜20、比較例1〜14]
先に調製した顔料分散体R−1、G−1、B−1、BM−1を含む、下記表2に示す処方の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、各色着色組成物を得た。
アクリル樹脂溶液:先に調製したアクリル樹脂溶液
光重合開始剤:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー:下記表3に示すモノマー
有機溶剤:シクロヘキサノン
得られた各色着色組成物を10cm×10cmのガラス基板上にスピンコータで約2μmの厚さに塗工し、70℃のオーブン内に15分間静置し、余剰の溶剤を除去乾燥させた。次いで、着色組成物塗膜から150μmの間隔を介して、フィルタセグメントの場合は100μmのストライプ状のフォトマスクを、ブラックマトリックスの場合は20μmのストライプ状のフォトマスクをセットし、下記表4に示す光源を照射した。尚、露光量はコヒレント社製の「3シグマ(本体)PS−10(センサヘッド)」を用いて測定した。
上記実施例および比較例で得られたフィルタセグメントあるいはブラックマトリックスのパタ−ンがフォトマスクの画像寸法とおりに仕上がる照射露光量をもってレジストの感度とした。評価のランクは次の通りである。結果を下記表5〜7に示す。
上記実施、比較例にてフォトマスクの画素寸法とおりに仕上がる照射露光量で形成されたフィルタセグメントあるいはブラックマトリックスの(1)直線性については光学顕微鏡を用いて、(2)断面形状については走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、パターン形状を4段階で評価した。評価基準は、以下の通りである。その結果を上記表5〜7に示す。
○:直線性良好
△:部分的に直線性不良
×:直線性不良
××:画素がほとんど形成されない
(2)断面形状
○:順テーパー形状(断面が台形で、露光した面が小さい)
△:逆テーパー形状(断面が台形で、露光した面が大きい)
×:画素は出来ているが形状を判定するのは困難
××:画素がほとんど形成されない
上記表5〜7に示すように、実施例1〜20においては、着色組成物の処方およびレーザ光源種により多少の差異はあるが、全て感度、パタ−ン形状が実用上遜色のないフィルタセグメントおよびブラックマトリックスが得られた。一方、着色組成物中に含まれる透明樹脂の重量(P)に対するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの重量(M)の比(M/P)が適当でない着色組成物を用いた比較例1,2、および露光光源に波長340〜380nmのレーザ以外の光源を用いた比較例3〜14においては、感度、パタ−ンの直線性および断面形状のいずれかが不良であり、全てが良好となるフィルタセグメントおよびブラックマトリックスは得られなかった。
Claims (7)
- 顔料、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーおよび光重合開始剤を含有し、かつ、前記透明樹脂の重量(P)に対するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの重量(M)の比(M/P)が、0.12以上1.35以下の範囲にあり、波長340〜380nmのレーザ照射により硬化可能であることを特徴とする着色組成物。
- 基板上に着色組成物を用いて着色塗膜を形成する工程と、前記着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスの形成予定領域に、波長340〜380nmのレーザを照射して硬化させる工程と、前記着色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを形成する工程とを具備するカラーフィルタの製造方法に用いられることを特徴とする請求項1に記載の着色組成物。
- 前記レーザの光源が、波長343nmの固体(YAG)レーザ、波長351nmの(XeF)エキシマレーザ、波長355nmの固体(YAG)レーザ、又は波長375nmの半導体レーザのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の着色組成物。
- 前記エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの重量(M)に対する光重合開始剤の重量(I)の比(I/M)が、0.20以上1.00以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の着色組成物。
- 前記エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーが5つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の着色組成物。
- 基板上に、請求項1〜6のいずれかに記載の着色組成物を塗布して着色塗膜を形成する工程と、
前記着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスの形成予定領域に、波長340〜380nmのレーザを照射して硬化させる工程と、
前記着色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを形成する工程と
を具備することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 請求項6に記載のカラーフィルタの製造方法により製造された、フィルタセグメントおよび/またはブラックマトリックスを備えることを特徴とするカラーフィルタ。
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