JP2009150818A - 形状測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】三次元形状を高精度に測定する。
【解決手段】パタン拡散板13により、所定のパタンを有する拡散光が、被検物17に照射され、撮像装置14により、被検物17がパタン拡散板13とは異なる方向から撮像される。また、パタン拡散板13が、撮像装置14の撮影方向に沿った方向に、相対的に所定の移動量を移動させされる。そして、パタン拡散板13の移動の前後で撮像装置14により撮像された2枚以上の画像に基づいて、パタン拡散板13の移動に応じて、撮像装置14の光軸上にある被検物17の表面の測定点に映り込むパタンの位置の変化が解析され、その変化、移動量、および、撮像装置14の光軸上の基準点とパタン拡散板13との距離に基づいて、基準点から被検物17の表面の測定点までの距離が算出される。本発明は、例えば、三次元形状を測定する形状測定装置に適用できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、形状測定装置に関し、特に、三次元形状を高精度に測定することができるようにした形状測定装置に関する。
従来、工業製品の三次元形状を測定する測定装置において、測定の対象である工業製品が、その表面で光を正反射するようなものであるとき、表面(鏡面)への映り込みを利用した測定が行われる。
例えば、特許文献1には、ガラスを被検物とした測定方法が開示されている。その測定方法では、所定のカラーパタンを有する面光源により被検物に光が照射され、被検物の表面に映り込んだパタンが所定の方向から撮像される。そして、被検物の表面に映り込んだパタンの変化に基づいて、被検物の表面の各点での傾き(法線ベクトル)が求められ、各点での表面の傾きが積分されることで被検物の三次元形状が求められる。
このような測定方法において、カラーパタンを有する面光源は、被検物の上方に配置され、拡散性の配光特性を有している。撮像装置は、面光源に対して所定の角度の位置に配置され、被検物を撮像する。撮像装置により撮像された画像に基づき、被検物の表面の所定の測定点で反射して撮像装置に入射した光が、カラーパタンのどの点の光であるかが特定される。そして、その特定されたカラーパタンの点と測定点とを結ぶ線と、測定点と撮像装置とを結ぶ線との成す角度θが解析され、その角度θから、測定点での表面の傾き(即ち、法線方向は、θ/2)が推定される。
また、非特許文献1には、半田を被検物とした測定方法が開示されており、輝度比で符号化されている所定の数の光源により半田を照射し、半田の表面での反射光に基づいて光源の位置を特定することで、半田の接触角を測定する測定方法が開示されている。
特開2006−214914号公報 山田啓一および山本新、「輝度比符号化光源による鏡面角度計測」、豊田中央研究所R&Dレビュー Vol.31 No.3
上述したような測定方法は、被検物の表面の各点での傾きを測定して三次元形状を求めていたため、例えば、表面の各点の位置を直接的に測定して三次元形状を求める測定方法よりも、測定精度が低かった。
即ち、従来の測定方法では、被検物の三次元形状は、所定の基準点から、各点での表面の傾きを基に積算して求められるために測定誤差も積算されてしまい、基準点からの距離が遠くなるに従って測定誤差が多く積算されてしまうので、基準点からの距離が遠くなるに従って測定結果(面の生成)が不安定なものとなる。従って、従来の測定方法では、三次元形状を高精度で測定することが難しかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、三次元形状を高精度に測定することができるようにするものである。
本発明の形状測定装置は、所定のパタンを有する拡散光を、測定の対象である被検物に照射する拡散面光源と、前記拡散面光源からの拡散光が照射されている前記被検物を、前記拡散面光源から前記被検物に向かう方向とは異なる方向から撮像する撮像手段と、前記拡散面光源または前記被検物を、前記撮像手段の撮影方向に沿った方向に、相対的に所定の移動量を移動させる移動手段と、前記移動手段による前記拡散面光源または前記被検物の移動の前後で前記撮像手段により撮像された2枚以上の画像に基づいて、前記拡散面光源または前記被検物の移動に応じて、前記撮像手段の光軸上にある前記被検物の表面の測定点に映り込む前記拡散面光源のパタンの位置の変化を解析する解析手段と、前記解析手段により解析された前記変化、前記移動手段による前記移動量、および、前記撮像手段の光軸上の基準点と前記拡散面光源との距離に基づいて、前記基準点から前記被検物の表面の測定点までの距離を算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
本発明の形状測定装置においては、拡散面光源により、所定のパタンを有する拡散光が、測定の対象である被検物に照射され、撮像手段により、拡散面光源からの拡散光が照射されている被検物が、拡散面光源から被検物に向かう方向とは異なる方向から撮像される。また、移動手段により、拡散面光源または被検物が、撮像手段の撮影方向に沿った方向に、相対的に所定の移動量を移動させられる。そして、解析手段により、移動手段による拡散面光源または被検物の移動の前後で撮像手段により撮像された2枚以上の画像に基づいて、拡散面光源または被検物の移動に応じて、撮像手段の光軸上にある被検物の表面の測定点に映り込む拡散面光源のパタンの位置の変化が解析され、算出手段により、解析手段により解析された変化、移動手段による移動量、および、撮像手段の光軸上の基準点と拡散面光源との距離に基づいて、基準点から被検物の表面の測定点までの距離が算出される。
本発明の形状測定装置によれば、基準点から被検物の表面の測定点までの距離が直接的に算出されるので、三次元形状を高精度に測定することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した形状測定装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
図1において、形状測定装置11は、プロジェクタ12、パタン拡散板13、2つの撮像装置14Aおよび14B、ステージ15、並びに制御計測部16から構成される。
プロジェクタ12は、例えば、所定のパタンの像をパタン拡散板13に投影するものであり、ステージ15に載置されている被検物17の鉛直方向上方に配置されている。このプロジェクタ12は、各位置の像における主光線が互いに平行となる像側テレセントリック光学系を備えている。プロジェクタ12が投影するパタンは、その像の光学的な特徴(例えば、色や、濃度、偏光方位など)が、パタン拡散板13上の投影位置に応じて異なっている。また、プロジェクタ12は、被検物17、または、その光軸上に配置されるパタン拡散板13のいずれにも焦点を合わせることができる。
パタン拡散板13は、プロジェクタ12の撮影方向上であって、プロジェクタ12と被検物17との間に配置され、プロジェクタ12から投光される所定のパタン像の光を拡散する。即ち、プロジェクタ12とパタン拡散板13とにより、鏡面状態となっている被検物17を介してパタン拡散板13にあるパタンを2つの撮像装置14Aおよび14Bで撮影できるようになっている。プロジェクタ12から投影されるパタンが被検物17の表面に写り込む。
また、パタン拡散板13には、図示しない移動機構が取り付けられており、パタン拡散板13は、制御計測部16の制御に従って、撮像装置14Aおよび14Bの撮影方向に沿って移動可能とされている。
また、パタン拡散板13は、プロジェクタ12の撮影方向に対して直交する回転軸を中心に回転可能とされ、パタン拡散板13を回転させることで、プロジェクタ12の撮影方向上に挿抜可能とされている。例えば、パタン拡散板13が、プロジェクタ12の撮影方向に対して垂直な平面に沿って、その撮影方向上に挿入されているとき、プロジェクタ12からのパタン像の光が拡散される。一方、パタン拡散板13が、回転軸を中心に90度回転して、プロジェクタ12の撮影方向から抜き出されているとき、即ち、図1においてパタン拡散板13が破線で示されている状態とされたとき、パタン拡散板13は、プロジェクタ12から投影される光線の光路から退避され、プロジェクタ12からの投影光が被検物17に直接投影される。
撮像装置14Aおよび14Bは、被検物17に映り込むパタン拡散板13の像に合焦するように焦点が設定されており、被検物17に映り込むパタン拡散板13の像、即ち、プロジェクタ12から投光され、パタン拡散板13により拡散されたパタンの像を被検物17を介して撮像する。また、形状測定装置11では、2つの撮像装置14Aおよび14Bを設けて、2方向から被検物17の撮像を行うことにより、例えば、1つの撮像装置を用いて撮像を行う場合よりも、被検物17の形状の影響を受け難くすることができる。
ステージ15には、被検物17が載置される。ステージ15には、図示しない駆動機構が取り付けられており、ステージ15は、制御計測部16の制御に従って、被検物17を移動または回転させる。即ち、ステージ15は、被検物17の任意の表面が、撮像装置14Aまたは14Bに対して正対するように、被検物17の位置や角度を変更させる。
制御計測部16は、移動制御部21、解析部22、算出部23、パタン生成部24、および駆動制御部25を有しており、形状測定装置11の各部を制御し、撮像装置14Aおよび14Bにより撮像された画像に基づいて、被検物17の三次元形状を計測する。
移動制御部21は、パタン拡散板13を移動させる移動機構を制御し、パタン拡散板13を、撮像装置14Aまたは14Bの光軸方向に沿って、あらかじめ設定されている移動量(図2のδZ)だけ移動させる。
解析部22には、撮像装置14Aおよび14Bにより撮像された画像が供給され、解析部22は、図2を参照して後述するように、その画像に基づき、パタン拡散板13の移動に応じて、被検物17の所定の測定点に映り込むパタンの変化を解析する。
算出部23は、解析部22により解析された変化、パタン拡散板13または被検物17の移動量、並びに、撮像装置14Aおよび14Bの光軸上の基準点とパタン拡散板13との距離に基づいて、その基準点から被検物17の所定の測定点までの距離を算出する。
パタン生成部24は、プロジェクタ12からパタン拡散板13に投影させるパタンを生成する。例えば、パタン生成部24は、被検物17の設計時の寸法データに基づいて、被検物17の傾斜勾配の大きさを特定し、その勾配に応じてパタンのピッチを変えたパタンをプロジェクタ12の中の液晶パネルを制御することにより発生させる。
例えば、被検物17の寸法データに基づいて被検物17が曲面を有していることが特定され、その曲面の法線が、プロジェクタ12の光軸に対して一定以上の角度を有しているとき、その曲面に投影されるパタンの変形が大きくなるので、撮像された画像に映り込むパタンのピッチが広く(グリッドが粗く)なり、測定精度(分解能)が低下する。そこで、パタン生成部24は、被検物17の形状に応じて、そのような曲面に投影されるパタンのピッチを狭くし、曲面に映り込むパタンが略格子状(グリッド密度が略一定)となるようなパタンを生成する。これにより、曲面に映り込むパタンのピッチの間隔が略一定となる画像が撮像され、曲面の測定精度を向上させることができる。
駆動制御部25は、ステージ15を駆動させる駆動機構を制御し、ステージ15に載置されている被検物17を、図1に示されているX軸、Y軸、およびZ軸のそれぞれの方向に移動させ、X軸、Y軸、およびZ軸のそれぞれを回転軸として回転させる。例えば、駆動制御部25は、ステージ15に載置されている被検物17を、撮像装置14Aまたは14Bの光軸方向に沿って、あらかじめ設定されている移動量(図3のδZ)だけ移動させる。
また、例えば、形状測定装置11では、被検物17の表面を複数の領域に分割して測定が行われ、駆動制御部25が、ステージ15に載置されている被検物17を移動および回転させて、複数の領域の表面を、順次、撮像装置14Aまたは14Bに対して正対させる。このように、それぞれの領域を撮像装置14Aまたは14Bに対して正対させて順次測定を行うことで、被検物17の広い範囲を正確に測定することができる。
次に、図2を参照して、形状測定装置11による形状測定方法について説明する。
図2では、撮像装置14は、鉛直方向下方に光軸を向けて設けられており、その撮影方向上に被検物17が配置されている。
パタン拡散板13は、撮像装置14の撮影方向とは異なる方向の位置、即ち、被検物17の斜め上方向の位置に、撮像装置14の光軸に対して垂直な平面に平行となるように設けられている。パタン拡散板13は、撮像装置14の撮影方向に沿って移動可能とされており、図2において、実線で示されているパタン拡散板13の位置を基準とし、この基準位置のパタン拡散板13を移動量δZだけ下方に移動させた移動位置のパタン拡散板13’が点線で示されている。
撮像装置14は、基準位置のパタン拡散板13を光源として、被検物17の撮像を行い、パタン拡散板13が移動量δZだけ下方に移動した後、移動位置のパタン拡散板13’を光源として、被検物17の撮像を行う。即ち、撮像装置14は、パタン拡散板13の移動の前後で、被検物17を2回撮像し、2枚の画像を取得する。パタン拡散板13の移動の前後において、被検物17の表面に映り込むパタン拡散板13の位置が変わるため、写り込んだパタンが異なり、その2枚の画像から、パタン拡散板13の写り込んだ位置の変化を解析することにより、被検物17の高さを求めることができる。
ここで、基準位置のパタン拡散板13を含む平面と撮像装置14の光軸との交点を基準点P0とし、撮像装置14の光軸と被検物17の表面との交点を測定点P1とし、基準点P0から測定点P1までの距離をHとする。
また、被検物17の表面の測定点P1で正反射して撮影方向に沿って撮像装置14に入射する拡散光の光源となる基準位置のパタン拡散板13上の点を光源点P2とする。即ち、基準位置のパタン拡散板13の光源点P2からの拡散光が、被検物17の表面の測定点P1で正反射して撮像装置14に入射し、撮像装置14の撮像面には光源点P2の像が写っている。
また、パタン拡散板13を移動させた後に、被検物17の表面の測定点P1で正反射して撮影方向に沿って撮像装置14に入射する拡散光の光源となる移動位置のパタン拡散板13’上の点を光源点P3’とする。即ち、移動位置のパタン拡散板13’の光源点P3’からの拡散光が、被検物17の表面の測定点P1で正反射して撮像装置14に入射し、光源点P2の像が写っていた撮像面上の位置には光源点P3’が写る。光源点P3’は、測定点P1と光源点P2とを結ぶ直線上にある。ここで、移動位置のパタン拡散板13’の光源点P3’に対応する基準位置のパタン拡散板13上の点を光源点P3とする。
ここで、プロジェクタ12が投光するパタンは既知であり、そのパタン拡散板13上の各点の位置は、パタンにより特定することができる。即ち、基準位置のパタン拡散板13の光源点P2と光源点P3との距離(光源点P2と光源点P3’との水平方向の距離)δLは既知である。また、パタン拡散板13と撮像装置14との距離(位置関係)は、形状測定装置11の設計時において既知であるので、撮像装置14の光軸上の基準点P0と、パタン拡散板13の光源点P2の距離Lは既知である。
そして、光源点P2と光源点P3’とを結ぶ直線と、光源点P3’と光源点P3とを結ぶ直線との成す角度をθとすると、光源点P2と光源点P3との距離δLと、パタン拡散板13の移動量δZとは、tanθ=δL/δZの関係を有する。上述したように、光源点P2と光源点P3との距離δLと、パタン拡散板13の移動量δZとは既知であるので、この関係に基づき、角度θを求めることができる。
また、パタン拡散板13は、撮像装置14の光軸に沿って移動するので、光源点P3と光源点P3’とを結ぶ直線は、撮像装置14の光軸と平行、即ち、基準点P0と測定点P1とを結ぶ直線と平行である。従って、光源点P2と測定点P1とを結ぶ直線と、測定点P1と基準点P0とを結ぶ直線との成す角度もθであり、基準点P0と光源点P2との距離Lと、基準点P0と測定点P1との距離Hとは、tanθ=L/Hの関係を有する。
上述したように、基準点P0と光源点P2との距離Lは既知であるとともに、tanθ=δL/δZの関係から角度θが求められるので、tanθ=L/Hの関係より、基準点P0と測定点P1との距離Hを求めることができる。そして、基準点P0と測定点P1との距離Hに基づいて、被検物17の測定点P1での高さ(例えば、ステージ15に載置されている面からの高さ)を求めることができる。
図2では、基準点P0に対する被検物17の高さの求め方について説明したが、撮像装置14の撮像素子の各画素を基準点として、画素単位で同様の処理を行うことで、各画素の鉛直方向下方にある測定点の高さを求めることができ、これにより、被検物17の表面の各測定点の位置(座標)を測定することができる。
以上のように、形状測定装置11では、パタン拡散板13の移動の前後で撮像装置14により撮像された画像に基づいて、被検物17の表面の各測定点の位置を直接的に測定するので、被検物17の三次元形状を高精度に測定することができる。
即ち、従来の測定方法では、被検物の表面の傾きを測定し、その傾きを積算(積分)することで三次元形状を求めていたため、測定誤差が積算され、測定精度が低かった。これに対して、形状測定装置11の測定方法では、被検物17の表面の各測定点の位置を直接的に測定するので、測定誤差が積算されることがなく、測定精度を向上させることができる。
また、図2の形状測定方法においては、パタン拡散板13の移動の前後で被検物17の表面に映り込むパタンの変化に基づいて測定が行われるが、例えば、パタン拡散板13を固定したまま被検物17を移動させ、被検物17の移動の前後でその表面に映り込むパタンの変化に基づいて測定を行うことができる。
即ち、図3を参照して、被検物17を移動させて行われる形状測定方法について説明する。
図3では、図2と同様に、パタン拡散板13、撮像装置14、および被検物17が配置されている。また、被検物17は、撮像装置14の撮影方向に沿って移動可能とされており、図3において、実線で示されている被検物17の位置を基準とし、この基準位置の被検物17を移動量δZだけ上方に移動させた移動位置の被検物17’が点線で示されている。
撮像装置14は、基準位置の被検物17の撮像を行い、被検物17が移動量δZだけ移動した後、移動位置の被検物17’の撮像を行う。即ち、撮像装置14は、被検物17の移動の前後で、被検物17を2回撮像し、2枚の画像を取得する。被検物17の移動の前後において、その表面に映り込むパタンが異なり、その2枚の画像から、それぞれのパタン拡散板13の写り込んだ位置の変化を解析することにより、被検物17の高さを求めることができる。
ここで、図2と同様に、パタン拡散板13を含む平面と撮像装置14の光軸との交点を基準点P0とし、撮像装置14の光軸と基準位置の被検物17の表面との交点を測定点P1とし、基準点P0から測定点P1までの距離をHとする。また、基準位置の被検物17の表面の測定点P1で正反射して撮影方向に沿って撮像装置14に入射する拡散光の光源となる基準位置のパタン拡散板13上の点を光源点P2とする。
また、被検物17を移動させた後、移動位置の被検物17’の表面と撮像装置14の光軸との交点を測定点P1’とし、測定点P1’で正反射して光軸に沿って撮像装置14に入射する拡散光の光源となるパタン拡散板13上の点を光源点P3とする。
ここで、基準位置の被検物17の表面の測定点P1と、移動位置の被検物17’の表面の測定点P1’とは同一の点であり、その表面の傾きは同一であるので、光源点P2と測定点P1とを結ぶ直線と、測定点P1と基準点P0とを結ぶ直線との成す角度θと、光源点P3と測定点P1’を結ぶ直線と、測定点P1’と基準点P0とを結ぶ直線との成す角度θとは同一である。
従って、tanθ=L/H=(L−δL)/(H−δZ)の関係が成り立ち、上述したように、光源点P2と光源点P3との距離δL、被検物17の移動量δZ、および基準点P0と光源点P2との距離Lは既知であるので、基準点P0と測定点P1との距離Hを求めることができる。同様に、被検物17の表面の各測定点の位置(座標)を測定することができる。
以上のように、形状測定装置11では、被検物17の移動の前後で撮像装置14により撮像された画像に基づいて、被検物17の表面の各測定点の位置を直接的に高精度で測定することができる。
なお、図3に示すように、被検物17を移動させる場合には、撮像装置14に、両側テレセントリックな光学系を用いることで、撮像装置14により撮像される被検物17の大きさが、移動の前後で変わらないようにすることができる。これにより、被検物17の大きさが変化する場合には、その変化を補正する処理を行う必要があるが、そのような処理を行うことなく、被検物17の三次元形状を容易に測定することができる。
また、図1に示すように、パタン拡散板13を回転させて退避させ、プロジェクタ12から投光されるパタン像を被検物に直接照射して、パタン投影式の三角測量を行うことにより、拡散面の表面を有する被検物、即ち、その表面で光を正反射しない被検物を測定することができる。即ち、形状測定装置11では、光を表面で正反射する被検物、および、光を表面で拡散する被検物のいずれの三次元形状も測定することができ、被検物の表面性状により測定方法を切り替えて測定を行うことができる。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
本発明を適用した形状測定装置の一実施の形態の構成例を示す図である。 パタン拡散板13を移動させて行われる形状測定方法について説明する図である。 被検物17を移動させて行われる形状測定方法について説明する図である。
符号の説明
11 形状測定装置, 12 プロジェクタ, 13 パタン拡散板, 14Aおよび14B 撮像装置, 15 ステージ, 16 制御計測部, 17 被検物, 21 移動制御部, 22 解析部, 23 算出部, 24 パタン生成部, 25 駆動制御部

Claims (4)

  1. 所定のパタンを有する拡散光を、測定の対象である被検物に照射する拡散面光源と、
    前記拡散面光源からの拡散光が照射されている前記被検物を、前記拡散面光源から前記被検物に向かう方向とは異なる方向から撮像する撮像手段と、
    前記拡散面光源または前記被検物を、前記撮像手段の撮影方向に沿った方向に、相対的に所定の移動量を移動させる移動手段と、
    前記移動手段による前記拡散面光源または前記被検物の移動の前後で前記撮像手段により撮像された2枚以上の画像に基づいて、前記拡散面光源または前記被検物の移動に応じて、前記撮像手段の光軸上にある前記被検物の表面の測定点に映り込む前記拡散面光源のパタンの位置の変化を解析する解析手段と、
    前記解析手段により解析された前記変化、前記移動手段による前記移動量、および、前記撮像手段の光軸上の基準点と前記拡散面光源との距離に基づいて、前記基準点から前記被検物の表面の測定点までの距離を算出する算出手段と
    を備えることを特徴とする形状測定装置。
  2. あらかじめ特定されている前記被検物の形状に基づいて、前記拡散面光源が照射する拡散光のパタンを生成するパタン生成手段
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。
  3. 前記拡散面光源は、
    前記パタンを有する指向性の高い光線を投光する投光手段と、
    前記投光手段の光軸上に挿抜可能に配置され、前記投光手段からの光線を拡散する拡散板と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。
  4. 前記被検物を回転駆動させ、前記被検物の任意の表面を前記投影手段に対して正対させる駆動手段
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。
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JP2008039767A (ja) * 2006-08-01 2008-02-21 Mitsubishi Electric Research Laboratories Inc 反射性物体の表面の形状を検知する方法及びシステム
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