JP2009150541A - ソレノイド駆動電流のスイッチング周波数の分析によって、ソレノイドバルブの可動要素がソレノイドの通電に続くその端位置に到達する瞬間を決定する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユニエアーと呼ばれるタイプの内燃機関エンジンのバルブを制御するための電気油圧式のソレノイドバルブの制御方法を提供する。
【解決手段】ソレノイドバルブの可動要素は、実質的に定電流値を中心に電流の増大と減少とに対応する、ソレノイドの充電相と放電相とを交番させるように、定電圧での相とゼロ電圧での相を交互にするソレノイドへの適用によって移動する。定電圧での相とゼロ電圧での相を交互にすることが制御され、その結果、定電圧での相が所定時間の間に維持され、減少する電流が所定値に到達するときに、ゼロ電圧での相が終了する。あるいは、増加した電流が所定値に達してゼロ電圧での相が所定時間維持されるときに、定電圧での相が終了することを想定することは可能である。あるいは、増加する電流又は減少する電流が所定値に到達するときに、定電圧での相及びゼロ電圧での相の両方が終了する。
【選択図】図2

Description

本発明は、一般に、ソレノイドバルブの制御に関する。本発明は、特に、ソレノイドバルブの可動要素がソレノイドの通電に続く移動の端位置に到達する瞬間を決定するための方法に関する。
ソレノイドバルブにおいて、ソレノイドへの駆動電流の適切なプロファイルの適用を通じて、ソレノイドバルブの開いた状態及び閉鎖状態に対応する二つの移動の端(end-of-travel)の位置の間で開閉要素の機能を有する可動部(movable part)を動かす(displace)ことは可能である。
本発明に係る方法は、前記移動の端の位置がバルブの閉鎖状態に対応する通常開いたソレノイドバルブと、前記移動の端の位置がバルブの開いた状態に対応する通常閉鎖したソレノイドバルブと、に適用可能である。
ソレノイドの通電の瞬間と開閉要素により移動の端の位置への到達との間に経過する時間(作動時間)の計測は、バルブのロバスト(robust)制御のために基本的な重要性を仮定する。前記必要性は、例えば、エンジンの吸気バルブ及び/又は排気バルブの電気油圧式の作動を備えた内燃機関エンジンのコントロールシステムの場合に特に感じられる。前記適用(application)において、エンジンバルブの動作用の装置におけるオイルの通過を調節するソレノイドバルブの動作の時間(開口又は閉鎖の時間として理解される)を制御し続けることは非常に重要である。
本発明の特に重要な適用は、本出願人(例えば、特許文献1を参照のこと)によって提案されたユニエアー(UNI-AIR)と呼ばれるタイプの内燃機関エンジンのバルブを制御するための電気油圧式を目的としている(aimed at)。各エンジンバルブに対応して、エンジンのカムシャフトによって駆動されたタペットの動きをエンジンバルブに伝える加圧油圧チャンバが存在し、前記加圧油圧チャンバは通常開いたソレノイドバルブによって排出部(exhaust)と連通している。ソレノイドバルブのソレノイドが通電された(energized)とき、前述の連通が遮断され、前述の加圧油圧チャンバは、油圧で作動カムの動きをエンジンバルブに伝える。ソレノイドが非通電となるとき、加圧された流体は、各戻しバネの結果としてエンジンバルブの迅速な閉鎖をもたらすように前述の加圧油圧チャンバから放出され、それにより、エンジンバルブをその作動カムから独立にする。
ソレノイドバルブの可動要素が移動の端の位置に到達する瞬間を決定するための方法が既に提案されている。例えば、特許文献2及び特許文献3(本出願人の名で出願されている)を参照すること。前記瞬間は、ソレノイドに供給される、電流及び/又は電圧のプロファイルの分析によって同定される。
ヨーロッパ特許出願第1 653 057号(EP 1 653 057 A1) 国際公開第9413991号(WO-A-9413991) ヨーロッパ特許公開第1 533 506号(EP 1 533 506 A2)
本発明の目的は、方法自体を実現するように設計された電子的処理手段とそれに使用されるソフトウェアとの両方の実質的な単純化を可能にし、さらに、電子処理装置をソレノイドに接続するための回路のインピーダンスの変化に本質的に反応しにくい(したがって、容易に制御可能である)、上述したタイプの方法を提供することである。ここで、回路のインピーダンスの変化は、例えば、コネクタの老化(ageing)でもたらされた接触抵抗の変化により、あるいはケーブル長さの起こりうる変化により、起こる。
上記目的を達成するために、本発明の主題(subject)は、ソレノイドバルブの可動要素が、ソレノイドの通電に続く移動の端の位置に到達する瞬間を決定する方法であって、
前記可動要素は、実質的に定電流値を中心にして(around)電流の増加及び減少に対応したソレノイドの充電(charging)での相及び放電(discharging)での相の交番を生じさせるように、定電圧での相及びゼロ電圧での相を交互にすることをソレノイドに適用すること(application)によって移動し、
定電圧での各相が一定時間の間維持されて、減少した電流が所定値に達したときにゼロ電圧での各相が終了するように、あるいは、その代わりに、
増加した電流が所定値に達したときに定電圧での相が終了して、ゼロ電圧での相が一定時間の間維持されるように、あるいは、その代わりに、
増加する電流あるいは減少する電流が所定値に到達するときに定電圧での相及びゼロ電圧での相の両方が終了するように、定電圧での相及びゼロ電圧での相を交互にすることが制御され、
前述の充電相及びその後の放電相から構成された各サイクルの期間は、絶えずモニターされ、前述の移動の端の位置に到達する瞬間は、所定の閾値より長い期間の違いを与える(present)、充電及び放電の二つの連続したサイクルを分離する瞬間として同定される(identified)。
理解されるように、本発明に係る方法は、電流の閾値が到達したかどうかに応じて、二つの工程の少なくとも一つが実行される充電相及び放電相の交番(スイッチング)によって、ソレノイドを流れる電流が始動する(set up)ことを提供するソレノイドバルブの可動要素の動き検出するために用いられる。
上記特徴のおかげで、ソレノイドに提供するための電流及び/又は電圧のプロファイルの分析を通じて同じ目的を達成する既知の方法と比較して、いくつかの実質的な利点が、本発明に係る方法によって達成することができる。特に、周波数の変化の量が検出されたと仮定すると、スイッチングの瞬間の決定に到達するために電圧及び/又は電流の値を正確に分析することは必要ではない。このことにより、信号を処理するために必要なハードウェア及びソフトウェアの相当な低下が可能になる。更に、当該システムは、例えば、コネクタの老化のためにコネクタの接触抵抗の変化や、ケーブル等の長さでの起こり得る(possible)変化のような、ソレノイドへの接続のための回路のインピーダンスの変化に対して本質的にそれほど敏感ではない(したがって、より容易に制御可能である)。
本発明についてのより良い理解は、制限しない実施例としてのみ提供された添付図面の助けによって得られるだろう。
上述したユニエアー(UNI-AIR)タイプの、内燃機関エンジンのバルブを可変駆動するためのシステムを制御するためのソレノイドバルブの特定のケースにおいて、ソレノイドそれ自体の通電及び非通電(de-energization)の全サイクル(complete cycle)の間にソレノイドを流れる電流の時間における変化が図1に示されている。ソレノイド駆動電流のプロファイルは、ゼロ電圧(放電相(discharging phase))と交互にして、定電圧(充電相(charging phase))によってソレノイドにわたって(across)決定される。
図示された特定のケースにおいて、ソレノイドバルブの可動要素の移動をもたらす前磁化電流の第一のレベルと、第二のピークのレベルと、可動要素がその移動の端(end-of-travel)の位置に到達した後に可動要素を適所に(in position)維持するための保持電流の第三の低いレベルとが想定されている。
到達した電流のレベルは、充電相及び放電相の期間に依存する。特に、電流の一定の平均レベルを維持するために、充電相と放電相との間での迅速な交番(スイッチング)に頼る(recourse)。
図1に図示されたケースにおいて、電流のピーク値を中心に切り替わる(switching)領域において、充電相が一定時間の間で行なわれるが、電流の閾値ipeak MINが到達したとき、放電相が中断される(interrupted)。
ソレノイドバルブの可動要素の移動(ピーク電流によって供給されたエネルギーの結果として得られる)は、インダクタンスの変化(variation)をもたらす。インダクタンスの変化(variation)は、ソレノイドにわたって(across)電圧の変化に帰着する。前記現象は、知られており、引用された国際公開第9413991号(WO-A-9413991)、及びヨーロッパ特許公開第1 533 506号(EP 1 533 506 A2)において、既に強調されている。
図2に図示されるように、インダクタンスの前述の変化は、スイッチング周波数の必然的な変化に導く。図から分かるように、充電相は、一定の時間(fixed-time)の制御の下にあるので、インダクタンスの変化の前記現象は、電流が図2においてBで示された最大値にまだ到達していないとき、図2においてAで示されたサイクルの第一の(first)シリーズ(series)に対して、充電相が終了する。したがって、サイクルAの間に、電流が低い閾値Cに戻るための時間が短くなる。その代りに、図2におけるサイクルDにおいて、電流は、充電相のための所定の時間で値Bになんとか到達する。その結果、電流が最大値Bから閾値Cまで戻るための時間が、長くなる。
もう一度、図2を参照する。グラフEは、ソレノイドバルブの可動要素がその移動の端の位置に到達する瞬間を正確に同定する目的で実験的に用いられた加速度計(accelerometer)のトレースを示す。図から分かるように、前記瞬間の直前では、ソレノイドの充電及び放電の全サイクルの期間(duration)が、時間t1に等しいが、前述の瞬間直後では、ソレノイドの充電及び放電の全サイクルの期間(duration)が、時間t2(ここで、t2>t1)に等しい。実際上、本発明に係る方法において、ソレノイドの充電及び放電の各サイクルの期間(duration)tは、絶えずモニターされる。また、可動要素の移動の端の位置の到達する瞬間は、充電及び放電の二つの連続したサイクルを分割する瞬間と同一視される(identified with)。それらの期間は、所定の閾値の時間より長い時間で互いに相違している。
もちろん、電流の最大閾値に到達するときに各充電相が終了して各放電相が一定時間の間維持されるように、あるいは、増加する電流あるいは減少する電流が所定値に到達するときに定電圧での相及びゼロ電圧での相の両方が終了するように、ソレノイドの充電及び放電のサイクルが制御されることになっていた場合においても、同じ結果が得られる。
既に上述したように、上述の特徴のおかげで、さらに、例えばバルブのソレノイドと電子制御装置との間での接続における接触の老化(ageing)によって起こり得る外乱(disturbance)に対するシステムの鈍感さ(insensitivity)のおかげで、本発明に係る方法は、方法を実現するように構成された電子的処理手段の単純化の見地から、及び、より大きなロバスト性(robustness)とより便利なキャリブレーションとの見地から、既知の方法と比較して利点を与える。
もちろん、本発明の原理を損なうことなく、構造の細部及び実施態様は、本発明の範囲から逸脱することなく、実施例のみとして本願明細書に記述され図示されたものを幅広く変更してもよい。
その第一の移動の端の位置からその第二の移動の端の位置に、そして再び第一の移動の端の位置に、バルブの可動要素をもたらすソレノイド駆動電流のプロファイルを示す。 ソレノイドの通電に続く移動の端の位置にバルブの可動要素が到達する瞬間の直前及び直後にソレノイドの充電及び放電のサイクルの期間の変化を示す。
符号の説明
A:サイクル
B:最大値
C:低い閾値
D:サイクル

Claims (5)

  1. ソレノイドバルブの可動要素が、ソレノイドの通電に続く移動の端の位置に到達する瞬間を決定するための方法であって、
    前記可動要素は、実質的に定電流値を中心にして電流の増加及び減少に対応したソレノイドの充電相及び放電相の交番を生じさせるように、定電圧での相及びゼロ電圧での相を交互にすることをソレノイドに適用することによって移動し、
    定電圧での各相が一定時間の間維持されて、減少した電流が所定値に達したときにゼロ電圧での各相が終了するように、あるいは、その代わりに、
    増加した電流が所定値に達したときに定電圧での相が終了して、ゼロ電圧での相が一定時間の間維持されるように、あるいは、その代わりに、
    増加する電流又は減少する電流が所定値に到達するときに定電圧での相及びゼロ電圧での相の両方が終了するように、定電圧での相及びゼロ電圧での相を交互にすることが制御され、
    前述の充電相及びその後の放電相から構成された各サイクルの期間は、絶えずモニターされ、前述の移動の端の位置に到達する瞬間は、所定の閾値より長い期間の差異を与える、充電及び放電の二つの連続したサイクルを分離する瞬間として同定されることを特徴とする方法。
  2. 前記方法は、ソレノイドバルブの可動要素がソレノイドバルブの開いた状態に対応するその移動の端の位置に到達する瞬間を決定するために、通常閉じたソレノイドバルブに適用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記方法は、ソレノイドバルブの可動要素がソレノイドバルブの閉鎖状態に対応するその移動の端の位置に到達する瞬間を決定するために、通常開いたソレノイドバルブに適用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ソレノイドバルブが、内燃機関エンジンの吸気バルブ及び/又は排気バルブを可変駆動するための電気油圧装置で用いられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記電気油圧装置は、各エンジンバルブに対応して、エンジンのカムシャフトによって駆動されたタペットの動きを伝える加圧油圧チャンバが存在し、前記加圧油圧チャンバがソレノイドバルブによって排出部と連通し、その結果、前記連通が確立されたときには、各戻りバネの結果としてエンジンバルブの迅速な閉鎖がもたらされ、エンジンバルブをその作動カムから独立にするタイプのものであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
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