JP2009149447A - 小物部品の流出制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品に対して十分な制動力を付与することができ、しかも、滑らかな部品の滑動ができる小物部品の流出制御装置。
【解決手段】小物部品33のガイドシュータ10が、滑り板21と縦壁板10aによって構成され、滑り板21の先端部と磁性材料製の吸引部材30との間に非磁性金属材料製の接続部材40が取り付けられ、接続部材40の幅は小物部品33の大きさに応じて所定の寸法とされ、滑り板21に溶接した補助部材43と吸引部材30に電磁石44の鉄心45を密着させ、吸引部材30と接続部材40とが溶接された予備組立品を滑り板21の端部に設けた四角い切欠き部にはめ込んで滑り板21に溶接し、接続部材40の近傍における吸引部材30の表面31と滑り板21の表面によって小物部品33の吸引領域48が形成されている。
【選択図】図2

Description

この発明は、プロジェクションナットやボルト等の小物部品を供給する分野におけるものであり、例えば、小物部品の収容箱と目的箇所との間に架設されたガイドシュータに対して適用するものである。
小物部品の収容箱からガイドシュータが突出し、このガイドシュータが小物部品の供給先であるパーツフィーダのボウル等に伸びているものが知られている。このような技術は特開平6−316318号公報に記載されている。
また、ガイドシュータ上を移動する製品に対して磁気的な作用で制動力を付与するもの、例えば、ガイドシュータの途中に非磁性体を介在し、非磁性体の上流側と下流側に磁石の極性を付与し、製品が非磁性体を跨いだ状態になったときに、磁力線が製品内を通過して製品がガイドシュータに吸引されるものが知られている。それは、特公昭52−12473号公報に記載されている。
特開平6−316318号公報 特公昭52−12473号公報
上述のような従来技術においては、ガイドシュータに非磁性体を取り付ける場合、非磁性体が部品に対して適正な幅寸法を有しているとともに、非磁性体の表面がガイドシュータ表面と平滑に連続した状態になっていなければならない。上記の適正な幅寸法というのは、本発明の技術的課題として掲げているように、部品の大きさに対して十分な長さの磁力線が通過できるように非磁性体の幅寸法を大きく設定して、部品に対する吸引力を強化することを意味している。
このような非磁性体の幅寸法に対する考え方は、前記特許文献1においては配慮されていない。また、部品が磁力で吸引されていないときには、部品がひっかかったりすることのない滑らかな滑動が必要である。このような部品の滑らかな滑動については、前記特許文献1および特許文献2のいずれにおいても配慮されていない。
さらに、ガイドシュータの幅全域において部品を吸引して部品滑動に制動力を投入することにおいて、特許文献1に開示されている方式では、ガイドシュータの制動領域が端部付近まで十分に拡大されないという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、部品に対して十分な制動力を付与することができ、しかも、滑らかな部品の滑動ができる小物部品の流出制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、以上に述べた問題点を解決するために提供されたもので、請求項1記載の発明は、小物部品の収容箱から突出している磁性材料製のガイドシュータが、小物部品が滑動する滑り板とこの滑り板の両側に設けられた縦壁板によって構成され、前記滑り板の先端部と滑り板の幅方向に配置された磁性材料製の吸引部材との間に非磁性金属材料で形成された接続部材が取り付けられ、小物部品の移動方向における前記接続部材の幅は小物部品の大きさに応じて所定の寸法とされ、前記吸引部材と接続部材とが溶接された予備組立品を滑り板の端部に設けた四角い切欠き部にはめ込んで滑り板に溶接し、前記滑り板の裏面に吸引部材と所定の間隔をおいて補助部材が溶接され、吸引部材と補助部材に電磁石の鉄心を密着させ、接続部材の近傍における吸引部材の表面と滑り板の表面によって小物部品の吸引領域が形成されていることを特徴とする小物部品の流出制御装置である。
前記滑り板の先端部と滑り板の幅方向に配置された磁性材料製の吸引部材との間に非磁性金属材料で形成された接続部材が取り付けられている。したがって、滑り板と接続部材との溶接接合および接続部材と吸引部材との溶接接合が可能となるので、滑り板の先端部分に接続部材を介して吸引部材を強固に結合することができる。このような溶接構造によって滑り板と接続部材と吸引部材とが連続した状態で滑らかな滑動面を形成できるので、小物部品は接続部材の近辺でひっかかるようなことがなく、円滑な部品供給が実現する。
また、吸引部材と前記補助部材に電磁石の鉄心を密着させる構造であるから、前記密着の密着性を隙間のない状態にして磁力線の流れを効率的にすることが要求される。そのために、吸引部材と補助部材との滑り板に対する結合剛性を高く維持しておかなければならないのであるが、滑り板の先端部分に接続部材を介在させて吸引部材を強固に結合することが困難である。しかし、本発明においては、上述のような滑り板,接続部材,吸引部材の3部材を溶接構造で一体化することができるので、上記の結合剛性の問題が解決できる。
小物部品の移動方向における前記接続部材の幅は小物部品の大きさに応じて所定の寸法とされている。したがって、小物部品の移動方向で見た接続部材の幅を小物部品の大きさに対して大きく設定することができ、それにともなって小物部品内を通過する磁力線の長さをできるだけ長くすることができる。こうすることにより、小物部品に対して強い吸引力が作用する。このような現象は、接続部材の近傍における吸引部材の表面と滑り板の表面によって小物部品の前記吸引領域が形成されるものであるから、接続部材の幅寸法を大きく設定して、吸引領域をできるだけ広く確保することによって、強い吸引力が確保できる。
請求項2記載の発明は、前記接続部材の幅寸法は、小物部品が吸引部材の表面と滑り板の表面との両方に接触したとき、磁力線が小物部品内を可及的に長く通過するように設定されている請求項1記載の小物部品の流出制御装置である。
したがって、上述のように、吸引領域をできるだけ広く確保することによって、強い吸引力が確保できる。
請求項3記載の発明は、前記吸引部材に接合されている接続部材は、吸引部材の長手方向と厚さ方向にわたって配置されている請求項1または請求項2記載の小物部品の流出制御装置である。
このため、吸引部材の長手方向、すなわちガイドシュータの幅方向と、吸引部材の厚さ方向、すなわちガイドシュータの部品移送方向に沿って接続部材が配置されるので、前記吸引領域がガイドシュータの縦壁板に達するまでの広い範囲にわたって確保できる。したがって、吸引領域に吸引された小物部品は、ガイドシュータの縦壁板に接触するようなガイドシュータ全幅にわたって吸引される。
とくに、このようにして制止させられた部品がつぎつぎと増加してくると、小物部品同士が吸着しあいながら絡み合うようにして引っ掛かり合い、吸引領域全体に群をなすようにして拡大し、その両端は縦壁板の内面に接触してそれ以上の拡大が抑制される。すなわち、吸引された部品の群の両端が縦壁板によって制限されているので、多数の小物部品が両縦壁板間でガイドシュータを横断方向に一体化した状態になる。
本発明の実施例を示す縦断側面図である。 ガイドシュータの先端部分を示す平面図である。 従来例の側面図である。 ガイドシュータの斜視図である。 ガイドシュータと収容箱の部分的な縦断側面図である。 支持ゴムの配置を示す断面図である。 触棒の部分を示す断面図である。 ガイドシュータに吸引部材と接続部材を組み付ける構造の平面図,断面図,斜視図である。 図8の構造の溶接部分を示す図である。
つぎに、本発明の小物部品の流出制御装置を実施するための形態を説明する。
図3〜図7は、パーツフィーダ3とホッパー装置4とが組み合わされた装置の側面図,斜視図,断面図等であり、本発明による部品の制動の構造部は、後述のガイドシュータ10に装備されている。
脚1を有する基台2上に振動式のパーツフィーダ3と同様に振動式とされたホッパー装置4とが固定してある。パーツフィーダ3は起振部5と円形のボウル6を有するもので、ボウル6に対して円周方向と上下方向との合成された振動を付与するようになされており、ボウル6からは部品供給管7が伸びている。
ホッパー装置4について説明すると、部品の収容箱8が基台2上にしっかりと起立させた支柱9によって支持されており、収容箱8からの部品をボウル6へ補充するためにガイドシュータ10が架設してある。ガイドシュータ10は、図4から明らかなように上向きに解放した断面コ字型の形状で、両側に縦壁板10aが起立した状態で配置されている。そして、図4に示すように、縦壁板10aの先端部分は先端に向かって両縦壁板10aの間隔が狭くなっている。
前記ガイドシュータ10は、収容箱8や支柱9との剛的な結合構造はなく、ガイドシュータ10だけが振動できるようになっている。すなわち、図5および図6に示すように、収容箱8とガイドシュータ10との間には空隙11が形成してあり、ガイドシュータ10自体は支持ゴム12で弾性的に保持されている。
前記支持ゴム12は、支柱9に溶接したブラケット13とガイドシュータ10との間に設置してあり、こうすることによってガイドシュータ10だけが振動できるようになっている。ガイドシュータ10を振動させるために電磁式のバイブレータ14が設置してある。これは図3のような支持台15上にしっかりと固定されており、その出力軸16がブラケット17を介してガイドシュータ10に連結されている。
前記収容箱8の底板18は、図3や図5から明らかなように傾斜させてあり、その下部には部品の送出口19が明られ、過剰に部品が流出するのを防止するために規制板20が設けてある。規制板20は、塩化ビニールのような材料で作られた柔軟性のある性質で、ガイドシュータの滑り板(底板)21との間に部品の通過空隙22が設置してある。
前記規制板20の上下位置を調節するために、収容箱8の前壁板23に上下方向の長孔24を明け、ここにボルト25を貫通させて蝶ナット26で規制板20を締付けるようになっている。27は押え板である。
図7は、ボウル6内に進入している触棒28を示しており、この触棒28の下端はボウル6の底板近くまで伸ばされ、また触棒28の上端は検出スイッチ29に結合してある。
ボウル6の中に所要の量の部品(たとえばプロジェクションナット)が入っているときには、ボウル6の振動で部品が底板上を円周方向に流動しているので、触棒28は部品に押されて傾いた姿勢をとり続け、これによって検出スイッチ29からは部品不足を示す電気信号が出ない状態となっている。
なお、図4は収容箱8とガイドシュータ10との関係を示している立体図である。
ボウル6内の部品がなくなって来ると触棒28が真下に垂下した位置をとり、それによって検出スイッチ29から部品不足であることを示す信号が発せられる。この信号によってバイブレータ14が作動し、ガイドシュータ10は強制的に振動をさせられ、送出口19から滑り板21に接触している部品にも振動が伝えられて、部品は規制板20を押し開けながら滑り板21上を滑降してゆくのでのである。
つぎに、ガイドシュータに装備した部品の制動装置について説明する。
図1および図2は、前記制動装置の断面図と平面図である。図3〜図7で説明した部材と同一の機能を果たすものには同一の符号を記入して詳細な説明を省略してある。
前記制動装置は、ガイドシュータから余分な部品が送出されるのを防止するために設置されている。
滑り板21の端部に鉄製の吸引部材30が接続部材40を介して溶接されている。この吸引部材30は、厚板状の細長い部材で構成され、図2に示すように、滑り板21の長手方向すなわち小物部品の移送方向に対して直交する向きに配置されている。この吸引部材30の端面が吸引部材30の表面31とされている。
この実施例における小物部品は四角いプロジェクションナットであり、符号33で示されている。以下においては、単にナットと記載する場合もある。
前記滑り板21の端部と吸引部材30との間に非磁性材料である、例えば、ステンレス鋼で形成された前記接続部材40が配置されている。滑り板21の端部と接続部材40とは、符号41で示された溶接部41において溶接されている。また、接続部材40と吸引部材30とは、符号42で示された溶接部42において溶接されている。
滑り板21,接続部材40,吸引部材30の表面は滑らかに連続させてあるので、表面側の溶接部41と42は溶接による隆起部分がグラインダ加工等で平滑に仕上げられている。さらに、その上に耐摩耗性の高い塗装をすれば、一層平滑な表面がえられる。
吸引部材30と同様の形状をした鉄製の補助部材43が吸引部材30と平行に滑り板21の裏面に溶接してある。両部材30と43の間隔は、そこに配置される電磁石44に合致した所定の寸法としてある。両部材30と43との間に電磁石44が取り付けてあり、その鉄芯45は吸引部材30と補助部材43の内面に図示のごとく密着している。
前記電磁石44は、吸引部材30の内面と補助部材43の内面との間に挟みつけられているもので、電磁石44の鉄心45の端面が前記両内面に密着している。この密着を確保するために、吸引部材30と補助部材43との間隔が鉄心45の長さと正確に合致させてあり、吸引部材30と補助部材43の下部に貫通したボルト46が、吸引部材30にねじ込まれている。このボルト46を締めつけて上記鉄心45の密着が確保される。
前記電磁石44を直流電流で励磁すると、一方のN極またはS極から他方のS極またはN極に対する磁力線が形成される。この磁力線は鉄心45の端部から吸引部材30,滑り板21,補助部材43を通過して鉄心の他方の側に向かう。図1(B)には磁力線47が2点鎖線で図示してある。
ところが、前記非磁性金属材料で作られた接続部材40が配置されているので、磁力線47は接続部材40の箇所でさえぎられる。したがって、鉄製のプロジェクションナット33が滑り板21を移動してきて、吸引部材30の表面31と滑り板21の表面34の両方に跨った状態で接触すると、磁力線47がプロジェクションナット33の内部を通過するようになり、これによって、ナット33は両表面31と34に吸引される。
前記のように、接続部材40の近傍における吸引部材30の表面31と滑り板21の表面34によってナット33の吸引領域48が形成されている。この吸引領域48は、図2の2点鎖線で包囲した領域である。
図2に示すように、吸引部材30に接合されている接続部材40は、吸引部材30の長手方向すなわちガイドシュータ10の幅方向と、厚さ方向すなわちガイドシュータ10の部品搬送方向にわたって配置されている。そのために、接続部材40はガイドシュータ10の先端側に開放したコ字型に形成されている。
一方、図2,図4に示すように、ガイドシュータ10の両側の縦壁板10aは、ガイドシュータ10の先端側が内側に屈曲していて次第に幅が狭くなっている。このように幅が狭くなっている部分が、狭幅部10bである。
図2(B)に示すように、コ字型の接続部材40と狭幅部10bとの間にも滑り板21を伸ばし込んで、前記吸引領域48が狭幅部10bの間際まで拡張されている。前記の滑り板21が伸びている部分は符号49で示してある。
なお、図1(C),(D)は、接続部材40の幅が狭いL1と幅が広いL2との比較であり、小幅のL1であると、磁力線47がナット33の極一部を通過するだけで強い吸引力がえられない。一方、大幅のL2であると、磁力線47がナット33のほぼ全域にわたって通過するので、強い吸引力が確保できる。したがって、接続部材40の幅寸法は、部品すなわちプロジェクションナット33の大きさに応じて所定の吸引力がえられるように選定される。
一方、電磁石44への通電が遮断されて吸引磁力が消滅し、さらにこれと同時に前記バイブレータ14が作動を開始すると、制動をかけられていたナット33がガイドシュータ10から流出して行き、通過空隙22からも連続的に流出して来る。
以上に説明した実施例1の作用効果は、つぎのとおりである。
前記滑り板21の先端部と滑り板21の幅方向に配置された磁性材料製の吸引部材30との間に非磁性金属材料で形成された接続部材40が取り付けられている。したがって、滑り板21と接続部材40との溶接接合および接続部材40と吸引部材30との溶接接合が可能となるので、滑り板21の先端部分に接続部材40を介して吸引部材30を強固に結合することができる。このような溶接構造によって滑り板21と接続部材40と吸引部材30とが連続した状態で滑らかな滑動面を形成できるので、プロジェクションナット33は接続部材40の近辺でひっかかるようなことがなく、円滑な部品供給が実現する。
また、吸引部材30と前記補助部材43に電磁石44の鉄心45を密着させる構造であるから、前記密着の密着性を隙間のない状態にして磁力線47の流れを効率的にすることが要求される。そのために、吸引部材30と補助部材43との滑り板21に対する結合剛性を高く維持しておかなければならないのであるが、滑り板21の先端部分に接続部材40を介在させて吸引部材30を強固に結合することが困難である。しかし、本発明においては、上述のような滑り板21,接続部材40,吸引部材30の3部材を溶接構造で一体化することができるので、上記の結合剛性の問題が解決できる。
プロジェクションナット33の移動方向における前記接続部材40の幅はプロジェクションナット33の大きさに応じて所定の寸法とされている。したがって、ナット33の移動方向で見た接続部材40の幅をナット33の大きさに対して大きく設定することができ、それにともなってナット33内を通過する磁力線47の長さをできるだけ長くすることができる。
こうすることにより、プロジェクションナット33に対して強い吸引力が作用する。このような現象は、接続部材40の近傍における吸引部材30の表面31と滑り板21の表面34によってナット33の前記吸引領域48が形成されるものであるから、接続部材40の幅寸法を大きく設定して、吸引領域48をできるだけ広く確保することによって、強い吸引力が確保できる。
前記接続部材40の幅寸法L2は、プロジェクションナット33が吸引部材30の表面31と滑り板21の表面34との両方に跨った状態で接触したとき、磁力線47がナット33内を可及的に長く通過するように設定されている。
したがって、上述のように、吸引領域48をできるだけ広く確保することによって、強い吸引力が確保できる。
前記吸引部材30に接合されている接続部材40は、吸引部材30の長手方向と厚さ方向にわたって配置されている。
このため、吸引部材30の長手方向、すなわちガイドシュータ10の幅方向と、吸引部材30の厚さ方向、すなわちガイドシュータ10の部品移送方向に沿って接続部材40が配置されるので、前記吸引領域48がガイドシュータ10の狭幅部10bに達するまでの広い範囲にわたって確保できる。したがって、吸引領域48に吸引されたプロジェクションナット33は、ガイドシュータ10の狭幅部10bに接触するようなガイドシュータ全幅にわたって吸引される。
とくに、このようにして制止させられたプロジェクションナット33がつぎつぎと増加してくると、ナット33同士が吸着しあいながら絡み合うようにして引っ掛かり合い、吸引領域48全体に群をなすようにして拡大し、その両端は縦壁板10a(狭幅部10b)の内面に接触してそれ以上の拡大が抑制される。すなわち、吸引されたナット33の群の両端が縦壁板10aによって制限されているので、多数のナット33が両縦壁板10a間でガイドシュータ10の横断方向に一体化した状態になる。
前記規制板20は、バイブレータ14が停止しているときにプロジェクションナット33が勝手に流出しないようにすると共に、バイブレータ作動時に過剰にナット33が流出しないように制限を与える役目を果たしているのであるが、バイブレータ停止時においても通過空隙22からポロポロとこぼれ出るようにして滑り板21上を滑降してゆく現象が生じる。
このような現象は、単一の基台2上にパーツフィーダ3とホッパー装置4の両方が取り付けられている場合には、パーツフィーダ3の振動が基台2を経てホッパー装置4に伝わり、結局ガイドシュータ10が振動することになり、不用意な部品流出を誘発するのである。そこで、規制板20を低くして通過空隙22を小さくしたり規制板20の硬度を上げたりすると良いのであるが、このようにするとガイドシュータ10に対する振幅や振動数を高めて相当激しく振動させなければ規制板20を押し開け得ないこととなる。
特に重要視しなければならないのは、バイブレータ14の振動を強くすることによって、ガイドシュータ10上の部品から激しい騒音が発生し、一方、収容箱8自体からも高い騒音が発生するという問題がある。
本発明においては、上述のような問題が先に述べた構成と作用によって解消される。つまり、不用意なナット33の流出が防止され、騒音問題も解消される。
図8および図9は、第2の実施例を示している。
この実施例は、接続部材40の取り付け構造に関している。図8に示すように、吸引部材30にあらかじめ接続部材40を一体化しておき、それを滑り板21の端部に設けた四角い切欠き部50にはめ込んで溶接したものである。
なお、この実施例における溶接は、SUS線材を消耗電極とするMIG溶接である。それ以外の溶接手法を用いることも可能である。
接続部材40は、図8(A)に示すように、溶接部51aと51bの2箇所で溶接されている。その断面(B−B断面)は同図(B)に図示されている。前記溶接部51aと51bは、図示のように左右に離れた位置において溶接されており、中央部は溶接されていない。同図(C)は吸引部材30に接続部材40が溶接された状態を示す斜視図である。
図9は、図8(C)に示すような予備組立品をガイドシュータ10の滑り板21に溶接する状態を示す図である。前記切欠き部50内に図8(A)に示した矢線52の方向に前記予備組立品を挿入し、その両端部を溶接する。この溶接範囲は図9(A)に符号53aと53bに示した溶接領域である。すなわち、溶接領域53aと53bにおいて、吸引部材30の表面31の端部と接続部材40と滑り板21の端部付近とが溶接され、しかも、溶接領域53aと53bはガイドシュータ10の長手方向つまりナット33の移動方向に沿った細長い状態になっている。
このような溶接がなされると、図9(B)に示すように、肉盛部54ができるので、グラインダ加工で図(C)に示すように、平坦な表面仕上げを行って、プロジェクションナット33の滑動に支障が出ないようにしている。また、吸引部材30の溶接剛性を高めるために、図(D)に示すように、下側からさらに溶接するのが望ましい。この溶接部は符号55で示され、吸引部材30,接続部材40,縦壁板10a(狭幅部10b)の3者が溶着されている。
さらに、図9(A)に示すように、電磁石44は、溶接ひずみ等の影響を受けない部分の吸引部材30に密着させてある。
上記構成以外は、先の実施例と同様であり、その箇所には同じ符号が記載してある。
以上に説明した実施例2の作用効果は、つぎのとおりである。
前記四角い切欠き部50内に、吸引部材30と接続部材40とが溶接された予備組立品を挿入する構造である。したがって、吸引部材30の表面31と接続部材40の表面との平滑性を確実に形成することができ、プロジェクションナット33の滑らかな滑動が確保できる。さらに、四角い切欠き部50内に前記予備組立品を挿入するものであるから、組み付け作業が簡素化できる。
また、吸引部材30と接続部材40との溶接箇所は、左右に分かれた溶接部51a,51bであるから、接続部材40に発生する溶接ひずみを実害のないレベルに最小化することができる。
溶接領域53aと53bにおいて、吸引部材30の表面31の端部と接続部材40と滑り板21の端部付近とが溶接され、しかも、溶接領域53aと53bはガイドシュータ10の長手方向つまりナット33の移動方向に沿った細長い状態になっている。したがって、吸引部材30が滑り板21に対して容易に変位することがないので、電磁石44の鉄心45の密着を成立させる構造として好適である。つまり、図1に示した吸引部材30の下端部が変位しないのである。
上記作用効果以外は、先の実施例のものと同様である。
上述のように、本発明は小物部品に対する吸引力が確実にえられるので、種々な部品の流出制御を行うことができ、広い産業分野で活用できる。
10 ガイドシュータ
10a 縦壁板
21 滑り板
30 吸引部材
31 表面
33 プロジェクションナット
34 表面
40 接続部材
43 補助部材
44 電磁石
45 鉄心
47 磁力線
48 吸引領域

Claims (3)

  1. 小物部品の収容箱から突出している磁性材料製のガイドシュータが、小物部品が滑動する滑り板とこの滑り板の両側に設けられた縦壁板によって構成され、前記滑り板の先端部と滑り板の幅方向に配置された磁性材料製の吸引部材との間に非磁性金属材料で形成された接続部材が取り付けられ、小物部品の移動方向における前記接続部材の幅は小物部品の大きさに応じて所定の寸法とされ、前記吸引部材と接続部材とが溶接された予備組立品を滑り板の端部に設けた四角い切欠き部にはめ込んで滑り板に溶接し、前記滑り板の裏面に吸引部材と所定の間隔をおいて補助部材が溶接され、吸引部材と補助部材に電磁石の鉄心を密着させ、接続部材の近傍における吸引部材の表面と滑り板の表面によって小物部品の吸引領域が形成されていることを特徴とする小物部品の流出制御装置。
  2. 前記接続部材の幅寸法は、小物部品が吸引部材の表面と滑り板の表面との両方に接触したとき、磁力線が小物部品内を可及的に長く通過するように設定されている請求項1記載の小物部品の流出制御装置。
  3. 前記吸引部材に接合されている接続部材は、吸引部材の長手方向と厚さ方向にわたって配置されている請求項1または請求項2記載の小物部品の流出制御装置。
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