JP2009148441A - 薄型吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄く、かつ吸収力が低下しない薄型吸収性物品を提供する。
【解決手段】液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート4と、トップシートとバックシートの間に配置される吸収体6とを備え、全体として細長い薄型吸収性物品20であって、幅方向両側縁からトップシートの上に立ち上がる撥水性のサイドシート12をさらに有し、無荷重下の厚さT0が8mm以下、0.343N/cm2荷重下の厚さT1が4.5mm以下であり、かつ 1.7≦(T0/T1)≦2.0である。
【選択図】図1
【解決手段】液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート4と、トップシートとバックシートの間に配置される吸収体6とを備え、全体として細長い薄型吸収性物品20であって、幅方向両側縁からトップシートの上に立ち上がる撥水性のサイドシート12をさらに有し、無荷重下の厚さT0が8mm以下、0.343N/cm2荷重下の厚さT1が4.5mm以下であり、かつ 1.7≦(T0/T1)≦2.0である。
【選択図】図1
Description
この発明は、失禁パッド、尿取パッド、失禁ライナー等の肌着やおむつ内に装着される薄型吸収性物品に関する。
従来、成人や病人の排せつ物を吸収するための紙おむつが使用されている。しかし、軽い尿の排せつや、失禁等に対してその都度紙おむつを使用することは不経済であるため、肌着やおむつ内に小型の(軽)失禁パッドや尿取パッドを装着することが行われている。
このような失禁パッドにおいては、尿の横漏れを防止するためにサイドフラップやエンボスパターンを設ける技術が開発されている(特許文献1〜3参照)。
このような失禁パッドにおいては、尿の横漏れを防止するためにサイドフラップやエンボスパターンを設ける技術が開発されている(特許文献1〜3参照)。
ところで、(軽)失禁パッドには、薄型で着用が目立たず、しかも充分な吸収力が求められるが、薄型化と吸収力(吸収速度と濡れ戻り防止)は相反するのが一般的であり、これらを両立させることは難しい。またパッドを薄型化すると、柔らかさや着用感が損なわれるおそれもある。
従って本発明は、薄く、かつ吸収力が低下しない薄型吸収性物品の提供を目的とする。
従って本発明は、薄く、かつ吸収力が低下しない薄型吸収性物品の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の薄型吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配置される吸収体とを備え、全体として細長い薄型吸収性物品であって、幅方向両側縁から前記トップシートの上に立ち上がる撥水性のサイドシートをさらに有し、無荷重下の厚さT0が8mm以下、0.343N/cm2荷重下の厚さT1が4.5mm以下であり、かつ 1.7≦(T0/T1)≦2.0である。
このように、1.7≦(T0/T1)≦2.0に管理すると、吸水体中の高吸水性樹脂とフラッフの配合割合が最適になると考えられ、吸収速度と濡れ戻り防止を両立することができる。
このように、1.7≦(T0/T1)≦2.0に管理すると、吸水体中の高吸水性樹脂とフラッフの配合割合が最適になると考えられ、吸収速度と濡れ戻り防止を両立することができる。
測定用治具を用い、生理食塩水20mlを完全に吸収するまでの時間S0が20秒以下であることが好ましい。
前記測定用治具を用い、生理食塩水10mlを完全に吸収するまでの時間を3分間隔で3回測定したとき、初回の吸収時間S1と、3回目の吸収時間S3とが、(S3/S1)≦3の関係を満たすことが好ましい。
生理食塩水に浸漬して5分放置後、引上げて前記トップシートを下側にして30秒間水切り後の総吸収量が150ml以上であることが好ましい。
前記測定用治具を用い、生理食塩水10mlを完全に吸収するまでの時間を3分間隔で3回測定したとき、初回の吸収時間S1と、3回目の吸収時間S3とが、(S3/S1)≦3の関係を満たすことが好ましい。
生理食塩水に浸漬して5分放置後、引上げて前記トップシートを下側にして30秒間水切り後の総吸収量が150ml以上であることが好ましい。
この発明によれば、薄く、かつ吸収力が低下しない薄型吸収性物品が得られる。
以下、本発明の実施形態に係る薄型吸収性物品について説明する。本発明の実施形態に係る薄型吸収性物品は、肌着(下着)やおむつ内に装着される失禁パッド、尿取パッド、失禁ライナー等であるが、肌着(下着)やおむつ内に装着されて排せつ物や分泌物を吸収するものであれば、これらの用途に限定されない。
図1は、本発明の実施形態に係る薄型吸収性物品の外観を示す斜視図である。図1において、薄型吸収性物品20は細長い片状をなし、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート4との間に図示しない吸収体を挟み込んだ構成を有している。又、薄型吸収性物品20の幅方向両側縁から撥水性の不織布からなるサイドシート12がトップシートの上に立ち上がっている。薄型吸収性物品20は、長手方向を使用者の股部の前後に渡され、トップシート2が股部に触れるようにして装着され、サイドシート12は尿等の横漏れを防止する。
図1は、本発明の実施形態に係る薄型吸収性物品の外観を示す斜視図である。図1において、薄型吸収性物品20は細長い片状をなし、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート4との間に図示しない吸収体を挟み込んだ構成を有している。又、薄型吸収性物品20の幅方向両側縁から撥水性の不織布からなるサイドシート12がトップシートの上に立ち上がっている。薄型吸収性物品20は、長手方向を使用者の股部の前後に渡され、トップシート2が股部に触れるようにして装着され、サイドシート12は尿等の横漏れを防止する。
図2は、薄型吸収性物品20の上面図を示す。薄型吸収性物品20は角部が曲線状に面取りされ、又、トップシート2の中央部付近がやや幅狭になっていて、股部に装着し易いようになっている。
図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。薄型吸収性物品20の表層となるトップシート2とバックシート4の間には吸収体6が介装され、さらに、トップシート2と吸収体6の間に尿などの流体を吸収体へ導いたり弾力性を付与するトランスファーシート8が配置されている。このような構成は、吸収性物品において一般的なものであり、例えば、特開2006-175022号公報や特開2006-181080号公報に記載されているものと同様である。
そして、トップシート2、トランスファーシート8、吸収体6及びバックシート4からなる積層体の両側端(幅方向の端部)を覆うように、バックシート4の縁からトップシート2へ向かって撥水性シート10が立ち上がるように覆っている。又、トップシート2の両側端からトップシート2より上に向かってサイドシート12が立ち上がり、トップシート2の両側端におけるサイドシート12の上を撥水性シート10の先端が覆っている。
なお、詳しくは後述するが、本発明はトップシート2とバックシート4の間の厚さTを規定する。
そして、トップシート2、トランスファーシート8、吸収体6及びバックシート4からなる積層体の両側端(幅方向の端部)を覆うように、バックシート4の縁からトップシート2へ向かって撥水性シート10が立ち上がるように覆っている。又、トップシート2の両側端からトップシート2より上に向かってサイドシート12が立ち上がり、トップシート2の両側端におけるサイドシート12の上を撥水性シート10の先端が覆っている。
なお、詳しくは後述するが、本発明はトップシート2とバックシート4の間の厚さTを規定する。
又、バックシート4の長辺より外側には、各長辺に沿って第1の弾性部材14が配置され、又、各サイドシート12の最も立ち上がる先端部分には、薄型吸収性物品20の各長手方向に沿って第2の弾性部材16が配置されている。そして、撥水性シート10は、第1の弾性部材14を囲むように、また撥水性シート10に一体につながるサイドシート12は第2の弾性部材16を囲むようにして、前記積層体を覆っている。従って、撥水性シート10及びサイドシート12は、第1の弾性部材14及び第2の弾性部材16の弾性力によってこれらの間に展張され、撥水性シート10及びサイドシート12の立ち上がり部を立体形成し、横漏れを有効に防止する。
トップシート2は、液透過性の不織布であればよく、使用者の皮膚に接するため、感触が柔らかで、皮膚に刺激を与えない材料から形成されていることが好ましい。特に、トップシート2の厚み方向から見たとき、使用者の皮膚に接する側(上面)の部分では、2.0d(デニールです)以下(好ましくは1.3d〜1.7d)の第1繊維を20〜50質量%配合し、バックシート側(下面)の部分に3.5d以上の第2繊維(好ましくは4d〜6d)を50〜80質量%配合することが好ましい。この場合の不織布の坪量を15〜40g/m2(より好ましくは20〜35g/m2)とすることが好ましい。
トランスファーシート8も、不織布から形成されていればよく、使用者の排せつ物や分泌物(尿等)を吸収体6へ移し、分散させ、弾力性を発現できればよい。特に、トランスファーシート8として、坪量20〜50g/m2(好ましくは30〜40g/m2)の親水性不織布を用いると好ましい。トップシート2及びトランスファーシート8としては、嵩の高いエアースルー不織布を用いると好ましい。
トランスファーシート8も、不織布から形成されていればよく、使用者の排せつ物や分泌物(尿等)を吸収体6へ移し、分散させ、弾力性を発現できればよい。特に、トランスファーシート8として、坪量20〜50g/m2(好ましくは30〜40g/m2)の親水性不織布を用いると好ましい。トップシート2及びトランスファーシート8としては、嵩の高いエアースルー不織布を用いると好ましい。
吸収体6は、木材パルプフラッフのような、フラッフのウェブの親水性繊維マトリックスを、公知の高吸水性樹脂(SAP)の粒子と混合して形成すればよい。又、吸収体6表面にエンボスを施すと、尿等の拡散をコントロールすると共に、使用者の体型に応じて吸収体6が容易に変形するので好ましい。
フラッフとしては、木材パルプフラッフの代わりに合成繊維、ポリマー繊維などを使用してもよい。又、木材パルプフラッフとしては、嵩が低く、解繊装置の所要動力(パルプをフラッフ化する際の解繊機の消費電力)が抑えられるトリートメントパルプを用いることが好ましい。
吸収体6を薄くするためには、SAPの配合比を高くすることが一般的であるが、尿吸収の初期段階ではフラッフの役割が大きく、SAPが多過ぎてフラッフが少ないと初期吸収性が劣る。このため、吸収体6中のSAPの含有割合を50質量%未満とすることが好ましい。
フラッフとしては、木材パルプフラッフの代わりに合成繊維、ポリマー繊維などを使用してもよい。又、木材パルプフラッフとしては、嵩が低く、解繊装置の所要動力(パルプをフラッフ化する際の解繊機の消費電力)が抑えられるトリートメントパルプを用いることが好ましい。
吸収体6を薄くするためには、SAPの配合比を高くすることが一般的であるが、尿吸収の初期段階ではフラッフの役割が大きく、SAPが多過ぎてフラッフが少ないと初期吸収性が劣る。このため、吸収体6中のSAPの含有割合を50質量%未満とすることが好ましい。
SAPは、破砕タイプに比べてパールタイプ(逆相懸濁重合法により得られるもの)の方が加圧下でのダメージが少ないことから、パールタイプを用いることが好ましい。
又、SAPとして、後述する吸収時間が20秒以下であるものが好ましく、吸収量が50g/g以上であるものが好ましく、液戻り量が3.5g以下のものが好ましい。
SAPの吸収時間: 100mlビーカーに生理食塩水(0.9% NaCl, 36±3℃、以下、すべて同じ組成と温度)50mlを加え、マグネチックスターラーを使用して600rpmで攪拌する。高吸水性樹脂2.000gを精秤して攪拌渦中に投入し、投入からスターラーの回転子が止まるまでの時間を測定する。
SAPの吸収量:250メッシュナイロンネット製ティーバック内に高吸水性樹脂1.000gを精秤し、生理食塩水200mlに10分間浸漬させる。その後、支持台に5分間吊るして水切り後、重量([a]g)を測定する。試料を入れていないティーバックを用いて同様の測定を行い、重量([b]g)を求め、[a]−[b]をSAPの吸収量とする。
SAPの液戻り量:生理食塩水50mlをシャーレに入れ、精秤した試料1.000gを加え、軽く混ぜて10分間放置する。重量測定したろ紙20枚(20枚の重さ[e]g)を載せ、更にその上に、重り(600g)を載せて1分経過後のろ紙の重量([f]g)を測定する。 [f]−[e]を液戻り量とする。
又、SAPとして、後述する吸収時間が20秒以下であるものが好ましく、吸収量が50g/g以上であるものが好ましく、液戻り量が3.5g以下のものが好ましい。
SAPの吸収時間: 100mlビーカーに生理食塩水(0.9% NaCl, 36±3℃、以下、すべて同じ組成と温度)50mlを加え、マグネチックスターラーを使用して600rpmで攪拌する。高吸水性樹脂2.000gを精秤して攪拌渦中に投入し、投入からスターラーの回転子が止まるまでの時間を測定する。
SAPの吸収量:250メッシュナイロンネット製ティーバック内に高吸水性樹脂1.000gを精秤し、生理食塩水200mlに10分間浸漬させる。その後、支持台に5分間吊るして水切り後、重量([a]g)を測定する。試料を入れていないティーバックを用いて同様の測定を行い、重量([b]g)を求め、[a]−[b]をSAPの吸収量とする。
SAPの液戻り量:生理食塩水50mlをシャーレに入れ、精秤した試料1.000gを加え、軽く混ぜて10分間放置する。重量測定したろ紙20枚(20枚の重さ[e]g)を載せ、更にその上に、重り(600g)を載せて1分経過後のろ紙の重量([f]g)を測定する。 [f]−[e]を液戻り量とする。
バックシート4は、吸収体6内において保持している液体などが下着に漏れないような防水性を有する液不透過性の材料から形成されていればよく、ポリエチレンフィルムなどの薄いプラスチックフィルムとすることができるが、着用中にカサカサした音がしやすく、柔らかさを付与するよう、バックシート4にマイクロエンボスを施したり、プラスチックフィルムの外側に不織布を貼合わせたクロスライクバックシートを用いることもできる。
又、透湿性のフィルムを用いてムレを低減することが好ましい。
バックシート4の外面に、薄型吸収性物品20を下着等に固定する際のずれを防止するずれ止め(粘着剤)等を設けてもよい。
又、透湿性のフィルムを用いてムレを低減することが好ましい。
バックシート4の外面に、薄型吸収性物品20を下着等に固定する際のずれを防止するずれ止め(粘着剤)等を設けてもよい。
撥水性シート10及びサイドシート12は、バックシート4と同様の材料から形成することができ、撥水性の不織布から形成してもよい。又、撥水性シート10はバックシート4と別個に取付けてもよく、バックシート4から延長されて形成されてもよい。同様に、サイドシート12も撥水性シート10と別個に取付けてもよく、撥水性シート10から延長されて形成されてもよい。
第1弾性部材14と第2弾性部材16としては、エラストマー性ポリマー材料からなるストランド、リボン、ポリウレタン、合成ゴム、天然ゴム等を用いることができるがこれらに限られない。
第1弾性部材14と第2弾性部材16としては、エラストマー性ポリマー材料からなるストランド、リボン、ポリウレタン、合成ゴム、天然ゴム等を用いることができるがこれらに限られない。
本発明の薄型吸収性物品は、厚さTが以下のように規定されることを特徴としている。すなわち、無荷重下の厚さT0が8mm以下、0.343N/cm2(35gf/cm2)荷重下の厚さT1が4.5mm以下であり、かつ 1.7≦(T0/T1)≦2.0であることが必要である。
ここで、T0を8mm以下とする理由は、T0が8mmを超えると、肌着やおむつ内に装着した際に目立ってしまうからであり、T1を4.5mm以下とする理由は、着用中に着用者の動きを妨げにくいからである。
又、(T0/T1)が2を超える場合とは、荷重下で厚さT1が大幅に薄くなる、つまり吸収体中に過剰な隙間がある、あるいは、トップシート、トランスファーシートがつぶれやすいことを意味する。フラッフの割合が多すぎ、高吸水ポリマーの割合が少ない場合には、総吸収量が低下する。
一方、(T0/T1)が1.7未満である場合とは、荷重下で厚さT1があまり薄くならない、つまり吸収体中に隙間が少ないことを意味する。この場合、高吸水性ポリマーの割合が多すぎることが考えられ、高吸水性ポリマーのブロッキングを起こしたり、フラッフの隙間が少ないために吸水速度が低下すると共に、吸水回数が増えると吸収速度が低下する(濡れ戻りが生じやすくなる)。
ここで、T0を8mm以下とする理由は、T0が8mmを超えると、肌着やおむつ内に装着した際に目立ってしまうからであり、T1を4.5mm以下とする理由は、着用中に着用者の動きを妨げにくいからである。
又、(T0/T1)が2を超える場合とは、荷重下で厚さT1が大幅に薄くなる、つまり吸収体中に過剰な隙間がある、あるいは、トップシート、トランスファーシートがつぶれやすいことを意味する。フラッフの割合が多すぎ、高吸水ポリマーの割合が少ない場合には、総吸収量が低下する。
一方、(T0/T1)が1.7未満である場合とは、荷重下で厚さT1があまり薄くならない、つまり吸収体中に隙間が少ないことを意味する。この場合、高吸水性ポリマーの割合が多すぎることが考えられ、高吸水性ポリマーのブロッキングを起こしたり、フラッフの隙間が少ないために吸水速度が低下すると共に、吸水回数が増えると吸収速度が低下する(濡れ戻りが生じやすくなる)。
ここで、厚さT0は、無荷重下で薄型吸収性物品の中央部の厚みを測定する。測定は、ハイトゲージを用いて行う。又、厚さT1の測定は、荷重が0.343N/cm2(35gf/cm2)となるよう、円形の錘(50mmφ)を薄型吸収性物品の中央部に載せ、ハイトゲージで錘の上面までの厚みを測定した後、錘の厚みを差引いて求める。
本発明において、測定用治具を用い、生理食塩水20mlを完全に吸収するまでの時間S0が20秒以下であることが好ましい。
S0が20秒以下であれば、吸収に要する時間が短く(吸収速度が速く)、実用上問題がない。
測定用治具は、図4に示すものを用いる。図4において、測定用治具50は、円筒状のアクリル樹脂筒52の上に、同一サイズの円筒状のステンレス筒51を載置してなり、各筒の外径(od)が50mm、内径(id)が19mm、全体の高さ(h)が110mm、全体重量が757gである。
そして、薄型吸収性物品を水平な状態に伸ばして固定し、測定用治具50を薄型吸収性物品の中央部に置く。次いで、生理食塩水20mlを測定用治具50の中央孔に注ぎ、完全に吸収されるまでの時間S0(秒)を測定する。
S0が20秒以下であれば、吸収に要する時間が短く(吸収速度が速く)、実用上問題がない。
測定用治具は、図4に示すものを用いる。図4において、測定用治具50は、円筒状のアクリル樹脂筒52の上に、同一サイズの円筒状のステンレス筒51を載置してなり、各筒の外径(od)が50mm、内径(id)が19mm、全体の高さ(h)が110mm、全体重量が757gである。
そして、薄型吸収性物品を水平な状態に伸ばして固定し、測定用治具50を薄型吸収性物品の中央部に置く。次いで、生理食塩水20mlを測定用治具50の中央孔に注ぎ、完全に吸収されるまでの時間S0(秒)を測定する。
本発明において、上記した測定用治具50を用い、生理食塩水10mlを完全に吸収するまでの時間を3分間隔で3回測定したとき、初回の吸収時間S1と、3回目の吸収時間S3とが、(S3/S1)≦3の関係を満たすことが好ましい。
(S3/S1)は、間欠的に回数を重ねて吸収させた場合に、吸収回数が増えるに従って吸収性が劣化する(濡れ戻りの発生を示す)指標であり、(S3/S1)の値が大きいほど吸収性が劣化する。(S3/S1)≦3であれば、実使用で何回か失禁しても吸収性が劣化せず、実用上問題がない。
(S3/S1)の測定は、上記したS0の測定で生理食塩水の使用量を10mlとして完全に吸収されるまでの初回の吸収時間S1を測定し、3分放置後にさらに生理食塩水10mlを測定用治具50の中央孔に注ぎ、完全に吸収されるまでの2回目の吸収時間S2を測定し、3分放置後にさらに生理食塩水10mlを測定用治具50の中央孔に注ぎ、完全に吸収されるまでの3回目の吸収時間S3を測定して行う。
(S3/S1)は、間欠的に回数を重ねて吸収させた場合に、吸収回数が増えるに従って吸収性が劣化する(濡れ戻りの発生を示す)指標であり、(S3/S1)の値が大きいほど吸収性が劣化する。(S3/S1)≦3であれば、実使用で何回か失禁しても吸収性が劣化せず、実用上問題がない。
(S3/S1)の測定は、上記したS0の測定で生理食塩水の使用量を10mlとして完全に吸収されるまでの初回の吸収時間S1を測定し、3分放置後にさらに生理食塩水10mlを測定用治具50の中央孔に注ぎ、完全に吸収されるまでの2回目の吸収時間S2を測定し、3分放置後にさらに生理食塩水10mlを測定用治具50の中央孔に注ぎ、完全に吸収されるまでの3回目の吸収時間S3を測定して行う。
本発明において、生理食塩水に浸漬して5分放置後、引上げてトップシート2を下側にして30秒間水切り後の総吸収量が150ml以上であることが好ましい。
総吸収量が150ml未満であると、実使用で失禁量が多いときに吸収されず実用上問題がある。
総吸収量は以下のようにして求める。まず、予め乾燥重量を測定した薄型吸収性物品を、十分な量の生理食塩水に浸漬して5分放置する。その後、薄型吸収性物品を引上げ、トップシート2面を下側にして金網上で30秒間水切り後に重量を測定し、吸収前後の重量から総吸収量を求める(吸収前後の重量1g=吸収量1mlとみなす)。
総吸収量が150ml未満であると、実使用で失禁量が多いときに吸収されず実用上問題がある。
総吸収量は以下のようにして求める。まず、予め乾燥重量を測定した薄型吸収性物品を、十分な量の生理食塩水に浸漬して5分放置する。その後、薄型吸収性物品を引上げ、トップシート2面を下側にして金網上で30秒間水切り後に重量を測定し、吸収前後の重量から総吸収量を求める(吸収前後の重量1g=吸収量1mlとみなす)。
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は勿論これらの例に限定されるものではない。
<薄型吸収性物品の作製>
図1〜3に示す構成を有し、厚さの異なる2種類の薄型吸収性物品(軽失禁パッド)を作製し、実施例1,2とした。トップシート2は、エアースルータイプ不織布(目付25g/m2)、バックシート4は、ポリエチレンフィルムの外側に不織布を貼合わせたクロスライクバックシート(目付35g/m2)、トランスファーシートは、エアースルータイプ不織布(30g/m2)、撥水性シート10とサイドシート12はスパンボンド不織布(20g/m2)をそれぞれ使用した。また、吸収体のSAP割合は40質量%とした。
一方、厚さの異なる2種類の市販の薄型吸収性物品を用意し、比較例1,2とした。
図1〜3に示す構成を有し、厚さの異なる2種類の薄型吸収性物品(軽失禁パッド)を作製し、実施例1,2とした。トップシート2は、エアースルータイプ不織布(目付25g/m2)、バックシート4は、ポリエチレンフィルムの外側に不織布を貼合わせたクロスライクバックシート(目付35g/m2)、トランスファーシートは、エアースルータイプ不織布(30g/m2)、撥水性シート10とサイドシート12はスパンボンド不織布(20g/m2)をそれぞれ使用した。また、吸収体のSAP割合は40質量%とした。
一方、厚さの異なる2種類の市販の薄型吸収性物品を用意し、比較例1,2とした。
<評価及び測定>
薄型吸収性物品の厚さ(T0、T1)を上記した方法でハイトゲージ(ミツトヨ社製HW-30)を用いて測定した。
薄型吸収性物品の吸収時間S0〜S3を、それぞれ上記した方法で測定し、(S3/S3)を算出した。
薄型吸収性物品の総吸収量を上記した方法で測定した。
又、着用の目立ちやすさと使用中の肌触りを、モニター調査により評価した(n=6)。着用の目立ちやすさについては、着用時の目立ちやすさを○、△、×の3段階で評価した。また肌触りについては、着用中の失禁時における尿の濡れ戻り感を○、△、×の3段階で評価した。
○:不快感が少ない
△:やや不快である
×:不快である
薄型吸収性物品の厚さ(T0、T1)を上記した方法でハイトゲージ(ミツトヨ社製HW-30)を用いて測定した。
薄型吸収性物品の吸収時間S0〜S3を、それぞれ上記した方法で測定し、(S3/S3)を算出した。
薄型吸収性物品の総吸収量を上記した方法で測定した。
又、着用の目立ちやすさと使用中の肌触りを、モニター調査により評価した(n=6)。着用の目立ちやすさについては、着用時の目立ちやすさを○、△、×の3段階で評価した。また肌触りについては、着用中の失禁時における尿の濡れ戻り感を○、△、×の3段階で評価した。
○:不快感が少ない
△:やや不快である
×:不快である
得られた結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1,2の場合、吸収時間(S0)が20秒以下と短く、吸収速度が速いことがわかった。又、実施例1,2の場合、S3/S1≦3であったので、実使用で何回か吸収しても吸収性が劣化せず、実用上問題がないものと考えられる。
これは、実施例1,2の場合、1.7≦(T0/T1)≦2.0の関係にあり、吸水体中の高吸水性樹脂と木材パルプフラッフの配合割合が最適であるためと考えられる。
さらに、実施例1,2の場合、総吸収量が150mlを超えた。
これは、実施例1,2の場合、1.7≦(T0/T1)≦2.0の関係にあり、吸水体中の高吸水性樹脂と木材パルプフラッフの配合割合が最適であるためと考えられる。
さらに、実施例1,2の場合、総吸収量が150mlを超えた。
一方、比較例1の場合、吸収時間(S0)が20秒を超え、吸収速度が遅くなった。これは、比較例1の場合、(T0/T1)が2を超えたため、吸収体中の高吸水性樹脂の割合が少なく、セルロースフラフの量が多過ぎたためと考えられる。又、比較例1の場合、総吸収量も低下した。
比較例2の場合、吸収時間(S0)が20秒を超え、吸収速度が遅くなると共に、S3/S1が3を超え、実使用で何回か吸収したときに吸収性が劣化する可能性がある。これは、比較例2の場合、(T0/T1)が1.7未満となったため、吸収体中の高吸水性樹脂の割合が多く、木材パルプフラッフの隙間が少ないためと考えられる。
さらに、比較例2の場合、無荷重時の厚みが8mmを超え、着用時に目立ちやすいという不具合が生じた。
さらに、比較例2の場合、無荷重時の厚みが8mmを超え、着用時に目立ちやすいという不具合が生じた。
2 トップシート
4 バックシート
6 吸収体
12 サイドシート
20 薄型吸収性物品
50 測定用治具
4 バックシート
6 吸収体
12 サイドシート
20 薄型吸収性物品
50 測定用治具
Claims (4)
- 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配置される吸収体とを備え、全体として細長い薄型吸収性物品であって、
幅方向両側縁から前記トップシートの上に立ち上がる撥水性のサイドシートをさらに有し、
無荷重下の厚さT0が8mm以下、0.343N/cm2荷重下の厚さT1が4.5mm以下であり、かつ 1.7≦(T0/T1)≦2.0である薄型吸収性物品。 - 測定用治具を用い、生理食塩水20mlを完全に吸収するまでの時間S0が20秒以下である請求項1記載の薄型吸収性物品。
- 前記測定用治具を用い、生理食塩水10mlを完全に吸収するまでの時間を3分間隔で3回測定したとき、初回の吸収時間S1と、3回目の吸収時間S3とが、(S3/S1)≦3の関係を満たす請求項1又は2記載の薄型吸収性物品。
- 生理食塩水に浸漬して5分放置後、引上げて前記トップシートを下側にして30秒間水切り後の総吸収量が150ml以上である請求項1〜3のいずれかに記載の薄型吸収性物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007329535A JP2009148441A (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | 薄型吸収性物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007329535A JP2009148441A (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | 薄型吸収性物品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009148441A true JP2009148441A (ja) | 2009-07-09 |
Family
ID=40918336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007329535A Withdrawn JP2009148441A (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | 薄型吸収性物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009148441A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014007105A1 (ja) | 2012-07-06 | 2014-01-09 | 日本製紙株式会社 | 再生繊維および再生繊維成型品 |
JP2015089417A (ja) * | 2013-11-05 | 2015-05-11 | 日本製紙クレシア株式会社 | 吸収性物品 |
JP2022511079A (ja) * | 2018-12-07 | 2022-01-28 | エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ | 可変厚さプロファイルを有する失禁パッド |
-
2007
- 2007-12-21 JP JP2007329535A patent/JP2009148441A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014007105A1 (ja) | 2012-07-06 | 2014-01-09 | 日本製紙株式会社 | 再生繊維および再生繊維成型品 |
JP2015089417A (ja) * | 2013-11-05 | 2015-05-11 | 日本製紙クレシア株式会社 | 吸収性物品 |
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