JP2009148002A - ステータのレーシング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リード線の仮止めを不要にするとともに、リード線とレーシング針との接触を防止してコイルエンドに対するレーシングを行うことができるステータのレーシング方法を提供すること。
【解決手段】コイルエンド13に対してレーシングを行うステータ10のレーシング方法において、コイルエンド13から引き出された複数のリード線20U,20V,20W,22,22,22を、コイルエンド13上に立ち上げて一束に束ねる束ね工程と、束ね工程で束ねられたリード線の根元の一方側31をレーシング糸35によりコイルエンド13に押さえ付けた状態から、コイルエンド13に対するレーシングを開始して、ステータ周方向に連続的に縫い進めていき、束ねられたリード線の根元の他方側32に到達したところで縫い終わるレーシング工程とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステータの両端面から突出するコイルエンドを固定するためのレーシング方法に関する。
モータの構成部品であるステータは、ステータコアに形成された各スロットにコイルが装着され形成されている。そして、ステータには、ステータコアの両端面からコイルが突出した部分であるコイルエンドが形成されている。このコイルエンドは、モータを構成した際にロータやケースに接触するおそれがある。このため、コイルエンドを糸で縛り付けて(いわゆるレーシングにより)結束させて、その後、ワニス処理を施してコイルエンドを固定している。
ここで、レーシングを行う際には、ステータを間欠的に回転させるため、コイルエンドから引き出されているリード線が動いたり、コイルエンドから浮き上がったりして、レーシング針などに接触するおそれがある。このため、そのような接触を防止するために、レーシングを行う前にリード線を仮止めしておく必要がある。
このリード線の仮止めの技術としては、例えば、レーシング前に、手作業によりリード線を糸縛りして仮止めする方法がある。ところが、手作業では、生産性が低いという問題があった。これに対して、糸縛り装置によってリード線を仮止めする方法であれば、生産性を高めることはできるが、設備投資が大きくなってしまうという問題があった。
また、リード線の仮止めを行うことなくレーシングを実施する技術も提案されている(特許文献1)。この技術では、レーシング治具によって各リード線の立ち上がり部を順次押さえながら、コイルエンドに対するレーシングを行っている。これにより、リード線とレーシング針との接触を防止しつつ、作業性を向上させている。
特開2007−49767号公報
しかしながら、上記した特許文献1記載の技術では、レーシング治具による各リード線のクランプ/アンクランプを繰り返しながら、コイルエンドに対するレーシングを徐々に行っている。このため、生産性が低いという問題があった。
特に、コイルエンドに対するレーシングを必要とする大型のステータ、例えば、近年普及が進んでいる、エンジンとモータとを使用するハイブリッド車や、電気自動車などに使用されるモータのステータは、現状では大量生産が困難であり、高価なものとなっており、一層の普及を図って安価にするためには、ステータの低コスト大量生産を可能にする必要がある。そのためにも、レーシング時間を短縮する必要がある。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、リード線の仮止めを不要にするとともに、リード線とレーシング針との接触を防止してコイルエンドに対するレーシングを行うことができるステータのレーシング方法を提供することを課題とする。
上記問題点を解決するためになされた本発明に係るステータのレーシング方法は、ステータの両端面から突出するコイルエンドに対してレーシングを行うステータのレーシング方法において、前記コイルエンドから引き出された複数のリード線を、前記コイルエンド上の所定位置にて前記コイルエンドから立ち上げて一束に束ねる束ね工程と、前記束ね工程で束ねられたリード線の根元の一方側をレーシング糸により前記コイルエンドに押さえ付けた状態から、前記コイルエンドに対するレーシングを開始して、ステータ周方向に連続的に縫い進めていき、前記束ねられたリード線の根元の他方側に到達したところで縫い終わるレーシング工程と、を含むことを特徴とする。
なお、束ねられたリード線の根元の一方側および他方側とは、コイルエンド上に立ち上げられたリード線の根元位置のステータ周方向左右側を意味するものである。
このステータのレーシング方法では、束ね工程にて、コイルエンドから引き出された複数のリード線が、コイルエンド上の所定位置にてコイルエンドから立ち上げられて一束に束ねられる。そして、レーシング工程にて、束ねられたリード線の根元の一方側をコイルエンドに押さえ付けた状態でコイルエンドに対するレーシングが開始され、ステータ周方向に順次縫い進められていき、束ねられたリード線の根元の他方側に到達したところで縫い終えられる。このため、レーシング糸が縫い始められる位置においては、リード線がレーシング糸によりコイルエンドに押さえ付けられている。すなわち、リード線を仮止めしたのと同様な状態になっている。そして、この状態からレーシングが開始され、ステータ周方向へ連続的に縫い進められる。このため、他の手段を利用してリード線を仮止めしなくても、リード線の浮き上がりや不用意な動きを防止しつつレーシングを行うことができる。
なお、複数のリード線を束ねる際には、ステータ軸方向にほぼ平行な方向へ立ち上げることが好ましい。こうすることにより、立ち上げられたリード線とレーシング針との干渉領域が小さくなるので、リード線の根元においてレーシングが施されない部分を小さく(狭く)することができる。その結果、コイルエンドに対するレーシングをよりしっかりと結束することができるからである。
このように、本発明に係るステータのレーシング方法によれば、リード線の仮止め作業が不要であり、またステータ周方向に連続してレーシングを行うことができる。従って、レーシングの作業時間を大幅に短縮することができる。その結果、ステータの生産性を向上させることができる。
本発明に係るステータのレーシング方法においては、前記束ね工程では、樹脂製の治具を用いて前記複数のリード線を束ねて保持することが望ましい。
このような治具を用いることにより、複数のリード線を簡単かつ短時間で束ねて保持することできるため作業性が向上するので、レーシングの作業時間をさらに短縮することができる。その結果、ステータの生産性をより向上させることができる。
また、治具は、レーシング作業中、ステータとともに回転(インデックス)するため、できる限り軽い方が良いので樹脂製のものが最適である。さらに、樹脂製の治具を使用することにより、複数のリード線を束ねて保持する際に、リード線を損傷することも確実に防止することができる。
本発明に係るステータのレーシング方法においては、前記樹脂製の治具は、ステータコアの端面に配置されるベース部と、前記束ねられた複数のリード線を保持する保持部と、前記ベース部と前記保持部とを対向配置して連結するとともに、両者間の距離を調節する調節機構と、を有することが望ましい。
この治具により、複数のリード線を束ねて保持する場合には、ベース部がステータコア端面上に配置されるとともに、コイルエンド端面に保持部が配置された状態で、保持部により複数のリード線が束ねられて保持される。このとき、調節機構により、ベース部と保持部との距離が縮められて両部によってコイルエンドを狭持する。これにより、束ねられたリード線の根元が保持部によってコイルエンドに押さえ付けられる。そして、この状態で、コイルエンドに対するレーシングを行うと、リード線が浮き上がったり、不用意な動きをしたりすることなく、コイルエンドを連続的にレーシング糸で縫い上げることができる。
そして、このような治具を用いることにより、レーシング開始位置が、リード線を束ねた根元位置に限られなくなり、どの位置からでもレーシングを開始することができる。この場合、治具が設置されている位置は予め分かっているため、治具設置位置を飛ばしてレーシングすることができるので、治具とレーシング針とが接触することはない。
本発明によれば、上記した通り、リード線の仮止めを不要にするとともに、リード線とレーシング針との接触を防止してコイルエンドに対するレーシングを行うことができる。このため、レーシングの作業時間を短縮することができ、ステータの生産性を向上させることができる。
以下、本発明に係るステータのレーシング方法を具体化した最も好適な実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、本実施の形態は、エンジンとモータとを駆動源として使用するハイブリッド車に搭載される三相分布巻モータに備わるステータの製造工程に本発明を適用したものである。
そこで、まず、このステータについて図1を参照して簡単に説明する。図1は、ステータの概略構成を示す斜視図である。なお、図1では、各相動力線及び中性線をコイルエンドから立ち上げて一束に束ねた状態を示している。図1に示すように、ステータ10には、U,V,W相のコイル12U,12V,12Wが備わっている。具体的には、ステータ10は、複数枚の電磁鋼板が積層されて一体的に接着されて形成された円環形状のステータコア11に所定の間隔で形成されたスロットに、U,V,W相のコイル12U,12V,12Wが挿入されて構成されている。これら各相コイル12U,12V,12Wには、相互に1/3周期の位相差が設けられている。そして、これらの各相コイル12U,12V,12Wがステータコア11の端面から突出した部分でコイルエンド13が形成されている。このようなステータ10と、ステータ10の中心に回転可能に配置されるロータとが、ケースに収容されて三相モータが構成されるようになっている。
ここで、コイルエンド13において、U相コイル12Uからは、U相動力線20Uが引き出されている。このU相動力線20Uは、複数のコイル線(素線)からなるものである。そして、U相動力線20Uは、接続端子を取り付ける先端部を除き絶縁スリーブにより覆われている。
同様に、コイルエンド13において、V相コイル12Vからは、V相動力線20Vが引き出されている。このV相動力線20Vも、複数のコイル線(素線)からなるものである。そして、V相動力線20Vも、接続端子を取り付ける先端部を除き絶縁スリーブにより覆われている。
同様に、コイルエンド13において、W相コイル12Wからは、W相動力線20Wが引き出されている。このW相動力線20Wも、複数のコイル線(素線)からなるものである。そして、W相動力線20Wも、接続端子を取り付ける先端部を除き絶縁スリーブにより覆われている。
そして、U相コイル12U、V相コイル12V、及びW相コイル12Wにおいて、各動力線20U,20V,20Wとは反対側端部から、それぞれ中性線22,22,22が引き出されている。これらの中性線22,22,22は、最終的に一つにされて(接続されて)中性点を構成する。なお、中性線22,22,22も、接続される先端部を除き絶縁スリーブにより覆われている。
このように本実施の形態に係るステータ10では、コイルエンド13から各相動力線20U,20V,20W、及び中線線22,22,22の合計6本のリード線が引き出されている。そして、このようなステータ10が組み込まれたモータでは、ステータ10に備わる各相コイル12U,12V,12Wの動力線20U,20V,20Wに対して外部から電力が供給されて、ステータ10の中心に配置された不図示のロータが回転するようになっている。
ここで、ケース内にステータ10を組み入れた状態で、コイルエンド13がケースやロータに接触しないように、コイルエンド13に対して、レーシング処理及びワニス処理が実施される。そして、これらの処理により、各相コイル12U,12V,12Wのコイルエンド13が固定されるとともに絶縁される。
そこで、本発明の特徴であるコイルエンドに対するレーシング処理について、図1〜図6を参照しながら説明する。図2〜図5は、ステータのコイルエンドに対するレーシングの手順を説明するための説明図である。図6は、レーシング処理が終了したステータを示す斜視図である。
まず、レーシングを行う前に、図1に示すように、各相動力線20U,20V,20W、及び中性線22,22,22をコイルエンド13から立ち上げて一束に束ねて、それらを樹脂製のクリップ部材30により把持する。このクリップ部材30は樹脂製であるから、リード線20U,20V,20W,22,22,22を把持する際に、リード線20U,20V,20W,22,22,22の被覆などを損傷することがない。そして、この状態から、束ねられたリード線の根元の一方側31からレーシングを開始し、束ねられたリード線の根元の他方側32でレーシングを終了する。このコイルエンド13に対するレーシングは、ステータ10(ステータコア11)を所定角度ずつ回動(インデックス)させつつ、ステータ10の軸方向に移動可能であって給糸ノズル36から供給されるレーシング糸35を引っ掛けるレーシング針37との相互動作により実施される(図2〜図5参照)。
なお、束ねられたリード線の根元の一方側31および他方側32とは、コイルエンド13上に立ち上げられたリード線の根元位置のステータ周方向左右側を意味するものである。本字実施の形態では、図1において、コイルエンド13上に立ち上げられたリード線の根元位置のステータ周方向左側がリード線の根元の一方側31に相当し、リード線の根元位置のステータ周方向右側がリード線の根元の他方側32に相当する。そして、本実施の形態では、束ねられたリード線の根元の一方側31が、各相動力線20U,20V,20Wの立ち上がり部分と一致し、束ねられたリード線の根元の他方側32が、中性線22,22,22の立ち上がり部分と一致しているが、リード線の立ち上がり部分とリード線の根元の一方側又は他方側、あるいはその両方が一致しない場合もあり得る。例えば、リード線がステータ内周側又は外周側から立ち上がっているような場合である。このような場合であっても、束ねられたリード線の根元の一方側31からレーシングを開始し、束ねられたリード線の根元の他方側32でレーシングを終了するようにすればよい。
ここで、給糸ノズル36は、その中心軸線を中心に回動するとともに、ステータコア11の軸方向(図中上下方向)に揺動するようにされている。また、レーシング針37は、給糸ノズル36に向けてその中心軸線の方向に進退するようにされている。そして、給糸ノズル36とレーシング針37とは、ステータコア11の軸方向に連動して揺動するよう構成されている。これにより、給糸ノズル36とレーシング針37とは、不図示のインデックス機構によりステータコア11を所定角度相対回転させる毎に、コイルエンド13の径方向に向けてレーシング糸35による結束を行うようになっている。
具体的には、給糸ノズル36とレーシング針37とよるコイルエンド13のレーシング処理は次のようにして行われる。すなわち、まず、図2に示すように、リード線の根元の一方側(動力線20U,20V,20W側)31におけるコイルエンド13の上方にて、給糸ノズル36から送出されたレーシング糸35を、レーシング針37によって掛止させて張設する。なお、給糸ノズル36から送出したレーシング糸35の先端部は、レーシング装置の適宜箇所に掛止されている。
次に、図3に示すように、給糸ノズル36とレーシング針37とを下方へ揺動させる。これにより、リード線の根元の一方側31がレーシング糸35によりコイルエンド13に押さえ付けられる。つまり、リード線(動力線20U,20V,20W)を仮止めしたのと同様の状態になる。このため、リード線の根元の一方側31において、動力線20U,20V,20Wの浮き上がりが防止される。
この状態から、図4に示すように、給糸ノズル36を回動させて、レーシング針36におけるレーシング35の掛止状態を解除するととともに、給糸ノズル36をレーシング糸35同士の間に挿通させ、レーシング針37を給糸ノズル36に向けて前進(ステータ径方向内側へ移動)させる。そして、レーシング針37を再び回動させ、給糸ノズル36から送出されたレーシング糸35をレーシング針37に再び掛止させる。このとき、コイルエンド13の内周側、外周側及び上端側には、レーシング糸35が巻き付けられる。
次いで、図5に示すように、レーシング針37を給糸ノズル36から後退(ステータ径方向外側へ移動)させ、レーシング針37に掛止したレーシング糸35を、コイルエンド13の外周側に巻き付けたレーシング糸35同士の間を通過させる。そして、給糸ノズル36とレーシング針37とを上方に揺動させることにより、コイルエンド13の周方向における1箇所のレーシングが終了する。
その後、ステータコア11を所定角度回転させるとともに、上記したレーシングがリード線の根元の他方側(中性線22,22,22側)32まで繰り返し行われて、図6に示すように、コイルエンド13の全周に対して複数の箇所を所定の間隔でレーシング処理が施される。このとき、コイルエンド13から引き出されているリード線20U,20V,20Wは、その根元の一方側31でレーシング糸35によって押さえ付けられている。また、リード線を束ねているクリップ部材30は樹脂製であり軽量である。このため、従来のようにリード線20U,20V,20W,22,22,22の仮止めを行わなくても、レーシング処理中に、リード線20U,20V,20W,22,22,22が浮き上がったり、不用意に動くことがない。従って、リード線20U,20V,20W,22,22,22とレーシング針37とが接触することを確実に防止することができ、コイルエンド13に対するレーシングをしっかり行うことができる。そして、リード線20U,20V,20W,22,22,22の仮止めが不要になることと、レーシングを連続的に行うことができることから、レーシングの作業時間を大幅に短縮することができる。その結果として、ステータの生産性を向上させることができる。
ここで、クリップ部材30の変形例について説明する。この変形例に係るクランプ治具は、リード線の浮き上がりや不用意な動きをより効果的に防止することができるように構成されている。そこで、このクランプ治具について図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、クランプ治具の概略構成を示す斜視図である。図8は、クランプ治具をステータにセットした状態のステータの斜視図である。
図7に示すように、クランプ治具40には、ベース板41と、保持板42と、これら両者を対向配置させた状態で連結するとともに、両者間の距離を調節する調節機構43とを備えている。ベース板41は、ステータコア11の端面に配置されるものであり、ステータコア11のスロット間に配置(挿入)されるカフス部41aが形成されている。そして、カフス部41aをステータコア11の端面とコイルエンド13との間に配置(挿入)することにより、クランプ治具40の位置決めが行われるようになっている。このベース板41の外側端部(ステータコア11に配置した際に外周側となる部分)に、2本のスタットボルト43a,43aが立設されている。
これらのスタットボルト43a,43aの先端部は、保持板42に形成された貫通孔に挿通されている。そして、スタットボルト43a,43aのうち保持板42から突出した部分にナット43b,43bが螺合されている。これにより、ベース板41と保持板42とは、対向配置された状態でスタットボルト43a,43aにより連結されている。そして、ナット43b,43bにより、ベース板41と保持板42と間隔を調節することができるようになっている。つまり、調節機構43は、スタットボルト43a,43aとナット43b,43bとにより構成されている。
このようなクランプ治具40をステータ10にセットする手順について簡単に説明する。まず、クランプ治具40において、ナット43b,43bを緩め、ベース板41と保持板42との間隔をコイルエンド13の高さよりも大きくする。この状態で、ベース板41のカフス部41aを所定のスロット間に配置(挿入)する。これにより、ベース板41はステータコア11の端面上に配置され、保持板42はコイルエンド13上に配置される。このとき、保持板42は、コイルエンド13から立ち上げられ束ねられた各相動力線20U,20V,20W、及び中性線22,22,22を保持する。そして、ナット43b,43bを締め付ける。これにより、ベース板41と保持板42との間隔が縮まるため、ベース板41と保持板42とが、コイルエンド13を狭持する。その結果、図8に示すように、保持板42により、束ねられたリード線の根元部がステータ周方向左右でコイルエンド13上に押さえ付けられる。
そして、この状態で、コイルエンド13に対するレーシングを行うと、リード線20U,20V,20W,22,22,22が浮き上がったり、不用意な動きをしたりすることなく、コイルエンド13を連続的にレーシング糸35で縫い上げることができる。ここで、クランプ治具40を用いると、レーシング開始位置が、リード線を束ねた根元位置に限られなくなり、どの位置からでもレーシングを開始することができる。なお、クランプ治具40が設置される位置は予め分かっているため、治具設置位置を飛ばしてレーシングすることができるので、クランプ治具40とレーシング針37とが接触することはない。
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係るステータのレーシング方法では、コイルエンド13から引き出された複数のリード線20U,20V,20W,22,22,22を、立ち上げて一束に束ね、それらをクリップ部材30で把持する。そして、束ねられたリード線の根元の一方側(動力線20U,20V,20W側)31をレーシング糸35によりコイルエンド13に押さえ付けた状態から、コイルエンド13に対する給糸ノズル36とレーシング針37とによってレーシング糸35のレーシングを開始して、ステータ周方向に連続的にレーシング糸35を縫い進めていき、リード線の根元の他方側(中性線22,22,22側)32に到達したところで縫い終える。
このため、レーシング開始時には、コイルエンド13から引き出されている動力線20U,20V,20Wが、その根元の一方側31でレーシング糸35によって押さえ付けられている。そして、リード線20U,20V,20W,22,22,22を含め、コイルエンド13が順にレーシング糸35により結束されていく。また、リード線20U,20V,20W,22,22,22を束ねているクリップ部材30は樹脂製であり軽量である。よって、従来のようにリード線20U,20V,20W,22,22,22の仮止めを行わなくても、レーシング処理中に、リード線20U,20V,20W,22,22,22が浮き上がったり、不用意に動いたりすることを防止することができる。
従って、リード線20U,20V,20W,22,22,22とレーシング針37とが接触することを確実に防止することができ、コイルエンド13に対するレーシングをしっかり行うことができる。そして、リード線20U,20V,20W,22,22,22の仮止めが不要になることと、レーシングを連続的に行うことができることから、レーシングの作業時間を大幅に短縮することができる。その結果として、ステータの生産性を向上させることができる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施の形態では、リード線の根元の一方側31からレーシングを開始し、時計回りに順次レーシングを実施して、リード線の根元の他方側32でレーシングを終了したが、これとは逆に、リード線の根元の他方側32からレーシングを開始して、反時計回りに順次レーシングを実施して、リード線の根元の一方側31でレーシングを終了するようにすることもできる。
また、上記した実施の形態では、三相ステータ10に対するレーシング処理に対して本発明を適用した場合を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限られることなく、レーシング処理が必要とされる多相ステータであれば本発明を適用することができる。
ステータ(各相動力線及び中性線をコイルエンドから立ち上げて一束に束ねた状態)の概略構成を示す斜視図である。 ステータのコイルエンドに対するレーシングの手順を説明するための説明図である。 ステータのコイルエンドに対するレーシングの手順を説明するための説明図である。 ステータのコイルエンドに対するレーシングの手順を説明するための説明図である。 ステータのコイルエンドに対するレーシングの手順を説明するための説明図である。 レーシング処理が終了したステータを示す斜視図である。 クランプ治具の概略構成を示す斜視図である。 クランプ治具をステータにセットした状態のステータの斜視図である。
符号の説明
10 ステータ
11 ステータコア
12U U相コイル
12V V相コイル
12W W相コイル
13 コイルエンド
20U U相動力線
20V V相動力線
20W W相動力線
22 中性線
30 クリップ部材
31 リード線の根元の一方側
32 リード線の根元の他方側
35 レーシング糸
36 給糸ノズル
37 レーシング針

Claims (3)

  1. ステータの両端面から突出するコイルエンドに対してレーシングを行うステータのレーシング方法において、
    前記コイルエンドから引き出された複数のリード線を、前記コイルエンド上の所定位置にて前記コイルエンドから立ち上げて一束に束ねる束ね工程と、
    前記束ね工程で束ねられたリード線の根元の一方側をレーシング糸により前記コイルエンドに押さえ付けた状態から、前記コイルエンドに対するレーシングを開始して、ステータ周方向に連続的に縫い進めていき、前記束ねられたリード線の根元の他方側に到達したところで縫い終わるレーシング工程と、
    を含むことを特徴とするステータのレーシング方法。
  2. 請求項1に記載するステータのレーシング方法において、
    前記束ね工程では、樹脂製の治具を用いて前記複数のリード線を束ねて保持する
    ことを特徴とするステータのレーシング方法。
  3. 請求項2に記載するステータのレーシング方法において、
    前記樹脂製の治具は、
    ステータコアの端面に配置されるベース部と、
    前記束ねられた複数のリード線を保持する保持部と、
    前記ベース部と前記保持部とを対向配置して連結するとともに、両者間の距離を調節する調節機構と、
    を有することを特徴とするステータのレーシング方法。
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