JP2009147625A - エコーキャンセル装置、カラオケ装置、エコーキャンセル方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の実施形態に係るカラオケ装置1は、2つのタイミングでの収音内容を示すオーディオ信号と、各スピーカ16−L、16−Rに供給されるオーディオ信号とに基づいて、生成される複素ベクトルを用いて所定の演算を行い、この演算を複数回行って平均を用いることにより、ステレオ状態であっても各スピーカ16−L、16−Rからマイクロフォン17−Mへの伝達関数HL、HRを少ない演算数で簡易に算出することができる。また、モノラル状態における伝達関数HAを算出することにより、ステレオ状態とモノラル状態とを切り替えて、エコーキャンセル機能を実現することもできる。
【選択図】図3
Description
HL=Ave((R2*M1−R1*M2)*C*)/Ave(C*C*)
HR=Ave((L1*M2−L2*M1)*C*)/Ave(C*C*)
ただし、
L1、R1、M1:前記選択手段が選択した2つの組のうち、一方の組の複素ベクトル
L2、R2、M2:前記選択手段が選択した2つの組のうち、もう一方の組の複素ベクトル
X*Y:複素ベクトルXとYとの対応する要素ごとの積
X/Y:複素ベクトルXとYとの対応する要素ごとの商
C=L1*R2−L2*R1
C*:Cの共役複素数
Ave(Z):前記選択手段が2つの組を選択するたびに計算される複素ベクトルZの平均
HA=Ave(M*A*)/Ave(A*A*)
ただし、
X*Y:複素ベクトルXとYとの対応する要素ごとの積
X/Y:複素ベクトルXとYとの対応する要素ごとの商
A*:Aの共役複素数
Ave(Z):前記第2の記憶手段に記憶された組ごとに計算される複素ベクトルZの平均
P=Ave(L1*R2−L2*R1)/Ave(L1*R2+L2*R1)
但し、
X*Y:複素ベクトルXとYとの対応する要素ごとの積
X/Y:複素ベクトルXとYとの対応する要素ごとの商
Ave(Z):前記選択手段が2つの組を選択するたびに計算される複素ベクトルZの平均
本発明の実施形態に係るカラオケ装置1は、後述するようなエコーキャンセル機能を有している。図1に示すように、各スピーカ16−L、16−Rからの放音をマイクロフォン17−Mで収音し、各スピーカ16−L、16−Rに供給されるオーディオ信号と、マイクロフォン17−Mの収音内容に基づいて、スピーカ16−Lからマイクロフォン17−Mへの伝達関数HL、スピーカ16−Rからマイクロフォン17−Mへの伝達関数HRを計算することによって、エコーキャンセル機能を実現する。
Pam=(L1m*R2m−L2m*R1m)・・・(1)
Pbm=(L1m*R2m+L2m*R1m)・・・(2)
ただし、「X*Y」は、複素ベクトルXとYとの対応する要素(周波数領域)ごとの積(以下の数式においても同じ)を示す。例えば、複素ベクトルXが{x1,x2,x3}という要素で表され、Yが{y1,y2,y3}という要素で表される場合には、「X*Y」は、{x1×y1,x2×y2,x3×y3}という要素で表されるベクトルになるような演算を行うものである。また、m=1、2、・・・、nであり、L1mは、選択部1013においてm回目に選択された2つの組の一方の組の複素ベクトルL1を示す。L2m、R1m、R2m、また、後述するAm,MmについてもL1mと同様である。
P=Ave(Pam)/Ave(Pbm)・・・(3)
ただし、「X/Y」は、複素ベクトルXとYとの対応する要素ごとの商(以下の数式においても同じ)を示す。例えば、複素ベクトルXが{x1,x2,x3}という要素で表され、Yが{y1,y2,y3}という要素で表される場合には、「X/Y」は、{x1/y1,x2/y2,x3/y3}という要素で表されるベクトルになるような演算を行うものである。「Ave(Zm)」は、m=1〜nの複素ベクトルZの平均(以下の数式においても同じ)であり、Ave(Zm)=(Z1+Z2+・・・+Zn)/nを示す。
HLm=(R2m*M1m−R1m*M2m)・・・(4)
HRm=(L1m*M2m−L2m*M1m)・・・(5)
Cm=(L1m*R2m−L2m*R1m)・・・(6)
HL=Ave(HLm*Cm*)/Ave(Cm*Cm*)・・・(7)
HR=Ave(HRm*Cm*)/Ave(Cm*Cm*)・・・(8)
ただし、「Cm*」は、Cmの共役複素数(以下の数式においても同じ)である。
M1=HL*L1+HR*R1+E1・・・(9)
M2=HL*L2+HR*R2+E2・・・(10)
HL=(R2*(M1−E1)−R1*(M2−E2))/(L1*R2−L2*R1)
・・・(11)
HL=((R2*(M1−E1)−R1*(M2−E2))*C*)/(C*C*)
=((R2*M1*C*)−(R2*E1*C*)−(R1*M2*C*)+(R1*E2*C*))/(C*C*)・・・(12)
HL=Ave((R2*M1−R1*M2)*C*)/Ave(C*C*)・・・(13)
HR=Ave((L1*M2−L2*M1)*C*)/Ave(C*C*)・・・(14)
HA=Ave(Mm*Am*)/Ave(Am*Am*)・・・(15)
M=HA*A+E・・・(16)
よって、
HA=(M−E)/A・・・(17)
となる。
HA=((M−E)*A*)/A*A*
=((M*A*)−(E*A*))/(A*A*)・・・(18)
HA=Ave(M*A*)/Ave(A*A*)・・・(19)
上述した実施形態においては、判定部101、ステレオ伝達関数算出部102、モノラル伝達関数算出部106のFFT部1011、1021、1061およびバッファ部1012、1022、1062についてはは、各々別々に機能するものとしていたが、これらを共通化したFFT部、バッファ部を設けるようにしてもよい。この場合には、共通化したFFT部は、共通のタイミングで入力信号、伴奏信号Lch、伴奏信号Rch、伴奏信号AについてのFFTを行って、これらの複素ベクトルM、L、R、Aをそのタイミングごとにまとめて組にして、共通化したバッファ部に記憶させるようにすればよい。そして、判定部101、ステレオ伝達関数算出部102、モノラル伝達関数算出部106の選択部1013、1023、1063は、複素ベクトルの組を選択するときには、共通化したバッファから、選択した組を構成する複素ベクトルのうち必要な複素ベクトル、例えば選択部1013であれば、選択した組を構成する複素ベクトルのうち複素ベクトルL、Rを抽出するようにすればよい。このようにすれば、CPU11の処理負担を低減することができる。
実施形態においては、判定部101は、上述したように複素ベクトルを用いた所定の数式を用いて相違度Pを算出し、相違度Pに基づいてステレオ状態かモノラル状態かの判定を行っていたが、これ以外の方法によって判定を行なってもよい。例えば、伴奏信号Lchと伴奏信号Rchとの差または比に基づいて相違度Pを算出してもよい。また、通信部18が受信する演奏データがステレオ方式であるか否かを示す情報を有するようにすれば、判定部101は、この情報を用いてステレオ状態かモノラル状態かを判定してもよい。また、このような情報がなくても、判定部101は、演奏データを解析してステレオ状態かモノラル状態かを判定するようにしてもよい。このように、判定部101は、ステレオ状態かモノラル状態かの判定の際に、伴奏信号Lchと伴奏信号Rchとがステレオ方式の信号か否かを判定できればよいから、様々な方法で判定を行うことができる。
実施形態においては、音声出力部16が有するスピーカはスピーカ16−L、16−Rの2つであったが、より多くの数であってもよい。この場合には、選択部1023において選択する組の数をスピーカの数に応じて増加させればよい。例えば、スピーカが3つであれば、3元連立方程式を解くことで計算可能であるから、バッファ部1022に記憶された複数の複素ベクトルの組から3つの組を選択し、所定のアルゴリズムで計算を行い、この計算結果の平均を算出するようにすればよい。
実施形態においては、マイクロフォン17−Mは1つであったが、複数であってもよい。この場合には、各スピーカ16−L、16−Rからそれぞれのマイクロフォン17−Mへの伝達関数を算出し、算出した伝達関数と伴奏信号Lch、伴奏信号Rchとに基づいて生成される各キャンセル信号を、対応するマイクロフォン17−Mに係る入力信号から減算するようにすればよい。
Claims (9)
- 供給される第1のオーディオ信号を放音する第1の放音手段と、
供給される第2のオーディオ信号を放音する第2の放音手段と、
入力される音を入力信号として出力する収音手段と、
前記第1の放音手段に供給される第1のオーディオ信号、前記第2の放音手段に供給される第2のオーディオ信号および前記収音手段から出力される入力信号を、所定のタイミングでフーリエ変換を行うことにより、それぞれ周波数領域の複素ベクトルL、R、Mを生成する処理を複数回行う変換手段と、
前記変換手段によって生成された複素ベクトルL、R、Mを、フーリエ変換が行われたタイミングごとに組にして記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶される複数の複素ベクトルの組から2つの組を選択する処理を、複数回行う選択手段と、
前記選択手段における選択が行われるたびに、所定の数式を用いて当該選択した2つの組に対応する値を算出し、当該算出された複数の値の平均に基づいて、第1の伝達関数HLおよび第2の伝達関数HRを算出する算出手段と
を具備することを特徴とするエコーキャンセル装置。 - 前記算出手段は、以下の数式により第1の伝達関数HLおよび第2の伝達関数HRを算出する
HL=Ave((R2*M1−R1*M2)*C*)/Ave(C*C*)
HR=Ave((L1*M2−L2*M1)*C*)/Ave(C*C*)
ただし、
L1、R1、M1:前記選択手段が選択した2つの組のうち、一方の組の複素ベクトル
L2、R2、M2:前記選択手段が選択した2つの組のうち、もう一方の組の複素ベクトル
X*Y:複素ベクトルXとYとの対応する要素ごとの積
X/Y:複素ベクトルXとYとの対応する要素ごとの商
C=L1*R2−L2*R1
C*:Cの共役複素数
Ave(Z):前記選択手段が2つの組を選択するたびに計算される複素ベクトルZの平均
ことを特徴とする請求項1に記載のエコーキャンセル装置。 - 前記第1の放音手段に供給される第1のオーディオ信号と前記第2の放音手段に供給される第2のオーディオ信号とを加算して第3のオーディオ信号を出力する加算手段と、
前記第3のオーディオ信号および前記収音手段から出力される入力信号を、所定のタイミングでフーリエ変換を行うことにより、それぞれ周波数領域の複素ベクトルA、Mを生成する処理を複数回行う第2の変換手段と、
前記第2の変換手段によって生成された複素ベクトルA、Mを、フーリエ変換が行われたタイミングごとに組にして記憶する第2の記憶手段と、
所定の数式を用いて前記第2の記憶手段に記憶された複数の組の各々に対応する値を算出し、当該算出された複数の値の平均に基づいて、第3の伝達関数HAを算出する第2の算出手段と、
前記第2の算出手段が算出した第3の伝達関数HAと前記加算手段から出力される第3のオーディオ信号とに基づいてモノラルキャンセル信号を生成するモノラルキャンセル信号生成手段と、
前記算出手段が算出した第1の伝達関数HLと前記第1の放音手段に供給される第1のオーディオ信号とに基づいて第1のキャンセル信号を生成し、前記算出手段が算出した第2の伝達関数HRと前記第2の放音手段に供給される第2のオーディオ信号とに基づいて第2のキャンセル信号を生成し、当該生成した第1のキャンセル信号と第2のキャンセル信号とを加算してステレオキャンセル信号を生成するステレオキャンセル信号生成手段と、
前記第1の放音手段に供給される第1のオーディオ信号と前記第2の放音手段に供給される第2のオーディオ信号とに基づいて、当該第1のオーディオ信号と当該第2のオーディオ信号との違いの程度を示す相違度Pを算出し、当該算出した相違度Pが所定値以上であるか否かにより、ステレオ状態かモノラル状態かを判定する判定手段と、
前記判定手段がステレオ状態と判定した場合には、前記収音手段から出力された入力信号から前記ステレオキャンセル信号を減算した信号を出力し、前記判定手段がモノラル状態と判定した場合には、前記収音手段から出力された入力信号から前記モノラルキャンセル信号を減算した信号を出力する出力手段と
を具備する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエコーキャンセル装置。 - 前記第2の算出手段は、以下の数式により第1の伝達関数HLおよび第2の伝達関数HRを算出する
HA=Ave(M*A*)/Ave(A*A*)
ただし、
X*Y:複素ベクトルXとYとの対応する要素ごとの積
X/Y:複素ベクトルXとYとの対応する要素ごとの商
A*:Aの共役複素数
Ave(Z):前記第2の記憶手段に記憶された組ごとに計算される複素ベクトルZの平均
ことを特徴とする請求項3に記載のエコーキャンセル装置。 - 前記判定手段は、以下の数式により相違度Pを算出する
P=Ave(L1*R2−L2*R1)/Ave(L1*R2+L2*R1)
但し、
X*Y:複素ベクトルXとYとの対応する要素ごとの積
X/Y:複素ベクトルXとYとの対応する要素ごとの商
Ave(Z):前記選択手段が2つの組を選択するたびに計算される複素ベクトルZの平均
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のエコーキャンセル装置。 - 前記算出手段が算出した第1の伝達関数HLと前記第1の放音手段に供給される第1のオーディオ信号とに基づいて第1のキャンセル信号を生成し、前記算出手段が算出した第2の伝達関数HRと前記第2の放音手段に供給される第2のオーディオ信号とに基づいて第2のキャンセル信号を生成し、当該生成した第1のキャンセル信号と第2のキャンセル信号とを加算してステレオキャンセル信号を生成するステレオキャンセル信号生成手段と、
前記収音手段から出力された入力信号からステレオキャンセル信号を減算して出力する出力手段と
をさらに具備する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエコーキャンセル装置。 - 請求項3乃至請求項6のいずれかに記載のエコーキャンセル装置と、
前記出力手段から出力された信号に基づいて、ピッチを算出するピッチ算出手段と
を具備することを特徴とするカラオケ装置。 - 供給される第1のオーディオ信号を放音する第1の放音過程と、
供給される第2のオーディオ信号を放音する第2の放音過程と、
入力される音を入力信号として出力する収音過程と、
前記第1の放音過程において供給される第1のオーディオ信号、前記第2の放音過程において供給される第2のオーディオ信号および前記収音過程によって出力される入力信号を、所定のタイミングでフーリエ変換を行うことにより、それぞれ周波数領域の複素ベクトルL、R、Mを生成する処理を複数回行う変換過程と、
前記変換過程によって生成された複素ベクトルL、R、Mを、フーリエ変換が行われたタイミングごとに組にして記憶手段に記憶する記憶過程と、
前記記憶手段に記憶される複数の複素ベクトルの組から2つの組を選択する処理を、複数回行う選択過程と、
前記選択過程における選択が行われるたびに、所定の数式によって当該選択した2つの組に基づく値を算出し、当該算出された複数の値の平均に基づいて、第1の伝達関数HLおよび第2の伝達関数HRを算出する算出過程と
を備えることを特徴とするエコーキャンセル方法。 - コンピュータに、
供給される第1のオーディオ信号を放音する第1の放音機能と、
供給される第2のオーディオ信号を放音する第2の放音機能と、
入力される音を入力信号として出力する収音機能と、
前記第1の放音機能において供給される第1のオーディオ信号、前記第2の放音機能において供給される第2のオーディオ信号および前記収音機能によって出力される入力信号を、所定のタイミングでフーリエ変換を行うことにより、それぞれ周波数領域の複素ベクトルL、R、Mを生成する処理を複数回行う変換機能と、
前記変換機能によって生成された複素ベクトルL、R、Mを、フーリエ変換が行われたタイミングごとに組にして記憶手段に記憶する記憶機能と、
前記記憶手段に記憶される複数の複素ベクトルの組から2つの組を選択する処理を、複数回行う選択機能と、
前記選択機能における選択が行われるたびに、所定の数式を用いて当該選択した2つの組に対応する値を算出し、当該算出された複数の値の平均に基づいて、第1の伝達関数HLおよび第2の伝達関数HRを算出する算出機能と
を実現するためのプログラム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7928307B2 (en) * | 2008-11-03 | 2011-04-19 | Qnx Software Systems Co. | Karaoke system |
JP2013519107A (ja) * | 2010-02-02 | 2013-05-23 | クリエイティブ、テクノロジー、リミテッド | カラオケ可能な装置 |
JP2015130606A (ja) * | 2014-01-08 | 2015-07-16 | 富士通株式会社 | 音声通信装置および音響補正プログラム |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007174190A (ja) * | 2005-12-21 | 2007-07-05 | Yamaha Corp | オーディオシステム |
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2007
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US7928307B2 (en) * | 2008-11-03 | 2011-04-19 | Qnx Software Systems Co. | Karaoke system |
JP2013519107A (ja) * | 2010-02-02 | 2013-05-23 | クリエイティブ、テクノロジー、リミテッド | カラオケ可能な装置 |
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